JP5401703B2 - モールド金型 - Google Patents

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Description

本発明はモールド金型に関する。
電子部品の樹脂封止方式としては、被成形品をモールド金型に載置し、型閉じ後、ポット内の封止樹脂をプランジャによりキャビティに圧送して被成形品を樹脂封止するトランスファ成形方式のモールド装置が広く知られている。
上記モールド装置に用いられるモールド金型は、被成形品のキャビティ周りに樹脂を漏らさないようにするため、キャビティ周りで幅1mm程度の突起があり、被成形品を確実にクランプする設計である。この樹脂封止される被成形品の厚みには公差があり、公差の範囲内で最も薄い被成形品をモールド金型にセットした場合でも樹脂漏れなく確実にクランプさせるため、被成形品をセットする掘り込み深さは被成形品厚さよりもわずか浅く掘り込まれている。すなわち、キャビティ周りのクランプ部以外の箇所はわずかな隙間が発生する設計が適用されている。このため、上型センターインサートと下型センターインサート間には、厚さ方向に0.01mm程度の隙間が形成されることになる。また、キャビティ周りのクランプ部を外れた部分は厚さ方向に0.02mm程度の隙間が形成されている。このため、ポットからキャビティへ金型カル、金型ランナ・ゲートを通じて封止樹脂を圧送する際に、所謂樹脂フラッシュと呼ばれる薄バリが当該隙間に発生し易い傾向にあった。
この樹脂フラッシュは、何時、どこで金型表面から離脱するのかは予想することができず、仮に金型内に飛散し落下した場合には、次の製品が不良となってしまう。また、キャビティ周りで発生した樹脂フラッシュは最終製品上となる箇所のため、後工程で新たに樹脂フラッシュを除去する必要があり、生産効率の低下及び品質不良を招くおそれがある。
上述した樹脂フラッシュを防ぐために、様々なモールド金型が提案されている。例えば、キャビティの樹脂注入終端側に弾性材を突出させて埋設したものや(特許文献1参照)、キャビティの周縁部でクランプされるリードフレームの表裏面を圧接する突条面を設けたもの(特許文献2参照)、或いは予め金型カル周り及び金型ランナ周縁部に厚バリを設けて樹脂を硬化させておき、樹脂フラッシュによる悪影響が無いようにするものも提案されている(特許文献3参照)。
特開平10−44180号公報 実開平2−68114号公報 特開平3−79319号公報
しかしながら、近年LED素子を実装した被成形品を樹脂封止する場合、従来の比較的粘度が高く流動性の低いエポキシ系封止樹脂よりも低粘度で浸透性が高いシリカ含有量の少ない封止樹脂が用いられるようになった。この場合、従来のモールド金型を用いた場合には、以下に述べる不具合が生ずる。
例えば、図9(B)に示すように、下型センターインサート240と上型センターインサート130との隙間Sや、キャビティインサートにおけるキャビティ周りのクランプ部を外れた隙間Sを通じて金型カル120周りに樹脂フラッシュを生ずる。
具体的には、図9(A)に示すように、モールド金型のクランプ力は専ら被成形品400のキャビティ周りにおいて有効に作用するため、このクランプ力が弱まるカル部120の外周縁246から樹脂232が漏れ出す(図9(A)の平面図におけるハッチング部分)。また、上記下型センターインサート240の平面領域に漏れ出した樹脂232が、被成形品400のクランプ部160の周縁部に沿って下型キャビティインサート250の平面領域 (図9(A)内において破線で囲んだ部分)へ漏れ出すと成形不良になってしまう。
本願発明は、低粘性で浸透性が高い封止樹脂を用いても、センターインサートの金型クランプ面に形成される隙間から漏れ出した封止樹脂をセンターインサート側のクランプ領域内に留めておくことにより、成形不良を低減したモールド金型を提供することにある。
上記課題を解決し、以下に述べる実施形態に適用される手段は、以下の構成を有する。
すなわち、上型センターインサートおよび上型キャビティインサートを有する上金型と、下型センターインサートおよび下型キャビティインサートを有する下金型とを備え、前記上型センターインサートの前記上型キャビティインサートと隣接する端縁部若しくは前記下型センターインサートの前記下型キャビティインサートと隣接する端縁部に沿って連なり、当該上型若しくは下型センターインサートに形成された金型ランナと交差するように突出する突出部が形成されていることを特徴とする。
また、前記突出部は、モールド金型により被成形品がクランプされると、当該クランプされた被成形品の上面若しくは下面の高さ位置と面一となる高さに突出形成されていることを特徴とする。
また、前記下型若しくは上型センターインサートのパーティング面には、対向する前記上型若しくは下型センターインサートに形成された金型カル部の外周縁に沿ってカル部のある金型に浅溝部が形成され、カル部の無い金型の浅溝部より内側に凹溝が形成されていることを特徴とする。
上述したモールド金型を用いれば、ポットより押し出された低粘度で浸透性が高い封止樹脂は、センターインサートに形成された金型カル部の周縁部からパーティング面に漏れ出すが、上型センターインサートの上型キャビティインサートと隣接する端縁部若しくは下型センターインサートの下型キャビティインサートと隣接する端縁部に沿って形成された金型ランナと交差するように突出する突出部で堰き止められる。したがって、センターインサートの金型クランプ面に形成される隙間から漏れ出した封止樹脂を当該センターインサートのクランプ領域内に留めておくことにより、成形不良を低減することが可能になる。特には、被成形品に樹脂フラッシュを出さない。
また、突出部は、モールド金型により被成形品がクランプされると、当該クランプされた被成形品の上面若しくは下面の高さ位置と面一となる高さに突出形成されているので、金型ランナを圧送される封止樹脂がセンターインサートからキャビティインサートへ漏れ出すことを抑えることができる。
また、下型若しくは上型センターインサートのパーティング面には、対向する上型若しくは下型センターインサートに形成された一方金型に金型カル部の外周縁に沿って浅溝部および他方金型に凹溝が形成されていると、金型カル部の外周縁から漏れ出す封止樹脂を浅溝部および凹溝に収容して流頭部分の熱硬化が促進され、金型カル部の外周縁部へ更なる封止樹脂が漏れ出すことを抑制することができる。
また、突出部が、上型センターインサート若しくは下型センターインサートとは同一部材により形成される場合には、従来のモールド金型をフライス加工することで形成することができる。或いは、突出部が、上型センターインサート若しくは下型センターインサートと別部材により形成される場合には、金型加工を施すことなく低コストで突出部を形成することができる。
上記突出部として別部材を用いた場合の弾性係数は、上型センターインサート及び下型センターンサートの弾性係数よりも小さくすれば、モールド金型により被成形品をクランプした際における突出部の変形量を増やすことができ、センターインサートからキャビティインサート側への樹脂漏れの発生を確実に抑えることが可能になる。
第1実施形態におけるモールド金型の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態にかかる下型センターインサートの要部平面図(A)およびA−A線における断面図(B)である。 第1実施形態にかかるモールド金型を備えたモールド装置を用いて樹脂成形した際のセンターインサート付近における各工程の概略状態を示す上型平面図(A)、下型平面図(B)および断面図(C)である。 第1実施形態にかかるモールド金型を備えたモールド装置を用いて樹脂成形した際のセンターインサート付近における各工程の概略状態を示す平面図(A)および断面図(B)である。 第2実施形態におけるモールド金型の概略構成を示す断面図である。 第2実施形態にかかるモールド金型を備えたモールド装置を用いて樹脂成形した際のセンターインサート付近における各工程の概略状態を示す平面図(A)および断面図(B)である。 第2実施形態にかかるモールド金型を備えたモールド装置を用いて樹脂成形した際のセンターインサート付近における各工程の概略状態を示す平面図(A)および断面図(B)である。 第3の実施形態にかかるモールド金型の上金型および下金型の金型面の一例を示す平面図である。 従来のモールド装置を用いた樹脂成形時のセンターインサート付近における概略状態を示す平面図(A)および断面図(B)である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、第1実施形態におけるモールド金型の概略構成を示す断面図である。図2は、第1実施形態にかかる下型センターインサートの要部平面図(A)およびA−A線における断面図(B)である。
本実施形態のモールド金型300は、図示しないLED素子を搭載した被成形品400(一例として、リードフレーム、サブストレート、多層基板、BT基板)に対し、LED素子を樹脂封止してLED装置を製造するものである。図1に示すようにモールド金型300は、上型センターインサート130および上型キャビティインサート140を有する上金型100と、下型センターインサート240および下型キャビティインサート250を有する下金型200とにより構成されている。図2においては、プランジャ220が2つのみ示されているが、これは図2(A)の上下部分の先端部が省略されているためであり、実際には3つ以上のプランジャ220が配設されている。
図1に示すように、上金型100は、上型チェイスブロック180と、上型カル部120が形成された上型センターインサート130と、キャビティ凹部190が設けられた上型キャビティインサート140と、を有している。なお、金型には離型の為のエジェクタピン(図示せず)が適便配設されている。上金型100のパーティング面には、上型カル部120とキャビティ凹部190とを連通する上型ランナ・ゲート(金型ランナ)170が刻設されている。
上型カル部120は、天井面からパーティング面側にむけて徐々に拡径する断面台形状に形成されていて、パーティング面における外周縁部が所要深さでさらに外方に拡径した浅溝部122を有している。図1では浅溝部122の幅寸法および深さ寸法を誇張して表現しているが、浅溝部122の実際の深さは、0.1mm〜0.2mm程度である。上型カル部120の外周縁に形成された浅溝部122により、上型カル部120に押し出された封止樹脂230の流頭部分と上金型100との接触面積が増加する。これにより上型カル部120における封止樹脂230の流頭部分の熱硬化が促進され、カル部120の外周縁への封止樹脂の供給が妨げられ、上型カル部120の外周縁における樹脂フラッシュの発生を抑制することができる。
下金型200は、図1に示すように、ポット210およびプランジャ220を収容する下型センターインサート240と、下型キャビティインサート250と、下型チェイスブロック260とを具備している。下型キャビティインサート250には、図示しないLED素子を搭載した被成形品400が下型キャビティインサート250の上面に載置される。下型センターインサート240と、下型キャビティインサート250は、それぞれ下型チェイスブロック260に組み付けられている。
下型センターインサート240と下型キャビティインサート250とは、下型チェイスブロック260に組み付けられた際に、下型キャビティインサート250の上面が被成形品400の厚み分だけ下型センターインサート240より高さが低くなるように設計されている。この高さは、下型キャビティインサート250に公差上最薄の被成形品400が載置されても、被成形品400の上面高さが下型センターインサート240上面より若干高くなるように設計されている。このため、モールド金型300が型閉じすると、上型キャビティインサート140と下型キャビティインサート250とで被成形品400の周縁部を確実にクランプする。
図3(A)は上型平面図を示している。上型キャビティ周りに幅1mm程度のクランプ部160があり、当該クランプ部160以外は高さ逃げがあり、型閉じ時においてクランプ部160で確実にクランプできるようになっている。図3(B)は下型平面図を示している。図3(C)において上型センターインサート130と下型センターインサート240間には、0.01mm程度の厚さ方向の隙間Sが形成されており、キャビティインサートのキャビティ周りのクランプ部を外れた被成形品400と上型キャビティインサート140との隙間部分は0.02mm程度の隙間が存在している。
図4(A)に示すように、上記隙間Sから低粘度で浸透性が高い封止樹脂230の一部が上型カル部120や上型ランナ・ゲート170以外の部分に漏れ出してしまう。
本実施形態においては、図2に示すように、下型センターインサート240のパーティング面に、下型キャビティインサート250と隣接する両端縁部に長手方向に沿って連なる突出部242が各々設けられている。突出部242は、被成形品400に平行で被成形品400と同じ長さで設けられ、上型センターインサート130と上型キャビティインサート140に形成された上型ランナ・ゲート170と交差する(直交する)ように突出形成されている。なお、突出部242の長さは、少なくとも被成形品の最端にある上型ランナ・ゲート170を越す長さであれば十分である。このような突出部242は、フライス加工により下型センターインサート240と一体に形成することができる。
図4(A),(B)において、上記上型センターインサート130と下型センターインサート240との隙間Sから低粘度で浸透性が高い封止樹脂230が上型カル部120の周縁部からパーティング面に漏れ出すが、下型センターインサート240の下型キャビティインサート250と隣接する両端縁部に沿って形成された上型ランナ・ゲート170と交差するように突出する突出部242で堰き止められる。したがって、センターインサートの金型クランプ面に形成される隙間から漏れ出した封止樹脂230を当該センターインサートのクランプ領域内に留めておくことにより、成形不良を低減することが可能になる。
また、突出部242は、モールド金型300により被成形品がクランプされると、当該クランプされた被成形品400の上面の高さ位置と面一となる高さに突出形成されているので、上型ランナ・ゲート170を圧送される封止樹脂230が被成形品400のクランプ部を周回して下型センターインサート240から下型キャビティインサート250へ漏れ出すことを抑えることができる。より詳細には、公差上最も薄い寸法の被成形品400を下型キャビティインサート250に載置しても、キャビティ外周に樹脂フラッシュが漏れ出ないようになっている。
また、下型センターインサート240とは別部材を接着や溶着等により取り付けて突出部242を形成することもできる。この場合、突出部242を形成する材料の弾性係数は、下型センターインサート240及び上型センターインサート130を形成する材料の弾性係数よりも小さいことが好ましい。
これにより、被成形品400を上金型200に形成されたクランプ部160によってクランプさせた時に、上型センターインサート130と下型センターインサート240とにより圧縮されて弾性変形させるようにしてもよい。これにより、被成形品400の厚さのばらつきに対して追従させることが可能になる。
また、図1、図3(B)において実線で示しているように、下型センターインサート240のパーティング面には、対向する上型センターインサート130に形成された上型カル部120の外周縁に沿って凹溝244が形成されている(図2、図3(A)参照)。具体的には、下型センターインサート240のパーティング面に、対向する上型カル部120に連通する浅溝部122の外周縁に沿って凹溝244が形成されている。この凹溝244の深さ寸法は、例えば0.1mm〜0.2mmであるが、この寸法に限定されるものではない。上記凹溝244を形成することにより、カル部120に充てんされた樹脂230が浅溝部122における作用と同様に、モールド金型300からの熱が吸収され、上型カル部120に充填された封止樹脂230の流頭部分の熱硬化が促進される。これにより上型カル部120の外周縁部への封止樹脂230の漏れ出しを更に抑制することができる。
以上説明したモールド金型300を備えたモールド装置による樹脂モールド動作について図1、図3〜図5を参照しながら説明する。
まず、図1において、モールド金型300が型開きした状態で、下型200の下型キャビティインサート250に被成形品400を載置し、ポット210に封止樹脂230を投入する。
次いで、図示しない駆動手段によりモールド金型300を型閉じして、上型キャビティインサート140と下型キャビティインサート250により所定の力で被成形品400をクランプする。このとき、図3(A)に示すように突出部242の上面高さ位置と被成形品400の上面高さ位置とが面一になっている。
ポット210に投入された封止樹脂230は、モールド金型300内の加熱手段により溶融された状態になっている。続いて図3(B)に示すように、図示しないプランジャ駆動手段によりプランジャ220を上動させて、溶融状態の封止樹脂230をポット210から上型カル部120、上型ランナ・ゲート170を通じてキャビティへ圧送される。
ポット210から圧送された封止樹脂230は、先ず上型カル部120および浅溝部122と、凹溝244に充填される。浅溝部122および凹溝244に充填された封止樹脂230の上金型100および下金型200との接触面積の比率は、上型カル部120に充填された封止樹脂230におけるその比率よりも大幅に大きくなる。したがって、浅溝部122および凹溝244に充填された封止樹脂230は、薄肉なためきわめて短時間で熱硬化する(図4(A),(B)参照)。浅溝部122及び凹溝244に硬化された樹脂232により、浅溝部122及び凹溝244への新たな樹脂230の流入が防止され、上型カル部120の外周縁からの更なる樹脂フラッシュの発生を可及的に防止することができる。
上述したように、上型カル部120に充填された封止樹脂230のうち、浅溝部122と凹溝244の部位については、熱硬化が促進されるので直ちに樹脂が硬化する。しかしながら、モールド金型300のクランプ時に、上型センターインサート130と下型センターインサート240との間に僅かな隙間Sが存在しているため、図4(A)の平面図において下型センターインサート240部分におけるハッチング部(232)で示されているように、封止樹脂230の一部が隙間Sを通じて上型カル部120や上型ランナ・ゲート170から下型キャビティインサート250側に漏れ出す。このとき漏れ出した封止樹脂232は、下型センターインサート240の下型キャビティインサート240と隣接する端縁部に沿って形成された突出部242により堰き止められる。
これにより、上型カル部120や上型ランナ・ゲート170からから漏れ出した封止樹脂232は、図4(A),(B)に示すように、下型キャビティインサート250側の領域に進入することはなく、下型センターインサート240領域内にとどまることになる。上記上型カル部120や上型ランナ・ゲート170の外周縁から漏れ出した封止樹脂232は、図4(B)に示すように、モールド金型300の熱により熱硬化し成形品ランナ・ゲート(不要樹脂)と一体となる。
この後、通常の樹脂モールド工程と同様にモールド金型300を型開きした後、成形品を離型した後、取り出しハンドにより下金型200の金型表面から成形品が取り出される。この後、図示しないゲートブレイク機構によりゲートブレイクされて製品と不要樹脂とが分離され、製品(成形品)は製品収容部に搬送されて収納され、不要樹脂は不要樹脂回収部(スクラップボックス)へ回収される。尚、取り出しハンド、ゲートブレイク機構、製品収容部および不要樹脂回収部はそれぞれ公知であるためここでは図示していない。
以上説明したように、成形品である被成形品400に樹脂成形部(パッケージ部)以外の部分に不要な封止樹脂230が付着していない製品を製造することができ、製品不良を低減して歩留まりを向上させることができる。
(第2実施形態)
次にモールド金型他の実施形態について説明する。第1実施形態と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとし、以下では異なる構成を中心に説明するものとする。図5は、第2実施形態におけるモールド金型の概略構成を示す断面図である。図6,7は第2実施形態にかかるモールド金型を備えたモールド装置を用いて樹脂成形した際のセンターインサート付近における各工程の概略状態を示す平面図(A)および断面図(B)である。
図5において、本実施形態のモールド金型300は上型センターインサート130に上型カル部120が形成されている。また、下型センターインサート240および下型キャビティインサート250のパーティング面には金型ランナである下型ランナ・ゲート270が形成され、下型キャビティインサートにはキャビティ凹部190が各々形成されている。また、被成形品である被成形品400は、下型キャビティインサート250に載置される。
上型センターインサート130には、上型キャビティインサート140と隣接する両側端縁部に沿って連なり、下型センターインサート240に形成された下型ランナ・ゲート(これも金型ランナの一種である)270と交差(直交)するように突出する突出部132が突出形成されている。
突出部132の材質や寸法については、第1実施形態における突出部242と同様である。突出部132の突出高さは、上型キャビティインサート140と下型キャビティインサート250とによりクランプされた被成形品400の下面の高さ位置と面一になる高さに突出形成されている。なお、ここでは図示していないが、第1実施形態と同様に、下型センターインサート240のパーティング面には、上型カル部120の浅溝部122に沿う配置で凹溝244が形成されていてもよい(図6(A),(B)参照)。
本実施形態におけるモールド金型による樹脂モールド動作について図5乃至図7を参照しながら説明する。
まず、図5において、モールド金型300が型開きした状態で、下型200の下型キャビティインサート250に被成形品400を載置しポット210に封止樹脂230を投入する。
次いで、図示しない駆動手段によりモールド金型300を型閉じして、上型キャビティインサート140と下型キャビティインサート250により所定の力で被成形品400をクランプする。このとき、図6(B)に示すように突出部132の下面高さ位置と被成形品400の上面高さ位置とが面一になっている。
ポット210に投入された封止樹脂230は、モールド金型300内の加熱手段により溶融された状態になっている。続いて図7(B)に示すように、図示しないプランジャ駆動手段によりプランジャ220を上動させて、溶融状態の封止樹脂230をポット210から上型カル部120、下型ランナ・ゲート270を通じてキャビティへ圧送される。
ポット210から圧送された封止樹脂230は、上型カル部120(浅溝部122及び凹溝244)に充填され熱硬化が促進される。しかしながら、モールド金型300のクランプ時に、上型センターインサート130と下型センターインサート240との間に僅かな隙間Sが存在しているため、図7(A)における下型センターインサート240部分のハッチング部に示すように、封止樹脂230の一部が隙間Sを通じて上型カル部120や下型ランナ・ゲート270から下型キャビティインサート250側に漏れ出す。
このとき漏れ出した封止樹脂232は、上型センターインサート130の上型キャビティインサート140と隣接する端縁部に沿って形成された突出部132により堰き止められる。これにより、上型カル部120や下型ランナ・ゲート270からから漏れ出した封止樹脂232は、図7(A),(B)に示すように、上型キャビティインサート140側の領域に進入することはなく、上型センターインサート130の領域内にとどまることになる。
漏れ出した封止樹脂とキャビティ凹部190に充填された封止樹脂は、それぞれモールド金型300の熱により熱硬化して、すべてが硬化する。この後の工程は、第1実施形態で説明した工程と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に成形品である被成形品400に樹脂成形部(パッケージ部)以外の部分に不要な封止樹脂230が付着していない製品を製造することができ、製品不良を低減して歩留まりを向上させることができる。
(第3実施形態)
図8は、第3の実施形態にかかるモールド金型の上金型および下金型の金型面の一例を示す平面図である。図8における(A)は上金型の金型面を示す平面図であり、同図(B)は下金型の金型面を示す平面図である。図8の(A)に示す上金型100と同図(B)に示す下金型200とにより一対のモールド金型が構成される。各図において破線で示されている部分は、他方の金型に形成されている部分である。なお、図8には示されていないが、上金型200の上型カル部120、上型ランナ・ゲート170、キャビティ凹部190部分には図示しないエジェクタピンが突き出し可能に配設されているのは、先の第1実施形態および第2実施形態と同様である。
本実施形態における上金型100には、上型カル部120およびキャビティ凹部190と、これらを接続する上型ランナ・ゲート170が刻設されている。第1実施形態および第2実施形態においては、1つのカル部120に対して複数(2本)の上型ランナ・ゲート170を有する上金型100について説明したが、ここでは、1つの上型カル部120に対して1本の上型ランナ・ゲート170を配設した形態を示している。このように上型カル部120とキャビティ凹部190とを連通する上型ランナ・ゲート170は必要に応じて単数または複数配設することも可能である。同様に、ポット210およびカル部120の数も、必要に応じて単数または複数配設することも可能である。
また、図8(B)に示すように、下型センターインサート240に形成される凹溝244が、上型センターインサート130に形成された浅溝部122の外形線よりも内側に刻設されていてもよい。凹溝244と浅溝部122は、カル部120および上型ランナ・ゲート170の外形線に沿ってキャビティ凹部190に向かって突出部242まで刻設されていてもよい。
以上のような凹溝244の構成を採用することで、凹溝244の外周縁および浅溝部122と上型ランナ・ゲート170とが交差する部分において封止樹脂が漏れ出してしまうことを好適に防止することができる。
以上に本願発明について実施形態に基づいて詳細に説明をしてきたが、本願発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、第3実施形態の上型ランナ・ゲート170に代えて、第2実施形態と同じ様に下金型200のポット210で、下型にランナ・ゲート270を刻設しても良い。また、第1実施形態および第2実施形態においては、ポット210およびプランジャ220が下金型200に収容されている実施形態について説明しているが、ポット210およびプランジャ220を上金型100(上型センターインサート130)に収容しても良いのはもちろんである。この場合においても、金型ランナおよびキャビティ空間190は上金型100および下金型200のいずれにも形成することができるのは、第1実施形態および第2実施形態と同様である。同様に、第3実施形態も上金型100に収容しても良い。
また、本実施形態においては、被成形品としてLED素子を搭載した被成形品400を例示しているが、これに限定されるものではなく、樹脂基板であっても良く、基板実装される半導体素子はLED以外の半導体素子であってもよい。
さらに、突出部242は下型に設けても良いし、上型に設けても良い。
100 上金型
120 カル部
122 浅溝部
130 上型センターインサート
132 突出部
140 上型キャビティインサート
170 上型ランナ・ゲート
200 下金型
230 封止樹脂
232 漏れ出した樹脂
240 下型センターインサート
242 突出部
244 凹溝
250 下型キャビティインサート
270 下型ランナ・ゲート
300 モールド金型
400 被成形品

Claims (3)

  1. 上型センターインサートおよび上型キャビティインサートを有する上金型と、下型センターインサートおよび下型キャビティインサートを有する下金型を備え、
    前記上型センターインサートの前記上型キャビティインサートと隣接する端縁部若しくは前記下型センターインサートの前記下型キャビティインサートと隣接する端縁部に沿って被成形品と平行に被成形品と同じ長さまで連なり、当該上型若しくは下型センターインサートに形成された金型ランナと交差するように突出する突出部が形成されていることを特徴とするモールド金型。
  2. 前記突出部は、モールド金型により被成形品がクランプされると、当該クランプされた被成形品の上面若しくは下面の高さ位置と面一となる高さに突出形成されていることを特徴とする請求項1記載のモールド金型。
  3. 前記下型若しくは上型センターインサートのパーティング面には、対向する前記上型若しくは下型センターインサートに形成された金型カル部の外周縁に沿ってカル部のある金型に浅溝部が形成され、カル部の無い金型の浅溝部より内側に凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のモールド金型。
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