以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
[スロットマシンの外観構成]
図1乃至図4を参照して、本実施の形態に係るスロットマシン1は、(1)前面が開放された箱形形状を有している筐体2と、(2)この筐体2に対して開閉自在に取り付けられた前扉3とを備えている。
前扉3の中央部正面には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要領域には、表示窓5が形成されている。この表示窓5は、主として、筐体2内の3つの回転リール6L,6C,6Rを観察するための窓である。各リール6L,6C,6Rの外周面には、それぞれ、複数種類の図柄が周方向に沿って描かれている。これらの図柄は、表示窓5を通して3つずつ観察される。表示窓5及び各リール6L,6C,6Rの両者は、正面パネル4上において遊技者に対してアップライトに面している。
表示窓5の左側には、5つの賭けライン表示ランプ7A,7B,7C,7D,7Eが設けられている。これら賭けライン表示ランプ7A〜7Eは、1回の遊技における有効ラインを示すために点灯するランプである。他方、表示窓5の右側には、スタートランプ8、投入指示ランプ9、リプレイランプ10、アシストタイム(以下、「AT」という)告知ランプ11及びゲームオーバーランプ12が設けられている。スタートランプ8は、遊技が開始できる状態となった場合に点灯又は点滅するランプである。投入指示ランプ9は、メダルをスロットマシン1に投入できる状態である場合に点灯するランプである。リプレイランプ10は、リプレイ役の入賞が成立した場合に点灯するランプである。AT告知ランプ11は、遊技状態がATに移行した場合に点灯するランプである。ゲームオーバーランプ12は、遊技が終了したときに点灯するランプである。これらランプ8〜12は、正面パネル4の上方から下方に向かってこの順で配置されている。
ここに、「AT」とは、役成立抽選において内部的に成立した小役の入賞の成立を支援するための参考情報が告知される遊技状態であるが、その処理内容については、本発明では重要な要素ではないので、その説明を省略する。
表示窓5上には、当該表示窓5の窓面を通過する5本の賭けライン13A,13B,13C,13D,13Eが設けられている。
表示窓5の下方には、払出数表示器14、ゲーム数表示器15及びクレジット表示器16が設けられている。払出数表示器14は、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数や遊技者に対して与えられるクレジット数を表示する表示器である。ゲーム数表示器15は、BBゲーム中の小役ゲーム数及びJACゲーム数、RBゲーム中のJACゲーム数、並びにATゲーム数等を表示する表示器である。クレジット表示器16は、クレジット数を表示する表示器である。これら表示器14〜16は、7セグメント表示器であって、正面パネル4上で左から右に向かってこの順で配置されている。なお、以下の説明において、「BBゲーム」及び「RBゲーム」の双方を総称するときは「ボーナスゲーム」と称する。
ここに、「クレジット」とは、遊技者が所有する有価価値として、スロットマシン1にストアーされているメダル数である。
前扉3の上部には、上パネル17が装着されている。この上パネル17の中央部には、液晶表示装置(以下、「LCD」という)18が設けられている。このLCD18は、遊技に関連する情報を表示するための手段であって、遊技状態に応じた種々の演出情報を含む遊技関連情報を表示する。代替的に、LED表示装置やEL表示装置を採用して上記遊技関連情報を表示するようにしてもよい。LCD18を挟んで、左右一対のスピーカー19A,19Bが上パネル18に装着されている。これらスピーカー19A,19Bは、遊技の状況に応じて効果音を発するための手段である。他方、前扉3の下部には、下パネル20が装着されている。この下パネル20には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されており、その下方には、メダル払出口21及びメダル受け皿22が設けられている。
正面パネル4と下パネル20との間には、操作部23が設けられている。この操作部23には、メダル投入口24、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及びクレジット/精算切替ボタン28が備えられている。メダル投入口24は、操作部23の上面の右側に配置されている。ベットボタン25は、投入口24から投入されたメダルを何枚賭けるかを設定する際に使用されるボタンであって、操作部23の上面において始動レバー26及び左停止ボタン27Lの両者の中間位置に配置されている。始動レバー26は、遊技を開始する際に使用されるレバーである。他方、停止ボタン27L,27C,27Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させる際に使用されるボタンである。具体的には、左停止ボタン27Lを操作すると、左リール6Lの回転が停止する。中停止ボタン27Cを操作すると、中リール6Cの回転が停止する。右停止ボタン27Rを操作すると、右リール6Rの回転が停止する。これら停止ボタン27L,27C,27Rは、操作部23の正面中央部において各リール6L,6C,6Rに対応して配置されている。これに対して、始動レバー26は、操作部23の正面において停止ボタン27L,27C,27Rの左側に配置されている。クレジット/精算切替ボタン28は、メダルのマニュアル投入モードとクレジットモードとを互いに切り替えるためのボタンであって、操作部23の正面において始動レバー26の左側に配置されている。
マニュアル投入モードでゲームを行う際には、投入指示ランプ9が点灯している間に、メダルを投入口24に投入する必要がある。それゆえ、有効化される賭けラインは、メダルの投入枚数によって異なる。具体的には、メダルを1枚投入すると、表示窓5の中段において水平に延びる第1の賭けライン13Aが有効化され、この1ライン13Aが賭け対象となる。このとき、第1の賭けライン13Aの左端に配置された賭けライン表示ランプ7Aが点灯する。メダルを2枚投入すると、第1の賭けライン13Aに加えて、表示窓5の上下段において水平に延びる第2の賭けライン13B及び第3の賭けライン13Cが有効化され、これら3ライン13A〜13Cが賭け対象となる。このとき、賭けライン表示ランプ7Aの点灯に加えて、第2の賭けライン13B及び第3の賭けライン13Cの左端に配置された賭けライン表示ランプ7B,7Cが点灯する。メダルを3枚投入すると、第1の賭けライン13A、第2の賭けライン13B及び第3の賭けライン13Cに加えて、表示窓5の対角線上の第4の賭けライン13D及び第5賭けライン13Eが有効化され、これら5ライン13A〜13Eが賭け対象となる。このとき、賭けライン表示ランプ7A〜7Cの点灯に加えて、第4の賭けライン13D及び第5の賭けライン13Eの左端に配置された賭けライン表示ランプ7D,7Eが点灯する。なお、本スロットマシン1においては、メダルの賭け枚数は3枚が限度である。
かかるマニュアル投入モードでは、上記有効ライン上で入賞を示す図柄の組み合わせが揃うことに起因して入賞が成立した場合には、その入賞役の種類に応じた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
他方、クレジットモードにおいて有効化される賭けラインは、ベットボタン25の押圧回数によって異なる。具体的には、ベットボタン25を1回押すと、第1の賭けライン13Aが有効化され、この1ライン13Aが賭け対象となる。換言すると、メダル1枚分が賭け対象となる。それゆえ、賭けライン表示ランプ7Aが点灯する。ベットボタン25を2回押すと、第1の賭けライン13A、第2の賭けライン13B及び第3の賭けライン13Cが有効化され、これら3ライン13A〜13Cが賭け対象となる。換言すると、メダル2枚分が賭け対象となる。それゆえ、賭けライン表示ランプ7A〜7Cが点灯する。ベットボタン25を3回押すと、第1の賭けライン13A、第2の賭けライン13B、第3の賭けライン13C、第4の賭けライン13D及び第5の賭けライン13Eが有効化され、これら5ライン13A〜13Eが賭け対象となる。換言すると、メダル3枚分が賭け対象となる。それゆえ、賭けライン表示ランプ7A〜7Eが点灯する。なお、本スロットマシン1では、4回以上の操作は無効となる。
かかるクレジットモードでは、上記有ライン上で入賞図柄の組み合わせ揃い、それによって入賞が成立した場合には、この入賞の発生に伴いクレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダル数がクレジットとしてスロットマシン1にストアーされる。クレジットの上限を超える場合には、その上限を超えた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
上記マニュアル投入モード或いはクレジットモードの手順に則して賭け対象となるメダルの枚数が設定されると、制御装置100(図7参照)は、この設定された賭け枚数分のメダルを取り込む。このメダルの取り込みにより、遊技を開始する条件が整う。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。このスタートランプ8の作動状態において、始動レバー26が操作されると、制御装置100は、全てのリール6L,6C,6Rを一斉に回転させる。
各停止ボタン27L,27C,27Rを押圧操作すると、その操作に対応するリールの回転が停止する。全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、有効ライン上に入賞役の1つが揃うと、制御装置100は、成立した入賞役の種類に従って、予め定められている利益を上記メダルの入力モードに応じた態様で遊技者に付与する。
図2を参照して、LCD18の左側部領域とスピーカー19Aとの間、及びLCD18の右側部領域とスピーカー19Bとの間には、LCD18に表示される複数の遊技履歴画像のうち所望の遊技履歴画像に切り替え表示を行わせるための切り替えボタンK,Fが、各々上下方向に並ぶように、合計4個設けられている。このLCD18は、左右の側縁がスピーカー19A,19Bと隣接する程度に大きな横幅寸法を有すると共に、その上端縁が前扉3の上端縁に隣接し、且つ、その下端縁が表示窓5の上端縁に隣接する程度に大きな縦幅寸法を有する、非常に大きな表示面を備えている。そのため、従来では一度に表示しきれなかった表示内容が同時に表示される。具体的には、LCD18の3分の1の領域に種々の遊技履歴画像に切り替えるためのメニュー画面が表示され、残りの3分の2の領域にキャラクターなどを用いた演出画像が常時表示される。上記遊技履歴画像のメニューとしては、ボーナスゲームにおける最高メダル獲得枚数や、1日のボーナス当選回数、前回のボーナスゲームから現在までの遊技回数、メダル払出枚数とメダル投入枚数との関係をグラフ化した表、或いは、遊技に関する説明などを例示することができる。これら例示したメニューが予めLCD18上に表示される。切り替えボタンKには、複数のメニューのうちから所望のメニューを選択するために、(1)表示画面上でカーソルを進む方向に移動させるための第1のカーソル移動ボタンK1と、(2)表示画面上でカーソルを戻す方向に移動させるための第2カーソル移動K2とが含まれている。他方、切り替えボタンFには、(1)カーソル移動ボタンK1,K2によって移動したカーソルが示すメニュー内容の遊技履歴画像に切り替えるか否かを決定するための決定ボタンF1と、(2)この切り替えられた遊技履歴画像を元の画像に戻すためのキャンセルボタンF2とが含まれている。
[スロットマシンの内部構成]
図5及び図6を参照して、筐体2内には、リール6L,6C,6R、各リール6L,6C,6Rの駆動源であるステッピングモーターSML,SMC,SMR、ホッパー30及び確率設定ボックス31が備えられている。
リール6L,6C,6Rは、図5に示すように、筐体2内の中央部に配置されており、これらリール6L,6C,6Rを基準として、ホッパー30及び確率設定ボックス31の設置箇所が決定されている。図6に示すように、各リール6L,6C,6Rの回転軸61は、それぞれ、筐体2内のブラケット32に回転自在に支持されており、当該各回転軸61の端部が各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの出力軸に結合されている。
ホッパー30は、メダルの貯留・放出を行うための手段であって、図5に示すように、リール6L,6C,6Rの下方において、筐体2の底面に取り付けられている。他方、確率設定ボックス31は、ホッパー30の左側において、筐体2の底面に取り付けられている。
[制御装置の電気的構成]
図7を参照して、制御装置100は、マイクロコンピューターであって、CPU1001、ROM1002、RAM1003、クロックパルス発生回路1004、乱数発生器1005、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示器駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路10010及びホッパー駆動制御回路10011を備えている。
CPU1001は、スロットマシン1の制御中枢を司るものであって、ROM1002に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU1001の制御対象としては、ステッピングモーターSML,SMC,SMR、各種のランプ7A〜7E,8〜12、各種の表示器14〜16、LCD18、スピーカー19A,19B及びホッパー30を挙げることができる。これら各制御要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路1009及びホッパー駆動制御回路10011を介して、CPU1001から与えられる。
CPU1001には、(1)ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及びクレジット/精算切替ボタン28の各操作信号と、(2)メダル投入検知センサー200及びメダル排出検知センサー300の各センシング出力と、(3)回転位置検出回路400の回転位置検出信号と、(4)キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3の各スイッチング信号とが与えられる。
停止ボタン27L,27C,27Rの操作信号は、リール停止信号処理回路500によって所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU1001に入力される。
メダル投入検知センサー200は、メダル投入口24から投入されたメダルを検知するためのセンサーであって、メダル投入口24に関連して設けられている。他方、メダル排出検知センサー300は、ホッパー30のメダル放出位置に関連して設けられており、そのセンシング信号は、メダル排出完了信号処理回路600によって所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU1001に入力される。
回転位置検出回路400は、各リール6L,6C,6Rの回転位置を検知するための回路であって、各リール6L,6C,6Rに関連して設けられた光センサーや、各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの近傍に設けられたロータリーエンコーダを含んでいる。各リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、CPU1001は、回転位置検出回路400の検出信号に基づいて、有効ライン上での当該各リール6L,6C,6Rの停止図柄の種類を特定する。
キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3は、確率設定ボックス31に内蔵されている。キースイッチSW1は、遊技モードと確率設定モードとを互いに切り替えるためのスイッチである。他方、確率設定スイッチSW2は、役成立抽選に関する当選確率の設定値を切り替えるためのスイッチであって、そのスイッチング信号は、キースイッチSW1によって確率設定モードになっている場合に限り、CPU1001に入力が受け付けられる。
遊技を開始するために、遊技者によって始動レバー26が操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに始動信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が開始される。他方、リール6L,6C,6Rの回転を停止するために、遊技者によって停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに停止信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
ROM1002には、(1)スロットマシン1を制御して賭け対象メダルの入力モードに応じた態様でメダルを払い出すための遊技プログラムと、(2)この遊技プログラムで用いる変数の初期値と、(3)図柄の組み合わせと乱数との対応関係を示すデータ群とが格納されている。本スロットマシン1では、役成立抽選で内部的にボーナス役が成立した場合に、ボーナス役の入賞を成立させずに、当該ボーナス役が内部的に成立している旨を示すフラグが持ち越されて累積的にストックされる。それゆえ、上記遊技プログラムは、特定の小役の入賞が成立した回数Cを累積的にカウントすると共にその累積カウントした特定小役入賞成立回数Cを蓄積しておき、遊技に関連するある特定の要件が満たされたときに、最大抽選回数が上記蓄積された特定小役入賞成立回数Cに基づいて定められた抽選が行われ、この抽選に当選した場合には、上記ストックされたボーナス役成立フラグの放出を伴うボーナスゲームを特典として付与されるようにプログラミングされている。特に、この遊技プログラムには、(1)上記ボーナス役が内部当選した場合に、内部当選役としてのボーナス役の入賞を成立させずに、上記ボーナス役成立フラグを持ち越して累積的にストックするための手順と、(2)上記特定小役の入賞が成立する度にその入賞成立回数Cを累積的に蓄積するための手順と、(3)上記特定の要件を満足したことを契機に、この事象が発生したことを上記蓄積された特定小役入賞成立回数Cにプラスした回数(C+1)分の抽選を繰り返し行い、この抽選に当選する度に、上記ストックされたボーナス役成立フラグの放出を伴うボーナスゲームを特典として付与するための手順とが含まれている。これらの(1)〜(3)の手順は、マイクロコンピューターとして機能する制御装置100により実行される。ここで、上記特定小役は、1種類或いは複数種類であってもよい。他方、上記特定の要件とは、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときにチャンス目が有効ライン上に出現し得る、いわゆる利益付与を伴わないはずれ役が役成立抽選で内部的に成立している状態である。このチャンス目はずれ役が内部当選する確率(換言すると、チャンス目が出現する確率)は、約1/2000に設定されている。代替的に、上記(3)の手順を、上記特典を付与するか否かを決定するための抽選に当選した時点で、未だ抽選回数が残っている場合には、当該残りの抽選回数を消去して以後の当該抽選を行わないようにしても構わない。
また、遊技プログラムには、LCD18上に特定小役入賞成立回数Cを所定の態様で表示し、それによって当該入賞成立回数Cを遊技者に告知するための手順も加えられている。これらの手順も制御装置100により実行される。
RAM1003は、CPU1001と互いにインターフェイスをとっており、CPU1001のワーキングエリアとして機能する。具体的には、遊技や図柄変更の制御に必要なフラグや変数の値の書き込み及び読み出しが行われる。それゆえ、RAM1003には、種々の抽選テーブルを格納するための領域TRが形成されている。特に、このRAM1003のテーブル格納領域TRには、上記特定の要件を満足したことを契機として、上記特典としてボーナス放出を許容するか否かを抽選により決定するために使用されるテーブルT1(図8参照)、及び後述するボーナス放出許容抽選遊技状態においてボーナス放出を許容するか否かを抽選により決定する際に使用されるテーブルT2(図9参照)が格納されている。
クロックパルス発生回路1004は、基準クロックパルスを発生させるための回路であって、発生させた基準クロックパルスをCPU1001に供給する。
乱数発生器1005は、役成立抽選、上記特典付与抽選としての第1のボーナス放出許容抽選及び第2のボーナス放出許容抽選に関する電子抽選をマシン内部で行う際に用いられる乱数を発生させ、この発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出するための手段であって、抽出した乱数をCPU1001に供給する。例えば、役成立抽選を行うに際して乱数を発生させるコマンドが、CPU1001から乱数発生器1005に対して与えられると、乱数発生器1005は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号を出力する。乱数が乱数発生器1005から入力されると、CPU1001は、その乱数に対応する図柄の組み合わせを定めるために、ROM1002に記憶されているデータ群を検索し、その組み合わせに対応する数値を変数に代入する。
ランプ駆動制御回路1007は、CPU1001からの指示信号に基づいてランプ駆動信号を生成し、この生成したランプ駆動信号を各種のランプ7A〜7E,8〜12に与える。その結果、各種のランプ7A〜7E,8〜12は、所定の事象を告知するために点灯又は点滅する。
表示器駆動制御回路1008は、CPU1001からの指示信号に基づいて表示器駆動信号を生成し、この生成した表示器駆動信号を各種の表示器14〜16に与える。その結果、各種の表示器14〜16は、所定の事象を表示する。
LCD駆動制御回路1009は、CPU1001からの指示信号に基づいてLCD駆動信号を生成し、この生成したLCD駆動信号をLCD18に与える。その結果、LCD18は、その表示面上に種々の遊技演出情報を表示する。
音出力制御回路10010は、CPU1001からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー19A,19Bに与える。その結果、スピーカー19A,19Bは、遊技状況に応じた効果音を発する。
ホッパー駆動制御回路10011は、CPU1001からの指示信号に基づいてホッパー駆動信号を生成し、この生成したホッパー駆動信号をホッパー30に与える。その結果、ホッパー30は、貯留しているメダルを受け皿22に放出する。
[抽選テーブルの構成]
(第1のボーナス放出許容抽選テーブル)
図8を参照して、第1のボーナス放出許容抽選T1では、乱数値「0〜49」、乱数値「50〜99」、乱数値「100〜149」、乱数値「150〜199」及び乱数値「200〜256」に関連付けてその当否及び当選態様が登録されている。それゆえ、CPU1001が乱数値「0〜49」をサンプリングしたときには、当選「1」と判断され、遊技状態を基本遊技状態から上記特典としてボーナス放出を許容する遊技状態(以下、「ボーナス放出許容遊技状態」という)に移行される。CPU1001が乱数値「50〜99」をサンプリングしたときには、当選「2」と判断され、遊技状態を基本遊技状態からゲーム数がN1(本実施の形態では5ゲーム)と相対的に少なく設定されており且つ1ゲーム毎に第2のボーナス放出許容抽選が行われる遊技状態(以下、「ショートボーナス放出許容抽選遊技状態」という)に移行される。CPU1001が乱数値「100〜149」をサンプリングしたときには、当選「3」と判断され、遊技状態を基本遊技状態から上記ショートボーナス放出許容抽選遊技状態よりもそのゲーム数がN2(本実施の形態では7ゲーム)と多く設定されており且つ1ゲーム毎に第2のボーナス放出許容抽選が行われる遊技状態(以下、「ロングボーナス放出許容抽選遊技状態」という)に移行される。CPU1001が乱数値「150〜199」をサンプリングしたときには、当選「4」と判断され、遊技状態を基本遊技状態から上記ロングボーナス放出許容抽選遊技状態よりもそのゲーム数がN3(本実施の形態では10ゲーム)と多く設定されており且つ1ゲーム毎に第2のボーナス放出許容抽選が行われる遊技状態(以下、「スーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態」という)に移行される。CPU1001が乱数値「200〜256」をサンプリングしたときには、上記特典付与抽選としての第1のボーナス放出許容抽選にはずれたと判断され、基本遊技状態が継続される。すなわち、このテーブルT1は、77%〜78%の確率で上記第1のボーナス放出許容抽選に当選し、且つ、19%〜20%の確率で遊技状態が基本遊技状態から上記各種の遊技状態に移行するように構成されている。
(第2のボーナス放出許容抽選テーブル)
図9を参照して、第2のボーナス放出許容抽選テーブルT2では、乱数値「0〜205」及び乱数値「206〜256」に関連付けてその当否が登録されている。それゆえ、CPU1001が乱数値「0〜205」をサンプリングしたときには、抽選に当選したと判断される。他方、CPU1001が乱数値「206〜256」をサンプリングしたときには、抽選にはずれたと判断される。すなわち、このテーブルT2は、80%〜81%の確率で第2のボーナス放出許容抽選に当選するように構成されている。
[制御の流れ]
図10を参照して、まず、基本遊技状態においては、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS1)。マニュアル投入モードでメダルを投入口24から投入したり、クレジットモードでベットボタン25を押してメダルをスロットマシン1に投入したりすることによって、賭けラインが有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS2)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役成立抽選を行う(ステップS3)。このとき、CPU1001は、内部当選役の入賞図柄の組み合わせを決定する。
上記役成立抽選が終了すると、CPU1001は、当該抽選において上記特定要件としてのチャンス目はずれ役が成立したか否かを判別する(ステップS4)。チャンス目はずれ役が内部当選している場合には、CPU1001は、処理をステップS14(図11参照)に移す。他方、チャンス目はずれ役が内部当選していない場合には、CPU1001は、処理をステップS5に移す。
ステップS5に移行すると、CPU1001は、上記役成立抽選において内部的にボーナス役が成立しているか否かを判別する。ボーナス役が内部当選している場合には、CPU1001は、ボーナス役成立フラグを持ち越してストックするために、当該フラグをRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させ(ステップS6)、その後、処理をステップS7に移す。他方、ボーナス役が内部当選していない場合には、CPU1001は、上記フラグ処理を行うことなく、処理をステップS7に移す。
ステップS7に移行すると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させる。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。
リール6L,6C,6Rの回転を開始させると、CPU1001は、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作されて目押しが完了し、且つ、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS8及びステップS9)。このとき、各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その目押し順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止表示される。また、ボーナス役が内部当選している状態では、CPU1001は、リール6L,6C,6Rを停止させる際に、ボーナス役の入賞図柄の組み合わせが有効ラインに沿って揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。これに対し、ボーナス役以外の役(例えば、小役等)が内部当選している状態では、CPU1001は、リール6L,6C,6Rを停止させる際に、当該役の入賞図柄の組み合わせが有効ラインに沿って揃い易いように、引き込み制御を行う。
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、ボーナス役以外の役の入賞が成立しているか否かを判別する(ステップS10)。有効ラインに沿って上記ボーナス役以外の役の入賞図柄が揃っていない場合には、CPU1001は、当該ボーナス役以外の役の入賞が成立していないと判断し、処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。他方、有効ラインに沿って上記ボーナス役以外の役の入賞図柄が揃っている場合には、CPU1001は、当該ボーナス役以外の役の入賞が成立したと判断し、その入賞役の種類に応じた利益を賭け対象メダルの入力モードに則した態様で遊技者に付与する(ステップS11)。具体的には、マニュアル投入モードでは、メダルが受け皿22に払い出される。これに対して、クレジットモードでは、クレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダルがクレジットとして、スロットマシン1にストアーされる。但し、クレジットの上限を超える場合には、その上限を超える数のメダルが受け皿22に払い出される。この利益付与態様は、以下においても同じである。
利益付与を終了すると、CPU1001は、上記ステップS10で成立したと判断された入賞役が特定の小役か否かを判別する(ステップS12)。上記成立入賞役が特定小役でない場合には、CPU1001は、処理をステップS1に戻す。他方、上記成立入賞役が特定小役である場合には、CPU1001は、特定小役入賞成立回数Cを「1」インクリメントする(ステップS13)。このとき、CPU1001は、上記特定小役入賞成立回数Cをインクリメントする度に、当該入賞成立回数CをRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させる。また、CPU1001は、累積特定小役入賞成立回数CをLCD18上に所定に態様で表示させる。例えば、図16に示すように、LCD18の演出画像の右上隅に特定小役入賞成立回数Cが重ねて表示される。その後、CPU1001は、処理をステップS1に戻す。
図11を参照して、ステップS14に移行すると、CPU1001は、ボーナス役成立フラグが持ち越されてストックされているか否かを判別する。具体的には、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域にボーナス役成立フラグが格納されているか否かに基づいて、上記の判定処理を行う。RAM1003にボーナス役成立フラグが格納されていない場合には、CPU1001は、ボーナス役成立フラグの持ち越しがなく当該フラグがストックされていないと判断し、処理をステップS7(図10参照)に移す。他方、RAM1003にボーナス役成立フラグが格納されている場合には、CPU1001は、ボーナスフラグ役成立フラグの持ち越しがあり当該フラグがストックされていると判断し、処理をステップS15に移す。
ステップS15に移行すると、CPU1001は、遊技状態を基本遊技状態から上記特典としてボーナス放出を許容する遊技状態に切り替えるか否かを決定するための第1のボーナス放出許容抽選を行う。具体的には、CPU1001は、乱数をサンプリングし、このサンプリングした乱数の値をパラメーターとしてRAM1003に格納された上記第1のボーナス放出許容抽選テーブルT1を参照し、それによって第1のボーナス放出許容抽選を行う。この抽選の当否判定を行うステップS16において、上記サンプリング乱数値がはずれの範囲内の値である場合には、CPU1001は、処理をステップS7に移す。他方、同ステップS16において、上記サンプリング乱数値が当選「1」の範囲内の値である場合には、CPU1001は、処理をステップS17(図12参照)に移し、ボーナス役成立フラグの放出を伴うボーナスゲームが特典として付与される可能性がある、ボーナス放出許容遊技状態に突入させる。同ステップS16において、上記サンプリング乱数値が当選「2」に属する範囲内の値である場合には、CPU1001は、処理をステップS32(図13参照)に移し、ショートボーナス放出許容抽選遊技状態に突入させる。同ステップS16において、上記サンプリング乱数値が当選「3」に属する範囲内の値である場合には、CPU1001は、処理をステップS54(図14参照)に移し、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態に突入させる。このロングボーナス放出許容抽選遊技状態では、ショートボーナス放出許容抽選遊技状態に比べてそのゲーム数が多く設定されているため、ショートボーナス放出許容抽選遊技状態よりも上記第2のボーナス放出許容抽選を受ける機会が必然的に多くなる。それゆえ、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態は、ショートボーナス放出許容抽選遊技状態よりもボーナス放出が許容される確率が高い遊技状態であると云える。同ステップS16において、上記サンプリング乱数値が当選「4」に属する範囲内の値である場合には、CPU1001は、処理をステップS76(図15参照)に移し、スーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態に突入させる。このスーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態では、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態に比べてそのゲーム数が多く設定されているため、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態よりも上記第2のボーナス放出許容抽選を受ける機会が必然的に多くなる。それゆえ、スーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態は、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態よりもボーナス放出が許容される確率が高い遊技状態であると云える。
上記の抽選結果は、LCD18において所定の態様で演出表示される。例えば、図17に示すように、LCD18上にバトル演出画像を表示することによって、第1のボーナス放出許容抽選に関する結果の告知が達成される。詳細には、抽選結果が出るまでの間、LCD18上に2つのキャラクターを登場させ、これら両キャラクターのうちの一方のキャラクターを遊技者側キャラクターとし、他方のキャラクターをマシン側キャラクターとして、両キャラクター同士を格闘させる。当選した場合には、遊技者側キャラクターが勝ち、他方はずれた場合には、マシン側キャラクターが勝つ。このようなバトル演出を行うことにより、遊技者の特典付与に対する期待感はより一層高まるものと予想される。
図12を参照して、上記ボーナス放出許容遊技状態に突入するに伴って、ステップS17に移行すると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの停止態様を、ボーナス役の入賞を阻止する蹴飛ばし制御から引き込み制御に切り替える。その結果、ボーナス役入賞図柄の組み合わせが有効ライン上に揃い易くなる。その後、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS18)。
リール6L,6C,6Rを回転させると、CPU1001は、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待ち、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、ボーナス役の入賞が成立しているか否かを判別する(ステップS19〜ステップS21−1)。ボーナス役入賞図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わなかった場合には、CPU1001は、ボーナス役の入賞が成立しなかったと判断し、ベット完了待機処理及び始動レバー操作待機処理(ステップS21−2及びS21−3)を行った後に、処理をステップS18に戻す。他方、ボーナス役入賞図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合には、CPU1001は、ボーナス役の入賞が成立したと判断し、ボーナス役に応じた利益を付与する(ステップS22)。
ボーナス役の入賞に伴う利益付与が終了すると、CPU1001は、ボーナスゲームを上記特典として提供するための処理を行う(ステップS23)。なお、ボーナスゲーム処理の内容は、従来公知の処理内容と同様であるので、その説明を省略する。
ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域にストックされたボーナス役成立フラグを読み出し、そのうちの1つのフラグを放出する(ステップS24)。その後、CPU1001は、処理をステップS25に移す。
ステップS25に移行すると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの停止態様を、上記ボーナス役の入賞を成立し易くする引き込み制御から上記ボーナス役の入賞を阻止する蹴飛ばし制御に一旦戻すための処理を行う(ステップS25)。
リール停止制御戻し処理を終了すると、CPU1001は、RAM1003の所定のメモリ領域にボーナス役成立フラグが残存しているか否かを判別する(ステップS26)。ボーナス役成立フラグが残っていない場合には、CPU1001は、処理をステップS1(図10参照)に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。他方、未だボーナス役成立フラグが残っている場合には、CPU1001は、第1のボーナス放出許容抽選回数を「1」インクリメントする(ステップS27)。このとき、CPU1001は、上記第1のボーナス放出許容抽選回数をインクリメントする度に、当該抽選回数をRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させると共に、上記特定小役入賞成立回数CをLCD18上で「1」カウントダウン表示させる。このように、特定小役入賞成立回数Cをカウントダウン表示させることによって、遊技者に特典付与に対する期待感に加えてスリル感を与えることができる。
第1のボーナス放出許容抽選回数をインクリメントすると、CPU1001は、当該抽選回数が特定小役入賞成立回数Cに基づいて定められた最大抽選回数(C+1)に到達したか否かを判別する(ステップS28)。具体的には、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域に書き込まれた第1のボーナス放出許容抽選回数を読み出し、この読み出した抽選回数が第1のボーナス放出許容抽選の最大抽選回数(C+1)に到達したか否かに基づいて、上記の判定処理を行う。第1のボーナス放出許容抽選回数が上記最大抽選回数(C+1)に達していない場合には、CPU1001は、ステップS29のベット完了待機処理及びステップS30の始動レバー待機処理を行った後、処理をステップS15(図11参照)に戻して再び第1のボーナス放出許容抽選を受ける機会を与える。他方、第1のボーナス放出許容抽選回数が上記最大抽選回数(C+1)に達した場合には、CPU1001は、特定小役入賞成立回数C及び当該第1のボーナス抽選回数を共にクリアーし(ステップS31)、その後、処理をステップS1に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。
図13を参照して、ショートボーナス放出許容抽選遊技状態に突入するに伴って、ステップS32に移行すると、CPU1001は、ゲーム数N1をセットする。すなわち、CPU1001は、RAM1003の所定のメモリ領域にゲーム数N1を記憶させる。
ゲーム数N1をセットすると、CPU1001は、ボーナス放出を許容するか否かを決定するための第2のボーナス放出許容抽選を行う(ステップS33)。具体的には、CPU1001は、乱数をサンプリングし、このサンプリングした乱数の値をパラメーターとしてRAM1003に格納された上記第2のボーナス放出抽選テーブルT2を参照し、それによって第2のボーナス放出許容抽選を行う。この抽選の当否判定を行うステップS34において、上記サンプリング乱数値がはずれの範囲内の値である場合には、CPU1001は、ステップS49のリール回転開始処理、ステップS50の目押し完了処理、ステップS51の全リール回転停止待機処理、ステップS52の入賞判定処理及びステップS53の利益付与処理を行った後、処理をステップS45に移す。他方、同ステップS34において、上記サンプリング乱数値が当たりの範囲内の値である場合には、CPU1001は、上記のリール停止制御を上記蹴飛ばし制御から上記引き込み制御に切り替えるための処理を行い(ステップS35)、その後、リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS36)。
リール6L,6C,6Rを回転させると、CPU1001は、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止することを条件として、ボーナス役の入賞が成立しているか否かを判別する(ステップS37〜ステップS39−1)。ボーナス役の入賞が成立していない場合には、CPU1001は、ベット完了待機処理及び始動レバー操作待機処理(ステップS39−2及びS39−3)を行った後に、処理をステップS36に戻す。他方、ボーナス役の入賞が成立している場合には、CPU1001は、ボーナス役に応じた利益付与を行い(ステップS40)、その後、ボーナスゲームを提供するための処理を行う(ステップS41)。
上記ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU1001は、上記RAM1003にストックされたボーナス役成立フラグを読み出し、そのうちの1つのフラグを放出する(ステップS42)。
ボーナス役成立フラグを放出すると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの停止態様を、上記引き込み制御から上記蹴飛ばし制御に戻すための御戻し処理を行う(ステップS43)。
リール停止制御戻し処理が終了すると、CPU1001は、CPU1001は、RAM1003にボーナス役成立フラグが残存しているか否かを判別する(ステップS44−1)。ボーナス役成立フラグが残っていない場合には、CPU1001は、処理をステップS44−2に移す。他方、未だボーナス役成立フラグが残っている場合には、CPU1001は、処理をステップS45に移す。
ステップS45に移行すると、CPU1001は、ゲーム数N1を「1」ディクリメントする。具体的には、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域に書き込まれたゲーム数N1を読み出し、この読み出したゲーム数N1から「1」を減算する。
ゲーム数N1をディクリメントすると、CPU1001は、上記ステップS31でセットされたゲーム数N1が消化されたか否かを判別する(ステップS46)。具体的には、CPU1001は、上記減算された結果として、ゲーム数N1が「0」であるか否かに基づいて、上記の判定処理を行う。ゲーム数N1が「0」である場合には、CPU1001は、処理をステップS44−2に移す。他方、ゲーム数N1が「0」でない場合には、CPU1001は、未だ上記ステップS31でセットされたゲーム数N1が消化されていないと判断し、上記減算したゲーム数N1をRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、CPU1001は、ステップS47のベット完了待機処理及びステップS48の始動レバー操作待機処理を行った後、処理をステップS33に戻して再び第2のボーナス放出許容抽選を受ける機会を与える。
ステップS44−1に移行すると、CPU1001は、第1のボーナス放出許容抽選回数を「1」インクリメントする(ステップS44−2)。このとき、CPU1001は、上記第1のボーナス放出許容抽選回数をインクリメントする度に、当該抽選回数をRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させると共に、上記特定小役入賞成立回数CをLCD18上で「1」カウントダウン表示させる。このように、特定小役入賞成立回数Cをカウントダウン表示させることによって、遊技者に特典付与に対する期待感に加えてスリル感を与えることができる。
第1のボーナス放出許容抽選回数をインクリメントすると、CPU1001は、当該抽選回数が特定小役入賞成立回数Cに基づいて定められた最大抽選回数(C+1)に到達したか否かを判別する(ステップS44−3)。具体的には、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域に書き込まれた第1のボーナス放出許容抽選回数を読み出し、この読み出した抽選回数が第1のボーナス放出許容抽選の最大抽選回数(C+1)に到達したか否かに基づいて、上記の判定処理を行う。第1のボーナス放出許容抽選回数が上記最大抽選回数(C+1)に達していない場合には、CPU1001は、処理をステップS14に戻す。他方、第1のボーナス放出許容抽選回数が上記最大抽選回数(C+1)に達した場合には、CPU1001は、特定小役入賞成立回数C及び当該第1のボーナス抽選回数を共にクリアーし(ステップS44−4)、その後、処理をステップS1に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。
図14を参照して、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態に突入するに伴って、ステップS54に移行すると、CPU1001は、ゲーム数N2をセットするために、CPU1001は、RAM1003の所定のメモリ領域にゲーム数N2を記憶させる。
ゲーム数N2をセットすると、CPU1001は、サンプリング乱数値をパラメーターとしてRAM1003内の上記第2のボーナス放出抽選テーブルT2を参照し、それによって上記の第2のボーナス放出許容抽選を行う(ステップS55)。この抽選の当否判定を行うステップS56において、上記サンプリング乱数値がはずれの範囲内の値である場合には、CPU1001は、ステップS71のリール回転開始処理、ステップS72の目押し完了処理、ステップS73の全リール回転停止待機処理、ステップS74の入賞判定処理及びステップS75の利益付与処理を経由して、処理をステップS67に移す。他方、同ステップS56において、上記サンプリング乱数値が当たりの範囲内の値である場合には、CPU1001は、上記のリール停止制御切替処理を行い(ステップS57)、その後、リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS58)。
リール6L,6C,6Rを回転させると、CPU1001は、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止することを条件として、ボーナス役の入賞が成立しているか否かを判別する(ステップS59〜ステップS61)。ボーナス役の入賞が成立していない場合には、CPU1001は、処理をステップS67に移す。他方、ボーナス役の入賞が成立している場合には、CPU1001は、ボーナス役に応じた利益付与を行い(ステップS62)、その後、ボーナスゲームを提供するための処理を行う(ステップS63)。
上記ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU1001は、上記RAM1003にストックされたボーナス役成立フラグを読み出し、そのうちの1つのフラグを放出する(ステップS64)。その後、CPU1001は、上記のリール停止制御戻し処理を行う(ステップS65)。
リール停止制御戻し処理が終了すると、CPU1001は、CPU1001は、RAM1003にボーナス役成立フラグが残存しているか否かを判別する(ステップS66)。ボーナス役成立フラグが残っていない場合には、CPU1001は、処理をステップS1(図10参照)に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。他方、未だボーナス役成立フラグが残っている場合には、CPU1001は、処理をステップS67に移す。
ステップS67に移行すると、CPU1001は、ゲーム数N2を「1」ディクリメントする。すなわち、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域に書き込まれたゲーム数N2を読み出し、この読み出したゲーム数N2から「1」を減算する。その後、CPU1001は、上記減算された結果として、ゲーム数N2が「0」であるか否かに基づいて、上記ステップS31でセットされたゲーム数N2が消化されたか否かを判別する(ステップS68)。ゲーム数N1が「0」である場合には、CPU1001は、上記ステップS31でセットされたゲーム数N1が消化されたと判断し、処理をステップS1に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。他方、ゲーム数N2が「0」以上である場合には、CPU1001は、未だ上記ステップS31でセットされたゲーム数N2が消化されていないと判断し、上記減算したゲーム数N2をRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、再び第2のボーナス放出許容抽選を受ける機会を与えるために、CPU1001は、ステップS69のベット完了待機処理及びステップS70の始動レバー操作待機処理を経由して処理をステップS55に戻す。
図15を参照して、スーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態に突入するに伴って、ステップS76に移行すると、CPU1001は、RAM1003の所定のメモリ領域にゲーム数N3を記憶させる。その結果、ゲーム数N3がセットされる。
次に、CPU1001は、サンプリング乱数値をパラメーターとして上記第2のボーナス放出抽選テーブルT2を参照し、それによって上記の第2のボーナス放出許容抽選を行う(ステップS77)。この抽選の当否判定を行うステップS78において、上記サンプリング乱数値がはずれの範囲内の値である場合には、CPU1001は、ステップS83のリール回転開始処理、ステップS84の目押し完了処理、ステップS85の全リール回転停止待機処理、ステップS86の入賞判定処理及びステップS87の利益付与処理を経由して、処理をステップS67に移す。他方、同ステップS78において、上記サンプリング乱数値が当たりの範囲内の値である場合には、CPU1001は、上記のリール停止制御切替処理を行い(ステップS79)、その後、リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS80)。
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止した場合には、CPU1001は、ボーナス役の入賞が成立しているか否かを判別する(ステップS81〜ステップS83)。ボーナス役の入賞が成立していない場合には、CPU1001は、処理をステップS89に移す。他方、ボーナス役の入賞が成立している場合には、CPU1001は、ボーナス役に応じた利益付与を行い(ステップS84)、その後、ボーナスゲームを提供するための処理を行う(ステップS85)。
次に、CPU1001は、上記RAM1003にストックされたボーナス役成立フラグを読み出し、そのうちの1つのフラグを放出し(ステップS86)、その後、CPU1001は、上記のリール停止制御戻し処理を行う(ステップS87)。
続いて、CPU1001は、RAM1003にボーナス役成立フラグが残存しているか否かを判別する(ステップS88)。ボーナス役成立フラグが残っていない場合には、CPU1001は、処理をステップS1(図10参照)に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。他方、未だボーナス役成立フラグが残っている場合には、CPU1001は、処理をステップS89に移す。
ステップS89に移行すると、CPU1001は、上記RAM1003の所定のメモリ領域に書き込まれたゲーム数N3を読み出し、この読み出したゲーム数N3から「1」を減算することによって、ゲーム数N3のディクリメント処理を行う。その後、CPU1001は、上記減算された結果として、ゲーム数N1が「0」であるか否かに基づいて、上記ステップS76でセットされたゲーム数N1が消化されたか否かを判別する(ステップS90)。ゲーム数N3が「0」である場合には、CPU1001は、上記ステップS76でセットされたゲーム数N3が消化されたと判断し、処理をステップS1に戻して遊技状態を基本遊技状態とする。他方、ゲーム数N3が「0」以上である場合には、CPU1001は、未だ上記ステップS76でセットされたゲーム数N3が消化されていないと判断し、上記減算したゲーム数N3をRAM1003の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、CPU1001は、ステップS91のベット完了待機処理及びステップS92の始動レバー操作待機処理を経由して処理をステップS78に戻す。その結果、再び第2のボーナス放出許容抽選を受ける機会が与えられる。
[作用・効果]
本実施の形態によると、以下の作用・効果を奏する。
(1)基本遊技状態において、ボーナス役が内部的に成立した場合には、ボーナス役の入賞を成立させずに、ボーナス役成立フラグが持ち越されてストックされ、他方特定小役の入賞が成立した場合には、その度に特定小役入賞成立回数Cが累積的に蓄積される。この間に、特定の要件が満たされた場合には、これを契機として、上記蓄積された特定小役入賞成立回数Cに基づいて定められた回数(C+1)分の抽選が繰り返し行われる。この抽選に当選する度に、上記ストックされたボーナス役成立フラグの放出する機会を与えるためのボーナスゲームが特典として付与される。このように、上記特定要件を満たすことを契機に行われる抽選回数は、当該特定要件成立までの間に蓄積された特定小役入賞成立回数Cに依存することになる。そのため、本スロットマシン1がストック機であっても、小役の入賞に対する遊技者の興味が惹起される。その結果、入賞役として小役を設けている意味合いが担保される。
(2)上記特定要件は、チャンス目はずれ役が内部当選した状態である。このチャンス目はずれ役が内部当選したことを契機に行われる上記の抽選であって、上記特典としてボーナス放出を許容するか否かを決定する第1のボーナス放出許容抽選に当選し、遊技状態が特典としてボーナスゲームが提供される可能性がある、ボーナス放出許容遊技状態に突入した段階において、最初に全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止したときには、有効ライン上にチャンス目が出現する。これを契機として、遊技者は、ボーナス放出が行われる可能性があることを前以って知ることができる。その結果、遊技者は、以後の遊技においてボーナス放出に対する期待感や予兆を感じながら遊技を行うことができ、それによって遊技の興趣性が損なわれることはない。
(3)上記特定小役入賞成立回数Cは、遊技者に告知するために、LCD18上に表示される。そのため、遊技者は、特典付与に対する期待感や予兆を非常に強く感じながら遊技を行うことになる。その結果、遊技の興趣性がより一層向上する。
(4)上記特典付与抽選としての第1のボーナス放出許容抽選の当選パターンとして、ロングボーナス放出許容抽選遊技状態或いはスーパーロングボーナス放出許容抽選遊技状態といった、ボーナス放出高確率ゾーンへ移行するパターンも設定されている。それゆえ、ボーナス放出の期待感は更に増長される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
(1)上記実施の形態では、ストック機能を有するスロットマシンに本発明を適用した例について記載したが、ストック機能を有しないスロットマシンに本発明を適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。この場合の特典としては、ボーナスゲームはもとより、遊技者にとって有利な特別又は特定の遊技内容を創出するようにすればよい。
(2)上記実施の形態では、基本遊技状態がSTとなっており、このSTが解除されたときに限りボーナス放出を許容する、ストック機に本発明を適用した例について記載したが、ある特定の時間にSTに突入し、ST解除後の通常遊技状態がボーナス放出を許容する遊技状態となっている、ストック機に本発明を適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。
(3)上記実施の形態では、本発明をメカニカルリールスロットマシンに適用した例について記載したが、本発明をシミュレートリールに適用することも可能である。これは、本発明が図柄の変動表示及び停止表示の態様に制限されないことを意味する。
(4)上記実施の形態では、本発明を3リールタイプのスロットマシンに適用した例について記載したが、本発明を例えば5リールタイプのスロットマシンに適用することも可能である。これは、本発明がリールの数に制限されないことを意味する。
その他、本明細書に添付した特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。