以下、本発明を具体化した遊技機の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、遊技機の一例としてのスロットマシン100の機械的な構造について説明する。図1は、スロットマシン100の正面図である。なお、本実施の形態のスロットマシン100は、いわゆる「パチスロ機」と呼ばれる遊技機であり、遊技場に設置されるためその設置向きや大きさなどが一定の規格に基づいて設計されている。
スロットマシン100は、設置向きにおいて縦長となる略直方体形状をなし正面側全面が開放された筐体(図示外)を有し、その筐体の内部に各構成部品を収容すると共に、筐体の開放部分が、図1に示すように正面視、長方形状をなす前面パネル1によって右側から片開きに開閉可能な状態で閉蓋された構成を有する。
前面パネル1の略中央には、下方に傾斜しつつ正面側に突出する操作部2が設けられている。操作部2上面側の傾斜部分には、右手側に遊技メダルを投入するメダル投入口21が設けられ、左手側にクレジット内遊技を行う際に使用されるクレジット投入ボタン22(1ベットずつクレジットを投入する1BETボタンと、最大ベット数までクレジットを投入できるMAXBETボタン)が設けられている。クレジット内遊技とは、予めメダル投入口21から複数枚の遊技メダルを投入し貯留させておくことで、ゲーム毎の投入の手間を省くことのできる遊技である。また、ベットとは賭けの単位であり、後述する入賞ラインの数や役の当選確率に影響する。一般的なスロットマシンは遊技メダル1枚で1ベットすることができ、1ゲームあたり最大3ベット可能に構成されているが、本実施の形態のスロットマシン100は3ベット専用機であり、3ベットすることで1ゲームを行うことができる構成となっている。
また、操作部2の正面側には、中央に、横並びに3つの停止ボタン、すなわち第1停止ボタン25、第2停止ボタン26および第3停止ボタン27が設けられており、後述する各リール(第1リール45、第2リール46および第3リール47)に対応してそれぞれの回転を停止するために操作される。停止ボタンの左手側にはスタートレバー24が設けられており、全リールの回転を開始するために操作される。スタートレバー24のさらに左手側には、クレジット操作ボタン23(クレジット内遊技のON/OFFを行うクレジット選択ボタンと、貯留されているクレジットを精算して遊技メダルとして払い出すクレジット精算ボタン)が設けられている。また、停止ボタンの右手側には前面パネル1の施錠を行うための鍵穴28が設けられている。
操作部2の下方には化粧パネル31が設けられている。さらにこの化粧パネル31の下方にはメダル払出口32が設けられており、筐体内に配設される払出装置(ホッパー)121(図2参照)から排出される遊技メダルがこのメダル払出口32より払い出される。メダル払出口32の下側には、払い出された遊技メダルを受けるメダル受皿33が設けられており、また、そのメダル受皿33の左手側には灰皿34が設けられている。
一方、操作部2の上方には、筐体内に設置される3本のリール(第1リール45、第2リール46および第3リール47)に表示された図柄(図5参照)を、前面パネル1を通して正面から目視可能とするための透明な表示窓40が設けられている。この表示窓40が設けられた位置の背面側にあたる筐体(図示外)の内部には、各回転軸を左右方向に一致させた3本のリール(第1リール45、第2リール46および第3リール47)が左側から順に並んだ状態で回転可能に配置されている。各リールの外周面には、後述する21個の図柄(図5参照)がそれぞれ異なる配列で印刷により表示されており、各リールは、回転時に表示窓40を介して図柄が上から下に移動する方向(各リールを右手側から見たときの反時計回り)に回転し、表示窓40から見た図柄が変動するように構成されている。なお、図5に示す10種類の図柄の配列をそれぞれ表示した第1リール45、第2リール46および第3リール47が、本発明における「図柄表示部」に相当する。
その表示窓40の下方には、2桁もしくは3桁の7セグメントLED等により情報表示を行って、ゲーム中の様々な情報を遊技者に伝えるための情報表示部41が設けられている。具体的には、貯留されたクレジット数を表示するクレジット表示部42と、後述するボーナス遊技状態中に遊技メダルを獲得した総枚数などを表示する獲得総数表示部43と、役の入賞確定により遊技者が獲得した遊技メダルの獲得枚数をゲーム毎に表示する獲得枚数表示部44とから構成される。この情報表示部41の左方には、スロットマシン100の操作に関する情報(遊技メダルを投入可能な状態であること、スタートレバー24が操作可能な状態であること、停止ボタン25〜27が操作可能な状態であること、およびベット数)を表示するLED群48が設けられている。
また、表示窓40の左手側には、有効ライン表示ランプ51が設けられている。後述するが、本実施の形態では各リールの停止時に、表示窓40内に1リールあたり3つの図柄が表示されるように構成されている。そして入賞が確定する図柄の組合せは、ベット数にあわせて有効となった入賞ライン上に、予め定められた組合せ通りに図柄が並んで表示された場合(以下、図柄が「揃った」場合ともいう。)としている。本実施の形態では3リールに跨る5本の入賞ライン、すなわち上段ライン、中段ライン、下段ライン、斜め右下がりライン、および斜め右上がりラインが設けられており、1ベット時には中段ライン、2ベット時には上段、中段および下段ライン、3ベット時には5本全ての入賞ラインが有効となるように構成されている。この有効となる入賞ラインを示すため、毎ゲーム、ベット数にあわせた有効ライン表示ランプ51が点灯するようになっている。
表示窓40の右手側には、遊技者にゲーム中の各種状態を報知する5つのランプが縦に並んで設けられている。一番上のリプレイタイム(以下、「RT」ともいう。)報知ランプ52は、後述するRT遊技状態に移行したことを遊技者に報せるためのランプである。また、RT報知ランプ52の下側に並ぶ4つの報知ランプ53は、遊技者がスタートレバー24を操作してから全リールの回転が開始されるまでに時間がある場合に表示されるWAITランプ、図柄が揃って遊技者が遊技メダルを獲得した場合に表示されるWINランプ、揃った図柄が再遊技役(以下、「リプレイ」役ともいう。)の入賞を示す組合せだった場合に表示されるREPLAYランプ、大当たり遊技状態(以下、「BB(ビッグボーナス)」遊技状態ともいう。)やチャレンジタイム遊技状態(以下、「CT」遊技状態ともいう。なお、BBおよびCTを統括してボーナスともいう。)が終了した時点で表示されるGAMEOVERランプからなる。
表示窓40が配設された部位の左右両端には、内部に複数のLED等が列設された枠状の電飾ランプ65がそれぞれ設けられている。このような電飾用のランプは前面パネル1の最上部にも、左右方向に延びる電飾ランプ66として設けられており、ゲーム状態にあわせて点灯あるいは点滅するように制御されている。
また、表示窓40の上部で電飾ランプ66との間の位置には、液晶モニタ61が設けられている。液晶モニタ61は、遊技状態にあわせた演出画像や動画の表示、情報の表示、BB役,CT役,特定役の入賞(各遊技状態への移行抽選の当選)の告知などに用いられる。この液晶モニタ61の左右には音声を出力するスピーカ62がそれぞれ設けられている。なお、上記した情報を表示するためのランプやLED、7セグメントLEDからなる情報表示部41等の代わりに、液晶モニタ61(あるいはその表示面積を大きくしたもの)の表示画面中で、擬似的に、情報表示部の表示や、情報表示用のランプ、LED等の点灯、点滅を行ってもよい。もちろん、これら全てを併設してもよい。
次に、図1,図2を参照し、スロットマシン100の電気的な構造について説明する。図2は、スロットマシン100の電気的な回路の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、スロットマシン100の制御部101は、主基板110、中継基板160、払出制御基板120、リール制御基板124、サブ統合基板135、音声制御基板140、電飾制御基板145、および表示制御基板150から構成されている。この制御部101は、スロットマシン100の前面パネル1(図1参照)の液晶モニタ61が配設された位置の裏側(背面側)に設けられている。
スロットマシン100の主制御を司る主基板110には、プログラムに従って各種の演算処理を行うCPU111が設けられている。このCPU111には、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM112と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶する114とが接続されている。また、CPU111には、抽選に用いる乱数を発生する乱数発生器116と、基準クロックパルスを生成するクロックパルス発生器117とが接続されており、後述する制御プログラムの実行に用いられる。さらに、CPU111にはI/Oインターフェイス118が接続されており、このI/Oインターフェイス118を介し、中継基板160に中継された各種センサ、ボタン、スイッチ等からの信号がCPU111に入力されると共に、出力ポート170、払出制御基板120、リール制御基板124およびサブ統合基板135への指示(コマンド)が出力される。なお、本実施の形態では、乱数発生器116から取得した乱数値を抽選に用いる構成であり、乱数値は0〜65535の範囲内の値を取る構成となっている。もちろん、CPU111の実行するプログラムにより乱数(あるいは疑似乱数)を発生させて抽選に用いる構成としてもよい。
中継基板160は、メダル投入口21(図1参照)から投入された遊技メダルを検出するメダルセンサ161、第1〜第3停止ボタン25〜27、スタートレバー24(図1参照)の操作によってONとされるスタートスイッチ162、クレジット投入ボタン22などの入力信号をCPU111に中継している。また、中継基板160は、その他のボタン,スイッチ,センサからの信号もCPU111に中継している。その他のボタン,スイッチ,センサには、図1に示したクレジット操作ボタン23の他に、役の当選確率等を6段階に設定するための操作を行う操作キー(設定キー)やリセットスイッチ、異常を検知するセンサなど、図示外のボタンやスイッチ、センサなどが含まれる。
また、前述した第1〜第3リール45〜47には、それぞれに位置検出のためのセンサ(第1リール位置センサ165、第2リール位置センサ166および第3リール位置センサ167)が設けられている。リール位置検出回路164は、これら各センサからの入力信号(例えば回転角を示す信号など)に基づいて、それぞれのリールの回転中あるいは停止中における現在位置を示す信号(例えば、中段に表示されている図柄に基づく番号などをリールの回転角に対応させたもの)に変換し、中継基板160を介してCPU111に送信している。
払出制御基板120は指示された枚数の遊技メダルの払い出しを行う払出装置121の駆動制御を行う。リール制御基板124には、第1〜第3リール45〜47(図1参照)のそれぞれの回転および停止を行う第1リール駆動装置125、第2リール駆動装置126および第3リール駆動装置127の駆動制御を行う。第1〜第3リール駆動装置125〜127は、例えばステッピングモータを用いてリールの回転駆動を行うものであり、各リールはそれぞれ独立に、その回転が制御される。なお、第1リール駆動装置125、第2リール駆動装置126および第3リール駆動装置127の駆動を制御して、第1リール45、第2リール46および第3リール47それぞれの回転(変動)および停止を行って、表示窓40内に図柄の組合せを表示させるリール制御基板124が、本発明における「変動表示装置」に相当する。
次に、サブ統合基板135は音声制御基板140、電飾制御基板145および表示制御基板150の総合的な制御を行っており、これらの各基板にはそれぞれ図示外のCPU、RAMおよびROMが実装されている。音声制御基板140は、いわゆるBGMやサウンドエフェクトなどの音声の発生を制御し、スピーカ62から出力させる。表示制御基板150は、情報表示部41の表示の制御や、液晶モニタ61にデモや演出などの画像や動画を表示する制御を行っている。また、電飾制御基板145は、RT報知ランプ52、電飾ランプ65,66、LED群48、有効ライン表示ランプ51、報知ランプ53、その他図示しない電飾ランプ等の点灯、点滅およびその発行態様を制御している。
また、主基板110のI/Oインターフェイス118には、図示外の遊技場管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)にスロットマシン100の情報(例えば、ゲーム開始の情報、BB遊技状態中やCT遊技状態中などの情報、遊技メダルの投入・払い出し情報など)を出力する出力ポート170が接続されている。このような構成をなす制御部101は、図示外の電源装置に接続され、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。電源装置にはバックアップ用のバッテリ(図示外)も設けられ、主基板110のRAM114に接続されており、スロットマシン100の電源切断時にも記憶内容が保持される構成となっている。
次に、主基板110のROM112およびRAM114の記憶エリアの構成について、図1〜図4を参照して説明する。図3は、主基板110に設けられたROM112の記憶エリアの構成を示す概念図である。図4は、主基板110に設けられたRAM114の記憶エリアの構成を示す概念図である。
図3に示すように、ROM112には、初期設定記憶エリア1121、プログラム記憶エリア1122、テーブル記憶エリア1123等が設けられている。初期設定記憶エリア1121には、スロットマシン100のリセットが行われる際にRAM114の各記憶エリアに記憶される初期値等が記憶されている。プログラム記憶エリア1122には、CPU111がスロットマシン100を制御するための各種制御プログラムが記憶されている。テーブル記憶エリア1123には、主基板110から出力される各種制御コマンドのテーブル(図示外)、当選役の決定に用いられる当選役抽選テーブル(図6参照)、リールの停止制御に用いられるリール制御テーブル(図7参照)、入賞役の検索に用いられる入賞役検索テーブル(図8参照)、入賞役に基づく遊技メダルの払出枚数の決定に用いられる払出テーブル(図示外)等が記憶されている。さらに、ROM112には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図4に示すように、RAM114には、ワークエリア1141、フラグ記憶エリア1142、リール現在位置記憶エリア1143、クレジット記憶エリア1144、ベット記憶エリア1145、払出枚数記憶エリア1146、残RT回数記憶エリア1147、当選役記憶エリア1148、入賞役記憶エリア1149、リール制御テーブル番号記憶エリア1150等が設けられている。
ワークエリア1141には、ROM112のプログラム記憶エリア1122に記憶された制御プログラムが実行のため読みこまれると共に、その制御プログラムの実行において生ずる汎用の変数やフラグ等が一時的に記憶される。フラグ記憶エリア1142には、フラグの成立後のゲームにおいても入賞しない限りフラグの成立状態が維持される(フラグが持ち越される)ボーナス成立フラグ、すなわちBB成立フラグおよびCT成立フラグと、後述するBB遊技状態、CT遊技状態およびRT遊技状態に移行した際に、それぞれの遊技状態中であることを示す、BB中フラグ、CT中フラグおよびRT中フラグとが記憶される。リール現在位置記憶エリア1143には、リール位置検出回路164から入力される各リールの現在位置(第1〜第3リール位置センサ165〜167それぞれが検出した第1〜第3リール45〜47の回転中あるいは停止中の位置)が、リールの回転中に更新されて記憶される。後述する制御プログラムでは、停止ボタンが操作されたタイミングや入賞役の検索時に参照され、リールの停止制御や役の入賞の判定に用いられる。クレジット記憶エリア1144は、メダル投入口21(図1参照)から投入されメダルセンサ161(図2参照)に検出された遊技メダルの数を50枚まで記憶するためのカウンタとして構成されている。ベット記憶エリア1145は、遊技メダルの投入やクレジット投入ボタン22(図2参照)の操作、あるいはリプレイ役に入賞した場合に、次回のゲームにベットされる遊技メダルの枚数を記憶するカウンタとして構成されている。
また、払出枚数記憶エリア1146は、ボーナス遊技状態の終了条件の判定に用いられるカウンタとして構成されており、ボーナス遊技状態(BB遊技状態およびCT遊技状態)に移行した際にリセットされ、ボーナス遊技状態中に払い出される遊技メダルの枚数が加算され、その総数が記憶される。残RT回数記憶エリア1147は、後述するRT遊技状態に移行する際に規定回数が記憶され、1ゲーム毎に1減算されるカウンタとして構成されており、RT遊技状態の終了条件の判定に用いられる。当選役記憶エリア1148には、全ての種類の役に対応するフラグ(当選役フラグ)が設けられており、毎ゲームリセットされると共に、抽選により当選役が決定されたときに、その役に対応する当選役フラグに1が記憶される。入賞役記憶エリア1149には、全てのリールが停止した際に入賞役の検索が行われ、役の入賞があった場合(役に係る図柄が揃っていた場合)に、その役に対応する入賞役フラグに1が記憶される。上記同様、毎ゲームリセットされる。リール制御テーブル番号記憶エリア1150には、リールの停止制御の際に参照される当選役もしくはハズレにそれぞれ対応したリール制御テーブルの種類(番号)が記憶される。さらに、RAM114には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
上記のような機械的および電気的な構造を有するスロットマシン100は、前述したように、表示窓40内に1リールあたり3つの図柄(3列3段)が表示されるように構成されており、5つの入賞ラインを有する。各リールはそれぞれ対応する停止ボタンを操作することで停止させることができ、全リールが停止したときに表示窓40内に表示された図柄の組合せ、いわゆる出目によって、役の入賞やハズレが確定する。スロットマシン100の各リールの停止位置は制御されており、停止ボタンをタイミング良く操作すれば、抽選によって当選役として決定された役の入賞に係る図柄の組合せが表示窓40内に表示される。一方で、当選役として決定されなかった役の入賞に係る図柄の組合せは、どのタイミングで停止ボタンを操作しても表示窓40内に表示されることがない。このようなリールの停止制御の方法には様々な方法があるが、その一例について、図5〜図8を参照して説明する。
図5は、各リールの外周面に表示された図柄の配列の一例を示す図である。図6は、ROM112のテーブル記憶エリア1123に記憶された当選役抽選テーブルを示す概念図である。図7は、ROM112のテーブル記憶エリア1123に記憶されたリール制御テーブルの一例を示す概念図である。図8は、ROM112のテーブル記憶エリア1123に記憶された入賞役検索テーブルの一例を示す概念図である。なお、図5において図柄配列の左辺に記した1〜21の数字は、リールの停止位置を説明するため、便宜上、図柄に番号(以下、「図柄番号」という。)を割り当てて示したものである。
まず、図柄の配列および役について説明する。図5に示すように、本実施の形態のスロットマシン100では10種類の図柄が用いられ、各リールに配列されている。具体的には、赤色で数字の7をモチーフとした「赤7」図柄(第1リール45の2番図柄)、青色で数字の7をモチーフとした「青7」図柄(第1リール45の12番図柄)、黄色のベルが描かれた「ベル」図柄(第1リール45の3番図柄)、緑色でスイカの中に竜のマスコットが描かれた「スイカ」図柄(第1リール45の4番図柄)、青色で描かれた丼内に再の文字が表示された「リプレイ」図柄(第1リール45の1番図柄)、枝付きの赤いチェリーが描かれた「チェリー」図柄(第1リール45の8番図柄)、緑色のドラゴンの横顔をモチーフとした「ドラゴンA」図柄(第1リール45の7番図柄)、ドラゴンA図柄と同じデザインでそれぞれ白色,紫色,黄色に着色された「ドラゴンB」図柄(第3リール47の3番図柄),「ドラゴンC」図柄(第3リール47の15番図柄),「ドラゴンD」図柄(第3リール47の19番図柄)の10種類の図柄である。なお、ドラゴン図柄のA〜Dの表示は説明の便宜上行ったもので、必ずしもA〜Dの表示がなされているわけではない。
なお、本実施の形態では、上記した5つの入賞ラインのうちのいずれかの入賞ラインに以下に示す図柄が揃った場合が、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合であり、入賞が確定する。「赤7‐赤7‐赤7」または「青7‐青7‐青7」の図柄が揃った場合には、BB役に入賞し、BB遊技状態へ移行する。また「赤7‐赤7‐青7」または「青7‐青7‐赤7」の図柄が揃った場合には、CT役に入賞し、CT遊技状態へ移行する。そして「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン(A〜Dのいずれか)」の図柄が揃った場合には、特定役に入賞し、RT遊技状態へ移行する。また、「チェリー‐ANY(任意の図柄)‐ANY(任意の図柄)」、「ベル‐ベル‐ベル」または「スイカ‐スイカ‐スイカ」の図柄が揃った場合には、それぞれに対応する役、すなわちチェリー役、ベル役またはスイカ役に入賞し、所定枚数の遊技コインが払い出される。そして、「リプレイ‐リプレイ‐リプレイ」の図柄が揃った場合、リプレイ役に入賞し、遊技者は遊技コインを投入することなく再度ゲームを行うことができる。
次に、役の抽選について説明する。スロットマシン100では、後述する制御プログラムの実施において、毎ゲーム、図2に示した乱数発生器116から乱数値が取得され(すなわち抽選され)、その乱数値に対応する役が当選役として決定される。当選役の決定は、図6に示す当選役抽選テーブルの参照によって行われる。このとき、当選役の入賞に係る図柄を停止ボタンの操作によって揃えることができるリール制御テーブル番号も決定される。
図6に示す当選役抽選テーブルは、スロットマシン100の制御プログラムの実行において毎ゲーム参照されるテーブルであり、RAM114のフラグ記憶エリア1142に記憶されるBB中フラグ、CT中フラグおよびRT中フラグの各遊技状態に移行したことを示すフラグと、BB成立フラグおよびCT成立フラグのボーナス役に当選した状態を示すフラグ(ボーナス成立フラグ)とに基づいて選択されるQ,R,S,T,U,V,Wの7種類の抽選テーブルから構成される。抽選テーブルQ,Rは、通常遊技状態中に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルQは、BB,CT成立フラグがいずれも未成立である場合(0である場合)に選択され、抽選テーブルRは、通常遊技状態中にBB,CT成立フラグのうちの一方が成立した場合に選択される。また、抽選テーブルS,Tは、RT遊技状態中に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルSは、BB,CT成立フラグのいずれも未成立の場合に選択され、抽選テーブルTはBB,CT成立フラグのいずれか一方が成立した場合に選択される。そして抽選テーブルU,V,Wは、それぞれ、BB遊技状態中、RB(普通当たり)遊技状態中、CT遊技状態中に選択される抽選テーブルである。RB遊技状態はBB遊技状態中にJAC当選した場合に移行される遊技状態であり、遊技コインを多数獲得できるように小役の当選確率が飛躍的に高くなる遊技状態である。BB遊技状態は通常の小役抽選に含めRB遊技状態に移行するための特別役(JAC)の抽選が行われる遊技状態であるが、本実施の形態ではRB遊技状態も含めBB遊技状態と称することとし、その遊技内容および抽選テーブルU,Vについては説明を省略する。CT遊技状態は、遊技者が停止ボタンを操作したタイミングにおいて検出されたリールの現在位置がほぼそのままリールの停止位置となるように、リールの停止制御が行われるテーブルが選択される遊技状態である。抽選テーブルWは、遊技者がリプレイ役、ボーナス役および特定役を除く小役を任意に揃えることができるテーブルとして構成されているが、その詳細についての説明は省略する。BB遊技状態およびCT遊技状態は、その遊技状態中に払い出された遊技メダルの枚数が規定枚数(例えばBB遊技状態は360枚、CT遊技状態は180枚)に達すると終了するように構成されている。
通常遊技状態中には、通常の小役(リプレイ役、チェリー役、ベル役、スイカ役)および特定役(ドラゴンA〜D役)の抽選に加え、ボーナス役(BB役およびCT役)の抽選が行われる。本実施の形態では、ボーナス役の当選と小役または特定役の当選とを、1つの乱数値に基づき同時に決定することができるように構成されている。具体的には、図6の抽選テーブルQに示すように、乱数値として「65217」〜「65535」のいずれかの値が取得された場合、ボーナス役(BB役およびCT役)と、小役(リプレイ役、チェリー役、ベル役またはスイカ役のうちのいずれか1つ)もしくは特定役(ドラゴンA役,ドラゴンB役,ドラゴンC役およびドラゴンD役のうちの少なくとも1つ)とが当選役として同時に決定される。なお、図示しないが、ボーナス役のうちBB役に当選するか、CT役に当選するかについても乱数値によって決定される。例えば、「65217」〜「65269」の範囲の乱数値が取得された場合にはボーナス役とチェリー役とが同時当選するが、そのうち「65217」〜「65245」であればBB役の当選が決定され、「65246」〜「65269」であればCT役の当選が決定されるように構成されている。
また、抽選テーブルQでは、当選役の決定と同時にリール制御テーブル番号(図6において「テーブル」と表記された列)の決定も行われる。後述するが、リール制御テーブルとは当選役に係る図柄のみを揃えることができるように、各停止ボタンの操作位置にあわせた各リールの停止位置を決定するためのテーブルである。例えば、リール制御テーブル番号00番は、「0」〜「49970」の乱数値が取得された場合(ハズレ)に選択されるが、遊技者がどのタイミングで停止ボタンを操作しても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも表示されないリール制御が行われるテーブルとして構成されている。また、上記したように「65217」〜「65535」の範囲の乱数値が取得された場合にはボーナス役と小役または特定役との同時当選が決定されるが、そのゲームにおいて選択されるリール制御テーブル番号23番〜34番は、遊技者がタイミングよく停止ボタンを操作すればボーナス図柄(BB図柄もしくはCT図柄)を揃えることができ、ボーナス図柄が揃わなかった場合でも小役もしくは特定役を揃えることができるようなリールの停止制御が行われるテーブルとして構成されている。
次に、通常遊技状態においてボーナス役の当選が決定された後のゲームにおいては、抽選テーブルRが参照される。すでにボーナス役の当選が決定された後であるので、この抽選テーブルRでは、ボーナス役に再当選することがないように抽選テーブルQからボーナス役の当選を省いたテーブルとして構成されている。43番〜54番のリール制御テーブルは、23番〜34番のリール制御テーブルと同様に、ボーナス役に係る図柄を揃えること、またはそのゲームにおいて成立した小役もしくは特定役に係る図柄を揃えることができるテーブルである。この43番〜54番のリール制御テーブルは、23番〜34番のリール制御テーブルと同内容のテーブルとしてもよいし、本実施の形態のように異ならせることで、ボーナス役に当選したゲームのみ特別な図柄の組合せが表示されるようにしてもよい。なお、リール制御テーブル番号20番と40番は、遊技者がタイミングよく停止ボタンを操作すればボーナス図柄を揃えることができるが、小役もしくは特定役は揃えることができないテーブルとなっている。
また、抽選テーブルS,Tは、RT遊技状態中において選択される抽選テーブルであり、それぞれ抽選テーブルQ,Rに用いられたリール制御テーブル(00番〜14番)と、ボーナス役に係る図柄を揃えること、またはそのゲームにおいて成立した小役もしくは特定役に係る図柄を揃えることができるリール制御テーブル(60番〜74番)が、取得される乱数値にあわせて割り当てられている。60番〜74番のリール制御テーブルは、ボーナス役あるいは小役に係る図柄を揃えられるタイミングに停止ボタンが操作されなかった場合に、00番のリール制御テーブルに似たリールの停止位置が決定される構成となっている。ところで、抽選テーブルQ,Rでは、乱数値「64」〜「49970」の範囲の値が取得されるとハズレが決定されるが、抽選テーブルS,Tにおいてはリプレイ役が決定されるように構成されている。つまり、RT遊技状態中では、通常遊技状態中よりもリプレイ役が当選役として決定される割合が高い状態(リプレイ役の高確率状態)として構成されている。従ってRT遊技状態では、ボーナス役(BB役およびCT役)の抽選が行われながらも、ハズレの選択される割合が少なくなるため、遊技者は遊技コインの投入量を減らしつつボーナス役の当選に期待できる遊技を行うことができる。
次に、リール制御テーブルの詳細について説明する。図7に示す、リール制御テーブルは、停止ボタンの操作位置(遊技者が停止ボタンを操作した時のリールの現在位置)にあわせたリールの停止位置を決定するためのテーブルであり、当選役抽選テーブル(図6参照)で決定されるリール制御テーブル番号ごとに異なるテーブルが用意されている。リール制御テーブルでは、当選役の入賞に係る図柄は、遊技者がタイミングよく停止ボタンを操作すれば揃えることができ、また、当選しなかった役の入賞に係る図柄は、遊技者がどのタイミングで停止ボタンを操作しても決して揃うことがないように、停止ボタンの操作位置とリールの停止位置とが対応付けられている。
一例として、通常遊技状態中において取得された乱数値が「50000」であった場合、抽選テーブルQ(またはR)の参照に基づき当選役としてリプレイ役が決定されて、当選役記憶エリア1148のリプレイ役の当選役フラグに1が記憶される。さらに、リール制御テーブルとして01番が選択される。
次に、図7に示すリール制御テーブルのリール制御テーブル番号01番の列が参照される。リール制御テーブルには、停止ボタンの操作位置(停止ボタンを操作したときのリールの現在位置)と、リールの停止位置とが対応付けられており、例えば遊技者が第1停止ボタン25を操作したタイミングに第1リール位置センサ165によって検出された回転中の第1リール45の位置が、図5に示す9番の図柄(ドラゴンA)が中段に表示されている位置にあった場合、第1リールの停止位置として図柄番号で6番が決定される。これに従い、第1リール45の現在位置が中段に6番の図柄(リプレイ)が表示される位置となるまでリールの回転が継続されるように、第1リール駆動装置125が制御される。第1リール45が停止されたときには、表示窓40内の第1リール45には5番〜7番の図柄(ベル・リプレイ・ドラゴンA)が表示される。
第2リール46,第3リール47についても同様に、リール制御テーブル番号01番のそれぞれのリールに対応した列が参照されて、遊技者の第2,第3停止ボタン26,27の操作タイミングにあわせたリールの停止制御が行われる。例えば第2リール46では、中段に15番の図柄(チェリー)が表示されたタイミングに停止ボタン26が操作された場合、表示窓40内に12番〜14番の図柄(チェリー・リプレイ・ベル)が表示されるように停止位置が制御される。同様に第3リール47では、中段に11番の図柄(青7)が表示されたタイミングに停止ボタン27が操作された場合、表示窓40内に7番〜9番の図柄(ドラゴンA・リプレイ・スイカ)が表示されるように停止位置が制御される。その結果、表示窓40内には、中段ラインに「リプレイ‐リプレイ‐リプレイ」が揃って表示される。
また、他の例として、通常遊技状態中に乱数値「10」が取得された場合には、「ハズレ」となって00番のリール制御テーブルが選択される(図6参照)。図示しないが、この00番のリール制御テーブルに従って、例えば、第1リール45に10番〜12番の図柄(ベル・リプレイ・青7)が表示され、第2リール46に16番〜18番の図柄(リプレイ・ベル・青7)が表示された場合、第3リール47の下段にベル図柄もしくは青7図柄が表示されると「ベル‐ベル‐ベル」もしくは「青7‐青7‐青7」が揃うこととなる。しかし、この00番のリール制御テーブルでは、第3リールの停止位置として5番,9番,10番,13番,17番および21番を除く図柄番号が指定されており、どのタイミングで第3リール47の第3停止ボタン27が操作されても上記図柄が揃うことがないように構成されている。
なお、上記01番のリール制御テーブルは、遊技者がどのタイミングで停止ボタンを操作してもリプレイ図柄が必ず中段ラインに表示されるように、各リールの停止制御を行うテーブルとなっているが、3つのリールの停止順や、先に停止制御されたリールの停止位置にあわせて、まだ停止されていないリールの停止位置として参照されるテーブルが変更される構成となったリール制御テーブルもある。例えば、04番のリール制御テーブル(図示外)が選択されるベル図柄を揃えることが可能となったゲームにおいて、第1リール45では、第1停止ボタン25の操作タイミングによって、ベル図柄が上段に表示されたり下段に表示されたりする場合がある。すると、第2リール46の停止制御によってベル図柄が必ず中段にベル図柄が表示される構成であったとしても、第1リール45のベル図柄の表示段によって入賞ラインが異なる。このため、例えばベル役が右上がりの入賞ラインとなった場合にベル図柄が上段に表示されるように第3リール47の停止位置を定めたテーブルと、右下がりの入賞ラインとなった場合にベル図柄が下段に表示されるように第3リール47の停止位置を定めたテーブルとが用意されている。
このようにしてスロットマシン100では、決定された当選役にあわせたリールの停止制御を行うことができる番号のリール制御テーブルが選択されることによって、停止ボタンをタイミングよく操作すれば、当選役の入賞に係る図柄を揃えることが可能な状態となる。一方、当選しなかった役の入賞に係る図柄は揃わないように適切な番号のリール制御テーブルが選択され、リールの停止制御が行われる。
なお、スロットマシン100では、全リールが停止された後に、表示窓40に表示された図柄の組合せが抽選結果と一致するか確認が行われている。具体的には図8に示す、入賞役検索テーブルが参照されて、RAM114のリール現在位置記憶エリア1143に記憶された各リールの現在位置に対応する役が検索される。例えば上記のように、表示窓40内の第1リール45に5番〜7番の図柄(ベル・リプレイ・ドラゴンA)、第2リール46に12番〜14番の図柄(チェリー・リプレイ・ベル)、第3リール47に7番〜9番の図柄(ドラゴンA・リプレイ・スイカ)が表示された状態で各リールの停止制御が行われた場合、リール現在位置記憶エリア1143には、第1リール45の停止位置として図柄番号6番と、第2リール46の停止位置として図柄番号13番と、第3リール47の停止位置として図柄番号8番とが記憶されている。これに基づき入賞役検索テーブルが参照され、入賞役がリプレイ役であることが検索される。そして、入賞役と、抽選により決定された当選役との一致が確認されれば、リプレイ役の入賞が確定するのである。
次に、スロットマシン100の動作の詳細について、図9〜図12のフローチャートに従い、各遊技状態に沿って説明する。なお、フローチャートの説明にあたって、図1〜図8の図面も参照する。図9は、スロットマシン100の制御プログラムのフローチャートである。図10は、制御プログラムのメインルーチンのS19においてコールされるリール停止制御処理のサブルーチンのフローチャートである。図11は、制御プログラムのメインルーチンのS22においてコールされるRT遊技処理のサブルーチンのフローチャートである。図12は、制御プログラムのメインルーチンのS26においてコールされるボーナス遊技処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
[通常遊技状態]
スロットマシン100の制御は、ROM112のプログラム記憶エリア1122(図3参照)に記憶されている制御プログラム(図9参照)がRAM114のワークエリア1141(図4参照)に読みこまれて実行されることにより行われる。図9に示すように、制御プログラムが実行されると、まず、初期化処理が行われる(S10)。この処理では、リール現在位置記憶エリア1143がリセットされて、第1〜第3リール45〜47の現在位置として初期位置(例えば図柄番号1番)が記憶される。サブ統合基板135には初期化のコマンドが送信され、音声制御基板140、電飾制御基板145および表示制御基板150による演出状態が初期状態に設定される。また、各フラグ等(ボーナス成立フラグや小役の当選役フラグなど)がリセットされ、遊技状態は通常遊技状態に設定される。なお、この初期化処理は、通常の電源のON/OFFの動作では行われない。
そして、S11〜S27の一連の処理に従って、スロットマシン100における1ゲームが行われる。まず、遊技メダルの投入またはクレジット投入ボタン22の操作によるベットがあったか否かが確認される(S11)。本実施の形態のスロットマシン100は3ベット専用機であり、3ベット単位で遊技が行われる。従って、RAM114のベット記憶エリア1145の値が3となればベットがあったものとしてS12に進み(S11:YES)、3未満のうちはベットされるまで待機する(S11:NO)。そして、ベットがあったならばベット情報出力処理が行われ(S12)、ベットがあったことを示すコマンドがサブ統合基板135へ送信される。サブ統合基板135では、このコマンドに基づき、音声制御基板140、電飾制御基板145および表示制御基板150に演出等を行うようにコマンドを送信する場合もある。
次に、スタートレバー24の操作の確認がなされ(S14)、スタートレバー24に設けられたスタートスイッチ162の操作が検出されるまで(ONとなるまで)待機が行われる(S14:NO)。スタートレバー24のONが確認されると(S14:YES)、役の抽選が行われる(S15)。この抽選処理では、まず、RAM114の当選役記憶エリア1148の全ての当選役フラグ、および入賞役記憶エリア1149の全ての入賞役フラグに0が記憶されて、前回のゲームにおける抽選結果がクリアされる。次にフラグ記憶エリア1142が参照され、BB遊技状態、CT遊技状態およびRT遊技状態に移行したことを示す各フラグと、BB成立フラグおよびCT成立フラグ(ボーナス成立フラグ)の成立状態とが確認され、ROM112のテーブル記憶エリア1123に記憶された当選役抽選テーブル(図6参照)からQ〜Wの抽選テーブルのうち、上記各フラグの成立状態にあわせた抽選テーブルが選択される。さらに乱数発生器116から出力される「0」〜「65535」までの範囲内の乱数値が取得され、選択された抽選テーブルの参照により、その乱数値に基づいた役の当選もしくはハズレが決定される。当選役があれば、その当選役に対応する当選役記憶エリア1148の当選役フラグに1が記憶される。当選役がボーナス成立フラグ(BB成立フラグもしくはCT成立フラグ)であれば、フラグ記憶エリア1142のBB成立フラグもしくはCT成立フラグに1が記憶される。既にボーナス成立フラグが成立しており、フラグ記憶エリア1142のBB成立フラグもしくはCT成立フラグに1が記憶されていた場合には、成立したボーナス役(BB役およびCT役)に対応する当選役記憶エリア1148の当選役フラグにも1が記憶される。また、当選役の決定の際に抽選テーブルからリール制御テーブル番号も決定され、リール制御テーブル番号記憶エリア1150に記憶される。なお、S15の抽選処理で、取得した乱数値に基づき当選役抽選テーブルの参照により当選役の決定を行うCPU111が、本発明における「当選役決定手段」に相当する。
次に、役の抽選結果をサブ統合基板135に対して出力する処理が行われる(S16)。この処理では役の抽選結果(ハズレもしくは当選役の種類と、選択されたリール制御テーブル番号)を変数として組み込んだコマンドがサブ統合基板135に送信される。サブ統合基板135では、受信したコマンドに基づいて演出等の実行の有無および実行する場合の演出の種類の決定をし、音声制御基板140、電飾制御基板145および表示制御基板150に演出にあわせたコマンドを送信して演出等を開始させる。
ところでスロットマシン100では、1回のゲームにかかる時間が所定時間以上となるように制御を行っており、前回のゲームにおいてリールの回転が開始されたタイミングから、例えば4.1秒が経過していない場合には待機する処理(WAIT処理)が行われる(S17)。この処理ではクロックパルス発生器117から現在の時間情報(例えば一定間隔で常時加算されるカウント値など)を取得してワークエリア1141に記憶する。また、前回のゲームのWAIT処理において最後に記憶された時間情報、すなわちS18に進む直前の時間情報が保存されており、両者を比較して4.1秒に相当する時間が経過するまで現在の時間情報を再取得して更新することで、待機が行われる。なお、待機中には、サブ統合基板135に、報知ランプ53のうちのWAITランプを点灯させるコマンドが送信される。
次のリール回転処理では、リール制御基板124に指示信号を送信して第1〜第3リール駆動装置125〜127を駆動させ、第1〜第3リール45〜47の回転を開始させる(S18)。なお、この処理はWAIT処理と平行して行って、WAIT中に一部のリールの回転を開始させてもよい。
次に、リール停止制御処理が行われる(S19)。この処理では、図10に示すサブルーチンがコールされ、第1〜第3停止ボタン25〜27それぞれの操作に基づく第1〜第3リール45〜47の停止制御が行われる。リール停止制御処理では、まず、第1リール45の回転が停止したか否かが確認される(S35)。第1リール45がまだ回転中である場合には(S35:NO)、第1停止ボタン25が操作されたか否かが確認される(S36)。第1停止ボタン25の操作が行われていなければ(S36:NO)、同様に、第2リール46の回転停止の有無が確認され(S40)、まだ回転中であれば(S40:NO)、第2停止ボタン26についても操作が行われたか確認される(S41)。第2停止ボタン26の操作が行われていなければ(S41:NO)、さらに同様に、第3リール47の回転停止の有無が確認され(S45)、まだ回転中であれば(S45:NO)、第3停止ボタン27の操作が行われたか確認される(S46)。そして、第3停止ボタン27の操作も行われていなければ(S46:NO)、全リールが停止したか否かの確認が行われ(S50)、いずれかのリールが回転中であれば(S50:NO)、S35に戻る。
リールが回転を続け、S35〜S50の処理が繰り返し実行される中で、例えば第1停止ボタン25が操作されると(S36:YES)、リール現在位置記憶エリア1143が参照され、第1リール45の現在位置が確認される。そしてS15で決定されたリール制御テーブル番号に対応したリール制御テーブルが参照され、第1停止ボタン25の操作位置(操作されたタイミングにおける第1リール45の現在位置)に対応した第1リール45の停止位置が決定される。決定された停止位置はリール制御基板124に送信される。そしてリール制御基板124により第1リール駆動装置125の駆動が制御されて、第1リール45の回転が、停止位置において停止される(S37)。この第1リール45の停止位置の情報はコマンドに組み込まれてサブ統合基板135にも送信され(S38)、演出等に用いられる。その後、前述したS40に進み、第2停止ボタン26の操作が確認される。
次回にS35の処理が行われた場合には、第1リール45は既に停止されているのでS40に進む(S35:YES)。第2リール46や第3リール47の停止制御についても、第1リール45の停止制御と同様に行われる。すなわち、第2停止ボタン26が操作された場合には(S41:YES)、リール現在位置記憶エリア1143に記憶された第2リール46の現在位置に基づきリール制御テーブルから停止位置が決定され、その停止位置に従って、第2リール46の回転が停止される(S42)。そして第2リール46の停止位置の情報もサブ統合基板135にも送信されて(S43)、S45に進む。次回以降のS40の処理では、第2リール46は既に停止されているのでS45に進むこととなる(S40:YES)。同様に、第3停止ボタン27が操作された場合にも(S45:YES)、リール現在位置記憶エリア1143に記憶された第3リール47の現在位置に基づきリール制御テーブルから停止位置が決定され、その停止位置に従って、第3リール47の回転が停止される(S47)。この第3リール47の停止位置の情報もサブ統合基板135にも送信されて(S48)、S50に進む。次回以降のS40の処理では、第2リール46は既に停止されているのでS50に進むこととなる(S45:YES)。
このように、S35〜S48の一連の処理は、第1〜第3停止ボタン25〜27がどの順番で操作されてもそれぞれに対応するリールの停止制御が独立に行われるように構成されている。そして全てのリールの回転が停止されることで(S50:YES)、リール停止制御処理を終えてメインルーチンに戻る。なお、上記リール停止制御処理において、第1リール45、第2リール46および第3リール47の停止制御がそれぞれ独立に行われるように遊技者に操作される第1停止ボタン25、第2停止ボタン26および第3停止ボタン27が、本発明における「変動表示停止手段」に相当する。
全リールが停止されて図9に示すメインルーチンに戻ると、表示窓40に表示された図柄の組合せ(出目)の検索処理が行われる(S20)。この処理では前述したように、入賞役検索テーブル(図8参照)が参照され、リール現在位置記憶エリア1143に各リールの現在位置として記憶されている各リールの停止位置に対応した入賞役の検索が行われる。そしてハズレでなければ、検索された入賞役に対応する入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグに記憶される。
次に、役の揃った出目が表示された場合に、その役、すなわち入賞役が、抽選によって決定された当選役に一致するか否か確認が行われる(S21)。具体的には、入賞役記憶エリア1149に1が記憶された入賞役フラグがあれば、その入賞役フラグに対応する入賞役が、S15において当選役記憶エリア1148の当選役フラグに1が記憶された当選役の中にあるか否かが確認される。一致しない場合には(S21:NO)、イリーガルエラーとしてサブ統合基板135にエラーを示すコマンドが送信されてエラー表示が行われると共に、制御プログラムの実行が停止される(S28)。一方、入賞役が当選役に一致すればS22に進む(S21:YES)。なお、S21の判断処理では、表示窓40に表示された出目がハズレであって入賞役がない場合(入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグがすべて0である場合)には、当選役との一致の確認は行われない。
次に、S22のRT遊技処理では、RT遊技状態への移行処理やRT遊技状態の終了判定が行われる。通常遊技状態中では、フラグ記憶エリア1142のRT中フラグに0が記憶されOFFとなっているので、図11に示すように、S54の判断処理ではRT遊技状態中でないと判断されS59に進む(S54:NO)。また、入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグのうち特定役(ドラゴンA〜D役)に対応した入賞役フラグに1が記憶されていなければ、RT遊技状態への移行契機を得たと判断されず、メインルーチンに戻る(S59:NO)。
図9のメインルーチンでは、次に、S23に進み入賞の確認が行われる。入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグの全てが0であった場合(S23:YES)、出目がハズレで役の入賞はなかったとしてその回のゲームは終了し、S11に戻る。そして遊技メダルの投入もしくはクレジット投入ボタン22が操作され、スタートレバー24が操作されることによって、次回のゲームが開始される。
一方、S23において行われた入賞検索によって入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグのうちのいずれかに1が記憶されていた場合(S23:NO)、その入賞役フラグに対応した役の入賞が確定する。そして、テーブル記憶エリア1123に記憶され、入賞役と遊技メダルの獲得枚数とを対応させた図示外の払出テーブルが参照され、入賞役に応じた枚数の遊技メダルの払い出しが行われる(S24)。このとき、サブ統合基板135にコマンドが送信され、報知ランプ53のうちのWINランプが点灯されると共に、払い出された遊技メダルの枚数が、獲得枚数表示部44に表示される。なお、クレジット記憶エリア1144の値が50未満であれば50まで加算され、加算された枚数を差し引いた枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。また、入賞役がリプレイ役であれば、報知ランプ53のうちのREPLAYランプを点灯させるコマンドがサブ統合基板135に送信され、ベット記憶エリア1145の値に3が記憶される。
次に、ボーナス遊技処理が行われる(S26)。この処理では図12に示すサブルーチンがコールされ、入賞役がボーナス役(BB役およびCT役)であった場合に通常遊技状態からBB遊技状態またはCT遊技状態へ移行する処理や、BB遊技状態またはCT遊技状態の終了判定が行われる。通常遊技状態では、フラグ記憶エリア1142のBB中フラグおよびCT中フラグに0が記憶されている(OFFとなっている)。従って、図12のボーナス遊技状態処理では、S62の判断処理においてCT遊技状態中でないのでS68に進む(S62:NO)。次に、入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグのうちCT役に対応した入賞役フラグに1が記憶されていなければ(S68:NO)、CT役の入賞はないのでS71に進む。そしてS71の処理においても同様に、BB遊技状態中でないのでS78に進み(S71:NO)、さらに、入賞役記憶エリア1149の入賞役フラグのうちBB役に対応した入賞役フラグに1が記憶されていなければBB役の入賞はなく(S78:NO)、メインルーチンに戻る。
図9に示すメインルーチンに戻ると遊技状態情報出力処理が行われ(S27)、確定した入賞役に応じて移行される遊技状態の情報がコマンドとしてサブ統合基板135に送信される。サブ統合基板135では、その情報を元に演出等を行う場合もある(通常遊技状態の継続中は一般的には特に演出は行われない。)。その後S11に戻り、次回のゲームの開始待ちとなる。
次回以降の通常遊技状態中のゲームの抽選処理(S15)で、当選役として特定役(ドラゴンA〜D役)が決定された場合には、ドラゴンA〜D役のうちの当選が決定したドラゴン役に対応する当選役記憶エリア1148の当選役フラグに1が記憶されると共に、そのドラゴン役に対応する「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン(A〜D)」を揃えることが可能なリール制御テーブルの番号が、リール制御テーブル番号記憶エリア1150に記憶される。そしてS19の処理で、遊技者が「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン」を揃えられなかった場合、遊技状態の移行は行われず、通常遊技状態が継続される(S23:NO)。なお、当選役記憶エリア1148は毎ゲームリセットされるので、次回のゲームで再当選しない限り特定役を揃えることができるリール制御テーブルが選択されない。
[RT遊技状態]
一方、S19の処理で遊技者が「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン」を揃えられた場合、入賞役記憶エリア1149にはドラゴンA〜D役のうち図柄の揃ったドラゴン役に対応する入賞役フラグに1が記憶される(S20)。そしてS22より、図11に示すRT遊技処理のサブルーチンがコールされる。この時点ではまだRT中フラグが0でありRT遊技状態に移行されていない(S54:NO)。次のS59では、入賞役記憶エリア1149のドラゴンA〜D役に対応する入賞役フラグのうちのいずれかに1が記憶されていることから、特定役が入賞し、RT遊技状態への移行契機を得たと判断されて(S59:YES)、フラグ記憶エリア1142のRT中フラグに1が記憶されONとなる(S60)。さらに、残RT回数記憶エリア1147に、RTの継続回数として規定回数(例えば100回)が記憶される(S61)。その後メインルーチンに戻り、S27の遊技状態情報出力処理では、RT遊技状態への移行を報せるコマンドがサブ統合基板135に送信される。サブ統合基板135により各基板が制御され、RT遊技状態にあわせた演出等が開始されると共に、RT報知ランプ52が点灯される。このゲーム以降、遊技状態はRT遊技状態、すなわち、図9のメインルーチンのS15の抽選処理において抽選テーブルSまたはTが参照されて、当選役としてリプレイ役が通常遊技状態よりも高確率で決定される遊技状態に移行される。
RT遊技状態中にメインルーチンのS22(図9参照)から、図11のRT遊技処理のサブルーチンがコールされると(S54:YES)、その都度、残RT回数記憶エリア1147の値が1ずつ減算されて、RT遊技状態の残り回数(残ゲーム数)が減少される(S55)。RT遊技状態に移行してから規定回数(例えば100回)のゲームが消化されない限り(S56:YES)、RT遊技状態を継続するためS57に進む。また、RT遊技状態はボーナス役(BB役およびCT役)の入賞で終了するように設定されており、ボーナス成立フラグが成立してボーナス図柄が揃わない限り、つまり、入賞役記憶エリア1149のBB役またはCT役に対応した入賞役フラグが1でない限り(S57:NO)、メインルーチンに戻り、RT遊技状態が継続される。
そして、RT遊技状態でゲームが繰り返され、残RT回数記憶エリア1147の値が0(1未満)となった場合(S56:NO)、RT遊技状態を終了するためフラグ記憶エリア1142のRT中フラグに0が記憶されてOFFとされ(S58)、メインルーチンに戻る。S27の遊技状態情報出力処理では、RT遊技状態の終了を報せるコマンドがサブ統合基板135に送信され、演出の終了やRT報知ランプ52の消灯などが行われる。
前述したように、RT遊技状態中はリプレイ役が当選役として決定されやすいため、遊技コインの投入を減らしつつゲームを継続し、ボーナス役等の抽選を行うことができる。従ってRT遊技状態中に当選役としてボーナス役が決定された場合、フラグ記憶エリア1142のBB成立フラグに1が記憶され、遊技者がボーナス図柄を揃えることが可能な状態となる。しかし、当選役としてリプレイ役が決定されたゲームでは、ボーナス図柄を揃えられるリール制御テーブルではなく、リプレイ図柄が揃うリール制御テーブル(01番)が選択される(図6の抽選テーブルT参照)。このため遊技者は、メインルーチンのS15での抽選の結果ハズレが決定された場合、もしくは小役が当選した場合にのみ、ボーナス図柄を揃えることができることとなる。そこで遊技者がRT遊技状態中にボーナス図柄を揃えれば入賞役記憶エリア1149のBB役またはCT役に対応した入賞役フラグに1が記憶されるので(S57:YES)、上記同様、RT遊技状態を終了してボーナス遊技状態に移行するため、フラグ記憶エリア1142のRT中フラグに0が記憶されてOFFとされ(S58)、メインルーチンに戻る。
通常遊技状態においても当選役としてリプレイ役が決定されたゲームでは、リプレイ図柄が揃うリール制御テーブル(01番)が選択されるが、ハズレとなる確率が高いので、RT遊技状態中よりボーナス図柄を揃え易い。そして、上記のように、RT遊技状態中や通常遊技状態中にボーナス図柄が揃った場合、スロットマシン100では、ボーナス遊技状態(BB遊技状態またはCT遊技状態)に移行される。このボーナス遊技状態への移行処理や、ボーナス遊技状態の終了判定は、前述したメインルーチンのS26からコールされる、図12に示すボーナス遊技処理において行われる。
[ボーナス遊技状態]
通常遊技状態中、あるいはRT遊技状態中において、図9のメインルーチンでS15の抽選処理が行われた際に、当選役としてBB役が決定された場合、当選役記憶エリア1148のBB役に対応した当選役フラグに1が記憶され、さらにフラグ記憶エリア1142のBB成立フラグに1が記憶される。また、当選役決定テーブル(図6参照)から「赤7‐赤7‐赤7」または「青7‐青7‐青7」を揃えることが可能なリール制御テーブルの番号が選択されて、リール制御テーブル番号記憶エリア1150に記憶される。S19のリール停止制御処理で、遊技者が「赤7‐赤7‐赤7」または「青7‐青7‐青7」を揃えられなかった場合、BB成立フラグには1が記憶されたままそのゲームは終了する。
次回以降のゲームにおいて、フラグ記憶エリア1142のBB成立フラグに1が記憶されていれば、抽選処理において当選役記憶エリア1148のBB役に対応した当選役フラグに再度1が記憶され、BB役に係る図柄を揃えることが可能なリール制御テーブル番号が選択されることとなる(S15)。そしてリール停止制御処理で「赤7‐赤7‐赤7」または「青7‐青7‐青7」が揃えられると(S19)、出目検索処理において、BB役に対応した入賞役フラグに1が記憶される(S20)。このとき、RT遊技状態中であれば、上記したように、S22からコールされるRT遊技処理(図11参照)を経てRT遊技状態が終了される(S57:YES,S58)。そしてS26から図12に示すボーナス遊技処理がコールされる。
BB役に入賞したゲームにおいて行われるボーナス遊技処理では、フラグ記憶エリア1142のBB中フラグおよびCT中フラグには0が記憶されているのでCT遊技状態中でもBB遊技状態中でもない。また、入賞役記憶エリア1149ではBB役に対応した入賞役フラグが1であって、入賞役はBB役である(S62:NO,S68:NO,S71:NO,S78:YES)。従ってS79に進み、BB遊技状態に移行するためフラグ記憶エリア1142のBB中フラグに1が記憶されてONとなる(S79)。さらに払出枚数記憶エリア1146に0が記憶されて払い出し枚数がリセットされ(S80)、図9のメインルーチンに戻る。メインルーチンではS27の遊技状態情報出力処理で、BB遊技状態への移行を報せるコマンドがサブ統合基板135に送信される。サブ統合基板135により各基板が制御され、BB遊技状態にあわせた演出等が開始される。
次回以降のゲームでメインルーチンからコールされる図12のボーナス遊技処理では、フラグ記憶エリア1142のBB中フラグが1であるので(S62:NO,S68:NO,S71:YES)、メインルーチンの払出処理(図9のS24)で遊技メダルの払い出しが行われていた場合に、払い出された遊技メダルの枚数(クレジットの加算分も含む)が、払出枚数記憶エリア1146の値に加算される(S72)。前述したように、BB遊技状態の終了判定は遊技メダルの払出枚数で行われるため、払出枚数記憶エリア1146の値が規定枚数(例えば360枚)に達したか否か確認され(S74)、規定枚数に達しないうちは(S74:NO)、そのままメインルーチンに戻ってBB遊技状態が継続される。
BB遊技状態中は、抽選処理(図9のS15)において当選役抽選テーブル(図6参照)の抽選テーブルUまたはVが参照されることとなる。抽選テーブルの内容についての詳細な説明は省略するが、小役の当選確率が通常遊技状態中よりも高い確率に設定されており、払出処理(S24)が実行されるゲームが増え、払出枚数記憶エリア1146の値も増加していくこととなる。ゲームが繰り返され、遊技メダルの払い出し枚数が増加し、払出枚数記憶エリア1146の値が規定枚数以上となって規定枚数に達したと判断された場合(S74:YES)、フラグ記憶エリア1142のBB中フラグに0が記憶されてOFFとなる(S75)。また、RAMクリアが行われ、BB遊技状態を継続する際に使用された部分のワークエリア1141の記憶内容がクリアされ、リール現在位置記憶エリア1143、当選役記憶エリア1148、入賞役記憶エリア1149およびリール制御テーブル番号記憶エリア1150もリセットされる(S76)。これらの処理によりBB遊技状態は終了となって通常遊技状態に移行し、メインルーチンに戻る。S27の遊技状態情報出力処理では、BB遊技状態の終了を報せるコマンドがサブ統合基板135に送信され、BB役に係る演出が終了される。
CT遊技状態への移行もBB遊技状態への移行の場合と同様である。通常遊技状態中、あるいはRT遊技状態中において、図9のS15の抽選処理で当選役としてCT役が決定されると、当選役記憶エリア1148のCT役に対応した当選役フラグに1が記憶され、さらにフラグ記憶エリア1142のCT成立フラグに1が記憶される。また、当選役決定テーブル(図6参照)から「赤7‐赤7‐青7」または「青7‐青7‐赤7」を揃えることが可能なリール制御テーブルの番号が選択されて、リール制御テーブル番号記憶エリア1150に記憶される。S19のリール停止制御処理で「赤7‐赤7‐青7」または「青7‐青7‐赤7」が揃えられると、S20の出目検索処理において、CT役に対応した入賞役フラグに1が記憶される。そしてS26から図12に示すボーナス遊技処理がコールされる。
CT役に入賞したゲームではフラグ記憶エリア1142のCT中フラグが0であるので(S62:NO,S68:YES)、S69に進み、CT遊技状態に移行するためフラグ記憶エリア1142のCT中フラグに1が記憶されてONとなる(S69)。さらに払出枚数記憶エリア1146にも0が記憶されて払い出し枚数がリセットされ(S70)、図9のメインルーチンに戻る。S27の遊技状態情報出力処理ではサブ統合基板135にCT遊技状態への移行を報せるコマンドが送信され、CT遊技状態にあわせた演出等が開始される。
次回以降のゲームでメインルーチンからコールされる図12のボーナス遊技処理では、フラグ記憶エリア1142のCT中フラグが1であるので(S62:YES)、BB遊技状態の場合と同様に、払い出された遊技メダルの枚数が、払出枚数記憶エリア1146の値に加算される(S63)。前述したように、CT遊技状態の終了判定も遊技メダルの払出枚数(払出枚数記憶エリア1146の値)が規定枚数(例えば180枚)に達したか否かで判定され(S64)、規定枚数に達しないうちは(S64:NO)、そのままメインルーチンに戻ってCT遊技状態が継続される。
CT遊技状態中は、抽選処理(図9のS15)において当選役抽選テーブル(図6参照)の抽選テーブルWが参照されることとなる。この抽選テーブルの参照に基づくリールの停止制御によって、遊技者はリプレイ役、ボーナス役および特定役を除く小役を任意に揃えることができる。ゲームが繰り返され、遊技メダルの払い出し枚数が増加し、払出枚数記憶エリア1146の値が規定枚数以上となって規定枚数に達したと判断された場合(S64:YES)、フラグ記憶エリア1142のCT中フラグに0が記憶されてOFFとなる(S66)。また、RAMクリアが行われ、CT遊技状態を継続する際に使用された部分のワークエリア1141の記憶内容がクリアされ、リール現在位置記憶エリア1143、当選役記憶エリア1148、入賞役記憶エリア1149およびリール制御テーブル番号記憶エリア1150もリセットされる(S67)。これらの処理によりCT遊技状態は終了となって通常遊技状態に移行し、メインルーチンに戻る。S27の遊技状態情報出力処理では、CT遊技状態の終了を報せるコマンドがサブ統合基板135に送信され、CT役に係る演出が終了される。
このようにして、本実施の形態のスロットマシン100では、通常遊技状態、RT遊技状態、BB遊技状態およびCT遊技状態の間での遊技状態の移行が行われつつ、ゲームが進行し、遊技メダルの投入と払い出しが行われる。なお、図示しないが、毎ゲームにおいて、ホールコンピュータに、ゲーム開始の情報や、大当たり遊技状態中やCT遊技状態中などの情報、前回ゲームにおける遊技メダルの投入・払い出し情報などが送信される処理も行われている。
ところで、スロットマシン100では、第1〜第3停止ボタン25〜27のそれぞれが操作されたタイミングから所定時間以内に、各停止ボタンに対応するリールがそれぞれ停止されるように、第1〜第3リール駆動装置125〜127の制御が行われている。本実施の形態では、停止ボタンの操作後190ms以内にリールが停止されるように制御されており、具体的には、停止ボタンを操作したタイミングに中段に表示されていた図柄から4コマ離れた図柄(図柄番号で4番差以内の図柄)までが、停止制御により表示位置の調整を受けることができる構成となっている。先に2つのリールが停止されると当選役の入賞に係る図柄の入賞ラインが1つの入賞ラインに決まることとなるが、残る1つのリールの停止ボタンが操作されたタイミングにその入賞ラインに表示されていた図柄から4コマ以内に当選役の入賞に係る図柄が存在すれば、停止制御によりその図柄を揃えることができるといえる。換言すると、遊技者が残る1つのリールの停止ボタンを操作したタイミングにその入賞ラインに表示されていた図柄から4コマ以内に当選役の入賞に係る図柄が存在しなければ、当選役を入賞させることができない。つまり役の当選が決定されながらもその役の入賞が確定されず、遊技メダルを獲得することができないこととなる。
前述したように、本実施の形態では、特定役として4つの役、すなわちドラゴンA役、ドラゴンB役、ドラゴンC役およびドラゴンD役が設けられており、それぞれに対応して「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンA」、「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンB」、「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンC」および「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンD」の図柄が揃えば入賞となって、いずれもRT遊技状態へ移行することができるように構成されている。すなわち、複数のリールのうちの一のリール(本実施の形態では第3リール47)を除く他のリール(本実施の形態では第1リール45および第2リール46)における図柄の組合せが、共通となっている。そして上記4つの特定役は、それぞれ異なる役として構成されている。すなわち、複数のリールのうちの一のリール(本実施の形態では第3リール47)の特定役に係る図柄(ドラゴン図柄)が、それぞれ異なる図柄(ドラゴンA〜D図柄)により構成されているのである。このため、ドラゴンA役が当選役として決定されたゲームにおいて、入賞ラインにドラゴンA図柄を表示させることができないタイミングに停止ボタンが操作されると、「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンA」は揃わない。より具体的には、例えば、乱数値として「64980」が取得されて当選役としてドラゴンA役が決定(図6参照)されたゲームにおいて、停止された第1リール45の中段に6番の図柄(リプレイ)が表示され、第2リール46の中段に13番の図柄(リプレイ)が表示された場合、第3停止ボタン27の操作が7番〜11番の図柄が中段に表示されているタイミングに行われなければ、リール制御テーブルより「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴンA」を揃えられる第3リールの図柄番号が選択されず、入賞することができない。
そこで本実施の形態では、ドラゴンA役、ドラゴンB役、ドラゴンC役およびドラゴンD役のうち少なくとも2種以上のドラゴン役が当選役として同時に決定されるようにしている。具体的には、図6に示す当選役抽選テーブルの抽選テーブルQを例に挙げると、乱数値「65034」〜「65198」および「65436」〜「65535」の範囲のいずれかの値が取得された場合、少なくとも2種以上のドラゴン役が当選役として同時に決定される。つまり、一のドラゴン役を入賞させられる停止ボタンの操作タイミングと、二のドラゴン役を入賞させられる停止ボタンの操作タイミングとを共に、特定役の入賞に有効な停止ボタンの操作タイミングとすることができる。ここで図5に示すリールの図柄配列において、第3リール47では、ドラゴンA〜D図柄が分散されて配置されている。上記したように1つの図柄は4コマ以内の停止制御の調整を受けることができるため、このようなドラゴン図柄の分散配置によって、一のドラゴン役を入賞させられる停止ボタンの操作タイミングと、二のドラゴン役を入賞させられる停止ボタンの操作タイミングとが重複しにくくなっている。
例えばドラゴンA役とドラゴンC役とが同時に当選した場合、図5に示すように、ドラゴンA図柄から4コマ以内の図柄(図柄番号7番〜11番)が入賞ラインに表示されたタイミングに停止ボタンが操作されれば、ドラゴンA役に入賞できる。ドラゴンC役についても同様で、図柄番号15番〜19番が入賞ラインに表示されたタイミングに停止ボタンが操作されれば、ドラゴンC役に入賞できる。つまり、21図柄中10図柄が入賞ラインに表示されたタイミングが特定役に入賞可能な停止ボタンの操作タイミングとなり、特定役の入賞が、ドラゴン役1種のみの当選時よりも容易となるのである。
一方で、必ずしも全てのドラゴン役に当選するとは限らないため、例えば、当選したドラゴン役の種類をそれとなく示す演出等を絡めて遊技者に当選したドラゴン役を予想させるといった楽しみ方を提供することも可能である。また、上記のように、当選したドラゴン役の種類の数が増えるほど入賞しやすくなるため、その数にあわせて入賞に対する期待度を演出することも可能である。
また、図5に示す第3リール45の図柄配列では、図柄番号が近いドラゴン図柄同士の表示位置が4コマ以内となっている。このため、例えば乱数値「65190」が取得され図6の当選役抽選テーブル(例えば抽選テーブルQ参照)より4つのドラゴン役すべてが同時に当選役として決定された場合、特にボーナス役に当選していなければ、確実に、特定役に入賞させることが可能となる。
また、前述したように、図6の当選役抽選テーブル(例えば抽選テーブルQ参照)より、乱数値として「65400」〜「65535」が取得されたときにはボーナス役と特定役とが同時に当選役に決定される。そのゲームで特定役に入賞すればRT遊技状態に移行され、通常遊技状態ではハズレ(抽選テーブルQ,R参照)であった乱数値「64」〜「49970」がリプレイ役の当選(抽選テーブルS,T参照)に割り当てられるので、リプレイ役の当選が飛躍的に高まることとなる。リプレイ役に当選したゲームではボーナス図柄を揃えることができないリール制御テーブル(01番)が選択されるため、遊技者は出目からは、ボーナス役の当選に気付きにくい状態となる。こうした場合にボーナス役の当選を示唆する演出等を行って遊技者の期待感を高めることも可能である。あるいはそうした演出を行わず、RT遊技状態が継続回数の消化により終了した場合に突然にボーナス役の当選を告知すれば、遊技者に驚きと喜びを与えることも可能である。
もっとも、ボーナス役と特定役とが同時当選した場合でも、全てのドラゴン役が同時当選するわけではない。ボーナス役と特定役との同時当選が有り得る構成であるため、上記のようにドラゴン役に当選したゲームにおいてドラゴン役に入賞できなかった場合でもボーナス役に当選している可能性があり、遊技者に次のゲームに期待感を抱かせることができる。
なお、本発明は各種の変形が可能である。例えば、「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン(A〜D)」を特定役の入賞として、これを契機にRT遊技状態に移行する構成としたが、上記図柄の組合せに限定されるものではなく、また、特定役の種類が4種類に限定されるものでもない。例えば、チェリー役やスイカ役などのいわゆる通常の小役や、本実施の形態で説明したドラゴン役とは別途に設けた役が特定役を兼ねて、RT遊技状態への移行が行われてもよい。なお、このような通常の小役などが特定役を兼ねる場合、本実施の形態のRT遊技状態とは異なる第2のRT遊技状態(例えば、RT遊技状態の継続回数を変更したもの、ドラゴン役を契機としたRT遊技状態中のリプレイ役の成立確率とは異なるリプレイ役の成立確率を設定したもの、ドラゴン役を契機としたRT遊技状態中に選択される抽選テーブルとは異なる抽選テーブルが選択される(すなわち出目が異なる)ようにしたものなど)へ移行するようにするとよい。
また、「リプレイ‐リプレイ‐ドラゴン(A〜D)」の他にも、「リプレイ‐ドラゴン(A〜D)‐リプレイ」や、「ドラゴン(A〜D)‐リプレイ‐リプレイ」を特定役の入賞に係る図柄の組合せとしてもよい。さらには「リプレイ」図柄の代わりに「ベル」図柄を用いてもよい。すなわち、一のリールにおいてドラゴン図柄を分散配置し、他のリールではどのタイミングで停止ボタンを操作しても確実に表示させることができる図柄を用い、特定役の入賞に係る図柄の組合せとするとよい。このようにすれば、遊技者が停止ボタンをタイミングよく操作する必要が生ずるのが、一のリールに対応した停止ボタンのみで済む。このため、全ての停止ボタンをタイミングよく操作する必要のある場合と比べ、停止ボタンの操作に対する難易度を下げることができる。つまり、停止ボタンをタイミングよく操作することに対する敷居が低くなるため、タイミングよく操作することが苦手な遊技者でも操作に挑戦し易くなり、遊技に対する興趣を高めることができる。
また、本実施の形態では、図7に示したリール制御テーブルに基づいて、停止ボタンの操作位置(停止ボタンを操作したときのリールの現在位置)とリールの停止位置とを対応付けてリールの停止制御を行ったが、各停止ボタンの操作の都度、リールの現在位置から停止可能な範囲(4コマ以内)に当選役に係る図柄があるか否かを確認し、その図柄があれば、入賞ラインにその図柄が表示されるようにリール停止位置を決定するリールの停止制御を行ってもよい。
ところで、特定役に係る図柄が揃った場合、遊技状態はRT遊技状態へ移行する。RT遊技は図柄が揃った次のゲームから行われることとなり、そのRT遊技の開始ゲームにて、例えばベット時、あるいはレバーON時などにRT遊技開始の演出がなされなかった場合、遊技者は驚き、RT遊技に係る図柄が揃ったにもかかわらず、RT遊技開始の演出が行われないことに対し、矛盾を感じる。しかし、遊技者が、この矛盾がボーナス役と特定役との同時当選によるものと気付くのは容易であるため、遊技者の心情は矛盾に対する驚きからボーナス役の当選に対する喜びへと変化する。そのときの心情の変化は大きいため、遊技者は、より高い満足感を得ることができる。また、こうした事象の発生はボーナス役と特定役の同時当選、あるいはボーナス役の当選の持ち越し中に特定役に当選した場合に限られ、換言すると、極めて稀な事象である。このように、滅多に遭遇することのない稀な事象を体験できれば、遊技者は、高い満足感を得ることができる。
また、例えば、停止ボタンをタイミングよく操作することが得意な遊技者は、停止ボタンの操作の失敗によって特定役の入賞を果たせなかった場合に、停止ボタンをタイミングよく操作することが苦手な遊技者よりも大きく落胆する場合が多い。しかし、ボーナス役と特定役とに当選した場合、遊技者が停止ボタンの操作によって特定役に係る図柄を揃えたとしても上記のようにRT遊技状態に移行しないのであれば、例え、停止ボタンを操作するタイミングを誤って特定役に係る図柄を揃えられなかったとしても、その停止ボタンの操作の失敗が必ずしも特定役の入賞の失敗とはならない。つまり、次のゲームなどにおいてボーナス役に係る図柄を揃えることができれば、遊技者は、先のゲームにおける特定役の入賞の失敗は、停止ボタンの操作の失敗によるものではなく、ボーナス役の当選によるものと判断することができる。従って、特定役の入賞の失敗に対する遊技者の落胆を解消させることができる。一方で、停止ボタンの操作の失敗が必ずしも特定役の入賞の失敗とはならなければ、停止ボタンをタイミングよく操作することが苦手な遊技者と得意な遊技者との間で、同条件下における特定役の入賞割合の格差を広げ難くすることができる。
上記のように、ボーナス役と特定役とに同時当選した場合、あるいはボーナス役の当選後でボーナス役に係る図柄を揃える前に特定役に当選した場合に、特定役に係る図柄が揃ってもRT遊技状態に移行されないようにするには、具体的には、図11のRT遊技処理がコールされたら、最初の処理で、RAM114のフラグ記憶エリア1142のボーナス成立フラグが1であるか否かを確認し、1であればS58に進み、0であればS54に進む判断処理を行うことで実現可能である。
また、RT遊技状態中には特定役の抽選を行わないようにしてもよいし、特定役に入賞しても現行のRT遊技状態がそのまま継続されることとしてもよい。あるいは、新たな特定役の入賞によって、新たなRT遊技状態に移行(RT遊技状態の残ゲーム数を移行当初の値にする)してもよいし、新たなRT遊技状態の回数を上乗せ(現行のRT遊技状態の残ゲーム数に新たなRT遊技状態の残ゲーム数を追加加算する)してもよい。