JP2005243334A - 棒状体及びその製法、棒状燃料電池セル及びその製法並びに燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質電極32、34間に固体電解質33を有し、軸長方向にガス通路31aを有する棒状燃料電池セルであって、固体電解質33が浸漬塗布法により形成されるとともに、長さ方向の両端部における固体電解質33の厚み差が5μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たす目的で、鉄属金属成分と希土類元素酸化物とから支持基板31を構成する。
本発明において、燃料極層32は、燃料ガス透過性を有していることが必要であり、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタは、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
固体電解質33と酸素極34との間には拡散防止層36が形成されている。この拡散防止層36は、(CeO2)1−x(SmO1.5)x(0<x≦0.3)の一般式で表わされるSmが固溶したCeO2からなる複合酸化物であることが好ましい。特に、電気抵抗を低減するという点から、一般式中のxが、0.1≦x≦0.2で表される組成のSmが固溶したCeO2からなることが望ましい。さらに、これに拡散を遮断または抑制する効果を高くするために、他の希土類元素の酸化物を含有するものであっても良い。
インターコネクタ35の外面(上面)には、P型半導体層39を設けることが好ましい。即ち、この燃料電池セルから組み立てられるセルスタック(図2参照)では、インターコネクタ35には、導電性の集電部材40が接続されるが、集電部材40をインターコネクタ35に直接接続すると、非オーム接触により、電位降下が大きくなってしまい、集電性能が低下してしまう。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。
セルスタックは、図2に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池セル30の支持基板31は、インターコネクタ35、P型半導体層39、集電部材40を介して、他方の燃料電池セル30の酸素極34に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図2に示すように、サイドバイサイドに配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材42によって直列に接続されている。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質層
34・・・酸素極
35・・・インターコネクタ
40・・・集電部材
Claims (13)
- 長尺状の多孔質体の長さ方向表面に塗布膜を有する棒状体であって、前記塗布膜が浸漬塗布法により形成されるとともに、長さ方向の両端部における塗布膜の厚み差が5μm以下であることを特徴とする棒状体。
- 内部にガス通路が軸長方向に形成された長尺状の多孔質体を、その側面から塗布膜材料を含有する浸漬液中に浸漬し、前記多孔質体の表面に塗布膜を形成することを特徴とする棒状体の製法。
- 浸漬液中に浸漬した多孔質体は、そのガス通路内が吸引されることを特徴とする請求項2記載の棒状体の製法。
- 多孔質体の浸漬方向に所定間隔を置いて複数のガス通路を有し、最初に浸漬される側のガス通路内は、最後に浸漬される側のガス通路よりも圧力が高いことを特徴とする請求項2又は3記載の棒状体の製法。
- 多孔質電極間に固体電解質を有し、軸長方向にガス通路を有する棒状燃料電池セルであって、前記固体電解質が浸漬塗布法により形成されるとともに、長さ方向の両端部における固体電解質の厚み差が5μm以下であることを特徴とする棒状燃料電池セル。
- 多孔質支持体上に、内側多孔質電極、固体電解質、外側多孔質電極が順次形成され、軸長方向にガス通路を有する棒状燃料電池セルであって、前記内側多孔質電極が浸漬塗布法により形成されるとともに、長さ方向の両端部における内側多孔質電極の厚み差が5μm以下であることを特徴とする棒状燃料電池セル。
- 固体電解質が浸漬塗布法により形成されるとともに、長さ方向の両端部における固体電解質の厚み差が5μm以下であることを特徴とする請求項6記載の棒状燃料電池セル。
- 浸漬塗布法により形成された固体電解質又は内側多孔質電極の長さ方向両端部における厚みが、実質的に同一であることを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれかに記載の棒状燃料電池セル。
- 中空平板型であることを特徴とする請求項5乃至8のうちいずれかに記載の棒状燃料電池セル。
- 内部にガス通路が軸長方向に形成された長尺状の多孔質電極、又は内部にガス通路が軸長方向に形成され、表面に多孔質電極を有する長尺状の多孔質支持体を、その側面から固体電解質材料を含有する浸漬液中に浸漬し、前記多孔質電極の表面に固体電解質塗布膜を形成することを特徴とする棒状燃料電池セルの製法。
- 浸漬液中に浸漬された多孔質電極又は多孔質支持体は、そのガス通路内が吸引されることを特徴とする請求項10記載の棒状燃料電池セルの製法。
- 多孔質電極又は多孔質支持体は、その浸漬方向に所定間隔を置いて複数のガス通路を有し、最初に浸漬される側のガス通路内は、最後に浸漬される側のガス通路よりも圧力が高いことを特徴とする請求項10又は11記載の棒状燃料電池セルの製法。
- 請求項5乃至9のうちいずれかに記載の棒状燃料電池セルを複数収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
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