JP2005239961A - 半金属錯体形成基を有する芳香族架橋重合体及び吸着剤 - Google Patents

半金属錯体形成基を有する芳香族架橋重合体及び吸着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン交換樹脂内部における半金属イオンの拡散速度を高め、半金属の吸着容量が高く、かつ、反応速度の速いイオン交換樹脂に適した芳香族架橋重合体及び該重合体からなる半金属の吸着剤を提供する。
【解決手段】主たる構造単位が、少なくとも半金属を吸着する機能を有する特定の構造単位(A)及び、4級アンモニウム基を有することにより親水性の高い部位を形成し、樹脂内での半金属イオンの拡散を起こりやすくし、構造単位(A)部分における半金属吸着速度及び吸着量を高める機能を有する特定の構造単位(B)からなることを特徴とする芳香族架橋重合体及び該重合体からなるホウ素等の半金属吸着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、半金属との錯体形成能を有する置換基を含有し、半金属吸着剤として用いられる芳香族架橋重合体に関するものである。詳しくは、本発明は、ホウ素等の半金属の吸着能に優れ、ホウ素等の半金属を含む廃水中の該半金属を吸着除去するための処理剤等として好適に用いられる半金属吸着剤及びその半金属吸着剤に有用な芳香族架橋重合体に関するものである。
従来、ホウ素含有廃水の処理方法及び海水の淡水化方法における一方法として、イオン交換樹脂によるイオン交換樹脂法が廣く知られている。イオン交換樹脂法で使用されるイオン交換樹脂としては、アミノポリオール型のキレート樹脂が多用されている(特許文献1)が、従来使用されているアミノポリオール型のキレート樹脂(イオン交換樹脂)では、吸着速度と動的吸着容量とを両立させることが困難であった。吸着速度を上げる為、イオン交換樹脂母体の構造を変化させると吸着量が低下し、逆に、吸着量が増えるように母体構造を変化させると、吸着速度が低下すると共に、母体のアミノポリオール導入への反応性が下がりその導入量を上げることが出来なかった。
一方、工場廃水や海水中には、ホウ素をはじめ、セレン、ヒ素、テルル、ゲルマニウムなど種々の金属と共に半金属が含まれている場合があり、これらの半金属は有害なことが多い為、半金属を効率良く除去するイオン交換樹脂の開発が望まれていた。
特開平9−59315号
本発明は、イオン交換樹脂の樹脂内部における半金属イオンの拡散速度を高め、半金属の吸着容量が高く、かつ、反応速度の速いイオン交換樹脂に適した芳香族架橋重合体及び該重合体からなる半金属の吸着剤を提供する事を目的とするものである。
本発明者らは、半金属に対して高い吸着容量をもつイオン交換樹脂(キレート樹脂)を開発すべく、樹脂内における半金属の拡散性について着目し鋭意研究を重ねた結果、樹脂内部における半金属、即ちホウ素の拡散速度はホウ素の樹脂内での拡散の容易さと関係しており、拡散速度を高めるためには拡散のし易さを改善することが有効であることを見出した。かかる知見に基づき、半金属の樹脂内での拡散性の容易さ、つまり、ホウ素等の半金属の拡散速度は、樹脂内に半金属に対する吸着基とは別に親水性の高い部位を存在させ、樹脂内での半金属イオンの拡散を生起し易くする事により向上させることが出来、それによって、従来のイオン交換樹脂(キレート樹脂)より高い吸着容量を付与することを可能にし本発明を達成した。
本発明は、半金属の吸着容量が高く、かつ反応速度の速いイオン交換樹脂に最適な特定構造の芳香族架橋重合体に関わり、本発明の第1の要旨は、主たる構造単位が、少なくとも下記式(A)及び(B)で表される構造単位からなることを特徴とする芳香族架橋重合体に存する。
Figure 2005239961
(式(A)中、nは0〜4の整数である。Rは水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは半金属と錯体を形成し得る置換基を有するアルキル基を示す。)
Figure 2005239961
(式(B)中、Qは2価の連結基を示し、aは0又は1を示す。R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xは対アニオンを表す。)
本発明の第2の要旨は、上記芳香族架橋重合体からなる半金属吸着剤、特にホウ素吸着剤に存し、更なる本発明の要旨は、上記架橋芳香族架橋重合体の製造方法に存する。
本発明の芳香族架橋重合体は、その樹脂内部での半金属イオンの拡散速度が高いため、この芳香族架橋重合体からなるイオン交換樹脂は、半金属の吸着容量が高く、かつ、反応速度の速い半金属の吸着性能に優れた半金属用吸着剤を提供することが出来、このイオン交換樹脂を使用することにより工場廃水や海水中の半金属を効率よく回収・除去することが出来る。
本発明の芳香族架橋重合体は、その主たる構造単位が少なくとも上記式(A)及び式(B)で表される構造単位からなる特定構造の重合体である。
ここで、主たる構造単位とは、芳香族架橋重合体の全重量中、50重量%以上、好ましくは60重量%以上を占めることを表す。
以下、各構造単位について説明する。
[1]構造単位:式(A)
下記式(A)で表される構造単位部分(以下構造単位(A)と称することもある)は、半金属を吸着する機能を呈する部分であり、少なくとも半金属を吸着する置換基、即ち半金属と錯体を形成し得る置換基で置換されたアミノ基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂構造に相当する部分である。
Figure 2005239961
(式(A)中、nは0〜4の整数である。Rは水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは半金属と錯体を形成し得る置換基を有するアルキル基を示す。)
式(A)において、nは0〜4の整数であり、半金属と錯体を形成し得る置換基を有するアミノ基はベンゼン核に直接又はアルキレン鎖を介して連結されるが、半金属の吸着性からは該アミノ基はベンゼン核に直接結合するか、短い連結鎖(n=1〜2)で連結するのが好ましい。
アミノ基の置換基Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示すが、好ましくは水素原子又はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜4の低級アルキルであり、より好ましくは水素原子又はメチル基、エチル基が挙げられる。Rで示されるアルキル基は、Rが有する半金属と錯体を形成し得る置換基の錯体形成能を阻害しない限り、他の置換基で置換されていても良い。
アミノ基の置換基Rは、半金属と錯体を形成し得る置換基を有するアルキル基を示す。半金属と錯体を形成し得る置換基としては水酸基が好ましく、アルキル鎖上に水酸基を2個以上有し、且つ少なくとも2個の水酸基が隣接する炭素原子に結合している炭素数2〜10のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数3〜6の直鎖アルキル基がより好ましい。Rとして特に好ましいアルキレンポリオールは、式−CH(CHOH)CHOH(但し、mは1〜4の整数)で示されるポリヒドロキシアルキル基である。
式(A)で示される構造単位の具体例を以下に示す。
Figure 2005239961
[2]構造単位:式(B)
下記式(B)で表される構造単位部分(以下、構造単位(B)と称することもある。)は、4級アンモニウム基を有することにより親水性の高い部位を形成し、樹脂内での半金属イオンの拡散を起こりやすくし、構造単位(A)部分における半金属吸着速度及び吸着量を高める機能を奏する部分であり、4級アンモニウム基を有する強塩基性陰イオン交換樹脂構造に相当する部分である。
Figure 2005239961
式(B)において、Qは2価の連結基を示し、aは0又は1を示す。2価の連結基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましく、更に好ましくはメチレン基である。Qとしては、aが0であるか、aが1で置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基であるのが好ましい。
アンモニウム基の置換基R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示し、Xは対アニオンを表す。
アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル、エチル基が好ましい。アルキル基が有し得る置換基としては、水酸基等の親水性のものが好ましく、具体的にはヒドロキシメチル基等が挙げられる。置換基R〜Rは、互いに同じでも異なっていてもよい。これらの置換基を適宜選定し、構造単位(B)の部位が構造単位(A)の部位よりも、より親水性が高くなるようにするのが好ましい。
また、対アニオンXとしては、塩化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
式(B)で示される構造単位の具体例を以下に示す。
Figure 2005239961
本発明の芳香族架橋重合体の主たる構造単位は上記構造単位(A)及び構造単位(B)からなるが、該重合体をイオン交換樹脂である半金属吸着剤となした場合、樹脂中における半金属イオンの拡散性を向上するには、重合体中に親水性の高い部位を存在させることが有効である。高い親水性は、構造単位(B)の含有量にもよるので、構造単位(B)の重合体中における割合は、通常、主たる構造単位中0.1〜50重量%である。構造単位(B)の存在量がこの範囲を超えて少な過ぎると、樹脂中における半金属イオンの拡散性を向上させることができず、他方、多すぎると相対的に半金属の吸着性能を有する構造単位(A)が少なくなるので半金属イオンの吸着量が低下し好ましくない。構造単位(B)の存在量は、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.2〜20重量%である。
又、構造単位(A)は、半金属の吸着機能を奏するので、重合体の主たる構造単位中に占める割合は、少なくとも50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上である。
[3]その他の構造単位
本発明の芳香族架橋重合体は、主たる構造単位が上記(A)及び構造単位(B)からなるが、これらの構造単位以外の他の構造単位を含有していてもよい。他の構造単位としては、本発明の芳香族架橋重合体が、例えばスチレン系の架橋共重合体から製造される場合には、スチレン骨格の構造単位が挙げられる。また、他の構造単位として、下記に示す構造単位(C)及び(D)なども挙げられるが、これらの構造単位は、場合により芳香族架橋共重合体の製造時に副生し、生成重合体に含有される。
本発明の芳香族架橋重合体における上記構造単位(A)及び構造単位(B)からなる主たる構造単位は、全重合体中、50重量%以上を占め、好ましくは60重量%以上である。
Figure 2005239961
(式(C)中、R1、及びnは前記式(A)におけると同義であり、Xは、アニオンを表す。)
Figure 2005239961
[4] 製造方法
本発明の芳香族架橋重合体は、公知のイオン交換樹脂の製造方法に準じて製造することが出来、例えば以下に示す方法により製造することが出来るが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
本発明の芳香族架橋重合体は、その基体となるスチレン等の芳香族モノビニルモノマーとジビニルベンゼン等のポリビニルモノマーとの架橋共重合体ポリマーに、公知の方法によりクロロメチルメチルエーテル等のクロロメチル化剤を反応させてクロロメチル化ポリマー(以下、CMPと略称することがある。)を合成し、次いで半金属吸着基となる置換基を導入するが、その導入の前後で親水性の置換基を導入することによって製造することが出来る。
架橋共重合体ポリマーを製造するモノビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等の芳香族モノビニルモノマーが挙げられ、この中でスチレンが好ましい。架橋剤としてのポリビニルモノマーは、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン等が挙げられるが、これらの中、ジビニルベンゼンが好ましい。
これらのモノビニルモノマー及びポリビニルモノマーは、通常、ラジカル開始剤の存在下、懸濁重合することにより球状の架橋共重合体ポリマーを形成することができる。架橋共重合体は、多孔質構造或いは細孔を有さないゲル状構造のいずれでもよく、多孔質体は、公知の方法により重合する際多孔質化剤を用いることにより製造することが出来る。
架橋共重合体ポリマーにクロロメチルメチルエーテルを反応させ、クロルメチル基を導入したクロロメチル化ポリマーに、半金属吸着基及び親水性基を導入する。
半金属吸着基の導入は、例えば、前記の基体架橋共重合体ポリマーにクロルメチル基を導入したCMPにアミノポリオール基を導入することにより行う。アミノポリオール基の導入は、官能基としてアミノ基と水酸基を2個以上有する化合物(アミノポリオール)と基体樹脂(CMP)とを反応させることにより行うことが出来る。
アミノポリオールとしては、分子中に少なくとも1個のアミノ基と2個以上の水酸基を有する化合物が使用される。具体的には、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール等が挙げられるが、これらの中、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)ソルビトール[通称:N−メチルグルカミン]が有用である。
本発明の芳香族架橋重合体は、その基体樹脂中に親水性の高い部位を存在させることにより、樹脂内での半金属イオンの拡散を生起し易くするが、親水性部位は基体樹脂に親水基を導入することにより行われる。親水基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−(ヒドロキシメチル)ジメチルアミン、N−(ヒドロキシメチル)ジエチルアミン、トリ(ヒドロキシメチル)アミン等のトリアルキルアミン及びヒドロキシ置換アルキルアミン等が挙げられる。親水基は、半金属吸着基の種類にもよるが半金属吸着基よりも親水性の高い基であるのが好ましい。
基体樹脂への親水基の導入は、半金属吸着基の導入の前でも後でも、或いは同時に行うこともできる。例えば、親水性の高い部位をトリメチルアミノ基(アンモニウム基)とする場合、トリメチルアミン(以下、TMAとすることがある。)親水性部分の導入は、半金属吸着基の導入の前でも、後でも良いが、半金属吸着基がN−メチルグルカミンにより導入される場合には、半金属吸着基の導入と同時に行うことが好ましい。
N−メチルグルカミンとトリメチルアミンを同時にCMPに反応させた場合、それぞれのCMPとの反応性の違いから、トリメチルアミンが先に反応し、後からN−メチルグルカミンが反応する。この場合、CMPがトリメチルアミンによって、部分的に親水性化されるため、よりN−メチルグルカミンとの反応が進行しやすくなり、事実上、N−メチルグルカミンの導入量を増やすことが出来る。
また、従来のキレート樹脂の製造における反応では、疎水性のCMPと親水性のN−メチルグカミンとを反応させるため、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非極性非プロトン性溶媒を用いていたが、非極性非プロトン性溶媒は、沸点が高く除去が困難な上、高温で分解し、更には、価格が高いなどの欠点がある。本発明方法では、親水性を与えるトリメチルアミンなどの低分子のアルキルアミン類を適当量共存させることにより、CMPの部分的な親水性化により、半金属吸着基であるN−メチルグルカミンとの反応性が改善されるため、非極性非プロトン性溶媒を使用しなくとも、通常使用されている疎水性の溶媒と親水性の溶媒とを混合溶媒を使用することにより反応を進行させることが出来るので、工業的に極めて有利である。例えば、疎水性溶媒としてトルエン、親水性溶媒としてメタノール等が使用される。
本発明の芳香族架橋重合体は、陰イオン交換樹脂としての性能を有するが、アミノポリオールにより導入された基が2個以上の水酸基を有し、且つ少なくとも隣接する炭素原子に結合した2個の水酸基を有するのでキレート樹脂としての性能も有するものである。特に、基体樹脂が金属に対するキレート的吸着基とともに、親水基の導入による高い親水性部位を有することにより、ホウ素等の半金属の吸着剤として極めて有用である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
公知の技術にて製造した、多孔質のポリスチレン−ジビニルベンゼン(PS−DVB)架橋共重合体に、クロロメチルメチルエーテルをルイス酸触媒を用いて反応させた後、80℃で8時間乾燥し、乾燥クロロメチル化ポリマー(CMP)を得た。このクロロメチル化ポリマーの塩素量は20重量%であった。得られた乾燥CMP50gに、メタノール250ml、トルエン350ml、N−メチルグルカミン(NMG)75g、30%トリメチルアミン水溶液1g、及び無水炭酸ナトリウム30gを加えて、65℃で9時間反応させた。反応混合物から溶媒を留去した後、脱塩水で水洗し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を通液して再生し、樹脂Aを得た。TMA基の導入は、固体NMRにて確認した。TMA(アンモニウム基)の導入量は樹脂乾燥重量あたり0.033meqであった。
[実施例2]
上記実施例1で得られた樹脂A50mlを、内径15mm 長さ250mmの硝子製カラムに充填した。原水としてホウ素濃度100ppm、食塩濃度0.3重量%に調製した水溶液をSV5でカラムに通液し、カラムから流出する液中のホウ素濃度をICP発光分析にて測定した。処理液量と流出液中のホウ素濃度との関係をグラフとして図1に示す。
[実施例3]
樹脂Aの平衡吸着量を求めるため、溶液中のホウ素濃度を20ppm、100ppm、200ppmに調製した各水溶液300mlのそれぞれに、樹脂A0.4gを加え、30℃で72時間振とうした後、外液中のホウ素濃度をIPC発光分析にて測定した。溶液平衡濃度が100ppmの時のホウ素吸着量を作図(図2)によって求めた結果、10.2g/L−Rであった。
[比較例1]
従来品と同様のキレート樹脂を得るため、実施例1で製造した乾燥CMPを用い、NMGを導入する際、トリメチルアミン水溶液を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で、反応を行い樹脂Bを製造した。得られた樹脂Bを用い実施例2と同様の通液試験を実施した。その結果を図1に示した。この図から、TMA基の存在する樹脂Aは、ホウ素吸着容量が高く、吸着速度も同等であることが解る。
[比較例2]
樹脂Bについて、実施例3と同様の平衡吸着量測定を実施した。その結果、溶液平衡濃度が100ppmの時のホウ素吸着量は6.0g/L−Rであった。
上記実施例及び比較例で得られた樹脂A及び樹脂Bの物性を纏めて表1に示す。
Figure 2005239961
ホウ素含有水溶液の処理液量と流出液中のホウ素濃度との関係を示すグラフである。 樹脂のホウ素吸着量とホウ素溶液の平衡濃度との関係を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 主たる構造単位が、少なくとも下記式(A)及び(B)で表される構造単位からなることを特徴とする芳香族架橋重合体。
    Figure 2005239961
    (式(A)中、nは0〜4の整数である。Rは水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは半金属と錯体を形成し得る置換基を有するアルキル基を示す。)
    Figure 2005239961
    (式(B)中、Qは2価の連結基を示し、aは0又は1を示す。R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xは対アニオンを表す。)
  2. 式(B)中、Qで示される2価の連結基が、置換基を有していても良い炭素数1〜4のアルキレン基であり、aは0又は1であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族架橋重合体。
  3. 式(A)中、Rは、2個以上の水酸基を有し、且つ少なくとも2個の水酸基が隣接する炭素原子に結合している炭素数2〜10のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の芳香族架橋重合体。
  4. 式(A)中、Rが、−CH(CHOH)CHOH(但し、mは1〜4の整数)で示されるアルキレンポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族架橋重合体。
  5. 式(B)中、R〜Rで示されるアルキル基が、水酸基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族架橋重合体。
  6. 芳香族架橋重合体の主たる構造単位中、構造単位(A)は50重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族架橋重合体。
  7. 芳香族架橋重合体の主たる構造単位中、構造単位(B)は、0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族架橋重合体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族架橋重合体からなることを特徴とする半金属吸着剤。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族架橋重合体からなることを特徴とするホウ素吸着剤。
  10. クロロメチル化したスチレン架橋共重合体に、ポリヒドロキシアルキルアミン及びトリアルキルアミンを反応させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族架橋重合体の製造方法。
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