JP2005235522A - 高分子電解質型燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高分子電解質膜の分解及び劣化を抑制することにより耐久性の高い燃料電池を提供する。
【解決手段】 高分子電解質膜11の一方の面に燃料電極16が形成されるとともに他方の面に酸素電極17が形成され、燃料電極16に燃料ガスが供給されるとともに酸素電極17に酸化剤ガスが供給される燃料電池200において、燃料電極16側の燃料ガスの圧力が、酸素電極17側の酸化剤ガスの圧力における酸素分圧以上に設定されている。ここでは、燃料ガスの圧力が酸化剤ガス中の酸素ガス分圧の8倍以上になるように、燃料電池200外部への燃料ガスの取り出し経路と酸化剤ガスの取り出し経路とに配設された排圧調整弁209,210の開閉調節が行われて圧力調整が行われる。
【選択図】 図6


Description

本発明は、高分子電解質膜を備えた高分子電解質型燃料電池及びその運転方法に関する。
高分子電解質膜を備えた高分子電解質型燃料電池は、アノードたる燃料電極に供給される水素含有の燃料ガスと、カソードたる酸素電極に供給される酸素含有の空気等の酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。
一般的に、高分子電解質型燃料電池は、基本単位である単電池を複数備えて構成された電池スタックにより構成される。単電池では、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の一方の表面に燃料電極が配置され、他方の表面に酸素電極が配置される。そして、これらの電極の周囲には、各電極にそれぞれ供給された燃料ガスや酸化剤ガスが外部にリークして互いに混合することがないよう、高分子電解質膜を挟んで電極の周囲にガスシール材及びガスケットが配置されている。このように一対の電極と高分子電解質膜とが一体化して予め組み立てられ、電極、高分子電解質膜、ガスシール材、及びガスケットが一体化されたものを、電極電解質膜接合体(以下、MEAと記載する)と呼ぶ。MEAが一対のセパレータ板の間に挟持されて単電池が構成され、この単電池が必要な個数直列に連結されて電池スタックが形成される。
現在、MEAに用いられる高分子電解質膜としては、耐久性に優れる点から、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜、例えば米国Du Pont社製のNafion膜等が一般的に使用される。
ところで、このような高分子電解質型燃料電池には、高分子電解質膜を通じたガスのクロスリークの問題がある。具体的には、燃料電池では、電池の発電効率の点から膜部分の抵抗を低減する必要があり、それゆえ、高分子電解質膜の膜厚を小さくしている。しかしながら、高分子電解質膜の膜厚が小さくなると、膜を介して水素イオンが燃料電極側から酸素電極側に移動するだけでなく、各電極にそれぞれ供給された燃料ガスと酸化剤ガスとが膜を介して反対側に相互にクロスリークする。その結果、高分子電解質膜が劣化して電圧の低下などの問題が生じる。
このようなガスのクロスリークを抑制する方法として、高分子電解質膜の膜厚を大きくする方法や、膜内に触媒層を設けてクロスリークしてきた燃料ガスと酸化剤ガスとを膜内で水に変換する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの方法では、膜厚の増加による電池の発電効率の低下や、膜内への触媒層の設置によるコストアップ等が問題となる。
また、燃料電極側にクロスリークする酸素を酸素電極のCO被毒の除去に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合には、0.9Vを越える開回路状態付近の非常に高い電圧に燃料電池が保持されると、高分子電解膜が分解するという問題がある。
一方、燃料電池の耐久性劣化の機構については、カソードたる酸素電極の酸素還元時に副反応により生成した過酸化水素が、図11の反応式で示すフェントン反応等によりラジカルとなり、このラジカルが高分子電解質膜を分解すると予想されている(例えば、非特許文献1参照)。なお、図中のFeイオンは、触媒や装置の部材由来のイオンである。高分子電解質膜の分解については、まだ詳しいメカニズムがわかっていないものの、ガスのクロスリークが影響を与える可能性がある。
特開平6−103992号公報 特開2001−76742号公報 第10回燃料電池シンポジウム講演予稿集P261
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高分子電解質膜の分解及び劣化を抑制することにより耐久性の高い高分子電解質型燃料電池及びその運転方法を提供することを目的とする。
発明者らが燃料電池の高分子電解質膜の分解に伴う燃料電池の耐久性劣化の機構を鋭意研究した結果、高分子電解質膜の分解には、カソードたる酸素電極側からアノードたる燃料電極側にクロスリークする酸素の影響が大きいことが明らかとなった。酸素の実際のクロスリーク量は、燃料電池を運転している状態では測定できないが、燃料電池の運転中には高分子電解質膜中を水素イオンや水分が移動していることから、酸素のクロスリーク量はこれらの影響も受けていると考えられる。これらの点を踏まえて、発明者らは、以下の本発明に到った。
すなわち本発明に係る高分子電解質型燃料電池及びその運転方法は、水素イオン伝導性電解質膜の一方の表面に配置され触媒反応層を備えた第1の電極と、前記電解質膜の他方の面に配置され触媒反応層を備えた第2の電極と、水素を含む燃料ガスを通流させ前記第1の電極に前記燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、酸素を含む酸化剤ガスを通流させ前記第2の電極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備え、前記第1及び第2の電極の前記触媒反応層における前記燃料ガスの酸化によって発電する高分子電解質型燃料電池において、前記第1の電極に供給される前記燃料ガスの圧力が前記第2の電極に供給される前記酸化剤ガスの圧力以上とするものである。
前記第1及び第2の電極を挟持する一対のセパレータを備え、前記第1の電極側に配置されたセパレータの前記第1の電極との接触面に凹部が形成されて前記燃料ガス流路が構成されるとともに、前記第2の電極側に配置されたセパレータの前記第2の電極との接触面に凹部が形成されて前記酸化剤ガス流路が構成され、前記燃料ガス流路内における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路内における前記酸化剤ガスの圧力以上であってもよい。
前記燃料ガス流路のガス入口における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路のガス入口における前記酸化剤ガス中の前記酸素の分圧の8倍以上であってもよい。
前記燃料ガス流路のガス出口における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路のガス出口における前記酸化剤ガス中の前記酸素の分圧の8倍以上であってもよい。
例えば、水素イオン伝導性電解質膜の一方の表面に配置され触媒反応層を備えた第1の電極と、前記電解質膜の他方の面に配置され触媒反応層を備えた第2の電極と、前記第1及び前記第2の電極を挟持する一対のセパレータであって前記第1の電極側に配置され前記第1の電極との接触面に凹部が設けられて燃料ガス流路が形成された第1のセパレータ及び前記第2の電極側に配置され前記第2の電極との接触面に凹部が設けられて酸化剤ガス流路が形成された第2のセパレータとを備え、前記第1のセパレータの前記燃料ガス流路に水素を含む燃料ガスを通流させ前記第1の電極に前記燃料ガスを供給するとともに、前記第2のセパレータの前記酸化剤ガス流路に酸素を含む酸化剤ガスを通流させ前記第2の電極に前記酸素を供給し、前記第1及び第2の電極の前記触媒反応層における前記燃料ガスの酸化によって発電する高分子電解質型燃料電池において、前記第1のセパレータの前記燃料ガス流路の流路長をL1とし、前記燃料ガス流路の最小流路断面積をS1とし、前記燃料ガス流路に供給される前記燃料ガスの供給量をV1とすると、前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの圧力損失Paは、比例定数αを用いて、Pa=α×(L1/S1)×V1で表され、かつ、前記第2のセパレータの前記酸化剤ガス流路の流路長をL2とし、前記酸化剤ガス流路の最小流路断面積をS2とし、前記酸化剤ガス流路に供給される前記酸化剤ガスの供給量をV2とすると、前記酸化剤ガス流路における前記酸化剤ガスの圧力損失Pcは、比例定数α’を用いて、Pc=α’×(L2/S2)×V2で表されるとともに、前記酸化剤ガス中の酸素ガスの圧力損失はPc/5で表される時、前記燃料ガス流路の出口及び前記酸化剤ガス流路の出口が大気開放された状態では、前記燃料ガス流路における圧力損失Paと前記酸化剤ガス流路における圧力損失Pcとの間にPa/(Pc/5)≧8の関係が成立するように、前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の前記流路長L1,L2、前記流路最小断面積S1,S2、及び、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量V1,V2が設定されてもよい。
前記燃料ガス流路の出口から取り出される前記燃料ガスの圧力を調整する排圧調整弁がさらに設けられてもよい。
前記燃料ガス流路と前記酸化剤ガス流路とが平行に設けられ、かつ、前記燃料ガス流路の入口から出口に向かう前記燃料ガスの流れ方向が、前記酸化剤ガス流路の入口から出口に向かう前記酸化剤ガスの流れ方向と同一であることが好ましい。
前記第1及び前記第2の電極が、前記触媒反応層の外面に配設されたガス拡散層をそれぞれ備え、前記第1の電極側及び前記第2の電極側に配置された前記ガス拡散層の少なくとも一方が、カーボンペーパを基材として構成されることが好ましい。。
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下のような効果を奏する。すなわち、本発明に係る高分子電解質型燃料電池及びその運転方法によれば、高分子電解質膜の劣化を抑制することができ、長期にわたって高い電圧を維持することが可能な耐久性に優れた高分子電解質型燃料電池を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と呼ぶ)の構成を示す模式的な斜視図であり、ここでは単電池(セル)について示している。また、図2は、図1の単電池の模式的な断面図である。また、図3は、図1の単電池に用いられる電極電解質膜接合体(以下、MEAと呼ぶ)の構成を示す模式的な断面図である。また、図4は、燃料電池の発電時におけるMEAの動作を説明するための模式的な断面図である。
図1〜図4に示すように、本実施の形態に係る燃料電池の単電池100では、水素イオン伝導性高分子電解質膜(以下、単に電解質膜と呼ぶ)11を挟んで該膜11の表面に一対の電極(具体的には燃料電極16と酸素電極17)が配置されてMEA18が形成されている。そして、このMEA18の外周にガスケット板19が接合されるとともに、ガスケット板19及びMEA18を挟むように一対の導電性セパレータ板10a,10bが配設されて単電池100が構成されている。
ガスケット板19及びセパレータ10a,10bには、燃料ガス及び酸化剤ガスを流通させるためのマニホールド孔24と、冷却水を通流させるためのマニホールド孔25が形成されている。また、セパレータ板10aのMEA18と接触する部分には、燃料電極16に反応ガスたる燃料ガスを供給し、また、発電反応の生成ガスや余剰ガスを燃料電池外部に取り出すためのガス流路(すなわち燃料ガス流路26)が形成されている。また、セパレータ板10bのMEA18と接触する部分には、酸素電極17に反応ガスたる酸化剤ガスを供給し、また、発電反応の生成ガスや余剰ガスを燃料電池外部に取り出すためのガス流路(すなわち酸化剤ガス流路27)が形成されている。燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27は、セパレータ板10a,10bとは別に設けることもできるが、本実施の形態のようにセパレータ板10a,10bの表面に溝を設けてガス流路を形成する方式が一般的である。なお、図1ではセパレータ板10a,10bの表面にストライプ状の溝が形成されているが、実際には、図5で後述するように、溝が蛇行して形成されたサーペンタイン型である。
このようにセパレータ板10a及びセパレータ板10bに形成された燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27にガスを供給するためには、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給配管を、使用するセパレータ板10a,10bの枚数に対応して分岐させ、その分岐先を直接セパレータ板10a,10b表面に形成された溝につなぎ込む配管用の治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼び、特に、ガスの供給配管から直接つなぎ込むタイプのマニホールドを外部マニホールドと呼ぶ。また、マニホールドには、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ばれる形式のものがある。内部マニホールドとは、燃料ガス流路26が形成されたセパレータ10a及び酸化剤ガス流路27が形成されたセパレータ板10bの4つの角部に貫通孔(すなわちマニホールド孔24)をそれぞれ設け、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の出入口を対応する各マニホールド孔24まで通し、このマニホールド孔24から直接各ガスを燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27に供給するものである。本実施の形態では、燃料電池が、この内部マニホールド形式の構成を有している。
ここでは図示を省略しているが、燃料ガス流路26の入口に連通するマニホールド孔24は、外部に設けられた燃料供給配管に連通しており、マニホールド孔24を介して燃料ガス流路26への燃料ガス供給が行われる。また、酸化剤ガス流路27の入口に連通するマニホールド孔24は、外部に設けられた酸化剤供給配管に連通しており、マニホールド孔24を介して酸化剤ガス流路27への酸化剤ガス供給が行われる。また、燃料ガス流路26の出口に連通するマニホールド孔24及び酸化剤ガス流路27の出口に連通するマニホールド孔24は、発電反応における生成ガスや余剰ガスを外部に取り出し可能なように外部に連通している。
図5は、セパレータ板10a,10bに形成された燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27との相対配置を示す模式図である。図5に示すように、ここでは、サーペンタイン型、すなわち燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27が蛇行して形成されたセパレータ板10a,10bが用いられている。このようなサーペンタイン型のセパレータ板10a,10bの燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の相対配置は、流路内におけるガスの流れ方向により、平行流型、直交流型、及び、対向流型の3つの型に分けられる。
図5(a)に示すように、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが平行流型配置である場合は、燃料ガス流路26の入口Aがセパレータ板上部一端に設けられるとともに燃料ガス流路の出口Bがセパレータ板下部の対角端に設けられ、該入口Aから出口Bに到るまでの流路が水平方向に蛇行して形成されている。一方、酸化剤ガス流路27の入口Cがセパレータ上部他端に設けられるとともに酸化剤ガス流路27の出口Dがセパレータ板下部の対角端に設けられ、該入口Cから出口Dに到るまでの流路が水平方向に蛇行して燃料ガス流路26と平行に形成されている。
一方、図5(b)に示すように、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが直交流型配置である場合には、燃料ガス流路26の入口Aがセパレータ板上部一端に設けられるとともに燃料ガス流路26の出口Bがセパレータ板下部の対角端に設けられ、該入口Aから出口Bに到るまでの流路が上下方向に蛇行して形成されている。一方、酸化剤ガス流路27の入口Cがセパレータ上部他端に設けられるとともに酸化剤ガス流路27の出口Dがセパレータ板下部の対角端に設けられ、該入口Cから出口Dに到るまでの流路が水平方向に蛇行して燃料ガス流路26と直交するように形成されている。
一方、図5(c)に示すように、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが対向流型配置である場合には、燃料ガス流路26の入口Aがセパレータ板下部一端に設けられるとともに燃料ガス流路26の出口Bがセパレータ板上部の対角端に設けられ、該入口Aから出口Bに到るまでの流路が水平方向に蛇行して形成されている。一方、酸化剤ガス流路27の入口Cは、前記燃料ガス流路26の入口A上方のセパレータ上部一端に設けられるとともに酸化剤ガス流路27の出口Dがセパレータ板下部の対角端に設けられ、該入口Cから出口Dに到るまでの流路が水平方向に蛇行して燃料ガス流路26と平行に形成されている。
なお、図5(a)〜(c)では、セパレータ板10aに燃料ガス流路26が1本形成され、セパレータ板10bに酸化剤ガス流路27が1本形成された構成を示しているが、実際には、セパレータ板10a,10bには複数の燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27がそれぞれ形成されている。例えば、縦20cm×横32cm×厚さ1.3mmのセパレータ板10a,10bに、幅が1〜1.5mmであり流路の深さが1〜1.5mmの燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27が形成され、燃料ガス流路26では、1枚のセパレータ10aに140〜180cmの長さの流路が2〜4本形成され、酸化剤ガス流路27では、1枚のセパレータ10bに100〜150cmの長さの流路が6〜8本形成されている。
また、MEA18と接触する面と反対側のセパレータ10a,10bの面には、冷却水流路28たる溝が形成されている。冷却水流路28は、マニホールド孔25を介して外部に設けられた冷却水通流配管(図示せず)に接続されている。
通常、電源として用いられる燃料電池には、数V〜数百Vの電圧が必要とされることから、燃料電池の実際の使用においては、上記構成を有する単電池100が、所望の電圧を得るのに必要な個数だけ直列に連結されて燃料電池スタック(すなわち単電池100の積層体)が構成される。そして、この燃料電池スタックにより燃料電池が構成される。なお、ここでは図示を省略しているが、燃料電池スタックの両端部には、集電板と、電気絶縁材料からなる絶縁板とが配置されており、これら全体が端板と締結ブロックとによって固定されている。それにより、数十〜数百mA/cm2の密度の実用電流を通電した際に一つの単電池100で0.7〜0.8V程度の起電力を発生させることができ、燃料電池全体としては数V〜数百Vの起電力を発生させることができる。
図3及び図4に示すように、MEA18を構成する電解質膜11は、燃料電極16側から酸素電極17側に水素イオン(H+)を選択的に輸送することが可能なイオン交換膜で構成されている。電解質膜11としては、耐久性に優れる点から、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国Du Pont社製のNafion膜等)が一般的に使用される。この電解質膜11の一方の表面の縁部を除く部分に、アノードたる燃料電極16が形成されており、他方の表面の縁部を除く部分に、カソードたる酸素電極17が形成されている。
燃料電極16及び酸素電極17は、それぞれ触媒反応層12,14とガス拡散層13,15とから構成されており、触媒反応層12,14が電解質膜11の表面に形成されるとともに、該触媒反応層12,14の外面にガス拡散層13,15が形成されて各電極16,17が形成されている。具体的には、図4に示すように、電解質膜11の両面に、白金系の金属触媒101を炭素粉末102に担持させて得られる触媒体104と、水素イオン伝導性高分子電解質(図示せず)との混合物とから構成される触媒反応層12,14が形成される。そして、この触媒反応層12,14の外面に、通気性および電子伝導性を併せ持つ、例えば撥水処理を施したカーボンペーパ、カーボンフェルト、カーボンクロス等で基材105が構成されたガス拡散層13,15が形成される。この触媒反応層12,14とガス拡散層13,15とによって燃料電極16及び酸素電極17が形成される。このようにして形成された燃料電極16及び酸素電極17は、外部に接続された回路110によって連結されている。
ガス拡散層13,15は、主に次の3つの機能を備える。第一の機能は、燃料ガスを供給する燃料ガス流路26及び酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路27から、触媒反応層12及び触媒反応層14中の触媒101へ、均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するために、燃料ガスや酸化剤ガスを拡散させる機能である。第二の機能は、触媒反応層12,14で発電反応により生成した水を速やかに電極外部に排出する機能である。第三の機能は、発電反応に必要な電子または生成される電子を伝導する機能である。以上のことから、ガス拡散層13,15には、良好な反応ガス透過性、水分排出性および電子伝導性が要求される。
一般的な技術として、ガス透過性をもたせるため、ガス拡散層13,15では、発達したストラクチャー構造を有する炭素微粉末、造孔材、カーボンペーパ、カーボンクロス等の導電性多孔質材料からなる基材105を用い、ガス拡散層13,15に多孔質構造を持たせることが行われている。また、水分排出性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子等をガス拡散層13,15中に分散させることが行われている。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維、炭素微粉末等の電子伝導性材料でガス拡散層13,15が構成されている。
一方、触媒反応層12,14は、主に4つの機能を備える。第一の機能は、ガス拡散層13,15から供給された燃料ガス及び酸化剤ガスを、触媒101の反応サイトに供給する機能である。第二の機能は、触媒101上の反応に必要な水素イオンまたは生成される水素イオンを伝導する機能である。さらに、第三の機能は、反応に必要な電子または生成される電子を伝導する機能である。第四の機能は、反応を速めるための高い触媒性能とその広い反応面積である。以上のことから、触媒反応層12,14には、良好な反応ガス透過性、水素イオン伝導性、電子伝導性および触媒性能が要求される。
一般的な技術として、触媒反応層12,14にガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有する炭素微粉末や造孔材を触媒担体102として用いて多孔質構造を持たせてガス流路103を形成し、ガスチャネルを構成することが行われている。また、触媒反応層12,14に水素イオン透過性を持たせるために、高分子電解質(図示せず)を触媒反応層12,14中の触媒101近傍に分散させ、かつ水素イオンネットワークを形成させることが行われている。また、触媒反応層12,14に電子伝導性を持たせるために、炭素微粉末や炭素繊維等の電子伝導性材料を触媒担体102として用い、電子チャネルを構成することが行われている。さらに、触媒性能を向上させるために、白金に代表される反応活性の高い金属触媒101を、粒径が数nmの非常に微細な粒子として触媒担体102たる炭素微粉末上に担持させ、得られた触媒体104を触媒反応層12,14中に高分散させることが行われている。
上記構成を有する燃料電池は、以下のような燃料電池発電システムに利用される。図6は、上記構成の燃料電池を備えた燃料電池発電システムの構成を示す模式図である。
図6に示すように、燃料電池発電システムでは、各単電池100の主面(具体的にはセパレータ板10a,10bやMEA18の主面)が上下方向に沿って配置され複数の単電池100が水平方向に並べられて直列接続されてなる燃料電池スタックから燃料電池200が構成され、各単電池100の燃料電極16へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置201と、各単電池100の酸素電極17へ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置202と、燃料電池200の集電板(図示せず)に接続され発電反応で得られた電気が供給される電力負荷203と、燃料ガス供給装置201と酸化剤ガス供給装置202と燃料電池200を制御する制御装置204とを備えている。
燃料電池200の各単電池100の燃料電極16は、燃料ガス供給配管aを通じて燃料ガス供給装置201に接続されている。具体的には、燃料電池200の各単電池100の燃料電極16にそれぞれ燃料ガスを供給可能なように、燃料ガス供給配管aが分岐して各燃料電極16に接続されている。この燃料ガス供給配管aの主管部分には、燃料電極16に供給される燃料ガスの圧力(以下、これを燃料ガスの入口側圧力と呼ぶ)を検出する圧力センサ205が配設されている。
また、燃料電池200には、発電反応で生成したガスや未反応ガスを燃料電極16側から取り出すための燃料ガス取り出し配管bが接続されている。この燃料ガス取り出し配管bは、各単電池100の燃料電極16から生成ガスや未反応ガスを取り出し可能なように、分岐して各燃料電極16に接続されている。そして、燃料ガス取り出し配管bの主管部分の途中には、燃料電極16から取り出されるガスの圧力(以下、これを燃料ガスの出口側圧力と呼ぶ)を検出する圧力センサ206が配設されるとともに、主管の途中に排圧調整弁207が配設されている。
一方、燃料電池200の各単電池100の酸素電極17は、酸化剤ガス供給配管cを通じて酸化剤ガス供給装置202に接続されている。具体的には、燃料電池200の各単電池100の酸素電極17にそれぞれ酸化剤ガスを供給可能なように、酸化剤ガス供給配管cが分岐して各酸素電極17に接続されている。この酸化剤ガス供給配管cの主管部分には、酸素電極17に供給される酸化剤ガスの圧力(以下、これを酸化剤ガスの入口側圧力と呼ぶ)を検出する圧力センサ208が配設されている。
また、燃料電池200には、発電反応で生成したガスや未反応ガスを酸素電極17側から取り出すための酸化剤ガス取り出し配管dが接続されている。この酸化剤ガス取り出し配管dは、各単電池100の酸素電極17から生成ガスや未反応ガスを取り出し可能なように、分岐して各酸素電極17に接続されている。そして、酸化剤ガス取り出し配管dの主管部分の途中には、酸素電極17から取り出されるガスの圧力(以下、これを酸化剤ガスの出口側圧力と呼ぶ)を検出する圧力センサ209が配設されるとともに主管の途中に排圧調整弁210が配設されている。
後述するように、燃料電池発電システムの運転時には、燃料ガス及び酸化剤ガスの入口側圧力と出口側圧力とを各圧力センサ205,206,208,209を用いて検出(モニタリング)し、検出された各圧力に基づいて、制御装置204が、燃料ガス供給装置201からの燃料ガス供給量及び酸化剤ガス供給装置202からの酸化剤ガス供給量の調整を行い、また、排圧調整弁207,210の開閉の調整を行う。燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量の調整により、燃料電池200の各単電池100に流れる電流量(電流密度)が調節される。また、排圧調整弁207,210の調整により、燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力調節が行われる。
次に、かかる構成を有する燃料電池発電システムの運転動作について説明する。
制御装置204から運転開始の制御信号が出力されて燃料電池発電システムの運転が開始する。具体的には、運転開始の制御信号が出力されると、燃料ガス供給装置201から燃料ガス供給配管aを通じて燃料電池200の各燃料電極16へ燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給装置202から酸化剤ガス供給配管cを通じて燃料電池200の各酸素電極17へ酸化剤ガスが供給される。ここでは、燃料ガスとして、燃料ガス供給装置201から水素リッチなガスが供給される。また、酸化剤ガスとして、酸化剤ガス供給装置202から空気が供給される。
燃料電池200の各単電池100においては、燃料ガス供給配管aを通じて供給された燃料ガスが、マニホールド孔24を介してセパレータ板10aの燃料ガス流路26に導入されて燃料極16に供給される。一方、酸化剤ガス供給配管cを通じて供給された酸化剤ガスが、マニホールド孔24を介してセパレータ板10bの酸化剤ガス流路27に導入されて酸素電極17に供給される。また、このような燃料ガスの供給及び酸化剤ガスの供給と同時に、図示しない配管、及び、燃料電池200内のマニホールド孔25とセパレータ板10a,10bに形成された冷却水流路28とを通じて、冷却水が燃料電池200内を通流する。
ここで、図5(a)に示すように、燃料電池200の各単電池100における燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の相対配置が平行流型である場合には、燃料ガスは、セパレータ板上部一端の入口Aから下部の対角端の出口Bに向かって、流路を構成する溝の内壁に沿って水平方向に蛇行しつつ流路内を流れる。この時、酸化剤ガスは、セパレータ板上部他端の入口Cから下部の対角端の出口Dに向かって流路を構成する溝の内壁に沿って水平方向に蛇行しつつ流路内を流れる。このように、平行流型配置の場合には、燃料ガス及び酸化剤ガスが、セパレータ水平方向を往復しつつ、共にセパレータ上部から下部に向かって流れる。
一方、図5(b)に示すように、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の相対配置が直交流型である場合には、燃料ガスは、セパレータ板上部一端の入口Aから下部の対角端の出口Bに向かって、流路を構成する溝の内壁に沿って上下方向に蛇行しつつ流路内を流れる。この時、酸化剤ガスは、セパレータ板上部他端の入口Cから下部の対角端の出口Dに向かって、流路を構成する溝の内壁に沿って水平方向に蛇行しつつ流路内を流れる。このように、直交流型の場合には、燃料ガスが、セパレータ上下方向を往復しつつセパレータ水平方向一端から他端に向かって流れ、一方、酸化剤ガスは、セパレータ水平方向を往復しつつセパレータ上部から下部に向かって流れる。
一方、図5(c)に示すように、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の相対配置が対向流型である場合には、燃料ガスは、セパレータ板下部一端の入口Aから上部の対角端の出口Bに向かって、流路を構成する溝の内壁に沿って水平方向に蛇行しつつ流路内を流れる。この時、酸化剤ガスは、セパレータ板上部一端(具体的には、燃料ガス流路26の入口Aの上方)の入口Cから下部の対角端の出口Dに向かって、流路を構成する溝の内壁に沿って水平方向に蛇行しつつ流路内を流れる。このように、対向流型の場合には、燃料ガスがセパレータ水平方向を往復しつつセパレータ下部から上部に向かって流れ、一方、酸化剤ガスは、セパレータ水平方向を往復しつつ燃料ガスの流れと対向するようにセパレータ上部から下部に向かって流れる。
上記のようにして燃料電極16に燃料ガスが供給されるとともに酸素電極17に酸化剤ガスが供給されると、図4に示すように、燃料電池200の各単電池100では、燃料電極16において、供給された燃料ガスがガス拡散層13を通じて触媒反応層12に達し、触媒101の作用によって、水素イオン(H+)と電子(e-)とが生じる。この電子は、外部に接続された回路110を通って酸素電極17に達する。これにより、燃料電極16から酸素電極17に向かって電流が流れる。一方、水素イオンは、電解質膜11内を移動して酸素電極17に達する。酸素電極17では、触媒反応層12の触媒101の作用により、移動してきた電子及び水素イオンと、供給され酸化剤ガス(すなわち空気)中の酸素とが反応して水が生成する。したがって、燃料電池全体では、燃料ガスと酸素とから水と二酸化炭素とが生成する反応が行われ、該反応時に発電する。このようにして燃料電池200で得られた電気は、電力負荷203に供給される。また、発電反応に利用されなかった未使用の燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27から燃料ガス取り出し配管b及び酸化剤ガス取り出し配管dを通じてそれぞれ燃料電池200の外部に取り出される。この時、発電反応で生成したガスも外部に取り出される。
ところで、燃料電池発電システムの動作時には、燃料ガス及び酸化剤ガスの入口側圧力を圧力センサ205,208で検出するとともに、燃料ガス及び酸化剤ガスガスの出口側圧力を圧力センサで206,209で検出する。そして、常時、燃料ガスの入口側圧力が酸化剤ガスの入口側圧力における酸素分圧よりも大きい、かつ/又は、燃料ガスの出口側圧力が酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧よりも大きくなるように、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量、及び、排圧調整弁207,210の開閉が調整されている。具体的には、燃料ガスの入口側圧力が酸化剤ガスの入口側圧力の酸素分圧の8倍以上、又は、燃料ガスの出口側圧力が酸化剤ガスの出口側圧力の酸素分圧の8倍以上であるように設定されており、8倍以上20倍以下の範囲内であることが好ましい。
ここでは、燃料ガスの入口側圧力が酸化剤ガスの入口側圧力の酸素分圧の8倍となるように排圧調整弁207,210の開閉が制御装置204によって自動調整されている。この場合、燃料ガス及び酸化剤ガス供給量は一定に保たれており、また、燃料ガス取り出し経路b及び酸化剤ガス取り出し経路dの下流端は大気開放され、それゆえ、燃料ガス取り出し口における燃料ガスの圧力(すなわち、燃料ガスの出口側圧力)と酸化剤ガス取り出し口における酸化剤ガスの圧力(すなわち、酸化剤ガスの出口側圧力)とは、大気圧となっている。
このように燃料ガスの入口側圧力が酸素ガスの入口側圧力の8倍以上に設定された燃料電池発電システムの燃料電池200では、各単電池100において、燃料電極16側の圧力が電解質膜11を隔てた酸素電極17側の圧力よりも高いので、酸素電極17側から電解質膜11を通じて燃料電極16側に酸素がクロスリークするのを、安価でかつ電池性能を低下させることなく抑制することが可能となる。その結果、電解質膜11の分解及び劣化を抑制することが可能となり、よって、長期に渡って高い電圧を維持することが可能な耐久性の高い燃料電池発電システムを実現することが可能となる。
なお、燃料電池200におけるガスのクロスリークは、上記のような燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力の影響の他に、電解質膜11の膜厚等の影響を受ける。しかしながら、高分子型燃料電池に現在標準的に用いられる電解質膜11の膜厚は25〜50μm程度であり、この範囲であれば、電解質膜11の膜厚は耐久性の劣化にほとんど影響を及ぼさない。したがって、燃料電池の耐久性は、上記のような燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力によって決定され、ゆえに、本発明の効果が有効に奏される。
ところで、燃料電池200内を流れる燃料ガス及び酸化剤ガスでは、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の各領域によって、流路内のガスの圧力が異なっている。例えば、燃料電池200の発電反応により燃料ガス及び酸化剤ガス中の酸素ガスが消費されることから、燃料ガス及び、酸化剤ガス中の酸素ガスでは、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の入口側における圧力が出口側における圧力よりも高くなっている。また、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の構成(例えば、流路配置や流路の幅、深さ、流路長等)によっても、流路の各領域におけるガスの圧力が異なってくる。酸素電極17側から燃料電極16側への酸素ガスのクロスリークは、燃料ガスと酸化剤ガス中の酸素ガスとの差圧に応じて発生することから、このように流路の各領域における燃料ガスと酸化剤ガス中の酸素ガスとの圧力差が異なると、流路の各領域において、クロスリークの状態が異なってくる。そこで、本実施の形態では、燃料ガスの入口側圧力を、酸素分圧が最も高い酸化剤ガスの入口側圧力の8倍以上(例えば8倍以上20倍以下とし、ここでは、8倍)とする。かかる構成によれば、最も酸素分圧の高い部分における酸素のクロスリークを抑制することが可能となるので、電解質膜11の劣化防止効果がより有効に奏される。
また、特に、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが平行流型配置(図5(a)参照)である場合には、燃料ガス流路26を流れる燃料ガスの流れと酸化剤ガス流路27を流れる酸化剤ガスの流れとが平行であり、かつ、燃料ガスと酸化剤ガスとが各流路26,27に沿ってセパレータ上部から下部に向かう同一方向の流れを形成する。したがって、平行流型配置では、燃料ガス流路26内における燃料ガス圧力の減少方向と酸化剤ガス流路27内における酸化剤ガス圧力中の酸素分圧の減少方向が、セパレータ上部から下部に向かう方向で同一となる。それゆえ、最小限の圧力差で酸素ガスのクロスリークを抑制することが可能となる。また、発電反応に伴うガスの消費による燃料ガス圧力及び酸素ガス圧力の減少と、燃料ガス及び酸化剤ガス中の酸素ガス間の圧力差の減少の方向が同一となり、よって、過剰な圧力差を設けることなく効率的にクロスリークを抑制することが可能となる。したがって、平行流型配置では、本発明の適用による効果が特に有効に奏される。
ところで、上記のように燃料ガスの入口側圧力が酸化剤ガスの入口側圧力における酸素分圧の8倍以上であり、かつ、燃料ガスの出口側圧力及び酸化剤ガスの出口側圧力が共に大気圧である場合には、燃料ガス入口から出口までの間の圧力損失(以下、燃料電極側圧力損失と呼びPaと表す)と、酸化剤ガス入口から出口までの間の圧力損失(以下、酸素電極側圧力損失と呼びPcと表す)との間に、以下の式(1)の関係が成立する。なお、ここでは酸化剤ガスとして空気が供給されておりこの空気中における酸素ガスの割合が20%であることから、酸化剤ガスである空気の圧力損失における酸素分圧損失はPc/5で示される。
Pa /(Pc/5) ≧ 8 ・・・(1)
ここで、ガス流路における圧力損失は、主として、ガス流路をガスが流れる際の流路抵抗により生じる。ガス流路の流路抵抗は、ガス流路の流路長Lと、該流路の最小断面積Sとを用いると、流路抵抗=L/Sで表される。このことから、ガス流路における圧力損失Pを、流路抵抗L/Sと、該流路におけるガス流量Vとを用いて以下の(2)式で表すことができる。なお、式中のαは比例定数である。
圧力損失P=α×(L/S)×V・・・(2)
例えば、本実施の形態の燃料電池200の単電池100に着目すると、単電池100における燃料電極側圧力損失Pa’は、セパレータ10aに形成された複数の燃料ガス流路26の略平均流路長Laと、燃料ガス流路26の最小断面積Saと、燃料ガス流路26に供給される燃料ガスの流量Vaと、比例定数α’とにより、上記(2)式に基づいて算出される。また、単電池100における酸素電極側圧力損失Pc’は、複数のセパレータ10bに形成された複数の酸化剤ガス流路27の略平均流路長Lcと、酸化剤ガス流路27の最小断面積Scと、酸化剤ガス流路27に供給される酸化剤ガスの流量Vcと、比例定数α’’とにより、上記(2)式に基づいて算出される。したがって、このようにして算出される燃料電極側圧力損失Pa’と酸素電極側圧力損失Pc’とが、上記(1)式の関係を満たす、すなわちPa’/(Pc’/5)≧8を満たすようにセパレータ板10a,10bの燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の構成(具体的には、流路の幅、深さ、及び流路長)並びに燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量を設定すれば、酸素ガスのクロスリークによる電解質膜11の劣化を防止することが可能となる。
上記のように燃料電極16側の圧力を酸素電極17側の圧力よりも高くすると、圧力差によって電解質膜11に大きなストレスが負荷される。このことから、ガス拡散層13,15の少なくとも一方の基材105(図4参照)は、剛性が高いカーボンペーパで構成されることが好ましい。かかる構成では、このストレスをカーボンペーパで吸収することができるので、電解質膜11への負担を低減して膜の耐久性の向上を図ることが可能となる。よって、より長寿命な燃料電池200が実現できる。
また、上記においては燃料ガスの入口側圧力を酸化剤ガスの入口側圧力よりも高くする場合について説明したが、さらに、燃料ガスの出口側圧力を酸化剤ガスの出口側圧力よりも高くする構成であってもよい。
例えば、酸化剤ガス(具体的には空気)の利用率の設定によっては、酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧が高くなる場合がある。空気の利用率は、出力電流の電流密度の大きさと、空気の供給量とによって決定されるものであり、空気利用率が低いと、酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧が大きくなりクロスリークが生じる可能性が高くなる。具体的に、低電流密度で燃料電池発電システムを運転する場合には、燃料ガス及び空気の供給量が少ないので発電反応により燃料電池200内に生じた水を燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27から押し出す力が弱く、それゆえ、この水が燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27を塞いでしまい電圧の低下が生じる(この現象をフラッディング現象と呼ぶ)。そこで、このような低電流密度での運転では、フラッディング現象を防ぐために、特に、酸化剤ガスたる空気の利用率を低下させて運転することが多く、かかる運転では、酸化剤ガスの出口側圧力が高くなる。そこで、このように酸化剤ガスの出口側圧力の酸素分圧が高くなる場合には、燃料ガスの出口側圧力が酸化剤ガスの出口側圧力の酸素分圧の8倍以上となるように排圧調整弁207,210を用いて圧力調整を行うことが好ましい。それにより、燃料電池200の燃料ガス及び酸化剤ガス出口側におけるクロスリークの発生を防止することが可能となり、その結果、燃料電池の耐久性の向上がさらに図られる。
なお、本発明に係る燃料電池発電システムの構成は、上記実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記においては、燃料ガス取り出し配管b及び酸化剤ガス取り出し配管dの両方に排圧調整弁207,210が配設されているが、燃料ガスの圧力が酸化剤ガス中の酸素の圧力以上となる構成であれば上記効果が奏されることから、排圧調整弁207のみが配設された構成であってもよい。
上記においては、高分子電解質膜の中でも最も耐久性の高いパーフルオロカーボンスルホン酸膜を電解質膜11として用いているため、燃料電極16側の圧力を酸素電極17側の8倍とすることで電解質膜11の分解を抑制することが可能であるが、パーフルオロカーボンスルホン酸膜よりも耐久性の低い高分子電解質膜を電解質膜11として用いる場合には、より酸素のクロスリークを抑制する必要があり、よって、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を用いる場合よりもさらに燃料電極16側の圧力を高くする。
[実施例]
実施例では、以下のようにしてMEA18を作製するとともに、このMEA18を用いて燃料電池200を作製した。そして、燃料電池200の評価試験を行った。
(MEAの作製)
炭素粉末であるアセチレンブラック(具体的には、電気化学工業(株)製の「デンカブラック」、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと表す)の水性ディスパージョン(具体的には、ダイキン工業(株)製の「D1」)と混合し、乾燥重量にしてPTFEを20重量%含む撥水インクを調製した。このインクを、ガス拡散層13,15(図4参照)の基材105となるカーボンクロス(具体的には、日本カーボン社製の「カーボロンGF−20−31E」)、又はカーボンペーパ(具体的には、東レ(株)製の「TGPH060H」)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、約200μmの厚さのガス拡散層13,15(図4参照)を形成した。
一方、触媒担体102(図4参照)である炭素粉末のケッチェンブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製の「Ketjen Black EC」、粒径30nm)上に、Pt触媒101(図4参照)を50重量%の割合で担持させて得られた触媒体104(図4参照)を形成し、この触媒体104を66重量部、水素イオン伝導材でありかつ結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(具体的には、米国Aldrich社製の5重量%Nafion分散液)乾燥重量で33重量部と混合し、得られた混合物を成形して厚さ10〜20μmの触媒反応層12,14(図4参照)を形成した。
上述のようにして得た触媒反応層12,14とガス拡散層13,15とを、図4に示すように、電解質膜11(具体的には、米国DuPont社製の「Nafion」膜)の両面にそれぞれこの順で接合し、MEA18を作製した。
次に、図1に示すように、作製したMEA18の外周部にゴム製のガスケット板19を接合し、燃料ガス及び酸化剤ガスの流通用のマニホールド孔24と冷却水流通用のマニホールド孔25を形成した。
一方、10cm×25cm×1.3mmの外寸を有しかつ一方の面に燃料ガス流路26が形成され他方の面に冷却水流路28が形成されたフェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板10aと、同外寸を有しかつ一方の面に酸化剤ガス流路27が形成され他方の面に冷却水流路28が形成された同材料からなる導電性のセパレータ10bとを準備した。ここでは、セパレータ板10a,10bに、幅1mm、深さ1mm、流路長200cmの冷却水流路28が3本形成されている。また、セパレータ板10aに、幅1.5mm、深さ0.9mm、流路長250cmの燃料ガス流路26が2本形成され、セパレータ板10bに、幅1.5mm、深さ0.9mm、流路長100cmの酸化剤ガス流路27が6本形成されている。燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27はサーペンタイン型に形成され、ここでは、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが図5(a)〜(c)に示す平行流型、直交流型、対向流型に配置可能なセパレータ板10a,10bを用意した。
MEA18の一方の面に、酸化剤ガス流路27が形成されたセパレータ板10bを該流路27がMEA18と接するように重ね合わせ、他方の面に燃料ガス流路26が形成されたセパレータ板10aを該流路26がMEA18と接するように重ね合わせて単電池100を作製した(図1参照)。そして、図2に示すように、この単電池100を2個積層することにより、冷却水流路28を通じて単電池100間を冷却水が通流する構造を備えた単電池積層体ユニットを作製した。さらに、この単電池積層体ユニットを繰り返し積層し、合計50個の単電池100が積層されてなる燃料電池スタックを作製して燃料電池200を作製した。図示を省略しているが、この時、燃料電池スタックの両端部には、ステンレス鋼製の集電板、電気絶縁材料の絶縁板および端板を配置し、全体を締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積当たり10kgf/cm2とした。
上記のようにして作製した燃料電池200を用いて、図6に示す燃料電池発電システムを構成した。そして、この燃料電池発電システムの運転を実施し、以下の方法により、燃料電池200の評価試験を行った。
[評価試験方法]
実施例の燃料電池システムの運転時には、図示しない水素生成装置において改質反応により水素リッチな改質ガスを生成させ、この水素リッチなガスを燃料ガスとして燃料電池200の燃料電極16に燃料ガス供給配管aを通じて供給した。また、空気を酸化剤ガスとして燃料電池200の酸素電極17に酸化剤ガス供給配管cを通じて供給した。ここでは、燃料ガス供給装置201が水素生成装置を有する構成を備えており、水素生成装置は原料ガスである13Aガスを改質して水素リッチな改質ガスを生成する。燃料電池200では、供給された燃料ガス及び酸化剤ガス(空気)により発電反応が行われ、生じた電力を、燃料電池200の集電板(図示せず)に接続された電力負荷203に供給した。また、発電反応に使用されなかった燃料ガス及び空気は、燃料ガス取り出し配管b及び酸化剤ガス取り出し配管dを通じてそれぞれ外部に取り出した。
このような燃料電池発電システムの運転に際しては、燃料ガスの入口側圧力及び出口側圧力を、圧力センサ205,206で検出し、その検出値に基づいて、燃料ガスが下記実施例記載の所定圧力となるように、制御装置204により燃料ガスの供給量及び排圧調整弁207の開閉を調節した。また、酸化剤ガス(空気)の入口側圧力及び出口側圧力を、圧力センサ208,209で検出し、その検出値に基づいて、酸化剤ガスが下記実施例記載の所定圧力となるように、制御装置204により酸化剤ガス(空気)の供給量及び排圧調整弁210の開閉を調節した。また、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量を制御装置204により制御することで、燃料電池200の各単電池100に流れる電流密度を調節した。
ここで、下記実施例では、特に指定のない限り、燃料電池発電システム運転時の電池温度は70℃とし、又、燃料ガス利用率(Uf)は75%、空気利用率(Uo)は40%として放電試験を行った。また、燃料電池発電システムに供給する燃料ガスおよび空気は、それぞれ70℃の露点を有するように加湿した。
評価試験では、燃料電池発電システムに空気および燃料ガスを連続供給し、200mA/cm2の電流密度の発電を行う運転を連続して行った。そして、1000時間連続運転後の燃料電池200の電圧の劣化率を測定するとともに、高分子電解質膜11の分解量を測定した。ここでは、燃料電池200から取り出された燃料ガス及び空気に含まれるF-イオンの量、ならびに発電反応で生成した水の中に含まれるF-イオンの量を、イオンクロマト法(東亜DKK製「イオンアナライザーIA−100」を分析装置として使用)によって定量し、検出されるF-イオンが高分子電解質膜11の分解に際して生成したと考えて、このF-イオンの検出量を高分子電解質膜11の分解量の指標として測定した。
(実施例1)
実施例1では、燃料ガスの入口側圧力と酸化剤ガス(空気)の入口側圧力との間の圧力差と高分子電解質膜11の劣化との関係を調べた。
ここでは、圧力センサ208で検出される酸化剤ガスの入口側圧力を105kPaで一定に保ち、一方、圧力センサ205で検出される燃料ガスの入口側圧力を、燃料ガス流路26の溝の深さがそれぞれ異なるセパレータ板10aをそれぞれ用いることにより、図7に示す各値に設定した。また、圧力センサ206で検出される燃料ガスの出口側圧力、及び、圧力センサ209で検出される酸化剤ガスの出口側圧力は、ともに大気開放とし、したがって、燃料ガス及び酸化剤ガスの出口側圧力を両者共に101kPaとした。また、ここでは、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路とが平行流型配置となるようにセパレータ10a,10bを配置した。
図7は、燃料ガスの入口側圧力を種々変化させた時の電圧劣化率及びF-イオンの溶出量を調べた結果である。
図7に示すように、燃料ガスの入口側圧力が大きい、すなわち、燃料ガスの入口側圧力と空気の入口側圧力との差が大きいほど、燃料電池200の電圧劣化が少なく、また、F-イオンの溶出量が少ないことから高分子電解質膜11の分解量が少ないことが明らかとなった。さらに、ここでは、酸化剤ガスとして空気を用いていることから、70℃で加湿された空気における酸素分圧は約14kPaとなり、よって、燃料ガスの入口側圧力が空気の入口側圧力における酸素分圧のほぼ8倍以上であれば、燃料電池200の電圧劣化率及びF-イオンの溶出量を共に低減することが可能であることが明らかとなった。
(実施例2)
実施例2では、燃料ガスの出口側圧力と酸化剤ガス(空気)の出口側圧力との間の圧力差と高分子電解質膜11の劣化との関係を調べた。
ここでは、空気利用率を40%として運転した場合と、空気利用率を10%として運転した場合とについて評価試験を行った。空気利用率は、燃料電池200の出力電流の電流密度と、燃料電池200に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量との割合で調整でき、ここでは、出力電流の電流密度を200mA/cm2に維持しながら40%及び10%の空気利用率を実現するように燃料ガスの供給量を調整した。また、ここでは、酸化剤ガス(空気)の入口側圧力を、形成された酸化剤ガス流路27の深さがそれぞれ異なるセパレータ板10bを実施例2−1から実施例2−12において適宜選択して用いることにより、105kPaで統一した。また、ここでは、燃料ガス流路26と酸化剤ガス流路27とが平行流型配置となるようにセパレータ10a,10bを配置した。
具体的には、空気利用率を40%とするとともに燃料ガスの入口側圧力を110kPaとした場合について、燃料ガスの出口側圧力を大気開放した(すなわち出口側圧力が101kPaである)実施例2−1、燃料ガス出口を排圧調整弁207により絞って燃料ガス出口側圧力を104kPa及び107kPaとした実施例2−2及び実施例2−3、また、空気利用率40%で燃料ガスの入口側圧力を115kPaとし、燃料ガスの出口側圧力を大気開放した(すなわち出口側圧力が101kPaである)実施例2−4、燃料ガス出口を排圧調整弁207により絞って燃料ガス出口側圧力を104kPa及び107kPaとした実施例2−5及び実施例2−6について評価試験を行った。
また、空気利用率を10%とするとともに燃料ガスの入口側圧力を110kPaとした場合について、燃料ガスの出口側圧力を大気開放した(すなわち出口側圧力が101kPaである)実施例2−7、燃料ガス出口を排圧調整弁207により絞って燃料ガス出口側圧力を104kPa及び107kPaとした実施例2−8及び実施例2−9、また、空気利用率10%で燃料ガスの入口側圧力を115kPaとし、燃料ガスの出口側圧力を大気開放した(すなわち出口側圧力が101kPaである)実施例2−10、燃料ガス出口を排圧調整弁207により絞って燃料ガス出口側圧力を104kPa及び107kPaとした実施例2−11及び実施例2−12について評価試験を行った。
実施例2−1から実施例2−6の結果を図8に示し、実施例2−7から実施例2−12の結果を図9に示す。図8及び図9に示すように、図7に示す実施例1の場合と同様、燃料ガスの出口側圧力が大きい、すなわち、燃料ガスの出口側圧力と酸化剤ガス(空気)の出口側圧力との差が大きいほど、燃料電池200の電圧劣化率及びF-イオンの溶出量が低減することが明らかとなった。また、図8及び図9の比較から明らかなように、空気利用率が小さい場合にはより電解質膜11の劣化が促進されるため、本発明の効果がより有効に奏されることが明らかとなった。
空気利用率40%の場合には、酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧は約9kPaとなり、空気利用率10%の場合には、酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧は約13kPaとなる。したがって、電圧劣化率を4μV/h、及び、F-イオン溶出量を0.1μg/cm2/day以下に抑えるためには、燃料ガスの出口側圧力を酸化剤ガスの出口側圧力における酸素分圧のほぼ8倍程度にすればよいことが明らかとなった。
さらに、空気利用率90%の場合についても検討を行ったところ、この場合には酸化剤ガスの入口側と出口側における酸素分圧の差が7%程度しかなく、酸化剤ガス流路の下流側におけるクロスリークが無視できなくなる。したがって、この場合には、排圧調整弁207を調整して燃料ガスの圧力を流路出口まで高く保持することにより、酸化剤ガス流路の下流側におけるクロスリークを抑制し、より耐久性を高めることが可能であることが明らかとなった。
(実施例3)
実施例3では、セパレータ板10aに形成された燃料ガス流路26とセパレータ板10bに形成された酸化剤ガス流路27との相対配置が平行流型である場合、直交流型である場合、及び、対向流型である場合について評価試験を行った。
ここでは、酸化剤ガス(空気)の入口側圧力を105kPaとし、燃料ガスの入口側圧力を110kPaとし、また、酸化剤ガス及び燃料ガスの出口側圧力をともに大気開放(すなわち101kPa)とした。その結果を図10に示す。
図10に示すように、平行流型で最も燃料電池200の電圧劣化率及びF-イオンの溶出量が小さく、直交流型及び対向流型の順に電圧劣化率及びF-イオンの溶出量が増加することが明らかとなった。このように、平行流型で最も効率よく電解質膜11の劣化を抑制することが可能となる。これは、直交流型では、図5(b)に示すように、酸化剤ガスと燃料ガスとの圧力減少方向が異なるため、局部的に圧力差が小さくなる部分があり、そこで酸素のクロスリーク生じるので電解質膜11の劣化が進んだためであると考えられる。このように圧力差が小さくなる部分に合わせて初期の圧力差を大きくする方法も考えられるが、より大きな能力のブロアが必要になる等、効率面や騒音面での課題が生じる。また、対向流型では、図5(c)に示すように、酸化剤ガス及び燃料ガスの入口と出口の方向が逆転するため、酸化剤ガス入口では酸化剤ガスの圧力の方が燃料ガスの圧力より大きくなり、よって、酸化剤入口部分の酸素分圧の方が燃料ガスの圧力よりも大きくなるので酸素のクロスリークが生じて電解質膜11の劣化がさらに進んだと考えられる。
(実施例4)
実施例4では、ガス拡散層13,15(図4参照)の構成について検討を行った。ここでは、燃料電極16のガス拡散層13がカーボンペーパで構成された基材105(図4参照)を備えるとともに酸素電極17のガス拡散層15がカーボンクロスで構成された基材105を備えた実施例4−1と、燃料電極16のガス拡散層13と酸素電極17のガス拡散層17がともにカーボンクロスで構成された基材105を備えた実施例4−2について評価試験を行った。
ガス拡散層13の基材105がカーボンペーパから構成される場合(実施例4−1)とガス拡散層13,15が共にカーボンクロスから構成される場合(実施例4−2)とでは、図4に示すように、基材105の材質によってガス流路103への基材105の侵入度合いが異なり、よって、燃料ガス及び酸化剤ガス(空気)の圧力損失も変化する。そこで、基材105への侵入が少ないカーボンペーパを用いる実施例4−1では、セパレータ10a,10bの燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の流路の深さを調整することにより、カーボンクロスを用いた実施例4−2と同じ燃料ガス及び酸化剤ガスの供給流量で燃料ガス及び酸化剤ガスの入口側圧力が同じになるよう設定を行った。また、実施例4−1及び実施例4−2では、電解質膜11の機械的耐久性劣化を加速させるために、酸化剤ガスの入口側圧力を105kPa、出口側を大気開放(すなわち出口側圧力101kPa)とし、一方、燃料ガスの入口側圧力を150kPaとするとともに排圧調整弁207により加圧して出口側圧力を140kPaとして圧力差を大きく設定した。
実施例4−1及び実施例4−2の各々において、燃料電池200を200mA/cm2の電流密度で放電した結果、運転初期には実施例4−1及び実施例4−2では電圧劣化に差が見られなかったが、4000時間を経過したところで、ガス拡散層13,15にカーボンクロスを用いた実施例4−2の燃料電池200で電圧が低下した単電池100が見られた。この単電池100の電解質膜11を解析したところ、セパレータ板10a,10bに形成された燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路27の溝に沿って電解質膜11が破断していた。一方、ガス拡散層13にカーボンペーパを用いた実施例4−1の燃料電池200では、5000時間以上安定して発電を行うことが可能であることが明らかとなった。これは、剛性の強いカーボンペーパからなるガス拡散層13が電解質膜11の変形を抑制し、機械的な劣化を防いだためであると考えられる。
本発明に係る固体高分子型燃料電池とその運転方法は、酸素ガスのクロスリークによる高分子電解質膜の劣化を抑制することが可能であることから、耐久性の高い固体高分子型燃料電池として有用であり、例えば、定置型コジェネレーションシステムや電気自動車等に用いられる固体高分子型燃料電池に適用可能である。
本発明に係る固体高分子型燃料電池の単電池の構成を示す模式的な斜視図である。 図1の単電池の模式的な断面図である。 図2のMEAの構成を示す模式的な断面図である。 図3のMEAの発電反応における動作を示す模式図である。 セパレータに形成される燃料ガス流路と酸化剤ガス流路との相対配置を示す模式図である。 図1の固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池発電システムの構成を示す模式図である。 実施例1の結果を示す表である。 実施例2の結果を示す表である。 実施例2の結果を示す表である。 実施例3の結果を示す表である。 電解質膜の劣化の機構を示す反応式である。
符号の説明
10a,10b セパレータ板
11 電解質膜
12,14 触媒反応層
13,15 ガス拡散層
16 燃料電極
17 酸素電極
18 MEA
26 燃料ガス流路
27 酸化剤ガス流路
28 冷却水流路
100 単電池
200 燃料電池
201 燃料ガス供給装置
202 酸化剤ガス供給装置
203 電力負荷
204 制御装置
205,206,208,209 圧力センサ
207,210 排圧調整弁


Claims (9)

  1. 水素イオン伝導性電解質膜の一方の表面に配置され触媒反応層を備えた第1の電極と、前記電解質膜の他方の面に配置され触媒反応層を備えた第2の電極と、水素を含む燃料ガスを通流させ前記第1の電極に前記燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、酸素を含む酸化剤ガスを通流させ前記第2の電極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備え、前記第1及び第2の電極の前記触媒反応層における前記燃料ガスの酸化によって発電する高分子電解質型燃料電池において、
    前記第1の電極に供給される前記燃料ガスの圧力が前記第2の電極に供給される前記酸化剤ガスの圧力以上であることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  2. 前記第1及び第2の電極を挟持する一対のセパレータを備え、
    前記第1の電極側に配置されたセパレータの前記第1の電極との接触面に凹部が形成されて前記燃料ガス流路が構成されるとともに、前記第2の電極側に配置されたセパレータの前記第2の電極との接触面に凹部が形成されて前記酸化剤ガス流路が構成され、
    前記燃料ガス流路内における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路内における前記酸化剤ガスの圧力以上である請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. 前記燃料ガス流路のガス入口における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路のガス入口における前記酸化剤ガス中の前記酸素の分圧の8倍以上である請求項1又は2記載の高分子型燃料電池。
  4. 前記燃料ガス流路のガス出口における前記燃料ガスの圧力が、前記酸化剤ガス流路のガス出口における前記酸化剤ガス中の前記酸素の分圧の8倍以上である請求項1又は2記載の高分子型燃料電池。
  5. 水素イオン伝導性電解質膜の一方の表面に配置され触媒反応層を備えた第1の電極と、前記電解質膜の他方の面に配置され触媒反応層を備えた第2の電極と、前記第1及び前記第2の電極を挟持する一対のセパレータであって前記第1の電極側に配置され前記第1の電極との接触面に凹部が設けられて燃料ガス流路が形成された第1のセパレータ及び前記第2の電極側に配置され前記第2の電極との接触面に凹部が設けられて酸化剤ガス流路が形成された第2のセパレータとを備え、前記第1のセパレータの前記燃料ガス流路に水素を含む燃料ガスを通流させ前記第1の電極に前記燃料ガスを供給するとともに、前記第2のセパレータの前記酸化剤ガス流路に酸素を含む酸化剤ガスを通流させ前記第2の電極に前記酸素を供給し、前記第1及び第2の電極の前記触媒反応層における前記燃料ガスの酸化によって発電する高分子電解質型燃料電池において、
    前記第1のセパレータの前記燃料ガス流路の流路長をL1とし、前記燃料ガス流路の最小流路断面積をS1とし、前記燃料ガス流路に供給される前記燃料ガスの供給量をV1とすると、前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの圧力損失Paは、比例定数αを用いて、Pa=α×(L1/S1)×V1で表され、かつ、
    前記第2のセパレータの前記酸化剤ガス流路の流路長をL2とし、前記酸化剤ガス流路の最小流路断面積をS2とし、前記酸化剤ガス流路に供給される前記酸化剤ガスの供給量をV2とすると、前記酸化剤ガス流路における前記酸化剤ガスの圧力損失Pcは、比例定数α’を用いて、Pc=α’×(L2/S2)×V2で表されるとともに、前記酸化剤ガス中の酸素ガスの圧力損失はPc/5で表される時、
    前記燃料ガス流路の出口及び前記酸化剤ガス流路の出口が大気開放された状態では、前記燃料ガス流路における圧力損失Paと前記酸化剤ガス流路における圧力損失Pcとの間にPa/(Pc/5)≧8の関係が成立するように、前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の前記流路長L1,L2、前記流路最小断面積S1,S2、及び、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量V1,V2が設定されたことを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  6. 前記燃料ガス流路の出口から取り出される前記燃料ガスの圧力を調整する排圧調整弁がさらに設けられた請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
  7. 前記燃料ガス流路と前記酸化剤ガス流路とが平行に設けられ、かつ、前記燃料ガス流路の入口から出口に向かう前記燃料ガスの流れ方向が、前記酸化剤ガス流路の入口から出口に向かう前記酸化剤ガスの流れ方向と同一である請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
  8. 前記第1及び前記第2の電極が、前記触媒反応層の外面に配設されたガス拡散層をそれぞれ備え、前記第1の電極側及び前記第2の電極側に配置された前記ガス拡散層の少なくとも一方が、カーボンペーパを基材として構成された請求項1〜7のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
  9. 水素イオン伝導性電解質膜の一方の表面に配置され触媒反応層を備えた第1の電極に燃料ガス流路を介して水素を含む燃料ガスを通流させて該第1の電極に前記燃料ガスを供給するとともに、前記電解質膜の他方の面に配置され触媒反応層を備えた第2の電極に酸化剤ガス流路を介して酸素を含む酸化剤ガスを通流させて該第2の電極に前記酸化剤ガスを供給し、供給された前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを用いて前記第1及び第2の電極の前記触媒反応層において前記燃料ガスの酸化を行い発電する高分子電解質型燃料電池の運転方法において、
    前記第1の電極に供給される前記燃料ガスの圧力を、前記第2の電極に供給される前記酸化剤ガスの圧力以上とすることを特徴とする高分子電解質型燃料電池の運転方法。

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