JPH09320620A - 燃料電池発電プラント - Google Patents

燃料電池発電プラント

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JPH09320620A
JPH09320620A JP8129935A JP12993596A JPH09320620A JP H09320620 A JPH09320620 A JP H09320620A JP 8129935 A JP8129935 A JP 8129935A JP 12993596 A JP12993596 A JP 12993596A JP H09320620 A JPH09320620 A JP H09320620A
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JP
Japan
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electrode
fuel
differential pressure
oxidant
fuel cell
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JP8129935A
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English (en)
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Masahiro Ogawa
雅弘 小川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる運転状況においても、極間差圧を全
てのセル面でプラスとなる理想的な低い値に維持し、そ
れによって電池の特性劣化を防止する。 【解決手段】 燃料電池発電プラントは、燃料極1と酸
化剤極2からなる燃料電池本体3、燃料極1に燃料を供
給する燃料流量調節ダンパ4、酸化剤極2に酸化剤を供
給する酸化剤流量調節ダンパ5を有し、さらに、燃料極
1の出口に設けられて極間差圧を調節する極間差圧調節
ダンパ7、および燃料極1と酸化剤極2の出口の極間差
圧を計測する極間差圧計測器8を有する。電池出口の極
間差圧設定値(極間差圧の適正値)ΔPは、固定でな
く、制御装置9により随時設定される。制御装置9は、
極間差圧計測器8による差圧の計測値がその時点におけ
る極間差圧設定値ΔPとなるようにして極間差圧調節ダ
ンパ7を可変制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池発電プラ
ントに関し、特に、極間差圧を計測・管理するための構
成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料電池発電プラントでは、安
定した発電を行う目的から、何らかの手段によって燃料
極と酸化剤極の差圧(極間差圧)を一定に維持するよう
に管理している。通常は、両極の出口の差圧の計測を行
っており、その値を一定値またはある一定の範囲内に維
持するように何らかの手段を講じている。
【0003】図3は、従来の燃料電池発電プラントの一
例を示す構成図である。この図3に示すように、燃料電
池発電プラントはまず、燃料極1と酸化剤極2からなる
燃料電池本体3、燃料極1に燃料を供給する燃料流量調
節ダンパ4、および酸化剤極2に酸化剤を供給する酸化
剤流量調節ダンパ5を有する。燃料電池発電プラントは
また、燃料または酸化剤を処理する改質器6、燃料極1
の出口に設けられて極間差圧を調節する極間差圧調節ダ
ンパ7、および燃料極1と酸化剤極2の出口の極間差圧
を計測する極間差圧計測器8を有する。
【0004】以上のような構成を有する燃料電池発電プ
ラントの運転時には、燃料流量調節ダンパ4と酸化剤流
量調節ダンパ5により、燃料電池本体3の燃料極1と酸
化剤極2に燃料と酸化剤がそれぞれ供給される。また、
燃料電池本体3の余剰ガスは、改質器6で混合燃焼され
る。そして、このような運転時においては、極間差圧調
節ダンパ7や極間差圧計測器8などにより、燃料電池本
体3の燃料極1の出口の圧力と酸化剤極2の出口の圧力
との差圧が、一定の範囲内に維持されるように調節され
る。この極間差圧は、具体的には、燃料極1の圧力から
酸化剤極2の圧力を差し引いた差圧として求められ、通
常の場合、この極間差圧の調節は、僅かにプラスとなる
(燃料極1側の圧力の方が高くなる)ようにして行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の燃
料電池発電プラントにおいて、極間差圧計測器8の計測
点である電池出口の極間差圧を、意図する範囲内に維持
するように調節することは比較的容易である。
【0006】しかしながら、実際には、電池出口の極間
差圧は、燃料電池本体3の全ての箇所の極間差圧に相当
するものではない。すなわち、燃料電池本体3は、複数
の単セルを重ね合わせて構成されているが、その各セル
面の極間差圧は全面に亘って均一ではなく、ガスの圧力
損失の影響で部分的に異なっている。このようなセル面
における極間差圧のばらつきは、運転状況によって変わ
るが、典型的には数十mmAq程度異なっている。
【0007】図4は、このようなセル面の極間差圧の分
布の一例を示す説明図である。図中10は燃料電池本体
のセルを表している。11は燃料入口、12は燃料出口
であり、矢印13に示すようにして燃料入口11から燃
料がセル10内に導入され、燃料出口12から導出され
る。また、14は酸化剤入口、15は酸化剤出口であ
り、矢印16に示すようにして酸化剤入口14から酸化
剤がセル内に導入され、酸化剤出口15から導出され
る。このようなセル10において、通常の場合、極間差
圧の計測点は、電池出口側、すなわち、燃料出口12側
かつ酸化剤出口15側のエリアA1である。その一方
で、このようなセル10においては、電池内での圧力損
失の関係上、燃料入口11側における酸化剤出口15側
のエリアA2では極間差圧が最も高くなり、燃料出口1
2側における酸化剤入口14側のエリアA3では最も低
くなる。
【0008】すなわち、この図4のセル10において
は、電池出口側のエリアA1の極間差圧を例えば50mm
Aqに管理していたとしても、エリアA2での極間差圧は
50mmAqより高く、エリアA3では50mmAqより低くな
っていることになる。前述したように、燃料電池の極間
差圧はわずかにプラスとなる(燃料極1側の圧力の方が
高くなる)ことが理想的であるが、このようにエリアA
1を計測・管理した場合には、エリアA3の極間差圧が
マイナスとなる(酸化剤極2側の圧力の方が高くなる)
可能性がある。
【0009】図5は、以上の問題点をさらに別な角度か
ら示す図であり、燃料電池本体3の電池入口から改質器
6までに至る燃料ラインと酸化剤ラインの各圧力分布2
1,22の一例を示すグラフである。ここで、各箇所の
極間差圧は、各箇所における燃料ラインの圧力と酸化剤
ラインの圧力の差として示されている。そして、この図
5の23に示すように、極間差圧調節ダンパ7によっ
て、燃料ラインの圧力が調節されており、それにより、
極間差圧計測点の極間差圧P1の値が一定となるように
制御されている。
【0010】しかし、前述したとおり、この場合の極間
差圧P1は、電池出口側のセル10の一部、すなわち、
図4のエリアA1の極間差圧に過ぎず、セル10の内部
では、最高値P2と最低値P3を両端とする極間差圧分
布が生じている。この場合、最高値P2は図4のエリア
A2の極間差圧であり、最低値P3は図4のエリアA3
の極間差圧である。特に、極間差圧の設定値が低い場合
には、部分的に極間差圧がマイナスとなる(酸化剤極2
側の圧力の方が高くなる)可能性がある。すなわち、図
5に示す最低値P3がマイナスとなる可能性がある。
【0011】ここで、仮に、セル面の一部の極間差圧が
マイナスになった場合にはその部分の特性劣化が急速に
進むため、極間差圧がマイナスになることは絶対に避け
なくてはならない。しかし、上記のように、電池出口側
のエリアA1の極間差圧を制御している限り、特に、高
負荷において酸化剤の流速が上がると、セル内での極間
差圧の偏差が大となり、電池出口の極間差圧設定値が低
い場合には、局部的に極間差圧がマイナスになる(酸化
剤極2側の圧力の方が高くなる)可能性がある。ある例
では、このセル内での極間差圧の差が、70%負荷で約
60mmAqとなるものと推定されているが、通常は、電池
出口側の極間差圧計測点(エリアA1)の極間差圧P1
の値が50mmAqとなるように制御しているため、局部的
に極間差圧がマイナスとなる可能性が高い。
【0012】また、以上のように、極間差圧がマイナス
となると電池の劣化が急速に進むため、そのような事態
は絶対に避ける必要があるが、その一方で、極間差圧が
高すぎても、場合によっては電池の寿命を短くする可能
性がある。すなわち、局部的に極間差圧がマイナスとな
るようなMAX条件までを考慮したマージンを十分に取
って電池出口の極間差圧設定値を高く設定した場合に
は、通常時に極間差圧を無駄に高くすることになり、電
池の特性に悪影響を与えることになる。そのため、極間
差圧は、セルの全面でプラスとなり、しかもできる限り
低い値に制御されることが理想的であるが、図3に示す
ような従来の燃料電池発電プラントにおいては、そのよ
うな理想的な制御を行うことは困難である。
【0013】本発明は、以上のような従来の問題点を解
決するために提案されたものであり、その目的は、いか
なる運転状況においても、極間差圧を全てのセル面でプ
ラスとなる理想的な低い値に容易に維持可能であり、そ
れによって電池の特性劣化を防止可能な、信頼性の高い
燃料電池発電プラントを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による燃料電池発
電プラントは、燃料極と酸化剤極からなる燃料電池本体
と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給手段と、前記
酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段を有し、さ
らに、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測す
る計測手段と、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧
を調節する調節手段を有する燃料電池発電プラントにお
いて、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測・
管理する方式に、次のような特徴を有するものである。
【0015】請求項1記載の燃料電池発電プラントは、
燃料電池本体内を流れる燃料流量と酸化剤流量の両方に
基づいて前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧の適正
値を設定する設定手段を備えたことを特徴としている。
【0016】以上のような構成を有する請求項1記載の
燃料電池発電プラントによれば、次の作用が得られる。
まず、通常、極間差圧は約50mmAq程度となるように管
理されているが、前述したように、従来管理されている
極間差圧は、燃料極・酸化剤極の出口における極間の差
圧であって、セル内部での各部の極間差圧とは厳密には
一致していない。そして、単に燃料極・酸化剤極の出口
における極間差圧を約50mmAq程度となるように管理し
た場合には、実際のセル内部での極間差圧は、局部的に
マイナスになる可能性がある。
【0017】これに対して、請求項1の発明において
は、設定手段によって、燃料と酸化剤の流量から生じる
圧力損失を計算し、その状況において最も適切な極間差
圧の値を適正値として設定することにより、局部的に極
間差圧がマイナスになることを防止することができる。
この場合、最も適切な値とは、安定運転時にセル全面に
おいて極間差圧がプラスとなる値の最低値(ミニマム)
である。
【0018】すなわち、本発明においては、設定手段に
よって、燃料と酸化剤の流量に基づいて極間差圧の適正
値を常時設定できるため、燃料極・酸化剤極の出口にお
ける極間差圧がこの適正値となるような管理・運用を行
うことにより、全セル面の極間差圧をプラスかつミニマ
ムとなるように維持することが可能となる。
【0019】請求項2記載の燃料電池発電プラントは、
前記燃料電池本体内を流れる燃料流量と酸化剤流量の中
から選択された一方の流量に基づいて前記燃料極と前記
酸化剤極との間の差圧の適正値を設定する設定手段を備
えたことを特徴としている。
【0020】以上のような構成を有する請求項2記載の
燃料電池発電プラントによれば、燃料と酸化剤の一方の
流量に基づいて極間差圧の適正値を設定するため、燃料
と酸化剤の両方の流量に基づいて極間差圧の適正値を設
定する請求項1記載の発明に比べて適正値の精度が若干
低下するものの、同様の作用を得ることができる。ただ
し、流量を計測しない側のガスについては、電流値から
ガス消費量を計算し、圧力損失補正に使用する。本発明
は、特に、計測機器やコストの制約がある場合には、請
求項1記載の発明よりも有効である。
【0021】請求項3記載の燃料電池発電プラントは、
請求項1または2記載の燃料電池発電プラントにおい
て、前記調節手段を、前記燃料極と前記酸化剤極との間
の差圧が前記設定手段で設定された適正値となるように
制御する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0022】以上のような構成を有する請求項3記載の
燃料電池発電プラントによれば、制御手段によって極間
差圧を自動的に制御できるため、全セル面の極間差圧を
常時かつ確実にプラスかつミニマムとなるように維持す
ることができる。
【0023】請求項4記載の燃料電池発電プラントは、
請求項1〜3記載の燃料電池発電プラントにおいて、前
記設定手段と前記制御手段を兼ねる単一の手段を備えた
ことを特徴としている。以上のような構成を有する請求
項4記載の燃料電池発電プラントによれば、プラント全
体を簡略化できる。
【0024】請求項5記載の燃料電池発電プラントは、
前記燃料極と前記酸化剤極の中のいずれか一方の電極の
出口と他方の電極の入口との間の差圧を計測する計測手
段を備えたことを特徴としている。
【0025】以上のような構成を有する請求項5記載の
燃料電池発電プラントによれば、計測手段によって、燃
料極出口と酸化剤極入口との間の差圧または燃料極入口
と酸化剤極出口との間の差圧を計測し、その計測値が適
切な値となるような管理・運用を行うことにより、局部
的に極間差圧がマイナスになることを防止することがで
きる。
【0026】すなわち、計測手段によって燃料極出口と
酸化剤極入口との間の差圧を計測する場合には、セル内
での極間差圧最低値を計測することになるため、この値
がプラスかつミニマムとなるような管理・運用を行うこ
とで、セル内の全ての箇所の極間差圧をプラスかつミニ
マムとすることができる。また、計測手段によって燃料
極入口と酸化剤極出口との間の差圧を計測する場合に
は、逆にセル内の極間差圧最高値を計測することになる
ため、より厳密な燃料電池特性の評価および運転最高点
の設定が可能となる。
【0027】請求項6記載の燃料電池発電プラントは、
前記燃料極の出口と前記酸化剤極の入口との間の差圧
と、前記燃料極の入口と前記酸化剤極の出口との間の差
圧を計測する計測手段を備えたことを特徴としている。
【0028】以上のような構成を有する請求項6記載の
燃料電池発電プラントにおいては、計測手段によって燃
料極出口と酸化剤極入口との間の差圧を計測することに
より、セル内での極間差圧最低値を計測することができ
るため、この値がプラスかつミニマムとなるような管理
・運用を行うことで、セル内の全ての箇所の極間差圧を
プラスかつミニマムとすることができる。また、計測手
段によって燃料極入口と酸化剤極出口との間の差圧を計
測することにより、逆にセル内の極間差圧最高値を計測
することができるため、より厳密な燃料電池特性の評価
および運転最高点の設定が可能となる。
【0029】請求項7記載の燃料電池発電プラントは、
請求項5または6記載の燃料電池発電プラントにおい
て、前記計測手段で計測される計測値を監視し、この計
測値が適正な範囲に維持されるようにして前記調節手段
を制御する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0030】以上のような構成を有する請求項7記載の
燃料電池発電プラントによれば、制御手段によってセル
内での極間差圧最低値または極間差圧最高値あるいはそ
の両方を自動的に制御できるため、全セル面の極間差圧
を常時かつ確実にプラスかつミニマムとなるように維持
することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下には、本発明による燃料電池
発電プラントの複数の実施の形態について、図1および
図2を参照して説明する。なお、図3に示した従来例と
同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0032】[1.第1の実施の形態] [1−1.構成]図1は、本発明による第1の実施の形
態として、請求項1、3、4記載の各発明を適用した燃
料電池発電プラントの一つの実施の形態を示す構成図で
ある。この図1に示すように、本実施の形態において、
図2の従来例と異なる点は、極間差圧調節ダンパ7を制
御する制御装置(制御手段)9を持ち、この制御装置9
によって極間差圧の可変制御を行うように構成した点で
ある。ここで、制御装置9は、極間差圧の適正値を設定
する設定手段を兼ねている。また、本実施の形態におい
て、極間差圧計測器8は、極間差圧として、従来のプラ
ントと同様に、燃料極1と酸化剤極2の出口間の極間差
圧を測定するように構成されている。
【0033】また、電池出口の極間差圧の管理・運用の
基準となる電池出口の極間差圧設定値は、従来は一定の
値または一定の範囲として固定的に設定されている。こ
れに対し、本実施の形態において、このような電池出口
の極間差圧設定値(極間差圧の適正値)ΔPは、固定で
なく、制御装置9により、次の式(1)にしたがって随
時設定される。
【0034】
【数1】 なお、この式(1)において、C1は制御幅による値で
約20mmAqである。また、C2は燃料流量による圧力損
失補正係数であり、後述するC3に比べ小さい。そし
て、C3は酸化剤流量による圧力損失を補正する係数で
あり、この式では支配的な係数である。また、C4はセ
ル内での流量と圧力損失に関係する係数であり、1以上
2以下の数である。なお、これらの係数は、セルの圧力
損失特性から計算によって求められる。
【0035】[1−2.作用]以上のような構成を有す
る第1の実施の形態によれば、次の作用が得られる。ま
ず、前述したとおり、従来の燃料電池発電プラントにお
いては、特に酸化剤の流速が上がると、セル内での極間
差圧の偏差が大となり、電池出口の極間差圧設定値が低
い場合には、局部的に極間差圧がマイナスになる(酸化
剤極2側の圧力の方が高くなる)可能性がある。しか
し、そのMAX条件までを考慮したマージンを十分に取
った電池出口極間差圧の設定では、通常時に極間差圧を
無駄に高くすることになり、電池の特性に悪影響を与え
ることになる。
【0036】これに対して、本実施の形態においては、
燃料または酸化剤の流量が変化した場合には、その流量
バランスに応じて、制御装置9により、前記の式(1)
にしたがって電池出口の極間差圧設定値ΔPが求めら
れ、新たに設定される。すなわち、流量バランスの変化
に応じて、極間差圧設定値ΔPが随時変化する。そし
て、制御装置9は、極間差圧計測器8によって計測され
る差圧の計測値が、その時点において設定されている極
間差圧設定値ΔPとなるようにして、極間差圧調節ダン
パ7を可変的に制御する。
【0037】このように、本実施の形態においては、制
御装置9により、燃料と酸化剤の流量に基づいて状況に
応じた極間差圧設定値(極間差圧の適正値)ΔPを常時
設定し、実際の極間差圧がこの極間差圧設定値ΔPとな
るように自動的に制御できるため、全セル面の極間差圧
を常時かつ確実にプラスかつミニマムとなるように維持
することができる。
【0038】[1−3.効果]以上のように、本実施の
形態によれば、いかなるプラントの状態(負荷、バラン
スなど;トランジェント時は除く)においても、全セル
内での極間差圧をプラスかつミニマムに維持することが
できる。したがって、電池の特性を急速に劣化させるこ
とがないため、電池の寿命を延ばすことができ、燃料電
池発電プラントの信頼性を従来に比べて飛躍的に向上す
ることができる。また、設定手段と制御手段を兼ねた制
御装置9を使用しているため、プラント全体を簡略化で
きる。
【0039】[1−4.変形例]第1の実施の形態の変
形例としては、例えば、請求項2記載の発明を適用し
て、燃料流量と酸化剤流量のいずれか一方のみに基づい
て電池出口の極間差圧設定値ΔPを求める構成も可能で
ある。このように構成した場合には、燃料流量と酸化剤
流量の両方に基づいて極間差圧設定値ΔPを求める場合
に比べて設定値ΔPの精度が若干低下するものの、ほぼ
第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ
る。ただし、流量を計測しない側のガスについては、電
流値からガス消費量を計算し、圧力損失補正に使用する
ことになる。このように、一方の流量のみを利用する場
合には、計測機器を簡略化できるため、特に、計測機器
やコストの制約がある場合には第1の実施の形態よりも
有効である。
【0040】また、第1の実施の形態においては、設定
手段と制御手段を兼ねた単一の制御装置9を使用した
が、個別の設定手段と制御手段を使用する構成も可能で
ある。さらに、これに関連して、実際の機器構造として
は、設定手段や制御手段を、計測手段あるいは調節手段
の一部として組み込んだり、これらの手段を選択的に組
み合わせた装置を構成することなどが考えられる。
【0041】[2.第2の実施の形態] [2−1.構成]図2は、本発明による第2の実施の形
態として、請求項5、7記載の各発明を適用した燃料電
池発電プラントの一つの実施の形態を示す構成図であ
る。この図2に示すように、本実施の形態において、前
記第1の実施の形態と異なる点は、極間差圧計測器8の
接続箇所である。極間差圧計測器8は、前記第1の実施
の形態においては図1に示すように、燃料極1の出口と
酸化剤極2の出口に極間差圧計測器8が接続されていた
が、本実施の形態では、燃料極1の出口と酸化剤極2の
入口に接続されており、この間の差圧を計測するように
構成されている。そして、制御装置9は、この極間差圧
計測器8からの差圧の計測値が予め設定された一定値
(20mmAq)となるように、極間差圧調節ダンパ7を制
御するように構成されている。
【0042】[2−2.作用]以上のような構成を有す
る第2の実施の形態によれば、次の作用が得られる。ま
ず、通常の安定運転中における燃料電池発電プラントの
制御振幅特性は、±15mmAq程度であると予想される。
よって、極間差圧計測器8の指示値を20mmAqに制御す
ることにより、通常の安定運転時においては、極間差圧
計測器8の指示値をゼロmmAq以上に維持することができ
る。この場合、本実施の形態における極間差圧の計測点
は、セル内での極間差圧の最低点であるため、この計測
点における計測値がゼロmmAq以上であるということは、
セル内の全ての箇所において、ゼロmmAq以上を維持でき
ることになる。したがって、局部的に極間差圧がマイナ
スになる(酸化剤極2側の圧力の方が高くなる)ことを
防止でき、全セル面の極間差圧を常時かつ確実にプラス
かつミニマムとなるように維持することができる。
【0043】[2−3.効果]以上のように、本実施の
形態によれば、前記第1の実施の形態と同様に、いかな
るプラントの状態(負荷、バランスなど;トランジェン
ト時は除く)においても、全セル内での極間差圧をプラ
スかつミニマムに維持することができる。したがって、
電池の特性を急速に劣化させることがないため、電気の
寿命を延ばすことができ、燃料電池発電プラントの信頼
性を従来に比べて飛躍的に向上することができる。
【0044】[2−4.変形例]第2の実施の形態の変
形例としては、例えば、極間差圧計測器8を、第2の実
施の形態とは逆に、燃料極1の入口と酸化剤極2の出口
に接続し、この間の差圧を計測するように構成すること
が可能である。このように構成した場合には、極間差圧
の計測点が、セル内での極間差圧の最高点となるため、
より厳密な燃料電池特性の評価および運転最高点の設定
が可能となる。
【0045】また、請求項6記載の発明を適用して、燃
料極1の出口と酸化剤極2の入口との差圧、および燃料
極1の入口と酸化剤極2の出口との差圧の両方を計測す
るように構成した場合には、前記第2の実施の形態の作
用効果とその前記変形例の作用効果を合わせた作用効果
を得ることができる。
【0046】[3.他の実施の形態]なお、本発明は、
前記各実施の形態およびその変形例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内で、他にも多種多様な形態を実
施可能である。例えば、図1および図2においては、本
発明における要部の構成のみを概略的に図示したが、実
際の燃料電池発電プラントにおいては、他にも各種の機
器やシステムが使用されている。また、燃料電池本体、
燃料供給手段、酸化剤供給手段、計測手段、調節手段、
設定手段、および制御手段などの具体的な構成は、自由
に選択可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
燃料流量や酸化剤流量に基づいて極間差圧の適正値を設
定するか、あるいは、セル内における極間差圧の最低値
または最高値を計測することにより、いかなる運転状況
においても、極間差圧を全てのセル面でプラスとなる理
想的な低い値に容易に維持可能であり、それによって電
池の特性劣化を防止可能な、信頼性の高い燃料電池発電
プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態の燃料電池発電
プラントを示す構成図。
【図2】本発明による第2の実施の形態の燃料電池発電
プラントを示す構成図。
【図3】従来の燃料電池発電プラントの一例を示す構成
図。
【図4】一般的な燃料電池のセル面における極間差圧分
布の一例を示す説明図。
【図5】燃料ラインと酸化剤ラインの各圧力分布の一例
を示すグラフ。
【符号の説明】
1:燃料極 2:酸化剤極 3:燃料電池本体 4:燃料流量調節ダンパ、 5:酸化剤流量調節ダンパ 6:改質器 7:極間差圧調節ダンパ 8:極間差圧計測器 9:制御装置 10:セル 11:燃料入口 12:燃料出口 13:燃料の流れ 14:酸化剤入口 15:酸化剤出口 16:酸化剤の流れ A1:(電池出口の極間差圧計測値と極間差圧が等し
い)エリア A2:(セル内で極間差圧が最高となる)エリア A3:(セル内で極間差圧が最低となる)エリア 21:燃料ライン圧力分布 22:酸化剤ライン圧力分布 23:極間差圧調節ダンパによる圧力調節箇所 P1:極間差圧計測点の極間差圧 P2:セル内部の極間差圧最高値 P3:セル内部の極間差圧最低値

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極と酸化剤極からなる燃料電池本体
    と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給手段と、前記
    酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段を有し、さ
    らに、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測す
    る計測手段と、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧
    を調節する調節手段を有する燃料電池発電プラントにお
    いて、 前記燃料電池本体内を流れる燃料流量と酸化剤流量の両
    方に基づいて前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧の
    適正値を設定する設定手段を備えたことを特徴とする燃
    料電池発電プラント。
  2. 【請求項2】 燃料極と酸化剤極からなる燃料電池本体
    と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給手段と、前記
    酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段を有し、さ
    らに、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測す
    る計測手段と、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧
    を調節する調節手段を有する燃料電池発電プラントにお
    いて、 前記燃料電池本体内を流れる燃料流量と酸化剤流量の中
    から選択された一方の流量に基づいて前記燃料極と前記
    酸化剤極との間の差圧の適正値を設定する設定手段を備
    えたことを特徴とする燃料電池発電プラント。
  3. 【請求項3】 前記調節手段を、前記燃料極と前記酸化
    剤極との間の差圧が前記設定手段で設定された適正値と
    なるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の燃料電池発電プラント。
  4. 【請求項4】 前記設定手段と前記制御手段を兼ねる単
    一の手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項
    3までのいずれか一つに記載の燃料電池発電プラント。
  5. 【請求項5】 燃料極と酸化剤極からなる燃料電池本体
    と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給手段と、前記
    酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段を有し、さ
    らに、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測す
    る計測手段と、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧
    を調節する調節手段を有する燃料電池発電プラントにお
    いて、 前記燃料極と前記酸化剤極の中のいずれか一方の電極の
    出口と他方の電極の入口との間の差圧を計測する計測手
    段を備えたことを特徴とする燃料電池発電プラント。
  6. 【請求項6】 燃料極と酸化剤極からなる燃料電池本体
    と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給手段と、前記
    酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段を有し、さ
    らに、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧を計測す
    る計測手段と、前記燃料極と前記酸化剤極との間の差圧
    を調節する調節手段を有する燃料電池発電プラントにお
    いて、 前記燃料極の出口と前記酸化剤極の入口との間の差圧
    と、前記燃料極の入口と前記酸化剤極の出口との間の差
    圧を計測する計測手段を備えたことを特徴とする燃料電
    池発電プラント。
  7. 【請求項7】 前記計測手段で計測される計測値を監視
    し、この計測値が適正な範囲に維持されるようにして前
    記調節手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とす
    る請求項5または請求項6記載の燃料電池発電プラン
    ト。
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