JP4658464B2 - 燃料電池の運転装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の発電安定性を向上する燃料電池の運転装置に関する。
高分子電解質膜型燃料電池は、燃料ガスの水素と、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させ、このときに起こる反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出すものである。この高分子電解質膜型燃料電池(以下、燃料電池と略称する)は、高分子電解質膜を挟んで一対の電極を配置するとともに、一方のアノード電極の表面に燃料ガスの水素を接触させ、他方のカソード電極の表面に空気などの酸化剤ガスを接触させて発電している。燃料電池の高分子電解質膜が水分を含んだ状態で水素イオン伝導性を持つため、供給する燃料ガスや酸化剤ガスを加湿して供給する必要がある。燃料電池の運転方法においては、高分子電解質膜を適切な含水状態に保持するため、燃料電池スタックへ供給する燃料ガスや酸化剤ガスを均一な加湿状態に調整している。しかし、常に加湿状態を均一に保持することは困難であるため、加湿された燃料ガスや酸化剤ガス中の水分の一部が、ガス流路内において凝縮して水滴となることがある。このような場合、水滴がガス流路内に発生して、燃料電池の電極表面に付着すると、フラッティングと称される現象が発生して発電性能が低下することが起こる。電極表面に付着する水分の量が比較的少ない軽度のフラッティングの状態においては、酸化剤ガスの流路にエアを送り込んで水滴を除去することにより、フラッティングを解消させることが可能である。
このようなフラッティングを解消させる燃料電池の運転方法として、酸化剤ガス流路溝に送り込んだエアにより水分を外部へ搬送させることで、発電出力を回復させるようにした燃料電池の運転制御技術がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の技術では、燃料電池の単電池の出力電圧と内部抵抗と酸化剤ガスの排出ガス湿度との少なくともいずれか一つを検出し、その検出値が予め定めた許容範囲を外れた場合に、供給源からの酸化剤ガスの流量を増加させるか、又は圧力を増大させるようにしている。
また、大容量出力の燃料電池発電プラントに対応させるため、同一仕様の複数基の燃料電池スタックを電気的に並列又は直列に接続して大きな電気出力を得るようにした燃料電池発電システムがある(特許文献2参照)。この特許文献2に記載の分割型の燃料電池発電システムでは、燃料電池発電システム全体での燃料電池の長寿命化を図るため、各燃料電池スタックの電池出力特性が原因で各燃料電池スタックの電流分担率が異なる場合、電流検出手段によって検出された出力電流の大きい燃料電池スタックに対しては基準のガス利用率を維持するよう流量制御弁の弁開度を制御して反応ガス供給量を制御し、検知された出力電流の小さい燃料電池スタックに対してはガス利用率を基準値より低い値に変更して流量制御弁の弁開度を高めて供給源からの反応ガス供給量を増量させる。これにより、各燃料電池スタックの電流分担が均等化されて、燃料電池発電システム全体での発電効率の向上と、発電特性の早期劣化を防ぐようにしている。
特開平8−167421号公報(段落0008〜0015、図1) 特許第2745776号公報(第2〜3頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の従来の燃料電池は、単基型の燃料電池であり、各電極は一つのガス流通路しか備えていないため、ガス流通路に供給されたガスは、何処か一部だけに不具合があっても全部吐出して電極に通流するので、無駄な量を流してしまう。酸素側に空気を多く流す場合は、コンプレッサの回転により行うが、コンプレッサを回す電力源は燃料電池が発電している電力を使用するので、コンプレッサを回せば回すほど、燃費は悪くなってしまう問題が発生する。水素側に水素を多く流すにしても、発電に使用されない水素の量が多くなり、無駄が発生してしまうという問題が起こる。
また、特許文献2に記載の従来の分割型の燃料電池発電システムにおいても、同じ定格の電圧、電流を発生させる燃料電池スタックを備えているものの、固体差が生じてしまう。また、電流分担を均等化するために各燃料電池スタックの流量制御弁の弁開度を調整して反応ガスの流量を増減するものの、フラッティングに起因する発電性能が落ちたときに、その防止対策は開示されていないので、電池出力性能の安定化を図ることができないおそれがある。
そこで、本発明の課題は、前記問題に鑑み、分割型の燃料電池におけるフラッティングの発生を抑制するため、分割型の燃料電池に対して、一対の同極同士の電極に通流させる反応ガスの通流量の配分を発電性能が低下した電極側に割り振れるように工夫して、電極表面に付着している水滴の除去を図り、発電性能の安定化を向上させることを可能とする新規な燃料電池の運転装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために講じた本発明の手段は、反応ガスの供給源からの供給量を一定に維持しつつ、分割型の燃料電池に対して、一対の同極同士の電極に通流させる反応ガス流通路を分岐して配置し、発電性能を監視する監視手段の検知に基づき、分岐した反応ガス流通路の分流量又は圧力を調整して反応ガスを流すようにしたことを基本思想としたものである。
請求項1に記載の発明では、同一仕様の燃料電池スタックを複数基備えて該複数基の燃料電池スタックを電気的に並列に接続して大きな電気出力を得るようにした燃料電池発電システムである分割型の燃料電池において、少なくとも2基で一対の単位として構成される一対の燃料電池スタックを備え、該一対の燃料電池スタックにおける個々の燃料電池スタックは、反応ガスの供給源からの供給量を一定に維持しつつ、前記一対の燃料電池スタックにおける個々の燃料電池スタックの同極同士の電極に反応ガスを分岐して流すようにして、個別に反応ガスの供給を受けて発電するように構成され、前記一対の燃料電池スタックを1つ以上の組合わせで並列に配置され、個別に反応ガスの供給を受けて発電する前記複数の燃料電池と、前記一対の各燃料電池の発電性能をそれぞれ監視する監視手段と、前記燃料電池の入口側に供給する1つの反応ガス流路から前記各燃料電池のそれぞれに前記反応ガスを分流する反応ガス分流路と、前記各反応ガス分流路を経て前記各燃料電池に流れる前記反応ガスの分流量をそれぞれ調整するための分岐部に設けた入口弁と、前記各燃料電池の出口側の反応ガス流路のそれぞれに設けた圧力調整弁と、前記各燃料電池のうちのいずれかの発電性能が落ちたときに、前記監視手段の信号により当該発電性能が落ちた燃料電池のみ前記反応ガス流量が増大するように前記分流量調整手段を制御する制御手段と、を備える燃料電池の運転装置であって、前記反応ガス流路は、酸化剤極に供給される空気を流す空気流路と、燃料極に供給される燃料ガスを流す燃料ガス流路とから形成され、前記各燃料電池の出口側のそれぞれの反応ガス流路は、空気を排出する空気流路と、燃料ガスを排出する燃料ガス流路とから形成され、前記入口弁は、前記燃料ガス流路に設けた燃料ガス入口弁と、前記空気流路に設けた空気入口弁とからなり、前記空気の供給源としてエアコンプレッサを配設すると共に、前記燃料ガス入口弁の上流側に前記燃料ガスの供給源からの供給量を調整する燃料ガス供給調節弁と、エゼクタとを順次配設し、前記各燃料電池の空気出口側に接続されるそれぞれの前記空気流路には、それぞれ空気圧力調整弁を配設し、前記各燃料電池の燃料ガス出口側に接続されるそれぞれの燃料ガス流路には、それぞれ燃料ガス圧力調整弁を配設し、前記各燃料ガス圧力調整弁を経て、燃料ガスを合流して流す排出側の燃料ガス流路に燃料ガス循環取入部を配設すると共に、前記燃料ガス循環取入部から取り入れた燃料ガスの一部または大部分を前記エゼクタの入口側へと還流させる燃料ガス循環路を配設し、前記制御手段は、前記発電性能が落ちた燃料電池内の圧力を高めるよう前記燃料ガス入口弁及び前記空気入口弁の弁開度を調整すると共に、空気供給側においては前記エアコンプレッサの回転及び前記各燃料電池出口側の前記空気圧力調整弁の弁開度を調整して発電安定性が低下してない燃料電池内の圧力とほぼ均等になるように制御するようにしたことを特徴とする燃料電池の運転装置である。
請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記制御手段により、前記複数の燃料電池のうち、分流量を増大させた燃料電池以外の燃料電池への前記反応ガスの分流量を減少させることを特徴とする燃料電池の運転装置である。
請求項3に記載の発明では、請求項1において、前記制御手段により、前記燃料電池の分流量を増大させるときに、前記反応ガスの増大前とほぼ同じ供給圧力となるように前記分岐された反応ガス分流路の供給圧力を調整する圧力調整手段を、設けることを特徴とする燃料電池の運転装置である。
請求項1の発明によれば、燃料電池全体の反応ガスの流量をほとんど変化させずに、発電性能の落ちた燃料電池のみ反応ガス流量を増加させて、フラッティングの発生による電圧低下を初期の段階で復帰させることが可能となる。このため、供給する反応ガスの流量は、大きく変わらないので、燃費の低下を抑えることができる。
また、請求項1の発明によれば、一対の燃料電池のうちのどちらか一方の発電安定性が低下すると、低下した方のみへ反応ガスを送る空気入口弁および燃料ガス入口弁の弁開度を増やして、低下した分の燃料電池内の圧力を高め、低下した方の空気供給側では、エアコンプレッサの回転を上昇させ、それとともに、出口側の空気圧力調整弁の弁開度も調整して、他方の発電安定性が低下してない燃料電池内の圧力とほぼ均等になるように制御することで、より早く発電性能の復帰を図ることができる。さらにまた、エゼクタ、燃料ガス循環取入部、燃料ガス循環路を配設し、それぞれの燃料電池から排出された燃料ガスの一部または大部分をエゼクタの入口側へと還流させる構成により、一度燃料電池の発電に使用した燃料ガスを再度燃料電池の発電に供することで、排出される燃料ガスの有効利用を図ることができる。これにより、燃料電池の燃費を向上させつつ、発電性能の安定化を図るようにした燃料電池の運転装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、燃料電池全体の反応ガス、例えば、燃料ガスの供給量を変えずに、一方の燃料電池への燃料ガスの分流量を増加させたら、他方は減少させることで、発電性能の落ちた方の燃料電池のみの流量を増加できるので、燃料電池全体での反応ガス、例えば、燃料ガスの量は変えずに済む。これにより、未反応ガスの排出も少なくて済むため、燃費の低下を抑えることができる。
請求項3の発明によれば、燃料電池の発電性能は、反応ガスの供給圧に依存する性質をもっているため、反応ガスの増大前、つまり、通常運転状態のときは、その燃料電池がもつ最適の反応ガスの供給圧で運転しているので、そのときの前記供給圧を保ちながら、分流量だけを変更する。これにより、供給圧に発電性能が依存する燃料電池において、発電性能を落とすことなく、フラッティング問題の解消を行うことができる。
次に、本発明の燃料電池の運転装置の実施形態について適宜図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示す分割型の燃料電池の運転装置の説明図である。図2は、第1実施形態の各燃料電池の電圧変化のイメージを示す説明図である。図3は、第1実施形態の各燃料電池の電圧復帰のイメージを示す説明図である。図4は、各燃料電池の空気入口側と空気出口側の弁開度のイメージを示す説明図である。図5は、本発明の第2実施形態を示す分割型の燃料電池の運転装置の説明図である。図6は、空気の流量とエアコンプレッサの消費電力との関係を示す説明図である。図7は、第1実施形態の制御フローチャートである。図8は、第2実施形態の制御フローチャートである。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る燃料電池の運転装置Sは、一対の組み合わせで並列に配置した燃料電池Aおよび燃料電池Bと、各燃料電池A,Bの入口側に接続した1つの反応ガス流路2から分岐した反応ガス分流路4,7と、分岐部に設けた入口弁3と、各燃料電池A,Bの出口側の反応ガス流路5,8に設けた圧力調整弁12,13と、各燃料電池A,Bの電圧を監視するセルVモニタ10,11と、該セルVモニタ10,11からの電圧信号を所定値と比較判断することにより前記入口弁3および前記圧力調整弁12,13を制御するコントロールユニット14とから主として構成される。なお、以下の説明において、この一対に組み合わされた燃料電池A、燃料電池Bを、分割型の燃料電池A、燃料電池Bと称することがある。
燃料電池の運転装置Sにおいて、両燃料電池A、Bに供給される反応ガスは、基本的に燃料電池A、燃料電池Bの入口側で分流されて供給されるように主として構成されている。この反応ガスは、燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される空気とからなる。燃料ガスと空気は、各燃料電池の電極において、図示しない高分子電解質膜に接触させるため、ほぼ均等な圧力バランスを保って供給されている。前記反応ガス流路2は、空気流路2Aと燃料ガス流路2Bとから形成されている。
図1に示すように、前記反応ガスは、図の左側に示す反応ガス供給源から反応ガス流路2を通って入口弁3に接続されている。この入口弁3は、燃料電池A、燃料電池Bのそれぞれへ反応ガスを供給する供給量を調整可能に分流して流すようにしたものであり、特許請求の範囲の「分流量調整手段」に相当する。この入口弁3から分岐して、一方の反応ガス分流路4は燃料電池Aの反応ガス入口側に接続されている。反応ガス流路5は、この燃料電池Aの出口側に一端が接続され、他端が反応ガス出口合流部6に接続されている。前記入口弁3から分岐した他方の反応ガス分流路7は、燃料電池Bの入口側に接続されている。反応ガス流路8は、この燃料電池Bの反応ガス出口側に一端が接続され、他端は前記反応ガス出口合流部6に接続されている。反応ガス流路5と反応ガス流路8とは、この反応ガス出口合流部6で合流して反応ガス排出路9を通って外部へ排出される。
前記入口弁3は、反応ガスを一方向から二方向へ分配する三方弁からなっている。また、前記入口弁3から分岐された反応ガス分流路4と反応ガス分流路7には、圧力センサP,Pを設置してある。なお、三方弁からなる前記入口弁3の配置に代えて、燃料ガス分流路4、燃料ガス分流路7にそれぞれ流量調整弁を配置し、分流量を調整可能なように構成してもよい。なお、前記入口弁3から分岐された反応ガス分流路4と反応ガス分流路7には、それぞれの燃料電池A、燃料電池Bへ供給する反応ガスの圧力を検出する圧力センサP,Pが設置してある。
前記セルVモニタ10,11は、特許請求の範囲の「監視手段」に相当し、それぞれ燃料電池A、燃料電池Bの各燃料電池スタックの電圧を監視するために配置されている。このセルVモニタ10,セルVモニタ11は、それぞれ燃料電池A、燃料電池Bの燃料電池スタックの1つのセル毎に電圧を監視しており、検出した電圧信号を後記するコントロールユニット14へ送信している。
コントロールユニット14は、前記セルVモニタ10,11から送信された電圧信号を所定値と比較して発電性能の低下の有無を判断し、燃料電池A、燃料電池Bへ供給する反応ガスの流量、圧力等を制御するためのものであり、特許請求の範囲の「制御手段」に相当する。このコントロールユニット14は、例えば、車両の駆動系のほか、操舵系や走行系などのシステムを含む装置全体の電気系統を制御する制御装置(ECU:Electrical Control Unit)である。このコントロールユニット14には、前記した各圧力センサPからの制御ラインが接続されている。
燃料電池A、燃料電池Bの出口側には、圧力調整弁12,13が配置されている。この圧力調整弁12,13からも前記コントロールユニット14にそれぞれ個別に制御ラインが接続されている。それぞれの圧力調整弁12,13は、当該コントロールユニット14により個別に圧力が制御されるようになっている。
以上のように、図1に示す燃料電池の運転装置Sにおいては、燃料電池Aと燃料電池Bとに対する反応ガスの通流経路とその制御系を構成している。したがって、コントロールユニット14の制御により、供給側に配置される入口弁3は、分岐して各々の燃料電池A、燃料電池Bの入口側へ供給する反応ガスの分流量を制御する。一方、燃料電池A、燃料電池Bの出口側に配置される圧力調整弁12,13は、各燃料電池A、燃料電池Bの出口側の反応ガスの圧力を個別に制御することを可能とするものである。
第1実施形態をさらに具体的に説明すると、空気の流れは、図1の左側に示す空気供給源から供給される空気が空気流路2Aを通って空気入口弁3Aへ接続される。この空気入口弁3Aは、特許請求の範囲の「分流量調整手段」に相当する。この空気入口弁3Aから分岐した一方の空気分流路4Aは、燃料電池Aの空気入口側に接続される。そして、燃料電池Aの空気出口側に一端が接続された空気流路5Aの他端は、空気出口合流部6Aに接続される。また、前記空気入口弁3Aから分岐した他方の空気分流路7Aは、燃料電池Bの空気入口側に接続されている。空気流路8Aは、この燃料電池Bの空気出口側に一端が接続され、他端は前記空気出口合流部6Aに接続されている。空気流路5Aと空気流路8Aとは、この空気出口合流部6Aで合流して空気流路9Aを通って外部へ排出される。以上のように、燃料電池Aと燃料電池Bとに対する空気の通流経路が形成される。
同様に、燃料ガスは、その流通路として、図1の左側に示す燃料ガス供給源から燃料ガス流路2Bを通って燃料ガス入口弁3Bに接続されている。この燃料ガス入口弁3Bは、特許請求の範囲の「分流量調整手段」に相当する。この燃料ガス入口弁3Bから分岐して、一方の燃料ガス分流路7Bは燃料電池Bの燃料ガス入口側に接続されている。燃料ガス流路8Bは、この燃料電池Bの燃料ガス出口側に一端が接続され、他端が燃料ガス出口合流部6Bに接続されている。また、前記燃料ガス入口弁3Bから分岐して他方の燃料ガス分流路4Bは、燃料電池Aの燃料ガス入口側に接続されている。燃料ガス流路5Bは、この燃料電池Aの燃料ガス出口側に一端が接続され、他端は前記燃料ガス出口合流部6Bに接続されている。
燃料ガス流路8Bと燃料ガス流路5Bとは、この燃料ガス出口合流部6Bで合流して燃料ガス流路9Bを通って外部へ排出される。なお、この燃料ガス流路9Bは、燃料電池A,燃料電池Bまたは燃料ガス入口弁3Bの上流側へ循環するように配管路を構成してもよい。
第1実施形態において、前記燃料電池Aには、燃料電池Aの電圧を監視するセルVモニタ10が接続されており、前記燃料電池Bにも、燃料電池Bの電圧を監視するセルVモニタ11が接続されている。このセルVモニタ10とセルVモニタ11は、燃料電池スタックの1つ1つのセル毎の電圧を監視している。
前記空気分流路4A及び空気分流路7Aには、適宜位置に圧力センサP,Pが設けられていて、燃料電池A、燃料電池Bへ供給する空気の圧力を監視している。また、前記燃料ガス分流路7Bおよび燃料ガス分流路4Bにも、適宜位置に圧力センサP,Pが設けられていて、燃料電池A、燃料電池Bへ供給する燃料ガス圧を監視している。
燃料電池A、燃料電池Bの空気出口側に接続される空気流路5A、空気流路8Aには、空気圧力調整弁12A,12Bが適宜位置に配設されている。また、燃料電池A、燃料電池Bの燃料ガス出口側に接続される燃料ガス流路8Bと燃料ガス流路5Bには、それぞれ燃料ガス圧力調整弁13A,13Bが適宜位置に配設されている。この空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bは、特許請求の範囲の「圧力調整手段」に相当する。
図1に示す燃料電池の運転装置Sの制御については、燃料電池A、燃料電池Bの電圧や反応ガスの流量、圧力等を制御するための制御手段であるコントロールユニット14により行う。このコントロールユニット14には、前記した各圧力センサPが接続されている。反応ガスの流路における入口側の空気入口弁3Aおよび燃料ガス入口弁3Bと、出口側の空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bも、前記コントロールユニット14にそれぞれ個別に接続されており、それぞれは前記コントロールユニット14により個別に流量と圧力が制御されるようになっている。したがって、コントロールユニット14により、反応ガスの供給側に配置される空気入口弁3Aと燃料ガス入口弁3Bは、分岐して各々の燃料電池A、燃料電池Bへ供給する分流量が制御される。これとともに、燃料電池A、燃料電池Bの下流の出口側に配置される空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bのそれぞれの出口圧力が個別に制御されるように構成されている。
次に、図1に基づいて、図2〜図4を適宜参照しつつ、第1実施形態の燃料電池の運転装置Sによる一対の燃料電池A、燃料電池Bの発電性能を安定化させるための反応ガス供給の制御方式について説明する。
図1に示すように、燃料電池の運転装置Sの運転に際して、電気的に並列接続した状態で2基の燃料電池A、燃料電池Bに対して燃料ガス供給源から供給される燃料ガスを所定量に分配して供給されるように設定されている。まず、燃料極へ供給される燃料ガスは、燃料ガス流路2Bを通って三方弁からなる燃料ガス入口弁3Bへ給送され、この燃料ガス入口弁3Bで分岐され、一方の燃料ガスは、燃料ガス分流路4Bを通り燃料電池Aの燃料ガス入口へと分配供給される。また、前記燃料ガス入口弁3Bで分岐された他方の燃料ガスは、燃料ガス分流路7Bを通り燃料電池Bの燃料ガス入口へと分配供給される。
酸化極に供給される空気は、空気供給源より空気流路2Aを通って三方弁からなる空気入口弁3Aへと給送され、この空気入口弁3Aで分岐され、空気分流路4A、空気分流路7Aをそれぞれ通り、燃料電池A、燃料電池Bの酸化極側の空気入口へとそれぞれ分配供給される。
前記燃料ガス入口弁3B、空気入口弁3Aでそれぞれ分岐されて燃料電池A、燃料電池Bへそれぞれ分配供給される燃料ガスおよび空気の分流量は、燃料電池A、燃料電池Bの発電量がほぼ均等となるように予め制御されており、その他の湿度および温度等についてもコントロールユニット14により適正に制御されている。
燃料電池の運転装置Sの運転中は、燃料電池A、燃料電池Bにそれぞれ設けられたセルVモニタ10、セルVモニタ11がそれぞれの発電電圧を監視しており、検出した情報信号をコントロールユニット14へ送信している。燃料電池A、燃料電池Bに対する反応ガスの供給量の増減は、コントロールユニット14からの制御信号に基づき、三方弁からなる燃料ガス入口弁3Bと空気入口弁3Aの弁開度をそれぞれ増加又は減少させることで、それぞれの分流路を流れる反応ガスの分流量を調整することにより行う。また、燃料電池A、燃料電池Bの出口側に配置される空気圧力調整弁12A,12Bの出口圧力は、入口側に設けられた圧力センサPの検出信号に基づいて、入口側の圧力と一定となるようにコントロールユニット14からの制御信号により個別に制御されている。
図2は、燃料電池A、燃料電池Bの電圧を時間軸Tの上に表示している。図2において、燃料電池の電圧がフラッティング等により発電安定性が下がったと判断される境界電圧を所定値として点線で示している。燃料電池A、燃料電池Bの運転中に、セルVモニタ10、セルVモニタ11により電圧を監視しているときに、正常な状態では、燃料電池A、燃料電池Bの電圧は、点線より上方にあり、図2に示すように、ともに平坦に推移している安定状態を示す。例えば、燃料電池B側の電圧が下がったことをセルVモニタ11の監視により検知したときは、つまり、図2中の点線で示す所定値よりも電圧が下がった時点T1において、フラッティングによる電圧低下との判断がなされる。すると、燃料電池Bの発電電圧を復活させるために、コントロールユニット14から制御信号が発信される。この制御信号により、燃料ガス入口弁3Bと空気入口弁3Aの三方弁の燃料電池B側への弁開度を増加させて、図3に示すように、燃料電池B側への反応ガスの供給量の比率が増加させられる。同時に、燃料電池A側への反応ガスの供給量の比率を減少させる。このようにコントロールユニット14からの制御信号で、燃料ガス入口弁3Bと空気入口弁3Aの三方弁の燃料電池A側および燃料電池B側への弁開度が開閉されて、供給される分流量を増減する制御が行われる。この制御の目的は、主として電圧が低下した燃料電池B側の空気の分流量を増加させることにある。この制御により、電極表面に付着した水滴が増加された空気により除去されて、フラッティングが徐々に解消される。そして、電圧が上昇して発電性能が復活したと判断されるT2の時点までコントロールユニット14による制御が続けられる。
この場合、図2に示すように、一時的には、燃料電池A側の電圧も若干下がることがあるが、本実施形態では燃料電池B内の早期のフラッティング解消を図り、トータル発電量を確保することを優先している。そうすることによって、元の反応ガスの供給量は変えずに、分割配置された燃料電池A、燃料電池Bのうち、必要な方の燃料電池だけに多い反応ガスの供給量が送られるようにすることができる。
図4は、燃料電池Bの電圧が下がったときの燃料電池A側、燃料電池B側に対する反応ガス入口側の入口弁3の三方弁の各分流方向への弁開度と、反応ガス出口側の圧力調節弁12,13の弁開度の相関関係を示している。前記したように、反応ガスの供給は、燃料電池Bの電圧が下がったときは、この燃料電池Bの電圧を回復させるために、燃料電池B側の入口弁3の三方弁の弁開度を増大して燃料電池Bへの反応ガスの供給量を増加させる。同時に、反対側の燃料電池Aへの反応ガスの供給量は相対的に減少させる。図4の図中上側と下側に示すグラフは、入口側の弁開度を下げる(減少させる)と、出口側の弁開度も同期して下げ、入口側の弁開度を上げる(増大させる)と、出口側の弁開度も同期して上げることを示している。この出口側の弁開度の増減(開閉)は、図1に示したように、それぞれ対応する圧力センサPの値が一定となるように調整する。なお、この出口側の弁開度の制御は、マップ等をもち、それに応じて弁開度の増減(開閉)を行ってもよい。
つまり、燃料電池の発電性能は、燃料電池内を流れる反応ガスの圧力に依存している。そのため、燃料電池A、燃料電池Bの下流側に配置された空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bについても、前記コントロールユニット14からの制御信号に基づき弁開度を制御する必要があるからである。したがって、燃料電池B側への燃料ガス入口弁3Bと空気入口弁3Aの弁開度の増加に対応させて、同期的に、燃料電池B側の燃料ガス圧力調整弁13Bと空気圧力調整弁12Bの弁開度を調整して圧力をそれぞれ高めるとともに、燃料電池A側の燃料ガス圧力調整弁13Aと空気圧力調整弁12Aの圧力を下げさせる。
このように、燃料電池A、燃料電池Bの下流側の空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bの弁開度を燃料ガス入口弁3Bと空気入口弁3Aの弁開度と同期的に調整をするのは、反応ガスの供給量の増加又は減少に見合った分だけ、下流側の各弁の流量も増加又は減少させないと、燃料電池A、燃料電池B内の反応ガスの供給量と排出量にアンバランスが生じることとなる。そうすると、燃料電池A、燃料電池B内の反応ガスによる圧力が過剰に高まったり、低下することの原因となり、所定の発電量が得られなくなるおそれがあるためである。
このようにすると、燃料電池A、燃料電池Bに対する供給側の圧力をほぼ一定に保つことができる。本来、燃料電池は、反応ガスの圧力にある程度依存して発電性能が決まっているため、反応ガスの供給量を増やしただけのままでは圧力の変化が起こってしまう。この圧力の変化が起こると、燃料電池が有している発電性能も落としてしまうという事象が起きてしまう。それを回避するためには、反応ガスの供給圧を管理してあげて、供給量を増やしたら、排出量も同じように増やしてあげる。そうすると、燃料電池を同じ圧力に保ち、一定の発電性能を保持することが可能となる。
本実施形態では、前記のような燃料電池内の反応ガスの圧力の調整は、排出側の各流量調節弁を管理して制御することにより行っている。なお、このような燃料電池内の反応ガスの圧力の調整は、本実施形態の態様に限定されることなく、燃料電池の上流側の弁を管理することによっても可能であり、また、上流側と下流側の双方の弁を管理することによっても達成可能である。
燃料電池A、燃料電池Bの下流側の空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bを通過した後の反応ガスは、それぞれ空気同士、燃料ガス同士で再び空気出口合流部6A、燃料ガス出口合流部6Bで合流され、一本の空気流路9A又は燃料ガス流路9Bを通って外部へと排出される。
次に、図7のフローチャートを参照して、燃料電池の運転装置Sの制御作動について説明する。図7において、図中の記号FCa,FCbは、それぞれ燃料電池A、燃料電池Bを表しており、Va,Vbは、燃料電池Aの電圧、燃料電池Bの電圧を表している。なお、FCは燃料電池をさしている。
図7を参照して、第1実施形態の制御フローについて説明する。初期設定を行った後、燃料電池の運転装置Sの運転を開始する。ステップ1において、燃料電池A、燃料電池Bに設けたセルVモニタ10、セルVモニタ11により燃料電池Aの電圧Va、燃料電池Bの電圧Vbの電圧信号をコントロールユニット14に送信しつつ個別の発電電圧を監視する。ステップ2において、監視される電圧Vaもしくは電圧Vbが所定値以下であるか否かをコントロールユニット14により判断する。この場合、所定値は、前記したように、フラッティング等によって燃料電池の発電安定性が低下したと判断しうる境界電圧である。Noである場合は、正常な状態と判断して終了し、制御ステップが繰り返される。Yesであれば、発電安定性が低下したと判断され、ステップ3へと進む。ステップ3では、燃料電池A、燃料電池Bのうち、電圧が低下した方の燃料電池側の空気入口弁3Aおよび燃料ガス入口弁3Bの弁開度の比率を増大する。これにより、低下した方の燃料電池側へ供給する反応ガスの流量を増加させる。これと同時に、弁開度を増大した方とは逆側の弁開度を同比率だけ減少させて、逆側の燃料電池側へ供給する反応ガスの流量を同比率だけ減少させる制御が行われる。その後、ステップ4へ進む。ステップ4では、燃料電池A、燃料電池Bの各燃料電池の入口圧力がほぼ均等な一定圧となるように、出口側の空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bの弁の開閉度を制御する。そして、電圧が低下した方の燃料電池側の圧力が回復して、反対側の低下しない燃料電池側の圧力にほぼ等しくなると、電圧が復活して発電の安定性が回復したと判断されて、制御を終了し、再び制御ステップが繰り返される。
(第2実施形態)
次に、本発明における第2実施形態について図5に基づいて、適宜図6を参照しつつ説明する。
第2実施形態の燃料電池の運転装置Sは、図5に示すように、第1実施形態の構成に加えて、空気供給源としてエアコンプレッサ30を配設するとともに、燃料ガスの供給流路にエゼクタ32を配設することを主として構成した。エゼクタ32を配設した燃料ガス流路2Bの上流側に燃料ガス供給源からの供給量を調整する燃料ガス供給調節弁31を配設する。そして、燃料ガスの排出側の燃料ガス流路9Bに燃料ガス循環取入部33を配設する。このエゼクタ32を配設した構成により、燃料電池A、燃料電池Bから排出された燃料ガスの一部または大部分を燃料ガス循環取入部33から取り入れて、燃料ガス循環路34を通じて入口側へと還流させる。これにより、一度燃料電池の発電に使用した燃料ガスを再度燃料電池の発電に供することで、排出される燃料ガスの有効利用を図るものである。この燃料ガス循環取入部33には、三方弁等からなる流量調整弁を配設してもよい。なお、前記エゼクタ32は、高圧燃料ガス供給源の圧力エネルギを利用して燃料ガスの循環を行うための公知のジェットポンプの一種である。
この第2実施形態におけるフラッティング対策の特徴は、発電性能が低下した方の燃料電池の空気の圧力を、低下しない方の圧力と同等の圧力にまで高めて維持することである。第2実施形態での燃料電池A、燃料電池Bに対する電圧の監視と、フラッティングの発生に対する所定値の判断の仕方は、図1に示した第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。第2実施形態では、燃料電池A、燃料電池Bのうちのどちらか一方の発電安定性が低下すると、低下した方のみへ反応ガスを送る空気入口弁3Aおよび燃料ガス入口弁3Bの弁開度を増やして、低下した分の燃料電池内の圧力を高めてあげるようにする。つまり、第1実施形態の発電性能の安定化の手法とは逆に、発電安定性が低下してない方の燃料電池の運転を維持しつつ、低下した方の燃料電池内の圧力を低下前の圧力に戻すことを特徴としている。このため、低下した方の空気供給側では、エアコンプレッサ30の回転を上昇させ、それとともに、出口側の空気圧力調整弁12A,12Bの弁開度も調整して、他方の発電安定性が低下してない燃料電池内の圧力とほぼ均等になるように制御する。
図6は、空気の流量とエアコンプレッサ30の消費電力との関係を示す説明図である。図6に示すように、燃料電池Aと燃料電池Bで組み合わされた両方のバンクに対し、通常の運転状態における空気の流量とエアコンプレッサ30の消費電力の比率を基準として対比する。すると、片方のバンクのみへ空気の流量を増加して供給した場合のエアコンプレッサ30の消費電力は、両方のバンクに対して空気の流量を増やした場合のエアコンプレッサ30の消費電力よりも少なくて済むことが分かる。したがって、分割型の燃料電池の発電システム系に対して、従来の一本の空気流路しか持たない前記特許文献1に記載のものでは、両バンク増加の空気の流量に相当する電力量だけ、エアコンプレッサ30の消費電力が必要になる。これに比べると、発電性能が落ちた方に供給を多くして、落ちない方の供給量を減らすように、空気を分岐して供給する第1実施形態による場合は、発電システムとしての空気供給量は変わらないので、消費電力を変えることなく、電圧の復帰を達成することができる。また、第2実施形態の燃料電池の運転装置Sの構成では、エアコンプレッサ30を回転させるのに必要な消費電力量は従来のものと比べて半分程度、またはそれ以下で済むので、燃費もよくなるという利点がある。この場合、燃料ガス側も空気側と同様に、燃料ガスの流量を増加させるが、そのために消費電力を必要とするような機器は持たないので、電力の消費量が大きくなるということは起こらない。
なお、空気流路2Aに配設したエアコンプレッサ30により、電圧低下した方の燃料電池に対して空気を供給する際、制御信号が送られてから、コンプレッサ30の回転が上がるまでの間はタイムラグ(過渡応答遅れ)が起きてしまう。このエアコンプレッサ30のタイムラグを加味して、空気入口弁3Aにより発電性能が低下した方の燃料電池への空気供給量を増やすように構成すると、より早く発電性能の低下を復帰させてやることができる。この場合、電圧低下した片方の燃料電池の弁開度を開いて、他方を閉じるようにすれば、発電性能の復帰をより早くすることが可能である。つまり、流したい方にだけ素早く流して、発電性能の早期回復を図ることができる。したがって、前記したエアコンプレッサ30の過渡応答遅れの問題も解決できる。
次に、図8のフローチャートを参照して、第2実施形態の燃料電池の運転装置Sの制御作動について説明する。図8において、図中の記号FCa,FCbは、それぞれ燃料電池A、燃料電池Bを表しており、Va,Vbは、燃料電池Aの電圧、燃料電池Bの電圧を表している。また、FCは燃料電池をさしている。
図8を参照して、第2実施形態の制御フローについて説明する。第2実施形態の制御フローは、ステップ2までの第1実施形態の制御フローと同じなので、詳しい説明を省略する。ステップ3では、燃料電池A、燃料電池Bのうち、電圧が低下した方の燃料電池側のみ空気入口弁3Aおよび燃料ガス入口弁3Bの弁開度の比率を増大し、ステップ4へ進む。ステップ4では、空気入口弁3Aの弁開度を増大した分に相当する空気量を供給するようエアコンプレッサ30に対して制御指令を出し、エアコンプレッサ30の回転を上昇させて、ステップ5へ進む。ステップ5では、電圧が低下した方の燃料電池の入口圧力が、反対側の燃料電池の入口圧力とほぼ均等な一定圧となるように、各燃料電池の出口側の空気圧力調整弁12A,12Bおよび燃料ガス圧力調整弁13A,13Bの弁の開閉度を制御する。そして、電圧が低下した方の燃料電池側の圧力が、反対側の低下しない燃料電池側の圧力にほぼ等しくなると、電圧が復活して発電の安定性が回復したと判断されて、制御を終了し、再び制御ステップが繰り返される。
以上に説明したように、本発明の各実施形態では、燃料電池A、燃料電池Bの電圧をセルVモニタ10、セルVモニタ11により監視する。監視される電圧を、フラッティング等によって発電性能が低下したと判断される境界電圧として定めた所定値と比較する。そして、監視される電圧がこの所定値以下であるか否かを制御手段であるコントロールユニット14で比較判断することにより、発電性能の低下の有無を判断する。発電性能の低下が判断されると、低下した方の燃料電池に供給する反応ガスの流量または圧力を増加させて、フラッティング発生初期の段階で燃料電池の発電量の回復を図ることができる。これにより、燃料電池の燃費を向上させつつ、発電性能の安定化を図るようにした燃料電池の運転装置を提供することができる。
第1実施形態および第2実施形態では、2基で一対とした燃料電池A、燃料電池Bを並列に配置した分割型の燃料電池について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、3基以上で一対とした燃料電池を並列に配置してもよいことは理解されよう。また、複数対の分割型の燃料電池を、さらに並列配置した形態にも適用することが可能であり、本発明の技術思想の範囲内において各種の形態が適用可能である。
本発明の第1実施形態を示す分割型の燃料電池の運転装置の説明図である。 第1実施形態の各燃料電池の電圧変化のイメージを示す説明図である。 第1実施形態の各燃料電池の電圧復帰のイメージを示す説明図である。 各燃料電池の空気入口側と出口側の弁開度のイメージを示す説明図である。 本発明の第1実施形態を示す分割型の燃料電池の運転装置の説明図である。 空気の流量とエアコンプレッサの消費電力との関係を示す説明図である。 第1実施形態の制御フローチャートである。 第2実施形態の制御フローチャートである。
符号の説明
2,5,8,9 反応ガス流路
4,7 反応ガス分流路
3 入口弁(分流量調整手段)
3A 空気入口弁(分流量調整手段)
3B 燃料ガス入口弁(分流量調整手段)
10,11 セルVモニタ(監視手段)
12,13 圧力調整弁(圧力調整手段)
12A,12B 空気圧力調整弁(圧力調整手段)
13A,13B 燃料ガス圧力調整弁(圧力調整手段)
14 コントロールユニット(制御手段)
30 エアコンプレッサ
A,B 燃料電池
P 圧力センサ
S 燃料電池の運転装置

Claims (2)

  1. 同一仕様の燃料電池スタックを複数基備えて該複数基の燃料電池スタックを電気的に並列に接続して大きな電気出力を得るようにした燃料電池発電システムである分割型の燃料電池において、
    少なくとも2基で一対の単位として構成される一対の燃料電池スタックを備え、該一対の燃料電池スタックにおける個々の燃料電池スタックは、反応ガスの供給源からの供給量を一定に維持しつつ、前記一対の燃料電池スタックにおける個々の燃料電池スタックの同極同士の電極に反応ガスを分岐して流すようにして、個別に反応ガスの供給を受けて発電するように構成され、前記一対の燃料電池スタックを1つ以上の組合わせで並列に配置され、個別に反応ガスの供給を受けて発電する前記複数の燃料電池と、
    前記一対の各燃料電池の発電性能をそれぞれ監視する監視手段と、
    前記燃料電池の入口側に供給する1つの反応ガス流路から前記各燃料電池のそれぞれに前記反応ガスを分流する反応ガス分流路と、
    前記各反応ガス分流路を経て前記各燃料電池に流れる前記反応ガスの分流量をそれぞれ調整するための分岐部に設けた入口弁と、
    前記各燃料電池の出口側の反応ガス流路のそれぞれに設けた圧力調整弁と、
    前記各燃料電池のうちのいずれかの発電性能が落ちたときに、前記監視手段の信号により当該発電性能が落ちた燃料電池のみ前記反応ガス流量が増大するように前記分流量調整手段を制御する制御手段と、を備える燃料電池の運転装置であって、
    前記反応ガス流路は、酸化剤極に供給される空気を流す空気流路と、燃料極に供給される燃料ガスを流す燃料ガス流路とから形成され、
    前記各燃料電池の出口側のそれぞれの反応ガス流路は、空気を排出する空気流路と、燃料ガスを排出する燃料ガス流路とから形成され、
    前記入口弁は、前記燃料ガス流路に設けた燃料ガス入口弁と、前記空気流路に設けた空気入口弁とからなり、
    前記空気の供給源としてエアコンプレッサを配設すると共に、
    前記燃料ガス入口弁の上流側に前記燃料ガスの供給源からの供給量を調整する燃料ガス供給調節弁と、エゼクタとを順次配設し、
    前記各燃料電池の空気出口側に接続されるそれぞれの前記空気流路には、それぞれ空気圧力調整弁を配設し、
    前記各燃料電池の燃料ガス出口側に接続されるそれぞれの燃料ガス流路には、それぞれ燃料ガス圧力調整弁を配設し、
    前記各燃料ガス圧力調整弁を経て、燃料ガスを合流して流す排出側の燃料ガス流路に燃料ガス循環取入部を配設すると共に、前記燃料ガス循環取入部から取り入れた燃料ガスの一部または大部分を前記エゼクタの入口側へと還流させる燃料ガス循環路を配設し、
    前記制御手段は、前記発電性能が落ちた燃料電池内の圧力を高めるよう前記燃料ガス入口弁及び前記空気入口弁の弁開度を調整すると共に、空気供給側においては前記エアコンプレッサの回転及び前記各燃料電池出口側の前記空気圧力調整弁の弁開度を調整して発電安定性が低下してない燃料電池内の圧力とほぼ均等になるように制御するようにした
    ことを特徴とする燃料電池の運転装置。
  2. 前記制御手段により、前記複数の燃料電池のうち、分流量を増大させた燃料電池以外の燃料電池への前記反応ガスの分流量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の運転装置。
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