JP3601457B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の駆動源として用いられ、燃料ガスとして水素ガス、酸化剤ガスとして空気が供給されて発電をし、水素循環路にパージ動作を行うための放出弁を有する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとしては、例えば特開平7−272740号公報で開示されているように、発電源として、いわゆる燃料電池スタックを用いたものが知られている。燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなる。このような燃料電池スタックを用いた燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜が十分に湿った状態でないと良好な出力特性を発揮することができない。
【0003】
このため、特開平7−272740号公報で開示されている燃料電池システムでは、図11に示すように、水素ガス系L1、酸素系L2、温調水循環系L3、不活性ガス系L4、空気系L5、反応済ガス系L6を有し、燃料ガスを加湿した状態で燃料電池スタック101に酸素ボンベ102、水素吸蔵合金103から供給する構成とされている。また、この燃料電池システムは、燃料電池スタック101から排出される余剰燃料ガスを還流管104により循環して燃料電池スタック101に供給することによって、余剰燃料ガスを有効に利用できる構成とされている。
【0004】
また、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池システムでは、酸化剤極側に供給される酸化剤ガスと、燃料極側に供給される燃料ガスとの差圧が大きくなると、この固体高分子電解質膜に偏った力が加わってしまう。この結果、燃料電池スタックの寿命が低下したり、ガスのシール特性が劣化してガス漏れが生じたり、固体高分子電解質膜が劣化してしまうなどの問題が生じる。
【0005】
このため、特開平7−272740号公報で開示されている燃料電池システムでは、酸化剤ガスの供給路と燃料ガスの供給路とにそれぞれ調圧弁105,106を配設し、この調圧弁105,106によって酸化剤ガス及び燃料ガスの圧力が同等となるように制御していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタック101内の燃料極に加湿水が凝縮することがある。このように凝縮した液水は、通常、余剰燃料ガスと共に燃料電池スタック101から外部へ排出される。しかし、燃料ガスの循環量が十分に確保できない場合や、冷機状態などで運転する場合には燃料電池スタック101内に凝縮液水が蓄積されてしまう。この結果、いわゆる水詰まりが生じて、燃料電池スタック101の発電性能が低下してしまう虞が生じる。
【0007】
また、従来の燃料電池システムでは、酸化剤ガスとして空気を用いた場合に、空気中に含まれる窒素が固体高分子電解質膜を透過して燃料極側に拡散する。このように窒素が燃料極側に拡散すると、燃料極における燃料ガス分圧が低下して、発電性能が低下してしまうといった虞が生じる。
【0008】
そこで、従来の燃料電池システムでは、余剰燃料ガスを燃料電池スタック101に還流させる還流管104に放出弁107を配設し、この放出弁107によって余剰燃料ガスの一部を外部に放出する「パージ動作」を行う。これにより、燃料電池スタック101内を流れる燃料ガスの流量が増大するだけでなく、この燃料電池スタック101内に凝縮した液水を吹き飛ばすことが可能となる。また、パージ動作を行うことにより、水素吸蔵合金103から供給される燃料ガスの流量を一時的に増大させ、これによって還流路中の余剰燃料ガスや燃料電池スタック101内の窒素を外部に押し出して排出することが可能となる。これにより、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタック101内に凝縮液水が蓄積されることによる性能低下を回避する。
【0009】
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、パージ動作を行う際に開閉する放出弁107として開閉弁が用いられており、燃料電池スタック101に供給する燃料ガス圧力を調整する弁106としては開閉弁107よりも応答が遅い圧力調整弁が用いられている。このため、従来の燃料電池システムは、パージ動作に伴う燃料ガスの圧力変動が大きくなってしまうといった問題があった。具体的には、パージ動作を開始したとき燃料ガスの圧力が一時的に低下し、パージ動作を終了したときに燃料ガスの圧力が一時的に上昇してしまう。このため、燃料電池スタック101内で、燃料ガスと酸化剤ガスとの間に大きな差圧が発生し、燃料電池スタック101の電池寿命が低下する虞が生じるなどの問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、パージ動作を行う際に生じる燃料ガスの圧力変動を抑制することによって、燃料電池の劣化を回避すると共に、長寿命化を実現することが可能な燃料電池システムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る燃料電池システムは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開閉弁である第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させる。
【0012】
請求項2に係る燃料電池システムでは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、通常動作時には閉状態とされ開口面積の調整が可能に構成された第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御される。
【0013】
請求項3に係る燃料電池システムでは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第1弁又は上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記放出弁の開放と共に動作させる弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御される。
【0014】
請求項4に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放するのと略同時に上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくする。
【0015】
請求項5に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を開始するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくした後に、上記放出弁を開放する。
【0016】
請求項6に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を終了するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁を閉じた後に、上記放出弁を閉じることを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る燃料電池システムでは、上記燃料電池の負荷、燃料ガス消費量、又は上記燃料電池の電圧である運転状態を検出する状態検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記状態検出手段によって検出された運転状態に応じて、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を決定する。
【0018】
請求項8に係る燃料電池システムでは、上記燃料電池に供給される燃料ガス圧力を検出する圧力検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記圧力検出手段で検出された燃料ガス圧力が高いほど、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくする。
【0019】
請求項9に係る燃料電池システムでは、上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が低い場合に、全開時の開口面積が大きい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が小さい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が大きい方の弁の開口面積を大きくする。
【0020】
請求項10に係る燃料電池システムでは、上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が高い場合に、全開時の開口面積が小さい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が大きい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が小さい方の弁の開口面積を大きくする。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る燃料電池システムによれば、第1弁で燃料ガスの調圧をしているときにパージ動作を行うに際して、放出弁を開放すると共に第2弁の開度を大きくするので、パージ動作で放出弁から外部に放出されたことによる燃料ガス消費を第2弁の開度を大きくすることで補い、燃料ガスの調圧をしている第1弁に要求される開度変化量を小さくすることができる。したがって、この燃料電池システムによれば、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力変動を十分に抑えることができ、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0023】
請求項2に係る燃料電池システムによれば、第2弁を開度調整が可変なものを使用し、通常動作時には第1弁により燃料ガス圧力を調整し、パージ動作時には放出弁を開放すると共に第2弁の開度を大きくするので、放出弁が開くことによる燃料ガス放出量を第2弁から燃料電池に供給する燃料ガス量に近くすることができ、より精度よく燃料電池に供給する燃料ガスの圧力変動を押さえることができる。
【0024】
請求項3に係る燃料電池システムによれば、第1弁及び第2弁を燃料ガス圧力を制御する調圧弁としたので、請求項1と同様に、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0025】
請求項4に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を行うに際して放出弁を開放するのと略同時に第2弁を開制御するので、請求項1と同様に、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0026】
請求項5に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を開始するに際して、放出弁の開放と共に動作させる弁の開度を大きくした後に放出弁を開放するので、放出弁の応答性よりも放出弁の開放と共に動作させる弁の応答性が遅いことに対応することができ、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0027】
請求項6に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を終了するに際して、放出弁の開放と共に動作させる弁を閉じた後に放出弁を閉じるので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0028】
請求項7に係る燃料電池システムによれば、状態検出手段によって検出された運転状態に応じてパージ動作時に開度が大きくされる弁の開度を最適に決定するので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0029】
請求項8に係る燃料電池システムによれば、燃料ガス圧力が高いほどパージ動作時に放出弁から放出される燃料ガス量が多いことに対応して、パージ動作時に開度が大きくされる弁の開度を大きくするので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0030】
請求項9に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の負荷が低い場合に、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を開口面積が小さい方の弁によって高精度に調整することができると共に、パージ動作を行う際の圧力変動を開口面積が大きい方の弁によって抑制することができ、このときに開口面積が小さい方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0031】
請求項10に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の負荷が高い場合に、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を開口面積が大きい方の弁によって十分に調整することができると共に、パージ動作を行う際の圧力変動を開口面積が小さい方の弁によって抑制することができ、このときに開口面積が大きい方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
[燃料電池システムの構成]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。この燃料電池システムに備えられる燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなるスタック構造となっている。そして、燃料電池スタック1は、上記酸化剤極側に酸化剤ガスとしての空気が供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスとしての水素ガスが供給されて発電するものである。
【0035】
この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の負荷又は水素ガス消費量などの運転状態に応じて、各部の動作を制御する制御部(図1には図示せず。)が備えられている。制御部としては、例えば、各種半導体素子などによって構成されたコンピュータ等の情報処理装置が用いられており、この制御部によって各部が制御されることにより、燃料電池システム全体としての動作が制御される。
【0036】
また、この燃料電池システムは、水素ガスとなる水素を貯蔵している燃料貯蔵ボンベ2を備え、この燃料貯蔵ボンベ2に配設された一次調圧弁3によって所定の圧力に調圧された水素ガスが、水素ガス供給流路4を通して燃料電池スタック1の燃料極に供給される。
【0037】
なお、この燃料電池システムでは、水素を貯蔵する機構として、燃料貯蔵ボンベ2を備えるとしているが、例えば、液体水素貯蔵タンクや水素吸蔵合金などを用いてもよい。
【0038】
更に、一次調圧弁3の下流の水素ガス供給流路4には、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、この燃料電池スタック1に供給する水素ガスの圧力を調整するための二次調圧弁5が配設されている。二次調圧弁5は、その開閉状態に応じて水素ガスの圧力を制御することが可能な調圧弁によって構成されており、制御部によって開口面積が制御される。
【0039】
更にまた、水素ガス供給流路4には、二次調圧弁5をバイパスするバイパス流路6が設けられており、このバイパス流路6の途中に、開閉弁7が配設されている。開閉弁7は、水素ガスの流れを開閉する開閉弁によって構成されており、その開閉状態が制御部によって制御される。
【0040】
更にまた、この燃料電池システムは、外部から空気を吸気して圧縮し、燃料電池スタック1の酸化剤極に供給するコンプレッサ8を備えている。コンプレッサ8の吸気側には、空気流量を検出する流量センサ9が配設されている。そして、コンプレッサ8は、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、流量センサ9によって検出される空気流量が予め定められた所定の流量となるように、その回転数が制御部により制御される。また、コンプレッサ8によって吸気された空気は、空気供給流路10を通して燃料電池スタック1の酸化剤極に供給される。
【0041】
更にまた、燃料電池スタック1の水素ガス供給入口には水素ガス圧力を検出する水素圧力センサ11が配設されていると共に、燃料電池スタック1の空気供給入口には空気圧力を検出する空気圧力センサ12が配設されている。そして、水素圧力センサ11及び空気圧力センサ12は、検出した水素ガス圧力及び空気圧力を電気信号として制御部に出力する。
【0042】
さらに、燃料電池スタック1における酸化剤極からの排気側には、水分離器13が配設されている。この水分離器13は、燃料電池スタック1の酸化剤極からの排気に含まれる水蒸気と液水とのうち、液水を分離して純水タンク14に供給する。また、水分離器13によって液水が分離された後の排気は、調圧弁15を介して外部に排出される。調圧弁15は、制御部によって燃料電池スタック1の運転状態に応じて制御され、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力が予め定められた所定の圧力となるように調圧する。
【0043】
また、純水タンク14に蓄積された純水は、純水ポンプ16によって燃料電池スタック1に供給され、この燃料電池スタック1を冷却した後に、加湿器17に供給される。加湿器17は、水素ガス供給流路4及び空気供給流路10であって燃料電池スタック1の上流に配設されている。この加湿器17は、純水ポンプ16によって供給された純水を、半透膜を介して水素ガスと空気とにそれぞれ隣接させる構成となっている。これにより、加湿器17は、供給された水素ガス及び空気を加湿して、燃料電池スタック1に供給する。
【0044】
この加湿器17からは、水素ガス及び空気に浸透せずに残った余剰の純水が排出される。加湿器17から排出される純水は、燃料電池スタック1を冷却した際に加熱されているが、ラジエータ18によって所定の温度まで冷却された後に、純水タンク14に戻される。
【0045】
この燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜を備える燃料電池スタック1を用いているため、この固体高分子電解質膜が十分に湿った状態でないと良好な出力特性を発揮することができない。そこで、上述したように、燃料電池スタック1に供給する水素ガス及び空気を、加湿器17によって予め加湿する構成とすることによって、固体高分子電解質膜を十分に湿った状態に保って運転する。
【0046】
一方、燃料電池スタック1の燃料極からの排気には、この燃料電池スタック1によって消費されずに残った余剰水素ガス、及び水蒸気が含まれている。そこで、この燃料電池システムは、余剰水素ガスを有効に利用して発電効率を向上するために、燃料電池スタック1における燃料極からの排気を、再び水素ガス供給流路4に戻すための水素循還流路19が設けられている。これら水素循還流路19と水素ガス供給流路4との接続部には、エグゼクタポンプ20が配設されている。
【0047】
また、水素循還流路19の途中には、この水素循還流路19内を流れる余剰水素ガス及び水蒸気を外部に放出するためのパージ弁21が配設されている。パージ弁21は、その開閉状態を制御部によって制御される開閉弁により構成されている。
【0048】
[燃料電池システムにおけるパージ動作]
ところで、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1内の燃料極に凝縮した加湿水を除去したり、空気中に含まれる窒素が固体高分子電解質膜を透過して燃料極側に拡散して水素ガスの分圧が低下してしまうことを防止したりする目的で、パージ弁21によって水素循還流路19内の水素ガスや他種のガスを外部に放出する動作、すなわちパージ動作を行う。以下では、このパージ動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
すなわち、この燃料電池システムにおける制御部は、図2中に示すステップS1に示すように燃料電池スタック1の運転が開始され、燃料電池スタック1に要求される負荷に応じて水素ガスの調圧をする通常運転の状態となると、ステップS2においてパージ動作が必要か否かの判定を行う。この判定の結果、パージ動作が必要である場合には処理をステップS3に進め、パージ動作が必要でない場合には処理をステップS4に進める。
【0050】
なお、ステップS2においてパージ動作が必要か否かの判定を行うに際しては、例えば、所定の時間が経過する毎にパージ動作が必要であると判定すればよい。また、制御部は、燃料電池スタック1の各セルの電圧を検出する電圧センサを設け、各セルにおける電圧値の最小値が所定の値を下回ったときに、当該セルに水詰まりが生じたと判断してパージ動作が必要であると判定してもよい。或いは、制御部は、燃料電池スタック1の総電圧が、運転状態に応じて規定される所定の値を下回ったときに、燃料極への窒素拡散量が増大したと判断してパージ動作が必要であると判定してもよい。
【0051】
ステップS3において、制御部は、パージ弁21及び開閉弁7を制御して、図3に示すように、これらパージ弁21及び開閉弁7を所定の時間だけ開放することによってパージ動作を行う。このとき、制御部は、二次調圧弁5の開度を制御することによって燃料電池スタック1に供給する水素ガス圧力の調整を継続する。そして、制御部は、パージ動作を終了した後に、処理をステップS4に進める。
【0052】
なお、ステップS3においてパージ動作を行う時間は、例えば、予め規定した所定の時間とすればよい。また、制御部は、燃料電池スタック1の各セルの電圧を検出して水詰まりの発生に応じてパージ動作を行う場合に、電圧が低下したセルの電圧が所定の値に復帰するまでパージ動作を行うとしてもよい。或いは、制御部は、燃料電池スタック1の総電圧が低下したときにパージ動作を行う場合に、総電圧が所定の値に復帰するまでパージ動作を行うとしてもよい。
【0053】
ステップS4において、制御部は、燃料電池システムを構成する各部を制御しながら、この燃料電池システムの通常運転に戻る。そして、通常運転中に、ステップS2における判定を所定の時間間隔で繰り返す。
【0054】
すなわち、この燃料電池システムでは、二次調圧弁5によって燃料電池スタック1に供給する水素ガス圧力を調整しているときに、パージ動作を行ってパージ弁21を開放すると共に開閉弁7を開放する。これにより、燃料電池システムは、パージ動作時に生じる水素ガスの圧力変動を開閉弁7によって補うことができ、パージ動作中であっても、圧力変動に伴って二次調圧弁5に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0055】
したがって、燃料電池システムでは、パージ動作中であっても、二次調圧弁5に要求される開度変化を通常運転時と同等程度に抑えることができ、パージ動作時に燃料電池スタック1内の水素ガス圧が大きく変動することなく、燃料電池スタック1の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0056】
また、この燃料電池システムでは、開閉弁7の開口面積を、パージ弁21から排出される余剰水素ガスと略同量の水素ガスを燃料電池スタック1に供給することが可能なように、設定しておくことが望ましい。これにより、図3(c)に示すパージ弁21の開閉と、図3(b)に示す開閉弁7の開閉とを同期させることで、図3(a)に示すように二次調圧弁5の開度を略一定にすることができ、パージ動作時の制御部における制御を簡略化することができる。
【0057】
[燃料電池システムの他の構成、パージ動作]
また、上述の説明においては、バイパス流路6に開閉弁7が設けられている例について説明したが、この燃料電池システムにおいては、図4に示すように、バイパス流路6には、開度調整が可能な可変絞り弁31を設けても良い。この場合、制御部は、図5に示すように、水素圧力センサ11によって検出される水素ガス圧力に応じて、パージ動作時に開放する可変絞り弁31の開度を制御する。
【0058】
具体的には、燃料電池スタック1が低負荷で通常運転された状態で、この燃料電池スタック1に供給される水素ガス圧力が低い場合に、パージ動作を行う際に可変絞り弁31を小開度で開放し、燃料電池スタック1が高負荷で通常運転された状態で、燃料電池スタック1に供給される水素ガス圧力が高い場合に、パージ動作を行う際に可変絞り弁31を大開度で開放するように制御する。
【0059】
このように、制御部は、燃料電池スタック1内の水素ガス圧力に応じてパージ弁21から放出される余剰水素ガス量が変化することに対応することができる。すなわち、この燃料電池システムでは、上述の燃料電池システムと比較して、パージ動作時にパージ弁21から放出される余剰水素ガス量と近い水素ガス量を可変絞り弁31から燃料電池スタック1に供給することができ、パージ動作時に二次調圧弁5に要求される開度変化をさらに小さくすることができる。
【0060】
[燃料電池システムの更に他の構成、パージ動作]
この燃料電池システムでは、図6に示すように、水素ガス供給流路4に第1調圧弁41を配設すると共に、バイパス流路6に第2調圧弁42を配設した構成にしてもよい。
【0061】
この燃料電池システムを、例えば電気自動車に搭載して動力源として用いる場合などのように、燃料電池スタック1の負荷範囲が広範囲に及ぶ場合には、燃料電池スタック1に供給すべき水素ガス流量範囲も広範囲に及ぶものとなる。この場合には、燃料電池スタック1に供給する水素ガスを単独の調圧弁によってのみ調圧する構成とすると、この調圧弁に要求される開度の範囲も広くなり、高精度且つ迅速に調圧することが困難となってしまう。そこで、このような場合には、水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に設けられる弁を、共に第1調圧弁41、第2調圧弁42により構成する。
【0062】
このような燃料電池システムにおいて、図7に示すように、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以下である運転状態において、第2調圧弁42を閉じた状態として第1調圧弁41の開度を制御することにより燃料電池スタック1に供給する水素ガスの調圧を行う。そして、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以上である運転状態において、第1調圧弁41の開度を全開とした状態で、第2調圧弁42の開度を制御することにより燃料電池スタック1に供給する水素ガスの調圧を行う。このように、第1調圧弁41及び第2調圧弁42を、共に開度調整が可能とされた弁により構成することによって、広い範囲で水素ガスの圧力や流量を高精度に制御することが可能となる。
【0063】
このとき、例えば、第2調圧弁42として、第1調圧弁41の全開時の開口面積より開口面積が大きな弁を用いれば、燃料電池スタック1の負荷範囲が広範囲に及ぶ場合に対応することが可能なだけでなく、燃料電池スタック1が微小な負荷で運転される時と大きな負荷で運転される時とで、共に高精度且つ迅速に調圧を行うことが可能となる。また、このように第1調圧弁41と第2調圧弁42とで全開時の開口面積を異とすることによって、各弁における開度のダイナミックレンジ、すなわち各弁に要求される開度と全開時の開度との比を第1調圧弁41及び第2調圧弁42とで同等のオーダーとし、負荷に応じて供給する水素ガス圧力や流量に対して、各弁で同等の調圧精度を確保することが可能となる。
【0064】
また、この燃料電池システムにおいて、例えば燃料電池の負荷が所定値L1以下であるときにパージ動作を行うに際して、図8(c)に示すようにパージ弁21を開放すると同時に、図8(a)に示すように閉じていた第2調圧弁42を開放するとすればよい。これにより、図8(b)に示すように、パージ動作中であっても、燃料電池スタック1に供給する水素ガスの圧力や流量を調整している第1調圧弁41に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0065】
さらに、この燃料電池システムにおいて、例えば図9に示すように、パージ動作に伴って開閉制御する方の弁(この場合には第2調圧弁42)を、パージ弁21を開放するよりも早く開放し始め、パージ弁21を閉じるよりも早く閉じ始めるように制御することが望ましい。すなわち、図9(a)、(c)に示すように、時刻t2でパージ弁21を開放する前の時刻t0に第2調圧弁42を開放する。そして、パージ動作を終了するに際して、パージ弁21を閉じ始める時刻t4よりも前の時刻t3で第2調圧弁42の開度を徐々に減少し始める。
【0066】
水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に設ける弁を開度調整が可能な可変絞り弁や調圧弁によって構成した場合には、これらの弁が、開閉弁であるパージ弁21よりも応答が遅くなってしまうことが考えられる。
【0067】
このようなパージ動作を行う燃料電池システムでは、水素ガス供給流路4又はバイパス流路6に設けられている弁の応答が、パージ弁21よりも遅いことに対応し、図9(b)に示す第1調圧弁41の開度変化を更に少なくすることができ、パージ動作時における水素ガス圧力をより安定させることが可能となる。
【0068】
なお、このように、パージ動作に伴って開閉制御する弁をパージ弁21の開閉制御に先立って開閉制御することによる効果は、図1、図4及び図6を参照して説明したすべての燃料電池システムに有効である。
【0069】
また、図6に示す燃料電池システムにおいて、第1調圧弁41よりも全開時の開度が大きな第2調圧弁42を用いる場合には、図10(c)に示す燃料電池スタック1の負荷に対応して第1調圧弁41及び第2調圧弁42を制御することが望ましい。すなわち、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以下である場合には、図10(a)に示すように第2調圧弁42を閉じた状態で、図10(b)に示すように第1調圧弁41によって水素ガスの調圧を行う。一方、燃料電池スタック1の負荷がL1よりも高い値L2以上である場合には、図10(a)に示すように第1調圧弁41を閉じた状態で、図10(b)に示すように第2調圧弁42によって水素ガスの調圧を行う。
【0070】
これにより、負荷がL1以下の時と、負荷がL2以上の時とで、第1調圧弁41、第2調圧弁42のうちの一方を閉じた状態として他方で水素ガスの調圧を行う。そして、パージ動作時には、パージ弁21を開放するに伴って、第1調圧弁41又は第2調圧弁42のうちで閉じている方の弁を開放させることにより、広い範囲で水素ガスの調圧をすることができると共に、水素ガスの調圧を行っている方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0071】
以上説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1に水素ガスを供給する水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に2つの弁を並列に配設し、それぞれ開閉特性が異なる弁を用いることにより、燃料電池スタック1の負荷に応じて、供給する水素ガスの圧力を高精度に調整することができるばかりでなく、パージ動作を行う際に燃料電池スタック1中の水素ガスの圧力変動を抑制して、燃料電池スタック1の劣化促進を防止し、長寿命化を達成することができる。
【0072】
なお、上記実施例では、複数(2種)の調圧弁の組み合わせの例を述べているが、1つの調圧弁で弁開度や圧力の制御精度の要求を満足する場合においては、無論、単一の調圧弁の場合でも前述と同様の効果が得られる部分が存在することは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの一例を示す構成図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時における動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時におけるパージ弁と開閉弁との開度を調整する他の処理を示す図である。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムの他の例を示す構成図である。
【図5】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時における可変絞り弁の開度変化を示す模式図である。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムの更に他の例を示す構成図である。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムにより、第1調圧弁及び第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図8】本発明を適用した燃料電池システムにより、パージ動作時における第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図9】本発明を適用した燃料電池システムにより、パージ動作時における第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図10】本発明を適用した燃料電池システムにより、燃料電池スタックの負荷に応じて第1調圧弁、第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図11】従来の燃料電池システムを説明するための構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料貯蔵ボンベ
4 水素ガス供給流路
5 二次調圧弁
6 バイパス流路
7 開閉弁
10 空気供給流路
11 水素圧力センサ
12 空気圧力センサ
15 調圧弁
19 水素循還流路
21 パージ弁
31 可変絞り弁
41 第1調圧弁
42 第2調圧弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の駆動源として用いられ、燃料ガスとして水素ガス、酸化剤ガスとして空気が供給されて発電をし、水素循環路にパージ動作を行うための放出弁を有する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとしては、例えば特開平7−272740号公報で開示されているように、発電源として、いわゆる燃料電池スタックを用いたものが知られている。燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなる。このような燃料電池スタックを用いた燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜が十分に湿った状態でないと良好な出力特性を発揮することができない。
【0003】
このため、特開平7−272740号公報で開示されている燃料電池システムでは、図11に示すように、水素ガス系L1、酸素系L2、温調水循環系L3、不活性ガス系L4、空気系L5、反応済ガス系L6を有し、燃料ガスを加湿した状態で燃料電池スタック101に酸素ボンベ102、水素吸蔵合金103から供給する構成とされている。また、この燃料電池システムは、燃料電池スタック101から排出される余剰燃料ガスを還流管104により循環して燃料電池スタック101に供給することによって、余剰燃料ガスを有効に利用できる構成とされている。
【0004】
また、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池システムでは、酸化剤極側に供給される酸化剤ガスと、燃料極側に供給される燃料ガスとの差圧が大きくなると、この固体高分子電解質膜に偏った力が加わってしまう。この結果、燃料電池スタックの寿命が低下したり、ガスのシール特性が劣化してガス漏れが生じたり、固体高分子電解質膜が劣化してしまうなどの問題が生じる。
【0005】
このため、特開平7−272740号公報で開示されている燃料電池システムでは、酸化剤ガスの供給路と燃料ガスの供給路とにそれぞれ調圧弁105,106を配設し、この調圧弁105,106によって酸化剤ガス及び燃料ガスの圧力が同等となるように制御していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタック101内の燃料極に加湿水が凝縮することがある。このように凝縮した液水は、通常、余剰燃料ガスと共に燃料電池スタック101から外部へ排出される。しかし、燃料ガスの循環量が十分に確保できない場合や、冷機状態などで運転する場合には燃料電池スタック101内に凝縮液水が蓄積されてしまう。この結果、いわゆる水詰まりが生じて、燃料電池スタック101の発電性能が低下してしまう虞が生じる。
【0007】
また、従来の燃料電池システムでは、酸化剤ガスとして空気を用いた場合に、空気中に含まれる窒素が固体高分子電解質膜を透過して燃料極側に拡散する。このように窒素が燃料極側に拡散すると、燃料極における燃料ガス分圧が低下して、発電性能が低下してしまうといった虞が生じる。
【0008】
そこで、従来の燃料電池システムでは、余剰燃料ガスを燃料電池スタック101に還流させる還流管104に放出弁107を配設し、この放出弁107によって余剰燃料ガスの一部を外部に放出する「パージ動作」を行う。これにより、燃料電池スタック101内を流れる燃料ガスの流量が増大するだけでなく、この燃料電池スタック101内に凝縮した液水を吹き飛ばすことが可能となる。また、パージ動作を行うことにより、水素吸蔵合金103から供給される燃料ガスの流量を一時的に増大させ、これによって還流路中の余剰燃料ガスや燃料電池スタック101内の窒素を外部に押し出して排出することが可能となる。これにより、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタック101内に凝縮液水が蓄積されることによる性能低下を回避する。
【0009】
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、パージ動作を行う際に開閉する放出弁107として開閉弁が用いられており、燃料電池スタック101に供給する燃料ガス圧力を調整する弁106としては開閉弁107よりも応答が遅い圧力調整弁が用いられている。このため、従来の燃料電池システムは、パージ動作に伴う燃料ガスの圧力変動が大きくなってしまうといった問題があった。具体的には、パージ動作を開始したとき燃料ガスの圧力が一時的に低下し、パージ動作を終了したときに燃料ガスの圧力が一時的に上昇してしまう。このため、燃料電池スタック101内で、燃料ガスと酸化剤ガスとの間に大きな差圧が発生し、燃料電池スタック101の電池寿命が低下する虞が生じるなどの問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、パージ動作を行う際に生じる燃料ガスの圧力変動を抑制することによって、燃料電池の劣化を回避すると共に、長寿命化を実現することが可能な燃料電池システムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る燃料電池システムは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開閉弁である第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させる。
【0012】
請求項2に係る燃料電池システムでは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、通常動作時には閉状態とされ開口面積の調整が可能に構成された第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御される。
【0013】
請求項3に係る燃料電池システムでは、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第2弁と、上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第1弁又は上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、上記放出弁の開放と共に動作させる弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御される。
【0014】
請求項4に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放するのと略同時に上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくする。
【0015】
請求項5に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を開始するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくした後に、上記放出弁を開放する。
【0016】
請求項6に係る燃料電池システムでは、上記制御手段は、パージ動作を終了するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁を閉じた後に、上記放出弁を閉じることを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る燃料電池システムでは、上記燃料電池の負荷、燃料ガス消費量、又は上記燃料電池の電圧である運転状態を検出する状態検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記状態検出手段によって検出された運転状態に応じて、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を決定する。
【0018】
請求項8に係る燃料電池システムでは、上記燃料電池に供給される燃料ガス圧力を検出する圧力検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記圧力検出手段で検出された燃料ガス圧力が高いほど、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくする。
【0019】
請求項9に係る燃料電池システムでは、上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が低い場合に、全開時の開口面積が大きい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が小さい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が大きい方の弁の開口面積を大きくする。
【0020】
請求項10に係る燃料電池システムでは、上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が高い場合に、全開時の開口面積が小さい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が大きい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が小さい方の弁の開口面積を大きくする。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る燃料電池システムによれば、第1弁で燃料ガスの調圧をしているときにパージ動作を行うに際して、放出弁を開放すると共に第2弁の開度を大きくするので、パージ動作で放出弁から外部に放出されたことによる燃料ガス消費を第2弁の開度を大きくすることで補い、燃料ガスの調圧をしている第1弁に要求される開度変化量を小さくすることができる。したがって、この燃料電池システムによれば、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力変動を十分に抑えることができ、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0023】
請求項2に係る燃料電池システムによれば、第2弁を開度調整が可変なものを使用し、通常動作時には第1弁により燃料ガス圧力を調整し、パージ動作時には放出弁を開放すると共に第2弁の開度を大きくするので、放出弁が開くことによる燃料ガス放出量を第2弁から燃料電池に供給する燃料ガス量に近くすることができ、より精度よく燃料電池に供給する燃料ガスの圧力変動を押さえることができる。
【0024】
請求項3に係る燃料電池システムによれば、第1弁及び第2弁を燃料ガス圧力を制御する調圧弁としたので、請求項1と同様に、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0025】
請求項4に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を行うに際して放出弁を開放するのと略同時に第2弁を開制御するので、請求項1と同様に、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0026】
請求項5に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を開始するに際して、放出弁の開放と共に動作させる弁の開度を大きくした後に放出弁を開放するので、放出弁の応答性よりも放出弁の開放と共に動作させる弁の応答性が遅いことに対応することができ、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0027】
請求項6に係る燃料電池システムによれば、パージ動作を終了するに際して、放出弁の開放と共に動作させる弁を閉じた後に放出弁を閉じるので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0028】
請求項7に係る燃料電池システムによれば、状態検出手段によって検出された運転状態に応じてパージ動作時に開度が大きくされる弁の開度を最適に決定するので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0029】
請求項8に係る燃料電池システムによれば、燃料ガス圧力が高いほどパージ動作時に放出弁から放出される燃料ガス量が多いことに対応して、パージ動作時に開度が大きくされる弁の開度を大きくするので、燃料電池中の燃料ガス圧力の変動を更に抑制し、燃料電池の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0030】
請求項9に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の負荷が低い場合に、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を開口面積が小さい方の弁によって高精度に調整することができると共に、パージ動作を行う際の圧力変動を開口面積が大きい方の弁によって抑制することができ、このときに開口面積が小さい方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0031】
請求項10に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の負荷が高い場合に、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を開口面積が大きい方の弁によって十分に調整することができると共に、パージ動作を行う際の圧力変動を開口面積が小さい方の弁によって抑制することができ、このときに開口面積が大きい方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
[燃料電池システムの構成]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。この燃料電池システムに備えられる燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなるスタック構造となっている。そして、燃料電池スタック1は、上記酸化剤極側に酸化剤ガスとしての空気が供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスとしての水素ガスが供給されて発電するものである。
【0035】
この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の負荷又は水素ガス消費量などの運転状態に応じて、各部の動作を制御する制御部(図1には図示せず。)が備えられている。制御部としては、例えば、各種半導体素子などによって構成されたコンピュータ等の情報処理装置が用いられており、この制御部によって各部が制御されることにより、燃料電池システム全体としての動作が制御される。
【0036】
また、この燃料電池システムは、水素ガスとなる水素を貯蔵している燃料貯蔵ボンベ2を備え、この燃料貯蔵ボンベ2に配設された一次調圧弁3によって所定の圧力に調圧された水素ガスが、水素ガス供給流路4を通して燃料電池スタック1の燃料極に供給される。
【0037】
なお、この燃料電池システムでは、水素を貯蔵する機構として、燃料貯蔵ボンベ2を備えるとしているが、例えば、液体水素貯蔵タンクや水素吸蔵合金などを用いてもよい。
【0038】
更に、一次調圧弁3の下流の水素ガス供給流路4には、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、この燃料電池スタック1に供給する水素ガスの圧力を調整するための二次調圧弁5が配設されている。二次調圧弁5は、その開閉状態に応じて水素ガスの圧力を制御することが可能な調圧弁によって構成されており、制御部によって開口面積が制御される。
【0039】
更にまた、水素ガス供給流路4には、二次調圧弁5をバイパスするバイパス流路6が設けられており、このバイパス流路6の途中に、開閉弁7が配設されている。開閉弁7は、水素ガスの流れを開閉する開閉弁によって構成されており、その開閉状態が制御部によって制御される。
【0040】
更にまた、この燃料電池システムは、外部から空気を吸気して圧縮し、燃料電池スタック1の酸化剤極に供給するコンプレッサ8を備えている。コンプレッサ8の吸気側には、空気流量を検出する流量センサ9が配設されている。そして、コンプレッサ8は、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、流量センサ9によって検出される空気流量が予め定められた所定の流量となるように、その回転数が制御部により制御される。また、コンプレッサ8によって吸気された空気は、空気供給流路10を通して燃料電池スタック1の酸化剤極に供給される。
【0041】
更にまた、燃料電池スタック1の水素ガス供給入口には水素ガス圧力を検出する水素圧力センサ11が配設されていると共に、燃料電池スタック1の空気供給入口には空気圧力を検出する空気圧力センサ12が配設されている。そして、水素圧力センサ11及び空気圧力センサ12は、検出した水素ガス圧力及び空気圧力を電気信号として制御部に出力する。
【0042】
さらに、燃料電池スタック1における酸化剤極からの排気側には、水分離器13が配設されている。この水分離器13は、燃料電池スタック1の酸化剤極からの排気に含まれる水蒸気と液水とのうち、液水を分離して純水タンク14に供給する。また、水分離器13によって液水が分離された後の排気は、調圧弁15を介して外部に排出される。調圧弁15は、制御部によって燃料電池スタック1の運転状態に応じて制御され、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力が予め定められた所定の圧力となるように調圧する。
【0043】
また、純水タンク14に蓄積された純水は、純水ポンプ16によって燃料電池スタック1に供給され、この燃料電池スタック1を冷却した後に、加湿器17に供給される。加湿器17は、水素ガス供給流路4及び空気供給流路10であって燃料電池スタック1の上流に配設されている。この加湿器17は、純水ポンプ16によって供給された純水を、半透膜を介して水素ガスと空気とにそれぞれ隣接させる構成となっている。これにより、加湿器17は、供給された水素ガス及び空気を加湿して、燃料電池スタック1に供給する。
【0044】
この加湿器17からは、水素ガス及び空気に浸透せずに残った余剰の純水が排出される。加湿器17から排出される純水は、燃料電池スタック1を冷却した際に加熱されているが、ラジエータ18によって所定の温度まで冷却された後に、純水タンク14に戻される。
【0045】
この燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜を備える燃料電池スタック1を用いているため、この固体高分子電解質膜が十分に湿った状態でないと良好な出力特性を発揮することができない。そこで、上述したように、燃料電池スタック1に供給する水素ガス及び空気を、加湿器17によって予め加湿する構成とすることによって、固体高分子電解質膜を十分に湿った状態に保って運転する。
【0046】
一方、燃料電池スタック1の燃料極からの排気には、この燃料電池スタック1によって消費されずに残った余剰水素ガス、及び水蒸気が含まれている。そこで、この燃料電池システムは、余剰水素ガスを有効に利用して発電効率を向上するために、燃料電池スタック1における燃料極からの排気を、再び水素ガス供給流路4に戻すための水素循還流路19が設けられている。これら水素循還流路19と水素ガス供給流路4との接続部には、エグゼクタポンプ20が配設されている。
【0047】
また、水素循還流路19の途中には、この水素循還流路19内を流れる余剰水素ガス及び水蒸気を外部に放出するためのパージ弁21が配設されている。パージ弁21は、その開閉状態を制御部によって制御される開閉弁により構成されている。
【0048】
[燃料電池システムにおけるパージ動作]
ところで、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1内の燃料極に凝縮した加湿水を除去したり、空気中に含まれる窒素が固体高分子電解質膜を透過して燃料極側に拡散して水素ガスの分圧が低下してしまうことを防止したりする目的で、パージ弁21によって水素循還流路19内の水素ガスや他種のガスを外部に放出する動作、すなわちパージ動作を行う。以下では、このパージ動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
すなわち、この燃料電池システムにおける制御部は、図2中に示すステップS1に示すように燃料電池スタック1の運転が開始され、燃料電池スタック1に要求される負荷に応じて水素ガスの調圧をする通常運転の状態となると、ステップS2においてパージ動作が必要か否かの判定を行う。この判定の結果、パージ動作が必要である場合には処理をステップS3に進め、パージ動作が必要でない場合には処理をステップS4に進める。
【0050】
なお、ステップS2においてパージ動作が必要か否かの判定を行うに際しては、例えば、所定の時間が経過する毎にパージ動作が必要であると判定すればよい。また、制御部は、燃料電池スタック1の各セルの電圧を検出する電圧センサを設け、各セルにおける電圧値の最小値が所定の値を下回ったときに、当該セルに水詰まりが生じたと判断してパージ動作が必要であると判定してもよい。或いは、制御部は、燃料電池スタック1の総電圧が、運転状態に応じて規定される所定の値を下回ったときに、燃料極への窒素拡散量が増大したと判断してパージ動作が必要であると判定してもよい。
【0051】
ステップS3において、制御部は、パージ弁21及び開閉弁7を制御して、図3に示すように、これらパージ弁21及び開閉弁7を所定の時間だけ開放することによってパージ動作を行う。このとき、制御部は、二次調圧弁5の開度を制御することによって燃料電池スタック1に供給する水素ガス圧力の調整を継続する。そして、制御部は、パージ動作を終了した後に、処理をステップS4に進める。
【0052】
なお、ステップS3においてパージ動作を行う時間は、例えば、予め規定した所定の時間とすればよい。また、制御部は、燃料電池スタック1の各セルの電圧を検出して水詰まりの発生に応じてパージ動作を行う場合に、電圧が低下したセルの電圧が所定の値に復帰するまでパージ動作を行うとしてもよい。或いは、制御部は、燃料電池スタック1の総電圧が低下したときにパージ動作を行う場合に、総電圧が所定の値に復帰するまでパージ動作を行うとしてもよい。
【0053】
ステップS4において、制御部は、燃料電池システムを構成する各部を制御しながら、この燃料電池システムの通常運転に戻る。そして、通常運転中に、ステップS2における判定を所定の時間間隔で繰り返す。
【0054】
すなわち、この燃料電池システムでは、二次調圧弁5によって燃料電池スタック1に供給する水素ガス圧力を調整しているときに、パージ動作を行ってパージ弁21を開放すると共に開閉弁7を開放する。これにより、燃料電池システムは、パージ動作時に生じる水素ガスの圧力変動を開閉弁7によって補うことができ、パージ動作中であっても、圧力変動に伴って二次調圧弁5に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0055】
したがって、燃料電池システムでは、パージ動作中であっても、二次調圧弁5に要求される開度変化を通常運転時と同等程度に抑えることができ、パージ動作時に燃料電池スタック1内の水素ガス圧が大きく変動することなく、燃料電池スタック1の劣化促進を防止し寿命を長くすることができる。
【0056】
また、この燃料電池システムでは、開閉弁7の開口面積を、パージ弁21から排出される余剰水素ガスと略同量の水素ガスを燃料電池スタック1に供給することが可能なように、設定しておくことが望ましい。これにより、図3(c)に示すパージ弁21の開閉と、図3(b)に示す開閉弁7の開閉とを同期させることで、図3(a)に示すように二次調圧弁5の開度を略一定にすることができ、パージ動作時の制御部における制御を簡略化することができる。
【0057】
[燃料電池システムの他の構成、パージ動作]
また、上述の説明においては、バイパス流路6に開閉弁7が設けられている例について説明したが、この燃料電池システムにおいては、図4に示すように、バイパス流路6には、開度調整が可能な可変絞り弁31を設けても良い。この場合、制御部は、図5に示すように、水素圧力センサ11によって検出される水素ガス圧力に応じて、パージ動作時に開放する可変絞り弁31の開度を制御する。
【0058】
具体的には、燃料電池スタック1が低負荷で通常運転された状態で、この燃料電池スタック1に供給される水素ガス圧力が低い場合に、パージ動作を行う際に可変絞り弁31を小開度で開放し、燃料電池スタック1が高負荷で通常運転された状態で、燃料電池スタック1に供給される水素ガス圧力が高い場合に、パージ動作を行う際に可変絞り弁31を大開度で開放するように制御する。
【0059】
このように、制御部は、燃料電池スタック1内の水素ガス圧力に応じてパージ弁21から放出される余剰水素ガス量が変化することに対応することができる。すなわち、この燃料電池システムでは、上述の燃料電池システムと比較して、パージ動作時にパージ弁21から放出される余剰水素ガス量と近い水素ガス量を可変絞り弁31から燃料電池スタック1に供給することができ、パージ動作時に二次調圧弁5に要求される開度変化をさらに小さくすることができる。
【0060】
[燃料電池システムの更に他の構成、パージ動作]
この燃料電池システムでは、図6に示すように、水素ガス供給流路4に第1調圧弁41を配設すると共に、バイパス流路6に第2調圧弁42を配設した構成にしてもよい。
【0061】
この燃料電池システムを、例えば電気自動車に搭載して動力源として用いる場合などのように、燃料電池スタック1の負荷範囲が広範囲に及ぶ場合には、燃料電池スタック1に供給すべき水素ガス流量範囲も広範囲に及ぶものとなる。この場合には、燃料電池スタック1に供給する水素ガスを単独の調圧弁によってのみ調圧する構成とすると、この調圧弁に要求される開度の範囲も広くなり、高精度且つ迅速に調圧することが困難となってしまう。そこで、このような場合には、水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に設けられる弁を、共に第1調圧弁41、第2調圧弁42により構成する。
【0062】
このような燃料電池システムにおいて、図7に示すように、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以下である運転状態において、第2調圧弁42を閉じた状態として第1調圧弁41の開度を制御することにより燃料電池スタック1に供給する水素ガスの調圧を行う。そして、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以上である運転状態において、第1調圧弁41の開度を全開とした状態で、第2調圧弁42の開度を制御することにより燃料電池スタック1に供給する水素ガスの調圧を行う。このように、第1調圧弁41及び第2調圧弁42を、共に開度調整が可能とされた弁により構成することによって、広い範囲で水素ガスの圧力や流量を高精度に制御することが可能となる。
【0063】
このとき、例えば、第2調圧弁42として、第1調圧弁41の全開時の開口面積より開口面積が大きな弁を用いれば、燃料電池スタック1の負荷範囲が広範囲に及ぶ場合に対応することが可能なだけでなく、燃料電池スタック1が微小な負荷で運転される時と大きな負荷で運転される時とで、共に高精度且つ迅速に調圧を行うことが可能となる。また、このように第1調圧弁41と第2調圧弁42とで全開時の開口面積を異とすることによって、各弁における開度のダイナミックレンジ、すなわち各弁に要求される開度と全開時の開度との比を第1調圧弁41及び第2調圧弁42とで同等のオーダーとし、負荷に応じて供給する水素ガス圧力や流量に対して、各弁で同等の調圧精度を確保することが可能となる。
【0064】
また、この燃料電池システムにおいて、例えば燃料電池の負荷が所定値L1以下であるときにパージ動作を行うに際して、図8(c)に示すようにパージ弁21を開放すると同時に、図8(a)に示すように閉じていた第2調圧弁42を開放するとすればよい。これにより、図8(b)に示すように、パージ動作中であっても、燃料電池スタック1に供給する水素ガスの圧力や流量を調整している第1調圧弁41に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0065】
さらに、この燃料電池システムにおいて、例えば図9に示すように、パージ動作に伴って開閉制御する方の弁(この場合には第2調圧弁42)を、パージ弁21を開放するよりも早く開放し始め、パージ弁21を閉じるよりも早く閉じ始めるように制御することが望ましい。すなわち、図9(a)、(c)に示すように、時刻t2でパージ弁21を開放する前の時刻t0に第2調圧弁42を開放する。そして、パージ動作を終了するに際して、パージ弁21を閉じ始める時刻t4よりも前の時刻t3で第2調圧弁42の開度を徐々に減少し始める。
【0066】
水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に設ける弁を開度調整が可能な可変絞り弁や調圧弁によって構成した場合には、これらの弁が、開閉弁であるパージ弁21よりも応答が遅くなってしまうことが考えられる。
【0067】
このようなパージ動作を行う燃料電池システムでは、水素ガス供給流路4又はバイパス流路6に設けられている弁の応答が、パージ弁21よりも遅いことに対応し、図9(b)に示す第1調圧弁41の開度変化を更に少なくすることができ、パージ動作時における水素ガス圧力をより安定させることが可能となる。
【0068】
なお、このように、パージ動作に伴って開閉制御する弁をパージ弁21の開閉制御に先立って開閉制御することによる効果は、図1、図4及び図6を参照して説明したすべての燃料電池システムに有効である。
【0069】
また、図6に示す燃料電池システムにおいて、第1調圧弁41よりも全開時の開度が大きな第2調圧弁42を用いる場合には、図10(c)に示す燃料電池スタック1の負荷に対応して第1調圧弁41及び第2調圧弁42を制御することが望ましい。すなわち、燃料電池スタック1の負荷が所定値L1以下である場合には、図10(a)に示すように第2調圧弁42を閉じた状態で、図10(b)に示すように第1調圧弁41によって水素ガスの調圧を行う。一方、燃料電池スタック1の負荷がL1よりも高い値L2以上である場合には、図10(a)に示すように第1調圧弁41を閉じた状態で、図10(b)に示すように第2調圧弁42によって水素ガスの調圧を行う。
【0070】
これにより、負荷がL1以下の時と、負荷がL2以上の時とで、第1調圧弁41、第2調圧弁42のうちの一方を閉じた状態として他方で水素ガスの調圧を行う。そして、パージ動作時には、パージ弁21を開放するに伴って、第1調圧弁41又は第2調圧弁42のうちで閉じている方の弁を開放させることにより、広い範囲で水素ガスの調圧をすることができると共に、水素ガスの調圧を行っている方の弁に要求される開度変化を小さくすることができる。
【0071】
以上説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1に水素ガスを供給する水素ガス供給流路4及びバイパス流路6に2つの弁を並列に配設し、それぞれ開閉特性が異なる弁を用いることにより、燃料電池スタック1の負荷に応じて、供給する水素ガスの圧力を高精度に調整することができるばかりでなく、パージ動作を行う際に燃料電池スタック1中の水素ガスの圧力変動を抑制して、燃料電池スタック1の劣化促進を防止し、長寿命化を達成することができる。
【0072】
なお、上記実施例では、複数(2種)の調圧弁の組み合わせの例を述べているが、1つの調圧弁で弁開度や圧力の制御精度の要求を満足する場合においては、無論、単一の調圧弁の場合でも前述と同様の効果が得られる部分が存在することは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの一例を示す構成図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時における動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時におけるパージ弁と開閉弁との開度を調整する他の処理を示す図である。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムの他の例を示す構成図である。
【図5】本発明を適用した燃料電池システムのパージ動作時における可変絞り弁の開度変化を示す模式図である。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムの更に他の例を示す構成図である。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムにより、第1調圧弁及び第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図8】本発明を適用した燃料電池システムにより、パージ動作時における第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図9】本発明を適用した燃料電池システムにより、パージ動作時における第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図10】本発明を適用した燃料電池システムにより、燃料電池スタックの負荷に応じて第1調圧弁、第2調圧弁の開度を調整する他の処理を示す図である。
【図11】従来の燃料電池システムを説明するための構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料貯蔵ボンベ
4 水素ガス供給流路
5 二次調圧弁
6 バイパス流路
7 開閉弁
10 空気供給流路
11 水素圧力センサ
12 空気圧力センサ
15 調圧弁
19 水素循還流路
21 パージ弁
31 可変絞り弁
41 第1調圧弁
42 第2調圧弁
Claims (10)
- 電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、
上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、
上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、
上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、
上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、
上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開閉弁である第2弁と、
上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、
上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、
パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁を開制御する制御手段とを備え、
上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させることを特徴とする燃料電池システム。 - 電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、
上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、
上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、
上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、
上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、
上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、通常動作時には閉状態とされ開口面積の調整が可能に構成された第2弁と、
上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、
上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、
パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、
上記第2弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御されることを特徴とする燃料電池システム。 - 電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、
上記燃料電池の燃料極に供給する燃料ガスを蓄積する燃料蓄積手段と、
上記燃料蓄積手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第1燃料供給路と、
上記第1燃料供給路に設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第1弁と、
上記第1燃料供給路と並列し、上記燃料供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを供給する第2燃料供給路と、
上記第2燃料供給路に設けられて上記第1弁と並列して設けられ、開口面積が調整されて前記燃料電池内のガス圧力を調整する調圧弁である第2弁と、
上記燃料電池から排出される余剰燃料ガスを上記燃料電池に還流する燃料循環路と、
上記燃料循環路内の気体の一部を外部に放出する開閉弁である放出弁と、
パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放すると共に、上記第1弁又は上記第2弁の開口面積を大きくする制御手段とを備え、
上記放出弁の開放と共に動作させる弁は、上記放出弁から外部に放出される気体の量と同等量の水素ガスを上記燃料電池に供給させるように開口面積が制御手段で制御されることを特徴とする燃料電池システム。 - 上記制御手段は、パージ動作を行うに際して、上記放出弁を開放するのと略同時に上記第2弁を開制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 上記制御手段は、パージ動作を開始するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくした後に、上記放出弁を開放することを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池システム。
- 上記制御手段は、パージ動作を終了するに際して、上記放出弁の開放と共に動作させる弁を閉じた後に、上記放出弁を閉じることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
- 上記燃料電池の負荷、燃料ガス消費量、又は上記燃料電池の電圧である運転状態を検出する状態検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記状態検出手段によって検出された運転状態に応じて、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池に供給される燃料ガス圧力を検出する圧力検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記圧力検出手段で検出された燃料ガス圧力が高いほど、上記放出弁の開放と共に動作させる弁の開口面積を大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池システム。 - 上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、
上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が低い場合に、全開時の開口面積が大きい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が小さい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が大きい方の弁の開口面積を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。 - 上記第1弁と上記第2弁とは、全開時の開口面積を異とされ、
上記制御手段は、上記燃料電池の負荷が高い場合に、全開時の開口面積が小さい方の弁を閉じて、全開時の開口面積が大きい方の弁によって上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を調整すると共に、パージ動作時には、全開時の開口面積が小さい方の弁の開口面積を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
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