JP2003208911A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
る際、燃費を悪化させることなく、空気流量・圧力の制
御精度を向上する。 【解決手段】 空気供給手段102と、水素供給手段1
07と、空気と水素により発電する発電手段104と、
空気供給手段102の作動状態を変更して空気流量を制
御する第一空気流量制御手段101と、空気供給手段1
02と発電手段104との間の流路の開度を変えて流量
を制御する第二空気流量制御手段103と、発電手段1
04の空気排出流路と空気供給手段102とを直接結ぶ
バイパス流路と、バイパス流路の空気流量を制御する第
三空気流量制御手段105とを備える。発電手段104
へ微量の空気を供給する場合、第一空気流量制御手段1
01が空気供給手段102の空気流量を最小値に設定
し、第三空気流量制御手段105を所定開度に設定し、
第二空気流量制御手段103の開度を変えて流量制御す
る。
Description
と空気中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電
池システムに関し、特にアイドル運転に必要とされる微
小な空気流量を燃料電池スタックへ供給する際の燃料電
池システムの制御方法に関する。
池において、固体高分子膜をイオンが移動可能とするた
め、一般に燃料電池スタックへ供給する空気を加湿して
いる。この加湿が不十分だと、燃料電池スタックにおけ
る固体高分子膜が乾燥し、イオンの移動が阻害され発電
効率が低下する。従って、燃料電池スタックへ供給する
空気は全て充分な加湿を行うことが必要である。
スタックからの排気に含まれる加湿した水分及び水素と
酸素が反応した時にできる生成水を回収して行ってい
る。仮に、加湿に要する水量が多く、生成水の量が少な
いとすると、水の消費が過大となり、加湿に必要な水を
確保できなくなり、水収支が悪化することになる。よっ
て、生成水の量と、加湿に要する水量がバランスしてい
ることが必要である。
空気量を精度良く供給することが要求される。もし、空
気量が過剰だと、過剰であってもスタックに供給する際
は加湿する必要があり、故に水の消費が多くなる一方、
水素の量は、空気量より少ないため、生成水の量も少な
くなり、水収支は悪化してしまう。
アイドル運転時のような、供給される水素量が極めて小
さい時、これに合わせて、供給する空気流量も微少に精
度良く制御することが必要とされる。
な空気流量を制御する従来の燃料電池システムとして
は、例えば、特開平11−317234号公報に記載の
ものがある。
を供給する空気ブロワと、空気ブロワと燃料電池との間
に燃料電池負荷に応じて流量を調節する調節弁を有する
構成において、部分負荷と最低負荷との間、すなわちア
イドル運転時における燃料電池に対する空気流量の調整
は、空気ブロワの回転数を一定として、調整弁の開度の
制御により行う技術が開示されている。
ル運転時に必要とされる微小な空気流量は、例えば全負
荷の数%以下であるのに対し、従来の技術における空気
ブロワでは、回転数を低下させても、空気ブロワの内部
漏れ等により例えば全負荷の30%以下の空気流量を微
小に制御することは困難であるという問題点があった。
気流量を供給するための開度制御は、調整弁自体の制御
精度とほぼ同程度となり、やはりアイドル運転時に必要
とされる微小な空気流量を制御することは困難である。
も、アイドル運転に必要な空気流量まで低下させること
は困難で、アイドル運転に必要な空気流量以上の流量が
供給されるため、過剰な供給空気により空気ブロワの吐
出圧が上昇し、消費エネルギが増加し燃費の悪化も招く
恐れもある。
れる空気流量の変動や、スタックで消費する空気量の変
化によって、スタック内圧も変動してしまうという問題
点があった。
微小な場合、わずかな空気流量の変化やスタックで消費
する空気量の変化でも、スタック内圧が大きく変動する
恐れがある。スタック内圧は、固体高分子膜保護のため
精度良く制御する必要があるが、従来の技術では、スタ
ック内圧の制御精度が低下し、高分子膜を劣化させる恐
れがある。
される水は、空気極を流れる空気の流れによりスタック
外部へ排出される。しかし、アイドル運転時において、
仮に空気流量を微小に設定したとしても、空気の流れが
弱いと、スタックの空気極内部に生成される水が排出さ
れず、所謂水つまりを起こしてしまい、すると空気の供
給が不十分となり、発電効率が低下し、アイドル運転を
安定して継続することが困難となる。これを避けるた
め、空気流量を大きくすると、やはり水収支が悪化して
しまうとともに、上述のようにスタック内圧の変動が大
きくなるためスタック内圧の制御精度が低下し、高分子
膜を劣化させる恐れがある。
時、空気流量やスタック内圧を精度良く制御することが
困難であり、水収支や燃費の悪化や、高分子膜の劣化を
招く恐れがあるという問題点があった。
もので、その目的とするところは、アイドル運転時等の
燃料電池スタックへ微小な空気流量を供給する際、燃費
を悪化させることなく、空気流量・圧力の制御精度を向
上することができる燃料電池システムを提供することに
ある。
め、請求項1記載の発明は、空気を供給する空気供給手
段と、水素を供給する水素供給手段と、供給された空気
と水素とを基に発電する発電手段と、前記空気供給手段
の作動状態を変更して前記空気供給手段が供給する空気
流量を制御する第一空気流量制御手段と、前記空気供給
手段と前記発電手段との間の空気供給流路の開度を変え
て該空気供給流路を流れる空気流量を制御する第二空気
流量制御手段と、前記発電手段から未使用分の空気を排
出する排出流路と前記空気供給手段とを直接結ぶバイパ
ス流路と、該バイパス流路の開度を変えて該バイパス流
路を流れる空気流量を制御する第三空気流量制御手段
と、を備え、前記発電手段へ所定流量以下の空気流量を
供給する場合、第一空気流量制御手段により、前記空気
供給手段が供給する空気流量を最小値に設定し、第三空
気流量制御手段の開度を所定開度に設定し、第二空気流
量制御手段の開度を変えて前記発電手段に供給する空気
流量を制御することを要旨とする燃料電池システムであ
る。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記排出流路と前記バイパス流路との合流部分より下流の
合流部分下流流路に設けられ、該合流部分下流流路の開
度を変え、前記発電手段内部の空気流路の圧力を制御す
る空気圧力制御手段を備え、該空気圧力制御手段によ
り、前記合流部分下流流路の開度を略一定に設定するこ
とを要旨とする。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記所定流量はアイドル運転時において、前記発電手段の
発電に必要十分な空気流量とすることを要旨とする。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記発電手段へ所定流量以下の空気流量を供給する場合、
第三空気流量制御手段の開度を全開とすることを要旨と
する。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記発電手段へ所定流量以上の空気流量を供給する場合、
第三空気流量制御手段の開度を所定開度以下とすること
を要旨とする。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記第一空気流量制御手段により前記空気供給手段が供給
する空気流量の最小値が大きいほど、前記第三空気流量
制御手段の全開時の開口面積及び該バイパス流路内径を
大きくすることを要旨とする。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記第一空気流量制御手段は、前記空気供給手段が供給す
る空気流量を、前記空気供給手段が安定して供給可能な
空気流量の最小値に設定するとともに、該最小値を予め
定めた基準値と比較し、前記最小値が前記基準値より大
きければ、第三空気流量制御手段の開度をより大きく設
定し、前記最小値が前記基準値より小さければ、第三空
気流量制御手段の開度をより小さく設定することを要旨
とする。
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記発電手段へ所定流量以下の空気流量を供給する際、第
三空気流量制御手段の開度を一時的に小さくし前記発電
手段へ供給される空気流量を大きくし、前記発電手段内
部の空気流路に溜まる水を排出する水排出制御手段を備
えたことを要旨とする。
発明は、請求項8記載の燃料電池システムにおいて、前
記水排出制御手段は、第三空気流量制御手段の開度を所
定間隔ごとに一定時間小さくすることを要旨とする。
の発明は、請求項9記載の燃料電池システムにおいて、
前記水排出制御手段は、前記発電手段の発電量が大きい
ほど前記所定間隔を短くすることを要旨とする。
の発明は、請求項9記載の燃料電池システムにおいて、
前記水排出制御手段は、前記発電手段に供給される空気
流量が大きいほど前記所定間隔を短くすることを要旨と
する。
の発明は、請求項8記載の燃料電池システムにおいて、
前記水排出制御手段は、前記発電手段に供給される空気
流量を検出し、該検出値が予め定めた閾値を下回った場
合、第三空気流量制御手段の開度を一時的に小さくし前
記発電手段へ供給される空気流量を大きくし、前記発電
手段内部の空気流路に溜まる水を排出することを要旨と
する。
の発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、
前記発電手段へ供給する空気流量を、前記所定流量以下
から、前記空気供給手段が供給する空気流量の最小値以
上に急増する場合、第一空気流量制御手段により、前記
空気供給手段が供給する空気流量を増加させるととも
に、前記空気供給手段が供給する空気流量を増加開始し
てから所定時間の間、第二空気流量制御手段及び第三空
気流量制御手段の開度を共に全開とし、前記所定時間経
過後、第三空気流量制御手段の開度を全閉とし、第一空
気流量制御手段及び第二空気流量制御手段により、前記
発電手段に供給する空気流量を制御することを要旨とす
る。
の発明は、請求項13記載の燃料電池システムにおい
て、前記所定時間は、前記発電手段へ供給する空気流量
の目標値の変化幅が大きいほど、長くすることを要旨と
する。
の発明は、請求項14記載の燃料電池システムにおい
て、前記所定時間は、前記発電手段へ供給する空気流量
の目標値の変化幅が所定量よりも小さい場合、0とする
ことを要旨とする。
の発明は、請求項13記載の燃料電池システムにおい
て、前記発電手段へ供給する空気流量が、目標値に対し
て小さい所定値以上になった場合、前記所定時間経過前
でも、第三空気流量制御手段の開度を全閉とすることを
要旨とする。
の発明は、請求項16記載の燃料電池システムにおい
て、前記所定値は、第二空気流量制御手段の開度が全開
の時の空気流量に対する、第三空気流量制御手段の開度
が全開の時の空気流量の比率に1を加えた値で、前記発
電手段へ供給する空気流量の目標値を割った値とするこ
とを要旨とする。
の発明は、請求項13記載の燃料電池システムにおい
て、前記空気供給手段が供給する空気流量の時間に対す
る増加率が所定増加率を超えた場合、前記所定時間経過
前でも、第三空気流量制御手段の開度を全閉とすること
を要旨とする。
の発明は、請求項13記載の燃料電池システムにおい
て、前記空気供給手段が供給する空気流量の変化を検出
する供給空気流量変化検出手段を備え、前記供給空気流
量変化検出手段により前記空気供給手段が供給する空気
流量が低下している場合、該低下量が大きい程、前記所
定時間を長くすることを要旨とする。
手段が供給する空気流量は、空気供給流路と、バイパス
流路とに分かれ、余分な空気流量をバイパス流路に流す
ことにより、空気供給流路を通り発電手段へ全負荷の数
%程度の微小な空気流量を精度よく供給することが可能
となるという効果がある。
のうち、発電手段へ供給されない余分な空気流量はバイ
パス流路に流れるため、空気供給手段が供給する空気の
圧力が上昇せず、消費エネルギを抑制することができる
という効果がある。
段が供給する空気流量は、第二空気流量制御手段の開度
と第三空気流量制御手段の開度との比率に基づき、空気
供給流路とバイパス流路とに振り分けられ、空気供給流
路を通り発電手段へ供給された空気流量は、発電手段で
必要量が消費された後、排出流路を通り、排出流路とバ
イパス流路の合流部分で、再びバイパス流路を流れる空
気流量と一緒になる。ここで、空気供給流路を通り発電
手段へ供給された空気流量は微小であり発電手段で消費
される量も微小なため、合流部分より下流流路における
空気流量は、空気供給手段が最初に供給した空気流量と
ほぼ等しく、また、空気供給手段が供給する空気流量が
一定であれば、第二空気流量制御手段の開度を変え該発
電手段に供給する空気流量を制御しても、変動もほとん
ど無い。
り下流流路の開度を変え、ここを流れる空気流量を絞り
発電手段内部の空気流路の圧力を制御する際、下流流路
の空気流量はほぼ一定であるため、空気圧力制御手段の
開度を略一定に設定することにより、アイドル運転時の
発電手段内部の空気圧力の変動を抑制し、高精度に制御
することができるという効果がある。
転時は発電手段に供給する空気流量の目標値が変化して
も、第一空気流量制御手段が第三空気流量制御手段は最
初に設定した値のままとし、第二空気流量制御手段のみ
により発電手段に供給する空気流量を制御することがで
き、制御を簡素化することができるという効果がある。
量制御手段の開度に対する第二空気流量制御手段の開度
の比率が小さくなり、発電手段へより微小な空気流量を
精度良く供給することが可能となるという効果がある。
供給する空気流量範囲全域において、精度良く空気流量
を供給することが可能となるという効果がある。
段が供給する空気流量の最小値に応じて適切な空気流量
をバイパス流路に流すことができ、発電手段へ微小な空
気流量を精度良く供給することが可能となるという効果
がある。
段が供給する空気流量の最小値が、経時劣化や外気温、
外気圧等により変動しても、安定した空気流量の供給が
可能となるとともに、安定して供給可能な空気流量の最
小値が変化しても、該変動に基づき第三空気流量制御手
段の開度を設定することにより、バイパス流路を流れる
空気流量を調整し、空気供給流路を通り発電手段へ供給
される空気流量に、該変化の影響が表れないようにし、
発電手段へ微小な空気流量を精度良く供給することが可
能となるという効果がある。
部の空気流路に溜まる水を排出することが可能となると
ともに、この場合でも、バイパス流路における空気流量
を減らし、その分空気供給流路における空気流量を増や
し、発電手段へ供給される空気流量を大きくするのであ
って、空気圧力制御手段を流れる空気流量はほぼ一定で
あるため、発電手段内部の空気流路の圧力は、変動が抑
制され、高精度に制御されるという効果がある。
手段内部の空気流路に溜まる水を排出することが可能と
なるという効果がある。
大きく、すなわち発電手段における生成水が多く発生
し、発電手段内部の空気流路に水が溜まりやすい場合ほ
ど、短い間隔で発電手段内部の空気流路に溜まる水を排
出することが可能となるという効果がある。
に供給される空気流量が大きく、すなわち発電手段にお
ける生成水が多く発生し、発電手段内部の空気流路に水
が溜まりやすい場合ほど、短い間隔で発電手段内部の空
気流路に溜まる水を排出することが可能となるという効
果がある。
内部の空気流路に溜まる水を適切なタイミングで排出す
ることが可能となるという効果がある。
手段に対する負荷を低減して、空気を流れやすくできる
ようになり、空気供給手段が供給する空気流量を短時間
で増加可能とし、応答性を向上させるという効果があ
る。
手段に対する負荷がより長い時間低減され、空気をより
流れやすくし、空気供給手段が供給する空気流量の応答
性が目標値に応じて適切に向上されるという効果があ
る。
手段が供給する空気流量の増加が小さく、あえて空気供
給手段に対する負荷を低減しなくても、応答性が確保で
きる場合に、所定時間を0とするができ、制御が簡略化
されるという効果がある。
手段に対する負荷を増加させ、空気供給手段が供給する
空気流量の増加を抑制し、発電手段へ供給する空気流量
が目標値以上となることを防止し、制御性を向上すると
いう効果がある。
流量制御手段の開度を全閉とした時に、発電手段へ供給
する空気流量が目標値に略一致することとなり、制御性
が向上するという効果がある。
増加率が過大となり、発電手段へ供給する空気流量が目
標値以上となる恐れがある場合にも、空気供給手段に対
する負荷を増加させ、空気供給手段が供給する空気流量
の増加を抑制し、発電手段へ供給する空気流量が目標値
以上となることを防止し、制御性を向上するという効果
がある。
手段が供給する空気流量が経時劣化により低下し応答性
が低下する恐れがある場合にも、空気供給手段に対する
負荷がより長い時間低減され、空気をより流れやすく
し、空気供給手段が供給する空気流量の応答性が、空気
供給手段が供給する空気流量に応じて適切に向上される
という効果がある。
る燃料電池システムの実施の形態を詳細に説明する。
要部構成を示す概念図である。同図において、燃料電池
システムは、空気を供給する空気供給手段102と、水
素を供給する水素供給手段107と、供給された空気と
水素とを基に発電する発電手段104と、空気供給手段
102の作動状態を変更して空気供給手段102が供給
する空気流量を制御する第一空気流量制御手段101
と、空気供給手段102と発電手段104との間の空気
供給流路の開度を変えて該空気供給流路を流れる空気流
量を制御する第二空気流量制御手段103と、発電手段
104から未使用分の空気を排出する排出流路と空気供
給手段102とを直接結ぶバイパス流路と、該バイパス
流路の開度を変えて該バイパス流路を流れる空気流量を
制御する第三空気流量制御手段105と、を備えてい
る。
空気流量を供給する場合、第一空気流量制御手段101
により、空気供給手段102が供給する空気流量を最小
値に設定し、第三空気流量制御手段105の開度を所定
開度に設定し、第二空気流量制御手段103の開度を変
えて発電手段104に供給する空気流量を制御すること
を特徴とする。
気流量が所定流量、例えば全負荷時の数%程度以下の場
合に、空気供給手段102が供給する空気流量は、第二
空気流量制御手段を通る空気供給流路と、第三空気流量
制御手段を通るバイパス流路とに分かれ、余分な空気流
量をバイパス流路に流すことにより、空気供給流路を通
り発電手段104へ微小な空気流量を精度よく供給する
ことができる。
流れる空気流量は、各流路に設けられた第二空気流量制
御手段103の開度と第三空気流量制御手段105の開
度との比率に基づいて定まるため、第二空気流量制御手
段103の開度が、例えば全負荷の数%に相当する微小
な開度を制御できない場合でも、第二空気流量制御手段
103の例えば全開時の開度を第三空気流量制御手段1
05の開度の例えば1/10に設定できれば、空気供給
流路を通り発電手段104へ供給される空気流量は、空
気供給手段102の供給する全負荷の空気流量の1/1
0となり、微小な空気流量を精度良く制御することが可
能となる。
求項1乃至請求項7に記載の発明に対応する燃料電池シ
ステムであり、まず構成を説明する。
ムを示す全体システム図である。図2において、燃料電
池システムは、空気を浄化するフィルタ1と、浄化され
た空気を圧縮するコンプレッサ2と、空気流量を測定す
る空気流量センサ3と、バイパス流路21の空気流量を
制御するバイパス空気流量制御弁4と、燃料電池スタッ
ク7の空気極へ供給する空気流量を制御するメイン空気
流量制御弁5と、空気圧力を測定する圧力センサ6と、
供給された空気及び水素を用いて発電する燃料電池スタ
ック7と、空気極の圧力を制御する圧力制御弁8と、高
圧水素ガスを貯蔵する水素タンク9と、高圧水素ガスを
減圧するプレッシャレギュレータ10と、水素ガス流量
を測定する水素流量センサ11と、水素ガス流量を制御
する水素流量制御弁12と、燃料電池スタック7からの
排ガスを燃焼させる燃焼器13と、コントロールユニッ
ト14と、バイパス流路21と、空気供給流路22と、
空気排出流路23と、バイパス流路21と空気排出流路
23との合流部分より下流の流路24と、水素供給流路
25と、水素排出流路26と、燃焼ガス排出流路27と
を備えている。
空気中の不純物を取り除く。コンプレッサ2は、フィル
タ1を通して浄化された空気を吸い込み、圧縮して吐出
し、燃料電池スタック7へ空気を供給する。また、コン
トロールユニット14により回転数制御され、供給する
空気流量が制御される。
流れる空気流量を検出し、検出値をコントロールユニッ
ト14に入力する。また、コントロールユニット14
は、空気流量センサ3の検出値に基づき、メイン空気流
量制御弁5の開度を制御し、空気供給流路22を流れ、
燃料電池スタック7へ供給される空気流量を制御する。
ルユニット14からの指令に基づき、開度を変更し、バ
イパス流路21を流れる空気流量を制御する。
る燃料電池スタック7に入る直前の圧力を検出し、検出
値をコントロールユニット14に入力する。また、コン
トロールユニット14は、圧力センサ6の検出値に基づ
き、圧力制御弁8へ指令を送る。圧力制御弁8は、コン
トロールユニット14からの指令に従い、バイパス流路
21と空気排出流路23との合流部分より下流の流路2
4の開度を変えることにより、燃料電池スタック内部の
空気流路の圧力を制御する。
御弁5を通り供給される空気と、水素流量制御弁12を
通り供給される水素とを用いて発電する。
シャレギュレータ10は、水素タンク9から供給される
水素の圧力を一定の圧力に制御して出力する。
を流れる水素流量を検出し、検出値をコントロールユニ
ット14に入力する。また、コントロールユニット14
は、水素流量センサ11の検出値に基づき、水素流量制
御弁12の開度を制御し、水素供給流路25を流れ、燃
料電池スタック7へ供給される水素流量を制御する。
池スタック7から排気され、空気排出流路23と、バイ
パス流路21と空気排出流路23との合流部分より下流
の流路24と通り供給される空気と、燃料電池スタック
7から排気され、水素排出流路26を通り供給される水
素とを燃焼させ、燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは、
燃焼ガス排出流路27を通り、外部へ排気される。
コンプレッサ2とが図1における空気供給手段(10
2)に相当し、水素タンク9とプレッシャレギュレータ
10が水素供給手段(107)に相当し、燃料電池スタ
ック7が発電手段(104)に相当し、コントロールユ
ニット14が第一空気流量制御手段(101)に相当
し、空気流量センサ3とメイン空気流量制御弁5とコン
トロールユニット14が第二空気流量制御手段(10
3)に相当し、バイパス空気流量制御弁4とコントロー
ルユニット14が第三空気流量制御手段(105)に相
当し、水素流量センサ11と水素流量制御弁12とコン
トロールユニット14が水素流量制御手段(108)に
相当し、圧力センサ6と圧力制御弁8とコントロールユ
ニット14が空気圧力制御手段(106)に相当し、空
気供給流路22が空気供給流路に相当し、空気排出流路
23が排出流路に相当し、バイパス流路21がバイパス
流路に相当し、バイパス流路21と空気排出流路23と
の合流部分より下流の流路24が、該排出流路と該バイ
パス流路の合流部分より下流の流路に相当する。
ク7へ供給する空気流量の制御に関する作用を説明す
る。
ーチャートである。図3のフローチャートは、コントロ
ールユニット14において、予め定められた一定の制御
周期毎に繰り返し実行される。制御周期は実験的に定め
られるが、例えば1〜100ms程度の値である。
ック7へ供給する空気流量が所定流量以下か否かを判定
し、所定流量以下の場合、ステップS32へ進み、所定
流量以上の場合、ステップS36へ進む。
転数を最低回転数に設定する。ステップS33では、バ
イパス空気流量制御弁4の開度を所定開度に設定する。
ステップS34では、圧力センサ6の検出値に基づき、
該検出値が予め定めた値となるよう圧力制御弁8の開度
を設定する。
検出値に基づき、燃料電池スタック7へ供給される空気
流量が目標空気流量となるよう、メイン空気流量制御弁
5の開度を変える。
6へ進んだ場合、ステップS36ではバイパス空気流量
制御弁4の開度を所定開度以下に設定する。ステップS
37では、圧力センサ6の検出値に基づき、該検出値が
予め定めた値となるよう圧力制御弁8の開度を設定す
る。
検出値に基づき、燃料電池スタック7へ供給される空気
流量が目標空気流量となるよう、コンプレッサ2の回転
数及びメイン空気流量制御弁5の開度を変える。
タック7へ供給する空気流量が所定流量以下の場合、す
なわち、微小流量を供給する場合、ステップS31から
ステップS32へ進み、これ以降のステップにより、コ
ンプレッサ2の回転数を最低回転数まで下げ、コンプレ
ッサ2が供給する空気流量を最小値に設定し、これによ
り、例えば全負荷の30%程度まで供給する空気流量を
下げ、さらにバイパス空気流量制御弁4の開度を所定開
度に設定することにより、コンプレッサ2が供給する空
気流量は、バイパス流路21と空気供給流路22とに分
かれ、余分な空気流量をバイパス流路21に流すことに
より、以下に説明する理由により空気供給流路22を通
り燃料電池スタックへ全負荷の数%程度の微小な空気流
量を供給することが可能となる。
流量Q1と空気供給流路22とを流れる空気流量Q2
は、各流路に設けられたバイパス空気流量制御弁4の開
度S1とメイン空気流量制御弁5の開度S2との比率に
基づき定まり、Q1:Q2≒S1:S2の関係が成立す
る。また、コンプレッサ2が供給する空気流量をQ0と
すると、Q0=Q1+Q2である。従って、空気供給路
22を通り燃料電池スタック7へ供給される空気流量Q
2は、
量Q0が全負荷の30%の時、バイパス空気流量制御弁
4の開度S1に対しメイン空気流量制御弁5の開度S2
が例えば1/10に設定できれば、空気供給流路22を
通り燃料電池スタック7へ供給される空気流量Q2は、
(1)式からQ0の1/11、すなわち全負荷の約3%
となり、微小な空気流量を精度良く制御することが可能
となる。また、例えばメイン空気流量制御弁5の全開時
の開度とバイパス空気流量制御弁4の全開時の開度が同
じであり、バイパス空気流量制御弁4の開度が全開であ
るとすると、バイパス空気流量制御弁4の開度S1に対
するメイン空気流量制御弁5の開度S2を1/10に設
定するというのは、メイン空気流量制御弁の開度は全開
時の1/10、つまり10%という比較的大きな値に設
定すれば良いことになり、確実に微小な空気流量を制御
することができる。
ス空気流量制御弁4が無く、メイン空気流量制御弁5の
みで燃料電池スタック7へ供給する空気流量を制御する
場合、メイン空気流量制御弁5の絶対的な開度を精度良
く制御する必要がある。従って、上記と同じ全負荷の3
%の空気流量を燃料電池スタック7へ供給するために
は、全負荷の3%に相当する微小な開度を設定する必要
があり、一般に制御精度が2%程度はあることを考慮す
ると、全負荷の3%に相当する微小な開度の設定は極め
て困難なものとなる。
量のうち、燃料電池スタック7へ供給されない余分な空
気流量はバイパス流路21に流れるため、コンプレッサ
吐出圧が上昇せず、消費エネルギが抑制される。
制御弁4の開度S1を所定開度に設定する際、開度を全
開に設定しても良く、この場合、(1)式における、メ
イン空気流量制御弁の開度S2の比率S1/S2が大き
くなるため、より微小な空気流量を精度良く制御するこ
とが可能となる。
する空気流量は、バイパス空気流量制御弁4の開度とメ
イン空気流量制御弁5の開度との比率に基づき、バイパ
ス流路21と空気供給流路22とに振り分けられ、空気
供給流路22を通り燃料電池スタック7へ供給された空
気流量は、燃料電池スタック7で必要量が消費された
後、空気排出流路23を通り、空気排出流路23とバイ
パス流路21の合流部分で、再びバイパス流路21を流
れる空気流量と一緒になる。ここで、空気供給流路22
を通り燃料電池スタック7へ供給された空気流量は微小
であり燃料電池スタック7で消費される量も微小なた
め、合流部分より下流流路における空気流量は、コンプ
レッサ2が最初に供給した空気流量とほぼ等しく、ま
た、コンプレッサ2が供給する空気流量が一定であれ
ば、メイン空気流量制御弁5の開度を変え燃料電池スタ
ック7に供給する空気流量を制御しても、変動もほとん
ど無い。
流の流路24の開度を変え、ここを流れる空気流量を絞
り燃料電池スタック7内部の空気流量の圧力を制御する
際、下流流路24の空気流量はほぼ一定であるため、ス
テップS34で、圧力センサ6の検出値に基づき、該圧
力センサ6の検出値が予め定めた値となるよう圧力制御
弁8の開度を設定した後、該開度を保つようにすること
により、燃料電池スタック7内部の空気流路の圧力は、
変動が抑制され、高精度に制御される。
は、例えばアイドル運転時において燃料電池スタック7
の発電に必要十分な空気流量、すなわち、アイドル運転
時に要する最大流量とすると良い。この場合、アイドル
運転時において、燃料電池スタック7に供給する空気流
量の目標値が変化しても、コンプレッサ回転数及びバイ
パス空気流量制御弁4の開度は最初に設定した値のまま
とし、メイン空気流量制御弁5の開度のみにより燃料電
池スタック7に供給する空気流量を制御することがで
き、制御が簡素化される。
流量が所定流量以上の場合、ステップS36へ進み、ス
テップS36において、バイパス空気流量制御弁4の開
度を所定開度以下、例えば、全閉に設定する。これによ
り、コンプレッサ2の供給する空気流量の大部分が空気
供給流路22に流れるため、燃料電池スタック7へ供給
する空気流量範囲全域において、精度良く空気流量を供
給することが可能となる。
に、コンプレッサ2が最低回転数の時に供給する空気流
量の最小値が大きいほど、バイパス空気流量制御弁4の
全開時の開口面積及びバイパス流路21断面積を大きく
しても良い。この場合、(1)式において、コンプレッ
サ2が供給する空気流量の最小値Q0が大きくても、こ
れに応じてバイパス空気流量制御弁4の開度S1も大き
くなり、メイン空気流量制御弁5の開度S2を変えずと
も空気供給流路22とを流れる空気流量Q2は結果的に
同じレベルとなり、すなわち、Q0に応じて適切な空気
流量がバイパス流路21に流れることとなり、燃料電池
スタック7へ微小な空気流量を精度良く供給することが
可能となる。
で設定されたコンプレッサ2の回転数及びバイパス空気
流量制御弁4の開度は、図5に示すフローチャートに従
い設定しても良い。
サブルーチンとして作用するものであり、図3と同様に
コントロールユニット14において、予め定められた一
定の制御周期ごとに繰り返し実行される。制御周期は実
験的に定められるが、例えば1〜100ms程度の値で
ある。
転数を最低回転数に近い、予め定めた回転数に設定す
る。ステップS52では、ステップS51で設定された
回転数で、コンプレッサ2が安定した空気流量を供給し
ているか判定する。これは、例えば、ある時間内、空気
流量センサ3により空気流量を検出し、その変動量が、
許容レベル内にあるか否かで判定を行う。
して空気流量を供給していないと判定した場合、ステッ
プS53に進み、コンプレッサ2の回転数を増加させ、
再度ステップS52に進み、コンプレッサ2が安定して
空気流量を供給しているか判定し、以後、ステップS5
2〜ステップS53を繰り返し、コンプレッサ2が安定
して空気流量を供給する回転数を求める。
して空気流量を供給すると判定したら、ステップS54
へ進む。ステップS54では、コンプレッサ2の供給空
気流量を、基準値と比較し、その差を求める。ここで、
基準値は、例えば、前回のアイドル運転において設定し
た回転数における流量とする。
めたコンプレッサ2の供給空気流量の基準値との差を基
に、図6に従い、バイパス空気流量制御弁4の開度を設
定する。
2が供給する空気流量を、コンプレッサ2が安定して供
給可能な空気流量の最小値に設定することにより、コン
プレッサ2が供給する空気流量の最小値が、経時劣化や
外気温、外気圧等により変動しても、安定した空気流量
の供給が可能となるとともに、安定して供給可能な空気
流量の最小値が変化しても、該変動に基づきバイパス空
気流量制御弁4の開度を設定することにより、バイパス
流路21を流れる空気流量を調整し、空気供給流路22
を通り燃料電池スタック7へ供給される空気流量に、該
変化の影響が表れないようにすることができ、燃料電池
スタック7へ微小な空気流量を精度良く供給することが
可能となる。
ついて説明する。第2の実施形態は、請求項8乃至請求
項12に記載の発明に対応する燃料電池システムであ
る。その構成は、第1の実施形態と同等であるため、説
明を省略する。
形態の作用を示すフローチャートである。図7のフロー
チャートは、コントロールユニット14において、予め
定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実行される。
制御周期は実験的に定められるが、例えば1〜100m
s程度の値である。
流量制御弁4の開度を小さくした後、所定間隔経過した
か否かを判定し、所定間隔経過した場合に、次のステッ
プS72へ進む。ステップS72では、バイパス空気流
量制御弁4の開度を一定時間、小さく設定する。
うに、本フローチャート実行中における発電量、あるい
は、燃料電池スタック7へ供給される空気流量に基づき
設定される。
気流量制御弁4の開度を一時的に小さくし燃料電池スタ
ック7へ供給される空気流量を大きくし、燃料電池スタ
ック7内部の空気流路に溜まる水を排出することが可能
となるとともに、この場合でも、バイパス流路21にお
ける空気流量を減らし、その分空気供給流路22におけ
る空気流量を増やし、燃料電池スタック7へ供給される
空気流量を大きくするのであって、圧力制御弁8を流れ
る空気流量はほぼ一定であるため、燃料電池スタック7
内部の空気流路の圧力は、変動が抑制され、高精度に制
御される。
は所定間隔ごとに一定時間小さくされるため、確実に発
電手段内部の空気流路に溜まる水を排出することが可能
となる。なお、バイパス空気流量制御弁4の開度は、燃
料電池スタック7内部の空気流路に溜まる水を排出する
ために必要な空気流量を供給できる開度に設定し、ま
た、開度を小さくする一定時間は、燃料電池スタック7
内部の空気流路に溜まる水を排出するために必要な時間
に設定する。
電量が大きいほど、あるいは、燃料電池スタック7に供
給される空気流量が大きいほど、短くすることとしたた
め、発電量が大きく、すなわち燃料電池スタック7にお
ける生成水が多く発生し、燃料電池スタック7内部の空
気流路に水が溜まりやすい場合ほど、短い間隔で燃料電
池スタック7内部の空気流路に溜まる水を排出すること
が可能となる。
ク7内部の空気流路に溜まる水を排出するための他の方
法を示したものであり、コントロールユニット14にお
いて、予め定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実
行される。制御周期は実験的に定められるが、例えば1
〜100ms程度の値である。
へ供給される空気流量が、予め定めた閾値以下か否かを
判定し、閾値以上の場合は処理を終了し、閾値以下の場
合は、ステップS93へ進む。ステップS93では、バ
イパス空気流量制御弁4の開度を一定時間、小さく設定
する。
ック7に供給される空気流量を検出し、該検出値が予め
定めた閾値を下回った場合、すなわち、空気流量が低下
して、生成水を流すことができない程に流速が下がっ
て、燃料電池スタック7内部の空気流路に水が溜まり、
該空気流路の圧力損失が増加し、ここを流れる空気流量
が低下した場合、バイパス空気流量制御弁4の開度を一
時的に小さくし燃料電池スタック7へ供給される空気流
量を大きくすることにより、燃料電池スタック7内部の
空気流路に溜まる水を適切なタイミングで排出すること
が可能となる。
は、燃料電池スタック7内部の空気流量に溜まる水を排
出するために必要な空気流量を供給できる開度に設定
し、また、開度を小さくする一定時間は、燃料電池スタ
ック7内部の空気流路に溜まる水を排出するために必要
な時間に設定する。
料電池スタック7内部の空気流路に水が溜まり、該空気
流路の圧力損失が増加し、ここを流れる空気流量が低下
した時の値であり、実験的に定めるものとする。
ついて説明する。第3の実施形態は、請求項13乃至請
求項19に記載の発明に対応する燃料電池システムであ
る。その構成は、第1の実施形態と同等であるため、説
明を省略する。
施形態の作用を示すフローチャートである。図10のフ
ローチャートは、コントロールユニット14において、
予め定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実行され
る。制御周期は実験的に定められるが、例えば1〜10
0ms程度の値である。
7へ供給する空気流量の目標値は、アイドル運転時にお
ける所定流量以下の微小流量から、コンプレッサ2の最
低回転数における供給空気流量以上へ増加するか否か判
定し、否の場合、本処理を終了し、増加する場合、ステ
ップS102へ進む。
回転数を増加する。ステップS103では、メイン空気
流量制御弁5の開度を全開に設定する。ステップS10
4では、バイパス空気流量制御弁4の開度を全開に設定
する。ステップS105では、燃料電池スタック7へ供
給される空気流量は、目標値に対し、所定値以上近づい
たか否かを判定し、近づいたと判定されれば、ステップ
S107へ飛び、近づいていないと判定されれば、ステ
ップS106へ進む。
回転数を増加開始後、所定時間経過したか否か判定し、
経過していない場合、ステップS105へ戻り、経過し
た場合、ステップS107へ進む。
制御弁4の開度を全閉に設定する。ステップS108で
は、空気流量センサ3の検出値に基づき、燃料電池スタ
ック7へ供給される空気流量が目標空気流量となるよ
う、コンプレッサ2の回転数及びメイン空気流量制御弁
5の開度を変える。
イムチャートに示すように、燃料電池スタック7へ供給
する空気流量を、アイドル運転時における所定流量以下
の微小流量から、コンプレッサ2が供給する空気流量の
最小値以上に急増する場合(図11(a))、コンプレ
ッサ2の回転数を増加し、コンプレッサ2が供給する空
気流量を増加させる(図11(b))とともに、コンプ
レッサ2の回転数を増加し、コンプレッサ2が供給する
空気流量を増加開始してから所定時間TBOの間、メイ
ン空気流量制御弁5とバイパス空気流量制御弁4との開
度を共に全開とする(図11(e)(d))ことによ
り、コンプレッサ2に対する負荷を低減し、空気を流れ
やすくすることにより、コンプレッサ2が供給する空気
流量を短時間で増加可能とし、燃料電池スタック7へ供
給される空気流量(図11(c))における応答性を向
上させることが可能となる。
パス空気流量制御弁4が無く、メイン空気流量制御弁5
のみで燃料電池スタック7へ供給する空気流量を制御す
ると仮定し、燃料電池スタック7へ供給する空気流量
を、アイドル運転時における所定流量以下の微小流量か
ら、コンプレッサ2が供給する空気流量の最小値以上に
急増する場合のタイムチャートを表したのが図12であ
る。
(a)に示すように増加し、コンプレッサ2の回転数を
増加し、コンプレッサ2が供給する空気流量を増加させ
る(図12(b))が、メイン空気流量制御弁5を全開
(図12(c))としても、バイパス空気流量制御弁4
が無い分、コンプレッサ2に対する負荷が増加し、空気
が流れにくくなり、コンプレッサ2が供給する空気流量
の増加に時間を要し、燃料電池スタック7へ供給される
空気流量(図12(b))における応答性は、図11
(c)と比べ遅くなり、本発明の効果は明らかである。
うに、燃料電池スタック7へ供給する空気流量の目標値
の変化幅(図11におけるΔQ)が大きく、すなわち、
コンプレッサ2が供給する空気流量をより多く増加させ
る場合ほど、長くすることにより、コンプレッサ2に対
する負荷がより長い時間低減され、空気をより流れやす
くし、コンプレッサ2が供給する空気流量の応答性が目
標値に応じて適切に向上される。
料電池スタック7へ供給する空気流量の目標値の変化幅
ΔQが小さい場合、すなわち、コンプレッサ2が供給す
る空気流量の増加が小さく、あえてコンプレッサ2に対
する負荷を低減しなくても、応答性が確保できる程度の
所定の変化幅ΔQよりも小さい場合、所定時間TBOを
0とすることにより、制御が簡略化される。
センサ3を用いて定期的にコンプレッサ2の供給する空
気流量を測定し、初期状態からの供給空気流量の変化量
を検出し(供給空気流量変化検出手段)、該検出値によ
り、コンプレッサ2が供給する空気流量が経時劣化等に
より低下していることが確認され、応答性が低下する恐
れがある場合、図14に示すように、コンプレッサ2が
供給する空気流量の初期状態からの低下量ΔDが大きい
程、所定時間TBOを長くすることにより、コンプレッ
サ2に対する負荷がより長い時間低減され、空気をより
流れやすくし、コンプレッサ2が供給する空気流量の応
答性が、コンプレッサ2が供給する空気流量に応じて適
切に向上される。
ように、燃料電池スタック7へ供給する空気流量が、目
標値に対して小さい所定値以上になった場合、所定時間
経過前でも、バイパス空気流量制御弁の開度を全閉とす
ることにより、コンプレッサ2に対する負荷を増加さ
せ、コンプレッサ2が供給する空気流量の増加を抑制
し、燃料電池スタック7へ供給する空気流量が目標値以
上となることを防止し、制御性を向上する。
御弁の開度が全開の時の空気流量に対する、バイパス空
気流量制御弁の開度が全開の時の空気流量の比率に1を
加えた値で、燃料電池スタック7へ供給する空気流量の
目標値を割った値とすることにより、バイパス空気流量
制御弁の開度を全閉とした時に、燃料電池スタック7へ
供給する空気流量が目標値に略一致することとなり、制
御性が向上する。
として、コンプレッサ2が供給する空気流量の時間に対
する増加率が所定増加率を超えた場合、すなわち、該増
加率が過大となり、燃料電池スタック7へ供給する空気
流量が目標値以上となる恐れがある場合、ステップS1
07へ飛ぶようにしても良く、この場合でも、上述と同
様に、バイパス空気流量制御弁4の開度を全閉とするこ
とにより、コンプレッサ2に対する負荷を増加させ、コ
ンプレッサ2が供給する空気流量の増加を抑制し、燃料
電池スタック7へ供給する空気流量が目標値以上となる
ことを防止し、制御性を向上する効果が得られる。
池スタック7へ供給する水素は、水素タンク9に貯蔵さ
れたものを用いたが、これに限るものではなく、例え
ば、メタノールやガソリンといった燃料を改質して水素
を発生させても良い。
へ供給する空気を加湿する場合、アイドル運転時に燃料
電池へ供給される空気量はコンプレッサの最低流量より
も少なくてもよいので、従来の燃料電池システムよりも
水収支を良くすることができる。
ある。
われる、アイドル運転時の空気流量の制御を表すフロー
チャートである。
時の開口面積及びバイパス流路の断面積の設定方法を示
す図である。
れる、アイドル運転時のコンプレッサ回転数及びバイパ
ス空気流量制御弁の開度の設定方法を表すフローチャー
トである。
の設定方法を表す図である。
れる、バイパス空気流量制御弁の開度の設定方法を表す
フローチャートである。
方法を表す図である。
れる、バイパス空気流量制御弁の開度の設定方法を表す
フローチャートである。
われる、アイドル運転時から空気流量を増加させる際の
制御を表すフローチャートである。
を増加させる際の制御を表すタイムチャート図である。
流量を増加させる際の制御を表すタイムチャート図であ
る。
る。
る。
分より下流の流路 25…水素供給流路 26…水素排出流路 27…燃焼ガス排出流路
Claims (19)
- 【請求項1】 空気を供給する空気供給手段と、 水素を供給する水素供給手段と、 供給された空気と水素とを基に発電する発電手段と、 前記空気供給手段の作動状態を変更して前記空気供給手
段が供給する空気流量を制御する第一空気流量制御手段
と、 前記空気供給手段と前記発電手段との間の空気供給流路
の開度を変えて該空気供給流路を流れる空気流量を制御
する第二空気流量制御手段と、 前記発電手段から未使用分の空気を排出する排出流路と
前記空気供給手段とを直接結ぶバイパス流路と、 該バイパス流路の開度を変えて該バイパス流路を流れる
空気流量を制御する第三空気流量制御手段と、 を備え、 前記発電手段へ所定流量以下の空気流量を供給する場
合、 第一空気流量制御手段により、前記空気供給手段が供給
する空気流量を最小値に設定し、 第三空気流量制御手段の開度を所定開度に設定し、 第二空気流量制御手段の開度を変えて前記発電手段に供
給する空気流量を制御することを特徴とする燃料電池シ
ステム。 - 【請求項2】 前記排出流路と前記バイパス流路との合
流部分より下流の合流部分下流流路に設けられ、該合流
部分下流流路の開度を変え、前記発電手段内部の空気流
路の圧力を制御する空気圧力制御手段を備え、 該空気圧力制御手段により、前記合流部分下流流路の開
度を略一定に設定することを特徴とする請求項1記載の
燃料電池システム。 - 【請求項3】 前記所定流量はアイドル運転時におい
て、前記発電手段の発電に必要十分な空気流量とするこ
とを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 【請求項4】 前記発電手段へ所定流量以下の空気流量
を供給する場合、第三空気流量制御手段の開度を全開と
することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システ
ム。 - 【請求項5】 前記発電手段へ所定流量以上の空気流量
を供給する場合、第三空気流量制御手段の開度を所定開
度以下とすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池
システム。 - 【請求項6】 前記第一空気流量制御手段により前記空
気供給手段が供給する空気流量の最小値が大きいほど、
前記第三空気流量制御手段の全開時の開口面積及び該バ
イパス流路内径を大きくすることを特徴とする請求項1
記載の燃料電池システム。 - 【請求項7】 前記第一空気流量制御手段は、前記空気
供給手段が供給する空気流量を、前記空気供給手段が安
定して供給可能な空気流量の最小値に設定するととも
に、 該最小値を予め定めた基準値と比較し、 前記最小値が前記基準値より大きければ、第三空気流量
制御手段の開度をより大きく設定し、 前記最小値が前記基準値より小さければ、第三空気流量
制御手段の開度をより小さく設定することを特徴とする
請求項1記載の燃料電池システム。 - 【請求項8】 前記発電手段へ所定流量以下の空気流量
を供給する際、第三空気流量制御手段の開度を一時的に
小さくし前記発電手段へ供給される空気流量を大きく
し、前記発電手段内部の空気流路に溜まる水を排出する
水排出制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
の燃料電池システム。 - 【請求項9】 前記水排出制御手段は、第三空気流量制
御手段の開度を所定間隔ごとに一定時間小さくすること
を特徴とする請求項8記載の燃料電池システム。 - 【請求項10】 前記水排出制御手段は、前記発電手段
の発電量が大きいほど前記所定間隔を短くすることを特
徴とする請求項9記載の燃料電池システム。 - 【請求項11】 前記水排出制御手段は、前記発電手段
に供給される空気流量が大きいほど前記所定間隔を短く
することを特徴とする請求項9記載の燃料電池システ
ム。 - 【請求項12】 前記水排出制御手段は、前記発電手段
に供給される空気流量を検出し、該検出値が予め定めた
閾値を下回った場合、第三空気流量制御手段の開度を一
時的に小さくし前記発電手段へ供給される空気流量を大
きくし、前記発電手段内部の空気流路に溜まる水を排出
することを特徴とする請求項8記載の燃料電池システ
ム。 - 【請求項13】 前記発電手段へ供給する空気流量を、
前記所定流量以下から、前記空気供給手段が供給する空
気流量の最小値以上に急増する場合、 第一空気流量制御手段により、前記空気供給手段が供給
する空気流量を増加させるとともに、前記空気供給手段
が供給する空気流量を増加開始してから所定時間の間、 第二空気流量制御手段及び第三空気流量制御手段の開度
を共に全開とし、 前記所定時間経過後、第三空気流量制御手段の開度を全
閉とし、 第一空気流量制御手段及び第二空気流量制御手段によ
り、前記発電手段に供給する空気流量を制御することを
特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 【請求項14】 前記所定時間は、前記発電手段へ供給
する空気流量の目標値の変化幅が大きいほど、長くする
ことを特徴とする請求項13記載の燃料電池システム。 - 【請求項15】 前記所定時間は、前記発電手段へ供給
する空気流量の目標値の変化幅が所定量よりも小さい場
合、0とすることを特徴とする請求項14記載の燃料電
池システム。 - 【請求項16】 前記発電手段へ供給する空気流量が、
目標値に対して小さい所定値以上になった場合、前記所
定時間経過前でも、第三空気流量制御手段の開度を全閉
とすることを特徴とする請求項13記載の燃料電池シス
テム。 - 【請求項17】 前記所定値は、第二空気流量制御手段
の開度が全開の時の空気流量に対する、第三空気流量制
御手段の開度が全開の時の空気流量の比率に1を加えた
値で、前記発電手段へ供給する空気流量の目標値を割っ
た値とすることを特徴とする請求項16記載の燃料電池
システム。 - 【請求項18】 前記空気供給手段が供給する空気流量
の時間に対する増加率が所定増加率を超えた場合、前記
所定時間経過前でも、第三空気流量制御手段の開度を全
閉とすることを特徴とする請求項13記載の燃料電池シ
ステム。 - 【請求項19】 前記空気供給手段が供給する空気流量
の変化を検出する供給空気流量変化検出手段を備え、 前記供給空気流量変化検出手段により前記空気供給手段
が供給する空気流量が低下している場合、該低下量が大
きい程、前記所定時間を長くすることを特徴とする請求
項13記載の燃料電池システム。
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