JP7434399B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池システムに関する。
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギの効率化に貢献する燃料電池(FC)に関する研究開発が行われている。
例えば、特許文献1には、燃料電池システムの停止時に、アノード側に残存していた燃料ガスが電解質膜を介してカソード側に拡散し、起動時に、高濃度の燃料ガスがカソード側の排気管から大気に放出されてしまうことを防止する燃料電池システムが開示されている。
この燃料電池システムでは、起動時に、燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給するポンプの流量を低減するように前記ポンプの運転を制御することで、前記カソード側の排気管から大気に放出される燃料ガスの濃度の上昇を抑制している。
特開2004-172027号公報
しかしながら、燃料電池システムの起動時に、酸化剤ガスを供給するポンプの流量を低減すると、起動時に、カソード側の排気管から燃料ガスを排気する排気時間が長くなるという課題がある。
この発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
この発明の一態様に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、該燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給流路を通じて供給する酸化剤ガス供給装置と、前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する酸化剤オフガス排出流路と、前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続するバイパス流路と、前記酸化剤ガス供給流路の流量を調整する入口側封止弁と、前記酸化剤オフガス排出流路の流量を調整する出口側封止弁と、前記バイパス流路の流量を調整するバイパス弁と、前記入口側封止弁、前記出口側封止弁及び前記バイパス弁の開度を調整する制御装置と、を備え、前記制御装置は、当該燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスの前記バイパス流路の流量が、前記酸化剤ガス供給流路及び前記酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整する。
この発明によれば、燃料電池システムの起動時に、酸化剤ガスのバイパス流路の流量が、前記酸化剤ガス供給流路及び前記酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整しているので、燃料電池システムの起動時に燃料電池スタックのカソード側に残留している燃料ガスの濃度を希釈しながら短時間に外部に排出することができる。
図1は、この発明の実施形態に係る燃料電池システムが組み込まれた燃料電池自動車の概略構成図である。 図2は、燃料電池システムの動作説明に供されるフローチャートである。 図3は、起動時に燃料電池スタックのカソード側に残留する燃料ガスの濃度希釈排出時の流量比説明図である。 図4は、図2のフローチャートにより説明した動作の一例を示す起動時全体についてのタイミングチャートである。 図5は、図4中、カソード側残留水素希釈排出期間及びアノード側残留ガス置換期間の排気水素濃度等の遷移状態を示すタイミングチャートである。 図6は、変形例の燃料電池システムの動作説明に供されるフローチャートである。
[実施形態]
[構成]
図1は、この発明の実施形態に係る燃料電池システム10が組み込まれた燃料電池自動車12の概略構成図である。
燃料電池システム10は、燃料電池自動車12以外の船舶、航空機、ロボット等の他の移動体にも組み込み可能である。
燃料電池自動車12は、該燃料電池自動車12全体を制御する制御装置15と、前記燃料電池システム10と、該燃料電池システム10に電気的に接続される出力部16とから構成される。
制御装置15は、一つではなく、例えば、燃料電池システム10用と出力部16用等、二つ以上の制御装置に分けてもよい。
燃料電池システム10は、燃料電池スタック(単に、燃料電池ともいう)18と、水素タンク(燃料ガスタンク)20と、酸化剤ガス供給装置22と、燃料ガス供給装置24と、冷媒供給装置26とから構成される。
酸化剤ガス供給装置22には、コンプレッサ(CP)28及び加湿器(HUM)30が含まれる。
燃料ガス供給装置24には、インジェクタ(INJ)32、エジェクタ34及び気液分離器36が含まれる。インジェクタ32は、減圧弁に代替してもよい。
冷媒供給装置26には、冷媒ポンプ(WP)38及びラジエータ39が含まれる。
出力部16には、電圧変換部42、蓄電部43及びモータ(電動機)46が含まれる。
電圧変換部42には、インバータ45と、昇圧コンバータであるDC-DCコンバータ(SUC)40と、昇降圧コンバータであるDC-DCコンバータ(SUDC)41が含まれる。
蓄電部43には、高電圧の蓄電装置(バッテリ、HV BAT)44、降圧コンバータであるDC-DCコンバータ(SDC)47、及び低電圧の蓄電装置(低圧バッテリ、LV BAT)48が含まれる。
燃料電池スタック18に接続された電圧変換部42及び高電圧の蓄電装置44を備える蓄電部43の負荷には、主機であるモータ46と、高電圧の蓄電装置44から電力が供給される高電圧補機であるコンプレッサ28と、該コンプレッサ28を除き、低電圧の蓄電装置48から電力が供給される低電圧補機(例えば、エアコンディショナ及びそれぞれ後述する、各種センサ、各種電磁弁、インジェクタ32及び冷媒ポンプ38等)が含まれる。
DC-DCコンバータ40は、直流電圧の発電電圧Vfcを昇圧変換し、インバータ45の直流端及びDC-DCコンバータ41に駆動用の高電圧を印加する。
DC-DCコンバータ41は、前記駆動用の高電圧を、高電圧の蓄電装置44のバッテリ電圧Vbhに降圧変換し、高電圧の蓄電装置44を充電する。
DC-DCコンバータ47は、高電圧のバッテリ電圧Vbhを低電圧のバッテリ電圧Vblに降圧し、低電圧の蓄電装置48を充電する。
インバータ45の直流端には、DC-DCコンバータ41によりバッテリ電圧Vbhが昇圧変換された高電圧及び/又はDC-DCコンバータ40により発電電圧Vfcが昇圧変換された高電圧が印加される。
インバータ45は、直流の前記高電圧を3相交流に変換してモータ46を駆動する。インバータ45は、モータ46の回生電圧を直流の高電圧に変換する。この直流の高電圧は、DC-DCコンバータ41により低圧変換され、高電圧の蓄電装置44に印加されて該高電圧の蓄電装置44を充電する。
燃料電池自動車12は、モータ46が発生する駆動力により走行する。
燃料電池スタック18は、複数の発電セル50が積層される。発電セル50は、電解質膜・電極構造体52と、該電解質膜・電極構造体52を挟持するセパレータ53、54とを備える。
電解質膜・電極構造体52は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜55と、前記固体高分子電解質膜55を挟持するカソード電極56及びアノード電極57とを備える。
カソード電極56及びアノード電極57は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)を有する。ガス拡散層の表面に、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が一様に塗布されることにより、電極触媒層(図示せず)が形成される。電極触媒層は、固体高分子電解質膜55の両面に形成される。
一方のセパレータ53の電解質膜・電極構造体52に向かう面には酸化剤ガス入口連通口101と酸化剤ガス出口連通口102とを連通するカソード流路(酸化剤ガス流路)58が形成される。
他方のセパレータ54の電解質膜・電極構造体52に向かう面には、燃料ガス入口連通口103と燃料ガス出口連通口104とを連通するアノード流路(燃料ガス流路)59が形成される。
アノード電極57では、燃料ガス(水素)が供給されることにより、触媒による電極反応によって水素分子から水素イオンを生じ、該水素イオンが固体高分子電解質膜55を透過してカソード電極56に移動する一方、水素分子から電子が解放される。
水素分子から解放された電子は、負極端子106から電圧変換部42を介してモータ46等の負荷を通じ、正極端子108を介してカソード電極56に移動する。
カソード電極56では、触媒の作用によって前記水素イオン及び前記電子と、供給された酸化剤ガスに含まれる酸素とが反応して水が生成される。
正極端子108及び負極端子106とDC-DCコンバータ40を接続する配線の間には、発電電圧Vfcを検出する電圧センサ110が設けられる。さらに、正極端子108とDC-DCコンバータ40を接続する配線には、発電電流Ifcを検出する電流センサ112が設けられる。
電圧センサ110と電流センサ112により、発電状態として発電電力を検出する発電状態取得部115が形成される。
発電状態取得部115は、電流センサ112のみにより形成してもよい。
コンプレッサ28は、高電圧の蓄電装置44のバッテリ電圧Vbhが印加されるコンプレッサ用インバータ(不図示)及び該コンプレッサ用インバータの3相交流出力により制御されるコンプレッサ用モータ(不図示)により駆動される機械式の過給器等で構成される。
コンプレッサ28は、外気取入口113から外気(大気、空気)を吸引して加圧し、加湿器30を通じて燃料電池スタック18に供給する等の機能を有する。
加湿器30は、流路31Aと流路31Bとを有する。流路31Aには、コンプレッサ28により圧縮され高温化されて乾燥した空気(酸化剤ガス)が流通する。流路31Bには、燃料電池スタック18の酸化剤ガス出口連通口102から酸化剤オフガス出口92を介して排出される排出ガスが流通する。
ここで、前記排出ガスは、後述するブリード弁70の閉弁時には、湿潤な酸化剤オフガス(湿潤な酸化剤排ガス)とされ、ブリード弁70の開弁時には、前記湿潤な酸化剤オフガスと燃料オフガスが混合された湿潤な排出ガスとされる。
加湿器30は、コンプレッサ28から供給された酸化剤ガスを加湿する機能を有する。すなわち、加湿器30は、前記排出ガス(オフガス)中に含まれる水分を、流路31Bから内部の多孔質膜を介して流路31Aに流通する供給ガス(酸化剤ガス)に移動させて加湿し、加湿した酸化剤ガスを、酸化剤ガス入口91を通じて燃料電池スタック18に供給する。
外気取入口113から酸化剤ガス入口91までの酸化剤ガス供給流路62(酸化剤ガス供給流路62A、62Bを含む)には、外気取入口113から順にエアフローセンサ(AFS:流量センサ)116、コンプレッサ28、入口側封止弁118及び加湿器30が設けられている。なお、二重線で描いている酸化剤ガス供給流路62等の流路は、配管により形成されている(以下、同様)。入口側封止弁118は、酸化剤ガス供給流路62を開閉する。
酸化剤オフガス出口92に連通する酸化剤オフガス排出流路63には、酸化剤オフガス出口92から順に加湿器30及び背圧弁としても機能する出口側封止弁120が設けられている。
入口側封止弁118の吸入口と出口側封止弁120の吐出口との間には、酸化剤ガス供給流路62と酸化剤オフガス排出流路63を連通するバイパス流路66が設けられている。バイパス流路66には、バイパス流路66を開閉するバイパス弁122が設けられている。
バイパス弁122は、燃料電池スタック18をバイパスする酸化剤ガスの流量を調整する。
バイパス流路66と酸化剤オフガス排出流路63との合流路は、排出流路64に連通している。
水素タンク20は、電磁作動式の水素遮断弁21を備え、高純度の水素を高い圧力で圧縮して収容する容器である。
水素タンク20から吐出される燃料ガス(水素)は、燃料ガス供給流路72に設けられたインジェクタ32及びエジェクタ34を通じ、燃料電池スタック18の燃料ガス入口93及び燃料ガス入口連通口103を介してアノード流路59の入口に供給される。
この場合、燃料ガス供給流路72には、該燃料ガス供給流路72内の燃料ガスのガス圧力(アノード圧力)Paを検出(測定)する圧力センサ73が設けられる。
アノード流路59の出口は、燃料ガス出口連通口104、燃料オフガス出口94及び燃料ガスの燃料オフガス排出流路74を通じて気液分離器36の入口151に連通され、該気液分離器36にアノード流路59から水素含有ガスである前記燃料オフガスが供給される。
また、燃料電池スタック18を収容するケースの下端部(底部)には、燃料ガス出口連通口104に連通するケース側排出流路であるケース下端側排出流路172が設けられている。ケース下端側排出流路172は、ケース下端側開閉弁であるケース側ドレイン弁(排出弁)174を通じて排出流路99に連通している。
ケース側ドレイン弁174が開弁されると、前記ケース内の底部に溜まった液水がケース下端側排出流路172に排出される。液水の排出が完了した後にも、ケース側ドレイン弁174が開弁状態にされていると、後述するドレイン弁(排出弁)164と同様に、燃料オフガスが排出される。
実際上、アノード流路59には、燃料電池スタック18の発電により生成された水の一部が、カソード流路58から電解質膜・電極構造体52を逆拡散(透過)して移動してくる。
この逆拡散水をケース下端側排出流路172、燃料オフガス排出流路74あるいは循環流路77から適切に排水できない場合、燃料電池スタック18のアノード電極57に水が浸入してアノード流路(燃料ガス流路)59を塞いでしまい、燃料電池スタック18の発電安定性の悪化を引き起こす。
この不都合を防止するために、水を一時的に貯留する気液分離器36は、前記燃料オフガスを気体成分と液体成分(液水)とに分離する。
燃料オフガスの気体成分(燃料オフガス)は、気液分離器36の気体排出口152から排出され、循環流路77を通じてエジェクタ34の吸込口に供給される一方、ブリード弁70が開弁されたときに、燃料オフガスは、接続流路(連絡流路)78、ブリード弁70を介し、酸化剤ガス供給流路62Bにも供給される。
逆拡散水からなる、燃料オフガスの液体成分(液水)は、気液分離器36の液体排出口160からドレイン弁164が設けられたドレイン流路162を通じ、排出流路64から排出される排出ガスと混合され排出流路99及び排ガス排気口168を通じて外気に排出される。
ドレイン流路162には、前記液水と共に、一部の燃料オフガス(水素含有ガス)が排出される。また、ドレイン流路162には、前記液水の排出完了後には、燃料オフガス(水素含有ガス)のみが排出されることになる。
燃料オフガス中の水素ガスを希釈して外部に排出するために、コンプレッサ28から吐出した酸化剤ガスの一部がバイパス流路66を通じて、排出流路64に供給されている。
ドレイン流路162から水が抜けた後も、ドレイン弁164を開け続けた場合、水素を無駄に捨ててしまうことになるため、気液分離器36から水が排水された後は、ドレイン弁164を適切に閉弁する必要がある。
なお、ドレイン弁164は、燃料電池自動車12のソーク時(電源スイッチ71がオフ状態の期間)等にカソード流路58から電解質膜・電極構造体52を透過してきた窒素を排出するために起動時に開かれる。
起動時にアノード側に残留する窒素等のガスを外部に排出して燃料ガスに入れ替える処理を、アノード側残留ガス置換処理という。
なお、燃料電池自動車12のソーク時(電源スイッチ71がオフ状態の期間)等にアノード流路59から電解質膜・電極構造体52を透過してきた燃料ガスを、起動時に外部に希釈して排出する処理を、カソード側残留水素希釈排出処理という。
燃料オフガスの循環流路77と酸化剤ガス供給流路62Bを連通する接続流路78に設けられたブリード弁70は、燃料電池自動車12の走行中に、カソード流路58に存在する窒素が電解質膜・電極構造体52を透過してアノード流路59内の水素濃度を低下させることを原因とするアノード電極57の劣化を防止するために開弁される。
ブリード弁70が開弁されると、燃料電池スタック18から燃料オフガス排出流路74を通じ、気液分離器36を介して吐出される燃料オフガスを、接続流路78、酸化剤ガス供給流路62B、酸化剤ガス入口91及び酸化剤ガス入口連通口101を介してカソード流路58に流通させる。
カソード流路58に流通された燃料オフガス中の燃料ガスは、カソード電極56での触媒反応により水素イオン化され、該水素イオンは酸化剤ガスと反応して水が生成される。
反応しなかった残部の燃料オフガス(窒素ガスと未反応の僅かな水素ガスとからなる)は、燃料電池スタック18から酸化剤オフガスとして排出され、酸化剤オフガス排出流路63に流通する。
酸化剤オフガス排出流路63に流通する酸化剤オフガス(前記反応しなかった残部の燃料オフガスを含む)に酸化剤ガスのバイパス流路66を通じて供給された酸化剤ガスが混合されて、酸化剤オフガス中の燃料オフガス(燃料ガスを含む)の濃度が希釈された酸化剤オフガスが、排出流路64に流通する。
排出流路64は、ドレイン流路162及びケース下端側排出流路172に連通し、合流して排出流路99に連通する。
排出流路99では、排出流路64からの酸化剤オフガスにより、ケース下端側排出流路172及びドレイン流路162から吐出される液水と燃料オフガスの混合流体中の燃料ガスが希釈され、排ガス排気口168を通じて燃料電池自動車12の外部(大気)に排出される。
燃料電池システム10の冷媒供給装置26は、冷媒(クーラント:cla)を流通させる冷媒流路138を有する。冷媒流路138は、冷媒供給流路140と冷媒排出流路142とを有する。冷媒供給流路140は燃料電池スタック18に冷媒を供給し、冷媒排出流路142は燃料電池スタック18から冷媒を排出する。冷媒供給流路140及び冷媒排出流路142には、ラジエータ39が接続される。
ラジエータ39は冷媒を冷却する。冷媒供給流路140には、冷媒ポンプ38が設けられる。冷媒ポンプ38は、冷媒の循環回路内で冷媒を循環させる。冷媒の循環回路には、冷媒供給流路140、燃料電池スタック18の内部冷媒流路、冷媒排出流路142及びラジエータ39が含まれる。冷媒排出流路142に温度センサ76が設けられる。該温度センサ76により検出される冷却媒体の温度(冷媒出口温度)Tsは、燃料電池スタック18の(内部)温度であるものとして検出(測定)される。
以上の燃料電池システム10の各構成要素は、制御装置15によって統括制御される。
なお、入口側封止弁118、出口側封止弁120、ブリード弁70、ドレイン弁164及びケース側ドレイン弁174は、制御装置15により開度が制御される流量調整弁であるが、電磁制御式の開閉弁を用いデューティ制御してもよい。
制御装置15は、ECU(Electronic Control Unit)により構成される。ECUは、1以上のプロセッサ(CPU)、メモリ、入出力インタフェース及び電子回路を有するコンピュータにより構成される。1以上のプロセッサ(CPU)は、メモリに記憶された図示しないプログラムを実行する。
制御装置15のプロセッサ(CPU)は、前記プログラムに従って演算を実行することで、燃料電池自動車12及び燃料電池システム10の運転制御を行う。
制御装置15には、燃料電池自動車12の電源スイッチ(電源SW)71が接続されている。電源スイッチ71は、燃料電池システム10の燃料電池スタック18の発電運転を開始乃至継続(ON)させるか終了(OFF)させる。制御装置15には、また、それぞれ図示しないアクセル開度センサ、車速センサ、蓄電装置44のSOCセンサが接続される。
[動作]
この実施形態に係る燃料電池システム10は、基本的には以上のように構成される。以下、図2のフローチャートを参照しながら、燃料電池システム10の動作について説明する。
図2のフローチャートによる処理は、電源スイッチ71がON状態とされた燃料電池システム10の起動時の制御装置15による処理を示している。
ステップS1にて、制御装置15は、電源スイッチ71がON状態にあるかOFF状態にあるかを確認し、OFF状態からON状態に遷移したとき、処理をステップS2に進める。
なお、電源スイッチ71がOFF状態である燃料電池自動車12のソーク状態では、全ての弁が閉弁状態にされている。電源スイッチ71がOFF状態からON状態に遷移すると、以下に説明するように、所定条件下、所定の手順で開閉される。
ステップS2にて、制御装置15は、補機に電圧を印加して、処理をステップS3に進める。すなわち、コンプレッサ28に高電圧の蓄電装置44から高電圧のバッテリ電圧Vbhを印加すると共に、冷媒ポンプ38、インジェクタ32及び電圧変換部42等に低電圧の蓄電装置48から低電圧のバッテリ電圧Vblを印加する。
ステップS3にて、制御装置15は、DC-DCコンバータ41及びDC-DCコンバータ40の接続点を所定目標電圧に設定する。
この設定(接続)中に、バイパス弁122の全閉位置及び全開位置間の開度(印加電圧開度特性)を学習し、電圧変換部42の設定(接続)が確定したとき、処理をステップS4に進める。
ステップS4にて、制御装置15は、バイパス弁122を所定開度に開弁する。ここでは、所定開度を全開にして、処理をステップS5に進める。
ステップS5にて、制御装置15は、コンプレッサ28の目標回転数Ntar[rpm]を設定して起動すると共に、冷媒ポンプ38の目標回転数を設定して起動し、処理をステップS6に進める。
ステップS6にて、制御装置15は、コンプレッサ28が目標回転数Ntar未満の閾値回転数Nth(コンプレッサ28のインペラが浮上して起動が確定する回転数)まで回転数Nが上昇したか否かを判定する。
実際上、ステップS6にて、制御装置15は、コンプレッサ28が閾値回転数Nthまで回転したか否かを、流量センサ116により検出されている酸化剤ガス流量[m3/sec又はkg/sec]が閾値流量Fth以上になったか否かにより判定し、閾値流量Fth以上になった(ステップS6:YES)とき、処理をステップS7に進める。
ステップS7にて、制御装置15は、水素遮断弁21を開弁し、圧力センサ73により検出されるアノード圧力Paの閾値圧力Pthを設定して、インジェクタ32を駆動し、燃料電池スタック18への燃料ガスの供給を開始させる。このとき、制御装置15は、燃料電池スタック18の目標発電電圧(アイドリング時目標発電電圧)Vfctarを設定する。
ステップS8にて、制御装置15は、アノード圧力Paが閾値圧力Pth以上になったか否かを判定し、閾値圧力Pth以上となったときに、処理をステップS9に進める。
ステップS8の判定が肯定的となったとき、制御装置15は、カソード流路58及びカソード流路58の酸化剤ガス入口91に連通する閉弁中の入口側封止弁118までの酸化剤ガス供給流路62B、閉弁中のブリード弁70までの接続流路78、並びにカソード流路58の酸化剤オフガス出口92に連通する閉弁中の出口側封止弁120までの酸化剤オフガス排出流路63内に残留する燃料ガスの希釈排出処理(前記カソード側残留水素希釈排出処理)の準備が整ったものとみなす。
ステップS9にて、制御装置15は、入口側封止弁118の弁開度を閉から全開に開弁し、出口側封止弁120の弁開度を、バイパス弁122の弁開度の1/n(nは、n>1)に設定し、処理をステップS10に進める。
入口側封止弁118が全開状態であれば、入口側封止弁118を通過する酸化剤ガスの流量は、背圧制御弁である出口側封止弁120の流量(開度)に依存する。
除数nは、燃料電池スタック18のカソード側残留水素の濃度D[%]に応じて決める。なお、燃料ガス(水素)は、燃料電池自動車12の電源スイッチ71がオフ状態のソーク中にソーク時間に応じてアノード流路59から電解質膜・電極構造体52を透過してくる燃料ガスの量により決定されるので、予め測定され制御装置15の記憶装置に記録されている。
図3は、起動時に燃料電池スタック18のカソード側に残留する燃料ガス(水素)の濃度希釈排出時の流量比説明図である。この場合、例えば、n=9とすると、コンプレッサ28から供給される酸化剤ガスの流量を仮に10割(全量10)としたとき、バイパス弁122に9割分の流量の酸化剤ガスが流れ、カソード流路58に残りの1割分の流量の酸化剤ガスが流れる。
従って、排出流路64に排出される濃度Dの燃料ガスを含む酸化剤オフガスの濃度(排気水素濃度)Dは、D÷(n+1)=D÷10[%]に希釈される。
ステップS9にて燃料電池スタック18のカソード側残留水素希釈排出処理が開始される。なお、ステップS9では、燃料電池スタック18の発電が開始される。
ステップS10にて、制御装置15は、ステップS9でカソード流路58内に酸化剤ガスを投入開始したときからの酸化剤ガスの投入量[m3]が、希釈制御が完了したとみなす閾値投入量Mth[m3]になったか否かを判定する。なお、投入量の単位は、体積ではなく質量としてもよい。
投入量[m3]は、入口側封止弁118及び出口側封止弁120を開弁した時点t6以降の流量センサ116で計測される酸化剤ガス流量[m3/sec]の時間積分値として算出することができる。
ステップS10にて、制御装置15は、酸化剤ガスの投入量が閾値投入量Mthとなって希釈制御完了の判定が肯定的(ステップS10:YES)になったときに、バイパス弁122の開度を全開から所定開度に設定し、処理をステップS11に進める。
ステップS11にて、制御装置15は、アノード流路59に残留する窒素等を燃料ガスに置換するために、ケース側ドレイン弁174及びドレイン弁164を開弁する。なお、ケース側ドレイン弁174及びドレイン弁164を開弁してドレイン弁164から燃料ガスの排出が開始されると、アノード圧力Paが低下する。アノード圧力Paが低下して所定圧力となったときに、アノード流路59が燃料ガスに置換された判定することができる。すなわち、アノード側残留ガス置換処理が完了したと判定する。
次いで、処理をステップS12に進め、ステップS12にて、制御装置15は、発電電圧Vfcが目標発電電圧Vfctarとなったときに、燃料電池システム10の起動を完了する。
以降、制御装置15は、モータ46を含む負荷の燃料電池スタック18への要求発電電力、例えば、モータ46を制御するアクセル開度等に基づき要求発電電力を算出する。そして、制御装置15は、燃料電池スタック18の発電電力が、前記要求発電電力になるように、コンプレッサ28を含む酸化剤ガス供給装置22及びインジェクタ32を含む燃料ガス供給装置24をフィードバック制御する。
このようにして、起動時に、燃料電池スタック18のカソード側に残留している燃料ガス(水素)を所定濃度以下に希釈しながら短時間で外部に排出することができる。
[タイミングチャートによる説明]
図2のフローチャートにより説明した動作の一例を図4(全体)のタイミングチャート及び図5(一部の詳細)のタイミングチャートを参照して説明する。
図4の時点t1にて、電源スイッチ71がOFF状態からON状態にされると、補機に電源電圧を印加する。
時点t1~時点t4の間で電圧変換部42の接続が完了されるが、その間の時点t2~時点t3の間でバイパス弁122の開度学習がなされる。
時点t4にて、コンプレッサ28の回転数Nが目標回転数Ntarに向かって起動されると共に、冷媒ポンプ38が目標回転数に向かって起動される。
なお、図4のタイミングチャート中、例えば、コンプレッサ28のタイミングチャートにおいて、実線は指令値(目標回転数Ntar等)、傾斜している破線は、実際の作動(インペラを回転させるコンプレッサ用モータの実回転数)を示している。
時点t5にて、流量センサ116により計測されている酸化剤ガス流量が閾値流量Fthに到達してコンプレッサ28の起動(インペラの浮上)が確定すると、水素遮断弁21が開弁される。同時に、インジェクタ32が作動状態(ON状態)とされ、燃料電池スタック18に燃料ガスが供給され、アノード流路59に燃料ガスが流通を開始する。
なお、インジェクタ32は、作動状態(ON状態)において、パルス幅変調制御され、ONデューティ{噴射時間/(噴射時間+非噴射時間)、ここで(噴射時間+非噴射時間)は、一定時間である}が制御される。
時点t6にて、アノード圧力Paが、閾値圧力Pthを上回ったときに、カソード流路58等のガス置換処理であるカソード側残留水素希釈排出処理を開始する。
このため、時点t6にて、入口側封止弁118の開度が1/n~全開(ここではn=1の全開)に設定され、出口側封止弁120の開度が1/n(ここでは、1/9)に設定される(上記した図3参照)。
この状態で、カソード流路58内に酸化剤ガスを投入開始したときからの酸化剤ガスの投入量が、希釈制御が完了したとみなす閾値投入量Mthに到達するまで希釈制御を継続する。この実施形態では、制御装置15は、予め測定しておいた閾値投入量Mthになるまでの投入時間を規定時間Tstとし、入口側封止弁118を閉状態から全開状態に設定した時点t6から規定時間Tstを経過したときの時点t7にて、閾値投入量Mthの投入が完了したと制御している。
時点t7にて、バイパス弁122が全開から所定開度にされる。
この時点t7では、燃料電池スタック18にて発電が継続され、発電電圧Vfcが、目標発電電圧Vfctarに向かって上昇している。
規定時間Tstの経過時点t7でドレイン弁164が開弁される。ドレイン弁164が開放状態で予め定めた所定時間を経過すると、アノード流路59に残留していた窒素が外部に排出され燃料ガスにガス置換される。
発電電圧Vfcが目標発電電圧Vfctarまで上昇した時点t8にて、アノード側残留ガス置換処理が完了する。
時点t9以降、制御装置15は、負荷の要求発電電力を満たすための燃料電池スタック18の通常の発電制御を開始する。
図5は、図4の時点t6~時点t8間の拡大タイミングチャートであり、最下段に、排気水素濃度[%]の時間遷移波形を示している。
バイパス弁122が全開状態で、入口側封止弁118が全開状態に開弁され、出口側封止弁120が、所定開度に開弁された時点t6からカソード流路58内の残留水素の希釈が開始される。すなわち、入口側封止弁118が全開状態で出口側封止弁120が開くことでカソード流路58及びこれに連通している流路内の残留水素の希釈しながらの外部への排出が行われる。
排気水素濃度は、時点t6直後に急激に上昇した後、1/nに希釈された略一定濃度の状態が一定時間経過すると、以降、徐々に減少する。
時点t7にて、カソード側残留水素希釈排出処理が完了すると、バイパス弁122は所定開度とされ、出口側封止弁120が全開状態とされる。
これにより発電電圧Vfcの上昇が継続する。
一方、時点t7では、ドレイン弁164が開弁されるため、アノード流路59に残留している窒素が排出開始され、時点t8にて、アノード側残留ガス置換処理(アノードガス置換処理)が完了する。
[変形例]
上記実施形態は、以下のような変形も可能である。
燃料電池システム10の起動時間を短くするために、カソード流路58内の残留水素が完全に排出される前に、アノード側残留ガス置換処理に移行してもよい。この変形例において、燃料電池システム10及び燃料電池自動車12のハードウエアの構成は、図1に示した実施形態と同一の構成である。
図6は、変形例の燃料電池システム10の動作説明に供されるフローチャートである。
図6において、図2と同一の処理については、同一のステップ番号を付け、異なる部分だけを説明する。
ステップS1~ステップS4までの処理は、図2と同一の処理内容である。
ステップS5にて、制御装置15は、コンプレッサ28の目標回転数Ntarを設定して起動すると共に、冷媒ポンプ38の目標回転数を設定して起動した後、処理をステップS6に進める前に、ステップS9の処理を先に行う。
すなわち、コンプレッサ28が目標回転数Ntarになる前に、コンプレッサ28を起動すると同時(図4の時点t4)に、ステップS9にて、制御装置15は、入口側封止弁118を全開に開弁し、出口側封止弁120の弁開度を、バイパス弁122の弁開度の1/nに設定し、処理をステップS6に進める。
ステップS6にて、制御装置15は、流量センサ116により検出されている酸化剤ガス流量[m3/sec又はkg/sec]が閾値流量Fth以上になったか否かにより判定し、閾値流量Fth以上になった(ステップS6:YES)とき、処理をステップS7に進める。
以降、ステップS7、ステップS8の処理を行った後、処理をステップS10に進める。
ステップS10にて、制御装置15は、ステップS9でカソード流路58内に酸化剤ガスを投入開始したときからの酸化剤ガスの投入量[m3]が、希釈制御が完了したとみなす閾値投入量Mth[m3]になったか否かを判定する。
この変形例では、図4のタイミングチャートを参照して説明すると、入口側封止弁118及び出口側封止弁120の開弁時点が時点t6から時点t4に変更されているので、コンプレッサ28が立ち上がった時点(時点t5の少し前の時点)から右上がり破線で示す時点t6までの期間の投入流量を早めに稼げるのでカソード側残留水素希釈排出処理の完了判定時点t7を実施形態よりも早い時点に設定することができる。
従って、制御装置15は、ステップS11以降の処理を早く開始することができ、結果として燃料電池システム10の起動時間を短縮することができる。
[実施形態及び変形例から把握し得る発明]
ここで、上記実施形態及び変形例から把握し得る発明について、以下に記載する。なお、理解の便宜のために構成要素の一部には、上記実施形態及び変形例で用いた符号を付けているが、該構成要素は、その符号を付けたものに限定されない。
(1)この発明に係る燃料電池システム10は、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタック18と、該燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給流路62を通じて供給する酸化剤ガス供給装置22と、前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する酸化剤オフガス排出流路63と、前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続するバイパス流路66と、前記酸化剤ガス供給流路の流量を調整する入口側封止弁118と、前記酸化剤オフガス排出流路の流量を調整する出口側封止弁120と、前記バイパス流路の流量を調整するバイパス弁122と、前記入口側封止弁、前記出口側封止弁及び前記バイパス弁の開度を調整する制御装置15と、を備え、前記制御装置は、当該燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスの前記バイパス流路の流量が、前記酸化剤ガス供給流路及び前記酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整する。
この構成により、燃料電池システムの起動時に、酸化剤ガスのバイパス流路の流量が、前記酸化剤ガス供給流路及び前記酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整しているので、燃料電池システムの起動時に燃料電池スタックのカソード側に残留している燃料ガスの濃度を希釈しながら短時間に外部に排出することができる。
(2)また、燃料電池システムにおいては、前記制御装置は、前記起動時において、前記バイパス弁及び前記入口側封止弁の開度を所定開度とし、前記出口側封止弁の開度を全閉状態から所定開度状態になるように開方向に調整するようにしてもよい。
これにより、3つの弁の簡易な開度制御で、バイパス流路の流量が、酸化剤ガス供給流路及び酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように調整することができるので効率的である。
(3)さらに、燃料電池システムにおいては、前記制御装置は、前記バイパス弁及び前記入口側封止弁の開度を全開開度に調整するようにしてもよい。
これにより、3つの弁のより簡易な開度制御で、バイパス流路の流量が、酸化剤ガス供給流路及び酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように調整することができる。
すなわち、弁開度の全閉、全開を除く所定開度への調整は、出口側封止弁のみ行えばよいので、より効率的である。また、水素を希釈するバイパス弁の流量を大きくできるので、所定の排出濃度を守りながらの水素排気時間を短い時間とすることができる。
(4)さらにまた、燃料電池システムにおいては、前記燃料ガスを前記燃料電池スタックに燃料ガス供給流路72を通じて供給する燃料ガス供給装置24と、前記発電に供された燃料オフガスを前記燃料電池スタックから排出する燃料オフガス排出流路74と、前記燃料ガス供給流路又は前記燃料オフガス排出流路に設けられ、前記燃料ガス供給流路、前記燃料オフガス排出流路及び前記燃料電池スタック内のアノード流路59に残留するガスを排出する排出弁174と、をさらに備え、前記制御装置は、当該燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から前記酸化剤ガスの供給を開始した後、前記燃料ガス供給装置から前記燃料ガスの供給を開始し、その後、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整し、その状態で、前記酸化剤ガスの前記供給の開始後の酸化剤ガスの投入量又は供給時間が閾値以上となったとき、前記排出弁を開弁するようにしてもよい。
これによれば、燃料電池システムの起動時に、燃料電池スタックのカソード側に残留している燃料ガスの濃度を希釈しながら外部に排出した後に、前記燃料電池スタック内のアノード流路に残留するガスを排出する排出弁を開弁しているので、燃料電池スタックのアノード側に残留している窒素ガスを燃料ガスに円滑に置換することができる。
(5)さらにまた、燃料電池システムにおいては、前記制御装置は、前記起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から供給される酸化剤ガスの流量が目標流量となる前に、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整するようにしてもよい。
この発明では、起動時に、酸化剤ガス供給装置から供給される酸化剤ガスの流量が目標流量となる前に、予め、燃料電池スタックのカソード側に残留する燃料ガスの濃度希釈に適した開度に、バイパス弁、入口側封止弁及び出口側封止弁を調整している。これにより、起動時に、燃料電池スタックのカソード側に残留している燃料ガスの濃度の希釈時間をより短い時間にすることができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
10…燃料電池システム 12…燃料電池自動車
15…制御装置 18…燃料電池スタック
22…酸化剤ガス供給装置 24…燃料ガス供給装置
28…コンプレッサ 32…インジェクタ
62…酸化剤ガス供給流路 63…酸化剤オフガス排出流路
66…バイパス流路 74…燃料オフガス排出流路
118…入口側封止弁 120…出口側封止弁
122…バイパス弁 164…ドレイン弁(排出弁)

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、
    該燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給流路を通じて供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する酸化剤オフガス排出流路と、
    前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続するバイパス流路と、
    前記酸化剤ガス供給流路の流量を調整する入口側封止弁と、
    前記酸化剤オフガス排出流路の流量を調整する出口側封止弁と、
    前記バイパス流路の流量を調整するバイパス弁と、
    前記入口側封止弁、前記出口側封止弁及び前記バイパス弁の開度を調整する制御装置と、を備える燃料電池システムであって
    前記制御装置は、
    当該燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスの前記バイパス流路の流量が、前記酸化剤ガス供給流路及び前記酸化剤オフガス排出流路の流量よりも大きくなるように、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整する
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記起動時において、前記バイパス弁及び前記入口側封止弁の開度を所定開度とし、前記出口側封止弁の開度を全閉状態から所定開度状態になるように開方向に調整する
    燃料電池システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記バイパス弁及び前記入口側封止弁の開度を全開開度に調整する
    燃料電池システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料ガスを前記燃料電池スタックに燃料ガス供給流路を通じて供給する燃料ガス供給装置と、
    前記発電に供された燃料オフガスを前記燃料電池スタックから排出する燃料オフガス排出流路と、
    前記燃料ガス供給流路又は前記燃料オフガス排出流路に設けられ、前記燃料ガス供給流路、前記燃料オフガス排出流路及び前記燃料電池スタック内のアノード流路に残留するガスを排出する排出弁と、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    当該燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から前記酸化剤ガスの供給を開始した後、前記燃料ガス供給装置から前記燃料ガスの供給を開始し、その後、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整し、その状態で、前記酸化剤ガスの前記供給の開始後の前記酸化剤ガスの投入量又は供給時間が閾値以上となったとき、前記排出弁を開弁する
    燃料電池システム。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記起動時に、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスの流量が目標流量となる前に、前記バイパス弁、前記入口側封止弁及び前記出口側封止弁の開度を調整する
    燃料電池システム。
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