JP6547730B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池システムにおいて、高濃度の水素が大気中(外部)に排気されることを防ぐために、カソードガス供給流路に接続され、燃料電池を迂回したバイパス流路を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1)。従来の技術では、バイパス流路を流れるカソードガスによって排気される水素を希釈している。また、従来の技術では、バイパス流路へのカソードガスの供給、および、カソードガス供給流路からの燃料電池へのカソードガスの供給は、バルブによって調整される。また、従来の技術では、燃料電池に供給されたアノードガスを排出するためのアノードガス排出流路と、アノードガス排出流路に設けられた排気弁とを備えている。燃料電池から排出されたアノードガスは、排気弁が閉状態に設定されることで、アノードガス供給流路へと循環して燃料電池に供給され、必要に応じて排出バルブが開状態に設定されることで、アノードガス排出流路を通って大気中に排出される。
特開2004−172027号公報
従来、燃料電池システムにおいて、燃料電池を急速に昇温させるための急速暖機運転が行われる場合がある。急速暖機運転では、急速暖機運転によって要求されるカソードガス流量と同程度のカソードガス流量が燃料電池に向けて供給される。また、急速暖機運転では、燃料電池にアノードガスが供給されている。
ここで、排気弁の凍結や故障などによって、排気弁を閉状態にする指令が制御部から送信されているにも拘わらず、排気弁が開状態を維持する状態(開固着状態)となる場合がある。開固着状態の場合、燃料電池から排出されたアノードガスは、アノードガス排出流路を通って大気中に排出される。よって、バイパス流路を流れるカソードガスの流量(バイパス流量)を増大させて、大気中に排出されるアノードガスを希釈する必要がある。急速暖機運転時においては、燃料電池に供給するカソードガス流量(燃料電池側カソードガス流量)は、急速暖機運転の要求によって定まる流量(要求供給流量)であるため、バイパス流路を流れるカソードガスの流量を増大させるには、バイパス流路に分岐する前のカソードガスの流量(総カソードガス流量)を、コンプレッサによって増大させる必要がある。この場合において、総カソードガス流量は増大するが、燃料電池に供給するカソードガスの流量(燃料電池側カソードガス流量)は要求供給流量であるため、総カソード流量に対する燃料電池側カソード流量の割合(分流割合)を精度良く制御することが求められる。
急速暖機運転中において、要求供給流量に対して燃料電池側カソードガス流量が変動した場合、燃料電池の発電量が変動して、燃料電池システムの性能が低下する場合がある。例えば、燃料電池システムを搭載する車両において、搭乗者が車両の乗り心地に違和感を抱く可能性がある。よって、燃料電池の急速暖機運転中であり、かつ、排気弁が開固着した場合において、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる技術が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池にカソードガスを供給するカソードガス供給路と、前記燃料電池から前記カソードガスを排出するカソードガス排出路と、前記カソードガス排出路に設けられ、前記燃料電池のカソード側の背圧を調整するための調圧弁と、前記カソードガス供給路に設けられたコンプレッサと、前記コンプレッサから吐出された前記カソードガスの一部を、前記燃料電池を迂回させて前記カソードガス排出路に排出するバイパス路と、前記バイパス路と前記カソードガス供給路との接続部分に設けられ、前記燃料電池に供給される前記カソードガスと前記バイパス路に供給される前記カソードガスの流量比を調整するための分流弁と、前記燃料電池にアノードガスを供給するアノードガス供給路と、前記燃料電池から前記アノードガスを排出するアノードガス排出路と、前記アノードガス排出路に設けられ、前記アノードガスを排気するための排気弁と、前記アノードガス排出路から排出される前記アノードガスと、前記カソードガス排出路から排出される前記カソードガスと、を排出する合流排出路と燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料電池の発熱を利用して前記燃料電池を昇温させる急速暖機運転中における、前記燃料電池の発電量を調整する発電調整部と、前記排気弁が開固着しているか否かを判定する判定部と、前記急速暖機運転中において、前記排気弁が開固着していると判定された場合に、前記燃料電池に供給する前記カソードガスの流量が前記急速暖機運転によって要求される要求供給流量の許容範囲内に収まるように、前記調圧弁と前記分流弁との少なくとも一方について、制御によって変更可能な開度領域である動作開度領域と、単位時間当たりに変更できる開度の回数である開度変更率と、の少なくともいずれかを設定する弁調整部と、を有する。
この形態によれば、弁調整部は、燃料電池が急速暖機運転中であり、かつ、排気弁が開固着している場合に、要求供給流量の許容範囲内に収まるように、動作開度領域と開度変更率の少なくともいずれかを設定する。これにより、分流割合を精度良く制御できるので、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(2)上記形態であって、前記弁調整部は、前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が許容範囲から外れる場合に、前記許容範囲内に収まる領域に前記調圧弁の動作開度領域を変更し、前記動作開度領域の変更前における前記調圧弁の開度と、前記動作開度領域の変更後における前記調圧弁の開度とで、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が変化しないように、前記分流弁の開度を設定してもよい。この形態によれば、調圧弁の動作開度領域を許容範囲内に収まる領域に変更することで、分流割合を精度良く制御できる。よって、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(3)上記形態であって、前記弁調整部は、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記要求供給流量の許容範囲から外れる場合に、前記許容範囲内に収まる領域に前記分流弁の動作開度領域を変更し、前記動作開度領域の変更前の前記分流弁の開度と、前記動作開度領域の変更後の前記分流弁の開度とで、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が変化しないように、前記調圧弁の開度を設定してもよい。この形態によれば、分流弁の動作開度領域を許容範囲内に収まる領域に変更することで、分流割合を精度良く制御できる。これにより、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(4)上記形態であって、さらに、前記燃料電池への電力の供給と前記燃料電池によって生じる電力の充電とを行うための二次電池を有し、前記許容範囲は、前記急速暖機運転によって要求される前記燃料電池の要求発電量と、前記二次電池の充放電許容量とに基づいて設定されてもよい。この形態によれば、二次電池の充放電許容量を考慮して許容範囲を設定できる。これにより、要求発電量からずれた発電量であっても、二次電池によってずれた電力分を調整できる。
(5)上記形態であって、前記弁調整部は、前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第1変化量と、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第2変化量とを比較し、前記第1変化量が第2変化量よりも大きい場合は前記調圧弁の開度を一定に設定し、前記第2変化量が前記第1変化量よりも大きい場合は前記分流弁の開度を一定に設定し、前記要求供給流量の許容範囲内となるように、前記調圧弁と前記分流弁のうちで前記流量変化量が小さい方の弁の開度を制御してもよい。この形態によれば、調圧弁と分流弁のうちで流量変化量が大きい方の弁の開度を一定に設定し、他方の弁の開度を制御することで分流割合を精度良く制御できる。これにより、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(6)上記形態であって、前記弁調整部は、前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記許容範囲から外れる場合であり、かつ、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記許容範囲から外れる場合に、前記調圧弁と前記分流弁のそれぞれの開度を一定に設定し、前記発電調整部は、前記要求供給流量の前記許容範囲内となるように、前記コンプレッサから吐出される前記カソードガスの吐出流量を制御してもよい。この形態によれば、調圧弁と分流弁との開度を一定に設定してコンプレッサの吐出流量を制御することで、分流割合を精度良く制御できる。よって、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(7)上記形態であって、前記弁調整部は、前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第1変化量と、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第2変化量とを比較し、前記第1変化量が第2変化量よりも大きい場合は、前記調圧弁の開度変更率を通常時よりも高く設定し、前記第2変化量が前記第1変化量よりも大きい場合は前記分流弁の開度変更率を通常制御時よりも高く設定してもよい。この形態によれば、調圧弁と分流弁のうちで流量変化量が大きい方の弁の開度変更率を通常制御時よりも高く設定することで、分流割合を精度良く制御できる。よって、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
(8)本発明の他の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池にカソードガスを供給するカソードガス供給路と、前記燃料電池から前記カソードガスを排出するカソードガス排出路と、前記カソードガス排出路に設けられ、前記燃料電池のカソード側の背圧を調整するための調圧弁と、前記カソードガス供給路に設けられたコンプレッサと、前記コンプレッサから吐出された前記カソードガスの一部を、前記燃料電池を迂回させて前記カソードガス排出路に排出するバイパス路と、前記バイパス路と前記カソードガス供給路との接続部分に設けられ、前記燃料電池に供給される前記カソードガスと前記バイパス路に供給される前記カソードガスの流量比を調整するための分流弁と、前記燃料電池にアノードガスを供給するアノードガス供給路と、前記燃料電池から前記アノードガスを排出するアノードガス排出路と、前記アノードガス排出路に設けられ、前記アノードガスを排気するための排気弁と、前記アノードガス排出路から排出される前記アノードガスと、前記カソードガス排出路から排出される前記カソードガスと、を排出する合流排出路と燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料電池の発熱を利用して前記燃料電池を昇温させる急速暖機運転中における、前記燃料電池の発電量を調整する発電調整部と、前記排気弁が開固着しているか否かを判定する判定部と、を備え、前記発電調整部は、前記急速暖機運転中において、前記判定部によって前記排気弁が開固着していると判定された場合に、前記燃料電池の電流値と電圧値とによって特定される前記燃料電池の動作点について、前記排気弁が開固着していないと判定された場合よりも、前記電流値が高い側へと変更する。
この形態によれば、燃料電池の動作点を電流値が高い側へと変更することで、急速暖機運転によって要求される燃料電池へのカソードガスの供給流量である要求供給流量を増大させることができる。これにより、実際に燃料電池に供給されるカソードガスの流量が多少変動した場合でも、燃料電池の発電量が大きく変動することを抑制できる。
本発明は、上記の燃料電池システム以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの制御方法、燃料電池システムを搭載する移動体などの形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての燃料電池システムの構成を示す説明図である。 燃料電池システムの電気的構成を示す概略図である。 分流弁について説明するための図である。 分流弁の有効断面積と開度との関係を概略的に示す図である。 調圧弁について説明するための図である。 調圧弁の有効断面積と開度との関係を概略的に示す図である。 制御部を機能的に説明するためのブロック図である。 分流マップを概念的に示す図である。 制御部が実行する処理フローである。 ステップS20の処理フローである。 第1変形態様の処理フローである。 第2変形態様の処理フローである。 ステップS273,S283の処理内容を概念的に説明するための図である。 第2実施形態の制御部が実行する処理フローである。 IV動作点について説明するための図である。
A.第1実施形態:
A−1.燃料電池システム20の構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料電池システム20の構成を示す説明図である。燃料電池システム20は、移動体の一形態である燃料電池車両200に搭載されており、運転者からの要求に応じて、主に燃料電池車両200の駆動力として用いられる電力を出力する。燃料電池システム20は、燃料電池40と、アノードガス給排系50と、カソードガス給排系60と、冷却系80と、制御部100とを備える。制御部100は、燃料電池システム20の動作を制御する。
燃料電池40は、反応ガスとして水素(アノードガス)と空気(カソードガス)の供給を受けて酸素と水素の電気化学反応によって発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池40は、複数の単セル41が積層されたスタック構造を有する。各単セル41は、それぞれが単体でも発電可能な発電要素であり、電解質膜の両面に電極を配置した発電体である膜電極接合体と、膜電極接合体を挟む2枚のセパレータ(図示せず)と、を有する。電解質膜は、内部に水分を包含した湿潤状態のときに良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である。各単セル41の外周端部には、各単セル41の積層方向に延び、各単セル41の発電部に分岐接続されている反応ガスのためのマニホールドが設けられている(図示は省略)。各単セル41は、積層された状態で、第1と第2のエンドプレート43,44によって、その積層方向に挟まれた状態で締結されている。
アノードガス給排系50は、アノードガス供給機能と、アノードガス排出機能と、アノードガス循環機能とを有する。アノードガス供給機能は、燃料電池40のアノードにアノードガスを供給する機能である。アノードガス排出機能は、燃料電池40のアノードから排出されるアノードガス(「アノード排ガス」ともいう。)を外部に排出する機能である。アノードガス循環機能は、アノードガスを燃料電池システム20内において循環させる機能である。
アノードガス給排系50は、燃料電池40の上流側に、燃料タンク502と、配管としてのアノードガス供給路51と、減圧弁52と、開閉弁56と、圧力センサ55とを備える。アノードガス供給路51は、燃料電池40(詳細にはアノード)にアノードガスとしての水素を供給するための流路である。燃料タンク502には、燃料電池40に供給するための高圧水素が充填されている。アノードガス供給路51において、上流端は燃料タンク502に接続され、下流端は燃料電池40にされている。開閉弁56は、アノードガス供給路51の途中に設けられ、制御部100の指令に応じてアノードガス供給路51を開閉する。減圧弁52は、アノードガス供給路51のうち開閉弁56よりも下流側に設けられている。減圧弁52は、制御部100からの指令に応じて開度が制御されることで、アノードガス供給路51のアノードガスの圧力を調整する。圧力センサ55は、アノードガス供給路51のうち、後述するアノードガス循環路54の接続部分よりも下流側の圧力を計測する。計測された圧力は制御部100に送信される。
アノードガス給排系50は、さらに、燃料電池40の下流側に、配管としてのアノードガス排出路59と、開閉弁56と、配管としてのアノードガス循環路54と、循環ポンプ53と、排気弁58と、を備える。アノードガス排出路59は、燃料電池40(詳細には、アノード)からアノードガスを排出するための流路である。排気弁58は、アノードガス排出路59に設けられ、制御部100の指令に応じてアノードガス排出路59を開閉する。つまり、排気弁58は、燃料電池40から排出されたアノードガスを排気するために用いられる。制御部100は、通常、排気弁58を閉状態とし、予め設定された所定の排水タイミングや、アノード排ガス中の不活性ガスの排出タイミングで排気弁58を開状態に切り換える。
アノードガス循環路54は、燃料電池40から排出されたアノードガスを、再び、アノードガス供給路51に戻すための流路である。アノードガス循環路54の上流端は、アノードガス排出路59のうちで排気弁58よりも上流側部分に接続されている。アノードガス循環路54の下流端は、アノードガス供給路51のうちで減圧弁52よりも下流側部分に接続されている。循環ポンプ53は、制御部100の指令に応じて動作が制御される。循環ポンプ53の動作によって、アノードガス循環路54中のアノードガスがアノードガス供給路51に送り込まれる。
カソードガス給排系60は、燃料電池40にカソードガスを供給するカソードガス供給機能と、燃料電池40から排出されるカソードガス(「カソード排ガス」ともいう。)を外部に排出するカソードガス排出機能と、を備える。
カソードガス給排系60は、燃料電池40の上流側に、フィルター602と、コンプレッサ604と、配管としてのカソードガス供給路61と、エアフロメーター64と、圧力センサ65と、を備える。カソードガス供給路61は、燃料電池40(詳細にはカソード)にカソードガスとしての空気を供給するための流路である。カソードガス供給路61のうち、後述する分流弁68が設けられた分流地点よりも上流側を主流路66とも呼び、分流地点よりも下流側を副流路67とも呼ぶ。
フィルター602は、カソードガス供給路61のうちでコンプレッサ604よりも上流側に設けられ、燃料電池40に供給される空気中の異物を除去する。コンプレッサ604は、カソードガス供給路61に設けられ、制御部100からの指令に応じて圧縮した空気を下流側に吐出する。
エアフロメーター64は、コンプレッサ604の上流側において、コンプレッサ604が取り込む外気の量を計測し、制御部100に送信する。制御部100は、この計測値に基づいてコンプレッサ604を駆動することにより、燃料電池40に対する空気の供給量を制御してもよい。圧力センサ65は、コンプレッサ604の出口側(燃料電池40の入口側)におけるカソードガス供給路61の圧力を測定する。圧力センサ65の計測値は、制御部100に送信される。
カソードガス給排系60は、燃料電池40の下流側に、カソードガス排出路63と、調圧弁69とを備える。カソードガス排出路63は、燃料電池40からカソードガスを排出するための流路である。調圧弁69は、カソードガス排出路63に設けられている。調圧弁69は、制御部100からの指令に応じて弁の開度を変更することで、燃料電池40のカソード側の背圧を調整する。
燃料電池システム20は、さらに、分流弁68と、配管としてのバイパス路72と、配管としての合流排出路74とを備える。バイパス路72は、コンプレッサ604から吐出されたカソードガスの一部を、燃料電池40を迂回させてカソードガス排出路63に排出するための流路である。つまり、バイパス路72は、カソードガス供給路61(詳細には、主流路66)のカソードガスを燃料電池40を経由することなくカソードガス排出路63に流通させるための流路である。バイパス路72の上流端は、カソードガス供給路61のうちでコンプレッサ604よりも下流側部分に接続されている。バイパス路72の下流端は、カソードガス排出路63のうちで調圧弁69よりも下流側部分に接続されている。分流弁68は、バイパス路72とカソードガス供給路61との接続部分に設けられている。分流弁68は、制御部100からの指令に応じて開度を変更することで、燃料電池40のカソードに供給されるカソードガスと、バイパス路72に供給されるカソードガスの流量比を調整する。合流排出路74は、カソードガス排出路63の下流端とアノードガス排出路59の下流端とに接続されている。合流排出路74は、アノードガス排出路59から排出されるアノードガスと、カソードガス排出路63から排出されるカソードガスとを外部に排出するための流路である。つまり、合流排出路74は、排気弁58が開状態の場合は、カソードガスとアノードガスとの混合ガスが流通し、排気弁58が閉状態の場合は、カソードガスが流通する。
冷却系80は、配管としての冷却用流路81と、ラジエーター82と、循環ポンプ85と、を備える。冷却用流路81は、燃料電池40を冷却するための冷媒を循環させるための流路であり、上流側流路81aと、下流側流路81bと、を含む。ラジエーター82は、外気を取り込むファンを有し、冷却用流路81の冷媒と外気との間で熱交換させることにより、冷媒を冷却する。循環ポンプ85は、下流側流路81bに設けられている。冷媒は、循環ポンプ85の駆動力によって冷却用流路81内を流れる。
本実施形態では、上流側流路81aに、燃料電池40の温度を計測するための温度センサ86が設けられている。温度センサ86は、計測結果を制御部100に送信する。上述したように、制御部100は、温度サンサ86の計測結果に基づいて、燃料電池40の温度を演算する。例えば、制御部100は、温度センサ86の計測結果を燃料電池40の温度と見做してもよいし、温度センサ86の計測結果と燃料電池40の温度とを一意に対応付けたマップを用いて燃料電池40の温度を演算してもよい。
図2は、燃料電池システム20の電気的構成を示す概略図である。燃料電池システム20は、二次電池96と、FDC95と、DC/ACインバータ98と、BDC97と、セル電圧計91と、電流計測部92とを備える。
セル電圧計91は、燃料電池40の全ての単セル41それぞれと接続されており、全ての単セル41それぞれを対象にセル電圧を計測する。セル電圧計91は、その計測結果を制御部100に送信する。電流計測部92は、燃料電池40による出力電流の値を計測し、制御部100に送信する。
FDC95及びBDC97は、DC/DCコンバータとして構成された回路である。FDC95は、制御部100から送信される電流指令値に基づき、燃料電池40による出力電流を制御する。電流指令値とは、燃料電池40による出力電流の目標値となる値であり、制御部100によって設定される。
FDC95は、入力電圧計およびインピーダンス計としての機能を有する。具体的には、FDC95は、入力電圧の値を計測して制御部100に送信する。FDC95は、交流インピーダンス法を用いて燃料電池40のインピーダンスを計測する。本実施形態において用いられるインピーダンスの周波数は、高周波を含み、具体的には100Hz〜1kHzを含む。FDC95は、入力電圧を昇圧してDC/ACインバータ98に供給する。
BDC97は、制御部100の指令に応じて二次電池96の充放電を制御する。BDC97は、二次電池96のSOC(State Of Charge:残容量)を計測し、制御部100に送信する。二次電池96は、リチウムイオン電池で構成され、補助電源として機能する。また二次電池96は、燃料電池40への電力の供給と、燃料電池40によって生じる電力の充電とを行う。
DC/ACインバータ98は、燃料電池40と負荷250とに接続されている。DC/ACインバータ98は、燃料電池40と二次電池96とから出力される直流電力を交流電力へと変換し、負荷250に供給する。
負荷250において発生した回生電力は、DC/ACインバータ98によって直流電流に変換され、BDC97によって二次電池96に充電される。制御部100は、負荷250に加え、二次電池96のSOCも加味して、出力指令値を算出する。
図3は、分流弁68について説明するための図である。分流弁68は、制御部100からの指令(開度指令)に応じてモータ682を駆動して弁体684を変位させる。これにより、分流弁68の開度PAを調整するためのトルクが発生する。モータ682は、本実施形態では、ステッピングモータである。弁体684は、矢印Y1に沿った方向において、複数段階の位置に変位できる。弁体684が変位することで、弁体684の周囲(例えば、弁体684と弁座との間)の流路断面積であるバイパス側有効断面積ASTと燃料電池側有効断面積ABPとが変化する。
本実施形態では、分流弁68のステップ数は「0」から「240」まで設定されており、ステップ数と開度PAとは一意に対応付けられている。ステップ数が「0」の場合は開度PAが0%であり、主流路66を流れるカソードガスは全てバイパス路72に供給される。一方で、分流弁のステップ数が「240」の場合は開度PAが100%であり、主流路66を流れるカソードガスは全て副流路67に供給される。
ここで、主流路66を流れるカソードガス流量(総カソードガス流量)FR1に対する副流路67を流れるカソードガス流量(燃料電池側カソードガス流量)FR2の割合(FR2/FR1)を分流割合Pと呼ぶ。
図4は、分流弁68の有効断面積と開度PAとの関係を概略的に示す図である。分流弁68は、弁体684と弁座とのシールの構造上、開度PAがゼロから僅かに大きい開度PAtになっても、燃料電池側有効断面積ASTはゼロに維持され、バイパス側有効断面積ABPは最大値に維持される。開度PAがさらに大きくなると、シール部材から弁体684が離れることで、燃料電池側有効断面積ASTは増大し、バイパス側有効断面積ABPは減少する。分流弁68では、開度PAを最小単位で変更した場合における、バイパス側有効断面積ABPと燃料電池側有効断面積ASTの変化量が大きい領域と小さい領域とが存在する。開度PAを最小単位で変更するとは、ステップ数を1つ変更することである。分流弁68において、燃料電池側有効断面積ASTの変化量が大きい領域内では、開度PAの変更した場合に分流割合Pが大きく変化する恐れがある。
図5は、調圧弁69について説明するための図である。調圧弁69は、制御部100からの指令(開度指令)に応じてモータ692を駆動して弁体694を変位させる。これにより、調圧弁69の開度PBを調整するためのトルクが発生する。モータ692は、本実施形態では、ステッピングモータである。弁体694は、矢印Y2に沿った方向において、複数段階の位置に変位できる。弁体684が変位することで、弁体684と弁座との間の流路断面積である有効断面積AMが変化する。本実施形態では、調圧弁69のステップ数は、「0」から「120」まで設定されており、ステップ数と開度PBとは一意に対応付けられている。
図6は、調圧弁69の有効断面積AMと開度PBとの関係を概略的に示す図である。調圧弁69は、弁体694と弁座とのシールの構造上、開度PBがゼロから僅かに大きい開度PBtになっても、有効断面積AMはゼロに維持される。開度PBが更に大きくなると、シール部材から弁体694が離れることで、有効断面積AMは増大する。本実施形態において、調圧弁69では、開度PBを最小単位で変更した場合における有効断面積AMの変化量が大きい領域と小さい領域とが存在する。開度PBを最小単位で変更するとは、ステップ数を1つ変更することである。調圧弁69において、有効断面積AMの変化量が大きい領域では、開度PBを変更した場合に分流割合Pが大きく変化する恐れがある。
図7は、制御部100を機能的に説明するためのブロック図である。図8は、分流マップ142を概念的に示す図である。制御部100は、記憶部140および図示しないCPUを備える。記憶部140は、ROMやRAMなどの周知の構成を有している。制御部100は、CPUが実行するプログラムとして、発電調整部110と、判定部120と、弁調整部130とを備える。
発電調整部110は、燃料電池車両200のアクセル開度や、急速暖機運転の要求などに応じて燃料電池40の発電量を調整する。具体的には、発電調整部110は、アクセル開度や急速暖機運転に応じて予め記憶部140に定められた発電量に基づいて、燃料電池40へ供給するカソードガス流量(燃料電池側カソードガス流量)およびアノードガス流量を調整する。発電調整部110は、コンプレッサ604や分流弁68や調圧弁69などの動作を制御することで、燃料電池側カソードガス流量を調整できる。また発電調整部110は、開閉弁56や循環ポンプ53や排気弁58などの動作を制御することで、アノードガス流量を調整できる。なお、分流弁68と調圧弁69の動作制御は、発電調整部110が弁調整部130に指令を送信することで弁調整部130を介して実行される。急速暖機運転は、燃料電池40の発熱を利用して燃料電池40を昇温させる運転であり、燃料電池40の発電量から求められるカソードガスの必要量に対するカソードガスの供給量の比率が通常動作時よりも小さくなるように、燃料電池40にカソードガスが供給される。これによって、急速暖機運転では、通常の燃料電池40の動作時よりも燃料電池40の発電効率が低下し、発電による熱の発生が促される。発電調整部110は、例えば、記憶部140に記憶された急速暖機運転マップ146を参照して、目標となる期間に燃料電池40が目標温度となるように、燃料電池40に供給するカソードガス流量およびアノードガス流量を調整する。急速暖機運転は、燃料電池40の温度が予め定められた温度以下であるときに実行される。以上のように、発電調整部110は、急速暖機中における燃料電池40の発電量を調整する機能を含む。
判定部120は、排気弁58が開固着しているか否かを判定する。具体的には、判定部120は、発電調整部110によって排気弁58に対して閉状態指令が出されているにも拘わらず、予め定められた時間において、圧力センサ55を用いた計測圧力値が、目標としている圧力値よりも予め定められた閾値以上だけ低下している場合に、排気弁58が開固着していると判定する。なお、判定部120は、以下の方法によって排気弁58が開固着しているか否かを判定してもよい。この判定方法では、アノードガス排出路59のうちで排気弁58よりも下流側にアノードガス濃度センサが配置されている。判定部120は、発電調整部110によって排気弁58に対して閉状態指令が出されているにも拘わらず、アノードガス濃度センサを用いたアノードガス濃度が予め定められた時間において予め定められた値以上だけ上昇している場合に、排気弁58が開固着していると判定してもよい。
急速暖機運転中において、排気弁58が開固着していると判定された場合は、発電調整部110は、アノードガス排出路59から外部へ排出されるアノードガスを希釈するために、コンプレッサ604からの吐出量を、排気弁58が開固着していない場合に比べて増大させる。これにより、バイパス路72に流れるカソードガス流量が増大して、排気弁58の下流側に流出したアノードガスが希釈される。排気弁58が開固着している場合における目標となる吐出流量は、記憶部140に記憶されている。制御部100は、目標となる吐出流量となるようにコンプレッサ604の動作を制御する。
弁調整部130は、分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能とが予め定めた条件(分流条件)を満たすか否かを判定し、いずれか一方の弁が分流条件を満たさない場合は、分流条件を満たすように一方の弁の動作開度領域を設定(変更)する。本実施形態において分解能とは、一方の弁の開度を一定にしたときに他方の弁の開度を最小単位で変更したときの分流割合Pの変動の程度である。分流割合Pの変動が大きいほど分解能は低く、分流割合Pの変動が小さいほど分解能は高い。動作開度領域とは、発電調整部110の制御によって変更可能な開度領域であり、全開度領域よりも小さい範囲に設定されている。分流条件とは、燃料電池40に供給するカソードガスの流量が急速暖機運転によって要求される要求供給流量の許容範囲内に収まるという条件である。要求供給流量は、急速暖機運転によって要求される要求発電量を生じさせるための流量である。
許容範囲は、要求発電量と、二次電池96の充放電許容量とに基づいて設定される。具体的には、燃料電池40に供給された実際のカソードガス流量によって生じた実際の燃料電池40の発電量が、二次電池96の充放電によって要求発電量となるように調整できる範囲に、許容範囲が設定されている。本実施形態では、二次電池96の最大充電量と最大放電量とを二次電池96の充放電許容量と見做して許容範囲が設定されている。本実施形態では、例えば、要求発電量に対して±10kWの範囲に実際の発電量が収まる範囲が、要求供給流量の許容範囲として設定されている。なお、許容範囲は、二次電池96の最大充電量と最大放電量とに応じて一定の範囲に設定される態様に代えて以下のように設定されてもよい。すなわち、制御部100は、所定時間ごとに二次電池96の充電量を取得し、実際に充電可能な充電量および実際に放電可能な放電量の範囲内で、実際の発電量から要求発電量へと補正できる燃料電池側カソードガス流量の範囲を、許容範囲として設定してもよい。以上のように、二次電池96の充放電許容量を考慮して許容範囲を設定することで、要求発電量からずれた発電量であっても、二次電池96によってずれた電力分を調整できる。
記憶部140には、分流マップ142と、充放電許容量データ144と、急速暖機運転マップ146とが記憶されている。
分流マップ142は、調圧弁69の各ステップ数と、分流弁68の各ステップ数との組み合わせと、分流割合Pとを対応付けたマップである。つまり、調圧弁69のステップ数と分流弁68のステップ数とが決まれば、分流割合Pが決定する。例えば、分流割合Pが0.40となるようにカソードガス給排系60の動作が制御される場合、図8のラインLn1上に位置する調圧弁69のステップ数と分流弁68のステップ数となるように、発電調整部110は、調圧弁69と分流弁68の各ステップ数を制御する。また、図8において、分流割合Pが0.20となるラインLn2を破線で示している。なお、図8において、説明の便宜上、分流弁68のステップ数は一部(ステップ数162〜240)のみ示している。
発電調整部110は、急速暖機運転マップ146を参照して急速暖機運転によって要求される燃料電池40に供給するカソードガスの供給流量(要求供給流量)を決定する。また、発電調整部110は、コンプレッサ604の吐出流量と要求供給流量とに基づいて分流割合Pを決定し、分流マップ142を参照して決定した分流割合Pとなる調圧弁69のステップ数と分流弁68のステップ数を決定する。発電調整部110は、決定したステップ数となるように、弁調整部130を介して調圧弁69と分流弁68の動作を制御する。また、弁調整部130は、開度指令に対する調圧弁69および分流弁68の応答性が低くなる可能性を低減するために、弁調整部130によって設定された動作開度領域内で、決定した分流割合Pとなるステップ数を決定する。つまり、広範囲においてステップ数を変化させた場合、開度指令から開度が実際に設定されるまでの時間が長くなる場合があるので、全動作開度領域の一部の領域内で開度を変更する。
充放電許容量データ144は、二次電池96の充放電許容量(例えば、残容量)が記憶されている。急速暖機運転マップ146は、急速暖機運転において要求される発電量(要求発電量)と、燃料電池40に供給するカソードガス流量およびアノードガス流量とを一意に対応付けたマップである。
A−2.制御部が実行する処理フロー:
図9は、制御部100が実行する処理フローである。図10は、ステップS20の処理フローである。図9に示す処理フローは、例えば、制御部100が排気弁58に対して開状態から閉状態への切り換え指令を行った後に実行される。まず判定部120は、排気弁58が開固着しているか否かを判定する(ステップS12)。判定部120によって排気弁58が開固着していないと判定された場合は、制御部100は処理フローを終了する。判定部120によって排気弁58が開固着していると判定された場合は、制御部100は、燃料電池40が急速暖機運転中であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14では、例えば、急速暖機運転を実行していることを示す記憶部140に記憶されたフラグによって判定を行う。急速暖機運転中でないと判定された場合は、制御部100は処理フローを終了する。急速暖機運転中であると判定された場合は、発電調整部110は、コンプレッサ604からのカソードガスの吐出量を増大させて、主流路66を流れるカソードガス流量を増大させる(ステップS16)。
次に、発電調整部110は、急速暖機運転によって要求されるカソードガスの要求供給流量とコンプレッサ604の吐出量とに基づいて分流割合Pを算出する(ステップS18)。ステップS18の次に、制御部100は、分流割合Pと分流マップ142と充放電許容量データ144とを参照して、分流弁68の開度PAと調圧弁69の開度PBとを制御する(ステップS20)。
図10に示すように、弁調整部130は、現時点の動作開度領域において、調圧弁69の分解能と分流弁68の分解能とが分流条件を満たすか否かの分解能判定を行う(ステップS201)。弁調整部130は、以下のようにして調圧弁69の分解能が分流条件を満たすか否かを判定する。つまり、現時点の動作開度領域において、ステップS18によって算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように分流弁68の開度PAと調圧弁69の開度PBとを分流マップ142を参照して決定する。決定した分流弁68の開度PBを維持しつつ、調圧弁69の開度PBを、決定した開度PBに対して最小単位(1ステップ)で前後に変更した場合において、分流条件を満たすか否かを判定する。弁調整部130は、同様の方法で、分流弁68の分解能が分流条件を満たすか否かを判定する。
弁調整部130は、分流弁68の分解能が分流条件を満たさず、調圧弁69の分解能が分流条件を満たす場合は、分流弁68の動作開度領域を、分流条件を満たす領域に変更する(ステップS202)。つまり、弁調整部130は、分流弁68の分解能を低い領域から高い領域に変更する。例えば、分流割合Pが0.4である場合において、図8の地点Ps1を含む動作開度領域において分流弁68の分解能が分流条件を満たさない場合、分流条件を満たすように、地点Ps2を含む分解能が高い動作開度領域に変更する。弁調整部130は、変更後の動作開度領域において、ステップS18で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように分流弁68の開度PBと調圧弁の開度PAとを分流マップ142を参照して決定する(ステップS203)。制御部100(弁調整部130)は、決定された開度PB,PAの開度指令(ステップ数指令)を分流弁68および調圧弁69に送信することで、分流弁68の開度PBと調圧弁69の開度PAとが変更される(ステップS204)。
弁調整部130は、調圧弁69の分解能が分流条件を満たさず、分流弁68の分解能が分流条件を満たす場合は、調圧弁69の動作開度領域を、分流条件を満たす領域に変更する(ステップS212)。つまり、調圧弁69の分解能を低い領域から高い領域に変更する。例えば、分流割合Pが0.4である場合において、図8の地点Ps1を含む動作開度領域において調圧弁69の分解能が分流条件を満たさない場合、分流条件を満たすように、地点Ps2を含む分解能が高い動作開度領域に変更する。弁調整部130は、変更後の動作開度領域において、ステップS18で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように分流弁68の開度PAと調圧弁69の開度PBとを分流マップ142を参照して決定する(ステップS213)。制御部100(弁調整部130)は、決定された開度PA,PBの開度指令(ステップ数指令)を分流弁68および調圧弁69に送信することで、分流弁68の開度PBと調圧弁69の開度PAとが変更される(ステップS214)。
弁調整部130は、分流弁68と調圧弁69とが共に分流条件を満たさない場合、コンプレッサ604の吐出量を制御することで急速暖機運転の要求供給流量となるように、燃料電池40に供給するカソードガス流量を調整する(ステップS222)。つまり、弁調整部130は、調圧弁69の開度PBを最小単位で変更したときに、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が許容範囲から外れる場合であり、かつ、分流弁68の開度PAを最小単位で変更したときに、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が許容範囲から外れる場合に以下の制御を行う。すなわち、弁調整部130は、開度PA,PBを現時点(ステップS18の処理時点)の要求供給流量に基づいて算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなる開度PA,PBにおいて一定に設定する。そして、発電調整部110は、要求供給流量となるように、コンプレッサ604から吐出されるカソードガスの吐出流量を制御する。カソードガスの吐出流量を制御することで、分流割合Pを精度良く制御できる。これにより、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
弁調整部130は、分流弁68と調圧弁69とのいずれもが分流条件を満たす場合、通常制御を実行する(ステップS232)。通常制御では、現時点の動作開度領域で分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように、開度PA,PBが制御される。
上記第1実施形態によれば、弁調整部130は、調圧弁69の開度PBを最小単位で変更したときに、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が許容範囲から外れる場合に、調圧弁69の開度PBを最小単位で変更したときに、許容範囲内に収まる領域に調圧弁69の動作開度領域を設定する(図10のステップS212)。また、弁調整部130は、動作開度領域の変更前における調圧弁69の開度PBと、動作開度領域の変更後における調圧弁69の開度PBとで、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が変化しないように、分流弁68の開度PBを設定する(図10のステップS213)。これにより分流割合Pを精度良く制御できるので、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
また上記第1実施形態によれば、弁調整部130は、分流弁68の開度PAを最小単位で変更したときに、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が要求供給流量の許容範囲から外れる場合に、分流弁68の開度PAを最小単位で変更したときに、許容範囲内に収まる領域に分流弁68の動作開度領域を設定する(図10のステップS202)。また、弁調整部130は、動作開度領域の変更前の分流弁68の開度PAと、動作開度領域の変更後の分流弁68の開度PAとで、燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が変化しないように、調圧弁69の開度を設定する(図10のステップS203)。これにより、分流割合Pを精度良く制御できるので、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
A−3.制御部が実行する処理フローの変形態様:
上記第1実施形態において制御部100が実行する処理フローにおいて、分流割合Pを精度良く制御できれば他の処理フローであってもよい。以下に処理フローの変形態様について説明する。
A−3−1.第1変形態様:
図11は、第1変形態様の処理フローである。第1変形態様ではステップS20に代えてステップS20aが実行される点で上記実施形態の処理フローとは異なる。
弁調整部130は、現時点の動作開度領域における分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能とを比較する(ステップS251)。つまり、弁調整部130は、調圧弁69の開度PBを最小単位で変更したときの燃料電池40に供給されるカソードガスの流量変化量である第1変化量と、分流弁68の開度PAを最小単位で変更したときの燃料電池40に供給されるカソードガスの流量変化量である第2変化量とを、分流マップ142を参照することで比較する。
第1変化量が第2変化量よりも大きく、調圧弁69の分解能が分流弁68の分解能よりも低い場合は、調圧弁69の開度PBを一定に固定する(ステップS253)。つまり、複数の連続するステップ数によって表される変更前の動作開度領域を、1つのみのステップ数によって表される狭い動作開度領域に動作開度領域を変更する。次に、弁調整部130は、ステップS18で求めた分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように、分流弁68の開度PAを設定する(ステップS255)。ステップS255以降においては、発電調整部110は、調圧弁69の開度PBを一定に固定した状態で、急速暖機運転からの要求供給流量の変動に応じて、変動後の要求供給流量となるように分流弁68の開度PAを制御する。
第2変化量が第1変化量よりも大きく、分流弁68の分解能が調圧弁69の分解能よりも低い場合は、分流弁68の開度PAを一定に固定する(ステップS263)。つまり、複数の連続するステップ数によって表される変更前の動作開度領域を、1つのみのステップ数によって表される狭い動作開度領域に動作開度領域を変更する。次に、弁調整部130は、ステップS18で求めた分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように、調圧弁69の開度PBを設定する(ステップS265)。ステップS265以降においては、発電調整部110は、分流弁68の開度PAを一定に固定した状態で、急速暖機運転からの要求供給流量の変動に応じて、変動後の要求供給流量となるように調圧弁69の開度PBを制御する。
なお、ステップS251の前に、ステップS201の分解能判定を行い、分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能とがいずれも分流条件を満たさない場合は、図10に示すステップS222の処理を実行してもよい。つまり、急速暖機運転の要求供給流量に変動が生じた場合、発電調整部110は、変動後の要求供給流量となるようにコンプレッサ604の吐出量を制御する。
上記の第1変形態様によれば、調圧弁69と分流弁68のうちで流量変化量が大きい方の弁の開度を一定に設定し、他方の弁の開度を制御することで分流割合Pを精度良く制御できる。これにより、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
A−4.制御部が実行する処理フローの第2変形態様:
図12は、第2変形態様の処理フローである。図13は、ステップS273,S283の処理内容を概念的に説明するための図である。第2変形態様ではステップS20に代えてステップS20bが実行される点で上記実施形態の処理フローとは異なる。
図12に示すように、弁調整部130は、ステップS255と同様、現時点の動作開度領域における分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能とを比較する(ステップS271)。ステップS271において調圧弁69の分解能が分流弁68の分解能よりも低いと判定された場合は、弁調整部130は、調圧弁69の開度変更率を通常制御時よりも高く設定する(ステップS273)。つまり、弁調整部130は、調圧弁69について、弁開度を微小変動させるディザー制御を行う。開度変更率とは、図13に示すように、単位時間T当たりに変更できる開度の回数であり、例えば、通常制御時は単位時間T当たりに1回の開度指令を調圧弁69に送信できるのに対し、ステップS273において変更された変更後制御時では、単位時間T当たりに2回の開度指令を調圧弁69に送信できる。これにより、単位時間T当たりにおける調圧弁69の分解能を高くできる。つまり、通常制御時では、ステップ数に対応した有効断面積AMが段階的に対応付けられているのに対し、変更後制御時では単位時間T当たりに多くの開度指令を調圧弁69に送信することで、単位時間T当たりの有効断面積AMの平均値を隣り合うステップ数の間の有効断面積AMに設定できる。言い換えれば、調圧弁69において、開度変更率が通常制御時よりも高く設定されることで、単位時間Tにおける平均の分解能は通常制御時よりも高くなる。
図12に示すように、ステップS273の後に、弁調整部130は、ステップS18で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように、分流弁68および調圧弁69の動作を制御する(ステップS275)。弁調整部130は、分流割合Pとするための調圧弁69の有効断面積Mを算出し、算出した有効断面積Mとなるように、ステップ数を高い頻度で変化させる。
ステップS271において分流弁68の分解能が調圧弁69の分解能よりも低いと判定された場合は、弁調整部130は、分流弁68の開度変更率を通常制御時よりも高く設定する(ステップS283)。つまり、弁調整部130は、分流弁68について、弁開度を微小変動させるディザー制御を行う。ステップS283の後に、弁調整部130は、ステップS18で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように、分流弁68および調圧弁69の動作を制御する(ステップS285)。弁調整部130は、分流割合Pとするための分流弁68の燃料電池側有効面積ASTを算出し、算出した燃料電池側有効面積ASTとなるように、分流弁68のステップ数を高い頻度で変化させる。
上記第2変形態様によれば、弁調整部130は、調圧弁69の開度PBを最小単位で変更したときの燃料電池40に供給されるカソードガスの流量変化量である第1変化量と、分流弁68の開度PAを最小単位で変更したときの燃料電池40に供給されるカソードガスの流量変化量である第2変化量とを比較する。そして、弁調整部130は、第1変化量が第2変化量よりも大きい場合は、調圧弁69の開度変更率を通常時よりも高く設定する。また、弁調整部130は、第2変化量が第1変化量よりも大きい場合は、分流弁68の開度変更率を通常制御時よりも高く設定する。これにより、分流割合Pを精度良く制御できるので、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
B.第2実施形態:
図14は、第2実施形態の制御部100が実行する処理フローである。図15は、IV動作点について説明するための図である。図15では、燃料電池システム20の通常運転中のIV動作点と、急速暖機運転中のIV動作点とを示している。
第2実施形態と第1実施形態とで異なる点は、燃料電池40が急速暖機運転中であって排気弁58が開固着している場合の制御処理フローである。その他の構成(例えば、燃料電池40やカソードガス給排系60)については第1実施形態と同様の構成であるので、第1実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。また、第2実施形態と第1実施形態とで制御部100が実行する処理フローのうちで同じ処理については同一符号を付すと共に詳細な説明を省略する。
判定部120は、排気弁58が開固着しており、かつ、燃料電池40が急速暖機運転中である場合に(ステップS12:YES,ステップS14:YES)、増大後のカソードガス流量である想定カソードガス流量に基づいて分流割合Pを算出する(ステップS42)。次に、判定部120は、現時点の動作開度領域において、分流弁68の分解能と、調圧弁69の分解能とがそれぞれ分流条件を満たすか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44で行う処理内容は、図10のステップS201で行う処理内容と同じである。ステップS44において、分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能とのいずれもが分流条件を満たす場合は(ステップS44:YES)、発電調整部110は、コンプレッサ604を制御してカソードガス流量を増大させる(ステップS46)。次に弁調整部130は、ステップS42で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように分流弁68と調圧弁69との動作を制御する(ステップS48)。
ステップS44において、分流弁68の分解能と調圧弁69の分解能との少なくともいずれか一方が分流条件を満たさない場合は(ステップS44:NO)、発電調整部110は、燃料電池40の電流値と電圧値とによって特定される燃料電池40の動作点(IV動作点)を変更する(ステップS52)。詳細には、要求発電量において、燃料電池40へ供給するカソードガス流量が増大するように電流値を高い側へとIV動作点を変更する。このIV動作点の変更は、発電調整部110がDC/DCコンバータを制御することで行う。
図15に示すように、例えば、動作点DP1となるように急速暖機運転が制御されている場合において、ステップS52では、動作点DP1よりも電流値が高い動作点DP2や動作点DP3に動作点を変更する。動作点DP2は、動作点DP1と同じ燃料電池40の発電量が生じる曲線PL上に位置する。動作点DP3は、燃料電池40の通常運転時よりも発電効率の低いIV動作点である。IV動作点において、電流値を高くすることで、燃料電池に供給するカソードガス流量(燃料電池側カソードガス流量)は増大する。例えば、動作点DP1では燃料電池側カソードガス流量が約600NL/minであるのに対し、動作点DP2では燃料電池側カソードガス流量が約1200NL/minである。なお、動作点DP1から動作点DP3へと動作点を変更する場合は、変更前後で燃料電池40の発電量が変化する。この場合、変更後の動作点DP3は、急速暖機運転中に要求される燃料電池の要求発電量の発電許容範囲内における動作点であることが好ましい。発電許容範囲とは、燃料電池の実際の発電量が、二次電池96の充放電によって要求発電量となるように調整できる範囲である。また、燃料電池40の濃度過電圧に起因する電圧低下を抑制するために、予め定められた上限電流値以下の範囲で電流値を高い側へと変更することが好ましい。
図14に示すように、発電調整部110は、IV動作点変更後の分流割合Pを算出する(ステップS54)。また、発電調整部110は、コンプレッサ604を制御してカソードガス流量を増大させる(ステップS55)。次に、弁調整部130は、ステップS52で算出した分流割合Pに最も近い分流割合Pとなるように分流弁68と調圧弁69との動作を制御する(ステップS56)。
上記第2実施形態によれば、急速暖機運転中において、判定部120によって排気弁58が開固着していると判定された場合に、燃料電池40の動作点について、排気弁58が開固着していないと判定された場合よりも、電流値が高い側へと変更する。これにより、急速暖機運転によって要求される燃料電池40へのカソードガスの供給流量である要求供給流量を増大させることができる。よって、実際に燃料電池40に供給されるカソードガスの流量が要求供給流量から多少変動した場合でも、燃料電池40の発電量が大きく変動することを抑制できる。
C.変形例:
上記実施形態では、燃料電池の構成の一例を示した。しかし、燃料電池の構成は種々の変更が可能であり、例えば、構成要素の追加、削除、変換等を実施可能である。
C−1.第1変形例:
上記各実施形態によれば、分流弁68および調圧弁69は、弁の駆動源としてステッピングモータを有していたがこれに限定されるものではなく、各種の駆動源を用いてもよい。例えば、駆動源としてDCモータを用いてもよい。この場合において、上記各実施形態において「開度を最小単位で変更」とは、「開度を一駆動単位で変更」することを意味する。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…燃料電池システム
40…燃料電池
41…単セル
43…第1のエンドプレート
44…第2のエンドプレート
50…アノードガス給排系
51…アノードガス供給路
52…減圧弁
53…循環ポンプ
54…アノードガス循環路
55…圧力センサ
56…開閉弁
58…排気弁
59…アノードガス排出路
60…カソードガス給排系
61…カソードガス供給路
63…カソードガス排出路
64…エアフロメーター
65…圧力センサ
66…主流路
67…副流路
68…分流弁
69…調圧弁
72…バイパス路
74…合流排出路
80…冷却系
81…冷却用流路
81a…上流側流路
81b…下流側流路
82…ラジエーター
85…循環ポンプ
86…温度センサ
91…セル電圧計
92…電流計測部
95…FDC
96…二次電池
97…BDC
98…DC/ACインバータ
100…制御部
110…発電調整部
120…判定部
130…弁調整部
140…記憶部
142…分流マップ
144…充放電許容量データ
146…急速暖機運転マップ
200…燃料電池車両
250…負荷
502…燃料タンク
602…フィルター
604…コンプレッサ
682…モータ
684…弁体
692…モータ
694…弁体

Claims (8)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池にカソードガスを供給するカソードガス供給路と、
    前記燃料電池から前記カソードガスを排出するカソードガス排出路と、
    前記カソードガス排出路に設けられ、前記燃料電池のカソード側の背圧を調整するための調圧弁と、
    前記カソードガス供給路に設けられたコンプレッサと、
    前記コンプレッサから吐出された前記カソードガスの一部を、前記燃料電池を迂回させて前記カソードガス排出路に排出するバイパス路と、
    前記バイパス路と前記カソードガス供給路との接続部分に設けられ、前記燃料電池に供給される前記カソードガスと前記バイパス路に供給される前記カソードガスの流量比を調整するための分流弁と、
    前記燃料電池にアノードガスを供給するアノードガス供給路と、
    前記燃料電池から前記アノードガスを排出するアノードガス排出路と、
    前記アノードガス排出路に設けられ、前記アノードガスを排気するための排気弁と、
    前記アノードガス排出路から排出される前記アノードガスと、前記カソードガス排出路から排出される前記カソードガスと、を排出する合流排出路と
    燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記燃料電池の発熱を利用して前記燃料電池を昇温させる急速暖機運転中における、前記燃料電池の発電量を調整する発電調整部と、
    前記排気弁が開固着しているか否かを判定する判定部と、
    前記急速暖機運転中において、前記排気弁が開固着していると判定された場合に、前記燃料電池に供給する前記カソードガスの流量が前記急速暖機運転によって要求される要求供給流量の許容範囲内に収まるように、前記調圧弁と前記分流弁との少なくとも一方について、制御によって変更可能な開度領域である動作開度領域と、単位時間当たりに変更できる開度の回数である開度変更率と、の少なくともいずれかを設定する弁調整部と、を有する、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記弁調整部は、
    前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が許容範囲から外れる場合に、前記許容範囲内に収まる領域に前記調圧弁の動作開度領域を変更し、
    前記動作開度領域の変更前における前記調圧弁の開度と、前記動作開度領域の変更後における前記調圧弁の開度とで、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が変化しないように、前記分流弁の開度を設定する、燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記弁調整部は、
    前記分流弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記要求供給流量の許容範囲から外れる場合に、前記許容範囲内に収まる領域に前記分流弁の動作開度領域を変更し、
    前記動作開度領域の変更前の前記分流弁の開度と、前記動作開度領域の変更後の前記分流弁の開度とで、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が変化しないように、前記調圧弁の開度を設定する、燃料電池システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池への電力の供給と前記燃料電池によって生じる電力の充電とを行うための二次電池を有し、
    前記許容範囲は、前記急速暖機運転によって要求される前記燃料電池の要求発電量と、前記二次電池の充放電許容量とに基づいて設定される、燃料電池システム。
  5. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記弁調整部は、
    前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第1変化量と、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第2変化量とを比較し、前記第1変化量が第2変化量よりも大きい場合は前記調圧弁の開度を一定に設定し、前記第2変化量が前記第1変化量よりも大きい場合は前記分流弁の開度を一定に設定し、
    前記要求供給流量の許容範囲内となるように、前記調圧弁と前記分流弁のうちで前記流量変化量が小さい方の弁の開度を制御する、燃料電池システム。
  6. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記弁調整部は、
    前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記許容範囲から外れる場合であり、かつ、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときに、前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量が前記許容範囲から外れる場合に、前記調圧弁と前記分流弁のそれぞれの開度を一定に設定し、
    前記発電調整部は、前記要求供給流量の前記許容範囲内となるように、前記コンプレッサから吐出される前記カソードガスの吐出流量を制御する、燃料電池システム。
  7. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記弁調整部は、前記調圧弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第1変化量と、前記分流弁の開度を最小単位で変更したときの前記燃料電池に供給される前記カソードガスの流量変化量である第2変化量とを比較し、前記第1変化量が第2変化量よりも大きい場合は、前記調圧弁の開度変更率を通常時よりも高く設定し、前記第2変化量が前記第1変化量よりも大きい場合は前記分流弁の開度変更率を通常制御時よりも高く設定する、燃料電池システム。
  8. 燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池にカソードガスを供給するカソードガス供給路と、
    前記燃料電池から前記カソードガスを排出するカソードガス排出路と、
    前記カソードガス排出路に設けられ、前記燃料電池のカソード側の背圧を調整するための調圧弁と、
    前記カソードガス供給路に設けられたコンプレッサと、
    前記コンプレッサから吐出された前記カソードガスの一部を、前記燃料電池を迂回させて前記カソードガス排出路に排出するバイパス路と、
    前記バイパス路と前記カソードガス供給路との接続部分に設けられ、前記燃料電池に供給される前記カソードガスと前記バイパス路に供給される前記カソードガスの流量比を調整するための分流弁と、
    前記燃料電池にアノードガスを供給するアノードガス供給路と、
    前記燃料電池から前記アノードガスを排出するアノードガス排出路と、
    前記アノードガス排出路に設けられ、前記アノードガスを排気するための排気弁と、
    前記アノードガス排出路から排出される前記アノードガスと、前記カソードガス排出路から排出される前記カソードガスと、を排出する合流排出路と
    燃料電池システムの動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記燃料電池の発熱を利用して前記燃料電池を昇温させる急速暖機運転中における、前記燃料電池の発電量を調整する発電調整部と、
    前記排気弁が開固着しているか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記発電調整部は、
    前記急速暖機運転中において、前記判定部によって前記排気弁が開固着していると判定された場合に、前記燃料電池の電流値と電圧値とによって特定される前記燃料電池の動作点について、前記排気弁が開固着していないと判定された場合よりも、前記電流値が高い側へと変更する、燃料電池システム。
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