JP2005232303A - カレンダー成形用エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物 - Google Patents

カレンダー成形用エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的とするところは、柔軟で、耐加熱収縮性があり、表面艶が良好で、表面に模様むらのないフィルムやシートをカレンダーで成形するエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】 係る目的を達成する本発明のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲であり、酢酸ビニル含有量が10〜35重量%の範囲であるエチレン・酢酸ビニル共重合体50〜95重量%と、融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜50%からなる樹脂成分100重量部に対して、滑剤0.3〜3.0重量部、酸化防止剤0.05〜2.0重量部配合した組成物である。

Description

本発明は、カレンダー成形用のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、柔軟で、耐加熱収縮性があり、表面艶が良好で、表面に模様むらのないフィルムやシートをカレンダー成形で作製する際のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物に関するものである。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)は、柔軟性に富み、透明性が良好で、高周波ウエルダー適性があり、安価であることから、フィルムやシートは食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用などに使用されている。
従来、これらの製品に関しては、軟質塩化ビニル樹脂から製造されてきた。一般に、軟質塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂に可塑剤を配合することで作製される。可塑剤を配合した塩化ビニル樹脂は、フィルムやシートを作製する際の成形加工性が良好で、フィルムやシートは真空成形や印刷などの2次加工性も良好である。また、原料の約60重量%に相当する塩素は食塩を経て作られており、樹脂素材の中で石油への依存度が低い点で資源問題への貢献度も大きな樹脂である。さらに、価格競争力もある。
しかしながら、近年、軟質塩化ビニル樹脂については、種々の問題に起因して、使用量が減少している。まず、可塑剤については、環境ホルモンに関わる問題が存在する。また、製品からの可塑剤の移行が問題となる場合もある。また、軟質塩化ビニル樹脂を成形加工する際に配合する安定剤については、重金属に関わる問題がある。さらに、軟質塩化ビニル樹脂を燃焼した際に発生するダイオキシンガスに関わる問題もある。したがって、軟質塩化ビニル樹脂は、経済性、成形加工性、性能の面で、フィルムやシート用の樹脂素材として好適なものであるが、上記諸問題との関連で、それを代替するための製品開発が進められている。
ここで、軟質塩化ビニル樹脂の代替素材には、性能の類似性やコスト面から、ポリオレフィン系樹脂が代表として挙げられる。その中でも、軟質であることを考慮すると、エチレンに各種のモノマーを共重合した低結晶性のエチレン系共重合体が好適である。
エチレン系共重合体については、エチレンと共重合するモノマーの種類や製造方法によって性能の異なるものが製造される。具体的には、極性のないコモノマー、例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンをエチレンと共重合する場合や、極性を有するコモノマー、例えば、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートをエチレンと共重合する場合がある。また、エチレン系共重合体の分子構造は樹脂の製造方法によって異なっており、分子構造の違いは成形加工性に影響する。
エチレン系共重合体の中で、EVAは、酢酸ビニルコモノマーが極性を有することから、軟質塩化ビニル樹脂からなるフィルム、シートの特徴である高周波ウエルダー適性を有する点で、無極性のコモノマーを共重合したものにはない特徴を有している。また、極性を有する他のコモノマーを共重合したものに比べて低コストである。さらに、樹脂の製造方法の影響で、成形加工性の良好な、特に、軟質塩化ビニル樹脂を成形加工する際に多用されるカレンダー成形にとって好適な溶融張力の大きな樹脂となる。このように、EVAは、種々の面で、他の類似のポリオレフィン系樹脂に対して優位な面を有している。
以上記したように、EVAは、種々の面で、軟質塩化ビニル樹脂の代替素材として好適なものであるが、それからなるフィルムやシートに関しては、軟質塩化ビニル樹脂からなるものに比べて耐加熱収縮性に劣るという欠点がある。可塑剤を配合して軟質化する塩化ビニル系樹脂に対して、ポリオレフィン系樹脂、特に、エチレン系共重合体の場合は、主成分となるモノマーに他のモノマーを共重合し、主成分となるモノマーの連鎖からなる硬質の結晶部分を少なくすることで軟質化している。しかし、結晶部分はそれ以外の非結晶部分より耐熱性が良好であり、結晶部分が少なくなることは素材全体の耐熱性を低下させることになる。また、共重合によって軟質化すると、結晶部分の量が少なくなると同時に融点も低くなり、その面からも耐熱性は低下する。
ここで、EVAからなるフィルムやシートは、押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形法で製造される。この中で、カレンダー成形は、高速生産が可能で、厚みの精度の良好なフィルムが得られ、これらの点で押出成形やインフーレション成形に対して優位である。カレンダー成形とは、溶融樹脂を加熱した金属ロール(カレンダーロール)で圧延することによって所望の厚さのシートやフィルムを作製する成形方法であり、押出成形におけるダイス近傍で発生するトラブルもない。カレンダー成形は軟質塩化ビニル樹脂に好適な加工方法であり、軟質塩化ビニル樹脂からなるフィルムやシートは、カレンダー成形によって製造されているものが多い。
一方、EVAについては、溶融した樹脂が高温の金属に粘着するために、カレンダー成形でフィルムやシートを作製するには、好適な滑剤を選択することが必要である。EVAに好適な滑剤としては、特許文献1などに例示されている。
また、EVAについては、カレンダー成形でフィルムやシートを製造しようとすると、表面艶が得られないとともに、表面に模様のむらが発生するという問題が発生する。具体的には、表面全体が粗面となって、フィルムやシートの透明性が得られなくなるとともに、カレンダーロール間での溶融樹脂溜まり(当該分野でバンクと称する)での溶融体の流れが不均一で、その流れの不均一性を反映したマーク(当該分野でフローマークと称する)に伴う部分的な模様のむらがフィルム、シートの表面に発生する。
したがって、EVAは、性能およびコスト面から、軟質塩化ビニル樹脂の代替素材として好適なものであるが、素材の特徴である柔軟性を維持した状態で、耐加熱収縮性を付与し、カレンダー成形を適用して、厚み精度の良好なフィルムやシートを高速で製造し、加えて、表面艶が良好で、透明性があり、フローマークによる模様むらのないフィルムやシートを得ることは困難な課題であった。
特開2001−31822号公報
本発明者等は、上記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体に、特定のポリオレフィン系樹脂を特定量配合し、さらに、特定量の滑剤と酸化防止剤を配合した組成物が上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的とするところは、柔軟で、耐加熱収縮性があり、表面艶が良好で、表面に模様むらのないフィルムやシートをカレンダー成形で作製する際のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物に関するものである。
係る目的を達成する本発明のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲であり、酢酸ビニル含有量が10〜35重量%の範囲であるエチレン・酢酸ビニル共重合体50〜95重量%と、融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜50%からなる樹脂成分100重量部に対して、滑剤を0.3〜3.0重量部、酸化防止剤を0.05〜2.0重量部配合する組成物である(請求項1)。
この際、カレンダー成形において幅広い加工条件範囲で、得られたフィルムやシートの表面を模様むらのない均一な艶面にすることを考慮すると、上記融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂については、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲であるものが好ましい(請求項2)。
本発明の組成物は、従来公知のカレンダー成形法に適用することで、厚さが50〜500μmの範囲にある、柔軟で、耐加熱収縮性があり、表面艶が良好で、フローマークによる模様むらのないフィルムやシートを、高速で製造することができる。
得られたフィルムやシートは、粘着テープなどのテープ用基材、食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用のフィルムやシートとして、幅広く使用することができる。
以下、本発明の好適実施の態様について詳細に説明する。
本発明における組成物に用いるEVAとしては、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲のものに限られる。ここで、Mw/Mnが2.0未満の場合は、溶融体の溶融張力が小さくなり、カレンダーロールからシート状の溶融体を剥離する際に自重による垂れ下がりが発生し、得られるフィルムやシートに厚みむらが発生する。樹脂の溶融粘度を大きくすることや、加工時の溶融体の温度を下げることでこの問題は解決できるが、フィルムやシートの表面艶が悪化し、表面艶を得るために加工温度を上げると溶融体がカレンダーロールに粘着し、加工できなくなる。また、Mw/Mnが2.0より小さくなると、溶融体のせん断粘度の非ニュートン性が大きくなる。そのために回転中のカレンダーロールにかかる負荷が大きくなり、カレンダーロールの間隔を狭めて薄いフィルムを作製することや、カレンダーロールを高速で回転し、フィルムやシートを高速で製造することが困難となる。この問題も、加工時の溶融体の温度を上げることで解決できるが、溶融体の溶融張力がさらに小さくなるために、カレンダーロールから溶融体を剥離する際の垂れ下がりが顕著になる。また、加工温度によってはカレンダーロールに粘着し、加工できなくなる。
一方、Mw/Mnが4.0を越えると、カレンダー成形で得られたフィルムやシートの表面が粗くなって透明性が得られないとともに、カレンダーロール間の溶融樹脂溜まり(当該分野でバンクと称する。)での溶融体の流れが不均一で、フィルムやシートの表面にフローマークによる模様むらが発生する。
したがって、カレンダー成形でフィルムやシートを作製する際に、自重による垂れ下がりを抑えることができる溶融張力を有し、表面艶が得られ、バンクにおける溶融体の流れが均一でフィルムやシートの表面にフローマークによる模様むらのないEVAからなるフィルムやシートをカレンダー成形によって高速で得るためには、EVAのMw/Mnは2.0〜4.0の範囲に限定される。
ここで、本発明で用いられるEVAのメルトフローレート(以下、MFRと記す。)については特に限定されない。ただし、厚みが50〜500μmのフィルムやシートをカレンダー成形法で作製することを考慮すると、EVAのMFRは190℃、2160gの荷重下で測定した値が0.5〜10g/10分であることが好ましい。MFRが0.5g/分未満である場合は、フィルムやシートの表面艶を得るための加工条件幅が狭くなり、かといって、MFRが10g/10分を越えると、溶融体の溶融張力が小さくなり、溶融体がカレンダーロールから剥離する際に、自重による垂れ下がりを抑えることができる加工条件幅が狭くなる。
また、本発明においては、カレンダー成形性を改良する目的で、MFRの異なるEVAを数種類混合することもできる。ただし、その場合も、混合した結果として得られる組成物のMw/Mnが2.0〜4.0の範囲であることが必要である。
また、本発明では、使用するEVAの分子量についても特に限定されない。但し、前記したとおり、EVAとして好適なMFRの範囲があることから、そのMFRに対応した範囲の分子量が好適である。
また、本発明においては、EVA中の酢酸ビニル含有量が10〜35重量%の範囲であることが必要である。EVAの酢酸ビニル含有量が10重量%より少ない場合は、EVAの柔軟性が劣っており、融点100℃以上のポリオレフィン系樹脂を配合して耐加熱収縮性を付与すると柔軟性が不足する。一方、酢酸ビニル含有量が35重量%を越えると、高温の金属ロールへの溶融体の粘着が顕著となり、滑剤を多量に配合しなければロールから剥離することができなくなる。しかし、滑剤を多量に配合すると、カレンダー成形によって得られたフィルムやシートの表面に滑剤が湧き出して(当該分野でブリードアウトと称する。)、フィルム、シートの表面に粘着剤や接着剤を塗布する際や印刷を施す際に、不具合を引き起こすことになる。
したがって、EVAを主成分として、柔軟で、表面に滑剤のブリードアウトのないフィルムやシートをカレンダー成形で作製するには、EVA中の酢酸ビニル含有量が10〜35重量%の範囲であるものに限られる。
また、本発明においては、機械的特性の改善などを目的として、酢酸ビニル含有量の異なるEVAを数種類混合することもできる。ただし、その場合も、混合した結果として得られる組成物の酢酸ビニル含有量が平均として10〜35重量%の範囲にあることが必要であるとともに、Mw/Mnが2.0〜4.0の範囲にあることが必要である。
一方、本発明においては、EVAに融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂を5〜50%配合することが必要である。ここで、ポリオレフィン系樹脂は、当該組成物を用いてカレンダー成形で作製したフィルムやシートに耐加熱収縮性を付与するために配合するものである。融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂は硬質であり、柔軟で、耐加熱収縮性の良好なフィルムやシートを作製するという本発明の目的を踏まえると、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂が50重量%を越えて主成分になることは好ましくない。融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂が主成分となる組成物ならば耐加熱収縮性が良好になることは理解されるが、本発明の特徴は、融点の低いEVAが主成分となる組成物において、EVAが溶融する温度以上にしても良好な耐加熱収縮性が得られる点にある。これは、主成分となるEVAのマトリックスの中に融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂が、球状に近い形状で個々独立に分散していた場合には想定しにくい現象である。カレンダー成形によって得られたフィルムやシートの相構造を走査型電子顕微鏡で観察すると、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂が、少量でも連続した構造になっており、特に、カレンダー成形に代表されるように、フィルムやシートを作製する際に溶融体を延伸する工程が入る場合は、ポリオレフィン系樹脂からなる繊維構造が延伸方向に繊維状に配向した構造が観察される。したがって、当該組成物に関しては、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂が、少量成分でも、カレンダー成形フィルムやシート内で連続的な繊維状構造になり、この構造が良好な耐加熱収縮性を発現していると理解される。
ここで、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂の配合量が5重量%の場合には、配合量が少なすぎ、十分な耐加熱収縮性を得ることができない。一方で、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂の配合量が50重量%を越える場合は、成形体の硬さが硬くなり、柔軟性が目標を満足できなくなる。したがって、十分な耐加熱収縮性が得られる上に、柔軟性を満足させようとすると、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂に関しては、配合量が5〜50重量の範囲に限られることになる。
また、本発明においては、ポリオレフィン系樹脂の融点が100℃以上に限られる。ポリオレフィン系樹脂の融点が100℃より低くても、耐加熱収縮性を求められる温度が100℃より低い場合には耐加熱収縮性が発現される場合がある。ただし、融点が100℃より低いポリオレフィン系樹脂を配合することで付与できる耐熱加熱収縮性に関しては、効果が期待できる温度範囲が狭く、適用できる用途が限定される。また、融点が100℃より低いポリオレフィン系樹脂で耐加熱収縮性が付与できるのは、酢酸ビニル含有量が多いEVAに対してであり、酢酸ビニル含有量の多いEVAに融点の低いポリオレフィン系樹脂を配合することから、それらの組成物からなる成形体にはべたつき感があり、実用上好ましくない。したがって、耐加熱収縮性が発現できる温度範囲が広く、カレンダー成形で得られたフィルムやシートにべたつきがないものとするためには、EVAに配合するポリオレフィン系樹脂は融点が100℃以上のものに限定される。一方、ポリオレフィン系樹脂の融点の上限に関しては特に限定されないが、EVAの熱安定が他のポリオレフィン系樹脂に比べて劣る点を踏まえると、かなりの高温にならなければ溶融しないような融点の高いポリオレフィン系樹脂は、EVAに配合するものとして好ましくない。
ここで、融点が100℃以上となるポリオレフィン系樹脂に関しては、その種類は特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレン、高圧ラジカル重合法で製造される低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合によって得られる直鎖状低密度ポリエチレン、およびポリプロピレン、ポリ−(1−ブテン)などのポリ−α−オレフィン系樹脂、ならびにプロピレンに少量のエチレンをランダムに共重合したランダム共重合樹脂やエチレンと少量の酢酸ビニルの共重合によって得られるエチレン・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。この中でも、耐加熱収縮性を付与できる温度範囲が広く、250℃を越えるような高温で成形しなくても成形体が作製でき、低コストであることも踏まえると、ポリエチレン系樹脂の中で融点の高い高密度ポリエチレンや融点が160℃に達するポリプロピレン系樹脂が好ましいことになる。
また、本発明の組成物は、カレンダー成形でフィルムやシートを作製するものである。そのためには、溶融樹脂を高温のカレンダーロールから剥離することが必要で、極性のあるEVAを主成分とする組成物の場合には、高温のカレンダーロールから溶融体を剥離するために、樹脂成分100重量部に対して滑剤を0.3〜3.0重量部配合することが必要となる。
ここで、滑剤の種類としては、特に限定されないが、金属製の高温ロールからの剥離性がよく、金属ロールへの滑剤の過剰な付着(当該分野においてプレートアウトと称する。)や、フィルムやシート表面への滑剤の湧き出し(当該分野においてブリードアウトと称する)の少ない滑剤が好ましい。好適な滑剤としては、ベヘン酸やモンタン酸などの炭素数が21以上の脂肪酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどのアミド系化合物、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどのエチレンビスアマイド系化合物、モンタン酸とエチレングリコールのジエステル、高分子複合エステルなどのエステル系化合物、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウムなどの金属石鹸などが挙げられる。
ここで、滑剤の配合量が0.3重量部より少ない場合は、カレンダーロールからの溶融樹脂の剥離性が不足し、かといって、配合量が3.0重量部より多くなると、加工中に滑剤がカレンダーロールにプレートアウトして、フィルムやシートの外観を損ねたり、得られたフィルム、シートの表面に滑剤がブリードアウトして、フィルム、シートに印刷を施したり、粘着剤を塗布する際の印刷不良や粘着剤塗布不良を引き起こすことになる。
したがって、高温のカレンダーロールから安定的に剥離でき、カレンダー加工中にカレンダーロールに滑剤がプレートアウトして種々の問題を引き起こさないようにするために、樹脂成分100重量部に対して、滑剤の配合量は0.3重量部〜3.0重量部の範囲に限定される。
また、本発明の組成物については、カレンダー成形でフィルムやシートを作製するために、溶融樹脂の酸化を防ぐために、樹脂成分100重量部に対して、酸化防止剤を0.05〜2.0重量部配合することが必要となる。EVAは、ポリオレフィン系樹脂の中でも酸化劣化が起こりやすく、さらに、カレンダー成形法は、高温の溶融樹脂が空気に触れている機会の多い成形法であることから、酸化防止剤の配合が必須となる。
ここで、EVAの酸化防止性能とカレンダーロールへプレートアウト、フィルムやシート表面へのブリードアウトを防止することを考慮すると、好適な酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、アミン系化合物、ラクトン系化合物などが挙げられる。
ここで、酸化防止剤の配合量は0.05重量部から2.0重量部に限定されているが、0.05重量部より少ない場合は、EVAを主成分とする樹脂成分の酸化を防止する効果が小さく、加工中に樹脂成分が酸化劣化を起こして低分子量化するとともに、金属ロールに溶融体が粘着するようになる。一方、配合量が2.0重量部より多くなると、加工中にカレンダーロールに酸化防止剤がプレートアウトして、フィルム、シートの外観を損ねたり、得られたフィルム、シートの表面に酸化防止剤がブリードアウトとして、フィルム、シートに印刷を施したり、粘着剤を塗布する際の印刷不良や粘着剤塗布不良を引き起こすことになる。
したがって、カレンダー成形中でも酸化劣化を防いで、ロールから安定的に剥離でき、カレンダー加工中にカレンダーロールに酸化防止剤がプレートアウトして種々の問題を引き起こさないようにするために、酸化防止剤の配合量は樹脂成分100重量部に対して、0.05重量部〜2.0重量部の範囲に限定される。
また、本発明における融点100℃以上のポリオレフィン系樹脂については、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲であるものを用いることで、カレンダー成形で安定的にフィルムやシートが作製でき、表面艶や模様むらが発生しやすい薄いフィルムを作製する際やカレンダーロールを高速で回転させてフィルムやシートを高速で製造する際にも表面艶が良好で、模様むらのないものにすることができる。本発明は、カレンダー成形で得られるフィルムやシートの表面艶を良好にし、模様むらを発生させないために、主成分であるEVAのMw/Mnを規定しており、耐加熱収縮性を付与するためにポリオレフィン系樹脂を配合しても、基本的には、表面艶は良好で、模様むらは発生しない。ただし、ポリオレフィン系樹脂のMw/Mnが4.0を越える場合は、厚みを薄くしたり、カレンダーロールを高速で回転させてフィルムやシートを作製する場合には、表面艶がなくなり、模様むらが発生する場合がある。その際に、ポリオレフィン系樹脂についても、Mw/Mnを4.0以下のものに限定すると、厚みの薄いフィルムを作製する際や高速でフィルムやシートを作製する際にも表面艶が良好で、模様むらのないフィルムやシートが得られることになる。一方で、Mw/Mnが2.0未満のポリオレフィン系樹脂を配合する場合は、表面艶が得られ、模様むらも発生しないが、主成分であるEVAと同様に、溶融体の溶融張力が小さくなり、カレンダーロールから溶融体を剥離する際に自重による垂れ下がりが発生し、得られるフィルムやシートに厚みむらが発生する。また、溶融体のせん断粘度の非ニュートン性が大きくなるために回転中のカレンダーロールにかかる負荷が大きくなり、カレンダーロールの間隔を狭めて薄いフィルムを作製することや、カレンダーロールを高速で回転し、フィルムやシートを高速で製造することが困難となる。
したがって、種々の仕様のフィルムや幅広い加工条件の下で、表面艶があり、模様むらのない均一なフィルムやシートをカレンダー成形で高速に製造するためには、EVAに配合するポリオレフィン系樹脂については、Mw/Mnが2.0〜4.0の範囲であるものが好ましい。
上記のようなMw/Mnが2.0〜4.0の範囲にあるポリオレフィン系樹脂については、最近のメタロセン触媒を用いて重合技術の進歩により、市販品として入手することができるようになっており、本発明においても、それらの市販品を用いることが好ましい。
本発明に係るEVA樹脂組成物には、目的を損ない範囲で、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系などの従来公知の紫外線吸収剤、或いは低分子または高分子型の帯電防止剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、タルクなどの充填剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤などを適宜配合することができる。
また、本発明の基材フィルムを作製する際には、樹脂ペレットおよび添加剤を単純に混ぜ合わせたものを材料として用いてもよく、予め混練機で溶融混練したものでもよい。更に、添加剤を樹脂に高濃度で配合した通常、マスターバッチと称される材料を前もって調整し、これらを単純に混合するか、または樹脂ペレットとマスターバッチを溶融混練したものを用いてもよい。ここで使用される混練機としては公知の装置が使用できるが、取り扱いが容易で均一な分散が可能であるロール、1軸または2軸押出機、ニーダー、コニーダー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサーなどが好ましく用いられる。
本発明の組成物は、従来公知のカレンダー成形設備に適用することで、厚さが50〜500μmの範囲にある、柔軟で、透明性があり、表面艶が良好で、フローマークによる模様むらのないフィルムやシートを、高速で製造することができる。
得られたフィルムは、粘着テープなどのテープ用基材、食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用のフィルムやシートとして、幅広く使用することができる。食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用などの用途に使用することができる。
次に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード635(以下、これを[A1]と記す。)を用いた。[A1]は、酢酸ビニル含有量が25重量%で、190℃、2160gの荷重下で測定したMFRが2.4g/10分である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)は2.6である。一方、融点100℃以上のポリオレフィン系樹脂として、プロピレンに少量のエチレンをランダムに共重合したランダム共重合ポリプロピレン系樹脂(rPP)を用いた。用いたrPPは、サンアロマー(株)社製のサンアロマー、グレードPM811M(以下、これを[B1]と記す。)である。これは融点が155℃である。ここでは、[A1]と[B1]の混合比率を重量分率で[A1]:[B1]=80:20とし、一般的なカレンダー成形法により厚さ120μmの無色なフィルムを作製した。この時、滑剤として旭電化工業(株)社製の脂肪酸系滑剤(商品名;EXL−5)を用い、これを樹脂成分100重量部に対して2.0重量部配合した。また、酸化防止剤として旭電化工業(株)社製のアデカスタブAO−60およびアデカスタブ2112を用い、各々を樹脂100重量部に対して0.3重量部づつ配合した。
カレンダー成形に際し、[A1]、[B1]、EXL−5、AO−60、2112をヘンシェルミキサーで均一に混合し、バンバリーミキサーで樹脂温度が168℃になるまで混練して、組成物を調整した。これを、175℃に調整された逆L型形の4本ロールのカレンダー成形機を用いて圧延し、引き取り、冷却工程を経て、厚さ120μm、幅1300mmのフィルムを作製した。フィルムは、片面を艶面に、片面を梨地面とした。
そして、フィルムの成形過程において、溶融した樹脂のカレンダーロールからの剥離性、フィルム表面における艶状態およびフローマークの有無、カレンダーロールへのプレートアウトの有無、フィルムの柔軟性と耐加熱収縮性を下記の方法で評価した。また、各評価項目に関する良否の判定は下記の評価基準にしたがって行なった。
各実施例の評価結果を表1に示す。
[評価基準]
(1)カレンダーロールからの剥離性の評価
剥離性の評価;2時間の連続成形内でカレンダーロールに絡んでいるシート状の溶融体が175℃に設定されたロールから剥離し続けた場合を良(○)とし、粘着した場合は不可(×)とした。
(2)フィルム表面の艶;得られたフィルムの表面状態を目視で観察し、表面の全面にわたって艶が得られている場合を良(○)とし、その中でも特に、カレンダーロールの間隔を狭めて厚さ80μm以下の薄いフィルムを35m/min以上の高速で回転しているカレンダーロールで作製しても艶が良好となる場合を優(◎)として、良(○)および優(◎)を合格とした。一方で、木目調の細かい肌荒れが発生して、フィルムが曇っている場合は不可(×)とした。
(3)フィルム表面のフローマークの有無;得られたフィルムの表面状態を目視で観察し、表面の全面にわたってフローマークが発生しない場合を良(○)とし、その中でも特に、カレンダーロールの間隔を狭めて厚さ80μm以下の薄いフィルムを35m/min以上の高速で回転しているカレンダーロールで作製してもフローマークが発生しない場合を優(◎)として、良(○)および優(◎)を合格とした。一方で、フィルムの表面にフローマークが発生している場合は不可(×)とした。
(4)カレンダーロールへのプレートアウト;2時間の連続成形内でカレンダーロールにプレートアウトが発生しなかった場合を良(○)とし、プレートアウトが発生した場合を不可(×)とした。
(5)柔軟性;柔軟性に関する判定は、引張弾性率を指標として実施した。ここでは、一般的に使用されている軟質塩化ビニルフィルムの引張弾性率と比較することで良否を判定した。軟質塩化ビニルフィルムの中で、柔軟性が低い部類に属するフィルム(塩化ビニル樹脂100重量部に可塑剤として2−エチルヘキシルフタレートを25重量部配合したもの)の引張弾性率を基準値とし、測定した引張弾性率が基準値と同等以下の場合は良(○)とし、基準値より大きな場合は不可(×)とした。
なお、引張弾性率は1号のダンベル試験片を用い、チャック間距離80mm、標線間距離40mmとし、引張速度300mm/分で行い、初期弾性率を引張弾性率とした。
(6)耐加熱収縮性;耐加熱収縮性に関する判定は、酢酸ビニル含有量が10重量%のEVAからなるフィルムの耐加熱収縮率と比較することで良否を判定した。基準としたフィルムは、EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード543を用い、実施例1と同種、同量の滑剤と酸化防止剤を配合し、実施例1と同じ設備を用いて、同じ加工条件で、厚さ120μm、幅1300mmのフィルムを作製した。ここで、耐加熱収縮率が、基準とするフィルムのそれよりも小さくなる場合は耐熱収縮性が良(○)とし、それよりも大きくなる場合は耐熱収縮性が不可(×)とした。なお、フィルムの加熱収縮率の測定に関しては、JIS K 6734に準拠し、120mm×120mmの正方形のフィルムに100mmの標線を引き、加熱収縮後の標線の長さを読み取ることで行なった。加熱条件は、温度を100℃、保持時間を20分とし、加熱収縮率は下記(1)式より算出した。
加熱収縮率=100(熱収縮した長さ)/(熱収縮前の標線間距離) (1)
<実施例2>
実施例2は実施例1と同じ組成物を用い、カレンダーロールの間隔を狭めて、厚さ70μmのフィルムを作製した。ロール間隔が狭まったことによって、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れがわずかに不均一となり、その状態を反映したフローマークに伴う部分的な模様むらがフィルム表面にわずかに発生した。
<実施例3>
実施例3は、[B1]以外は実施例1、2と同じ材料からなる組成物を用いた。ここでは、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂として、メタロセン触媒を用いて重合されたrPP(m−rPP)を用いた。用いたm−rPPは、社製の、グレード(以下、これを[B2]と記す。)である。[B2]は、GPCで測定したMw/Mnは2.2で、融点が142℃である。ここでは、[B1]を[B2]とした以外は実施例2と同じである。表1には実施例3の評価結果を記すが、[B2]のMw/Mnが4.0以下であることから、実施例2に比べて、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れが均一であり、フローマークは発生しなかった。
<実施例4>
実施例4では、EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード0A54A(以下、これを[A2]と記す。)を用いた。[A2]は、酢酸ビニル含有量が15重量%で、190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは2.0g/10分である。また、GPCで測定したMw/Mnは2.9である。一方、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。用いたHDPEは、東ソー(株)製のニポロンハード、グレード4010(以下、これを[B3]と記す。)である。[B3]は、融点が136℃である。
ここでは、実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工温度で、厚さ100μm、幅1300mmの無色なフィルムを作製した。この時、滑剤として日東化成工業(株)社製のステアリン酸亜鉛(商品名;Zn−St)を用い、これを樹脂100重量部に対して1.5重量部配合した。また、酸化防止剤はAO−60と旭電化工業(株)社製のアデカスタブPEP−36を用い、各々を樹脂100重量部に対して0.5重量部づつ配合した。
<実施例5>
実施例5は実施例4と同じ組成物を用い、カレンダーロールの間隔を狭めて、厚さ70μmのフィルムを作製した。ロール間隔が狭まったことによって、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れがわずかに不均一となり、その状態を反映したフローマークに伴う部分的な模様むらがフィルム表面にわずかに発生した。
<実施例6>
実施例6は、[B3]以外は実施例4、5と同じ材料からなる組成物を用いた。ここでは、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂として、メタロセン触媒を用いて重合されたHDPE(m−HDPE)を用いた。用いたm−HDPEは、旭化成工業(株)社製のクレオレックス、グレードK4750(以下、これを[B4]と記す。)である。[B4]は、GPCで測定したMw/Mnは3.0で、融点が129℃である。ここでは、[B3]を[B4]とした以外は実施例5と同じである。表1には実施例3の評価結果を記すが、[B4]のMw/Mnが4.0以下であることから、実施例5に比べて、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れが均一であり、フローマークは発生しなかった。
<実施例7>
実施例7は、EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード628(以下、これを[A3]と記す。)を用いた。[A3]は、酢酸ビニル含有量が20重量%で、190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは1.3g/10分である。また、GPCで測定したMw/Mnは3.4である。一方、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた。用いたLLDPEは、東ソー(株)社製のニポロン−Z、グレードZF260(以下、これを[B5]と記す。)である。[B5]は、融点が126℃である。
ここでは、実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工温度で、厚さ120μm、幅1300mmの無色なフィルムを作製した。この時、滑剤として日本油脂(株)社製のエチレンビスオレイン酸アマイド(商品名;アルフローAD−281)を用い、これを樹脂100重量部に対して0.75重量部配合した。また、酸化防止剤には、実施例1〜3と同じAO−60と2112を用い、各々を樹脂100重量部に対して0.75重量部づつ配合した。
<実施例8>
実施例8は実施例7と同じ組成物を用い、カレンダーロールの間隔を狭めて、厚さ70μmのフィルムを作製した。ロール間隔が狭まったことによって、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れがわずかに不均一となり、その状態を反映したフローマークに伴う部分的な模様むらがフィルム表面にわずかに発生した。
<実施例9>
実施例9は、[B5]以外は実施例7、8と同じ材料からなる組成物を用いた。ここでは、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂として、メタロセン触媒を用いて重合されたLLDPE(mLLDPE)を用いた。用いたmLLDPEは、東ソー(株)社製の、グレード7P07A(以下、これを[B6]と記す。)である。[B6]は、GPCで測定したMw/Mnが2.0で、融点が121℃である。ここでは、[B5]を[B6]とした以外は実施例8と同じである。表1には実施例9の評価結果を記すが、[B6]のMw/Mnが4.0以下であることから、実施例8に比べて、カレンダーロール間におけるバンクでの溶融体の流れが均一であり、フローマークは発生しなかった。
<比較例1>
比較例1は、実施例1で用いた[A1]のみで、実施例1と同種、同量の滑剤と酸化防止剤を配合して、実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。表2には比較例1の評価結果を記すが、融点100℃以上のポリオレフィン系樹脂が配合されておらず、フィルムの加熱収縮率が非常に大きい。
<比較例2>
比較例2は、実施例1における[A1]に代えてEVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード640(以下、これを[A4]と記す。)を用いた。[A4]は、酢酸ビニル含有量が25重量%、190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは2.8g/10分である。また、GPCで測定したMw/Mnは4.3であり、Mw/Mnが請求範囲から外れている。
ここでは、[A1]の代わりに[A4]を用いた以外は実施例1と同じ配合で、同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。[A1]と[A4]は酢酸ビニル含有量とMFRはほぼ同じであるが、Mw/Mnが異なり、[A4]のMw/Mnは請求範囲から外れている。表2には比較例2の評価結果を記すが、表面艶が得られず、フローマークによる模様むらも発生する。
<比較例3>
比較例3は、実施例1における[B1]に代えてポリオレフィン系樹脂としてmLLDPEを用いた。用いたmLLDPEは、東ソー(株)社製の、グレード7P04B(以下、これを[B7]と記す。)を用いた。[B7]は、融点が95℃であり、融点が請求範囲から外れている。ここでは、[B1]の代わりに[B7]を用いた以外は実施例1と同じ配合で、同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。表2には比較例3の評価結果を記すが、耐加熱収縮性が目標を満足しない。
<比較例4>
比較例4では、EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレード510(以下、これを[A5]と記す。)を用いた。[A5]は、酢酸ビニル含量が6重量%で、酢酸ビニル含有量が請求範囲を外れている。190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは2.5g/10分である。また、GPCで測定したMw/Mnは3.4である。また、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂としては、実施例9で用いた[B6]を用いた。ここでは、[A5]と[B6]を重量比率で50:50となるように配合し、実施例1と同種、同量の滑剤と酸化防止剤を配合して、実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。表2には比較例4の評価結果を記すが、[B6]は融点が100℃を越えているが、ポリオレフィン系樹脂の中では幾分軟質であり、その混合比率も50%であるが、それでも柔軟性が目標を満足しない。
<比較例5>
比較例5では、EVAとして、東ソー(株)社製のウルトラセン、グレードYX23(以下、これを[A6]と記す。)を用いた。[A6]は、酢酸ビニル含有量が42重量%で、酢酸ビニル含有量が請求範囲を外れている。190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは0.4g/10分である。また、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂としては、実施例4で用いた[B3]を用いた。ここでは、[A6]と[B3]を重量比率で50:50となるように配合し、実施例1と同種、同量の滑剤と酸化防止剤を配合して、150℃に設定された二本ロールで混練した。表2には比較例5の評価結果を記すが、[B6]の混合比率が多く、ロール温度も150℃と低く、滑剤であるEXL−5も2.0重量部配合したが、溶融体がロールに粘着した。
<比較例6>
比較例6は、実施例1で用いた組成物に対して、滑剤であるEXL−5を樹脂100重量部に対して0.2重量部配合した組成物であり、それ以外は実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製しようとした。ところが、カレンダーロールに溶融体が粘着し、フィルムを製造することができなかった。
<比較例7>
比較例7は、実施例1で用いた組成物に対して、滑剤であるEXL−5を樹脂100重量部に対して4.0重量部配合した組成物であり、それ以外は実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。フィルムは製造できたが、カレンダーロールにプレートアウトが発生した。
<比較例8>
比較例8は、実施例1で用いた組成物に対して、酸化防止剤であるAO−60と2112を樹脂100重量部に対して0.02重量部づつ配合した組成物であり、それ以外は実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製しようとした。ところが、成形開始直後はカレンダーロールから剥離したが、運転時間の経過とともに溶融体がカレンダーロールに粘着した。
<比較例9>
比較例9は、実施例1で用いた組成物に対して、酸化防止であるAO−60と2112を樹脂100重量部に対して1.5重量部づつ配合した組成物であり、それ以外は実施例1と同じカレンダー設備を用いて、同じ加工条件で、同じ厚みと幅のフィルムを作製した。フィルムは製造できたが、カレンダーロールにプレートアウトが発生した。
Figure 2005232303
Figure 2005232303
本発明に係るカレンダー成形用エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物によれば、組成物の基本となるエチレン・酢酸ビニル共重合体が特定の分子量特性と酢酸ビニル含有量を有し、ポリオレフィン系樹脂も特定の融点と分子量特性を有するものであることから、柔軟で、耐加熱収縮性があり、表面艶が良好で、フローマークによる模様むらのないフィルムやシートを、カレンダー成形によって、高速で製造することができ、得られたフィルムは、厚み精度も良好であり、軟質塩化ビニル樹脂の代替用途を含めて、粘着テープなどのテープ用基材、食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用のフィルムやシートとして、種々の用途に使用することができる。

Claims (2)

  1. 重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0の範囲であり、酢酸ビニル含有量が10〜35重量%の範囲であるエチレン・酢酸ビニル共重合体50〜95重量%と、融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜50%からなる樹脂成分100重量部に対して、滑剤0.3〜3.0重量部、酸化防止剤0.05〜2.0重量部を配合することを特徴とするカレンダー成形用エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物。
  2. 上記融点が100℃以上である1種類以上のポリオレフィン系樹脂において、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が2.0〜4.0であることを特徴とする請求項1に記載のカレンダー成形用エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂組成物。
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