JP2017099703A - 絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム及び救急絆創膏 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、及び、高密度ポリエチレンを含有し、上記エチレン酢酸ビニル共重合体は、メルトフローレートが2.0g/10min以下であり、かつ酢酸ビニル含有率が10〜28重量%であり、上記低密度ポリエチレンは、メルトフローレートが3.0g/10min以下であり、上記高密度ポリエチレンは、メルトフローレートが1.0g/10min以下である絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム。
【選択図】 図1
Description
上記印刷層は、紫外線硬化型インクの硬化物であることが好ましい。
上記エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene−Vinyl Acetate)は、エチレン単量体単位及び酢酸ビニル単量体単位を含む共重合体であれば特に限定されないが、酢酸ビニル含有率が10〜28重量%である。酢酸ビニル含有率が28重量%を超えると、柔軟性が高くなり過ぎ、酢酸ビニル含有率が10重量%未満であると、柔軟性が低くなり過ぎる。酢酸ビニル含有率が10〜28重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体を配合することによって、絆創膏特有の風合いを発現させることができる。
上記高密度ポリエチレン(HDPE:High Density Polyethylene)は、密度0.942g/cm3以上のポリエチレンであれば特に限定されない。
上記低密度ポリエチレン(LDPE:Low Density Polyethylene)は、密度0.900g/cm3以上〜0.940g/cm3未満のポリエチレンであれば特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Linear LDPE)が好適である。直鎖状低密度ポリエチレンとしては、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)を配合してもよいし、チーグラ・ナッタ触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン(c−LLDPE)を配合してもよい。
上記樹脂組成物は、樹脂成分以外に、各種添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、改質剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤、防曇剤、充填剤、希釈剤、防カビ剤等が挙げられる。
粘着剤層12としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤からなる層が挙げられる。ここで、各粘着剤は、溶剤型であってもよいし、エマルジョン型であってもよいが、ホットメルト系粘着剤であることが好ましい。
また、ホットメルト系粘着剤を用いて粘着剤層を形成する場合、溶剤を揮発させるための乾燥工程(乾燥装置)が不要であるため、その生産性(生産速度)を向上させるのに適しており、また、設備の小型化も図ることができる。
上記粘着力は、サイズ19mm幅×180mm長の救急絆創膏を測定試料とし、これをベークライト板に貼り付け、荷重2kg(1往復)で10分間保持した後、その粘着力を、速度300mm/min、180°剥離で測定する。
印刷層14は、基材フィルム11の表面全体を覆うものであってもよく、部分的に覆うものであってもよい。例えば、印刷層14が、任意の図柄や情報等に対応する平面形状である場合には、印刷層が基材フィルム11の表面を部分的に覆うことになる。
下記の実施例及び比較例において、絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルムを製造するために用いた配合原料は以下の通りである。
(1)オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)
TPO−1:プライムポリマー社製「T−310E」
TPO−2:プライムポリマー社製「T−310VS」
(2)エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)
EVA−1:東ソー社製「ウルトラセン 515」
EVA−2:東ソー社製「ウルトラセン 520F」
EVA−3:東ソー社製「ウルトラセン YX−11」
EVA−4:東ソー社製「ウルトラセン 627」
EVA−5:日本ポリエチレン社製「ノバテック LV430」
EVA−6:東ソー社製「ウルトラセン 631」
EVA−7:東ソー社製「ウルトラセン 514R」
(3)ポリプロピレン(PP)
PP−1:プライムポリマー社製「F−794NV」
PP−2:サンアロマー社製「PS−522M」
(4)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
LLDPE−1:日本ポリエチレン社製「カーネル KF271」
LLDPE−2:プライムポリマー社製「エボリュー SP0511」
LLDPE−3:プライムポリマー社製「エボリュー 2022L」
(5)低密度ポリエチレン(LDPE)
LDPE:日本ポリエチレン社製「ノバテック ZE41K」
(6)高密度ポリエチレン(HDPE)
HDPE−1:京葉ポリエチレン社製「T4005」
HDPE−2:日本ポリエチレン社製「ノバテック HY430」
HDPE−3:日本ポリエチレン社製「ノバテック HF313」
下記表1に示した重量比で、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)をドライブレンドして樹脂組成物を調製した。その後、樹脂組成物を表面温度約170℃のロール2本を用いて、厚さ80μmのフィルムに成形加工し、絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルムを製造した。
下記表1に示したように配合を変更したことを除いて実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜9に係る絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルムをそれぞれ作製した。
(1)カレンダー加工性
成形加工において、ロールからフィルムを引き取った際の作業性に関する下記基準を用いて、樹脂組成物のカレンダー加工性を判定した。
5:不具合なしに容易にフィルムを引き取ることができる
4:不具合なしにフィルムを引き取ることができる
3:フィルムを引き取ることがやや難しいが可能である
2:フィルムを引き取ることが難しい
1:フィルムを引き取ることができない
下記条件にてフィルムを自動記録型引張試験機にてCD方向(フィルム幅方向)に10%伸長させたときの荷重を「10%モジュラス」とした。図2は、10%モジュラスの測定方法の説明図である。図2に示したように、絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム20から切り出した試験片21をチャック22で挟み、試験片21の長さ方向(フィルム幅方向に相当)に向けて伸長させた。
10%モジュラスが4.5〜8.5(N/19mm幅)である場合に、フィルムは、救急絆創膏の用途に適した柔軟性を有する。
フィルム(試験片)寸法:幅19mm×長さ180mm
測定温度:23℃±2℃
標線間距離:25mm
チャック間距離:50mm
引張速度:300mm/min
10%モジュラス測定と同条件にて、フィルムをCD方向に伸長させ、破断したときの試験片の伸長率を「伸び」とした。伸びが300%以上である場合に、フィルムは、救急絆創膏の用途に適した柔軟性を有する。
(4−1)セロピック試験
フィルムの表面に、処理電圧3kVでコロナ処理を実施した後、紫外線硬化型インク(T&K TOKA社製「UV161 墨 S」)4mgをRIテスター(印刷適性試験機)にて塗工し、更に紫外線照射することでインクを硬化させた。インクの組成は、顔料(酸化チタン(IV価)、カーボンブラック、銅及びその化合物等)、感光性樹脂、感光性モノマー、光反応開始剤を含むものであった。紫外線照射の光源にはメタルハライドを用い、積算照射量は100mJ/cm2、出力は80Wであった。硬化後のインク(印刷層)とフィルムとの密着性をセロピック試験にて評価した。
〇:セロハンテープにインクが貼りついていない
△:セロハンテープにインクが貼りついている箇所が少しある
×:セロハンテープ全面にインクが貼りついている
フィルムの表面に、処理電圧3kVでコロナ処理を実施した後、20℃環境下に1時間置いた後のフィルム(表2中の「コロナ処理直後」参照)と、30℃環境下に1か月置いた後のフィルム(表2中の「30℃×1ヶ月後」参照)のそれぞれについて、ぬれ張力試験をJIS K6768に準じて実施した。ぬれ張力(単位:mN/m)は、ぬれ試薬(関東化学社製、「ぬれ張力試験用混合液」)を綿棒に付けてフィルムに塗布し、2秒後にぬれ試薬の液膜が破れるか否かで判定した。ぬれ試薬は、水、メタノール、ホルムアルデヒド、エチレングリコールモノエチルエーテルをぬれ張力に応じて段階的に混合して調製したものを用いた。
フィルムの表面に、処理電圧3kVでコロナ処理を実施した後、5cm角の大きさに切り取ったフィルム片を10枚採取した。そして、コロナ処理面と未処理面とが接するようにフィルム片を重ね、重ね合わせたフィルム片の上下を同じ大きさのガラス板(厚さ:約2mm)で挟み、上側のガラス板の上に5kgの重りを載せた。
11 基材フィルム
12 粘着剤層
13 離型紙
14 印刷層
20 絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム
21 試験片
22 チャック
Claims (6)
- エチレン酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含有し、
前記エチレン酢酸ビニル共重合体は、メルトフローレートが2.0g/10min以下であり、かつ酢酸ビニル含有率が10〜28重量%であり、
前記高密度ポリエチレンは、メルトフローレートが1.0g/10min以下であり、
前記低密度ポリエチレンは、メルトフローレートが3.0g/10min以下である
ことを特徴とする絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム。 - フィルム厚が30〜300μmであることを特徴とする請求項1に記載の絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム。
- 10%モジュラスが4.5〜8.5N/19mm幅であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム。
- 伸び率が300%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム。
- 印刷層、請求項1〜4のいずれかに記載の絆創膏用軟質ポリオレフィンフィルム、及び、粘着剤層が、順に積層されたものであることを特徴とする救急絆創膏。
- 前記印刷層は、紫外線硬化型インクの硬化物であることを特徴とする請求項5記載の救急絆創膏。
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