JP5902427B2 - 救急絆創膏用基材フィルム、救急絆創膏及び救急絆創膏の製造方法 - Google Patents

救急絆創膏用基材フィルム、救急絆創膏及び救急絆創膏の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、救急絆創膏用基材フィルム、救急絆創膏及び救急絆創膏の製造方法に関する。
一般に、救急絆創膏は、軟質フィルム上に粘着剤層を設け、この粘着剤層の中央域にガーゼ等の吸液性パッドを設けたものである。従来、上記軟質フィルムとしては、低伸率領域(絆創膏を使用する上で必要な伸率領域)において弾性力があり、指の関節などに巻きつけた際に、屈伸を繰り返しても巻緩みが少なく、また巻き締まりも少ないバランスのとれた材料である点から、軟質塩化ビニル系樹脂からなるものが広く用いられてきた。
しかしながら、近年、塩化ビニル系樹脂フィルムが塩素を含むことから、焼却による廃棄処理に際して、有毒物質を生成することが問題視されるようになっており、更に、塩化ビニル系樹脂に配合されている可塑剤の安全性についても、環境や人体への有害な影響が懸念されている。
また、塩化ビニル系樹脂フィルムに含まれる可塑剤は、時間の経過とともに粘着剤層中に移行し、粘着剤の凝集力を低下させるため、救急絆創膏を剥がした際に、皮膚に糊残りを発生させる原因となることがあった。
このような事情から、最近、救急絆創膏用基材フィルムとして、塩素を含まない、ポリオレフィン樹脂フィルムを用いることが提案されており、例えば、ポリオレフィン樹脂フィルムとして、メタロセン触媒を用いて重合した密度が0.890〜0.940g/cmで、メルトフローレートが2.5〜20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン単独、又は、該直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物から形成された救急絆創膏用基材フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
更には、多層タイプの貼付剤用フィルムとして、メタロセン系触媒を用いて重合して得られた、(a)密度が0.87〜0.92g/cm3、(b)メルトフローレートが0.5〜50g/10分、かつ(c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体を含有する基材層の少なくとも片面に、低密度ポリエチレン及び/または直鎖状低密度ポリエチレンを含有する表面層が積層されてなるフィルムであって、基材層と表面層の層厚比が基材層/表面層=1/1〜20/1である貼付材用フィルムも提案されている(特許文献2参照)。
一般に、救急絆創膏用基材フィルムは、下記の性能が要求されている。
即ち、(1)風合い(柔軟性及び伸縮性)に優れること、(2)剥離時の破断を回避すべく、充分な強度を有すること、(3)耐ブロッキング性に優れること、及び、(4)離型紙から剥離した際にカールしにくいこと(耐カール性)、が要求されている。
そして、特許文献1に記載された救急絆創膏用基材フィルムや、特許文献2に記載された貼付剤用フィルムは、上記(1)〜(4)の要求の全てを同時に満足するものではなく、特に、前者は耐ブロッキング性の性能に劣るものであり、後者は耐カール性に劣るものであった。
特開2002−17844号公報 特開2001−64162号公報
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)とを特定の重量比でブレンドした樹脂組成物を成形した救急絆創膏用基材フィルムが、上記(1)〜(4)の性能の全てを同時に満足することを見出し、本発明の救急絆創膏用基材フィルム及びこれを用いた救急絆創膏を完成した。
また、併せて、このような救急絆創膏を製造するのに適した製造方法に係る発明を完成した。
本発明の救急絆創膏用基材フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、単にL−LDPEともいう)及び低密度ポリエチレン(以下、単にLDPEともいう)を含有する樹脂組成物からなり、
上記直鎖状低密度ポリエチレンと上記低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)が、1:9〜2:3であることを特徴とする。
上記救急絆創膏用基材フィルムにおいて、上記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.90g/cm未満であることが好ましい。
また、上記救急絆創膏用基材フィルムは、押出成形により成形され、厚さが40〜80μmであることが好ましい。
本発明の救急絆創膏は、本発明の救急絆創膏用基材フィルムの片面に粘着剤層が積層されたことを特徴とする。
上記救急絆創膏において、上記粘着剤層は、ホットメルト系粘着剤からなることが好ましい。
上記ホットメルト系粘着剤は、アクリル系ポリマーを含有し、
その軟化点が100〜140℃で、溶融粘度が8000〜40000m・Pa・s/160℃であることが好ましい。
また、上記ホットメルト系粘着剤は、合成ゴムを含有し、
その軟化点が80〜130℃で、溶融粘度が1000〜20000m・Pa・s/160℃であることも好ましい。
また、上記粘着剤層は、押出成形により成形され、厚さが10〜50μmであることが好ましい。
本発明の救急絆創膏の製造方法は、ホットメルト系粘着剤からなる粘着剤層を備えた上記救急絆創膏を製造する方法であって、
押出成形により救急絆創膏用基材フィルムを成形する工程を行った後、連続して、上記救急絆創膏用基材フィルム上に、押出成形により粘着剤層を形成する工程を行うことを特徴とする。
本発明の救急絆創膏用基材フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとが特定の重量比で配合された樹脂組成物からなるため、救急絆創膏用基材フィルムに要求される(1)風合い(柔軟性及び伸縮性)に優れること、(2)剥離時の破断を回避すべく、充分な強度を有すること、(3)耐ブロッキング性に優れること、及び、(4)離型紙から剥離した際にカールしにくいこと、という特性を充足することができる。
また、上記救急絆創膏用基材フィルムは、押出成形により高い生産性で製造することができる。
また、本発明の救急絆創膏は、本発明の救急絆創膏用基材フィルムを備えているため、救急絆創膏用基材フィルムの優れた特性を享受できるとともに、皮膚への密着性に優れ、長期保管後も上記特性を維持することができる。
また、上記救急絆創膏は、押出成形を用いて救急絆創膏用基材フィルムと粘着剤層と同時に作製することにより、高い生産性で製造することができる。
また、本発明の救急絆創膏の製造方法は、本発明の救急絆創膏を好適に製造することができる。
図1は、本発明の救急絆創膏の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の救急絆創膏の製造方法の一例を説明するための模式図である。 図3は、本発明の救急絆創膏の製造方法の別の一例を説明するための模式図である。 図4(a)、(b)は、実施例1〜4及び比較例1〜3で製造した救急絆創膏用基材フィルムのカール度合いの評価方法を説明するための模式図であり、(a)は正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
まずは、本発明の救急絆創膏用基材フィルム(以下、単に基材フィルムともいう)について説明する。
本発明の救急絆創膏用基材フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を含有する樹脂組成物からなり、
上記直鎖状低密度ポリエチレンと上記低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)が、1:9〜2:3であることを特徴とする。
本発明において、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)とは、その密度が、0.88〜0.93g/cmのものをいい、低密度ポリエチレン(LDPE)とは、その密度が、0.91〜0.94g/cmのものをいう。
上記基材フィルムにおいて、上記直鎖状低密度ポリエチレンと上記低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)は、1:9〜2:3(10:90〜40:60)である。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの配合量が上記範囲より少ないと、上記基材フィルムの強度を確保することができず、上記基材フィルムを用いた救急絆創膏を剥がす際に、上記基材フィルムが破損することがある。
一方、上記直鎖状低密度ポリエチレンの配合量が上記範囲より多いと、上記基材フィルムは軟らかくなり、低伸率領域でのモジュラスが低くなる事で指の関節に巻きつける際に巻付けやすいメリットがある。しかし、基材フィルムが軟らかくなることでブロッキングの発生、また絆創膏を貼り直す際など、フィルムが伸びてしまい元の形状を維持しない問題が発生することがある。
なお、本発明の基材フィルムにおいて、低伸長領域とは、基材フィルムを伸長させた時に、その長さが10%伸長するまでの領域をいう。通常、絆創膏を関節部等に貼付ける際に、絆創膏が伸ばされる伸率は10%程度までであると考えられる。
上記直鎖状低密度ポリエチレンと上記低密度ポリエチレンとの好ましい重量比(L−LDPE:LDPE)は、40:60である。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.88〜091g/cmであることが好ましく、0.88〜0.90g/cm未満であることがより好ましい。
上記密度が0.90g/cmを超えると、基材フィルムの低伸率領域でのモジュラスが高くなり、また破断強度が低下することがある。なお、上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、上記範囲内で小さいほど好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、融点が80〜110℃であることが好ましい。
また、上記直鎖状低密度ポリエチレンは、メルトフローレート(以下、単にMFRともいう)が1〜10g/minであることが好ましい。
このような特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンとしては、例えば、エチレンと炭素数4〜10のオレフィンとの共重合体からなるものが挙げられる。上記炭素数4〜10のオレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられる。
上記炭素数4〜10のオレフィンの量は、直鎖状低密度ポリエチレンによっても異なるが、通常、エチレン1モルに対して0.015〜0.15モル程度であり、好ましくは0.02〜0.08モル程度である。
また、上記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン及びα−オレフィンとともにポリエン類を共重合させたものであってもよく、上記ポリエン類としては、例えば、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン類等が挙げられる。
また、上記直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合されたものでも、チーグラー触媒を用いて重合されたものでもよいが、メタロセン触媒を用いて重合されたものが好ましい。その分子量分布が狭く、基材フィルムの物性が均一になるからであり、直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布が広いと基材フィルムの物性にバラツキが生じやすくなる。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの具体例としては、例えば、メタロセン触媒を用いて製造されたEvolue−P SP9040やEvolue−P SP0540、チーグラー触媒を用いて製造されたMORETEC 0218CN、MORETEC 0238CNや、MORETEC V−0398CN等(いずれもプライムポリマー社製)が挙げられる。
上記低密度ポリエチレンは、その密度が、0.91〜0.94g/cmであることが好ましい。
上記低密度ポリエチレンの具体例としては、例えば、日本ポリエチレン社製のノバテックLD LC500、同LF448K、同LF128、同LF342M(いずれも日本ポリエチレン社製)等が挙げられる。
上記樹脂組成物は、L−LDPE及びLDPE以外に、各種添加剤を含有していてもよい。
上記添加剤としては、例えば、着色剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、改質剤、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、防黴剤、滑剤等が挙げられる。
上記基材フィルムは、その表面、特に救急絆創膏とした際に粘着剤層と接する側の面に、表面処理が施されていてもよい。これにより、粘着剤層との密着性の向上等を図ることができるからである。
上記表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等、従来公知の表面処理が挙げられる。これらのなかでは、フィルムの幅(広幅が可能)、生産性を考慮すると、コロナ処理が一般的である。
また、上記基材フィルムの救急絆創膏とした際に粘着剤層と接する側の面にはプライマー層が形成されていてもよい。これにより、粘着剤層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記基材フィルムは、その表面に図柄や製品情報等が描画されていても良い。
また、上記基材フィルムは、その表面にエンボス加工が施されたり、基材フィルム自身に孔開加工が施されたりしてもよい。
上記基材フィルムは、10%モジュラスが、少なくとも一方向(特に、絆創膏を使用する方向)において、2.5〜5.5N/19mmであることが好ましい。上記10%モジュラスが上記範囲にあると、低伸長領域における柔軟性及び伸縮性が良好となる。
一方、上記10%モジュラスが2.5N/19mm未満では、柔らかすぎて少し引き伸ばすだけで元の形状に戻らなくなることがあり、5.5N/19mmを超えると、柔軟性が不充分となり、その結果、風合いに劣ることがある。
上記基材フィルムは、引張試験による破断点強度が、少なくとも一方向(特に、絆創膏を使用する方向)において、12N/19mm以上であることが好ましい。上記破断点強度が12N/19mm未満では、強度が不充分となり、上記基材フィルムを用いた救急絆創膏では、皮膚と粘着剤層との密着力にくらべ基材フィルムの強度が小さく、皮膚から剥がす際に破損するおそれがある。上記破断点強度は、14N/19mm以上であることがより好ましい。
なお、本発明において、10%モジュラス及び破断点強度は、それぞれ19mm幅の短冊状片を、チャック間隔50mm、標線間距離50mm、引張速度300mm/min、温度23℃で測定した値である。
上記基材フィルムは、以下の方法で測定した剥離力が、24.5mN/25mm以下であることが好ましい。上記剥離力が24.5mN/25mmを超えると、ブロッキングが発生するおそれがあるからである。
上記剥離力の測定は、25mm×150mmの基材フィルムを10枚積層し、その両サイドをガラス板で挟み、15kgの荷重を負荷した状態(60℃雰囲気下)で1週間保管した後、5枚目の基材フィルムと6枚目の基材フィルムとの間の剥離力を、剥離速度300mm/min、180℃剥離にて行う。
上記基材フィルムは、厚さが40〜80μmであることが好ましい。
上記厚さが40μm未満では、基材フィルムにコシが無く、貼付しづらいことがあり、一方、80μmを超えると、基材フィルムの剛性が高く、使用感に劣る場合がある。
上記基材フィルムは、単層フィルムであることが好ましい。
積層フィルムの場合は、各層の厚み精度を向上させるために、MFRや樹脂の相溶性等により組み合わせるL−LDPEとLDPEとが制限され、例えば、各層の相溶性が低いと、各層及び全体の厚み精度が低下したり、層間の界面に界面ムラが発生したりするのに対し、単層フィルムの場合はL−LDPEとLDPEとであれば任意にブレンドすることができるからである。
また、単層フィルムの場合、製造過程に発生したロス部分(耳トリミング箇所)をリサイクル材として有効に利用することができる。
更に、単層フィルムの場合、積層フィルムに比べて耐カール性に優れることとなる。
上記基材フィルムは、押出成形により成形されることが好ましい。
上記基材フィルムは、上述した通り、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を特定の配合比で含有する樹脂組成物からなるため、押出成形により高い生産性で製造するのに好適だからである。
押出成形によるフィルムの製造方法において、その生産速度を上昇させた場合、生産速度の上昇ともに、Tダイから吐出されるフィルムのネックイン現象(フィルムの幅変化)、サージング現象、レゾナンス現象等が発生との問題が懸念される。
しかしながら、上記基材フィルムは、分子量分布、溶融張力の点で成型時の温度制御が難しく、比較的サージングやレゾナンスの問題が発生しやすいL−LDPEとともに、分子量分布が広く、溶融張力の高いLDPEを配合しているため、L−LDPEのみからなる又はL−LDPEを相対的に多く含有する樹脂組成物に比べると、生産速度を上昇させても上記問題が極めて発生しにくくなるのである。
このような構成からなる本発明の救急絆創膏用基材フィルムは、救急絆創膏の基材フィルムとして好適に使用することができる。
次に、本発明の救急絆創膏について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の救急絆創膏の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の救急絆創膏は、上述した本発明の救急絆創膏用基材フィルムの片面に粘着剤層が積層されたことを特徴とする。
図1に示すように、本発明の救急絆創膏10は、基材フィルム11の片面に粘着剤層12が積層され、さらに、粘着剤層12の基材フィルム11側と反対側に離型紙13が積層されている。
ここで、基材フィルム11は本発明の救急絆創膏用基材フィルムである。また、離型紙13は必要に応じて積層すればよい。また、図示していないが、粘着剤層12と離型紙13との間には、ガーゼ等の吸液性パッドが配設されていてもよい。
粘着剤層12としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤からなる層が挙げられる。
ここで、各粘着剤は、溶剤型であってもよいし、エマルジョン型であってもよいが、ホットメルト系粘着剤であることが好ましい。
ホットメルト系粘着剤は、常温時に固体で粘着性を有し、加熱して樹脂を溶融させる事で被着体に塗工出来る材料であり、無溶剤型であるため、救急絆創膏の製品内に溶剤が残留するおそれがなく、皮膚への刺激等の悪影響が懸念されない。また、溶剤を使用していないため環境にもやさしい。これに対し、溶剤型の粘着剤は、製品の中に残留溶剤が含まれるおそれがあり、その結果、皮膚への刺激等の悪影響が懸念され、環境にも悪影響を及ぼすおそれがある。
また、ホットメルト系粘着剤を用いて粘着剤層を形成する場合、溶剤を揮発させるための乾燥工程(乾燥装置)が不要であるため、その生産性(生産速度)を向上させるのに適しており、また、設備の小型化も図ることができる。
上記ホットメルト系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含有し、その軟化点が100〜140℃で、溶融粘度が8000〜40000m・Pa・s/160℃であることが好ましい。救急絆創膏に通常要求される粘着力(例えば、5〜9N/19mmの粘着力)を確保することができ、また、生産性に優れるため、後述する第一又は第二の救急絆創膏の製造方法により形成する粘着剤層として好適だからである。
ここで、ベースホリマーとなるアクリル系ポリマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を単量体成分とする(共)重合体が挙げられる。
前記ホットメルト系粘着剤は、ベースポリマーとして合成ゴムを含有し、その軟化点が80〜130℃で、溶融粘度が1000〜20000m・Pa・s/160℃であることも好ましい。救急絆創膏に通常要求される粘着力(例えば、5〜9N/19mmの粘着力)を確保することができ、また、生産性に優れるため、後述する第一又は第二の救急絆創膏の製造方法により形成する粘着剤層として好適だからである。
ここで、ベースホリマーとなる合成ゴムとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、SISを水素添加したSEPS系ゴム等が挙げられる。
上記救急絆創膏は、関節の屈曲等の皮膚の動きに追従しつつ、その粘着性を維持する必要があるため、下記の方法で測定した粘着力が、5.0〜9.0N/19mmであることが好ましい。上記粘着力が5.0N/19mm未満では、粘着力が不充分なため、使用中に端部が剥がれ易く、また皮膚の動きに追従せず、皮膚と絆創膏フィルムの間に浮きが発生することがあり、9.0N/19mmを超えると、粘着力が強すぎるため、皮膚の動きを阻害し、使用感(装着感)に劣るからである。
上記粘着力は、サイズ19mm幅×180mm長の救急絆創膏を測定試料とし、これをベークライト板に張り付け、荷重2kg(1往復)で10分間保持した後、その粘着力を、速度300mm/min、180°剥離で測定する。
上記救急絆創膏の粘着力は、40℃、75%で6ヶ月間保管した後、製造直後の粘着力に対して、80%以上その粘着力が保持されていることが好ましい。この場合、約3年間箱詰めの状態で常温保管可能であると考えられるからである。
このような構成からなる本発明の救急絆創膏は、例えば、後述する本発明の救急絆創膏の製造方法により好適に製造することができる。
次に、本発明の救急絆創膏の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本発明の救急絆創膏の製造方法は、上述した本発明の救急絆創膏を製造する方法であって、
押出成形により救急絆創膏用基材フィルムを成形する工程を行った後、連続して、上記救急絆創膏用基材フィルム上に、押出成形により粘着剤層を形成する工程を行うことを特徴とする。
上記救急絆創膏の製造方法としては、例えば、以下に詳述する第一の救急絆創膏の製造方法や第二の救急絆創膏の製造方法等が挙げられる。
まず、第一の救急絆創膏の製造方法(以下、第一の製造方法ともいう)について説明する。
図2は、第一の製造方法を説明するための模式図である。
第一の製造方法は、図2に示すような製造ライン(製造装置)100により行うことができる。
製造ライン100は、基材フィルム111を製膜する基材フィルム製膜ゾーン129と、基材フィルム111上に粘着剤層112を積層する粘着剤層積層ゾーン136を備える。
基材フィルム製膜ゾーン129では、まず、混合機(図示せず)を用いてL−LDPE及びLDPEをブレンドし、両者を含有する樹脂組成物(材料組成物)を調製する。続いて、この樹脂組成物を押出機120が備えるホッパー121を介して押出機120内に投入する。投入された樹脂組成物は、押出機120内で溶融、混練され、その先端部に配設されたTダイ122よりフィルム状に押し出され、一対の絞ロール123及びゴムロール124、並びに、複数のロールを備えた冷却エリア125を介して搬送され、更にX線厚さ計126にて厚さが測定される。その後、基材フィルム111が所定の厚さを保持していることが確認されると、コロナ処理装置128によりその片面にコロナ処理が施され、粘着剤層積層ゾーン136に搬送される。
一方、粘着剤層積層ゾーン136では、ホットメルトアプリケータ131で溶融されたホットメルト系粘着剤が、Tダイ132を介して離型紙113上に層状に押し出されるとともに搬送され、押し出された粘着剤層112は、圧着ロール133、134により、離型紙113と共に基材フィルム111上に積層される。
その後、巻き取りロール138で巻き取られ、更に、図示しない切断装置により所定のサイズに裁断され、救急絆創膏が完成する。
例えば、上記第一の製造方法では、その生産速度(基材フィルム111の搬送速度)を、100m/min以上とすることができる。
また、第一の製造方法においては、基材フィルム製膜ゾーン129において、基材フィルムの表面に絞付けやエンボス加工を行ってもよい。
次に、第二の救急絆創膏の製造方法(以下、第二の製造方法ともいう)について説明する。
図3は、第二の製造方法を説明するための模式図である。
第二の製造方法は、共押出成形による救急絆創膏の製造方法であり、図3に示すような、製造ライン(製造装置)200により行うことができる。
製造ライン200は、まず、混合機(図示せず)を用いてL−LDPE及びLDPEをブレンドして両者を含有する樹脂組成物(材料組成物)を調製し、これを押出機220が備えるホッパー221を介して押出機220内に投入する。これと同時に、ホットメルト系粘着剤をホッパー231を介してホットメルトアプリケータ230内に投入する。このとき、押出機220内では樹脂組成物が溶融、混練され、ホットメルトアプリケータ230内ではホットメルト系粘着剤が溶融される。そして、溶融した樹脂組成物及びホットメルト系粘着剤は、押出機220及びホットメルトアプリケータ230の先端部に配設された共押出用のTダイ242より基材フィルム211と粘着剤層212とが積層されたフィルム状に共押し出しされる。
その後、共押し出しされたフィルムには、一対の絞ロール243及びゴムロール244を介して、別途、搬送されてきた離型紙213が積層され、複数のロールを備えた冷却エリア245を介して搬送され、更にX線厚さ計246にて厚さが測定される。そして、積層体が所定の厚さを保持していることが確認されると巻き取りロール248で巻き取られ、その後、図示しない切断装置により所定のサイズに裁断され、救急絆創膏が完成する。
上記第二の製造方法では、その生産速度(押出速度)を、100m/min以上とすることができる。
また、第二の製造方法においては、積層体を搬送中に、基材フィルムの表面に絞付けやエンボス加工を行ってもよい。
上記第一及び第二の製造方法によれば、本発明の救急絆創膏を好適に製造することができる。
一方、本発明の救急絆創膏を製造する方法は、上記第一又は第二の製造方法に限定されず、他の方法で製造してもよい。
具体的には、離型紙の片面に予め溶剤型又はエマルジョン型の粘着剤からなる粘着剤層を形成し、この粘着剤層の上に基材フィルムを貼り合わせて、上記粘着剤層を基材フィルムに転写する所謂転写法で製造してもよい。
これらの製造方法を用いることにより、本発明の救急絆創膏を好適に製造することができる。
以下、本発明について実施例を掲げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
メタロセン触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチレンであるEvolue−P SP9040(フライムポリマー社製、MFR=4.0g/10min、融点=88℃、密度=0.890g/cm)と、低密度ポリエチレンであるノバテックLD LC500(日本ポリエチレン社製 MFR=4.3g/10min、融点=107℃、密度=0.919g/cm)を重量比(L−LDPE:LDPE)が2:3となるようにドライブレンドし、Tダイにて、下記の条件で押出成形し、厚さ60μmの救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
押出成形条件としては、樹脂供給〜溶融までの押出機温度を各ゾーン別に150〜230℃とし、Tダイ金型温度を230〜250℃とし、加工速度を10〜120m/minとした。
(実施例2)
直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)を3:7とした以外は、実施例1と同様にして救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
(実施例3)
直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)を1:9とした以外は、実施例1と同様にして救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
(実施例4)
直鎖状低密度ポリエチレンとして、Evolue−P SP9040に代えて、メタロセン触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチレンであるEvolue−P SP0540(プライムポリマー社製、MFR=3.8g/10min、融点=98℃、密度=0.903g/cm)を用いた以外は、実施例1と同様にして救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
(比較例1)
直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)を3:2とした以外は、実施例1と同様にして救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
(比較例2)
低密度ポリエチレン(ノバテックLD LC500)のみを実施例1と同様の押出成形し、救急絆創膏用基材フィルムを製造した。
(比較例3)
高圧法で生産されたエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂であるLV342(日本ポリエチレン社製、MFR=2.0g/10min、密度=0.93g/cm、酢ビ含有量=10%)と低密度ポリエチレンであるノバテックLD LF448K(日本ポリエチレン社製 MFR=2.0g/10min、密度=0.925g/cm)を重量比2:3でドライブレントし、実施例1と同様の条件でTダイにて押出成形し、救急絆創膏用基材フィルムを得た。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1〜3で製造した救急絆創膏用基材フィルムについて、下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)風合い(柔軟性/伸縮性)
実施例及び比較例で製造した救急絆創膏用基材フィルムを19mm×180mmに裁断し、測定試料とした。
この測定試料を23℃雰囲気下で自動記録型引張試験機にて、試料サイズ幅19mm、チャック間隔50mm、引張速度300mm/minで引っ張り、10%モジュラスを測定した。
ここで、試料の引張方向は、押出成形時の幅方向(押出方向に垂直な方向)とした。
(2)破断点強度
実施例及び比較例で製造した救急絆創膏用基材フィルムを19mm×180mmに裁断し、測定試料とした。
この測定試料を23℃雰囲気下で自動記録型引張試験機にて、試料サイズ幅19mm、チャック間隔50mm、引張速度300mm/minで引っ張り、破断点強度を測定した。
ここで、試料の引張方向は、押出成形時の幅方向(押出方向に垂直な方向)とした。
(3)耐ブロッキング性
実施例及び比較例で製造した救急絆創膏用基材フィルムを幅25mm×150mm長に裁断し、これを10枚積層し、その両サイドをガラス板で挟み、15kgの荷重を負荷し、この状態で、60℃雰囲気下で1週間保管した。
一週間経過後、5枚目の基材フィルムと6枚目の基材フィルムとの間の剥離力を測定した。
上記剥離力は、剥離速度300mm/min、180℃剥離にて測定した。
(4)耐カール性
実施例及び比較例で製造した救急絆創膏用基材フィルムの片面にコロナ処理を施し、処理面に溶剤型アクリル系粘着剤を乾燥後の厚さが30μmとなるように塗工し乾燥させ、その後、片面にポリラミ処理及びシリコーン処理が施された上質紙からなる厚さ40μmの離型紙に貼り合せて、19×180mmに裁断し、救急絆創膏とした。これを常温で3日間保管し、その後、離型紙を剥がし、基材フィルム(救急絆創膏)のカール度合いを下記の方法で確認、評価した。
図4(a)、(b)は、実施例1〜4及び比較例1〜3で製造した救急絆創膏用基材フィルムのカール度合いの評価方法を説明するための模式図であり、(a)は正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
図4(a)、(b)に示すように、基材フィルムの片面に粘着剤層が形成された救急絆創膏20の一方の端部側5mmの部分20aを粘着剤層を介して支持体1に張り付け、他方の端部を垂れ下がらせた。これにより、基材フィルムにカールが発生する場合は、他方の端部が持ち上がることとなる。
その後、救急絆創膏20の支持体1に張り付けた側の端部から、他方の端部の最下点までの距離h(図4(b)参照)を測定した。
そして、救急絆創膏20の長手方向の長さ(180mm)と距離hとの差(=180−h)を算出し、その数値に基づき、下記の基準で耐カール性を評価した。
○:0mm以上、5mm未満
△:5mm以上、10mm未満
×:10mm以上
Figure 0005902427
表1に示した結果より、L−LDPEとLDPEとの重量比(L−LDPE:LDPE)が、1:9〜2:3である樹脂組成物を用いた基材フィルムでは、(1)風合いに優れること、(2)充分な強度を有すること、(3)耐ブロッキング性に優れること、及び、(4)離型紙から剥離した際にカールしにくいこと、という基材フィルムに要求される特性を全て満足することが明らかであり、密度が0.90g/cm未満のL−LDPEを用いることにより、破断強度に特に優れることが明らかである。
一方、L−LDPEとLDPEとの重量比が上記範囲を外れると、風合い、耐ブロッキング性及び耐カール性に劣ることが明らかである。
(実施例5)
図2に示した上記第一の製造方法に準じた方法で救急絆創膏を製造した。
即ち、メタロセン触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチレンであるEvolue−P SP9040(プライムポリマー社製)と、低密度ポリエチレンであるノバテックLD LC500(日本ポリエチレン社製)とを重量比(L−LDPE:LDPE)が2:3となるようにドライブレンドした後、押出機120内に投入し、Tダイ122により救急絆創膏用基材フィルムを押し出し、更に各種ロールを介して搬送し、厚さ60μmの基材フィルム111を製膜した。なお、押出条件は、実施例1と同様である。
これとともに、アクリル系ポリマーを主成分とするホットメルト系粘着剤(APS−801(東亜合成社製)/軟化点122℃、溶融粘度38300m・Pa・s/160℃)をホットメルトアプリケータ131で溶融し、Tダイ132を介して押し出すことにより、離型紙113上に厚さ30μmの粘着剤層112を形成し、これを基材フィルム111に積層し、19×180mmに裁断し、救急絆創膏とした。なお、押出成形条件は以下の通りである。
加工速度:100m/min
Tダイ温度:160〜180℃
ホットメルトアプリケータ温度:160〜180℃
(実施例6)
図3に示した上記第二の製造方法に準じた方法で救急絆創膏を製造した。
即ち、メタロセン触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチレンであるEvolue−P SP9040(フライムポリマー社製)と、低密度ポリエチレンであるノバテックLD LC500(日本ポリエチレン社製)とを重量比(L−LDPE:LDPE)が2:3となるようにドライブレンドした後、押出機220に投入するとともに、アクリル系ポリマーを主成分とするホットメルト系粘着剤(APS−801(東亜合成社製)/軟化点122℃、溶融粘度38300m・Pa・s/160℃)を別の押出機(ホットメルトアプリケータ)230に投入し、共押出成形用のTダイ242により共押し出しして、離型紙213上に積層し、各種ロールを介して搬送した後、19×180mmに裁断し、救急絆創膏とした。なお、基材フィルム211の厚さは60μm、粘着剤層212の厚さは、30μmとした。
また、押出成形条件は以下の通りである。
押出機温度(基材フィルム用):160〜180℃
ホットメルトアプリケータ温度:160〜180℃
共押出成形用のTダイ温度:230〜250℃
加工速度:100±10m/min
(実施例7)
ホットメルト系粘着剤として、合成ゴムを主成分とするホットメルト系粘着剤(PB−70(モレスコ社製)/軟化点94℃、溶融粘度2550m・Pa・s/160℃)を使用した以外は、実施例5と同様にして救急絆創膏を得た。
(実施例8)
ホットメルト系粘着剤として、合成ゴムを主成分とするホットメルト系粘着剤(PB−70/軟化点94℃、溶融粘度2550m・Pa・s/160℃)を使用した以外は、実施例6と同様にして救急絆創膏を得た。
(実施例9)
ホットメルト系粘着剤として、EVA系ポリマーを主成分とするホットメルト系粘着剤(ME−125(モレスコ社製))を使用した以外は、実施例5と同様にして救急絆創膏を得た。
(比較例4)
直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンのブレンド物に代えて、直鎖状低密度ポリエチレン(Evolue−P SP9040、フライムポリマー社製)のみを混合機に投入した以外は、実施例5と同様にして救急絆創膏を得た。
(評価)
実施例5〜9及び比較例4で製造した救急絆創膏について、下記の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)加工性
ネックイン、サージング及びレゾナンスを対象に下記の基準で加工性を評価した。
(1−1)ネックイン
○:Tダイの吐出幅に対して、両端で10%以上幅縮みしないこと。
(Tダイの吐出幅1000mmに対して、ネックイン幅が100mm以下であること)
×:50%以上幅縮みすること。
(1−2)サージング
○:流れ方向及び幅方向での厚みが規格センター値に対して、公差5μm以下であること。
×:流れ方向又は幅方向での上記公差が5μm以上であること。
(1−3)レゾナンス
○:フィルム端部が平行であり、ガタガタしていないこと。
×:上記○の水準を外れること。
(2)粘着力
(2−1)初期粘着力
製造直後の救急絆創膏をサイズ19mm幅×180mmに裁断して測定試料とし、これをベークライト板に張り付け、荷重2kg(1往復)で10分間保持した後、その粘着力を、速度300mm/min、180°剥離で測定し、下記の基準で評価した。結果を表2に示した。
(評価基準)
○:粘着力が5.0〜9.0N/19mmである。
×:粘着力が5.0N/19mm未満である、又は、9.0N/19mmを超える。
(2−2)保管後の粘着力
40℃75%で6ヶ月間保管した後、(2−1)と同様にして粘着力(保管後の粘着力)を測定し、下記の基準で評価した。結果を表2に示した。
(評価基準)
○:初期粘着力に対して80%以上粘着力が維持されている。
△:初期粘着力に対して70%以上粘着力が維持されている。
×:粘着力が初期粘着力の70%未満である。
(3)皮膚への追従性
下記の方法で皮膚への追従性を測定し、下記の基準で評価した。
皮膚への追従性は、皮膚への密着力、及び、指を屈折させた時の違和感を対象に下記の基準で評価した。
具体的には、人差し指の第一関節部に救急絆創膏を巻付け(約1周半)、指を屈折させて30秒後、指を元に戻した時に救急絆創膏に浮きが発生しているか否か(救急絆創膏と皮膚との間に隙間が生じている否か)により皮膚への密着力を確認し、同様に指を屈曲させた際に違和感(痛み)を感じるか否かを確認した。
(評価基準)
○:救急絆創膏の浮きがなく、また、違和感もない。
△:救急絆創膏の端部に浮きがあるが、違和感はない。
×:救急絆創膏の浮きが有る、及び/又は、痛みを感じる。
なお、上記評価は10人とし、各人の評価結果を集計して、最も多かった評価結果を各救急絆創膏の評価結果とした。
Figure 0005902427
表2に示した結果より、基材フィルムを、直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとをブレンドした樹脂組成物を用いて押出成形した場合、その成形性に優れることが明らかとなった。また、粘着剤層として、アクリル系粘着剤又はゴム系粘着剤を主成分とするホットメルト系粘着剤を用いることにより、初期粘着力及び保管後の粘着力に優れるとともに、皮膚への追従性にも優れることが明らかとなった。
10 救急絆創膏
11 基材フィルム
12 粘着剤層
13 離型紙

Claims (8)

  1. 実質的に直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)のみを含有する樹脂組成物からなり、
    前記直鎖状低密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレンとの重量比(L−LDPE:LDPE)が、1:9〜2:3であり、
    厚さが40〜80μmである
    こと特徴とする救急絆創膏用基材フィルム。
  2. 前記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.90g/cm未満である請求項1に記載の救急絆創膏用基材フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の救急絆創膏用基材フィルムの片面に粘着剤層が積層されたことを特徴とする救急絆創膏。
  4. 前記粘着剤層が、ホットメルト系粘着剤からなる請求項に記載の救急絆創膏。
  5. 前記ホットメルト系粘着剤は、アクリル系ポリマーを含有し、
    その軟化点が100〜140℃で、溶融粘度が8000〜40000m・Pa・s/160℃である請求項に記載の救急絆創膏。
  6. 前記ホットメルト系粘着剤は、合成ゴムを含有し、
    その軟化点が80〜130℃で、溶融粘度が1000〜20000m・Pa・s/160℃である請求項に記載の救急絆創膏。
  7. 前記粘着剤層は、厚さが10〜50μmである請求項のいずれかに記載の救急絆創膏。
  8. 請求項のいずれかに記載の救急絆創膏を製造する方法であって、
    押出成形により救急絆創膏用基材フィルムを成形する工程を行った後、連続して、前記救急絆創膏用基材フィルム上に、押出成形により粘着剤層を形成する工程を行うことを特徴とする救急絆創膏の製造方法。
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