JP2005231462A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両用制動装置において、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測した実特性と同反力発生手段の基準特性との比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出することにより、反力発生手段に所定範囲の製造ばらつきがあっても操作力に対する車両減速特性のばらつきをなくして操作フィーリングの悪化を防止する。
【解決手段】 車両用制動装置は、いわゆる油圧式のブレーキバイワイヤタイプのものであり、マスタシリンダの出力ポートに連通するストロークシミュレータを有している。ECUはストロークシミュレータの操作力−操作量特性を実測した実特性の基準特性に対する比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出し(ステップ102〜110)、この制御目標値となるように制動力を制御する(ステップ112)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用制動装置に関する。
従来から、この種の車両用制動装置においては、ブレーキペダルの操作力を検出する操作力検出手段によって検出された操作力またはブレーキペダルの操作量を検出する操作量検出手段によって検出された操作量の少なくともいずれか一方に基づいて車両の各車輪の回転をそれぞれ規制する制動力に応じた制御目標値を導出する制御目標値導出手段と、制動力を車輪に発生させる制動力発生手段と、制御目標値導出手段によって導出された制御目標値となるように制動力発生手段を制御して前記車両の制動を制御する制御手段と、ブレーキペダルの操作力または操作量に対応した反力を同ブレーキペダルに発生させる反力発生手段とを備えたものが知られている。
このような装置の一例としては、ブレーキペダルBPの踏込状態に応じた液圧を生成するマスタシリンダMCと、このマスタシリンダMCとは別に設けられてホイールシリンダWCに液圧を供給する液圧供給源AC(HP)とを具備し、液圧供給源AC(HP)の正常時においては液圧供給源AC(HP)からホイールシリンダWCへブレーキペダルBPの踏込状態に対応した液圧を供給し、液圧供給源AC(HP)の異常時においてはブレーキペダルBPと作動的に連結したマスタシリンダMCからホイールシリンダWCに必要な液圧を供給するようになっており、液圧供給源AC(HP)の正常時においてブレーキペダルBPの踏込状態に応じたブレーキペダルストロークが発生するようにストロークシミュレータ(反力発生手段)SMが設置された、いわゆる油圧式のブレーキバイワイヤタイプの車両用制動装置が知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載されているストロークシミュレータSMは、ピストン14、リテーナ部材17、多段のスプリング19、20、ゴムクッション21などのメカ部品から構成されてなり、可動部品であるピストン14、リテーナ部材17のストローク量および多段のスプリング19、20、ゴムクッション21の弾性力によってペダルの反力特性を設定する、いわゆるメカ式のストロークシミュレータである。
このようなメカ式のストロークシミュレータにおいては、ストロークシミュレータがメカ部品から構成されているので、部品個々の特性のばらつき、部品の取付誤差などに起因してストロークシミュレータ毎にその反力特性(操作力−操作量特性)にばらつきが生じるという問題があった。したがって実際にはこのような製造ばらつきを小さく抑えるのは容易でないため、そのばらつきを所定範囲内にて許容するようにしている。
一方、上述したようなブレーキバイワイヤタイプの車両用制動装置においては、一般的に、特許文献2に示されているように、設定値p′Hz(制御目標値)は、ペダル力p(操作力)および重み関数fp - p (s)(第1重み付け関数)に基づいて導出された部分設定値p′p(第1制御目標値)と、ペダル変位s(操作量)および重み関数fs - p (s)(第2重み付け関数)に基づいて導出された部分設定値p′s(第2制御目標値)とを加算して導出されるようになっている。そして、導出された制御目標値となるように制動力が制御されている。
特開2002−293229号公報(第5−7頁、図2) 特表平11−504296号公報(第4−7頁、図2,3)
前述したように導出された制御目標値となるように制動力が制御される車両用制動装置において、上述したメカ式のストロークシミュレータが使用されている場合には、所定範囲内にてばらつく反力特性を有するストロークシミュレータに対して重み付け関数は1パターンすなわち一定である(図7参照)ので、操作力および重み付け関数に基づいて導出される第1制御目標値と操作量および重み付け関数に基づいて導出される第2制御目標値との和である制御目標値を導出しても、車両減速特性(ペダル踏力−車両減速度の相関関係)はストロークシミュレータの反力特性の所定範囲内における製造ばらつきに応じてばらついてしまう(図8参照)という問題があった。
例えば、ストロークシミュレータの反力特性が図3に示すようなばらつきを許容する所定範囲f1〜f2の公差を有し、かつ車両用制動装置が図7に示すペダル踏力F(マスタシリンダ圧P)に対する一定の重み付け係数Kp、Ksを有する場合について説明する。操作力に対する車両減速特性は、図8に示すように、反力特性がペダルを軽く感じる特性f1の場合には車両減速特性G1となり、反力特性がペダルを重く感じる特性f2の場合には車両減速特性G2となるので、所定範囲G1〜G2内にばらつくことになる。なお、重み付け係数Ksは操作量に対する重み付けであり、重み付け係数Kpは操作力に対する重み付けである。
このように同一操作力に対する制御目標値がばらつくことにより、この制御目標値に応じて制御される制動力もばらつき、結果として、操作者はストロークシミュレータの反力特性の違いに起因して操作フィーリングに違和感を感じるという問題があった。例えば、同一車種にてストロークシミュレータの反力特性が異なれば、同じ踏力でもブレーキの効き具合が顕著に異なるという問題があった。また、同一車両にて使用開始時とかなりの長い時間使用した時点を比較した場合、同じ踏力でもブレーキの効き具合が異なるという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、車両用制動装置において、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測した実特性と同反力発生手段の基準特性との比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出することにより、反力発生手段に所定範囲の製造ばらつきがあっても操作力に対する車両減速特性のばらつきをなくして操作フィーリングの悪化を防止することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ブレーキペダルの操作力を検出する操作力検出手段によって検出された操作力またはブレーキペダルの操作量を検出する操作量検出手段によって検出された操作量の少なくともいずれか一方に基づいて車両の各車輪の回転をそれぞれ規制する制動力に応じた制御目標値を導出する制御目標値導出手段と、制動力を車輪に発生させる制動力発生手段と、制御目標値導出手段によって導出された制御目標値となるように制動力発生手段を制御して車両の制動を制御する制御手段と、ブレーキペダルの操作力または操作量の少なくともいずれか一方に対応した反力を同ブレーキペダルに発生させる反力発生手段とを備えた車両用制動装置において、制御目標値導出手段は、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測した実特性と同反力発生手段の基準特性との比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出することである。
また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の発明において、制御目標値導出手段は、比較結果に対応した第1および第2重み付け関数を導出し、操作力および第1重み付け関数に基づいて第1制御目標値を導出し、操作量および第2重み付け関数に基づいて第2制御目標値を導出し、これら重み付けされた第1および第2制御目標値を加算して制御目標値を導出することである。
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の発明において、操作力−操作量特性の実特性が反力不足である場合には操作力に基づく第1制御目標値の重みを増やし、反力過大である場合には操作量に基づく第2制御目標値の重みを増やすように第1および第2重み付け関数を設定することである。
また、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の発明において、操作力に対する制御目標値が一定となるように第1および第2重み付け関数を設定することである。
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、反力発生手段の操作力−操作量特性の予め実測した実特性を記憶する記憶手段をさらに備え、制御目標値導出手段は、記憶手段に記憶された実特性に基づいて補正して制御目標値を導出することである。
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測する実特性検出手段をさらに備え、制御目標値導出手段は、実特性検出手段によって実測された実特性に基づいて補正して制御目標値を導出することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、制御目標値導出手段は、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測した実特性と同反力発生手段の基準特性との比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出する。これにより、反力発生手段に所定範囲内の製造ばらつきがあっても同一操作力に対する制御目標値のばらつきを吸収し、この制御目標値に応じて制御される制動力のばらつきを抑制することにより、操作フィーリングの悪化を防止することができる。また、反力発生手段の製造ばらつきの影響をハード的に解決するのでなくソフト的に解決するので、安価な方法にて解決することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、制御目標値導出手段は、比較結果に対応した第1および第2重み付け関数を導出し、操作力および第1重み付け関数に基づいて第1制御目標値を導出し、操作量および第2重み付け関数に基づいて第2制御目標値を導出し、これら重み付けされた第1および第2制御目標値を加算して制御目標値を導出する。これにより、操作力と操作量に応じた最適な減速フィーリングと、一方の信号欠如に対する信頼性の確保を達成することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、操作力−操作量特性の実特性が反力不足である場合には操作力に基づく第1制御目標値の重みを増やし、反力過大である場合には操作量に基づく第2制御目標値の重みを増やすように第1および第2重み付け関数を設定するので、確実に制御目標値を補正することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、操作力に対する制御目標値が一定となるように第1および第2重み付け関数を設定するので、確実に制御目標値を一定となるように補正することができる。したがって、反力発生手段に所定範囲内の製造ばらつきがあっても同一操作力に対する一定の制御目標値の導出を達成し、この制御目標値に応じて一定の制動力が車輪に付与される。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、反力発生手段の操作力−操作量特性の予め実測した実特性を記憶する記憶手段をさらに備え、制御目標値導出手段は、記憶手段に記憶された実特性に基づいて補正して制御目標値を導出するようにしてもよい。これにより、車両の製造出荷時または修理完了時に実特性を実測すれば、確実に制御目標値を補正して導出することができるので、確実に安定した減速操作性をユーザに提供することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、反力発生手段の操作力−操作量特性を実測する実特性検出手段をさらに備え、制御目標値導出手段は、実特性検出手段によって実測された実特性に基づいて補正して制御目標値を導出するようにしてもよい。これにより、ユーザのブレーキペダル踏み込み毎に実特性を実測することになるので、反力発生手段などの経時変化に対応して制御目標値を補正して導出することができる。
以下、本発明による車両用制動装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。この車両用制動装置Aは、図1に示すように、いわゆるブレーキバイワイヤタイプのものであり、ブレーキペダル11の踏込状態に応じた液圧を生成するマスタシリンダ10と、このマスタシリンダ10とは別に設けられて車両の左右前後輪FL,FR,RL,RRの回転をそれぞれ規制する各ホイールシリンダWC1,WC2,WC3,WC4に液圧を供給する液圧供給源20とを具備している。この液圧供給源20の正常時においては液圧供給源20から車両の左右前後輪FL,FR,RL,RRの各ホイールシリンダWC1〜WC4へブレーキペダル操作に対応した液圧を供給し、液圧供給源20の異常時においてはブレーキペダル11と作動的に連結したマスタシリンダ10から車両の左右前輪FL,FRの各ホイールシリンダWC1,WC2に必要な液圧を供給するように構成されている。そして、このように構成された車両用制動装置Aにおいては、液圧供給源20の正常時においてブレーキペダル11の操作状態に応じた大きさのストロークをブレーキペダル11に発生させるためのストロークシミュレータ30が設置されている。
車両用制動装置Aは、ブレーキペダル11の踏込操作に応じて第1及び第2出力ポート10a,10bからほとんど同一の油圧(液圧)のブレーキ油(液体)を圧送するマスタシリンダ10を備えている。マスタシリンダ10の第1出力ポート10aは油圧路L1を介してホイールシリンダWC1に接続されている。油圧路L1には電磁弁41が設けられており、第1出力ポート10aは電磁弁41が非通電状態(図示状態)にあるとき電磁弁41を介して左前輪FL用のホイールシリンダWC1に連通している。マスタシリンダ10の第2出力ポート10bは油圧路L2を介してホイールシリンダWC2に接続されている。油圧路L2には電磁弁42が設けられており、第2出力ポート10bは電磁弁42が非通電状態(図示状態)にあるとき電磁弁42を介して右前輪FR用のホイールシリンダWC2に連通している。
電磁弁41,42は、通電により開閉を切り換え制御されて、ホイールシリンダWC1,WC2に対してマスタシリンダ10をそれぞれ連通および遮断するものである。すなわちこれら電磁弁41,42は、液圧供給源20の正常時において通電されて閉じられマスタシリンダ10と両ホイールシリンダWC1,WC2との間を遮断し、異常時において非通電されて開かれマスタシリンダ10と両ホイールシリンダWC1,WC2とを連通するマスタシリンダカット手段であるマスタシリンダカット弁として機能する。なお、車両用制動装置Aは、ブレーキペダル11に連結されてブレーキペダル11の操作量(移動量すなわちペダルストローク)を検出する操作量検出手段であるペダルストロークセンサ11aを備えている。
油圧路L1上であってマスタシリンダ10と電磁弁41との間には、ストロークシミュレータ30が連通可能に接続されており、マスタシリンダ10とストロークシミュレータ30の間には、電磁弁43が設けられている。ストロークシミュレータ30は、図2に示すような周知のメカ式のストロークシミュレータであり、マスタシリンダ10の第1出力ポート10aから供給された液体を吸収するものである。ストロークシミュレータ30を構成するハウジング31には、小径孔31aおよび大径穴31bが形成されており、小径孔31a内にピストン32が液密かつ摺動可能に配設されている。小径孔31aおよび大径孔31bにはピストン32によって区画された第1および第2液圧室33,34がそれぞれ形成されている。ハウジング31には、第1液圧室33とマスタシリンダ10の第1出力ポート10aに連通する入力ポート30aとを連通するマスタシリンダ通路31cが形成され、第2液圧室34とリザーバタンク12の入力ポート12aに連通する出力ポート30bとを連通するリザーバタンク通路31dが形成されている。なお、第2液圧室34は大気室とすることも可能である。
第2液圧室34内には、マスタシリンダ10と連通状態においてマスタシリンダ10から供給される液圧に対抗するように(図2にて左方向に)ピストン32を付勢する付勢機構35が配設されている。付勢機構35は、有底筒状のリテーナ部材35aと、覆蓋部材36とリテーナ部材35aの開口端の環状フランジ35a1との間に配設された第1スプリング35bと、リテーナ部材35aの底壁35a2の内壁面とピストン32のリテーナ32aの間に配設された第2スプリング35cから構成されている。なお、第1スプリング35bのばね定数は第2スプリング35cより大きく設定されている。また、リテーナ部材35aの底壁35a2には緩衝ゴム37が圧入固定されている。
このように構成されたストロークシミュレータ30においては、シミュレータカット弁である電磁弁43が開状態でブレーキペダル11が操作された場合に、ブレーキペダル11の操作力に応じたマスタシリンダ液圧が第1液圧室33に供給されその容積は増大される。これに伴い、ピストン32が摺動されて、第2液圧室34の容積が減少され、第2液圧室34から溢れたブレーキ油がリザーバタンク12に圧送される。このとき、ブレーキペダル11が踏まれて第1液圧室33に過大な液圧が供給される場合には、ピストン32の第2液圧室34側への移動によって第2スプリング35cが収縮し、ピストン32の右端が緩衝ゴム37に当接すると、リテーナ部材35aを押圧し、リテーナ部材35aの第2液圧室34側への移動によって第2スプリング35cが収縮する。さらにピストン32が第2液圧室34側へ移動すると、緩衝ゴム37が覆蓋部材36に当接し、緩衝ゴム37が弾性変形してピストン32の移動が止まるようになっている。また、ブレーキペダル11の踏み込みが解除されると、この逆の過程にてリテーナ部材35aおよびピストン32はそれぞれ元の位置に戻るようになっている。
上述したストロークシミュレータ30はメカ部品から構成されているので、部品個々の特性のばらつき、部品の取付誤差などに起因してストロークシミュレータ毎にその反力特性(操作力−操作量特性)にばらつきが生じるという問題があった。したがって実際にはこのような製造ばらつきを小さく抑えるのは容易でないため、図3に示すようにそのばらつきを所定範囲f1〜f2内にて許容するようにしている。なお、f*はストロークシミュレータ30の操作力−操作量特性の設計値である基準特性を示している。特性f1(図3にて一点破線にて示す)は同じ踏力でも基準特性f*に比べてペダルの操作量(ペダルストローク)が大きくなるので、基準特性f*よりf1側(上側)はペダルを軽く感じ、また特性f2(図3にて破線にて示す)は同じ踏力でも基準特性f*に比べてペダルの操作量(ペダルストローク)が小さくなるので、f2側(下側)はペダルを重く感じる。
電磁弁43は、非通電状態(図示状態)にあるときマスタシリンダ10の第1出力ポート10aとストロークシミュレータ30の入力ポート30aとを遮断し、通電状態にあるとき両ポート10a,30aを連通するものである。そして、この電磁弁43は、液圧供給源20の正常時において通電されて開かれマスタシリンダ10とストロークシミュレータ30を連通し、異常時において非通電されて閉じられマスタシリンダ10とストロークシミュレータ30との間を遮断するシミュレータカット手段であるストロークシミュレータカット弁として機能する。
液圧供給源20は、電動モータ21、ポンプ22およびアキュムレータ23から構成されている。ポンプ22は、電動モータ21によって駆動されて、リザーバタンク12の入力ポート12aに連通する吸入ポート22aから吸い込んだリザーバタンク12のブレーキ油を吐出ポート22bから圧送する。アキュムレータ23は、ポンプ22の吐出ポート22bに連通しており、ポンプ22から供給される高圧のブレーキ油を常に一定の液圧に保って貯蔵し必要に応じて各ホイールシリンダWC1〜WC4に供給するようになっている。ポンプ22の吸入および吐出ポート22a,22bの間にはリリーフ弁24が介装されており、このリリーフ弁24はポンプ22から吐出されるブレーキ油の圧力が所定値未満である場合には閉じられ、所定値以上となった場合には開かれるものである。これにより、液圧供給源20は、各ホイールシリンダWC1〜WC4に所定の高圧ブレーキ液を供給する。
液圧供給源20は、電磁弁45が通電状態にあるとき電磁弁45を介して左前輪FL用のホイールシリンダWC1に連通している。電磁弁45は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときホイールシリンダWC1に対して液圧供給源20を遮断する。また、ホイールシリンダWC1は、電磁弁46が通電状態にあるとき電磁弁46を介してリザーバタンク12に連通している。電磁弁46は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときリザーバタンク12に対してホイールシリンダWC1を遮断する。
さらに液圧供給源20は、電磁弁47が通電状態にあるとき電磁弁47を介して右前輪FR用のホイールシリンダWC2に連通している。電磁弁47は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときホイールシリンダWC2に対して液圧供給源20を遮断する。また、ホイールシリンダWC2は、電磁弁48が通電状態にあるとき電磁弁48を介してリザーバタンク12に連通している。電磁弁48は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときリザーバタンク12に対してホイールシリンダWC2を遮断する。
さらに液圧供給源20は、電磁弁51が通電状態にあるとき電磁弁51を介して左後輪RL用のホイールシリンダWC3に連通している。電磁弁51は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときホイールシリンダWC3に対して液圧供給源20を遮断する。また、ホイールシリンダWC3は、電磁弁52が非通電状態(図示状態)にあるとき電磁弁52を介してリザーバタンク12に連通している。電磁弁52は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、通電状態にあるときリザーバタンク12に対してホイールシリンダWC3を遮断する。
さらに液圧供給源20は、電磁弁53が通電状態にあるとき電磁弁53を介して右後輪RR用のホイールシリンダWC4に連通している。電磁弁53は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、非通電状態(図示状態)にあるときホイールシリンダWC4に対して液圧供給源20を遮断する。また、ホイールシリンダWC4は、電磁弁54が非通電状態(図示状態)にあるとき電磁弁54を介してリザーバタンク12に連通している。電磁弁54は、通電により開閉を切り換え制御されるものであり、通電状態にあるときリザーバタンク12に対してホイールシリンダWC4を遮断する。上述した電磁弁45,47,51,53は、液圧供給源20と各ホイールシリンダWC1〜WC4をそれぞれ連通または遮断する増圧手段であり、電磁弁46,48,52,54は、各ホイールシリンダWC1〜WC4とリザーバタンク12をそれぞれ連通または遮断する減圧手段である。上述した液圧供給源20、電磁弁45〜48、および電磁弁51〜54によって制動力発生手段が構成されている。なお、上述の電磁弁45〜48および電磁弁51〜54は通電電流により弁の上下流間の差圧を任意に制御できるものであればより好適である。
また、車両用制動装置Aは液圧計61〜67を備えている。液圧計61は、マスタシリンダ10の第1出力ポート10aから供給される油圧路L1内のブレーキ油の液圧を検出するものである。液圧計62は、マスタシリンダ10の第2出力ポート10bから供給される油圧路L2内のブレーキ油の液圧を検出するものである。液圧計61,62はブレーキペダル11の操作力としてのマスタシリンダ圧を検出するもの(操作力検出手段)である。液圧計63は、液圧供給源20から供給されるブレーキ油の液圧を検出するものである。そして、液圧計64〜67は、各ホイールシリンダWC1〜WC4に給排されるブレーキ油の液圧をそれぞれ検出するものである。
そして、車両用制動装置Aは、上述したペダルストロークセンサ11a、電動モータ21、各電磁弁41〜43,45〜48,51〜54、液圧計61〜67に接続されたECU(電子制御ユニット)70を備えている。ECU70には、車両の車体速度を検出する車速センサ、車両の操舵角を検出するステアリングセンサ、シフトレバーに組み付けられて車両のシフト位置を検出するシフトスイッチ、図示しないアクセルペダルに組み付けられて車両のアクセル開度を検出するアクセルセンサ、および車両の実際のヨーレートYを検出するヨーレートセンサ等も接続されている(いずれも図示省略)。ECU70は、これら各センサによる検出及びシフトスイッチの状態に基づき、車両用制動装置Aの各電磁弁41〜43,45〜48,51〜54の開閉を切り換え制御しホイールシリンダWC1〜WC4に付与する液圧すなわち各車輪FL,FR,RL,RRに付与する制動力を制御する。
ECU70は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図4のフローチャートに対応したプログラムを実行して、ストロークシミュレータ30の操作力−操作量特性を実測した実特性の基準特性f*に対する比較結果に基づいて補正して制御目標値を導出するものであり、ROMは前記プログラムおよび図5に示す比較結果に対応した操作力−重み付け関数を示す関数またはマップを記憶するものであり、RAMは制御に関する演算値を一時的に記憶するものである。
図5に示す関数またはマップは、操作力であるマスタシリンダ圧(M/C圧力)Pとそのマスタシリンダ圧Pに対して重み付けするための第1重み付け関数である重み付け係数Kpとの相関関係を比較結果毎に示すとともに、操作力であるマスタシリンダ圧Pと操作量であるペダルストロークSに対して重み付けするための第2重み付け関数である重み付け係数Ksとの相関関係を比較結果毎に示したものである。なお比較結果とは、ストロークシミュレータ30の操作力(マスタシリンダ圧P)−操作量(ペダルストロークS)特性を実測した実特性と基準特性f*とを比較し、その比較結果のことを表しており、例えば、実特性と基準特性との差または比で表すことができる。実特性を実測するにあたっては、ブレーキペダル11をフルストローク踏み込み、そのときのマスタシリンダ圧PおよびペダルストロークSをそれぞれ液圧計61(または62)およびペダルストロークセンサ11aにて測定し、その結果をプロットすることにより実特性を作成する。
具体的に、実特性がf1である場合には、ストロークシミュレータ30の反力特性はペダルフィーリングが軽い傾向にあるので、これを打ち消すように、操作力の影響を大きくするとともに操作量の影響を小さくするように重み付けする。すなわち、操作力−操作量特性の実特性が反力不足である場合には操作力に基づく第1制御目標値の重みを増やすように第1および第2重み付け係数Kp1,Ks1を設定する。この場合、比較結果は基準特性f*と実特性f1との差+Δf1となり、この差に対応した重み付け差分+ΔKp1を重み付け基準係数Kp*に加算して第1重み付け係数Kp1を導出するとともに、差+Δf1に対応した重み付け差分−ΔKs1を重み付け基準係数Ks*に加算して第2重み付け係数Ks1を導出する。
また、実特性がf2である場合には、ストロークシミュレータ30の反力特性はペダルフィーリングが重い傾向にあるので、これを打ち消すように、操作力の影響を小さくするとともに操作量の影響を大きくするように重み付けする。すなわち、操作力−操作量特性の実特性が反力過大である場合には操作量に基づく第2制御目標値の重みを増やすように第1および第2重み付け係数Kp2,Ks2を設定する。この場合、比較結果は基準特性f*と実特性f2との差−Δf2となり、この差に対応した重み付け差分−ΔKp2を重み付け基準係数Kp*に加算して第1重み付け係数Kp2を導出するとともに、差−Δf2に対応した重み付け差分+ΔKs2を重み付け基準係数Ks*に加算して第2重み付け係数Ks2を導出する。
なお、操作力に対する制御目標値Gが一定となるように第1および第2重み付け係数Kp,Ksを設定するのが好ましい。なお、重み付け基準係数Kp*,Ks*はそれぞれストロークシミュレータ30の基準特性f*に対応するものである。また、第1重み付け係数Kp1および第2重み付け係数Ks1は実特性f1に対応する重み付け係数であり、図5において一点破線で示され、第1重み付け係数Kp2および第2重み付け係数Ks2は実特性f2に対応する重み付け係数であり、図5において破線で示されている。
次に、上記のように構成した車両用制動装置の全般的な動作を簡単に説明する。液圧供給源20の正常時においては、ブレーキペダル11が踏まれると、開状態であった電磁弁41,42が閉じられてマスタシリンダ10から各ホイールシリンダWC1,WC2へのブレーキ油の供給が遮断される。このとき、閉状態であった電磁弁43が開かれてマスタシリンダ10からのブレーキ油はストロークシミュレータ30に供給される。また、各ホイールシリンダWC1〜WC4には、ペダルストロークセンサ11aによって検出されたペダルストロークに応じた液圧のブレーキ油が供給される。具体的には、電磁弁52,54が閉じられ電磁弁46,48の閉状態が維持されるとともに電磁弁45,47,51,53が開かれて液圧供給源20からの高圧のブレーキ油が各ホイールシリンダWC1〜WC4に供給される。
一方、踏み込まれていたブレーキペダル11が解放されると、ストロークシミュレータ30の第1液圧室33内のブレーキ油は電磁弁43を通ってマスタシリンダ10に戻る。また、各ホイールシリンダWC1〜WC4内のブレーキ油は、電磁弁46,48,52,54が開かれるとともに電磁弁45,47,51,53が閉じられるので電磁弁46,48,52,54を通ってリザーバタンク12に戻る。
また、液圧供給源20の異常時においては、電磁弁41〜43,45〜48,51〜54はすべて非通電状態に制御される。すなわち、電磁弁43はマスタシリンダ10とストロークシミュレータ30を遮断し、電磁弁41,42はマスタシリンダ10の第1および第2出力ポート10a,10bとホイールシリンダWC1,WC2をそれぞれ連通し、電磁弁45〜48は閉じたままである。これにより、ブレーキペダル11が踏まれると、マスタシリンダ10内のブレーキ油は、電磁弁41,42を通ってホイールシリンダWC1,WC2に供給される。一方、踏み込まれていたブレーキペダル11が解放されると、ホイールシリンダWC1,WC2内のブレーキ油は、電磁弁41,42を通ってマスタシリンダ10に圧送される。
次に、上述した車両用制動装置Aの動作を図4のフローチャートに沿って詳述する。図示しない車両のイグニションスイッチがオン状態にあるとき、ECU70は、上記フローチャートに対応したプログラムを実行する。ECU70は、図4のステップ100にてプログラムの実行を開始する毎に、ステップ102にてブレーキペダル11の操作力および操作量を検出する。具体的には、液圧計61または62によって操作力であるマスタシリンダ10内の圧力(マスタシリンダ圧P)を検出し、ペダルストロークセンサ11aによって操作量であるストローク量(ペダルストロークS)を検出する。このとき、ペダル踏み込み中の複数のポイントにてマスタシリンダ圧PとペダルストロークSを検出し記憶しておく。なお、操作力としてペダル踏力を検出するようにしてもよく、この場合踏力センサを設ければよい。
ECU70は、ステップ104において、ステップ102にて検出した複数ポイントのマスタシリンダ圧PとペダルストロークSに基づいて操作力−操作量特性の実特性を導出する(実特性検出手段)。ステップ106において、ステップ104にて導出した実特性と基準特性f*を比較する。例えば実特性がf1である場合、この比較結果は上述したように差+Δf1となる。ステップ108において、ステップ106にて導出した比較結果に基づいて第1および第2重み付け係数Kp1,Ks1を導出する。具体的には、差+Δf1に対応した重み付け差分+ΔKp1を重み付け基準係数Kp*に加算して第1重み付け係数Kp1を導出するとともに、差+Δf1に対応した重み付け差分−ΔKs1を重み付け基準係数Ks*に加算して第2重み付け係数Ks1を導出する。これにより、第1および第2重み付け係数をストロークシミュレータ30の製造ばらつきに応じて補正することとなる。
そして、ECU70は、ステップ110において、操作力(マスタシリンダ圧P)および第1重み付け係数Kp1に基づいて第1制御目標値G1を導出し、操作量(ペダルストロークS)および第2重み付け係数Ks1に基づいて第2制御目標値G2を導出し、これら重み付けされた第1および第2制御目標値G1,G2を加算して制御目標値Gを導出する。すなわち制御目標値Gは下記数1から導出される。
(数1)
制御目標値G=Ks1×g(S)+Kp1×f(P)
ここで、g(S)はペダルストロークSの関数であり、f(P)はマスタシリンダ圧Pの関数である。また、ペダルストロークSは操作力−操作量特性が決まればマスタシリンダ圧Pの関数(S=h(P))でもあるので、上記数1は下記数2に変形して示される。
(数2)
制御目標値G=Ks1×g(h(P))+Kp1×f(P)
したがって、所定範囲内にてばらつく操作力−操作量特性(反力特性)を有するストロークシミュレータ30に対応させて第1および第2重み付け係数Kp1,Ks1は補正される(図5参照)ので、操作力および第1重み付け関数Kp1に基づいて導出される第1制御目標値G1と操作量および第2重み付け関数Ks1に基づいて導出される第2制御目標値G2との和である制御目標値Gを導出すれば、車両減速特性(ペダル踏力−車両減速度(制御目標値)の相関関係)は、従来のようにストロークシミュレータ30の反力特性の所定範囲内における製造ばらつきに応じてばらつくことなく、図6に示すようにほぼ一定となる。すなわち、操作力に対する車両減速特性のばらつきが消失する。
そして、ECU70は、ステップ112において、上述のように導出された制御目標値Gとなるように車両用制動装置Aの各電磁弁45〜48,51〜54の開閉を切り換え制御しホイールシリンダWC1〜WC4に付与する液圧すなわち各車輪FL,FR,RL,RRに付与する制動力を制御する。
上述した説明から理解できるように、この実施の形態においては、ECU70(制御目標値導出手段)は、ストロークシミュレータ30の操作力−操作量特性を実測した実特性の基準特性に対する比較結果に基づいて補正して制御目標値Gを導出する。これにより、ストロークシミュレータ30に所定範囲内の製造ばらつきがあっても同一操作力に対する制御目標値のばらつきを吸収し、この制御目標値に応じて制御される制動力のばらつきを抑制することにより、操作フィーリングの悪化を防止することができる。また、ストロークシミュレータ30の製造ばらつきの影響をハード的に解決するのでなくソフト的に解決するので、安価な方法にて解決することができる。
また、ECU70は、比較結果に対応した第1および第2重み付け関数を導出し(ステップ108)、操作力および第1重み付け関数に基づいて第1制御目標値を導出し、操作量および第2重み付け関数に基づいて第2制御目標値を導出し、これら重み付けされた第1および第2制御目標値を加算して制御目標値を導出する(ステップ110)。これにより、ストロークシミュレータ30の操作力と操作量に応じた最適な減速フィーリングと、一方の信号欠如に対する信頼性の確保を達成することができる。
また、操作力−操作量特性の実特性が反力不足である場合には操作力に基づく第1制御目標値の重みを増やし、反力過大である場合には操作量に基づく第2制御目標値の重みを増やすように第1および第2重み付け関数を設定するので、確実に制御目標値を補正することができる。
また、操作力に対する制御目標値が一定となるように第1および第2重み付け関数を設定するので、確実に制御目標値を一定となるように補正することができる。したがって、ストロークシミュレータ30に所定範囲内の製造ばらつきがあっても同一操作力に対する一定の制御目標値の導出を達成し、この制御目標値に応じて一定の制動力が車輪に付与される。
また、ECU70は、ストロークシミュレータ30の操作力−操作量特性を実測し(ステップ102,104)、この実測された実特性に基づいて補正して制御目標値Gを導出している(ステップ106〜110)。これにより、ユーザのブレーキペダル踏み込み毎に実特性を実測することになるので、ストロークシミュレータ30のスプリング35b、35cのへたりなどに起因する経時変化に対応して制御目標値Gを補正して導出することができる。
なお、上記実施の形態において、ユーザのブレーキペダル踏み込み毎に実特性を実測するようにしたが、車両の製造出荷時または修理完了時に実特性を実測するようにしてもよく、この場合、車両の製造出荷時または修理完了時などに予め実特性を実測し、その実特性を記憶手段であるECU70のROMなどに記憶させればよく、記憶手段に記憶された実特性に基づいて補正して制御目標値Gを導出すればよい(ステップ102,106〜112)。これにより、車両の製造出荷時または修理完了時に実特性を実測すれば、確実に制御目標値を補正して導出することができるので、確実に安定した減速操作性をユーザに提供することができる。また、実測した実特性に対応した第1および第2重み付け係数を導出し、実特性に代えてこの導出した第1および第2重み付け係数を記憶するようにしてもよい。この場合、記憶手段に記憶された第1および第2重み付け係数に基づいて補正して制御目標値Gを導出すればよい(ステップ102,110〜112)。
また、前述したようにユーザのブレーキペダル踏み込み毎に実特性を実測して補正を加える場合であっても、経時変化の想定される期間毎やイグニッションをかけるタイミング毎等に補正を実行してECU70の演算負担を軽減するようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、本発明をいわゆる油圧式のブレーキバイワイヤタイプの車両用制動装置に適用したが、例えば特開2002−104153号公報に示されているようないわゆる電気式のブレーキバイワイヤタイプの車両用制動装置に適用することも可能である。この場合、操作力検出手段として踏力センサが採用され、反力発生手段としてメカ的なストロークシミュレータが採用されている。
また、上記実施の形態においては、操作力検出手段および操作量検出手段によって検出された操作力および操作量に基づいて制御目標値Gを導出したが、操作力または操作量に基づいて制御目標値Gを導出するようにしてもよい。
本発明による車両用制動装置の一実施の形態の概要を示す図である。 図1に示すストロークシミュレータの断面図である。 ストロークシミュレータの反力特性(操作力−操作量特性)を示す図である。 図1に示すECUにて実行される制御プログラムのフローチャートである。 本発明による操作力に対する重み付け係数を示す図である。 本発明による作用を説明するための車両減速特性を示す図である。 従来技術による操作力に対する重み付け係数を示す図である。 従来技術による作用を説明するための車両減速特性を示す図である。
符号の説明
10…マスタシリンダ、10a…第1出力ポート、10b…第2出力ポート、11…ブレーキペダル、11a…ペダルストロークセンサ、12…リザーバタンク、12a…入力ポート、20…液圧供給源、21…電動モータ、22…ポンプ、22a…吸入ポート、22b…吐出ポート、23…アキュムレータ、24…リリーフ弁、30…ストロークシミュレータ、30a…入力ポート、30b…出力ポート、32…ピストン、33…第1液圧室、34…第2液圧室、35…付勢機構、41,42,43,45,46,47,48,51,52,53,54…電磁弁、61〜67…液圧計、70…ECU、A…車両用制動装置、WC1〜WC4…ホイールシリンダ。

Claims (6)

  1. ブレーキペダルの操作力を検出する操作力検出手段によって検出された操作力または前記ブレーキペダルの操作量を検出する操作量検出手段によって検出された操作量の少なくともいずれか一方に基づいて車両の各車輪の回転をそれぞれ規制する制動力に応じた制御目標値を導出する制御目標値導出手段と、
    前記制動力を前記車輪に発生させる制動力発生手段と、
    前記制御目標値導出手段によって導出された制御目標値となるように前記制動力発生手段を制御して前記車両の制動を制御する制御手段と、
    前記ブレーキペダルの操作力または操作量の少なくともいずれか一方に対応した反力を同ブレーキペダルに発生させる反力発生手段とを備えた車両用制動装置において、
    前記制御目標値導出手段は、前記反力発生手段の操作力−操作量特性を実測した実特性と同反力発生手段の基準特性との比較結果に基づいて補正して前記制御目標値を導出することを特徴とする車両用制動装置。
  2. 請求項1において、前記制御目標値導出手段は、前記比較結果に対応した第1および第2重み付け関数を導出し、前記操作力および第1重み付け関数に基づいて第1制御目標値を導出し、前記操作量および第2重み付け関数に基づいて第2制御目標値を導出し、これら重み付けされた第1および第2制御目標値を加算して前記制御目標値を導出することを特徴とする車両用制動装置。
  3. 請求項2において、前記操作力−操作量特性の実特性が反力不足である場合には前記操作力に基づく第1制御目標値の重みを増やし、反力過大である場合には前記操作量に基づく第2制御目標値の重みを増やすように前記第1および第2重み付け関数を設定することを特徴とする車両用制動装置。
  4. 請求項2において、前記操作力に対する前記制御目標値が一定となるように前記第1および第2重み付け関数を設定することを特徴とする車両用制動装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記反力発生手段の操作力−操作量特性の予め実測した実特性を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御目標値導出手段は、前記記憶手段に記憶された実特性に基づいて補正して前記制御目標値を導出することを特徴とする車両用制動装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記反力発生手段の操作力−操作量特性を実測する実特性検出手段をさらに備え、
    前記制御目標値導出手段は、前記実特性検出手段によって実測された実特性に基づいて補正して前記制御目標値を導出することを特徴とする車両用制動装置。
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