JP2005227367A - 液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
ル剤として用いた場合にでも、液晶汚染を引き起こしにくく色むらが少ない高品位な画像
の液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、該液晶表示素
子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子
を提供する。
【解決手段】 1分子中に水素結合性官能基とカチオン重合性基とを有するカチオン重合
性化合物、及び、カチオン重合開始剤を含有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
ル剤として用いた場合にでも、液晶汚染を引き起こしにくく色むらが少ない高品位な画像
の液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、該液晶表示素
子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子
に関する。
て対向させ、その周囲を硬化性樹脂組成物からなるシール剤で封着してセルを形成し、そ
の一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又
は封口剤を用いて封止することにより作製されていた。
熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃
でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の
基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱
プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10
〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最
後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
基板との密着性の低下等が発生する;残留溶剤が熱膨張して気泡が発生しキャップのバラ
ツキやシールパスが発生する;シール硬化時間が長い;プリベイクプロセスが煩雑;溶剤
の揮発によりシール剤の使用可能時間が短い;液晶の注入に時間がかかる等の問題があっ
た。とりわけ、近年の大型の液晶表示装置にあっては、液晶の注入に非常に時間がかかる
ことが大きな問題となっていた。
製造方法が検討されている。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ス
クリーン印刷により長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状
態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわ
せ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬
化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極
めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。今後はこの滴下工法が液晶表示装
置の製造方法の主流となると期待されている。
紫外線を照射することで発生したラジカルで光硬化させ、更に、含有する熱硬化剤で熱硬
化させる光熱硬化併用シール剤が開示されている。
を使用しないシール剤としてカチオン重合性化合物を用いたシール剤が提案されている。
このようなカチオン重合性化合物を用いたシール剤は、熱硬化剤を使用したシール剤と比
較して、貯蔵安定性がよいことに加え、低温速硬化性に優れ、硬化に要する時間が短く製
造時間を短縮できる等の利点がある。
しまうことから、カチオン重合性化合物を用いたシール剤を用いた場合には、カチオン重
合性化合物が液晶に溶出してしまうことがあり、得られる液晶表示素子においては、液晶
の配向の乱れや表示素子の電圧保持率の低下等が認められることがあるという問題点があ
った。特に、近年の液晶パネルの開発は、モバイル用途等の低消費電力化により、液晶の
駆動電圧の低いもの(低電圧型液晶)を使用する傾向にある。この低電圧型液晶は、特に
誘電率異方性が大きいため、不純物を取り込みやすく、液晶の配向の乱れや表示素子の電
圧保持率の低下が著しいものであった。
ル剤として用いた場合にでも、液晶汚染を引き起こしにくく色むらが少ない高品位な画像
の液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、該液晶表示素
子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子
を提供することを目的とする。
合物、及び、カチオン重合開始剤を含有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
するカチオン重合性化合物を含有する硬化性樹脂組成物は、滴下工法による液晶表示素子
の製造におけるシール剤として用いた場合にも、液晶を汚染することなく、液晶の配向の
乱れや表示素子の電圧保持率の低下等がない液晶表示素子が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
う)は、1分子中に水素結合性官能基とカチオン重合性基とを有するカチオン重合性化合
物を含有する。
本明細書において、カチオン重合性化合物とは、プロトン酸やルイス酸等の酸の存在下で
、連鎖反応的に重合反応又は架橋反応を生ずるカチオン重合性基を持つ化合物を意味する
。
ロキシ基等を挙げることができる。なかでも、接着性や速硬化性の点から、エポキシ基及
び/又はオキセタン基が好適である。上記カチオン重合性化合物は、これらのカチオン重
合性基を、1分子中に2以上有することが好ましい。カチオン重合性基を1分子中に2以
上有することにより、重合反応又は架橋反応後の残存未反応化合物量が極めて少なくなり
、残存未反応化合物量による液晶の汚染を抑制できる。ただし、1分子中に含まれるカチ
オン重合性基は6以下であることがより好ましい。6を超えると、硬化収縮が大きくなり
、接着力低下の原因となることがある。
されず、例えば、−OH基、−NH2基、−NHR基(Rは、芳香族、脂肪族炭化水素又
はこれらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH2基、−NHOH基等や、分子中
に存在する−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結
合等の残基を有する基等が挙げられる。なかでも、接着性の点から、水酸基及び/又はウ
レタン基が好適である。
このような水素結合性官能基を有することにより、上記1分子中に水素結合性官能基とカ
チオン重合性基とを有するカチオン重合性化合物は、硬化前に液晶に接したときにも液晶
中に溶出しにくく、液晶を汚染することがない。
、重量平均分子量が300以上であることが好ましい。300未満であると、液晶に溶出
して汚染することがある。重量平均分子量の上限は特に限定されないが、5万を超えると
、樹脂組成物の粘度の調整が困難になることがある。
合物としては特に限定されないが、例えば、上記カチオン重合性官能基としてオキセタン
基を有する場合、ポリオールと二官能以上のイソシアネートとを反応させてウレタン化合
物を生成し、該ウレタン化合物の末端のイソシアネート基と水酸基を持つオキセタン化合
物とを反応させたもの等が挙げられる。
ルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、
ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネー
ト、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、
リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネ
ートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,
10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。このような水酸基を有するオキセタン化
合物のうち市販されているものとしては、例えば、宇部興産社製「エタナコールEHO」
等が挙げられる。
ては、例えば、イソシアネートと水酸基を持つオキセタン化合物とを反応させたものであ
ってもよい。
上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソシアネ
ートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
上記水酸基を有するオキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、上述したものと
同様のものが挙げられる。
合物がカチオン重合性官能基としてエポキシ基を有する場合には、例えば、多価アルコー
ルのアルコール部位を部分エポキシ化したもの;グリシドールとイソシアネートとを反応
させたもの;エポキシ樹脂の自己付加体等が挙げられる。
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコール等が挙げ
られる。
また、上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソ
シアネートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
。ラジカル重合性樹脂の紫外線照射によるラジカル重合反応は、カチオン重合性化合物の
カチオン重合反応よりも更に速硬化性に優れており、このようなラジカル重合反応を併用
することにより、本発明の硬化性樹脂組成物を液晶滴下工法用シール剤に用いた場合、紫
外線照射後すぐに硬化が起こり、仮止め効果により、製造プロセスにおける衝撃等で上下
の透明基板の位置ずれや剥がれが発生し難くなる。
硬化性樹脂が好適である。上記(メタ)アクリレート基を有する硬化性樹脂としては特に
限定されないが、液晶汚染防止の観点から、1分子中に(メタ)アクリレート基と水素結
合性官能基とを有するものが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレート基とは、アクリレート基又はメタクリレ
ート基のことをいう。
合性樹脂としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレ
ート又はウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、耐候性、接着性に優
れることから、エポキシ(メタ)アクリレート及び/又はウレタン(メタ)アクリレート
が好適である。
ば、エポキシエステルM600A、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200
PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3
002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステ
ル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(以上、共栄
社化学社製)、EB3700(ダイセル・ユーシービー社製)、EA−5520、EA−
CHD(以上、新中村化学社製)等が挙げられる。
、例えば、EB230、EB4858、EB8402、EB1264、EB9260、E
B220、EB2220(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、M−1100、M−1
200、M−1600(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
されないが、好ましい下限は上記1分子中に水素結合性官能基とカチオン重合性基とを有
するカチオン重合性化合物100重量部に対して1重量部、好ましい上限は40重量部で
ある。1重量部未満であると仮止めのための硬化が不充分となることがあり、40重量部
を超えると、接着性が低下することがある。
としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず
、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香
族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキ
ル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、
ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステ
ル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。これらのカチオン
重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマ−SP−151、オプ
トマ−SP−170、オプトマ−SP−171(以上、旭電化工業社製)、UVE−10
14(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア−261(チバガイギー社製)、
サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、UVI−6990(以上、ユニオン
カーバイド社製)、BBI−103、MPI−103、TPS−103、DTS−103
、NAT−103、NDS−103(以上、ミドリ化学社製)、サンエイドSI−100
L(三新化学工業社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2
481(以上、日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR
2074(ローヌ・プーラン社製)、CD−1012(サートマー社製)等が挙げられる
。これらのカチオン重合性開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
記カチオン重合性化合物100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部
である。0.1重量部未満であると、光重合を開始する能力が不足して効果が得られず、
10重量部を超えると、硬化性の向上が見られないばかりか、得られた硬化物の物性に悪
影響を与えることがある。
カル重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光ラジカル重合開始剤としては特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部
とを有するものが好適である。このような光ラジカル重合開始剤を用いれば、液晶表示素
子用シール剤に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出して液晶を
汚染することがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有
するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベンゾイン(エーテル)類化
合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反
応性二重結合を有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤の耐候性が向上する
。
ていればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基
とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下
記一般式(1)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する
化合物を、光ラジカル重合開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量
を少なくすることができる。
族炭化水素残鎖であると、光ラジカル重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加する
ものの、置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
官能イソシアネート誘導体の残基を表し、Yは炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基又は残
基を構成する炭素と酸素の原子数比が3以下の残基を表す。Xが炭素数13を超える2官
能イソシアネート誘導体の残基であると、液晶に溶解しやすくなることがあり、Yが炭素
数4を超える脂肪族炭化水素基又は炭素と酸素の原子数比が3を超える残基であると、液
晶に溶解しやすくなることがある。
シアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることが
できる。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
ラジカル重合性樹脂100重量部に対して0.5重量部、好ましい上限は15重量部であ
る。0.5重量部未満であると硬化性樹脂組成物の硬化性が不充分になることがあり、1
5重量部を超えると、得られた硬化物の吸湿性が高くなってしまうことがある。
充填剤を含有していてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、合成シリカ、タルク炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いられてもよく
、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤の平均粒子径としては、製造する液晶表示素子の透明基板間のセルギャップに
影響を与えない程度の範囲であれば特に限定はないが、好ましい上限は2μmである。
記カチオン重合性化合物100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は
40重量部である。5重量部未満であると、充填剤を配合する効果が充分に発揮されない
ことがあり、40重量部を超えると、本発明の硬化性樹脂組成物の粘度の調整が困難にな
ることがある。
プリング剤は、主に本発明の硬化性樹脂組成物をシール剤又は上下導通用材料として用い
た場合に、透明基板との接着性を向上させる接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、基板等との接着性向上効果に優
れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶材料中への流出を防止するとができること
から、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロ
ピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プ調整の為のスペーサー、消泡剤、レベリング剤、光増感剤、重合禁止剤、粘度調整のた
めの反応性希釈剤等を含有してもよい。
官能基とカチオン重合性基とを有するカチオン重合性化合物、カチオン重合開始剤及び必
要に応じて添加する各成分を、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。この
とき、イオン性の不純物を除去するために層状珪酸塩鉱物等のイオン吸着性固体と接触さ
せてもよい。
オン重合性化合物、及び、カチオン重合開始剤を含有することから、貯蔵安定性や低温速
硬化性にも優れる。また、樹脂成分の溶出による液晶の汚染がほとんどなく、液晶表示素
子用のシール剤又は封口剤として滴下工法による液晶表示素子の製造に用いた場合に、液
晶を汚染しにくく、色むら等の少ない画像表示が可能な液晶表示素子が得られる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤もまた、本発
明の1つである。
導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、液晶を汚染する
ことなく透明基板の電極を導電接続することができる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物と、導電性微粒子とを含有する上下導通材料も
また、本発明の1つである。
を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形
成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続
が可能であることから好適である。
素子もまた、本発明の1つである。
にシール剤として用いた場合にでも、液晶汚染を引き起こしにくく色むらが少ない高品位
な画像の液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、該液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表
示素子を提供することができる。
されるものではない。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート(5モル)、及び、ジブチルチンジラウレート(5ミリモル)を入
れて攪拌し、3−エチル3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製、「エタナコー
ル EHO」)(10モル)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下し、滴下し終わ
ってから更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−
1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、オキセタン化合物(1)を得た。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,4トリレンジイソシアネート(5モル)、及び、
ジブチルチンジラウレート(2.5ミリモル)を入れて攪拌し、3−エチル3−ヒドロキ
シメチルオキセタン(宇部興産社製、「エタナコール EHO」)(10モル)を、60
℃を超えないようにゆっくりと滴下し、滴下し終わってから更に60℃で赤外吸収スペク
トル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃
で反応させて、オキセタン化合物(2)を得た。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート(5モル)、及び、ジブチルチンジラウレート(5ミリモル)を入
れて攪拌し、グリシドール(10モル)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下し、
滴下し終わってから更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(22
70cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、エポキシ樹脂(1)を得
た。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,4トリレンジイソシアネート(5モル)、及び、
ジブチルチンジラウレート(2.5ミリモル)を入れて攪拌し、グリシドール(10モル
)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下し、滴下し終わってから更に60℃で赤外
吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなる
まで60℃で反応させて、エポキシ樹脂(2)を得た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、「オプトマー SP−170」)1重量部、オキ
セタン化合物(1)20重量部、エポキシ樹脂(1)40重量部を配合し、遊星式攪拌装
置を用いて攪拌して混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星
式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得
た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、「オプトマー SP−170」)1重量部、オキ
セタン化合物(2)40重量部、エポキシ樹脂(2)20重量部を配合し、遊星式攪拌装
置を用いて攪拌して混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星
式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得
た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、「オプトマー SP−170」)1重量部、光ラ
ジカル重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、「IRGACURE 65
1」)1重量部、オキセタン化合物(1)20重量部、エポキシ樹脂(1)20重量部、
ビスフェノールAエポキシアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700
」)20重部を配合し、これを70℃に加熱してラジカル重合開始剤を溶解させた後、遊
星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星
式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得
た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、「オプトマー SP−170」)1重量部、光ラ
ジカル重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、「IRGACURE 65
1」)1重量部、オキセタン化合物(2)20重量部、エポキシ樹脂(2)20重量部、
ビスフェノールAエポキシアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700
」)20重部を配合し、これを70℃に加熱してラジカル重合開始剤を溶解させた後、遊
星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星
式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得
た。
光ラジカル重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、「IRGACURE
651」)1重量部、部分アクリレート化エポキシ樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、
「UVAC1561」)40重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ工
業社製、「エピクロン 850S」)20重量部を配合し、これを70℃に加熱してラジ
カル重合開始剤を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、「VDH」)10重量部、カップリ
ング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌
した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
高温下でフェノールノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ社製、「N−770」)30
重量部を溶融し、その中にオキセタン化合物(東亞合成社製、「OXT−221」)30
重量部を入れ、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し均一な溶液の混合物を得た。
この混合物にカチオン重合開始剤(旭電化工業社製、「オプトマー SP−170」)1
重量部、充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量部、
シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪
拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
評価を行った。
結果を表1に示した。
硬化性樹脂組成物を23℃、50RH%雰囲気下で保存し、E型粘度計(25℃、1rp
m)を用いて測定した粘度が初期粘度と比較して2倍になるまでの期間を求めた。
硬化性樹脂組成物100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパール
SI−H055」)1重量部を分散させ、ガラス(コーニング1737)の中央部に取り
、他のガラス(コーニング1737)をその上に重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を
押し広げて厚みを均一にした後、メタルハライドランプを100mW/cm2で30秒間
照射し、更にその後120℃で30分間の加熱を行い(比較例1は120℃で1時間加熱
も実施)、接着試験片を得た。この試験片についてテンションゲージを用いて接着強度を
測定した(初期接着力)。
硬化性樹脂組成物を液晶滴下工法用シール剤として用い液晶表示素子を作製した。
まず、2枚のラベリング済み配向膜及び透明電極付き基板の一方に、液晶滴下工法用シー
ル剤を長方形の枠を描く様にディスペンサーで塗布した。続いて液晶(チッソ社製、「J
C−5004L」)を基板に滴下し、すぐにもう一方の基板を貼り合わせ、メタルハライ
ドランプを100mW/cm2で30秒間照射し、その後120℃で30分間の加熱を行
い(比較例1は120℃で1時間過熱も実施)、液晶表示パネルを作製した。
5℃95%RHの条件下で1000時間の動作試験後におけるシール剤付近の液晶配向乱
れを目視によって観察し、下記の基準により評価した。
◎:色むらが全くない
○:色むらが微かにある
△:色むらが少しある
×:色むらがかなりある
性もいずれも3ヶ月以上と長く優れていた。また、これを液晶滴下工法用シール剤として
用いて作製した液晶表示素子は、高温高湿試験の前後を通して色むらはほとんど観察され
ず、実用に全く問題のないレベルであった。
一方、比較例1で作製した硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が4日と非常に短いものであ
った。また、同一条件で硬化を行った場合には、実施例1〜4で作製した硬化性樹脂組成
物に比べて接着力が劣り、また、これを液晶滴下工法用シール剤として用いて作製した液
晶表示素子には色むらが観察された。
比較例2で作製した硬化性樹脂組成物は、接着力、貯蔵安定性は優れていたものの、これ
を液晶滴下工法用シール剤として用いて作製した液晶表示素子には色むらが観察された。
にシール剤として用いた場合にでも、液晶汚染を引き起こしにくく色むらが少ない高品位
な画像の液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、該液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表
示素子を提供することができる。
Claims (7)
- 1分子中に水素結合性官能基とカチオン重合性基とを有するカチオン重合性化合物、及び
、カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - カチオン重合性基は、オキセタン基及び/又はエポキシ基であることを特徴とする請求項
1記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 水素結合性官能基は、水酸基及び/又はウレタン基であることを特徴とする請求項1又は
2記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - カチオン重合性化合物は、平均分子量が300以上であることを特徴とする請求項1、2
又は3記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物からなることを特徴とす
る液晶滴下工法用シール剤。 - 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物と、導電性微粒子とを含
有することを特徴とする上下導通用材料。 - 請求項5記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通用材料を用い
てなることを特徴とする液晶表示素子。
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