JP2014162911A - 硬化性樹脂組成物、封止材、上下導通材料、光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

硬化性樹脂組成物、封止材、上下導通材料、光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】基板接着性が向上した硬化性樹脂組成物、その硬化性樹脂組成物を用いた封止材及び上下導通材料、その封止材及び/又は上下導通材料を用いた光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールの提供。
【解決手段】下記一般式Xで表される原子団を有し、メチン基及び/又はメチレン基が3つ以上連結した直鎖構造を有するエポキシ化合物(A)を含有し、前記エポキシ化合物(A)の含有比率が、10〜90質量%であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。式中、R1は水素原子又は炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。
[化1]
Figure 2014162911

【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、封止材、上下導通材料、光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールに関する。より詳しくは、基板接着性が向上した封止材及び上下導通材料を形成可能な硬化性樹脂組成物、電解液に対する耐性が向上された封止材、その封止材を備えた光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールに関する。
シリコン系太陽電池、化合物太陽電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池といった光電変換素子は、クリーンエネルギーデバイスとして注目され、普及期に移りつつある。
色素増感太陽電池として、いわゆるグレッツエル型のシステムが知られている(非特許文献1)。
屋外などの高温高湿環境や、高温から低温、低温から高温という温度衝撃環境(温度差の大きい環境)に光電変換素子が長期間さらされると、その封止部が劣化し、内部から電解液が漏出したり、外部からの湿気の侵入によって電解液が劣化することにより、性能が大幅に低下してしまう問題がある。特に、光電変換素子の電解液に有機溶媒が使用されている場合、有機溶媒の揮発による封止部へのダメージが生じやすく、性能の低下が生じやすい。そのため、封止材には、高温高湿環境や温度衝撃環境、有機溶媒を含んだ電解液にさらされたときの基板間の剥がれを充分に抑制し得る(温度耐性および化学耐性を備えた)優れた基板接着性が求められる。
色素増感太陽電池向けの封止材としては、熱可塑性樹脂であるハイミラン(登録商標)(三井・デュポン ポリケミカル社製)、エポキシ系熱硬化性樹脂であるアモシル4(Amosil 4)(Solaronix社製)等が知られている。
しかし、これらの封止材の基板接着性は充分とはいえない。たとえばハイミランは熱可塑性樹脂であるため、屋外における高照度および高温環境において柔らかくなり、封止性が悪化する問題がある。また、官能基として親水性であるカルボン酸基を有するため、外部からの湿気の影響を受けて性能が劣化する問題がある。また、アモシル4は、水分や有機溶媒によって接着性が大幅に低下し性能が劣化する問題があり、さらに、二種混合封止材であるため、光電変換素子を量産するためには作業性が悪いという問題もある。
さらに、前記の封止材は、曲げ耐性が低いという問題もある。接着基板がフィルム等のフレキシブル基板である場合、曲げることで封止材と基板の界面に応力がかかり、剥がれて内部の電解液が漏れ出す危険もある。
また、近年、フレキシブルデバイスが注目されており、電子公告、電子機器等に展開されている。フレキシブルデバイスとして、たとえば2枚の電極付き透明基板を封止材や上下導通材料で接着固定した構成を備えるものが用いられている。しかし、フレキシブル性を備えているはずのこれらのデバイスを曲げると、上下基板間に異なる曲げ応力が発生するため、電極に亀裂が入ったり、封止材や上下導通材料が割れたり基板から剥がれて性能が大幅に低下してしまう問題がある。
したがって、かかる用途に用いられる封止材や上下導通材料には、屈曲させたときの基板間の剥がれを充分に抑制し得る(曲げ耐性を備えた)優れた基板接着性が求められる。
Nature、第353巻、第737ページ、1991年
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板接着性が向上した硬化性樹脂組成物、その硬化性樹脂組成物を用いた封止材及び上下導通材料、その封止材及び/又は上下導通材料を用いた光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールの提供を課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1>下記一般式Xで表される原子団を有し、メチン基及び/又はメチレン基が3つ以上連結した直鎖構造を有するエポキシ化合物(A)を含有し、
前記エポキシ化合物(A)の含有比率が、10〜90質量%であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、R1は水素原子又は炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
<2>前記エポキシ化合物(A)が、前記一般式Xで表される原子団として少なくとも下記一般式Xで表される原子団を有する、前記<1>に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
<3>下記の一般式Yで表される金属−酸素結合型構造体(Y)をさらに含有する、前記<1>又は<2>に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、lは正の整数を表し、Mはそれぞれ独立に、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、又はジルコニウム原子を表し、Rは炭素数1〜50の飽和炭化水素基、又は酸素原子を表し、R、R、R、R6、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシキ基、ブトキシ基、水酸基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、O−M−Oのいずれかを表す。]
<4>前記エポキシ化合物(A)が、下記一般式A1で表されるエポキシ化合物(A1)と、イソシアネート化合物(A2)とを共重合させて得られた硬化性樹脂(A11)である、前記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、mは1以上の整数を表し、R10は炭素数1〜30のm価の炭化水素基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよく、R10〜R12のうち少なくとも1つは前記直鎖構造を有し、Xは水酸基、又はヘテロ原子を介した連結構造体を表す。]
<5>前記硬化性樹脂(A11)が、前記エポキシ化合物(A1)と、前記イソシアネート化合物(A2)と、ポリオール化合物(A3)とを共重合させて得られた硬化性樹脂である、<4>に記載の硬化性樹脂組成物。
<6>下記一般式Dで表されるチオール化合物(D)をさらに含有する、前記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、pは1以上の整数を表し、R15は炭素数1〜30のp価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
<7>前記エポキシ化合物(A)と、前記金属−酸素結合型構造体(Y)とが結合している、前記<3>に記載の硬化性樹脂組成物。
<8>下記化学式Z又はZで表される官能基を有し、且つ前記エポキシ化合物(A)に該当しないモノマー(B)をさらに含有する、前記<1>〜<7>のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2014162911
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、*は結合手を表す。]
<9>前記<1>〜<8>のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする封止材。
<10>前記<1>〜<8>のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物と導電性微粒子とを含んでなることを特徴とする上下導通材料。
<11>前記<9>に記載の封止材及び前記<10>に記載の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたことを特徴とする光電変換素子。
<12>前記<9>に記載の封止材及び前記<10>に記載の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたことを特徴とする色素増感太陽電池。
<13>前記<12>に記載の色素増感太陽電池が単位セルとして備えられ、複数のセルが相互に連結されている又は同じ基板上で複数のセルが連結されていることを特徴とする色素増感太陽電池モジュール。
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、基板密着性(基板接着性)に優れた封止材及び上下導通材料を形成することができる。本発明の硬化性樹脂組成物からなる封止材を用いた光電変換素子又は色素増感太陽電池は、電解液の液漏れの恐れが低減されているため、柔軟さが要求される用途に適している。また、本発明の封止材は電解液に対する化学耐性が優れているため、電解液に封止材が溶出して電解液を劣化させることが抑制され、光電変換効率の低下を防止することができる。
第五実施形態の色素増感太陽電池の一例を示す模式断面図である。 (a)基板接着性能の評価に用いた試験片の正面図である。(b)基板接着性能の評価に用いた試験片の側面図である。 耐電解液性能の評価に用いた試験片の作製方法を示した斜視図である。 耐曲げ衝撃性能(耐屈曲性能)を評価する試験の様子を示した斜視図である。 作業性能を評価する試験の様子を示した斜視図である。 (a)光電変換素子を構成する部材の正面図である。(b)光電変換素子の組み立て及び電解液の注入の様子を示した図である。
≪硬化性樹脂組成物≫
本発明の第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、下記一般式Xで表される原子団を有し、メチン基及び/又はメチレン基が3つ以上連結した直鎖構造を有するエポキシ化合物(A)を含有し、
前記エポキシ化合物(A)の含有比率が、10〜90質量%であることを特徴とする。
Figure 2014162911
[式中、R1は水素原子又は炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
[エポキシ化合物(A)]
エポキシ化合物(A)は、前記一般式Xで表される原子団を有する。
前記式X中、R1は水素原子又は炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基を表す。
1が水素原子である場合、式Xで表される原子団は1価の基(−OH)である。R1が炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基である場合、式Xで表される原子団は2価以上の基である。
1における2価以上の炭化水素基のうち、2価の炭化水素基としては、例えば直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基、或いはこれらの基を複数組み合わせた基が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素基としては、例えば直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。
前記直鎖状のアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、2〜15がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。
前記分岐鎖状のアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。
前記環状のアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜15がより好ましく、5〜10がさらに好ましい。前記環状のアルキレン基としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のシクロアルカンから水素原子を2つ除いた2価の基(シクロアルキレン基)が挙げられる。
前記アルキレン基としては直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
前記アルキレン基の1つ以上のメチレン基は、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。
前記芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた2価の基が挙げられる。
直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のなかの複数の基を組み合わせた基としては、例えば、芳香族炭化水素基とアルキレン基とが連結した基、環状のアルキレン基と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とが連結した基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基とアルキレン基とが連結した基として、例えば、1つの芳香族炭化水素基と1つのアルキレン基とが連結した基、2つ以上の芳香族炭化水素基が1つ以上のアルキレン基を介して連結した基、2つ以上のアルキレン基が1つ以上の芳香族炭化水素基を介して連結した基等が挙げられる。これらの基におけるアルキレン基は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のいずれでもよい。アルキレン基を複数含む場合、各アルキレン基は同じでも異なってもよい。
環状のアルキレン基と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とが連結した基として、例えば、1つの環状のアルキレン基と1つのアルキレン基とが連結した基、2つ以上の環状のアルキレン基が1つ以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を介して連結した基、2つ以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が1つ以上の環状のアルキレン基を介して連結した基等が挙げられる。
前記2価の炭化水素基としては、芳香族炭化水素基と直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基とを連結した2価の基であることが好ましい。前記芳香族炭化水素基は、ベンゼン又はナフタレンから水素原子を2つ除いた基が好ましい。前記アルキレン基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
前記2価の炭化水素基は、前記アルキレン基を介して、2つ以上の芳香族炭化水素基が連結した基であってもよい。具体的には前記アルキレン基を介して2つのフェニレン基が結合したビスフェニレン基が例示できる。
1における2価以上の炭化水素基のうち、3価以上の炭化水素基としては、前述した2価の炭化水素基から、(当該炭化水素基の価数−2)個の水素原子を除いた炭化水素基を適用できる。例えば3価の炭化水素基の場合、前述した2価の炭化水素基から1個の水素原子をさらに除いた3価の炭化水素基を適用できる。
前記炭化水素基は、当該炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよい。前記ヘテロ原子には水素原子が結合していてもよい。
前記炭素原子を置換する、水素原子が結合していてもよいヘテロ原子としては、酸素原子(−O−)、窒素原子(−N=,−NH−)、硫黄原子(−S−)、セレン原子(−Se−)等が挙げられる。なかでも、酸素原子又は窒素原子が好ましい。
前記炭化水素基は、当該炭化水素基中の炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。また、当該炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つが、水素原子が結合したヘテロ原子によって置換されている場合、該ヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。
炭素原子又はヘテロ原子に結合した水素原子を置換する炭素数1〜10の炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が好ましい。該アルキル基の1つ以上のメチレン基は、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。
前記水素原子を置換するヘテロ原子としては、ハロゲン原子、酸素原子等が挙げられる。ヘテロ原子が酸素原子である場合、該酸素原子に水素原子が結合していてもよい。
水素原子を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。水素原子を置換する酸素原子(水素原子が結合していてもよい)としては、=O、−OH等が挙げられる。=Oによって置換された例として、炭化水素基中のメチレン基の少なくとも1つがカルボニル基となった例が挙げられる。
1としては、水素原子、−CO−NH−R−、−CH−CH−CO−R−、−CH−CH−CH(OH)−R−、−CO−CH−CH−R−のいずれかであることが好ましく、水素原子、−CO−NH−R−、又は−CH−CH−CO−R−であることがより好ましい。
各式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。
としては、R1における炭素数1〜30の2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基、フェニレン基、又はこれらの基を複数組み合わせた基が好ましく、直鎖状のアルキレン基、フェニレン基、又はこれらの基を複数組み合わせた基がより好ましい。
エポキシ化合物(A)が有する前記一般式Xで表される原子団は、1種でも2種以上でもよい。
エポキシ化合物(A)は、接着性及び柔軟骨格構造の点から、一般式Xで表される原子団として少なくとも、R1が−CO−NH−R−である基、すなわち下記一般式Xで表される原子団を有することが好ましい。
Figure 2014162911
[式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
本実施形態においては、前記エポキシ化合物(A)を構成する前記一般式Xで表される原子団が、下記式(1)の関係を満たすことが好ましく、下記式(2)の関係を満たすことがより好ましい。式(1)の関係を満たすことで、封止材としての接着性と耐曲げ性が向上する。
(Rが前記炭化水素基である原子団の数)≧(Rが水素原子である原子団の数) …(1)
(Rが前記炭化水素基である原子団の数)>(Rが水素原子である原子団の数) …(2)
エポキシ化合物(A)は、メチン基及びメチレン基のうち少なくとも一方が3つ以上連結した直鎖構造を有する。
このような直鎖構造は、例えば同じ炭素数の環状構造に比べて、構造的な柔軟性が高い。本発明の第一実施形態の硬化性樹脂組成物が前記直鎖構造を有することにより、エポキシ化合物(A)に構造的な柔軟性が付与される。このため、硬化後の樹脂内部における応力が緩和され、基板等に対する接着性(密着性)が向上する。
前記直鎖構造を構成するメチン基は、3級炭素原子を有する炭素数1の3価の炭化水素基であり、その結合形態は、−CH=,HC≡,−CH<のいずれかである。直鎖構造を構成するメチレン基は2級炭素原子を有する炭素数1の2価の炭化水素基(−CH−)である。
前記直鎖構造は、メチン基及びメチレン基のいずれか一方だけが3つ以上連結したものでもよいし、メチン基及びメチレン基の両方が順不同で3つ以上連結したものでもよい。
前記直鎖構造として、例えば炭素数3〜20の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
前記直鎖状アルキレン基の炭素数は、3〜15が好ましく、4〜12がより好ましく、5〜10がさらに好ましい。
前記アルキレン基のメチレン基は、−C(=O)−、−CH=CH−又は−C≡C−に置換されていてもよい。前記アルキレン基の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子は、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は炭素数1〜10アルコキシ基によって置換されていてもよい。
前記水素原子を置換していてもよいアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。前記水素原子を置換していてもよいアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
前記直鎖構造においては、当該直鎖構造を構成する炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよい。前記ヘテロ原子には水素原子が結合していてもよい。
前記炭素原子を置換する、水素原子が結合していてもよいヘテロ原子としては、酸素原子(−O−)、窒素原子(−N=,−NH−)、硫黄原子(−S−)、セレン原子(−Se−)等が挙げられる。なかでも、酸素原子又は窒素原子が好ましい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。
ヘテロ原子に置換された炭素原子は、前記直鎖構造を構成する炭素数に含まれる。
エポキシ化合物(A)が、前記一般式Xで表される原子団としてRが前記炭化水素基である原子団を有する場合、前記直鎖構造は、前記Rの構造中に含まれてもよく、該原子団とは別の原子団として含まれてもよい。
エポキシ化合物(A)は、環状炭化水素構造を有することが好ましい。
環状炭化水素構造は、耐衝撃性、耐熱性等の向上に寄与する。
環状炭化水素構造としては、例えば、シクロアルカン構造、芳香族炭化水素環構造等が挙げられる。
シクロアルカン構造としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のシクロアルカンから水素原子を1つ以上除いた基が挙げられる。シクロアルカンの炭素数は、3〜20が好ましく、4〜15がより好ましく、5〜10がさらに好ましい。
前記芳香族炭化水素環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素から水素原子を1つ以上除いた基が挙げられる。
環状炭化水素構造は、当該環状炭化水素構造の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換された複素環状構造であってもよい。複素環状構造としては、オキセタン、アゼチジン、チエタン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、フラン、ピロール、チオフェン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、テトラヒドロチオピラン、ピリリウムイオン、ピリジン、チオピリリウムイオン、オキセパン、アゼパン、チエパン、オキセピン、アゼピン、チエピン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン、ピラジン、モルホリン、チアジン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キサンテン、カルバゾール、ポルフィリン、クロリン等から水素原子を1つ以上除いた基が挙げられる。
エポキシ化合物(A)が、前記一般式Xで表される原子団としてRが前記炭化水素基である原子団を有する場合、前記環状炭化水素環構造は、前記Rの構造中に含まれてもよく、該原子団とは別の原子団として含まれてもよい。
エポキシ化合物(A)としては、例えば、下記一般式A1で表されるエポキシ化合物(A1)、該エポキシ化合物(A1)とイソシアネート化合物(A2)とを共重合させて得られた硬化性樹脂(A11)、等が挙げられ、接着性の点で、硬化性樹脂(A11)が好ましい。
硬化性樹脂(A11)は、エポキシ化合物(A1)およびイソシアネート化合物(A2)とともに、ポリオール化合物(A3)を共重合させたものであってもよい。
耐衝撃性、耐曲げ性の点で、エポキシ化合物(A1)とイソシアネート化合物(A2)とポリオール化合物(A3)とを共重合させて得られる硬化性樹脂が特に好ましい。
Figure 2014162911
[式中、mは1以上の整数を表し、R10は炭素数1〜30のm価の炭化水素基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよく、R10〜R12のうち少なくとも1つは前記直鎖構造を有し、Xは水酸基、又はヘテロ原子を介した連結構造体を表す。]
〔エポキシ化合物(A1)〕
前記一般式A1中、mは1以上の整数を表し、R10は炭素数1〜30のm価の炭化水素基を表す。
mは、2〜4が好ましく、2又は3がより好ましく、2がさらに好ましい。よって、R10は、2〜4価の炭化水素基であることが好ましく、2又は3価の炭化水素基であることがより好ましく、2価の炭化水素基であることが好ましい。
mが1である場合、R10としては、前述した2価の炭化水素基が有する2本の結合手のうち、いずれか一方の結合手に水素原子が結合した1価の炭化水素基を適用できる。
mが2である場合、R10としては、前述したRにおける2価の炭化水素基と同様の炭化水素基を適用できる。
mが3である場合、R10としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに1個の水素原子を除いた3価の炭化水素基を適用できる。同様に、mが4以上である場合、R10としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに(m−2)個の水素原子を除いたm価の炭化水素基を適用できる。mが4以上である場合、R10の炭素数は2以上である。
10は芳香族炭化水素基を有することが好ましく、ベンゼン環から1以上の水素原子を除いた基を有することがより好ましい。R10は、ベンゼン環から1以上の水素原子を除いた基を1つ有しても複数有してもよい。
10が、ベンゼン環から1以上の水素原子を除いた基を複数有する場合、それらの基は、炭素数1〜6のアルキレン基を介して連結されていてもよい。前記ベンゼン環から1以上の水素原子を除いた基は、炭素数1〜6のアルキレン基を介して、前記一般式A1の括弧内の−O−に結合していてもよい。
前記アルキレン基の1つ以上のメチレン基は−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−S(=O)2−又は−C≡C−で置換されていてもよい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。前記アルキレン基の炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子により置換されていてもよい。
2価のR10の好ましい例として、例えばビスフェノール骨格を有する化合物から2つの水酸基を除いた2価の基が好適な基として挙げられる。具体例として、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールC、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZ等のビスフェノール骨格を有する化合物から2つの水酸基を除いた2価の基が例示できる。
11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。
前記炭化水素基としては、前述したRにおける炭素数1〜30の2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
11は、直鎖状アルキレン基であることが好ましい。前記直鎖状アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。前記直鎖状アルキレン基の1つ以上のメチレン基は、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。
12は、分岐鎖状アルキレン基であることが好ましい。分岐鎖状アルキレン基は、主鎖を構成する直鎖状アルキレン基と、側鎖を構成するアルキル基(該直鎖状アルキレン基の炭素原子に結合する水素原子を置換するアルキル基)とからなる。
前記主鎖を構成する直鎖状アルキレン基の炭素数は1〜25が好ましく、4〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましい。
前記側鎖を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、直鎖状が好ましい。前記側鎖を構成するアルキル基は1つでも2つ以上でもよい。
前記側鎖を構成するアルキル基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。
前記主鎖を構成するアルキレン基の1つ以上のメチレン基は−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。ただし、2つの酸素原子が隣接する置換は除く。
前記主鎖を構成するアルキレン基の1つ以上のメチレン基は、環状の炭化水素基で置換されていてもよい。前記環状の炭化水素基の炭素数は4〜20が好ましく、5〜15がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。前記環状の炭化水素基は脂肪族炭化水素基であってもよいし、芳香族炭化水素基であってもよい。
前記メチレン基が芳香族炭化水素基によって置換されている場合、当該置換されたメチレン基に隣接するメチレン基は−COO−又は−OCO−によって置換されていることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基によって置換されるメチレン基は、前記主鎖を構成するアルキレン基の末端のメチレン基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基に結合する水素原子は炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子により置換されていてもよい。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
前記R10〜R12のうち少なくとも1つは前記直鎖構造を有する。
前記直鎖構造は、R10〜R12のうち、R11又はR12に含まれることが好ましく、R12に含まれることが特に好ましい。
エポキシ化合物(A)が前記環状炭化水素構造を含む場合、該環状炭化水素構造は、R10〜R12のいずれに含まれてもよく、R10又はR11に含まれることが特に好ましい。
式A1中、Xは水酸基、又はヘテロ原子を介した連結構造体を表す。
ヘテロ原子としては、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
連結構造体としては、イソシアネート架橋構造体、イソシアネート−ポリオール架橋構造体、多官能アクリレート付加構造体等が挙げられる。
Xがイソシアネート架橋構造体である化合物としては、例えば、式A1中のXが水酸基であるエポキシ化合物と、イソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。この場合、Xは、−CO−NH−Xで表すことができる。Xは、イソシアネート化合物からイソシアネート基1つを除いた基を示す。イソシアネート化合物としては、後述するイソシアネート化合物(A2)と同様のものが挙げられる。
Xがイソシアネート−ポリオール架橋構造体である化合物としては、例えば、式A1中のXが水酸基であるエポキシ化合物と、イソシアネート化合物と、ポリオール化合物との反応生成物が挙げられる。この場合、Xは、−CO−NH−Xまたは−Xで表すことができる。Xは、イソシアネート化合物とポリオールとの反応生成物からイソシアネート基1つを除いた基を示す。Xは、イソシアネート化合物とポリオールとの反応生成物から水酸基1つを除いた基を示す。
イソシアネート化合物としては、後述するイソシアネート化合物(A2)と同様のものが挙げられる。ポリオール化合物としては、後述するイソシアネート化合物(A3)と同様のものが挙げられる。
Xが多官能アクリレート付加構造体である化合物としては、例えば、式A1中のXが水酸基であるエポキシ化合物と、多官能アクリレートとの反応生成物が挙げられる。この場合、Xは、−CH−CH−Xで表すことができる。Xは、多官能アクリレートが有するアクリロイル基の1つからビニル基を除いた基を示す。多官能アクリレートとしては、後述するモノマー(B)のうち、化学式Zで表され、且つRが水素原子である官能基を2以上有する化合物と同様のものが挙げられる。
〔イソシアネート化合物(A2)〕
イソシアネート化合物(A2)としては、イソシアネート基を1つ以上有する化合物であれば特に制限されず、公知の種々のイソシアネート化合物が適用可能である。
イソシアネート化合物(A2)としては、下記一般式A2で表される化合物が好ましい。
Figure 2014162911
[式中、nは1以上の整数を表し、R13は炭素数1〜30のn価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
式A2中、nは1以上の整数を表し、R13は炭素数1〜30のn価の炭化水素基を表す。
nは2〜4の整数が好ましく、2又は3がより好ましく、2がさらに好ましい。よって、R13は2〜4価の炭化水素基であることが好ましく、2又は3価の炭化水素基であることがより好ましく、2価の炭化水素基であることがさらに好ましい。
nが1である場合、R13としては、前述した2価の炭化水素基が有する2本の結合手のうち、いずれか一方の結合手に水素原子が結合した1価の炭化水素基を適用できる。
nが2である場合、R13としては、前述したRにおける2価の炭化水素基と同様の炭化水素基を適用できる。
nが3である場合、R13としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに1個の水素原子を除いた3価の炭化水素基を適用できる。同様に、nが4以上である場合、R13としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに(n−2)個の水素原子を除いたn価の炭化水素基を適用できる。nが4以上である場合、R13の炭素数は2以上である。
イソシアネート化合物(A2)の具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアナート)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジイソシアナートビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’―ジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナート−3,3’―ジメチルジフェニルメタン、1,5−ジイソシアナートナフタレン、2−イソシアナートエチルメタクリレートトリレンー2,6−ジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナート等が挙げられる。
〔ポリオール化合物(A3)〕
ポリオール化合物(A3)としては、水酸基を2つ以上有し、且つ前記エポキシ化合物(A1)に該当しない化合物であれば特に制限されず、公知の種々のポリオール化合物が適用可能である。
ポリオール化合物(A3)としては、下記一般式A3で表される化合物が好ましい。
Figure 2014162911
[式中、оは2以上の整数を表し、R14は炭素数1〜30のо価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
式A3中、оは2以上の整数を表し、R14は炭素数1〜30のо価の炭化水素基を表す。
оは2〜10の整数が好ましく、2〜8の整数がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。よって、R14は2〜10価の炭化水素基であることが好ましく、2〜8価の炭化水素基であることがより好ましく、2〜6価の炭化水素基であることがさらに好ましい。
оが2である場合、R14としては、前述したRにおける2価の炭化水素基と同様の炭化水素基を適用できる。
оが3である場合、R14としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに1個の水素原子を除いた3価の炭化水素基を適用できる。同様に、оが4以上である場合、R14としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに(о−2)個の水素原子を除いたо価の炭化水素基を適用できる。оが4以上である場合、R14の炭素数は2以上である。
ポリオール化合物(A3)の具体例としては、例えばトリグリセロール、ジペンタエリスリトール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
〔硬化性樹脂(A11)の合成〕
前記エポキシ化合物(A1)と、前記イソシアネート化合物(A2)と、必要に応じて前記ポリオール化合物(A3)と、を共重合させると、イソシアネート化合物(A2)が有するイソシアネート基と、エポキシ化合物(A1)またはポリオール化合物(A3)が有する水酸基とが反応してウレタン結合が形成され、硬化性樹脂(A11)が得られる。
これらの化合物を共重合させる方法は特に制限されず、公知方法が適用できる。例えば、反応系に、(エポキシ基+水酸基)/イソシアネート基のモル比が0.5〜2となるように加えて、攪拌しながら40〜100℃で加熱することにより、硬化性樹脂(A11)を得ることができる。40℃よりも低い温度だと反応の進行が思わしくなく、最悪の場合樹脂が分離してしまう恐れがある。100℃よりも高い温度だと反応が進み過ぎて硬化し、ディスペンスできなくなるおそれがある。適切な反応条件を選択することによって、ディスペンスに適した樹脂を提供できる。
エポキシ化合物(A1)、イソシアネート化合物(A2)、ポリオール化合物(A3)はそれぞれ、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂組成物中に含まれるエポキシ化合物(A)は1種でも2種以上でもよい。
前記エポキシ化合物(A)の含有比率(含有率)は、硬化性樹脂組成物の全質量(100質量%)に対して、10〜90質量%であり、30〜85質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。10質量%以上であると、基板接着性の向上効果が充分に得られ、90質量%以下であると、硬化物の耐衝撃性、耐曲げ性が良好である。
前記エポキシ化合物(A)として硬化性樹脂(A11)を用いる場合、硬化性樹脂(A11)の含有比率は、硬化性樹脂組成物の全質量に対して10〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
[モノマー(B)]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、下記化学式Z又はZで表される官能基を有し、且つ前記エポキシ化合物(A)に該当しないモノマー(B)をさらに含有してもよい。
モノマー(B)の配合によって、また配合するモノマー(B)の種類の選択によって、硬化性樹脂組成物の反応性の向上、硬化性樹脂組成物の粘度の調整、作業性の向上等を図ることができる。
Figure 2014162911
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、*は結合手を表す。]
モノマー(B)は、式Zで表される官能基及び式Zで表される官能基のいずれか一方のみを有していてもよく、両方を有していてもよい。
モノマー(B)は、式Z又はZで表される官能基を1つ有する単官能モノマーでもよく、該官能基を2つ以上有する多官能モノマーでもよい。
硬化性樹脂組成物の反応性の向上の目的で配合されるモノマー(B)としては、例えば、下記一般式B1で表される化合物(B1)、1−ビニルイミダゾール、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、4−アクリロイルモルホリン、2−アセトアミドアクリル酸メチル、1−シアノビニルアセテート、アクリロニトリル、2−シアノアクリル酸エチル、TEMPOメタクリレート、9H−カルバゾール−9−エチルメタクリレート、2−(ジイソプロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ビニルカプロラクタム、4−グリシジルオキシカルバゾール、トリグリシジルイソシアヌレート等の含窒素化合物、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシ(ジメトキシ)メチルシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−グリシジルオキシプロピル)トリシロキサン、(メタ)アクリル酸グリシジル、ビスフェノールAグリセロラート(1グリセリン/フェノール)ジアクリラート、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ジグリシジル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、グリシジル−4−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルイソプロピルエーテル、グリシジルメチルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、グリシジルステアレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸のエステル又はメタクリル酸のエステルを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
「TEMPO」は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルを示す。
Figure 2014162911
[式中、R’は炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
式(B1)中、R’としては、前述したRにおける2価の炭化水素基と同様の炭化水素基を適用できる。R’の好適な基としては、前述した式A1中のmが2である場合のR10として好ましい基が例示できる。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物が硬化性樹脂(A11)を含有する場合、反応性モノマー(B)として、少なくとも化合物(B1)を含有することが好ましい。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂(A11)と化合物(B1)の質量比(配合比)は、A11:B1=100:1〜1:1が好ましく、A11:B1=50:1〜3:1がより好ましく、A11:B1=20:1〜4:1がさらに好ましい。
硬化性樹脂組成物の粘度調整の目的で配合されるモノマー(B)としては、例えば、(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル等が挙げられる。具体例としては、下記化学式(B2)〜(B4)で表される化合物等が挙げられる。化学式(B2)で表される化合物、化学式(B3)で表される化合物、化学式(B4)で表される化合物はそれぞれ、商品名「ブレンマーADP−400」、「ブレンマーADT−250」、「ブレンマーPDBE−250」として市販されている。
Figure 2014162911
第一実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂組成物中に含まれるモノマー(B)は1種でも2種以上でもよい。
前記モノマー(B)の含有比率(含有率)は、硬化性樹脂組成物の全質量に対して10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。10質量%以上であると、モノマー(B)の配合効果が充分に得られ、50質量%以下であると、接着性が良好である。
[硬化剤(C)]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、硬化剤(C)を含有することが好ましい。
前記硬化剤(C)は、前記エポキシ化合物(A)(必要に応じてモノマー(B))を重合させることが可能な硬化剤であれば特に制限されず、公知の熱硬化剤又は光重合開始剤を適用できる。
前記硬化剤(C)の含有比率は特に制限されず、適宜調整可能であり、通常、前記エポキシ化合物(A)に対して0.5〜10質量%でよい。
硬化剤(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[チオール化合物(D)]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、下記一般式Dで表されるチオール化合物(D)をさらに含有してもよい。チオール化合物(D)を含有することで、反応性が向上する。
Figure 2014162911
[式中、pは1以上の整数を表し、R15は炭素数1〜30のp価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
式D中、pは1以上の整数を表し、R15は炭素数1〜30のp価の炭化水素基を表す。
pは1〜10の整数が好ましく、1〜8の整数がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。よって、R15は1〜10価の炭化水素基であることが好ましく、1〜8価の炭化水素基であることがより好ましく、1〜6価の炭化水素基であることがさらに好ましい。
pが2である場合、R15としては、前述したRにおける2価の炭化水素基と同様の炭化水素基を適用できる。
pが1である場合、R15としては、前述した2価の炭化水素基が有する2本の結合手のうち、いずれか一方の結合手に水素原子が結合した1価の炭化水素基を適用できる。
pが3である場合、R15としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに1個の水素原子を除いた3価の炭化水素基を適用できる。同様に、pが4以上である場合、R15としては、前述した2価の炭化水素基から、さらに(p−2)個の水素原子を除いたp価の炭化水素基を適用できる。pが4以上である場合、R15の炭素数は2以上である。
チオール化合物(D)の具体例としては、例えば、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、4−アセトアミドベンゼンチオール、アリルメルカプタン、1,2−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、ベンゼンチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、ベンジルメルカプタン、4,4’―ビフェニルジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等が挙げられる。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂組成物中に含まれるチオール化合物(D)は1種でも2種以上でもよい。
前記チオール化合物(D)の含有比率(含有率)は、硬化性樹脂組成物の全質量に対して1〜40質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。1質量%以上であると、反応性の向上効果が充分に得られ、40質量%以下であると、接着性が良好である。
[金属−酸素結合型構造体(Y)]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、下記一般式Yで表される金属−酸素結合型構造体(Y)をさらに含有することが好ましい。金属−酸素結合型構造体(Y)を含有することで、有機溶媒、例えばアセトニトリル、γ−ブチロラクトン等の極性溶媒に対する耐性が向上し、該有機溶媒を含有する電解液に対する耐性がさらに向上する。
Figure 2014162911
[式中、lは正の整数を表し、Mはそれぞれ独立に、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、又はジルコニウム原子を表し、Rは炭素数1〜50の飽和炭化水素基、又は酸素原子を表し、R、R、R、R6、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシキ基、ブトキシ基、水酸基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、O−M−Oのいずれかを表す。]
式Y中、lは正の整数であり、2〜40が好ましく、4〜20がより好ましい。
Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、又はジルコニウム原子である。式Y中の複数のMはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Mとしては、ケイ素原子が好ましい。
における炭素数1〜50の飽和炭化水素基としては、例えば直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基、又はこれらの基を複数組み合わせた基が挙げられる。
前記直鎖状のアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、2〜15がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。
前記分岐鎖状のアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。
前記環状のアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。前記環状のアルキレン基としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のシクロアルカンから2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。
直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基のなかの複数の基を組み合わせた基としては、例えば、環状のアルキレン基と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とが連結した基が挙げられる。このような基として、例えば、1つの環状のアルキレン基と1つのアルキレン基とが連結した基、2つ以上の環状のアルキレン基が1つ以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を介して連結した基、2つ以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が1つ以上の環状のアルキレン基を介して連結した基、等が挙げられる。
としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基又は酸素原子が好ましい。
、R、R、R6、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシキ基、ブトキシ基、水酸基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、O−M−Oのいずれかを表す。これらの中でも、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、O−M−Oが好ましい。
、R、R、R6、R、RのいずれかがO−M−Oである化合物としては、例えば、式Y中のR、R、R、R6、R、Rのいずれかが水酸基である化合物の2分子以上が重縮合した化合物が挙げられる。
金属−酸素結合型構造体(Y)としては、例えば、金属アルコキシドの加水分解および重縮合により得られる化合物が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、3−(アクリロイルオキシ)プロパントリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、1,8−ビス(エトキシジメチルシリル)オクタン、1,8−ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
金属アルコキシドの加水分解および重縮合は、公知の方法により実施できる。例えば、金属アルコキシドにメタノール、エタノール等の溶媒を加え、必要に応じて塩酸、アルカリ等の触媒、水等を添加して反応させ、加熱、紫外線(UV)照射等することにより得られる。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂組成物中に含まれる金属−酸素結合型構造体(Y)は1種でも2種以上でもよい。
前記金属−酸素結合型構造体(Y)の含有比率(含有率)は、硬化性樹脂組成物の全質量に対して10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。10質量%以上であると、有機溶媒耐性、電解液耐性等の化学耐性の向上効果が充分に得られ、50質量%以下であると、耐衝撃性、耐曲げ性が良好である。
金属−酸素結合型構造体(Y)を含有する場合、硬化性樹脂組成物中のエポキシ化合物(A)の含有比率は、硬化性樹脂組成物の全質量に対して30〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
第一実施形態の硬化性樹脂組成物においては、有機溶媒耐性、電解液耐性等の化学耐性の向上効果に優れることから、前記エポキシ化合物(A)と前記金属−酸素結合型構造体(Y)とが結合していることが好ましい。
エポキシ化合物(A)と金属−酸素結合型構造体(Y)との結合形態としては、共有結合、金属−酸素結合、水素結合、イオン結合等が挙げられ、共有結合、金属酸素結合が好ましい。
エポキシ化合物(A)と金属−酸素結合型構造体(Y)とを結合させる方法としては、不飽和二重結合間の反応、不飽和二重結合と金属−酸素結合を有する化合物による架橋、金属−酸素結合間の反応等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物に含まれるエポキシ化合物(A)のうち、金属−酸素結合型構造体(Y)と結合を形成するのは一部でも全部でもよい。硬化性樹脂組成物に含まれる金属−酸素結合型構造体(Y)のうち、エポキシ化合物(A)と結合を形成するのは一部でも全部でもよい。
エポキシ化合物(A)と金属−酸素結合型構造体(Y)とが結合してなる複合体が硬化性樹脂組成物中に含まれているかどうかは、電子顕微鏡観察、元素分析、赤外線吸収、NMR等のいずれか1種により、またはこれらの2種以上を組み合わせる事により確認することができる。
[光増感剤]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて(例えば硬化性樹脂組成物を光照射により硬化させる場合に)、本発明の効果を損なわない範囲で、光増感剤をさらに含有してもよい。光増感剤としては、特に制限されず、公知の光重合開始剤に吸収したエネルギーを遷移できる化合物を適用できる。
[硬化性樹脂組成物の調製方法]
第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、他の任意成分とを混合することにより調製できる。
硬化性樹脂組成物を調製する際の各成分の配合時には、各成分を各種手段により充分に混合することが好ましい。各成分は、これらを順次添加しながら混合しても良いし、全成分を添加してから混合しても良く、配合成分を均一に溶解又は分散させることができれば良い。各成分の混合方法は、特に限定されず、例えば、撹拌子、撹拌翼、ボールミル、スターラー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、自公転ミキサー等を使用する公知の方法を適用すれば良い。混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すれば良いが、通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、混合の総時間は30〜90分であることが好ましい。
≪封止材≫
本発明の第二実施形態の封止材は、第一実施形態の硬化性樹脂組成物を含んでなるものである。
封止材を複数の部材間に配置し、所定の方法により硬化させることにより、複数の部材を接着することができる。例えば太陽電池の場合、封止材を基板間に塗布し、所定の方法により硬化させることにより、基板間を接着し、基板間に電解液を封止することができる。
本実施形態の封止材は、第一実施形態の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られた部材でもよく、硬化させる前の硬化性樹脂組成物であってもよい。
本実施形態の封止材は、前記硬化性樹脂組成物に絶縁性の微粒子を配合し、硬化させることにより得られた部材、又は硬化させる前の組成物であってもよい。絶縁性の微粒子が配合されることにより、基板間の距離を保って接着及び封止することができる。微粒子の大きさを調整することにより、基板間の距離を調整できる。微粒子は公知の無機微粒子又は有機微粒子が適用される。
硬化させる方法は特に制限されず、前記硬化性樹脂組成物に含有させる硬化剤の種類に応じて適宜行うことができる。例えば、光照射、加熱処理により硬化させることができる。硬化のために照射する光としては、紫外線(UV)、可視光、赤外線等が挙げられる。
本実施形態の封止材は、電解液の封止に有用であり、色素増感太陽電池など、電解液を備える電池用の封止材として有用である。
≪上下導通材料≫
本発明の第三実施形態の上下導通材料は、第一実施形態の硬化性樹脂組成物と導電性微粒子とを含んでなるものである。
上下導通材料は、一般に、液晶テレビ等の液晶装置、色素増感太陽電池等で使用可能な部材であり、例えば2枚の電極付き透明基板の上下導通端子間を電気的に導通し且つ両基板を接着固定する用途で用いられる。
本実施形態の上下導通材料は、第一実施形態の硬化性樹脂組成物に導電性微粒子を配合し、硬化させることにより得られた部材でもよく、硬化させる前の組成物でもよい。
前記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
硬化させる方法は特に制限されず、前記硬化性樹脂組成物に含有させる硬化剤の種類に応じて適宜行うことができる。例えば、光照射、加熱処理により硬化させることができる。硬化のために照射する光としては、紫外線(UV)、可視光、赤外線等が挙げられる。
≪光電変換素子≫
本発明の第四実施形態の光電変換素子は、第二実施形態の封止材及び第三実施形態の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたものである。
光電変換素子は、光エネルギーを電力に変換可能な電子機器、または電力を光に変換可能な電子機器である。光電変換素子としては、例えば色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池等の太陽電池、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
本実施形態の光電変換素子においては、当該光電変換素子を構成する部材を接着又は封止するために、第二実施形態の封止材又は第三実施形態の上下導通材料が用いられており、第二実施形態の封止材が用いられていることが好ましい。第二実施形態の封止材又は第三実施形態の上下導通材料により接着又は封止される部材は特に制限されず、公知の部材であってよい。
光電変換素子の構成は、部材を接着又は封止する材料の少なくとも一部に第二実施形態の封止材及び第三実施形態の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられている以外は特に制限されず、公知の光電変換素子の構成と同様であってよい。
≪色素増感太陽電池≫
本発明の第五実施形態の色素増感太陽電池は、第二実施形態の封止材及び第三実施形態の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたものである。
本実施形態の色素増感太陽電池には、当該色素増感太陽電池を構成する部材を接着又は封止するために第二実施形態の封止材又は第三実施形態の上下導通材料が用いられている。例えば、色素を吸着させた半導体電極(光電極)と対向電極とを構成する基板間を接着し、基板間に電解液(電解質溶液)を封止するための封止材として第二実施形態の封止材が用いられる。また、色素増感太陽電池の半導体電極(光電極)と対向電極とを導通する材料として第三実施形態の上下導通材料が用いられていてもよい。第二実施形態の封止材又は第三実施形態の上下導通材料により接着又は封止される部材は特に制限されず、公知の部材であってよい。
色素増感太陽電池の構成は、部材を接着又は封止する材料の少なくとも一部に第二実施形態の封止材及び第三実施形態の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられている以外は特に制限されず、公知の色素増感太陽電池の構成と同様であってよい。
図1に、封止材として第二実施形態の封止材が用いられた色素増感太陽電池の一例を示す。
この例の色素増感太陽電池100は、半導体電極101と、対向電極102と、電解液103と、封止材104とを有する。
半導体電極101は、基材106と、基材106上に積層した透明導電膜107と、導電膜107上に積層した多孔質酸化物半導体層108によって構成される。
電解液103が接触する多孔質酸化物半導体層108の、多孔質内部を含む表面には、公知の増感色素が吸着している。
対向電極102は、基材110と、基材110上に積層した透明導電膜111と、導電膜111上に積層した触媒層112によって構成される。
封止材104は、第二実施形態の封止材(硬化前)を基板間に塗布し、所定の方法により硬化させてなる部材である。封止材104によって、電解液103が、光電極101と対向電極102の間に封止されている。
電解液103としては、従来公知の色素増感太陽電池で使用されている電解液を適用できる。色素増感太陽電池の電解液としては、酸化還元対(電解質)を溶媒に溶解したものが一般的に用いられている。
前記封止材は化学耐性に優れるため、電解液103の成分として有機溶媒を使用することができる。この有機溶媒としては、例えばアルコール類、ニトリル類、エーテル類、エステル類、ケトン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
前記アルコール類は、その化学構造の骨格が直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、一価アルコールおよび多価アルコールのいずれでもよく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール(イソブタノール)、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、エチレングリコール等が挙げられる。
前記ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。
前記エーテル類は、その化学構造の骨格が直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記エステル類としては、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
前記ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。
前記炭化水素類は、その化学構造の骨格が直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、脂肪族系炭化水素および芳香族系炭化水素のいずれでもよく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素類としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
前記電解液103に溶解される酸化還元対(電解質)は従来公知の酸化還元対が適用できる。
前記酸化還元対としては、例えば、ヨウ素分子とヨウ化物の組み合わせ又は臭素分子と臭素化合物の組み合わせが挙げられる。
前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)などの金属ヨウ化物、又はテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなどのヨウ素塩が、好適なものとして挙げられる。
前記臭素物としては、例えば、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)などの金属臭化物、又はテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイドなどの臭素塩が、好適なものとして挙げられる。
半導体電極101及び対向電極102を構成する基材106,110の材質は特に制限されず、ガラス製、樹脂製、金属製のいずれであってもよい。前記硬化性樹脂組成物が接着する基板の接着面には透明導電膜が成膜されていてもよい。
前記ガラスとしては、可視光の透過性を有するものが好ましく、ソーダライムガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、バイコールガラス、無アルカリガラス、青板ガラス、白板ガラス等が挙げられる。
前記樹脂(プラスチック)としては、可視光の透過性を有するものが好ましく、例えばポリアクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等が挙げられる。これらのなかでは、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が、透明耐熱フィルムとして大量に生産および使用されている。
薄くて軽いフレキシブルな色素増感太陽電池を製造する観点からは、前記基材106,110はプラスチック製の透明基材であることが好ましく、PETフィルム又はPENフィルムであることがより好ましい。
前記透明導電膜107,111は、特に制限されず、従来公知の色素増感太陽電池に使用される透明導電層が適用可能であり、例えば金属酸化物で構成される薄膜が挙げられる。
前記金属酸化物としては、酸化インジウム/酸化スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム/酸化亜鉛(IZO)、酸化ガリウム/酸化亜鉛(GZO)、酸化チタン等が挙げられる。これらの中でも、比抵抗が小さく電気伝導率が高いITO、並びに、耐熱性および耐候性に優れたFTOが特に好ましい。
多孔質酸化物半導体層108を構成する酸化物半導体としては、従来公知の材料が適用可能であり、増感色素を吸着可能な材料であればよい。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
触媒層112を構成する材料としては、従来公知の材料が適用可能であり、例えば白金、カーボンナノチューブ等のカーボン類、導電性ポリマー(PEDOT/PSS等)等が挙げられる。
≪色素増感太陽電池モジュール≫
本発明の第六実施形態の色素増感太陽電池モジュールは、第五実施形態の色素増感太陽電池を単位セルとして備えられ、複数のセルが相互に連結されている又は同じ基板上で複数のセルが連結されている構成を有する。
色素増感太陽電池モジュールを構成する各単位セルは、互いに物理的に連結されていてもよい。この場合、各単位セルが同じ基板上に配置されていてもよい。色素増感太陽電池モジュールを構成する各単位セルは、互いに電気的に連結されていてもよい。この場合、各単位セルが電気的に直列に接続されていてもよいし、電気的に並列に接続されていてもよい。色素増感太陽電池モジュールを構成する各単位は物理的に且つ電気的に連結されていてもよい。各単位セルを導通する材料(部材)として第三実施形態の上下導通材が用いられていてもよい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
<硬化性樹脂A−1の合成>
アルゴン雰囲気下、撹拌機、温度計を備えた3L−三口フラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル(171.6g)と4−ヒドロキシ安息香酸(140.5g)を入れ、撹拌しながら80℃に保ち、10時間撹拌を行い、下記化学式(a−0)で表される攪拌生成物を得た。
Figure 2014162911
得られた撹拌生成物にε−デカノラクトン(173.2g)を入れ、p−メトキシフェノール(0.17g)とヒドロキノン(0.25g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて95℃に保ち、12時間加熱した後、4−ヒドロキシ安息香酸(141.2g)を入れ、撹拌しながら80℃に保ち、10時間撹拌を行い、下記化学式(a−1)で表される攪拌生成物を得た。
Figure 2014162911
得られた撹拌生成物にエピクロルヒドリン(461.4g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて90℃に保ち、12時間撹拌した後、さらに水酸化ナトリウム水溶液(1M、1L)を加え、60℃に保ち12時間撹拌した。室温まで放冷した後、終夜撹拌を行った。エーテルを加えた後、分液ロートを用いて有機相を抽出した。減圧下、真空乾燥を行ってエーテルを除き、下記化学式(a−2)で表される撹拌生成物を得た。
Figure 2014162911
アルゴン雰囲気下、得られた撹拌生成物(104.4g)を三口フラスコに入れ、ヘキサメチレンジイソシアナート(6.4g)と4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアナート)(9.5g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて80℃に保ち、10時間撹拌を行い硬化性樹脂A−1を得た。
硬化性樹脂A−1は、分子構造が異なる多数の分子で構成されると推測され、その構造は明確ではないが、硬化性樹脂A−1を構成する分子の一例として、下記化学式(a−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014162911
化学式(a−3)中、黒丸「●」は、化学式(a−2)で表される撹拌生成物から水酸基を1つ除いた基を表す。
化学式(a−3)のウレタン結合の窒素原子に結合しているヘキサメチレンは4,4’−メチレンビスフェニレンであってもよく、逆に4,4’−メチレンビスフェニレンがヘキサメチレンであってもよい。また、イソシアネートは片側のみウレタン結合を形成していてもよく、エポキシアクリレートは未反応の水酸基が残っていてもよい。
<化合物B−1の合成>
撹拌機、温度計を備えた1L−三口フラスコにアクリル酸(74.2g)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル(341.8g)を入れ、p−メトキシフェノール(0.15g)とヒドロキノン(0.22g)を加えた後、トリエチルアミン(0.45g)を続けて加えた。撹拌しながらオイルバスを用いて95℃に保ちながら、12時間撹拌を行い、下記化学式(b−1)で表される化合物B−1を得た。
Figure 2014162911
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−1(51.3g)、化合物B−1(9.4g)、ブレンマー(登録商標)ADP−400(日油社製)(3.4g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.33g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.38g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.24g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.19g)、エポキシ樹脂硬化剤VDH(味の素ファインテクノ社製、下記化学式で表される化合物)(0.20g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 2014162911
(実施例2)
<硬化性樹脂A−2の合成>
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた硬化性樹脂A−1(224.1g)を、撹拌機および温度計を備えた1L−三口フラスコに入れ、1,6−ヘキサンジオール(7.7g)とトリグリセロール(6.1g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて80℃に保ち、10時間撹拌を行い硬化性樹脂A−2を得た。
硬化性樹脂A−2は、分子構造が異なる多数の分子で構成されると推測され、その構造は明確ではないが、硬化性樹脂A−2を構成する分子の一例として、下記化学式(a−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014162911
化学式(a−4)中、黒丸「●」は、硬化性樹脂A−1から水酸基を1つ除いた基、又は導入したポリオールから水酸基を1つ除いた基を表す。
化学式(a−4)のウレタン結合の窒素原子に結合しているヘキサメチレンは4,4’−メチレンビスフェニレンであってもよく、逆に4,4’−メチレンビスフェニレンがヘキサメチレンであってもよい。また、イソシアネートは片側のみウレタン結合を形成していてもよく、硬化性樹脂は未反応の水酸基が残っていてもよい。
化学式(a−4)のウレタン結合の炭素原子に結合しているのは、1,6−ヘキサンジオールでもトリグリセロールであってもよく、逆にトリグリセロールが1,6−ヘキサンジオールであってもよい。また、ポリオールは未反応の水酸基が残っていてもよい。また、一部化学式(a−3)と同じ、化学式(a−2)で表される硬化性樹脂が有する水酸基の水素原子が除かれた酸素原子同士を架橋するウレタン結合が含まれていてもよい。
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−2(48.3g)、化合物B−1(9.2g)、ブレンマー(登録商標)ADP−400(日油社製)(2.6g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.27g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.30g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.20g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.25g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.19g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−2(50.5g)、化合物B−1(9.3g)、ブレンマー(登録商標)ADP−400(日油社製)(3.9g)、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール(6.2g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.35g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.35g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.24g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.22g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.18g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−2(50.2g)、化合物B−1(9.2g)、ブレンマー(登録商標)ADP−400(日油社製)(4.2g)、メタクリル酸グリシジル(8.9g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.35g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.29g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.27g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.29g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.15g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例5)
<硬化性樹脂A−3の合成>
実施例1と同様にして、前記化学式(a−0)で表される攪拌生成物を得た。
得られた撹拌生成物にγ−フェニル−ε‐カプロラクトン(192.6g)を入れ、p−メトキシフェノール(0.16g)とヒドロキノン(0.28g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて95℃に保ち、12時間加熱した後、4−ヒドロキシ安息香酸(143.3g)を入れ、撹拌しながら80℃に保ち、10時間撹拌を行い、下記化学式(a−5)で表される攪拌生成物を得た。
Figure 2014162911
得られた撹拌生成物にエピクロルヒドリン(503.2g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて90℃に保ち、12時間撹拌した後、さらに水酸化ナトリウム水溶液(1M、1L)を加え、60℃に保ち12時間撹拌した。室温まで放冷した後、終夜撹拌を行った。エーテルを加えた後、分液ロートを用いて有機相を抽出した。減圧下、真空乾燥を行ってエーテルを除き、下記化学式(a−6)で表される硬化性樹脂A−3を得た。
Figure 2014162911
<ケイ素−酸素結合型構造体Y−1の合成>
金属−酸素結合型構造体として、下記化学式(y−1)で表されるケイ素−酸素結合型構造体Y−1を以下の手順で合成した。
3−(アクリロイルオキシ)プロパントリメトキシシラン(11.3g、東京化成社製)、ビニルトリメトキシシラン(21.4g、東京化成社製)、1,8−ビス(エトキシジメチルシリル)オクタン(25.8g、アヅマックス社製)、1,8−ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタン(29.3g、アヅマックス社製)、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン(22.7g、ジェレスト社製)、テトラエトキシシラン(41.8g、東京化成社製)、テトラメトキシシラン(10.5g、東京化成社製)をフラスコに計量した。エタノール(34.9g、和光純薬社製)、メタノール(29.1g、和光純薬社製)を加え、0℃で30分間撹拌した。次いで、0.01N塩酸(8.2g)、エタノール(31.5g、和光純薬社製)、メタノール(24.3g、和光純薬社製)を混合した溶液を添加し、0℃で2時間撹拌し、40℃に昇温後、さらに4時間撹拌した。続いて、フッ化カリウム(0.128g、和光純薬社製)、エタノール(14.4g、和光純薬社製)、メタノール(11.4g、和光純薬社製)を混合した溶液を添加し、40℃で2時間撹拌し、80℃に昇温後、さらに4時間撹拌した。得られた混合溶液を0℃に冷却した後、40℃真空にて残存アルコール、水を分留した。得られた溶液を再度0℃に冷却し、ジエチルエーテル(200mL、和光純薬社製)を加えて、0℃で1時間撹拌した後、メンブレンフィルター(ミリポア社製、オムニポアメンブレン孔径0.2μm)を使用して濾過した。さらにもう一度濾過した後、得られた濾液から40℃真空にてジエチルエーテルを分留し、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(80.7g、無色透明液体)を得た。
Figure 2014162911
化学式(y−1)中、lは5〜10、R2は炭素数8の飽和炭化水素基、又は酸素原子、R、R、R、R6、R、Rはそれぞれ独立に、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、水酸基、ビニル基、アリル基、アクリロイルオキシプロピル基、O−Si−Oのいずれかを表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<硬化性樹脂組成物の配合>
硬化性樹脂A−3(52.6g)、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(11.9g)、実施例1と同様にして得た化合物B−1(8.2g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(2.1g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(2.6g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.34g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.35g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.24g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.26g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.19g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例6)
<硬化性樹脂A−4の合成>
アルゴン雰囲気下、実施例5で得られた硬化性樹脂A−3(147.3g)を、撹拌機および温度計を備えた1L−三口フラスコに入れ、ヘキサメチレンジイソシアナート(8.8g)と4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアナート)(12.8g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて80℃に保ち、10時間撹拌を行い、硬化性樹脂A−4を得た。
硬化性樹脂A−4は、分子構造が異なる多数の分子で構成されると推測され、その構造は明確ではないが、硬化性樹脂A−4を構成する分子の一例として、下記化学式(a−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014162911
化学式(a−7)中、黒丸「●」は、硬化性樹脂A−3から水酸基を1つを除いた基を表す。
化学式(a−7)のウレタン結合の窒素原子に結合しているヘキサメチレンは4,4’−メチレンビスフェニレンであってもよく、逆に4,4’−メチレンビスフェニレンがヘキサメチレンであってもよい。また、イソシアネートは片側のみウレタン結合を形成していてもよく、硬化性樹脂は未反応の水酸基が残っていてもよい。
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−4(51.2g)、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(12.2g)、化合物B−1(6.6g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(2.7g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(2.1g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.36g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.35g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.42g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.24g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.20g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例7)
<硬化性樹脂A−5の合成>
アルゴン雰囲気下、実施例5で得られた硬化性樹脂A−3(159.7g)を、撹拌機および温度計を備えた1L−三口フラスコに入れ、ヘキサメチレンジイソシアナート(8.4g)と4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアナート)(12.1g)を加え、さらに1,6−ヘキサンジオール(5.7g)とトリグリセロール(4.9g)を加え、撹拌しながらオイルバスを用いて80℃に保ち、10時間撹拌を行い、硬化性樹脂A−5を得た。
硬化性樹脂A−5は、分子構造が異なる多数の分子で構成されると推測され、その構造は明確ではないが、硬化性樹脂A−5を構成する分子の一例として、下記化学式(a−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014162911
化学式(a−8)中、黒丸「●」は、硬化性樹脂A−3から水酸基を1つ除いた基、又は導入したポリオールから水酸基を1つ除いた基を表す。
化学式(a−8)のウレタン結合の窒素原子に結合しているヘキサメチレンは4,4’−メチレンビスフェニレンであってもよく、逆に4,4’−メチレンビスフェニレンがヘキサメチレンであってもよい。また、イソシアネートは片側のみウレタン結合を形成していてもよく、硬化性樹脂は未反応の水酸基が残っていてもよい。
化学式(a−8)のウレタン結合の炭素原子に結合しているのは、1,6−ヘキサンジオールでもトリグリセロールであってもよく、逆にトリグリセロールが1,6−ヘキサンジオールであってもよい。また、ポリオールは未反応の水酸基が残っていてもよい。また、一部化学式(a−7)と同じ、化学式(a−6)で表される硬化性樹脂が有する水酸基の水素原子が除かれた酸素原子同士を架橋するウレタン結合が含まれていてもよい。
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−5(51.9g)、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(13.4g)、化合物B−1(5.3g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(2.6g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(2.4g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.33g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.36g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.38g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.29g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.22g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例8)
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−5(50.9g)、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(12.5g)、化合物B−1(4.9g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(2.8g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(2.7g)、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール(6.6g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.31g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.37g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.33g)、エポキシ樹脂硬化剤 HN−5500(日立化成社製)(0.25g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.24g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例9)
<硬化性樹脂組成物の調製>
硬化性樹脂A−5(53.1g)、ケイ素−酸素結合型構造体Y−1(13.3g)、化合物B−1(9.3g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(2.6g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(2.9g)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(5.4g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.37g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.27g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.38g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.22g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.18g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
<硬化性樹脂組成物の調製>
化合物B−1(3.8g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル(39.4g)、ブレンマー(登録商標)ADP−400(日油社製)(14.5g)、ビスフェノールAグリセロラート(1グリセリン/フェノール)ジアクリラート(9.9g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.41g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.43g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.33g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.30g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.13g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
<硬化性樹脂組成物の調製>
化合物B−1(4.1g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル(40.3g)、ブレンマー(登録商標)PDBE−250(日油社製)(9.8g)、ブレンマー(登録商標)ADT−250(日油社製)(10.1g)、ビスフェノールAグリセロラート(1グリセリン/フェノール)ジアクリラート(9.0g)、光開始剤IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)(0.36g)、IRGACURE(登録商標)250(BASF社)(0.39g)、光増感剤2−イソプロピルチオキサントン(0.41g)、エポキシ樹脂硬化剤HN−5500(日立化成社製)(0.28g)、VDH(味の素ファインテクノ社製)(0.24g)を配合し、自転・公転真空ミキサーにて撹拌、分散させて硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
市販されている熱融着フィルムであるハイミラン(登録商標)(ぺクセル・テクノロジーズ社製)を封止材として用いた。
(比較例4)
市販されている封止材用の硬化性樹脂組成物であるAmosil 4(Solaronix社製)を用いた。
実施例1〜9及び比較例1,2,4の硬化性樹脂組成物及び比較例3の熱融着フィルムについて、基板接着性能評価、耐電解液性能評価、耐曲げ衝撃性能評価、及び色素増感太陽電池を作製し、光電変換効率測定を実施した。
[基板接着性能能の評価]
基板接着性能能の評価方法を、添付の図2を参照して説明する。
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜し、COレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、20×30mmの小片を基板(フィルム)として2枚切り出した。それらのうちの一方を第一の基板4、他方を第二の基板2とした。第一の基板4は、長辺方向の一方の端部を、末端から5mmの位置で、テープで基板を固定して折り曲げ、折り曲げ部2aを形成した。
次に、第一の基板4の片面上の中心部分にギャップ制御用微粒子であるミクロパール(登録商標)SP(積水化学工業社製)を混ぜた封止材1(熱融着フィルム又は硬化性樹脂組成物)を配置した後、第二の基板2を、長辺方向が第一の基板4の長辺方向に対して90度回転させた配置で、ITO膜3を対面させるように第一の基板4上に積層させた。続いて、熱融着フィルムの場合はホットプレス(120℃、1kN、60sec)を行い、硬化性樹脂組成物の場合はUV照射(100mW/cm、30sec)を行って封止材1を硬化させ、接着性能を評価するための試験片を作製した。封止材1の塗布量は、封止材1による接着部位の大きさが直径5mmの円形になるように調整した。
作製した試験片の初期状態、試験片を80℃のオーブン中で水を満たして蓋をした状態のガラス容器中で100時間浸漬した後の状態、試験片を80℃のオーブン中でアセトニトリルを満たして蓋をした状態のガラス容器中で100時間浸漬した後の状態、試験片を80℃のオーブン中でγ−ブチロラクトンを満たして蓋をした状態のガラス容器中で100時間浸漬した後の状態、の4種の状態の試験片を準備した。90°剥離試験機(イーガーコーポレーション製)を用いて各試験片の剥離試験を行った。
ここで、試験片を水に浸漬した後の状態は、セルの封止材として使用された際の外部からの湿気侵入を想定した状態であり、試験片をアセトニトリル、γ−ブチロラクトンに浸漬した後の状態は、セルの封止材として使用された際の内部からの電解液漏洩を想定した状態である。
剥離試験においては、各試験片の第一の基板4を、図示しない平らな台に、図示しない両面テープにより固定し、第二の基板2の折り曲げ部2aを剥離試験機の掴み具(チャック)Hで掴み、2aを封止材1から引き離す方向へ引っ張り上げることにより剥がした。剥がれが生じた際の引張り強度(kgf)と、剥がれ面(A:PEN基材−ITO間、B:封止材−ITO間、C:封止材−封止材間)を確認することで、封止材の基板接着性能の評価を行った。結果を表1に示す。
[耐電解液性能の評価]
耐電解液性能の評価方法を、添付の図3を参照して説明する。
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜し、COレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、30×30mmの小片を基板(フィルム)として2枚切り出した。それらのうちの一方を第一の基板4、他方を第二の基板2とした。
図3に示すように、グローブボックス内、N雰囲気下で、ITO層上にUV硬化型銀ペースト5(十条ケミカル社製)を、第一の基板4の端部から10mm離してアプリケーター(テスター産業社製)で10×10mmのサイズで塗布した後、UV照射(100mW/cm、10sec)を行い、硬化させた。第一の基板4の端部から2mm離して封止材1(熱融着フィルム又は硬化性樹脂組成物)を幅3mmで周囲に配置した後、第二の基板2のITO膜を対面させ、上方から見て互いの基板形状が重なるように積層させた。熱融着フィルムの場合はホットプレス(120℃、1kN、60sec)を行い、硬化性樹脂組成物の場合はUV照射(100mW/cm、30sec)を行って封止材1を硬化させ、耐電解液性能を評価するための試験片を作製した。
試験片を電解液(電解質の有機溶媒溶液、Iodolyte AN−50(Solaronix社製))に浸し、30℃オーブン中で24時間静置した。試験片作成時に積層したフィルムを引きはがし、塗布銀電極の抵抗値をロレスタGP MCP−T610型(三菱アナリテック社製)で測定した。初期の塗布銀電極の抵抗値は64mΩ/□だった。電解液に浸漬した後の抵抗値から抵抗増加量(ΔR)を下記式1に基づいて算出し、比較することで封止材の評価を行った。結果を表2に示す。
式1:抵抗増加量ΔR(mΩ/□)=
電解液に浸漬した後の抵抗値(mΩ/□)−64(mΩ/□)
[耐曲げ衝撃性能の評価]
耐曲げ衝撃性能の評価方法を、添付の図4を参照して説明する。
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜し、COレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、100×100mmの小片を基板(フィルム)として2枚切り出した。それらのうちの一方を第一の基板4、他方を第二の基板2とした。
第一の基板4の端部から2mm離して封止材1(熱融着フィルム又は硬化性樹脂組成物)を幅3mmで周囲に配置した後、第二の基板2のITO膜を対面させ、上方から見て互いの基板形状が重なるように積層させた。熱融着フィルムの場合はホットプレス(120℃、1kN、60sec)を行い、硬化性樹脂組成物の場合はUV照射(100mW/cm、30sec)を行って封止材1を硬化させ、耐曲げ衝撃性能を評価するための試験片を作製した。
図4に示すように、半径60mmのSUSパイプの側面(外周)に試験片を沿わせて曲げて、1分間手で固定し、その後、手を離して試験片を元の平らな状態に戻した。この作業を100回繰り返し、試験片の状態を目視で確認した。
試験片を構成する2枚の基板の貼り合わせの状態に応じて、◎(四辺全てで剥がれ無し)、○(四辺のいずれかが剥がれ有り)、×(四辺全てで剥がれ有り)の3段階で評価を行った。結果を表2に示す。
[作業性能の評価(封止材のディスペンス性能評価)]
作業性能の評価方法を、添付の図5を参照して説明する。
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜し、COレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、100×100mmの小片を基板(フィルム)として切り出した。
基材上に、封止材1として、実施例1〜9及び比較例1,2,4の各硬化性樹脂組成物を、シリンジSを備えたSHOTMASTER(登録商標)500DS−S−4A(武蔵エンジニアリング社製)を用いて基板上に塗布(ディスペンス)した。シリンジSの吐出圧300kPa、ノズルギャップの口径42μm、塗布速度80mm/secの条件で、基板の端部から10mm離して基板を周回するように塗布した。同じように各硬化性樹脂組成物を塗布した基板(ディスペンス基板)を20枚ずつ作製した。目視で、塗布に断線F(不連続)が生じた不良基板の発生枚数を数え、◎(不良基板数0枚)、○(不良基板数1〜2枚)、△(不良基板数3〜5枚)、×(不良基板数6枚以上)の4段階で評価を行った。結果を表2に示す。
なお、比較例3の熱融着フィルムはディスペンスできない形態であるため、量産性が低く作業性能は×(悪い)であると評価した。
[光電変換効率の測定]
色素増感太陽電池のセルを下記の手順で作製し、作製したセルの光電変換効率を、ソーラーシミュレーター OPTICAL MODULEX(ウシオ電機社製、AM1.5、100mW/cm)と直流電圧・電流源/モニタ 6242(エーディーシー社製)を組み合わせたI−V特性測定装置を用いて評価した。この際、DC電圧掃引速度40mV/sec、ソースディレイ1800msec、積算時間200msecで走査しながら出力電流値を計測し、I−V特性(電流−電圧特性)を得た。これに基づいて、光電変換効率(PCE)を算出した。結果を表2に示す。
<セルの作製>
まず、比較例3の熱融着フィルムを用いたセルの作製手順を、添付の図6を参照して説明する。
後述する手順にて、半導体電極11、対向電極12、封止材13(枠状の熱融着フィルム)、セパレータ14を作製し、また、電解液注入口形成用の離型フィルム9(15×2mmを用意した。各部材を、グローブボックス内、N雰囲気下、半導体電極11の酸化チタン膜6と対向電極のカーボン膜7が重なるように、積層して、封止材13で封止してセルを得た。具体的には、図6(b)に示すように、対向電極12→ 電解液注入口形成用の離型フィルム9(塗布電極に重ならないように短辺絶縁部側に配置)→ 封止材13(熱融着フィルム)→ セパレータ14→ 封止材13→ 半導体電極11の順に積層し、離型性樹脂のナフロンシート(アズワン社製)に挟んでホットプレス(120℃、1kN、60sec)を行い、セルを封止した。
封止したセルの電解液注入口を、図6(b)に示すように、電解液E(電解質の有機溶媒溶液、Iodolyte AN−50(Solaronix社製))に浸し、減圧下、真空引きを行った。100Paまで引いた後に、窒素ガスで大気圧まで戻す(N雰囲気開放をする)ことで、電極内部まで電解液を浸透させた。続いて、電解液注入口の間隙を、発熱式ポイントシーラーEX−15(富士インパルス社製)を使用して封止した。
次に、実施例1〜9及び比較例1,2,4の硬化性樹脂組成物を用いたセルの作製手順を説明する。
比較例3の場合と同様に、半導体電極11、対向電極12を作製し、各部材を、グローブボックス内、N雰囲気下、半導体電極11の酸化チタン膜6と対向電極のカーボン膜7が重なるように、積層して、各硬化性樹脂組成物のいずれかで封止してセルを得た。具体的には、対向電極12→ 封止材→ 半導体電極11の順に積層した。続いて、UV照射(100mW/cm、30sec)を行い、仮硬化した後でオーブンに移動し、加熱(120℃、30min)を行い、本硬化することによりセルを封止した。
ここで、封止材としては、実施例1〜9及び比較例1,2,4の硬化性樹脂組成物に、ギャップ制御用微粒子のミクロパールSP(積水化学工業社製)を混ぜて分散させ、UVブロックシリンジ(武蔵エンジニアリング社製)に充填し、脱泡を行ったものを使用した。ギャップ制御用微粒子は半導体電極11と対向電極12とが電気的に短絡することを防止する。
封止材は、、封止材13と同様の形状となるように、対向電極12のカーボン膜7から所定の距離で周回するように塗布た。ただし、封止材の塗布の際、対向電極12の絶縁処理した一方の短辺において、封止材を塗布しない区間(3mm)を設けた。この区間は電解液注入口として使用するために設けた。
封止したセルの電解液注入口を、比較例3の場合と同様に、電解液E(電解質の有機溶媒溶液、Iodolyte AN−50(Solaronix社製))に浸し、減圧下、真空引きを行った。100Paまで引いた後に、窒素ガスで大気圧まで戻す(N雰囲気開放をする)ことで、電極内部まで電解液を浸透させた。続いて、電解液注入口にフォトレックA−780(積水化学工業社製)を浸透させた後、スポットUV照射装置SP−9(ウシオ電機社製)でUV照射を行い硬化させることにより、電解液注入口の間隙を封止した。
<半導体電極11の作製>
100×40mmPENフィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に、透明電極として酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜した。
図6(a)に示すように、フィルムの端から2mmの位置にCOレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、絶縁加工を行って絶縁部Lを形成した。この際、2つある長辺のうち一方の長辺については絶縁加工せず、残りの三辺を絶縁加工した。
グローブボックス内、N雰囲気下で、ITO層上に低温成膜用の酸化チタンペーストPECC−K01(ぺクセル・テクノロジーズ社製)を、絶縁部Lから3mm離してアプリケーター(テスター産業社製)により90×8mmのサイズで塗布した後、オーブンに移し、120℃で1時間加熱し、硬化させて酸化チタン膜6を形成した。
色素535−bisTBA(OldN719)(Solaronix社製)をアセトニトリル(和光純薬社製)とtert−ブタノール(和光純薬社製)の1:1混合溶液で、濃度が0.5mmol/Lになるように調整した色素溶液に、酸化チタン膜6を形成した基板2(フィルム)を24時間浸漬した。基板2を色素溶液から取り出し、余分な色素をエタノールを浸み込ませたベンコット(旭化成社製)で拭き取り、3時間乾燥させた。
絶縁加工をしていない長辺と色素を吸着させた酸化チタン膜6との間において、酸化チタン膜6の端から6mm離した位置に導電性の銅箔粘着テープ8(寺岡製作所製)を90×1mmのサイズで貼り付けて、半導体電極11を得た。
<対向電極12の作製>
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名:テオネックス(登録商標)Q65FA)上に、透明電極として酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法で成膜した。図6(a)に示すように、フィルムの端から2mmの位置にCOレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、絶縁加工を行って絶縁部Lを形成した。この際、2つある長辺のうち一方の長辺については絶縁加工せず、残りの三辺を絶縁加工した。グローブボックス内、N雰囲気下、ITO層上にカーボンペーストJELCOM CH−8(十条ケミカル社製)を、絶縁部Lから3mm離してアプリケーター(テスター産業社製)により90×8mmのサイズで塗布した後、オーブンに移し120℃で1時間加熱し、硬化させてカーボン膜7を形成した。絶縁加工をしていない長辺と硬化したカーボン膜7との間において、カーボン膜7の端から6mm離して銅箔粘着テープ8(寺岡製作所製)を90×1mmのサイズで貼り付けて、対向電極12を得た。
<封止材13の作製>
比較例3の熱融着フィルム(ハイミラン(登録商標)(ぺクセル・テクノロジーズ社製))から、COレーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、外周寸法110×28mm、幅8mmのサイズで切り出し、枠状の封止材13とした。
<セパレータ14の作製>
不織布HOP−6(廣瀬製紙社製)から、CO2レーザー(アスク工業株式会社製)を使用して、110×28mmサイズで切り出し、セパレータ(ギャップ材)14とした。セパレータ14は半導体電極11と対向電極12とが電気的に短絡することを防止する。セパレータ14は、封止材13を使用する場合にのみ使用した。
Figure 2014162911
表1中、上段の数値は、各試験片の剥離試験にて剥がれが生じた際の引張り強度(単位:kgf)を表す。下段のA,B,Cは、剥がれが生じた面を表す。表1中、「初期」は試験片の作成後の未使用状態であり、「水」は前述した条件において試験片を水に浸漬した後の状態であり、「アセトニトリル」は前述した条件において試験片をアセトニトリルに浸漬した後の状態であり、「γ−ブチロラクトン」は前述した条件において試験片をアセトニトリルに浸漬した後の状態である。
Figure 2014162911
上記結果に示すとおり、実施例1〜9は、耐電解液性能、耐曲げ衝撃性能が比較例1〜4を上回っていた。このことから、実施例1〜9の硬化性樹脂組成物が、電解液や曲げ衝撃にさらされた場合でも充分な基板接着性を発揮することが確認できた。また、実施例1〜9の硬化性樹脂組成物は作業性能が良好であり、これを用いて作製したセルの光電変換効率も良好であった。
実施例1〜9の光電変換効率が向上している理由は、電解液中に封止材の樹脂成分が溶出することが防止されているからだと考えられる。一方、比較例1〜4の光電変換効率が劣る理由は、電解液中に一部未硬化状態や低分子量の封止材の樹脂成分が溶出し、電解液の性能(ヨウ素の電導)を低下させているからだと考えられる。
以上の結果から、本発明の第一実施形態の硬化性樹脂組成物により形成した封止材は、耐電解液性(化学耐性)、耐曲げ衝撃性(耐屈曲性)、作業性(塗布のし易さ)、光電変換効率に優れることが明らかである。
このように優れた効果を奏する本発明の第一実施形態の硬化性樹脂組成物は、特にフレキシブル基板を使用したフレキシブル光電変換素子及び色素増感太陽電池の封止材として最適である。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物、封止材、光電変換素子、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールは、太陽電池の分野に広く適用可能である。
1…封止材(硬化性樹脂組成物)、2…第二の基板、2a…第二の基板の折り曲げ部、3…導電性膜(ITO膜)、4…第一の基板、5…UV硬化型銀ペースト、6…酸化チタン膜(酸化チタンペースト)、7…カーボン膜(カーボンペースト)、8…銅箔粘着テープ、9…離型フィルム(樹脂フィルム)、11…半導体電極、12…対向電極、13…封止材(熱融着フィルム)、14…セパレータ、A,B,C…剥がれの有無を確認する接着面(剥がれ面)、E…電解液(電解質溶液)、F…硬化性樹脂組成物の塗布が不連続になった箇所(断線)、H…掴み具(チャック)、R…ステンレス鋼製パイプ、S…硬化性樹脂組成物を塗布するシリンジ

Claims (13)

  1. 下記一般式Xで表される原子団を有し、メチン基及び/又はメチレン基が3つ以上連結した直鎖構造を有するエポキシ化合物(A)を含有し、
    前記エポキシ化合物(A)の含有比率が、10〜90質量%であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、R1は水素原子又は炭素数1〜30の2価以上の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
  2. 前記エポキシ化合物(A)が、前記一般式Xで表される原子団として少なくとも下記一般式Xで表される原子団を有する、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
  3. 下記の一般式Yで表される金属−酸素結合型構造体(Y)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、lは正の整数を表し、Mはそれぞれ独立に、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、又はジルコニウム原子を表し、Rは炭素数1〜50の飽和炭化水素基、又は酸素原子を表し、R、R、R、R6、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシキ基、ブトキシ基、水酸基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、O−M−Oのいずれかを表す。]
  4. 前記エポキシ化合物(A)が、下記一般式A1で表されるエポキシ化合物(A1)と、イソシアネート化合物(A2)とを共重合させて得られた硬化性樹脂(A11)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、mは1以上の整数を表し、R10は炭素数1〜30のm価の炭化水素基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよく、R10〜R12のうち少なくとも1つは前記直鎖構造を有し、Xは水酸基、又はヘテロ原子を介した連結構造体を表す。]
  5. 前記硬化性樹脂(A11)が、前記エポキシ化合物(A1)と、前記イソシアネート化合物(A2)と、ポリオール化合物(A3)とを共重合させて得られた硬化性樹脂である、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 下記一般式Dで表されるチオール化合物(D)をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、pは1以上の整数を表し、R15は炭素数1〜30のp価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子によって置換されていてもよく、前記炭化水素基中の炭素原子又はヘテロ原子に結合する水素原子の少なくとも1つが炭素数1〜10の炭化水素基又はヘテロ原子によって置換されていてもよい。]
  7. 前記エポキシ化合物(A)と、前記金属−酸素結合型構造体(Y)とが結合している、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 下記化学式Z又はZで表される官能基を有し、且つ前記エポキシ化合物(A)に該当しないモノマー(B)をさらに含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2014162911
    [式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、*は結合手を表す。]
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする封止材。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物と導電性微粒子とを含んでなることを特徴とする上下導通材料。
  11. 請求項9に記載の封止材及び請求項10に記載の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたことを特徴とする光電変換素子。
  12. 請求項9に記載の封止材及び請求項10に記載の上下導通材料のいずれか一方又は両方が用いられたことを特徴とする色素増感太陽電池。
  13. 請求項12に記載の色素増感太陽電池が単位セルとして備えられ、複数のセルが相互に連結されている又は同じ基板上で複数のセルが連結されていることを特徴とする色素増感太陽電池モジュール。
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