JP2009117308A - 色素増感型太陽電池用シール材 - Google Patents

色素増感型太陽電池用シール材 Download PDF

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隆 明田
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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池の、正・負極間の接着性に優れ、かつヨウ素化合物等の酸化還元対を含む電解液に対して高い耐久性を有するシール材を提供する。
【解決手段】増感色素を付着させた酸化チタン膜を導電性透明基板に接合してなる受光電極板と、対向電極板とを重ね合わせ、両極板間に酸化還元対を含む電解液を介在させ、両極板の周縁部をシールする色素増感型太陽電池用シール材であって、パーフルオロポリエーテル構造単位が前記シール材組成物全体の70質量%以上であり、かつケイ素−酸素結合を含有する化合物を含まないことを特徴とする色素増感型太陽電池用シール材。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池の、正・負極板間の接着性に優れ、かつヨウ素化合物等の酸化還元対を含む電解液に対して高い耐久性を有するシール材に関するものである。
色素増感型太陽電池は、1991年にグレッツェルらによって発明された光電変換素子である。その原理は、従来のシリコン結晶、アモルファスシリコンによる光電変換とは根本的に異なる。構造はポーラス化して比表面積を大きくした酸化チタン膜表面に増感色素を付着させた受光電極(負極)と、対向電極(正極)と、その間に介在させる電解液とからなる。電解液は、通常、極性有機溶剤や不揮発性のイオン性液体と、酸化還元対として電荷移動を担うヨウ素化合物とから構成される。ところがヨウ素は高い反応性のため、接着樹脂成分を侵してしまうことがあり、漏洩等、破損の原因になっている。従ってヨウ素による侵食を受けにくい材質の接着剤開発が急務になっている。
色素増感太陽電池用シール材とは、受光電極と対向電極とを接着する接着剤であって、特許文献1〜3(特開2005−285781号公報、特開2005−302564号公報、特開2006−12673号公報)に記載のある材料等の使用が知られている。例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、反応性イソブチレン系樹脂、アクリレート系樹脂等である。しかし、これらは初期においては十分なシール性を発現しているが、長期の屋外での使用に耐えうるような耐久性は有していない。原因は、ヨウ素の酸化力が強いため、接するシール部分が酸化されてしまうためと推定される。
特開2005−285781号公報 特開2005−302564号公報 特開2006−12673号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、色素増感型太陽電池の、正・負極板間の接着性に優れ、かつヨウ素化合物等の酸化還元対を含む電解液に対して高い耐久性を有するシール材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、増感色素を付着させた酸化チタン膜を導電性透明基板に接合してなる受光電極板と、対向電極板とを重ね合わせ、両極板間に酸化還元対を含む電解液を介在させ、両極板の周縁部をシールする色素増感型太陽電池用シール材であって、パーフルオロポリエーテル構造単位が前記シール材組成物全体の70質量%以上であり、かつケイ素−酸素結合を含有する化合物を含まないことを特徴とする色素増感型太陽電池用シール材が、色素増感型太陽電池の、正・負極間の接着性に優れ、かつヨウ素化合物等の酸化還元対を含む電解液に対して高い耐久性を有するシール材となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記色素増感型太陽電池用シール材を提供する。
〔1〕増感色素を付着させた酸化チタン膜を導電性透明基板に接合してなる受光電極板と、対向電極板とを重ね合わせ、両極板間に酸化還元対を含む電解液を介在させ、両極板の周縁部をシールする色素増感型太陽電池用シール材であって、パーフルオロポリエーテル構造単位が前記シール材組成物全体の70質量%以上であり、かつケイ素−酸素結合を含有する化合物を含まないことを特徴とする色素増感型太陽電池用シール材。
〔2〕前記シール材が、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合した水素原子が全てH−SiCH2−構造を構成する有機ケイ素化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する組成物からなることを特徴とする〔1〕記載の色素増感型太陽電池用シール材。
〔3〕前記シール材が、
(A-II)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
(C-II)光ラジカル重合開始剤
を含有する組成物からなることを特徴とする〔1〕記載の色素増感型太陽電池用シール材。
〔4〕前記シール材が、
(A-III)1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロエーテル化合物、
(C-III)光カチオン重合開始剤
を含有する組成物からなることを特徴とする〔1〕記載の色素増感型太陽電池用シール材。
本発明によれば、色素増感型太陽電池の、正・負極間の接着性に優れ、かつヨウ素化合物等の酸化還元対を含む電解液に対して高い耐久性を有するシール材を提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用シール材は、増感色素を付着させた酸化チタン膜を導電性透明基板に接合してなる受光電極板と、対向電極板とを重ね合わせ、両極板間に酸化還元対を含む電解液を介在させ、両極板の周縁部をシールするものであり、該シール材の組成物中にパーフルオロポリエーテル構造単位を必須として含むものである。
ここで、パーフルオロポリエーテル構造とは、−Cd2dO−(式中、各単位のdは独立に1〜6の整数である。)の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
(Cd2dO)q ・・・(1)
(式中、qは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。)
上記一般式(1)で示される繰り返し単位としては、例えば下記式(2)〜(8)の単位が挙げられる。これらの繰り返し単位は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CF2O− ・・・(2)
−CF2CF2O− ・・・(3)
−CF2CF2CF2O− ・・・(4)
−CF(CF3)CF2O− ・・・(5)
−CF2CF2CF2CF2O− ・・・(6)
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O− ・・・(7)
−C (CF3)2O− ・・・(8)
これらの中でも、特に上記式(2)〜(5)の単位が好適である。
本発明のシール材樹脂成分としては、全樹脂成分中の70質量%以上、より好ましくは73質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上が上述のパーフルオロポリエーテル構造であれば、十分な耐ヨウ素性を発現する。
しかし、シール材としては耐ヨウ素性だけではなく、正・負極間を接着する接着性も兼ね備える必要がある。このようなシール材組成物は主として1分子中に2個以上の反応性基及び直鎖パーフルオロポリエーテル構造を含む化合物、架橋剤、硬化触媒又は開始剤からなるが、その各成分は硬化型式に応じて中味が異なるので、色素増感型太陽電池に有用な、(I)加熱硬化型と(II)活性エネルギー線硬化型に分けて以下説明する。
まず、加熱硬化型について説明する。
(I)加熱硬化型
加熱することによって互いに架橋反応を起こすような反応性基を分子内に含む、化合物群であれば使用できる。このような反応性基の例としては、ヒドロシリル基(Si−H基)、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基などのビニル系重合性基、エポキシ基、オキセタニル基などの開環重合性基、カルボキシル基、アミノ基、パーオキサイド架橋可能なシリルメチル基(Si−CH3基)が挙げられる。特に、ヒドロシリル基とビニル基によるヒドロシリル化架橋性基を含む化合物群が好適である。
ヒドロシリル化架橋基(アルケニル基)は、直鎖構造であるパーフルオロポリエーテル鎖の末端部位、側鎖部位に導入することが可能であるが、合成の容易さから末端、或いは両末端に導入することが好ましい。
具体的なヒドロシリル化反応するシール材組成物としては、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合した水素原子が全てH−SiCH2−構造を構成する有機ケイ素化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する組成物からなるものが好ましい。
さらに、上記組成物に、必要に応じてシリカ等のフィラー、接着助剤、硬化制御剤等、被着体の種類によって接着強度を制御する成分を適宜添加することが可能である。
ここで、上記成分(A)に用いられるポリマーとしては、下記一般式(A1)、(A2)で示されるポリフルオロジアルケニル化合物が好ましい。
CH2=CH−(X)p−Rf−(X)p−CH=CH2 ・・・(A1)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf−Q−(X)p−CH=CH2 ・・・(A2)
(式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、又は−Y−NR−CO−(Yは−CH2−、又は下記構造式(Z)で表される基であり、
Figure 2009117308
Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、Rfは2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、前述の一般式(1)の(Cd2dO)qで示されるものが好ましい。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、Qは炭素数1〜15の2価炭化水素基であり、エーテル結合を含んでもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでもよいアルキレン基である。)
このような成分(A)の直鎖状ポリフルオロエーテル化合物としては、特に、下記一般式(A3)で示されるものが好適である。
Figure 2009117308
(式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、又は−Y−NR−CO−(Yは−CH2−、又は上記構造式(Z)で表される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、uは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜200の整数である。)
上記式(A3)の直鎖状ポリフルオロエーテル化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレン換算重量平均分子量400〜100,000、特に1,000〜50,000であることが好ましい。ここで重量平均分子量が400に満たないときは、シール材としての接着性、伸び等の弾性が低下することがあり、逆に重量平均分子量が100,000を超えると、高粘度となり作業性が低下することがあるため好ましくない。
本発明におけるパーフルオロポリエーテル構造とは、上記一般式(A3)分子中の下記一般式(A4)構造単位であり、その分子中のフルオロポリエーテル(FPE)構造単位含有量は下記計算式にて表される数で定義される。
Figure 2009117308
(式中、r、u、m、nは上記定義と同じ。)
成分(A)分子のFPE(フルオロポリエーテル)構造含有量
=[式(A4)分子量/式(A3)分子量]×100(%) ・・・(計算式)
最終的にシール材組成物中のFPE含有量は、成分(A)の配合量比で換算することで算出できる。後述する成分(B)にフルオロポリエーテル構造を含む場合は、同様に構造単位の含有量を計算し、成分(A)中のFPE含有量に加えることで全体の含有量を算出する。
上記成分(B)は、成分(A)の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。この成分(B)は1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するものである。また成分(A)との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の1価パーフルオロアルキル基、1価パーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、2価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
また、耐ヨウ素性を向上させる工夫として、ヨウ素に弱い部位の含有量を可能な限り低減することが好ましい。この観点から成分(B)の架橋剤として、下記一般式(B1)で表されるようなシロキサン(Si−O−Si)結合を含まないSi−H含有有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
Figure 2009117308
(式中、cは1、2、3又は4であり、Rは同一、又は異種の炭素数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基である。Zは水素原子もしくは−Q−M、−Q−Rf、−Q−、−Rf’−、−Q−Rf’−Q−(但し、Qは炭素数1〜15の2価炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、Rfは1価パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基であり、Rf’は2価パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基である。)で表される。sは1、2又は3であり、tは0、1、2又は3である。a又はbは、0又は1、かつaとbは同時に0とはならない。)
このような成分(B)の化合物の具体例を下記式(B2)〜(B5)に示した。なお、下記式中、Meはメチル基を示す。
Figure 2009117308
成分(B)の配合量は、通常成分(A)中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対して、成分(B)中のヒドロシリル基、即ち、Si−H基の量が好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは1〜2モル供給する量が好適である。成分(B)の配合量が少なすぎると架橋度合いが不十分になる場合があり、多すぎると鎖長延長が優先し、硬化が不十分となったり、発泡したり、耐熱性、圧縮永久歪み特性等が悪化する場合がある。
上記成分(C)のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属やこれら遷移金属の化合物等が好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物で高価格であることから、比較的入手し易い白金化合物が好適に用いられる。
白金化合物としては、具体的に塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ、アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
これらの触媒の使用量は、特に制限されるものではなく、通常の触媒量で所望とする硬化速度を得ることができるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るためには、硬化性組成物全量に対して0.1〜1,000ppm(白金族金属換算)、より好ましくは0.1〜500ppm(同上)程度の範囲とするのがよい。
また、硬化に要する加熱温度と時間の組み合わせとしては、20〜220℃で30秒〜10時間、好ましくは30〜200℃で1分〜6時間、より好ましくは40〜180℃で1分〜2時間程度である。
次に、活性エネルギー線硬化型について説明する。
(II)活性エネルギー線硬化型
紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射することによって架橋反応を起すような反応性基を分子内に含む、パーフルオロポリエーテル化合物であれば使用できる。このような反応性基の例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基などのラジカル重合性基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性基が挙げられる。特に、反応性の高さから(メタ)アクリロイル基、エポキシ基が好ましい。
これらの架橋可能な基は、直鎖構造であるパーフルオロポリエーテル鎖の末端部位、側鎖部位に導入することが可能であるが、合成の容易さから末端、或いは両末端に導入することが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を含有した活性エネルギー線硬化型シール材組成物としては、
(A-II)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
(C-II)光ラジカル重合開始剤
を含有する組成物からなるものが使用可能である。
上記成分(A-II)の具体例としては、末端に(メタ)アクリロイル基を含む化合物、下記式(A6)が挙げられる。
Figure 2009117308
(式中、s、vは1〜200の整数であり、tは1〜4の整数、uは0〜4の整数、R1は独立にCH2=CHCOOCH2−、CH2=C(CH3)COOCH2−、CH2=CFCOOCH2−のいずれかであり、R2は独立にCH2=CHCOOCH2−、CH2=C(CH3)COOCH2−、CH2=CFCOOCH2−、水素原子のいずれかである。)
上記成分(C-II)の光ラジカル重合開始剤の具体例としては、公知の化合物、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォルノプロパノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の使用が可能であるが、特に、上記化学構造を有し、さらに、パーフルオロポリエーテル基を置換基として含むものが成分(A-II)との溶解性に優れるため、より好ましい。
本発明における上記組成物は、このような成分(A-II)100質量部に対して成分(C-II)を0.1〜20質量部の割合で含み、なおかつ成分(A-II)の質量が組成物全体の70質量%以上を占めていることが好ましい。なお、この範囲内であれば、必要に応じて硬化後のシール材の物性の改善その他を目的として、後述する各種添加剤を含有させることもできる。
また、エポキシ基を含有した活性エネルギー線硬化型シール材組成物としては、
(A-III)1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロエーテル化合物、
(C-III)光カチオン重合開始剤
を含有する組成物からなるものが使用可能である。
上記成分(A-III)の具体例としては、含フッ素2価アルコール、下記式(A7)と、エポキシ化合物、下記式(A8)との重付加によって得られた含フッ素エポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2009117308
(式中、Rf”は2価のパーフルオロポリエーテル残基であり、Rは炭素数6〜15の2価炭化水素基である。)
上記成分(C-III)の光カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線によって、エポキシ基を重合させるカチオンを発生させるものであれば全て使用可能であるが、具体例としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、モノアリールジアルキルスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩、アリールジアゾニウム塩誘導体等が使用可能であるが、特に、ジアリールヨードニウム塩の使用が好ましい。この場合も成分(C-II)と同様、パーフルオロポリエーテル基を置換基として含むものが成分(A-III)との溶解性に優れるため、より好ましい。
本発明における上記組成物は、このような成分(A-III)100質量部に対して成分(C-III)を0.1〜20質量部の割合で含み、なおかつ成分(A-III)の質量が組成物全体の70質量%以上を占めていることが好ましい。なお、この範囲内であれば、必要に応じて硬化後のシール材の物性の改善その他を目的として、後述する各種添加剤を含有させることもできる。
活性エネルギー線としては、安全性、装置の汎用性の観点から紫外線が好ましい。
本発明のシール材は、太陽電池の正・負極板間を接着する性能においても優れるものである。接着性は正・負極板表面(又は正・負極の基板そのもの)の材質にも依存するものであるが、接着しにくい正・負極板(又は正負極の基板そのもの)の場合、接着向上のための添加剤を添加することが好ましい。特に、ガラス、ITO等の透明導電膜への接着を向上するために、エポキシ基、アミノ基、これら反応物のうちの1種以上を有するシランカップリング剤、エポキシ基、アミノ基、これら反応物のうちの1種以上を有するシロキサン化合物、アルコキシシリル基を含有したイソシアヌレート等を添加することが好ましい。
本発明のシール材には、必要に応じて各種添加剤を添加しても良い。例えば、フェノール系、ヒンダードアミン系、リン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、フィラー、無機充填剤等が使用できる。
本発明のシール材をなす組成物には、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率の低下、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性あるいは機械的強度を向上させたり、ガス透過率を低下させたりする目的で充填剤を添加してもよい。この場合、添加剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、石英粉末、ガラス繊維、カーボン、酸化鉄、酸化チタン及び酸化セリウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩等を挙げることができる。さらに、必要に応じて適当な顔料、染料を添加することも可能である。
本発明のシール材は、強力な接着力とゴム弾性を兼ね備えているため、特に、電極基板が変形可能な透明のプラスチックフィルムのような材質で曲げ応力が掛かるような場合でも、シール性能を低下させることなく、内部の電解質成分を閉じ込めておくことができる。
上記シール材の性状は、室温で液状又は固体状である。液状の場合、正・負極板のいずれか一方に対して、ディスペンサー等の装置でシール材をその周縁部に吐出し、もう一方の対向極板を重ね両極板の周縁部で張り合わせる方法が一般的であるが、これに限るものではない。その際、吐出に適した粘度に調整することが好ましい。また、室温で固体の場合、所望の膜厚のフィルム状に加工しておき、これを接着部位に合わせて事前に切断又は額縁状に打抜きしておき、必要に応じて正・負極板間にスペーサーを介して挟みこみ、プレスしながら加熱することでフィルム状シール材が一部融解しながら硬化が進み、両基板を接合するタイプの加熱圧着型とすることもできる。
さらに、シール材の適用箇所としては、正・負極板間の接着だけでなく、両極板を貼りあわせて作製したセルに電解質液を注入した後、注入口の封止にも使用できる。これはセル極板の一方、又はセル極板接着部の一部に電解液注入のための注入口を予め作っておき、そこから電解液を注入後、そこから漏洩しないようにしっかりと封止するためのものである。
この場合、有機溶剤を含む電解液を注入した後であることから、セル全体を高温加熱することは好ましくない。従って、シール材の硬化型式は、(I)加熱硬化型でも比較的低温、具体的には40〜100℃、好ましくは40〜80℃程度、加熱時間は10分〜1時間程度が好ましい。また、加熱硬化後、40〜60℃の温室で養生することで硬化を完結させる方法も有効である。
なお、電解液の有機溶媒として80℃以下の低沸点溶剤を使用する場合は、(II)活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記式中、Meはメチル基を示す。
[シール材調製例−1]
両末端にSi−CH=CH2基を有する、フッ素置換ポリエーテルポリマー(a−1)(25℃における粘度10,000mPa・s、数平均分子量17,000、ビニル基量0.012mol/100g)100質量部に、疎水表面処理シリカ25質量部を添加し、混練することでベースコンパウンドを調製した。このコンパウンド40質量部に対し、ポリマー(a−1)を68質量部加え、プラネタリーミキサーにて均一混合したものをベース(A)とした。さらに、白金錯体溶液(固形分濃度0.5質量%)、エチニルシクロヘキサノールを表1に示す配合にて混合した。最後に、架橋剤(B)として式(X)、或いは式(Y)で示されるHSi−CH2結合含有の含フッ素含Si−Hケイ素化合物を添加し、均一混合することでシール材(A−1)、(A−2)を得た。配合量は表1に示した量とした。
Figure 2009117308
[シール材調製例−2]
両末端にSi−CH=CH2基を有する、ジメチルシロキサンポリマー(a−2)(数平均分子量60,000、pは25℃における粘度10,000mPa・sとする数である)100質量部にシリカ(R8200、デグッサ製)10質量部を添加し、プラネタリーミキサーにて混練することにより、ベース(S)を調製した。これに表1の配合で、架橋剤(Z)、白金錯体、エチニルシクロヘキサノールを添加・混合することにより、シール材(S−1)を得た。
Figure 2009117308
[電解液の調製]
2Lフラスコにポリエチレングリコール(平均分子量200)1L、ヨウ化リチウム(LiI)13.4g(0.1mol)、ヨウ素(I2)12.7g(0.05mol)を添加し、撹拌して溶解することにより、黒褐色溶液を得た。
[実施例1,2、比較例1]
2枚のガラス板を接着厚さ2.0mmとなるように貼り合わせた試料、及び物性測定のためのシート状試料を表1記載の硬化条件で硬化させ作製した。電解液浸漬の前後での外観変化は目視で判断した。シート物性は、JIS K6251、K6253に準じて測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009117308
浸漬後の外観変化を見たところ、実施例1,2では変色見られなかったが、比較例1においては、ヨウ素の吸着に起因すると推定される接着層の著しい着色が観察された。さらにシート物性においては、特に切断時伸びが比較例1にて大きな低下が見られたのに対し、実施例1,2では低下は少なく、良好な結果であった。

Claims (4)

  1. 増感色素を付着させた酸化チタン膜を導電性透明基板に接合してなる受光電極板と、対向電極板とを重ね合わせ、両極板間に酸化還元対を含む電解液を介在させ、両極板の周縁部をシールする色素増感型太陽電池用シール材であって、パーフルオロポリエーテル構造単位が前記シール材組成物全体の70質量%以上であり、かつケイ素−酸素結合を含有する化合物を含まないことを特徴とする色素増感型太陽電池用シール材。
  2. 前記シール材が、
    (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合した水素原子が全てH−SiCH2−構造を構成する有機ケイ素化合物、
    (C)ヒドロシリル化反応触媒
    を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1記載の色素増感型太陽電池用シール材。
  3. 前記シール材が、
    (A-II)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロエーテル化合物、
    (C-II)光ラジカル重合開始剤
    を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1記載の色素増感型太陽電池用シール材。
  4. 前記シール材が、
    (A-III)1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロエーテル化合物、
    (C-III)光カチオン重合開始剤
    を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1記載の色素増感型太陽電池用シール材。
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