JP2006258971A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Yasushi Uematsu
靖 上松
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Abstract


【課題】 液晶滴下工法によって製造される液晶表示素子であって、高い信頼性と優れた画像表示品位を有する液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 一対の透明基板がその外周付近を囲繞するように形成されたシール剤を介して一定の間隔で対向配置され、前記透明基板及びシール剤により形成された空間に液晶材料が封入された、液晶表示素子であって、上記外周付近を囲繞するよう形成されたシール剤は、少なくとも内枠と外枠を有する多重構造を有し、上記内枠を形成するシール剤は液晶非汚染性のシール剤からなり、外枠を形成するシール剤は基板間の接着を保持することが可能なシール剤からなることを特徴とする液晶表示素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶滴下工法によって製造される液晶表示素子であって、画像表示品位が高くかつ信頼性の高い液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子の製造方法については、タクトタイム短縮を目的として、従来の真空注入方式から、液晶滴下工法と呼ばれる方法が広く検討されている。このような液晶滴下工法では、まず2枚の電極つき基板の一方に光・熱硬化型のシール剤を用いてシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小液滴を滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール剤に紫外線を照射して仮硬化を行い、その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。
このような液晶滴下工法は、従来工法に比べて短時間・高効率で液晶表示素子を製造することができるため、今後の液晶表示素子の製造方法の主流になると期待されている。
しかしながら、液晶滴下工法においては、その工程において未硬化のシール剤が液晶に直接触れるため、液晶を汚染してしまい、液晶の配向乱れによる色むら等の表示不良が起こり、作製された表示素子の画像表示品位が劣ることがあった。
これに対して、液晶の配向への影響について考慮したシール剤を用いた液晶表示素子の作製が検討されている。そのような液晶表示素子としては、例えば特許文献1、2に、(メタ)アクリル酸変性エポキシ化合物からなる、1重枠のシール剤を用いて作製された液晶表示素子について開示されている。
しかしながら、このような液晶表示素子は、高い信頼性と優れた画像表示品位の両方を充分に満足するものではなかった。
また更に、従来工法では、シール剤は液晶表示素子の表示領域の外側に位置する周辺部に形成されたブラックマスクと呼ばれる遮光性部材が形成された箇所に配置されていたが、滴下工法では、光・熱併用硬化型のシール剤が使用し、光を照射するために、ブラックマスクの真下よりも外側にはみだして配置されるようになった。そのため、この外側のシール剤部分よりバックライトの光が漏れだし、画像のコントラストを下げてしまうという問題があった。
これに対し、遮光性を持たせたシール剤を用いた液晶表示素子を作製が検討されている。例えば特許文献3、4には、粒状の遮光剤を含むシール材料を用いた液晶表示素子が開示されている。
しかしながら、これらのシール剤を用いて液晶表示素子の製造を滴下工法により行うと、シール剤パターンの形状を保持することができなかったり、液晶中にシール剤成分が溶け出して液晶汚染が発生したりし、液晶表示素子の表示品位を著しく低下させ、信頼性を低下させるという問題があった。
すなわち、滴下工法に用いられるシール剤には、液晶非汚染性、シールパス(液晶によるシール剤の決壊)の防止、基板間の接着力等の性能が求められているが、これらの性能の中には相反する性質を持つ場合があった。そして、従来の一重枠のシール剤においては、これら相反する性能のバランスをとったものになってしまい、要求されるいずれの性能についても、完全には満足できるものとはなっていなかった。特に遮光性の化合物が含有されている場合、光硬化性能が極端に低下してしまうため、これらの性能を満足させるシール剤はなかった。
このように従来は、高い信頼性と優れた画像表示品位の両方を満足する液晶表示素子の達成は困難であった。
特開平7−156200号公報 特開2003−119249号公報 特開平10−60397号公報 特開平10−197880号公報
本発明は、上記現状に鑑み、液晶滴下工法によって製造される液晶表示素子であって、高い信頼性と優れた画像表示品位を有する液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、一対の透明基板がその外周付近を囲繞するように形成されたシール剤を介して一定の間隔で対向配置され、前記透明基板及びシール剤により形成された空間に液晶材料が封入されている液晶表示素子であって、上記外周付近を囲繞するよう形成されたシール剤は、少なくとも内枠と外枠を有し、内枠を形成するシール剤は液晶非汚染性のシール剤からなり、上記外枠を形成するシール剤は基板間の接着を保持することが可能なシール剤からなることを特徴とする液晶表示素子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶表示素子は、少なくとも内枠と外枠を有する多重構造を有するシール剤で基板間の接着剤が施される。このような多重構造の構成において、内枠を形成するシール剤は液晶非汚染性のシール剤からなり、外枠を形成するシール剤は基板間の接着を保持することが可能なシール剤からなる。
また、上記多重構造を有するシール剤としては、例えば上記内枠を形成するシール剤と外枠を形成するシール剤の間に、その他のシール剤からなる枠を設けてもよい。上記多重構造を構成する各枠としては、互いに隣接していることが好ましい。
このように、少なくとも内枠と外枠から構成され、それぞれの枠を形成するシール剤に異なる機能を持たせた構成によって接着を施すことにより、高い信頼性と優れた画像表示品位を有する液晶表示素子を得ることができる。
本発明の液晶素子において、上記内枠を形成するシール剤は液晶非汚染性に優れるシール剤である。
上記内枠を形成するシール剤は、硬化物の体積抵抗値が1×1013Ω・cm以上、100kHzにおける誘電率が3以上であることが好ましい。体積抵抗値が1×1013Ω・cm未満であると、シール剤がイオン性の不純物を含有していることを意味し、そのようなシール剤を内枠を形成するシール剤として用いると、通電時にイオン性の不純物が液晶中に溶出して液晶を汚染し、液晶駆動電圧に影響を与え表示むらの原因となることがある。
また、液晶の誘電率は、通常e//(パラレル)が10、e(垂直)が3.5程度であることから、誘電率が3未満であると、シール剤が液晶中に溶出し、液晶駆動電圧に影響を与え、表示むらの原因となることがある。
また、上記内枠を形成するシール剤は、硬化前において抽出水イオン伝導度が50μS/cm以下であることが好ましい。50μS/cmを超えると、シール剤がイオン性の不純物を含有していることを意味し、そのようなシール剤を内枠を形成するシール剤として用いると、通電時にイオン性の不純物が液晶中に溶出して液晶を汚染し、液晶駆動電圧に影響を与え表示むらの原因となることがある。より好ましくは30μS/cm以下である。
なお、上記抽出水イオン伝導度は、シール剤を溶媒に溶解させ、その溶液を純水で抽出し、その純水の伝導率について導電率計(例えば、堀場製作所製、ES−12等)を用いて測定することにより得ることができる。
また、上記内枠を形成するシール剤は、硬化前において比抵抗値が1×10〜1×1010Ω・cmの範囲であることが好ましい。1×10Ω・cm未満であると、シール剤が液晶中に溶出した場合、液晶駆動電圧に影響を与え、表示むらの原因になることがある。1×1010Ω・cmを超えると、液晶への溶出が大きくなることがあり、また、基板との密着性に劣ることがある。
また、上記内枠を形成するシール剤は、少なくとも光硬化性樹脂組成物からなることが好ましい。これにより、液晶と直接触れる内枠を形成するシール剤が光により即硬化されるため、未硬化のシール剤からの液晶汚染を防止することができる。さらに内枠を硬化させることにより、シールパスも防止することができる。
上記光硬化性樹脂組成物としては、光硬化性化合物と光重合開始剤とを含有することが好ましい。
上記光硬化性化合物としては、液晶非汚染性の点で、水素結合性官能基量が3.5×10−3以上である硬化性化合物であることが好ましい。そのような硬化性化合物は液晶に溶出しにくく、液晶非汚染性に優れるため、内枠を形成するシール剤がこのような硬化性化合物を含有すると、得られる液晶表示素子の表示品位を高めることができる。さらに好ましくは、水素結合性官能基量が4.0×10−3以上である硬化性化合物を含有するとよい。
なお本明細書において水素結合性官能基量とは、下記式(1)により算出される値を意味する。
水素結合性官能基量=(硬化性化合物1分子中の水素結合性官能基数)/(硬化性化合物の分子量) (1)
上記水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定はされず、例えば、−OH基、−NH2基、−NHR基(Rは、芳香族、脂肪族炭化水素又はこれらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH2基、−NHOH基等や、分子中に存在する−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等の残基を有する基等が挙げられる。なかでも、水酸基及び/又はウレタン基が好適である。
また、上記光硬化性化合物としては、(メタ)アクリル化合物を主成分として用いることが好ましい。本明細書において(メタ)アクリル化合物とは、メタクリル基又はアクリル基を有する化合物を意味する。
上記(メタ)アクリル化合物としては特に限定はされないが、例えば、単官能、2官能又は3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類を重合することにより得ることができる。
上記単官能(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、イソボロニルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−メタクロイルオキシエチル−2−ヒドロキシルプロピルフタレート等が挙げられる。上記2官能(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えは、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステル類は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記(メタ)アクリル化合物としては、1分子中に水素結合性官能基と2以上の(メタ)アクリル基とを有する化合物も好適に用いることができる。そのような化合物としては特に限定はされないが、例えばウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ基を(メタ)アクリル酸で変性することにより得られる(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂、OH基を含むポリオールと(メタ)アクリル酸とからOH基を1つ以上残した状態で誘導された(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては特に限定はされないが、例えば、ジイソシアネート化合物に活性水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを反応させる方法;ジオール化合物とジイソシアネート化合物とをモル比で1:1〜1:2の割合で反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーに、残りのイソシアネート基と完全に反応するだけの活性水素基を有するアクリル酸エステルモノマーを反応させる方法;ポリオールとイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させる方法等により得られる樹脂を用いることができる。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルエタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)等が挙げられる。また、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、昭和電工社製のMOI等が挙げられる。
上記活性水素基を有する(メタ)アクリレートとしては特に限定はされないが、例えば、OH基を有するものでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸エポキシエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられ、COO基を有するものでは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等が挙げられる。
上記ジオール化合物としては特に限定はされないが、例えば、アルキルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等が挙げられる。
上記アルキルジオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルジオールとしては特に限定されず、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記ポリエステルジオールとしては特に限定はされないが、例えば、ポリ(カプロラクトン)ジオール、ポリ(カーボネート)ジオール等や、アジピン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の酸性分とエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール成分とを脱水反応して得られるポリエステルジオール等が挙げられる。
これらアルキルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールは単独で用いてもよく、複数種を用いてもよい。なかでも、接着性、硬化収縮の観点からビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やポリ(カプロラクトン)ジオールが特に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂の原料となるエポキシ化合物としては、例えばフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノール型、ビスフェノールS型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型のビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂の原料となるエポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、フェノールノボラック型としては、エピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775(以上、大日本インキ化学社製)、エピコート152、エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられ、クレゾールノボラック型としては、エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−680、エピクロンN−695、エピクロンN−665−EXP、エピクロンN−672−EXP(以上、大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
上記OH基を含むポリオールと(メタ)アクリル酸とからOH基を1つ以上残した状態で誘導された(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、光照射により上記光硬化性化合物を反応させることができるものであれば特に限定はされないが、例えば、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては特に限定はされないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有する光重合開始剤を用いることが好ましい。このような光ラジカル重合開始剤は、上記光硬化性化合物に対して十分な反応性を付与することができるとともに、反応により硬化物中に化学結合を介して取り込まれるため、液晶中に溶出して液晶を汚染することがないという点で好ましい。
上記反応性二重結合と光反応開始部とを有する光ラジカル重合開始剤としては、例えば、反応性二重結合と、水酸基及び/又はウレタン結合を有するベンゾイン(エーテル)類化合物を好適に用いることができる。なお、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を意味する。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の官能基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反応性二重結合を有することにより、上記光硬化性樹脂組成物の耐候性が向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有していればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合並びに水酸基及び/又はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下記一般式(1)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する化合物を光重合開始剤として用いると、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なくすることができる。
Figure 2006258971
式(1)中、Rは水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素残鎖を表す。Rが炭素数4を超える脂肪族炭化水素残鎖であると、光重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加するものの、置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
一般式(1)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006258971
また上記光重合開始剤としては、上述した化合物の他にも、例えばベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、上述の化合物の中から単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記内枠を形成するシール剤は、更に、水素結合性官能基を有するカチオン重合性化合物を含有してもよい。
本明細書において、カチオン重合性化合物とは、プロトン酸やルイス酸等の酸の存在下で、連鎖反応的に重合反応又は架橋反応を生ずるカチオン重合性基を持つ化合物を意味する。上記カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタン基、スチリル基、ビニロキシ基等を挙げることができる。なかでも、接着性や速硬化性の点から、エポキシ基、オキセタン基が好適である。上記カチオン重合性化合物は、これらのカチオン重合性基を、1分子中に2以上有することが好ましい。カチオン重合性基を1分子中に2以上有することにより、重合反応又は架橋反応後の残存未反応化合物量が極めて少なくなり、残存未反応化合物量による液晶の汚染を抑制できる。ただし、1分子中に含まれるカチオン重合性基は6以下であることがより好ましい。6を超えると、硬化収縮が大きくなり、接着力低下の原因となることがある。
上記水素結合性官能基としては、上述のものと同様のものが挙げられる。このような水素結合性官能基を有することにより、上記カチオン重合性化合物は、硬化前に液晶に接したときにも液晶中に溶出しにくく、液晶を汚染することがない。なかでも、接着性の点から水酸基又はウレタン基を有することが好ましい。
上記カチオン重合性化合物は、重量平均分子量が300以上であることが好ましい。300未満であると、液晶に溶出して汚染することがある。重量平均分子量の上限は特に限定されないが、5万を超えると、樹脂組成物の粘度の調整が困難になることがある。
上記内枠を形成するシール剤は、水素結合性官能基を有する硬化性化合物を含有する場合には、更に、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。上記カチオン重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
これらのカチオン重合性開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の液晶表示素子において、上記外枠を形成するシール剤は、基板間の接着を保持することが可能なシール剤である。
上記外枠を形成するシール剤は、初期接着力が150N/cm以上であることが好ましい。150N/cm以上未満であると、得られる液晶表示素子の強度が不足することがある。
本明細書において接着力とは、例えば、上記シール剤を用いて2枚のガラス基板を接着し硬化させた後、2枚のガラス基板を剥離するために要する引張強度から求めることができる。
上記外枠を形成するシール剤は、少なくとも熱硬化性樹脂組成物からなることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物からなることにより、上記外枠を有するシール剤は熱硬化性のシール剤となり、液晶滴下工法において、液晶アニールの工程の際に加熱して硬化させることができる。
また、本発明の液晶表示素子は、内枠を形成するシール剤として液晶非汚染性のシール剤を用いることにより、外枠を形成するシール剤として硬化に長時間を要する熱硬化性のシール剤を用いた場合にも、未硬化のシール剤が液晶を汚染することがなく、また位置ズレやギャップのばらつきなどの問題も防止することができる。
上記熱硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性化合物と、熱硬化剤を含有することが好ましい。
上記熱硬化性化合物としては、加熱により後述する熱硬化剤によって反応し、硬化する化合物であれば特に限定はされないが、エポキシ化合物やオキセタニル化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物としては特に限定はされないが、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂;EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂;エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂;YSLV−80DE(東都化成社製)等のエーテル型エポキシ樹脂;EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂;NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂;ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂;YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂;デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物;エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂;その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記マレイミド化合物としては特に限定はされないが、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−カルボキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−p−キシリルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−o−トリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−2,5−ジエチルフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルフェニルマレイミド、N−m−トリルマレイミド、N−α−ナフチルマレイミド、N−o−キシリルマレイミド、N−m−キシリルマレイミド、ビスマレイミドメタン、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドドデカン、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレンジマレイミド、4,4’ビスマレイミドジフェニルエーテル、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−エチルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチル−5−エチル−フェニル)メタン、N,N’−(2,2−ビス−(4−フェノキシフェニル)プロパン)ジマレイミド、N,N’−2,4−トリレンジマレイミド、N,N’−2,6−トリレンジマレイミド、N,N’−m−キシリレンジマレイミド等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物の中でも、硬化速度、接着性の優れていることから、エポキシ化合物を主成分として含有することが好ましい。
また、上記熱硬化性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱硬化剤としては、加熱により上記熱硬化性化合物を架橋反応させるものであれば特に限定はされないが、融点が100℃以上の潜在性熱硬化剤が好適であり、例えば、ヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、酸無水物、変性脂肪族ポリアミン、アミン化合物、フェノール系化合物等を用いることができる。
これらの熱硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤も好適に用いることができる。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保存安定性を有するシール剤が得られる。
上記固体硬化剤としては例えば、融点又は軟化点が室温以上であれば特に限定はされず、例えば、固体アミン化合物、フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。中でも、低温での反応性に優れていることから、固体アミン化合物が特に好ましい。
また、上記外枠を形成するシール剤は、更に有機過酸化物を含有してもよい。上記有機過酸化物としては、加熱によりラジカル種を発生し、上記熱硬化性化合物を硬化させるものであればよく、例えばジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル等を用いることができる。
また、上記外枠を形成するシール剤は、遮光性の化合物を含有することが好ましい。
上記外枠を形成するシール剤が遮光性の化合物を含有することで、外枠を形成するシール剤は遮光性を有するものになり、このようなシール剤を用いた液晶表示素子においては、シール周辺部からの光もれを防止することができ、高いコントラストを示す表示素子とすることができる。
上記遮光性化合物としては、遮光性を示す化合物であれば特に限定はされないが、遮光性の顔料であることが好ましく、黒色顔料であることがより好ましい。なお、本明細書において「遮光性」とは、波長380〜780nmの光を80%以上遮光することを意味する。
上記黒色顔料としては特に限定はされないが、例えば、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック、酸化鉄、チタン、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン等が挙げられる。なかでも、絶縁性の点においては樹脂被覆型カーボンブラック、グラフト化カーボンブラック、チタン、フラーレンが好ましく、作業性の点においてはチタン、フラーレンが好ましい。上記黒色顔料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記遮光性化合物として黒色以外のものを用いる場合には、混合すると黒色になるよう、互いに補色関係にある複数の顔料を用いてもよい。
さらに、これらの遮光性化合物は、液晶表示素子の上下基板間でリークが発生しないよう非導電性の化合物であることが好ましい。
上記外枠を形成するシール剤が遮光性の化合物を含有する場合、その配合量としては特に限定はされないが、硬化させた硬化体の厚さが2〜7μmの場合において、その光学密度(OD値)が2.0以上であることが好ましい。光学密度が2.0未満であると遮光性が不充分となり、本発明の液晶表示素子が高いコントラストを得られないことがある。より好ましくは2.5以上であり、更に好ましくは3.0以上である。
また、導電性を示す遮光性化合物を配合する際には、上下基板間でリークが発生しない程度の配合量にすることが好ましい。
なお、上記遮光性の化合物は、液晶非汚染性や光硬化性の性能を妨げない範囲で、上記内枠を形成するシール剤に含有されてもよい。
上記外枠を形成するシール剤は、性能を妨げない範囲で、上述する光硬化性樹脂組成物を含有してもよい。
また、上記内枠を形成するシール剤は、液晶非汚染性の性能を妨げない範囲で、上述する熱硬化性樹
脂組成物を含有してもよい。
また、内枠を形成するシール剤及び/又は外枠を形成するシール剤は、上述したそれぞれの性能を妨げない範囲で、更に、光でも熱でも硬化する光熱硬化性樹脂組成物を含有してもよい。
光熱硬化性樹脂組成物は、光熱硬化性化合物と、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有しており、これら光重合開始剤、熱硬化剤としては、それぞれ上述した化合物を用いることができる。
上記光熱硬化性化合物としては特に限定はされないが、例えば、1分子中に、エポキシ基やオキセタン基等の環状エーテル基等の熱により反応する官能基と、(メタ)アクリル基等の光により反応する官能基の両方を有するものを好適に用いることができる。このような化合物としては特に限定はされないが、例えば、エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物や、ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物としては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。また、上記エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の配合量を適宜変更することにより、所望の(メタ)アクリル化率のエポキシ化合物を得ることができる。
上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物に用いることができるエポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等のビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物としては、例えば、以下の方法によって得ることができる。即ち、ポリオールと2官能以上のイソシアネートとを反応させ、更に残りのイソシアネート基を、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールと反応させる。又は、ポリオールを用いず、2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとグリシドールとを反応させてもよい。更に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートモノマーに、グリシドールを反応させても得ることができる。具体的には、例えば、まず、トリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシアネート3モルとを錫系触媒下で反応させる。得られた化合物中に残るイソシアネート基と、水酸基を有するアクリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート、及び、水酸基を有するエポキシ化合物であるグリシドールを反応させることにより得ることができる。
上記ポリオールとしては特に限定はされないが、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
上記イソシアネートは2官能以上であれば特に限定はされないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はされないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA変性エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上が併用されてもよい。
また、内枠を形成するシール剤及び/又は外枠を形成するシール剤は、更に、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤は、ガラス基板等との接着性向上させる接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては特に限定はされないが、ガラス基板等との接着性向上効果に優れることから、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシランや、スペーサー基を介してイミダゾール骨格とアルコキシシリル基とが結合した構造を有するイミダゾールシラン化合物からなるもの等が好適に用いられる。
これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
外枠を形成するシール剤は、接着性を向上させることが好ましいため、上記シランカップリング剤を含有することが好ましい。
また、内枠を形成するシール剤及び/又は外枠を形成するシール剤は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の目的で、更に、フィラーを含有してもよい。上記フィラーとしては特に限定はされず、例えば、シリカ粒子、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、ベントナイト、窒化アルミニウム、タルク等を用いることができる。
外枠を形成するシール剤は、接着性を向上させることが好ましいことから、上記フィラーを含有することが好ましい。
また、内枠を形成するシール剤及び/又は外枠を形成するシール剤は、更に、特定のコアシェル構造を有する樹脂粒子を含有してもよい。
上記コアシェル構造を有する樹脂粒子は、接着強度を向上させる役割を有する。
このようなコアシェル構造を有する樹脂粒子としては特に限定はされず、例えば、ゴム弾性を有する樹脂からなるコア粒子と、上記コア粒子の表面に形成されたガラス転移温度が50〜150℃である樹脂からなるシェル層とを有するものを用いることができる。本明細書においてガラス転移温度とは、DSC法により昇温速度10℃/分の条件で測定したものを意味する。そのようなコアシェル構造を有する樹脂粒子の市販品としては特に限定はされないが、例えば、日本ゼオン社製「F-351」等が挙げられる。
外枠を形成するシール剤としては、接着性を向上させることが好ましいことから、上記コアシェル構造を有する樹脂粒子を含有することが好ましい。
また、内枠を形成するシール剤及び/又は外枠を形成するシール剤は、更に必要に応じて、それぞれの性能を妨げない範囲で、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の液晶表示素子は、少なくとも、液晶非汚染性である内枠を形成するシール剤と、基板間の接着を保持することが可能な外枠を形成するシール剤を用いて、多重構造を有するシール剤を用いて作製される。
本発明の液晶表示素子を作製する方法としては特に限定はされないが、例えば、液晶滴下工法によって作製することができる。
液晶滴下工法によって液晶表示素子を作製する方法としては、例えば、下記の手順で作製することができる。即ち、まず2枚の電極付き透明基板の一方に、上述の内枠を形成するシール剤と外枠を形成するシール剤を用いて、例えばディスペンザーやスクリーン印刷の手法等を用いて、少なくとも外枠、内枠の二つの長方形状のシールパターンを形成するとよい。例えば、ディスペンザーを用いることもでき、また、スクリーン印刷の手法を用いることもできる。この工程において、各シール枠は互いに隣接するように形成することが好ましい。
次に、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射し、光硬化性のシール剤を硬化させるとよい。その後、未硬化のシール剤について加熱による硬化を行うとともに液晶アニール工程を施することで、液晶表示素子を作製することができる。
上記紫外線を照射する方法としては特に限定はされないが、例えば、高圧水銀ランプ等を用いることができる。
上記透明基板としては特に限定はされないが、例えばガラス基板等を好適に用いることができる。
本発明によれば、液晶滴下工法によって製造される液晶表示素子に関して、内枠を形成するシール剤を液晶非汚染性のシール剤とし、外枠を形成するシール剤を基板間の接着力を保持することが可能なシール剤とした少なくとも2重のシール構造によって接着を施すことにより、高い信頼性と優れた画像表示品位を有する液晶表示素子を提供することができる
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)内枠を形成するシール剤
固体のビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ化学社製「850CRP」)1360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸576重量部を、空気を送り込みながら110℃で還流攪拌して、5時間反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させるために、クオルツとカオリンとの天然結合物(ホフマンミネラル社製「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、アクリル酸変性ビスフェノールAエポキシ樹脂を得た。
得られたアクリル酸変性ビスフェノールAエポキシ樹脂の水素結合性官能基量を算出したところ、4.1×10-3であった。
次に、得られたアクリル酸変性ビスフェノールAエポキシ樹脂60重量部、光重合開始剤として2,2−ジエトキシアセトフェノン2重量部、シリカ粒子(平均粒径1.5μm)22重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部を均一な液となるように三本ロールを用いて充分に混合し、内枠を形成するシール剤とした。
(2)外枠を形成するシール剤
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)70重量部にコアシェル構造粒子(日本ゼオン社製、F−351)10重量部、シリカ粒子(アドマファイン社製、SO−C1)16重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)4重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、セラミックス3本ロールにて分散させて、外枠を形成するシール剤とした。
(3)液晶表示素子の作製
得られた内枠を形成するシール剤及び外枠を形成するシール剤を用いて、滴下工法により液晶表示素子を作製した。
即ち、2枚の透明電極付き透明基板の一方に、得られた内枠を形成するシール剤、外枠を形成するシール剤を用いて2重の長方形の枠を描くようにディスペンサーで塗布し、次いで、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、直ちにもう一方の透明基板を重ね合わせてシール部に高圧水銀ランプを用い紫外線を50mW/cmで60秒間照射し、内枠を形成するシール剤を硬化させた。その後液晶アニールを120℃、1時間行うと同時に外枠を形成するシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を得た。
(実施例2)
内枠を形成するシール剤に配合する光重合開始剤として、2,2−ジエトキシアセトフェノンのかわりに上述した一般式(2)で表される化合物2重量部を用いたほかは実施例1と同様にして、液晶表示素子を得た。
(実施例3)
外枠を形成するシール剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)100重量部、熱硬化剤としてヒドラジド系硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、シリカ粒子(平均粒径1.5μm)5重量部、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を混合し、そこに遮光性顔料としてチタン系黒色顔料(三菱マテリアル社製、チタンブラック13R)80重量部を加え、三本ロールを用いて均一な液になるまで充分に混合して黒色の外枠を形成するシール剤を得た。
上記外枠を形成するシール剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(実施例4)
実施例3と同様の外枠を形成するシール剤を用い、実施例2と同様の内枠を形成するシール剤を用いた以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(比較例1)
実施例2で内枠を形成するシール剤として用いたものと同様のシール剤のみ用いて、1重構造のシール剤により接着を施したこと以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(比較例2)
実施例1で外枠を形成するシール剤として用いたものと同様のシール剤のみ用いて、1重構造のシール剤により接着を施したこと以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1,2で得られた液晶表示素子について、下記のように評価を行った。結果を表1に示した。
(1)色むら
得られた液晶表示素子について、65℃95%RH、100時間の動作後におけるシール部周辺の液晶に生じる色むらについて目視にて観察し、下記の基準で評価を行った。
◎:色むらが全くない
○:色むらがわずかにある
△:色むらが少しある
×:色むらがかなりある
なお、評価が◎、○の液晶表示素子は実用に全く問題がないレベルである。
(2)光り抜け
得られた液晶表示素子について、通電状態でのシール部周辺に生じる光抜けを目視にて観察し、下記の基準で評価をおこなった。
◎:光り抜けが全くない
○:光り抜けがわずかにある
△:光り抜けが少しある
×:光り抜けがかなりある
なお、評価が◎、○の液晶表示素子は実用に全く問題がないレベルである。
(3)接着信頼性
得られた液晶表示素子について、65℃95%RH、100時間の動作後におけるシール剤について剥離の有無を観察した。なお、実施例1〜4で得られた液晶表示素子については、外枠を形成するシール剤の剥離の有無について観察した。
◎:剥離が全くない
○:剥離がわずかにある
△:剥離が少しある
×:剥離がかなりある
なお、評価が◎、○の液晶表示素子は実用に全く問題がないレベルである。
Figure 2006258971

Claims (5)

  1. 一対の透明基板がその外周付近を囲繞するように形成されたシール剤を介して一定の間隔で対向配置され、前記透明基板及びシール剤により形成された空間に液晶材料が封入された液晶表示素子であって、上記外周付近を囲繞するよう形成されたシール剤は、少なくとも内枠と外枠を有する多重構造を有し、上記内枠を形成するシール剤は液晶非汚染性のシール剤からなり、外枠を形成するシール剤は基板間の接着を保持することが可能なシール剤からなることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 上記内枠を形成するシール剤は、該シール剤の硬化後において、体積抵抗値が1×1013Ω・cm以上、100kHzにおける誘電率が3以上であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 上記内枠を形成するシール剤が、水素結合性官能基量が3.5×10−3以上である硬化性化合物と光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 上記内枠を形成するシール剤は、(メタ)アクリル化合物を主成分とする光硬化性樹脂組成物からなり、上記外枠を形成するシール剤は、エポキシ化合物を主成分とする熱硬化性組成物からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の液晶表示素子。
  5. 少なくとも上記外枠を形成するシール剤が遮光性の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の液晶表示素子。
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