JP2006313286A - 液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な遮光性を有する一方、光を照射することで充分に硬化させることができるため、滴下工法により製造した場合であっても、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】環状エーテル基を有する硬化性化合物、光カチオン開始剤、及び、遮光性着色剤を含有する液晶滴下工法用遮光シール剤。
【選択図】 なし
【解決手段】環状エーテル基を有する硬化性化合物、光カチオン開始剤、及び、遮光性着色剤を含有する液晶滴下工法用遮光シール剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、滴下工法により製造した場合であっても、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮を目的として、従来の真空注入方式から、硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、必要に応じて液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。今後はこの滴下工法が液晶表示装置の製造方法の主流となると期待されている。
これに伴い、液晶表示素子の製造に使用されるシール剤は、熱硬化型から光・熱併用硬化型かわってきている。
従来、シール剤は、液晶表示素子の表示領域の外側に位置する周辺部に形成されたブラックマスクと呼ばれる遮光性部材が形成された箇所に形成されていたが、滴下工法では、光・熱併用硬化型のシール剤が使用されることから、従来ブラックマスクの直下に配置されていたシール剤が光を照射するために、その直下からブラックマスクの外側にでてくるようになった。
また、近年、液晶表示素子は、従来のモニター用途だけでなくTV用途にも需要が広がってきており、高いコントラストが求められており、バックライトの光はより高い輝度になってきている。
従来、シール剤は、液晶表示素子の表示領域の外側に位置する周辺部に形成されたブラックマスクと呼ばれる遮光性部材が形成された箇所に形成されていたが、滴下工法では、光・熱併用硬化型のシール剤が使用されることから、従来ブラックマスクの直下に配置されていたシール剤が光を照射するために、その直下からブラックマスクの外側にでてくるようになった。
また、近年、液晶表示素子は、従来のモニター用途だけでなくTV用途にも需要が広がってきており、高いコントラストが求められており、バックライトの光はより高い輝度になってきている。
しかしながら、従来シール剤は透明又は乳白色であったため、シール剤がブラックマスクの直下から外側にはみ出していると、このシール剤部分よりバックライトの光が漏れだし、コントラストを下げてしまうという問題があった。
このような問題に対し、シール剤自体に遮光性を持たせる方法が考えられる。例えば、特許文献1には、粒状遮光剤を含む密着性に優れたシール材料が開示されており、特許文献2には、光漏れを防止できる遮光性微粒子を含有したシール剤が開示されており、特許文献3には、チタン系黒色顔料を含有する黒色液晶シール剤が開示されている。
しかしながら、これらの遮光性を有するシール剤は、いずれも加熱することにより硬化する熱硬化性であり、滴下工法に用いられるものではなかった。このような熱硬化性のシール剤を滴下工法による液晶表示素子の製造に用いると、その製造工程で加熱した際にシール剤の粘度が低下してしまうこと等によって、シールパターンに破れ(シールパス)が発生してしまうという問題があり、滴下工法に用いることができない。また、これら熱硬化性のシール剤は、未硬化の状態で液晶と接することを想定していないために、このようなシール剤を滴下工法に用いるとシール剤成分が液晶に溶け出し、周辺に配向ムラが発生するという問題があった。
しかしながら、これらの遮光性を有するシール剤は、いずれも加熱することにより硬化する熱硬化性であり、滴下工法に用いられるものではなかった。このような熱硬化性のシール剤を滴下工法による液晶表示素子の製造に用いると、その製造工程で加熱した際にシール剤の粘度が低下してしまうこと等によって、シールパターンに破れ(シールパス)が発生してしまうという問題があり、滴下工法に用いることができない。また、これら熱硬化性のシール剤は、未硬化の状態で液晶と接することを想定していないために、このようなシール剤を滴下工法に用いるとシール剤成分が液晶に溶け出し、周辺に配向ムラが発生するという問題があった。
一方、近年、液晶表示素子のギャップは狭ギャップ化が進んでいるものの、未だギャップが5μm以上と厚いものも存在している。このようなセルギャップの厚い液晶表示素子に用いられる厚膜のシール剤が遮光性を有するもの(遮光シール剤)であると、滴下工法による液晶表示素子の製造において、紫外線を照射して遮光シール剤を光硬化させる際に、遮光シール剤内部の遮光性成分の紫外線吸収に加えて、遮光シール剤内部での光の散乱現象が起こり、紫外線照射面と逆側にあたる遮光シール剤には光が殆ど到達しないこととなり、遮光シール剤の光硬化が不充分となる。このような状態で、液晶アニールのための加熱を行うと、液晶の膨張に遮光シール剤の強度が耐え切れなかったり、遮光シール剤成分が液晶中に溶出して液晶を汚染したりするという問題があった。また、遮光シール剤の厚さが3μm程度と薄い場合であっても、紫外線照射時に発生する照射ムラによって、遮光シール剤の光硬化が不充分になることがあった。そのため、遮光シール剤の光照射による光硬化性の向上が強く望まれている。
遮光シール剤の光硬化性を向上させる方法としては、例えば、紫外線の照度を上げる方法が考えられる。しかしながら、この方法によると遮光シール剤の光硬化性を幾分か向上させることが可能であるが、近年の透明基板(マザーガラス)の大型化に伴い、紫外線照射装置もそれに比例して大きくしなければならず、(1)紫外線の照度を上げるためには装置が更に大型にする必要がある、(2)紫外線の照度を上げることによる発熱が大きくなり、その熱でパネルが歪、ギャップ精度が取れない、(3)紫外線照射時に照度のムラが起こりやすく、遮光シール剤の光硬化性にムラが出る等のさまざまな問題があり、紫外線照射装置面での遮光シール剤の光硬化性の向上は困難であり、遮光シール剤自体の光硬化性の向上が強く望まれていた。
特開平10−60397号公報
特開平10−197880号公報
特開平11−133443号公報
本発明は、上記現状に鑑み、滴下工法により製造した場合であっても、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、環状エーテル基を有する硬化性化合物、光カチオン開始剤、及び、遮光性着色剤を含有する液晶滴下工法用遮光シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、滴下工法により液晶表示素子製造する際に使用する遮光シール剤を、環状エーテル基を有する硬化性化合物とカチオン開始剤とを含有するカチオン重合性のものとすることで、遮光シール剤に紫外線等の光が直接に照射されない部分が存在していても、該部分を充分に光硬化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、光カチオン開始剤は、光が当たるとプロトン酸又はルイス酸を発生するものであり、それらによって環状エーテル基を有する硬化性化合物を硬化させる。また、プロトン酸又はルイス酸は、一旦発生すれば塩基性化合物と塩を形成しなければ失活することはなく、少量でも存在すれば、充分に環状エーテル基を有する硬化性化合物を硬化させることが可能になる。これに対して、ラジカル系開始剤を用いたものでは光が当たってラジカルが発生すれば、反応自体は早いが、ラジカル自体はすぐに失活してしまい、ある程度ラジカル量が発生しないと硬化反応が充分に起こらない。
また、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤は、遮光性着色剤を含有し遮光性を有しているために、紫外線照射面と逆側にあたるシール剤はほとんど光が届かない。従って、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤がラジカル重合系であると、光照射による硬化が不充分になることがあるが、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤は、カチオン重合系であるため、少量の光でカチオン開始剤から発生したプロトン酸又はルイス酸は失活することがなく、紫外線照射面と逆側にあたるシール剤も充分に硬化させることが可能になる。
即ち、光カチオン開始剤は、光が当たるとプロトン酸又はルイス酸を発生するものであり、それらによって環状エーテル基を有する硬化性化合物を硬化させる。また、プロトン酸又はルイス酸は、一旦発生すれば塩基性化合物と塩を形成しなければ失活することはなく、少量でも存在すれば、充分に環状エーテル基を有する硬化性化合物を硬化させることが可能になる。これに対して、ラジカル系開始剤を用いたものでは光が当たってラジカルが発生すれば、反応自体は早いが、ラジカル自体はすぐに失活してしまい、ある程度ラジカル量が発生しないと硬化反応が充分に起こらない。
また、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤は、遮光性着色剤を含有し遮光性を有しているために、紫外線照射面と逆側にあたるシール剤はほとんど光が届かない。従って、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤がラジカル重合系であると、光照射による硬化が不充分になることがあるが、本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤は、カチオン重合系であるため、少量の光でカチオン開始剤から発生したプロトン酸又はルイス酸は失活することがなく、紫外線照射面と逆側にあたるシール剤も充分に硬化させることが可能になる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤(以下、本発明の遮光シール剤ともいう)は、環状エーテル基を有する硬化性化合物を含有する。
上記環状エーテル基を含有する化合物としては特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、フラン化合物等が挙げられる。なかでも、反応速度の観点からエポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物が好適である。
上記環状エーテル基を含有する化合物としては特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、フラン化合物等が挙げられる。なかでも、反応速度の観点からエポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物が好適である。
上記エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラック型;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等のビスフェノール型等が挙げられる。また、その他にグリシジルアミン等も挙げられる。これらの環状エーテル基を有する硬化性化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物の市販品としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、エピクロンN−740、N−770、N−775(以上、いずれも大日本インキ化学社製)、エピコート152、エピコート154(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型としては、例えば、エピクロンN−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−695、N−665−EXP、N−672−EXP(以上、いずれも大日本インキ化学社製);ビフェニルノボラック型としては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製);トリスフェノールノボラック型としては、例えば、EP1032S50、EP1032H60(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製);ジシクロペンタジエンノボラック型としては、例えば、XD−1000−L(日本化薬社製)、HP−7200(大日本インキ化学社製);ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、エピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン850、エピクロン860、エピクロン4055(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製);ビスフェノールF型エポキシ化合物の市販品としては、例えば、エピコート807(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン830(大日本インキ化学工業社製);2,2’−ジアリルビスフェノールA型としては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製);水添ビスフェノール型としては、例えば、ST−5080(東都化成社製);ポリオキシプロピレンビスフェノールA型としては、例えば、EP−4000、EP−4005(以上、いずれも旭電化工業社製)等が挙げられる。
また、上記オキセタン化合物の市販品として、例えば、エタナコールEHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上、いずれも宇部興産社製)等が挙げられる。
また、上記オキセタン化合物の市販品として、例えば、エタナコールEHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上、いずれも宇部興産社製)等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2080、セロキサイド3000(以上、いずれもダイセル・ユーシービー社製)等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤において、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物は、水素結合性官能基を有することが好ましい。このような環状エーテル基を有する硬化性化合物を含有する本発明の遮光シール剤は、低液晶汚染性に優れることになる。
上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物としては、1分子中にエポキシ基やオキセタン基等のカチオン重合性基を2以上有することが好ましい。カチオン重合性基を1分子中に2以上有することにより、重合反応又は架橋反応後の残存未反応化合物量が極めて少なくなり、残存未反応化合物による液晶の汚染を抑制できる。ただし、1分子中に含まれるカチオン重合性基数は6以下であることが好ましい。6を超えると、硬化収縮が大きくなり、接着力低下の原因となることがある。
上記水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、−OH基、−NH2基、−NHR基(Rは、芳香族、脂肪族炭化水素又はこれらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH2基、−NHOH基等や、分子中に存在する−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等の残基を有する基等が挙げられる。なかでも、接着性の点から、水酸基及び/又はウレタン基が好適である。
このような水素結合性官能基を有することにより、上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物は、硬化前に液晶に接したときにも液晶中に溶出しにくく、液晶を汚染することがない。
このような水素結合性官能基を有することにより、上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物は、硬化前に液晶に接したときにも液晶中に溶出しにくく、液晶を汚染することがない。
上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物は、重量平均分子量が300以上であることが好ましい。300未満であると、液晶に溶出して汚染することがある。重量平均分子量の上限は特に限定されないが、5万を超えると、樹脂組成物の粘度の調整が困難になることがある。
上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物としては特に限定されず、例えば、上記カチオン重合性官能基としてオキセタン基を有する場合、ポリオールと二官能以上のイソシアネートとを反応させてウレタン化合物を生成し、該ウレタン化合物の末端のイソシアネート基と水酸基を持つオキセタン化合物とを反応させたもの等が挙げられる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
上記二官能以上のイソシアネートとしては、二官能以上であれば特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記水酸基を有するオキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。このような水酸基を有するオキセタン化合物のうち市販されているものとしては、例えば、宇部興産社製「エタナコールEHO」等が挙げられる。
また、上記カチオン重合性官能基としてオキセタン基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、イソシアネートと水酸基を持つオキセタン化合物とを反応させたものであってもよい。
上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソシアネートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
上記水酸基を有するオキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソシアネートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
上記水酸基を有するオキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
また、上記水素結合性官能基を有する環状エーテル基を有する硬化性化合物がカチオン重合性官能基としてエポキシ基を有する場合には、例えば、多価アルコールのアルコール部位を部分エポキシ化したもの;グリシドールとイソシアネートとを反応させたもの;エポキシ樹脂の自己付加体等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコール等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソシアネートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
また、上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、上述した二官能以上のイソシアネートと同様のものが挙げられ、更に単官能のイソシアネートであってもよい。
また、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物は、軟化点が50℃以上、かつ、重量平均分子量が600以上であることが好ましい。
滴下工法による液晶表示素子の製造方法では、シール剤の本硬化工程において加熱を開始してから環状エーテル基を有する硬化性化合物が完全に硬化するまでの間に若干のタイムラグが生じ、その間は加熱により液状の環状エーテル基を有する硬化性化合物の流動性が増し、これが液晶に流出してしまうものと考えられる。検討の結果、軟化点が50℃以上である環状エーテル基を有する硬化性化合物を用いれば、このような液晶汚染を最小限に抑制できることを見出した。
なお、本明細書において、「軟化点」とは、固形の環状エーテル基を有する硬化性化合物が加熱されることによって軟化した時の温度を意味し、JIS K 7234の環球法に基づいて測定し、その試験法で規定の状態になった時の温度を表すものである。
滴下工法による液晶表示素子の製造方法では、シール剤の本硬化工程において加熱を開始してから環状エーテル基を有する硬化性化合物が完全に硬化するまでの間に若干のタイムラグが生じ、その間は加熱により液状の環状エーテル基を有する硬化性化合物の流動性が増し、これが液晶に流出してしまうものと考えられる。検討の結果、軟化点が50℃以上である環状エーテル基を有する硬化性化合物を用いれば、このような液晶汚染を最小限に抑制できることを見出した。
なお、本明細書において、「軟化点」とは、固形の環状エーテル基を有する硬化性化合物が加熱されることによって軟化した時の温度を意味し、JIS K 7234の環球法に基づいて測定し、その試験法で規定の状態になった時の温度を表すものである。
上記環状エーテル基を有する硬化性化合物の軟化点が50℃未満であると、本発明の遮光シール剤を用いて滴下工法により液晶表示素子を製造した場合に、得られる液晶表示素子に環状エーテル基を有する硬化性化合物による液晶の汚染に起因する色むら等が認められることがある。軟化点のより好ましい下限は80℃であり、上限としては特に限定されないが、120℃以下であることが好ましい。120℃を超えると、他の構成成分との混合時の作業性が低下することがある。
また、上記環状エーテル化合物の重量平均分子量が600未満であると、液晶中への流出を充分に抑制することができない。
また、上記環状エーテル化合物の重量平均分子量が600未満であると、液晶中への流出を充分に抑制することができない。
このような軟化点が50℃以上、かつ、重量平均分子量が600以上の環状エーテル基を有する硬化性化合物としては特に限定されず、例えば、上述した環状エーテル基を有する硬化性化合物と同様のものが挙げられる。
本発明の遮光シール剤は、光カチオン開始剤を含有する。
上記光カチオン重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
これらのカチオン開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマ−SP−151、オプトマ−SP−170、オプトマ−SP−171(以上、いずれも旭電化工業社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア−261(チバガイギー社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI−103、MPI−103、TPS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(以上、いずれもミドリ化学社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481(以上、いずれも日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローヌ・プーラン社製)、CD−1012(サートマー社製)等が挙げられる。これらの光カチオン開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
これらのカチオン開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマ−SP−151、オプトマ−SP−170、オプトマ−SP−171(以上、いずれも旭電化工業社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア−261(チバガイギー社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI−103、MPI−103、TPS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(以上、いずれもミドリ化学社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481(以上、いずれも日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローヌ・プーラン社製)、CD−1012(サートマー社製)等が挙げられる。これらの光カチオン開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の遮光シール剤は、熱カチオン開始剤を含有してもよい。上記熱カチオン開始剤は、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであり、熱硬化時にも酸を発生させることができるため、本発明の遮光シール剤をより早く硬化させることが可能になる。
上記熱カチオン開始剤としては特に限定されず、例えば、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−145、サンエイドSI−150、サンエイドSI−160、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180、(以上、いずれも三新化学工業社製)、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、いずれも旭電化工業社製)等が挙げられる。これらの熱カチオン開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記熱カチオン開始剤としては特に限定されず、例えば、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−145、サンエイドSI−150、サンエイドSI−160、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180、(以上、いずれも三新化学工業社製)、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、いずれも旭電化工業社製)等が挙げられる。これらの熱カチオン開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、本発明の遮光シール剤は、不飽和二重結合を有する硬化性樹脂及び光ラジカル開始剤を含有してもよい。上述したカチオン反応よりもより速硬化可能なラジカル反応を併用することにより、本発明の遮光シール剤は、紫外線照射後すぐに硬化が起こり、製造プロセスにおける衝撃等での基板ずれや剥がれを起こすことがなくなる。
上記不飽和二重結合を有する硬化性樹脂としては、光・熱により反応を開始するものであれば特に限定されず、例えば、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、マレイミド基、(メタ)アクリル基、水素結合性官能基等を有する樹脂が挙げられ、なかでも液晶汚染を防止する観点から、(メタ)アクリル基及び/又は水素結合性官能基を有する樹脂が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル基とは、アクリル基又はメタクリル基のことをいう。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
滴下工法により液晶表示素子を製造する場合、未硬化のシール剤が直接液晶と接するため、シール剤により液晶を汚染し、表示品質に問題を与える場合が多い。従って、上記シール剤を構成する硬化性樹脂は、液晶に相溶しないものであることが好ましく、具体的には、上記エポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エベクリル3700、エベクリル3600、エベクリル3701、エベクリル3703、エベクリル3200、エベクリル3201、エベクリル3600、エベクリル3702、エベクリル3412、エベクリル860、エベクリルRDX63182、エベクリル6040、エベクリル3800(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、EA−1020、EA−1010、EA−5520、EA−5323、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、これらのほかに、例えば、エポキシ化合物の一部分を(メタ)アクリル酸酸変性したものを用いてもよい。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、これらのほかに、例えば、エポキシ化合物の一部分を(メタ)アクリル酸酸変性したものを用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
上記水素結合性官能基とは、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、−OH基、−NH2基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH2基、−NHOH基等の官能基を有するものや、分子内に−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等の残基を有するもの等が挙げられる。上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物中に上記水素結合性官能基が存在することによって、硬化前に本発明の遮光シール剤が液晶に接したときに液晶中に不飽和二重結合を有する硬化性化合物が溶出しにくくなり液晶汚染を起こさなくなる。
このような水素結合性官能基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤が上記不飽和二重結合を有する硬化性樹脂を含有する場合、その含有量の好ましい下限は、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物100重量部に対して1重量部、好ましい上限は40重量部である。1重量部未満であると、仮止めのための硬化が不充分となることがあり、40重量部を超えると、接着力が低下することがある。
上記光ラジカル開始剤としては特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有するものが好適である。このような光ラジカル開始剤を用いれば、本発明の遮光シール剤に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出して液晶を汚染することがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反応性二重結合を有することにより、本発明の遮光シール剤の耐候性が向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有していればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合及び水酸基及び/又はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下記一般式(1)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する化合物を、光ラジカル開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なくすることができる。
一般式(1)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
上記光ラジカル開始剤としては、他にも例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることができる。これらの光ラジカル開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の遮光シール剤における上記光ラジカル開始剤の配合量の好ましい下限は上記ラジカル重合性樹脂100重量部に対して0.5重量部、好ましい上限は15重量部である。0.5重量部未満であると本発明の遮光シール剤の硬化性が不充分になることがあり、15重量部を超えると、得られた硬化物の吸湿性が高くなってしまうことがある。
また、本発明の遮光シール剤が上述した不飽和二重結合を有する硬化性樹脂を含有する場合、更に、熱ラジカル開始剤を含有してもよい。熱ラジカル開始剤は、光での仮硬化が不充分な際、熱硬化時にそれを補うことが可能になる。
上記熱ラジカル発生剤としては特に限定されず、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の遮光シール剤は、遮光性着色剤を含有する。
上記遮光性着色剤としては、硬化後の本発明の遮光シール剤に遮光性を付与し、液晶への不純物が少ないものであれば特に限定されない。なお、本明細書において、「遮光性」とは、波長370〜800nmの光を80%以上遮光することを意味する。
上記遮光性着色剤としては、硬化後の本発明の遮光シール剤に遮光性を付与し、液晶への不純物が少ないものであれば特に限定されない。なお、本明細書において、「遮光性」とは、波長370〜800nmの光を80%以上遮光することを意味する。
上記遮光性着色剤としては特に限定されないが、黒色顔料や混合すると黒色になる補色関係にある複数の顔料及び/又は染料であることが好ましい。
上記黒色顔料としては特に限定されず、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。上記黒色顔料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、本発明の遮光シール剤では、絶縁性、作業性の面より、チタンブラック及び/又はカーボンブラックであることが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、液晶中への不純物の溶出が少ないものであれば特に限定されないが、例えば、チャンネルブラック、ランプブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等の公知のカーボンブラックを用いることができる。なかでも、絶縁性の観点から、表面がグラフト化されたグラフト化カーボンブラック、表面が絶縁無機物若しくは絶縁性有機物で被覆された被覆カーボンブラック及び/又は表面に酸化処理が施された酸性カーボンブラックが好ましい。このようなカーボンブラックは、未処理のカーボンブラックと比較して導電性が低いことから本発明の遮光シール剤に用いると、電流のリークが少なく信頼性の高い液晶表示素子を得ることができる。
上記グラフト化カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、イソシアネート基等の反応性基を有する化合物をカーボンブラック表面のカルボキシル基等と反応させたものが挙げられる。グラフト化カーボンに用いられるカーボンブラックとしては特に限定されないが、カルボキシル基等の酸性官能基が表面に多く存在するものが好ましく、pHが7以下のカーボンブラックがより好ましい。
また、上記グラフト化カーボンのグラフト率は、非導電性の観点から好ましい下限は5重量%であり、より好ましい下限は10重量%である。ここで、上記「グラフト率」とは、グラフト化カーボン全体に占めるグラフト化合物の割合を示す。
また、上記グラフト化カーボンのグラフト率は、非導電性の観点から好ましい下限は5重量%であり、より好ましい下限は10重量%である。ここで、上記「グラフト率」とは、グラフト化カーボン全体に占めるグラフト化合物の割合を示す。
上記被覆カーボンブラックの表面を被覆する絶縁無機物としては特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、このような絶縁無機物の被覆方法としては特に限定されないが、例えば、カーボンブラックの表面に絶縁無機物である酸化ケイ素を被覆する場合、溶媒中に分散させたカーボンブラックに、テトラエトキシシランを加水分解させることによって酸化ケイ素の被膜を作製する方法等が挙げられる。
また、このような絶縁無機物の被覆方法としては特に限定されないが、例えば、カーボンブラックの表面に絶縁無機物である酸化ケイ素を被覆する場合、溶媒中に分散させたカーボンブラックに、テトラエトキシシランを加水分解させることによって酸化ケイ素の被膜を作製する方法等が挙げられる。
上記酸性カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、カーボンブラックを空気酸化法、硝酸、窒素酸化物と空気との混合ガス、オゾン等の酸化剤を用いる酸化処理法等により処理したもの等が挙げられる。なお、カーボンブラックが上記チャンネルブラックである場合、その製造過程でカーボンブラックの表面が酸化されているため、公知のものをそのまま使用することが可能である。
上記チタンブラックとしては特に限定されず、具体的な市販品としては、例えば、12S、13M、13MC、13R−N(以上、いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
また、上記チタンブラックの表面がカップリング剤処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等も用いることができる。
また、上記チタンブラックの表面がカップリング剤処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等も用いることができる。
本発明の遮光シール剤において、上記遮光性着色剤の粒径としては特に限定されず、液晶表示素子の基板間の距離以下であればよく、好ましくは上限が2μmである。なお、上記遮光性着色剤の粒径とは、遮光性着色剤が1次粒子の凝集したストラクチャーを形成している場合は、このストラクチャーの大きさのことをいう。
また、本発明の遮光シール剤は、上記遮光性着色剤に加えて補助着色成分として顔料(有機顔料、無機顔料)や染料等を添加してもよい。例えば、上記黒色顔料が赤みがかった黒色である場合、赤色の補色である青色を呈する補助着色成分を添加することにより、上記遮光性着色剤をより好ましい黒色を呈するようにすることができる。
上記補助着色成分の配合量としては、使用する黒色顔料等に合わせて適宜決定され特に限定されないが、上記黒色顔料100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は30重量部である。1重量部未満であると、補助着色成分を添加する効果がほとんど得られず、30重量部を超えると、上記遮光性着色剤が補色着色成分の色味を呈することがある。より好ましい下限は3重量部であり、より好ましい上限は20重量部である。
上記混合すると黒色になる補色関係にある複数の有機顔料としては特に限定されないが、例えば、アゾ系顔料;不溶アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニン系顔料;銅フタロシアニンブルー顔料、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料、スルホン化銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、異種金属フタロシアニン顔料、縮合多環顔料;アミノアントラキノン顔料、インダンスロン顔料、イソインドリノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。なかでも、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料や縮合多感顔料が好適に用いられる。これらの有機顔料は、上記黒色顔料の補助着色成分としても使用可能である。
上記混合すると黒色になる補色関係にある複数の染料としては特に限定されないが、例えば、シアニン系染料、メタシアニン系染料、ローダシアニン系染料、オキソノール系染料、スチリル系染料、ベーススチリル系染料、ベンゾピラン系染料、キノリジン系染料、クマリン系染料、チアゾール系染料、インダントロン系染料、ピラントロン系染料、アントラキノンカルバゾール系染料、アントラキノンオキサゾール系染料、インジゴ、チオインジゴ、ピラゾロンアゾ系染料、γ−酸アゾ系染料、H−酸アゾ系染料、トリアリルメタン系染料、オキサジン系染料等が挙げられる。これらの染料は、上記黒色顔料の補助着色成分としても使用可能である。
本発明の遮光シール剤における上記遮光性着色剤の含有量としては特に限定されないが、上記ラジカル重合性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は3重量部であり、好ましい上限は100重量部である。3重量部未満であると、本発明の遮光シール剤の遮光性が不充分となることがあり、100重量部を超えると、本発明の遮光シール剤の基板に対する密着性や硬化後の強度が低下することがあり、また、描画性も劣ることがある。より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明の遮光シール剤には、上記遮光性着色剤等の固形成分の分散性を向上させるために分散剤が含有されていてもよい。上記分散剤は、上記遮光性着色剤等の固形成分の表面に電気的、化学的に吸着し、粒子間で電気的な反発や立体的な反発を引き起こさせることで、分散性や分散安定性を向上させる機能を有する。
このような分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルフォン酸型高分子活性剤等のアニオン系分散剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロックポリマー等のノニオン系分散剤、アミン塩類活性剤、4級アンモニウム塩類活性剤等のカチオン系分散剤、その他、ポリウレタンポリマー、セルロース誘導体等の分散剤等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤が上記分散剤を含有する場合、その配合量としては特に限定されないが、上記遮光性着色剤等の固形成分100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は50重量部である。0.1重量部未満であると、分散剤を添加する効果を充分に得ることができないことがあり、50重量部を超えると、本発明の遮光シール剤の耐熱性が低下することがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
このような分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルフォン酸型高分子活性剤等のアニオン系分散剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロックポリマー等のノニオン系分散剤、アミン塩類活性剤、4級アンモニウム塩類活性剤等のカチオン系分散剤、その他、ポリウレタンポリマー、セルロース誘導体等の分散剤等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤が上記分散剤を含有する場合、その配合量としては特に限定されないが、上記遮光性着色剤等の固形成分100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は50重量部である。0.1重量部未満であると、分散剤を添加する効果を充分に得ることができないことがあり、50重量部を超えると、本発明の遮光シール剤の耐熱性が低下することがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
本発明の遮光シール剤は、更に、熱硬化剤、フィラー及びシランカップリング剤等を含有してもよい。
上記熱硬化剤は、加熱により上記環状エーテル基を有する硬化性化合物等の硬化性樹脂中の不飽和二重結合やエポキシ基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の硬化物の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。上記熱硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好適に用いられる。融点が100℃未満の硬化剤を使用すると保存安定性が著しく悪くなることがある。
このような熱硬化剤としては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤も好適である。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保存安定性を有する遮光シール剤が得られる。
本発明の遮光シール剤が上記熱硬化剤を含有する場合、その配合量としては、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。この範囲外であると、硬化物の接着性、耐薬品性が低下し、高温高湿動作試験での液晶の特性劣化が早まることがある。より好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記フィラーは、本発明の遮光シール剤に機械的強度を付与するものであり、このようなフィラーとしては特に限定されないが、例えば、含水硅酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機充填材が好適である。これらのフィラーの粒子径は、1.5μm以下であることが好ましい。
本発明の遮光シール剤が上記フィラーを含有する場合、その配合量としては、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は3重量部、好ましい上限は50重量部である。3重量部未満であると、上記フィラーを含有させた充分な効果が得られないことがあり、50重量部を超えると、本発明の遮光シール剤の粘度の調整が困難となる。
上記シランカップリング剤は、主に本発明の遮光シール剤とガラス基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。また、本発明の遮光シール剤が、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の目的に、少量の非導電性フィラーを含有する場合においては、非導電性フィラーと樹脂との相互作用を向上させるために、非導電性フィラーの表面をシランカップリング剤で処理する方法に用いられることもある。
上記シランカップリング剤としては、下記一般式においてA群で示される少なくとも1つの官能基と下記B群で示される少なくとも1つの官能基とを有するものが好適である。
具体的には、上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような構造のシランカップリング剤として用いることにより、本発明の遮光シール剤は、基板等との接着性を向上させることができる。
本発明の遮光シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の遮光シール剤は、E型粘度計を用いて25℃で測定した粘度の好ましい下限が1万mPa・sである。1万mPa・s未満であると、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に、透明基板上に形成したシール剤パターンの形状を保持できず、液晶中にシール剤成分が溶け出して液晶汚染が生じてしまうことがある。より好ましい下限は10万mPa・sであり、好ましい上限は50万mPa・sである。50万mPa・sを超えると、シール剤の描画性が充分でなく、滴下工法による液晶表示素子の製造が困難となる。
本発明の遮光シール剤の粘度を測定するE型粘度計としては特に限定されず、例えば、ブルックフィールド社製「DV−III」等が挙げられる。
また、本発明の遮光シール剤は、硬化させた硬化体の体積抵抗率が107Ω・cm以上であることが好ましい。107Ω・cm未満であると、硬化後の本発明の遮光シール剤の絶縁性悪くなり、製造する液晶表示素子がショートすることがある。
また、本発明の遮光シール剤は、硬化させた硬化体の光学濃度(OD値)は、硬化体の厚さが2〜7μmである場合において、2.0以上であることが好ましい。2.0未満であると、本発明の遮光シール剤の遮光性が不充分となり、滴下工法により製造した液晶表示素子に光の漏れ出しが発生し、高いコントラストとすることができないことがある。より好ましくは2.5以上であり、更に好ましくは3.0以上である。
本発明の遮光シール剤を製造する方法としては特に限定されず、上記環状エーテル基を有する硬化性化合物、光カチオン開始剤、及び、遮光性着色剤と、必要に応じて配合される上記熱カチオン開始剤、光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤、エポキシ樹脂、熱硬化剤、フィラー、シランカップリング剤等の所定量とを、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。この際、含有するイオン性不純物を除去するために、イオン吸着性固体と接触させてもよい。
本発明の遮光シール剤は、環状エーテル基を有する硬化性化合物とカチオン開始剤とを含有するため、光が当たることで上記光カチオン開始剤から発生したプロトン酸又はルイス酸は、途中で失活することなく上記環状エーテル基を有する硬化性化合物を充分に硬化させることができる。従って、本発明の遮光シール剤を光硬化させた後、液晶アニールのための加熱を行っても、液晶の膨張により遮光シール剤が決壊して液晶の漏出したり、遮光シール剤成分が液晶中に溶出して液晶を汚染したりすることがない。また、遮光性着色剤を含有するため、本発明の遮光シール剤を用いて製造した液晶表示素子では、上下基板の遮光シール剤形成部分で光が透過することがない。従って、本発明の遮光シール剤は、特に滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に好適に用いることができる。
また、本発明の遮光シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、液晶を汚染することなく透明基板の電極を導電接続することができる。
本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用遮光シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、滴下工法により製造した場合であっても、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(1)オキセタン化合物(A)の合成
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(5mol)、及び、ジブチルチンジラウレート(5mmol)を入れて攪拌し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製、「エタナコール EHO」)(10mol)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、オキセタン化合物(A)を得た。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(5mol)、及び、ジブチルチンジラウレート(5mmol)を入れて攪拌し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製、「エタナコール EHO」)(10mol)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、オキセタン化合物(A)を得た。
(2)エポキシ樹脂(B)の合成
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(5mol)、及び、ジブチルチンジラウレート(5mmol)を入れて攪拌し、グリシドール(10mol)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、エポキシ樹脂(B)を得た。
乾燥エア雰囲気下、反応フラスコに2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(5mol)、及び、ジブチルチンジラウレート(5mmol)を入れて攪拌し、グリシドール(10mol)を、60℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に60℃で赤外吸収スペクトル分析によりイソシアネート基(2270cm−1付近)が残存しなくなるまで60℃で反応させて、エポキシ樹脂(B)を得た。
(3)エポキシアクリルリレート(C)の合成
反応フラスコにレゾルシンジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製:EX201)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸610重量部を、空気を送り込みながら、90℃で攪拌しながら5時間反応させ、エポキシアクリレート(C)を得た。
反応フラスコにレゾルシンジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製:EX201)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸610重量部を、空気を送り込みながら、90℃で攪拌しながら5時間反応させ、エポキシアクリレート(C)を得た。
(4)部分アクリル化エポキシ化合物(D)の合成
下記一般式(3)で表される結晶性エポキシ樹脂(新日鐵化学社製:YSLV−80XY、融点78℃)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸200重量部を、空気を送り込みながら、90℃で還流攪拌しながら5時間反応させ、部分アクリル化エポキシ化合物(D)(50%部分アクリル化物)を得た。なお、一般式(3)中Gは、グリシジル基を表す。
下記一般式(3)で表される結晶性エポキシ樹脂(新日鐵化学社製:YSLV−80XY、融点78℃)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸200重量部を、空気を送り込みながら、90℃で還流攪拌しながら5時間反応させ、部分アクリル化エポキシ化合物(D)(50%部分アクリル化物)を得た。なお、一般式(3)中Gは、グリシジル基を表す。
(実施例1)
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、オキセタン化合物(A)20重量部、及び、エポキシ樹脂(B)40重量部を配合し、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、オキセタン化合物(A)20重量部、及び、エポキシ樹脂(B)40重量部を配合し、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
(実施例2)
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、オキセタン化合物(A)20重量部、エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロンN−770)40重量部を配合し、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチャンネルブラック(デグサ社製、スペシャルブラック4[表面酸化カーボンブラック])20重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、オキセタン化合物(A)20重量部、エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロンN−770)40重量部を配合し、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチャンネルブラック(デグサ社製、スペシャルブラック4[表面酸化カーボンブラック])20重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
(実施例3)
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、光ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、オキセタン化合物(A)10重量部、エポキシ樹脂(B)10重量部、エポキシアクリレート(C)20重部、及び、部分アクリル化エポキシ化合物(D)20重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、オプトマーSP−170)1重量部、光ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、オキセタン化合物(A)10重量部、エポキシ樹脂(B)10重量部、エポキシアクリレート(C)20重部、及び、部分アクリル化エポキシ化合物(D)20重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
(比較例1)
光ラジカル重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、エポキシアクリレート(C)30重部、部分アクリル化エポキシ化合物(D)30重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
光ラジカル重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、エポキシアクリレート(C)30重部、部分アクリル化エポキシ化合物(D)30重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチタンブラック(三菱マテリアル社製、13MC)50重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
(比較例2)
光ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、エポキシアクリレート(C)30重部、部分アクリル化エポキシ化合物(D)30重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチャンネルブラック(デグサ社製、スペシャルブラック4[表面酸化カーボンブラック])20重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
光ラジカル開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 379)1重量部、エポキシアクリレート(C)30重部、部分アクリル化エポキシ化合物(D)30重量部を配合し、これを加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌して混合物を得た。
得られた混合物に遮光性着色成分としてチャンネルブラック(デグサ社製、スペシャルブラック4[表面酸化カーボンブラック])20重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)5重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて遮光シール剤を得た。
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤の物性について、以下の方法により測定した。結果を表1に示した。
(液晶表示パネルの作製)
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、2枚のラビング済み配向膜、及び、透明電極付き基板の一方に線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明電極付き基板の遮光シール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、遮光シール剤部分にメタルハライドランプを用いて150mW/cm2で30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示パネルを作製した。
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、2枚のラビング済み配向膜、及び、透明電極付き基板の一方に線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明電極付き基板の遮光シール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、遮光シール剤部分にメタルハライドランプを用いて150mW/cm2で30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示パネルを作製した。
作製した液晶表示パネルについて、表示パネル作製直後及び65℃95%RHの条件下で1000時間後、電圧印加状態で80℃、1000時間後の遮光シール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。なお、配向乱れは表示部の色むらより判断しており、色むらの程度に応じて、
◎(色むらが全くない)
○(色むらが微かにある)
△(色むらが少しある)
×(色むらがかなりある)
の4段階で評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは実用に全く問題のないレベルである。
◎(色むらが全くない)
○(色むらが微かにある)
△(色むらが少しある)
×(色むらがかなりある)
の4段階で評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは実用に全く問題のないレベルである。
(光学特性試験)
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、この遮光シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、荷重をかけ、遮光シール剤をスペーサの直径まで押しつぶして厚さを均一にした。メタルハライドランプを用いて紫外線を150mW/cm2×30sec照射した。その後120℃オーブンにて1時間硬化を行い、遮光シール剤の測定サンプルを得た。次に、この測定サンプルを分光スペクトル測定装置にセットし、JIS Z 8722に準拠し、透過光Yの値を測定し、次の式で定義される式から光学濃度(OD値)を計算した。
光学濃度=log(100/Y)
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、この遮光シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、荷重をかけ、遮光シール剤をスペーサの直径まで押しつぶして厚さを均一にした。メタルハライドランプを用いて紫外線を150mW/cm2×30sec照射した。その後120℃オーブンにて1時間硬化を行い、遮光シール剤の測定サンプルを得た。次に、この測定サンプルを分光スペクトル測定装置にセットし、JIS Z 8722に準拠し、透過光Yの値を測定し、次の式で定義される式から光学濃度(OD値)を計算した。
光学濃度=log(100/Y)
(接着試験)
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、この遮光シール剤をガラス(コーニング1737)の中央部に取り、他のガラス(コーニング1737)をその上に重ね合わせて遮光シール剤を押し広げて厚みを均一にした後(直径4mm)、メタルハライドランプを150mW/cm2で30秒間照射し、更にその後120℃で1時間の加熱を行い試験片を得た。この試験片について、初期と65℃95%RHの条件下で1000時間後の試験片をテンションゲージを用いて接着強度を測定した。接着力は測定値を遮光シール剤の面積で割ったものを値としてた。
実施例1〜3、比較例1、2で得られた遮光シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H060、6μm)1重量部を分散させ、この遮光シール剤をガラス(コーニング1737)の中央部に取り、他のガラス(コーニング1737)をその上に重ね合わせて遮光シール剤を押し広げて厚みを均一にした後(直径4mm)、メタルハライドランプを150mW/cm2で30秒間照射し、更にその後120℃で1時間の加熱を行い試験片を得た。この試験片について、初期と65℃95%RHの条件下で1000時間後の試験片をテンションゲージを用いて接着強度を測定した。接着力は測定値を遮光シール剤の面積で割ったものを値としてた。
本発明によれば、滴下工法により製造した場合であっても、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる液晶滴下工法用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
Claims (7)
- 環状エーテル基を有する硬化性化合物、光カチオン開始剤、及び、遮光性着色剤を含有することを特徴とする液晶滴下工法用遮光シール剤。
- 更に、熱カチオン開始剤を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用遮光シール剤。
- 環状エーテル基は、エポキシ基、オキセタン基、脂環式エポキシ基からなる群より選択されるいずれか1つの官能基であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用遮光シール剤。
- 遮光性着色剤がチタンブラック及び/又はカーボンブラックであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用遮光シール剤。
- 更に、不飽和二重結合を有する硬化性化合物と光ラジカル開始剤とを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用遮光シール剤。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用遮光シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用遮光シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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- 2005-05-09 JP JP2005136680A patent/JP2006313286A/ja active Pending
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