JP5368666B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
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この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
とりわけ、近年、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種液晶パネル付きモバイル機器の普及に伴った装置の小型化を目的とした液晶表示部の狭額縁化により、基板上に形成されるシール剤パターンがブラックマトリックス(BM)等と液晶セルの厚さ方向に重なる位置となるようになってきているが、このようなBM等と重なる位置に形成されたシール剤は、紫外線等の光を照射した後にも硬化しない部分が残るため、この未硬化の部分から液晶中にシール剤成分が溶出して更に液晶が汚染されるという問題があった。
しかしながら、滴下工法による液晶表示素子の製造では、シール剤を硬化させるために照射する紫外線が液晶にも少なからず照射されるため、波長が短く高エネルギーの紫外線によりシール剤を硬化させると、同時に液晶の劣化も発生し、液晶表示素子の表示品位を著しく低下させ、信頼性を低下させるという問題もあった。
以下に本発明を詳述する。
上記ラジカル重合開始剤は、アセトニトリル中で測定した350nmにおけるモル吸光係数の下限が100M−1・cm−1、上限が10万M−1・cm−1である。100M−1・cm−1未満であると、本発明のシール剤に波長350nm程度の紫外線が直接照射される部分、及び、ブラックマトリックス(BM)等で紫外線の照射が遮蔽されている部分がある場合における当該遮蔽部分のいずれも迅速かつ充分に硬化させることができなくなる。10万M−1・cm−1を超えると、本発明のシール剤に波長350nm程度の紫外線を照射したときに直接照射される部分の表面が先に硬化してしまい、内部を充分に硬化させることができず、また、BM等で紫外線が遮蔽されている部分も充分に硬化させることができない。
好ましい下限は200M−1・cm−1、好ましい上限は1万M−1・cm−1であり、より好ましい好ましい下限は300M−1・cm−1、より好ましい上限は3000M−1・cm−1である。
更に、本発明のシール剤は、波長350nm程度のエネルギーの低い紫外線で充分に硬化させることかできるため、滴下工法による液晶表示素子の製造に用いた場合であっても、紫外線が直接照射されることによる液晶の劣化が生じることもない。
上記水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、OH基、NH2基、NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及びこれらの誘導体を表す)、COOH基、CONH2基、NHOH基等や、分子内にNHCO結合、NH結合、CONHCO結合、NH−NH結合等の残基を有する基等が挙げられる。
このような水素結合性官能基を有することにより、未硬化の本発明のシール剤が液晶に接した場合であっても上記ラジカル重合開始剤が溶出しにくくなり、液晶汚染がより生じにくくなる。
上記反応性官能基としては、重合反応により硬化性樹脂と結合できる官能基であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基やオキセタニル基等の環状エーテル基、(メタ)アクリル基、スチリル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル基又はエポキシ基が好適である。
このような反応性官能基を分子中に有することにより、上記ラジカル重合開始剤自体が、硬化性樹脂と共重合体を形成して固定されることから、重合終了後にも重合開始剤の残渣体が液晶中に溶出することがなく、また、液晶再配向時の加熱によってアウトガスになることもない。
上記二官能エポキシ樹脂化合物としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等、これらを水添加したエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミン等をエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエン又はニトリルブタジエンゴム(NBR)等を含有するゴム変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの二官能エポキシ樹脂化合物は、固体状であってもよく、液体状であってもよい。
本発明のシール剤において、上述のラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性樹脂は、その分子中に(メタ)アクリロイル基を有するものであり、本発明のシール剤において、上記硬化性樹脂に含まれる反応性官能基の60mol%以上が(メタ)アクリロイル基である。
なお、本明細書において、「反応性官能基」とは、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基やオキセタニル基等の環状エーテル、スチリル基等を意味する。
更に、本発明のシール剤では、硬化後に未反応の樹脂をできるだけ残存させないために硬化性樹脂1分子中に付加反応性官能基を2つ以上有することが好ましい。この範囲にあることで、重合又は架橋反応後に、残存する未反応化合物が極めて少なくなり、本発明のシール剤を用いて液晶表示素子を製造した際に液晶を汚染することがない。
すなわち、本発明のシール剤中に含有さる固形の有機酸ヒドラジドが、照射された紫外線を本発明のシール剤中で散乱させることで、例えば、BM等で照射された紫外線が遮蔽された部分にも紫外線が回り込み、その結果、本発明のシール剤の硬化性が向上するものと考えられる。
上記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−695、N−665−EXP、N−672−EXP(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との配合量を適宜変更することにより、所望のアクリル化率のエポキシ樹脂を得ることができる。上記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との配合量としては、好ましくは、エポキシ基1当量に対してカルボン酸の下限が0.1当量、上限が0.5当量であり、より好ましくは、エポキシ基1当量に対してカルボン酸の下限が0.2当量、上限が0.4当量である。
ポリオールと2官能以上のイソシアネートとを反応させ、更にこれに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールを反応させる方法;ポリオールを用いず、2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーやグリシドールを反応させる方法等によって得ることができる。
また、上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ樹脂は、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートモノマーにグリシドールを反応させる方法によっても得ることができる。具体的には、例えば、まず、トリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシアネート3モルとを錫系触媒下反応させる。得られた化合物中に残るイソシアネート基と水酸基とを有するアクリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート、及び、水酸基を有するエポキシであるグリシドールを反応させる方法が挙げられる。
上記硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好適に用いられる。融点が100℃以下の硬化剤を使用すると保存安定性が著しく悪くなることがある。このような硬化剤としては、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。また、上記硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤を用いてもよい。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、ガラス基板等との接着性向上効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への流出を防止するとができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等や、スペーサー基を介してイミダゾール骨格とアルコキシシリル基とが結合した構造を有するイミダゾールシラン化合物からなるもの等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記接着強度は、例えば、本発明のシール剤を用いて2枚のガラス基板を接着し硬化させた後、2枚のガラス基板を剥離するのに要する引張強度から求めることができる。
このような波長350nm程度の長波長の紫外線は、被照射物上に透過を妨げる遮蔽物が存在している場合であっても、該遮蔽物の裏側に回り込む(回折する)性質が大きい。即ち、本発明のシール剤は、透明基板上に形成するシール剤パターンの一部が、ブラックマトリックス(BM)や配線等と液晶セルの厚さ方向に重なる位置に形成されて光が直接照射されない場合があっても、350nm程度の紫外線を照射することで、該紫外線がBM等の裏側に回り込み充分に硬化させることができる。従って、本発明のシール剤は、液晶表示パネルの製造を狭額縁設計で行う際に特に好適に用いることができる。
従って、本発明のシール剤を用いて得られた液晶表示素子は、信頼性の高い品質を有し、事務機器、家電製品、自動車計器等の文字や記号の表示パネルとして好適に使用することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
まず、ITO薄膜等の2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明のシール剤及び/又は本発明の上下導通材料をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して硬化させる。本発明のシール剤等が熱硬化性を有する場合には、更に100〜200℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて硬化を完了させ、液晶表示素子を作製する。
本発明のシール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
更に、本発明の液晶表示素子の製造方法、すなわち、少なくとも、2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明のシール剤及び/又は本発明の上下導通材料を塗布してシールパターンを形成する工程、本発明のシール剤及び/又は本発明の上下導通材料が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して硬化させる工程を有する液晶表示素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
すなわち、本発明のシール剤は、波長350nm程度の長波長の紫外線で硬化する性質を有するものであり、このような波長350nm程度の長波長の紫外線は、被照射物上に透過を妨げる遮蔽物が存在している場合であっても、該遮蔽物の裏側に回り込む(回折する)性質が大きい。従って、本発明のシール剤を用いて透明基板上に形成するシール剤パターンの一部が、ブラックマトリックス(BM)や配線等と液晶セルの厚さ方向に重なる位置に形成されて光が直接照射されない場合があっても、350nm程度の紫外線を照射することで、該紫外線がBM等の裏側に回り込むことで充分に硬化させることができる。このような本発明のシール剤は、液晶表示パネルの製造を狭額縁設計で行う場合において、特に好適に用いることができる。
従って、本発明のシール剤を用いて得られた液晶表示素子は、液晶汚染を生じさせることなく狭額縁設計とすることができ、また、信頼性の高い品質を有し、事務機器、家電製品、自動車計器などの文字や記号の表示パネルとして好適に使用することができる。
EX−201(レゾルシノール型エポキシ樹脂)120gをトルエン500mLに溶解させ、これにトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸70gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を8時間行った。
次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基をアクリロイル基に変成したエポキシ(メタ)アクリレート(EX−201変性品:粘度60Pa)を合成した。
EX−201変性品60重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)40重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
なお、実施例1で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、60mol%であった。
EX−201変性品80重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
調製した実施例2にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、実施例2で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、80mol%であった。
EX−201変性品100重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
その後、調製した実施例3にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、実施例3で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、100mol%であった。
EX−201変性品80重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、2MZA−PW(四国化成社製)5重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
その後、調製した実施例4にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、実施例4で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、80mol%であった。
EX−201変性品80重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、イルガキュア819(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
調製した実施例5にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、実施例5で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、80mol%であった。
EX−201変性品80重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、粉砕したADH(大塚化学社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
調製した実施例6にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、実施例6で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、80mol%であった。
EX−201変性品80重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、イルガキュア2959(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
調製した比較例1にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、比較例1で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、80mol%であった。
EX−201変性品40重量部、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)60重量部、イルガキュア651(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)2重量部、アミキュアVDH−J(味の素ファインテクノ社製)10重量部、KBM403(信越化学社製)3重量部、及び、SO−C1(アドマテックス社製)30重量部を遊星式撹拌機(あわとり練太郎:シンキー社製)を用いて混合後、更に3本ロールを用いて混合させることによりシール剤を調製した。
調製した比較例2にかかるシール剤を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネルを作製した。
なお、比較例2で調製したシール剤の硬化性樹脂中に存在する反応性官能基に占める(メタ)アクリロイル基は、40mol%であった。
作製した実施例1〜6及び比較例1〜2にかかるシール剤、及び、液晶表示素子について、以下の評価を行った。
得られたそれぞれのシール剤を蛍光灯の下12時間放置して粘度変化を調べた。
結果を表1に示す。なお、表2中、粘度変化が2倍以下のものを○、粘度変化が2倍以上のものを×と示した。
得られたそれぞれのシール剤100重量部に対して、平均粒径5μmのポリマービーズ(積水化学工業株式会社製;ミクロパールSP)3重量部を遊星式撹拌装置によって分散させ均一な液とし、極微量をコーニングガラス1737(20mm×50mm×1.1mmt)の中央部に取り、同型のガラスをその上に重ね合わせてシール剤を押し広げ、紫外線を50mW/cm2で60秒照射した。その後120℃、1時間の加熱を行い、接着試験片を得た。この試験片についてテンションゲージを用いて接着強度を測定した(比較単位;N/cm2)。
結果を表1に示す。
まず、コーニングガラス0.7mmtの半面をクロム蒸着した基板1と前面をクロム蒸着した基板2とを別途準備した(図1(a))。基板1の中央部Aにポリマービーズ入りシール剤を塗布し、基板2を貼り合わせてから充分に押しつぶす(図1(b))。
次に、合わせた基板に基板1面側から紫外線を50mW/cm2で60秒照射した後、カッターを用いて基板1、2を破がし、顕微IR法によってUV直接照射部(場所1)と直接照射部の際から100μm離れた点(場所2)、200μm離れた点(場所3)、300μm離れた点(場所4)上のシール剤のスペクトルを測定し、それぞれのスペクトルからシール剤中のアクリル官能基の転化率を求めた(図1(c))。
なお、アクリル官能基の定量は810m−1のピーク面積を用いた。
結果を表1に示す。
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた液晶表示パネルについて、シール部周辺の液晶に生じる色むらを、下記の基準にて目視にて観察した。
◎(色むらが全くない)
○(色むらがほとんどない)
△(少し色むらがある)
×(色むらがかなりある)
結果を表1に示す。
Claims (8)
- 液晶表示部の狭額縁化により、基板上に形成されるシール剤パターンがブラックマトリックスと液晶セルの厚さ方向に重なる位置となる液晶表示素子を製造する方法であって、
少なくとも一方の基板に遮蔽物が存在している2枚の電極付き透明基板の一方に液晶滴下工法用シール剤を塗工して長方形状のシールパターンを形成する工程と、前記液晶滴下工法用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して硬化させる工程とを有し、
前記液晶滴下工法用シール剤は、アセトニトリル中で測定した350nmにおけるモル吸光係数が100〜10万M−1・cm−1である、光を照射することによって活性ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、反応性官能基の60mol%以上が(メタ)アクリロイル基である硬化性樹脂と、固形の有機酸ヒドラジドとを含有するものであり、
前記少なくとも一方の基板に遮蔽物が存在している2枚の電極付き透明基板を重ね合わせたときに、遮蔽物の存在により遮蔽されてシール部に紫外線を照射したときに紫外線が直接照射されない箇所が生じるのを、シール部に照射する紫外線の波長を350nm程度とすることにより、該波長350nm程度の紫外線が遮蔽物の裏側に回り込んで、該遮蔽物により遮蔽されて直接に紫外線が照射されない部分を硬化させる
ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 硬化性樹脂は、レゾルシノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させてなる
エポキシ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。 - 液晶滴下工法用シール剤は、無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
- ラジカル重合開始剤は、アセトニトリル中で測定した350nmにおけるモル吸光係数が200〜1万M−1・cm−1であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子の製造方法。
- ラジカル重合開始剤は、アセトニトリル中で測定した450nmにおけるモル吸光係数が100M−1・cm−1以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子の製造方法。
- ラジカル重合開始剤は、数平均分子量が300以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子の製造方法。
- 硬化性樹脂は、1分子中に水素結合性官能基を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子の製造方法。
- 水素結合性官能基は、ウレタン基及び/又は水酸基であることを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子の製造方法。
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