JP4052858B2 - 液晶封止用樹脂組成物ならびに液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶封止用樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは、低温で硬化が可能である液晶滴下シール方式に対応可能な液晶封止用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示デバイスとして軽量薄型の特徴を有した液晶表示パネルが広く使用されるようになった。またその普及の高まりとともに、安価でかつ高精細な表示機能を持つことが強く望まれている。
【0003】
ところで、従来の液晶表示パネルは主として空セル製造方式が一般的な製造方法として採用されてきた。その空セル製造方式とは、液晶表示素子を構成する部材として重要な透明電極や配向膜を適宜配した透明なガラス製またはプラスティック製の上下対基板を熱硬化性シール剤組成物を用いて封孔部を残して接着シールさせてセル化させてのち、真空注入により数時間かけて該空セル内に液晶を封入、更に最終的にその液晶が外部に漏れ出さないように封孔剤で封孔して液晶表示セル母体を得る方法である。またその際接着シールするために用いられるシール剤は熱硬化性エポキシ樹脂組成物が一般的に使用され、例えば特開昭57−137317号公報や特開昭59−157330号公報、特開平3−189623号公報、特開平5−262850号公報、特開平9−318953号公報などに開示されている。
【0004】
前記した空セル製造方式では総じて工程が複雑で、特に10インチ以上の大型パネルの高速動画対応型のいわゆる狭ギャップ対応型液晶表示用空セルへの液晶注入工程は多くの場合数時間以上と長時間を要するとされ、生産性や低コスト化に限界があった。
【0005】
最近では前記課題を解決するための手段として液晶滴下シール方式が提案されており、その液晶滴下シール方式に対応するシール剤として紫外線硬化型のシール剤組成物や、紫外線と加熱硬化の2元硬化型のシール剤組成物などがそれぞれ提案されており、例えば特開平9−5759号公報や特開2001−133794号公報などが例示出来る。
【0006】
その液晶滴下方式によれば、液晶の封入とシール剤によるセル化固定を同時に行えことができ、液晶表示セルの製造工程の簡素化ならびに省力化に大きく貢献することは明らかである。
【0007】
しかし、これまで提案されている紫外線硬化型のシール剤組成物を用いた液晶滴下シール方式で生産された液晶表示素子は市場に供されていない。
【0008】
その理由として、例えば、セル構成基板上には紫外線を遮光する部位としては酸化インジウムなどの透明電極、クロム材等で作られたブラックマスク、アクリル系材料で作られた保護膜などが少なからずあり、紫外線未硬化に由来すると推察されるシールパスが多発することなどの製造上の問題、長時間の紫外線照射に伴い液晶が劣化したり、得られたパネルの表示品位が低いなどの品質上の問題が原因として考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以下の▲1▼乃至▲6▼を同時に満足する液晶封止用樹脂組成物の提供にある。
▲1▼液晶非汚染性に優れる。
▲2▼液晶劣化が少ない光硬化システムに適合する。
▲3▼光硬化に際し、低線量の光照射で硬化出来る。
▲4▼光遮光部位のシール硬化が可能である。
▲5▼保存安定性と塗布信頼性ならびに接着性に優れる。
▲6▼得られた液晶表示素子の表示品位が高くかつ長期信頼性に優れる。
また更に、本発明の目的は、その液晶封止用樹脂組成物を用いた表示ムラのない高品位な表示特性を持つ液晶表示セル製造方法を提供することにある。
【0010】
より詳しくは、低光照射線量でも液晶漏れやシールラインの著しい乱れなどの問題がほとんど発生しない硬化シールができ、遮光部位のシール硬化機能として80乃至130℃の低温加熱養生により熱ラジカル硬化性を発揮できる新規な液晶封止用樹脂組成物の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、特定のラジカル重合性樹脂、特定のラジカル光開始剤、特定の有機過酸化物、必要に応じてエラストマー、充填剤、ギャップ出しコントロール剤、ワックス、ラジカル重合禁止剤、遷移金属不活剤とをそれぞれ特定範囲とする組成物にすることにより上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶封止用樹脂組成物とは、
(1)下記式(1)[化2]
【0013】
【化2】
Figure 0004052858
(式中、nは2乃至3の整数を、pは0乃至2の整数を、R1は炭素数1乃至8の脂肪族炭化水素基またはフェニル基を、R2は炭素数1乃至8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基を表す。)
で示されるシリル基変性アルキル基を、ケイ素原子の含有質量%で表わされる値で0.01乃至2質量%の範囲、かつ、比抵抗値が1×106乃至9×1015Ω・cmの範囲にある液状メタ(アクリレート) 80乃至98.9質量%
(2)ラジカル光開始剤 0.1乃至10質量%
(3)有機過酸化物 0.01乃至10質量%
からなる液晶封止用樹脂組成物である。
【0014】
なお、以下の説明では、前記式(1)で示される活性なシリル基変性アルキル基をケイ素原子の含有質量%で表わされる値で0.01乃至2質量%の範囲、かつ、体積固有比抵抗値が1×106乃至9×1015Ω・cmの範囲にある液状メタ(アクリレート)を単に(1)液状(メタ)アクリレートと総称することがある。また(1)乃至(3)からなる前記の液晶封止用樹脂組成物を以下の記載では単に液晶封止用樹脂組成物(A)と呼ぶことがある。
【0015】
また、本発明の液晶封止用樹脂組成物では、液晶封止用樹脂組成物(A)中に液晶封止用樹脂組成物100質量%に対して(4)エラストマー 1乃至30質量%を含有させるなる液晶封止用樹脂組成物(B)とする事が良い。またより好ましくは、液晶封止用樹脂組成物(A)または液晶封止用樹脂組成物(B)中に(5)最大粒子径が5μm以下の充填剤及び/または(6)ギャップ出し付与剤0.1乃至30質量%を含有させてなる液晶封止用樹脂組成物(C)が挙げられる。
【0016】
また、本発明の液晶封止用樹脂組成物では、液晶封止用樹脂組成物(A)乃至(C)から選ばれた1種の液晶封止用樹脂組成物中に更に選ばれた1種の液晶封止用樹脂組成物中100質量%に対して(7)シランカップリング剤の0.1乃至3質量%を含有させてなる液晶封止用樹脂組成物(D)とすることがより更に好ましい。
【0017】
また、本発明の液晶封止用樹脂組成物では、液晶封止用樹脂組成物(A)乃至液晶封止用樹脂組成物(D)から選ばれた1種の液晶封止用樹脂組成物中に更に選ばれた1種の液晶封止用樹脂組成物中100質量%に対して(8)ワックスの0.1乃至3質量%を含有させてなる液晶封止用樹脂組成物(E)とすることがより更に好ましい。
【0018】
より更に好ましくは、液晶封止用樹脂組成物(A)乃至(E)から選ばれた1種の液晶封止用樹脂組成物中に(9)ラジカル重合禁止剤及び/または(10)遷移金属不活剤0.001乃至1質量%を含有させてなる液晶封止用樹脂組成物(F)が大いに好ましい例である。
【0019】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物では、(4)エラストマーが粒子であり、その粒子径が0.1乃至5μmであることや、また更に、その(4)エラストマーがアクリルゴムまたはシリコンゴムであることが良い。また、(1)液状(メタ)アクリレート樹脂が、数平均分子量が300乃至10000の範囲にあり、かつ分子内にビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールMDから選ばれた1種の分子骨格を含有している事、(2)ラジカル光開始剤が可視光活性型ラジカル光開始剤であること、またその(2)ラジカル光開始剤が390〜420nm波長の光で活性を示すものであること、また(3)有機過酸化物がキュメンヒドロパーオキサイドであること等は特に最も好ましい例である。
【0020】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物では、その未硬化または硬化物の各1質量%に対して液晶の6質量%を24時間窒素雰囲気下で接触させた後の液晶比抵抗値の変化率が、元の液晶比抵抗値を1とした時、0.1乃至2倍の範囲、より好ましくは1±0.2倍以内にある事、本発明の液晶封止用樹脂組成物の硬化物の各1質量%に対して液晶の6質量%を80℃24時間窒素雰囲気下で接触させた後の液晶比抵抗値の変化率が、元の液晶比抵抗値を1とした時、0.1乃至2倍の範囲、より好ましくは1±0.2倍以内にある物を選定使用する事がよい。
【0021】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物では、その未硬化または硬化物の各1質量%に対して液晶の6質量%を24時間窒素雰囲気下で接触させた後の液晶比抵抗値の変化率が、元の液晶比抵抗値を1とした時、0.1乃至2倍の範囲、より好ましくは1±0.2倍以内にある事、本発明の液晶封止用樹脂組成物の硬化物の各1質量%に対して液晶の6質量%を80℃24時間窒素雰囲気下で接触させた後の液晶比抵抗値の変化率が、元の液晶比抵抗値を1とした時、0.1乃至2倍の範囲、より好ましくは1±0.2倍以内にある物を選定使用する事がよい。そうすることで得られる液晶表示素子に実質的な高品位表示機能を付与でき、好ましい。
【0022】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物では、25℃の動的固有粘度が、E型粘度値で50乃至500Pa・sの範囲、好ましくは150乃至450Pa・sの範囲にあることがよく、その範囲の初期粘度特性を保持させることで、塗布ムラのない塗布作業性を発揮出来、好ましい。特に150Pa・s以上の初期粘度であれば塗布後のシール形状保持性が優れることから好ましい。また450Pa・s以下の初期粘度であれば、ノズル径が0.15乃至0.5mm径のディスペンス塗布性が確保でき好ましい。また同時に、0.5rpm回転粘度値/5rpm回転粘度値の比で表わされる様に、低回転粘度値をその10倍の回転粘度値でわった値で表わされるチクソインデックス(以下では単にチクソ指数と呼び、記号ではTIで表わすこととする)が0.95乃至5の範囲、好ましくは1乃至2の範囲、特に好ましくは1乃至1.2の範囲にあることは好ましい例である。
【0023】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物の硬化体特性として、サーモメカニカルアナライザー(TMA)より求めたガラス転移温度(Tg)が20℃以上180℃未満であることは大いに好ましい。より好ましくは30乃至150℃の範囲、また更に50乃至130℃とすることが特に好ましい。Tgが20℃以上であれば得られる液晶表示素子の実用上の表示品位が実質的に確保でき好ましい。またTgが180℃未満であれば得られる液晶表示素子の実用上の表示耐久性が実質的に確保でき好ましい。
【0024】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物の硬化体特性として、煮沸水30分浸漬後の重量変化率で表わされる吸水率が3%以下、より好ましくは1%以下であることが特に好ましい。吸水率を3%以下とすることで得られる液晶表示素子の表示駆動電圧変化を実質的に低く出来、好ましい。
【0025】
また本発明の液晶封止用樹脂組成物の未硬化体またはその硬化体の電気特性として、体積固有抵抗値で1×105Ω/cm以上の範囲、好ましくは1×106乃至9×1012Ω・cmの範囲にあることが良い。電気特性が前記範囲内であれば、得られる液晶表示素子の表示焼き付き現象や表示ムラ発生を高度に抑制でき、好ましい。
【0026】
以下に本発明の液晶封止用樹脂組成物を構成する成分に関し順に詳細に説明する。
【0027】
<(1)液状(メタ)アクリレート>
(1)液状(メタ)アクリレートとは以下で述べるラジカル重合性単官能モノマーの0乃至20質量%と、メタクリレートオリゴマー及び/またはアクリレートオリゴマー(以下ではメタクリレートオリゴマー及び/またはアクリレートオリゴマーを一括総称する言葉として(メタ)アクリレートオリゴマーを用いる。)の80乃至100質量%とからなる常温で液状からなる樹脂組成物を意味する。
【0028】
またその(1)液状(メタ)アクリレートは、下記式(1)[化3]
【0029】
【化3】
Figure 0004052858
(式中、nは2乃至3の整数を、pは0乃至2の整数を、R1は炭素数1乃至8の脂肪族炭化水素基またはフェニル基を、R2は炭素数1乃至8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基を表す。)
で示されるシリル基変性アルキル基を、ケイ素原子の含有質量%で表わされる値で0.01乃至2質量%の範囲、かつ、比抵抗値が1×106乃至9×1015Ω・cmの範囲にあることが必須要件である。比抵抗値が前記範囲内であれば、得られる液晶表示素子があらかじめ設定された駆動電圧内で正常かつ長期に亘り表示機能が確保でき好ましい。より好ましくは、比抵抗値が1×108乃至9×1014Ω・cmの範囲にあることである。
【0030】
前記式(1)で示される活性シリル基変性アルキル基のアルキレン結合基を除く具体的な官能基の例としては、特に限定するものでは無いが、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロピオキシシリル基、トリイソプロピオキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基等に代表されるトリアルコキシシリル基や、また、ジメトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、ジメトキシプロピルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジエトキシエチルシリル基、ジプロピオキシメチルシリル基、ジプロピオキシエチルシリル基、ジイソプロピオキシメチルシリル基、ジイソプロピオキシエチルシリル基、ジ−n−ブトキシメチルシリル基等に代表されるジアルコキシシリル基や、メトキシジメチルシリル基、メトキシジエチルシリル基、メトキシジプロピルシリル基、エトキシジメチルシリル基、エトキシジエチルシリル基、エトキシジプロピルシリル基、プロピオキシジメチルシリル基、プロピオキシジエチルシリル基、イソプロピオキシジメチルシリル基、イソプロピオキシジエチルシリル基等が挙げられる。
【0031】
また前記式(1)で示される活性なシリル基変性アルキル基を持つ(1)液状(メタ)アクリレートとは、ラジカル重合性単官能モノマーまたは(メタ)アクリレートオリゴマーのいずれか一方またはその両物質中に側鎖官能基としてアルコキシシラノール基を保有してなるものが少なからず含まれていることを意味し、より詳しくは、アルコキシシラノール基含有のラジカル重合性単官能モノマーまたはアルコキシシラノール基含有の(メタ)アクリレートオリゴマーと、アルコキシシラノール基を含有していないラジカル重合性単官能モノマーまたはアルコキシシラノール基を含有していない(メタ)アクリレートオリゴマーとが共存してもよい。
【0032】
その活性なシリル基(アルコキシシラノール基)変性アルキル基の含有量としては、特に制約するものではないが、液状(メタ)アクリレート中に占めるケイ素原子の含有質量%表わされる値で0.01乃至2質量%の範囲とする事が好ましい。より好ましくは0.1乃至1質量%である。
【0033】
なお、液状(メタ)アクリレート中の活性なシリル基変性アルキル基含有量を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、湿式分解−元素分析定量法、乾式分解−元素分析定量法、焼却残渣定量法などのいずれかの方法を採用して良い。
【0034】
<(ラジカル重合性単官能モノマー>
ラジカル重合性単官能モノマーとは、1分子中にラジカル重合性不飽和基を1ケ持つすでに公知の単官能型ラジカル重合可能なモノマーを意味し、特に限定はない。具体例としては、アクリル酸やメタクリル酸で代表される(メタ)アクリル酸類やその誘導体である単官能アクリレート類や単官能メタクリレート(以下の記載では単官能アクリレート及びまたは単官能メタクリレートを一括総称して単に単官能(メタ)アクリレートと呼ぶことが有る。)類が挙げられる。また更には、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、フマル酸等で代表される不飽和ジカルボン酸類ならびにそれらのアルキル基の炭素数が1乃至6の1乃至3級のアルキルアルコール類の1種とから誘導されるモノエステル類またはジエステル類、スチレン、ビニルトルエン、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等で代表される芳香族不飽和モノマー類、アリル化合物、アクリルアミドやメタクリルアミドで代表される(メタ)アクリルアミド類やその誘導体、N−メチルアクリルアミドやその誘導体、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド類やN−ヒドロキシエチルアクリルアミド類及びそれらのアルキルエーテル化物誘導体、その他、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルなどが好ましい例として挙げられる。
【0035】
前記した単官能(メタ)アクリレートとしては例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、イソシアナートエチル、イソシアナートプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
好ましい単官能(メタ)アクリレートとしてはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソシアナートエチルアクリレート、イソシアナートエチルメタクリレート、イソシアナートプロピルメタクリレート、イソシアナートプロピルアクリレートが例示される。
【0037】
前記式(1)で示される活性なシリル基変性アルキル基を含有してなるラジカル重合性単官能モノマーとしては、前記したラジカル重合性単官能モノマーの中から分子内にヒドロキシ基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して必要量のイソシアナートシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、または、分子内にカルボキシル基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して、必要量のグリシジルシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、また更に、分子内に第1級及び/または第2級のアミノ基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して、必要量のグリシジルシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、分子内にグリシジル基またはオキシラン環基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して、必要量のアミノシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、または、分子内にイソシアナート基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して、必要量のアミノシラン化合物及び/またはメルカプトシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、などのいずれかで得たものに代表され、それらの1種または2種以上として良い。
【0038】
本願の未硬化状態の液晶封止用樹脂組成物中のラジカル重合性単官能モノマーの種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、溶剤抽出分取法、NMRスペクトル同定法、ガスクロマト法、蒸留分取法などを適宜組み合わせて行えば良い。また、そのシール剤硬化体中のラジカル重合性単官能モノマーの種類とその含有割合を求める方法としては、例えば熱分解ガスクロマト−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わせて行って良い。 (1)液状(メタ)アクリレート中に前記ラジカル重合性単官能モノマーを20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは3乃至10質量%の範囲で含有させることが良い。
【0039】
<(メタ)アクリレートオリゴマー>
(メタ)アクリレートオリゴマーとは、すでに公知の多官能性のラジカル重合可能な(メタ)アクリレートオリゴマー化合物を意味し、特に限定はない。好ましくは液体クロマト分析(以下単にGPCと呼ぶ)より求めたポリスチレン換算分子量で表わされる質量平均分子量が300乃至10000の範囲、より好ましくは350乃至8000の範囲、特に好ましくは350乃至5000の範囲にある多価(メタ)アクリレートとすることはより更に好ましい。質量平均分子量が300以上の多価(メタ)アクリレートとすることで難揮発性に優れる(アウトガス発生の少ない)シール剤組成物が得られると同時に、その液晶シール剤組成物は液晶表示セル基板面との親和性ならびに接着シール信頼性が実質確保でき好ましい。また質量平均分子量が1万未満の多価(メタ)アクリレートとすることで塗布作業性に優れる液晶表示セル用シール剤組成物が実質確保でき好ましい。
【0040】
多価(メタ)アクリレート類としては例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、 ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA及びまたはビスフェノールFまたはビスフェノールADの1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、トリスフェノール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等があげられる。その他、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルエステルポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート等も好ましい例である。
【0041】
また前記式(1)で示される活性なシリル基変性アルキル基を含有してなるラジカル重合性単官能モノマーとしては、前記した(メタ)アクリレートオリゴマーの中から分子内にヒドロキシ基を持つラジカル重合性単官能モノマーに対して必要量のイソシアナートシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、または、分子内にカルボキシル基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーに対して、必要量のグリシジルシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、また更に、分子内に第1級及び/または第2級のアミノ基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーに対して、必要量のグリシジルシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、分子内にグリシジル基またはオキシラン環基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーに対して、必要量のアミノシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法、または、分子内にイソシアナート基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーに対して、必要量のアミノシラン化合物及び/またはメルカプトシラン化合物を作用させて前記の活性なシリル基変性アルキル基を導入する方法などのいずれかで得たものに代表され、それらの1種または2種以上として良い。
【0042】
前記のラジカル重合性単官能モノマーおよびまたは(メタ)アクリレートオリゴマーでは、それぞれすでに公知の精製方法を経て高純度化されたものを選定使用することは特に好ましい。その高純度化の為の精製方法としては、特に限定するものでは無いが、たとえば、分子蒸留法、純水洗浄法、高真空脱気法、溶剤抽出法等であって良い。
【0043】
本願の未硬化状態の液晶封止用樹脂組成物中の(メタ)アクリレートオリゴマーの種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、溶剤抽出分取法、核磁気共鳴スペクトル同定法(以下では単にNMRスペクトル同定法と呼ぶ)、ガスクロマト法、蒸留分取法などを適宜組み合わせて行えば良い。また、その硬化体中の(メタ)アクリレートオリゴマーの種類とその含有割合を求める方法としては、例えば熱分解ガスクロマト−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わせて行って良い。
<(2)ラジカル光開始剤>
本願で記載の(2)光ラジカル開始剤としては、特に限定はないが、既に公知のラジカル光開始剤を用いて良いが、好ましくは可視光吸収で活性ラジカルを出すラジカル光開始剤を選定使用することが良い。可視光吸収で活性ラジカルを出すラジカル光開始剤を選定使用することで光照射による液晶劣化を実質的に抑制でき、好ましい。
【0044】
ラジカル光開始剤の具体的な例としては、特に制約するものではないが、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2ージメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホニルフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ビロール−1−イル)フェニル]チタニウム、1,7,7−トリメチル−2,3−ジケトンジシクロ(2,2,1−ヘプタン)等を挙げることができる。これらの1種または2種以上を組み合わせて用いて良い。特に好ましいラジカル開始剤としては、オリゴ−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホニルフェニル)−ブタン−1−オン、1,7,7−トリメチル−2,3−ジケトンジシクロ(2,2,1−ヘプタン)から選ばれた1種とすることが良い。
【0045】
その(2)ラジカル光開始剤は、本発明の液晶封止用樹脂組成物の含有量で0.1至10質量%の範囲で含有させることが肝要である。より好ましい配合割合は1乃至5質量%の範囲である。0.1質量%以上とすることにより液晶封止用樹脂組成物に実質的な光硬化性が与えられ、また10質量%以下とすることにより液晶封止用樹脂組成物の取り扱い安定性ならびにシール特性バランスを実質的に確保でき、好ましい。
【0046】
本願の未硬化状態の液晶封止用樹脂組成物中の(2)ラジカル光開始剤の種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、溶剤抽出分取法、NMRスペクトル同定法、紫外線吸収スペクトル同定法などを適宜組み合わせて行えば良い。また、その硬化体中の(2)ラジカル光開始剤の種類とその含有割合を求める方法としては、例えば熱分解ガスクロマト−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わせて行って良い。
<(3)有機過酸化物>
本願で記載の(3)有機過酸化物としては、特に限定はないが、10時間半減期温度が低くとも120℃以上であるものとすることが良く、すでに公知のものを選定使用して良い。より好ましいものにはジアルキルパーオキサイド類やヒドロパーオキサイド類から選ばれた1種とすることが良く、特に好ましくはヒドロパーオキサイド類であり主剤液に配合された際のポットライフ適性と硬化ムラの少ない硬化体を得やすい利点を持つ。
【0047】
ジアルキルパーオキサイド類の具体例としてはジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,3−ビス[(t−ブチルジオキシ)イソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[(t−ブチルジオキシ)イソプロピル]ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられる。
【0048】
また、ヒドロパーオキサイド類の具体例としてはt−ブチルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイドなどが挙げられる。 ヒドロパーオキサイド類の中でもキュメンヒドロパーオキサイドが最も好ましい例である。
【0049】
また本願の液晶封止用樹脂組成物では、前記した様に、(3)有機過酸化物がキュメンヒドロパーオキサイドであることは特に好ましい態様である。
【0050】
その(3)有機過酸化物は、本発明の液晶封止用樹脂組成物の含有量で0.01至10質量%の範囲で含有させることが肝要である。より好ましい配合割合は1乃至5質量%の範囲である。0.01質量%以上とすることにより液晶封止用樹脂組成物に実質的な熱硬化性が与えられ、また10質量%以下とすることにより液晶封止用樹脂組成物の取り扱い安定性ならびにシール特性バランスを実質的に確保でき、好ましい。
【0051】
本願の未硬化状態の液晶封止用樹脂組成物中の(3)有機過酸化物の種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、溶剤抽出分取法、NMRスペクトル同定法、高真空蒸留分取法などを適宜組み合わせて行えば良い。また、その硬化体中の(3)有機過酸化物の種類とその含有割合を求める方法としては、例えば熱分解ガスクロマト−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わせて行って良い。
【0052】
なお、本発明では前記した(3)有機過酸化物と同様、それ事体が熱分解すると活性ラジカルを発生しうる公知物質、例えば、ジスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ベンゾインならびにその誘導体、アゾ化合物などから選ばれた1種以上を本発明の作用効果を害さない範囲内で(3)の代替または(3)と併用することであっても好ましく本発明に包含されるものである。
【0053】
ジスルフィド化合物としては例えばゴム加硫剤として既に公知な物質として良く、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドに代表され、またテトラスルフィド化合物としてはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドに代表される。またベンゾイン化合物としては光開始剤分野で既に公知な物質として良く、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどに代表される。
【0054】
またアゾ化合物としては2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどに代表されるアゾニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(4−フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などに代表されるアゾアミド類、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などに代表されるアルキルアゾ化合物類、その他ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオネート]などが例示できる。
【0055】
<(4)エラストマー>
本発明に記載の(4)エラストマーとは、特に制約を加えるものではないが、捩り振子法と言われるTorsional Braid Analyzer(以下単にTBAと呼ぶ。)で求めた軟化点温度で0℃以下の軟化点温度を持つゴム成分を意味する。またその(4)エラストマーは本願の液晶封止用樹脂組成物中において分散微粒子の状態で含有させることや溶解させて含有させて良い。好ましくは分散状態で含有させることがより好ましい。またその際、分散一次粒子径としては 0.1乃至5μm、好ましくは0.2乃至2μmとする事が良い。すなわち、本願の液晶封止用樹脂組成物(B)では(4)エラストマーがいわゆる海/島構造をとることができるエラストマーを選定使用してなる組成物とすることが良い。平均粒子径が0.1μm以上とすることにより塗布作業性を保持出来、5μm以下とすることにより高い接着信頼性が得られ、好ましい。エラストマーの使用量は、液晶封止用樹脂組成物(A)中に占める含有割合で、1乃至30質量%の範囲であり、1質量%以上含有させることで本願の液晶封止用樹脂組成物(B)に実質的な靭性を付与でき好ましい。また30質量%以下とすることで本願の液晶封止用樹脂組成物(B)が高耐熱性と高接着性のバランスを確保でき、好ましい。特に好ましい含有割合は5乃至20質量%の範囲である。
【0056】
以下に(4)エラストマーの具体例を示すが、その例で本願を制約するものではない。具体的な例としては以下の液状ゴム、またはゴム状微粒子が例示される。
<液状ゴム>
その液状ゴムとしては、特に制約を加えるものではないが、例えば、イソシアナート、エポキシ、ビニル、カルボキシル、ヒドロキシ、アミノなどから選ばれた1種または2種以上の官能基を有していて良い以下の、液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー樹脂、液状ポリイソプレン、液状ポリブテン、液状ポリエチレンプロピレンゴム、液状ブチルゴム、液状ポリイソブチレン、液状クロロプレンなどに代表される。
【0057】
<ゴム状微粒子>
そのゴム状微粒子には、特に制約を加えるものではないが、粒子表面近傍にはシリル基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、過酸化物基、メタクリレート基、アクリレート基などから選ばれた少なくとも1種の反応活性基を有しいても良い以下の例示物質が好ましく挙げられる。
【0058】
例えば、アクリルゴム微粒子、シリコンゴム微粒子、共役ジエン系ゴム微粒子、オレフィン系ゴム微粒子、ポリエステル系ゴム微粒子、ウレタンゴム微粒子、複合化ゴム微粒子などが例示できる。
【0059】
これらゴム状微粒子のより好ましい具体例を以下に示す。
【0060】
<アクリルゴム微粒子>
アクリルゴム微粒子のより好ましい具体的な例としては、例えば、コア部がアクリルゴムからなるコア/シェル型エマルションを乾燥して得られる粒子を用いる方法、また、エポキシ樹脂中でアクリル系モノマーを非水分散重合させてなるゴム状微粒子分散型エポキシ樹脂組成物を用いる方法、また更にはエポキシ樹脂中でゴム状ポリマーを与えることの出来る公知の単官能(メタ)アクリレートの1種または2種以上を非水分散重合させてなるゴム状微粒子分散型エポキシ樹脂組成物を更に必要量の(メタ)アクリル酸を付加させてなるゴム状微粒子分散型エポキシ(メタ)アクリレート化組成物を用いる方法、不飽和ビニル基や(メタ)アクリレート基と反応する官能基を導入してなるアクリルゴムポリマー溶液を別個に調整後、前記(1)(メタ)アクリレート樹脂中に投入または滴下して、機械的に混合し、脱溶剤またはグラフト化させて該アクリルゴム微粒子を(メタ)アクリレート樹脂中に安定的に分散させてなる樹脂組成物を用いる方法などがある。
【0061】
<シリコンゴム微粒子>
シリコンゴム微粒子のより好ましい具体例ならびにその含有樹脂組成物例としては、例えば、粉末状のシリコンゴム微粒子を用いる方法。
【0062】
また、エポキシ樹脂に二重結合を導入してその二重結合と反応可能な片末端アクリレート基を持つシリコンマクロモノマーを反応させた後、ビニルシリコンとハイドロジェンシリコンとを仕込み分散重合させて得たシリコンゴム分散型エポキシアクリレート化樹脂組樹脂組成物とする方法。
【0063】
ゴム状ポリマーを与えることの出来る公知の単官能(メタ)アクリレートの1種または2種以上とシリコンマクロモノマーとを非水分散重合させて得られたシリコンゴム微粒子を用いる方法。
【0064】
ここで前記シリコンマクロモノマーとは、例えばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンに代表される液状シリコンオイルの片末端官能基が(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリール基などから選ばれた1種のラジカル活性基を持つ液状物質に代表される。好ましいシリコンマクロモノマーとしては官能基当量が200乃至10000の範囲、より好ましくは300乃至5000にある物とすることが良い。またそのシリコンマクロモノマーで不活性な直鎖状ポリシロキサン及びまたは環状ポリシロキサンの存在割合が高くとも5質量%以下と限りなくゼロまで高純度化させてなる物質とすることがより好ましい。
【0065】
<共役ジエン系ゴム微粒子>
共役ジエン系ゴム微粒子のより好ましい具体的な例としては、例えば、1,3−ブタジエン、1、3−ペンタジエン、イソプレン、1、3−ヘキサジエン、クロロプレン等のモノマーを重合または共重合して得られた共役ジエンゴム状微粒子が例示でき、すでに公知の物で良く、特に制約はない。市販品をそのまま使用することもできる。より具体的な共役ジエンゴムの例としては、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、末端にカルボキシル基を有するブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、末端にアミノ基を有するブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体等がある。
【0066】
<オレフィン系ゴム微粒子>
オレフィン系ゴム微粒子の具体的な例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン等の単独非晶質重合体または共重合可能な他のモノマーとの共重合体やターポリマーからなる微粒子またはその組成物が例示できる。オレフィンゴムラテックス等の形で市販されている物を入手し、(メタ)アクリレート樹脂中で脱水処理し、オレフィンゴムを(メタ)アクリレート樹脂中に分散安定化させてなる樹脂組成物などが例示できる。
【0067】
<ポリエステル系ゴム微粒子>
ポリエステル系ゴム微粒子とは、ポリマー骨格にポリエステル結合が含有されているゴム状ポリマーからなる微粒子であり、特に制約はない。具体的なポリエステル系ゴム微粒子の例を挙げれば、例えば、液状ポリシロキサンジオール、液状ポリオレフィンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等から選ばれた少なくとも1種のジオール成分と、必要に応じてトリオール以上の多価アルコール化合物の共存下に、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸等から選ばれた少なくとも1種の2塩基酸とから誘導された低軟化点ポリエステル微粒子、また、前記2塩基酸の代わりに酸無水物を用いた低軟化点ポリエステル微粒子、または、ヒドロキシ多価カルボン酸等から誘導させた低軟化点ポリエステル微粒子が例示できる。
【0068】
<ウレタンゴム微粒子>
ウレタンゴム微粒子とは、ゴム状ポリマー骨格にウレタン結合及び/または尿素結合が含有されているゴム状ポリマーからなる微粒子であり、特に制約はない。具体的なウレタンゴム微粒子の例を挙げれば、液状ポリシロキサンジオール、液状ポリオレフィンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等から選ばれた少なくとも1種からなるジオール成分と、必要に応じてトリオール以上の多価アルコール化合物の共存下に、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナート等で代表されるジイソシアナート化合物とを作用させて得られるポリウレタンゴム微粒子が挙げられる。
【0069】
また更には、例えば、液状ポリシロキサンジアミン、液状ポリオレフィンジアミン、ポリプロピレングリコールジアミン等から選ばれた少なくとも1種の長鎖ジアミン成分と、必要に応じてトリアミン以上の多価アミン化合物の共存下に、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナート等で代表されるすでに公知のジイソシアナート化合物とを作用させて得られるポリウレタンゴム微粒子が挙げられる。
【0070】
更には、例えば、液状ポリシロキサンジアミン、液状ポリオレフィンジアミン、ポリプロピレングリコールジアミン等から選ばれた少なくとも1種の長鎖ジアミン成分と、必要に応じてトリアミン以上の多価アミン化合物の共存下に、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナート等で代表されるすでに公知のジイソシアナート化合物とを作用させて得られるゴム状微粒子物質を例示できる。
【0071】
<複合化ゴム微粒子>
複合化ゴム微粒子としては、例えば前記したアクリル系、シリコン系、共役ジエン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系の2種以上からなるグラフトポリマー及び/またはブロックポリマーまたはコアシェルポリマー、複層ポリマー等からなる微粒子が例示できる。
【0072】
本発明の液晶封止用樹脂組成物(B)では、(4)エラストマーが該組成物中または該硬化体中のいずれかに粒子としての形状を保持するものが好ましいとしたが、粒子として存在しうるか否かを事前に判別する方法としては、特に制約はないが、例えば濁りの全くない(1)(メタ)アクリレートとゴム状微粒子との混合物を作り同組成物を光学顕微鏡で観察しゴム状微粒子の存在を確認する方法、または不活性ガス雰囲気下で紫外線または可視光を照射させて得た硬化体の微小切断面を、オスミウム酸染色増感して走査型電子顕微鏡(TEM)観察する方法、または、透過型電子顕微鏡(SEM)観察する方法、硬化体のミクロ層を顕微IR測定して判別する方法等が、適宜採用できる。
【0073】
また、本発明の液晶封止用樹脂組成物(B)中に(4)エラストマーの種類とその量ならびに粒子径を把握する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、その硬化体を調整または採取し、その破断切片についてオスミウム酸染色増感してTEM観察またはSEM観察する方法、また、SEM観察と平行して元素分布解析像と得て同定ならびに定量する方法、または、硬化体表面を公知の方法で選択性を持たせてエッチィング後にTEM観察またはSEM観察する方法、ミクロ層を顕微赤外吸収スペクトル(顕微IR)測定して判別する方法、ミクロ層を熱線照射し分解発生してくるガス種成分を同定して判別する方法、ミクロ層の体積比容から換算して質量比を求める方法など、適宜組み合わせて行って良い。
【0074】
<(5)充填剤>
本願の液晶封止用樹脂組成物(c)に用いられる(5)充填剤には、通常電子材料分野で充填剤として使用可能なのものであれば無機質であっても有機質であってもいずれでもよい。特に制約するものではないが、無機質充填剤の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等が挙げられる。
【0075】
好ましい無機質充填剤は、高純度シリカ及び/または高純度アルミナまたは酸化チタンである。
【0076】
より好ましくは、湿式分解物の原子吸光分析法で求めたアルカリ金属の含有量の総和量が50ppm以下、より好ましくは30ppm以下、特に好ましくは15ppm以下の高純度シリカ及び/または高純度アルミナまたは酸化チタンとする事が良い。そうする事で本願の液晶封止用樹脂組成物硬化体が液晶に接触した時、液晶相への遊離イオンの移行を抑止できる。アルカリ金属の含有量の総和量を50ppm以下とする為の精製方法には、特に制約はなく、例えば、製造原料の段階で水溶液化し、イオン交換法精製法等の製造精製方法で得ることができる。
【0077】
また、無機質充填剤は、632.8nm波長のレーザー法粒子径測定器により求めた重量加積曲線上の99重量%粒子径値(d99)が5μm以下にあるものが好ましく、また質量加積曲線上の50重量%値で示される重量平均粒子径値(d50)が0.005乃至1μmの範囲であるものがより好ましい。
【0078】
一般的には、(d99)が5μm以下である無機質充填剤を用いると、液晶パネルのギャップ幅の寸法安定性が一層向上し好ましい。
【0079】
また、有機質充填剤の具体的な例としては、ポリメチルメタクリレート等に代表される硬質アクリル樹脂パウダー、硬質ウレタンパウダー、硬質ポリエステルパウダー、硬質エポキシ樹脂パウダー、硬質フェノール樹脂パウダー等から選ばれた1種または2種以上として良い。
【0080】
また、本願では(5)充填剤として、前記無機質充填剤ならびに有機質充填剤から選ばれた1種または2種以上として良い。
【0081】
(5)充填剤の含有割合は液晶封止用樹脂組成物(C)中の含有質量比で0.1乃至30質量%の範囲とすることが好ましい。0.1質量%以上とすることでスクリーン印刷またはディスペンサー塗布作業性を向上でき、また、30質量%以下とすることで組成物の流動性を確保でき、スクリーン印刷時のカスレ又はディスペンサー詰まりを多発することなく塗布作業ができ好ましい。特に5乃至30質量%の範囲が好ましい。
【0082】
また、(5)充填剤が無機質充填剤である場合、特に制約するものではないが、事前に後述する(7)シランカップリング剤でグラフト化変性させてのち使用することが好ましい。
【0083】
グラフト化変性は、無機充填剤の一部または全部に対してグラフト化変性されていてよい。その際、グラフト化率は、繰り返し溶剤洗浄法で求めた質量増加率で表され、通常無機質充填剤の100質量%当たりシランカップリング剤の1乃至20質量%が化学的に結合されていることが好ましい。
【0084】
本発明の液晶封止用樹脂組成物中の充填剤の種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば濾過分取法、X線回析スペクトル法、元素分析法、加熱焼却残渣法、湿式熱分解−原子吸光法、電子顕微鏡観察像解析法等を適宜組み合わせて行って良く、特に限定はない。
【0085】
<(6)ギャップ出し付与剤>
(6)ギャップ出し付与剤は、液晶表示素子のギャップ幅を3乃至7μmの幅で任意かつ正確に調節することができる物質の事であり、このようなものであれば有機質または無機質のいずれでも使用することができる。
【0086】
その(6)ギャップ出し付与剤は、必要に応じて、本発明の液晶封止用樹脂組成物(C)中に0.1乃至30質量%の割合で適宜含有させることが好ましい。より好ましく配合量は0.5乃至2.5質量%の範囲である。
【0087】
液晶封止用樹脂組成物中の(6)ギャップ出し付与剤の含有割合を求める方法としては、特に限定はなく、例えばSEM像画像解析法、同TEM像画像解析法、分級濾別法、熱分解ガスクロマト法、加熱残渣−蛍光X線回析法、元素分析法等が挙げられ、適宜組み合わせて行って良い。
【0088】
有機質のギャップ出し付与剤としては例えば、(1)液状(メタ)アクリレートによって変形や溶解、膨潤されない真球状、ラグビーボール状粒子、棒状繊維等の上下左右対象の無機質粒子または熱硬化性のポリマー粒子が挙げられる。
【0089】
一方、無機質のギャップ出し付与剤の例としては、真球シリカ粒子、真球アルミナ粒子、ガラス短繊維、金属短繊維、金属粉等が挙げられる。
【0090】
また、有機質のギャップ出し付与剤としては、熱硬化性のポリスチレン真球状粒子や、その他、フェノール樹脂系熱硬化粒子、ベンゾグアナミン樹脂系熱硬化粒子等がより好ましい具体例として挙げられる。
【0091】
無機質のギャップ出し付与剤はギャップ精度を高精度で制御可能であるので特に好ましい態様例である。
【0092】
<(7)シランカップリング剤>
本願の液晶封止用樹脂組成物(D)中に使用される(f)シランカップリング剤には、特に限定はなく、既に公知の物質として良い。その好ましい含有割合は、前記した無機質充填剤表面処理(グラフト)分を除き、0.1乃至3質量%である。0.1質量%以上の使用でガラス基板に対する接着性が確保でき、また、3質量%以上を超えて使用してもそれ以上顕著な作用効果を引き出せない。好ましくは0.5乃至3質量%である。
【0093】
(7)シランカップリング剤の具体例としては、例えばトリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物等を挙げることができる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。なかでも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランから選ばれた1種または2種以上がより好ましい。
【0094】
本願の未硬化状態の液晶封止用樹脂組成物(D)中のシランカップリング剤の種類とその含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、溶剤抽出分取法、NMRスペクトル同定法、ガスクロマト法、蒸留分取法などを適宜組み合わせて行えば良い。また、その硬化体中のシランカップリング剤の種類とその含有割合を求める方法としては、例えば分解ガスクロ−マススペクトル法、固体NMR法等を適宜組み合わせて行って良い。
【0095】
<(8)ワッツクス>
本願の液晶封止用樹脂組成物(E)中には、既に公知の(8)ワックスが含有される。そのワックスの使用割合としては、液晶封止用樹脂組成物(E)中に0.1乃至3質量%含有させる。0.1質量%以上、3質量%以下とする事で、該シール剤組成物の接着性を保持した上で、同時に空乾性の性質を促進でき好ましい。空乾性とは酸素硬化妨害抑止の結果得られる空気接触シール面の表面硬化性が高い事の意味である。
【0096】
本願の液晶封止用樹脂組成物中のワックスの含有割合を求める方法としては、特に制約するものではないが、例えば、熱分解ガスクロマト法、固体核磁気共鳴スペクトル法、炭化水素溶剤抽出−分別定量等が挙げられる。
【0097】
本願記載の(8)ワックスとしては、特に限定はなく、いずれのワックスでも使用することができる。例えば、動物系天然ワックス、植物系天然ワックス、鉱物系天然ワックス、石油系ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、水素化ワックス等が挙げられる。
【0098】
このなかでも、融点が30℃以上150℃以下のワックスが好ましく、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックスがより好ましい。
【0099】
またワックスを含有させてなる本願の液晶封止用樹脂組成物では、硬化前の状態に於いて、ワックスは分散状態及びまたは溶解させた状態で存在させて良く、特に制約はない。
【0100】
以下に(8)ワックスのより具体的な例を示す。
【0101】
(動物系天然ワックス)
例えば、蜜ロウ、鯨ロウ、セラックロウ等が挙げられる。
【0102】
(植物系天然ワックス)
例えば、カルナバワックス、オリキュリーワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ケーンワックス等が挙げられる。
【0103】
(鉱物系天然ワックス)
例えば、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。
【0104】
(石油系ワックス)
例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0105】
(合成炭化水素系ワックス)
例えば、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリエチレンワックス及びその誘導体、ポリプロピレンワックス及びその誘導体等が挙げられる。
【0106】
(変性ワックス)
例えば、酸化ワックス、モンタンワックス、酸変性ワックス等が挙げられる。
【0107】
(水素化ワックス)
例えば、ステアリン酸アミドワックス等のアミドワックス、ポリエステルワックス、オパールワックス等が挙げられる。
【0108】
特に最も好ましいワックスとしてはパラフィンワックスまたはカルナバワックスである。
【0109】
<(9)ラジカル重合禁止剤>
本発明の液晶封止用樹脂組成物には、必要に応じて、既に公知の(9)ラジカル重合禁止剤を適宜併用させて良い。特に制約するものではないが、具体例としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、エチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハイドロキノンエチルエーテル、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、カテコール、t−ブチルカテコールなどに代表される多価フェノール化合物や、フェノチアジンや、トリフェニルホスフェート、ジフェニルイソデシルホスフェートに代表されるリン系化合物等が挙げられる。
【0110】
その(9)ラジカル重合禁止剤は、本発明記載の液晶封止用樹脂組成物中に0.001乃至1質量%の割合で含有させることが好ましい。より好ましく配合量は0.01乃至0.1質量%の範囲である。前記範囲内で含有させることで液晶封止用樹脂組成物の貯蔵時の粘度安定性と光照射時のラジカル硬化性を両立でき好ましい。
【0111】
<(10)遷移金属不活剤>
本発明の液晶封止用樹脂組成物には、必要に応じて、既に公知の(10)遷移金属不活剤を適宜併用させて良い。特に制約するものではないが、具体例としては、N,N‘−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどで代表されるヒドロキシフェニルプロピオニルヒドラジン化合物、アセチルアセトン等が例示できる。
【0112】
また本願の液晶封止用樹脂組成物では、必要に応じて更に(11)導電性ビース、などを本発明の作用効果を著しく損わない範囲で適宜併用して良い。
【0113】
その導電性ビーズとしては、特に制約するものではないが、例えば平均粒子径が3乃至10μmでかつ最大粒子径が10μm以下で最小粒子径が0.1μm以上の導電性ビーズとする事が好ましい。本願の液晶封止用樹脂組成物100質量%に対して1乃至15質量%の割合で含有させる事ことが好ましく、そうすることで異方導電性の機能を付与でき好ましい。1質量%以上の使用で上下導通性機能を付与でき好ましい。また、15質量%未満とすることで両横(左右)電極間の絶縁特性の確保が向上することから好ましい。より好ましくは2乃至10質量%の範囲である。
また導電性ビーズ種としては、特に制約するものではないが、以下に具体的な例を示す。
例えば、貴金属粒子、貴金属合金粒子、卑金属粒子、卑金属合金粒子、その他金属被覆型有機物粒子や金属被覆型絶縁性無機粒子などであって良い。
(貴金属)
例えば金、銀、白金等が例示できる。
(貴金属合金)
例えば、銀銅合金、金銅合金、金銀合金、白金銀合金、金白金合金、金ニッケル合金、銀ニッケル合金等を例示できる。
(卑金属)
例えば、銅、ニッケル、錫、タングステン等を例示できる。
(卑金属合金)
例えば、銅−ニッケル合金、銅−錫合金、ハンダ等を例示できる。
(金属被覆型有機物粒子)
例えば、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチルで代表される有機ポリマー粒子に前記導電性金属皮膜を形成させてなるものが代表的な例である。市販品として積水ファインケミカル社より商品名「ミクロパールAUシリーズ」が知られ好ましく本発明に使用できる。
【0114】
(金属被覆型絶縁性無機粒子)
例えば、雲母やガラスビーズで代表される高絶縁性の無機質粒子に前記導電性金属皮膜を形成させてなるものが代表的な例である。
前記導電性ビーズとしては、その一次分散安定性が確保しやすい点で、金属被覆型有機物粒子を本発明記載のラジカル硬化性2液主剤型シール剤組成物組成物中に占める割合で1乃至7体積%含有される態様例が特に好ましい。特に、本発明記載のラジカル硬化性2液主剤型シール剤組成物では、(k)導電性ビーズが有機ポリマーを芯に持ち、金、銀、金銅合金、銀銅合金、ニッケルまたはそれらの合金等から選ばれた少なくとも1種の金属被覆相からなっている事が最も好ましい。
【0115】
その導電性ビーズの平均粒子径は、前記した範囲とする事が良く、平均粒子径が1μm以下のものの使用では、電極間に導電性粒子が残っても良好な上下導通特性を引き出しづらいからであり、また一方、平均粒子径または最大粒子径が10μmを超えたものを使用すると、ショート原因となりやすいからである。
【0116】
次に、本願の液晶表示セル製造方法では、本願の液晶封止用樹脂組成物を用い、 また、本発明の液晶表示セル製造方法では、用いられる液晶セル用基板としてはプラスチック基板及びまたはガラス基板を対象としてよく、特に制約するものではないが、プラスチック基板種としては、例えば、ポリエステル製、ポリアリレート製、ポリカーボネート製、ポリエーテルスルフォン製等が好ましく例示される。前記した基板群では、当然の事として、酸化インジウムで代表される透明電極やポリイミド等で代表される配向膜や、その他必要に応じて更にカラーコート膜やオーバーコートや膜薄膜トランジスター(TFT)やその他無機質イオン遮蔽膜等が必要部に施工されてなるいわゆる液晶セル構成用基板が好ましく用いられ、基板上の構成種で本願の液晶表示セル製造方法が何ら制約されることはない。
【0117】
<液晶表示セル製造方法>
本発明の液晶表示セル製造方法とは、相対する対基板の内、どちらか一方のガラス製及び又はプラスチック製の液晶表示セル用基板の接合シール構成部位に、請求項1乃至請求項12にいずれか記載の液晶封止樹脂組成物を枠状に塗布後、更に液晶表示セル構成に必要な質量の液晶を張り合わせ前の液晶表示セル構成基板の一方のシール枠内の任意な場所に滴下し、非加熱下にかつ高真空下で2枚の対向する基板同士を貼り合わせて後、0.2乃至7μmの範囲で均質なセルギャップとなる様に圧着し、その後、外から紫外線または可視光を照射させて液晶封止用樹脂組成物を硬化させる工程を経た後、130℃未満の加熱養生硬化工程または液晶均一再配向工程を経て液晶表示セルを製造する事を特徴とする液晶表示セル製造方法である。
【0118】
また、本発明の液晶表示セル製造方法では、用いられる液晶セル用基板としてはプラスチック基板及び/またはガラス基板を対象としてよく、特に制約するものではないが、プラスチック基板種としては、例えば、ポリエステル製、ポリアリレート製、ポリカーボネート製、ポリエーテルスルフォン製等が好ましく例示される。前記した基板群では、当然の事として、酸化インジウム膜や酸化錫−酸化インジウム複合膜で代表される透明電極やポリイミド等で代表される配向膜や、その他必要に応じて更にカラーコート膜やオーバーコートや膜薄膜トランジスター(TFT)やその他無機質イオン遮蔽膜等が必要部に施工されてなるいわゆる液晶セル構成用基板が好ましく用いられ、基板上の構成種で本願の液晶表示セル製造方法が何ら制約されることはない。
【0119】
また本願の液晶表示セル製造方法では、用いられる液晶材料の種類によってなんら制約を受けない。すなわち用いることのできる液晶種としてはすでに公知の材料を液晶表示素子の目的に照らして任意に選定使用してよく、あえて例示するとすればネマチック液晶や強誘電液晶等が好ましい例としてあげられる。
【0120】
また、本発明の液晶表示セル製造方法では、対向する2枚のガラス製及び又はプラスチック製の液晶表示セル用基板を用いて実施するが、その対象対基板に関わる前処理工程によって本発明は何ら制約を受けない。
【0121】
また本発明の液晶表示セル製造方法では、液晶表示セル構成に必要な質量の液晶を張り合わせ前の液晶表示セル構成基板の一方のシール枠内の任意な場所に滴下して実施するが、1セル当たりの滴下液晶質量の目安は、特に限定するものではないが、得ようとするセル化液晶封入体積の計算理論量を100とすると95乃至110の範囲、より好ましくは97乃至105の範囲、最も好ましくは99乃至102の範囲とする事がよい。またシール枠内に滴下する位置等には何ら制約はなく、滴下は1滴としても2滴以上の複数滴としてもよい。表示パネルの大きさと液晶自体の粘性などに応じて滴下個数や滴下位置を任意に設定すればよく、特に限定はない。
【0122】
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子とは、前記した本願の液晶表示セル製造方法を経て得られる液晶表示素子を意味する。その際、前記したセル製造工程に関わる前後の工程の種類や方法によって制約されるものではない。液晶材料にも制約はない。
【0123】
本発明の好ましい液晶表示素子としては、例えば、エム シャツト(M Schadt)とダブリユ ヘルフリッヒ(W Helfrich)らが提唱したTN型(Twisted Nematic)の液晶素子あるいはSTN型( Super Twisted Nematic )の液晶素子、または、クラーク(N A Clark)とラガウェル(S T Lagerwall)により提唱された強誘電型液晶素子、また薄膜トランジスター(TFT)を各画素に設けた液晶表示素子等が好ましい例として挙げられる。
【0124】
【実施例】
以下、代表的な実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、これに限定されたものではない。例中記載の%、部とはそれぞれ質量%、質量部を意味する。
実施例、比較例で行った評価試験の方法を示す。
【0125】
(塗付作業性試験)
氷点下以下のポリエチレン製10mL容量型デスペンサー容器に試験液として各5mlが密封保存された液晶非汚染性が確保されてなる各例の液晶封止用樹脂組成物をそれぞれ取り出し、2時間かけて室温25℃に戻した。25℃になった液を用いて塗布線速度として毎秒50mmでガラス基板に300mmの連続線を5本引き、その塗布形状から塗布適性を判定した。
○:シール切れやにじみ出しが無く良好
△:シール切れは無いがにじみ出しがわずかに見られる。
×:糸引きが発生していることから塗布適性が問題。
(各主剤液組成物の20℃E型粘度特性)
各例の液晶封止用樹脂組成物のE型粘度計によるローター回転0.5rpm時の25℃粘度を読み取る。また更にその5rpm粘度との比からチクソ指数を求めた。なお、測定結果は以下の様に示すこととした。。
×(−):25℃粘度が100Pa・s未満の場合であり、フロー性が高すぎ、凝集力が欠ける。
×(+):25℃粘度が1000Pa・s以上の場合であり、圧着シール時に凝集力が強すぎてギュップ出し不良な粘度。
○(−):25℃粘度が100以上、200Pa・s未満の範囲
○(+):25℃粘度が501以上、1000Pa・s未満の範囲
◎:25℃粘度が201以上、500Pa・s未満の範囲
【0126】
(硬化体の熱変形温度)
各例の液晶封止用樹脂組成物を平滑な離型フィルム上に厚さ100μm厚みで塗布し、不活性ガス雰囲気下に405nm波長の可視光線を積算照射エメルギーとして3000mj照射後、更に窒素雰囲気下で120℃で2時間熱養生させた。そうして得られた硬化膜の小片(15mm×4mm)を切り出し、該硬化体を−30℃から150℃まで毎分5℃の昇温下にTMA(Thermomechanical analysis)測定した。歪み量変曲点をその硬化体の熱変形温度(Tg)とした。
【0127】
(液晶非汚染性試験−1)
未硬化の液晶封止用樹脂組成物が与える液晶への影響度を検証する目的で、液晶比抵抗値変化を測定。各例の液晶封止用樹脂組成物を、液晶との質量比で1:10で褐色瓶中に封入し、2時間室温下で接触放置させて後、得られた液晶層液の比抵抗値を測定し、汚染前の液晶比抵抗値に対する変化率を測定。
×(−):比抵抗変化率が10倍以上ある場合
×(+):比抵抗変化率が0.1倍以上ある場合
△:比抵抗変化が2乃至10倍未満または0.75倍以上0.1倍未満である場合
○:比抵抗変化が2倍未満または0.75倍未満である場合
(液晶非汚染性試験−2)
硬化物の液晶封止用樹脂組成物が与える液晶への影響度を検証する目的で、液晶比抵抗値変化を測定。各例の液晶封止用樹脂組成物を10ml容量のガラス容器に0.5g採取し、不活性ガス雰囲気下に405nm波長の可視光線を積算照射エメルギーとして3000mj照射させた後、更に窒素雰囲気下に密封後、120℃で2時間熱養生させた。その後、液晶との質量比で1:10となる様に液晶を追添加し硬化体と液晶を接触させた。その状態で80℃で24時間さらし、室温下に冷却後、液晶層液を採取してその比抵抗値を測定。なお、汚染基準となるブランク(空試験)として液晶単品で、80℃で24時間いじめ試験を実施し、その液晶比抵抗値を100とした際の、前記各例の液晶封止用樹脂組成物硬化体が与える液晶比抵抗値の変化率を算出した。なお、その変化率の算出式は以下の通りである。
【0128】
比抵抗変化率=(硬化体と液晶を接触後の比抵抗値)/(空試験で得た比抵抗値)
×(−):比抵抗変化率が10倍以上ある場合
×(+):比抵抗変化率が0.1倍以上ある場合
△:比抵抗変化が2乃至10倍未満または0.75倍以上0.1倍未満である場合
○:比抵抗変化が2倍未満または0.75倍未満である場合
(シールパスの発生有無ならびに非染み出し性試験)
各例に示された条件下のセル化工程を経て製造された各例のガラス製液晶表示セルに対し、シールパスの発生の有無を拡大鏡にて実施後、更にフロント側とリヤ側の両方に偏向板を貼り付け、リヤ側から白色光を当てて液晶表示セル内のシール剤近傍の色相を観察し、シール剤の非滲み出し性の評価判定を行った。
◎:シールパスの発生はなく、表示ムラの発生が100μm以内に見られない。○:シールパスの発生はないが、表示ムラがセル周辺部のシール際からの距離で500μm以内に僅かに見られる
×:シールパスがある。または、シールパスはないが表示ムラがシール際500μm以上に及び著しく表示機能の低下が発生している。
【0129】
(シール機能耐久性試験)
非染み出し性試験と同様にして得たガラス製液晶表示セルを、65℃/RH95%の雰囲気下に500時間、同1,000時間それぞれ放置後に取り出し、フロント側とリヤ側の両方に偏向板を貼り付け、リヤ側から白色光を当てて液晶表示セル内のシール剤近傍の色相を観察し、シール剤の非滲み出し性の評価判定を行った。
◎:表示ムラの発生が200μm以内に見られない
○:表示ムラがセル周辺部のシール際からの距離で500μm以内に僅かに見られる
×:表示ムラがシール際500μm以上に及び著しく表示機能の低下が発生している
また、例中用いた原材料種(略記号)は以下の通りである。
【0130】
[使用原材料等]
ラジカル重合性単官能モノマーとして、試薬(特級)である、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを用意した。
また活性シリル基変性アルキル基含有ラジカル重合性単官能モノマーとしては、ケイ素原子含有量で7.65%含有してなるイソシアナートエチルメタクリレート1モルとγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの1モルとの反応附加物(M2)を用意した。
また液状(メタ)アクリレートオリゴマーとしては下記の合成例1乃至合成例5、比較合成例1をそれぞれ調整した。
【0131】
[合成例1]
活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の合成
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコを用意しビスフエノールA型エポキシ樹脂:エピクロンEXA850CRP〔大日本インキ化学工業(株)製〕を200g、メタクリル酸:96g、トリエタノールアミン:0.2g、メチルハイドロキノン0.1g、トルエン1000gを混合し、乾燥空気をバブリング下に、110℃で22時間加熱攪拌してのち、室温まで冷却した後に,該系中にごく少量存在する未反応メタクリル酸のモル数に相当する0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去した。更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を20回繰り返し実施後に、80℃の加温下高真空下に脱溶剤を完了させてビスフェノールA型エポキシメタクリレートを得た。
【0132】
そのビスフェノールA型エポキシメタクリレートは分子内にヒドロキシル基を有しており、その98部に対し、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの2部の割合で、窒素雰囲気下に80℃で2時間反応させて、活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)を調整した。なお、該生成物は赤外吸収スペクトル解析の結果、イソシアナート基に固有の2300cm-1の赤外線吸収スペクトルが完全に消失している事が認められ、その結果から、ビスフェノールA型エポキシメタクリレートオリゴマーの分子内にシリル基変性アルキル基が導入されていることが判明した。また該(メタ)アクリレートオリゴマー中の活性シリル基変性アルキル基含有量としては、ケイ素原子の含有質量%で表わし、元素分析定量法で求めた値は0.2質量%と判明し、仕込み組成から算出される値(0.22質量%)とほぼ一致した。
【0133】
また得られた活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の比抵抗値は6.1×108Ω・cmであった.
【0134】
[合成例2]
ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート樹脂組成物(O−2)の合成
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000mlの四つ口フラスコ中に、2官能性エポキシ樹脂としてエピクロン830Sの500gとアデカEP4000Sの100g、メタクリル酸10g、トリエタノールアミン1g、トルエン50gを加え、空気を導入しながら120℃で1時間反応させ二重結合を導入した。次にブチルアクリレート350g、グリシジルメタクリレート20g、ジビニルベンゼン1g、アゾビスジメチルバレロニトリル1g、及びアゾビスイソブチロニトリル2gを加え反応系内に窒素を導入しながら70℃で3時間反応させ更に90℃で1時間反応させ、0.5μmの微架橋型アクリルゴム微粒子が均一に分散したゴム状微粒子含有可撓性エポキシ樹脂組成物(E−1)を得た。ゴム粒子の含有率は仕込み比から38質量%である。
【0135】
次いでその(E−1)の500部を別の攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000mlの四つ口フラスコ中に取り、事前にフェノチアジン0.5%含有させてなるメタクリル酸121gを追添加し、空気を導入しながら120℃で18時間付加反応を行った後、室温まで冷却した後に,該系中にごく少量存在する未反応メタクリル酸のモル数に相当する0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去した。更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を15回繰り返し実施後に、80℃の加温下高真空下に脱溶剤を完了させて0.5μmの微架橋型アクリルゴム微粒子が均一に分散したエポキシメタクリレート樹脂組成物(O−2)を得た。なおゴム分散粒子径は、該組成物の一部を光硬化触媒の存在化に低温で速硬化させ、その硬化物の破断面モルフォロジーを電子顕微鏡で観察して分散ゴム粒子径を測定する方法で測定した。仕込みモノマー量と残存モノマーとから算出される微架橋型メタクリルゴム微粒子含有量は29.5質量%と判明した。
【0136】
また、前記エポキシメタクリレート樹脂組成物硬化体をTBAにかけて求めた微架橋型アクリルゴム微粒子の軟化点温度は−42℃を示した。得られた変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−2)の比抵抗値は8.4×107Ω・cmであった.
【0137】
[合成例3]
活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート樹脂組成物(O−3)の合成
前記の合成例2で得たゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート樹脂組成物(O−2)の95部に対し、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの5部の割合で、窒素雰囲気下に80℃で2時間反応させて、活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−3)[メタクリルゴム微粒子含有量は28.0質量%]を得た。なお、該生成物は赤外吸収スペクトル解析の結果、イソシアナート基に固有の2300cm-1の赤外線吸収スペクトルが完全に消失している事が認められ、その結果から、変性エポキシメタクリレートオリゴマーの分子内にシリル基変性アルキル基が導入されていることが判明した。また該(メタ)アクリレートオリゴマー中の活性シリル基変性アルキル基含有量としては、ケイ素原子の含有質量%で表わし、元素分析定量定量法で求めた値は0.5質量%であり、仕込み組成から算出した値(0.54質量%)とほぼ一致した結果であった。
【0138】
また得られた活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−3)の比抵抗値は7.9×107Ω・cmであった。
【0139】
[合成例4]
活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有可撓性エポキシメタクリレート樹脂組成物(O−4)の合成
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000mlの四つ口フラスコ中に、2官能性可撓性エポキシ樹脂としてアデカEP4023Sの1000g、メタクリル酸9.4g、トリエタノールアミン0.4g、トルエン100gを加え、空気を導入しながら120℃で1時間反応させ二重結合を導入した。次に2−エチルヘキシルアクリレート520g、グリシジルメタクリレート12g、ジビニルベンゼン4g、アゾビスジメチルバレロニトリル2g、及びアゾビスイソブチロニトリル2gを加え反応系内に窒素を導入しながら70℃で3時間反応させ更に90℃で1時間反応させて0.8μmの微架橋型アクリルゴム微粒子(h1)が均一に分散したゴム状微粒子含有可撓性エポキシ樹脂組成物(p1−2)を得た。ゴム粒子の含有率はモノマー仕込み比より34.8質量%である。
次いでその(P1−2)の825部を別の攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた2000mlの四つ口フラスコ中に取り、事前にハイドロキノン1000ppmを含有させてなるメタクリル酸63.5gを追添加し空気を導入しながら120℃で15時間付加反応を行った後、室温まで冷却後、該反応生成物系内に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を50回繰り返し実施後に、80℃の加温下高真空下に脱溶剤を完了させて同温度下で減圧下に脱トルエンを行い0.8μmの微架橋型アクリルゴム微粒子(h1)が均一に分散した可撓性エポキシメタアクリレート樹脂組成物(E−4)を得た。なおゴム分散粒子径は、該組成物の一部を光硬化触媒の存在化に低温で速硬化させ、その硬化物の破断面モルフォロジーを電子顕微鏡で観察して分散ゴム粒子径を測定する方法で測定した。仕込みモノマー量と残存モノマーとから算出される微架橋型メタクリルゴム微粒子含有量は32.2質量%と判明した。
【0140】
また、前記エポキシメタアクリレート樹脂組成物硬化体をTBAにかけて求めた微架橋型アクリルゴム微粒子の軟化点温度は−51℃を示した。
【0141】
ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート樹脂組成物(E−4)の95部に対し、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの5部の割合で、窒素雰囲気下に80℃で2時間反応させて、活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−4)[メタクリルゴム微粒子含有量は30.6質量%]を調整した。なお、該生成物は赤外吸収スペクトル解析の結果、イソシアナート基に固有の2300cm-1の赤外線吸収スペクトルが完全に消失している事が認められ、その結果から、変性エポキシメタクリレートオリゴマーの分子内にシリル基変性アルキル基が導入されていることが判明した。また該(メタ)アクリレートオリゴマー中の活性シリル基変性アルキル基含有量としては、ケイ素原子の含有質量%で表わし、0.5質量%であった。
【0142】
また得られた活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−4)の比抵抗値は2.2×108Ω・cmであった。
【0143】
[合成例5]
高純度化ビスF型エポキシメタクリレート(O−5)の合成
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコを用意しビスフエノールF型エポキシ樹脂:エピクロンEP−830S〔大日本インキ化学工業(株)製〕を200g、メタクリル酸:108g、トリエタノールアミン:0.5g、メチルハイドロキノン0.3g、トルエン1000gを混合し、乾燥空気をバブリング下に、125℃で12時間加熱攪拌してのち、室温まで冷却した後に,該系中にごく少量存在する未反応メタクリル酸のモル数に相当する0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去した。更に超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を20回繰り返し実施後に、80℃の加温下高真空下に脱溶剤を完了させて高純度化ビスF型エポキシメタクリレート(O−5)を得た。
【0144】
また得られた高純度化ビスF型エポキシメタクリレート(O−5)の比抵抗値は7.3×108Ω・cmであった.
【0145】
[比較合成例1]
エポキシメタクリレートオノゴマー(O−6)の合成例
攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコを用意し、ビスフエノールF型エポキシ樹脂:エピクロンEP830〔大日本インキ化学工業(株)製〕を200g、メタクリル酸:108g、トリエタノールアミン:0.5g、メチルハイドロキノンの0.3gとトルエン100gを混合し、乾燥空気をバブリング下に、125℃で12時間加熱攪拌してのち、室温まで冷却し、該反応生成物系内にトルエン900gと超純水100gを添加し、10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を3回繰り返し実施後に、80℃の加温下高真空下に脱溶剤を完了させて平均1分子中にメタクリレート基が平均1.98ケ導入されてなるエポキシメタクリレートを得た。
その結果、得られたエポキシメタクリレートオリゴマー(O−6)の比抵抗値は1.9×102Ω・cmであり電気絶縁特性にやや欠ける樹脂組成物であった。
【0146】
<その他の(メタ)アクリレートオリゴマー>
また更に多の(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ビスフェノールAの1モルに対してプロピレンオキサイド(PO)の6モルを付加変性物とメチルメタクリレート(重合禁止剤としてメチルヒドロキノンを1000ppm含有する)とをエステル化交換反応させて誘導された変性ビスフェノールA型ジメタクリレートを購入し、その3乃至4倍希釈キシレン溶液500gを作成し、その希薄溶液を前記合成例1に記載したと同様な精製方法(超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を20回繰り返す精製法)で処理後、最終的に真空脱溶剤して高純度化してなるPO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートを用意した。なお、該高純度化してなるPO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの比抵抗は6.1×108Ω・cmであった。
【0147】
また、同様に、トリメチロールプロパントリアクリレート(重合禁止剤としてヒドロキノンメチルエーテルを1000ppm含有する)を購入し、その3乃至4倍希釈キシレン溶液500gを作成し、その希薄溶液を前記合成例1に記載したと同様な精製方法(超純水100gを添加し10分混合してのち静置させて2層分離させ下層水を除去する操作を20回繰り返す精製法)で処理後、最終的に真空脱溶剤して高純度化してなるトリメチロールプロパントリアクリレートを用意した。なお、該高純度化してなるトリメチロールプロパントリアクリレートの比抵抗は4.9×108Ω・cmであった。
【0148】
<有機過酸化物>
有機過酸化物としては三井化学製のキュメンヒドロパーオキサイドを選定使用した。
【0149】
<ラジカル光開始剤>
ラジカル光開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホニルフェニル)−ブタン−1−オンであるチバガイギー社製品(商品名;イルガキュアー369)を用いた。
【0150】
<無機質充填剤>
無定形シリカとして信越化学製品・商品名「MU−120」(電子顕微鏡観察法で求めた一次平均粒子サイズ0.07μm)を、球状シリカとして龍森社製・商品名「アドマファインSO−E1のγ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランの6質量%乾式処理フィラー;以下単にSO−E1−6と呼ぶ」を、無定形アルミナとしてd50が0.2μmでかつγ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランの6質量%乾式処理してなる高純度アルミナ紛[略号;AL−2](輸入品をシラン処理したもの)、国産製品の微粒子タルクをそれぞれ用意した。
【0151】
<シランカップリング剤>
市販のγ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランまたはγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランを購入し、そのまま用いた。
【0152】
<ワックス>
例中に記載した.
【0153】
<ラジカル重合禁止剤>
例中に記載した。
【0154】
<遷移金属不活剤>
例中に記載した。
【0155】
[実施例1]
合成例1で得た活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の70部、PO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの30部、ギャップ出し付与剤として5μm真球状シリカ粉の1部、無定形シリカであるMU−120の4部、無定形アルミナであるAL−2の50部とを一括ダルトンミキサーで予備混合し、次いでセラミック製の3本ロールで固体原料が3μm以上が未検出となるまで混練脱泡処理したのち、その95質量%に対しキュメンヒドロパーオキサイドの2.5部とイルガキュアー369の2.5部とを添加して均一に混和し、最終的に真空脱泡処理し、一液性の液晶封止用樹脂組成物(R1)を得た。
【0156】
ところで、R1液は重合禁止剤を含んでなる(メタ)アクリレート系オリゴマー含有量として61.29%、、ギャップ出し付与剤を含む無機質充填剤含有量が33.71%、ラジカル光開始剤が2.50%、有機過酸化物含有量が2.50%とからなる。またその(メタ)アクリレート系成分中のケイ素原子含有質量%で表わされるいわゆる活性シリル基変性アルキル基含有量としては0.14%である。
【0157】
調整したR1液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、R1組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0158】
R1液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセットした。
【0159】
次に、透明電極や配向膜を配し必要な前処理が完了してなるガラス製液晶表示素子用の対向する3×4.5インチサイズの2枚組の前処理済みでクリーンなガラス基板を3セット用意し、そのうちフロント用基板面上には、シール部位をマスクして、事前の前処理としてギャップ出し付与剤である5μm真球状シリカ粉を噴霧し120℃で30分熱処理させてなるフロント基板面処理を実施した。
【0160】
次に、液晶表示セル用基板のリヤ側基板面の接合シール構成部位にはR1液を切れ目の無い枠状に線描画した。ただし未硬化のシール剤線幅としては0.25mm±0.02mm幅となる様にした。
【0161】
次にリヤ側基板を下にフロント側基板を上にし、リヤ側基板面のシール枠内にチッソ社製RC4087液晶材料を計算セル容積理論量に相当する質量をリヤ側基板中央付近に複数滴滴下した後、両対基板間を高真空状態にし、その真空度が1Pa以下に到達後に、その対基板を10秒間かけて液晶を封入する形でゆっくりと張り合わせた。その後、15秒間かけてギャップ幅が5μmまで加圧し対をなす両基板間のギャップを調整させたのちに、開圧し、更に高圧水銀灯による可視光を積算照射エネルギー量で3000mj照射させる工程と、120℃のオーブン中で120分加熱養生工程を経て、ガラス製の液晶表示セル(W1)3セットを製造した。その全セルにおいてシールパスやシール流れの発生の無く、また液晶漏れも発生していないことが判明した。
得られたW1セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験の結果を表1に示した。
【0162】
[実施例2]
実施例1で調整した液晶封止用樹脂組成物において、活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の70部とPO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの30部の替わりに、活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の20部と、ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−2)の75部と、ケイ素原子含有量で7.65%含有してなるイソシアナートエチルメタクリレート1モルとγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの1モルとの反応附加物(M2)の5部とした以外は同様にして、一液性の液晶封止用樹脂組成物(R2)を得た。
【0163】
ところで、R2液は重合禁止剤を含んでなる液状(メタ)アクリレート成分含有量として47.74%、エラストマー成分として13.55%、ギャップ出し付与剤を含む無機質充填剤含有量が33.71%、ラジカル光開始剤が2.50%、有機過酸化物含有量が2.50%とからなる。またその(メタ)アクリレート系成分中のケイ素原子含有質量%で表わされるいわゆる活性シリル基変性アルキル基含有量としては0.38%である。
【0164】
調整したR2液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、R2組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0165】
そのR2液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセット後は、実施例1に記載したと同様に、液晶表示セル製造を行い、ガラス製の液晶表示セル(W2)を3セット製造、その製造過程においてはシールパスやシール流れの発生の皆無であり、また液晶漏れも全く観察されなかった。 得られたW2セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験結果を表1に示した。
【0166】
[実施例3]
実施例1で調整した液晶封止用樹脂組成物において、活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の70部とPO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの30部の替わりに、活性シリル基変性アルキル基変性エポキシメタクリレート(O−1)の50部と、活性シリル基変性アルキル基変性ゴム状微粒子含有エポキシメタクリレート(O−3)の45部とトリメチロールプロパントリメタクリレートの5部とした以外は同様にして、一液性の液晶封止用樹脂組成物(R3)を得た。
【0167】
ところで、R3液は重合禁止剤を含んでなる液状(メタ)アクリレート成分含有量として53.57%、エラストマー成分として7.72%、ギャップ出し付与剤を含む無機質充填剤含有量が33.71%、ラジカル光開始剤が2.50%、有機過酸化物含有量が2.50%とからなる。またその(メタ)アクリレート系成分中のケイ素原子含有質量%で表わされるいわゆる活性シリル基変性アルキル基含有量としては0.22%である。
【0168】
調整したR3液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、R3組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0169】
そのR3液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセット後は、実施例1に記載したと同様に、液晶表示セル製造を行い、ガラス製の液晶表示セル(W3)を3セット製造、その製造過程においてはシールパスやシール流れの発生の皆無であり、また液晶漏れも全く観察されなかった。 得られたW3セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験結果を表1に示した。
【0170】
[実施例4]
合成例5で得たエポキシメタクリレート(O−5)の40部、合成例4で得た活性シリル基変性アルキル基変性ゴム微粒子含有可撓性エポキシメタクリレート樹脂組成物(O−4)の40部、PO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの18部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートモノマーの2部、ギャップ出し付与剤として5μm真球状シリカ粉の1部、球状シリカであるSO−E1−6の43.5部、MU−120の5部、平均3μmの微粉加工してなるカルナバワックスの0.5部、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの1部とを一括ダルトンミキサーで予備混合し、次いでセラミック製の3本ロールで固体原料が3μm以上が未検出となるまで混練脱泡処理したのち、その95質量%に対しキュメンヒドロパーオキサイドの3部とイルガキュアー369の2部とを添加して均一に混和し、最終的に真空脱泡処理し、一液性の液晶封止用樹脂組成物(R4)を得た。
【0171】
ところで、R4液は重合禁止剤を含んでなる(メタ)アクリレート系オリゴマー含有量として56.85%、エラストマーの7.75%、ギャップ出し付与剤を含む無機質充填剤含有量が30.08%、ワックスの0.32%、ラジカル光開始剤が2%、有機過酸化物含有量が3%とからなる。またその液状(メタ)アクリレート成分中のケイ素原子含有質量%で表わされるいわゆる活性シリル基変性アルキル基含有量としては0.2%である。
【0172】
調整したR4液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、R4組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0173】
R4液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセットした。
【0174】
次に、透明電極や配向膜を配し必要な前処理が完了してなるガラス製液晶表示素子用の対向する9×12インチサイズの2枚組の前処理済みでクリーンなTFTガラス基板を3セット用意し、そのうちフロント用基板面上には、シール部位をマスクして、事前の前処理としてギャップ出し付与剤である5μm真球状シリカ粉を噴霧し120℃で30分熱処理させてなるフロント基板面処理を実施した。
【0175】
次に、液晶表示セル用基板のリヤ側基板面の接合シール構成部位にはR4液を切れ目の無い枠状に線描画した。ただし未硬化のシール剤線幅としては0.3mm±0.02mm幅となる様にした。
【0176】
次にリヤ側基板を下にフロント側基板を上にし、リヤ側基板面のシール枠内にチッソ社製TFT対応用液晶材料を計算セル容積理論量に相当する質量の液晶滴をリヤ側基板中央付近に滴下した後、両対基板間を高真空状態にし、その真空度が1Pa以下に到達後に、その対基板を20秒間かけて液晶を封入する形でゆっくりと張り合わせた。その後、30秒間かけてギャップ幅が5μmまで加圧し対をなす両基板間のギャップを調整させたのちに、開圧し、更に高圧水銀灯を発光原とする385nm未満のUV光をマスキングしてなる可視光を積算照射光エネルギーで3000mj照射させる工程と、120℃のオーブン中で60分加熱養生工程を経て、ガラス製の液晶表示セル(W4)3セットを製造した。その全セルにおいてシールパスやシール流れの発生の無く、また液晶漏れも発生していないことが判明した。
得られたW4セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験の結果を表1に示した。
【0177】
[実施例5]
実施例1で調整した液晶封止用樹脂組成物であるR1の100部に更に金属不活剤としてN,N‘−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(チバガイギー社製品)の0.1部を配合してなる液晶封止用樹脂組成物R5組成物を調整した。
【0178】
調整したR5液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、R2組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0179】
そのR5液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセット後は、実施例4に記載したと同様に、液晶表示セル製造を行い、ガラス製の液晶表示セル(W5)を3セット製造、その製造過程においてはシールパスやシール流れの発生の皆無であり、また液晶漏れも全く観察されなかった。 得られたW5セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験結果を表1に示した。
【0180】
[比較例1]
比較合成例1で得た精製度の低いエポキシメタクリレートオノゴマー(O−6)の90部、PO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの10部、ギャップ出し付与剤として5μm真球状シリカ粉の1部、酸化チタンであるP25の10部、MU−120の14部とを一括ダルトンミキサーで予備混合し、次いでセラミック製の3本ロールで固体原料が3μm以上が未検出となるまで混練脱泡処理したのち、その98質量%に対しイルガキュアー369の2部とを添加して均一に混和し、最終的に真空脱泡処理し、一液性の比較例用の液晶封止用樹脂組成物(Y1)を得た。
【0181】
ところで、Y1液は重合禁止剤を含んでなる(メタ)アクリレート系オリゴマー含有量として81.67%、ギャップ出し付与剤を含む無機質充填剤含有量が16.33%、有機過酸化物含有量が2%とからなる。
【0182】
調整したY1液の塗布作業性試験結果ならびに20℃E型粘度特性差、またチッソ製のRC4087液晶に対する液晶非汚染性試験−1ならびに液晶非汚染性試験−2、Y1組成物硬化体のガラス転移温度特性を表1に示した。
【0183】
そのY1液を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10ml充填し、シリンジ内容物を再度脱泡して(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)ディスペンサー塗布機にセット後は、実施例1に記載したと同様に、液晶表示セル製造を行い、ガラス製の液晶表示セル(V1)を3セット製造、その製造過程においてはシールパスやシール流れの発生の皆無であり、また液晶漏れも全く観察されなかった。 得られたV1セルに対する表示品位ならびにシール機能耐久性試験結果を表1に示した。
【0184】
[比較例2]
ビスフエノールF型エポキシ樹脂として、エピクロンEP−830S〔大日本インキ化学工業(株)製〕の50部、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤として味の素製品アミキュアーVDH(ジヒドラジド化合物)の15部、エポキシ樹脂用潜在性硬化促進剤としてトリレンジイソシアナートとジメチルアミンのモル当量比で1:2付加物(サンアプロ社製品/商品名;U−Cat5302T)でその平均3μm紛砕物の2部、比較合成例1で得た精製度の低いエポキシメタクリレートオノゴマー(O−6)の25部、PO変性ビスフェノールA型エポキシメタクリレートの25部、無定形シリカであるMU−120の5部、加積曲線から求めたd50平均粒子径が1μmタルクの45部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製品;KBM403)の2部とを一括ダルトンミキサーで予備混合し、次いでセラミック製の3本ロールで固体原料が3μm以上が未検出となるまで混練したのち、その100質量%に対し光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトンを2部を添加して攪拌し、最終的に真空脱泡処理し、一液性のラジカル光硬化性と熱硬化性を併せ持つ1液型シール剤組成物(Y2)を得た。
【0185】
次にディスペンサー塗布に供する為に、1液型シール剤組成物(Y2)を20ml容量の不透明なポリエチレン製円筒型シリンジに10mlづつ充填し、ショットマスター:武蔵エンジニアリング製ディスペンサー塗布機にセットした。その後、透明電極や配向膜やブラックマトリックスを配し必要な前処理が完了してなるガラス製液晶表示素子用の対向する3×4.5インチサイズの2枚組の前処理済みでクリーンなガラス基板を3セット用意し、そのうちフロント用基板面上には、シール部位をマスクして、事前の前処理としてギャップ出し付与剤である4.5μm真球状シリカ粉を噴霧し120℃で30分熱処理させてなるフロント基板面処理を実施した。
【0186】
次に、液晶表示セル用基板のリヤ側基板面の接合シール構成部位に1液型シール剤組成物(Y2)を切れ目の無い枠状にそれぞれ線描画した。ただし未硬化のシール剤線幅としてはそれぞれ0.3mm±0.02mm幅となる様にした。
【0187】
次にリヤ側基板を下にフロント側基板を上にし、リヤ側基板面のシール枠内にチッソ社製RC4087液晶材料を計算セル容積理論量に相当する質量滴をリヤ側基板中央付近に滴下した後、両対基板間を高真空状態にし、その真空度が1Pa以下に到達後にその対基板を10秒間かけて液晶を封入する形でゆっくりと張り合わせた。その後5秒間かけてギャップ幅が4.5μmまで加圧して後、開圧し、ついで、UVハロゲンランプを30秒間点灯照射させる第1の硬化工程と、120℃オーブンで120分の熱硬化させる第2の硬化養生工程を経て、比較例用の液晶表示セル(V2)3セットを、製造した。その結果、3セルすべてにシール流れとシールパスが発生しており、特に透明電極下部やブラックマトリックス下部の近傍からの液晶漏れが観察された。得られたV2に対する表示品位は表1に記載したが、信頼性試験には供せなかった。
【0188】
【表1】
Figure 0004052858
【0189】
【発明の効果】
本発明の液晶封止用樹脂組成物は、以下の6要件、
▲1▼液晶非汚染性に優れる。
▲2▼液晶劣化が少ない光硬化システムに適合する。
▲3▼光硬化に際し、低線量の光照射で硬化出来る。
▲4▼光遮光部位のシール硬化が可能。
▲5▼保存安定性と塗布信頼性ならびに接着性に優れる。
▲6▼得られた液晶表示素子の表示品位が高くかつ長期信頼性に優れる。
を同時に満足することができる。
【0190】
また、本願発明の液晶封止用樹脂組成物を用い、かつ、いわゆる液晶滴下方式で製造された液晶表示素子は、表示品位に優れ耐久性に富むことが明らかである。
従って、本発明の液晶表示素子は、高温多湿状況においても携帯電話やモバイル機器のディスプレイとして使用することが可能である。

Claims (14)

  1. (1)下記式(1)[化1]
    Figure 0004052858
    (式中、nは2乃至3の整数を、pは0乃至2の整数を、R1は炭素数1乃至8の脂肪族炭化水素基またはフェニル基を、R2は炭素数1乃至8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基を表す。)
    で示されるシリル基変性アルキル基を、ケイ素原子の含有質量%で表わされる値で0.01乃至2質量%の範囲、かつ、比抵抗値が1×106乃至9×1015Ω・cmの範囲にある液状(メタ)アクリレート 80乃至98.9質量%
    (2)ラジカル光開始剤 0.1乃至10質量%
    (3)有機過酸化物 0.01乃至10質量%
    からなる液晶封止用樹脂組成物。
  2. 前記の液晶封止用樹脂組成物中に
    (4)エラストマー 1乃至30質量%
    を含有させることを特徴とする請求項1記載の液晶封止用樹脂組成物。
  3. 前記の液晶封止用樹脂組成物中に
    (5)最大粒子径が5μm以下の充填剤及び/または(6)ギャップ出し付与剤
    0.1乃至30質量%
    を含有させることを特徴とする請求項1または2記載の液晶封止用樹脂組成物。
  4. 前記の液晶封止用樹脂組成物に
    (7)シランカップリング剤 0.1乃至3質量%
    を含有させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  5. 前記の液晶封止用樹脂組成物に
    (8)ワックス 0.1乃至3質量%部
    を含有させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  6. 前記の液晶封止用樹脂組成物に
    (9)ラジカル重合禁止剤及び/または(10)遷移金属不活剤
    0.001乃至1質量%
    を含有させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  7. 前記の(4)エラストマーが粒子であり、その粒子径が0.1乃至5μmであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  8. 前記の(4)エラストマーがアクリルゴムまたはシリコンゴムであることを特徴とする請求項7記載の液晶封止用樹脂組成物。
  9. 前記の液状メタ(アクリレート)が、前記式(1)で示されるシリル基変性アルキル基をケイ素原子の含有質量%で表わされる値で0.1乃至2質量%の範囲、かつ、体積固有比抵抗値が1×108乃至9×1014Ω・cmの範囲にあり、その数平均分子量が300乃至10000の範囲にあり、分子内にビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールMDから選ばれた1種の分子骨格を持つ事を特徴とする請求項1乃至8にいずれか記載の液晶封止用樹脂組成物。
  10. 前記の(2)ラジカル光開始剤が可視光活性型ラジカル光開始剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  11. 前記の(2)ラジカル光開始剤が390〜420nm波長の光で活性を示すことを特徴とする請求項10記載の液晶封止用樹脂組成物。
  12. 前記の(3)有機過酸化物がキュメンヒドロパーオキサイドであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の液晶封止用樹脂組成物。
  13. 相対する対基板の内、どちらか一方のガラス製及び又はプラスチック製の液晶表示セル用基板の接合シール構成部位に、請求項1乃至請求項12にいずれか記載の液晶封止樹脂組成物を枠状に塗布後、更に液晶表示セル構成に必要な質量の液晶を張り合わせ前の液晶表示セル構成基板の一方のシール枠内の任意な場所に滴下し、非加熱下にかつ高真空下で2枚の対向する基板同士を貼り合わせて後、0.2乃至7μmの範囲で均質なセルギャップとなる様に圧着し、その後、外から紫外線または可視光を照射させて液晶封止用樹脂組成物を硬化させる工程を経た後、130℃未満の加熱養生硬化工程または液晶均一再配向工程を経て液晶表示セルを製造する事を特徴とする液晶表示セル製造方法。
  14. 請求項13に示す液晶表示セルの製造方法で得られた液晶表示素子。
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