JP2004037937A - 液晶シール剤およびそれを用いた液晶表示セル - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶に対して極めて汚染性が低く、基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、可使時間が長く、保存安定性が良く、強い接着強度を有する液晶シール剤を提案すること。
【解決手段】(a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対し30〜80%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得られる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂、(b)ラジカル発生型光重合開始剤、(c)熱硬化剤としてエーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン及び(d)平均粒径が3μm以下の充填剤を必須成分として含有する液晶シール剤。
【解決手段】(a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対し30〜80%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得られる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂、(b)ラジカル発生型光重合開始剤、(c)熱硬化剤としてエーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン及び(d)平均粒径が3μm以下の充填剤を必須成分として含有する液晶シール剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セルに関する。より詳しくは、一方の基板に形成された光熱硬化併用型の液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、該液晶シール剤を硬化させることにより液晶が封止される液晶表示セルの製造に用いる液晶シール剤及びそれを用いて製造された液晶表示セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の液晶表示セルの大型化に伴い、液晶表示セルの製造法として、より量産性の高い、いわゆる液晶滴下工法が提案されていた(特開昭63−179323号、特開平10−239694号)。具体的には、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることにより液晶が封止される液晶表示セルの製造方法である。
【0003】
しかし、液晶滴下工法は、液晶シール剤がまず未硬化の状態で液晶に接触するため、その際に液晶シール剤の成分が液晶に溶解して液晶の比抵抗を低下させてしまう不良が発生する問題点があり、液晶表示セルの量産方法としては本格的には普及していない。
【0004】
液晶滴下工法での液晶シール剤の貼り合わせの硬化方法として、熱硬化法、光硬化法、光熱硬化併用法が考えられている。
【0005】
熱硬化法では、加熱による液晶の膨張により硬化途中の低粘度化した液晶シール剤から液晶がもれてしまう問題と低粘度化した液晶シール剤の成分が液晶に溶解してしまう問題が発生して、いまだ実用化されていない。また、特開平9−194567号、特開平10−3084号には、部分アクリル化エポキシアクリレートと加熱によりラジカルが発生する有機過酸化物と熱硬化剤からなる液晶シール剤で、加熱硬化型液晶シール剤があげられているが、この液晶シール剤を液晶滴下工法に使用した場合、加熱時に接触している液晶に有機過酸化物が溶出して不良が発生してしまう。
【0006】
光硬化法に用いられる液晶シール剤としては、光重合開始剤によりカチオン重合型とラジカル重合型の2種類があげられる。カチオン重合型の液晶シール剤としてたとえば特開平05−156230号があげられるが、この液晶シール剤は光硬化の際にイオンが発生するため、液晶滴下工法に使用した場合、接触状態の液晶中にイオン成分が溶出し、液晶の比抵抗を低下させる問題がある。ラジカル重合型の液晶シール剤として特開平01−243029号があげられるが、光硬化時の硬化収縮が大きいために、接着強度が弱いという問題点がある。また、カチオン重合型とラジカル重合型の両方の光硬化法に関わる問題として、液晶表示セルのアレイ基板のメタル配線部分やカラーフィルター基板のブラックマトリックス部分により液晶シール剤に光が当たらない遮光部分があるため、液晶滴下工法での光硬化による液晶シール剤の硬化では、遮光部分が未硬化になる問題が生じる。
【0007】
光熱硬化併用型液晶シール剤は、まず、基板にはさまれた液晶シール剤に光を照射して一次硬化させた後、加熱して二次硬化させることを特徴とする。光熱硬化併用型液晶シール剤としては、液晶滴下工法ではない液晶注入口を開けて液晶シール剤で2枚の基板を貼り合わせる従来主流の液晶表示セル製造方法に対して、特開昭58−105124号、特開平01−266510号が提案されているが、液晶滴下工法の未硬化の状態での液晶シール剤の液晶への接触問題や遮光部分の硬化問題を想定していないので不十分である。特開平07−13175号、特開平08−328026号にあげられている熱硬化成分と光硬化成分を配合した光熱硬化併用型の液晶シール剤では、この液晶シール剤を液晶滴下工法に用いた場合、液晶シール剤に含有されているモノマーが液晶中に溶出してしまう不良が発生する。特開平06−160872号には、部分エステル化ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂と光開始剤、熱硬化剤を含有した液晶シール剤を従来法によるLCD製造に対して提案されているが、この液晶シール剤は光開始剤及び熱硬化剤の選定に未硬化状態で液晶に接触したまま硬化させることを想定していないため、液晶滴下工法に用いることができない。
【0008】
液晶滴下工法に使用される液晶シール剤としては、ラジカル重合機構で重合する液晶シール剤が特開平9−5759号により提案されているが、加熱時に未反応の熱硬化剤成分が液晶に溶出してしまう問題と遮光部分が未硬化になる問題が発生してしまう。また、ラジカル重合主体の液晶シール剤のため、ガラスに対する接着強度が熱硬化タイプと比較して劣ってしまう欠点がある。
【0009】
特開2001−133794号には、液晶滴下工法に用いる液晶シール剤は、未硬化状態で接触した液晶に対する比抵抗値の低下が少ない光硬化成分、熱硬化成分及び光硬化剤を含有する液晶シール剤であることが提案されており、実施例として、光硬化成分として特開平5−295087号であげられた部分アクリル化エポキシ樹脂と光重合開始剤を用い、熱硬化成分としてエポキシ樹脂と潜在性熱硬化剤を含有する光熱硬化併用型液晶シール剤があげられている。
【0010】
ここで提案されている液晶シール剤は、粘度が200000mPa・sから1000000mPa・sの範囲にあることが望ましいとされている。しかし、この粘度範囲は非常に粘度が高粘度であるため、取り扱いが難しい。まず、ディスペンサーやスクリーン印刷による基板への塗布が高粘度すぎるために塗布が困難であることがあげられる。また、液晶シール剤を基板へ塗布する際、スペーサーとして、グラスファイバー、シリカビーズまたはポリマービーズのいずれかを液晶シール剤に添加して使用するが、スペーサーを液晶シール剤に充分混合して脱泡を行う必要がある。このスペーサーの混合が不十分だと、スペーサーの分布に偏りが発生し、液晶シール剤の接着強度が低下したり、塗布時に塗布形状が乱れたりシール断線が生じたりする。また、脱泡が不十分な状態でディスペンサーによる塗布を行うとシール断線不良が多発してしまう。粘度が高粘度すぎると、混合と脱泡が困難になってしまう。液晶シール剤へのスペーサーの混合は、従来の熱硬化型液晶シール剤では、粘度が20000mPa・sから60000mPa・sという攪拌羽による攪拌混合が可能な粘度範囲であったが、液晶滴下工法用に提案されている特開2001−133794号の実施例に記載されている液晶シール剤は高粘度のため、攪拌羽による混合が不十分になってしまう。そのため、高粘度の液晶シール剤に対するスペーサーの混合攪拌は、特別な装置、例えば自公転攪拌装置が必要となる。自公転攪拌装置としては、例えば、EME製VMX−360等が市販されている。また、脱泡についても非常に高粘度であるため、真空による脱泡に時間がかかってしまう。そして、脱泡に時間がかかるという問題だけでなく、ラジカル重合系の真空脱泡の場合、真空度と真空時間が問題になる。すなわち、ラジカル重合系の場合、空気中の酸素が重合反応の阻害要因になるが、長時間の高真空の脱泡により酸素が無くなることにより、重合が開始してしまう問題点がある。
【0011】
また、特開2001−133794号に記載されている液晶滴下工法用の液晶シール剤の熱硬化剤に、潜在性硬化剤としてイミダゾール誘導体及び有機酸ジヒドラジド等をあげている。これらの潜在性熱硬化剤は加熱により液状樹脂に溶解することにより反応が開始する潜在性熱硬化剤である。それ故に、熱硬化剤は固体状態で樹脂に溶解させない状態で樹脂中に分散した状態で保存を行えば、保存安定性が高いものとなる。しかし、液晶滴下工法用の液晶シール剤は、樹脂が未硬化の状態の時から液晶に樹脂が接触しているので、熱硬化剤の大きな粒径のものがあったり、分散が悪く偏りがあったりすると光硬化及び熱硬化反応が局所的に不十分なところができ、そこから未硬化成分が液晶に溶出して液晶が汚染される。それ故に、液晶滴下工法用液晶シール剤に使用される熱硬化剤の分散は充分に行う必要があるが、熱硬化剤の粒径を細かくして均一に分散すると室温においても熱硬化剤が樹脂に溶解していくため保存安定性が悪くなってしまう。
【0012】
以上のように、従来の液晶滴下工法用の光熱硬化併用型液晶シール剤は、高粘度で取り扱いが難しく、室温での可使時間が短く、保存安定性も悪いという欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせて、液晶シール部に光照射後、加熱硬化で液晶表示セルが製造される液晶滴下工法に用いられる液晶シール剤に関するものであり、液晶シール剤が未硬化の状態の時から液晶に接触していても、液晶に対して極めて汚染性が低く、基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、可使時間が長く、保存安定性が良く、強い接着強度を有する液晶シール剤を提案するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたものである。即ち本発明は、
(1)(a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して30〜80%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得られる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂、(b)ラジカル発生型光重合開始剤、(c)熱硬化剤としてエーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン及び(d)平均粒径が3μm以下の充填剤を必須成分として含有する液晶シール剤、
(2)各成分の配合比が(a)成分100重量部に対して(b)成分が0.1〜10重量部、(c)成分が1〜50重量部である上記(1)記載の液晶シール剤、
(3)(a)成分に用いるエポキシ樹脂がビスフェノールA型液状エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型液状エポキシ樹脂である上記(1)又は(2)記載の液晶シール剤、
(4)(a)成分に用いるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量が600ppm以下である上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(5)(c)成分が、アミノ基がエーテル結合のパラ位又はオルト位にある芳香族ポリアミンである上記(1)乃至(4)の液晶シール剤、
(6)(c)成分が、融点120℃以上の芳香族ポリアミンである上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(7)(b)成分がカルバゾール系開始剤である上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(8)(d)成分の含有量が液晶シール剤中の5〜40重量%である上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(9)(d)成分がシランカップリング処理された充填剤である上記(1)乃至(8)の液晶シール剤、
(10)多官能エポキシ樹脂を(a)成分100重量部に対して30重量部以下含有する(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(11)多官能エポキシ樹脂がα−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕である上記(10)の液晶シール剤、
(12)上記(1)乃至(11)のいずれか1項記載の液晶シール剤の硬化物でシールされた液晶表示セル、
(13)一方の基板に形成された上記(1)乃至(11)のいずれか1項に記載の液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることを特徴とする液晶表示セルの製造方法
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分の合成原料のエポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されるものではなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等の一般に製造、販売されているエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は2種以上のエポキシ樹脂を混合して用いても良い。
【0016】
本発明で用いられる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分の合成原料のエポキシ樹脂としては、以上のように特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂自身の液晶汚染性の低さ及び粘度の低さからビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂が好ましい。これらの液状エポキシ樹脂は低粘度であるため、このものを原料とした液晶シール剤は低粘度で作業性に優れた液晶シール剤となる。
【0017】
また、本発明に使用するエポキシ樹脂の加水分解性塩素量は600ppm以下、好ましくは300ppm以下である。加水分解性塩素量が600ppmより多くなると液晶に対する液晶シール剤の汚染性が問題になる。加水分解性塩素量は、例えば約0.5gのエポキシ樹脂を20mlのジオキサンに溶解し、1NのKOH/エタノール溶液5mlで30分還流した後、0.01N硝酸銀溶液で滴定することにより定量することができる。
【0018】
部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分は、前述した分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂にそのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して30〜80%当量、好ましくは40〜70%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得ることができる。この合成反応は一般的に知られている方法により行える。例えば、エポキシ樹脂に所定の当量比のアクリル酸又はメタクリル酸を触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)と、重合防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)を添加してエステル化反応を行う。こうして得られた(a)成分は、1分子中にラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を合わせ持つ部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂である。従って、これを含有する液晶シール剤は、光照射時に分子中の(メタ)アクリロイル基が架橋反応するため、その後の加熱時には未硬化の樹脂が光硬化の際の架橋構造に取り込まれているため、加熱時に低粘度化して液晶に溶出することが防止できる。また、遮光部分の液晶シール剤については、分子中の(メタ)アクリロイル基が架橋反応しないが、その後の加熱により分子中のエポキシ基が架橋反応することにより、遮光部分についても樹脂が架橋構造に取り込まれ液晶に溶出することが無い液晶シール剤を得ることができる。(a)成分の合成に用いるエポキシ樹脂として、1分子中に1個のエポキシ基しか含有しないエポキシ樹脂は、1分子中にラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基とエポキシ基の両方を合わせ持つ部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が合成できないため、使用されない。また、得られた部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基の当量の比率が、全当量の30%未満の時は、光硬化性が不十分となり、液晶に対する防汚性が悪くなる。また、(メタ)アクリロイル基の当量の比率が全当量の80%を超える場合は、硬化後のガラス基板に対する接着強度が低下してしまう。尚、エポキシ当量はJIS K7236により測定される。
【0019】
本発明に用いられるラジカル発生型光重合開始剤(b)としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2−エチルアンスラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等を挙げることができ、好ましくはカルバゾール系開始剤があげられ、更に好ましくは液晶汚染性が低い3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾールを用いることが好ましい。
【0020】
本発明の液晶シール剤中、(a)成分に対する成分(b)ラジカル発生型光重合開始剤の配合比は、(a)成分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜3重量部である。ラジカル発生型光重合開始剤の量が0.1重量部より少ないと光硬化反応が充分でなくなり、10重量部より多くなると開始剤の量が多すぎて液晶に対する開始剤の汚染が問題になる。
【0021】
液晶滴下工法用の液晶シール剤は、光照射後、加熱した時に液晶シール剤が液晶を汚染することなく均一に速やかに反応を開始すること、使用時には室温下における粘度変化が少なく可使時間が良好であることが重要である。これらの要求特性を同時に満たす為には固体分散タイプの潜在性硬化剤を用いるのが良いが、固体分散タイプの潜在性熱硬化剤の場合、粒径が不均一で大きな粒径のものがあったり、分散が不充分で偏りが生じていたりすると、硬化が均一に行われず未硬化成分が液晶中に溶出したりして液晶の表示不良が発生してしまう。そのため、熱硬化剤の分散は充分に行う必要があるが、熱硬化剤の粒径を細かくして均一に分散すると固体分散タイプの潜在性硬化剤であっても室温において熱硬化剤が樹脂に溶解して硬化反応が開始してしまうため保存安定性が悪くなる。本発明者らは、液晶汚染性が低く且つ可使時間が長い熱硬化剤を探索研究した結果、エーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン((c)成分)がこれらの特性を同時に満たすことを見出した。例えば、エーテル結合の代わりにメチレン基を介して結合した構造を有する芳香族アミンであるジアミノジフェニルメタンを熱硬化剤に用いたシール剤は、液晶汚染性は低いが熱硬化剤の反応性が高すぎる為、増粘が早く実用に耐える可使時間が得られない。一方でエーテル結合の代わりにスルホン基を介して結合した構造を有する芳香族アミンである3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを熱硬化剤に用いたシール剤は、可使時間は長いが、反応性が低い為液晶汚染性が高くなってしまう。エーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミンとしては例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]]スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちポットライフの観点からはアミノ基がエーテル結合のパラ位又はオルト位にあるものがより好ましい。また融点は120℃以上であるものが好ましく、170℃以上であるものがより好ましい。
【0022】
本発明の液晶シール剤中、成分(c)成分の配合比は、(a)成分100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、特に好ましくは5〜30重量部である。(c)成分の量が1重量部より少ないと熱硬化反応が充分でなくなり、50重量部より多くなると熱硬化剤の量が多すぎて液晶に対する熱硬化剤の汚染が問題になる。
【0023】
本発明で使用する充填剤(d)としては、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、タルクである。シリカ、タルクは、シランカップリング剤による表面処理性に優れており、かつ、充填剤自身が液晶に対する汚染性が低い。これら充填剤は2種以上を混合して用いても良い。
【0024】
本発明で用いられる充填剤の平均粒径は、3μm以下のものである。平均粒径が3μmより大きいと、液晶セル製造時の上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない。
【0025】
本発明で使用される充填剤の液晶シール剤中の含有量は、通常5〜40重量%、好ましくは15〜25重量%である。充填剤の含有量が5重量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる。又、充填剤の含有量が40重量%より多い場合、充填剤含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう。
【0026】
本発明の充填剤は、シランカップリング剤により処理したものを使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。シランカップリング剤を使用する事により接着強度が向上し、耐湿信頼性が優れた液晶シール剤が得られる。
【0027】
シランカップリング処理方法は、一般的に知られている方法が用いられる。例えば充填剤の粉末をヘンシェル、スーパーミキサー等で攪拌している中へシランカップリング剤又はシランカップリング剤のアルコール溶液又は水溶液を噴霧あるいは点滴により添加して行う方法で行われる。
【0028】
耐熱性及び接着強度を上げるために多官能エポキシ樹脂を添加することも有効である。多官能エポキシ樹脂は分子内に二個以上のエポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。これら多官能エポキシ樹脂としては、α−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕が好ましい。
【0029】
多官能エポキシ樹脂は(a)成分100重量部に対して30重量部以下含有することが好ましい。30重量部より多く添加すると粘度が高くなりすぎ実用に適さなくなる。
【0030】
本発明による液晶シール剤には、さらに、必要に応じて、有機溶媒、有機充填剤、ならびに顔料、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を配合することができる。
【0031】
本発明の液晶シール剤を得るにはまず(a)成分に(b)成分を溶解混合する。さらに必要によりこの樹脂液に多官能のエポキシ樹脂を溶解混合しても良い。次いでこの混合物に熱硬化剤として(c)成分と(d)成分並びに必要に応じ消泡剤、レベリング剤及び有機フィラー等の所定量を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
【0032】
本発明の液晶セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、例えば本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー等により該液晶シール剤を塗布した後、該液晶シール剤の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、紫外線照射機により液晶シール部に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500mJ/cm2〜6000mJ/cm2より好ましくは1000mJ/cm2〜4000mJ/cm2の照射量が好ましい。その後、90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100重量部に対し通常0.1〜4重量部、好ましくは0.5〜2重量部、更に、好ましくは0.9〜1.5重量部程度である。
【0033】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明する。
【0034】
実施例1
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(日本化薬製、RE−303P、エポキシ当量159、加水分解性塩素量120ppm)に対して、エポキシ基の60%当量のアクリル酸を反応して得られる60%部分エステル化エポキシアクリレート樹脂90重量部に、ラジカル発生型光重合開始剤として3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール(旭電化工業製、アデカオプトマーN−1414)1.8重量部及びα−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕(日本化薬製、EPPN−501H)10重量部を90℃で加熱溶解し、樹脂液を得た。別にカップリング剤処理シリカを、シリカ(龍森製、クリスタライト1FF、平均粒径1.0μm)100重量部をヘンシェルミキサーに入れ攪拌運転し、回転中にアミノシランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン製、KBM−603)3重量部を滴下して得た。また、カップリング処理タルクは、タルク(巴工業製、HTPultra5C、平均粒径0.5μm)100重量部をヘンシェルミキサーに入れ攪拌運転し、その回転中にアクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、信越シリコーン製、KBM−503)2重量部及びエポキシシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、チッソ製、サイラエースS−510)2重量部を滴下して得た。前述の樹脂液にこのシランカップリング処理シリカ20重量部とシランカップリング処理タルク10重量部と平均粒径3μmに微粉砕したビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(和歌山精化工業製、融点188℃)24.6重量部を添加して3本ロールにより混練して本発明の液晶シール剤を得た。液晶シール剤の粘度(25℃)は250Pa・sであった(R型粘度計(東機産業株式会社製))
【0035】
実施例2
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業製、融点192℃)を11.4重量部とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の液晶シール剤を作製した。
【0036】
比較例1
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した4,4’−ジアミノジフェニルメタン(BASF社製、融点198℃)を11.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして比較用の液晶シール剤を作製した。
【0037】
比較例2
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した3,3’−ジアミノジフェニルメタン(三井化学ファイン社製、融点175℃)を14.1重量部とした以外は、実実施例1と同様にして比較用の液晶シール剤を作製した。
【0038】
液晶汚染性テスト
液晶に対する汚染性の指標である接触液晶の比抵抗の測定は、サンプル瓶に液晶シール剤を0.1g入れ、液晶(メルク製、MLC−6866−100)1mlを加えた後、UV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入し、その後、1時間室温にて放置する。処理が終ったサンプル瓶から液晶のみを取り出し液体電極LE21(安藤電気製)に入れて、アドバンテスト製エレクトロメーターR−8340により測定電圧10Vで4分後の液晶の比抵抗を測定して行った。その結果を表1に示した。ここで、液晶シール剤に接触させて処理した液晶の比抵抗値が、液晶シール剤を接触させないで同様に処理した液晶の比抵抗値との比較において、接触液晶の比抵抗値の桁数が2桁以上低下しないものを良好と判定した。
【0039】
ガラス基板貼り合わせギャップ形成テスト
得られた液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、25℃でそのガラス基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、クリップによりはさみ、その後、UV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入して硬化させた。このガラス基板を顕微鏡にて5μmのスペーサーの厚みまで液晶シール剤がつぶれたかどうか確認した。その結果を表1に示した。
【0040】
接着強度テスト
得られた液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その液晶シール剤上に1.5mm×1.5mmのガラス片を貼り合わせUV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入して硬化させた。そのガラス片のせん断接着強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0041】
保存安定性テスト
得られた液晶シール剤を25℃にて放置して粘度の経時変化を測定した。粘度が3倍以上になる時間を測定した。その結果を表1に示した。
【0042】
表1からわかるように、実施例1、2は、作業性と貼り合わせ性に優れ、保存安定性が良く、接着強度が強く、液晶汚染性が低い事がわかる。比較例1は液晶汚染性は良好であるが、保存安定性が悪い液晶シール剤である。比較例2は、保存安定性は良いが、液晶汚染性が悪い液晶シール剤である。
【0043】
【0044】
【発明の効果】
基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、保存安定性が良く、強い接着強度、低液晶汚染性に優れた本発明の液晶シール剤を液晶滴下工法に使用することにより、歩留まり、生産性が向上した液晶表示セルの製造が可能になった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セルに関する。より詳しくは、一方の基板に形成された光熱硬化併用型の液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、該液晶シール剤を硬化させることにより液晶が封止される液晶表示セルの製造に用いる液晶シール剤及びそれを用いて製造された液晶表示セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の液晶表示セルの大型化に伴い、液晶表示セルの製造法として、より量産性の高い、いわゆる液晶滴下工法が提案されていた(特開昭63−179323号、特開平10−239694号)。具体的には、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることにより液晶が封止される液晶表示セルの製造方法である。
【0003】
しかし、液晶滴下工法は、液晶シール剤がまず未硬化の状態で液晶に接触するため、その際に液晶シール剤の成分が液晶に溶解して液晶の比抵抗を低下させてしまう不良が発生する問題点があり、液晶表示セルの量産方法としては本格的には普及していない。
【0004】
液晶滴下工法での液晶シール剤の貼り合わせの硬化方法として、熱硬化法、光硬化法、光熱硬化併用法が考えられている。
【0005】
熱硬化法では、加熱による液晶の膨張により硬化途中の低粘度化した液晶シール剤から液晶がもれてしまう問題と低粘度化した液晶シール剤の成分が液晶に溶解してしまう問題が発生して、いまだ実用化されていない。また、特開平9−194567号、特開平10−3084号には、部分アクリル化エポキシアクリレートと加熱によりラジカルが発生する有機過酸化物と熱硬化剤からなる液晶シール剤で、加熱硬化型液晶シール剤があげられているが、この液晶シール剤を液晶滴下工法に使用した場合、加熱時に接触している液晶に有機過酸化物が溶出して不良が発生してしまう。
【0006】
光硬化法に用いられる液晶シール剤としては、光重合開始剤によりカチオン重合型とラジカル重合型の2種類があげられる。カチオン重合型の液晶シール剤としてたとえば特開平05−156230号があげられるが、この液晶シール剤は光硬化の際にイオンが発生するため、液晶滴下工法に使用した場合、接触状態の液晶中にイオン成分が溶出し、液晶の比抵抗を低下させる問題がある。ラジカル重合型の液晶シール剤として特開平01−243029号があげられるが、光硬化時の硬化収縮が大きいために、接着強度が弱いという問題点がある。また、カチオン重合型とラジカル重合型の両方の光硬化法に関わる問題として、液晶表示セルのアレイ基板のメタル配線部分やカラーフィルター基板のブラックマトリックス部分により液晶シール剤に光が当たらない遮光部分があるため、液晶滴下工法での光硬化による液晶シール剤の硬化では、遮光部分が未硬化になる問題が生じる。
【0007】
光熱硬化併用型液晶シール剤は、まず、基板にはさまれた液晶シール剤に光を照射して一次硬化させた後、加熱して二次硬化させることを特徴とする。光熱硬化併用型液晶シール剤としては、液晶滴下工法ではない液晶注入口を開けて液晶シール剤で2枚の基板を貼り合わせる従来主流の液晶表示セル製造方法に対して、特開昭58−105124号、特開平01−266510号が提案されているが、液晶滴下工法の未硬化の状態での液晶シール剤の液晶への接触問題や遮光部分の硬化問題を想定していないので不十分である。特開平07−13175号、特開平08−328026号にあげられている熱硬化成分と光硬化成分を配合した光熱硬化併用型の液晶シール剤では、この液晶シール剤を液晶滴下工法に用いた場合、液晶シール剤に含有されているモノマーが液晶中に溶出してしまう不良が発生する。特開平06−160872号には、部分エステル化ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂と光開始剤、熱硬化剤を含有した液晶シール剤を従来法によるLCD製造に対して提案されているが、この液晶シール剤は光開始剤及び熱硬化剤の選定に未硬化状態で液晶に接触したまま硬化させることを想定していないため、液晶滴下工法に用いることができない。
【0008】
液晶滴下工法に使用される液晶シール剤としては、ラジカル重合機構で重合する液晶シール剤が特開平9−5759号により提案されているが、加熱時に未反応の熱硬化剤成分が液晶に溶出してしまう問題と遮光部分が未硬化になる問題が発生してしまう。また、ラジカル重合主体の液晶シール剤のため、ガラスに対する接着強度が熱硬化タイプと比較して劣ってしまう欠点がある。
【0009】
特開2001−133794号には、液晶滴下工法に用いる液晶シール剤は、未硬化状態で接触した液晶に対する比抵抗値の低下が少ない光硬化成分、熱硬化成分及び光硬化剤を含有する液晶シール剤であることが提案されており、実施例として、光硬化成分として特開平5−295087号であげられた部分アクリル化エポキシ樹脂と光重合開始剤を用い、熱硬化成分としてエポキシ樹脂と潜在性熱硬化剤を含有する光熱硬化併用型液晶シール剤があげられている。
【0010】
ここで提案されている液晶シール剤は、粘度が200000mPa・sから1000000mPa・sの範囲にあることが望ましいとされている。しかし、この粘度範囲は非常に粘度が高粘度であるため、取り扱いが難しい。まず、ディスペンサーやスクリーン印刷による基板への塗布が高粘度すぎるために塗布が困難であることがあげられる。また、液晶シール剤を基板へ塗布する際、スペーサーとして、グラスファイバー、シリカビーズまたはポリマービーズのいずれかを液晶シール剤に添加して使用するが、スペーサーを液晶シール剤に充分混合して脱泡を行う必要がある。このスペーサーの混合が不十分だと、スペーサーの分布に偏りが発生し、液晶シール剤の接着強度が低下したり、塗布時に塗布形状が乱れたりシール断線が生じたりする。また、脱泡が不十分な状態でディスペンサーによる塗布を行うとシール断線不良が多発してしまう。粘度が高粘度すぎると、混合と脱泡が困難になってしまう。液晶シール剤へのスペーサーの混合は、従来の熱硬化型液晶シール剤では、粘度が20000mPa・sから60000mPa・sという攪拌羽による攪拌混合が可能な粘度範囲であったが、液晶滴下工法用に提案されている特開2001−133794号の実施例に記載されている液晶シール剤は高粘度のため、攪拌羽による混合が不十分になってしまう。そのため、高粘度の液晶シール剤に対するスペーサーの混合攪拌は、特別な装置、例えば自公転攪拌装置が必要となる。自公転攪拌装置としては、例えば、EME製VMX−360等が市販されている。また、脱泡についても非常に高粘度であるため、真空による脱泡に時間がかかってしまう。そして、脱泡に時間がかかるという問題だけでなく、ラジカル重合系の真空脱泡の場合、真空度と真空時間が問題になる。すなわち、ラジカル重合系の場合、空気中の酸素が重合反応の阻害要因になるが、長時間の高真空の脱泡により酸素が無くなることにより、重合が開始してしまう問題点がある。
【0011】
また、特開2001−133794号に記載されている液晶滴下工法用の液晶シール剤の熱硬化剤に、潜在性硬化剤としてイミダゾール誘導体及び有機酸ジヒドラジド等をあげている。これらの潜在性熱硬化剤は加熱により液状樹脂に溶解することにより反応が開始する潜在性熱硬化剤である。それ故に、熱硬化剤は固体状態で樹脂に溶解させない状態で樹脂中に分散した状態で保存を行えば、保存安定性が高いものとなる。しかし、液晶滴下工法用の液晶シール剤は、樹脂が未硬化の状態の時から液晶に樹脂が接触しているので、熱硬化剤の大きな粒径のものがあったり、分散が悪く偏りがあったりすると光硬化及び熱硬化反応が局所的に不十分なところができ、そこから未硬化成分が液晶に溶出して液晶が汚染される。それ故に、液晶滴下工法用液晶シール剤に使用される熱硬化剤の分散は充分に行う必要があるが、熱硬化剤の粒径を細かくして均一に分散すると室温においても熱硬化剤が樹脂に溶解していくため保存安定性が悪くなってしまう。
【0012】
以上のように、従来の液晶滴下工法用の光熱硬化併用型液晶シール剤は、高粘度で取り扱いが難しく、室温での可使時間が短く、保存安定性も悪いという欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせて、液晶シール部に光照射後、加熱硬化で液晶表示セルが製造される液晶滴下工法に用いられる液晶シール剤に関するものであり、液晶シール剤が未硬化の状態の時から液晶に接触していても、液晶に対して極めて汚染性が低く、基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、可使時間が長く、保存安定性が良く、強い接着強度を有する液晶シール剤を提案するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたものである。即ち本発明は、
(1)(a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して30〜80%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得られる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂、(b)ラジカル発生型光重合開始剤、(c)熱硬化剤としてエーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン及び(d)平均粒径が3μm以下の充填剤を必須成分として含有する液晶シール剤、
(2)各成分の配合比が(a)成分100重量部に対して(b)成分が0.1〜10重量部、(c)成分が1〜50重量部である上記(1)記載の液晶シール剤、
(3)(a)成分に用いるエポキシ樹脂がビスフェノールA型液状エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型液状エポキシ樹脂である上記(1)又は(2)記載の液晶シール剤、
(4)(a)成分に用いるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量が600ppm以下である上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(5)(c)成分が、アミノ基がエーテル結合のパラ位又はオルト位にある芳香族ポリアミンである上記(1)乃至(4)の液晶シール剤、
(6)(c)成分が、融点120℃以上の芳香族ポリアミンである上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(7)(b)成分がカルバゾール系開始剤である上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(8)(d)成分の含有量が液晶シール剤中の5〜40重量%である上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(9)(d)成分がシランカップリング処理された充填剤である上記(1)乃至(8)の液晶シール剤、
(10)多官能エポキシ樹脂を(a)成分100重量部に対して30重量部以下含有する(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の液晶シール剤、
(11)多官能エポキシ樹脂がα−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕である上記(10)の液晶シール剤、
(12)上記(1)乃至(11)のいずれか1項記載の液晶シール剤の硬化物でシールされた液晶表示セル、
(13)一方の基板に形成された上記(1)乃至(11)のいずれか1項に記載の液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることを特徴とする液晶表示セルの製造方法
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分の合成原料のエポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されるものではなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等の一般に製造、販売されているエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は2種以上のエポキシ樹脂を混合して用いても良い。
【0016】
本発明で用いられる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分の合成原料のエポキシ樹脂としては、以上のように特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂自身の液晶汚染性の低さ及び粘度の低さからビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂が好ましい。これらの液状エポキシ樹脂は低粘度であるため、このものを原料とした液晶シール剤は低粘度で作業性に優れた液晶シール剤となる。
【0017】
また、本発明に使用するエポキシ樹脂の加水分解性塩素量は600ppm以下、好ましくは300ppm以下である。加水分解性塩素量が600ppmより多くなると液晶に対する液晶シール剤の汚染性が問題になる。加水分解性塩素量は、例えば約0.5gのエポキシ樹脂を20mlのジオキサンに溶解し、1NのKOH/エタノール溶液5mlで30分還流した後、0.01N硝酸銀溶液で滴定することにより定量することができる。
【0018】
部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂(a)成分は、前述した分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂にそのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して30〜80%当量、好ましくは40〜70%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得ることができる。この合成反応は一般的に知られている方法により行える。例えば、エポキシ樹脂に所定の当量比のアクリル酸又はメタクリル酸を触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)と、重合防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)を添加してエステル化反応を行う。こうして得られた(a)成分は、1分子中にラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を合わせ持つ部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂である。従って、これを含有する液晶シール剤は、光照射時に分子中の(メタ)アクリロイル基が架橋反応するため、その後の加熱時には未硬化の樹脂が光硬化の際の架橋構造に取り込まれているため、加熱時に低粘度化して液晶に溶出することが防止できる。また、遮光部分の液晶シール剤については、分子中の(メタ)アクリロイル基が架橋反応しないが、その後の加熱により分子中のエポキシ基が架橋反応することにより、遮光部分についても樹脂が架橋構造に取り込まれ液晶に溶出することが無い液晶シール剤を得ることができる。(a)成分の合成に用いるエポキシ樹脂として、1分子中に1個のエポキシ基しか含有しないエポキシ樹脂は、1分子中にラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基とエポキシ基の両方を合わせ持つ部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が合成できないため、使用されない。また、得られた部分エステル化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基の当量の比率が、全当量の30%未満の時は、光硬化性が不十分となり、液晶に対する防汚性が悪くなる。また、(メタ)アクリロイル基の当量の比率が全当量の80%を超える場合は、硬化後のガラス基板に対する接着強度が低下してしまう。尚、エポキシ当量はJIS K7236により測定される。
【0019】
本発明に用いられるラジカル発生型光重合開始剤(b)としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2−エチルアンスラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等を挙げることができ、好ましくはカルバゾール系開始剤があげられ、更に好ましくは液晶汚染性が低い3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾールを用いることが好ましい。
【0020】
本発明の液晶シール剤中、(a)成分に対する成分(b)ラジカル発生型光重合開始剤の配合比は、(a)成分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜3重量部である。ラジカル発生型光重合開始剤の量が0.1重量部より少ないと光硬化反応が充分でなくなり、10重量部より多くなると開始剤の量が多すぎて液晶に対する開始剤の汚染が問題になる。
【0021】
液晶滴下工法用の液晶シール剤は、光照射後、加熱した時に液晶シール剤が液晶を汚染することなく均一に速やかに反応を開始すること、使用時には室温下における粘度変化が少なく可使時間が良好であることが重要である。これらの要求特性を同時に満たす為には固体分散タイプの潜在性硬化剤を用いるのが良いが、固体分散タイプの潜在性熱硬化剤の場合、粒径が不均一で大きな粒径のものがあったり、分散が不充分で偏りが生じていたりすると、硬化が均一に行われず未硬化成分が液晶中に溶出したりして液晶の表示不良が発生してしまう。そのため、熱硬化剤の分散は充分に行う必要があるが、熱硬化剤の粒径を細かくして均一に分散すると固体分散タイプの潜在性硬化剤であっても室温において熱硬化剤が樹脂に溶解して硬化反応が開始してしまうため保存安定性が悪くなる。本発明者らは、液晶汚染性が低く且つ可使時間が長い熱硬化剤を探索研究した結果、エーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン((c)成分)がこれらの特性を同時に満たすことを見出した。例えば、エーテル結合の代わりにメチレン基を介して結合した構造を有する芳香族アミンであるジアミノジフェニルメタンを熱硬化剤に用いたシール剤は、液晶汚染性は低いが熱硬化剤の反応性が高すぎる為、増粘が早く実用に耐える可使時間が得られない。一方でエーテル結合の代わりにスルホン基を介して結合した構造を有する芳香族アミンである3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを熱硬化剤に用いたシール剤は、可使時間は長いが、反応性が低い為液晶汚染性が高くなってしまう。エーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミンとしては例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]]スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちポットライフの観点からはアミノ基がエーテル結合のパラ位又はオルト位にあるものがより好ましい。また融点は120℃以上であるものが好ましく、170℃以上であるものがより好ましい。
【0022】
本発明の液晶シール剤中、成分(c)成分の配合比は、(a)成分100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、特に好ましくは5〜30重量部である。(c)成分の量が1重量部より少ないと熱硬化反応が充分でなくなり、50重量部より多くなると熱硬化剤の量が多すぎて液晶に対する熱硬化剤の汚染が問題になる。
【0023】
本発明で使用する充填剤(d)としては、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、タルクである。シリカ、タルクは、シランカップリング剤による表面処理性に優れており、かつ、充填剤自身が液晶に対する汚染性が低い。これら充填剤は2種以上を混合して用いても良い。
【0024】
本発明で用いられる充填剤の平均粒径は、3μm以下のものである。平均粒径が3μmより大きいと、液晶セル製造時の上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない。
【0025】
本発明で使用される充填剤の液晶シール剤中の含有量は、通常5〜40重量%、好ましくは15〜25重量%である。充填剤の含有量が5重量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる。又、充填剤の含有量が40重量%より多い場合、充填剤含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう。
【0026】
本発明の充填剤は、シランカップリング剤により処理したものを使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。シランカップリング剤を使用する事により接着強度が向上し、耐湿信頼性が優れた液晶シール剤が得られる。
【0027】
シランカップリング処理方法は、一般的に知られている方法が用いられる。例えば充填剤の粉末をヘンシェル、スーパーミキサー等で攪拌している中へシランカップリング剤又はシランカップリング剤のアルコール溶液又は水溶液を噴霧あるいは点滴により添加して行う方法で行われる。
【0028】
耐熱性及び接着強度を上げるために多官能エポキシ樹脂を添加することも有効である。多官能エポキシ樹脂は分子内に二個以上のエポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。これら多官能エポキシ樹脂としては、α−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕が好ましい。
【0029】
多官能エポキシ樹脂は(a)成分100重量部に対して30重量部以下含有することが好ましい。30重量部より多く添加すると粘度が高くなりすぎ実用に適さなくなる。
【0030】
本発明による液晶シール剤には、さらに、必要に応じて、有機溶媒、有機充填剤、ならびに顔料、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を配合することができる。
【0031】
本発明の液晶シール剤を得るにはまず(a)成分に(b)成分を溶解混合する。さらに必要によりこの樹脂液に多官能のエポキシ樹脂を溶解混合しても良い。次いでこの混合物に熱硬化剤として(c)成分と(d)成分並びに必要に応じ消泡剤、レベリング剤及び有機フィラー等の所定量を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
【0032】
本発明の液晶セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、例えば本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー等により該液晶シール剤を塗布した後、該液晶シール剤の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、紫外線照射機により液晶シール部に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500mJ/cm2〜6000mJ/cm2より好ましくは1000mJ/cm2〜4000mJ/cm2の照射量が好ましい。その後、90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100重量部に対し通常0.1〜4重量部、好ましくは0.5〜2重量部、更に、好ましくは0.9〜1.5重量部程度である。
【0033】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明する。
【0034】
実施例1
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(日本化薬製、RE−303P、エポキシ当量159、加水分解性塩素量120ppm)に対して、エポキシ基の60%当量のアクリル酸を反応して得られる60%部分エステル化エポキシアクリレート樹脂90重量部に、ラジカル発生型光重合開始剤として3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール(旭電化工業製、アデカオプトマーN−1414)1.8重量部及びα−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕(日本化薬製、EPPN−501H)10重量部を90℃で加熱溶解し、樹脂液を得た。別にカップリング剤処理シリカを、シリカ(龍森製、クリスタライト1FF、平均粒径1.0μm)100重量部をヘンシェルミキサーに入れ攪拌運転し、回転中にアミノシランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン製、KBM−603)3重量部を滴下して得た。また、カップリング処理タルクは、タルク(巴工業製、HTPultra5C、平均粒径0.5μm)100重量部をヘンシェルミキサーに入れ攪拌運転し、その回転中にアクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、信越シリコーン製、KBM−503)2重量部及びエポキシシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、チッソ製、サイラエースS−510)2重量部を滴下して得た。前述の樹脂液にこのシランカップリング処理シリカ20重量部とシランカップリング処理タルク10重量部と平均粒径3μmに微粉砕したビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(和歌山精化工業製、融点188℃)24.6重量部を添加して3本ロールにより混練して本発明の液晶シール剤を得た。液晶シール剤の粘度(25℃)は250Pa・sであった(R型粘度計(東機産業株式会社製))
【0035】
実施例2
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業製、融点192℃)を11.4重量部とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の液晶シール剤を作製した。
【0036】
比較例1
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した4,4’−ジアミノジフェニルメタン(BASF社製、融点198℃)を11.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして比較用の液晶シール剤を作製した。
【0037】
比較例2
実施例1において、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンに替えて平均粒径3μmに微粉砕した3,3’−ジアミノジフェニルメタン(三井化学ファイン社製、融点175℃)を14.1重量部とした以外は、実実施例1と同様にして比較用の液晶シール剤を作製した。
【0038】
液晶汚染性テスト
液晶に対する汚染性の指標である接触液晶の比抵抗の測定は、サンプル瓶に液晶シール剤を0.1g入れ、液晶(メルク製、MLC−6866−100)1mlを加えた後、UV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入し、その後、1時間室温にて放置する。処理が終ったサンプル瓶から液晶のみを取り出し液体電極LE21(安藤電気製)に入れて、アドバンテスト製エレクトロメーターR−8340により測定電圧10Vで4分後の液晶の比抵抗を測定して行った。その結果を表1に示した。ここで、液晶シール剤に接触させて処理した液晶の比抵抗値が、液晶シール剤を接触させないで同様に処理した液晶の比抵抗値との比較において、接触液晶の比抵抗値の桁数が2桁以上低下しないものを良好と判定した。
【0039】
ガラス基板貼り合わせギャップ形成テスト
得られた液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、25℃でそのガラス基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、クリップによりはさみ、その後、UV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入して硬化させた。このガラス基板を顕微鏡にて5μmのスペーサーの厚みまで液晶シール剤がつぶれたかどうか確認した。その結果を表1に示した。
【0040】
接着強度テスト
得られた液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その液晶シール剤上に1.5mm×1.5mmのガラス片を貼り合わせUV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃オーブンに1時間投入して硬化させた。そのガラス片のせん断接着強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0041】
保存安定性テスト
得られた液晶シール剤を25℃にて放置して粘度の経時変化を測定した。粘度が3倍以上になる時間を測定した。その結果を表1に示した。
【0042】
表1からわかるように、実施例1、2は、作業性と貼り合わせ性に優れ、保存安定性が良く、接着強度が強く、液晶汚染性が低い事がわかる。比較例1は液晶汚染性は良好であるが、保存安定性が悪い液晶シール剤である。比較例2は、保存安定性は良いが、液晶汚染性が悪い液晶シール剤である。
【0043】
【0044】
【発明の効果】
基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、保存安定性が良く、強い接着強度、低液晶汚染性に優れた本発明の液晶シール剤を液晶滴下工法に使用することにより、歩留まり、生産性が向上した液晶表示セルの製造が可能になった。
Claims (13)
- (a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して30〜80%当量のアクリル酸又はメタクリル酸をエステル化反応させて得られる部分エステル化エポキシアクリレート樹脂又は部分エステル化エポキシメタクリレート樹脂、(b)ラジカル発生型光重合開始剤、(c)熱硬化剤としてエーテル結合を有する固体の芳香族ポリアミン及び(d)平均粒径が3μm以下の充填剤を必須成分として含有する液晶シール剤。
- 各成分の配合比が(a)成分100重量部に対して(b)成分が0.1〜10重量部、(c)成分が1〜50重量部である請求項1記載の液晶シール剤。
- (a)成分に用いるエポキシ樹脂がビスフェノールA型液状エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型液状エポキシ樹脂である請求項1又は2記載の液晶シール剤。
- (a)成分に用いるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量が600ppm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- (c)成分が、アミノ基がエーテル結合のパラ位又はオルト位にある芳香族ポリアミンである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- (c)成分が、融点120℃以上の芳香族ポリアミンである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- (b)成分がカルバゾール系開始剤である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- (d)成分の含有量が液晶シール剤中の5〜40重量%である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- (d)成分がシランカップリング処理された充填剤である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- 多官能エポキシ樹脂を(a)成分100重量部に対して30重量部以下含有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液晶シール剤。
- 多官能エポキシ樹脂がα−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ〔2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2、3−エポキシプロポキシフェニレン〕である請求項10記載の液晶シール剤。
- 請求項1乃至11のいずれか1項記載の液晶シール剤の硬化物でシールされた液晶表示セル。
- 一方の基板に形成された請求項1乃至11のいずれか1項に記載の液晶シール剤の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
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