JP2009079070A - プラスチック基材用カチオン重合性接着剤、それを用いた積層体及び偏光板 - Google Patents

プラスチック基材用カチオン重合性接着剤、それを用いた積層体及び偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材への常態接着性に優れ、かつ速硬化性を有するプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を提供することである。
【解決手段】特定のオキセタニル構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とするプラスチック基材用カチオン重合性接着剤に関する。(下記式中のR及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、食品包装フィルム、及びその他産業資材フィルム等のプラスチック基材の貼り合せに使用することのできるプラスチック基材用カチオン重合性接着剤、それを用いた積層体及び偏光板に関する。
液晶ディスプレイに使用される偏光板としては、一般的に、ヨウ素等の二色性材料が含浸したポリビニルアルコール系フイルムからなる偏光子に、トリアセチルセルロースや熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂等からなる透明な保護フイルムを積層したものが知られている。
前記偏光子と前記保護フィルムを積層する為に使用する接着剤としては、偏光板の生産効率を向上する観点から、基材への密着性に優れ、かつ速硬化が可能な接着剤が、産業界から求められている。
前記接着剤としては、例えば、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子内にイソシアネート基と反応する活性水素を有する化合物とを反応させてなるウレタンプレポリマーを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記接着剤は、硬化に時間を要するため生産効率が低いという問題を有していた。
また、前記接着剤としては、例えば、分子内に水分散性成分を有するイソシアネート化合物を使用することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、前記接着剤は、前記用途で求められるレベルの十分な接着強さを有しておらず、また、硬化に時間を要するため生産効率が低いという問題を有していた。
また、前記接着剤としては、一種以上のアクリル酸エステルの(共)重合体をトルエン、酢酸エチルなどの有機溶剤に溶解した溶液、またはこれらの(共)重合体の水系エマルジョン等からなるアクリル樹脂系粘着剤が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、前記アクリル樹脂系粘着剤の使用では、有機溶剤や水を加熱により揮散させる工程を必要とするため、偏光板等の生産効率を向上しにくいという問題を有していた。
また、前記接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂、オキセタン化合物及びエポキシ化合物を含有する水系接着剤が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、前記接着剤は、硬化に時間を要するため生産効率が低いという問題を有していた。
また、前記接着剤としては、例えば、芳香環を含まないエポキシ樹脂を主成分とする接着剤が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、前記接着剤は、前記用途で求められるレベルの十分な常態接着性を有しているとは言いがたかった。また、前記接着剤の使用では、溶媒である水を揮発させる工程を必要とするため、偏光板等の生産効率を向上させにくいという問題を有していた。
特開平7−120617号公報 特開2003-107245号公報 特開平5−212828号公報 特開2005−181817号公報 特開2004−245925号公報
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材への常態接着性に優れ、かつ速硬化性を有するプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記プラスチック基材用カチオン重合性接着剤によって強固に接着された積層体、及び偏光板を提供することである。
本発明者等は、前記課題の解決には、カチオン重合を十分に進行させることが重要であるから、カチオン重合に直接関与する、ウレタンプレポリマー中のカチオン重合性基の導入量を増加させることによって、前記課題を解決できるのではないかと考えた。
具体的には、3個以上のイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂と、代表的なオキセタン化合物の一つである3−エチル−3ヒドロキシメチルオキセタンとを反応させて得られる、カチオン重合性基として3個以上のオキセタニル基を有するポリウレタン樹脂、及び光カチオン重合開始剤を含有する接着剤を検討した。しかし、前記接着剤であっても、依然として十分なレベルの硬化性を発現できず、また、オキセタニル基の数が増加するにしたがって、前記接着剤の粘度が増加し、塗工作業性が低下する傾向が見られた。
そこで、カチオン重合性基を有する脂環式エポキシ化合物等の各種反応性希釈剤を、前記ポリウレタン樹脂及びカチオン重合開始剤と併用することによって、塗工作業性を低下させることなくカチオン重合が促進され、その結果、前記接着剤の硬化性が向上するのではないかと考え、検討進めた。
しかし、前記反応性希釈剤を併用する方法によっても、該接着剤の硬化性を実用上十分なレベルにまで向上させることは、依然として困難であった。
本発明者等は、様々な構造を有するウレタンプレポリマーと光カチオン重合開始剤との組み合わせの検討を更に進めた結果、後述するような特定のオキセタニル基含有構造を有するウレタンプレポリマーと光カチオン重合開始剤とを含む接着剤であれば、前記課題を解決できることを見い出した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とするプラスチック基材用カチオン重合性接着剤に関する。
Figure 2009079070
(R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、プラスチック基材への優れた接着性を示すことから、光学フィルム、食品包装フィルム、その他産業資材フィルムの積層体を製造するための接着剤として極めて有効であり、とりわけ、偏光板等の光学部品の製造に好適に使用することができる。
本発明の合成例1で得られた1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールをC−NMRで評価した図である。 本発明の合成例1で得られた1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールをH−NMRで評価した図である。
本発明は、一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び光カチオン重合開始剤(B)を主成分として含有し、その他に必要に応じて各種添加剤等を含有するプラスチック基材用カチオン重合性接着剤である。
Figure 2009079070
(R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
はじめに、本発明で使用する前記一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)について説明する。
本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)は、分子中に前記一般式(1)で示される構造を有する。ウレタンプレポリマー(A)は、単にカチオン重合性基として既に知られているオキセタニル基を有していればよい、というものではない。前記一般式(1)によって示された特定のオキセタニル基含有の構造を有していることが、優れた硬化性を有し、かつ柔軟性に優れた硬化物を形成可能な本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得るうえで重要である。
例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとを反応させて得られる、上記構造を含まないオキセタニル基含有ウレタンプレポリマー及び光カチオン開始剤を含有するプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、紫外線を十分に照射しても、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤に匹敵するレベルの硬化性を発現できない。
前記ウレタンプレポリマー(A)としては、前記一般式(1)で示される構造を分子中のいずれの位置に有するものも使用でき、含まれる構造の数も制限されない。なかでも、前記一般式(1)で示される構造を分子両末端に有するウレタンプレポリマーを使用することが、優れた硬化性や常態接着性を有し、かつ柔軟性に優れた硬化物を形成可能なプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得るうえでより好ましい。
前記一般式(1)で示される構造は、1個の炭素原子に結合した2個のエーテル結合含有分子鎖上に、それぞれオキセタニル基を有する構造である。
前記一般式(1)で示される構造中のaは0または1を表し、0であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造中のb及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表し、0〜4の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR及びRは、それぞれ独立して、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を表すが、なかでもメチレン基であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基または水素原子を表す。前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等である。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR及びRは、それぞれ独立して、2〜4個の炭素原子数を含むアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などである。
前記一般式(1)で示される構造は、具体的には下記一般式(3)で示されるような、一般式(1)中のaが0であり、b及びcが0〜4の整数であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、R及びRがエチル基であり、かつR及びRがそれぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基である構造、であることが好ましい。
Figure 2009079070
(一般式(3)中のR及びRはそれぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、b’及びc’は、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
特に、一般式(1)で示される構造は、下記化学式(4)で示されるような、一般式(1)中のa、b及びcがいずれも0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である構造、であることがより好ましい。化学式(4)で示される構造を有するウレタンプレポリマーは、その製造の際に凝集物を発生させにくく、また、該ウレタンプレポリマーを使用することによって優れた硬化性と柔軟性とを発現可能なプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得ることができる。
Figure 2009079070
また、前記ウレタンプレポリマー(A)中における前記一般式(1)で示される構造の存在量は、含まれる前記構造の数とポリマー分子量に基づき、250〜50000当量の範囲であることが好ましく、350〜35000であることがより好ましく、500〜25000当量の範囲であることがさらに好ましい。
また、ウレタンプレポリマーといわれるものは、一般的に比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを使用することができる。本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)のサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量は、500〜100000の範囲であることが好ましく、750〜75000の範囲であることがより好ましく、1000〜50000の範囲であることが更に好ましい。前記範囲内の数平均分子量を有するウレタンプレポリマー(A)を使用することによって、得られるプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の粘度を比較的調整しやすい。このことから、例えば該接着剤を基材上に塗工する際の作業性を向上できるだけでなく、例えば有機及び無機基材に対する良好な密着性と、該基材の湾曲等の変形に対して追随可能なレベルの柔軟性とを発現することができる。なお、本発明でいう数平均分子量とは、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、流量1ml/分の条件で、RI検出器(屈折法)にて、分子量既知のポリスチレン換算にて測定した値を表す。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法は特には制限されない。例えば、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを、前記ポリイソシアネート(a2)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(a1)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)を製造し、次いで前記ウレタンプレポリマー(a)の有するイソシアネート基と、下記一般式(2)で示される化合物(b)の有する水酸基とを反応させることによって製造することができる。
Figure 2009079070
(R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる前記ポリオール(a1)としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、主鎖が炭素原子−炭素原子結合からなるポリオール等が挙げられる。これらは、単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリオール(a1)に使用可能なポリエーテルポリオールとしては特に制限はないが、例えば分子中に活性水素含有基を2個以上有する反応開始剤と、アルキレンオキシドとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
前記反応開始剤としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、蔗糖、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、蔗糖アミン化合物、燐酸、酸性リン酸エステル等を使用することができ、これらを単独使用または2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキシドとしては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を使用することができ、これらを単独使用または2種以上を併用してもよい。
前記分子中に活性水素含有基を2個以上有する反応開始剤とアルキレンオキシドとの反応により得られるポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、前記したものの他にテトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコールや、ウレタン変性ポリエーテルポリオールや、ポリエーテルエステルコポリマーポリオールや、各種ポリオール中でアクリロニトリル及びスチレンモノマー等のビニル基含有モノマーをグラフト重合して得られるポリエーテルポリオール(一般に、ポリマーポリオールといわれる。)や、各種ポリエーテル中にポリウレアが安定分散したポリオール(一般にPHDポリオールといわれる。なお、PHDは、polyharnsstoff dispersionの略である。)を使用することもできる。これらを単独使用または2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(a1)に使用可能なポリエステルポリオールとしては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールや、環状エステル化合物を開環重合することによって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記環状エステル化合物としては、例えばε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリオール(a1)に使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば前記低分子量ポリオール及びアルキレンカーボネート等の縮合反応により得られるものが挙げられる。
前記ポリオール(a1)に使用可能な主鎖が炭素原子−炭素原子結合からなるポリオールとしては、例えばポリブタジエンポリオールや、水添ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できるポリイソシアネート(a2)としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香環にアルキレン基を介してイソシアネート基が結合しているジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる前記一般式(2)で示される化合物(b)は、1個の炭素原子に結合した2個のエーテル結合含有分子鎖上にそれぞれオキセタニル基を有し、かつ前記ウレタンプレポリマー(a)の有するイソシアネート基と反応しうる水酸基、とを有する化合物である。
Figure 2009079070
(R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
前記一般式(2)で示される化合物(b)中のaは、0または1を表し、0であることが好ましい。
また、前記一般式(2)で示される化合物(b)中のb及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表し、0〜4の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
また、前記一般式(2)で示される化合物(b)中のR及びRは、それぞれ独立して、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を表すが、なかでもメチレン基であることが好ましい。
また、前記一般式(2)で示される化合物(b)中のR、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基または水素原子を表す。前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等である。
また、前記一般式(2)で示される化合物(b)中のR及びRは、それぞれ独立して、2〜4個の炭素原子数を含むアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などである。
前記一般式(2)で示される化合物(b)は、具体的には下記一般式(5)で示されるような、一般式(2)中のaが0であり、b及びcが0〜4の整数であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、R及びRがエチル基であり、かつR及びRがそれぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基であるものが好ましい。
Figure 2009079070
(一般式(5)中のR及びRはそれぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、b’及びc’は、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
なかでも、一般式(2)で示される化合物(b)としては、下記化学式(6)で示される、一般式(2)中のa、b及びcがいずれも0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である化合物[言い換えれば、一般式(5)中のb’及びc’がともに0である化合物。物質名 1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)プロパン−2−オール]、を使用することがより好ましい。化学式(6)で示される化合物は、その製造の際に発生した副生成物から、蒸留等の手段によって容易に精製することができる。精製された化学式(6)で示される化合物を使用することによって、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に凝集物を発生させにくく、優れた硬化性と柔軟性とを発現可能なプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得ることができる。
Figure 2009079070
前記一般式(2)で示される化合物(b)は、各種方法により製造することができるが、例えば前記化学式(6)で示される化合物であれば、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとを、水酸化ナトリウムの存在下で混合し反応させることによって製造することができる。
前記化学式(6)で示される化合物は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとを、例えば5〜20℃のフラスコ内で、1−クロロ−2,3−エポキシプロパンの1モルに対し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを2〜10モルとなる割合で混合し、6〜12時間程度攪拌しながら反応させることによって製造することができる。
前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとの反応では、目的とする前記化学式(6)で示される化合物の他に、各種副生成物が製造されることが多い。したがって、前記反応終了後に、反応生成物を濾過や蒸留等の手段によって精製して副生成物を除いた前記化合物を使用することが、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に凝集物の発生を抑制する観点からより好ましい。
前記化学式(6)で示される化合物の蒸留は、例えば140℃以上、20mbar以下の条件にて行うのが好ましく、150℃以上、0.02mbar以下の条件にて行うのがより好ましい。
また、前記一般(5)で示される化合物のうち、b及びcが1〜4である化合物は、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及びエチレンカーボネートの反応物と、1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとを、水酸化ナトリウムの存在下で反応させることによって製造することができる。
前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及びエチレンカーボネートの反応物と、1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとの反応では、目的とする前記化学式(5)で示される化合物の他に、各種副生成物が製造されることが多い。したがって、前記反応終了後に、反応生成物を濾過や蒸留等の手段によって精製して副生成物を除いた前記化合物を使用することが好ましい。
前記前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及びエチレンカーボネートの反応物と1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとの反応生成物の蒸留は、例えば140℃以上、20mbar以下の条件にて行うのが好ましく、150℃以上、0.02mbar以下の条件にて行うのがより好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能な、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)の製造方法は特に制限されず必要に応じて選択され得る。例えば、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを、例えば窒素置換された70〜100℃のフラスコ内で、前記ポリオール(a1)が有する水酸基の当量に対し前記ポリイソシアネート(a2)の有するイソシアネート基の当量が過剰となる割合で混合し、2〜15時間程度攪拌しながら反応させることによって製造することができる。
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、前記ポリオール(a1)が有する水酸基1当量に対して前記ポリイソシアネート(a2)の有するイソシアネート基の当量割合が1.1〜5.0となる範囲で行うことが好ましく、1.4〜4.0の範囲で行うことがより好ましく、1.3〜3.0の範囲で行うことがさらに好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させて得られたウレタンプレポリマーを使用することにより、硬化性や常態接着性に優れ、かつ優れた柔軟性を有する硬化物を形成可能なプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得ることができる。
また、前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際には、前記ポリオール(a1)や前記ポリイソシアネート(a2)の他に、必要に応じて、イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物を使用することができる。
前記活性水素を有する化合物としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば低分子量ポリオール、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン等の、一般的に鎖伸長剤として知られているものを使用することができる。
前記低分子量ポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用可能なものとして例示した低分子量ポリオールと同様のものを使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、前記製造方法で得られたウレタンプレポリマー(a)と前記一般式(2)で示される化合物(b)とを、例えば窒素雰囲気下、70〜100℃の範囲で2〜15時間程度それらを攪拌し、前記ウレタンプレポリマー(a)の有するイソシアネート基と前記化合物(b)の有する水酸基とを反応させることによって製造することができる。
前記ウレタンプレポリマー(a)と、前記化合物(b)とは、前記化合物(b)が有する水酸基1当量に対して、前記ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基の当量割合が、0.5〜1.5の範囲で反応させることが好ましく、0.5〜1.2の範囲で反応させることが好ましく、0.8〜1.2の範囲で反応させることがより好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させて得られるウレタンプレポリマーを使用することにより、硬化性や常態接着性、及び塗工作業性に優れ、かつ優れた柔軟性を有する硬化物を形成可能なプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を得ることができる。
次に、本発明で使用する光カチオン重合開始剤(B)について説明する。
本発明において光カチオン重合開始剤とは、紫外線照射によってカチオン重合を開始させる酸成分を発生させることのできる化合物を意味する。本発明で使用する光カチオン重合開始剤は、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤に紫外線が照射された際に酸成分を発生させ、前記ウレタンプレポリマー(A)のカチオン重合を開始させる。
前記光カチオン重合開始剤としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば、カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、チオキサントニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄カチオン、及びチアンスレニウムであって、アニオン部分が、BF 、PF 、SbF 、[BX(但し、Xは、フェニル基の有する水素原子の2個以上が、フッ素原子またはトリフルオロメチル基によって置換された官能基を示す。)で構成される、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、チオキサントニウム塩、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄塩、等を単独で使用または2種以上を併用することができる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記チオキサントニウム塩としては、S−ビフェニル 2−イソプロピル チオキサントニウム ヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。
また、前記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えば、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K(以上、サンアプロ(株)製)、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6990、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172(以上、旭電化工業(株)製)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−145、サンエイドSI−150、サンエイドSI−160、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社製)、オムニキャット432、オムニキャット440、オムニキャット445、オムニキャット550、オムニキャット650、オムニキャットBL−550(アイジーエム レジン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ロードシル フォトイニシエーター2074(RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア・ジャパン(株)製)等が市販されている。
また、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤には、前記ウレタンプレポリマー(A)及び光カチオン重合開始剤(B)の他に、ウレタンプレポリマー(A)以外のカチオン重合性化合物(C)を併用することが、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の塗工作業性を向上させることができるため好ましい。
プラスチック基材用カチオン重合性接着剤の粘度を低下させ、塗工作業性を向上させる方法としては、一般に有機溶剤を併用する方法が知られている。
しかし、有機溶剤含有のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を使用した場合には、該接着剤を基材上に塗布した後、該塗布層中に含まれる有機溶剤を揮発し除去する工程が必要となる問題があり、塗工作業の効率化及び地球環境負荷低減の観点から好ましくない。
そこで、有機溶剤の代わりに、その皮膜形成過程において前記ウレタンプレポリマー(A)等と共重合し硬化皮膜を形成しうる前記その他のカチオン重合性化合物(C)を反応性希釈剤として使用すれば、その塗工作業効率を低下させることなく、また地球環境負荷を増加させることなく、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤の塗工作業性を向上することが可能となるため好ましい。
前記カチオン重合性化合物(C)としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば下記構造式(7)で示されるオキセタン環構造を分子中に有するオキセタン化合物をはじめ、脂環式エポキシ化合物や、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、及び脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物、等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物等を単独で使用又は2種以上併用することができる。前記オキセタン化合物を使用することが好ましい。
Figure 2009079070
前記オキセタン化合物としては、オキセタン環構造を複数個、好ましくは2〜4個有するものを使用することができる。
前記2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、例えば下記一般式(8)、及び(9)で示される化合物等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
Figure 2009079070
Figure 2009079070
上記一般式(8)、及び(9)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチエニル基を表し、Rは2価の有機残基を表し、Zは酸素原子又は硫黄原子を表す。
前記Rが示す炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−もしくはt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等であり、また、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基等であり、また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル基等である。
また、前記一般式(8)中、Rが表す2価の有機残基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、4〜30個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基、下記一般式(10)及び(11)で示される構造がある。
前記Rを構成する直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素原子数1〜15のアルキレン基であることが好ましい。また、4〜30個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基は、4〜8個の炭素原子を有するものが好ましく、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基であることが好ましい。
Figure 2009079070
前記一般式(10)中、R10は酸素原子、硫黄原子、CH2、NH、SO、SO2、C(CF3)又はC(CH3)を表す。
Figure 2009079070
前記一般式(11)中、R11は1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、アリーレン基、及び下記一般式(12)で示される官能基を示す。
Figure 2009079070
前記一般式(12)中、dは1〜6の整数を表し、eは1〜15の整数を示す。
前記一般式(12)としては、eが1〜3の整数であることが好ましい。
前記2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、例えば、アロンオキセタンOXT−221、アロンオキセタンOXT−121(以上、東亞合成(株)製)、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP(以上、宇部興産(株)製)等が市販されている。
また、前記脂環式エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ基を複数個、好ましくは2〜4個有するものを使用することができる。
脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(13)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式(13)中、fが0の化合物。)や、そのカプロラクトン変性物(式(13)中、fが1の化合物。)、そのトリメチルカプロラクトン変性物(構造式(14)及び構造式(15))、及びそのバレロラクトン変性物(構造式(16)及び構造式(17))や、構造式(18)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009079070
前記一般式(13)中、fは0又は1を表す。
Figure 2009079070
Figure 2009079070
Figure 2009079070
Figure 2009079070
Figure 2009079070
前記一般式(13)で示される、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびそのカプロラクトン変性物としては、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サイラキュアUVR−6105、サイラキュアUVR−6107、サイラキュアUVR−6110(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
また、前記一般式(18)で示されるアジピン酸エステル系の脂環式エポキシ化合物としては、例えばサイラキュアUVR−6128(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
脂環式エポキシ基を3個有する脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(19)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009079070
一般式(19)中、g及びhは、それぞれ独立して0又は1であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(19)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えばエポリードGT301、エポリードGT302(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
脂環式エポキシ基を4個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(20)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009079070
前記一般式(20)中、i〜lは、それぞれ独立して0又は1を示し、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(20)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、エポリードGT401、エポリードGT403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
また、前記ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロン840、エピクロン840−S、エピクロン850、エピクロン850−S、エピクロン850−CRP、エピクロン850−LC(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、jER827、jER828、jER828EL、jER828XA、jER834(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、リカレジンBPO−20E、リカレジンBEO−60E(以上、新日本理化(株)製)等が市販されている。
前記水添ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、デナコールEX−252(以上、ナガセケムテックス(株)製)、SR−HBA(以上、阪元薬品工業(株)製)、jERYX8000、jERYX8034(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、リカレジンHBE−100(以上、新日本理化(株)製)等が市販されている。
前記ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロン830、エピクロン830−S、エピクロン830−LVP、エピクロン835、エピクロン835−LV(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、jER806、jER806L、jER807(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)等が市販されている。
また、前記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等を使用することができる。
前記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、前記したなかでも2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。
前記2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、例えば、エピクロン703、エピクロン705、エピクロン707、エピクロン720、エピクロン725、エピクロン726(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−622、デナコールEX−614B、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−850L、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(以上、ナガセケムテックス(株)製)、SR−NPG、SR−16H、SR−16HL、SR−TMP、SR−PG、SR−TPG、SR−4PG、SR−2EG、SR−8EG、SR−8EGS、SR−GLG、SR−DGE、SR−DGE、SR−4GL、SR−4GLS、SR−SEP(以上、阪元薬品工業(株)製)、YED205、YED216、YED216M(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)等が市販されている。
前記カチオン重合性化合物(C)としては、オキセタン環構造を有するオキセタン化合物を使用することが好ましく、2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物を使用することがより好ましい。前記オキセタン環構造を有するオキセタン化合物を使用することによって、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の塗工作業性を向上できるだけでなく、該接着剤の硬化性や常態接着性をより一層向上させることができる。
次に、本発明プラスチック基材用カチオン重合性接着剤の製造方法について説明する。
本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて前記ウレタンプレポリマー(A)と、必要に応じて前記カチオン重合性化合物(C)とを均一になるまで混合、攪拌し、次いで、前記で得られた混合物と前記光カチオン重合開始剤(B)とを混合、攪拌することによって製造することができる。
前記光カチオン重合開始剤(B)は、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の全量に対して0.5〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、0.7〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。前記範囲の光カチオン重合開始剤(B)を含むプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、良好な硬化性を有し、また、光カチオン重合開始剤(B)が発生させる酸の、硬化物中における残存量を低減させることができるため、酸による金属基材の劣化を抑制することができる。
また、前記カチオン重合性化合物(C)を併用する場合には、前記ウレタンプレポリマー(A)と前記カチオン重合性化合物(C)との質量割合[(A)/(C)]が、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、80/20〜20/80の範囲であることがより好ましい。
本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤には、必要に応じて各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
前記添加剤としては、例えばシランカップリング剤、有機溶剤、充填剤、チキソ付与剤、増感剤、前記した各種ポリオール及びそれ以外のその他のポリオール、レベリング剤、酸化防止剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、有機顔料、無機顔料、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、中空発泡体、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤等のほか、有機及び無機水溶性化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等のその他の樹脂を併用することができる。
前記添加剤のうち、代表的なものとしては、下記のシランカップリング剤や、有機溶剤、充填剤、チキソ付与剤が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランまたはビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等を使用することができる。
また、前記添加剤としては、本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の粘度を調整し、その塗工作業性等を改善する観点から、有機溶剤を併用することができ、かかる有機溶剤としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、二塩基酸ジエステル、テトラクロルエチレン等を使用することができる。但し、有機溶剤含有のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を使用した場合には、該接着剤を基材上等に塗布した後、該塗布層中に含まれる有機溶剤を揮発し除去する工程が必要となるという問題があり、塗工作業の効率化及び地球環境負荷低減の観点から、できるだけ使用しないことが好ましい。
また、前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、カーボンブラック、アルミナ、酸化マグネシウム、無機或いは有機バルーン、リチアトルマリン、活性炭等を使用することができる。
前記チキソ付与剤としては、例えば、表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ、ベントナイト、ゼオライト等を使用することができる。
前記添加剤は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて前記ウレタンプレポリマー(A)及び必要に応じて前記カチオン重合性化合物(C)を混合、攪拌する際に、併せて混合することができる。
前記方法で得られた本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、例えばその一部に紫外線を照射することによって、該接着剤のカチオン重合を進行させることができる。
紫外線の照射量としては特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば50〜5000mJ/cmが好ましく、100〜3000mJ/cmがより好ましく、100〜1000mJ/cmが特に好ましい。本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、比較的低レベルの紫外線照射量、目安として概ね100〜1000mJ/cmの照射量であっても、十分に硬化するため、紫外線の多量の照射による基材の損傷を抑制することができる。尚、上記の紫外線照射量は、UVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値に基づく。
前記紫外線を照射する際には、例えばキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどの公知のランプを使用することができる。
本発明の接着剤は、とりわけ、プラスチック基材からなる積層体の製造に使用することができ、なかでも偏光板等の光学部材の製造に好適に使用することができる。
偏光板は、通常、偏光子の両面に保護フィルムが貼付されたものを指す。ここで、本発明の接着剤は、前記偏光子と保護フィルムとの接着に好適に使用することができる。
前記の透明保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性等を向上させる観点から、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーやシクロオレフィン構造を有する樹脂、ノルボルネン樹脂等からなるプラスチックフィルムを使用することができ、トリアセチルセルロースからなるフィルムやノルボルネン樹脂からなるプラスチックフィルムを使用することが好ましい。
前記透明保護フィルムとして、トリアセチルセルロースからなるフィルムのように紫外線を透過しにくいものを使用する場合には、前記フィルムまたは偏光子上に本発明の接着剤を塗布し、その塗布面に紫外線を照射した後、その照射面に別の基材を載置し圧締することによって、透明保護フィルムと偏光子とを接着することが可能である。
一方、ノルボルネン樹脂からなるフィルムのように紫外線を透過しやすい基材を使用する場合には、フィルム又は偏光子上に本発明を塗布し、その塗布面に別の基材を載置した後、前記フィルムを通して接着剤層に紫外線を照射することによって、前記フィルムと偏光子とを接着することが可能である。
また、前記の偏光子としては、特に制限されず各種のものを使用できるが、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物等の親水性高分子化合物からなるプラスチック基材に、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等を使用することができる。なかでも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質を吸着させたフィルムを使用することが好ましい。
本発明の積層体及び偏光板を製造する際に使用可能な前記プラスチック基材の厚みは、その使用される用途によって異なるが、概ね10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
また、前記プラスチック基材の表面には、コロナ放電処理、紫外線照射処理、アルカリ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。好ましくは濡れ指数で45mN/m以上、更に好ましくは50mN/m以上の表面状態のプラスチック基材を使用することが好ましい。なお、前記濡れ指数とは、Zismanによる臨界表面張力を意味し、JISK8768に基づき標準濡れ試薬で測定される値である。
前記プラスチック基材上に本発明のカチオン重合性接着剤を塗布する方法としては、例えばグラビアコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法等の従来公知の塗工方法により、前記プラスチック基材上に塗布することができる。
本発明のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、その膜厚が0.01〜50μmの範囲となるように塗布することが好ましく、0.05〜20μmの範囲であることがより好ましい。
また、前記プラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、該接着剤を各種基材上に、例えばダイコーター等を用いて0.05〜20μmの厚さに塗布した後、該塗布面に紫外線を照射し、次いで基材を貼り合せる方法がある。
また、使用する基材が透明または半透明の場合には、該接着剤を基材上に、例えばダイコーター等を用いて0.05〜20μmの厚さに塗布し、該塗布面に別の基材を貼り合せた後に、透明または半透明の基材上から紫外線を照射することによって、該接着剤からなる接着剤層を硬化させ複数の基材を接着することができる。
以下、本発明を実施例、及び比較例により、一層具体的に説明する。
[合成例1]1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オール(化学式6)の調製
清浄なフラスコに3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン818質量部と水酸化ナトリウム90質量部とを仕込み、次いでそのフラスコ内を5℃に冷却し、それらを攪拌し混合した。
攪拌中の前記フラスコ内に、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン182質量部を2時間かけて滴下し、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと前記1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとを18時間反応させることによって、下記化学式(6)で示される構造を有する1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールを含む混合物を得た。なお、前記1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールの合成は、下記化学反応式にしたがって進行する。
次に、前記混合物を140℃、20mbarの条件にて蒸留することで、前記1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールを前記混合物から単離した。また、前記1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールの同定は、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、EX−270)を用いてC−NMR及びH−NMRを測定し、上記化合物が製造、単離されていることを確認した。図1及び2に、得られた1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールのC−NMR及びH−NMRによる測定結果を示す。
Figure 2009079070
Figure 2009079070
[合成例2](ウレタンプレポリマー(I)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながら、それらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、前記フラスコ内に、合成例1で調製した1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールの318質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールとを90℃で10時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(I)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(I)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。また、得られたウレタンプレポリマー(I)は、分子の両末端に、前記一般式(1)で示される構造のうち、a、b及びcが0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である構造、を有していた。
[合成例3](ウレタンプレポリマー(II)の合成例)
清浄なフラスコにポリカプロラクトンポリオール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、前記フラスコ内に、合成例1で調製した1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールの318質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールとを90℃で10時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー (II)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(II)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。また、得られたウレタンプレポリマー(II)は、分子の両末端に、前記一般式(1)で示される構造のうち、a、b及びcが0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である構造、を有していた。
[合成例4](ウレタンプレポリマー(III)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)649質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、下記構造式(21)の化合物(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)107質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと下記構造式(21)の化合物とを90℃で3時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(III)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(III)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
Figure 2009079070
[合成例5](ウレタンプレポリマー(IV)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)648質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、グリシドール108質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとグリシドールとを90℃で4時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(IV)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(IV)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
[合成例6](ウレタンプレポリマー(V)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)601質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート227質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、下記構造式(22)で示される化合物(3,4−エポキシテトラヒドロベンジルアルコール)172質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと下記構造式(22)で示される化合物とを90℃で3時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(V)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(V)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
Figure 2009079070
[合成例7](ウレタンプレポリマー(VI)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いでイソホロンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00)、窒素雰囲気下で攪拌しながら、それらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、前記フラスコ内に、合成例1で調製した1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールの318質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールとを90℃で10時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(VI)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(VI)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。また、得られたウレタンプレポリマー(VI)は、分子の両末端に、前記一般式(1)で示される構造のうち、a、b及びcが0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である構造、を有していた。
[実施例1]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(I)、50質量部のアロンオキセタンOXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亜合成(株)製)を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100P(ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液、サンアプロ(株)製)を混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[実施例2]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(II)、50質量部のアロンオキセタンOXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亜合成(株)製)を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[実施例3]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(I)、50質量部のデナコールEX−214L(1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製)を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[実施例4]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(I)、50質量部のサイラキュアUVR−6110(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ダウ・ケミカル日本(株)製)を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[実施例5]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(VI)、50質量部のアロンオキセタンOXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亜合成(株)製)を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100P(ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液、サンアプロ(株)製)を混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例1]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(III)、40質量部のアセトンを仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例2]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(III)、50質量部のサイラキュアUVR−6110を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例3]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(III)、50質量部のデナコールEX−214Lを仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例4]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(III)、50質量部のアロンオキセタンOXT−221を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例5]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(IV)、40質量部のアセトンを仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例6]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(IV)、50質量部のサイラキュアUVR−6110を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例7]
密閉型プラネタリーミキサー中に、100質量部の前記ウレタンプレポリマー(V)、40質量部のアセトンを仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
[比較例8]
密閉型プラネタリーミキサー中に、50質量部の前記ウレタンプレポリマー(V)、50質量部のサイラキュアUVR−6110を仕込み、均一になるまで混合、攪拌した。
次に、5質量部のCPI−100Pを混合、攪拌することで、プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を調製した。
実施例1〜5及び比較例1〜8のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤の諸物性を、以下に記した方法により評価した。
実施例及び比較例で得たカチオン重合性接着剤の常態接着性を、以下に記した方法により評価した。
[常態接着性の評価方法]
(試験片作成方法)
各プラスチック基材用カチオン重合性接着剤を、アプリケーターを用いて予めコロナ処理を施したノルボルネンフィルム(厚さ100μm)上に塗布し(接着層約10μm)、接着剤塗布面とポリビニルアルコールフィルム(厚み40μm)とを、ゴムローラーを用いて加圧し貼り合わせ、積層体を作製した。次いで、コンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm)を用いて、紫外線照射量が450〜550mJ/cmとなる様に、ノルボルネンフィルムを上面にして、前記カチオン重合性接着剤への紫外線照射を行った。
次いで、各積層体について、40℃の環境下に5日養生した後の剥離強度を、引張試験機を用いて測定した(引張速度=50mm/分 T型剥離)。
〔判定基準〕
接着強さは下記基準で評価した。
良好・・・ 10N/25mm以上の剥離強度、またはノルボルネンフィルムの破断(MB)
不良・・・ 10N/25mm未満の剥離強度
尚、上記の紫外線照射量は、いずれもUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準とした。
[硬化性の評価方法]
アセトンを含むプラスチック基材用カチオン重合性接着剤については、アプリケーターを用いてポリプロピレン板上に塗布した後、23℃の環境下に30分間放置することで、該接着剤中に含まれるアセトンを揮発させ、揮発後の膜厚が50μmとなるように調製した。
次いで、コンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm)を用いて、紫外線照射量が700〜800mJ/cmとなる様に、前記プラスチック基材用カチオン重合性接着剤への紫外線照射を行った。その後、温度23℃及び湿度50%RH雰囲気下で7日間養生しフィルムを作製した。
尚、上記の紫外線照射量は、UVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値に基づく。
次に、前記フィルムの約1g分を切り取り、その初期質量(g)を精密電子天秤を用いて測定した。
次に、前記初期質量の測定後のフィルムを、50℃の条件下で24時間、酢酸エチル100g中に浸漬にした。浸漬後、酢酸エチル中のフィルムを、107℃の条件下で1時間乾燥させ、次いで精密電子天秤で測定することによって、該フィルムの浸漬後の質量(g)を求めた。
前記フィルムの初期質量と浸漬後の質量と下記式に基づいて、ゲル分率(質量%)を算出した。
ゲル分率(質量%)=[浸漬後の質量(g)/初期質量(g)]×100
また、アセトンを含まないプラスチック基材用カチオン重合性接着剤については、アプリケーターを用いてポリプロピレン板上に100μmの厚さに塗布した後、コンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm)を用いて、紫外線照射量が700〜800mJ/cmとなる様に、前記プラスチック基材用カチオン重合性接着剤への紫外線照射を行った。その後、温度23℃及び湿度50%RH雰囲気下で7日間養生しフィルムを作製した。
次に、前記フィルムの約1g分を切り取り、その初期質量(g)を精密電子天秤を用いて測定した。
次に、前記初期質量の測定後のフィルムを、50℃の条件下で24時間、酢酸エチル100g中に浸漬にした。浸漬後、酢酸エチル中のフィルムを、107℃の条件下で1時間乾燥させ、次いで精密電子天秤で測定することによって、該フィルムの浸漬後の質量(g)を求めた。
前記フィルムの初期質量と浸漬後の質量と上記式に基づいて、ゲル分率(質量%)を算出した。
[硬化性の評価基準]
前記方法で算出したゲル分率が90質量%以上であるプラスチック基材用カチオン重合性接着剤は、硬化性に優れるといえ、実用上好ましい。
[柔軟性の評価方法]
前記「硬化性の評価方法」の欄で記載した方法と同様の方法で、各プラスチック基材用カチオン重合性接着剤からなるフィルムを作製し、該フィルムを両手で1〜100°の範囲で折り曲げた際の各フィルムの割れの有無を、下記基準で評価した。
(判定基準)
○・・・90°以上に折り曲げても割れが発生しない。
×・・・1以上90°未満の範囲で折り曲げると割れが発生する。
*・・・硬化が十分に進行せずフィルムを作製することができなかったため、評価できなかった。
Figure 2009079070































Figure 2009079070
Figure 2009079070
(表1〜3中に示す略号の説明。)
「EX−214L」:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、商標:デナコール、エポキシ基当量重量=120g)
「UVR−6110」:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダウ・ケミカル日本(株)製、商標:サイラキュア、エポキシ基当量重量=137g)。
「OXT−221」:ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(東亜合成(株)製、商標:アロンオキセタン、オキセタニル基当量重量=107.2g)。
「CPI−100P」:ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネートの50質量%溶液(サンアプロ(株)製)。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とするプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
    Figure 2009079070

    (R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
  2. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)で示される構造を、分子の両末端に有するものである、請求項1に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
  3. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)中のaが0であり、b及びcがそれぞれ独立して0〜4の整数であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、R及びRがエチル基であり、かつR及びRがそれぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基である構造を有する、請求項1に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
  4. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)中のa、b及びcがいずれも0であり、R及びRがメチレン基であり、Rが水素原子であり、かつR及びRがエチル基である構造を有する、請求項1に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
  5. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a)、及び下記一般式(2)で示される化合物(b)を反応させて得られるものである、請求項1に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
    Figure 2009079070

    (R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を表す。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基または水素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立して2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。aは、0または1を表す。b及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。)
  6. 更に、前記ウレタンプレポリマー(A)以外のその他のカチオン重合性化合物(C)を含有してなる、請求項1に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
  7. 前記その他のカチオン重合性化合物(C)が、2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物である、請求項6に記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤。
  8. 2以上のプラスチック基材が、請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を用いて接着されてなることを特徴とする積層体。
  9. 前記プラスチック基材がシクロオレフィン構造を有する樹脂からなる基材である、請求項8に記載の積層体。
  10. 2以上のプラスチック基材が、請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック基材用カチオン重合性接着剤を用いて接着されてなることを特徴とする偏光板。
  11. 前記プラスチック基材がシクロオレフィン構造を有する樹脂からなる基材である、請求項10に記載の偏光板。
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