JP2005226210A - 撚糸、撚糸の製造方法および撚糸の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均繊維径が5μm以下のマルチフィラメントから構成され、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれない撚糸。前記フィラメントは例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、の脂肪族ポリエステル等の有機高分子の有機溶媒溶液に高電圧を印加し,該溶液を噴出させてから溶媒を蒸発させて得ることができる。前記繊維構造体を除電し、累積されたこれらの繊維構造体の一端から繊維束を引き出し、撚りを掛け、巻き取ることにより撚糸を製造する。
【選択図】図1
Description
すなわち本発明の目的は、
平均繊維径が5μm以下のマルチフィラメントから構成され、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれない、撚糸によって達成することができる。
繊維形成性の溶質を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階と、前記溶液に高電圧を印加させる段階と、前記溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む、撚糸の製造方法によって達成される。
繊維形成性の溶質を溶解させた溶液をノズル先端まで供給する溶液供給装置と、ノズル先端から前記溶液を噴出させ繊維構造体を製造する繊維構造体製造装置と、前記繊維構造体を堆積盤上に堆積させる繊維構造体堆積装置と、前記堆積盤上に堆積した繊維構造体から繊維束を引き出し、前記繊維束に撚りを与える撚り装置と、前記撚りを与えた繊維束を巻き取る巻き取り装置とを具備する、撚糸製造装置によって達成される。
また、得られる撚糸はそのまま使用することも出来るし、編み込むなどの加工を施すことで様々な構造体を形成することも出来るし、また取り扱い性やその他の要求事項に合わせて他の部材と組み合わせて用いることもできる。
本発明の撚糸は、まず構成するマルチフィラメントの平均繊維径が5μm以下であり、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に存在しない。
本発明の撚糸を製造するには、前述の要件を同時に満足するような撚糸が得られる手法であればいずれも採用することができるが、繊維形成性の溶質を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階と、前記溶液に高電圧を印加させる段階と、前記溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む撚糸の製造方法を好ましい一態様として挙げることができる。
前述の電極は、金属、無機物、または有機物のいかなるものでも導電性を示しさえすれば用いることができ、また、絶縁物上に導電性を示す金属、無機物、または有機物の薄膜を持つものであっても良い。
まず、繊維形成性の基質を溶解させて溶液を製造するが、本発明の製造方法における溶液中の溶媒に対する繊維形成性の基質の濃度は1〜30重量%であることが好ましい。繊維形成性の基質の濃度が1重量%より小さいと、濃度が低すぎるため繊維構造体を形成することが困難となり好ましくない。また、30重量%より大きいと得られる繊維構造体の繊維径が大きくなり好ましくない。より好ましい溶液中の溶媒に対する繊維形成性の基質の濃度は2〜20重量%である。
これらのうち、取り扱い性や物性などから、塩化メチレン、メタノール、エタノールとそれらの混合溶媒を用いることが好ましい。
前記溶液を静電場中に吐出するには、任意の方法を用いることが出来、例えば、溶液をノズルに供給することによって、溶液を静電場中の適切な位置に置き、そのノズルから溶液を電界によって曳糸して繊維化させればよい。
注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図1中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図1中1)を設置して、溶液(図1中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図1中4)から適切な距離で前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端を配置し、溶液(図1中2)が前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分と電極(図1中4)との間で繊維構造体を形成させることができる。
注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図1中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図1中1)を設置して、溶液(図1中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図1中4)とイオナイザー(図1中6)と前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端とをそれぞれ適切な距離になるように設置し、溶液(図1中2)を前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分とイオナイザー(図1中6)との間に設置した繊維構造体堆積盤(図1中7)の上に繊維構造体を形成させる。堆積した繊維構造体の一端より引き出した繊維束を巻き取り装置(図1中11、図2中11)に引き込み、巻き取りローラー(図2中12)を回転させる事で繊維束を巻き取らせる。その際に巻き取りローラー(図2中12)の回転軸に対して垂直な回転軸をもつ回転を巻き取り装置(図2中11、図2中11)に与えることで繊維束に撚りを生じさせ、撚糸を製造する装置である。
注射器の筒状の溶液保持槽(図3中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図3中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図3中1)を設置して、溶液(図3中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図3中4)とイオナイザー(図3中6)と前記溶液噴出ノズル(図3中1)の先端とをそれぞれ適切な距離になるように設置し、溶液(図3中2)を前記溶液噴出ノズル(図3中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分とイオナイザー(図3中6)との間に設置した繊維構造体堆積盤(図3中7)の上に繊維構造体を形成させる。堆積した繊維構造体の一端より繊維束を引き出し、その際に巻き取りローラー(図3中12)に対して繊維構造体堆積盤(図3中7)を相対的に回転させることで繊維束に撚りを与え、得られた撚糸を巻き取りローラー(図3中12)で巻き取る装置である。
注射器の筒状の溶液保持槽(図6中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図6中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図6中1)を設置して、溶液(図6中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図6中4)とイオナイザー(図6中6)と前記溶液噴出ノズル(図6中1)の先端とをそれぞれ適切な距離になるように設置し、溶液(図6中2)を前記溶液噴出ノズル(図6中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分とイオナイザー(図6中6)との間に設置した繊維捕捉装置(図6中17)の上に繊維構造体を形成させる。堆積した繊維構造体の一端より繊維束を引き出し、その際に巻き取りローラー(図6中12)に対して繊維捕捉装置(図6中17)を相対的に回転させることで繊維束に撚りを与え、得られた撚糸を巻き取りローラー(図6中12)で巻き取る装置である。
注射器の筒状の溶液保持槽(図8中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図8中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図8中1)を設置して、溶液(図8中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図8中4)とイオナイザー(図8中6)に繋がる放電針とを設けた漏斗形状の繊維捕集容器と前記溶液噴出ノズル(図8中1)の先端とをそれぞれ適切な距離になるように設置し、溶液(図8中2)を前記溶液噴出ノズル(図8中1)の先端部から噴出させて、繊維捕集容器にて繊維構造体を形成させる。ここで、繊維捕集容器には、圧縮空気送気ノズル(図8中13)を通じて、漏斗形状内で、該漏斗形状底部の下側出口につながる穴を略中心とする空気の渦が発生するように圧縮空気を噴出させることにより、漏斗形状の出口部分から引き出される繊維束は、空気流れにより撚りが与えられ、得られた撚糸を巻き取りローラー(図8中12)で巻き取る装置である。
また、本願明細書の図8において注射針状の溶液噴出ノズル(図8中1)を1本設置したが、生産量に応じて複数本設置してもよい。
巻き取り装置11の回転速度または繊維構造体堆積盤7または繊維捕捉装置17の回転速度をA(rpm)、巻き取りローラー12の巻き取り速度をB(m/min)である場合、以下の式により撚数C(回/m)を算出した。
[数1]
C=A/B
得られた撚糸から無作為に10箇所を選んで、その箇所の撚糸断面が円の場合は直径を繊維径とし、楕円の場合は長径と短径の平均を繊維径とし、全ての繊維径(n=10)の平均値を求めて、撚糸の平均繊維径とした。
得られた撚糸の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S−2400)により撮影(倍率2000倍)して得た写真から無作為に20箇所を選んでフィラメントの径を測定し、すべての繊維径(n=20)の平均値を求めて、マルチフィラメントの平均繊維径とした。
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図1、図2に示す装置を用いて撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維構造体堆積盤7までの距離は高さ13cm、水平距離は25cmであり、繊維構造体堆積盤7からイオナイザーまでの距離は10cmであり、イオナイザーから電極4までの距離は5cmであり、繊維構造体堆積盤7から巻き取り装置11までの距離は22cmであり、巻き取り装置11の回転速度は37rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.19mであり、撚数は195であった。得られた撚糸の平均繊維径は4mmであり、繊度は470dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は2.3μmであった。
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図3に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維構造体堆積盤7までの距離は高さ13cm、水平距離は1cmであり、繊維構造体堆積盤7から電極4までの距離は7cmであり、繊維構造体堆積盤7から巻き取りローラー12までの距離は35cmであり、繊維構造体堆積盤7の直径は14cm、回転速度は200rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.23mであり、撚数は870であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.4mmであり、繊度は420dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は2.2μmであった。
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図6に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維捕捉装置17の頂点部までの距離は高さ5cm、水平距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は25cmであり、繊維捕捉装置17の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は320rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.43mであり、撚数は749であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.4mmであり、繊度は140dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は1.2μmであった。
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図8に示す装置を用いて、噴出ノズル1と放電針14との間に繊維構造体を形成させ、該形成された繊維構造体に圧縮空気を当てることにより撚りを与え、該撚りを与えられた繊維構造体が圧縮空気により連続して噴出され、該噴出された繊維構造体を巻き取りローラーで巻き取ることにより撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.80mであった。得られた撚糸の平均繊維径は0.3mmであり、繊度は70dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は1.1μmであった。また、本実施例の方法では実施例1〜3で用いた巻き取り装置11、繊維構造体堆積盤7、繊維捕捉装置17を用いないため、撚数は算出できなかった。
ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製:商品名「PLACCEL H7」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3.6重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)5.4重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図6、図7に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維捕捉装置17の頂点部までの距離は高さ5cm、水平距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は25cmであり、繊維捕捉装置17の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は330rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.25mであり、撚数は1310であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.5mmであり、繊度は430dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は1.0μmであった。
ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体(共重合比50/50、Birmingham Polymers, Inc.製:商品名「lactel」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)2重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)7重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図6に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維捕捉装置17の頂点部までの距離は高さ5cm、水平距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は25cmであり、繊維捕捉装置17の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は330rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.38mであり、撚数は878であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.5mmであり、繊度は450dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は0.9μmであった。
ポリ乳酸−ポリカプロラクトン共重合体(共重合比74/26、Mn=146000、Mw=215000)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3.6重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)5.4重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図6に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維捕捉装置17の頂点部までの距離は高さ5cm、水平距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は25cmであり、繊維捕捉装置17の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は300rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.25mであり、撚数は1200であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.3mmであり、繊度は400dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は1.8μmであった。
三酢酸セルロース(ダイセル化学工業株式会社製:商品名「LT−35」)0.55重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)1.89重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)7.56重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。図6に示す装置を用いて、撚糸を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から繊維捕捉装置17の頂点部までの距離は高さ5cm、水平距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置17の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は25cmであり、繊維捕捉装置17の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は220rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.25mであり、撚数は876であった。得られた撚糸の平均繊維径は0.3mmであり、繊度は100dtexであった。撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で測定したところ、マルチフィラメントの平均繊維径は2.0μmであった。
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液を作製した。イオナイザー6の電源をOFFにした状態で、図1,2に示す装置を用いて紡糸を行ったところ、繊維構造体は繊維構造体堆積盤7上に堆積せず電極4上に堆積してしまい撚糸を得ることが出来なかった。
2 溶液
3 溶液保持槽
4 電極
5 高電圧発生器
6 イオナイザー
7 繊維構造体堆積盤
8 モーター
9 回転軸
10 変速機
11 巻き取り装置
12 巻き取りローラー
13 圧縮空気送気ノズル
14 放電針
15 繊維捕集容器側板
16 繊維捕集容器天板
17 繊維捕捉装置
Claims (36)
- 平均繊維径が5μm以下のマルチフィラメントから構成され、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれない、撚糸。
- フィラメントが有機高分子からなる、請求項1記載の撚糸。
- 有機高分子が有機溶媒に可溶性なものである、請求項2記載の撚糸。
- 有機溶媒がハロゲン元素含有化合物である、請求項3記載の撚糸。
- 有機高分子が脂肪族ポリエステルである、請求項2〜4のいずれか記載の撚糸。
- 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体から選ばれた少なくとも一種の有機高分子である、請求項5記載の撚糸。
- 繊維形成性の溶質を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階と、前記溶液に高電圧を印加させる段階と、前記溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む、撚糸の製造方法。
- 形成された繊維構造体の電荷の消失を帯電風によって行う、請求項7記載の製造方法。
- 繊維形成性の溶質が有機高分子である、請求項7記載の製造方法。
- 繊維形成性の溶質を溶解する溶媒が揮発性有機溶媒である、請求項7記載の製造方法。
- 揮発性有機溶媒がハロゲン元素含有化合物を含む有機溶媒である、請求項10記載の製造方法。
- ハロゲン元素含有化合物がハロゲン化炭化水素を含む、請求項11記載の製造方法。
- ハロゲン化炭化水素がジクロロメタンである、請求項12記載の製造方法。
- ハロゲン元素含有化合物を含む有機溶媒が、極性化合物を含む混合溶媒である、請求項11記載の製造方法。
- 極性化合物がアルコールである、請求項14記載の製造方法。
- アルコールがメタノールおよび/またはエタノールである、請求項15記載の製造方法。
- 有機高分子が脂肪族ポリエステルである、請求項9記載の製造方法。
- 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機化合物である、請求項17記載の製造方法。
- 繊維形成性の溶質を溶解させた溶液をノズル先端まで供給する溶液供給装置と、ノズル先端から前記溶液を噴出させ繊維構造体を製造する繊維構造体製造装置と、前記繊維構造体を堆積盤上に堆積させる繊維構造体堆積装置と、前記堆積盤上に堆積した繊維構造体から繊維束を引き出し、前記繊維束に撚りを与える撚り装置と、前記撚りを与えた繊維束を巻き取る巻き取り装置とを具備する、撚糸製造装置。
- 繊維構造体製造装置が、繊維形成性の溶質を溶解させた溶液に高電圧を印加させ、接地させた電極に対して前記溶液を噴出させて、繊維構造体を形成させる装置である、請求項19記載の撚糸製造装置。
- 繊維構造体堆積装置が、除電装置により繊維構造体の帯電を失わせることで繊維構造体を堆積盤上に堆積させる装置である、請求項19記載の撚糸製造装置。
- 巻き取り装置が、該巻き取り装置内に設置した巻き取りローラーの回転軸と直交する軸方向をもつ回転を、前記巻き取りローラー自身に与えることで該繊維束に撚りを与えつつ、巻き取る装置である、請求項19記載の撚糸製造装置。
- 繊維構造体堆積装置が、巻き取り装置内に設置した巻き取りローラーの回転軸と直交する軸方向をもつ回転を、該堆積盤自身に与えることで該繊維束に撚りを与えつつ、巻き取る装置である、請求項19記載の撚糸製造装置。
- 除電装置がイオナイザーである、請求項21記載の撚糸製造装置。
- 繊維形成性の溶質を溶解させた溶液をノズル先端まで供給する溶液供給装置と、ノズル先端から前記溶液を噴出させ繊維構造体を製造する繊維構造体製造装置と、前記繊維構造体を捕捉させる繊維捕捉装置と、前記繊維捕捉装置に捕捉した繊維構造体から繊維束を引き出し、前記繊維束に撚りを与える撚り装置と、前記撚りを与えた繊維束を巻き取る巻き取り装置とを具備する、撚糸製造装置。
- 繊維構造体製造装置が、繊維形成性の溶質を溶解させた溶液に高電圧を印加させ、接地させた電極に対して前記溶液を噴出させて、繊維構造体を形成させる装置である、請求項25記載の撚糸製造装置。
- 繊維捕捉装置が、除電装置により繊維構造体の帯電を失わせた繊維を捕捉する装置である、請求項25記載の撚糸製造装置。
- 巻き取り装置が、該巻き取り装置内に設置した巻き取りローラーの回転軸と直交する軸方向をもつ回転を、前記巻き取りローラー自身に与えることで該繊維束に撚りを与えつつ、巻き取る装置である、請求項25記載の撚糸製造装置。
- 繊維捕捉装置が、巻き取り装置内に設置した巻き取りローラーの回転軸と直交する軸方向をもつ回転を、該繊維捕捉装置自身に与えることで該繊維束に撚りを与えつつ、巻き取る装置である、請求項25記載の撚糸製造装置。
- 除電装置がイオナイザーである、請求項27記載の撚糸製造装置。
- 繊維形成性の溶質を溶解させた溶液をノズル先端まで供給する溶液供給装置と、ノズル先端から前記溶液を噴出させ繊維構造体を製造する繊維構造体製造装置と、電極を設けた漏斗形状の繊維捕集容器と、前記捕集容器中に流体の渦流れを生じさせて、捕集した繊維に撚りを与えて繊維束を得る装置と、繊維捕集容器下側出口から前記撚りを与えた繊維束を巻き取る巻き取り装置とを具備する、撚糸製造装置。
- 繊維構造体製造装置が、繊維形成性の溶質を溶解させた溶液に高電圧を印加させ、接地させた電極に対して前記溶液を噴出させて、繊維構造体を形成させる装置である、請求項31記載の撚糸製造装置。
- 繊維捕集容器が、除電装置により繊維構造体の帯電を失わせた繊維を捕集する装置である、請求項31記載の撚糸製造装置。
- 繊維捕集容器に、徐電装置に繋がる放電針を設けた、請求項33記載の撚糸製造装置。
- 除電装置がイオナイザーである、請求項31記載の撚糸製造装置。
- 圧縮空気ノズルを通じて噴出された空気が捕集容器内に噴出させて流体の渦流れを生じさせる、請求項31記載の撚糸製造装置。
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