JP4695431B2 - 撚糸および撚糸の製造方法 - Google Patents

撚糸および撚糸の製造方法 Download PDF

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本発明は分解性を有する有機高分子の撚糸、およびその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は細胞を培養する基材として有用な繊維構造体としての撚糸、およびその製造方法に関する。
再生医療分野においては、細胞を培養する際に基材として繊維構造体が用いられることがあり、この繊維構造体として、例えば手術用縫合糸などに用いられるポリグリコール酸を用いることが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、これら通常の方法で得られる繊維構造体は繊維径が大きすぎるため、細胞が接着できる有効面積は小さいものであり、表面積を大きくするために、繊維径のより小さい繊維構造体が望まれていた。
一般に、繊維径の小さい繊維構造体を製造する方法として、静電紡糸法は公知である(例えば、特許文献1および2参照。)。静電紡糸法は、液体、例えば繊維形成物質を含有する溶液等を電場内に導入し、これにより液体を電極に向かって曳かせ、繊維構造体を形成させる工程を包含する。通常、繊維形成物質は溶液から曳き出される間に硬化させる。硬化は、例えば冷却(紡糸液体が室温で固体である場合等)、化学的硬化(硬化用蒸気による処理等)、または溶媒の蒸発などにより行われる。また、得られる繊維構造体は、適宜に配置した電極上に捕集され、必要ならばそこから剥離することも出来る。
静電紡糸法によって得られる繊維構造体を、細胞を培養する基材に用いることは公知である。例えばポリ乳酸よりなる繊維構造体を静電紡糸法により形成し、この上で平滑筋細胞を培養することにより血管の再生が検討されている(例えば、非特許文献2参照。)。
しかしながら、静電紡糸法で繊維構造体を作製するためには、捕集用の電極が必要であることから、多くは面状体であり、作製できる形状に限りがあった。しかし、生体内には様々の構造の組織が存在することから、面状体以外の構造体を静電紡糸法で作製することは非常に重要であり、特に生体内で多く存在する線状体に対する要求は大きいものであった。
特開昭63−145465号公報 特開2002−249966号公報 大野典也、相澤益男監訳代表「再生医学」株式会社エヌ・ティー・エス、2002年1月31日、258頁 ジョエル ディー スティッチェルら(Joel D.Stitzel, Kristin J.Pawlowski, Gary E.Wnek, David G.Simpson, Gary L.Bowlin)著、「ジャーナル オブ バイオマテリアルズ アプリケーションズ(Journal of Biomaterials Applications)」,(米国),セージ パブリケーションズ(SAGE Publications),2001年,16,p.22−33
本発明の目的は、細胞培養に適した、生分解性を有する有機高分子から主としてなる、組成の異なる2種類以上のフィラメントよりなり、平均繊維径が5μm以下であり、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれないことを特徴とするフィラメントより構成される撚糸およびその製造方法を提供することにある。さらに好ましくは組成の異なるフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外側に向かって傾斜構造を成している撚糸およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った

すなわち本発明の目的は、
生分解性を有する有機高分子から主としてなる、組成の異なる2種類以上のフィラメン
トよりなり、下記要件(a)〜()を同時に満足する撚糸によって達成することができる。
要件(a):フィラメントの平均繊維径が5μm以下であること。
要件(b):繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれないこと
件(c):前記組成の異なる2種類以上のフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外
側に向かって傾斜構造を成していること
更に、本発明の他の目的は、2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶媒にそれぞれ溶解させて溶液を製造する段階と、前記2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶解させた溶液に高電圧を印加させる段階と、前記高電圧を印加させた溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって2種類以上の組成の異なる繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む撚糸の製造方法によって達成される。
本発明の撚糸は、生分解性を有する有機高分子から主としてなる、組成の異なる2種類以上のフィラメントよりなり、これを構成するフィラメントの平均繊維径が小さく、さらに好ましくは組成の異なるフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外側に向かって傾斜構造をなしているため、所望の細胞培養に適した機能(力学特性の制御、分解速度の制御、薬物徐放性の制御)を持つ細胞培養用の基材を提供することが可能である。
また、得られる撚糸はそのまま使用することも出来るし、編み込むなどの加工を施すことで様々な構造体を形成することも出来るし、また取り扱い性やその他の要求事項に合わせて他の部材と組み合わせて用いることもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の撚糸は、生分解性を有する有機高分子から主としてなる、組成の異なる2種類以上のフィラメントよりなり、下記要件(a)〜()を同時に満足する。
要件(a):フィラメントの平均繊維径が5μm以下であること。
要件(b):繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれないこと
件(c):前記組成の異なる2種類以上のフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外側に向かって傾斜構造を成していること。
ここで、本発明において「撚糸」とは、フィラメントを挽き揃え、撚りが加えられた略円柱形構造体である。撚糸の直径としては、対象とする細胞の培養が行われるものであれば特に限定を受けないが、好ましくは0.1mm〜10mmであり、より好ましくは0.5〜5mmである。また、撚糸の撚数としては、対象とする細胞の培養が行われるものであれば特に限定を受けないが、好ましくは10〜2000回/mであり、より好ましくは100〜1000回/mである。
次に、フィラメントの平均繊維径が5μm以下であることについて説明する。本発明の撚糸を構成するフィラメントの平均繊維径が5μmを越えると、繊維の比表面積が小さくなりすぎ、結果として培養できる細胞の数が少なくなる。また、フィラメントの平均繊維径は0.1μm以上あれば、得られる撚糸の強度は十分なものとなる。撚糸を構成するフィラメントの平均繊維径は好ましくは、0.2〜3μmの範囲にあることである。
次いで、繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれないことについて説明する。本発明において「実質的に含まれない。」とは、電子顕微鏡観察において、撚糸の任意の部分を観察したとき、上記の繊維径をもつフィラメントが観察されないことを指す。
また、本発明の撚糸を形成するフィラメントに繊維径10μm以上のフィラメントが含まれると、繊維の比表面積が小さくなり、培養できる細胞の数が少なくなるため好ましくないだけではなく、撚糸の細胞培養に適した柔軟性が損なわれることからも好ましくない。また、細胞培養に適した柔軟性を得るためには、繊維径8μm以上のフィラメントが実質的に含まれないことがより好ましい。
次に、組成の異なる2種類以上のフィラメントよりなることについて説明する。ここで組成が異なるとは、1)異なる種類の高分子を主成分としたフィラメントからなること、2)主体とする高分子の構成単位は同じであるが分子量または分子量分布が異なるフィラメントからなること、3)フィラメントを主として構成する高分子は同じ、あるいは異なり、一方のみ薬剤等の添加剤を有するもの、あるいはそれぞれ異なった添加物を有するフィラメントからなることなどを表す。
例えば異なる種類の高分子を主成分としたフィラメントからなる場合、生体適合性に優れた力学特性をもつ高分子と細胞生育性に優れた高分子を組み合わせることによって、両方の特性を活かした細胞培養用の基材を提供することができる。また、主体とする高分子の構成単位は同じであるが分子量または分子量分布が異なるフィラメントからなる場合、分子量または分子量分布が異なることにより、生体内での分解吸収特性がそれぞれ異なり、それぞれ組み合わせによって、分解吸収速度を制御した細胞培養用の基材を提供することもできる。また一方のみ薬剤等の添加剤を有するもの、あるいはそれぞれ異なった添加物を有するフィラメントからなる場合、薬剤等の添加剤の徐放性を制御した細胞培養用の基材を提供することもできる。また、上記の特徴を組み合わせることで、高度に生体適合性や細胞生育性に優れた細胞培養用の基材や、高度に分解吸収速度や添加剤の徐放性を制御した細胞培養用の基材を提供することも可能である。
ここで主成分となる生分解性を有する有機高分子としては、有機溶媒に可溶性を有するものであることが好ましく、特にハロゲン元素含有化合物の有機溶媒に可溶性を有するものであることが好ましい。このような有機高分子としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、セルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、フィブロイン、並びにこれらの共重合体などが挙げられる。
これらのうち好ましくはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンサクシネート並びにこれらの共重合体などの脂肪族ポリエステルが挙げられ、さらに好ましくはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン並びにこれらの共重合体が挙げられる。なかでもポリ乳酸が特に好ましい。
ここで添加物としては、細胞培養に適した添加物であり、撚糸の柔軟性が損なわれなければ特に限定はされないが、一例として生理活性物質などが挙げられる。
本発明において好ましく、(c):前記組成の異なる2種類以上のフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外側に向かって傾斜構造を成していることが好ましい。傾斜構造を成していることによって、細胞培養用の基材に求められる特性である、力学特性、細胞生育性、分解吸収速度、薬物徐放性などを要求に合わせて制御することが可能である。ここで傾斜構造とは、撚糸の同一断面においてある部分と別の部分における組成の異なる2種類以上のフィラメントの存在割合が異なっており、更にその存在割合が全くの不連続ではなく、撚糸の中心から外側に向かって連続的または段階的に変化している構造を指す。撚糸の中心から外側に向かって組成を段階的に変化させることにより、細胞培養用の基材としての様々な要求に合わせた基材が提供できる。
次に、本発明の撚糸を製造するための態様について説明する。
本発明の撚糸を製造するには、前述の要件を同時に満足するような撚糸が得られる手法であればいずれも採用することができるが、2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶媒にそれぞれ溶解させて溶液を製造する段階と、前記2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶解させた溶液に高電圧を印加させる段階と、前記高電圧を印加させた溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって2種類以上の組成の異なる繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む撚糸の製造方法を好ましい一態様として挙げることができる。さらには前記2種類以上の組成の異なる繊維構造体を累積させる段階において、2種類以上の組成の異なる繊維構造体の累積させる位置が、繊維束の巻き取り方向に対して、それぞれ異なっていることが好ましい。
まず、生分解性を有する有機高分子を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階と、前記溶液に高電圧を印加させる段階と、前記溶液から溶液を噴出させる段階について説明する。また、以下、生分解性を有する有機高分子を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階と、前記溶液に高電圧を印加させる段階と、前記溶液から溶液を噴出させる段階を合わせて静電紡糸法と呼ぶこととする。
静電紡糸法とは繊維形成性の基質を溶解させた溶液を電極間で形成された静電場中に吐出し、溶液を電極に向けて曳糸し、形成される繊維状物質を捕集基板上に累積することによって繊維構造体を得る方法であって、繊維状物質とは、繊維形成性の基質を溶解させた溶媒が留去して繊維積層体となっている状態のみならず、前記溶媒が繊維状物質に含まれている状態も示している。
次いで、静電紡糸法で用いる装置について説明する。
前述の電極は、金属、無機物、または有機物のいかなるものでも導電性を示しさえすれば用いることができ、また、絶縁物上に導電性を示す金属、無機物、または有機物の薄膜を持つものであっても良い。
また、静電場は一対又は複数の電極間で形成されており、いずれの電極に高電圧を印加しても良い。これは、例えば電圧値が異なる高電圧の電極が2つ(例えば15kVと10kV)と、アースにつながった電極の合計3つの電極を用いる場合も含み、または3つを越える数の電極を使う場合も含むものとする。
次に静電紡糸法による本発明の撚糸を構成する繊維構造体の製造手法について順を追って説明する。
まず、生分解性を有する有機高分子を溶解させて溶液を製造するが、本発明の製造方法における溶液中の溶媒に対する有機高分子の濃度は1〜30重量%であることが好ましい。有機高分子の濃度が1重量%より小さいと、濃度が低すぎるため繊維構造体を形成することが困難となり好ましくない。また、30重量%より大きいと得られる繊維構造体の繊維径が大きくなり好ましくない。より好ましい溶液中の溶媒に対する有機高分子の濃度は2〜20重量%である。
また、溶媒は一種を単独で用いても良く、複数の溶媒を組み合わせても良い。前記溶媒としては、有機高分子を溶解可能であり、さらには揮発性有機溶媒であり、静電紡糸法にて紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであることが好ましい。揮発性有機溶媒は特に限定されず、好ましくはハロゲン元素含有化合物であり、さらにはハロゲン化炭化水素であることが好ましい、より好ましくはジクロロメタンである。またハロゲン元素含有化合物を含む有機溶媒が、さらに極性化合物を含むことが好ましく、極性化合物としてはアルコールが好ましく、より好ましくはメタノールおよび/またはエタノールである。
次に前記溶液を静電紡糸法にて紡糸する段階について説明する。
前記溶液を静電場中に吐出するには、任意の方法を用いることが出来、例えば、溶液をノズルに供給することによって、溶液を静電場中の適切な位置に置き、そのノズルから溶液を電界によって曳糸して繊維化させればよい。
以下、図1を用いてこの静電紡糸法について更に具体的に説明する。
注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図1中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図1中1)を設置して、溶液(図1中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図1中4)から適切な距離で前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端を配置し、溶液(図1中2)が前記溶液噴出ノズル(図1中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分と電極(図1中4)との間で繊維構造体を形成させることができる。
前記溶液をノズルから静電場中に供給する場合、数個のノズルを並列的に用いて繊維構造体の生産速度を上げることもできる。また、電極間の距離は、帯電量、ノズル寸法、溶液のノズルからの噴出量、溶液濃度等に依存するが、10kV程度のときには5〜20cmの距離が適当であった。また、印加される静電気電位は、一般に3〜100kV、好ましくは5〜50kV、一層好ましくは5〜30kVである。所望の電位は従来公知の任意の適切な方法で作れば良い。
また、得られた繊維構造体に対して熱処理や化学処理を施してもよく、さらに、紡糸以前の任意の段階で、前記有機高分子に、エマルジョン、有機物もしくは無機物の粉末を混合してもよい。
次に前記噴出された溶液の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって累積される繊維構造体を得る段階について説明する。本発明においては、前記溶液を捕集基板に向けて曳糸する間に、溶液の電荷を消失させることで、ノズルと捕集電極との間で繊維構造体が堆積される。通常の室温であれば繊維構造体が堆積されるまでの間に溶媒は完全に蒸発するが、溶媒蒸発が不十分な場合は減圧条件下で曳糸しても良い。この繊維構造体が堆積した時点では少なくとも前記繊維平均径を満足するフィラメントが形成されている。また、曳糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は0〜50℃の範囲である。
次に前記溶液の電荷を消失させる段階について説明する。前記溶液の電荷を消失させる方法は、前記溶液の電荷を消失させ繊維構造体が形成されれば特に限定を受けないが、好ましい方法として、帯電風により電荷を消失させる方法が挙げられる。帯電風は例えばイオナイザーで発生させることができる。イオナイザーとは内蔵のイオン発生装置によりイオンを発生させ、前記イオンを帯電物に放出させることにより前記帯電物の電荷を消失させうる装置である。本発明で用いられるイオナイザーは本発明の繊維構造体が形成されれば特に限定を受けないが、好ましいイオン発生装置として内蔵の放電針に高電圧を印加させることによりイオンを発生する装置が挙げられる。
次に前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階について説明する。本発明では、上記方法によって累積された繊維構造体の一端を引き出すことで、繊維構造体同士の絡まりにより、連続的に繊維束を得ることができる。
次に組成の異なる繊維構造体を上記連続的に引き出された繊維束上に累積させる段階と繊維束上に累積させる一連の段階を所望の回数繰り返し2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子よりなる繊維構造体の累積した繊維束を得る段階について説明する。上記連続的に引き出された繊維束の引き出し方向上で、上記一連の段階によって得られる組成の異なる繊維構造体の電荷を消失させることによって、組成の異なる繊維構造体を上記連続的に引き出された繊維束上に累積させることができる。
更に、上記操作を繰り返すことによって組成の異なる3種類以上の繊維構造体を累積させた繊維束を得ることも可能である。
次に前記2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子よりなる繊維構造体の累積した繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階について説明する。本発明では上記方法によって得られた繊維束に公知の技術によって撚りを与え巻き取ることによって撚糸が得られる。
次いで、前記撚糸を製造する一形態について、図1を用いて説明する。
注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3、図1中15、)にそれぞれ異なる組成の生分解性を有する有機高分子を含む溶液を保持させる。注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3、図1中15)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図1中5)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図1中1、図1中13)を設置して、溶液(図1中2、図1中14)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した電極(図1中4)とイオナイザー(図1中6)と前記溶液噴出ノズル(図1中1、図1中13)の先端とをそれぞれ適切な距離になるように設置し、溶液(図6中2、図1中14)を前記溶液噴出ノズル(図1中1、図1中13)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分とイオナイザー(図1中6)との間に設置した繊維捕捉装置(図1中7)の上に繊維構造体を形成させる。堆積した繊維構造体の一端より繊維束を引き出し、その際に巻き取りローラー(図1中12)に対して繊維捕捉装置(図1中7)を相対的に回転させることで繊維束に撚りを与え、得られた撚糸を巻き取りローラー(図1中12)で巻き取る装置である。
ここで、繊維捕捉装置7は、チューブを折り曲げ、円状の支持体とチューブ両端とを接合したもので、本願明細書の図1では、3本のチューブを用いた例を記載しているが、繊維が捕捉できる(絡まる或いは引掛かる)機能を有するものであれば、同様の形状(例えば、板を組み合わせたもの等)を用いることができるのはいうまでも無い。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定を受けるものではない。また以下の各実施例、比較例における評価項目は以下のとおりの手法にて実施した。
撚糸の撚数:
繊維捕捉装置7の回転速度をA(rpm)、巻き取りローラー12の巻き取り速度をB(m/min)である場合、以下の式により撚数C(回/m)を算出した。
C=A/B
撚糸の平均繊維径:
得られた撚糸から無作為に10箇所を選んで、その箇所の撚糸断面が円の場合は直径を繊維径とし、楕円の場合は長径と短径の平均を繊維径とし、全ての繊維径(n=10)の平均値を求めて、撚糸の平均繊維径とした。
フィラメントの平均繊維径:
得られた撚糸の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S−2400)により撮影(倍率2000倍)して得た写真から無作為に20箇所を選んでフィラメントの径を測定し、すべての繊維径(n=20)の平均値を求めて、フィラメントの平均繊維径とした。
傾斜構造のグラフ化:
得られた撚糸の断面写真を、二種類以上の組成の異なるフィラメントの存在が濃淡の差などによって判別できる方法により撮影し、撚糸の断面が円形の場合はその円を、撚糸の断面が略円形の場合はその略円形内で描ける最も大きい円を設定し、その設定した円の中心を通り、それぞれの角度が45度の角度をなす直線を引き、その直線上の輝度を汎用画像処理ソフト(ナノシステム株式会社製、NanoHunter NS2K−Pro/Lt Ver5.2)によって測定した。測定した輝度を元に、中心からの距離と輝度の分布を求めた。
[実施例1]
ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液Aを作製した。
また、ポリ乳酸(株式会社島津製作所製:商品名「Lacty9031」)1重量部、メチレンブルー(和光純薬工業株式会社製)0.01重量部、エタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)3重量部、塩化メチレン(和光純薬工業株式会社製、特級)6重量部を室温(25℃)で混合し溶液Bを作製した。
図1に示す装置を用いて、溶液保持槽15に溶液Aを溶液保持槽3に溶液Bを導入し撚糸を作製した。噴出ノズル1、噴出ノズル13の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1の繊維捕捉装置7底面からの高さは16cm、繊維捕捉装置7の中心までの水平距離は7cmであり、噴出ノズル13の繊維捕捉装置7底面からの高さは23cm、繊維捕捉装置7の中心までの水平距離は8cmであり、繊維捕捉装置7の中心から電極4までの距離は10cmであり、繊維捕捉装置7の頂点部から巻き取りローラー12までの距離は20cmであり、繊維捕捉装置7の直径は10cm、高さは22cm、回転速度は300rpmであり、巻き取りローラー12の巻き取り速度は毎分0.25mであり、撚数は1200であった。
得られた撚糸の平均繊維径は0.4mmであり、繊度は500dtexであった。 撚糸表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−2400」)で観察したところ(図3.4)、マルチフィラメントの平均繊維径は1.9μmであり、繊度は0.16dtexであった。また繊維径10μm以上のマルチフィラメントは観察されなかった。撚糸断面の写真を光学顕微鏡(Nikon社製、ECLIPSE E600W)で観察し、光学顕微鏡写真図を得た(図5)。その写真図を元に、汎用画像処理ソフトによって、傾斜構造のグラフ化を行ったところ、中心から円周方向への傾斜構造がグラフによっても確認された(図6)。
本発明の撚糸を製造するための製造装置を模式的に示した図である。 図1の繊維捕捉装置7を上部から見た様子を模式的に示した図である。 実施例1の操作で得られた撚糸の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(100倍)して得られた写真図である。 実施例1の操作で得られた撚糸の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(2000倍)して得られた写真図である。 実施例1の操作で得られた撚糸断面の光学顕微鏡写真図である。 図5の光学顕微鏡写真図より求めた実施例1の傾斜構造を表したグラフ図である。
符号の説明
1 溶液噴出ノズル
2 溶液
3 溶液保持槽
4 電極
5 高電圧発生器
6 イオナイザー
7 繊維捕捉装置
8 モーター
9 回転軸
10 変速機
11 巻き取り装置
12 巻き取りローラー
13 溶液噴出ノズル
14 溶液
15 溶液保持槽

Claims (15)

  1. 生分解性を有する有機高分子から主としてなる、組成の異なる2種類以上のフィラメントよりなり、下記要件(a)と(b)と(c)を同時に満足する撚糸。
    要件(a):フィラメントの平均繊維径が5μm以下であること。
    要件(b):繊維径10μm以上のフィラメントが実質的に含まれないこと。
    要件(c):前記組成の異なる2種類以上のフィラメントの存在割合が撚糸の中心から外側に向かって傾斜構造を成していること。
  2. 生分解性を有する有機高分子がハロゲン元素含有化合物への可溶性を有する請求項1記載の撚糸。
  3. 生分解性を有する有機高分子が脂肪族ポリエステルである請求項2に記載の撚糸。
  4. 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの共重合体から選ばれた少なくとも一種である、請求項3に記載の撚糸。
  5. 2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶媒にそれぞれ溶解させて溶液を製造する段階と、前記2種類以上の組成の異なる生分解性を有する有機高分子を溶解させた溶液に高電圧を印加させる段階と、前記高電圧を印加させた溶液を噴出させる段階と、前記噴出された溶液から溶媒を蒸発させ繊維構造体を形成させる段階と、前記形成された繊維構造体の電荷を消失させる段階と、前記電荷消失によって2種類以上の組成の異なる繊維構造体を累積させる段階と、前記累積された繊維構造体の一端から繊維束を引き出す段階と、前記引き出された繊維束に撚りを掛ける段階と、前記撚りを掛けた繊維束を巻き取る段階を含む撚糸の製造方法であって、
    前記2種類以上の組成の異なる繊維構造体を累積させる段階において、2種類以上の組成の異なる繊維構造体の累積させる位置が、繊維束の巻き取り方向に対して、それぞれ異なっている製造方法
  6. 形成された繊維構造体の電荷の消失を帯電風によって行う請求項5に記載の製造方法
  7. 生分解性を有する有機高分子を溶解する溶媒が揮発性有機溶媒である請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 揮発性有機溶媒がハロゲン元素含有化合物を含む有機溶媒である請求項7に記載の製造方法
  9. ハロゲン元素含有化合物がハロゲン化炭化水素を含む請求項8記載の製造方法
  10. ハロゲン化炭化水素がジクロロメタンである請求項9記載の製造方法
  11. ハロゲン元素含有化合物を含む有機溶媒が、さらに極性化合物を含む混合溶媒である請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法
  12. 極性化合物がアルコールである請求項11に記載の製造方法
  13. アルコールがメタノールおよび/またはエタノールである、請求項12に記載の製造方法。
  14. 生分解性を有する有機高分子が脂肪族ポリエステルである、請求項5〜13のいずれかに記載の製造方法
  15. 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトンおよびそれらの共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の脂肪族ポリエステルである、請求項14記載の製造方法
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