JP2005225350A - 自動車の車体外板用のスティフナ - Google Patents
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Abstract
【課題】 自動車のドアのアウタパネルを手で押したときに、そのアウタパネルがペコペコ音を発しながら、容易に弾性変形してしまうことを防止するアウタパネル用のスティフナを提供する。
【解決手段】 ドア3のインナパネル4に固定されたインパクトビーム8に連結されたC字形の連結部12と、その連結部12に中間部15,16を介して一体に接続された圧接部13,14とを有し、その各圧接部13,14がドア2のアウタパネル3の車内側面17に圧接する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ドア3のインナパネル4に固定されたインパクトビーム8に連結されたC字形の連結部12と、その連結部12に中間部15,16を介して一体に接続された圧接部13,14とを有し、その各圧接部13,14がドア2のアウタパネル3の車内側面17に圧接する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動車の車体外板の剛性を高めるためのスティフナに関するものである。
自動車のドアのアウタパネル、フェンダパネル、或いはクォータパネルなどの車体外板は、例えば、鋼板や樹脂などから構成されているが、かかる外板を清掃したり、ここにワックスを塗布するようなとき、ユーザが手で外板を軽く押した際、その外板が例えば「ペコペコ」という音を発しながら容易に弾性変形してしまえば、その機能に問題がないとしても、ユーザに品質劣悪感を与えるおそれを免れない。
そこで、従来は、自動車の製造時に車体外板の車内側面にゴム又は熱可塑性樹脂より成るシートを接着剤によって貼り付け、熱によってそのシートを車体外板に溶着していた。かかるシートによって、車体外板の剛性を高め、その外板が容易に弾性変形することを阻止していたのである。ところが、かかるシートは、そのサイズがかなり大きなものであるため、当該シートを車体外板に貼着する作業は容易ではない。しかも、当該車体を電着塗装する前に、当該シートを車体外板に貼り付け、その後の製造工程において、シートに熱を加え、該シートを車体外板に溶着しているので、シートが貼り付けられた車体外板面には塗料が塗布されていない。このため、この面に錆が発生するおそれがある。
本発明の目的は、上述したした従来の不具合を阻止できると共に、車体外板の剛性を効果的に高めることのできる自動車の車体外板用のスティフナを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、車体に固定された補強部材に連結される連結部と、車体外板の車内側面に圧接する圧接部とを具備して成る自動車の車体外板用のスティフナを提案する(請求項1)。
また、上記請求項1に記載の自動車の車体外板用のスティフナにおいて、前記連結部は、前記補強部材に着脱自在に嵌合して連結されるように構成されていると有利である(請求項2)。
さらに、上記請求項1又は2に記載の自動車の車体外板用のスティフナにおいて、前記連結部を中心として、互いにほぼ対称に配置された一対の圧接部を有し、該連結部と各圧接部は、弾性を有する中間部を介して互いに一体に連結されていると有利である(請求項3)。
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車の車体外板用のスティフナにおいて、前記車体外板は、ドアのアウタパネルより成り、前記補強部材は、ドアのインナパネルに固定されたインパクトビームより成ると有利である(請求項4)。
本発明によれば、スティフナによって車体外板の剛性を高めることができると共に、そのスティフナを容易に車体に取り付けることができ、さらに車体外板が発錆することを防止できる。
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
図1に示した自動車は、その車体1の一部を構成するドア2を有している。図2は、このドア2を図1のII−II線に沿って切断した概略断面図である。これらの図に示すように、ドア2は、当該ドア2を閉じた状態で車外側Oに位置するアウタパネル3と、車内側Iに位置するインナパネル4を有するドア本体5と、このドア本体5に一体に固定された窓枠部6と、図示していないウィンドレギュレータを介してドア本体5に昇降可能に支持された窓ガラス7とを具備している。アウタパネル3とインナパネル4は一体に固定され、またアウタパネル3は、車体外板を構成する部材である。
ドア2のアウタパネル3とインナパネル4の間には、車体の前後方向に延びるインパクトビーム8より成る補強部材が配置され、このインパクトビーム8は、その長手方向各端部が、取付ブラケット9,10を介してインナパネル4に固定されている。このように、インパクトビーム8より成る補強部材は、車体1を構成するドア2のインナパネル4に固定されているのである。
さらに、アウタパネル3とインナパネル4の間には、自動車の車体外板用のスティフナ11が設けられている。このスティフナ11は、図2及び図3に示すように、ほぼC字形に形成された連結部12と、この連結部12に各中間部15,16を介してそれぞれ一体に連結された圧接部13,14とを有し、連結部12がインパクトビーム8に嵌合して連結され、各圧接部13,14がアウタパネル3の車内側面17に圧接する。かかるスティフナ11は、例えば樹脂、硬質ゴム、又は金属製のばね材などの弾性を有する材料から構成されている。また中間部15,16の幅Wは、例えば、150mm乃至200mm程度である。
上述のように、自動車の車体外板用のスティフナ11は、車体1に固定された補強部材の一例であるインパクトビーム8に連結される連結部12と、車体外板の一例であるアウタパネル3の車内側面17に圧接する圧接部13,14を具備しており、かかるスティフナ11によってアウタパネル3の剛性が高められる。従って、アウタパネル3の車外側面18(図2)を手で軽く押した程度では、そのアウタパネル3がペコペコ音を伴って弾性変形してしまうことはない。しかも、自動車の製造時に車体1を塗装した後に、スティフナ11を車体1に取り付けることができるので、車体1に錆が発生する不具合を防止できる。さらに、次に説明するように、このスティフナ11を車体1に容易に組み付けることができる。
スティフナ11は、図2に示したドア2のインナパネル4に形成された作業孔19を通してドア2に取り付けられる。完成した自動車のインナパネル4の車内側面は、図示していないドアトリムによって覆われ、作業孔19が外部に露出することはない。
図4は、スティフナ11をドア2に取り付けるときの様子を示す説明図であり、図5はスティフナ11をドア2に取付後に、車内側(図4の右方)からスティフナ11を見たときの概略図である。スティフナ11を取り付けるには、このスティフナ11を、図2に示した作業孔19を通してインナパネル4とアウタパネル3の間にもたらし、該スティフナ11を図4に矢印Aで示すようにインパクトビーム8に近づけ、ほぼC字形状の連結部12をインパクトビーム8に押し当て、このときのインパクトビーム8からの反力によって、連結部12を矢印Bで示すように開拡させて、該連結部12を図2に示したようにインパクトビーム8に嵌着する。このとき、両圧接部13,14がアウタパネル3の車内側面17に当り、その車内側面17から受ける反力によって、両中間部15,16が矢印C方向(図2)に弾性変形するので、その弾性によって、両圧接部13,14が車内側面17に強く圧接する。
スティフナ11を図2に矢印Dで示した方向に引っ張れば、そのC字形の連結部12が再び矢印B方向(図4)に開拡して該連結部12がインパクトビーム8から外れ、スティフナ11をドア2から分離することができる。このように、連結部12は、補強部材の一例であるインパクトビーム8に着脱自在に嵌合して連結されるように構成されていて、スティフナ11を容易に車体から取り外すことができるので、自動車のリサイクル性を高めることができる。
図6及び図7に示したスティフナ11は、連結部12に取付孔20が形成されていると共に、インパクトビーム8にも取付孔21が形成されている。スティフナ11をドア2に取り付ける際に、連結部12をインパクトビーム8に嵌合すると、両取付孔20,21が整合する。この状態でクリップ22をこれらの取付孔20,21に嵌め込み、連結部12をインパクトビーム8に連結する。クリップ22を取り外すことにより、スティフナ11を車体から取り外すことができる。クリップ22の代りにタッピングねじなどを用いることもできる。図6及び図7に示したスティフナ11の他の構成は、図1乃至図5に示したスティフナと変りはなく、該スティフナ11の各部に対応する部分には、図4及び図5と同じ符号を付してある。
また、図8及び図9に示したスティフナ11は金属製のばね材より成り、その連結部12は円弧状に形成されている。かかるスティフナ11をドア2に取り付けるには、連結部12をインパクトビーム8の外周面に当てた後、例えばCO2溶接WEによって連結部12をインパクトビーム8に固定連結する。また圧接部13,14とアウタパネル3との間にゴム又は軟質樹脂などから成る緩衝材25,26が介設され、圧接部13,14がこの緩衝材25,26を介してアウタパネル3に圧接する。かかる緩衝材25,26によって、金属製のスティフナ11と金属板より成るアウタパネル3が直に接触して異音が発生することを阻止できる。他の構成は、図1乃至図4に示したスティフナ11と変りはない。よって、図8及び図9にも、図4及び図5に示した各部に対応する部分には、図4及び図5と同じ符号を付してある。
上述した各例のスティフナ11は、連結部12を中心として、互いにほぼ対称に配置された一対の圧接部13,14を有し、この連結部12と各圧接部13,14は、弾性を有する中間部15,16を介して互いに一体に連結されているので、各圧接部13,14が車内側面17に均等な力で圧接し、アウタパネル3の剛性を効果的に高めることができる。
以上、車体外板が、ドア2のアウタパネル3より成り、補強部材が、ドア2のインナパネル4に固定されたインパクトビーム8より成る場合について説明したが、本発明に係るスティフナは、他の車体部分の剛性を高めるためにも採用することができる。例えば、図1に示した車体1のフェンダパネル23やクォータパネル24の剛性を高めるために、上述したスティフナを用いることができる。この場合も、スティフナは、その圧接部が、これらのパネル23,24の車内側面に圧接し、その連結部が補強部材に連結される。
1 車体
3 アウタパネル
4 インナパネル
8 インパクトビーム
11 スティフナ
12 連結部
13,14 圧接部
15,16 中間部
17 車内側面
3 アウタパネル
4 インナパネル
8 インパクトビーム
11 スティフナ
12 連結部
13,14 圧接部
15,16 中間部
17 車内側面
Claims (4)
- 車体に固定された補強部材に連結される連結部と、車体外板の車内側面に圧接する圧接部とを具備して成る自動車の車体外板用のスティフナ。
- 前記連結部は、前記補強部材に着脱自在に嵌合して連結される請求項1に記載の自動車の車体外板用のスティフナ。
- 前記連結部を中心として、互いにほぼ対称に配置された一対の圧接部を有し、該連結部と各圧接部は、弾性を有する中間部を介して互いに一体に連結されている請求項1又は2に記載の自動車の車体外板用のスティフナ。
- 前記車体外板は、ドアのアウタパネルより成り、前記補強部材は、ドアのインナパネルに固定されたインパクトビームより成る請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車の車体外板用のスティフナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004035413A JP2005225350A (ja) | 2004-02-12 | 2004-02-12 | 自動車の車体外板用のスティフナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007230521A (ja) * | 2006-03-03 | 2007-09-13 | Toyota Motor Corp | 車体側面構造 |
JP2007269301A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-10-18 | Honda Motor Co Ltd | 車両のドア構造 |
US8210596B2 (en) | 2007-07-24 | 2012-07-03 | Honda Motor Co., Ltd. | Vehicle door with door beam |
JP5548133B2 (ja) * | 2008-10-14 | 2014-07-16 | リンテック株式会社 | 接合体、ルーフ構造体、それに用いる積層シート及び積層シートの使用方法 |
-
2004
- 2004-02-12 JP JP2004035413A patent/JP2005225350A/ja active Pending
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JP4575901B2 (ja) * | 2006-03-09 | 2010-11-04 | 本田技研工業株式会社 | 車両のドア構造 |
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