JP2005213599A - TiCN基サーメットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐摩耗性、耐欠損性に優れたTiCN基サーメット製切削工具を提供する。
【解決手段】 TiCNと、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属のの炭化物、窒化物および炭窒化物を含む硬質相2を、1〜30重量%のCo、Niの結合相3にて結合したTiCN基サーメット1の任意断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)において、硬質相2が黒色の第1硬質相2aと灰白色の第2硬質相2bとからなり、サーメット1内部における第1硬質相2aの平均粒径d1inが0.05〜1.5μm、内部の全体に占める第1硬質相2aの面積比率S1inが40〜80面積%、サーメット1表面に第1硬質相2aの平均粒径d1sfと内部における第1硬質相2aの平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1〜3で、表面部に占める第1硬質相2aの面積比率S1sfと内部における第1硬質相2aの面積比率S1inとの比(S1sf/S1in)が0.3〜0.7からなる表面領域sfが存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切削工具部材、耐摩耗性工具部材等に適する靱性と硬度をともに備えたTiCN基サーメットとその製造方法に関するものである。
従来より、耐摩耗性工具や切削工具用合金としてTiC基サーメットやTiCN基サーメットが開発されており、特に靭性を改善したTiCN基サーメットが広く用いられている。
かかるTiCN基サーメットにおいては、特に耐欠損性を向上させることが求められており、例えば、特許文献1では、硬質相の固溶状態、具体的には芯部が黒色の有芯構造をなす硬質相と芯部が白色の有芯構造をなす硬質相との存在割合、およびその粒度を最適化することによって高速切削等にて発生する熱衝撃に対して優れた耐久性を改善できることが開示されている。
特開平8−199283号公報
しかしながら、上記特許文献1にて開示されたサーメットにおいても熱衝撃に対する耐久性は未だ不十分で切削性能の改良に限界があり、更なる耐熱衝撃性の改善および耐欠損性、耐摩耗性の向上が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためのもので、その目的はTiCN基サーメットの硬質相の固溶状態を場所毎に適正化して組織の最適化を図ることにより更なる耐欠損性の向上および耐欠損性、耐摩耗性の向上を図ることにある。
本発明においては、原料粉末の粒径、焼成条件の適正化によって、上記硬質相の固溶状態を各部分に合わせてそれぞれ最適化し、サーメット内部において硬質相の微粒化による強度、硬度向上と、サーメット表面における硬度維持と耐熱衝撃性向上とをともに満足させることができる結果、サーメット全体としての耐欠損性および耐摩耗性がともに向上することを知見した。
すなわち、本発明のTiCN基サーメットは、TiCNと、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも一種を含む硬質相を、Coおよび/またはNiの結合相1〜30重量%にて結合してなるTiCN基サーメットであって、該TiCN基サーメット任意断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)において、前記硬質相が黒色の第1硬質相と灰白色の第2硬質相とからなり、前記サーメット内部における第1硬質相の平均粒径d1inが0.05〜1.5μmで、前記サーメット内部の全体に占める第1硬質相の面積比率S1inが40〜80面積%からなるとともに、前記サーメット表面に前記第1硬質相の平均粒径d1sfと前記サーメット内部における第1硬質相の平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1〜3で、前記サーメット表面部に占める第1硬質相の面積比率S1sfと前記サーメット内部における第1硬質相の面積比率S1inとの比(S1sf/S1in)が0.3〜0.7からなる表面領域ssが存在することを特徴とするものである。
ここで、前記第1硬質相が金属成分としてTiを80重量%以上含有するとともに、前記灰白色の第2硬質相が前記第1硬質相に対してTi以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属を多く含有することが、サーメットの硬度を高めつつ靭性を維持できる点で望ましい。
また、前記表面領域のさらに表面部に位置する極表面に、前記第1硬質相の面積比率S1ssが80面積%以上の極表面領域ssがさらに存在することが、サーメットの耐摩耗性を維持できる点で望ましい。
さらに、本発明のTiCN基サーメットの製造方法は、平均粒径0.1〜1.2μmのTiCN粉末と、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の粉末と、Coおよび/またはNiとを調合して所定形状に加工した後、(A)0.7〜2℃/minの昇温速度で1150〜1250℃まで昇温し、次いで(B)5〜15℃/minの昇温速度で1400〜1500℃まで昇温し、さらに(C)4〜14℃/minの昇温速度で1500〜1600℃まで昇温するとともに、前記昇温工程(B)(C)において焼成炉内に不活性ガスを10〜150Paの割合で充填し、前記昇温工程(C)の最高温度にて所定時間維持し、降温することを特徴とするものである。
上記本発明のTiCN基サーメットによれば、硬質相の固溶状態を各部分に合わせてそれぞれ最適化し、サーメット内部において硬質相の微粒化による強度、硬度向上と、サーメット表面における硬度維持と耐熱衝撃性の向上とをともに満足させることができる結果、サーメット全体としての耐欠損性および耐摩耗性がともに向上する。
また、本発明のTiCN基サーメットの製造方法によれば、原料粉末の粒径、焼成条件の適正化によって、硬質相の固溶状態を各部分に合わせてそれぞれ最適化し、サーメット内部において硬質相の微粒化による強度、硬度向上と、サーメット表面における硬度維持と耐熱衝撃性向上とをともに満足させることができる結果、サーメット全体としての耐欠損性および耐摩耗性がともに向上する。
本発明のTiCN基サーメット(以下、単にサーメットと略す。)について、その表面を含む任意断面についての走査型電子顕微鏡写真(SEM)である図1(a)および内部の任意断面についてのSEM写真である図1(b)を基に説明する。
図1によれば、本発明のTiCN基サーメット(以下、単にサーメットと略す。)1は、TiCNとTi以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも一種とが固溶してなる硬質相2を、1〜30重量%のCoおよび/またはNiの結合相3で硬質相2を結合した構成からなり、図1によれば、硬質相2は、黒色の第1硬質相2aと灰白色の第2硬質相2bとからなり、本発明によれば、サーメット1の内部(図1(b))とは異なる組織からなる表面領域sf(図1(a))が存在する。
本発明によれば、サーメット1内部(図1(b):in)における第1硬質相2aの平均粒径d1inが0.05〜1.5μmで、サーメット1内部において第1硬質相2aが占める面積比率S1inが40〜80面積%からなるとともに、サーメット1表面(図1(a))に第1硬質相2aの平均粒径d1sfと、前記サーメット1内部における第1硬質相2aの平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1〜3で、サーメット1表面部に占める第1硬質相の面積比率S1sfとサーメット内部における第1硬質相の面積比率S1inとの比(S1sf/S1in)が0.3〜0.7からなる表面領域(図1(a):sf)が存在することが大きな特徴である。
これによって、サーメット1の強度を高めることができるとともに、サーメット1表面における硬度を維持しつつ、熱伝導率、ヤング率を高めてサーメット1の表面における耐熱衝撃性を向上できることによって、特に高速切削、高送り切削や湿式切削等過酷な熱衝撃が発生するような条件においてもサーメット1の耐摩耗性および耐欠損性を向上させることができる。
なお、上記平均粒径(d、d)および面積比率(S、S)は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真について市販の画像解析装置を用いることによって測定することができる。
ここで、上記サーメット1内部における第1硬質相2aの平均粒径d1inが0.05μmより小さいと、硬質相同士の凝集によって組織が不均質となり強度低下を招くとともに、サーメット1内部の熱伝導率が低下する。逆に、d1inが0.5μmを超えると、サーメット1の強度、硬度が低下していずれも耐欠損性、耐摩耗性が低下する。d1inの望ましい範囲は0.1〜0.3μmである。
また、第1硬質相2aの面積比率S1inが40面積%より少ないか、または80面積%より多いと、サーメット1の強度、硬度が低下する。S1inの望ましい範囲は50〜70面積%である。
さらに、サーメット1内部における第2硬質相2bの平均粒径d2inは0.6μm〜2μmであることが第2硬質相2bの分散状態を良好として強度を高める点で望ましい。d2inのさらに望ましい範囲は0.8〜1.5μmである。
また、サーメット1内部における第2硬質相2bの面積比率S2inは5〜40面積%であることが、サーメット1の粒子を微粒なまま十分に焼結せしめることができ、強度が向上する点で望ましい。面積比率S2inのさらに望ましい範囲は10〜30面積%である。
一方、サーメット1表面領域においては、サーメット1表面に第1硬質相2aの平均粒径d1sfとサーメット1内部における第1硬質相2aの平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1よりも小さいと熱伝導率および耐塑性変形性が低下してしまい、逆に、前記比(d1sf/d1in)が3よりも大きいとサーメット1表面における硬度が低下して耐摩耗性が低下する。なお、サーメット1表面領域における第2硬質相2bの平均粒径d2sfは1μm〜3μmであることが、サーメット1表面の熱伝導率および耐塑性変形性を維持するとともに耐欠損性を高める点で望ましい。d2sfの望ましい範囲は1.2〜2μmである。
また、サーメット1表面領域sfにおける第1硬質相2aの面積比率S1sfは5面積%〜40面積%であることが、サーメット1表面の熱伝導性および塑性変形性を向上させる点で望ましい。S1sfの望ましい範囲は7〜25面積%である。
また、サーメット1表面領域sfに占める第1硬質相の面積比率S1sfと前記サーメット内部における第1硬質相の面積比率S1inとの比(S1sf/S1in)が図2のように0.3より小さいとサーメット1の熱伝導率および耐塑性変形性が低下し、逆に0.7を超えると第1硬質相および結合相不足によってサーメット1表面の耐欠損性が低下する。面積比率の比(S1sf/S1in)は1.1〜2、特に1.2〜1.8であることが望ましい。
なお、第2硬質相2bの面積比率S2sfは50〜80面積%、特に60〜75面積%であることが、サーメット1表面の耐欠損性および耐摩耗性の点で望ましい。
さらに、本発明によれば、灰白色の第2硬質相2bの中心には白色部2cが存在するとともに、サーメット1内部(図1(b))における白色部2cの存在割合がサーメット1表面(図1(a))における白色部2cの存在割合よりも多いことが、サーメット1内部の硬質相2(2a、2b)を微粒化してサーメット1の強度を高めるとともにサーメット1表面における硬質相2(2a、2b)の固溶状態を最適化してサーメット1の耐熱衝撃性を高める点で望ましい。
また、第1硬質相2aとしては、金属成分としてTiを80重量%以上含有することが望ましく、特に、Tiが80〜98重量%、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属、特にW、Mo、Cr、NbおよびVの一種以上、さらにWを必須として含有する金属(本発明では固溶体金属と称す。)の総量が1〜15重量%、Coおよび/またはNiの結合相金属の総量が0〜3重量%の割合からなることが望ましい。
さらに、前記灰白色の第2硬質相2bとしては、第1硬質相2aに対して固溶体金属を多く含有することが望ましく、特に、Tiが30〜70重量%、固溶体金属の総量が70〜30重量%、Coおよび/またはNiの結合相金属の総量が0〜3重量%の割合からなることが望ましい。なお、上記硬質相中の金属成分の含有比率は透過型電子顕微鏡(TEM)のエネルギー分散分光分析(EDS)にて測定可能である。
また、本発明によれば、硬質相2は、第1硬質相2aを芯部とし、第2硬質相2bを周辺部とする2重有芯構造をなしていることが、粒成長抑制効果を有しサーメット1が微細で均一な組織となるとともに、結合相3との濡れ性に優れるためにサーメット1の高強度化に寄与する点で望ましいが、全ての硬質相2が有芯構造をなしていなくてもよい。有芯構造の場合、第2硬質相2bの面積は、中心部の第1硬質相2aの面積を除いた環状部の面積である。
また、本発明によれば、サーメット1の強度、硬度、耐熱衝撃性のバランスを最適化する上で、d2sf/d2in=1.5〜1.7、S2sf/S2in=1.5〜4であることが望ましい。
さらに、サーメット1の耐欠損性および耐摩耗性の両立を図るために前記表面領域の厚みは20〜100μm、特に30〜50μmとすることが望ましい。また、前記表面領域のさらに表面部に位置する極表面に、第1硬質相2aの面積比率S1sが80面積%以上の極表面領域ssが存在することが、サーメット1の耐摩耗性を維持できる点で望ましい。
なお、サーメット1におけるビッカース硬度は極表面領域で最大値をとり、内部に向かって次第にビッカース硬度が低下していくことが望ましい。これにより、高い耐摩耗性と耐欠損性の両方を有することができる。
また、本発明によれば、サーメット1の表面に別途硬質被覆層を被着形成してもよい。
(製造方法)
次に、本発明のTiCN基サーメットの製造方法について説明する。
まず、平均粒径0.1〜1.2μm、特に0.2〜0.9μmのTiCN粉末と、平均粒径0.1〜2μmのTiN粉末、上述した固溶体金属の炭化物粉末、窒化物粉末または炭窒化物粉末のいずれか1種と、Co粉末および/またはNi粉末とを混合した混合粉末を調整する。
本発明によれば、上記TiCN原料粉末の平均粒径を0.1〜1.2μmの範囲に制御することが重要であり、この平均粒径が0.1μmより小さいと原料が凝集してサーメットが不均質な組織となり、逆に1.2μmを超えるとサーメットを上述した組織とすることができない。なお、TiCN原料粉末は他の固溶体金属原料とともに焼結によって第1硬質相と第2硬質相との有芯構造を形成することから、第1の硬質相2aの平均粒径はTiCN原料粉末の平均粒径より小さくなる傾向にある。
そして、この混合粉末にバインダーを添加して、プレス成形、押出成形、射出成形等の公知の成形方法によって所定形状に成形する。
次に、上記成形体を、平均粒径0.1〜1.2μmのTiCN粉末と、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の粉末と、Coおよび/またはNiとを調合して所定形状に加工した後、(a)0.7〜2℃/minの昇温速度で1150〜1250℃まで昇温し、次いで(b)5〜15℃/minの昇温速度で1400〜1500℃まで昇温し、さらに(c)4〜14℃/minの昇温速度で1500〜1600℃まで昇温するとともに、前記昇温工程(b)(c)において不活性ガスを10〜150Pa充填し、前記昇温工程(c)の最高温度にて所定時間維持し、降温する。
本発明によれば、上記焼成時の昇温速度、および降温時に所定量の不活性ガスを充填した状態で降温することによって上述した組織のサーメットを作製することができる。
マイクロトラック法による測定にて平均粒径0.7μm、または2μmのTiCN粉末、平均粒径1.5μmのTiN粉末、平均粒径μmのTaC粉末、平均粒径1.5μmのNbC粉末、平均粒径1.1μmのWC粉末、平均粒径1.8μmのZrC粉末、平均粒径1.0μmのVC粉末、平均粒径2.4μmのNi粉末、および平均粒径1.9μmのCo粉末を表1に示す割合で調整した混合粉末をステンレス製ボールミルと超硬ボールを用いて、イソプロピルアルコール(IPA)にて湿式混合し、パラフィンを3重量%添加、混合した後、200MPaでCNMG120408にプレス成形し、表1に示す焼成条件で焼成した。なお、昇温工程(b)、(c)においてはNガスを表1に示す量だけ注入した。
得られたサーメットをダイヤモンド砥石によって加工し、下記条件にて切削性能を評価した。また、各試料について走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、7000倍の写真任意5箇所について市販の画像解析ソフトを用いて7mm×7mmの領域で画像解析を行い、硬質相(第1硬質相、第2硬質相)の存在状態を確認した。結果は表2に示した。
(切削条件)
切削評価1
切削方法:旋削 連続切削(耐摩耗性評価)
切削速度:230m/min
送り :0.25mm/rev
切込み :2.0mm
被削材 :SCM435
切削状態:湿式(エマルジョン)
切削時間:10分
評価項目:逃げ面摩耗幅(mm)
切削評価2
切削方法:旋削 断続切削(耐欠損性評価)
被削材:S45C
被削材:4本溝入り丸棒、
切削速度:100m/min、
送りおよび切削時間:0.1mm/revで10秒間切削後、送りを0.05mm/revずつ上げて各10秒間ずつ切削(最大送り0.5mm/revまで)
切込み:2mm、
評価項目:欠損するまでの総切削時間
切削状態:湿式(エマルジョン)
Figure 2005213599
Figure 2005213599
表1、2より、本発明品である試料No.1〜4では、耐摩耗性と耐欠損性のともに優れた結果を示した。これに対して、単純な焼成パターンで焼成した試料No.5では、表面に所定の表面領域が形成されず、耐摩耗性および耐欠損性がともに低下した。原料として平均粒径2μmのTiCN粉末を用いた試料No.6では、焼結体内部の硬質粒子の平均粒径d1inが1.5μmを超えて硬度および強度が低下した結果、工具の摩耗が早期に進行した。さらに、昇温工程Bにおける昇温速度が4℃より遅く、焼成温度Cが1600℃を超える試料No.7では第1硬質相の平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1より小さく摩耗が激しいものであった。さらには、昇温速度Aが0.7℃/minより遅く、昇温工程bおよびcにて不活性ガスを導入しなかった試料No.8では第1硬質相の平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が3を超えて大きく耐摩耗性が低下した。
本発明のTiCN基サーメットの(a)表面、(b)内部についての走査型電子顕微鏡写真である。 従来のTiCN基サーメットの(a)表面、(b)内部についての走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1:TiCN基サーメット
2:硬質相
2a:第1硬質相
2b:第2硬質相
3:結合相
in:サーメット内部
sf:サーメット表面領域
ss:サーメット極表面領域

Claims (4)

  1. TiCNと、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも一種を含む硬質相を、Coおよび/またはNiの結合相1〜30重量%にて結合してなるTiCN基サーメットであって、該TiCN基サーメット任意断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)において、前記硬質相が黒色の第1硬質相と灰白色の第2硬質相とからなり、前記サーメット内部における第1硬質相の平均粒径d1inが0.05〜1.5μmで、前記サーメット内部の全体に占める第1硬質相の面積比率S1inが40〜80面積%からなるとともに、前記サーメット表面に前記第1硬質相の平均粒径d1sfと前記サーメット内部における第1硬質相の平均粒径d1inとの比(d1sf/d1in)が1.1〜3で、前記サーメット表面部に占める第1硬質相の面積比率S1sfと前記サーメット内部における第1硬質相の面積比率S1inとの比(S1sf/S1in)が0.3〜0.7からなる表面領域sfが存在することを特徴とするTiCN基サーメット。
  2. 前記第1硬質相が金属成分としてTiを80重量%以上含有するとともに、前記灰白色の第2硬質相が前記第1硬質相に対してTi以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属を多く含有することを特徴とする請求項1記載のTiCN基サーメット。
  3. 前記表面領域のさらに表面部に位置する極表面に、前記第1硬質相の面積比率S1ssが80面積%以上の極表面領域ssが5μm以下の深さ領域でさらに存在することを特徴とする請求項1または2記載のTiCN基サーメット。
  4. 平均粒径0.1〜1.2μmのTiCN粉末と、Ti以外の周期律表IVa、VaおよびVIa族の金属の中から選択される少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の粉末と、Coおよび/またはNiとを調合して所定形状に加工した後、(A)0.7〜2℃/minの昇温速度で1150〜1250℃まで昇温し、次いで(B)5〜15℃/minの昇温速度で1400〜1500℃まで昇温し、さらに(C)4〜14℃/minの昇温速度で1500〜1600℃まで昇温するとともに、前記昇温工程(B)(C)において焼成炉内に不活性ガスを10〜150Paの割合で充填し、前記昇温工程(C)の最高温度にて所定時間維持し、降温することを特徴とするTiCN基サーメットの製造方法。
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