JP3366696B2 - 高強度サーメットの製造方法 - Google Patents
高強度サーメットの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素の含有した高強度
サーメットの製造方法に関し、具体的には、耐摩耗部品
または切削工具部品として最適な耐摩耗性および高温特
性に優れる高強度サーメットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、TiC基サーメットは、窒素
(N)無含有のTiC基サーメットと、N含有のTiC
基サーメットに大別できる。これらの内、N含有のTi
C基サーメットは、N無含有のTiC基サーメットに比
べて耐熱塑性変形性および耐熱衝撃性等の高温特性に優
れる傾向にある。このために、最近のTiC基サーメッ
トは、N含有のTiC基サーメットが主流になってきて
いる。 【0003】このN含有TiC基サーメットの製造方法
は、窒素添加の手段としてTiNまたはTi(C,N)
等の窒化物または炭窒化物の粉末を出発原料に用いて、
通常の真空焼結法または脱窒現象を防ぐべく低圧窒素雰
囲気中で焼結する方法が行われており、その代表的なも
のとして、特開昭63−45345号公報,特開平1−
287246号公報および特開平2−15139号公報
がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】TiC基サーメットの
製造方法に関連する代表的な先行技術の内、特開昭63
−45345号公報には、TiC基サーメットを作製す
るための混合粉末を粉末成形体とした後、真空中または
20Torr以下の窒素雰囲気中で焼結する方法が記載
されており、特開平1−287246号公報には、Ti
C基サーメットを作製するための混合粉末を粉末成形体
とした後、液相出現温度以下の温度領域から20Tor
r以下の窒素雰囲気にして焼結する方法が記載されてい
る。 【0005】これらの2件の公報により記載されている
低圧窒素雰囲気中での焼結方法では、脱窒を防止する効
果があるものの、得られる焼結合金はクリープ抵抗が劣
り、切削工具として用いた場合に耐摩耗性および耐塑性
変形性が劣るために短寿命になるという問題がある。 【0006】また、特開平2−15139号公報には、
TiC基サーメットを作製するための混合粉末を粉末成
形体とした後、真空中で昇温し、粉末成形体中に含まれ
る鉄族金属による液相出現温度以上から焼結最高温度到
達までの間に200Torrの窒素雰囲気とする方法が
比較例として記載されている。同公報に記載されている
TiC基サーメットの製造方法では、得られる焼結合金
は鉄族金属の富化した表面層になり、しかもポアが多く
生じ、切削工具として用いた場合に耐摩耗性,耐塑性変
形性および耐欠損性が劣るために短寿命になるという問
題がある。 【0007】本発明は、上述のような問題点を解決した
もので、具体的には、耐摩耗性,耐塑性変形性および耐
欠損性に優れるN含有のTiC基サーメットを作製でき
て、かつ易焼結性,ポア発生の抑制が可能な高硬度サー
メットの製造方法の提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポアの発
生が抑制され、被研削性が低下し難く、耐摩耗性が低下
し難く、かつ高温特性に優れるような窒素含有量の多い
TiC基サーメットを得るための製造方法について検討
していたところ、(a)N含有のTiC基サーメットの
高温特性が優れるのは、鉄族金属でなる結合相の炭窒化
物に対する濡れ性が劣るために、炭窒化物でなる硬質相
と硬質相との接着界面の増加または接着界面の強度の増
大によること、(b)高温特性には結合相と接するTi
の窒化物および炭窒化物の粒子の外周部が主に寄与する
こと、(c)TiC基サーメットの粉末成形体を焼結す
る工程における昇温時に、液相出現温度までに積極的に
窒化処理すると、得られる焼結合金中の全窒素含有量が
少ないにもかかわらず、上述の(a)および(b)の増
大方向が生じ、TiNおよびTi(C,N)などを多量
に添加したものと同等の高温特性を発揮し、しかもポア
の発生の抑制、良好な被研削性および優れた耐摩耗性の
焼結合金が得られるという知見を得て、本発明を完成す
るに至ったものである。 【0009】すなわち、本発明の高強度サーメットの製
造方法は、Tiの炭化物,窒化物,炭窒化物の中の少な
くとも1種35〜85重量%と、周期律表4a,5a,
6a族元素の炭化物,窒化物およびこれらの相互固溶体
の中の少なくとも1種40重量%以下と、残り鉄族金属
または周期律表の6a族金属を含有した鉄族金属5〜2
5重量%とからなる混合粉末を粉末成形体とする第1工
程と、該粉末成形体を脱窒雰囲気中または脱炭雰囲気中
で昇温し、800℃に昇温したときから液相出願温度ま
での温度範囲の一部もしくは全部に亘って窒素分圧が1
00Torr以上の窒素雰囲気中で昇温あるいは加熱保
持して窒化処理する第2工程と、次いで非酸化性雰囲気
中で液相出現温度以上から焼結温度まで昇温および加熱
保持して焼結する第3工程とからなる方法である。 【0010】本発明の製造方法における第1工程は、従
来の粉末冶金法で行われている方法であり、具体的に
は、例えば混合粉末は、ボールミル混合、アトライター
混合等の混合処理された粉末であり、粉末成形体は、金
型で加圧成形する方法,射出成形法,押出し成形法,鋳
込成形法またはロール等のシート成形法でもって成形さ
れた成形体である。 【0011】第2工程における窒化処理温度は、800
℃未満では窒化反応が遅く、粉末成形体を所定量窒化す
るのに長時間を要し、実用的ではなく、好ましくは10
00℃以上、より好ましくは1200℃以上であり、一
方、上限の窒化処理温度が液相出現温度を超えて高くな
ると、硬質相の粒子が液相により囲繞されて、窒素雰囲
気と硬質相とが液相により遮断された状態となり、その
結果硬質相の加窒が減少し、かつ得られるサーメットの
表面部に結合相の富化された層が生じる。 【0012】このときの窒素分圧が100Torr未満
になると硬質相への加窒が著しく減少し、目的の効果が
得られなくなる。好ましくは、200Torr以上の窒
素分圧、より好ましくは500Torr以上の窒素分圧
である。 【0013】また、第2工程における液相出現温度と
は、粉末成形体の組成成分、特に炭素含有量、鉄族金属
含有量により変動するが、約1300℃前後である。 【0014】第3工程における非酸化性雰囲気とは、具
体的には、例えば真空中、不活性ガス中、窒素ガス等の
雰囲気であって、窒素ガス雰囲気にする場合には、脱窒
を防止する程度である数Torr〜数10Torrが好
ましい。この第3工程における焼結温度は、粉末成形体
の組成成分により選定する必要があり、従来から行われ
ている温度である1350℃〜1600℃の範囲であ
る。 【0015】 【作用】本発明の高強度サーメットの製造方法は、第2
工程がTiの炭化物,炭窒化物,または必要に応じて添
加される周期律表の4a,5a,6a族元素の炭化物,
炭窒化物およびこれらの相互固溶体でなる硬質相形成成
分を加窒する作用をし、特にその硬質相形成成分の表面
部を積極的に加窒するという作用をするものである。 【0016】 【実施例】平均粒度1〜3μm内にある市販のTiC、
Ti(C,N),Mo2C、Niの各粉末を出発原料と
して用いて、表1の如くにそれぞれの配合番号に従い配
合し、これらの配合粉末とアセトン溶媒と超硬合金ボ−
ルを混合容器に入れて36時間ボ−ルミルし、パラフィ
ン添加、乾燥、プレス成形した。このプレス成形により
得られた粉末成形体からパラフィンを400℃で加熱除
去した後、表2の如く各雰囲気中で昇温し、さらに15
00℃で50分間保持して焼結し、本発明の方法による
サーメット1〜6および比較の方法によるサーメット1
〜4を得た。 【0017】こうして得られた本発明の方法によるサー
メット1〜6および比較の方法によるサーメット1〜4
のそれぞれのサーメットの窒素含有量を表2に示すと共
に、合金中に発生しているポアの状況をCIS規格00
6Bにしたがって、また被研削性をSPGN12030
8(研削しろ0.2mm)の研削時間で表3に併記し
た。さらに下記(A)及び(B)の条件でもって切削試
験を行って、その結果を表4に示した。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 (A)連続旋削試験 被削材 S48C(HB260) 切削速度 250m/min 送り 0.3mm/rev 切り込み 1.5mm チップ形状 SPGN120308(0.1×−30
゜ホ−ニング付き) 評価 6min切削後の平均逃げ面摩耗量(V
B)と刃先の塑性変形量(d)を測定 (B)転削試験 被削材 SCM440(HB255)50×15
0mm2ブロック 切削速度 163m/min 送り 0.2mm/tooth 切り込み 1.5mm チップ形状 SPGN120308(0.1×−30
゜ホ−ニング付き) 評価 欠損までの総切削長さ 【0020】 【表3】 【0021】 【表4】 【0022】 【発明の効果】本発明の製造方法は、従来の製造方法に
比べて、易焼結性で、かつポアの発生を抑制する効果が
高く、得られるサ−メットの耐塑性変形性,耐欠損性,
耐摩耗性,被研削性が顕著に優れるという効果がある。 【0023】つまり、本発明の製造方法により作製した
サ−メットは、従来の製造方法により作製したサ−メッ
トに比べて窒素含有量が少ない場合には、被研削性、耐
摩耗性、焼結性、耐欠損性に優れ、窒素含有量が同等の
場合には耐塑性変形性,耐欠損性,耐摩耗性に著しく優
れる。これらのことから、本発明の製造方法は、従来の
製造方法に比べて窒素含有量が少なくても、窒素添加の
効果を十分に発揮すると共に窒素添加の欠点である被研
削性の低下、耐摩耗性の低下、およびポアの発生による
耐欠損性の低下を抑制するものであり、優れた耐塑性変
形性、耐摩耗性、耐欠損性、被研削性、および焼結性を
兼ね備えた高強度サ−メットを製造する上で産業上有用
な方法である。窒素含有量が少なくても、窒素添加の効
果を十分に発揮しすると共に窒素添加の欠点である被研
削性の低下、耐摩耗性の低下および焼結性の低下を抑制
するものであり、産業上有用な高強度サ−メットの製造
方法である。
サーメットの製造方法に関し、具体的には、耐摩耗部品
または切削工具部品として最適な耐摩耗性および高温特
性に優れる高強度サーメットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、TiC基サーメットは、窒素
(N)無含有のTiC基サーメットと、N含有のTiC
基サーメットに大別できる。これらの内、N含有のTi
C基サーメットは、N無含有のTiC基サーメットに比
べて耐熱塑性変形性および耐熱衝撃性等の高温特性に優
れる傾向にある。このために、最近のTiC基サーメッ
トは、N含有のTiC基サーメットが主流になってきて
いる。 【0003】このN含有TiC基サーメットの製造方法
は、窒素添加の手段としてTiNまたはTi(C,N)
等の窒化物または炭窒化物の粉末を出発原料に用いて、
通常の真空焼結法または脱窒現象を防ぐべく低圧窒素雰
囲気中で焼結する方法が行われており、その代表的なも
のとして、特開昭63−45345号公報,特開平1−
287246号公報および特開平2−15139号公報
がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】TiC基サーメットの
製造方法に関連する代表的な先行技術の内、特開昭63
−45345号公報には、TiC基サーメットを作製す
るための混合粉末を粉末成形体とした後、真空中または
20Torr以下の窒素雰囲気中で焼結する方法が記載
されており、特開平1−287246号公報には、Ti
C基サーメットを作製するための混合粉末を粉末成形体
とした後、液相出現温度以下の温度領域から20Tor
r以下の窒素雰囲気にして焼結する方法が記載されてい
る。 【0005】これらの2件の公報により記載されている
低圧窒素雰囲気中での焼結方法では、脱窒を防止する効
果があるものの、得られる焼結合金はクリープ抵抗が劣
り、切削工具として用いた場合に耐摩耗性および耐塑性
変形性が劣るために短寿命になるという問題がある。 【0006】また、特開平2−15139号公報には、
TiC基サーメットを作製するための混合粉末を粉末成
形体とした後、真空中で昇温し、粉末成形体中に含まれ
る鉄族金属による液相出現温度以上から焼結最高温度到
達までの間に200Torrの窒素雰囲気とする方法が
比較例として記載されている。同公報に記載されている
TiC基サーメットの製造方法では、得られる焼結合金
は鉄族金属の富化した表面層になり、しかもポアが多く
生じ、切削工具として用いた場合に耐摩耗性,耐塑性変
形性および耐欠損性が劣るために短寿命になるという問
題がある。 【0007】本発明は、上述のような問題点を解決した
もので、具体的には、耐摩耗性,耐塑性変形性および耐
欠損性に優れるN含有のTiC基サーメットを作製でき
て、かつ易焼結性,ポア発生の抑制が可能な高硬度サー
メットの製造方法の提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポアの発
生が抑制され、被研削性が低下し難く、耐摩耗性が低下
し難く、かつ高温特性に優れるような窒素含有量の多い
TiC基サーメットを得るための製造方法について検討
していたところ、(a)N含有のTiC基サーメットの
高温特性が優れるのは、鉄族金属でなる結合相の炭窒化
物に対する濡れ性が劣るために、炭窒化物でなる硬質相
と硬質相との接着界面の増加または接着界面の強度の増
大によること、(b)高温特性には結合相と接するTi
の窒化物および炭窒化物の粒子の外周部が主に寄与する
こと、(c)TiC基サーメットの粉末成形体を焼結す
る工程における昇温時に、液相出現温度までに積極的に
窒化処理すると、得られる焼結合金中の全窒素含有量が
少ないにもかかわらず、上述の(a)および(b)の増
大方向が生じ、TiNおよびTi(C,N)などを多量
に添加したものと同等の高温特性を発揮し、しかもポア
の発生の抑制、良好な被研削性および優れた耐摩耗性の
焼結合金が得られるという知見を得て、本発明を完成す
るに至ったものである。 【0009】すなわち、本発明の高強度サーメットの製
造方法は、Tiの炭化物,窒化物,炭窒化物の中の少な
くとも1種35〜85重量%と、周期律表4a,5a,
6a族元素の炭化物,窒化物およびこれらの相互固溶体
の中の少なくとも1種40重量%以下と、残り鉄族金属
または周期律表の6a族金属を含有した鉄族金属5〜2
5重量%とからなる混合粉末を粉末成形体とする第1工
程と、該粉末成形体を脱窒雰囲気中または脱炭雰囲気中
で昇温し、800℃に昇温したときから液相出願温度ま
での温度範囲の一部もしくは全部に亘って窒素分圧が1
00Torr以上の窒素雰囲気中で昇温あるいは加熱保
持して窒化処理する第2工程と、次いで非酸化性雰囲気
中で液相出現温度以上から焼結温度まで昇温および加熱
保持して焼結する第3工程とからなる方法である。 【0010】本発明の製造方法における第1工程は、従
来の粉末冶金法で行われている方法であり、具体的に
は、例えば混合粉末は、ボールミル混合、アトライター
混合等の混合処理された粉末であり、粉末成形体は、金
型で加圧成形する方法,射出成形法,押出し成形法,鋳
込成形法またはロール等のシート成形法でもって成形さ
れた成形体である。 【0011】第2工程における窒化処理温度は、800
℃未満では窒化反応が遅く、粉末成形体を所定量窒化す
るのに長時間を要し、実用的ではなく、好ましくは10
00℃以上、より好ましくは1200℃以上であり、一
方、上限の窒化処理温度が液相出現温度を超えて高くな
ると、硬質相の粒子が液相により囲繞されて、窒素雰囲
気と硬質相とが液相により遮断された状態となり、その
結果硬質相の加窒が減少し、かつ得られるサーメットの
表面部に結合相の富化された層が生じる。 【0012】このときの窒素分圧が100Torr未満
になると硬質相への加窒が著しく減少し、目的の効果が
得られなくなる。好ましくは、200Torr以上の窒
素分圧、より好ましくは500Torr以上の窒素分圧
である。 【0013】また、第2工程における液相出現温度と
は、粉末成形体の組成成分、特に炭素含有量、鉄族金属
含有量により変動するが、約1300℃前後である。 【0014】第3工程における非酸化性雰囲気とは、具
体的には、例えば真空中、不活性ガス中、窒素ガス等の
雰囲気であって、窒素ガス雰囲気にする場合には、脱窒
を防止する程度である数Torr〜数10Torrが好
ましい。この第3工程における焼結温度は、粉末成形体
の組成成分により選定する必要があり、従来から行われ
ている温度である1350℃〜1600℃の範囲であ
る。 【0015】 【作用】本発明の高強度サーメットの製造方法は、第2
工程がTiの炭化物,炭窒化物,または必要に応じて添
加される周期律表の4a,5a,6a族元素の炭化物,
炭窒化物およびこれらの相互固溶体でなる硬質相形成成
分を加窒する作用をし、特にその硬質相形成成分の表面
部を積極的に加窒するという作用をするものである。 【0016】 【実施例】平均粒度1〜3μm内にある市販のTiC、
Ti(C,N),Mo2C、Niの各粉末を出発原料と
して用いて、表1の如くにそれぞれの配合番号に従い配
合し、これらの配合粉末とアセトン溶媒と超硬合金ボ−
ルを混合容器に入れて36時間ボ−ルミルし、パラフィ
ン添加、乾燥、プレス成形した。このプレス成形により
得られた粉末成形体からパラフィンを400℃で加熱除
去した後、表2の如く各雰囲気中で昇温し、さらに15
00℃で50分間保持して焼結し、本発明の方法による
サーメット1〜6および比較の方法によるサーメット1
〜4を得た。 【0017】こうして得られた本発明の方法によるサー
メット1〜6および比較の方法によるサーメット1〜4
のそれぞれのサーメットの窒素含有量を表2に示すと共
に、合金中に発生しているポアの状況をCIS規格00
6Bにしたがって、また被研削性をSPGN12030
8(研削しろ0.2mm)の研削時間で表3に併記し
た。さらに下記(A)及び(B)の条件でもって切削試
験を行って、その結果を表4に示した。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 (A)連続旋削試験 被削材 S48C(HB260) 切削速度 250m/min 送り 0.3mm/rev 切り込み 1.5mm チップ形状 SPGN120308(0.1×−30
゜ホ−ニング付き) 評価 6min切削後の平均逃げ面摩耗量(V
B)と刃先の塑性変形量(d)を測定 (B)転削試験 被削材 SCM440(HB255)50×15
0mm2ブロック 切削速度 163m/min 送り 0.2mm/tooth 切り込み 1.5mm チップ形状 SPGN120308(0.1×−30
゜ホ−ニング付き) 評価 欠損までの総切削長さ 【0020】 【表3】 【0021】 【表4】 【0022】 【発明の効果】本発明の製造方法は、従来の製造方法に
比べて、易焼結性で、かつポアの発生を抑制する効果が
高く、得られるサ−メットの耐塑性変形性,耐欠損性,
耐摩耗性,被研削性が顕著に優れるという効果がある。 【0023】つまり、本発明の製造方法により作製した
サ−メットは、従来の製造方法により作製したサ−メッ
トに比べて窒素含有量が少ない場合には、被研削性、耐
摩耗性、焼結性、耐欠損性に優れ、窒素含有量が同等の
場合には耐塑性変形性,耐欠損性,耐摩耗性に著しく優
れる。これらのことから、本発明の製造方法は、従来の
製造方法に比べて窒素含有量が少なくても、窒素添加の
効果を十分に発揮すると共に窒素添加の欠点である被研
削性の低下、耐摩耗性の低下、およびポアの発生による
耐欠損性の低下を抑制するものであり、優れた耐塑性変
形性、耐摩耗性、耐欠損性、被研削性、および焼結性を
兼ね備えた高強度サ−メットを製造する上で産業上有用
な方法である。窒素含有量が少なくても、窒素添加の効
果を十分に発揮しすると共に窒素添加の欠点である被研
削性の低下、耐摩耗性の低下および焼結性の低下を抑制
するものであり、産業上有用な高強度サ−メットの製造
方法である。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C22C 1/05
C22C 29/00 - 29/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 Tiの炭化物,窒化物,炭窒化物の中の
少なくとも1種35〜85重量%と、周期律表4a,5
a,6a族元素の炭化物,窒化物およびこれらの相互固
溶体の中の少なくとも1種40重量%以下と、残り鉄族
金属または周期律表の6a族金属を含有した鉄族金属5
〜25重量%とからなる混合粉末を粉末成形体とする第
1工程と、該粉末成形体を脱窒雰囲気中または脱炭雰囲
気中で昇温し、800℃に昇温したときから液相出現温
度までの温度範囲の一部もしくは全部に亘って窒素分圧
が100Torr以上の窒素雰囲気中で昇温あるいは加
熱保持して窒化処理する第2工程と、次いで非酸化性雰
囲気中で液相出現温度以上から焼結温度まで昇温および
加熱保持して焼結する第3工程とからなることを特徴と
する高強度サーメットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19399893A JP3366696B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 高強度サーメットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19399893A JP3366696B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 高強度サーメットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726337A JPH0726337A (ja) | 1995-01-27 |
JP3366696B2 true JP3366696B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=16317276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19399893A Expired - Fee Related JP3366696B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 高強度サーメットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366696B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-09 JP JP19399893A patent/JP3366696B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0726337A (ja) | 1995-01-27 |
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