JPH08229719A - 強靱性サーメットドリル - Google Patents
強靱性サーメットドリルInfo
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- JPH08229719A JPH08229719A JP3346095A JP3346095A JPH08229719A JP H08229719 A JPH08229719 A JP H08229719A JP 3346095 A JP3346095 A JP 3346095A JP 3346095 A JP3346095 A JP 3346095A JP H08229719 A JPH08229719 A JP H08229719A
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Abstract
上げ面精度が得られるようにした耐久性にも優れるサー
メットドリルを提供する。 【構成】 周期律表4a、5a、6a族金属の炭化物、
窒化物、炭窒化物から成るTiが主成分の硬質相を80
〜95重量%含み、残部は鉄族金属を主成分とする結合
相と不可避不純物から成るサーメットであって、前記硬
質相が、含有元素の割合を示す次式において、(Ti,
M)1(CX ,NY )Z{但し、M:4a、5a、6a
属金属の中から選ばれた少なくとも1種の金属,X =
(1−Y )} 0.2≧Y ≧0.6, 0.75≧Z≧0.95の両条
件を満たしているサーメットを材料として作ったソリッ
ドドリル1或いは油孔付き先ムクドリルであるので、小
径のものも充分に実用に耐え、穴面の面粗度がよくて仕
上げのリーマ加工が不要になる。
Description
を有する新規なサーメットで少なくともヘッド部を形成
して加工穴面の面粗さを向上させた耐久性にも優れるド
リルに関する。
高能率化のために、これまでのハイスドリルに代わり、
耐熱性に優れる超硬合金製ドリルや表面に硬質コーティ
ング層を設けたコーティド超硬合金製ドリルが多用され
るようになってきたが、この種のドリルによる加工穴
は、高精度の仕上面が要求される場合、リーマ仕上げを
必要とし、そのため、ドリル工程は高能率化できても、
穴あけ工程全体の高能率化はそれほど進展していない。
ら穴あけを行う油孔付きドリルは、切屑の排出がスムー
ズに行われて穴の仕上げ面粗さが向上することが知られ
ているが、これによる面粗さの向上効果は、超硬合金の
鉄との親和性による溶着発生や、コーティング層剥離に
よる穴面の乱れがあることから、リーマ仕上げを省ける
ほど高くはない。
化のためには、それを妨げているリーマ加工を不要にす
ることが不可欠である。
ティング層剥離の問題も生じないサーメットでドリルを
形成することを考えた。ところが、一般のサーメットは
強度が低く、ドリル材として満足できるものが無い。
実開平2−39812号公報に示されるような先ムクエ
ンドミル等には使用できるが、そのようなものも、刃先
がねじれている上に油孔を有する細径ドリルに適用する
と簡単に折れるなどして実用に耐えるものが得られな
い。
性、高耐摩耗性のサーメットで作った高強度、高性能の
ドリルを提供することを課題としている。
て提供する本発明のドリルは、周期律表4a、5a、6
a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物から成るTiが主
成分の硬質相を80〜95重量%含み、残部は鉄族金属
を主成分とする結合相と不可避不純物から成るサーメッ
トであって、前記硬質相が、含有元素の割合を示す次式
において、(Ti,M)1(CX ,NY )Z{但し、
M:4a、5a、6a属金属の中から選ばれた少なくと
も1種の金属,X =(1−Y )} 0.2≧Y ≧0.6, 0.75≧Z≧0.95の両条
件を満たしているサーメットで作られたものである。
含まれる硬質粒子が、走査型電子顕微鏡による組織写真
において、黒色に見えるTiリッチの芯部を有する粒子
Aと、白色に見えるTiプアの芯部を有する粒子Bの2
種類から成り、かつ、粒子Aの平均面積は0.7〜1.
5μm2 の範囲に、粒子Bの平均面積は0.1〜0.7
μm2 の範囲に各々あるものが好ましく、その破壊靱性
値(KlC)は7.0或いは7.5を越えている。
て全体を前述の強靱性サーメットで作るソリッドドリル
と、この強靱性サーメットで油孔付きヘッドを形成し、
そのヘッドを本体シャンク部の先端に鑞付け接合して作
る油孔付きドリルの2形態が考えられる。後者の油孔付
きドリルは、ヘッドの鑞付け面に、中心の油孔と同心で
外径がドリル後の1/2〜1/6の円筒状凸部を形成
し、この凸部を本体シャンク部の前面に対応して設けた
凹部に嵌合させて本体シャンク部に鑞付けすると製造し
易い。
トに比べて靱性が大きく向上しており、ねじれ刃を有す
るドリルでも、必要なねじれ剛性を確保できる。
低く、溶着が生じ難いため、仕上げ面精度はリーマ加工
に近いものが得られ、これによりリーマ加工を省いて高
精度穴の高能率加工を実現できる。
りも優れているので、ドリル性能の維持に関しても有利
になる。即ち、超硬ドリルは、刃先再生のための再研磨
回数が多くなる。また、コーティド超硬ドリルは、コー
ティング層による耐摩耗性の向上で再研磨までの寿命が
延びるが、再研磨後の再コーティングを必要とするため
コストアップを招く。
は、コーティド超硬合金ドリルと同等の寿命を示し、再
研磨後の再コーティングも不要である。
後)の油孔付きドリルは、油孔の穴径が1mm程度と小さ
いため、ヘッドの鑞付け時にヘッドと本体シャンク部の
穴位置を正確に合わせるのが難しかったが、ヘッドの鑞
付け面に前述の円筒状凸部を設けてこの凸部を本体シャ
ンク部の前面の凹部に嵌合させる構造にしたものは、凹
凸嵌合部による心出し作用で穴の位置決めが確実になる
のでドリルを作り易く、このことも生産性向上やコスト
低減に結びつく。
WC、Mo2C、Ni、Coを用いて表1に示す組成の
サーメットを製作した。
料として用いるサーメット(以下、発明品と称す)、N
o.3、4は比較材である。これ等のサーメットは、いず
れも周知の製造方法で製作した。発明品は、周期律表4
a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物から
成るTiが主成分の硬質相の含有量が80〜95重量%
の範囲にあり、残部が鉄族金属(ここではNi、Co)
を主成分とする結合相と不可避不純物から成っている。
また、硬質相の含有元素の割合は、(Ti+M)が1に
対し、(CX +NY )の量Zと、Cに対するNの割合を
示すY が表2の値になっている。Mは4a、5a、6a
族金属の中から選ばれた少なくとも1種の金属(ここで
は、Ta、Nb、W、Moの4種)である。また、X は
(1−Y)で求まる値である。
粒子)は、走査型電子顕微鏡による組織写真において、
Tiリッチの芯部を有するもの(粒子A)は黒色に見え
る芯部の周りがグレーぽい層で覆われた二層構造、Ti
プアの芯部を有するもの(粒子B)は白色に見える芯部
の周りがグレーぽい層で覆われた二層構造になってい
る。ここでは、粒子AとなるTiCN、TiCのほか
に、硬質相の材料としてTaC、NbC、WC、Mo2
Cを混ぜているので、合金中の硬質粒子はAとBの2者
が混在した状態になっている。また、粒子A、Bの平均
面積は本発明で好ましいとした範囲内にある。これは比
較材も同じである。但し、試料No.3はY 値が本発明の
下限(0.2)以下、一方、試料No.4は結合金属量が
本発明の下限(5%)以下になっている。
表2に併記している。これから判るように、発明品であ
るNo.1、2は、従来サーメット(No.3)に比べてK
lCが1以上高い。
いて直径10mmの図1に示すソリッドドリル1を作っ
た。また、従来の超硬合金及びコーティド超硬合金製の
ヘッドを本体シャンク部の先端に鑞付けした直径10mm
の先ムクドリルも作った。そして、これ等のドリルで穴
あけ試験を行い、刃の再生が必要となるまでの寿命を調
べて比較した。
n、送りf=0.25mm/rev、穴深さ=25mm、被
削材=S50C HB230である。
ーメットドリルは、従来のコーティド超硬ドリルと同等
の寿命を有し、従来サーメットドリルや超硬ドリルより
も優れていることが判る。
ドリルとコーティド超硬ドリルによる加工穴面の面粗度
について調べた結果を図4に示す。本発明のサーメット
ドリルによる穴は、コーティド超硬ドリルによる穴と比
べて面粗さが約1/2に向上しており、リーマに要求さ
れる仕上げ面精度に近い値が得られている。
10mmのソリッドドリルの再研磨までの寿命を、前述と
同一切削条件による穴あけを行って比較した結果であ
る。曲線で示す切削長の平均値(縦ラインは切削長の最
大値と最小値を結んだもの)は、試料No.4のサーメッ
トを用いたものが約3m、試料No.3の従来サーメット
を用いたものがほぼ13〜14mである。これに示し、
No.1、2のサーメットを用いた本発明サーメットドリ
ルは、2者ともNo.3の2倍強になっている。中でもK
lCが7.5以上あるものは平均値が30mのところで
安定しており、小径ドリルではKlCが7.5以上ある
と特に有効なことが判る。
施例である。このドリル10は、ヘッド2を本発明で特
定したサーメットで形成し、そのヘッド2を高速度鋼等
から成る本体シャンク部3の先端に鑞付けした先ムクタ
イプである。ヘッド1の鑞付け面には、円筒状の凸部4
を設けてあり、また、本体シャンク部3の前面には凸部
4を適合して嵌める凹部5を設けてある。また、ヘッド
1と本体シャンク部3には、それぞれ油孔6、7を設け
てある。油孔6は、凸部4の中心に設けたメイン孔部
と、このメイン孔部から枝分かれして先端の逃げ面に開
口する分岐孔とで構成されている。また、油孔7は、本
体シャンク部の中心にあけられており、凸部4と凹部5
の嵌合で位置決めされて油孔6のメイン孔部に接続され
る。
に、本体シャンク部2内で油孔7を分岐させ、各分岐孔
に対応させた2つの油孔6を有するヘッド1を本体シャ
ンク部3の先端にV溝嵌合させて鑞付けする構造であっ
たので、ヘッド側の油孔と本体シャンク側の油孔の位置
合わせが、位置決め基準が無くて難しかったが、図5の
構造であればその問題が無くなる。
トドリルは、硬質相に含まれるCとNについて、両者の
合計量を1としたときNが0.2〜0.6を占め、さら
に、4a〜6a族金属の量を1として(C+N)の割合
Zが0.75〜0.95になるようにしてその破壊靱性
値(KlC)を7.0以上に高めた強靱性サーメットを
材料にしているのでソリッドタイプの小径ドリル、先ム
クタイプの小径ドリルのどちらであっても実用に耐える
ものを作ることが可能になる。
前述の強靱性サーメットで作ってあるので、加工穴の仕
上げ面精度が大巾に向上する。油孔を有するドリルはそ
の効果が特に大きく、従って、高精度が要求される穴加
工でこれまで不可欠であったリーマ工程を省略でき、穴
あけの本当の意味での高能率化を達成できる。
硬ドリルに勝るとも劣らないものになっており、再研磨
後の再コーティングも不要であるので、加工コストの低
減も図れる。
メットドリルは、ヘッド鑞付け時の油孔の位置決めが簡
単で生産性が向上する。
例を示す側面図 (b):同上のドリルの正面図
リルの一例を示す側面図 (b):同上のA−A線部の断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 周期律表4a、5a、6a族金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物から成るTiが主成分の硬質相を
80〜95重量%含み、残部は鉄族金属を主成分とする
結合相と不可避不純物から成るサーメットであって、前
記硬質相が、含有元素の割合を示す次式において、 (Ti,M)1(CX ,NY )Z{但し、M:4a、5
a、6a属金属の中から選ばれた少なくとも1種の金
属,X =(1−Y )} 0.2≧Y ≧0.6, 0.75≧Z≧0.95の両条
件を満たしているサーメットで作られた強靱性サーメッ
トドリル。 - 【請求項2】 材料のサーメットとして、合金中に含ま
れる硬質粒子が、走査型電子顕微鏡による組織写真にお
いて、黒色に見えるTiリッチの芯部を有する粒子A
と、白色に見えるTiプアの芯部を有する粒子Bの2種
類から成り、かつ、粒子Aの平均面積は0.7〜1.5
μm2 の範囲に、粒子Bの平均面積は0.1〜0.7μ
m2 の範囲に各々あるものを用いた請求項1記載の強靱
性サーメットドリル。 - 【請求項3】 材料のサーメットとして、破壊靱性値
(KlC)が7.5以上あるものを用いた請求項1又は
2記載の強靱性サーメットドリル。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの強靱性サー
メットで油孔付きヘッドを形成し、そのヘッドを本体シ
ャンク部の先端に鑞付け接合して作られた油孔付き強靱
性サーメットドリル。 - 【請求項5】 前記ヘッドの鑞付け面に、中心の油孔と
同心で外径がドリル径の1/2〜1/6の円筒状凸部を
形成し、この凸部を本体シャンク部の前面に対応して設
けた凹部に嵌合させて前記鑞付けを行ってある請求項4
記載の油孔付き強靱性サーメットドリル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033460A JP2795210B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 強靱性サーメットドリル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033460A JP2795210B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 強靱性サーメットドリル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229719A true JPH08229719A (ja) | 1996-09-10 |
JP2795210B2 JP2795210B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=12387161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7033460A Expired - Fee Related JP2795210B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 強靱性サーメットドリル |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2795210B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997012712A1 (fr) * | 1995-10-05 | 1997-04-10 | Kanefusa Corporation | Outil rotatif avec une tige |
JP2005213599A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Kyocera Corp | TiCN基サーメットおよびその製造方法 |
JP2007231421A (ja) * | 2007-02-23 | 2007-09-13 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
JP2009019276A (ja) * | 2008-08-25 | 2009-01-29 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
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JPS62292307A (ja) * | 1986-06-09 | 1987-12-19 | Mitsubishi Metal Corp | 耐欠損性のすぐれたサーメット製ドリル |
JPH01125110U (ja) * | 1988-02-19 | 1989-08-25 | ||
JPH03131412A (ja) * | 1989-07-14 | 1991-06-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結硬質合金製ドリル |
JPH059646A (ja) * | 1991-02-13 | 1993-01-19 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | 高靭性サーメツト及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-02-22 JP JP7033460A patent/JP2795210B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2009019276A (ja) * | 2008-08-25 | 2009-01-29 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2795210B2 (ja) | 1998-09-10 |
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