JP2005212371A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005212371A
JP2005212371A JP2004023751A JP2004023751A JP2005212371A JP 2005212371 A JP2005212371 A JP 2005212371A JP 2004023751 A JP2004023751 A JP 2004023751A JP 2004023751 A JP2004023751 A JP 2004023751A JP 2005212371 A JP2005212371 A JP 2005212371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
treatment liquid
recording
water
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004023751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005212371A5 (ja
Inventor
Yoshihiko Ono
吉彦 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004023751A priority Critical patent/JP2005212371A/ja
Publication of JP2005212371A publication Critical patent/JP2005212371A/ja
Publication of JP2005212371A5 publication Critical patent/JP2005212371A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 コックリングを効果的に抑制するインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記画像領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を付与させることを特徴とするインクジェット記録方法、及び
インクの液滴を記録用紙へ吐出させる印字ヘッドと、
前記インクの付着した領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を吐出させる手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に係り、詳細には、コックリングを抑制するインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方式を利用したインクジェット記録装置は、高速・高画質化の要求により、印字ヘッドの高密度化か長尺化が進み、印字におけるインクや記録媒体に関する問題がクローズアップされてきている。
インクジェット記録方法では、記録媒体において、インクが付着した領域(画像領域)と、インクが付着していない領域と、が形成されるが、インクが付着した領域では、インク中の水分を記録媒体を構成する繊維が吸収し、その繊維が伸張するため、かかる両領域の間でコックリングと呼ばれる凹凸が発生することがある。このようにコックリングが生じると、記録媒体における印字の外観が劣化するだけでなく、印字中に印字ヘッドが記録媒体に対して相対的に移動する際に、印字ヘッドがこのコックリングに接触してしまい、記録媒体が破損し、印字ヘッド自体も破損する問題を有していた。
このようなコックリングを抑制する1つの手段としては、記録媒体に対するインク定着性を高める方法がある。具体的には、記録媒体に付着したインクを高速で乾燥させる方法があり、例えば、印字される記録媒体をヒータなどで加熱しておく方法(例えば、特許文献1、2参照。)や、記録媒体上でのインクの浸透・乾燥を速める新規のインク組成(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、多ノズル、高解像度、長尺化した印字ヘッドを用い、1回の印字幅が広い記録を行った場合、コックリングの抑制効果が十分に得られないのが現状である。
特開平5−131616号公報 特開平6−126952号公報 特許第2894568号公報
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、コックリングを効果的に抑制するインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、上記課題を達成するために、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1> インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記画像領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を付与させることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<2> 前記処理液の付与は、前記インクの吐出後に行われることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 前記処理液の付与後に、前記記録媒体に対して加熱及び/又は加圧を行うことを特徴とする<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 前記インクが水性系インクであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
<5> 前記処理液が、前記インクと反応してインクを構成する色材を凝集させる凝集剤を含有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
<6> 前記処理液の付与量が、前記画像の印字密度に対応して制御されることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
<7> インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体にコックリングを抑制する処理液を付与させることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<8> インクの液滴を記録用紙へ吐出させる印字ヘッドと、
前記インクの付着した領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を吐出させる手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<9> 前記処理液を吐出させた後に、前記記録用紙を加熱する加熱手段を有することを特徴とする<8>に記載のインクジェット記録装置である。
<10> 前記処理液を吐出させた後に、前記記録用紙を加圧する加圧手段を有することを特徴とする<8>又は<9>に記載のインクジェット記録装置である。
本発明によれば、コックリングを効果的に抑制するインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
<インクジェット記録方法>
まず、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記画像領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を付与させることを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明するための概略図斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法において記録された記録媒体10の表面には、インクの吐出領域、即ち、画像領域(A)と、画像領域(A)以外の領域であって、水を主成分とする処理液が付与している処理液付与領域(B)と、が隣接して形成されている。
このような第1の実施態様によれば、記録用紙において、画像領域(A)では、インクに含まれる水分により記録用紙を構成している繊維が伸張すると共に、処理液付与領域(B)でも、処理液により水分が付与されるため、画像領域(A)と同様に繊維が伸張する。従って、繊維の伸張差により形成されるコックリングを効果的に抑制することができる。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法について、図2を参照して、説明する。ここで、図2は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明するための概略図斜視図である。
図2に示すように、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法において記録された記録媒体10の表面には、第1の実施形態と同様に、画像領域(A)と、処理液付与領域(B)と、が形成され、更に、インク及び処理液が共に付着していない領域(C)が形成されている。
このような第2の実施態様においても、画像領域(A)及び処理液付与領域(B)のどちらの領域でも、水分による繊維が伸張するが見られるため、繊維の伸張差により形成されるコックリングを効果的に抑制することができる。
また、第2の実施形態によれば、領域(C)が、画像領域(A)と、処理液付与領域(B)と、の間を隔絶しているため、画像領域を形成するために水性インクを用いたとしても、かかる水性インクが処理液に接触して、画像が滲んでしまうことを防止できる。
なお、ここで、領域(C)の幅(図2における間隔:d)としては、5〜100ドット(画素)の範囲であることが好ましく、5〜20ドットの範囲であることがより好ましい。
この幅(間隔:d)が、100ドットよりも大きく、特に、300ドットを超えると、領域(C)にて、インクの滲みによる画質欠陥やコックリングの発生が顕著となる。
本発明においては、処理液の付与は、インクの吐出後に行われることが好ましい。つまり、インクが記録媒体表面に付着した後に、処理液の付与が行なわれることが好ましい。インクの吐出と、処理液の付与と、をこの順に行うことで、インクと処理液との接触によるインクの滲みを防止することができる。
なお、インクの物性や処理液の物性によっては、処理液をインクの吐出前に記録用紙に付与してもよい。具体的には、例えば、相対的に乾燥性の遅いインクと、相対的に乾燥性の速い処理液と、の組み合わせた場合、処理液を付与した後にインクを吐出させたとしても、処理液の乾燥が速いため、インクの滲みを抑制することができるためである。この際、インク及び処理液の乾燥性は、両間で相対的に求められたものであればよい。
このような、乾燥性の遅いインクと、乾燥性の速い処理液と、の組み合わせであれば、乾燥性の速い処理液を記録媒体全体に付与した後に、所定の領域にインクを吐出して、画像を形成するという方法を用いることもできる。
このような乾燥性の制御は、インク及び処理液に含有される界面活性剤の種類や量を調整することで行うことができる。
更に、本発明においては、記録媒体に対し、インクの吐出及び処理液の付与が終了した後に、当該記録媒体に対して加熱及び/又は加圧を行うことが好ましい。このように、インク及び処理液が付着している状態の記録媒体を、加熱することにより、記録媒体に含有する水分の除去を促進させることができる。乾燥を速く行うことができる。また、インク及び処理液が付着している状態の記録媒体を、加圧することにより、膨張して変形し易い状態となっている記録媒体を、矯正することができる。
なお、加熱処理、及び、加圧処理は、どちらか一方のみを行ってもよいし、その両方を行ってもよいが、両方を行うことが好ましい。
また、本発明において、記録媒体に吐出されるインクは、インクジェット記録に用いられる従来公知のインクであれば、制限無く用いることができるが、処理液が水を主成分としていることため、コックリングの抑制効果をより向上させるという観点から、水性インクであることが好ましい。
以下、本発明において用いられる水性インクについて説明する。水性インクは、通常、色材、水溶性有機溶媒、水、及びその他の成分を含有する。
以下、水性インクを構成する各成分について説明する。
(色材)
本発明における水性インクを構成する色材としては、水溶性色材及び水不溶性色材のいずれをも用いることができ、より具体的には、水溶性染料、有機顔料、無機顔料を用いることができる。
黒インクの場合は顔料を主体としたものが一般的であり、黒色の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられ、具体的な例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRA II、Raven3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRA II、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060(以上、コロンビアンDカーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、BlackPearlsL、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、ColorBlack S160、Color Black S170、Pritex35、PritexU、Pritex Vrintex140U、Printex140V、Special Black6、Special Black 5、Special、Black 4A、Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
カーボンブラックの好適な構造を一律に議論することは困難であるが、平均一次粒子径が15〜30nm、BET表面積が70m2/g以上300m2/g以下、DBP吸油量が0.5L/g以上1.0×10-3L/g以下、揮発分0.5質量%以上10質量%以下、灰分0.01質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。上記範囲から外れたカーボンブラックを使用すると、水性インク中での分散粒子径が大きくなることがある。
また、シアン、マゼンタ、イエローインクは、色材としては、水溶性染料に限らず、疎水性顔料に親水基を含む分散剤を添加して親水性を持たせた顔料、及び、自己分散型顔料も使用することができる。
水溶性染料は、公知のもの、或いは新規に合成したものを用いることができる。中でも、鮮やかな色彩の得られる、直接染料或いは酸性染料が好ましい。具体的には、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−142、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236及び287、C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110及び189、C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−86、−87、−88、−135、−142及び144、C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−90、−102、−104、−111、−185及び254、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−249及び257、C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76及び79等が用いられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、カチオン性染料としては、例えば、C.I.ベーシックイエロー−1、−11、−13、−19、−25、−33、−36;C.I.ベーシックレッド−1、−2、−9、−12、−13、−38、−39、−92;C.I.ベーシックブルー−1、−3、−5、−9、−19、−24、−25、26、28等があげられる。
シアン色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:1、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:34、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられる。
マゼンタ色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red57、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 202等が挙げられる。
イエロー色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Yellow−1、C.I.Pigment Yellow−2、C.I.Pigment Yellow−3、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−73、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−75、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられる。
なお、本発明において使用することができる顔料は、水に自己分散可能なものであってもよい。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、顔料分散剤の存在がなくても安定に分散する顔料のことである。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して、酸・塩基処理、カップリグ剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより水に自己分散可能な顔料を得ることができる。また、このような表面改質処理を施した顔料の他、水に自己分散可能な顔料として、キャボット社製のcab−o−jet−200、cab−o−jet−300、IJX−55、IJX−253、IJX266、IJX−273オリエント化学社製のNicrojet Black CW−1、日本触媒社により販売されている顔料等の市販のものを用いてもよい。
水に自己分散可能な顔料の表面に存在する水に対する可溶化基は、ノニオン性、カチオン性、アニオン性のいずれであってもよいが、特に、スルホン酸、カルボン酸、水酸基、リン酸が望ましい。スルホン酸、カルボン酸、リン酸の場合、そのまま遊離酸の状態でも用いることができるが、水溶性を高めるため、塩基性の化合物との塩の状態として使用することが好ましい。この場合、塩基性の化合物として、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類、アンモニア等の塩基性化合物を使用することができる。これらの中でも、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類の塩基性化合物は特に好ましく使用することができる。これは、アルカリ金属類の塩基性化合物が強電解質であり、酸性基の解離を促進する効果が大きいためと考えられる。
水性インクにおける顔料の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、特に、2質量%以上10質量%以下の範囲とすることが好ましい。顔料の含有量が0.5質量%未満となると、光学濃度が低くなる場合がある。また、20質量%を超えると、画像定着性が悪化する場合がある。
水性インク中の染料の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上8質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以上6質量%以下である。染料の含有量が10質量%を超えると、プリントヘッド先端での目詰まりが発生しやすく、また、0.1質量%未満では、十分な画像濃度を得ることができない。
(水溶性有機溶媒)
本発明における水性インクに用いられる水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
水性インクにおける水溶性有機溶媒の含有量は、1質量%以上60質量%以下が好ましく、特に、5質量%以上40質量%以下とすることがより好ましい。水溶性有機溶媒の含有量が1質量%未満となると、長期保存性が劣る場合がある。また、60質量%を超えると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。
(水)
本発明の水性インクを構成する水としては、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。
水性インクにおける水の含有量は、15質量%以上98質量%以下であることが好ましく、特に、45質量%以上90質量%以下とすることがより好ましい。15質量%未満となると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。また、98質量%を超えると、長期保存安定性で劣る場合がある。
(その他の成分)
−界面活性剤−
水性インクは、界面活性剤を含有することができる。顔料インクの顔料分散剤及びインクの表面張力や濡れ性を調整するため、又は、有機不純物を可溶化し、噴射の信頼性を向上するためである。
界面活性剤の種類としては、水不溶色材の分散状態、或いは水溶性染料の溶解状態に影響を及ぼしにくいノニオン及びアニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレンアルコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等を使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、及び高級アルキルスルホコハク酸塩等を使用することができる。
また、両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン等を使用することができる。その他、ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルなどのフッソ系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタント等も使用することができる。
水性インクにおいて使用される界面活性剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
添加量は、表面張力等の目的の特性により調整すればよい。例えば、顔料分散剤として用いる場合は、顔料によって大きく異なるので一概には言えないが、顔料に対して、一般的には0.1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは3以上50質量%以下である。
−その他の添加剤−
更に、水性インクには、必要に応じて、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、キレート化剤、水溶性染料、分散染料、油溶性染料等を添加することもできる。
更に、本発明において、水を主成分とする処理液が、インクと反応してインクを構成する色材を凝集させる凝集剤を含有することが好ましい。このように、処理液に色材の凝集剤を含有させておくことで、インクと処理液との接触によるインクの滲みを防止することができる。
なお、上述したように、本発明の第1の実地形態におけるインクジェット記録方法では、画像領域(A)と処理液付与領域(B)とが当接していることから、上記のような凝集剤を含む処理液を用いることが好ましい。対して、本発明の第2の実地形態におけるインクジェット記録方法では、画像領域(A)と処理液付与領域(B)とを隔絶する領域(C)が存在することから、処理液に凝集剤を用いずとも、インクと処理液との接触によるインクの滲みが解消可能である。従って、第2の実地形態では、処理液は水のみから構成されていてもよい。
また、本発明において用いられる、水を主成分とする処理液は、水に加え、凝集剤、水溶性有機溶媒、界面活性剤などを含むことが好ましい。
なお、本発明における処理剤の主成分である水としては、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができ、その含有量は、処理剤全体に対し、40質量%以上100質量%以下であることが好ましく、特に、70質量%以上75質量%以下とすることがより好ましい。40質量%未満となると、ノズル近傍で、処理液の凝集による吐出不良が発生する場合がある。
また、本発明における処理剤に含有される凝集剤としては、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンを含む化合物等が挙げられる。
具体的には、上記多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸、及び、有機スルホン酸等との塩の形で使用される。その塩としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。
好ましくは、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸スズ、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸アルミニウム等が使用される。
その含有量は、処理剤全体に対し、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、特に、3質量%以上10質量%以下とすることがより好ましい。0.1質量%未満となると、フェザリング等に対するインク滲み改善性が低下する場合があり、20質量%を超えると、ヘッド等に充填した際にノズルの詰まりを発生させる場合がある。
更に、本発明における処理液には、上述した水性インクの同様の水溶性有機溶媒や界面活性剤などを、必要に応じて、必要な量を、添加することができる。
本発明のインクジェット記録方法では、処理液の付与量が、画像の印字密度に対応して制御されることを特徴とする。
以下、このような処理液の付与量の制御方法について、説明する。
処理液の付与量の第1の制御方法としては、以下の通りである。
まず、画像入力信号及び設定された画像処理法により予め求められた出力画像のデータから、ピクセル/エリアにて、出力画像の印字カバレッジの平均値を換算する。そして、得られた印字カバレッジの平均値に基づいて、処理液の付与量を決定する。
より具体的には、図3のように、例えば、A4サイズの記録媒体10上に、各色のインクが吐出され、画像(画像領域(A))が形成される場合、この画像を形成するための出力画像のデータから、印字カバレッジの平均値が求められる。この印字カバレッジが大きいと、画像濃度が高いことになり、記録媒体10の表面により多くのインクが付着していることになる。
そのため、図4のように、印字カバレッジと処理液との関係は比例関係にあり、印字カバレッジ(の平均値)が大きくなると共に、処理液の付与量も多くなることになる。
この方法では、記録媒体毎に処理液の付与量が調整されることになる。
なお、図4における処理液の付与量を表す直線の傾きは、インクの組成、記録媒体10の物性(繊維の組成、保水度など)、処理液の組成などの諸条件を組み合わせることで、決定される。
また、処理液の付与量の第2の制御方法としては、以下の通りである。
まず、例えば、図5に示すような1スキャン分の画像(画像領域(A))を形成する場合、画像入力信号及び設定された画像処理法により予め求められた出力画像のデータから、ピクセル/エリアにて、各々の色別の印字カバレッジを換算する。そして、得られた色別の印字カバレッジの最大値に基づいて、処理液の付与量を決定する。
この方法においても、印字カバレッジと処理液の付与量との関係は比例関係を有し、印字カバレッジが大きくなると共に、本発明における処理液の付与量が増加する。
なお、この方法では、インクジェット記録における1スキャン毎に処理液の付与量が調整することができる。
本発明の他のインクジェット記録方法は、インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記記録媒体にコックリングを抑制する処理液を付与させることを特徴とする。
この本発明のインクジェット記録方法によれば、記録用紙にコックリングを抑制する処理液を付与させることにより、効果的にコックリングを抑制することができる。
なお、コックリングを抑制する処理液としては、繊維の伸張差により形成されるコックリングを抑制することのできる、上述の水を主成分とする処理液を用いてもよいし、また、例えば、インクによる繊維の伸張を抑制する機能を有するものであって、水を主成分とする処理液とは異なる機構によりコックリングを抑制するものであってもよい。
また、コックリングを抑制する処理液の付与は、インクの吐出前に行なわれてもよいし、インクの吐出後に行なわれてもよいが、記録用紙の物性やインクの物性などとの組み合わせによって、適宜、決定される。
<インクジェット記録装置>
次に、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、インクの液滴を記録用紙へ吐出させる印字ヘッドと、前記インクの付着した領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を吐出させるヘッドと、を備えることを特徴とする。
図6及び図7を用いて、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
ここで、図6は、本発明のインクジェット記録装置100の例示的一態様を示す概略斜視図である。また、図7は、図6における記録ヘッドの具体的な2構成100a及び100bを示す概略斜視図である。
図6に示されるように、本発明のインクジェット記録装置には、インクの液滴を記録用紙へ吐出させる記録ヘッド110と、キャリッジ120と、加熱手段130と、加圧手段140と、を有する。そして、図7(a)に示されるように、記録ヘッド110a内には、各色のインクを吐出する印字ヘッド112K、112C、112M、及び112Yに加え、本発明における水を主成分とする処理液を格納でき、インクの付着した領域以外の記録媒体にその処理液を吐出させるヘッド112Xが含まれている。また、同様に、図7(b)に示されるように、記録ヘッド110b内には、印字ヘッド112K、112C、112M、及び112Yに加え、ヘッド112X1及び112X2が含まれている。
このように、本発明のインクジェット記録装置によれば、印字ヘッドに加えて、水を主成分とする処理液を吐出するヘッドを有している。この両ヘッドを用いることにより、インクが付着した画像領域を形成することができると共に、該画像領域以外の記録媒体に処理液を吐出することができる。これにより、記録媒体は、その表面が一様に水分に吸収することになり、繊維の伸張差により形成されるコックリングを抑制することができる。
以下、図7(a)に示される記録ヘッド110aを備えた、図に示される本発明のインクジェット記録装置100による記録方法について説明する。
インクジェット記録装置100には、キャリッジ120が設けられており、キャリッジ120には、各色のノズル114K、114C、114M、及び114Y、並びにノズル114Xを有する印字ヘッド112K、112C、112M、及び112Y、並びに、ヘッド112Xからなる記録ヘッド110が、全ノズル114(K,C,M,Y,及びX)が記録用紙Pと対向するようにして搭載されている。キャリッジ120は、走査位置信号に基づき主走査機構(図示省略)によって主走査方向(矢印I及びIIで示す)に移動される。これにより、記録ヘッド110は、副走査機構(図示省略)によって副走査方向(矢印IIIで示す)へ搬送される記録用紙Pへ、画像情報に応じてインク液滴を吐出することにより、記録用紙Pに画像の記録を行う。
なお、キャリッジ120は、往復移動するタイプのものに限らず、一方の移動しか行わないタイプであってもよい。
なお、本発明においては、このインク液滴の吐出と同時又は吐出後に、ヘッド112Xから、本発明における水を主成分とする処理液が、記録用紙Pのインクが付着した画像領域以外に吐出される。
ここでは、記録媒体として記録用紙Pを用いたが、これに限らずフィルムやOHPシートなどであってもよい。また、記録用紙Pは、ロール状でも短冊状のものでもよく、制限はない。
その後、インク及び処理液が付着した記録用紙Pは、副走査方向(矢印IIIで示す)へ搬送され、加熱ローラ130と加圧ローラ140とからなるニップ部を通過する。このニップ部を通過することで、インク及び処理液が付着した記録用紙Pは、加熱及び加圧される。ここで、加熱ローラ130は、図6に示すように、内部に熱源を有し、記録用紙Pに対して所定の加熱を行うことができる。また、加熱ローラ130は、弾性ゴムローラであることが好ましい。また、加圧ローラ140は、記録用紙Pを介して、加熱ローラ130に対し押圧されており、これによい、ニップ部には、所定のニップ圧が発生し、記録用紙Pを加圧することが可能となる。また、加圧ローラ140は、アルミニウム製の芯金上にHTV(高温加硫型)シリコーンゴムからなる下層、この外側にフッ素ゴムからなる表層を設けて構成されたローラであることが好ましい。
ここで、図6に示される本発明のインクジェット記録装置では、加熱手段及び加圧手段として1つロール対を用い、記録用紙Pに対して同時に加熱及び加圧を行ったが、加熱手段、加圧手段はこの態様に限定されるものではなく、また、加熱と加圧とが同時に行なわれる必要もない。加熱手段としては、記録用紙Pに対して非接触状態で加熱を行ってもよい。
以上、本発明のインクジェット方式を用いたインクジェット記録装置について説明したが、インクジェット方式においてはサーマルインクジェット方式、ピエゾ式インクジェット、連続流型インクジェット、静電吸引型インクジェット等、方式に限定されない。
また、記録ヘッドは1個のタイプのものでも複数個が用いられるタイプのものでも、同様に適用することができる。記録ヘッドが複数個ある場合には、そのうち1つが、上述のような本発明における処理液を充填し、液滴を吐出することが可能なヘッドを有していればよい。
更に、使用するインクも水性インク、油性インク、常温で固形のいわゆるソリッドインク、溶剤インク等いずれも適用可能であるが、本発明における水を主成分とする処理液の付与によるコックリングの抑制効果を効果的にするためには、水性インクを用いることが好ましい。また、インク中の色材も顔料・染料を問わない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<水を主成分とする処理液1の調製>
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:10質量%
・酢酸マグネシウム・4水和物:3質量%
・尿素:1質量%
・イオン交換水:86質量部
上記組成物を混合し、本実施例における水を主成分とする処理液1とした。
<水を主成分とする処理液2の調製>
・ジエチレングリコール:10質量%
・硝酸カルシウム・4水和物:10質量%
・尿素:3質量%
・イオン交換水:77質量部
上記組成物を混合し、本実施例における水を主成分とする処理液2とした。
<インクセットの調製>
−黒インク−
・カーボンブラック:5質量%
(Microjet Black CW1:オリエント社製)
・グリセリン:15質量%
・界面活性剤(ノニオン E−230:日本油脂社製):1.5質量%
・イソプロピルアルコール:3質量%
・尿素:3質量%
・イオン交換水:72.5質量部
上記組成物を30分間攪拌し、本実施例における黒インクを得た。
−シアンインク−
黒インクの組成物におけるカーボンブラックを、表面処理顔料(C.I.Pigment Blue153)に代えた以外は同様にして、本実施例におけるシアンインクを得た。
−マゼンタインク−
黒インクの組成物におけるカーボンブラックを、表面処理顔料(C.I.Pigment Red122)に代えた以外は同様にして、本実施例におけるマゼンタインクを得た。
−イエローインク−
黒インクの組成物におけるカーボンブラックを、表面処理顔料(C.I.Pigment Yellow17)に代えた以外は同様にして、本実施例におけるイエローインクを得た。
〔実施例1〕
得られた処理液1と、インクセットと、を図7(a)に示された記録ヘッド110aの各ヘッド112X、112K、112C、112M、及び112Yに格納した。なお、この記録ヘッド110aは、総ノズル数832、800dpi、インクドロップ量20plであった。
そして、この記録ヘッド110aを図6に示すインクジェット記録装置とほぼ同様な構成の富士ゼロックス社製WorkCentre B900(但し、図6に示すように加熱ロール130及び加圧ロール140からなる加熱及び加圧手段を組み込んだもの)に装着し、記録用紙(富士ゼロックス・オフィスサプライ社製マルチエース)Pに、下記のような印字を行った。
評価印字チャートとしてAdobe社製・画像作成ソフトPhotoshopを用いてA4用紙の中央部分に印字Duty40%:解像度800dpiの黒色パッチ(長方形)を形成するものを用いた。そして、図2に示すように、黒色パッチ(A)と、処理液1の付着領域(B)と、の間に、インク及び処理液1が共に付着していない領域(C)を形成した。
[コックリング評価1]
この領域(C)の間隔、つまり、黒色パッチ:画像領域(A)と処理液1の付与領域(B)との間隔:d(ドット)を変化させて、コックリング及び記録用紙P上でのインク滲みを評価した。なお、処理液1の付与量は0.4g/A4(A4サイズの記録用紙面積に対して0.4g)であった。評価結果を表1に示す。
(コックリングの評価指標)
記録用紙の凹凸(コックリング)の度合い:tを、レーザー変位計(LK−010:キーエンス社製)を用いて測定した。測定結果と評価指標との関係は以下の通りである。
◎ t≦1.5mm
〇 1.5mm<t≦2.5mm
△ t>2.5mm
なお、通常、紙送り機構や画質の観点から記録用紙と印字ヘッドとの距離は1.5mm程度であり、コックリングの度合い:tが1.5mm以下であれば、ヘッドが記録用紙を擦り画質欠陥を引き起こすことがないため、◎の評価指標とした。また、画像記録装置によっては記録用紙と印字ヘッドとの距離を調整できる機構を持ったものや厚紙仕様のものもあるため、コックリングの度合い:tが1.5mmより大きく2.5mm以下の範囲を〇の評価指標とした。更に、コックリングの度合い:tが2.5mmより大きい場合であっても、処理液1を付与しないものと比較して、コックリングが抑制されているものを△の評価指標とした。
(インク滲みの評価指標)
記録用紙P上でのインク滲みを目視により観察した。観察結果と評価指標との関係は以下の通りである。
◎ インク滲みが目視では分からないレベル
〇 インク滲みが気を付けて確認すると分かるレベル
△ インクが多少滲み、目立つレベル
Figure 2005212371
[コックリング評価2]
黒色パッチ:画像領域(A)と処理液1の付与領域(B)との間隔:dを5ドットとし、処理液1の付与量を変化させて、コックリングを評価した。評価結果を表2に示す。
なお、コックリングの評価指標は、コックリング評価1で用いたものと同様である。
Figure 2005212371
表1で明らかなように、実施例1におけるコックリング及びインク滲み評価では、間隔:dに最適な条件があり、5ドット<d<20ドットが最適値となっていることが判明した。
また、表2に明らかなように、印字duty値に応じた最適な処理液1の付与量が存在し、実施例1では、印字duty40%の場合には、A4サイズの記録用紙面積に対して0.4gを付与した際がピークとなり最も好ましく、それより付与量が多くても少なくても、コックリングの度合いが増える傾向があることが分かる。
〔実施例2〕
実施例1における処理液1を処理液2に代えた他は実施例1と同様にして、記録用紙Pに印字を行った。
また、実施例1と同様の評価を行ったところ、コックリング評価1及びコックリング評価2のいずれにおいても、実施例1と同傾向の結果が得られた。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明するための概略図斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明するための概略図斜視図である。 処理液の付与量の第1の制御方法について説明するための概略図である。 印字カバレッジと処理液の付与量との関係を示す図である。 処理液の付与量の第1の制御方法について説明するための概略図である。 本発明のインクジェット記録装置の例示的一態様を示す概略斜視図である。 図6における記録ヘッドの具体的な2構成を示す概略斜視図である。
符号の説明
10 記録媒体
100 インクジェット記録装置
110、110a、110b 記録ヘッド
112X、112X1、112X2 ヘッド
112K、112C、112M、112C 印字ヘッド
114X、114X1、114X2、114K、114C、114M、114Y ノズル
120 キャリッジ
130 加熱ローラ(加熱部材)
140 加圧ローラ(加圧部材)
A 画像領域
B 処理液付与領域
C 画像領域と処理液付与領域との隔絶する領域

Claims (10)

  1. インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記画像領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を付与させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記処理液の付与は、前記インクの吐出後に行われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記処理液の付与後に、前記記録媒体に対して加熱及び/又は加圧を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インクが水性系インクであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記処理液が、前記インクと反応してインクを構成する色材を凝集させる凝集剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記処理液の付与量が、前記画像の印字密度に対応して制御されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. インクの液滴を記録用紙へ吐出させ、該記録用紙表面に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体にコックリングを抑制する処理液を付与させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. インクの液滴を記録用紙へ吐出させる印字ヘッドと、
    前記インクの付着した領域以外の前記記録媒体に水を主成分とする処理液を吐出させる手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 前記処理液を吐出させた後に、前記記録用紙を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記処理液を吐出させた後に、前記記録用紙を加圧する加圧手段を有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のインクジェット記録装置。
JP2004023751A 2004-01-30 2004-01-30 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Pending JP2005212371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004023751A JP2005212371A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004023751A JP2005212371A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005212371A true JP2005212371A (ja) 2005-08-11
JP2005212371A5 JP2005212371A5 (ja) 2007-05-31

Family

ID=34906666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004023751A Pending JP2005212371A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005212371A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052162A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Canon Inc サーマルインクジェット記録用液体組成物、カラーインク、インクセット、インクカートリッジ、サーマルインクジェット記録装置
EP2228226A1 (en) 2009-03-12 2010-09-15 Fujifilm Corporation Image forming method and apparatus
JP2011037195A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Fujifilm Corp インクジェット記録装置及び方法
JP2011126081A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Fujifilm Corp 画像形成装置および画像形成方法
US20120113205A1 (en) * 2010-11-08 2012-05-10 Robert Link Method to reduce the curling of a printing substrate in a printer, and device to print to a printing substrate
JP2018126972A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、並びにインクと液体のセット、及び液体
CN109311336A (zh) * 2016-06-30 2019-02-05 惠普发展公司,有限责任合伙企业 利用水分分布的打印

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01114450A (ja) * 1987-10-29 1989-05-08 Canon Inc カラーインクジェット記録装置
JPH0852932A (ja) * 1994-08-10 1996-02-27 Fujitsu Ltd カラーインクジェット記録方法
JPH0885218A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法
JPH08197831A (ja) * 1994-09-16 1996-08-06 Seiko Epson Corp カラーインクジェット記録方法
JPH09277569A (ja) * 1996-04-16 1997-10-28 Seiko Epson Corp カラーインクジェット記録方法及び記録装置
WO2002087886A1 (fr) * 2001-04-24 2002-11-07 Seiko Epson Corporation Procede d'enregistrement par jet d'encre, accrochage d'encre, et matiere enregistree faisant appel a ces derniers
JP2003266932A (ja) * 2002-03-19 2003-09-25 Seiko Epson Corp クリアインク組成物、及びこれを用いたインクジェット記録物の製造方法
JP2004010833A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2004009406A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01114450A (ja) * 1987-10-29 1989-05-08 Canon Inc カラーインクジェット記録装置
JPH0852932A (ja) * 1994-08-10 1996-02-27 Fujitsu Ltd カラーインクジェット記録方法
JPH08197831A (ja) * 1994-09-16 1996-08-06 Seiko Epson Corp カラーインクジェット記録方法
JPH0885218A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法
JPH09277569A (ja) * 1996-04-16 1997-10-28 Seiko Epson Corp カラーインクジェット記録方法及び記録装置
WO2002087886A1 (fr) * 2001-04-24 2002-11-07 Seiko Epson Corporation Procede d'enregistrement par jet d'encre, accrochage d'encre, et matiere enregistree faisant appel a ces derniers
JP2003266932A (ja) * 2002-03-19 2003-09-25 Seiko Epson Corp クリアインク組成物、及びこれを用いたインクジェット記録物の製造方法
JP2004009406A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2004010833A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052162A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Canon Inc サーマルインクジェット記録用液体組成物、カラーインク、インクセット、インクカートリッジ、サーマルインクジェット記録装置
EP2228226A1 (en) 2009-03-12 2010-09-15 Fujifilm Corporation Image forming method and apparatus
JP2011037195A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Fujifilm Corp インクジェット記録装置及び方法
JP2011126081A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Fujifilm Corp 画像形成装置および画像形成方法
US20120113205A1 (en) * 2010-11-08 2012-05-10 Robert Link Method to reduce the curling of a printing substrate in a printer, and device to print to a printing substrate
US8708479B2 (en) * 2010-11-08 2014-04-29 Oce Printing Systems Gmbh Method to reduce the curling of a printing substrate in a printer, and device to print to a printing substrate
CN109311336A (zh) * 2016-06-30 2019-02-05 惠普发展公司,有限责任合伙企业 利用水分分布的打印
US10737509B2 (en) 2016-06-30 2020-08-11 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printing with moisture profiles
EP3436283A4 (en) * 2016-06-30 2020-08-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. PRINTING WITH HUMIDITY PROFILES
JP2018126972A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、並びにインクと液体のセット、及び液体
JP7073625B2 (ja) 2017-02-10 2022-05-24 株式会社リコー 画像形成装置、及び画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4448649B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP4544174B2 (ja) インクジェット用液体組成物、インクジェット用インクセット、インクジェット用液体組成物タンク、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法、並びに、インクジェット記録装置
US7614735B2 (en) Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
JP2007002122A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用処理液、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2007169528A (ja) インク、インクセット、記録方法、インクカートリッジ、及び記録装置
JP4665523B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP4419361B2 (ja) インクジェット記録方法
JP6492487B2 (ja) 画像記録装置
JP2007217472A (ja) インクジェット用液体組成物、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法、並びに、インクジェット記録装置
JP2008019356A (ja) インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、及び、インクジェット記録装置
JP4742637B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラム
JP2016060186A (ja) インクジェット記録装置、及び、インクジェット記録方法
JP2016141733A (ja) 水性インク、記録装置、及び記録方法
JP2015168113A (ja) 記録装置、及び記録方法
JP2006199896A (ja) インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2006241324A (ja) インクジェット記録用インクセット、並びに、これを用いたインクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録用インクタンク
JP4609020B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2006089559A (ja) インクジェット用インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2007001136A (ja) インクセット、並びに、これを用いたインクジェット記録方法及び液滴吐出装置。
JP2018016739A (ja) 水性インクセット、インクカートリッジセット、インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置
JP2005212371A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2019162841A (ja) 記録方法
JP4356572B2 (ja) インクジェット記録方法及び画像形成装置
JP3846153B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2017170851A (ja) 記録装置、及び記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090317