JP4609020B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記の方法では、特に滲み(以下、「フェザリング」と称する場合がある。)に関しては、インク・処理液(凝集剤を含むインクまたは液体組成物)の組み合わせによって十分改善されない場合があった。
すなわち、本発明は、乾燥時間及び定着性、光学濃度、色間滲み、画像濃度むらを満足すると共に、高速印字時においても、良好なフェザリングが得られる、インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記記録媒体上で前記インクと前記非画像領域に付与した前記液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、前記インクと前記液体組成物とを記録媒体に付与し、
且つ前記境界部におけるインク又は液体組成物の付与方法が、下(2)〜(4)のいずれかを満たすことを特徴とするに記載のインクジェット記録方法である。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
<3> 単位面積あたりに付与する前記インクの重量をWinkとし、前記液体組成物の重量をWliqとした場合、前記Winkと前記Wliqとが下記式(2)を満たすことを特徴とする前記<1>又は〜<2>に記載のインクジェット記録方法である。
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
式中、Xは、O,CO,NH,NR,S,又はSO2を表し、Rはアルキル基を表す。Mは、水素原子、アルカリ金属、又はアミン類を表す。lは、1〜5の整数を表し、mは、1又は2を表し、nは、3〜7の整数を表す。
前記インクと前記液体組成物の付与位置を制御する手段を有し、
前記付与位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記インクと前記非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であり、
前記境界部分におけるインク又は液体組成物の付与を、下記(2)〜(4)のいずれかを満たすように制御する手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
1.インクジェット記録方法
1−1.吐出位置
本発明のインクジェット記録方法の第1の態様としては、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する無色又は単色の液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する画像領域と前記非画像領域との境界部分において、記録媒体上で該インクと該非画像領域に付与した液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、該インクと該液体組成物とを記録媒体に吐出することを特徴とする。
(i)インク中の着色剤を急速に凝集させ、該着色剤と水や水溶性溶媒などの水性媒体とを分離させる(凝集性)。
(ii)水性媒体のみを記録媒体中に浸透させる(浸透性)。
という二つの作用が考えられる。
この浸透性に対して凝集性が充分に大きい場合、画質向上効果が充分に発揮されるが、乾燥時間は遅くなる傾向にある。一方、凝集性に対して浸透性が充分に大きい場合、乾燥時間は速くなるが、画質向上効果が充分に発揮されなくなる。
また、浸透性の低い用紙を用いた場合、浸透性を高めても乾燥速度は改善されない。記録媒体上に、充分に乾燥していない着色剤が多量に存在すると、用紙搬送ローラーなどの紙送り機構に着色剤が付着、蓄積され、それらが記録媒体に再転写され、画像汚れも誘引される。
しかし、この方法では、インクが液体組成物の外側に回り込み、フェザリングが発生することが判明した。なぜなら、凝集するインクの量を減らし、凝集剤の量を増やすことで、着色剤の凝集性の改善を想定しているが、液体組成物が充分に存在している水分過剰の領域にインクを吐出することになるため、インクが浸透し難くなり、結果、フェザリングが発生しているものと推測される。
一方、経時後には、インクと液体組成物とが接触しなければならない。経時により接触するかの確認は、普通紙等の対象となる記録媒体に吐出して行う。インクと液体組成物とが接触するまでの時間(経時)は特に問わないが、10秒以上であることが好ましく、より好ましくは30秒以上である。
(1) 非画像領域側の前記境界部分には、前記液体組成物を付与しない。
(2) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分における前記液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分における、前記インクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
さらに、付与位置を調整しつつ、上記(2)〜(4)の方法を組み合わせて、付与直後にはインクと液体組成物とが接しないが、経時によって、インクと液体組成物とが接するようにしても良い。
図4は、吐出位置を制御して、インクと液体組成物の吐出位置の間を、1ドット分隙間を空けたものである。
図5は、インク及び液体組成物の吐出位置は変更せず、液滴量を変更して、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。インクの画像領域に最も近い側の液体組成物の吐出位置において、液体組成物の液適量を少なくし液滴径を小さくすることで、インクと液体組成物との間隔を空けている。
図6は、図5と同様にインク及び液体組成物の吐出位置は変更しないが、液体組成物の吐出領域に最も近い側のインクの吐出位置において、インクの液適量を少なくし液滴径を小さくすることで、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。
図7は、図5と図6の方法を組み合わせたものである。インクの画像領域と液体組成物の吐出領域とのそれぞれの境界側において、液体組成物及びインクの両方の液滴量を少なくすることで、それぞれの液滴径を小さくし、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。
上記(1)については、さらに画像領域側の境界部分にも液体組成物を付与しない態様がより好ましい。この模式図を図8に示す。
本発明のインクジェット記録方法では、インクの液滴1滴当りの重量をDinkとし、液体組成物の液滴1滴当りの重量をDliqとした場合、前記Dinkと前記Dliqとが下記式(1)を満たすことが好ましい。また、単位面積あたりに付与する前記インクの重量をWinkとし、液体組成物の重量をWliqとした場合、前記Winkと前記Wliqとが下記式(2)を満たすことが好ましい。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
なお、本発明において、1画素とは、画像として分解可能な最小印字単位を示し、これは、印字ヘッドの解像度並びに記録媒体の送り方向の解像度で主として決定される。そのため、インクの1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与されたインクの総量となり、液体組成物の1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与された液体組成物の総量となる。
本発明のインクジェット記録方法には、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から熱インクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。これらの印字方式は、画素の位置を精密にコントロールすることが可能であり、かつ高い印字密度を得ることができる。さらにピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みが改善されると推測される。
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクの詳細について説明する。
本発明において用いられるインクは、少なくとも着色剤を含有し、通常は水溶性溶媒、及び水を含有する。これらの各成分について詳細に説明する。
インクに使用される着色剤は、染料、顔料どちらでも構わないが、特に顔料が好ましい。これは、染料に比べて顔料の方が、液体組成物との混合時に凝集が生じやすいためであると考えられる。顔料の中でも、高分子分散剤(後述の高分子物質)により分散されている顔料、自己分散可能な顔料、樹脂により被覆された顔料、及び高分子グラフト顔料が好ましい。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−250、Cab−o−jet−260、Cab−o−jet−270、Cab−o−jet−300、IJX−444、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
また、インクに使用される着色剤が、その表面にスルホン酸基を有するものである場合、この着色剤の他にカルボン酸基を有する高分子化合物を併用することが好ましい。表面にスルホン酸基を有する着色剤は、凝集しにくいため、光学濃度、滲み、色間滲みが改善されない場合がある。一方、このような着色剤とカルボン酸基を有する高分子化合物とを併用すると、インクと液体組成物とが混合されたときに、カルボン酸基を有する高分子化合物の不溶化が生じる。この際、着色剤が高分子化合物に取り込まれて凝集するため、光学濃度、滲み、色間滲みが改善すると推測している。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2,−4,−9,−11,−17,−19,−22,−32,−80,−151,−154,−168,−171,−194,−195、C.I.Direct Blue−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−112,−142,−165,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287,−307,C.I.Direct Red−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−227、C.I.Direct Yellow−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−58,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144,−173、C.I.Food Black−1,−2、C.I.Acid Black−1,−2,−7,−16,−24,−26,−28,−31,−48,−52,−63,−107,−112,−118,−119,−121,−156,−172,−194,−208、C.I.Acid Blue−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−83,−90,−102,−104,−111,−185,−249,−254、C.I.Acid Red−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−110,−144,−180,−249,−257,−289、C.I.Acid Yellow−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−18,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−78,−79,−122などが挙げられる。
より好ましい体積平均粒子径は、50nm以上200nm以下であり、更に好ましくは75nm以上175nm以下である。インク中の着色剤粒子の体積平均粒子径が30nm未満である場合には、光学濃度が低くなる場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、保存安定性が確保できない場合がある。
本発明におけるインクには、上記の着色剤を分散させるため、又は、着色剤の凝集促進剤として、高分子物質を用いることが好ましい。なお、本発明において、着色剤(顔料)を分散させるために用いられる高分子物質を高分子分散剤と称する。
ここで用いられる高分子物質としては、水溶性高分子物質、及び、エマルジョン、自己分散微粒子などの水不溶性高分子物質のいずれもが使用でき、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物いずれであっても構わない。
本発明においては、高分子物質としてはカルボン酸基を含有する化合物が使用されることが好ましい。これは、カルボン酸基の解離度が小さいため、凝集剤による凝集が促進されるためであると推測される。
高分子物質としては、具体的には、例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が挙げられる。α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子化合物の酸価が30KOHmg/g以上150KOHmg/g未満である場合には、より好ましくは酸価が50〜120KOHmg/gであり、更に好ましくは、70〜120KOHmg/gである。酸価が30KOHmg/g未満の場合には、インクの噴射(吐出)安定性が低下する場合がある。
一方、高分子化合物の酸価が150KOHmg/g以上で、中和度が80%以下である場合では、より好ましくは、酸価が200〜400KOHmg/g、中和度が50〜80%であり、更に好ましくは、酸価が200〜300KOHmg/g、中和度が60〜80%である。酸価が400KOHmg/gを超え、中和度が80%を超える場合、インクの粘度が大きくなり、正常に噴射できない場合がある。
インクに使用される水溶性溶媒としては、水に0.1%以上溶解するものであれば適宜使用できるが、具体的には、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が用いることもできる。
水溶性溶媒の含有量としては、インクの全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。液体中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合がある。
インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上39mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとヘッドノズル面に液体が溢れ出し、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、60mN/mを超えると用紙に対するインクの浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
インクには、上記の表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は、特に制限は無いが、好ましくは、インクの全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いる液体組成物の詳細について説明する。
本発明において用いられる液体組成物は、少なくとも凝集剤を含有する。これらの各成分について詳細に説明する。
本発明において使用される凝集剤とは、インク中の成分と反応、又は、相互作用をすることで、増粘又は凝集を起こす効果を有する物質のことを示す。このような物質としては、多価金属イオン又はカチオン性物質が挙げられる。具体的には、下記に示す、無機電解質、有機アミン化合物、及び有機酸などが有効に使用される。
具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、及び、これら化合物のスルフォニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、又は、リン酸エステル等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、具体的には、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物を示す。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸、これらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の化合物が挙げられる。
液体組成物中における凝集剤の添加量は、液体組成物の全質量に対し、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは、0.25質量%以上10質量%以下である。液体組成物中における凝集剤の添加量が0.01質量%未満の場合には、インク接触時において着色剤の凝集が不充分となり、光学濃度、滲み、色間滲みが悪化する場合が存在し、一方、添加量が30質量%を超える場合には、噴射特性が低下し、液体が正常に噴射しない場合がある。
液体組成物に用いられる水溶性溶媒としては、インクと同様の水溶性溶媒を使用することができる。
水溶性溶媒の含有量は、液体組成物の全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。液体組成物中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合がある。
液体組成物の表面張力は、10mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、15mN/m以上39mN/m以下であり、更に好ましくは、15mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が10mN/m未満となるとヘッドノズル面に液体が溢れ出し、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、45mN/mを超えると用紙に対するインクの浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
液体組成物の表面張力は、インクの表面張力よりも小さいことが好ましい。記録媒体上での液体組成物が拡がる速度が、インクの拡がる速度よりも速い場合に、更にフェザリングが改善される。
本発明において、インクと液体組成物との混合液における5μm以上粗粒数は、二つの液体を質量比で1:1の割合で混合し、撹拌しながら2μLを採取し、Accusizer TM770 Optical Particle Sizer (Particle Sizing Systems社製)を用いて測定した。なお、測定時のパラメーターとして、分散粒子の密度には着色剤の密度を入力した。この着色剤の密度は、着色剤分散液を加熱、乾燥させることによって得られた着色剤紛体を比重計、又は比重ビン等を用いて測定することにより求めることができる。
液体組成物には、上記の表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、液体組成物の全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
また、液体組成物には、所望により着色剤を含有させることも可能である。液体組成物に含有させる着色剤としては、インクの着色剤として説明したものと同様のものが使用できる。好ましくは、染料、表面にスルホン酸又はスルホン酸塩を有する顔料、アニオン性自己分散顔料、カチオン性自己分散顔料が用いられる。これら着色剤は、酸性領域において凝集しにくく、液体組成物の保存安定性を良化させる効果があるため、好適であると考えられる。
以下、インク及び液体組成物に対し、適宜、用いることのできる添加剤について説明する。
インク及び液体組成物には、界面活性剤を用いることもできる。本発明における界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
その他、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を添加することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
本発明の第1の態様のインクジェット記録装置は、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する無色又は単色の液体組成物とを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、前記インクと前記液体組成物の吐出位置を制御する手段を有し、前記吐出位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する画像領域と前記非画像領域との境界部分において、該インクと該非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であることを特徴とする。
図12はインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図13は図12のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。
すなわち、図12及び図13に示すように、記録装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1を記録装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインク(インク)及び液体組成物(液状組成物)を吐出して印字する画像形成部(画像形成手段)8とを有している。
画像形成部8は、記録媒体1の面上にインク及び液体組成物を吐出させて、印字する。画像形成部8は、主として、記録ヘッド3と、インクタンク5と、給電信号ケーブル9と、キャリッジ10と、ガイドロッド11と、タイミングベルト12と、駆動プーリ13と、メンテナンスユニット14とから構成されている。
本態様では、インクタンク5は、それぞれ異なる色のインクに対応するインク、及び液体組成物が吐出可能に格納された複数のインクタンク52,54,56,58を有している。
それぞれの駆動タイミングを調整する制御手段には、(1)液体組成物とインクの吐出位置を制御する手段、(2)液体組成物とインクの液適量を制御する手段を有する。更に(2)の制御手段においては、(2−1)インクの画像領域と液体組成物の吐出領域とが最も近づく吐出位置においてインク及び/又は液体組成物の液滴量を制御する手段、及び/又は、(2−2)インクを吐出する画像領域において該画像領域内の境界位置でインク及び/又は液体組成物の液滴量を制御する手段とを有することが好ましい。液適量の制御は、ヘッドに印加する駆動電圧の入力波形を調整して行うことが好適である。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
なお、本発明において、1画素とは、画像として分解可能な最小印字単位を示し、これは、印字ヘッドの解像度並びに記録媒体の送り方向の解像度で主として決定される。そのため、インクの1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与されたインクの総量となり、液体組成物の1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与された液体組成物の総量となる。
メンテナンスユニット14を設けておくことにより、必要に応じて記録装置100が作動中にノズルに付着した余分なインクを除去したり、作動停止状態のときにノズルからのインクの蒸発を抑制することができる。ただし、インクと液体組成物が混合されることで、凝集物が生成することから、インクと液体組成物とは別々に収容される構成のメンテナンスユニット14が好ましい。
ここで用いられる記録ヘッド3は、インク及び/又は液体組成物の1画素当りの付与量(液適量やドット数等)を調整することのできる部材である。記録ヘッド3は、インク及び液体組成物に含有される物質に対して耐久性のある素材からなる。
なお、本発明においては、記録ヘッドの一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット記録装置を用いることも可能である。
所定の組成となるように着色剤溶液、水溶性溶媒、界面活性剤、イオン交換水等を適量加え、混合液を、混合、攪拌した。得られた液体を、5μmフィルターを通過させることにより、所望の液体を得た。
・Cabojet−300(カルボン酸基/キャボット社製) 4質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.5質量%
・ジエチレングリコール 25質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 0.4質量%
・イオン交換水 残部
この液体Aは、そのpHは7.4、表面張力は35mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
・ジエチレングリコール 30質量%
・硝酸マグネシウム・6水和物 7.5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体GのpHは5.6、表面張力は31mN/m、粘度は2.9mPa・sであった。
印字は、1200dpi、800ノズルの試作ピエゾプリントヘッドを用い、C2紙(富士ゼロックス社製)に対して液体組成物を吐出した後、インクを吐出する方法で行った。更に、インク及び液体組成物の単面積当りの付与量を下記表1及び表2に記載のようにして印字を行い、画像評価を実施した。この際、印字は一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)で行った。
また、画像評価は、図4〜図11に概略的に示す印字パターンに従って印字し、印字後24時間一般環境下に放置したサンプルに対して行った。ここで図4〜図11に示す印字パターンの概略図は、印字直後の様子を示したものである。
なお、図4に示す印字パターンでは、インクと液体組成物の間を1ドット分間隔を空けた。図5に示す印字パターンでは、境界部における液体組成物の付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図6に示す印字パターンでは、境界部におけるインクの付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図7に示す印字パターンでは、境界部における液体組成物及びインクの付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図8に示す印字パターンでは、画像領域及び非画像領域の境界部分に液体組成物を付与しなかった。
また、図9に示す印字パターンは、液体組成物を全く付与せずにインクを付与した態様を示す。図10に示す印字パターンは、液体組成物を付与した領域と、インクを付与した領域とが境界で接触するように付与した態様を示す。図11に示す印字パターンは、インクと液体組成物との間で3ドット分の間隔を空けた。
尚、図9以外の図に示す印字パターンでは、インクを付与した画像領域に、液体組成物も付与を行った。
尚、液滴量の変更は、ヘッドに印加する駆動電圧の入力波形を調整して行った。
《光学濃度》
図4〜図11に示す印字パターンにおける印字部分の光学濃度を、エックスライト404(エックスライト社製)を用いて測定した。印字パターンのいずれかの印字部において、基準に満たない場合には、下位の評価とした(例えば、いずれかの印字部分で△であり、他の印字部分は○である場合には、当該サンプルの評価は、△とした。)。以下いずれの評価方法においても、同様の評価基準である。
〇 … 光学濃度が1.3以上
△ … 光学濃度が1.2以上1.3未満
× … 光学濃度が1.2未満
印字部分の濃度むらを、目視で官能評価を行なった。
〇 … 濃度むらが見られないもの
△ … 濃度むらが発生しているものの、許容レベルであるもの
× … 濃度むらが激しく、許容範囲外のもの
1ドットラインを印字し、印字部の滲み度合いを限度見本に照合し、官能評価を行なった。
−評価基準−
◎ … 滲みが殆ど無いもの
〇 … 滲みが少ないもの
△ … 滲みは発生しているが、許容レベルのもの
× … 滲みが激しく、許容範囲外のもの
はがきサイズの記録紙に余白を5mm取り、100%ベタ画像を印字し、印字面とは反対面に発生する印字直後ハンギングカール発生量を測定した。測定値を曲率に換算し評価を行った。評価基準は以下の通りで、◎、○が許容レベルである。
○:若干カールする。
△:カールが目立つ。
×:丸まってしまう。
カーボンブラック(Mogul L,キャボット社)30質量部にスチレン−メタアクリル酸共重合のアルカリ金属中和塩を6質量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300質量部とした。この液に超音波ホモジナイザーにより超音波を掛けて、顔料を分散させた。更に、この分散液を遠心分離装置により遠心分離を掛けて、残渣部分100質量部を除去した。
スルファニル酸水溶液を加温し、撹拌しながら顔料100gを加えた。この混合物を撹拌しながら室温まで冷やし、14gの濃硝酸を滴下した。この溶液にNaNO2水溶液10gを添加し、反応が終了するまで撹拌した。この顔料に対し、脱塩処理を行なった。得られた表面処理顔料を顔料濃度が12質量%となるようにイオン交換水を加え、pHを7.5に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行なった。この分散液を遠心分離装置で、遠心分離処理(8000rpm×30分)を施し、残渣部分(全量に対して20%)を除去した。
顔料処理方法1に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・Mogul L(顔料/表面官能基無し/キャボット社製) 4質量
・スチレン−メタアクリル酸共重合(酸価250/中和度80%) 0.7質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物 5質量%
・ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル 0.5質量%
・イオン交換水 残部
この液体CのpHは8.1、表面張力は33mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
顔料処理方法2に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・C.I.Pigment Blue 15:3(スルホン酸基) 4質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.6質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・プロピレングリコール 5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体DのpHは7.4、表面張力は32mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
顔料処理方法2に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・C.I.Pigment Red 122(スルホン酸基) 5質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.6質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・トリエチレングリコール 5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体EのpHは7.6、表面張力は31mN/m、粘度は3.4mPa・sであった。
・C.I.アシッド ブルー9(染料) 0.01質量%
・ジエチレングリコール 30質量%
・1,5−ペンタンジオール 5質量%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2.5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・水酸化ナトリウム 0.4質量%
・2−ピロリドン−5−カルボン酸(一般式(1)で表される化合物) 3質量%
・イオン交換水 残部
この液体FのpHは3.5、表面張力は30mN/m、粘度は2.8mPa・sであった。
その結果、図14及び図15に示す画像形成装置を用いると印字速度が極めて速いため、比較例の印字パターンではフェザリングが著しく発生したのに対し、本発明の印字パターンでは、フェザリングの発生が見られず、本発明の効果がより明確となった。
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
5 インクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット
15 チューブ
16 ヘッド位置検出ユニット
A 液体組成物
B インク
Claims (2)
- 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記記録媒体上で前記インクと前記非画像領域に付与した前記液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、前記インクと前記液体組成物とを記録媒体に付与し、
且つ前記境界部におけるインク又は液体組成物の付与方法が、下(2)〜(4)のいずれかを満たすことを特徴とするに記載のインクジェット記録方法。
(2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。 - 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを記録媒体に付与する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
前記インクと前記液体組成物の付与位置を制御する手段を有し、
前記付与位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記インクと前記非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であり、
前記境界部分におけるインク又は液体組成物の付与を、下記(2)〜(4)のいずれかを満たすように制御する手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
(2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
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