JP4609020B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関するものである。
ノズル、スリット、多孔質フィルム等により形成されるインク吐出口からインクを吐出するインクジェット方式は、小型で安価である等の理由から多くのプリンターの印字方式として用いられている。これらインクジェット方式の中でも、圧電素子の変形を利用しインクを吐出させるピエゾインクジェット方式、並びに、熱エネルギーによるインクの沸騰現象を利用しインクを吐出する熱インクジェット方式は高解像度、高速印字性に優れるという特徴を有する。
現在、インクジェットプリンターでは普通紙における高速化及び高画質化が重要な課題の一つとして挙げられている。この目標を達成すべく、カチオン性基を有する化合物を含む液体を記録媒体上に付着させた後、その液体が記録媒体に浸透し、媒体中に存在し、かつ、媒体表面から無くなった直後に、アニオン染料を含むインクを付着させて画像を形成するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、高速乾燥性、高光学濃度、高画質化を目的として、ブラックインクが水及び水溶性溶媒を含み、普通紙における乾燥時間が5秒以下であり、カラーインクが着色剤、水、水溶性溶媒、及びブラックインクの成分を凝集させる凝集剤を含み、普通紙における浸透時間が5秒以下であることを特徴とするカラーインクセットが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ブリード、フェザリング防止を狙いとして、画素に与える特定色のインク量を可変して付与可能なインク吐出部と、インクを凝集させる成分を含む処理液吐出部と、画像境界部に対して処理液を多く付与し、少なくともその周辺部には処理液を相対的に少なく付与する制御手段と、を有するIJ記録装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記の方法では、特に滲み(以下、「フェザリング」と称する場合がある。)に関しては、インク・処理液(凝集剤を含むインクまたは液体組成物)の組み合わせによって十分改善されない場合があった。
近年、より高速印字が可能なインクジェット記録装置が開発され、印字速度に対応できるよう、インクの乾燥速度への要求が益々強くなっている。
そのため、乾燥時間及び定着性を改善しつつ、光学濃度、滲み、色間滲みなどの画質を両立する技術が求められている。
特許2667401号明細書 特開2001−294788号公報 特開平8−216393号公報
そこで、本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、乾燥時間及び定着性、光学濃度、色間滲み、画像濃度むらを満足すると共に、高速印字時においても、良好なフェザリングが得られる、インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記記録媒体上で前記インクと前記非画像領域に付与した前記液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、前記インクと前記液体組成物とを記録媒体に付与し、
且つ前記境界部におけるインク又は液体組成物の付与方法が、下(2)〜(4)のいずれかを満たすことを特徴とするに記載のインクジェット記録方法である。
(2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
> 前記インクの液滴1滴当りの重量をDinkとし、前記液体組成物の液滴1滴当りの重量をDliqとした場合、前記Dinkと前記Dliqとが下記式(1)を満たすことを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録方法である。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
> 単位面積あたりに付与する前記インクの重量をWinkとし、前記液体組成物の重量をWliqとした場合、前記Winkと前記Wliqとが下記式(2)を満たすことを特徴とする前記<1>又は〜<2>に記載のインクジェット記録方法である。
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
> 単位面積あたりに吐出する液体組成物のドット数が、インクのドット数よりも多いことを特徴とする前記<1>〜<>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
> 前記インクの液滴1滴当りの重量、及び/又は、前記液体組成物の液滴1滴当りの重量を可変させ、前記インクと前記液体組成物とを吐出することを特徴とする前記<1>〜<>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
> 前記可変が、ヘッドに印加する駆動電圧の入力波形の調整によって行われることを特徴とする前記<>に記載のインクジェット記録方法である。
> 前記インクの表面張力が、20mN/m以上39mN/m以下であることを特徴とする前記<1>〜<>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
> 前記液体組成物の表面張力が、15mN/m以上35mN/m以下であることを特徴とする前記<1>〜<>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
>前記インクの表面張力が、前記液体組成物の表面張力よりも大きいことを特徴とする前記<>又は<>に記載のインクジェット記録方法である。
10> 前記液体組成物を吐出した後、前記インクを吐出することを特徴とする前記<>〜<>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
11> 前記液体組成物が、多価金属イオン及びカチオン性物質の少なくとも一方を含有することを特徴とする前記<1>〜<10>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
12> 前記液体組成物が、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。

式中、Xは、O,CO,NH,NR,S,又はSO2を表し、Rはアルキル基を表す。Mは、水素原子、アルカリ金属、又はアミン類を表す。lは、1〜5の整数を表し、mは、1又は2を表し、nは、3〜7の整数を表す。
13> 前記一般式(1)で表される化合物が、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、及びこれらの化合物の誘導体、並びに、これらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記<12>のに記載のインクジェット記録方法である。
14> 記録ヘッドから前記インクと前記液体組成物とを吐出し、前記記録ヘッドの幅が、記録媒体の幅と同じ又はそれ以上であることを特徴とする前記<1>〜<13>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
15> 前記インクを吐出した画像領域に、前記液体組成物を吐出することを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録方法である。
16> 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを記録媒体に付与する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
前記インクと前記液体組成物の付与位置を制御する手段を有し、
前記付与位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記インクと前記非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であり、
前記境界部分におけるインク又は液体組成物の付与を、下記(2)〜(4)のいずれかを満たすように制御する手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
(2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
<19> 前記記録ヘッドの幅が、記録媒体の幅と同じ又はそれ以上であることを特徴とする前記<17>又は<18>に記載のインクジェット記録装置である。
本発明によれば、乾燥時間及び定着性、光学濃度、色間滲み、画像濃度むらを満足すると共に、高速印字時においても、良好なフェザリングが得られる、インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明を、詳細に説明する。
1.インクジェット記録方法
1−1.吐出位置
本発明のインクジェット記録方法の第1の態様としては、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する無色又は単色の液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する画像領域と前記非画像領域との境界部分において、記録媒体上で該インクと該非画像領域に付与した液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、該インクと該液体組成物とを記録媒体に吐出することを特徴とする。
インクの増粘又は凝集を生じさせる液体組成物を、インクとともに用いて、光学濃度、滲み、色間滲み等の画質を向上させる方法は知られている。このメカニズムとしては、
(i)インク中の着色剤を急速に凝集させ、該着色剤と水や水溶性溶媒などの水性媒体とを分離させる(凝集性)。
(ii)水性媒体のみを記録媒体中に浸透させる(浸透性)。
という二つの作用が考えられる。
この浸透性に対して凝集性が充分に大きい場合、画質向上効果が充分に発揮されるが、乾燥時間は遅くなる傾向にある。一方、凝集性に対して浸透性が充分に大きい場合、乾燥時間は速くなるが、画質向上効果が充分に発揮されなくなる。
近年、より高速印字が可能なインクジェット記録装置が開発され、印字速度に対応できるよう、インクの乾燥速度に対する要求が益々強まっている。この要求にしたがい、インクの乾燥速度を速めることを目的に、高い浸透性を有するインクが適用される傾向にある。しかし、浸透性が高くなると、画像領域の境界部分(周辺部分)において、滲みや色間滲みが発生しやすい。
また、浸透性の低い用紙を用いた場合、浸透性を高めても乾燥速度は改善されない。記録媒体上に、充分に乾燥していない着色剤が多量に存在すると、用紙搬送ローラーなどの紙送り機構に着色剤が付着、蓄積され、それらが記録媒体に再転写され、画像汚れも誘引される。
これらの不具合を解決するために、液体組成物とインクとを重ねて付与し、かつ、画像の境界部分においては液体組成物を相対的に多くし、インクは相対的に少なく付与する方法が提案されている(例えば、特開平8−216393号公報参照。)。
しかし、この方法では、インクが液体組成物の外側に回り込み、フェザリングが発生することが判明した。なぜなら、凝集するインクの量を減らし、凝集剤の量を増やすことで、着色剤の凝集性の改善を想定しているが、液体組成物が充分に存在している水分過剰の領域にインクを吐出することになるため、インクが浸透し難くなり、結果、フェザリングが発生しているものと推測される。
また、画像記録部の外側隣接部分に、インクと接触するよう液体組成物を付与すると、インクが液体組成物側に引っ張られる形で、画像の境界部分が外側へ広がり、この場合においてもフェザリングが発生することも判明した。この様子を模式図として図1に示す。図1において、Aは液体組成物を示し、Bはインクを示す。また、点線位置は、画像領域の境界を示す(以下、図2,図3においても同様である。)。なお、図は、記録媒体に対して水平方向から観察した様子を示すものである。
これらの研究結果を踏まえ鋭意検討を行った結果、記録媒体への付与直後には、画像外側隣接部分には液体組成物が存在せず、さらにその外側には液体組成物が存在し、経時によって、インクと液体組成物とが接触するような記録媒体上の位置に液体組成物を付与する場合に、インクの乾燥時間が早く、かつ、光学濃度、滲み、色間滲みが改善されることを見出した。この様子を模式図として図2に示す。本発明のインクジェット記録方法では、画像領域の外部の周縁には、液体組成物を吐出しない領域を設け、さらにその外側には液体組成物を吐出することが特徴である。また、経時によって、外側に吐出した液体組成物が記録媒体上で広がり、インクと液体組成物とが接する必要がある。
詳細なメカニズムは明らかでないが、次のように推測する。時間の経過によって、インク中の水性媒体は記録媒体中に浸透しつつ拡がるため、水性媒体が適度に除去された状態でインク中の着色剤が記録媒体上に存在する。このように適度な水性媒体が除去された状態の着色剤と、経時で拡がった液体組成物とが接触して着色剤が凝集するので、インクが液体組成物の影響で外側へ引っ張られることがないと考えられる。すなわち、インクがある程度浸透した段階で、液体組成物中の凝集剤がインクに接触することで、乾燥速度を高く保ちつつ、かつ滲み等の画質の改善も図られているものと推測する。
吐出直後の前記インクと前記液体組成物の吐出位置は、光沢紙に吐出することで確認できる。本発明の方法では、光沢紙に吐出した場合には、インクと液体組成物とが接触しない位置に吐出する。ここで光沢紙は、画彩写真仕上げAdvance(富士フイルム株式会社製)を用いて確認される。
一方、経時後には、インクと液体組成物とが接触しなければならない。経時により接触するかの確認は、普通紙等の対象となる記録媒体に吐出して行う。インクと液体組成物とが接触するまでの時間(経時)は特に問わないが、10秒以上であることが好ましく、より好ましくは30秒以上である。
上記のインクジェット記録方法は、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記インクを付与しない非画像領域に前記液体組成物を付与し、且つ画像領域と非画像領域との境界部分におけるインク又は液体組成物の付与方法が、次のいずれかを満たすものであ但し、本発明では、下(2)〜(4)の付与方法が採用される。
(1) 非画像領域側の前記境界部分には、前記液体組成物を付与しない。
(2) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分における前記液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
(3) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分における、前記インクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
(4) 前記画像領域と前記非画像領域との境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
ここで、「画像領域と非画像領域との境界部分」とは、記録媒体の材質によっても異なるが、インク付与により形成された画像領域の末端から、画像領域側及び非画像領域側双方に向かってインク領域ドット〜10ドット程度の領域をいい、好ましくは、1〜5ドット程度の幅である。
上記(1)〜(4)の方法を用いることにより、付与直後にはインクと液体組成物とが接しないが、経時によって、外側に吐出した液体組成物が記録媒体上で広がり、インクと液体組成物とが接するようにすることができる。なお、上記(2)〜(4)の方法では、付与位置を変えずに付与量を少なくすることで液滴径を小さくし、結果、付与直後はインクと液体組成物とが接しないようにすることができる。液滴径の制御には、付与量のほかに表面張力や粘度を調整することも有効である。
さらに、付与位置を調整しつつ、上記(2)〜(4)の方法を組み合わせて、付与直後にはインクと液体組成物とが接しないが、経時によって、インクと液体組成物とが接するようにしても良い。
上記(1)〜(4)の様子を図4〜図7に模式図として示す。図は、液滴を付与した直後の様子を、記録媒体に対して垂直方向から観察したもの表す。また、図中、白丸は液体組成物を表し、黒丸はインクを表す。
図4は、吐出位置を制御して、インクと液体組成物の吐出位置の間を、1ドット分隙間を空けたものである。
図5は、インク及び液体組成物の吐出位置は変更せず、液滴量を変更して、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。インクの画像領域に最も近い側の液体組成物の吐出位置において、液体組成物の液適量を少なくし液滴径を小さくすることで、インクと液体組成物との間隔を空けている。
図6は、図5と同様にインク及び液体組成物の吐出位置は変更しないが、液体組成物の吐出領域に最も近い側のインクの吐出位置において、インクの液適量を少なくし液滴径を小さくすることで、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。
図7は、図5と図6の方法を組み合わせたものである。インクの画像領域と液体組成物の吐出領域とのそれぞれの境界側において、液体組成物及びインクの両方の液滴量を少なくすることで、それぞれの液滴径を小さくし、インクと液体組成物の吐出位置の間を空けたものである。
上記(1)については、さらに画像領域側の境界部分にも液体組成物を付与しない態様がより好ましい。この模式図を図8に示す。
また、画像領域に液体組成物を付与することで、フェザリング及びインクの乾燥速度が改善されることに加え、画像濃度が高くなる。しかしながら、画像領域と非画像領域の境界部分に過剰に液体組成物又はインクを付与すると、インクが液体組成物の用紙平面方向への拡散に引っ張られる形で画像領域外側へ回り込み、その結果、フェザリングが発生し易いことが判明した。この様子を模式図として図3に示す。この現象を抑える方法としても、上記(1)〜(4)の方法が極めて有効である。ここで、図4〜7では、画像領域における液体組成物の付与の様子は省略する。
本発明では、インクを吐出する画像領域に液体組成物を吐出する場合であって、単位面積あたりにインク1ドットに対して液体組成物を複数ドットを吐出する場合には、液体組成物の吐出箇所をずらすことが好ましい。吐出箇所をずらす方法としては、画像データに基づいて液体組成物の印字パターンを制御する方法や、ドロップの方向性を制御する方法、例えば、用紙の搬送を制御したり、2パス等のマルチパス記録方式を採用できる。
1−2.付与液量
本発明のインクジェット記録方法では、インクの液滴1滴当りの重量をDinkとし、液体組成物の液滴1滴当りの重量をDliqとした場合、前記Dinkと前記Dliqとが下記式(1)を満たすことが好ましい。また、単位面積あたりに付与する前記インクの重量をWinkとし、液体組成物の重量をWliqとした場合、前記Winkと前記Wliqとが下記式(2)を満たすことが好ましい。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
式(1),式(2)を満たす場合には、更なるフェザリング改善効果に加え、ベタ印字部のむらも改善される。これら式(1)、式(2)の関係は、非境界部、境界部を問わず、満たされることが好ましい。
また、画像領域内の非境界部分に液体組成物を付与する場合、上述のように、フェザリング及びインクの乾燥速度が改善されることに加え、画像濃度も高くなるため好ましい態様である。画像領域内の非境界部分に液体組成物を吐出する場合、片面印字印字モードでは、インクの単位面積当りの付与量と液体組成物の単位面積当りの付与量との質量比は、100:5〜100:100であることが好ましい。より好ましくは、100:5〜100:50であり、更に好ましくは100:10〜100:20である。インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が5/100未満である場合、凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合がある。一方、インク付与量に対する液体組成物付与量の質量比が100/100を超える場合には、記録媒体のカール及びカクルが悪化する場合が生じる。
一方、両面印字モード時において、画像領域内の非境界部分に液体組成物を付与する場合、インクの単位面積当りの付与量と液体組成物の単位面積当りの付与量との質量比は、100:1〜100:50であることが好ましい。より好ましくは、100:1〜100:25であり、更に好ましくは100:2〜100:15である。インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が1/100未満である場合、凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合がある。一方、インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が25/100を超える場合には、高速・両面印字において画像汚れが発生する場合が生じる。
境界部分のインクの付与量は、非境界部分に対して相対的に少なくすることが好ましい。インクの回り込みが少なくなるようにするためである。画像領域内の境界部分以外のインクの吐出量に対して、境界部分での付与量は、10%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、20%〜70%程度である。
また、画像領域内の境界部分における液体組成物の吐出量は、非境界部分に対して相対的に少なくすることが、フェザリングを抑える点から好ましい。画像領域内の非境界部分の液体組成物の付与液量に対して、境界部分での付与量は、10%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、20%〜70%程度である。
非画像領域の境界部分においては、(1)液体組成物を付与しない、又は(2)非境界部分に対して相対的に少なくするように液体組成物を付与する、のいずれかの方法を採用することがフェザリングの発生を防止する観点から好ましい。境界部分以外の液体組成物の吐出量に対して、境界部分での吐出量は、0%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、0%〜70%程度である。
単位面積あたりの吐出量を少なくするには、1つの液滴量を少なくするか、または液滴量を変えず間引きして数を減らすかの方法があるが、インク及び液体組成物どちらにおいても、いずれの方法であっても良い。
また、単位面積あたりに吐出する液体組成物のドット数が、インクのドット数よりも多いことが好ましい。上記式(2)も充足させる場合には、単位面積あたりに吐出する量は、液体組成物の方が少なくなるが、ドット数は多いことになる。すなわち、液体組成物を小さな液滴で数多く吐出することが好ましい。式(2)を満たすには、大きな液滴で間引きして吐出することでも達成できるが、小さな液滴でドット数を多くする場合、液体組成物が素早く浸透・拡散し、均一に記録媒体上に付着するため、画質の均一性が良好となる。
本発明において、インクの1画素当りの付与量及び液体組成物の1画素当りの付与量は、25ng以下であることが好ましい。インクの1画素当りの付与量は、より好ましくは、0.5ng以上20ng以下であり、更に好ましくは、2ng以上8ng以下である。また、液体組成物の1画素当りの付与量は、より好ましくは、0.5ng以上15ng以下であり、更に好ましくは、0.5ng以上4ng以下である。インクの1画素当りの付与量及び液体組成物の1画素当りの付与量が25ngを超える場合には、滲みが発生したり、着色剤の乾燥時間が遅くなる場合がある。この滲みの発生は、インク及び液体組成物の記録媒体に対する接触角がドロップ量に依存して変化するためであり、ドロップ量が増えるにつれてドロップが紙表面方向に広がりやすい傾向があるためと考えている。
なお、本発明において、1画素とは、画像として分解可能な最小印字単位を示し、これは、印字ヘッドの解像度並びに記録媒体の送り方向の解像度で主として決定される。そのため、インクの1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与されたインクの総量となり、液体組成物の1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与された液体組成物の総量となる。
1−3.インクジェット記録方法
本発明のインクジェット記録方法には、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から熱インクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。これらの印字方式は、画素の位置を精密にコントロールすることが可能であり、かつ高い印字密度を得ることができる。さらにピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みが改善されると推測される。
また、記録媒体への付与(吐出)の順番は、液体組成物を付与した後、インクを付与する。液体組成物を先に付与することで、インク中の構成成分を効果的に凝集させることが可能となるからである。液体組成物を付与した後であれば、いかなる時期にインクを付与してもかまわない。好ましくは、液体組成物を付与してから0.1秒以下である。
2.インク
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクの詳細について説明する。
本発明において用いられるインクは、少なくとも着色剤を含有し、通常は水溶性溶媒、及び水を含有する。これらの各成分について詳細に説明する。
2−1.着色剤
インクに使用される着色剤は、染料、顔料どちらでも構わないが、特に顔料が好ましい。これは、染料に比べて顔料の方が、液体組成物との混合時に凝集が生じやすいためであると考えられる。顔料の中でも、高分子分散剤(後述の高分子物質)により分散されている顔料、自己分散可能な顔料、樹脂により被覆された顔料、及び高分子グラフト顔料が好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することも可能である。更には、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
本発明で使用される黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン顔料としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−184,−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において使用される水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤を使用しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常の所謂顔料に対して、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことで、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−250、Cab−o−jet−260、Cab−o−jet−270、Cab−o−jet−300、IJX−444、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
インクに使用される着色剤であって、自己分散顔料であるものとしては、その表面に官能基にカルボン酸基を含有するものであることが好ましい。カルボン酸基はその解離度が小さいため、十分な凝集力を得やすいためであると推測している。
また、インクに使用される着色剤が、その表面にスルホン酸基を有するものである場合、この着色剤の他にカルボン酸基を有する高分子化合物を併用することが好ましい。表面にスルホン酸基を有する着色剤は、凝集しにくいため、光学濃度、滲み、色間滲みが改善されない場合がある。一方、このような着色剤とカルボン酸基を有する高分子化合物とを併用すると、インクと液体組成物とが混合されたときに、カルボン酸基を有する高分子化合物の不溶化が生じる。この際、着色剤が高分子化合物に取り込まれて凝集するため、光学濃度、滲み、色間滲みが改善すると推測している。
また、インクに使用される着色剤として、樹脂により被覆された顔料等を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
更に、本発明において、インクに使用される着色剤としての顔料に、高分子グラフト顔料を使用することも可能である。高分子グラフト顔料とは、顔料表面に対してポリマー等の有機化合物が化学結合しているものを指す。
一方、本発明において使用される染料としては、水溶性染料、分散染料のいずれでも構わない。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2,−4,−9,−11,−17,−19,−22,−32,−80,−151,−154,−168,−171,−194,−195、C.I.Direct Blue−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−112,−142,−165,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287,−307,C.I.Direct Red−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−227、C.I.Direct Yellow−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−58,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144,−173、C.I.Food Black−1,−2、C.I.Acid Black−1,−2,−7,−16,−24,−26,−28,−31,−48,−52,−63,−107,−112,−118,−119,−121,−156,−172,−194,−208、C.I.Acid Blue−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−83,−90,−102,−104,−111,−185,−249,−254、C.I.Acid Red−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−110,−144,−180,−249,−257,−289、C.I.Acid Yellow−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−18,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−78,−79,−122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow−3、−5、−7、−8、−42、−54、−64、−79、−82、−83、−93、−100、−119、−122、−126、−160、−184:1、−186、−198、−204、−224、C.I.Disperse Orange−13、−29、−31:1、−33、−49、−54、−66、−73、−119、−163、C.I.Disperse Red−1、−4、−11、−17、−19、−54、−60、−72、−73、−86、−92、−93、−126、−127、−135、−145、−154、−164、−167:1、−177、−181、−207、−239、−240、−258、−278、−283、−311、−343、−348、−356、−362、C.I.Disperse Violet−33、C.I.Disperse Blue−14、−26、−56、−60、−73、−87、−128、−143、−154、−165、−165:1、−176、−183、−185、−201、−214、−224、−257、−287、−354、−365、−368、C.I.Disperse Green−6:1、−9などが挙げられる。
インク中における着色剤粒子の体積平均粒子径は30nm以上250nm以下であることが好ましい。着色剤の粒子の体積平均粒子径とは、着色剤そのものの粒子径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した状態の粒子径をいう。本発明において、体積平均粒子径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析装置(Leeds&Northrup社)を用いた。具体的には、その測定は、インク(インク)4mlを測定セルに入れ、所定の方法に従って行った。なお、即定時に入力するパラメーターとして、粘度は、インク(インク)の粘度を、分散粒子の密度は、着色剤密度を用いた。
より好ましい体積平均粒子径は、50nm以上200nm以下であり、更に好ましくは75nm以上175nm以下である。インク中の着色剤粒子の体積平均粒子径が30nm未満である場合には、光学濃度が低くなる場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、保存安定性が確保できない場合がある。
本発明における着色剤は、インク全質量に対し0.1質量%以上20質量%以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下の範囲で使用される。インク中の着色剤量が0.1質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、また、着色剤量が20質量%よりも多い場合には、インクの噴射特性が不安定となる場合がある。
2−2.高分子物質
本発明におけるインクには、上記の着色剤を分散させるため、又は、着色剤の凝集促進剤として、高分子物質を用いることが好ましい。なお、本発明において、着色剤(顔料)を分散させるために用いられる高分子物質を高分子分散剤と称する。
ここで用いられる高分子物質としては、水溶性高分子物質、及び、エマルジョン、自己分散微粒子などの水不溶性高分子物質のいずれもが使用でき、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物いずれであっても構わない。
インク中の高分子物質は、液体組成物に含まれる凝集剤により増粘又は凝集する効果があり、高分子物質が凝集する際に着色剤を取り込むため、結果として着色剤の凝集速度を大きくする効果があると推測している。即ち、高分子物質が凝集する際の構造体の大きさ、密度、高分子物質中への着色剤の取りこみ易さなどが凝集速度では重要となる。これらの組合せを最適化するように、インク中における着色剤、高分子物質、液体組成物中における凝集剤を選択することで、光学濃度、滲み、色間滲みが改善される。
本発明においては、高分子物質としてはカルボン酸基を含有する化合物が使用されることが好ましい。これは、カルボン酸基の解離度が小さいため、凝集剤による凝集が促進されるためであると推測される。
本発明において用いられる高分子物質の具体例について説明する。
高分子物質としては、具体的には、例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が挙げられる。α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
上記α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独若しくは複数を共重合して得られる共重合体が、本発明における高分子物質として好適に使用される。この共重合体として、具体的には、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの高分子物質は、酸価などを基準に、着色剤(顔料)との親和性、高分子物質自体の凝集性などを考慮して選択することが好ましい。具体的には、高分子物質として、酸価が30KOHmg/g以上150KOHmg/g未満であるか、又は、酸価が150KOHmg/g以上であり、かつ、中和度が80%以下であるものを用いることが好ましい。
高分子化合物の酸価が30KOHmg/g以上150KOHmg/g未満である場合には、より好ましくは酸価が50〜120KOHmg/gであり、更に好ましくは、70〜120KOHmg/gである。酸価が30KOHmg/g未満の場合には、インクの噴射(吐出)安定性が低下する場合がある。
一方、高分子化合物の酸価が150KOHmg/g以上で、中和度が80%以下である場合では、より好ましくは、酸価が200〜400KOHmg/g、中和度が50〜80%であり、更に好ましくは、酸価が200〜300KOHmg/g、中和度が60〜80%である。酸価が400KOHmg/gを超え、中和度が80%を超える場合、インクの粘度が大きくなり、正常に噴射できない場合がある。
このように、低酸価の高分子物質を使用する、又は、高酸価の高分子物質を低中和度で使用することで、高分子物質の水溶性基量を少なくすることが可能となり、液体組成物に凝集力の弱い凝集剤を用いた場合においても、十分に大きな凝集力を得ることが可能となるためであると考えている。
本発明において使用される高分子物質の重量平均分子量は、2,000〜15,000の範囲であることがより好ましく、3,500〜10,000の範囲であることが更に好ましい。高分子物質の重量平均分子量が2,000未満の場合、顔料が安定に分散しない場合が存在し、一方、分子量が15,000を超える場合には、液体の粘度が高くなり、吐出性が悪化する場合がある。
インク中に添加する高分子物質は、インクの全質量に対し、0.01質量%以上10質量%以下の範囲で添加されることが好ましく、0.05質量%以上7.5質量%以下の範囲がより好ましく、更に好ましくは、0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。添加量が10質量%を超える場合には、液体粘度が高くなり、液体の噴射特性が不安定となる場合がある。一方、添加量が0.01質量%未満の場合には、顔料の分散安定性が低下する場合がある。
2−3.水溶性溶媒
インクに使用される水溶性溶媒としては、水に0.1%以上溶解するものであれば適宜使用できるが、具体的には、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が用いることもできる。
本発明に使用される水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。
水溶性溶媒の含有量としては、インクの全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。液体中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合がある。
2−4.インクの好ましい物性
インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上39mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとヘッドノズル面に液体が溢れ出し、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、60mN/mを超えると用紙に対するインクの浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
また、インクの粘度は、1.2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上10mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上8mPa・s未満である。インクの粘度が15mPa・sより大きい場合には、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、インクを連続吐出した場合の噴射安定性が悪化する場合がある。
2−5.水
インクには、上記の表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は、特に制限は無いが、好ましくは、インクの全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
3.液体組成物
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いる液体組成物の詳細について説明する。
本発明において用いられる液体組成物は、少なくとも凝集剤を含有する。これらの各成分について詳細に説明する。
3−1.凝集剤
本発明において使用される凝集剤とは、インク中の成分と反応、又は、相互作用をすることで、増粘又は凝集を起こす効果を有する物質のことを示す。このような物質としては、多価金属イオン又はカチオン性物質が挙げられる。具体的には、下記に示す、無機電解質、有機アミン化合物、及び有機酸などが有効に使用される。
無機電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、及び、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
有機アミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩等が挙げられる。
具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、及び、これら化合物のスルフォニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、又は、リン酸エステル等が挙げられる。
有機酸として好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物である。
ここで、式中、Xは、O、CO、NH、NR、S、又はSO2を表し、Rは、アルキル基を表す。Rとして好ましくは、CH3、C25、C24OHである。Xとして好ましくは、CO、NH、NR,Oであり、より好ましくは、CO、NH、Oである。Mは、水素原子、アルカリ金属又はアミン類を表す。Mとして好ましくは、H、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等であり、より好ましくは、H、Na、Kであり、更に好ましくは、水素原子である。nは、3〜7の整数である。nとして好ましくは、複素環が6員環又は5員環となる場合であり、より好ましくは、5員環の場合である。mは、1又は2である。一般式(1)で表される化合物は、複素環であれば、飽和環であっても不飽和環であってもよい。lは、1〜5の整数である。
一般式(1)で表される化合物は、具体的には、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物を示す。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸、これらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の化合物が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物として、好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
これらの中でも、好ましくは、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、クエン酸二水素カリウム、コハク酸、酒石酸、乳酸、フタル酸水素カリウム、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より好ましくは、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、ジアリルアミン重合体、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
本発明において、凝集剤は単一の種類を使用しても、或いは2種類以上を混合して使用しても構わない。
液体組成物中における凝集剤の添加量は、液体組成物の全質量に対し、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは、0.25質量%以上10質量%以下である。液体組成物中における凝集剤の添加量が0.01質量%未満の場合には、インク接触時において着色剤の凝集が不充分となり、光学濃度、滲み、色間滲みが悪化する場合が存在し、一方、添加量が30質量%を超える場合には、噴射特性が低下し、液体が正常に噴射しない場合がある。
3−2.水溶性溶媒
液体組成物に用いられる水溶性溶媒としては、インクと同様の水溶性溶媒を使用することができる。
水溶性溶媒の含有量は、液体組成物の全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。液体組成物中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合がある。
3−3.液体組成物の好ましい物性
液体組成物の表面張力は、10mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、15mN/m以上39mN/m以下であり、更に好ましくは、15mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が10mN/m未満となるとヘッドノズル面に液体が溢れ出し、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、45mN/mを超えると用紙に対するインクの浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
液体組成物の表面張力は、インクの表面張力よりも小さいことが好ましい。記録媒体上での液体組成物が拡がる速度が、インクの拡がる速度よりも速い場合に、更にフェザリングが改善される。
液体組成物の粘度は、1.2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上10mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上8mPa・s未満である。インクの粘度が15mPa・sより大きい場合には、インクの噴射性が悪化する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、インクを連続吐出した場合の噴射安定性が悪化する場合がある。
液体組成物とインクの液適量を同一とした場合に、ドットの拡がりが、インクよりも液体組成物で大きくなるように、粘度と表面張力を調整することが好ましい。液体組成物の拡がりの方が大きい場合に、更にフェザリングが改善される。
本発明においては、一般式(1)で表される化合物を含む液体組成物のpHが、1.5以上12.0以下であることが好ましい。更に好ましくは、2.0以上7.5以下であり、より好ましくは2.5以上6.0以下である。液体組成物のpHが1.5未満の場合には、プリントヘッドのインク流路構成部分を溶解し、プリントヘッドを故障させる場合が存在した。一方、液体組成物のpHが12.0を超える場合には、インク接触時において着色剤の凝集が不充分となり、光学濃度、滲み、色間滲みが悪化する場合が存在する。
インクと液体組成物との混合液における5μm以上の粗粒数は、500個/μL以上であることが好ましい。より好ましくは500個/μL以上10,000個/μL以下であり、更に好ましくは500個/μL以上3,000個/μL以下である。インクと液体組成物との混合液における5μm以上粗粒数が、500個/μL未満の場合には、光学濃度が低下する場合がある。
本発明において、インクと液体組成物との混合液における5μm以上粗粒数は、二つの液体を質量比で1:1の割合で混合し、撹拌しながら2μLを採取し、Accusizer TM770 Optical Particle Sizer (Particle Sizing Systems社製)を用いて測定した。なお、測定時のパラメーターとして、分散粒子の密度には着色剤の密度を入力した。この着色剤の密度は、着色剤分散液を加熱、乾燥させることによって得られた着色剤紛体を比重計、又は比重ビン等を用いて測定することにより求めることができる。
3−4.水
液体組成物には、上記の表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、液体組成物の全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
3−5.着色剤
また、液体組成物には、所望により着色剤を含有させることも可能である。液体組成物に含有させる着色剤としては、インクの着色剤として説明したものと同様のものが使用できる。好ましくは、染料、表面にスルホン酸又はスルホン酸塩を有する顔料、アニオン性自己分散顔料、カチオン性自己分散顔料が用いられる。これら着色剤は、酸性領域において凝集しにくく、液体組成物の保存安定性を良化させる効果があるため、好適であると考えられる。
4.その他の添加剤
以下、インク及び液体組成物に対し、適宜、用いることのできる添加剤について説明する。
インク及び液体組成物には、界面活性剤を用いることもできる。本発明における界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、具体的には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
本発明におけるインク及び液体組成物に添加する界面活性剤の量は、10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%の範囲で使用される。添加量が10質量%以上の場合には、光学濃度、及び、顔料インクの保存安定性が悪化する場合がある。
その他、インク及び液体組成物には、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を添加することができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を添加することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
本発明におけるインク及び液体組成物は、通常のインクジェット記録装置には勿論、インクの乾燥性を制御するためのヒーター等を搭載した記録装置、又は、中間体転写機構を搭載し、中間体に記録材料を印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録装置等においても用いることもできる。更に、液体組成物は、液体塗布ローラー等のインクジェット方法以外の手段を用いて塗布することも可能である。
4.インクジェット記録装置
本発明の第1の態様のインクジェット記録装置は、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する無色又は単色の液体組成物とを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、前記インクと前記液体組成物の吐出位置を制御する手段を有し、前記吐出位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する画像領域と前記非画像領域との境界部分において、該インクと該非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であることを特徴とする。
上記の吐出位置を満たすようにするためには、本発明のインクジェット記録方法で説明したように、a)インク及び/又は液体組成物の1滴あたりの液滴量を調整する方法、b)インク及び/又は液体組成物の吐出位置を制御する方法、c)前記a)及びb)の組み合わせ、が挙げられる。吐出位置及び吐出量の制御についての好ましい態様を図4〜図8に例示する。
このように、前記インクの液滴1滴当りの重量、及び/又は、前記液体組成物の液滴1滴当りの重量を可変させ、前記インクと前記液体組成物とを吐出することが好ましい。可変の方法としては、吐出ヒータの調整による方法等も挙げられるが、液滴量の変更に対して自由度が大きいことからヘッドに印加する駆動電圧を調整して液滴1滴あたりの重量を変更することが好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明のインクジェット記録装置(以下、単に「記録装置」と称する場合がある。)の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図12はインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図13は図12のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。
本実施形態の記録装置100は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し、画像を形成する(印字する)構成を有している。
すなわち、図12及び図13に示すように、記録装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1を記録装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインク(インク)及び液体組成物(液状組成物)を吐出して印字する画像形成部(画像形成手段)8とを有している。
搬送ローラ2は、記録装置100内に回転可能に配設された一対のローラであり、トレイ7にセットされた記録媒体1を挟持するとともに、所定量の記録媒体1を所定のタイミングで1枚毎に記録装置100内部に搬送する。
画像形成部8は、記録媒体1の面上にインク及び液体組成物を吐出させて、印字する。画像形成部8は、主として、記録ヘッド3と、インクタンク5と、給電信号ケーブル9と、キャリッジ10と、ガイドロッド11と、タイミングベルト12と、駆動プーリ13と、メンテナンスユニット14とから構成されている。
本態様では、インクタンク5は、それぞれ異なる色のインクに対応するインク、及び液体組成物が吐出可能に格納された複数のインクタンク52,54,56,58を有している。
更に、図13に示すように、記録ヘッド3には、給電信号ケーブル9とインクタンク5とが接続されており、給電信号ケーブル9から外部の印字情報(画像記録情報)が記録ヘッド3に入力されると、記録ヘッド3はこの情報に基づき各インクタンクから所定量のインクを吸引して記録媒体の面上に吐出する。なお、給電信号ケーブル9は印字情報の他に記録ヘッド3を駆動するために必要な電力を記録ヘッド3に供給する役割も担っている。
また、この記録ヘッド3はキャリッジ10上に配置されて保持されており、キャリッジ10は、ガイドロッド11、駆動プーリ13に接続されたタイミングベルト12が接続されている。このような構成により、記録ヘッド3はガイドロッド11に沿うようにして、記録媒体1の面と平行であり、かつ、記録媒体1の搬送方向X(副走査方向)に対して垂直な方向Y(主走査方向)にも移動可能となる。
記録装置100には、画像記録情報に基づいて記録ヘッド3の駆動タイミングとキャリッジ10の駆動タイミングとを調製する制御手段(図示せず)が備えられている。これにより、搬送方向Xにそって、所定の速度で搬送される記録媒体1の面の所定領域に画像記録情報に基づく画像を連続的に形成することができる。
それぞれの駆動タイミングを調整する制御手段には、(1)液体組成物とインクの吐出位置を制御する手段、(2)液体組成物とインクの液適量を制御する手段を有する。更に(2)の制御手段においては、(2−1)インクの画像領域と液体組成物の吐出領域とが最も近づく吐出位置においてインク及び/又は液体組成物の液滴量を制御する手段、及び/又は、(2−2)インクを吐出する画像領域において該画像領域内の境界位置でインク及び/又は液体組成物の液滴量を制御する手段とを有することが好ましい。液適量の制御は、ヘッドに印加する駆動電圧の入力波形を調整して行うことが好適である。
本発明のインクジェット記録方法を採用するインクジェット記録装置では、インクの液滴1滴当りの重量をDinkとし、液体組成物の液滴1滴当りの重量をDliqとした場合、前記Dinkと前記Dliqとが下記式(1)を満たすように制御することが好ましい。また、単位面積あたりに付与する前記インクの重量をWinkとし、液体組成物の重量をWliqとした場合、前記Winkと前記Wliqとが下記式(2)を満たすように制御することが好ましい。
式(1); 0.15<Dliq/Dink<1.0
式(2); 0.15<Wliq/Wink<1.0
式(1),式(2)を満たす場合には、更なるフェザリング改善効果に加え、ベタ印字部のむらも改善される。これら式(1)、式(2)の関係は、非境界部、境界部を問わず、満たされることが好ましい。
また、画像領域内の非境界部分に液体組成物を付与する場合、上述のように、フェザリング及びインクの乾燥速度が改善されることに加え、画像濃度も高くなるため好ましい態様である。画像領域内の非境界部分に液体組成物を吐出する場合、片面印字印字モードでは、インクの単位面積当りの付与量と液体組成物の単位面積当りの付与量との質量比は、100:5〜100:100であることが好ましい。より好ましくは、100:5〜100:50であり、更に好ましくは100:10〜100:20である。インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が5/100未満である場合、凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合がある。一方、インク付与量に対する液体組成物付与量の質量比が100/100を超える場合には、記録媒体のカール及びカクルが悪化する場合が生じる。
一方、両面印字モード時において、画像領域内の非境界部分に液体組成物を付与する場合、インクの単位面積当りの付与量と液体組成物の単位面積当りの付与量との質量比は、100:1〜100:50であることが好ましい。より好ましくは、100:1〜100:25であり、更に好ましくは100:2〜100:15である。インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が1/100未満である場合、凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合がある。一方、インクの単位面積当りの付与量に対する液体組成物の単位面積当りの付与量の質量比が25/100を超える場合には、高速・両面印字において画像汚れが発生する場合が生じる。
境界部分のインクの吐出量は、非境界部分に対して相対的に少なくすることが好ましい。インクの回り込みが少なくなるようにするためである。画像領域内の境界部分以外のインクの吐出量に対して、境界部分での付与量は、10%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、20%〜70%程度である。
また、画像領域内の境界部分では、液体組成物の吐出量を非境界部分に対して相対的に少なくすることが、フェザリングを抑える点から好ましい。画像領域内の非境界部分の液体組成物の付与液量に対して、境界部分での付与量は、10%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、20%〜70%程度である。
非画像領域の境界部分においては、(1)液体組成物を付与しない、又は(2)非境界部分に対して相対的に少なくするように液体組成物を付与する、のいずれかを採用することがフェザリングの発生を防止する観点から好ましい。境界部分以外の液体組成物の吐出量に対して、境界部分での吐出量は、0%〜95%程度に少なくすることが好ましく、より好ましくは、0%〜70%程度である。
単位面積あたりの吐出量を少なくするには、1つの液滴量を少なくするか、または液滴量を変えず間引きして数を減らすかの方法があるが、インク及び液体組成物どちらにおいても、いずれの方法であっても良い。
また、単位面積あたりに吐出する液体組成物のドット数が、インクのドット数よりも多いことが好ましい。上記式(2)も充足させる場合には、単位面積あたりに吐出する量は、液体組成物の方が少なくなるが、ドット数は多いことになる。すなわち、液体組成物を小さな液滴で数多く吐出することが好ましい。式(2)を満たすには、大きな液滴で間引きして吐出することでも達成できるが、小さな液滴でドット数を多くする場合、液体組成物が素早く浸透・拡散し、均一に記録媒体上に付着するため、画質の均一性が良好となる。
本発明において、インクの1画素当りの付与量及び液体組成物の1画素当りの付与量は、25ng以下であることが好ましい。インクの1画素当りの付与量は、より好ましくは、0.5ng以上20ng以下であり、更に好ましくは、2ng以上8ng以下である。また、液体組成物の1画素当りの付与量は、より好ましくは、0.5ng以上15ng以下であり、更に好ましくは、0.5ng以上4ng以下である。インクの1画素当りの付与量及び液体組成物の1画素当りの付与量が25ngを超える場合には、滲みが発生したり、着色剤の乾燥時間が遅くなる場合がある。この滲みの発生は、インク及び液体組成物の記録媒体に対する接触角がドロップ量に依存して変化するためであり、ドロップ量が増えるにつれてドロップが紙表面方向に広がりやすい傾向があるためと考えている。
なお、本発明において、1画素とは、画像として分解可能な最小印字単位を示し、これは、印字ヘッドの解像度並びに記録媒体の送り方向の解像度で主として決定される。そのため、インクの1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与されたインクの総量となり、液体組成物の1画素当りの付与量と単位面積あたりの画素数の積はその画素を形成するために付与された液体組成物の総量となる。
メンテナンスユニット14は、チューブ15を介して減圧装置に接続されている。更にこのメンテナンスユニット14は、記録ヘッド3のノズル部分に接続されており、記録ヘッド3のノズル内を連結部に設けられたバキュームポンプ16(図示せず)等によって減圧状態にすることにより記録ヘッド3のノズルからインクを吸引する機能を有している。
メンテナンスユニット14を設けておくことにより、必要に応じて記録装置100が作動中にノズルに付着した余分なインクを除去したり、作動停止状態のときにノズルからのインクの蒸発を抑制することができる。ただし、インクと液体組成物が混合されることで、凝集物が生成することから、インクと液体組成物とは別々に収容される構成のメンテナンスユニット14が好ましい。
なお、本発明においては、記録ヘッド3としては、熱インクジェット方式又はピエゾインクジェット方式を用いることが好ましい。
ここで用いられる記録ヘッド3は、インク及び/又は液体組成物の1画素当りの付与量(液適量やドット数等)を調整することのできる部材である。記録ヘッド3は、インク及び液体組成物に含有される物質に対して耐久性のある素材からなる。
なお、本発明においては、記録ヘッドの一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット記録装置を用いることも可能である。
本発明において、インク及び液体組成物を吐出させる記録媒体1としては、普通紙だけでなく、インクジェット普通紙、コート紙、インクジェット用フィルムなどが使用可能である。但し、記録媒体の種類により、記録媒体上での凝集性及び浸透性が変動するため、記録媒体の種類により、インクの付与量、及び、液体組成物の付与量を調整することが好ましい。
図14は本発明のインクジェット記録装置の好適な他の一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図15は、図14のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。本実施形態の画像形成装置101は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。
図14及び図15に示す画像形成装置101は、記録ヘッド3の幅が記録媒体1幅と同じ又はそれ以上であり、キャリッジ機構を持たず、副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)の紙送り機構(本実施形態では搬送ローラ2を示しているが、例えばベルト式の紙送り機構でもよい)で構成されている。記録ヘッド3は、図示しないが、インクタンク51〜55を副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)に順次配列させるのと同様に、各色(処理液も含む)を吐出するノズル群も副走査方向に配列させている。これ以外の構成は、図12及び13に示す画像形成装置100と同様であるため、説明を省略する。
図14及び図15に示す画像形成装置101では、記録媒体1の幅方向(主走査方向)の印字を記録ヘッド3により一括で行うため、キャリッジ機構を持つ方式に比べ、装置の構成が簡易であり、印字速度も速くなる。このような高速印字可能な記録装置においては、特に本発明の記録方法は好適である。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<液体作製方法>
所定の組成となるように着色剤溶液、水溶性溶媒、界面活性剤、イオン交換水等を適量加え、混合液を、混合、攪拌した。得られた液体を、5μmフィルターを通過させることにより、所望の液体を得た。
(液体A:インク)
・Cabojet−300(カルボン酸基/キャボット社製) 4質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.5質量%
・ジエチレングリコール 25質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 0.4質量%
・イオン交換水 残部
この液体Aは、そのpHは7.4、表面張力は35mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
(液体B:液体組成物)
・ジエチレングリコール 30質量%
・硝酸マグネシウム・6水和物 7.5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体GのpHは5.6、表面張力は31mN/m、粘度は2.9mPa・sであった。
<評価方法>
印字は、1200dpi、800ノズルの試作ピエゾプリントヘッドを用い、C2紙(富士ゼロックス社製)に対して液体組成物を吐出した後、インクを吐出する方法で行った。更に、インク及び液体組成物の単面積当りの付与量を下記表1及び表2に記載のようにして印字を行い、画像評価を実施した。この際、印字は一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)で行った。
また、画像評価は、図4〜図11に概略的に示す印字パターンに従って印字し、印字後24時間一般環境下に放置したサンプルに対して行った。ここで図4〜図11に示す印字パターンの概略図は、印字直後の様子を示したものである。
なお、図4に示す印字パターンでは、インクと液体組成物の間を1ドット分間隔を空けた。図5に示す印字パターンでは、境界部における液体組成物の付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図6に示す印字パターンでは、境界部におけるインクの付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図7に示す印字パターンでは、境界部における液体組成物及びインクの付与量を表1に示すように変更して印字を行った。図8に示す印字パターンでは、画像領域及び非画像領域の境界部分に液体組成物を付与しなかった。
また、図9に示す印字パターンは、液体組成物を全く付与せずにインクを付与した態様を示す。図10に示す印字パターンは、液体組成物を付与した領域と、インクを付与した領域とが境界で接触するように付与した態様を示す。図11に示す印字パターンは、インクと液体組成物との間で3ドット分の間隔を空けた。
尚、図9以外の図に示す印字パターンでは、インクを付与した画像領域に、液体組成物も付与を行った。
本実施例において、印字パターンの種類、インク及び液体組成物の液滴1滴あたりの重量(Dliq,Dink)、単位面積辺りに付与したインク及び液体組成物の重量(Wliq,Wink)、について表1に示す。
尚、液滴量の変更は、ヘッドに印加する駆動電圧の入力波形を調整して行った。
これらのサンプルについて、光学濃度、濃度むら、滲み、及びカールについて下記の評価方法で評価を行った。
《光学濃度》
図4〜図11に示す印字パターンにおける印字部分の光学濃度を、エックスライト404(エックスライト社製)を用いて測定した。印字パターンのいずれかの印字部において、基準に満たない場合には、下位の評価とした(例えば、いずれかの印字部分で△であり、他の印字部分は○である場合には、当該サンプルの評価は、△とした。)。以下いずれの評価方法においても、同様の評価基準である。
−評価基準−
〇 … 光学濃度が1.3以上
△ … 光学濃度が1.2以上1.3未満
× … 光学濃度が1.2未満
《濃度むら》
印字部分の濃度むらを、目視で官能評価を行なった。
−評価基準(黒インク)−
〇 … 濃度むらが見られないもの
△ … 濃度むらが発生しているものの、許容レベルであるもの
× … 濃度むらが激しく、許容範囲外のもの
《滲み(フェザリング)》
1ドットラインを印字し、印字部の滲み度合いを限度見本に照合し、官能評価を行なった。
−評価基準−
◎ … 滲みが殆ど無いもの
〇 … 滲みが少ないもの
△ … 滲みは発生しているが、許容レベルのもの
× … 滲みが激しく、許容範囲外のもの
《カール》
はがきサイズの記録紙に余白を5mm取り、100%ベタ画像を印字し、印字面とは反対面に発生する印字直後ハンギングカール発生量を測定した。測定値を曲率に換算し評価を行った。評価基準は以下の通りで、◎、○が許容レベルである。
−評価基準−
○:若干カールする。
△:カールが目立つ。
×:丸まってしまう。
評価結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を用いて、インク及び液体組成物を吐出させた試料1〜試料7では、光学濃度が充分で、濃度むらや滲みのない優れた画像を形成でき、更に、カールも少なく乾燥状態も良好であることが分かった。また、本実施例では、画像領域に液体組成物も付与しているので、光学濃度が高く、かつ濃度むらや滲みが更に改善され、極めて優れた画像が形成された。
実施例1で用いた液体A(インク)及び液体B(液体組成物)に換えて、下記で調製した液体に変更し、試料1〜試料7と同様の印字パターンで印字した。
<顔料処理方法1>
カーボンブラック(Mogul L,キャボット社)30質量部にスチレン−メタアクリル酸共重合のアルカリ金属中和塩を6質量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300質量部とした。この液に超音波ホモジナイザーにより超音波を掛けて、顔料を分散させた。更に、この分散液を遠心分離装置により遠心分離を掛けて、残渣部分100質量部を除去した。
<顔料処理方法2>
スルファニル酸水溶液を加温し、撹拌しながら顔料100gを加えた。この混合物を撹拌しながら室温まで冷やし、14gの濃硝酸を滴下した。この溶液にNaNO2水溶液10gを添加し、反応が終了するまで撹拌した。この顔料に対し、脱塩処理を行なった。得られた表面処理顔料を顔料濃度が12質量%となるようにイオン交換水を加え、pHを7.5に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行なった。この分散液を遠心分離装置で、遠心分離処理(8000rpm×30分)を施し、残渣部分(全量に対して20%)を除去した。
(液体C:インク)
顔料処理方法1に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・Mogul L(顔料/表面官能基無し/キャボット社製) 4質量
・スチレン−メタアクリル酸共重合(酸価250/中和度80%) 0.7質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物 5質量%
・ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル 0.5質量%
・イオン交換水 残部
この液体CのpHは8.1、表面張力は33mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
(液体D:インク)
顔料処理方法2に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・C.I.Pigment Blue 15:3(スルホン酸基) 4質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.6質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・プロピレングリコール 5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体DのpHは7.4、表面張力は32mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
(液体E:インク)
顔料処理方法2に従って処理した顔料を用い、所定の方法により作製した。
・C.I.Pigment Red 122(スルホン酸基) 5質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価100/中和度95%) 0.6質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・トリエチレングリコール 5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・イオン交換水 残部
この液体EのpHは7.6、表面張力は31mN/m、粘度は3.4mPa・sであった。
(液体F:液体組成物)
・C.I.アシッド ブルー9(染料) 0.01質量%
・ジエチレングリコール 30質量%
・1,5−ペンタンジオール 5質量%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2.5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 1質量%
・水酸化ナトリウム 0.4質量%
・2−ピロリドン−5−カルボン酸(一般式(1)で表される化合物) 3質量%
・イオン交換水 残部
この液体FのpHは3.5、表面張力は30mN/m、粘度は2.8mPa・sであった。
これら液体C〜E(インク)及び液体F(液体組成物)を種々組み合わせて印字した場合であっても、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を用いた場合、実施例1同様、光学濃度が充分で、濃度むらや滲みのない優れた画像を形成でき、更に、カールも少なく良好であった。
実施例1の液体A(インク)及び液体B(液体組成物)、及び実施例2の液体C〜E(インク)及び液体F(液体組成物)を用いて、図14及び図15に示す画像形成装置(記録ヘッドの幅が、記録媒体の幅と同じ又はそれ以上である画像記録装置;600dpi,2400ノズル,試作ピエゾプリントヘッド)で印字を行った。それ以外は実施例1と同様にして、サンプルの作製及び評価を行った。
その結果、図14及び図15に示す画像形成装置を用いると印字速度が極めて速いため、比較例の印字パターンではフェザリングが著しく発生したのに対し、本発明の印字パターンでは、フェザリングの発生が見られず、本発明の効果がより明確となった。
従来のインクと液体組成物の印字パターンを示す概略図である。 本発明のインクと液体組成物の印字パターンを示す概略図である。 従来のインクと液体組成物の他の印字パターンを示す概略図である。 実施例における本発明のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における本発明のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における本発明のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における本発明のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における本発明のインクと液体組成物の印字パターンを示す概略図である。 実施例における比較例のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における比較例のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 実施例における比較例のインクと液体組成物の吐出位置及び吐出量を示す概略図である。 本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。 図12のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の他の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。 図14のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 記録媒体
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
5 インクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット
15 チューブ
16 ヘッド位置検出ユニット
A 液体組成物
B インク

Claims (2)

  1. 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記記録媒体上で前記インクと前記非画像領域に付与した前記液体組成物とが接触することなく、経時後に接触するように、前記インクと前記液体組成物とを記録媒体に付与し、
    且つ前記境界部におけるインク又は液体組成物の付与方法が、下(2)〜(4)のいずれかを満たすことを特徴とするに記載のインクジェット記録方法。
    (2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
    (3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
    (4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
  2. 少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集剤及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを記録媒体に付与する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    前記インクと前記液体組成物の付与位置を制御する手段を有し、
    前記付与位置が、インクを付与する画像領域と共にインクを付与しない非画像領域に液体組成物を付与し、前記インクと前記非画像領域に付与する前記液体組成物とを付与した直後は、前記インクを付与する前記画像領域と前記非画像領域との境界部分において、前記インクと前記非画像領域に付与した液体組成物とは記録媒体上で接触せず、経時後には接触する位置であり、
    前記境界部分におけるインク又は液体組成物の付与を、下記(2)〜(4)のいずれかを満たすように制御する手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
    (2) 前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない。
    (3) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少ない。
    (4) 前記境界部分におけるインクの付与量が、前記境界部分以外の部分におけるインクの付与量よりも少なく、且つ前記境界部分における液体組成物の付与量が、前記境界部分以外の部分における液体組成物の付与量よりも少ない
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