(1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報画像(たとえば、数字の“0”〜“9”を表示する画像)を表示する変動表示装置(たとえば、特別図柄表示部9)と、所定の変動開始条件の成立(たとえば、遊技球の始動入賞口14への入賞)に基づいて、前記複数種類の識別情報画像を前記変動表示装置に変動表示させ識別情報画像の表示結果を導出表示する変動表示制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ310、CPU312、VDP320)と、を備え、該変動表示制御手段により導出表示された表示結果が予め定めた特定表示結果(たとえば、ぞろ目の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、コイン遊技機、スロットマシン等)であって、
前記変動表示装置に表示する表示画像を制御する制御データを記憶するための制御データ記憶手段(たとえば、ROM313)と、
前記変動表示装置に切り換えて表示する表示画像のデータを記憶するための画像データ記憶手段(たとえば、VRAM340内の領域341または領域342)と、
前記複数種類の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを記憶する識別情報画像生成データ記憶手段(たとえば、CGROM330)と、
該識別情報画像生成データ記憶手段に記憶されている識別情報画像生成データを読み出し、該識別情報画像生成データから識別情報画像を生成して前記画像データ記憶手段に記憶させ、該記憶された識別情報画像を前記変動表示装置に出力する第1描画手段(たとえば、VDP320の第1描画手段61)と、
前記識別情報画像生成データ記憶手段に記憶された前記複数の識別情報画像生成データのうち少なくとも1つの識別情報画像生成データを特定する表示画像特定手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ310、VDP320、アトリビュートテーブル174のキャラクタコード)と、
該表示画像特定手段により特定される識別情報画像生成データから生成する識別情報画像の表示位置を経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように各タイミング別に位置指定する表示位置指定手段(たとえば、CPU312)と、
前記表示位置指定手段による位置指定に従って位置特定識別情報画像を生成する識別情報画像生成手段(たとえば、VDP320の描画制御部410等からなる識別情報画像生成手段60)と、
該識別情報画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像(たとえば、図7の変動表示画像535)と、前記画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像のデータに基づく表示画像(たとえば、図7の変動表示画像530)と、を合成し、該合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段(たとえば、VRAM340内の領域341)に上書き記憶させ、前記合成画像を前記変動表示装置に出力する第2描画手段(たとえば、VDP320の描画制御部410等からなる第2描画手段62)と、
前記識別情報画像生成データ記憶手段に記憶されている識別情報画像生成データを読み出して前記変動表示装置の前面側に表示する前面側識別情報画像(たとえば、図16の「6」からなる図柄1)と該前面側識別情報画像の後面側に表示する後面側識別情報画像(たとえば、図16の「7」からなる図柄2)と、を合成した合成画像(たとえば、図16の合成図柄69の画像)を生成する合成画像生成手段(たとえば、VDP320の合成画像生成手段63)と、
前記変動開始条件の成立に基づいて、前記変動表示制御手段による表示結果を導出表示するための識別情報画像の変動開始から表示結果を導出表示するまでの一連の変動表示において表示する変動パターンを、少なくとも、所定の演出を伴わない通常変動パターン(たとえば、リーチ状態が表示されないときおよびノーマルリーチが表示されるときの変動パターン)と、所定の演出を伴う第1変動パターン(たとえば、スーパーリーチBの変動パターン)と、該第1変動パターンとは異なる演出を伴う第2変動パターン(たとえば、スーパーリーチCの変動パターン)と、を含む複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段(たとえば、変動パターン決定用ランダムカウンタR3、数値データ抽出手段189、判定手段123、変動パターン種類テーブル)と、を備え、
前記制御データ記憶手段は、
前記合成画像生成手段が前記前面側識別情報画像と前記後面側識別情報画像とを合成する際に、前記前面側識別情報画像と前記後面側識別情報画像とのブレンド率を経過時間に応じて指定するデータであって、前記前面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に下げるとともに、前記後面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に上げて指定する第1ブレンド率データ(たとえば、図15のブレンド率にて前面側識別情報画像にCテーブルを使用し、後面側識別情報画像にDテーブルを使用)と、
前記合成画像生成手段が前記前面側識別情報画像と前記後面側識別情報画像とを合成する際に、前記後面側識別情報画像の拡大率を経過時間に応じて指定するデータであって、前記後面側識別情報画像のブレンド率に比例して徐々に拡大させる第1拡大率データ(たとえば、後面側識別情報画像のブレンド率Dテーブルに比例している拡大率Bテーブル(図15の拡大率1欄)を後面側識別情報画像に使用)と、を記憶し、
前記合成画像生成手段は、
前記制御データ記憶手段に記憶された前記第1ブレンド率データと、前記第1拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前記前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて前記後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に前記後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第1α合成処理を行なう第1α合成処理手段(たとえば、S21、S22、S41〜S44、S48、但し前面側画像の拡大率はAテーブル使用、図16参照)を含み、
前記変動表示制御手段は、
前記変動パターン決定手段により通常変動パターンが決定されたことに基づいて、前記第1描画手段により識別情報画像を生成し前記変動表示装置に順次出力する処理を実行し、通常変動制御を行なう通常変動表示制御手段(たとえば、SA12を実行する演出制御用マイクロコンピュータ310とVDP320)と、
前記変動パターン決定手段により第1変動パターンが決定されたことに基づいて、前記第2描画手段により合成された前記合成画像を前記変動表示装置に出力する処理を前記複数のタイミング毎に実行して第1演出制御を行なう第1演出制御手段(たとえば、図12の残像画像生成処理を実行する演出制御用マイクロコンピュータ310とVDP320)と、
前記変動パターン決定手段により第2変動パターンが決定されたことに基づいて、前記第1α合成処理手段により合成された合成画像を前記変動表示装置に出力して第2演出制御を行なう第2演出制御手段(たとえば、図19〜図21(d)(e)の各処理を実行する演出制御用マイクロコンピュータ310とVDP320)と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、第1変動パターンが決定されたときには、識別情報画像生成データから生成する識別情報画像の表示位置を経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように各タイミング別に位置指定する表示位置指定手段の位置指定に従って、識別情報画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像と、画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成画像を表示画像として画像データ記憶手段に上書き記憶させ、合成画像を変動表示装置に出力する第1演出制御が行なわれる。したがって、生成した合成画像のデータの再利用を繰り返すこととなり、生成する画像を低減することができ、画像処理の負担を軽減できる。また、合成の対象となる位置特定識別情報画像に表示される識別情報画像の表示位置は、経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように指定されるので、当該位置特定識別情報画像と、画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像との合成画像は、時間経過とともに残像を残すような画像となり、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
一方、第2変動パターンが決定されたときには、時間経過毎の合成画像は、先に表示されていた前面側識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される後面側識別情報画像はそのブレンド率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにその画像拡大率がブレンド率に比例して大きくなって次第に明瞭になっていくという第1α合成処理が行なわれ、その第1α合成処理が行なわれた合成画像が変動表示装置に順次出力される第2演出制御が行なわれる。このため、消えてゆく前面側識別情報画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、後面側識別情報画像が次第に明瞭になってくる合成画像となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示を行なうことができる。
(2) 前記識別情報画像を拡大または縮小させた画像を生成するための拡大縮小データ(たとえば、図9(b)の拡大・縮小率)を前記各タイミングに対応して記憶する拡大縮小データ記憶手段(たとえば、ROM313)をさらに備え、
前記識別情報画像生成手段は前記各タイミングに対応する前記拡大縮小データに基づいて、前記識別情報画像を拡大または縮小させた拡大縮小画像を生成し(たとえば、図10(a)の拡大縮小率がそれぞれ異なる識別情報画像を生成し)、
前記第2描画手段は、前記識別情報画像生成手段により生成された拡大縮小画像と、前記画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段に記憶させる(たとえば、図10(a)の拡大縮小率がそれぞれ異なる識別情報画像を記憶させる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、各タイミングに対応する拡大縮小データに基づいて、識別情報画像を拡大または縮小させた拡大縮小画像が生成され、その生成された拡大縮小画像と、画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、が合成され、その合成された合成画像として表示される識別情報画像が、各タイミングに対応して大きさが変化するので、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
(3) 前記識別情報画像の透過率を指定するための透過率データ(たとえば、図9(b)の半透明設定値)を各タイミングに対応して記憶する透過率データ記憶手段(たとえば、ROM313)をさらに備え、
前記識別情報画像生成手段は前記各タイミングに対応する前記透過率データに基づいて、前記識別情報画像を透過させた透過画像を生成し(たとえば、図10(b)の半透明設定値がそれぞれ異なる識別情報画像を生成し)、
前記第2描画手段は、前記識別情報画像生成手段により生成された透過画像と、前記画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段に記憶させる(たとえば、図10(b)の半透明設定値がそれぞれ異なる識別情報画像を記憶させる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、各タイミングに対応する透過率データに基づいて、識別情報画像を透過させた透過画像が生成され、その生成された透過画像と、画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、が合成され、その合成された合成画像として表示される識別情報画像が、各タイミングに対応して透過率が変化するので、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
このような構成によれば、後面側識別情報画像の拡大率が時間の経過に応じて小さくなっていくとともにそのブレンド率が小さくなっていくために、見えにくくなっていくのに対して、前面側識別情報画像はそのブレンド率が時間経過につれて大きくなり次第に明瞭になっていくという第2α合成処理を行なって時間経過毎の合成画像が生成され、生成された合成画像が変動表示装置に順次出力される制御が実行される。このため、消えてゆく後面側識別情報画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、前面側識別情報画像が次第に明瞭になってくる合成画像となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示を行なうことができる。
このような構成によれば、時間経過毎の合成画像は、第1α合成処理を行なって前面側識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される後面側識別情報画像はその拡大率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにそのブレンド率が大きくなっていくために次第に明瞭になっていく。次に第2α合成処理を行なって今明瞭に表示されている方の後面側識別情報画像の拡大率が時間の経過に応じて小さくなっていくとともにそのブレンド率が小さくなっていくために、見えにくくなっていくのに対して、見えにくくなっていた前面側識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて大きくなり次第に明瞭になっていくという揺れ動くサイクルを繰り返す第1繰返制御処理が実行される。このため、遊技者に対する演出効果を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、各々を識別可能な複数種類の識別情報画像を表示する変動表示装置と、所定の変動開始条件の成立に基づいて、前記複数種類の識別情報画像を前記変動表示装置に変動表示させ識別情報画像の表示結果を導出表示する変動表示制御手段と、を備え、該変動表示制御手段により導出表示された表示結果が予め定めた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明における遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の正面図である。
図1を参照して、パチンコ遊技機1には、着脱可能な遊技盤6と、遊技盤6を覆うように額縁状に形成されたガラス扉枠2と、遊技者が遊技を行なう際、打玉を操作するための操作ノブ5と、余剰玉受皿4と、打玉が打込まれる遊技領域7と、打玉を遊技領域7へ導くための誘導レール29と、遊技領域7の外側に配置される遊技効果ランプ42と、遊技による効果音を発生するためのスピーカ41とが設けられている。余剰玉受皿4は、打玉供給皿3の下部に設けられ、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する。
遊技者は、操作ノブ5を操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。
遊技領域7には、打玉が入賞することにより変動表示装置8の変動表示を開始させる始動入賞口14が構成された始動用電動役物14aと、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例として特別図柄を変動表示させる変動表示装置8とが設けられている。
特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を判定用識別情報として表示する図柄(以下においては、「識別情報画像」とも称する)である。また、特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を装飾用識別情報として表示する図柄でもある。始動用電動役物14aには、可動片が左右に設けられている。
変動表示装置8には、特別図柄表示部9と、普通図柄表示部10と、4つのLEDで構成される始動記憶表示器18と、通過記憶表示器15とが設けられている。
特別図柄表示部9は、複数の変動表示領域を有する。なお、特別図柄表示部9は、一般的には、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))が用いられるが、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display
Panel)、有機ELディスプレイ(Organic Electro luminescence Display)、ドットマトリクス等その他の画像表示方式の表示機器であってもよい。
特別図柄表示部9は、判定用識別情報を表示する特別図柄(識別情報画像)または装飾用識別情報を表示する特別図柄を、前述した複数の変動表示領域の各々において、変動表示させる。特別図柄表示部9は、特別図柄の他に、特別図柄の変動表示回数を報知するための飾り保留記憶表示や、所定のキャラクタ・背景画像としての背面画像等の画像も表示可能である。ここで、キャラクタは、特別図柄表示部9に表示される人間、動物、あるいは物等を表わす映像をいう。
なお、特別図柄表示部9により変動表示される特別図柄が示す識別情報は、数字、文字、図形、模様等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字(たとえば、“0”〜“9”)のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
また、特別図柄表示部9により変動表示される識別情報画像は、平面で構成されるスプライトである。なお、識別情報画像は、スプライトに限定されることなく、立体的な形状を有する画像(以下においては、「立体オブジェクト」または「3Dオブジェクト」とも称する)であってもよい。
遊技領域7には、開閉板20と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。
遊技領域7には、さらに、一般入賞口である複数の入賞口24と、打玉が進入可能な通過口11と、点灯または点滅することにより遊技を演出する遊技演出ランプ25と、アウト口26とが設けられている。複数の入賞口24の各々の内部には打玉の入賞を検出する入賞口スイッチ24aが設けられている。アウト口26は、遊技領域7に打込まれ、始動入賞口14、入賞口24および可変入賞球装置19のいずれの入賞領域にも入賞しなかった打玉をアウト玉として回収する。
通過口11に進入した打玉は、通過口内部に設けられたゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定のランダム値が抽出され、記憶される。そして、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示部10の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示部10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができない状態であるので、“4”を記憶数の上限として通過玉(ランダム値等)が記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示部10の変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。なお、通過記憶表示器15の記憶数の上限は、“4”に限定されることなく、5つ以上であってもよい。
本実施の形態においては、通過口11に打玉が進入すると、普通図柄表示部10の変動表示が開始され、始動入賞口14に打玉が進入すると特別図柄表示部9において変動表示が開始されるので、通過口11および始動入賞口14を総括的に始動領域とも称する。
普通図柄表示部10には、「〇」が付されている当り普通図柄表示器と、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器とがある。通過口11に打玉が進入したときに抽出されたランダム値(以下「カウント値」ともいう。)が所定の当り判定値と一致するときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」であると判断され、「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯する。一方、抽出されたランダム値が所定の当り判定値と一致しないときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「はずれ」であると判断され、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器が点灯する。
当りとなり「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯した場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成し、所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
遊技において、打玉が、始動入賞口14に入賞した場合(以下においては、始動入賞とも称する)には、打玉が遊技盤6に設けられた始動口スイッチ14aにより検出され、始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの1つが点灯する。始動入賞の回数は、“4”を記憶数の上限としてパチンコ遊技機1の内部に設けられた記憶装置(後述するRAM214)に記憶(「始動記憶」ともいう)される。なお、始動記憶表示器18の有するLEDの数は4つに限定されることなく、5つ以上であってもよい。この場合、始動記憶可能な数は、始動記憶表示器18の有するLEDの数と等しくなる。なお、以下においては、たとえば、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち3つ点灯している場合、始動記憶が“3”であるという。
始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの“1”〜“3”個が点灯している状態、すなわち、始動記憶表示器18の始動記憶が上限に達していない状態で始動入賞すると、特定遊技状態としての大当り状態を発生させるか否かを決定するための所定のランダム値と、結果として表示する特別図柄を決定するための所定のランダム値とが抽出される。その後、所定条件の成立後、後述する変動表示制御手段により、特別図柄表示部9の変動表示が開始され、所定期間後に表示結果がすべて導出表示される。ここで、所定条件とは、特定遊技状態に制御されておらず、かつ、変動表示が行なわれていないという条件である。そして、当該変動表示が開始されると同時に、始動記憶値が1つ減少し、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち、点灯しているLEDが1つ消灯する。すなわち、変動表示が開始され表示結果が導出表示される毎に、始動記憶値が“1”減少する。このとき、始動記憶表示器18のLEDが1つ以上点灯している状態、すなわち、始動記憶値が1以上あれば、再度、変動表示が開始され表示結果が導出表示される。
前述した特別図柄表示部9の変動表示は、一定時間が経過したときに停止表示される。特別図柄表示部9では、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、停止表示時の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下「大当り図柄」ともいう。)であれば、「大当り」となり、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態(以下「大当り状態」ともいう。)に移行し、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
前述した可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目。以下「確変大当り図柄」ともいう。)となると、パチンコ遊技機1は、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(特別遊技状態)になる。通常遊技状態において、大当りが発生する確率が、たとえば、1/300である場合、確率変動状態では、大当りが発生する確率が1/30となる。このような確率変動状態は、一般的に、「確変」と省略して呼ばれる場合もある。以下、確変図柄(奇数を表す図柄)による大当りを確変大当りとも称する。
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、次回まで)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。なお、以下においては、非確変図柄での組合せの大当りを通常の大当りとも称する。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、パチンコ遊技機1の遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
なお、特別遊技状態は、特別図柄表示部9の有効ライン上における表示結果が大当り図柄のうちの確変図柄による大当り図柄となったときに、大当り図柄のうちの確変図柄以外の大当り図柄となったときと比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される状態であればよい。よって、特別遊技状態は、始動入賞率を向上させるとともに、特別図柄表示部9の図柄の変動時間を短縮させる変動時間短縮状態(省略して、時短状態または時短とも称される。)であってもよい。
パチンコ遊技機1が時短状態になると、特別図柄表示部9の変動表示の開始から終了までの時間が短縮される。たとえば、パチンコ遊技機1が通常遊技状態である場合、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が8秒である場合、時短状態では、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が3秒と短縮される。したがって、時短状態では、所定時間内における特別図柄表示部9の変動表示回数が増えるため、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも大当りが発生する確率が高くなる。
また、パチンコ遊技機1が時短状態であるとき、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」と判定されると、通常遊技状態における始動用電動役物14aの可動片の開成のインターバルが30秒に1回であったのが、たとえば、1.5秒に1回になる。したがって、所定時間内における可動片の開成の回数が増えるため、時短状態では、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも始動入賞する確率が高くなる。
さらに、特別遊技状態としては、始動用電動役物14aの可動片の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる状態であってもよい。
通常遊技状態で、大当りが発生し、当該大当りが確変大当りであれば、パチンコ遊技機1は確率変動状態になる。パチンコ遊技機1が、確率変動状態のときに、次の大当りが非確変で大当りの場合に、通常遊技状態になる。なお、パチンコ遊技機1が確率変動状態または時短状態の特別遊技状態において、大当りが連続して発生することを連チャンと称する。
なお、確変当りが発生し、パチンコ遊技機1が確率変動状態になり、さらにその間に、通常当りが発生して時短状態になり、その後、通常の遊技状態になるまでの期間を特別遊技状態期間とも称する。特別遊技状態期間中に通常当りまたは確変当りが発生することも連チャンと称する。特別遊技状態期間中に、最初の確変当りを含めて大当りが、たとえば、5回発生した場合は、5連チャンとなる。
また、各変動表示領域の変動表示中においては、リーチ状態(以下「リーチ」、「リーチ態様」、「リーチ表示態様」ともいう。)が発生する場合がある。
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示領域を備えた変動表示装置を有し、変動表示領域において複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示領域を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様が表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の変動表示が開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様となる表示条件からはずれていない表示態様をもいう。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
また、リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
図2は、パチンコ遊技機1に用いられている制御回路の機能を示す機能ブロック図である。パチンコ遊技機1には、パチンコ遊技機1の遊技制御を行なうための遊技制御基盤210からなる遊技制御手段と、変動表示装置8等を制御するための演出制御基盤300からなる表示制御手段などが設けられている。遊技制御基盤210には、CPU212、ROM213、RAM214、I/Oポート215を有する遊技制御用マイクロコンピュータが設けられている。演出制御基盤300には、表示制御用CPU312、表示制御用ROM313、表示制御用RAM314、表示制御用I/Oポート(図示略)を有する表示制御マイクロコンピュータが設けられている。
遊技制御基盤210には、数値データ更新手段125、数値データ抽出手段189、判定手段123、特定遊技状態制御手段127、有効入賞判定手段139、記憶手段192(始動入賞記憶手段180)が備えられている。
有効入賞判定手段139は、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞か否かを判定するものである。ここで有効始動入賞とは、始動口14への遊技球の入賞のうち有効に変動表示装置8の変動表示に用いられた始動入賞のことである。
なお、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞でない場合、すなわち、始動口14への遊技球の入賞のうち有効に変動表示装置8の変動表示に用いられなかった始動入賞は無効始動入賞(無効入賞)となる。
数値データ更新手段125は、大当り決定用、リーチ決定用、変動パターン決定用、図柄決定用の各数値データ(乱数)の更新手段からなる。大当り決定用の数値データ(乱数)の更新手段は大当りを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である299までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR1が備えられている。リーチ決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、はずれが決定されているときにリーチを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR2が備えられている。変動パターン決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、後述する図3に示すノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCの変動パターンのうちどの変動パターンにするかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である149までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR3が備えられている。図柄決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、それぞれ大当り図柄、はずれ図柄をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR4が備えられている。
数値データ抽出手段189は、有効入賞判定手段139により、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞と判定されるごとに、上記数値データ更新手段125からそれぞれ数値データである乱数(R1〜R4)を抽出する。このように、遊技球が始動口14に入賞して、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定されれば、その有効始動入賞と判定されたタイミングで数値データ抽出手段189によりランダムカウンタR1〜R4のカウント値が抽出される。
次に、数値データ抽出手段189により抽出されたランダムカウンタR1〜R4の抽出値(乱数値R1〜R4)は、判定手段123により判定される。具体的には、抽出値R1が大当り決定値「3」と一致するか否かが判断され、一致すると判断された場合には大当りを発生させる旨が決定され、その決定結果は、判定手段123により大当りコマンドとして特定遊技状態制御手段127および演出制御基盤300に送信される。この大当りを発生させる旨の決定結果は後述する変動パターンの決定(判定手段123で決定)の際に用いられる。また、抽出値R2がリーチ決定値「1」と一致するか否かが判断され、一致すると判断された場合にはリーチが発生する旨が決定され、そのリーチが発生する旨の決定結果は後述する変動パターンの決定(判定手段123で決定)の際に用いられる。
また、抽出値R3に基づいてどの変動パターンに決定するかが判断され、その決定された変動パターンが、変動パターンコマンドとして判定手段123から演出制御基盤300に送信される。この変動パターンの種類の決定方法は、抽出値R3に基づいて図3の変動パターン種類テーブルを参照して決定する。
図3を参照して、変動パターン種類テーブルは、ROM213に記憶されているテーブルであり、抽出値R3の属する範囲を定める範囲判定データとその各範囲判定データに対応する変動パターンの種類を特定する変動パターンデータとを記憶しており、外れ事前決定時に参照される外れ時変動パターン種類テーブルと大当り事前決定時に参照される当り時変動パターン種類テーブルとがある。外れ時変動パターン種類テーブルでは、抽出値R3が0〜119に属するときにノーマルリーチ(はずれ)が選択され、抽出値R3が120〜139に属するときにスーパーリーチA(はずれ)が選択され、抽出値R3が140〜144に属するときにスーパーリーチB(はずれ)が選択され、抽出値R3が145〜149に属するときにスーパーリーチC(はずれ)が選択される。
当り時変動パターン種類テーブルでは、抽出値R3が0〜9に属するときにノーマルリーチ(大当り)が選択され、抽出値R3が10〜49に属するときにスーパーリーチA(大当り)が選択され、抽出値R3が50〜99に属するときにスーパーリーチB(大当り)が選択され、抽出値R3が100〜149に属するときにスーパーリーチC(大当り)が選択される。
図2に戻り、抽出値R4により大当り図柄、はずれ図柄が決定される。具体的には、大当りを発生させる旨が決定された場合は、抽出値R4のR4−1により大当り図柄を決定し、大当りを発生させない旨が決定された場合は、抽出値R4のR4−1,R4−2,R4−3によりはずれ図柄が決定される。この決定した大当り図柄、はずれ図柄は、停止図柄コマンドとして判定手段123から演出制御基盤300に送信される。このように、前述した大当りコマンド、変動パターンコマンド、停止図柄コマンドは、それぞれに対応する保留記憶に基づいた変動表示の開始前に判定手段123から演出制御基盤300に送信される。
記憶手段192の始動入賞記憶手段180は、始動入賞検出手段(始動口スイッチ14a)により検出された始動入賞で、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定された場合であって、未だ特別図柄表示部9の変動表示に用いられていない始動入賞をその変動表示に用いることができるまで上限回数(たとえば「4」)の範囲内で始動入賞記憶(保留記憶)として記憶するものである。
このように、遊技制御基盤210において、始動入賞検出手段(始動口スイッチ14a)により遊技球の始動口14への進入(始動入賞)が検出され、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定され、CPU212により変動表示装置8の特別図柄表示部9の変動表示を開始する条件が成立していないと判断されたときには、その変動表示装置8の特別図柄表示部9を変動表示することを保留し、当該変動表示を保留記憶として始動入賞記憶手段180に上限回数まで記憶される。
ここで、前述した「保留記憶」とは特別図柄表示部9が既に変動表示中あるいは大当り状態中において、遊技球が始動口14に入賞したときには、該始動入賞を記憶して、該始動入賞に基づいた特別図柄表示部9の変動表示を保留し、特別図柄表示部9が再度変動表示可能な状態になってから始動入賞記憶手段180に記憶されている始動入賞の記憶に基づいて特別図柄表示部9が変動表示させる。この始動入賞記憶手段180に記憶されている始動入賞の記憶のことをいう。
特定遊技状態制御手段127は、判定手段123により、大当りを発生させる旨の判定がされたときに、判定手段123から大当りを発生させる旨の信号を受信し、ソレノイド駆動回路34を介してアタッカーソレノイド21を励磁制御する。その結果、前述したように、可変入賞球装置19の開閉板20が開放されて大当り状態となる。
演出制御基板300は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、特別図柄表示部9に表示させる特別図柄(識別情報画像)を変動表示させて表示結果を導出表示させる制御を行なう変動表示制御、スピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための演出効果音制御、遊技演出ランプ25を制御する遊技演出ランプ制御等の各種演出制御を行なう回路を含む。
当該各種演出制御を行なう回路の一例として、演出制御基板300は、演出制御用マイクロコンピュータ310と、VDP(Video Display Processor)320と、識別情報画像生成データ記憶手段の一例のCGROM(Character Graphic Read Only Memory)330と、画像データ記憶手段の一例のVRAM(Video Random Access Memory)340とを含む。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された変動パターンコマンド、大当りコマンド等の各種コマンドに応じて、VDP320、スピーカ41および遊技演出ランプ25を制御する機能を有する。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、CPU312と、RAM314と、ROM313とを有する。ROM313は、図4に示すように、制御データ記憶手段として機能するものであり、VDP320の制御等を行なうための制御プログラム、表示画像特定データ等からなる変動パターンデータ、後述する第1ブレンド率データ、第1拡大率データ、第2ブレンド率データ、第2拡大率データが記憶されている。また、後述すれが、ROM313は、透過率データを記憶する透過率データ記憶手段、拡大縮小データを記憶する拡大縮小データ記憶手段としても機能する。
前述の変動パターンデータは、より具体的には、特別図柄が変動表示しているときにおける、特別図柄を停止させるタイミングや、リーチの発生や、リーチ演出内容等に関して予め複数種類定められているデータからなる。また、変動パターンデータは、特別図柄表示部9に表示させる画像(以下においては、「表示画像」とも称する)を生成するための画像生成データを特定する表示画像特定データ、表示画像特定データにより特定される画像の表示位置である座標値を示す表示位置データ、リーチ演出のときのスピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための効果音データを選択する効果音選択データ、遊技演出ランプ25を点灯または点滅することにより遊技を演出するランプ演出データを選択するランプ演出選択データ等も含む。効果音データおよびランプ演出データは、遊技状態に応じて複数種類ある。
CPU312は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された変動パターンコマンド、大当りコマンド等の各種コマンドおよびROM313に記憶されている制御プログラムに従って、各種演出制御を行なうための変動表示制御データ、効果音データ、ランプ演出データをそれぞれVDP320、スピーカ41、遊技演出ランプ25へ送信する。RAM314は、CPU312が各種制御動作を行なう際にデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
変動表示制御データは、画像を生成して、特別図柄表示部9に画像を表示させる制御指示をVDP320に行なうデータである。したがって、変動表示制御データは、表示画像特定データを含む変動パターンデータと、特別図柄表示部9に表示させる表示画像に表示される複数の画像の各々に対応した各種設定パラメータであるアトリビュート(描画順序、色数、拡大縮小率、回転角度、半透明設定値(画像を半透明にする設定値)、パレット番号、表示位置データ)とを含む。
なお、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ310を、CPU312、ROM313、RAM314が集積される1チップマイクロコンピュータとする構成としているが、本願発明は、このような構成に限定されるものではなく、CPU312、ROM313およびRAM314は、1チップ化されていなくてもよい。すなわち、演出制御基板300に、CPU312、ROM313、RAM314がそれぞれ別々に配置されてもよい。
CGROM330には、特別図柄表示部9に表示する画像データが圧縮された圧縮画像データが記憶されている。以下においては、CGROM330を圧縮画像データ記憶手段とも称する。当該圧縮画像データは、たとえば、特別図柄表示部9に表示される人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなるキャラクタ画像、識別情報画像および背面画像などである。なお、キャラクタ画像および識別情報画像は、平面な画像であるスプライトであってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。また、背面画像は、平面な画像であってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。以下においては、スプライトおよび平面な画像である背面画像を総括的に平面画像とも称する。
3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ310は、送信されてきた変動パターンコマンドにより指定された変動パターン(たとえばノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB等)に相当する画像を特別図柄表示部9に表示させるための指令(変動表示制御データ)をVDP320に出力する。VDP320では、その指令された変動パターンに相当する圧縮画像データをCGROM330から読出して伸張した後VRAM340に展開記憶させ、その展開記憶された画像データ上に特別図柄等を重合わせてパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた画像を生成してその画像を特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。
特別図柄表示部9は、所定の画像(たとえば、特別図柄)が所定方向(たとえば、上から下、下から上等、縦方向)に変動表示する複数の変動表示領域を有する。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域と称する。本実施の形態では、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域の各々において、所定の画像が、上から下または下から上(縦方向)に変動表示するものとする。
また、本実施の形態では、表示結果が全て導出表示されるまでに、中変動表示領域において変動表示される識別情報画像が最後に停止表示されるものとする。以下においては、最後に停止表示される識別情報画像を最終停止識別情報画像とも称する。
なお、当該複数の変動表示領域の各々は、所定の画像を、たとえば、左から右または右から左(横方向)に変動表示するものであってもよい。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、上変動表示領域、中変動表示領域、下変動表示領域と称する。
このような構成を有する演出制御用マイクロコンピュータ310は、スピーカ41や遊技演出ランプ(LED)25を制御する音声・ランプ制御手段としての機能、画像を特別図柄表示部9に表示させる変動表示制御データをコマンド送信処理によりVDP320へ送信するコマンド送信手段としての機能、停止図柄コマンドにより指定された停止図柄を予定停止図柄として決定する図柄決定手段としての機能、リーチ状態が発生しないときとノーマルリーチが発生するときに行なわれる通常変動を実行する通常変動制御手段としての機能、スーパーリーチBが発生するときに行なわれる第1演出制御を実行する第1演出制御手段としての機能、スーパーリーチCが発生するときに行なわれる第2演出制御を実行する第2演出制御手段としての機能を有している。これら各機能については後述する。また、通常変動制御手段と第1演出制御手段と第2演出制御手段とを総称した変動表示制御手段としての機能、変動表示制御手段と音声・ランプ制御手段とコマンド送信手段とを総称した演出制御手段としての機能も有している。
図4は、特別図柄表示部9に画像を表示させるための制御回路の構成およびその内部構成を詳細に示すブロック図である。
図4を参照して、VDP320は、CPU312とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCPUインターフェース320aと、CGROM330とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCGバスインターフェース320bと、VRAM340とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのVRAMインターフェース320cとを有する。
CPUインターフェース320aおよびCGバスインターフェース320bは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320mとデータの授受を行なう。VRAMインターフェース320cは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320nとデータの授受を行なう。
内部データバス320mは、アトリビュートレジスタ430と、描画制御部410とデータの授受を行なう。
アトリビュートレジスタ430は、描画制御部410が、画像を生成する際に使用するアトリビュート(たとえば図5のアトリビュートテーブル174)を記憶する。
描画制御部410は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データから特定される画像を生成するための画像生成データをCGROM330から読出し、当該画像生成データに対応するアトリビュートに応じた画像を生成する。なお、描画制御部410が生成した画像のデータは、VRAM340に一時的に記憶される。
なお、VRAM340には、領域341(以下においては、領域Aとも称する)と領域342(以下においては、領域Bとも称する)とが設けられている。詳細は後述するが、領域Aおよび領域Bには、描画制御部410によって生成された画像のデータが記憶される。
描画制御部410は、アトリビュート解析部411と、幾何学変換処理部412と、三次元画像処理部413と、半透明輝度変調部414とを有する。
アトリビュート解析部411は、内部データバス320mを介して入力されたアトリビュートを解析する機能を有する。
幾何学変換処理部412は、入力された画像データを使用し、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する機能を有する。
三次元画像処理部413は、特別図柄表示部9に、3Dオブジェクトを表示する場合、ROM313に記憶された制御プログラムに基づいて動作するCPU312からの指示データに応じて、生成する3Dオブジェクトに対し、陰面処理、ライティング処理、テクスチャマッピング処理等を行ない、三次元の画像データを生成する。陰面処理とは、たとえば、3Dオブジェクトの背面に配置される画像は、当該3Dオブジェクトの背面に表示されるように描画を行なう処理のことをいう。ライティング処理とは、仮想三次元空間において、任意の位置に光源を配置し、3Dオブジェクトに陰影をつけ、立体的に見えるようにする処理のことをいう。
半透明輝度変調部414は、半透明設定値に応じて、画像の一部またはすべてを半透明にした半透明画像(以下においては、「透過画像」とも称する)を生成する。
内部データバス320mは、さらに、データ転送制御部450と、画像伸張部440とデータの授受を行なう。
データ転送制御部450は、内部データバス320mと内部データバス320nとのデータの授受を制御する機能を有する。
画像伸張部440は、所定のアルゴリズム(たとえば、静止画像に対してはJPEG方式、動画像に対してはMPEG方式等)で圧縮された画像のデータを高速で伸張する機能を有する専用の画像処理プロセッサである。
VDP320は、さらに、パレットバッファ420aと、CGデータバッファ420bと、表示制御部460と、DAC(Digital-To-Analog Converter)462とを有する。
パレットバッファ420aは、描画制御部410が、画像を生成する際に必要な色のデータ(たとえば図5のパレットテーブル173で、以下においては、「パレットデータ」とも称する)を一時的に記憶する機能を有する。
CGデータバッファ420bは、描画制御部410が、画像を生成する際に必要なCGデータを一時的に記憶する機能を有する。また、CGデータバッファ420bは、描画制御部410が、画像を生成する上で、頻繁に使用するデータ(たとえば、識別情報画像、テクスチャデータ等)を一時的に記憶する機能を有する。
表示制御部460は、描画制御部410が生成した画像のデータまたは画像伸張部440により伸張された画像のデータを受信し、DAC462へ送信する。それと同時に、特別図柄表示部9へ、DAC462からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングするための同期信号を出力する。
DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である画像のデータを、アナログ信号に変換する。具体的には、当該画像のデータが有する色のデータに基づいて、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号を生成する。R,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)で表現される。したがって、R,G,B信号は、それぞれ、赤、緑、青の色を256階調で表現でき、当該R,G,B信号により、約1677万の色の表現が可能となる。R,G,B信号の各々は、8ビットに変換されると、特別図柄表示部9へ送信される。なお、R,G,B信号の各々は、8ビットに限定されることなく、7ビット以下または9ビット以上で表現されてもよい。
また、本実施の形態では、DAC462を設け、デジタルの色データをアナログの信号に変換するような構成としているが、本発明はこのような構成に限定されることはない。たとえば、DAC462を設けずに、表示制御部460と特別図柄表示部9とをデジタルインタフェースで接続するような構成とすれば、表示制御部460から特別図柄表示部9へデジタルの信号をそのまま送信できる。
次に、VDP320による変動表示制御処理を説明する。遊技制御コマンドに、特別図柄表示部9の変動表示を行なわせるためのコマンドデータが含まれている場合、ROM313に記憶されている制御プログラムに従って、指定された変動パターンデータをROM313から読出し、当該変動パターンデータに含まれる表示画像特定データから特定される画像を特別図柄表示部9に表示させる変動表示制御データをコマンド送信処理によりVDP320へ送信する。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、変動表示画像(たとえば図6(c)の520)に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから変動表示画像(たとえば図6(c)の520)に表示される複数の識別情報画像の各々を、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する。幾何学変換処理部412が、当該画像を生成する際には、必要に応じて、パレットバッファ420a、CGデータバッファ420bを使用する。
なお、識別情報画像が、たとえば、JPEG方式で圧縮された画像であれば、幾何学変換処理部412にデータが送信される前に、画像伸張部440が、画像のデータを伸張し、当該伸張後のデータが、幾何学変換処理部412に送信される。
また、アトリビュートに画像を半透明で表示することを指示するデータ(以下においては、半透明表示データとも称する。なお、当該半透明表示データには、半透明の度合いを示す半透明設定値も含まれる)があれば、半透明輝度変調部414が、識別情報画像のうち、指定された画像の一部またはすべてを半透明設定値に応じて、半透明にした透過画像を生成する。なお、半透明設定値は、“0”〜“100”の間で設定され、半透明設定値が“0”の場合は、識別情報画像は、半透明にされない。半透明設定値が“50”の場合は、識別情報画像を50%半透明にした画像が生成される。半透明設定値が“100”の場合は、識別情報画像を100%半透明にした画像、すなわち、識別情報画像は生成されない。
なお、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像の各々に対して、半透明設定値が、たとえば、“25”に設定されているとすると、半透明輝度変調部414が、当該複数の識別情報画像をそれぞれ25%半透明にした複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データ、アトリビュートに示される描画順序に応じて、変動表示画像(たとえば図6(c)の520)が生成される。
変動表示画像のデータ(以下においては、変動表示画像データとも称する)は、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された変動表示画像データが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像データをDAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像データを、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。
以上の制御により、特別図柄表示部9に変動表示画像(たとえば図6(c)の520)が表示される。
図5は、VDP195がスプライトの画像を表示させる制御動作の手順を説明する説明図である。CGROM330には、各キャラクタコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して16×16ドットのデータが記憶されている。この各16×16ドットの画像データをVRAM340の指定された各スプライト領域にマッピングして各スプライトを組合せることにより、VRAM340内において表示画像のデータを作成し、そのデータにパレットテーブル173を利用して着色した上で実表示画像172として変動表示装置8に表示させる。
1つの16×16ドットの画像データがマッピングされるスプライト領域の大きさは、小さければ小さいほど緻密で細かな映像を表示できる反面、全体としてスプライトの数が増加して表示制御動作の負担が増加して表示制御動作が遅くなる不都合が生じる。このような一長一短を考慮して本実施の形態においては16×16ドットの大きさのデータにしている。このCGROM330には、各種図柄を表示させるための画像データ(16×16ドットのデータ)や、変動表示装置8の表示画面の背景を構成する画像データ(16×16ドットのデータ)等、各種画像データが記憶されている。
アトリビュートテーブル174には、変動表示装置8の表示画面が切換えられる毎に切換えられた後の表示画面に必要な表示データが演出制御用マイクロコンピュータ100によって記憶される。アトリビュートテーブル174の記憶データは、変動表示装置8の表示画面に表示される所定領域であるスプライトの表示位置と色情報と表示画面上での優先順位、拡大率、半透明混合率とキャラクタコードとを含んでいる。変動表示装置8の表示画面上では、複数種類のスプライト領域が一部または全部重ね合わせられて表示される場合があり、その重ね合わせがVRAM340上で行なわれる。その重ね合わせの際に、どちらのスプライトを優先して表示させるかが、優先順位情報で決定される。半透明混合率は1〜0の数値となり、不透明度を表す。1未満であったときの残りは透明分である。半透明混合率が低いとその画像は薄く表示されることになる。重ね合わせる部分を混合する場合には半透明混合率が使用され、半透明混合率により重ね合わせられるときの表示データとしては、色情報などが混合される。拡大率はその表示データがもつ形状サイズの拡大率であり、1〜0の数値となる。
たとえば、アトリビュートテーブル174のアドレス0と同じ位置情報をもち、重ね合わせられる別画面のアトリビュートテーブルに記載されている表示データが仮にアトリビュートテーブル174のアドレス255に記載されている表示データであった(但し位置情報は除く。)とする。この場合、アドレス0の優先順位がアドレス255の優先順位より高く、かつ、アドレス0の半透明混合率が1であるために、アドレス0の表示データが採用される。また、アドレス0の半透明混合率が0.8、アドレス255の半透明混合率が0.6であったときはアドレス0の優先順位が高いためにアドレス0の表示データが半透明混合率に従い0.8採用され、残りの0.2にアドレス255の表示データが採用されて色情報が混合される。また、アドレス0の半透明混合率が0.4、アドレス255の半透明混合率が0.4であったときはアドレス0とアドレス255の表示データがそれぞれの半透明混合率に従い0.4ずつ採用され、残りの0.2は透明分となり、その分薄い画像となる。
パレットテーブル173は、色データを0〜15の16種類にグループ分けして記憶しており、その1グループ(1パレット)内においてさらに0〜15の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のどのグループのパレットを選択指定するかがアトリビュートテーブル174の色情報によって行なわれる。キャラクタコード(種類情報)とは、CGROM330に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別用の番号のことである。
位置情報とは、選択された画像データを表示するスプライト領域を表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、VRAM340上にその画像データをマッピングする際の表示座標を指定するためのデータである。なお、図5では、VRAM340の左上が座標(0,0)の原点である。
VRAM340上にマッピングされた画像データに対してどのグループの色を使用するかが、アトリビュートテーブル174の色情報によって選択指定される。このVRAM340内にマッピングされた画像データが変動表示装置8に表示されるべく出力され、その出力された画像データに対し前述した色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データに従って着色処理がなされ、その着色処理された後の画像データが特別図柄表示部9により表示される。
CGROM330には、前述したように、画素データが0〜15×0〜15のマトリックス状に配列された1単位の画像データが複数種類記憶されている。この16×16ドットのデータ毎にキャラクタコードが付されており、アトリビュートテーブル174の種類情報(キャラクタコード)によってそのキャラクタコードが指定されて選択されるように構成されている。
16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に0〜15の4bitの情報が記憶できるようになっている。この0〜15の4bitデータは、選択されたパレット(グループ)内に記憶されている0〜15の各色データを選択指定するものである。その結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データを指定してその指定された色データが変動表示装置8に表示される。すなわち、色指定の最小単位は1画素(1ピクセル)である。
以上の構成において、所定の表示箇所にたとえば「●」を表示する制御が演出制御用マイクロコンピュータ100によりなされた場合には、その表示制御用のデータがCPU198からVDP195に伝送される。VDP195では、その伝送されてきた表示制御用データに含まれている「●」を表示する旨の指令に基づいて、「●」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のキャラクタコードを割出し、さらに伝送されてきた制御用データに含まれている実行カウント値に基づいてスプライトの表示位置を特定する。その特定されたキャラクタコードと表示位置との2つを満たしている属性データを記憶しているアトリビュートテーブル174のアドレスを割出す。その割出されたアドレス(図5の場合にはアドレス0)に記憶されている属性データを用いて画像表示制御がなされる。具体的には、図5を参照して、「●」に対応するキャラクタコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)をCGROM330から読出して、そのデータをVRAM340上にマッピングする。そのマッピングの際には、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている位置情報(30,200)の座標データを用いて、VRAM340上でスプライトの左上コーナ部分が座標(30,200)に位置するようにマッピングされる。そしてこのスプライトは、優先順位のデータが高く設定されているために、他のスプライトと重複されたとしてもこのスプライトの方が優先して表示されることとなる。
次に、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であるために、パレットテーブル173のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理がなされる。具体的には、VRAM340上にマッピングされた16×16ドットデータのスプライト領域にこのパレット15のデータが用いられ、16×16ドットの各画素を構成する4bitのデータがたとえば「2」の場合には、「2」のデータすなわち左から数えて3番目のデータであるR(レッド)が10でG(グリーン)が10でB(ブルー)が10のデータでその画素(ピクセル)が着色処理なされ、実表示画像172として表示される。またVRAM340にマッピングされた16×16ドットのデータ中のあるドットデータが「14」のときには、パレット15における「14」すなわち右から数えて2番目のデータであるRが10でGが9でBが0のデータによりその画素(ピクセル)が着色処理される。このようにしてたとえば、「●」の画像が表示される。
以上説明したように、CPU312は、CGROM330に記憶されている複数の識別情報画像生成データ(16×16ドットのデータ)の少なくとも1つの識別情報画像生成データを特定する表示画像特定手段としての機能、その表示画像特定手段により特定される識別情報画像生成データから生成する識別情報画像の表示位置を経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように各タイミング別に位置指定する表示位置指定手段としての機能を有している。また、VDP320は、図2に示すように、識別情報画像生成データ記憶手段(CGROM330)に記憶されている識別情報画像生成データを読み出し、その識別情報画像生成データから識別情報画像を生成して画像データ記憶手段(VRAM340)に記憶させ、その記憶された識別情報画像を特別図柄表示部9に出力する第1描画手段としての機能、表示位置指定手段(CPU312)による位置指定に従って位置特定識別情報画像(たとえば、図7の変動表示画像535)を生成する識別情報画像生成手段としての機能、識別情報画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像(たとえば、図7の変動表示画像535)と、画像データ記憶手段(VRAM340内の領域341)に記憶されている前のタイミングの表示画像のデータに基づく表示画像(たとえば、図7の変動表示画像530)と、を合成し、その合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段(たとえば、VRAM340内の領域341)に上書き記憶させ、その合成画像を変動表示装置に出力する第2描画手段としての機能、識別情報画像生成データ記憶手段に記憶されている識別情報画像生成データを読み出して特別図柄表示部9の前面側に表示する前面側識別情報画像(たとえば、図16の「6」からなる図柄1)とその前面側識別情報画像の後面側に表示する後面側識別情報画像(たとえば、図16の「7」からなる図柄2)と、を合成した合成画像(たとえば、図16の合成図柄69の画像)を生成する合成画像生成手段としての機能を有している。これら各機能の詳細は、後述する。
図6〜図12は、スーパーリーチBが表示されるときの第1演出制御を示す図である。
図6(a)は、有効ラインL1上にリーチが成立し、中変動表示領域において変動表示が行なわれているときの変動表示画像500を示す図である。なお、以下に説明する変動表示画像のサイズは、一例として、横480ドット、縦640ドットであるとする。また、変動表示画像において、左上の座標値を(0,0)、右下の座標値を(640,480)とする。
変動表示画像500には、識別情報(たとえば、数字の“0”〜“9”)をそれぞれ有する複数の識別情報画像が表示される。当該複数の識別情報画像は、一例として、“6”の識別情報を表示する識別情報画像、“7”の識別情報を表示する識別情報画像、“8”の識別情報を表示する識別情報画像である。変動表示画像500に表示される識別情報画像は、平面で構成されるスプライトである。なお、識別情報画像は、スプライトに限定されることなく、3Dオブジェクトであってもよい。
図6(b)は、リーチ成立後に特別図柄表示部9に表示される爆発のアニメーションを示す画像510である。図6(c)、図6(d)、図6(e)、図6(f)および図6(g)は、画像510の表示後に順に表示される変動表示画像520、530、540、550、560をそれぞれ示す。図6(h)は、すべての表示結果が導出表示された変動表示画像570を示す図である。
図7は、図6に示した変動表示画像530,540,550の生成方法を示す図である。
図7(a)は、変動表示画像520に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則(詳細は後述)に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像525を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像520と、変動表示画像525とを合成することにより変動表示画像530が生成されることを示す図である。
図7(b)は、変動表示画像525に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像535を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像530と、変動表示画像535とを合成することにより変動表示画像540が生成されることを示す図である。
図7(c)は、変動表示画像535に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像545を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像540と、変動表示画像545とを合成することにより変動表示画像550が生成されることを示す図である。
次に、変動表示画像に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて変化させる場合の、当該所定の規則について説明する。
図8は、表示位置指定手段により指定される、所定の規則に基づいて変化する識別情報画像の表示位置を示す図である。当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに楕円軌道を描くものである。なお、楕円軌道は、時計周りであってもよいし、反時計周りであってもよい。
また、当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに閉軌道としての楕円軌道を描くものに限定されることなく、たとえば、円軌道、多角形(三角形、六角形等)の軌道であってもよい。また、閉軌道でなく、直線または曲線上の軌道であってもよい。
図8(a)は、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の順にそれぞれの画像が合成表示されたときの表示順を示した図である。なお、以下においては、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586が合成表示された画像を残像画像Mとも称する。当該残像画像Mを生成するための残像画像生成指示は、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後、CPU212がCPU312に対して行なう。
識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の順に前面に表示される。すなわち、識別情報画像522が最背面に表示され、識別情報画像586が最前面に表示される。
図8(b)は、前述の図8(a)の説明に従った実際の識別情報画像の表示状態を示す図である。
図9は、識別情報画像に対応する設定値を示す表である。図9(a)に示される表1は、図8(a)に示される識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、表示位置指定手段が指定する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)(通常変動表示の座標値に加算される座標値)と、拡大縮小データとしての拡大・縮小率と、透過率データとしての半透明設定値との関係を示す表である。なお、表1に示される拡大・縮小率、半透明設定値は、拡大縮小データ記憶手段および透過率データ記憶手段としてのROM313に記憶される。
まず、閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)について説明する。表1に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のうち、X座標については、
X=24×cos(CT×π/24) ・・・(1)
によって求められ、
Y座標については、
Y=12+12×sin(CT×π/24) ・・・(2)
によって求められる。CTは閉軌道カウンタであり、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なったとき、“0”〜“14”の範囲内で、描画制御部410により画像が生成され、該生成された画像がVRAM340に記憶される毎に、CPU312により、初期値として設定される“12”から“2”ずつ加算更新され、その上限である“14”まで加算更新されると、再度“0”から“2”ずつ加算更新される。前述した式(1)および式(2)に閉軌道カウンタCTを代入すると、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、表1に示す閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)が求められる。
したがって、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586を、順に表示することによって図8(a)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、前述の式(1)を
X=−24×cos(CT×π/24) ・・・(1a)
と変形し、式(1)および式(2)の代わりに式(1a)および式(2)を使用して、前述の閉軌道カウンタCTを式(1a)および式(2)に代入して求められた座標値を逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)とする。そして、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586を、順に表示することによって図6(a)に示されるのとは逆で、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、閉軌道カウンタCTは“0”〜“15”の範囲内で、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なったとき、描画制御部410により画像が生成され、該生成された画像がVRAM340に記憶される毎に、CPU312により、初期値として設定される“12”から“1”ずつ加算更新されてその上限である“15”まで加算更新されると、再度“0”から“1”ずつ加算更新されるカウンタであってもよい。
この場合、前述した式(1)および式(2)より、各々が異なる16個の閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)が求められ、通常の変動表示の座標値に当該16個の閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像を順に表示することで、前述した各々が異なる8個の座標値に識別情報画像を表示するときよりも、識別情報画像が時計回りになめらかな楕円軌道を描くよう表示することができる。
次に、表1に示される「拡大・縮小率」について説明する。表1の「拡大・縮小率」の列に記載される数字が“100”であれば識別情報画像を拡大または縮小もせず、“50”であれば識別情報画像を縦と横ともに2分の1に縮小した画像を生成し、“120”であれば識別情報画像を縦および横ともに120%に拡大した画像を生成する。
表1に示される「拡大・縮小率」は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586全てについて、“120”に設定される。
表1に示される前述した「半透明設定値」は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586全てについて、“25”に設定される。
したがって、表1の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)、「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、図8(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が拡大・縮小率が120%で、かつ、透過率が25%の識別情報画像に変換され、当該変換された識別情報画像は、時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、表1に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)の代わりに前述した逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のデータと、表1の「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、識別情報“7”を示す識別情報画像が、拡大・縮小率が120%で、かつ、透過率が25%の識別情報画像に変換され、当該変換された識別情報画像は、図8(b)に示されるのとは逆で、時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
図10は、表示位置指定手段により指定される、所定の規則に基づいて変化する識別情報画像の表示位置を示す図である。当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過(1フレーム毎)とともに楕円軌道を描くものである。なお、楕円軌道は、時計周りであってもよいし、反時計周りであってもよい。
また、当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに閉軌道としての楕円軌道を描くものに限定されることなく、たとえば、円軌道、多角形(三角形、六角形等)の軌道であってもよい。また、閉軌道でなく、直線または曲線上の軌道であってもよい。
図10(a)は、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過(1フレーム毎)とともに、時計回りに閉軌道としての楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像となる識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aが、当該識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの順にそれぞれの画像が合成表示されたときの表示順を示した図である。なお、以下においては、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aが合成表示された画像を残像画像Nとも称する。当該残像画像Nを生成するための残像画像生成指示も、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後、CPU212がCPU312に対して行なう。
なお、残像画像Nを生成するための残像画像生成指示も、CPU212によりリーチを成立させることが決定された場合すべてにおいて、CPU212が行なうものでなくてよい。すなわち、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後に、CPU212が内部的な抽選を行い、当該抽選の結果によってCPU212が残像画像生成指示を行なうか否かを決めてもよい。
識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々は、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの順に前面に表示される。すなわち、識別情報画像522aが最背面に表示され、識別情報画像586aが最前面に表示される。
図10(b)は、前述の図10(a)の説明に従った実際の識別情報画像の表示状態を示す図である。
図9(b)に示される表2は、表1と同様、図10(a)に示される識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々について、閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)に加算される座標値)と、拡大・縮小率と、半透明設定値との関係を示す表である。なお、表1に示される拡大・縮小率、半透明設定値は、前述した変動パターンデータに含まれる。
識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)は、前述の式(1)および式(2)により、前述したのと同様に求められる。
したがって、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aを、順に表示することによって図10(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
表2に示される、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「拡大・縮小率」は、時間経過とともに識別情報画像が拡大するように設定される。そのため、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)および「拡大・縮小率」のデータを使用して、画像を生成すると、図10(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大されるように表示される。
なお、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「拡大・縮小率」は、時間経過とともに識別情報画像が縮小するように設定されてもよい。このとき、当該「拡大・縮小率」のデータと、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のデータを使用して、画像を生成すると、図10(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大されるように表示される。
表2に示される、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「半透明設定値」は、時間経過とともに識別情報画像の透過率が小さくなる。すなわち、半透明である画像が徐々に半透明でない画像になるように設定される。そのため、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)、「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、図10(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるように表示される。
なお、表2に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)の代わりに前述した逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)にのデータと、表2の「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、識別情報“7”を示す識別情報画像が、図10(b)に示されるのとは逆で、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるように表示される。
次に、図8(b)に示す識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586のように、識別情報画像の各々が時間経過とともに楕円軌道を描く画像(残像画像M)を生成する制御について説明する。なお、当該残像画像は、以下に示す残像画像生成処理により生成される。
図11は、CPU312の制御動作を示し、コマンド解析処理のプログラムを示すフローチャートである。SA1により、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かの判断がなされる。前述したように、遊技制御基板210から何らかのコマンドデータが演出制御用マイクロコンピュータ310に送信されてくれば、演出制御用マイクロコンピュータ310のコマンドバッファに一時記憶さえる。そのコマンドバッファに受信コマンドが記憶されていない場合にはこのコマンド解析処理が終了するが、受信コマンドが記憶されている場合にはSA2へ進み、その受信コマンドを読出し、SA3により、そのコマンドが停止図柄コマンドであるか否かの判断がなされる。停止図柄コマンドである場合にはSA4に進み、その停止図柄コマンドにより指定された各図柄(左,中,右図柄)の図柄番号をそれぞれの停止図柄格納エリアに格納する処理がなされてSA1へ戻る。
受信コマンドが変動パターンコマンドである場合には、SA5によりYESの判断がなされてSA6へ進み、その変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがスーパーリーチAであるか否かの判断がなされる。スーパーリーチAである場合にはSA7へ進み、中図柄を通常より低速で回転させるとともに通常より多くの回転回数だけ回転させる低速回転増し演出の処理がなされた後SA1へ戻る。このSA7の制御の結果、中図柄について、通常より低速度で変動制御されるとともに、通常より多くの回転回数変動表示された後停止制御されることとなる。
変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがスーパーリーチBの場合にはSA8によりYESの判断がなされてSA9へ進み、残像画像生成処理がなされた後SA1へ戻る。この残像画像生成処理は、図6〜図10に基づいて第1演出制御として説明した演出制御のことである。
変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがスーパーリーチCの場合にはSA10によりYESの判断がなされてSA11へ進み、合成画像演出処理がなされた後SA1へ戻る。この合成画像演出処理の詳細は後述する。
変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが通常変動パターンの場合には、SA12に進み、通常変動処理がなされた後SA1へ戻る。この通常変動パターンは、何ら演出制御を行なわない変動パターンのことであり、具体的には、リーチが何ら表示されないときの変動パターンまたは前述したノーマルリーチが表示されるときの変動パターンである。このようなときには、SA12により、特別図柄表示部9による図柄の変動表示において何ら演出表示がなされることなく図柄の変動表示が終了した後事前決定されている予定停止図柄が停止表示される。
図12は、図11のSA9に示された残像画像生成処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図3、図6、図7、図8、図9および図12を参照して、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なうと、残像画像生成処理のS100の第1画像の生成処理が行なわれる。
S100では、表示位置指定手段(CPU312)が、閉軌道カウンタCTの初期値を“12”に設定し、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
そして、CPU312は、VDP320に対し、変動表示画像520を生成するための変動表示制御データを送信する。当該変動表示制御データには、表示位置データ、「拡大・縮小率」が“120”のデータ、「半透明設定値」が“25”のデータが含まれる。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像の各々を、「拡大・縮小率」のデータ“120”に基づいて、120%拡大した拡大画像として生成する。
そして、半透明輝度変調部414が、「半透明設定値」のデータ“25” に基づいて、当該複数の拡大画像をそれぞれ25%透過させた複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データが示す座標値に、対応する複数の透過画像を表示した透過画像(変動表示画像520)が生成される。すなわち、変動表示画像520が第1画像となる。その後、残像画像生成処理のS101の処理が行なわれる。
以下に説明するS101〜S101aでは、1フレーム目に表示する画像を生成、出力する処理である。
S101では、第1画像としての変動表示画像520のデータが、データ転送制御部450からの指示により、画像データ記憶手段(VRAM340)の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS101aの画像表示処理が行なわれる。
S101aでは、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第1画像としての変動表示画像520のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像520のデータをDAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像520のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第1画像としての変動表示画像520が表示される。その後、残像画像生成処理のS102の位置変更画像の生成処理が行なわれる。
以下に説明するS102〜S108では、前述したS101〜S101aの処理により表示された1フレーム目の次に表示されるフレームとして表示する画像を生成、出力する処理である。
S102では、表示位置指定手段(CPU312)が、“12”に設定されている閉軌道カウンタCTに“2”を加算し“14”とし、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(17,3)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(17,3)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
その後、「拡大・縮小率」のデータ、「半透明設定値」のデータ、表示位置データのデータに基づいて画像生成手段により変動表示画像525が生成される。変動表示画像525が生成されるまでの処理は、前述した変動表示画像520が生成されるまでの処理と同様である。すなわち、変動表示画像525が位置変更画像となる。その後、残像画像生成処理のS103の画像データ記憶処理が行なわれる。
S103では、位置変更画像としての変動表示画像525のデータが、データ転送制御部450からの指示により、画像データ記憶手段(VRAM340)の領域Bに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS104の第2画像生成処理が行なわれる。
S104では、データ転送制御部450からの指示により、描画制御部410が、VRAM340内の領域Aに記憶された第1画像としての変動表示画像520のデータと、VRAM340内の領域Bに記憶された位置変更画像としての変動表示画像525のデータとを読み出す。
そして、画像合成手段(描画制御部410)が、第1画像としての変動表示画像520と位置変更画像としての変動表示画像525とを合成した合成画像を生成する。該合成画像が、図6および図7に示される変動表示画像530である。すなわち、当該変動表示画像530が第2画像となる。その後、残像画像生成処理のS106の画像データ記憶処理が行なわれる。
S106では、第2画像としての変動表示画像530のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS108の画像表示処理が行なわれる。
S108では、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像530のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像530のデータを、S101aで変動表示画像520のデータを送信してから30分の1秒後に、DAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像530のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第2画像としての変動表示画像530が表示される。すなわち、特別図柄表示部9には、変動表示画像520が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像530が表示される。その後、残像画像生成処理のS112の位置変更画像の生成処理が行なわれる。
S112では、CPU312が、“14”に設定されている閉軌道カウンタCTに“2”を加算し“0”とし、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(24,12)を求める。そして、CPU312は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(24,12)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
その後、「拡大・縮小率」のデータ、「半透明設定値」のデータ、表示位置データのデータに基づいて変動表示画像535が生成される。変動表示画像535が生成されるまでの処理は、前述した変動表示画像520が生成されるまでの処理と同様である。すなわち、変動表示画像535が位置変更画像となる。その後、残像画像生成処理のS113の画像データ記憶処理が行なわれる。
S113では、位置変更画像としての変動表示画像535のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Bに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS114の第2画像生成処理が行なわれる。
S114では、データ転送制御部450からの指示により、描画制御部410が、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像530のデータと、VRAM340内の領域Bに記憶された位置変更画像としての変動表示画像535のデータとを読み出す。
そして、描画制御部410が、第2画像としての変動表示画像530と位置変更画像としての変動表示画像535とを合成した合成画像を生成する。該合成画像が、図6および図7に示される変動表示画像540である。すなわち、当該変動表示画像540が第2画像となる。その後、残像画像生成処理のS116の画像データ記憶処理が行なわれる。
S116では、第2画像としての変動表示画像540のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS118の画像表示処理が行なわれる。
S118では、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像540のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像540のデータを、S108で変動表示画像530のデータを送信してから30分の1秒後に、DAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像540のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第2画像としての変動表示画像540が表示される。すなわち、特別図柄表示部9には、変動表示画像530が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像540が表示される。その後、残像画像生成処理のS119の処理が行なわれる。
S119では、特別図柄表示部9に第2画像を7回表示したか否かが判定される。このとき、第2画像を7回表示してはいないので、前述したS112の処理が行なわれる。
その後、S112〜S118までの処理により、前述した変動表示画像540の場合と同様に、変動表示画像550が生成され、特別図柄表示部9に第2画像として、変動表示画像540が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像550が表示される。
その後、再度、S112〜S118までの処理により、前述した変動表示画像540の場合と同様に、変動表示画像560が生成され、特別図柄表示部9に第2画像として、変動表示画像550が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像560が表示される。
そして、S112〜S118までの処理が数回繰り返され、S119により、第2画像を7回表示したと判定されたとき、すなわち、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々が図8(b)に示されるような状態になった画像である第2画像が表示されると、S120の処理に移行する。
変動表示画像520,530,540,550,560およびそれ以後に生成される3枚の変動表示画像が30分の1秒間隔で特別図柄表示部9に表示されるので、特別図柄表示部9には、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々が、時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すよう表示される。
また、合成した画像のデータをVRAM340から消去せず、当該合成した画像と識別情報画像の位置を少し移動させた画像とを合成することにより合成画像を生成し、再度、合成画像のデータをVRAM340から消去せず、当該合成画像と、さらに、識別情報画像の位置を少し移動させた画像とを合成するといった処理を繰り返す、すなわち、生成した合成画像のデータの再利用を繰り返すことで、生成する画像を低減することができるので、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像(残像画像M)を生成するためのVDP320の処理負担は、合成画像を表示する毎にVRAMのデータを消去し、前述の残像画像Mを生成する場合よりも軽減される。その後、残像画像生成処理のS120の処理が行なわれる。
S120では、VRAM340内の領域Aに記憶されている第2画像のデータおよびVRAM340内の領域Bに記憶されている位置変更画像のデータが消去(クリア)される。S120において所定の処理が行なわれると、この残像画像生成処理は終了し、リターンする。
なお、当該残像画像生成処理は、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なわれる。その結果、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
また、残像画像生成処理において、CPU312が、式(1)、式(2)の代わりに、前述した式(1a)および式(2)を使用して、表示位置データを設定し、残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示するまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
以上説明したような画像表示を、たとえば、爆発のアニメーションを示す画像510が表示された後に行なうことで、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像が爆発の影響を受けて、ぶれながらスクロール表示するといった演出を行なうことができ、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
また、合成した画像を、再度、合成画像を生成するための画像として再利用するといった処理を繰り返すことで、生成する画像を低減することができるので、画像処理の負担を軽減することができる。
次に、図10(b)に示す識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aのように、識別情報画像の各々が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になる画像(残像画像N)を生成する制御について説明する。なお、当該残像画像は、前述した残像画像生成処理により生成される。
次に、図4、図6、図7、図9、図10および図12を参照して、CPU212が残像画像Nを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なうと、残像画像生成処理のS100の第1画像の生成処理が行なわれる。
S100では、表示位置指定手段(CPU312)が、閉軌道カウンタCTの初期値を“12”に設定し、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
そして、CPU312は、VDP320に対し、変動表示画像520を生成するための変動表示制御データを送信する。当該変動表示制御データには、表示位置データ、「拡大・縮小率」が“50”のデータ、「半透明設定値」が“85”のデータが含まれる。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、生成する変動表示画像に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから、生成する変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々を、「拡大・縮小率」のデータ“50”に基づいて、50%縮小した縮小画像として生成する。
そして、半透明輝度変調部414が、「半透明設定値」のデータ“85” に基づいて、当該複数の縮小画像をそれぞれ85%透過させた複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データが示す座標値に、対応する複数の透過画像を表示した透過画像(変動表示画像)が生成される。その後、残像画像生成処理のS101の処理が行なわれる。
残像画像Nを生成するときのS101〜S120の処理においては、残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理のS101〜S120と比較して、「拡大・縮小率」のデータが“120”で一定である代わりに時間経過とともに識別情報画像が拡大するよう設定される点と、「半透明設定値」が“25” で一定である代わりに時間経過とともに識別情報画像の透過率が高くなる用に設定される点が異なだけで、それ以外の処理は、残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理のS101〜S120と同様である。
その後、前述の残像画像Nを生成するときの残像画像生成処理は、リーチが成立し、表示結果が導出表示するまで、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なわれる。その結果、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になる画像であって、残像を残すような画像が表示される。
したがって、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるような、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
次に、注目させたい画像のみを認識し易くする制御について説明する。中変動表示領域で変動表示される識別情報画像は、前述した最終停止識別情報画像であるので、当該最終停止識別情報画像の「半透明設定値」を、右変動表示領域および左変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の「半透明設定値」よりも大きく設定する。たとえば、最終停止識別情報画像の「半透明設定値」を“0”に設定(透過させない画像)、右変動表示領域および左変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の「半透明設定値」を“80”に設定(80%半透明にした画像)する。
そして、前述の残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、最終的に停止表示される、中変動表示領域で変動表示される識別情報画像のみをはっきりと表示させることができ、遊技者は注目すべき画像を認識し易くなる。
なお、注目させたい画像は、中変動表示領域で変動表示される識別情報画像に限られることなく、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像の「半透明設定値」のうち、注目させたい識別情報画像の「半透明設定値」を“0”または“0”に近い値に設定することで、より多彩な遊技の演出表示を行なうことができる。
次に、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示する制御について説明する。一例として、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示する制御について説明する。
前述した残像画像生成処理において、表示位置指定手段(CPU312)が、前述した式(1)、式(2)を使用して、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の表示位置データを設定し、前述した式(1a)、式(2)を使用して、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像の表示位置データを設定する。
そして、当該残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、中変動表示領域で変動表示される最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
したがって、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示することで、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
次に、特別図柄表示部9に変動表示画像が表示されるときの演出制御について説明する。
再び、図2を参照して、CPU312は、前述した変動表示画像を表示する変動表示制御処理を行なうと同時に、演出効果音制御処理および遊技演出ランプ制御処理を行なう。
演出効果音制御処理では、特別図柄表示部9に所定の演出を行なうための所定の変動表示画像(たとえば、大当りの予告を行なう画像)が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、効果音をスピーカ41から発生させるための効果音データをROM313から読出し、効果音データをコマンド送信処理によりスピーカ41へ送信する。スピーカ41は、効果音データに応じて、効果音を出力する。
遊技演出ランプ制御処理では、特別図柄表示部9に所定の変動表示画像が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、ランプ演出を行なうランプ演出データをROM313から読出し、ランプ演出データをコマンド送信処理により遊技演出ランプ25へ送信する。
遊技演出ランプ25は、ランプ演出データに応じて、ランプを所定時間点灯させたり、点滅させたりする。
以上説明した制御により、特別図柄表示部9において、変動表示画像を表示させることと、当該変動表示画像に応じた音やランプ等の演出を実行することが可能となる。
次に、スーパーリーチCが表示されるときの第2演出制御を説明する。図13〜図21は、スーパーリーチCが表示されるときの第2演出制御を示す図である。前述の第1演出制御では、VRAM340の領域A341と領域B342との両方を使用したが、この第2演出制御では、VRAM340の領域A341のみを使用する。先ず、第2演出制御として行なわれる変動表示装置8に2つの画像をα合成して表示する合成画像69を表示させる制御動作の手順を説明する。この場合、遊技制御手段191の特定情報送信手段(出力ポート)57Aから決定されている変動パターン情報が表示制御手段164の特定情報受信手段(入力ポート)57Bに指示される。表示制御手段164の演出制御用マイクロコンピュータ100のCPU198が受信した変動パターン情報を分析し、タイミングデータにより、変動表示装置8に表示すべき内容を指令する。
図21の(f)に変動表示タイムスケジュールを例示している。本実施の形態では、表示結果が全て導出表示されるまでに、中変動表示領域において変動表示される中図柄(識別情報画像)が最後に停止表示されるものとし、最後に停止表示される識別情報画像を最終停止識別情報画像とも称する。変動表示が開始され例えば左図柄が「7」で確定し、右図柄も「7」で確定すると、あと中図柄が「7」で確定するかどうかのリーチ状態になる。ここで、スーパーリーチCが演出表示される場合には合成画像演出が行なわれることとなる。この合成画像演出では、最後に停止する中図柄が「7」で止まりそうなのに次第にその画像が薄くなり代わりに「6」が次第に明瞭な画像として表示されてくる。これはダメかと思っていると、また「7」が明瞭になってきて「7」が最終停止図柄として確定し、めでたく確変大当りとなるなどの演出表示である。この様子は図16〜18に示されている。
図16では変動表示装置8の前面側に表示される図柄1「6」が時間経過とともにその画像が薄くなっていき、後面側に表示される図柄2「7」が時間経過とともにその画像が大きくなるとともにその画像が次第に濃くなっていく。この前面側に表示される図柄1「6」と後面側に表示される図柄2「7」をα合成により合成した画像を合成画像69として表示している。T20、T40、T60、T80は図15に示す経過時間である。この図16は第1、第3、第5の各α合成処理の様子を例示している。なお、α合成による合成画像69の色調の合成、たとえば、前面側に表示される図柄1「6」と後面側に表示される図柄2「7」の重なった部分の色調の合成などについては後に詳述する。
第1α合成処理とは後述する第1ブレンド率データと、第1拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて前記後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に前記後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
第3α合成処理とは、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、後述する第3ブレンド率データと、第3拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
第5α合成処理とは停止識別情報特定手段65により特定された最終停止識別情報が後面側識別情報画像であると特定された場合に、後述する第5ブレンド率データと、第5拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
図17は図16の時間経過を逆にしたもので、変動表示装置8の前面側に表示される図柄1「6」が時間経過とともにその画像が次第に濃くなっていき、他方後面側に表示される図柄2「7」が時間経過とともにその画像が小さくなっていくとともにその画像が薄くなっていく。この前面側と後面側に表示される図柄を合成した画像を合成画像69として表示している。この図17は第2、第4、第6の各α合成処理の様子を例示している。このように図16では識別情報である図柄が「6」から次第に「7」に切換ろうとしており、図17では「7」から次第に「6」に切換ろうとしている。
第2α合成処理とは後述する第2ブレンド率データと、第2拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
第4α合成処理とは、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、後述する第4ブレンド率データと、第4拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
第6α合成処理とは停止識別情報特定手段65により特定された最終停止識別情報が前面側識別情報画像であると特定された場合に、後述する第5ブレンド率データと、第5拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成するものである。
図18では、前面側に表示される図柄1「6」が時間経過により次第にその画像が薄くなっていくとともに、画像の大きさも小さくなっていく点が図16と異なっている。すなわち、図16では画像の拡大率が1のまま変化しないが、図18では1から0.8、0.6、0.4、0.2と時間経過につれ縮小していく例を表している。この図18は第1α合成処理または第3α合成処理において、前面側識別情報拡大率データとして図15の拡大率Eテーブルが使用され、前面側識別情報のブレンド率としてCテーブルが使用されて生成された前面側識別情報画像が拡大率Fテーブルとブレンド率Dテーブルが使用されて生成された後面側識別情報画像と合成処理される様子を例示するものである。
図15(a)に合成情報データを例示している。この合成情報データでは、前面側と後面側との2つの図柄の合成時の形状大きさを表示の経過時間T0〜T100とともに如何に変化させるかを指示する画像の拡大率(縮小率)1〜0、2つの図柄の合成時の画像のブレンド率1〜0を例示している。図15において、拡大率のAテーブルは時間経過につれて拡大率が1のままで変化しないものであり、拡大率のBテーブルは時間T0から時間T100に向かって経過するにつれて画像の拡大率が次第に増大するものである。拡大率のEテーブルは時間T0から時間T100に向かって画像の拡大率が次第に低減するものであり、拡大率のFテーブルは拡大率のBテーブル同様時間経過につれて拡大率が増大する。
ブレンド率とは前面側と後面側に表示される図柄画像の合成比率を表し、前面側と後面側との和が1である。このブレンド率は、後述するα合成における不透明度を表すα値に相当する。この前面側と後面側の画像が使用するブレンド率により合成図柄における前面側と後面側の画像の明瞭さが決まってくる。図15において、ブレンド率のCテーブルは時間T0から時間T100に向かって次第にブレンド率が低減する、すなわち、見えにくくなっていくものであり、Dテーブルは時間T0から時間T100に向かって次第にブレンド率が増大する、すなわち、見え易くなっていくものである。2つの画像を合成する際には、合成されるそれぞれの画像のアトリビュートテーブルの半透明混合率にブレンド率を使用し、優先順位は無視し、それぞれのブレンド率を乗じた画像色調にする。
本願発明の第1ブレンド率データは前面側識別情報画像と後面側識別情報画像とを合成する際に、前面側識別情報画像と後面側識別情報画像とのブレンド率を経過時間に応じて指定するデータであって、前面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に下げるとともに、後面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に上げて指定するものであるから、たとえば、前面側識別情報画像に使用する場合のブレンド率データである図15のCテーブルと、後面側識別情報画像に使用する場合のブレンド率データである図15のDテーブルとが相当する。また、第1拡大率データは後面側識別情報画像のブレンド率(図15のDテーブル)に比例して経過時間に応じて徐々に拡大させる拡大率であるから、後面側識別情報画像に使用する場合の拡大率データである図15のBテーブル、Fテーブルが相当する。
第2ブレンド率データは前面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に上げるとともに、前記後面側識別情報画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に下げて指定するものであるから、たとえば、前面側識別情報画像に使用する場合のブレンド率データである図15のDテーブルと、後面側識別情報画像に使用する場合のブレンド率データである図15のCテーブルとが相当する。また、第2拡大率データは後面側識別情報画像のブレンド率(図15のCテーブル)に比例して経過時間に応じて徐々に縮小させる拡大率であるから、後面側識別情報画像に使用する場合の拡大率データである図15のEテーブルが相当する。
第3ブレンド率データは第1ブレンド率データのうち予め定めた特定の時間範囲内に限定されたデータであるから、たとえば、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、前面側識別情報画像に使用する場合の徐々に下げるブレンド率データである図15のCテーブルと、後面側識別情報画像に使用する場合の徐々に上げるブレンド率データである図15のDテーブルとが相当する。第3拡大率データは第1拡大率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータであるから、たとえば、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、後面側識別情報画像のブレンド率(図15のDテーブル)に比例して徐々に拡大させる、後面側識別情報画像に使用する場合の拡大率データである図15のBテーブルやFテーブルが相当する。
第4ブレンド率データは第2ブレンド率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータであるから、たとえば、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、前面側識別情報画像に使用する場合の徐々に上げるブレンド率データである図15のDテーブルと、後面側識別情報画像に使用する場合の徐々に下げるブレンド率データである図15のCテーブルとが相当する。第4拡大率データは第2拡大率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータであるから、たとえば、特定の時間範囲として図15のT20からT80に至る経過時間内で、後面側識別情報画像のブレンド率(図15のCテーブル)に比例して徐々に縮小させる、後面側識別情報画像に使用する場合の拡大率データである図15のEテーブルが相当する。
第5ブレンド率データは第3ブレンド率データまたは第4ブレンド率データから続くデータであって、後面側識別情報画像および前記前面側識別情報画像のブレンド率を指定するものであるから、図15の時間T81、T181(T19)からそれぞれT100、T200(T0)に至る時間内に使用される場合のブレンド率データである図15のCテーブル、Dテーブルが相当する。また、例外的に今まで進んできたブレンド率の増大または低減方向と逆の進行方向にある前面側または後面側の識別情報画像が最終停止識別情報と特定された場合は、図15の時間T80、T180(T20)からそれぞれT0、T100に至る時間内に使用される場合のブレンド率データである図15のCテーブル、Dテーブルが相当することになる。
第5拡大率データは第3拡大率データまたは第4拡大率データから続くデータであって、後面側識別情報画像の拡大率を指定するものであるから、図15の時間T81、T181(T19)からそれぞれT100、T200(T0)に至る時間内に使用される場合の拡大率データである図15のBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが相当する。また、例外的に今まで進んできた拡大率の増大または低減方向と逆の進行方向にある前面側または後面側の識別情報画像が最終停止識別情報と特定された場合は、図15の時間T80、T180(T20)からそれぞれT0、T100に至る時間内に使用される場合の拡大率データである図15のBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが相当することになる。
前面側識別情報拡大率データは合成画像生成手段が前面側識別情報画像と後面側識別情報画像とを合成する際に、前面側識別情報画像の拡大率を経過時間に応じて指定するデータであって、前面側識別情報画像のブレンド率に比例して徐々に変化させる拡大率であるから、前面側識別情報画像に使用する場合の前面側識別情報画像のブレンド率に比例して変化する拡大率データとなったときの図17のBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが相当する。
図16の前面側に表示される図柄1「6」は拡大率1のAテーブルとブレンド率のCテーブルを使用し、後面側に表示される図柄2「7」は拡大率のBテーブルとブレンド率のDテーブルを使用した例である。この時間経過に対して拡大率、ブレンド率が変化する様子を図15(a)、(b)に示している。図17の前面側に表示される図柄1「6」は拡大率のAテーブルとブレンド率のDテーブルを使用し、後面側に表示される図柄2「7」は拡大率のEテーブルとブレンド率のCテーブルを使用した例である。図18の前面側に表示される図柄1「6」は拡大率のEテーブルとブレンド率のCテーブルを使用し、後面側に表示される図柄2「7」は拡大率のFテーブルとブレンド率のDテーブルを使用した例である。この時間経過に対して拡大率、ブレンド率が変化する様子を図14(a)、(b)に示している。上記説明において、拡大率のBテーブル、Fテーブルは、ブレンド率のDテーブルのデータと比例しており、拡大率のEテーブルはブレンド率のCテーブルと比例している。また、ブレンド率のCテーブルは時間経過により次第に小さくなっていくのに対して、Dテーブルは逆に時間経過とともに次第に大きくなっていく。拡大率Bテーブル、Fテーブルも時間経過により次第に大きくなっていくのに対して、Eテーブルは時間経過とともに次第に小さくなっていく。
ここでα合成について説明する。α合成とは、元々画面に書いてあった方の画像Aに、これから描画しようとする方の画像Bを合成するに際して、
画像Aの色データ×(1.0−α)+画像Bの色データ×α・・・・「数式1」
で合成するものである。ここで、αは画像Bのブレンド率(不透明度)を表す。
たとえば、
画像Aの色が黄色であるときは、画像Aの色データは(rgb:1.0、1.0、0.0)となり、画像Bの色が空色がかった青色であるときは、画像Bの色データは(rgb:0.0、0.5、1.0)となり、画像Bのブレンド率(不透明度)が0.5のときは、αが0.5となり、これら各々の値を、「数式1」に代入して計算すると、
rgb(1.0、1.0、0.0)×(1.0−0.5)+rgb(0.0、0.5、1.0)×0.5
=rgb(0.5、0.5、0.0)+rgb(0.0、0.25、0.5)
=rgb(0.5、0.75、0.5)
半透明(ブレンド率α=0.5)の画像A(黄色(rgb:1.0、1.0、0.0))に半透明(ブレンド率α=0.5)の画像B(空色がかった青色(rgb:0.0、0.5、1.0))が重ねて表現された色(黄色がかった半透明の空色(rgb:0.5、0.75、0.5))となる。
図16において、たとえば経過時間T20ではその形状の大きさは図柄1「6」は拡大率1の大きさであり、図柄2「7」は拡大率0.2の大きさである。一方ブレンド率(α値)は図柄1「6」は0.8であり、図柄2は0.2である。たとえば図柄1「6」が緑色(rgb:0.0、1.0、0.0)であり、図柄2が赤色(rgb:1.0、0.0、0.0)であったとすると、合成図柄は図16に示すように、拡大率1の大きさの「6」と拡大率0.2の大きさの「7」の画像が重なった画像となり、この重なった部分はブレンド率(不透明度)が0.8に落ちた緑色の「6」部分とブレンド率(不透明度)が0.2に落ちた赤色の「7」部分とが重なって表現された、やや黄色がかった緑色(rgb:0.2、0.8、0.0)で表示される。図柄1「6」、図柄2「7」の識別情報画像の重なっていない部分はそれぞれブレンド率(不透明度)が0.8に落ちた緑色(rgb:0.0、0.8、0.0)の「6」部分とブレンド率(不透明度)が0.2に落ちた赤色(rgb:0.2、0.0、0.0)の「7」部分とが表示される。つまり、「6」はブレンド率(不透明度)が0.8に落ちた緑色であり、「7」はブレンド率(不透明度)が0.2と薄い赤色である。このようにブレンド率とは、その画像のα合成における不透明度α値を示している。本実施の形態では、図柄1、図柄2の「6」、「7」以外の部分は透明とするが、この何もない透明部分に別途指定の背景色を表示することにしてもよい。なお、本実施の形態においてはR,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)で表現される。
画像生成手段176(VDP195)は変動パターンに基づく制御データ66に応じてCPU198から指令される合成すべき前面側識別情報画像(図柄1)と後面側識別情報画像(図柄2)に関する画像データを画像データ記憶手段179(キャラクタROM193)から読み出し、使用する合成情報データを制御データ記憶手段178(演出制御用マイクロコンピュータ100の制御ROM197)から読み出す。次に読み出した前面側識別情報画像(図柄1)、後面側識別情報画像(図柄2)の合成情報データの使用する拡大率からそれぞれの図柄の経過時間毎の形状大きさと合成情報データの使用するブレンド率からそれぞれの図柄の経過時間毎の画像属性とを確定して、VRAM340の領域A341にα合成により経過時間(合成表示時間T0〜T100)毎の合成画像69を生成する。このようにしてパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた合成画像69を生成する。当該生成された画像データは、VRAM340の領域A341に一時的に記憶され、制御データ66に応じて、所定のタイミング(特別図柄表示部9に、たとえば、1秒間に30枚の画像を表示させるとき、30分の1秒)毎に特別図柄表示部9(変動表示装置8)にて表示すべく、表示装置駆動回路194に送信される。この詳細は図19〜図21のフローチャートを用いて後述する。
再び図5を参照して補足説明する。画像生成手段176が時間経過毎の合成すべき前面側識別情報画像(図柄1)と後面側識別情報画像(図柄2)に関する画像データを画像データ記憶手段179(CGROM330)から読み出すのは、各画像データの各スプライト領域毎にアトリビュートテーブル174の位置情報にしたがってCGROM330の指定キャラクタコードからドットデータを読み出す。また、アトリビュートテーブル174の色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データを読み出す。
使用する合成情報データを制御データ記憶手段178(演出制御用マイクロコンピュータ100の制御ROM197)から、図15の各図柄の表示時間経過毎の拡大率およびブレンド率を読み出し、上記で読み出した画像データに拡大率を乗じて形状に関する2つの画像データと、この2つの画像データの色データにブレンド率をそれぞれ乗じて2つの画像データをα合成処理して合成作成される各16×16ドットの画像データをVRAM340の領域A341の指定された各スプライト領域にマッピングしてVRAM340の領域A341内において表示画像のデータを作成し、実表示画像172として変動表示装置8に表示させる。
上記説明においては、画像データ記憶手段179(CGROM330)に各種識別情報画像(図柄)データを記憶させておくとともに、図15(a)に例示している合成情報データを制御データ記憶手段178に記憶させておき、CPU198から伝達された、合成される前面側識別情報画像(図柄1)、後面側識別情報画像(図柄2)およびこれらを如何に合成するかの合成情報データについても画像生成手段176が読み出す様に説明した。しかしながら何も図15(a)に例示する合成情報データ(Aテーブル〜Fテーブルの時間T0〜T100に対応するデータ)までも制御データ記憶手段178に記憶させることはない。経過時間(合成表示時間)TNのNさえ指定すれば、計算式によって求められるからである。この計算式はBテーブル、Dテーブル、Fテーブルは「0.01N」であり、Cテーブル、Eテーブルでは「1−0.01N」である。ここでNは経過時間TNのNであり、図15(a)では0〜100の場合を表で記載している。すなわち、画像データ記憶手段179(CGROM330)に計算式を記憶させておき、時間TNのNを指定すればよい。図15(b)にも参考として計算式を記載している。
前述の制御データ記憶手段178に第1〜第5ブレンド率データ、第1〜第5拡大率データ、前面側識別情報拡大率データを記憶させるように記載している。
たとえば、第1ブレンド率データとして前面側識別情報画像に使用する図15のCテーブル、後面側識別情報画像に使用するDテーブル、第2ブレンド率データとして前面側識別情報画像に使用するDテーブル、後面側識別情報画像に使用するCテーブル、第3ブレンド率データとして前面側識別情報画像に使用する図15のT20からT80に至る経過時間内のCテーブル、後面側識別情報画像に使用するT20からT80に至る経過時間内のDテーブル、第4ブレンド率データとして前面側識別情報画像に使用するT20からT80に至る経過時間内のDテーブル、後面側識別情報画像に使用するT20からT80に至る経過時間内のCテーブル、第5ブレンド率データとしては前面側または後面側の識別情報画像のいずれが明瞭に表示されようとしていたかの状況、前面側または後面側の識別情報画像のいずれが最終停止識別情報と特定されたかにより定まるCテーブルまたはDテーブルが使用される。
また、それぞれ後面側識別情報画像に使用する、第1拡大率データとして図15のBテーブルまたはFテーブル、第2拡大率データとしてEテーブル、第3拡大率データとして図15のT20からT80に至る経過時間内のBテーブルまたはFテーブル、第4拡大率データとしてT20からT80に至る経過時間内のEテーブル、第5拡大率データとしては前面側または後面側の識別情報画像のいずれが明瞭に表示されようとしていたかの状況、前面側または後面側の識別情報画像のいずれが最終停止識別情報と特定されたかにより定まるBテーブル、Eテーブル、Fテーブルのいずれかが使用される。前面側識別情報拡大率データとしては図15のBテーブル、Eテーブル、Fテーブルのいずれかが使用される。
しかし、これら記憶させておくデータは図15(a)に例示する各テーブルの時間T0〜T100などに対応する具体的数値データに限らず、図15(b)に参考として例示している計算式の場合をも含む概念である。このように具体的数値データの記憶に代えて計算式を記憶させることで、使用する記憶容量を削減させることができる。また、第1〜第5ブレンド率データ、第1〜第5拡大率データ、前面側識別情報拡大率データとしてそれぞれ独自のテーブルを設けてもよく、本実施の形態のように共通のテーブルとしてデータのロード順を変更してもよい。
次に図19〜図21に示すフローチャートを用いて説明する。図19は図11のSA11の合成画像演出処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S1にて演出制御用マイクロコンピュータ100のCPU198は遊技制御手段191から指示された変動パターンを分析し合成画像演出の変動パターンかどうかを判断する。次にS2にて計時手段175とタイミングデータから図21の(f)に示す変動表示タイムスケジュールの合成画像演出開始の時から最終停止図柄停止表示までの合成期間中であるかどうかを判断する。S1、S2でNOのときはこの合成画像演出処理を終了する。
次にS3では、図15の合成情報データの時間欄に示す時間Tが201以上であるかどうかを判断する。図15ではT0〜T100とTが100までしか記載されていないが、T100の次のT101、T102、・・・、T200はT99、T98、・・・、T0と逆方向に折返し、さらに続くならば、T201、T202、・・・、T300はT1、T2、・・・、T100とまた折り返すのである。YESのときはS4でTに「0」をセットしてから、NOのときはそのままS5に進む。S4の処理により、Tは201になると0に戻されるため、T202以上にならない。
S5では初期合成期間中であるかどうか判断される。初期合成期間とは図21の(f)に示すように合成画像演出開始から煽り合成開始までの期間であり、最初はT0から始まる。もし初期合成期間がT100より長ければ、上述のようにT0〜T100を折り返すことになる。これは第1繰返制御処理を行なうことになる。第1繰返制御処理とは、第1α合成処理と、第2α合成処理と、を順次繰り返して実行することである。すなわち、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第1α合成処理と、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第2α合成処理とを交互に繰返し行なうものである。
また、例外的に、後述する煽り合成(図15のT20〜T80の繰返し)の表示演出を行なうことなく、そのまま最終停止図柄(図15のT0またはT100の状態)になることもある。この場合、最終停止図柄になるまですべてが初期合成期間となる。初期合成の演出表示中に最終合成の指示を受け最終停止図柄に向かったときは、その指示を受けた時点が後述する最終合成開始時点となり、最終合成開始までが初期合成期間となる。
S5でNOのときはS6にて煽り合成期間中であるかどうか判断される。煽り合成期間とは図21の(f)の煽り合成開始から最終合成開始までの期間である。S6でYESのときは時間Tが煽り演出可能時間、図15のT20〜T81内であるかどうか判断される。Tが101以上のときはTから100を減算して判断する。S5でYESのとき、S7でNOのときはS8の初期合成処理のサブルーチンに進む。S7でNOのときとは、煽り合成の指示をうけても、そのときの時間Tが煽り演出可能時間外であれば、煽り演出可能時間になるまでは初期合成を続けることを意味する。
S7でYESのときはS9の煽り合成処理のサブルーチンに進み、S6でNOのときはS10の最終合成処理のサブルーチンに進む。最終合成期間とは図21の(f)の最終合成開始から最終停止図柄停止表示までの期間である。S11では時間Tに1加算されてこの合成画像演出処理を終了する。この合成画像演出処理は、所定周期(33msec)毎に繰り返されるから、所定周期毎にTが1つずつ増えていくことになる。なお、合成画像演出の合成期間が終了すれば、合成情報データの時間TはリセットされてT0に戻る。初期合成期間、煽り合成期間、最終合成期間は指定された変動パターンにより予め定められている。
図20(a)に初期合成処理のサブルーチンを示す。S21では時間Tが0〜100の範囲内かどうか判断され、YESのときはS22の後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進み、NOのときはS23の前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進んでこの初期合成処理サブルーチンを終了する。後面側増大表示合成処理(第1、第3、第5の合成処理)とは時間経過につれて前面側の画像が次第に薄く不明瞭な画像となっていき、後面側の画像が次第に濃い明瞭な画像となっていく合成画像69を作成するものであり、前面側増大表示合成処理(第2、第4、第6の合成処理)とは時間経過につれて前面側の画像が次第に濃い明瞭な画像となっていき、後面側の画像が次第に薄く不明瞭な画像となっていく合成画像69を作成するものである。その詳細は図21(d)、(e)で説明する。
図20(b)に煽り合成処理のサブルーチンを示す。S25では時間Tが181かどうか判断され、YESのときはS26に進みTに「20」をセットしてからS29に進む。S25でNOのときS27に進み、時間Tが81かどうか判断され、YESのときはS28に進みTに「120」をセットしてからS29に進む。S27でNOのときS29に進む。S29では時間Tが20〜80の範囲内かどうか判断され、YESのときはS30の後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進み、NOのときはS31の前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進んでこの煽り合成処理サブルーチンを終了する。
この煽り合成処理のサブルーチンではS25でT181になるとS26の処理によりTは20になり、S27でT81になるとS28の処理によりTは120になる。図15(a)にてT20〜T80間を煽り画像演出時指定データと記載しているように、煽り合成処理ではT20〜T80間のブレンド率データと拡大率データとを使用した前面側画像と後面側画像とを合成した合成画像サイクルを繰返すことになる。これは第2繰返制御処理を行なうことになる。第2繰返制御処理とは、予め定めた時間内において、第3α合成処理と、第4α合成処理と、を順次繰り返して実行することである。
すなわち、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第3α合成処理と、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第4α合成処理とを交互に繰返し行なうものである。
図20(c)に最終合成処理のサブルーチンを示す。S35では最終停止図柄は後面側図柄かどうか停止識別情報特定手段65が特定した結果を確認し、最終停止図柄は後面側図柄(YES)のときはS36の後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進み、最終停止図柄は前面側図柄(NO)のときはS37の前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進んでこの最終合成処理サブルーチンを終了する。
図21(d)に後面側増大表示合成処理(第1、第3、第5の合成処理)のサブルーチンを示す。S41ではブレンド率として前面側図柄についてCテーブルを、後面側図柄についてDテーブルを使用する。S42では画像の拡大率として前面側図柄についてEテーブルを、後面側図柄についてFテーブルを使用する。S43では、時間Tが100以下かどうかを判断する。YESであればS44に進み時間Tに対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルから読み出す。S43でNOであればS45に進みブレンド率、拡大率の方向が同一か否かを判断する。つまり、今までと同じ率増大方向または同じ率低減方向かである。同方向(YES)であればS47に進み、時間「T−100」に対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルからそれぞれ読み出す。逆方向(NO)であればS46に進み、時間「200−T」に対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルから読み出す。S48では、読み出したブレンド率、拡大率で時間「T」、「T−100」、「200−T」のいずれかに対応する前面側図柄、後面側図柄を定め、この前面側図柄、後面側図柄をα合成処理した合成図柄のアトリビュートテーブルを作成してこの後面側増大表示合成処理サブルーチンを終了する。
図21(e)に前面側増大表示合成処理(第2、第4、第6の合成処理)のサブルーチンを示す。S51ではブレンド率として前面側図柄についてDテーブルを、後面側図柄についてCテーブルを使用する。S52では画像の拡大率として前面側図柄についてFテーブルを、後面側図柄についてEテーブルを使用する。S53では、時間Tが100以下かどうかを判断する。YESであればS54に進み時間Tに対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルから読み出す。S53でNOであればS55に進みブレンド率、拡大率の方向が同一か否かを判断する。つまり、今までと同じ率増大方向または同じ率低減方向かである。同方向(YES)であればS57に進み、時間「T−100」に対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルからそれぞれ読み出す。逆方向(NO)であればS56に進み、時間「200−T」に対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルから読み出す。S58では、読み出したブレンド率、拡大率で時間「T」、「T−100」、「200−T」のいずれかに対応する前面側図柄、後面側図柄を定め、この前面側図柄、後面側図柄をα合成処理した合成図柄のアトリビュートテーブルを作成してこの前面側増大表示合成処理サブルーチンを終了する。
図21(d)のS43〜S48、図21(e)のS53〜S58について補足説明する。図20(a)初期合成処理のS21で前面側増大表示合成処理となるのは100よりTが大きい場合に限られるし、図20(b)煽り合成処理のS29で前面側増大表示合成処理となるのは80よりTが大きい場合であるが、図19のS7でS9の煽り合成処理に進め得るのはTが120以上の場合に限られる。逆に初期合成処理、煽り合成処理で後面側増大表示合成処理となるのはTが100以下の場合に限られる。しかし、図19のS6でS10の最終合成処理に進め得るのはTが100より大きい場合とTが100以下の場合とがある。Tが100以下であったときはそのTに対応するブレンド率、拡大率のデータを上述の各テーブルから読み出せばよい。
Tが100より大きい場合について説明する。たとえば初期合成期間に、前面側画像がブレンド率Cテーブルを用いて、T0からT100を折り返しT200の方向に進んでいる場合を想定してみる。T0からT100まではCテーブルによりブレンド率が1から0になる。折り返してT101になると図15(a)のT99になりブレンド率0.01、T102になると図15(a)のT98になりブレンド率0.02、T103になると図15(a)のT97になりブレンド率0.03、・・、T120になると図15(a)のT80になりブレンド率0.2、・・、T180になると図15(a)のT20になりブレンド率0.8、・・となる。
上記において、T180(ブレンド率0.8)のときに図20(c)のS35において最終停止図柄が後面側図柄であり、S36の後面側増大表示合成処理に進むことになったとする。この場合、前面側画像はたとえばT120→T180の今まではブレンド率0.2→0.8と増大方向であった。今後はS36の後面側増大表示合成処理になるから、図21(d)のS41により前面側画像はブレンド率Cテーブルのブレンド率低減方向で逆方向となるから、S45でNOとなり、S46で「200−T]に対応するブレンド率データをCテーブルから読み出すことになる。今までCテーブルのT180(図15のT20)のブレンド率0.8であり、ブレンド率Cテーブルにおいてブレンド率0.8のT20、つまり、「200−T](200−180=20)からT100に向けて前面側画像は進むことになる。
上記において、T180(ブレンド率0.8)のときに図20(c)のS35において最終停止図柄が前面側図柄であり、S37の前面側増大表示合成処理に進むことになったとする。この場合、前面側画像はたとえばT120→T180の今まではブレンド率0.2→0.8と増大方向であった。今後もS37の前面側増大表示合成処理になるから、前面側画像のブレンド率は増大方向、図21(e)のS51により前面側画像はブレンド率Dテーブルのブレンド率増大方向で同一方向になるから、S55でYESとなり、S57で「T−100]に対応するブレンド率データをDテーブルから読み出すことになる。今までCテーブルのT180(図15のT20)のブレンド率0.8であり、ブレンド率Dテーブルにおいてブレンド率0.8のT80、つまり、「T−100」(180−100=80)からT100に向けてブレンド率増大方向で後面側画像は進むことになる。ブレンド率だけで説明したが、拡大率についても同様である。
上記説明において、図21(d)のS42、図21(e)のS52において、前面側画像に使用する拡大率として時間経過により縮小するEテーブル、時間経過により拡大するFテーブルを用いて、図18に示す例を記載している。前面側画像に使用する拡大率として時間経過しても拡大率が1のままで変化しないAテーブルを上記説明のEテーブル、Fテーブルに代えて用いれば図16、17に示す例のようになる。この場合、S45〜S47、S55〜S57の前面側画像に使用する拡大率については、時間Tに関係なく常に1とする。
以上説明したように、VDP320の機能の1つである前述の合成画像生成手段は、制御データ記憶手段(ROM313)に記憶された第1ブレンド率データと、第1拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に下げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を上げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第1α合成処理を行なう第1α合成処理手段(たとえば、S21、S22、S41〜S44、S48、但し前面側画像の拡大率はAテーブル使用、図16参照)としての機能、制御データ記憶手段(ROM313)に記憶された第2ブレンド率データと、第2拡大率データと、に基づいて、経過時間に応じて前面側識別情報画像のブレンド率を徐々に上げた前面側識別情報画像と、経過時間に応じて後面側識別情報画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側識別情報画像のブレンド率を下げた後面側識別情報画像と、を順次合成する第2α合成処理手段(たとえば、S21、S23、S51〜S58、但し前面側画像の拡大率はAテーブル使用、図17参照)としての機能を有している(図2参照)。
以上説明した第1演出制御としての合成画像演出と第2演出制御としての合成画像演出とにより、次のような効果が奏される。以下、各請求項の効果に対応する実施の形態レベルでの具体的効果を、請求項の項数毎に項分けして列挙する。
(1) 生成した合成画像のデータの再利用を繰り返すことで、生成する画像を低減することができ、画像処理の負担を軽減できる。また、合成画像は、時間経過とともに残像を残すような画像となり、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。識別情報画像が切換るときに、時間経過毎の合成画像69は、先に表示されていた識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される識別情報画像はその画像拡大率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにそのブレンド率が大きくなっていくために、次第に明瞭になっていく。このため、消えてゆく識別情報画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、画像データ記憶手段に記憶されている次のタイミングで表示される識別情報画像が次第に明瞭になってくる合成画像69となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示を行なうことができる。
(2) 複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに徐々に大きさが変化するので、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
(3) 複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるよう画像を表示することで、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
(4) 1つ目の識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される他の識別情報画像はその拡大率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにそのブレンド率が大きくなっていくために次第に明瞭になっていく。このため、見えにくくなる1つ目の識別情報画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、他の識別情報画像が次第に明瞭になってくる合成画像となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示を行なうことができる。
(5) 1つ目の識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される他の識別情報画像はその拡大率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにそのブレンド率が大きくなっていくために次第に明瞭になっていく。次に今明瞭に表示されている方の他の識別情報画像の拡大率が時間の経過に応じて小さくなっていくとともにそのブレンド率が小さくなっていくために、見えにくくなっていくのに対して、見えにくくなっていた1つ目の識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて大きくなり次第に明瞭になっていくという揺れ動くサイクルを繰り返し実行される。このため、遊技者に対する演出効果を向上させることができる。
次に、実施の形態レベルでのさらなる具体的効果を列挙する。
(6) 時間経過毎の合成画像69は、予め定めた特定時間、1つ目の識別情報画像から他の識別情報画像に時間経過とともに残像を残すように次第に明瞭さがゆっくりと切替わる合成画像69となり、次に特定時間、今明瞭に表示されている他の識別情報画像から1つ目の識別情報画像に次第に明瞭さがゆっくりと切替わって戻る合成画像69となる揺動サイクルを予め定めた時間繰り返す。その後、この繰返制御処理終了時点の合成画像69から、1つ目の識別情報画像か他の識別情報画像かが最終停止識別情報決定手段の決定した最終停止識別情報として明瞭に表示される。このときも経過時間に応じて徐々に最終停止識別情報の画像が明瞭になっていく。このため、残像を残すような画像となり、消えてゆく画像とこの消えてゆく画像に代わり次の画像が次第に明瞭になっていくため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示が繰り返され、やがて決定された画像に切替わる変動表示で遊技者に対する演出効果を向上させることができる。
(7) 画像合成に際して1つ目の識別情報画像の拡大率が経過時間に応じ1つ目の識別情報画像のブレンド率に比例して増大または低減するため、消えてゆくときの前面側識別情報画像が時間経過とともに残像を残すように消えてゆき、次に明瞭になってくるときの前面側識別情報画像が時間経過とともに次第に明瞭になってくる合成画像69となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な画像変動表示を行なうことができる変動表示で遊技者に対する演出効果を向上させることができる。
(8) 1つ目や他の識別情報画像のように合成画像69の元になる具体的表示画像と合成情報データを記憶手段に記憶させておき、経過時間毎の合成画像69を作成させながら演出表示でき、すべての経過時間毎の合成画像69をすべて記憶手段に記憶させておく必要がないため、使用する記憶容量を削減させることができる。
(9) 合成情報データを記憶手段に記憶させておくに際して具体的数値データの記憶に代えて計算式を記憶させることで、使用する記憶容量を削減させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。以下に、本実施の形態の変形例や特徴点を列挙する。
(1) 前述した実施の形態における制御の手法は任意であり、プログラムにより実行することも可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、演出制御を行なう演出制御基板300に、演出制御用マイクロコンピュータ310、CGROM330、VRAM340、VDP320などから構成されるものを例示したが、その物理的構成は任意である。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ310に、CGROM330やVRAM340を内蔵して1チップ化したマイクロプロセッサを使用してもよい。
さらには、VDP320が単体で十分な処理能力を有する場合には、上記実施の形態で説明した演出制御用マイクロコンピュータ310の処理をVDP320が負担し、演出制御用マイクロコンピュータ310を設けないようにすることも可能である。
逆に、演出制御用マイクロコンピュータ310が高機能化された場合には、VDP320を配置せずに、全処理を演出制御用マイクロコンピュータ310で行うようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態における装置構成、ブロック構成や、変動パターン、フローチャートの構成は任意に変更及び修正が可能である。
(4) この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機(コンピュータ)などにも適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、第2演出制御に関する発明について、特許請求の範囲を下記のように記載することもできる。
(1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報画像を変動表示する表示領域を含む変動表示装置と、前記複数種類の識別情報画像を前記変動表示装置の前記表示領域で変動表示させる制御を行なう変動表示制御手段とを備える遊技機であって、
少なくとも前記複数種類の識別情報画像を記憶するための画像データ記憶手段と、
前記変動表示制御手段が前記変動表示装置を制御する制御データを記憶するための制御データ記憶手段と、
前記変動表示装置に表示する表示画像を生成する画像生成手段とを備え、
前記画像生成手段は、前記画像データ記憶手段に記憶されている識別情報画像を読み出して合成する手段であって、前記変動表示装置に表示される前記複数種類の識別情報画像のうち先に表示される先行識別情報画像と該先行識別情報画像の次に表示される後行識別情報画像とをαブレンディング処理して合成した合成画像を生成する合成画像生成手段を含み、
前記制御データ記憶手段は、
前記合成画像生成手段が前記先行識別情報画像と前記後行識別情報画像とをαブレンディング処理する際の時間経過に応じて変化するα値を指定するための画像合成中α値変動データと、
前記合成画像生成手段が前記先行識別情報画像と前記後行識別情報画像とをαブレンディング処理する際の時間経過に応じて変化する識別情報の画像拡大率を指定するための画像合成中識別情報拡大率変動データとを記憶しており、
前記変動表示制御手段は、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記画像合成中α値変動データに基づいて、画像合成中の時間経過に応じて前記先行識別情報画像の不透明度合いを低くし、その低くなる分前記後行識別情報画像の不透明度合いを高くするようにα値の指定を行なうための画像合成中先行低減後行増大α値指定手段と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記画像合成中識別情報拡大率変動データに基づいて、前記後行識別情報画像の画像拡大率が画像合成中の時間経過とともに大きくなるように拡大率指定を行なうための画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段と、
該画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段により指定された時間経過とともに変動する画像拡大率に従った大きさの前記後行識別情報画像と、前記先行識別情報画像とを、前記画像合成中先行低減後行増大α値指定手段により指定された時間経過とともに変動するα値にしたがって前記合成画像生成手段によりαブレンディング処理を行なわせる後行識別情報増進指令手段とを含み、
該後行識別情報増進指令手段の指令に従って前記合成画像生成手段により生成された合成画像を前記変動表示装置に出力することを特徴とする、遊技機。
(2) 前記変動表示制御手段は、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記画像合成中α値変動データに基づいて、前記画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段により指定された画像拡大率に従った大きさの前記後行識別情報画像の不透明度合いを画像合成中の時間経過に応じて低くし、その低くなる分前記先行識別情報画像の不透明度合いを高くするようにα値の指定を行なうための画像合成中先行増大後行低減α値指定手段と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記画像合成中識別情報拡大率変動データに基づいて、前記画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段により大きくなった画像拡大率が画像合成中の時間経過とともに小さくなるように拡大率指定を行なうための画像合成中後行識別情報拡大率低減指定手段と、
該画像合成中後行識別情報拡大率低減指定手段により指定された時間経過とともに変動する画像拡大率に従った大きさの前記後行識別情報画像と、前記先行識別情報画像とを、前記画像合成中先行増大後行低減α値指定手段により指定された時間経過とともに変動するα値にしたがって前記合成画像生成手段によりαブレンディング処理を行なわせる後行識別情報減退指令手段とをさらに含み、
該後行識別情報減退指令手段の指令に従って前記合成画像生成手段により生成された合成画像を前記変動表示装置に出力することを特徴とする、(1)に記載の遊技機。
(3) 前記制御データ記憶手段は、前記変動表示装置により演出表示を行なう時間を特定可能な演出時間データをさらに記憶しており、
前記変動表示制御手段は、前記演出時間データにより特定される時間中、前記後行識別情報増進指令手段の指令に従った前記合成画像生成手段による合成画像の生成と、前記後行識別情報減退指令手段の指令に従った前記合成画像生成手段による合成画像の生成とを繰返し実行し、該生成された合成画像を順次前記変動表示装置に出力して演出制御を行なう演出制御手段を含むことを特徴とする、(2)に記載の遊技機。
(4) 前記変動表示装置に表示結果として導出表示する最終識別情報を決定する表示結果識別情報決定手段をさらに含み、
前記制御データ記憶手段は、
前記演出時間データにより特定される時間の終了後前記最終識別情報の画像が合成されて導出表示されるまでの最終合成時間を特定可能な最終合成時間データをさらに記憶しており、
前記画像合成中先行低減後行増大α値指定手段および前記画像合成中先行増大後行低減α値指定手段は、前記演出時間データにより特定される時間中、前記画像合成中α値変動データによって特定されるα値のとりうる範囲内で予め定められた特定範囲内に制限してα値を指定し、
前記画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段および前記画像合成中後行識別情報拡大率低減指定手段は、前記演出時間データにより特定される時間中、前記画像合成中識別情報拡大率変動データによって特定される画像拡大率のとりうる範囲内で予め定められた特定範囲内に制限して画像拡大率を指定し、
前記変動表示制御手段は、
前記演出時間データにより特定される時間の終了時点で使用されたα値に続くそれ以降のα値を前記画像合成中α値変動データに基づいて、前記最終合成時間データにより特定される前記最終合成時間中の時間経過に応じて前記最終識別情報画像と異なる前記先行識別情報画像または前記後行識別情報画像の不透明度合いを低くし、その低くなる分前記最終識別情報画像の不透明度合いを高くするようにα値の指定を行なうための最終合成時間中α値指定手段と、
前記演出時間データにより特定される時間の終了時点で使用された前記後行識別情報画像の画像拡大率に続くそれ以降の画像拡大率を前記画像合成中識別情報拡大率変動データに基づいて、前記最終識別情報画像が前記後行識別情報画像であった場合、その画像拡大率が前記最終合成時間データにより特定される前記最終合成時間中の時間経過とともに大きくなるように拡大率指定を行なうための最終合成時間中後行識別情報拡大率増大指定手段と、
前記演出時間データにより特定される時間の終了時点で使用された前記後行識別情報画像の画像拡大率に続くそれ以降の画像拡大率を前記画像合成中識別情報拡大率変動データに基づいて、前記最終識別情報画像が前記先行識別情報画像であった場合、前記後行識別情報画像の画像拡大率が前記最終合成時間データにより特定される前記最終合成時間中の時間経過とともに小さくなるように拡大率指定を行なうための最終合成時間中後行識別情報拡大率低減指定手段とを含み、
前記演出制御手段は、
前記演出時間データにより特定される時間中、前記制限された特定範囲内のα値と画像拡大率とを使用して前記演出制御を行なう特定範囲演出制御手段と、
該特定範囲演出制御手段により前記演出制御が行なわれた後、前記最終合成時間データにより特定される前記最終合成時間中、前記最終合成時間中後行識別情報拡大率増大指定手段により指定された画像拡大率にしたがって前記最終識別情報となる前記後行識別情報画像を時間経過に応じて拡大した画像と該最終識別情報画像と異なる前記先行識別情報画像とを、前記最終合成時間中α値指定手段により指定されたα値にしたがって前記合成画像生成手段によりαブレンディング処理を行なわせる最終合成後行識別情報増進指令手段と、
前記特定範囲演出制御手段により前記演出制御が行なわれた後、前記最終合成時間データにより特定される前記最終合成時間中、前記最終合成時間中後行識別情報拡大率低減指定手段により指定された前記後行識別情報画像の画像拡大率にしたがって前記後行識別情報画像を時間経過に応じて縮小した画像と該最終識別情報画像となる前記先行識別情報画像とを、前記最終合成時間中α値指定手段により指定されたα値にしたがって前記合成画像生成手段によりαブレンディング処理を行なわせる最終合成後行識別情報減退指令手段とを含み、
前記最終合成後行識別情報増進指令手段または前記最終合成後行識別情報減退指令手段の指令に従って前記合成画像生成手段により生成された合成画像を前記変動表示装置に出力することを特徴とする、(3)に記載の遊技機。
(5) 前記変動表示制御手段は、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記画像合成中識別情報拡大率変動データに基づいて、前記画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段により前記後行識別情報の画像拡大率が大きくされる分前記先行識別情報の画像拡大率が小さくなるように拡大率指定を行なうための画像合成中先行識別情報拡大率低減指定手段と、
前記画像合成中後行識別情報拡大率増大指定手段および前記画像合成中先行識別情報
拡大率低減指定手段により指定された時間経過とともに変動する画像拡大率に従った大きさの前記後行識別情報画像と前記先行識別情報画像とを、前記画像合成中先行低減後行増大α値指定手段により指定された時間経過とともに変動するα値にしたがって前記合成画像生成手段によりαブレンディング処理を行なわせる先行減退後行増進指令手段とを含み、
該先行減退後行増進指令手段の指令に従って前記合成画像生成手段により生成された合成画像を前記変動表示装置に出力することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機。
(6) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、10 普通図柄表示部、11 通過口、12 ゲートスイッチ、14 始動口、15 通過記憶表示器、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、19 可変入賞球装置、25 遊技演出ランプ、41 スピーカ、210 遊技制御基板、212,312 CPU、213,313 ROM、214,314 RAM、310 演出制御用マイクロコンピュータ、320 VDP、330 CGROM、340 VRAM。