(1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報画像(たとえば、数字の“0”〜“9”を表示する画像)を変動表示する領域を複数含む変動表示装置(特別図柄表示部9)と、前記複数種類の識別情報画像を前記変動表示装置の複数の領域の各々で所定方向に変動表示させる制御を行なう変動表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ310、CPU312、VDP320)と、を備える遊技機であって、
前記変動表示装置に切り換えて表示する表示画像のデータを記憶するための画像データ記憶手段(VRAM340内の領域341または領域342)と、
前記複数種類の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを記憶する識別情報画像生成データ記憶手段(CGROM330)と、
該識別情報画像生成データ記憶手段に記憶された前記複数の識別情報画像生成データのうち少なくとも1つの識別情報画像生成データを特定するための表示画像特定データを記憶する表示画像特定データ記憶手段(ROM313)と、
該表示画像特定データから特定される識別情報画像生成データから生成する識別情報画像の表示位置を経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように各タイミング別に位置指定する表示位置指定手段(CPU312)と、
前記表示画像特定データにより特定される識別情報画像生成データから前記表示位置指定手段による位置指定に従って位置特定識別情報画像を生成する画像生成手段(VDP320、描画制御部410)と、
該画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像(たとえば、変動表示画像535)と、前記画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像のデータに基づく表示画像(たとえば、変動表示画像530)と、を合成し、該合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段(VRAM340内の領域341)に上書き記憶させ、前記合成画像を前記変動表示装置に出力する画像合成手段(VDP320、描画制御部410)とを備え、
前記変動表示制御手段は、前記画像合成手段により合成された前記合成画像を前記変動表示装置に出力する処理を前記複数のタイミング毎(たとえば、30分の1秒毎)に実行する。
このような構成によれば、識別情報画像生成データから生成する識別情報画像の表示位置を経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように各タイミング別に位置指定する表示位置指定手段の位置指定に従って、画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像と、画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成画像を表示画像として画像データ記憶手段に上書き記憶させ、合成画像を変動表示装置に出力する。
また、合成の対象となる位置特定識別情報画像に表示される識別情報画像の表示位置は、経時的に連続する複数のタイミング毎に異なるように指定されるので、当該位置特定識別情報画像と、画像データ記憶手段に記憶されている前のタイミングの表示画像との合成画像は、時間経過とともに残像を残すような画像となり、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
(2) 前記識別情報画像を拡大または縮小させた画像を生成するための拡大縮小データを前記各タイミングに対応して記憶する拡大縮小データ記憶手段(ROM313)をさらに備え、
前記画像生成手段は前記各タイミングに対応する前記拡大縮小データに基づいて、前記識別情報画像を拡大または縮小させた拡大縮小画像を生成し、
前記画像合成手段は、前記画像生成手段により生成された拡大縮小画像と、前記画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段に記憶させる。
このような構成によれば、画像生成手段は各タイミングに対応する透過率データに基づいて、識別情報画像を透過させた透過画像を生成し、画像合成手段は、画像生成手段により生成された透過画像と、画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像に表示される識別情報画像は、各タイミングに対応して透過率が変化するので、視覚的に斬新な画像表示を行なうことができる。
(4) 前記透過率データが指定する前記識別情報画像の透過率は、前記複数の領域でそれぞれ変動表示される複数の前記識別情報画像の少なくとも2つに対して異なるよう設定されており、
前記画像生成手段は前記各タイミングに対応する前記透過率データに基づいて、前記表示画像特定データにより特定される複数の識別情報画像生成データから前記表示位置指定手段により指定された前記複数の領域のそれぞれの表示位置に従って透過画像を生成し、
前記画像合成手段は、前記画像生成手段により生成された透過画像と、前記画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段に記憶させる。
このような構成によれば、透過率データが指定する識別情報画像の透過率は、複数の領域でそれぞれ変動表示される複数の識別情報画像の少なくとも2つに対して異なるよう設定されているので、遊技者に注目させたい識別情報画像を認識させ易くなる。
このような構成によれば、表示位置指定手段は、各タイミングで異なるように閉軌道上の位置を指定し、画像生成手段は、表示位置指定手段が各タイミングに対応して指定した表示位置に従って位置特定識別情報画像を生成し、位置特定識別情報画像に表示される識別情報画像の表示位置は、時間経過とともに閉軌道を描くので、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
(6) 前記表示位置指定手段は、前記複数の領域のそれぞれで前記各タイミングで異なるように閉軌道上の位置を指定し、かつ、前記複数の領域のそれぞれで指定される位置により経時的に描かれる複数の閉軌道の少なくとも2つは異なる閉軌道を描き、
前記画像生成手段は、前記表示画像特定データにより特定される複数の識別情報画像生成データから前記表示位置指定手段が前記各タイミングに対応して指定した前記複数の領域のそれぞれの表示位置に従って位置特定識別情報画像を生成し、
前記画像合成手段は、前記画像生成手段により生成された位置特定識別情報画像と、前記画像データ記憶手段に記憶されている表示画像のデータに基づく表示画像と、を合成し、該合成した合成画像を前記表示画像として前記画像データ記憶手段に記憶させる。
このような構成によれば、表示位置指定手段は、複数の領域のそれぞれで各タイミングで異なるように閉軌道上の位置を指定し、かつ、複数の領域のそれぞれで指定される位置により経時的に描かれる複数の閉軌道の少なくとも2つは異なる閉軌道を描き、画像生成手段は、表示位置指定手段が各タイミングに対応して指定した複数の領域のそれぞれの表示位置に従って位置特定識別情報画像を生成するので、複数の変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示することができ、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、表示状態が変化する変動表示装置を含み、該変動表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明における遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の正面図である。
図1を参照して、パチンコ遊技機1には、着脱可能な遊技盤6と、遊技盤6を覆うように額縁状に形成されたガラス扉枠2と、遊技者が遊技を行なう際、打玉を操作するための操作ノブ5と、余剰玉受皿4と、打玉が打込まれる遊技領域7と、打玉を遊技領域7へ導くための誘導レール29と、遊技領域7の外側に配置される遊技効果ランプ42と、遊技による効果音を発生するためのスピーカ41とが設けられている。余剰玉受皿4は、打玉供給皿3の下部に設けられ、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する。
遊技者は、操作ノブ5を操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。
遊技領域7には、打玉が入賞することにより変動表示装置8の変動表示を開始させる始動入賞口14が構成された始動用電動役物14aと、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例として特別図柄を変動表示させる変動表示装置8とが設けられている。
特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を判定用識別情報として表示する図柄(以下においては、「識別情報画像」とも称する)である。また、特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を装飾用識別情報として表示する図柄でもある。始動用電動役物14aには、可動片が左右に設けられている。
変動表示装置8には、特別図柄表示部9と、普通図柄表示部10と、4つのLEDで構成される始動記憶表示器18と、通過記憶表示器15とが設けられている。
特別図柄表示部9は、複数の変動表示領域を有する。なお、特別図柄表示部9は、一般的には、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))が用いられるが、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイ(Organic Electro luminescence Display)、ドットマトリクス等その他の画像表示方式の表示機器であってもよい。
特別図柄表示部9は、判定用識別情報を表示する特別図柄(識別情報画像)または装飾用識別情報を表示する特別図柄を、前述した複数の変動表示領域の各々において、変動表示させる。特別図柄表示部9は、特別図柄の他に、特別図柄の変動表示回数を報知するための飾り保留記憶表示や、所定のキャラクタ・背景画像としての背面画像等の画像も表示可能である。ここで、キャラクタは、特別図柄表示部9に表示される人間、動物、あるいは物等を表わす映像をいう。
なお、特別図柄表示部9により変動表示される特別図柄が示す識別情報は、数字、文字、図形、模様等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字(たとえば、“0”〜“9”)のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
また、特別図柄表示部9により変動表示される識別情報画像は、平面で構成されるスプライトである。なお、識別情報画像は、スプライトに限定されることなく、立体的な形状を有する画像(以下においては、「立体オブジェクト」または「3Dオブジェクト」とも称する)であってもよい。
遊技領域7には、開閉板20と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。
遊技領域7には、さらに、一般入賞口である複数の入賞口24と、打玉が進入可能な通過口11と、点灯または点滅することにより遊技を演出する遊技演出ランプ25と、アウト口26とが設けられている。複数の入賞口24の各々の内部には打玉の入賞を検出する入賞口スイッチ24aが設けられている。アウト口26は、遊技領域7に打込まれ、始動入賞口14、入賞口24および可変入賞球装置19のいずれの入賞領域にも入賞しなかった打玉をアウト玉として回収する。
通過口11に進入した打玉は、通過口内部に設けられたゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定のランダム値が抽出され、記憶される。そして、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示部10の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示部10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができない状態であるので、“4”を記憶数の上限として通過玉(ランダム値等)が記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示部10の変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。なお、通過記憶表示器15の記憶数の上限は、“4”に限定されることなく、5つ以上であってもよい。
本実施の形態においては、通過口11に打玉が進入すると、普通図柄表示部10の変動表示が開始され、始動入賞口14に打玉が進入すると特別図柄表示部9において変動表示が開始されるので、通過口11および始動入賞口14を総括的に始動領域とも称する。
普通図柄表示部10には、「〇」が付されている当り普通図柄表示器と、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器とがある。通過口11に打玉が進入したときに抽出されたランダム値(以下「カウント値」ともいう。)が所定の当り判定値と一致するときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」であると判断され、「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯する。一方、抽出されたランダム値が所定の当り判定値と一致しないときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「はずれ」であると判断され、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器が点灯する。
当りとなり「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯した場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成し、所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
遊技において、打玉が、始動入賞口14に入賞した場合(以下においては、始動入賞とも称する)には、打玉が遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出され、始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの1つが点灯する。始動入賞の回数は、“4”を記憶数の上限としてパチンコ遊技機1の内部に設けられた記憶装置(後述するRAM214)に記憶(「始動記憶」ともいう)される。なお、始動記憶表示器18の有するLEDの数は4つに限定されることなく、5つ以上であってもよい。この場合、始動記憶可能な数は、始動記憶表示器18の有するLEDの数と等しくなる。なお、以下においては、たとえば、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち3つ点灯している場合、始動記憶が“3”であるという。
始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの“1”〜“3”個が点灯している状態、すなわち、始動記憶表示器18の始動記憶が上限に達していない状態で始動入賞すると、特定遊技状態としての大当り状態を発生させるか否かを決定するための所定のランダム値と、結果として表示する特別図柄を決定するための所定のランダム値とが抽出される。その後、所定条件の成立後、後述する変動表示制御手段により、特別図柄表示部9の変動表示が開始され、所定期間後に表示結果がすべて導出表示される。ここで、所定条件とは、特定遊技状態に制御されておらず、かつ、変動表示が行なわれていないという条件である。そして、当該変動表示が開始されると同時に、始動記憶値が1つ減少し、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち、点灯しているLEDが1つ消灯する。すなわち、変動表示が開始され表示結果が導出表示される毎に、始動記憶値が“1”減少する。このとき、始動記憶表示器18のLEDが1つ以上点灯している状態、すなわち、始動記憶値が1以上あれば、再度、変動表示が開始され表示結果が導出表示される。
前述した特別図柄表示部9の変動表示は、一定時間が経過したときに停止表示される。特別図柄表示部9では、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、停止表示時の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下「大当り図柄」ともいう。)であれば、「大当り」となり、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態(以下「大当り状態」ともいう。)に移行し、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
前述した可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目。以下「確変大当り図柄」ともいう。)となると、パチンコ遊技機1は、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(特別遊技状態)になる。通常遊技状態において、大当りが発生する確率が、たとえば、1/300である場合、確率変動状態では、大当りが発生する確率が1/30となる。このような確率変動状態は、一般的に、「確変」と省略して呼ばれる場合もある。以下、確変図柄(奇数を表す図柄)による大当りを確変大当りとも称する。
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、次回まで)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。なお、以下においては、非確変図柄での組合せの大当りを通常の大当りとも称する。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、パチンコ遊技機1の遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
なお、特別遊技状態は、特別図柄表示部9の有効ライン上における表示結果が大当り図柄のうちの確変図柄による大当り図柄となったときに、大当り図柄のうちの確変図柄以外の大当り図柄となったときと比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される状態であればよい。よって、特別遊技状態は、始動入賞率を向上させるとともに、特別図柄表示部9の図柄の変動時間を短縮させる変動時間短縮状態(省略して、時短状態または時短とも称される。)であってもよい。
パチンコ遊技機1が時短状態になると、特別図柄表示部9の変動表示の開始から終了までの時間が短縮される。たとえば、パチンコ遊技機1が通常遊技状態である場合、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が8秒である場合、時短状態では、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が3秒と短縮される。したがって、時短状態では、所定時間内における特別図柄表示部9の変動表示回数が増えるため、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも大当りが発生する確率が高くなる。
また、パチンコ遊技機1が時短状態であるとき、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」と判定されると、通常遊技状態における始動用電動役物14aの可動片の開成のインターバルが30秒に1回であったのが、たとえば、1.5秒に1回になる。したがって、所定時間内における可動片の開成の回数が増えるため、時短状態では、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも始動入賞する確率が高くなる。
さらに、特別遊技状態としては、始動用電動役物14aの可動片の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる状態であってもよい。
通常遊技状態で、大当りが発生し、当該大当りが確変大当りであれば、パチンコ遊技機1は確率変動状態になる。パチンコ遊技機1が、確率変動状態のときに、次の大当りが非確変で大当りの場合に、通常遊技状態になる。なお、パチンコ遊技機1が確率変動状態または時短状態の特別遊技状態において、大当りが連続して発生することを連チャンと称する。
なお、確変当りが発生し、パチンコ遊技機1が確率変動状態になり、さらにその間に、通常当りが発生して時短状態になり、その後、通常の遊技状態になるまでの期間を特別遊技状態期間とも称する。特別遊技状態期間中に通常当りまたは確変当りが発生することも連チャンと称する。特別遊技状態期間中に、最初の確変当りを含めて大当りが、たとえば、5回発生した場合は、5連チャンとなる。
また、各変動表示領域の変動表示中においては、リーチ状態(以下「リーチ」、「リーチ態様」、「リーチ表示態様」ともいう。)が発生する場合がある。
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示領域を備えた変動表示装置を有し、変動表示領域において複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示領域を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様が表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の変動表示が開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様となる表示条件からはずれていない表示態様をもいう。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
また、リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
図2は、パチンコ遊技機1における制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照して、パチンコ遊技機1は、遊技制御基板200を備える。
遊技制御基板200は、遊技制御用マイクロコンピュータ210を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ210は、パチンコ遊技機1の遊技状態を制御する機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ210は、CPU212と、RAM(Random Access Memory)214と、ROM213と、I/Oポート215とを有する。
ROM213には、パチンコ遊技機1を制御するための遊技制御用プログラム、特別図柄表示部9の変動表示結果を決定するための表示結果抽選テーブルデータ等が記憶されている。CPU212は、ROM213に記憶されている遊技制御用プログラムに従って各種制御動作を行なう。RAM214は、CPU212が制御動作を行なう際にデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
また、詳細は後述するが、RAM214には、各種遊技状態を決定するためのフラグおよび変動表示結果のデータを複数記憶可能なデータ格納エリアが設けられている。当該フラグには、大当りフラグ、確変予定フラグ、確変フラグ、リーチフラグ等がある。
大当りフラグは、後述する非確変状態時または確変状態時の大当り判定により大当りと判定された場合にオン状態に設定される。確変予定フラグは、当該大当りと判定された場合に、決定された大当り図柄が示す数字が奇数である場合にオン状態に設定される。確変フラグは、パチンコ遊技機1が確変状態に設定される場合にオン状態に設定される。リーチフラグは、リーチ判定によりリーチ状態と判定された場合にオン状態に設定される。
I/Oポート215は、CPU212から出力される、遊技状態を制御するための遊技制御コマンドを外部の回路へ送信する。
なお、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ210を、CPU212、ROM213、RAM214が集積される1チップマイクロコンピュータとする構成としているが、本願発明は、このような構成に限定されるものではなく、CPU212、ROM213およびRAM214は、1チップ化されていなくてもよい。すなわち、遊技制御基板200に、CPU212、ROM213、RAM214がそれぞれ別々に配置されてもよい。
パチンコ遊技機1は、さらに、演出制御基板300と、特別図柄表示部9と、スピーカ41と遊技演出ランプ25とを備える。
演出制御基板300は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、特別図柄表示部9に表示させる特別図柄(識別情報画像)を変動表示させて表示結果を導出表示させる制御を行なう変動表示制御、スピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための演出効果音制御、遊技演出ランプ25を制御する遊技演出ランプ制御等の各種演出制御を行なう回路を含む。
当該各種演出制御を行なう回路の一例として、演出制御基板300は、演出制御用マイクロコンピュータ310と、VDP(Video Display Processor)320と、CGROM(Character Graphic Read Only Memory)330と、VRAM(Video Random Access Memory)340とを含む。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された遊技制御コマンドに応じて、VDP320、スピーカ41および遊技演出ランプ25を制御する機能を有する。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、CPU312と、RAM314と、ROM313と、I/Oポート315とを有する。
表示画像特定データ記憶手段としてのROM313には、VDP320の制御等を行なうための制御プログラム、変動パターンデータ等が記憶されている。変動パターンデータは、特別図柄が変動表示しているときにおける、特別図柄を停止させるタイミングや、リーチの発生や、リーチ演出内容等に関して予め複数種類定められているデータである。また、変動パターンデータは、特別図柄表示部9に表示させる画像(以下においては、「表示画像」とも称する)を生成するための画像生成データを特定する表示画像特定データ、リーチ演出のときのスピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための効果音データを選択する効果音選択データ、遊技演出ランプ25を点灯または点滅することにより遊技を演出するランプ演出データを選択するランプ演出選択データ等も含む。
効果音データおよびランプ演出データは、遊技状態に応じて複数設けられており、ROM313に記憶されている。
I/Oポート315は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された遊技制御コマンドを受信し、CPU312に送信する。CPU312は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された遊技制御コマンドおよびROM313に記憶されている制御プログラムに従って、各種演出制御を行なうための変動表示制御データ、効果音データ、ランプ演出データをそれぞれVDP320、スピーカ41、遊技演出ランプ25へ送信する。RAM314は、CPU312が各種制御動作を行なう際にデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
変動表示制御データは、画像を生成して、特別図柄表示部9に画像を表示させる制御指示をVDP320に行なうデータである。したがって、変動表示制御データは、表示画像特定データを含む変動パターンデータと、特別図柄表示部9に表示させる表示画像に表示される複数の画像の各々に対応した各種設定パラメータであるアトリビュート(描画順序、色数、拡大縮小率、回転角度、半透明設定値(画像を半透明にする設定値)、パレット番号、座標等を指定するデータ)とを含む。なお、当該座標を示すデータを表示位置データと称し、当該表示位置データは、アトリビュートに含まれる。
なお、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ310を、CPU312、ROM313、RAM314が集積される1チップマイクロコンピュータとする構成としているが、本願発明は、このような構成に限定されるものではなく、CPU312、ROM313およびRAM314は、1チップ化されていなくてもよい。すなわち、演出制御基板300に、CPU312、ROM313、RAM314がそれぞれ別々に配置されてもよい。
識別情報画像生成データ記憶手段としてのCGROM330には、特別図柄表示部9に表示する画像データが記憶されている。当該画像データは、たとえば、特別図柄表示部9に表示される人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなるキャラクタ画像、識別情報画像および背面画像などである。なお、キャラクタ画像および背面画像は、平面で構成されるスプライトまたは画像であってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。
3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。
詳細は後述するが、VDP320は、演出制御用マイクロコンピュータ310から送信された変動表示制御データに応じて、CGROM330から必要な画像データを読み出して、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じた画像を生成する。当該生成された画像データは、画像データ記憶手段としてのVRAM340に一時的に記憶され、変動表示制御データに応じて、所定のタイミング(特別図柄表示部9に、たとえば、1秒間に30枚の画像を表示させるとき、30分の1秒)毎に特別図柄表示部9に送信される。
特別図柄表示部9は、所定の画像(たとえば、特別図柄)が所定方向(たとえば、上から下、下から上等)に変動表示する複数の変動表示領域を有する。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域と称する。本実施の形態では、所定の画像が、上から下、下から上に変動表示するものとする。
また、本実施の形態では、表示結果が全て導出表示されるまでに、中変動表示領域において変動表示される識別情報画像が最後に停止表示されるものとする。以下においては、最後に停止表示される識別情報画像を最終停止識別情報画像とも称する。
なお、当該複数の変動表示領域の各々は、所定の画像を、たとえば、左から右または右から左に変動表示するものであってもよい。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、上変動表示領域、中変動表示領域、下変動表示領域と称する。
図3は、特別図柄表示部9に画像を表示させるための制御回路の構成およびその内部構成を詳細に示すブロック図である。
図3を参照して、CGROM330には、特別図柄表示部9に平面画像のみを表示する場合は、当該平面画像のデータが記憶されており、特別図柄表示部9に、3Dオブジェクトをも表示する場合は3Dオブジェクトのデータが、さらに記憶されている。なお、平面画像のデータは、所定のアルゴリズム(たとえば、静止画像に対してはJPEG方式、動画像に対してはMPEG方式等)で圧縮されている。なお、平面画像のデータは、圧縮されていないデータであってもよい。
VDP320は、CPU312とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCPUインターフェース320aと、CGROM330とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCGバスインターフェース320bと、VRAM340とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのVRAMインターフェース320cとを有する。
CPUインターフェース320aおよびCGバスインターフェース320bは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320mとデータの授受を行なう。VRAMインターフェース320cは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320nとデータの授受を行なう。
内部データバス320mは、アトリビュートレジスタ430と、描画制御部410とデータの授受を行なう。
アトリビュートレジスタ430は、描画制御部410が、画像を生成する際に使用するアトリビュートを記憶する。
描画制御部410は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データから特定される画像を生成するための画像生成データをCGROM330から読出し、当該画像生成データに対応するアトリビュートに応じた画像を生成する。なお、描画制御部410が生成した画像のデータは、VRAM340に一時的に記憶される。
なお、VRAM340には、領域341(以下においては、領域Aとも称する)と領域342(以下においては、領域Bとも称する)とが設けられている。詳細は後述するが、領域Aおよび領域Bには、描画制御部410によって生成された画像のデータが記憶される。
描画制御部410は、アトリビュート解析部411と、幾何学変換処理部412と、三次元画像処理部413と、半透明輝度変調部414とを有する。
アトリビュート解析部411は、内部データバス320mを介して入力されたアトリビュートを解析する機能を有する。
幾何学変換処理部412は、入力された画像データを使用し、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する機能を有する。
三次元画像処理部413は、特別図柄表示部9に、3Dオブジェクトを表示する場合、ROM313に記憶された制御プログラムに基づいて動作するCPU312からの指示データに応じて、生成する3Dオブジェクトに対し、陰面処理、ライティング処理、テクスチャマッピング処理等を行ない、三次元の画像データを生成する。陰面処理とは、たとえば、3Dオブジェクトの背面に配置される画像は、当該3Dオブジェクトの背面に表示されるように描画を行なう処理のことをいう。ライティング処理とは、仮想三次元空間において、任意の位置に光源を配置し、3Dオブジェクトに陰影をつけ、立体的に見えるようにする処理のことをいう。
半透明輝度変調部414は、半透明設定値に応じて、画像の一部またはすべてを半透明にした半透明画像(以下においては、「透過画像」とも称する)を生成する。
内部データバス320mは、さらに、データ転送制御部450と、画像伸張部440とデータの授受を行なう。
データ転送制御部450は、内部データバス320mと内部データバス320nとのデータの授受を制御する機能を有する。
画像伸張部440は、所定のアルゴリズム(たとえば、静止画像に対してはJPEG方式、動画像に対してはMPEG方式等)で圧縮された画像のデータを高速で伸張する機能を有する専用の画像処理プロセッサである。
VDP320は、さらに、パレットバッファ420aと、CGデータバッファ420bと、表示制御部460と、DAC(Digital-To-Analog Converter)462とを有する。
パレットバッファ420aは、描画制御部410が、画像を生成する際に必要な色のデータ(以下においては、「パレットデータ」とも称する)を一時的に記憶する機能を有する。
CGデータバッファ420bは、描画制御部410が、画像を生成する際に必要なCGデータを一時的に記憶する機能を有する。また、CGデータバッファ420bは、描画制御部410が、画像を生成する上で、頻繁に使用するデータ(たとえば、識別情報画像、テクスチャデータ等)を一時的に記憶する機能を有する。
表示制御部460は、描画制御部410が生成した画像のデータまたは画像伸張部440により伸張された画像のデータを受信し、DAC462へ送信する。それと同時に、特別図柄表示部9へ、DAC462からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングするための同期信号を出力する。
DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である画像のデータを、アナログ信号に変換する。具体的には、当該画像のデータが有する色のデータに基づいて、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号を生成する。R,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)で表現される。
したがって、R,G,B信号は、それぞれ、赤、緑、青の色を256階調で表現でき、当該R,G,B信号により、約1677万の色の表現が可能となる。R,G,B信号の各々は、8ビットに変換されると、特別図柄表示部9へ送信される。なお、R,G,B信号の各々は、8ビットに限定されることなく、7ビット以下または9ビット以上で表現されてもよい。
また、本実施の形態では、DAC462を設け、デジタルの色データをアナログの信号に変換するような構成としているが、本発明はこのような構成に限定されることはない。たとえば、DAC462を設けずに、表示制御部460と特別図柄表示部9とをデジタルインタフェースで接続するような構成とすれば、表示制御部460から特別図柄表示部9へデジタルの信号をそのまま送信できる。
図4は、特別図柄表示部9に表示される画像を示す図である。
図4(a)は、有効ラインL1上にリーチが成立し、中変動表示領域において変動表示が行なわれているときの変動表示画像500を示す図である。なお、以下に説明する変動表示画像のサイズは、一例として、横480ドット、縦640ドットであるとする。また、変動表示画像において、左上の座標値を(0,0)、右下の座標値を(640,480)とする。
変動表示画像500には、識別情報(たとえば、数字の“0”〜“9”)をそれぞれ有する複数の識別情報画像が表示される。当該複数の識別情報画像は、一例として、“6”の識別情報を表示する識別情報画像、“7”の識別情報を表示する識別情報画像、“8”の識別情報を表示する識別情報画像である。変動表示画像500に表示される識別情報画像は、平面で構成されるスプライトである。なお、識別情報画像は、スプライトに限定されることなく、3Dオブジェクトであってもよい。
図4(b)は、リーチ成立後に特別図柄表示部9に表示される爆発のアニメーションを示す画像510である。図4(c)、図4(d)、図4(e)、図4(f)および図4(g)は、画像510の表示後に順に表示される変動表示画像520、530、540、550、560をそれぞれ示す。図4(h)は、すべての表示結果が導出表示された変動表示画像570を示す図である。
次に、一例として、変動表示画像520が特別図柄表示部9に表示されるまでの制御を以下に説明する。
図2および図3を参照して、遊技制御用マイクロコンピュータ210は、始動入賞検出手段250、変動表示結果決定手段251、変動パターン決定手段252およびコマンド送信手段253として動作する。始動入賞検出手段250、変動表示結果決定手段251、変動パターン決定手段252およびコマンド送信手段253における以下に説明する各種処理は、CPU212により実行される。また、演出制御用マイクロコンピュータ310は、コマンド解析手段361と、演出制御手段362として動作する。コマンド解析手段361、変動表示制御手段362における以下に説明する各種処理は、CPU312により実行される。
始動入賞検出手段250は、始動入賞を検出するための始動入賞検出処理を行なう。当該始動入賞検出処理は、打玉が始動口スイッチ17により検出された(すなわち、始動入賞した)か否かの判定を行なう。始動入賞検出処理により、始動入賞したと判定され、かつ、始動記憶が“4”でない場合、大当りを判定するための大当り判定用ランダム値の決定が行なわれる。大当り判定用ランダム値の決定には、たとえば、“0”〜“314”の範囲の値が設定されるランダムカウンタ(以下においては、大当り判定用ランダムカウンタとも称する)が使用される。
大当り判定用ランダムカウンタは、“0”〜“314”の範囲内で、遊技制御用マイクロコンピュータ210により遊技制御用プログラムが実行される所定期間(たとえば、2msec)ごとに“0”から“1”ずつ加算更新されてその上限である“314”まで加算更新されると、再度“0”から加算更新される。大当り判定用ランダム値は、始動入賞した時点における大当り判定用ランダムカウンタに設定されている値となる。
始動入賞検出処理によって、大当り判定用ランダム値の決定が行なわれると、変動表示結果決定手段251により、変動表示の表示結果を決定するための変動表示結果決定処理が行なわれる。変動表示結果決定処理では、当該決定された大当り判定用ランダム値を使用して、大当りを発生させるか否かの決定が行われる。具体的には、大当り判定用ランダム値が、予め定められた所定値(たとえば、“3”等)と同じであれば、大当りを発生させることが決定される。当該大当り判定用ランダム値が、予め定められた所定値(たとえば、“3”等)と同じでなければ、変動表示結果決定処理により、大当りを発生させるとする旨の決定はなされない。
変動表示結果決定処理により、大当りを発生させる決定がなされた場合、RAM214に設けられた大当りフラグがオンされる。
変動表示結果決定処理が終了すると、変動パターン決定手段252により、特別図柄表示部9において変動表示される各々の識別情報画像の変動パターン(変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間、リーチ演出等)が決定される変動パターン決定処理が行なわれる。変動パターン決定処理では、変動パターンを決定するための変動パターン決定値の決定が行なわれる。変動パターンは、たとえば、32種類あるものとする。当該変動パターン決定処理には、たとえば、“0”〜“31”の範囲の値が設定されるランダムカウンタ(以下においては、変動パターン決定用ランダムカウンタとも称する)が使用される。変動パターン決定用ランダムカウンタは、“0”〜“31”の範囲内で、遊技制御用マイクロコンピュータ210により遊技制御用プログラムが実行される所定期間(たとえば、2msec)ごとに“0”から“1”ずつ加算更新されてその上限である“31”まで加算更新されると、再度“0”から加算更新される。変動パターン決定値は、始動入賞した時点における変動パターン決定用ランダムカウンタに設定されている値となる。
たとえば、変動パターン決定値が、“0”〜“3”に設定された場合、リーチ状態にすることが予め決定されていれば、特別図柄表示部9の変動表示においてリーチ状態を成立させることが決定される。なお、大当りフラグがオンの状態である場合は、変動パターン決定値に設定された値に関わらず、特別図柄表示部9の変動表示においてリーチ状態を成立させることが決定される。変動パターン決定処理により、特別図柄表示部9の変動表示においてリーチ状態を成立させることが決定された場合、RAM214に設けられたリーチフラグがオンされる。
変動パターン決定処理が終了すると、コマンド送信手段253により、RAM214に設定されているフラグに基づいたコマンド送信処理が行なわれる。コマンド送信処理では、RAM214の大当りフラグ、リーチフラグの状態をCPU212が読出し、当該読み出された各種フラグの状態の情報、変動パターン決定処理により決定された変動パターン決定値等の遊技情報を含む遊技制御コマンドがI/Oポート215を介して、I/Oポート315へ送信される。
遊技制御コマンドが送信されると、コマンド解析手段361により、コマンド解析処理が行なわれる。コマンド解析処理では、CPU312がI/Oポート315を介して受信したコマンドの解析が行なわれる。当該受信した遊技制御コマンドに特定のコマンドがあることを判定すると、コマンド解析処理が終了し、演出制御手段362により、各種処理が行なわれる。演出制御手段362は、変動表示制御手段、音声・ランプ制御手段、コマンド送信手段を含む。変動表示制御手段は、三次元画像処理手段、停止図柄決定手段を有する。
変動表示制御手段は、VDP320へ変動表示制御データを送信することにより特別図柄表示部9に画像を表示させる制御を行なうための変動表示制御処理を行なう。音声・ランプ制御手段は、スピーカ41および遊技演出ランプ25を制御するための演出効果音制御処理および遊技演出ランプ制御処理を行なう。コマンド送信手段は、CPU312からの命令に応じて、VDP320、スピーカ41および遊技演出ランプ25へ、それぞれ変動表示制御データ、効果音データ、ランプ演出データを送信するコマンド送信処理を行なう。
三次元画像処理手段は、識別情報画像をスプライトでなく3Dオブジェクトで表現するとき、識別情報画像としての3Dオブジェクトが表示された変動表示画像を生成するための三次元画像処理を行なう。停止図柄決定手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から受信したコマンドに応じて、変動表示の停止図柄を決定する停止図柄決定処理を行なう。
CPU312は、コマンド解析処理によって解析された遊技制御コマンドおよびROM313に記憶されている制御プログラムに従って、変動表示制御処理、演出効果音制御処理、遊技演出ランプ制御処理、コマンド送信処理を行なう。
変動表示制御処理では、遊技制御コマンドに、特別図柄表示部9の変動表示を行なわせるためのコマンドデータが含まれている場合、ROM313に記憶されている制御プログラムに従って、指定された変動パターンデータをROM313から読出し、当該変動パターンデータに含まれる表示画像特定データから特定される画像を特別図柄表示部9に表示させる変動表示制御データをコマンド送信処理によりVDP320へ送信する。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像の各々を、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する。幾何学変換処理部412が、当該画像を生成する際には、必要に応じて、パレットバッファ420a、CGデータバッファ420bを使用する。
なお、識別情報画像が、たとえば、JPEG方式で圧縮された画像であれば、幾何学変換処理部412にデータが送信される前に、画像伸張部440が、画像のデータを伸張し、当該伸張後のデータが、幾何学変換処理部412に送信される。
また、アトリビュートに画像を半透明で表示することを指示するデータ(以下においては、半透明表示データとも称する。なお、当該半透明表示データには、半透明の度合いを示す半透明設定値も含まれる)があれば、半透明輝度変調部414が、識別情報画像のうち、指定された画像の一部またはすべてを半透明設定値に応じて、半透明にした透過画像を生成する。なお、半透明設定値は、“0”〜“100”の間で設定され、半透明設定値が“0”の場合は、識別情報画像は、半透明にされない。半透明設定値が“50”の場合は、識別情報画像を50%半透明にした画像が生成される。半透明設定値が“100”の場合は、識別情報画像を100%半透明にした画像、すなわち、識別情報画像は生成されない。
なお、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像の各々に対して、半透明設定値が、たとえば、“25”に設定されているとすると、半透明輝度変調部414が、当該複数の識別情報画像をそれぞれ25%半透明にした複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データ、アトリビュートに示される描画順序に応じて、変動表示画像520が生成される。
変動表示画像520のデータ(以下においては、変動表示画像データとも称する)は、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された変動表示画像データが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像データをDAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像データを、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。
以上の制御により、特別図柄表示部9に変動表示画像520が表示される。
図5は、図4に示した変動表示画像530,540,550の生成方法を示す図である。
図5(a)は、変動表示画像520に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則(詳細は後述)に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像525を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像520と、変動表示画像525とを合成することにより変動表示画像530が生成されることを示す図である。
図5(b)は、変動表示画像525に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像535を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像530と、変動表示画像535とを合成することにより変動表示画像540が生成されることを示す図である。
図5(c)は、変動表示画像535に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて表示位置指定手段により変化させた変動表示画像545を画像生成手段が生成し、画像合成手段が画像データ記憶手段に記憶されている1フレーム前の変動表示画像540と、変動表示画像545とを合成することにより変動表示画像550が生成されることを示す図である。
次に、変動表示画像に示される複数の識別情報画像の表示位置を所定の規則に基づいて変化させる場合の、当該所定の規則について説明する。
図6は、表示位置指定手段により指定される、所定の規則に基づいて変化する識別情報画像の表示位置を示す図である。当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに楕円軌道を描くものである。なお、楕円軌道は、時計周りであってもよいし、反時計周りであってもよい。
また、当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに閉軌道としての楕円軌道を描くものに限定されることなく、たとえば、円軌道、多角形(三角形、六角形等)の軌道であってもよい。また、閉軌道でなく、直線または曲線上の軌道であってもよい。
図6(a)は、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の順にそれぞれの画像が合成表示されたときの表示順を示した図である。なお、以下においては、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586が合成表示された画像を残像画像Mとも称する。当該残像画像Mを生成するための残像画像生成指示は、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後、CPU212がCPU312に対して行なう。
なお、残像画像Mを生成するための残像画像生成指示は、CPU212によりリーチを成立させることが決定された場合すべてにおいて、CPU212が行なうものでなくてよい。すなわち、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後に、CPU212が内部的な抽選を行い、当該抽選の結果によってCPU212が残像画像生成指示を行なうか否かを決めてもよい。
識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の順に前面に表示される。すなわち、識別情報画像522が最背面に表示され、識別情報画像586が最前面に表示される。
図6(b)は、前述の図6(a)の説明に従った実際の識別情報画像の表示状態を示す図である。
図7は、識別情報画像に対応する設定値を示す表である。
図7(a)に示される表1は、図6(a)に示される識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、表示位置指定手段が指定する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)(通常変動表示の座標値に加算される座標値)と、拡大縮小データとしての拡大・縮小率と、透過率データとしての半透明設定値との関係を示す表である。なお、表1に示される拡大・縮小率、半透明設定値は、拡大縮小データ記憶手段および透過率データ記憶手段としてのROM313に記憶される。
まず、閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)について説明する。表1に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のうち、X座標については、
X=24×cos(CT×π/24) ・・・(1)
によって求められ、
Y座標については、
Y=12+12×sin(CT×π/24) ・・・(2)
によって求められる。CTは閉軌道カウンタであり、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なったとき、“0”〜“14”の範囲内で、描画制御部410により画像が生成され、該生成された画像がVRAM340に記憶される毎に、CPU312により、初期値として設定される“12”から“2”ずつ加算更新され、その上限である“14”まで加算更新されると、再度“0”から“2”ずつ加算更新される。前述した式(1)および式(2)に閉軌道カウンタCTを代入すると、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、表1に示す閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)が求められる。
したがって、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586を、順に表示することによって図6(a)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、前述の式(1)を
X=−24×cos(CT×π/24) ・・・(1a)
と変形し、式(1)および式(2)の代わりに式(1a)および式(2)を使用して、前述の閉軌道カウンタCTを式(1a)および式(2)に代入して求められた座標値を逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)とする。そして、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586の各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586を、順に表示することによって図6(a)に示されるのとは逆で、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、閉軌道カウンタCTは“0”〜“15”の範囲内で、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なったとき、描画制御部410により画像が生成され、該生成された画像がVRAM340に記憶される毎に、CPU312により、初期値として設定される“12”から“1”ずつ加算更新されてその上限である“15”まで加算更新されると、再度“0”から“1”ずつ加算更新されるカウンタであってもよい。
この場合、前述した式(1)および式(2)より、各々が異なる16個の閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)が求められ、通常の変動表示の座標値に当該16個の閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像を順に表示することで、前述した各々が異なる8個の座標値に識別情報画像を表示するときよりも、識別情報画像が時計回りになめらかな楕円軌道を描くよう表示することができる。
次に、表1に示される「拡大・縮小率」について説明する。表1の「拡大・縮小率」の列に記載される数字が“100”であれば識別情報画像を拡大または縮小もせず、“50”であれば識別情報画像を縦と横ともに2分の1に縮小した画像を生成し、“120”であれば識別情報画像を縦および横ともに120%に拡大した画像を生成する。
表1に示される「拡大・縮小率」は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586全てについて、“120”に設定される。
表1に示される前述した「半透明設定値」は、識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586全てについて、“25”に設定される。
したがって、表1の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)、「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、図6(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が拡大・縮小率が120%で、かつ、透過率が25%の識別情報画像に変換され、当該変換された識別情報画像は、時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
なお、表1に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)の代わりに前述した逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のデータと、表1の「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、識別情報“7”を示す識別情報画像が、拡大・縮小率が120%で、かつ、透過率が25%の識別情報画像に変換され、当該変換された識別情報画像は、図6(b)に示されるのとは逆で、時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
図8は、表示位置指定手段により指定される、所定の規則に基づいて変化する識別情報画像の表示位置を示す図である。当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過(1フレーム毎)とともに楕円軌道を描くものである。なお、楕円軌道は、時計周りであってもよいし、反時計周りであってもよい。
また、当該所定の規則は、識別情報画像が表示される位置が時間経過とともに閉軌道としての楕円軌道を描くものに限定されることなく、たとえば、円軌道、多角形(三角形、六角形等)の軌道であってもよい。また、閉軌道でなく、直線または曲線上の軌道であってもよい。
図8(a)は、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過(1フレーム毎)とともに、時計回りに閉軌道としての楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像となる識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aが、当該識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの順にそれぞれの画像が合成表示されたときの表示順を示した図である。なお、以下においては、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aが合成表示された画像を残像画像Nとも称する。当該残像画像Nを生成するための残像画像生成指示も、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後、CPU212がCPU312に対して行なう。
なお、残像画像Nを生成するための残像画像生成指示も、CPU212によりリーチを成立させることが決定された場合すべてにおいて、CPU212が行なうものでなくてよい。すなわち、CPU212によりリーチを成立させることが決定された後に、CPU212が内部的な抽選を行い、当該抽選の結果によってCPU212が残像画像生成指示を行なうか否かを決めてもよい。
識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々は、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの順に前面に表示される。すなわち、識別情報画像522aが最背面に表示され、識別情報画像586aが最前面に表示される。
図8(b)は、前述の図8(a)の説明に従った実際の識別情報画像の表示状態を示す図である。
図7(b)に示される表2は、表1と同様、図8(a)に示される識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々について、閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)に加算される座標値)と、拡大・縮小率と、半透明設定値との関係を示す表である。なお、表1に示される拡大・縮小率、半透明設定値は、前述した変動パターンデータに含まれる。
識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)は、前述の式(1)および式(2)により、前述したのと同様に求められる。
したがって、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々について、通常の変動表示の座標値に、それぞれ対応する閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)を加算した座標値に識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aを、順に表示することによって図8(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描くよう表示される。
表2に示される、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「拡大・縮小率」は、時間経過とともに識別情報画像が拡大するように設定される。そのため、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)および「拡大・縮小率」のデータを使用して、画像を生成すると、図8(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大されるように表示される。
なお、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「拡大・縮小率」は、時間経過とともに識別情報画像が縮小するように設定されてもよい。このとき、当該「拡大・縮小率」のデータと、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)のデータを使用して、画像を生成すると、図8(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大されるように表示される。
表2に示される、識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aの各々に対応する「半透明設定値」は、時間経過とともに識別情報画像の透過率が小さくなる。すなわち、半透明である画像が徐々に半透明でない画像になるように設定される。そのため、表2の軌道変動表示時加算座標値(X,Y)、「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、図8(b)に示されるように、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるように表示される。
なお、表2に示される閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)の代わりに前述した逆回転閉軌道変動表示時加算座標値(X,Y)にのデータと、表2の「拡大・縮小率」、「半透明設定値」のデータを使用して、画像を生成すると、識別情報“7”を示す識別情報画像が、図8(b)に示されるのとは逆で、識別情報“7”を示す識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるように表示される。
次に、図6(b)に示す識別情報画像522,526,536,546,556,566,576,586のように、識別情報画像の各々が時間経過とともに楕円軌道を描く画像(残像画像M)を生成する制御について説明する。なお、当該残像画像は、以下に示す残像画像生成処理により生成される。
図9は、残像画像生成処理を示すフローチャートである。
次に、図3、図4、図5、図6、図7および図9を参照して、CPU212が残像画像Mを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なうと、残像画像生成処理のS100の第1画像の生成処理が行なわれる。
S100では、表示位置指定手段(CPU312)が、閉軌道カウンタCTの初期値を“12”に設定し、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
そして、CPU312は、VDP320に対し、変動表示画像520を生成するための変動表示制御データを送信する。当該変動表示制御データには、表示位置データ、「拡大・縮小率」が“120”のデータ、「半透明設定値」が“25”のデータが含まれる。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像の各々を、「拡大・縮小率」のデータ“120”に基づいて、120%拡大した拡大画像として生成する。
そして、半透明輝度変調部414が、「半透明設定値」のデータ“25” に基づいて、当該複数の拡大画像をそれぞれ25%透過させた複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データが示す座標値に、対応する複数の透過画像を表示した透過画像(変動表示画像520)が生成される。すなわち、変動表示画像520が第1画像となる。その後、残像画像生成処理のS101の処理が行なわれる。
以下に説明するS101〜S101aでは、1フレーム目に表示する画像を生成、出力する処理である。
S101では、第1画像としての変動表示画像520のデータが、データ転送制御部450からの指示により、画像データ記憶手段(VRAM340)の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS101aの画像表示処理が行なわれる。
S101aでは、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第1画像としての変動表示画像520のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像520のデータをDAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像520のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第1画像としての変動表示画像520が表示される。その後、残像画像生成処理のS102の位置変更画像の生成処理が行なわれる。
以下に説明するS102〜S108では、前述したS101〜S101aの処理により表示された1フレーム目の次に表示されるフレームとして表示する画像を生成、出力する処理である。
S102では、表示位置指定手段(CPU312)が、“12”に設定されている閉軌道カウンタCTに“2”を加算し“14”とし、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(17,3)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(17,3)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
その後、「拡大・縮小率」のデータ、「半透明設定値」のデータ、表示位置データのデータに基づいて画像生成手段により変動表示画像525が生成される。変動表示画像525が生成されるまでの処理は、前述した変動表示画像520が生成されるまでの処理と同様である。すなわち、変動表示画像525が位置変更画像となる。その後、残像画像生成処理のS103の画像データ記憶処理が行なわれる。
S103では、位置変更画像としての変動表示画像525のデータが、データ転送制御部450からの指示により、画像データ記憶手段(VRAM340)の領域Bに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS104の第2画像生成処理が行なわれる。
S104では、データ転送制御部450からの指示により、描画制御部410が、VRAM340内の領域Aに記憶された第1画像としての変動表示画像520のデータと、VRAM340内の領域Bに記憶された位置変更画像としての変動表示画像525のデータとを読み出す。
そして、画像合成手段(描画制御部410)が、第1画像としての変動表示画像520と位置変更画像としての変動表示画像525とを合成した合成画像を生成する。該合成画像が、図4および図5に示される変動表示画像530である。すなわち、当該変動表示画像530が第2画像となる。その後、残像画像生成処理のS106の画像データ記憶処理が行なわれる。
S106では、第2画像としての変動表示画像530のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS108の画像表示処理が行なわれる。
S108では、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像530のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像530のデータを、S101aで変動表示画像520のデータを送信してから30分の1秒後に、DAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像530のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第2画像としての変動表示画像530が表示される。すなわち、特別図柄表示部9には、変動表示画像520が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像530が表示される。その後、残像画像生成処理のS112の位置変更画像の生成処理が行なわれる。
S112では、CPU312が、“14”に設定されている閉軌道カウンタCTに“2”を加算し“0”とし、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(24,12)を求める。そして、CPU312は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(24,12)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
その後、「拡大・縮小率」のデータ、「半透明設定値」のデータ、表示位置データのデータに基づいて変動表示画像535が生成される。変動表示画像535が生成されるまでの処理は、前述した変動表示画像520が生成されるまでの処理と同様である。すなわち、変動表示画像535が位置変更画像となる。その後、残像画像生成処理のS113の画像データ記憶処理が行なわれる。
S113では、位置変更画像としての変動表示画像535のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Bに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS114の第2画像生成処理が行なわれる。
S114では、データ転送制御部450からの指示により、描画制御部410が、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像530のデータと、VRAM340内の領域Bに記憶された位置変更画像としての変動表示画像535のデータとを読み出す。
そして、描画制御部410が、第2画像としての変動表示画像530と位置変更画像としての変動表示画像535とを合成した合成画像を生成する。該合成画像が、図4および図5に示される変動表示画像540である。すなわち、当該変動表示画像540が第2画像となる。その後、残像画像生成処理のS116の画像データ記憶処理が行なわれる。
S116では、第2画像としての変動表示画像540のデータが、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに一次的に記憶される。その後、残像画像生成処理のS118の画像表示処理が行なわれる。
S118では、データ転送制御部450からの指示により、VRAM340内の領域Aに記憶された第2画像としての変動表示画像540のデータが読み出され、表示制御部460へ送信される。
表示制御部460は、受信した変動表示画像540のデータを、S108で変動表示画像530のデータを送信してから30分の1秒後に、DAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像540のデータを、アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。その結果、特別図柄表示部9に第2画像としての変動表示画像540が表示される。すなわち、特別図柄表示部9には、変動表示画像530が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像540が表示される。その後、残像画像生成処理のS119の処理が行なわれる。
S119では、特別図柄表示部9に第2画像を7回表示したか否かが判定される。このとき、第2画像を7回表示してはいないので、前述したS112の処理が行なわれる。
その後、S112〜S118までの処理により、前述した変動表示画像540の場合と同様に、変動表示画像550が生成され、特別図柄表示部9に第2画像として、変動表示画像540が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像550が表示される。
その後、再度、S112〜S118までの処理により、前述した変動表示画像540の場合と同様に、変動表示画像560が生成され、特別図柄表示部9に第2画像として、変動表示画像550が表示されてから30分の1秒後に変動表示画像560が表示される。
そして、S112〜S118までの処理が数回繰り返され、S119により、第2画像を7回表示したと判定されたとき、すなわち、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々が図6(b)に示されるような状態になった画像である第2画像が表示されると、S120の処理に移行する。
変動表示画像520,530,540,550,560およびそれ以後に生成される3枚の変動表示画像が30分の1秒間隔で特別図柄表示部9に表示されるので、特別図柄表示部9には、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々が、時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すよう表示される。
また、合成した画像のデータをVRAM340から消去せず、当該合成した画像と識別情報画像の位置を少し移動させた画像とを合成することにより合成画像を生成し、再度、合成画像のデータをVRAM340から消去せず、当該合成画像と、さらに、識別情報画像の位置を少し移動させた画像とを合成するといった処理を繰り返す、すなわち、生成した合成画像のデータの再利用を繰り返すことで、生成する画像を低減することができるので、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像(残像画像M)を生成するためのVDP320の処理負担は、合成画像を表示する毎にVRAMのデータを消去し、前述の残像画像Mを生成する場合よりも軽減される。
その後、残像画像生成処理のS120の処理が行なわれる。
S120では、VRAM340内の領域Aに記憶されている第2画像のデータおよびVRAM340内の領域Bに記憶されている位置変更画像のデータが消去(クリア)される。S120において所定の処理が行なわれると、この残像画像生成処理は終了し、リターンする。
なお、当該残像画像生成処理は、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なわれる。その結果、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
また、残像画像生成処理において、CPU312が、式(1)、式(2)の代わりに、前述した式(1a)および式(2)を使用して、表示位置データを設定し、残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示するまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
以上説明したような画像表示を、たとえば、爆発のアニメーションを示す画像510が表示された後に行なうことで、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像が爆発の影響を受けて、ぶれながらスクロール表示するといった演出を行なうことができ、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
また、合成した画像を、再度、合成画像を生成するための画像として再利用するといった処理を繰り返すことで、生成する画像を低減することができるので、画像処理の負担を軽減することができる。
次に、図8(b)に示す識別情報画像522a,526a,536a,546a,556a,566a,576a,586aのように、識別情報画像の各々が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になる画像(残像画像N)を生成する制御について説明する。なお、当該残像画像は、前述した残像画像生成処理により生成される。
次に、図3、図4、図5、図7、図8および図9を参照して、CPU212が残像画像Nを生成するための残像画像生成指示をCPU312に対して行なうと、残像画像生成処理のS100の第1画像の生成処理が行なわれる。
S100では、表示位置指定手段(CPU312)が、閉軌道カウンタCTの初期値を“12”に設定し、式(1)、式(2)より、閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を求める。そして、表示位置指定手段(CPU312)は、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標値に、当該閉軌道変動表示時加算座標値(0,0)を加算した座標値のデータを表示位置データとして設定する。
そして、CPU312は、VDP320に対し、変動表示画像520を生成するための変動表示制御データを送信する。当該変動表示制御データには、表示位置データ、「拡大・縮小率」が“50”のデータ、「半透明設定値」が“85”のデータが含まれる。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、CGROM330から、生成する変動表示画像に表示される複数の識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから、生成する変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々を、「拡大・縮小率」のデータ“50”に基づいて、50%縮小した縮小画像として生成する。
そして、半透明輝度変調部414が、「半透明設定値」のデータ“85” に基づいて、当該複数の縮小画像をそれぞれ85%透過させた複数の透過画像を生成する。
そして、描画制御部410により、アトリビュートに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データが示す座標値に、対応する複数の透過画像を表示した透過画像(変動表示画像)が生成される。その後、残像画像生成処理のS101の処理が行なわれる。
残像画像Nを生成するときのS101〜S120の処理においては、残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理のS101〜S120と比較して、「拡大・縮小率」のデータが“120”で一定である代わりに時間経過とともに識別情報画像が拡大するよう設定される点と、「半透明設定値」が“25” で一定である代わりに時間経過とともに識別情報画像の透過率が高くなる用に設定される点が異なだけで、それ以外の処理は、残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理のS101〜S120と同様である。
その後、前述の残像画像Nを生成するときの残像画像生成処理は、リーチが成立し、表示結果が導出表示するまで、変動表示画像に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なわれる。その結果、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、複数の識別情報画像の各々が時計回りに楕円軌道を描き、かつ、徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になる画像であって、残像を残すような画像が表示される。
したがって、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるような、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
次に、注目させたい画像のみを認識し易くする制御について説明する。
中変動表示領域で変動表示される識別情報画像は、前述した最終停止識別情報画像であるので、当該最終停止識別情報画像の「半透明設定値」を、右変動表示領域および左変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の「半透明設定値」よりも大きく設定する。たとえば、最終停止識別情報画像の「半透明設定値」を“0”に設定(透過させない画像)、右変動表示領域および左変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の「半透明設定値」を“80”に設定(80%半透明にした画像)する。
そして、前述の残像画像Mを生成するときの残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれ座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、最終的に停止表示される、中変動表示領域で変動表示される識別情報画像のみをはっきりと表示させることができ、遊技者は注目すべき画像を認識し易くなる。
なお、注目させたい画像は、中変動表示領域で変動表示される識別情報画像に限られることなく、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像の「半透明設定値」のうち、注目させたい識別情報画像の「半透明設定値」を“0”または“0”に近い値に設定することで、より多彩な遊技の演出表示を行なうことができる。
次に、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示する制御について説明する。一例として、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描くよう表示する制御について説明する。
前述した残像画像生成処理において、表示位置指定手段(CPU312)が、前述した式(1)、式(2)を使用して、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像の表示位置データを設定し、前述した式(1a)、式(2)を使用して、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像の表示位置データを設定する。
そして、当該残像画像生成処理を、リーチが成立し、表示結果が導出表示されるまで、変動表示画像520に表示される複数の識別情報画像のそれぞれの座標位置のうち、最終停止識別情報画像のみの座標位置を下方向に少し移動した複数の座標位置に複数の識別情報画像をそれぞれ表示した変動表示画像毎に、繰り返し行なうことで、特別図柄表示部9にはリーチが成立してから表示結果が導出表示されるまで、中変動表示領域で変動表示される最終停止識別情報画像のみが下方向にスクロール表示されるとともに、左変動表示領域および中変動表示領域の各々で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、右変動表示領域で変動表示される識別情報画像が時間経過とともに反時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示される。
したがって、前述の残像画像Mの変動表示の奏する効果に加えて、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示することで、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
次に、特別図柄表示部9に変動表示画像が表示されるときの演出制御について説明する。
再び、図2を参照して、CPU312は、前述した変動表示画像を表示する変動表示制御処理を行なうと同時に、演出効果音制御処理および遊技演出ランプ制御処理を行なう。
演出効果音制御処理では、特別図柄表示部9に所定の演出を行なうための所定の変動表示画像(たとえば、大当りの予告を行なう画像)が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、効果音をスピーカ41から発生させるための効果音データをROM313から読出し、効果音データをコマンド送信処理によりスピーカ41へ送信する。
スピーカ41は、効果音データに応じて、効果音を出力する。
遊技演出ランプ制御処理では、特別図柄表示部9に所定の変動表示画像が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、ランプ演出を行なうランプ演出データをROM313から読出し、ランプ演出データをコマンド送信処理により遊技演出ランプ25へ送信する。
遊技演出ランプ25は、ランプ演出データに応じて、ランプを所定時間点灯させたり、点滅させたりする。
以上説明した制御により、特別図柄表示部9において、変動表示画像を表示させることと、当該変動表示画像に応じた音やランプ等の演出を実行することが可能となる。
以上説明したように、生成した合成画像のデータの再利用を繰り返すことで、生成する画像を低減することができ、画像処理の負担を軽減できる。
また、複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに時計回りに楕円軌道を描き、かつ、残像を残すような画像が表示されることで、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
また、複数の識別情報画像の各々が時間経過とともに徐々に拡大され、かつ、半透明の画像から徐々に半透明でない画像になるよう画像を表示することで、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
また、複数の変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、注目させたい識別情報画像以外の透過率を高く設定することで、遊技者は注目すべき画像を認識し易くなる。
また、複数の変動表示領域のそれぞれで変動表示される複数の識別情報画像のうち、少なくとも2つの識別情報画像が時間経過とともに異なる閉軌道を描くよう表示することで、さらに、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。以下に、本実施の形態の変形例や特徴点を列挙する。
(1) 前述した実施の形態における制御の手法は任意であり、プログラムにより実行することも可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、演出制御を行なう演出制御基板300に、演出制御用マイクロコンピュータ310、CGROM330、VRAM340、VDP320などから構成されるものを例示したが、その物理的構成は任意である。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ310に、CGROM330やVRAM340を内蔵して1チップ化したマイクロプロセッサを使用してもよい。
さらには、VDP320が単体で十分な処理能力を有する場合には、上記実施の形態で説明した演出制御用マイクロコンピュータ310の処理をVDP320が負担し、演出制御用マイクロコンピュータ310を設けないようにすることも可能である。
逆に、演出制御用マイクロコンピュータ310が高機能化された場合には、VDP320を配置せずに、全処理を演出制御用マイクロコンピュータ310で行うようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態における装置構成、ブロック構成や、変動パターン、フローチャートの構成は任意に変更及び修正が可能である。
(4) この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機(コンピュータ)などにも適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、10 普通図柄表示部、11 通過口、12 ゲートスイッチ、14 始動口、15 通過記憶表示器、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、19 可変入賞球装置、25 遊技演出ランプ、41 スピーカ、210 遊技制御用マイクロコンピュータ、212,312 CPU、213,313 ROM、214,314 RAM、310 演出制御用マイクロコンピュータ、320 VDP、330 CGROM、340 VRAM。