JP2003033506A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
小限のハードウェア資源でもって効率的に実現すること
が可能な遊技機を提供する。 【解決手段】遊技機の表示制御基板32は、画像の基本
状態を表わした基本画像データを保持する画像ROM4
6と、画像データの拡大縮小機能及び半透明化機能を持
つVDP45(描画チップ)と、画像データの目標倍率
等を演算するCPU41とを備える。特定の画像の基本
画像データを半透明化処理しつつ経時的に倍率変化させ
ながら当該特定画像の背後に重ねて表示することによ
り、その特定画像(実像)の背後で、それと略相似形で
且つその特定画像よりも色薄な相似画像(残像)が経時
的に拡縮するような画像表示を実現する。
Description
めの表示装置を備えたパチンコ遊技機などの遊技機に関
する。
おける当り状態又は外れ状態の表示に関与する複数の図
柄(図柄画像)や背景画像等を表示する表示装置(例え
ば液晶表示装置)と、その表示装置での画像表示をマイ
コン制御する表示制御回路とを備えている。例えば、液
晶表示装置の画面を左・中・右の三つの列(図柄領域)
に区分し、各列において数字や絵などの図柄を変動表示
させ、所定のタイミングで図柄変動を停止(確定表示)
し、三つの図柄が横並びに揃ったときに「大当り」と
し、三つの図柄の一つでも不一致がある場合には「外
れ」とするものがある。各列での図柄変動のさせ方とし
ては、複数の図柄を次々と垂直方向にスクロールさせて
あたかも図柄の帯が連続的に上下に流れるように見せる
やり方が一般に知られている。
では特に、当り状態又は外れ状態の確定表示に到るまで
の間の画像表示に、遊技者の射幸心をあおる演出や、遊
技者に意外感を与えたり趣味感を満足させたりする演出
が求められる傾向にあり、画面上での表示演出の工夫が
パチンコ遊技機の商品価値を大きく左右するといっても
過言ではない。この点、前述のような複数の図柄を垂直
方向に連続スクロールするという手法は、マイコン内蔵
のパチンコ遊技機に限らず、いわゆるスロットマシンの
ような遊技機においても従来より機械的又は電気的に実
現されてきた手法であり、図柄の表示手法としての新鮮
味は薄れつつある。本発明はかかる事情に鑑みてなされ
たものである。
す斬新な画像表示を行うことが可能な遊技機を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、その斬新な画像表
示を必要最小限のハードウェア資源でもって効率的に実
現することが可能な遊技機を提供することにある。
のほかに、本発明のより好ましい態様や追加的構成要件
についても列挙し、必要に応じて作用効果に関する簡単
な注釈を加える。尚、手段1,2及び3がそれぞれ前記
請求項1,2及び3に対応する。
の画面を有する表示装置と、前記表示装置での画像表示
を制御する表示制御手段とを備えた遊技機において、前
記表示制御手段は、特定の画像に重ねて表示される当該
特定画像と略相似形状の相似画像が、経時的に拡大又は
縮小して見えるように画像表示制御を行うことを特徴と
する遊技機。
定の画像に対して当該特定画像と略相似形状の相似画像
が重ねて表示され、且つ、その相似画像が経時的に拡大
又は縮小して見えるように表示制御される。即ち、相似
画像よりも表示優先度の高い特定画像を「実像」と位置
付けるならば、その特定画像に対して略相似形をなすと
共に経時的に拡縮する相似画像は、その実像に由来する
「残像」であるとの印象を看者(即ち遊技者)に与える
ことが可能となる。このように特定の画像(実像)が動
的な残像を伴うという視覚的効果は、従来の画像表示手
法に比べて新鮮味に富み、遊技の面白さを増す。
は、画面に映し出される背景画像及び前記特定画像との
対比において、前記相似画像が半透明化しているように
見えるように画像表示制御を行うことを特徴とする手段
1に記載の遊技機。
の対比において相似画像が半透明化しているように見え
るため、看者に、当該相似画像が実像(特定画像)に由
来する残像であるとの印象をより一層強く与えることが
できる。このことは、従来の画像表示手法に比べて画像
表現の巾や新鮮味に富み、遊技の面白さを増す。
は、前記特定画像の基本状態を表わした基本画像のデー
タを保持するメモリを備えており、その基本画像データ
に対して所定の演算処理を施すことにより、前記経時的
に拡大又は縮小する相似画像の個々のタイミングにおけ
る静止画像を生じさせることを特徴とする手段1又は2
に記載の遊技機。
又は縮小をさせる際の個々のタイミングにおける静止画
像は、表示制御手段のメモリに予め保持された基本画像
データに対して所定の演算処理を施すことによって逐次
準備される。故に、相似画像の拡縮変化という動画を表
現するにしても、メモリには、拡縮変化させる画像の基
本状態を表わした基本画像データを保持するだけで足
り、メモリの大幅な節減を果たすことができる。つま
り、必要最小限のハードウェア資源でもって相似画像の
拡縮変化という動画を効率的に表示することができる。
する。例えば、ある画像(例えば図柄)が画面上である
種の変化(又は運動)をしているように見せようとした
場合、従来の常識によれば、映画フィルムやアニメーシ
ョンのセル画におけるコマ送りの手法をそのまま採用す
ることになる。即ち、ある図柄の変化開始時から変化終
了時までの一連の状態変化を細かくコマ割りして各コマ
毎に静止画像のデータを予め用意し、その一連の画像デ
ータをメモリに蓄えておく。そして、これらの静止画像
を所定の時間間隔で順次画面上に再生することにより、
当該変化(又は運動)を動画として表現することにな
る。しかし、このような従来の再生手法をそのまま素直
に採用すると、画像用のメモリは膨大な容量を必要とす
ることになりコスト的課題に直面してしまう。また、動
画としてのリアリティや動きの円滑性を追求するなら
ば、コマ送りの時間間隔は短いほどよく、そうなれば一
連の静止画像データの数も飛躍的に増やさざるを得ない
が、流行に左右され易い遊技機にあってはモデルチェン
ジのインターバルも極めて短いため、贅沢なハードウェ
ア構成を採用してコスト増を招くことは許されない。こ
の点、上記手段3の遊技機によれば、このような問題を
解消しつつリアルで滑らかな画像の変化を表現すること
ができる。尚、本段落に記載の補足説明は後記手段7の
遊技機にも準用される。
の表示倍率を変化させる倍率制御手段を備えていること
を特徴とする手段3に記載の遊技機。
内蔵する倍率制御手段により、前記基本画像の倍率を時
間の経過に伴って変化させ、その逐次倍率変化させた画
像を前記特定画像に重ねて表示する。つまり、必要最小
限のハードウェア資源でもって相似画像の拡縮変化とい
う動画を効率的に表示することができる。
する個々のピクセルにおける表示色をその背景にある画
像との関係において半透明化するための表示色制御手段
を備えていることを特徴とする手段3又は4に記載の遊
技機。
内蔵する表示色制御手段により、相似画像を構成する個
々のピクセルにおける表示色を画面の背景画像との関係
において所定の半透明率で半透明化し、その半透明化処
理された画像を前記特定画像に重ねて表示する。つま
り、必要最小限のハードウェア資源でもって相似画像の
半透明化を効率的に達成することができる。
プ形式であることを特徴とする手段3〜5のいずれかに
記載の遊技機。この手段6によれば、ビットマップ形式
のデータは非圧縮のまま管理されるラスターデータであ
るので、ビット単位又はライン単位でのデータの倍率変
更や半透明化処理が容易であり、ハード及びソフト面で
の演算負荷を軽減することができる。
る表示装置と、前記表示装置での画像表示を制御する表
示制御手段とを備えた遊技機において、前記表示制御手
段は、前記表示装置の画面に表示する画像の基本状態を
表わした基本画像のデータを保持するメモリと、画像デ
ータの表示倍率を変化させる倍率制御手段と、画像を構
成する個々のピクセルにおける表示色をその背景にある
画像との関係において半透明化する表示色制御手段とを
備えており、当該表示制御手段は、特定画像の基本画像
データを半透明化処理しつつ経時的に倍率変化させて得
られる画像を当該特定画像に重ねて表示することによ
り、当該特定画像と略相似形で且つ当該特定画像よりも
色薄な相似画像が経時的に拡大又は縮小して見えるよう
な画像表示を実現することを特徴とする遊技機。
定の画像に対し、当該特定画像と略相似形で且つ当該特
定画像よりも色薄な相似画像が重ねて表示され、且つ、
その相似画像が経時的に拡大又は縮小して見えるように
表示制御される。即ち、相似画像よりも表示優先度の高
い特定画像を「実像」と位置付けるならば、その特定画
像に対して略相似形且つ色薄で経時的に拡縮する相似画
像は、その実像に由来する「残像」であるとの印象を看
者(遊技者)に与えることが可能となる。このように、
特定の画像(実像)が動的な残像を伴うという視覚的効
果は、従来の画像表示手法に比べて新鮮味に富み、遊技
の面白さを増す。加えて、相似画像に経時的な拡大又は
縮小をさせる際の個々のタイミングにおける静止画像
は、表示制御手段のメモリに予め保持された基本画像デ
ータに対して所定の演算処理(つまり倍率変更及び半透
明化処理)を施すことによって逐次準備される。故に、
相対的に色薄な相似画像の拡縮変化という動画を表現す
るにしても、メモリには、拡縮変化させる画像の基本状
態を表わした基本画像データを保持するだけで足り、メ
モリの大幅な節減を果たすことができる。つまり、必要
最小限のハードウェア資源でもって相対的に色薄な相似
画像の拡縮変化という動画を効率的に表示することがで
きる。
係にある相似画像が、同一画面において重畳的に複数存
在してもよい。即ち、倍率制御手段によって、基本画像
データから倍率の異なる相似画像を複数生成してもよ
い。又、それら倍率の異なる相似画像において、半透明
の程度を互いに異ならせてもよい。更に、特定画像を画
面の最も手前側に表示し、それと関連する相似画像を当
該特定画像の背後に重ねて表示することは好ましい。
像の倍率を、その相似画像の倍率変化に歩調を合わせて
変化させることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
似画像の倍率変化との歩調が合うことから、実像の拡大
又は縮小に付随して、その実像に重ねて表示される残像
も拡大又は縮小するような視覚的効果が生み出される。
尚、手段8は後記実施形態中の第1実施例を指向する。
率変化する前記相似画像の倍率を周期的に前記特定画像
の倍率にほぼ一致させると共に、相似画像の倍率が特定
画像の倍率にほぼ一致するタイミングにおいて、特定画
像及び相似画像の元となる基本画像を別のものに切り替
えることを特徴とする手段7又は8に記載の遊技機。
像の倍率とが周期的にほぼ一致することから、実像と重
なる残像がほぼ消え去るタイミングが周期的に出現す
る。そして、そのようなタイミングで実像及び残像の元
となる基本画像を別のものに切り替えることで、画像種
の周期的な切替えが実現する。尚、手段9は後記実施形
態中の第1実施例を指向する。
画像に重ねて表示される特定画像の倍率を脈動的に変化
させることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
的に変化することから、あたかもステレオスピーカのコ
ーンが周囲に重低音を響かせながら振動するような視覚
的効果が生み出される。尚、手段10は後記実施形態中
の第2実施例を指向する。
的に変化する特定画像の倍率が極大化したときに、当該
極大化した特定画像に対し、半透明化処理された相似画
像をその特定画像とほぼ同じ倍率で重ねて表示し、その
後は、当該相似画像の倍率を次第に拡大することを特徴
とする手段10に記載の遊技機。
画像の倍率が極大化した瞬間に、その極大化した特定画
像(実像)に重なる格好で、それとほぼ等倍の残像が生
成され、その後は、特定画像の輪郭部分から放出された
残像が、波紋を広げるように次第に拡大していくような
視覚的効果が生み出される。尚、手段11は後記実施形
態の第2実施例を指向する。
に拡大する相似画像の表示色が経時的に薄れる方向に当
該相似画像の半透明度を制御することを特徴とする手段
11に記載の遊技機。
と共に、倍率を次第に拡大しながら表示色を次第に薄め
ていくことから、残像が波紋を広げるような視覚的効果
が一層高められる。尚、手段12は後記実施形態の第2
実施例を指向する。
ップ形式であることを特徴とする手段7〜12のいずれ
かに記載の遊技機。この手段13によれば、ビットマッ
プ形式のデータは非圧縮のまま管理されるラスターデー
タであるので、ビット単位又はライン単位でのデータの
倍率変更や半透明化処理が容易であり、ハード及びソフ
ト面での演算負荷を軽減することができる。
において、相似画像を伴う前記特定画像は、遊技の当り
状態又は外れ状態の表示に関与する図柄であること。こ
の手段14によれば、遊技の当り状態又は外れ状態の表
示に関与する図柄に、経時的に拡大又は縮小する相似画
像を付随させることで、遊技者の期待感をあおることが
できる。又、かかる動的な相似画像を伴った図柄が時間
の経過と共に次第に図柄種を変化させることは、遊技者
に新鮮な感動を与えて遊技の面白さを増す。
伴う前記特定画像は、画面の大当りラインに沿って配列
される複数の図柄のうち、最後に変動を停止する図柄で
あること。この手段15によれば、大当りラインに沿っ
て配列される複数図柄のうちの最後に変動を停止する図
柄が経時的に拡大又は縮小する相似画像を伴うことか
ら、その最後の図柄に対する注目度を高めることができ
る。特に、最後の図柄だけが確定しない遊技状態がリー
チ状態であれば、拡大又は縮小する相似画像を伴った図
柄の変化は、遊技者の期待感や射幸心を大いに高める効
果があり、遊技の面白さを更に増すことができる。
において、相似画像を伴う前記特定画像は、遊技の当り
状態又は外れ状態の表示に関与する図柄の変動時に、近
々所定の遊技状態となる可能性を示唆するものとして表
示する予告画像であること。この手段16によれば、予
告画像に、経時的に拡大又は縮小する相似画像を付随さ
せることで、遊技者の期待感をあおり、遊技の面白さを
更に増すことができる。なお、「所定の遊技状態」とし
ては、大当り状態やリーチ状態を例示することができ
る。
において、前記遊技機はパチンコ機であること。中で
も、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備
えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊
技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に
配置された作動口に入賞することを必要条件として表示
装置における図柄の変動表示が開始すること、又、特別
遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置され
た入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能と
して、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみなら
ず、磁気カードへの書込み等も含む)が付与されること
等が挙げられる。上記パチンコ機には、少なくとも、多
数個の遊技球を取得できる遊技者に有利な状態である特
別遊技状態(大当り状態)と、遊技球を消費する遊技者
に不利な状態である通常遊技状態の二種類の遊技状態が
存在する。
において、前記遊技機はスロットマシンであること。中
でも、スロットマシンの基本構成としては、「遊技状態
に応じてその遊技状態を識別させるための複数の図柄か
らなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表
示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の
操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段
(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定
時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停
止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として
遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態
発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒
体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。上
記遊技機には少なくとも、多数個の遊技媒体を取得でき
る遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当り状
態)と、遊技媒体を消費する遊技者に不利な状態である
通常遊技状態の二種類の遊技状態が存在する。
において、前記遊技機は少なくとも複数種類の表示装置
を備えたスロットマシンであること。中でも、スロット
マシンの基本構成としては、「遊技状態に応じてその遊
技状態を識別させるための複数の第1の図柄からなる図
柄列を変動表示した後に前記第1の図柄を確定表示する
第1の表示装置と、少なくとも前記第1の図柄とは異な
る複数の第2の図柄を遊技状況に応じて可変表示可能と
する第2の表示装置と、少なくとも始動用操作手段(例
えば操作レバー)の操作に起因して前記第1の図柄の変
動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタ
ン)の操作に起因して或いは所定時間経過することによ
り前記第1の図柄の変動が停止され、その停止態様が特
定の表示態様となって確定表示されることを必要条件と
して遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技
状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
が代表例として挙げられる。上記遊技機には少なくと
も、多数個の遊技媒体を取得できる遊技者に有利な状態
である特別遊技状態(大当り状態)と、遊技媒体を消費
する遊技者に不利な状態である通常遊技状態の二種類の
遊技状態が存在する。なお、このスロットマシンでは、
手段1から手段16のいずれかにおいて行われる表示制
御を主として前記第2の表示装置において行うような構
成となっている。すなわち、ここにいう第2の表示装置
が、手段1から手段16のいずれかの表示装置に相当
し、ここにいう第2の図柄が手段1から手段16のいず
れかの画像又は図柄に相当する。
において、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンと
を融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させ
た遊技機の基本構成としては、「遊技状態に応じてその
遊技状態を識別させるための複数の識別情報からなる図
柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を
備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起
因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えば
ストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過
することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確
定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に
有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、
前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必
要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が
払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。上記
遊技機には少なくとも、多数個の遊技球を取得できる遊
技者に有利な状態である特別遊技状態(大当り状態)
と、遊技球を消費する遊技者に不利な状態である通常遊
技状態の二種類の遊技状態が存在する。
において、前記遊技機は少なくとも複数種類の表示装置
を備えたパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊
技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本
構成としては、「遊技状態に応じてその遊技状態を識別
させるための複数の第1の図柄からなる図柄列を変動表
示した後に前記第1の図柄を確定表示する第1の表示装
置と、少なくとも前記第1の図柄とは異なる複数の第2
の図柄を遊技状況に応じて可変表示可能とする第2の表
示装置と、少なくとも始動用操作手段(例えば操作レバ
ー)の操作に起因して前記第1の図柄の変動が開始さ
れ、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に
起因して或いは所定時間経過することにより前記第1の
図柄の変動が停止され、その停止態様が特定の表示態様
となって確定表示されることを必要条件として遊技者に
有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、
前記第1の図柄の変動開始に際しては所定数の遊技球を
必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球
が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。
球を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態
(大当り状態)と、遊技球を消費する遊技者に不利な状
態である通常遊技状態の二種類の遊技状態が存在する。
なお、前記融合させた遊技機では、手段1から手段16
のいずれかにおいて行われる表示制御を主として前記第
2の表示装置において行うような構成となっている。す
なわち、ここにいう第2の表示装置が、手段1から手段
16のいずれかの表示装置に相当し、ここにいう第2の
図柄が手段1から手段16のいずれかの画像又は図柄に
相当する。
具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。図1
に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤1には、誘導レ
ール2によって遊技領域3が区画形成されている。誘導
レール2は、遊技者による操作ハンドルの操作に呼応し
て発射装置(図示略)から発射された遊技球4を、遊技
領域3の上部に導く。遊技領域3には、複数の普通入賞
口5、作動口としての始動口6、特別入賞口としての大
入賞口7、及び、表示装置10が設けられている。普通
入賞口5,始動口6及び大入賞口7は、遊技盤1の裏側
の払出し装置(図示略)に接続されている。払出し装置
は、遊技球4の入賞口5,6,7への入賞に伴い所定数
の賞球を払い出す払出しモータ8(図2参照)を備えて
いる。始動口6は、遊技球4の入口を狭めたり広げたり
する2枚の羽根6aを備えている。
れ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)によって構成さ
れる。表示装置10の画面11には、後述する表示制御
基板32からの制御に基づいて各種の画像(図柄を含
む)が表示される。例えば図4に示すように、表示装置
10の画面11には、パチンコ遊技における当り状態又
は外れ状態の表示に関与する図柄として、中図柄50、
左第1図柄51、左第2図柄52、右第1図柄53及び
右第2図柄54の5つの図柄が表示される。中図柄50
は画面11の中央位置を、左第1図柄51及び左第2図
柄52は画面11の左側領域の上下位置を、右第1図柄
53及び右第2図柄54は画面11の右側領域の上下位
置をそれぞれ基本的なポジションとする。図4に示す基
本配置では、左第1図柄51、中図柄50及び右第2図
柄54の三つが画面の右下がり対角線L1上に一列に並
ぶと共に、左第2図柄52、中図柄50及び右第1図柄
53の三つが画面の右上がり対角線L2上に一列に並
ぶ。
数字、キャラクタのほか、それらを組み合わせたもので
もよい。キャラクタとは、例えば人物、動物、文字、図
形、記号等を指し、それらの一部分又は省略化もしくは
簡易化したものもキャラクタの範疇に含まれる。
の入賞に基づいて、各図柄50〜54の変動が一斉に開
始される。即ち5つの図柄50〜54は、ある種の動き
を伴いながら経時的に図柄種を変化させていく。例え
ば、中図柄50は、画面11を上下に二分する水平軸線
HLの周りで自転運動をしながら次第に図柄種を変化さ
せるという仕方で変動する(特願2001−14858
6号参照)。また、左第1及び第2図柄51,52並び
に右第1及び第2図柄53,54は、水平軸線HLの周
りを二つの図柄が一対の連星のように公転運動しながら
次第に図柄種を変化させるという仕方で変動する(特願
2001−150593号参照)。更に本実施形態で
は、所定条件の下で、中図柄50の変動態様が、前記自
転運動によるものから、動的な相似画像(残像)を伴っ
たものに変化する。これについては後ほど詳述する。
線L1,L2に沿っていわゆる大当りラインが設定され
ている。つまり、いずれかの対角線に沿って三つの図柄
が揃ったときに「大当り」となり、三つの図柄のうちの
一つでも不一致があれば「外れ」となる。このように、
5つの図柄50〜54の変動が停止したときに表示され
る対角線方向の3つの図柄(以下「停止図柄」という)
の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(即ち同一
図柄種が大当りラインに沿って並ぶ組合せ)となる場合
があり、この大当りの組合せが成立すると、特別電動役
物等が作動して遊技者にとって有利な特別遊技状態(大
当り状態)が到来し、より多くの賞球を獲得可能とな
る。なお、パチンコ遊技機がその内部的処理によって大
当り状態その他の遊技状態の発生の有無を決定する行為
を「抽選」という。
選及び図柄変動の開始が行われることは前述の通りであ
るが、この抽選中や大当り状態の発生中に、更に遊技球
4が始動口6に入賞した場合には、その分の抽選は、そ
のときに行われている図柄変動の終了後に行われる。こ
れを「抽選が保留される」という。かかる抽選保留の上
限値は機種毎に決められており、このパチンコ遊技機で
の抽選保留上限値は「4」に設定されている。表示装置
10の上方には保留ランプ15が組み込まれており、そ
の保留ランプ15の数は前述の上限値と同じ(即ち4
個)である。保留ランプ15は抽選が保留される毎に点
灯し、その保留に対応した処理が行われる毎に消灯す
る。
の下方に位置し、横長空間である入賞領域16、開閉部
材たるシャッタ17及び大入賞口用ソレノイド18を備
えている。ソレノイド18はシャッタ17に作動連結さ
れており、通電に伴う励磁によりシャッタ17を前方へ
倒して入賞領域16を開放し、通電停止に伴う消磁によ
りシャッタ17を起立させて入賞領域16を閉鎖する。
大入賞口7は、大当り状態の発生に伴い閉鎖状態から開
放状態に切り替えられる。開放状態から閉鎖状態への切
替え(復帰)は、以下の二条件のいずれかが満たされた
ときに行われる。その二条件とは、遊技球4が入賞領域
16に所定個数入賞すること、及び、開放開始から所定
時間が経過することである。
域19(以下「Vゾーン」という)が開口し、左右両側
には一対の一般領域21が開口している。入賞領域16
に入賞した遊技球4は、Vゾーン19又は一般領域21
のいずれかを通過する。ここで、遊技球4がVゾーン1
9を通過することは、入賞領域16を再度開放するため
の継続条件である。従って、入賞領域16の開放中に入
賞した遊技球4がVゾーン19を通過すれば、入賞領域
16は閉鎖された後に再度開放されて入賞領域16が繰
返し開放されることになる。但し、この繰返し回数には
制限が設けられており、予め定められた回数だけ繰り返
された後には原則として入賞領域16の開放はなく、そ
こで大当り状態が終了する。
効果を高める目的で、スピーカ22(図2参照)及び装
飾用のランプ23が組み込まれている。スピーカ22は
遊技の進行状況に合わせて効果音を発生する。ランプ2
3としては、例えば風車ランプ、飾りランプ、袖ラン
プ、サイドランプ等があげられ、これらは遊技の進行状
況に合わせて点灯・消灯の態様を変化させる。
検出するために、遊技盤1には、始動口用スイッチ2
4、Vゾーン用スイッチ25及びカウントスイッチ26
がそれぞれ取り付けられている。始動口用スイッチ24
は遊技状況検出手段に相当し、遊技球4の始動口6への
入賞を検出する。また、Vゾーン用スイッチ25は遊技
球4のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ26は
遊技球4の一般領域通過を検出する。
示すように、パチンコ遊技機の制御系は主制御基板31
を中心として構築されている。即ち、主制御基板31に
は、遊技の進行状況を検知するためのセンサ類である各
種スイッチ24〜26、保留ランプ15及びソレノイド
18が接続されている。また、主制御基板31には、表
示制御基板32を介して表示装置10が、音声制御基板
33を介してスピーカ22が、ランプ制御基板34を介
して各種のランプ23が、更に払出し制御基板35を介
して払出しモータ8がそれぞれ接続されている。なお、
パチンコ遊技機には、バックアップ電源36を内包する
電源基板37が設けられ、この電源基板37を介して電
源から前記各制御基板31〜35その他に対し電力が供
給される。
て、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶した
読み出し専用メモリ(ROM)、ROMの制御プログラ
ムに従って各種演算処理を実行する中央処理ユニット
(CPU)、CPUによる演算結果を一時的に記憶する
ランダムアクセスメモリ(RAM)等の処理回路を内包
する。そして、主制御基板31の主導のもとで前記各制
御基板32〜35が協働することにより、調和のとれた
パチンコ遊技機の制御が実現される。
ハードウェア面での特徴として、主制御基板31がCP
U,ROM及びRAMの他に、計数用の通常カウンタ、
乱数発生用の乱数カウンタ及び内部タイマを内包する点
があげられる。例えば、通常カウンタとして、抽選の保
留数を内部的にカウントするための保留カウンタが設け
られている。また、乱数カウンタとして、遊技の当り外
れの抽選に関わる内部乱数カウンタ、外れリーチ状態の
決定に関わるリーチ乱数カウンタ、停止図柄等の決定に
関わる図柄カウンタが設けられている。なお、「外れリ
ーチ」とは、一旦はリーチ状態になるも最終的には大当
りではなく外れになる場合をいう。これに対し、リーチ
状態を経ずに単に外れになる場合を「単純外れ」と呼
ぶ。
示コマンド(表示制御指令)及び確定コマンド(確定制
御指令)を生成し、これらを表示制御基板32に送信す
る。表示制御基板32は、主制御基板31からの表示コ
マンド及び確定コマンドに基づいて各種演算処理を実行
し、その演算結果に基づき表示装置10を制御する。ま
た、主制御基板31は、音声制御基板33に対して前記
表示コマンドに対応する音声コマンドを送信する。音声
制御基板33は、その音声コマンドに基づき、前記表示
装置10での図柄の変動開始や停止のタイミング等に同
期してスピーカ22から効果音を発生させる。同様に主
制御基板31は、ランプ制御基板34に対して前記表示
コマンドに対応する点灯コマンドを送信する。ランプ制
御基板34は、その点灯コマンドに基づき、前記表示装
置10での図柄の変動開始や停止のタイミング等に同期
してランプ23を種々光らせる。主制御基板31は、払
出し制御基板35に対して払出し要求個数を含む払出し
要求コマンドを送信する。払出し制御基板35は、その
払出し要求コマンドに応じて払出しモータ8に賞球を払
い出させる。
は、パチンコ遊技機における電気制御の中心的存在であ
り、各制御基板32〜35に対して種々のコマンドを送
信する等、実に様々な処理を行うが、本実施形態に深く
関連した主制御基板31の主な機能としては、遊技球4
が始動口6に入賞したときの始動入賞処理、特別電動役
物の大当り時制御、表示コマンドの決定及びそれに続く
各種コマンドの送信があげられる。
6に入賞する毎に、主制御基板31が備える乱数カウン
タから乱数値を取得することにより、抽選保留の上限値
を超えない範囲で抽選を行い、その抽選結果をデータと
して保持する処理をいう。そして、その抽選結果が「大
当り」の場合には、表示装置10での図柄変動の進行状
況に歩調を合わせた所定のタイミングで、特別電動役物
の大当り時制御が行われる。その場合の「大当り時制
御」とは、入賞領域16の開放から閉鎖までの一連の駆
動制御を意味し、具体的には、入賞領域16の開放後に
遊技球4が入賞領域16に所定個(例えば10個)入賞
すること、又は、所定時間(例えば30秒)が経過した
ことを条件として入賞領域16を閉鎖する制御をいう。
入賞領域16を開放し続ける間、遊技者は多量の遊技球
4を獲得する機会に恵まれる。
に行う処理としては、表示コマンドの決定処理、表示コ
マンドの送信及び確定コマンドの送信があげられる。
「表示コマンドの決定処理」とは、表示制御基板32に
送信すべき指令やデータ内容を決定する処理をいい、そ
のうち最も重要なものが、前記抽選の結果を反映させな
がら図柄変動停止時に表示すべき停止図柄を決定するこ
とである。具体的には、前記抽選の結果が大当り予定の
場合には、停止図柄コードとして大当り図柄のコードを
選択しこれをRAMに記憶する。又、前記抽選の結果が
外れリーチ予定の場合には、停止図柄コードとして外れ
リーチ図柄のコードを選択しこれをRAMに記憶する。
更に、前記抽選の結果が大当り予定でも外れリーチ予定
でもない場合(即ち単純外れ予定の場合)には、停止図
柄コードとして外れ図柄のコードを選択しこれをRAM
に記憶する。
されると、主制御基板31は、RAMに記憶した停止図
柄コード等の情報を表示コマンドとして表示制御基板3
2に対し送信する。表示コマンドを受け取った表示制御
基板32は、停止図柄コード等の提供された情報を利用
して、後述するような表示制御を行う。また、主制御基
板31が備える内部タイマでの計測により、図柄の変動
開始時(即ち表示コマンドの送信時)から所定時間が経
過して図柄の変動停止時期が到来すると、主制御基板3
1は表示制御基板32に対し、図柄の変動停止を指令す
る確定コマンドを送信する。表示制御基板32は、確定
コマンドの受信に同期して全図柄の変動を停止させ、遊
技における当り状態又は外れ状態を確定表示する。
に重要な主制御基板31の機能は、遊技球4の始動口6
への入賞に起因して遊技の当り又は外れに関する抽選を
行うこと、その抽選の結果を反映させるかたちで停止図
柄を選択すること、更に表示制御基板32に対して図柄
変動停止を指令すると共にその停止時には前記選択した
停止図柄にて確定表示させることにある。他方、表示制
御基板32は、主制御基板31から図柄の変動開始時期
および変動停止時期並びに確定表示時の停止図柄につい
て指定される以外は主制御基板31の支配を受けず、例
えば図柄の変動開始から変動停止までの途中の変化(図
柄変動の有り様)等については、自己に組み込まれた制
御プログラムに基づいて、表示装置10を主体的又は自
律的に制御する。これについては以下に詳述する。
すように、表示制御基板32は、CPU41、ROM4
2、RAM43、入力インターフェイス44、ビデオデ
ィスプレイプロセッサ(VDP)45、画像ROM46
および割込信号発生回路47を備えている。
てきたコマンド(表示コマンド又は確定コマンド)を入
力インターフェイス44を介して受信すると共に、その
コマンドを解析し又はそのコマンドに基づき所定の演算
処理を行って、VDP45の制御(具体的にはVDP4
5に対する内部コマンドの生成)を行う。ROM42及
びRAM43は、CPU41を補完するための不揮発性
及び揮発性のメモリであり、ROM42はCPU41用
の各種制御プログラムを保持し、RAM43はCPU4
1の作業領域を提供するほか、表示コマンドに含まれる
停止図柄コード等の有用情報を一時記憶する。
45は、表示装置10に組み込まれたLCDドライバ
(液晶駆動回路)12を直接操作する一種の描画回路で
ある。VDP45はICチップ化されているため「描画
チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファ
ームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきも
のである。VDP45の内部にはレジスタ45aが設け
られている。レジスタ45aとは、VDP45の動作モ
ードやVDP45が備える各種機能の有効/無効の設定
情報等を保持しておくための領域であり、このレジスタ
45aに保持される情報をCPU41が書き換える(又
は更新する)ことにより、画面11での描画態様を種々
変化させることができる。
画像データを保持する不揮発性メモリであり、表示制御
基板32における画像データライブラリィとしての役割
を担うものである。この画像ROM46には、各種の表
示図柄(例えば図柄50〜54)のビットマップ形式画
像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決
定する際に参照する色パレットテーブル、更には背景画
像用のJPEG形式画像データ等が保持されている。特
に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図
柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベ
ルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としてい
る。
CPU41に対し、所定の時間間隔(例えば1/60秒
=約17ミリ秒)にてビデオブランク割込信号(VB割
込信号)を定期的に発信する。VB割込信号は、動画に
おける次のフレーム(個々の静止画に相当)の表示時期
が到来したことをVDP45及びCPU41に知らせる
ための信号である。このVB割込信号に同期して、CP
U41はVDPのレジスタ45aに次の静止画像用の内
部コマンドを送ると共に、VDP45はLCDドライバ
12を操作して、既に準備済みの静止画像を画面11上
に描画する。このように毎秒60回という高頻度での静
止画更新により、画面11での動画表示が実現される。
態の表示に関与する図柄のビットマップ形式画像データ
が、表示制御基板32においてどのように管理されてい
るかについて簡単に説明する。まず、個々の図柄には外
見上輪郭線が存在し、その輪郭線は複雑に入り組んでい
るのが通例である。例えば、図5に示すような数字のゼ
ロをかたどった装飾的図柄の場合、数字の外形を区画す
る輪郭線は曲線的である。しかし、画像処理の際には、
個々の図柄の輪郭線等の個性にかかわらず、全図柄の画
像データを統一されたフォーマットで取り扱えることが
好ましい。そこで、図柄の輪郭線を包含するような矩形
状の領域を設定し、その矩形領域を丸ごと一つの画像単
位(オブジェクト)として扱い、この矩形画像単位を
「スプライト」と呼んでいる。図5の例で示せば、数字
のゼロをかたどった装飾的図柄の全体が収まるように横
(x方向)144ドット×縦(y方向)128ドットの
矩形領域を設定し、これを一つの矩形状のオブジェクト
として扱っている。
で表現する場合、144×128の二次元ドットマトリ
ックスにおける各ドットでの色を指定すればよく、その
際、図柄の実体とはならない地の部分には透明を意味す
る色データを与えておけばよい。つまり、スプライトを
構成する総てのドットの各々に、透明を含む色データ
(具体的には色番号N)を付与することで、完全矩形状
の画像単位を構成することができる。図5の例では、装
飾的図柄の内側及び周囲に存在する地の部分を構成する
各ドット(ピクセル)には、透明を意味する色番号(例
えばN=0)を付与し、装飾的図柄の実体を構成する各
ドット(ピクセル)には、特定色の色番号(例えばN=
1〜15)のいずれかを付与する。
タサイズを極力小さくするために、一つのスプライトで
使用可能な色番号Nを「0」〜「15」までの16個に
限定している。その代わり、「0」〜「63」の色パレ
ット番号Mで識別される64種類の色パレットを準備
し、個々のドットにおける色番号Nと色パレット番号M
とを組み合わせれば、画面全体として256色又はそれ
以上の豊富な色数が実現できるようにしている。図6
は、色番号Nと色パレット番号Mとの関係を概念化した
色パレットテーブルを示す。かかる色パレットテーブル
を参照することにより、個々のドットで表示すべき色を
具体的に決定することができる。例えば、そのスプライ
トが指定する色パレット番号Mが「0」であり、そのス
プライト内のあるドットの色番号Nが「15」である場
合、色パレットテーブルの(M,N)=(0,15)に
対応するデータ格納領域を参照することで、当該ドット
を色制御する場合の、R,G,B(光の三原色)の各々
についての発光強度を読み取ることができる。
として、描画チップとしてのVDP45は少なくとも、
画像(スプライト)の倍率を変化させる機能と、画像の
表示色を半透明化する機能(「ブレンディング」ともい
う)とを備えている。
は、矩形画像単位たるスプライトを横(x方向)及び/
又は縦(y方向)に拡大し又は縮小するビットマップデ
ータの加工機能をいう。縮小機能に関しては原寸(16
/16=1)の画像単位を縦、横又は縦横同時に最小で
1/16の小ささにまで16段階に縮小することができ
る。又、拡大機能に関しては原寸の画像単位を縦、横又
は縦横同時に最大で64/16=4倍の大きさにまで4
8段階に拡大することができる。この機能を使えば、例
えばスプライト(横144ドット×縦128ドット)を
縦横2倍に拡大して、横288ドット×縦256ドット
の拡大画像を得ることができる。この画像の拡縮機能
は、CPU41がVDPのレジスタ45aに拡縮対象と
なるスプライトの図柄コード及び拡大又は縮小の倍率に
ついての内部コマンドを書き込むことによって有効化さ
れる。
レンディング)とは、画面11に複数の画像が重ねて配
置される場合に、画面の手前側に優先配置される画像
と、それよりも奧側に配置される画像との重なり部分に
おいて、ドット又はピクセル単位でRGB発光強度を調
整又は平準化するという色調節を伴った画像データの重
ね合わせ機能をいう。具体的には、手前側画像における
特定ドットの色(又は色データ)と、奧側画像における
対応ドットの色(又は色データ)とを所定の割合でもっ
て混ぜ合わせるような演算処理を施して、当該重なりド
ットでの表示色(RGB発光強度)を決定している。そ
の際、色混合の割合を表す指標として「半透明率」とい
うパラメータが準備され、VDP45は、半透明率Rt
を「1」から「16」までの16段階で管理している。
例えば、半透明率Rt=16の場合には、手前側画像の
色データが100%尊重され、手前側画像は本来の表示
色のまま画面11上に鮮明に表示される(つまり半透明
化処理無し)。これに対し、半透明率Rt=8の場合に
は、手前側画像と奧側画像のそれぞれの色データの尊重
率が50%ずつとなり、重なり部分における各ドットの
表示色が、二つの画像の対応ドットにおける色データの
ほぼ中間に相当するような表示色となる。即ち、半透明
率Rtの値が大きくなるほど、手前側画像の色データの
尊重率が相対的に高まり、逆にRtの値が小さくなるほ
ど、奧側画像の色データの尊重率が相対的に高まる。
に優先配置される図柄画像との間に適用すれば、次のよ
うな視覚的効果を生み出すことができる。即ち、背景画
像と図柄画像との間において、時間の経過と共に半透明
率Rtを次第に低下させるような画像処理を行うこと
で、その図柄画像が背景画像の中に次第に溶け込み、最
後には背景画像の中に消えて無くなるような表示演出が
可能となる。かかる画像の半透明化機能は、CPU41
がVDPのレジスタ45aに、半透明化処理の対象とな
る画像の識別コードと、半透明率Rtについての内部コ
マンドを書き込むことによって有効化される。このよう
に、CPU41から見た場合、VDP45が画像の拡大
縮小及び半透明化処理をハード的に実現し、それを画面
11の表示制御に直接反映させるかたちとなる。
する。表示制御基板32は、図7に示す手順に従って主
制御基板31から提供される各種コマンドを処理しなが
ら、画面11の表示制御を行う。CPU41は、まずス
テップ71(以下「S71」と表記、他ステップも同
様)において、主制御基板31から表示コマンドを受信
したか否かを判定する。S71判定がNOの場合、S7
4において、主制御基板31から確定コマンドを受信し
たか否かを判定する。S74判定もNOの場合には、処
理をS71に戻す。つまりCPU41は、何らかのコマ
ンドを受信するまでS71及びS74の判定を繰り返す
(コマンド待ちスタンバイ)。
信すると、S72において、その表示コマンドの内容
(停止図柄コード等の情報)をRAM43に格納する。
続いてCPU41は、RAM43に格納された情報に基
づき、VDP45に対する内部コマンドを生成する等の
各種の演算処理を開始する。VDP45は、CPU41
からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を行い、
画面11での図柄の変動表示を開始する。表示コマンド
を一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまで
の間、CPU41とVDP45との協働のもとに図柄の
変動表示が継続される。その間、CPU41は、VDP
45の制御と図7に示すコマンド受信処理とを並行して
行う。
信すると、S75でCPU41はVDP45に対して停
止図柄での確定表示を指示し、VDP45は変動してい
た図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄5
0〜54の変動開始から変動停止(確定表示)までの1
ラウンドの表示処理が行われる。表示制御基板32は、
図柄の変動開始時及び変動停止時に主制御基板31によ
るコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変
動については、表示制御基板32内のCPU41及びV
DP45による自律的な画像制御によって担保される。
対角線L1又はL2に沿って並ぶ三つの図柄のうち、変
動を停止した左右二図柄の図柄種が一致するリーチ状態
となったときに、中図柄50の変動態様が動的な相似画
像(残像)を伴ったものに変化する。残像を伴う中図柄
50の変動態様として、以下に第1実施例及び第2実施
例の二態様を例示する。
の変動表示に関するシーケンス制御の進行状況を管理す
るための時間単位としてオフセット値(ofs)という
ものを採用している。ofsは「0」から「255」ま
であり、ofs=255のあとにofs=0に復帰する
ことで図柄の変動表示に関する制御の1サイクルが完結
する。通常モードでの表示制御では、オフセット値の変
化とVB割込信号の割込み間隔とは一致しており、1/
60秒間隔でofsが1ずつ増加する。他方、高速モー
ドでの表示制御時には、1/60秒間隔でofsが8,
16又は32ずつ増加する。下記第1実施例では、通常
モードでの表示制御が採用され、第2実施例では、1/
60秒毎にofsが8ずつ進行する高速モードでの表示
制御が採用されている。
動は、リーチ状態の発生から中図柄の確定表示に到るま
での間、以下に述べる(1a)〜(1c)の手順(1制
御サイクル)を繰り返すことによって実現される。図8
は、この際の中図柄変動のスキームを図示する。なお、
以下の説明において、「実像」とは、背景画像との関係
において半透明率Rt=16でもって画面11の最も手
前側に表示される特定の画像をいう。また、「第1の残
像」とは、背景画像との関係において半透明率Rt=8
でもって前記実像の背後に表示される相似画像をいう。
更に「第2の残像」とは、背景画像との関係において半
透明率Rt=4でもって前記第1の残像の背後に表示さ
れる相似画像をいう。
柄50の基本ポジションに図柄コード:nのスプライト
を原寸大(1倍)のまま実像(半透明率Rt=16)と
して表示する。このとき、残像は一切表示しない。
柄50として使用する図柄コードの値を更新(例えばイ
ンクリメント)し、図柄コード:n+1のスプライトを
約3倍に拡大した画像を中図柄50の基本ポジションに
実像(半透明率Rt=16)として表示する。更に同位
置にてその実像の背後に、図柄コード:n+1のスプラ
イトを前記実像よりも高い倍率に拡大した相似画像を第
1の残像(半透明率Rt=8)として表示すると共に、
その第1の残像の背後に、図柄コード:n+1のスプラ
イトを前記第1の残像と等倍かそれよりも高い倍率に拡
大した相似画像を第2の残像(半透明率Rt=4)とし
て表示する。
グでは、ofsの進行と共に、前記実像、第1の残像及
び第2の残像の表示倍率を徐々に小さくし、ofs=2
55のタイミングで三つの像がいずれも約1倍の倍率に
集束するように制御する。これにより、次サイクルのo
fs=0において、図柄コード:n+1のスプライトが
原寸大(1倍)の実像として単独表示される状況との連
続性を確保する。
たofs=1〜255のタイミングにおける各像の目標
表示倍率は、下記数1〜数3の各式に基づく。即ち、実
像の目標表示倍率Z0、第1の残像の目標表示倍率Z1
及び第2の残像の目標表示倍率Z2を、それぞれ数1、
数2及び数3の式に従って計算する。但し、VDP45
が実現可能な最大倍率は64/16=4倍であるため、
各式での目標倍率の計算値が4を超える場合には、強制
的に4倍に設定する。
に伴って、実像の目標表示倍率Z0は約3倍から約1倍
に線形的に減少し、第1の残像の目標表示倍率Z1は約
5倍から約1倍に線形的に減少し(但し4倍を超える範
囲では4倍に抑制される)、第2の残像の目標表示倍率
Z2は約7倍から約1倍に線形的に減少する(但し4倍
を超える範囲では4倍に抑制される)。
及び残像の表示制御によれば、次のような視覚的効果
(又は中図柄変動の演出)が生み出される。即ち、ある
瞬間、画面11の中央に、周囲にぼかし具合の異なる二
つの残像を伴った図柄(実像)が拡大状態で出現する。
その大きな実像は、残像ともども時間の経過とともに徐
々に縮小する。そして、二つの残像が原寸大の実像に集
束しきったと見える瞬間に、当該実像の図柄種が切り替
わる。このようなパターンの繰返しの中で、中図柄50
の変動が繰り返される。尚、第1実施例における1制御
サイクルの時間長は約4.3(=256/60)秒であ
り、中図柄50の図柄種は約4.3秒間隔で切り替わ
る。
サイクルでの中図柄50の変動表示例を示す。この一連
の図面について若干の注釈を加えると、図9はofs=
0のタイミングを示す。このタイミングでは、数字の
「0」を象った図柄(図柄コードn=0)が、原寸大の
まま半透明率Rt=16(つまり半透明化処理無し)に
て表示される。このとき、残像は存在しない。図10は
ofs=64のタイミングを示し、図11はofs=1
92のタイミングを示す。これらのタイミングでは、数
字の「1」を象った図柄(図柄コードn+1=1)が大
倍率の実像(Rt=16)として表示される。加えて、
その実像の周囲には、ややぼけた状態の第1の残像(R
t=8)と、その第1残像よりも更に薄くぼけた状態の
第2の残像(Rt=4)とが重畳的に表示される。これ
ら三つの像は互いに相似関係を保ちつつも、時間の経過
(ofs=64→192)に伴って縮小する。図12
は、ofs=255のタイミングを示す。このタイミン
グでは、実像、第1の残像及び第2の残像のいずれもが
約1倍にまで縮小すると共に、実像の背後に両残像が隠
れる格好となるため、残像の存在をほとんど認識するこ
とができない。
動は、リーチ状態の発生から中図柄の確定表示に到るま
での間、以下に述べる(2a)〜(2f)の手順(1制
御サイクル)を繰り返すことによって実現される。図1
3は、この際の中図柄変動のスキームを図示する。な
お、以下の説明において、「実像」とは、背景画像との
関係において半透明率Rt=16でもって画面11の最
も手前側に表示される特定の画像をいう。又、「残像」
とは、背景画像との関係において所定の半透明率でもっ
て前記実像の背後に表示される画像であって、その出現
後は倍率及び半透明率の経時的な変化により波紋が広が
るが如く表示される相似画像をいう。
込み単位を「1インター」と呼んでいる。この第2実施
例では、1インター(即ち1/60秒毎)にofsが8
ずつ進むように速度設定されている。又、1制御サイク
ル(ofs=0〜255)をオフセット値で32毎に区
切り、8区間に分けている(説明の便宜上、これら8区
間に対し先頭から順番に区間番号:x=0〜7を割り当
てる(図14の横軸参照))。すると、1制御サイクル
を構成する8区間の各々は、4インター分の時間長を持
つ。そして、各々の区間において、最初の割込みタイミ
ングを「0インター目」、その次の割込みタイミングを
「1インター目」という具合に各インターをナンバリン
グし、それぞれ「INT=0」,「INT=1」という
具合にインター番号:INTを割り当てる(図15の横
軸参照)。この約束に従えば、例えばofs=24のタ
イミングは、最初の区間(x=0)の2インター目(I
NT=2)となる。
おけるVB割込み回数(即ち静止画更新回数)は、25
6/8=32(回)である。又、1制御サイクルの時間
長は、(256/8)×(1/60)=約0.53
(秒)である。
柄50の基本ポジションに図柄コード:nのスプライト
を原寸大(1倍)のまま実像(半透明率Rt=16)と
して表示する。このとき、残像は一切表示しない。
0,INT=0)で、中図柄50として使用する図柄コ
ードの値を更新(例えばインクリメント)し、図柄コー
ド:n+1のスプライトを所定倍率に拡大した画像を中
図柄50の基本ポジションに実像(半透明率Rt=1
6)として表示する。このときの実像の目標表示倍率Z
4は下記数4式に基づいて計算する。更に、ofs=8
のタイミングでは、図柄コード:n+1のスプライトを
前記実像と同じ倍率に拡大した相似画像を残像として生
成し、実像の背後に重ねて配置する(但し、この残像は
実像に隠れてほとんど見えない)。このときの残像の目
標表示倍率Z5は下記数5式に基づいて計算し、残像の
半透明率Rt’は下記数6式に基づいて計算する。ちな
みに、各式に従えば、Z4=1.48,Z5=1.4
8,Rt’=8となる。
fs/16)の計算結果は、ofsが8の倍数しか取り得な
いことから、1,0,−1のいずれかしか有り得ず、し
かも数4式の注意書きにあるように、該sin項の計算
値が負の値の場合には強制的に「0」とみなされる。即
ちこのsin項は、ofs=8+32xの場合にのみ
「1」となり、ofsがその他の値の場合には「0」と
なる。つまり上記sin項は、計算結果が連続して0と
なる中に1が周期的に出現する関数として便法的に利用
されているに過ぎない。他方、残像の目標表示倍率Z5
を決定する数5式は、前記sin項=1のときの実像の
目標表示倍率Z4を初期値とするINTの一次関数とな
っている。これは、ofs=8のタイミング(即ちIN
T=0)で拡大表示される実像の倍率Z4と、残像の倍
率Z5とを一致させるという表示制御上の要求に合致さ
せたものである。また、数5式をINTに対する単調増
加関数としたのは、下記手順(2c)〜(2e)で実現
される表示制御上の要求を満たすためである。
1)のタイミングでは、図柄コード:n+1のスプライ
トを数4式で計算される倍率Z4に倍率調節した画像を
中図柄50の基本ポジションに実像(半透明率Rt=1
6)として表示する。更に、図柄コード:n+1のスプ
ライトを数5式で計算される倍率Z5に拡大した相似画
像を残像として、数6式で計算される半透明率Rt’に
て実像の背後に重ねて表示する。ちなみに、このタイミ
ングでは、Z4=1,Z5=1.67,Rt’=7とな
る。即ち、残像はofs=8のときよりもやや倍率が拡
大する。
2)のタイミングでは、図柄コード:n+1のスプライ
トを数4式で計算される倍率Z4に倍率調節した画像を
中図柄50の基本ポジションに実像(半透明率Rt=1
6)として表示する。更に、図柄コード:n+1のスプ
ライトを数5式で計算される倍率Z5に拡大した相似画
像を残像として、数6式で計算される半透明率Rt’に
て実像の背後に重ねて表示する。ちなみに、このタイミ
ングでは、Z4=1,Z5=1.86,Rt’=6とな
る。即ち、残像はofs=16のときよりも倍率が更に
拡大し、且つ、ぼやけ具合が増す。
3)のタイミングでは、図柄コード:n+1のスプライ
トを数4式で計算される倍率Z4に倍率調節した画像を
中図柄50の基本ポジションに実像(半透明率Rt=1
6)として表示する。更に、図柄コード:n+1のスプ
ライトを数5式で計算される倍率Z5に拡大した相似画
像を残像として、数6式で計算される半透明率Rt’に
て実像の背後に重ねて表示する。ちなみに、このタイミ
ングでは、Z4=1,Z5=2.04,Rt’=5とな
る。即ち、残像はofs=24のときよりも倍率が更に
拡大し、且つ、ぼやけ具合が更に増す。
初の区間(区間番号x=0)における計4インター分の
表示制御内容を記述したものである。この区間における
実像の表示倍率Z4の経時変化は図14に示す通りであ
る。又、この区間における残像の表示倍率Z5及び半透
明率Rt’の経時変化は図15に示す通りである。両グ
ラフからわかるように、ofs=0〜32の最初の区間
においては、0インター目で実像が突然拡大表示され、
その瞬間、実像の背後に同じ倍率の残像が生成される。
1インター目以降、実像の表示倍率Z4は1倍に戻され
るが、残像はインターの進行とともに、ぼやけ具合を徐
々に増しながら表示倍率Z5を徐々に拡大させる。この
ような残像の経時変化は、実像が極大化した瞬間にその
輪郭部分から放出された波紋(残像)が、次第に周囲に
拡散しながら薄れてゆき、やがては消え去る様子にたと
えることができる。別の言い方をすれば、実像は、波紋
のような残像を自己の周囲に波及させるために瞬間的な
倍率拡大を図り、残像放出後は本来の自己(1倍の状
態)を取り戻す。尚、図16に、ofs=8,16,2
4,32の各タイミングにおける中図柄50(数字の
「1」を象った図柄)の実像及び残像の表示例を示す。
は、上記(2b)〜(2e)の手順を更に7回(x=1
〜7)繰り返す。即ち、ofs=8+32xのタイミン
グでは上記(2b)の表示制御を遂行し、ofs=16
+32xのタイミングでは上記(2c)の表示制御を遂
行し、ofs=24+32xのタイミングでは上記(2
d)の表示制御を遂行し、ofs=32+32xのタイ
ミングでは上記(2e)の表示制御を遂行する。最後の
区間(x=7)の3インター目の表示処理を完了するこ
とで制御サイクルが一巡し、次制御サイクルのofs=
0のタイミングに到達する。
(ofs=0〜127)における実像の表示倍率Z4の
経時変化を示す。図14によれば、各区間の0インター
目において実像が瞬間的に1倍を超える倍率に拡大する
こと、及び、区間の進行(x=0→3)に伴い実像の0
インター目の倍率が低下傾向にあることが分かる。1制
御サイクルの後半(ofs=128〜255)における
実像の表示倍率Z4の経時変化は、図14に示す前半部
分と同パターンとなる。これは、数4式におけるsin
項の係数Aが、ofs=128〜255の範囲ではA=
256−(ofs−128)とされていることに由来す
る。また、各区間(x=1〜7)における残像の表示倍
率Z5及び半透明率Rt’の経時変化の有り様は、最初
の区間(x=0)での残像の有り様に準拠する(図15
参照)。
及び残像の表示制御によれば、次のような視覚的効果
(又は中図柄変動の演出)が生み出される。
50の種類が切り替わった瞬間(ofs=0→8)に、
中図柄の倍率が極大化されて実像が拡大表示される。そ
のとき、実像の背後には相似形で且つほぼ等倍の残像が
生成されるが、その残像は実像に隠れてほとんど見えな
い。その後、実像は1倍の倍率に戻される一方、残像は
半透明率を徐々に低下させながら倍率を拡大していく。
その有り様は、極大化した実像の輪郭部分から放出され
た残像が、波紋を広げるように拡大しつつ次第に薄れて
いくように見える。かかる中図柄の実像及び残像の変化
は、1制御サイクル内に8回用意されている。故に、中
図柄50の実体たる実像は、1制御サイクルにおいて計
8回、所定の時間間隔で脈動的に倍率を変化させる。
に歩調を合わせた残像の発生、拡散及び消滅とが、短時
間のうちに周期的に繰り返される有り様は、例えば、ス
テレオスピーカの中央に配置されたコーンが重低音の音
波を周囲に伝播させながら振れ動くイメージに似てい
る。この第2実施例によれば、スピーカのコーンが周囲
に重低音を響かせながら振動するが如く、実像の脈動的
倍率変化及び拡散残像の放出を繰り返すというパターン
の中で、中図柄50の変動が繰り返される。
第2実施例における表示制御の主要素である中図柄50
の実像及び残像の目標表示倍率は、ofsの関数として
一義的に決定される(INTはofsと相関関係にあ
る)。それ故、次サイクルofs=0のタイミングで使
用予定の基本画像(スプライト)から、今サイクルのo
fs=1〜255の各タイミングで使用すべき倍率変化
させた画像を演算に基づいて生成することで、ofsの
変化に応じて倍率変化する実像及び残像を画面11上に
表示することができる。具体的には、表示制御基板32
のCPU41は、VB割込みがある毎に、そのときどき
のofsに基づいて、残像表示の要否や各像の目標表示
倍率を演算し、その演算結果(残像表示要の場合には半
透明率の指定を含む)をVDPのレジスタ45aに書き
込む。また、制御サイクルが一巡する毎に、使用するス
プライトの図柄コードに関するレジスタ45aでの設定
を更新する。他方、VDP45は、VB割込みがある毎
に、レジスタ45aに書き込まれた図柄コード、各像の
目標表示倍率および半透明率等を参照する。そして、指
定された図柄コードに対応する基本スプライトを倍率変
化(及び必要に応じて半透明化)させて所定の実像及び
残像を生成し、これらを中図柄50の基本ポジションに
重ねて配置することにより、残像を伴った(あるいは伴
わない)中図柄50を画面11上に表示する。
得ることができる。画面11の対角線上に配置される左
右図柄が一致状態で停止するリーチ状態となったとき
に、図柄種が未確定の中図柄50の変動態様を、自転運
動に基づく変動パターンから、上記第1及び第2実施例
で示したような残像を伴った変動パターンに変化させて
いる。このことは、中図柄50に対する注目度をそれま
で以上に高めて、遊技者の射幸心を大いに刺激する。ま
た、このような残像を伴う図柄変動のさせ方は、遊技機
の分野では極めて斬新なものであり、遊技者に新鮮な面
白みを感じさせることができる。特に、多重表示された
複数の相似画像(即ち実像及び残像)が比較的短いイン
ターバルで拡縮を繰り返すという演出は、人に対する視
覚的刺激としては極めて強烈であり、リーチ状態の到来
に合わせて当該演出を行うこととの相乗効果もあって、
遊技者を極度の興奮状態に陥らせることができる(当然
遊技者は刺激的なパチンコ機だと感じる)。
の残像を多重表示する場合でも、一連の画像変化をコマ
割りした多数の静止画像データを予め画像ROM46に
蓄える必要がない。つまり、本実施形態では、図柄の基
本形状(基本状態)を表わした基本静止画像データ(つ
まり基本スプライト)だけを画像ROM46に蓄えてお
き、その図柄に対応した個々のタイミングでの実像及び
残像については、当該基本スプライトに対し倍率変更や
必要に応じた半透明化処理を施すことにより、各タイミ
ングで使用すべき静止画像データをその都度準備するこ
とができる。従って、画像ROM46には各図柄種の基
本状態に関する基本画像データのみを蓄えておけば足
り、メモリの節約を図ってハードウェアのコストを大幅
に低減することができる。
び表示制御基板32によって「表示制御手段」が構成さ
れる。また、表示制御基板32のCPU41及びVDP
45によって「倍率制御手段」及び「表示色制御手段」
が構成される。
に変更してもよい。 ・残像を伴った表示を行う画像は、中図柄50に限定さ
れず、その他の図柄51〜54を上記実施形態と同様の
手法で変化させてもよい。又、遊技の当り又は外れ状態
の表示に関与する図柄50〜54以外の画像、例えば予
告画像を上記と同様の手法で変化させてもよい。尚、
「予告画像」とは、前記図柄50〜54の変動中(確定
表示前)において、近々所定の遊技状態(例えば大当り
状態やリーチ状態)となる可能性を示唆するものとして
表示する画像をいい、遊技者に期待感を抱かせるための
視覚的演出の一種である。あるいは、画面11に表示さ
れたいずれかの画像(図柄50〜54を含む)が、上述
のような残像を伴った表示を開始することを以て、予告
行為としてもよい。
0は、残像を伴った表示の際も画面11上での配置を変
えなかったが、そのような多重表示時において、中図柄
50の配置を時間の経過とともに変化させてもよい。例
えば、経時的に中図柄50を小刻みに上下又は左右に配
置変更(即ち揺動や傾動)させてもよい。
のではなく、それ以外の遊技機(例えば、マイコン制御
されるスロットマシン、パチンコ機とスロットマシンと
を融合させた遊技機等)に具体化されてもよい。
よれば、特定の画像の背後に重ねて表示される当該特定
画像と略相似形状の相似画像が経時的に拡大又は縮小す
るという斬新な画像表示は、特定の画像(実像)が動的
な残像を伴うという視覚的効果を生み出すことで遊技の
面白さを増す。また、請求項3によれば、その斬新な画
像表示を必要最小限のハードウェア資源でもって効率的
に実現することが可能となる。
ク図。
ブロック図。
た正面図。
図。
ト。
す説明図。
面図。
正面図。
正面図。
正面図。
示す説明図。
示すグラフ。
に関するグラフ。
一連の正面図。
…表示制御基板(31,32は表示制御手段を構成す
る)、41…CPU、45…VDP(41,45は倍率
制御手段及び表示色制御手段を構成する)、46…画像
ROM(表示制御手段のメモリ)、50〜54…遊技の
当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄(画像)。
Claims (3)
- 【請求項1】 画像を表示するための画面を有する表示
装置と、前記表示装置での画像表示を制御する表示制御
手段とを備えた遊技機において、 前記表示制御手段は、特定の画像に重ねて表示される当
該特定画像と略相似形状の相似画像が、経時的に拡大又
は縮小して見えるように画像表示制御を行うことを特徴
とする遊技機。 - 【請求項2】 前記表示制御手段は、画面に映し出され
る背景画像及び前記特定画像との対比において、前記相
似画像が半透明化しているように見えるように画像表示
制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 【請求項3】 前記表示制御手段は、前記特定画像の基
本状態を表わした基本画像のデータを保持するメモリを
備えており、その基本画像データに対して所定の演算処
理を施すことにより、前記経時的に拡大又は縮小する相
似画像の個々のタイミングにおける静止画像を生じさせ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223748A JP2003033506A (ja) | 2001-07-25 | 2001-07-25 | 遊技機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223748A JP2003033506A (ja) | 2001-07-25 | 2001-07-25 | 遊技機 |
Publications (2)
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JP2003033506A true JP2003033506A (ja) | 2003-02-04 |
JP2003033506A5 JP2003033506A5 (ja) | 2008-07-24 |
Family
ID=19057028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001223748A Withdrawn JP2003033506A (ja) | 2001-07-25 | 2001-07-25 | 遊技機 |
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- 2001-07-25 JP JP2001223748A patent/JP2003033506A/ja not_active Withdrawn
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