JP2003033492A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2003033492A
JP2003033492A JP2001148586A JP2001148586A JP2003033492A JP 2003033492 A JP2003033492 A JP 2003033492A JP 2001148586 A JP2001148586 A JP 2001148586A JP 2001148586 A JP2001148586 A JP 2001148586A JP 2003033492 A JP2003033492 A JP 2003033492A
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飯田  勉
Fumihiro Okado
文宏 岡戸
Kazuhiro Fujisawa
和博 藤沢
Ruriko Umeda
るり子 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遊技の面白さを増す斬新な画像表示を、必要最
小限のハードウェア資源でもって効率的に実現すること
が可能な遊技機を提供する。 【解決手段】遊技機の表示制御手段を構成する表示制御
基板32は、画像の基本姿勢又は基本姿態を表わした基
本静止画像データを保持する画像ROM46と、画像デ
ータを特定方向に縮小及び拡大する機能を持ったビデオ
ディスプレイプロセッサ(VDP)45と、画像データ
の拡縮倍率の目標値を演算するCPU41とを備える。
前記基本静止画像データに対しデータを縮小又は拡大す
る加工を適宜施すことにより、表示装置12の画面11
において当該画像が自転運動して見えるような画像表示
を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を表示するた
めの表示装置を備えたパチンコ遊技機などの遊技機に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に近年のパチンコ遊技機は、遊技に
おける当り状態又は外れ状態の表示に関与する複数の図
柄(図柄画像)や背景画像等を表示する表示装置(例え
ば液晶表示装置)と、その表示装置での画像表示をマイ
コン制御する表示制御回路とを備えている。例えば、液
晶表示装置の画面を左・中・右の三つの列(図柄領域)
に区分し、各列において数字や絵などの図柄を変動表示
させ、所定のタイミングで図柄変動を停止(確定表示)
し、三つの図柄が横並びに揃ったときに「大当り」と
し、三つの図柄の一つでも不一致がある場合には「外
れ」とするものがある。各列での図柄変動のさせ方とし
ては、複数の図柄を次々と垂直方向にスクロールさせて
あたかも図柄の帯が連続的に上下に流れるように見せる
やり方が一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現代のパチンコ遊技機
では特に、当り状態又は外れ状態の確定表示に到るまで
の間の画像表示に、遊技者の射幸心をあおる演出や、遊
技者に意外感を与えたり趣味感を満足させたりする演出
が求められる傾向にあり、画面上での表示演出の工夫が
パチンコ遊技機の商品価値を大きく左右するといっても
過言ではない。この点、前述のような複数の図柄を垂直
方向に連続スクロールするという手法は、マイコン内蔵
のパチンコ遊技機に限らず、いわゆるスロットマシーン
のような遊技機においても従来より機械的又は電気的に
実現されてきた手法であり、図柄の表示手法としての新
鮮味は薄れつつある。本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものである。
【0004】本発明の第1の目的は、遊技の面白さを増
す斬新な画像表示を行うことが可能な遊技機を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、その斬新な画像表
示を必要最小限のハードウェア資源でもって効率的に実
現することが可能な遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本欄では、本発明の内容
のほかに、本発明のより好ましい態様や追加的構成要件
についても列挙し、必要に応じて作用・効果に関する簡
単な注釈を加える。なお、手段1,2及び21がそれぞ
れ前記請求項1,2及び3に対応する。
【0006】手段1(請求項1).画像を表示するため
の画面を有する表示装置と、前記表示装置での画像表示
を制御する表示制御手段とを備えた遊技機において、前
記表示制御手段は、前記表示装置の画面において画像が
自転運動して見えるように画像表示制御を行うことを特
徴とする遊技機。
【0007】手段1によれば、表示装置の画面において
画像が自転運動して見えるように表示制御されるため、
従来の画像表示手法に比べて画像表現の巾や新鮮味が増
し、遊技の面白さを増すことができる。
【0008】手段2(請求項2).前記表示制御手段
は、前記自転運動する画像の基本姿勢を表わした基本静
止画像のデータをメモリに保持すると共に、その基本静
止画像データに対して所定の演算処理を施すことによ
り、自転運動の際の個々の回動姿勢についての静止画像
を生じさせることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0009】手段2によれば、特定の画像に自転運動を
させる際の個々の回動姿勢についての静止画像は、表示
制御手段のメモリに予め保持された基本静止画像データ
に対して所定の演算処理を施すことによって逐次準備さ
れる。故に、画像の自転運動という動画表現を行うにし
ても、メモリには、自転運動する画像の基本姿勢を表わ
した基本静止画像データを保持するだけで足り、メモリ
の大幅な節減を果たすことができる。つまり、必要最小
限のハードウェア資源でもって画像の自転運動という動
画を効率的に表示することができる。
【0010】手段2の技術的意義について更に補足す
る。例えば、ある画像(例えば図柄)を画面上で運動し
ているように見せようとした場合、従来の常識によれ
ば、映画フィルムやアニメーションのセル画におけるコ
マ送りの手法をそのまま採用することになる。即ち、あ
る画像の運動開始時から運動終了時までの一連の姿勢又
は姿態の変化を細かくコマ割りして各コマ毎に静止画像
のデータを予め用意し、その一連の画像データをメモリ
に蓄えておく。そして、これらの静止画像を所定の時間
間隔で順次画面上に再生することにより、運動を動画と
して表現している。しかし、このような従来の再生手法
をそのまま素直に採用すると、画像用のメモリは膨大な
容量を必要とすることになりコスト的課題に直面してし
まう。また、動画としてのリアリティや動きの円滑性を
追求するならば、コマ送りの時間間隔は短いほどよく、
そうなれば一連の静止画像データの数も飛躍的に増やさ
ざるを得ないが、流行に左右されやすい遊技機にあって
はモデルチェンジのインターバルも極めて短いため、贅
沢なハードウェア構成を採用してコスト増を招くことは
許されない。この点、上記手段2の遊技機によれば、こ
のような問題を解消しつつ、リアルで滑らかな画像の運
動を表現することができる。尚、本段落に記載の補足説
明は、後記手段15及び手段21の遊技機にも準用でき
る。
【0011】手段3.前記所定の演算処理は、前記基本
静止画像のデータに対し特定方向へのデータの縮小又は
拡大を施すことであることを特徴とする手段2に記載の
遊技機。
【0012】手段3によれば、自転運動する画像の基本
姿勢を表わした基本静止画像データを特定方向に縮小又
は拡大するという処理を施すだけで、自転運動時におけ
る個々の回動姿勢についての静止画像データを簡単に得
ることができる。
【0013】手段4.前記所定の演算処理は、前記基本
静止画像が前記特定方向に1倍の倍率で表示されるとき
の自転運動の回転軸周りにおける角度と、自転運動の際
の個々の回動姿勢をとったときの前記回転軸周りにおけ
る角度との角度差(θ)を変数とする三角関数演算によ
って、前記特定方向に基本静止画像データを縮小又は拡
大することであることを特徴とする手段3に記載の遊技
機。
【0014】手段4は、基本静止画像データに対する縮
小演算又は拡大演算の好ましい態様を特定したものであ
り、その技術的意義は後述する発明の実施の形態におい
て明らかとなる。
【0015】手段5.前記特定方向は、自転運動の回転
軸に対して直交する方向であることを特徴とする手段3
又は4に記載の遊技機。この手段5は、自転運動の回転
軸の好ましい態様を特定したものである。
【0016】手段6.前記基本静止画像のデータはビッ
トマップ形式であることを特徴とする手段2〜5のいず
れかに記載の遊技機。
【0017】手段6によれば、ビットマップ形式のデー
タは非圧縮のまま管理されるラスターデータであるの
で、ビット単位又はライン単位でのデータの縮小加工又
は拡大加工が容易であり、ハード及びソフト面での演算
負荷が軽減される。
【0018】手段7.前記表示制御手段は、前記自転運
動する画像がその自転運動の回転軸周りにおいて所定角
度回動したときに、当該自転運動する画像の種類を切り
替えることを特徴とする手段1〜6のいずれかに記載の
遊技機。
【0019】手段7によれば、画面に表示される画像が
自転運動を伴いながら次第にその種類を変えていく。こ
のような画像の変化又は変動は遊技者に新鮮な感動を与
え、遊技の面白さを増す。
【0020】手段8.前記表示制御手段は、前記自転運
動する画像がその自転運動の回転軸周りにおいて1/4
回転又は1/2回転したときに、当該自転運動する画像
の種類を切り替えることを特徴とする手段1〜6のいず
れかに記載の遊技機。この手段8は、上記手段7におけ
る画像種切替えの好ましい回転角度間隔を特定したもの
である。
【0021】手段9.前記自転運動の回転軸は、前記画
面内又はその画面と略平行な仮想平面内に包含される軸
線であることを特徴とする手段1〜8のいずれかに記載
の遊技機。
【0022】この手段9は、自転運動の回転軸の好まし
い態様を特定したものである。手段9において、「自転
運動の回転軸は前記画面内又はその画面と略平行な仮想
平面内に包含される軸線である」とは、自転運動の回転
軸の延びる方向と、表示装置の画面とがほぼ平行関係に
あることをいう。この構成要件は、画面に対して直交す
る軸線を回転軸とするような自転運動を含まない意味で
の限定である。なお、「画面内に包含される軸線」とし
ては、画面の水平方向に延びる水平軸線又は画面の垂直
方向に延びる垂直軸線が好ましい。
【0023】手段10.前記自転運動する画像は、遊技
の当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄であるこ
とを特徴とする手段1〜9のいずれかに記載の遊技機。
【0024】手段10によれば、遊技の当り状態又は外
れ状態の表示に関与する図柄を自転運動させることで遊
技者の期待感をあおり、遊技の面白さを増すことができ
る。
【0025】手段11.前記自転運動する画像は、画面
の大当りラインに沿って配列される複数の図柄のうち、
最後に変動を停止する図柄であることを特徴とする手段
10に記載の遊技機。
【0026】手段11によれば、大当りラインに沿って
配列される複数図柄のうちの最後に変動を停止する図柄
が自転運動することから、その最後の図柄に対する注目
度を高めることができる。特に、最後の図柄だけが確定
しない遊技状態がリーチ状態であれば、その自転運動は
遊技者の期待感や射幸心を大いに高める効果があり、遊
技の面白さを更に増すことができる。
【0027】手段12.前記自転運動する画像は、遊技
の当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄の変動時
に、近々大当り状態となる可能性を示唆するものとして
表示する予告画像であることを特徴とする手段1〜9の
いずれかに記載の遊技機。
【0028】手段12によれば、予告画像が自転運動す
ることで遊技者の期待感をあおり、遊技の面白さを更に
増すことができる。
【0029】手段13.前記表示制御手段は、前記自転
運動する画像の画面上での位置又は座標を時間の経過と
ともに変化させることを特徴とする手段1〜12のいず
れかに記載の遊技機。
【0030】手段13によれば、画像が自転運動しつつ
画面上での位置又は座標を変えることから、画像の運動
態様が複雑化し、見た目の面白さが増す。なお、画面上
での位置又は座標の経時変化としては、例えば、画像を
小刻みに上下又は左右に揺らす変化があげられる。
【0031】手段14.前記表示制御手段は、前記自転
運動の回転軸の画面上での位置又は傾きを時間の経過と
ともに変化させることを特徴とする手段1〜13のいず
れかに記載の遊技機。
【0032】手段14によれば、自転運動の回転軸の位
置又は傾きが時間とともに変化しつつ画像が自転運動す
ることから、画像の運動態様が複雑化し、見た目の面白
さが増す。なお、回転軸の位置又は傾きの経時変化とし
ては、例えば、回転軸を小刻みに上下に配置変更した
り、回転軸の小刻みな傾動を繰り返したりすることがあ
げられる。
【0033】手段15.画像を表示するための画面を有
する表示装置と、前記表示装置での画像表示を制御する
表示制御手段とを備えた遊技機において、前記表示制御
手段は、前記表示装置の画面に表示する画像の基本姿勢
を表わした基本静止画像のデータを保持するメモリと、
画像データを特定方向に縮小又は拡大する機能を備えた
データ加工手段とを備えており、前記基本静止画像デー
タに対しデータを縮小又は拡大する加工を施すことによ
り、前記表示装置の画面において画像が自転運動して見
えるような画像表示を実現することを特徴とする遊技
機。
【0034】手段15によれば、特定の画像に自転運動
をさせる際の個々の回動姿勢についての静止画像は、表
示制御手段のメモリに予め保持された基本静止画像デー
タを読み出し、これを特定方向に縮小又は拡大するとい
う処理を施すことによって逐次準備される。故に、画像
の自転運動という動画表現を行うにしても、メモリに
は、自転運動する画像の基本姿勢を表わした基本静止画
像データを保持するだけで足り、メモリの大幅な節減を
果たすことができる。つまり画像用メモリと、画像デー
タの縮小又は拡大に関するデータ加工手段という必要最
小限のハードウェア資源でもって画像の自転運動という
動画を効率的に表示することができる。
【0035】尚、手段15において、前記自転運動の回
転軸は前記画面内又はその画面と略平行な仮想平面内に
包含される軸線であることは好ましい。又、「画面内に
包含される軸線」としては、画面の水平方向に延びる水
平軸線又は画面の垂直方向に延びる垂直軸線が好まし
い。上記「自転運動の回転軸は前記画面内又はその画面
と略平行な仮想平面内に包含される軸線である」とは、
自転運動の回転軸の延びる方向と、表示装置の画面とが
ほぼ平行関係にあることをいう。その場合には、画面に
対し直交する軸線を回転軸とするような自転運動は含ま
れない。
【0036】手段16.前記データ加工手段は、前記基
本静止画像が前記特定方向に1倍の倍率で表示されると
きの自転運動の回転軸周りにおける角度と、自転運動の
際の個々の回動姿勢をとったときの前記回転軸周りにお
ける角度との角度差(θ)を変数とする三角関数演算に
基づいて、前記特定方向に基本静止画像データを縮小又
は拡大することを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0037】この手段16は、基本静止画像データに対
する縮小演算又は拡大演算の好ましい態様を特定したも
のであり、その技術的意義は後述する発明の実施の形態
において明らかとなる。
【0038】手段17.前記特定方向は、自転運動の回
転軸に対して直交する方向であることを特徴とする手段
15又は16に記載の遊技機。この手段17は、自転運
動の回転軸の好ましい態様を特定したものである。
【0039】手段18.前記基本静止画像のデータはビ
ットマップ形式であることを特徴とする手段15〜17
のいずれかに記載の遊技機。
【0040】手段18によれば、ビットマップ形式のデ
ータは非圧縮のまま管理されるラスターデータであるの
で、ビット単位又はライン単位でのデータの縮小加工又
は拡大加工が容易であり、ハード及びソフト面での演算
負荷が軽減される。
【0041】手段19.前記表示制御手段は、前記自転
運動する画像がその自転運動の回転軸周りにおいて所定
角度回動したときに、当該自転運動する画像の種類を切
り替えることを特徴とする手段15〜18のいずれかに
記載の遊技機。
【0042】手段19によれば、画面に表示される画像
が自転運動を伴いながら次第にその種類を変えていく。
このような画像の変化又は変動は遊技者に新鮮な感動を
与え、遊技の面白さを増す。
【0043】手段20.前記表示制御手段は、前記自転
運動する画像がその自転運動の回転軸周りにおいて1/
4回転又は1/2回転したときに、当該自転運動する画
像の種類を切り替えることを特徴とする手段15〜18
のいずれかに記載の遊技機。この手段20は、上記手段
19における画像種切替えの好ましい回転角度間隔を特
定したものである。
【0044】手段21(請求項3).画像を表示するた
めの画面を有する表示装置と、前記表示装置の画面にお
いて画像が所定の運動をして見えるように画像表示制御
を行う表示制御手段とを備えた遊技機において、前記表
示制御手段は、前記所定運動を行う画像の基本姿勢又は
基本姿態を表わした基本静止画像のデータをメモリに保
持すると共に、その基本静止画像データに対して所定の
演算処理を施すことにより、前記所定運動の開始から終
了までの間にあらわれる一連の姿勢又は姿態の変化につ
いての個々の静止画像を生じさせることを特徴とする遊
技機。
【0045】手段21によれば、特定の画像に所定運動
させたときの運動開始から終了までの間にあらわれる一
連の姿勢又は姿態の変化についての個々の静止画像は、
表示制御手段のメモリに予め保持された基本静止画像デ
ータに対して所定の演算処理を施すことによって逐次準
備される。故に、画像の運動という動画表現を行うにし
ても、メモリには、所定運動を行う画像の基本姿勢又は
基本姿態を表わした基本静止画像データを保持するだけ
で足り、メモリの大幅な節減を果たすことができる。つ
まり、必要最小限のハードウェア資源でもって画像の所
定運動という動画を効率的に表示することができる。
【0046】手段22.前記「所定の運動」は「幾何学
的規則性のある運動」であることを特徴とする手段21
に記載の遊技機。
【0047】手段22によれば、所定運動の形態に幾何
学的規則性があることにより、基本静止画像データに対
する演算内容が数学的に表現可能となる。そして、その
ような数学的演算によって幾何学的運動における一連の
姿勢又は姿態の変化についての個々の静止画像を生じさ
せることが容易になる。ちなみに「幾何学的規則性のあ
る運動」としては、本件明細書に開示した「自転運動」
のほかに、「公転運動」、「らせん運動」あるいは「反
転運動」を例示することができる。
【0048】手段23.前記基本静止画像のデータはビ
ットマップ形式であることを特徴とする手段21又は2
2に記載の遊技機。手段23によれば、ビットマップ形
式のデータは非圧縮のまま管理されるラスターデータで
あるので、ビット単位又はライン単位でのデータの演算
加工が容易であり、ハード及びソフト面での演算負荷が
軽減される。
【0049】手段24.前記表示制御手段は、前記所定
運動を行う画像の種類を定期的又は非定期的に切り替え
ることを特徴とする手段21〜23のいずれかに記載の
遊技機。手段24によれば、画面に表示される画像が所
定運動を伴いながら次第にその種類を変えていく。この
ような画像の変化又は変動は遊技者に新鮮な感動を与
え、遊技の面白さを増す。
【0050】手段25.前記所定運動する画像は、遊技
の当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄であるこ
とを特徴とする手段21〜24のいずれかに記載の遊技
機。手段25によれば、遊技の当り状態又は外れ状態の
表示に関与する図柄が所定の運動をすることで遊技者の
期待感をあおり、遊技の面白さを増すことができる。
【0051】手段26.前記所定運動する画像は、遊技
の当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄の変動時
に、近々大当り状態となる可能性を示唆するものとして
表示する予告画像であることを特徴とする手段21〜2
4のいずれかに記載の遊技機。手段26によれば、予告
画像が所定の運動をすることで遊技者の期待感をあお
り、遊技の面白さを更に増すことができる。
【0052】手段27.画像を表示するための画面を有
する表示装置と、前記表示装置の画面において、遊技の
当り状態又は外れ状態の表示に関与する図柄を変動表示
すると共に所定のタイミングで確定表示するように表示
制御を行う表示制御手段とを備えた遊技機において、前
記表示制御手段は、画面上の所定位置への図柄の出現、
当該図柄による規則的運動の開始、当該図柄による規則
的運動の終了、及び、前記規則的運動の途中又は終点に
おける当該図柄から別の図柄への切替えというサイクル
を繰り返すことにより、図柄の変動開始から確定表示に
到るまでの連続的又は断続的な図柄変動制御を行うこと
を特徴とする遊技機。
【0053】手段27によれば、図柄変動のさせ方が、
従来のスクロール変動方式に代わる極めて斬新なもので
あり、遊技の面白さを増す。なお、上記「当該図柄から
別の図柄への切替え」とは、画面での当該図柄の消去
と、別の図柄の出現とを同期させることをいう。また、
上記「規則的運動」が幾何学的に規則性のある運動であ
ることは好ましく、例えば、本件明細書に開示した「自
転運動」のほかに、「公転運動」、「らせん運動」ある
いは「反転運動」を例示することができる。
【0054】手段28.手段1から手段27のいずれか
において、前記遊技機はパチンコ機であること。中で
も、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備
えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊
技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に
配置された作動口に入賞することを必要条件として表示
装置における図柄の変動表示が開始すること、又、特別
遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置され
た入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能と
して、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみなら
ず、磁気カードへの書込み等も含む)が付与されること
等が挙げられる。上記パチンコ機には少なくとも、多数
個の遊技球を取得できる遊技者に有利な状態である特別
遊技状態(大当り状態)と、遊技球を消費する遊技者に
不利な状態である通常遊技状態の二種類の遊技状態が存
在する。
【0055】手段29.手段1から手段27のいずれか
において、前記遊技機はスロットマシンであること。中
でも、スロットマシンの基本構成としては、「遊技状態
に応じてその遊技状態を識別させるための複数の図柄か
らなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表
示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の
操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段
(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定
時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停
止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として
遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態
発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒
体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。上
記遊技機には少なくとも、多数個の遊技媒体を取得でき
る遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当り状
態)と、遊技媒体を消費する遊技者に不利な状態である
通常遊技状態の二種類の遊技状態が存在する。
【0056】手段30.手段1から手段27のいずれか
において、前記遊技機は少なくとも複数種類の表示装置
を備えたスロットマシンであること。中でも、スロット
マシンの基本構成としては、「遊技状態に応じてその遊
技状態を識別させるための複数の第1の図柄からなる図
柄列を変動表示した後に前記第1の図柄を確定表示する
第1の表示装置と、少なくとも前記第1の図柄とは異な
る複数の第2の図柄を遊技状況に応じて可変表示可能と
する第2の表示装置と、少なくとも始動用操作手段(例
えば操作レバー)の操作に起因して前記第1の図柄の変
動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタ
ン)の操作に起因して或いは所定時間経過することによ
り前記第1の図柄の変動が停止され、その停止態様が特
定の表示態様となって確定表示されることを必要条件と
して遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技
状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
【0057】この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等
が代表例として挙げられる。上記遊技機には少なくと
も、多数個の遊技媒体を取得できる遊技者に有利な状態
である特別遊技状態(大当り状態)と、遊技媒体を消費
する遊技者に不利な状態である通常遊技状態の二種類の
遊技状態が存在する。なお、このスロットマシンでは、
手段1から手段27のいずれかにおいて行われる表示制
御を主として前記第2の表示装置において行うような構
成となっている。すなわち、ここにいう第2の表示装置
が、手段1から手段27のいずれかの表示装置に相当
し、ここにいう第2の図柄が手段1から手段27のいず
れかの画像又は図柄に相当する。
【0058】手段31.手段1から手段27のいずれか
において、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンと
を融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させ
た遊技機の基本構成としては、「遊技状態に応じてその
遊技状態を識別させるための複数の識別情報からなる図
柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を
備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起
因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えば
ストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過
することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確
定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に
有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、
前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必
要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が
払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。上記
遊技機には少なくとも、多数個の遊技球を取得できる遊
技者に有利な状態である特別遊技状態(大当り状態)
と、遊技球を消費する遊技者に不利な状態である通常遊
技状態の二種類の遊技状態が存在する。
【0059】手段32.手段1から手段27のいずれか
において、前記遊技機は少なくとも複数種類の表示装置
を備えたパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊
技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本
構成としては、「遊技状態に応じてその遊技状態を識別
させるための複数の第1の図柄からなる図柄列を変動表
示した後に前記第1の図柄を確定表示する第1の表示装
置と、少なくとも前記第1の図柄とは異なる複数の第2
の図柄を遊技状況に応じて可変表示可能とする第2の表
示装置と、少なくとも始動用操作手段(例えば操作レバ
ー)の操作に起因して前記第1の図柄の変動が開始さ
れ、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に
起因して或いは所定時間経過することにより前記第1の
図柄の変動が停止され、その停止態様が特定の表示態様
となって確定表示されることを必要条件として遊技者に
有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、
前記第1の図柄の変動開始に際しては所定数の遊技球を
必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球
が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。
【0060】上記遊技機には少なくとも、多数個の遊技
球を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態
(大当り状態)と、遊技球を消費する遊技者に不利な状
態である通常遊技状態の二種類の遊技状態が存在する。
なお、前記融合させた遊技機では、手段1から手段27
のいずれかにおいて行われる表示制御を主として前記第
2の表示装置において行うような構成となっている。す
なわち、ここにいう第2の表示装置が、手段1から手段
27のいずれかの表示装置に相当し、ここにいう第2の
図柄が手段1から手段27のいずれかの画像又は図柄に
相当する。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明をパチンコ遊技機に
具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。図1
に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤1には、誘導レ
ール2によって遊技領域3が区画形成されている。誘導
レール2は、遊技者による操作ハンドルの操作に呼応し
て発射装置(図示略)から発射された遊技球4を、遊技
領域3の上部に導く。遊技領域3には、複数の普通入賞
口5,作動口としての始動口6、特別入賞口としての大
入賞口7、及び、表示装置10が設けられている。普通
入賞口5,始動口6及び大入賞口7は、遊技盤1の裏側
の払出し装置(図示略)に接続されている。払出し装置
は、遊技球4の入賞口5,6,7への入賞に伴い所定数
の賞球を払い出す払出しモータ8(図2参照)を備えて
いる。始動口6は、遊技球4の入口を狭めたり広げたり
する2枚の羽根6aを備えている。
【0062】表示装置10は始動口6の上方に配置さ
れ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)によって構成さ
れる。表示装置10の画面11には、後述する表示制御
基板32からの制御に基づいて各種の画像(図柄を含
む)が表示される。例えば図4に示すように、表示装置
10の画面11には、パチンコ遊技における当り状態又
は外れ状態の表示に関与する図柄として、中図柄50、
左第1図柄51、左第2図柄52、右第1図柄53及び
右第2図柄54の5つの図柄が表示される。中図柄50
は画面11の中央位置を、左第1図柄51及び左第2図
柄52は画面11の左側領域の上下位置を、右第1図柄
53及び右第2図柄54は画面11の右側領域の上下位
置をそれぞれ基本的なポジションとする。図4に示す基
本配置では、左第1図柄51、中図柄50及び右第2図
柄54の三つが、画面の右下がり対角線L1上に一列に
並んでおり、左第2図柄52、中図柄50及び右第1図
柄53の三つが、画面の右上がり対角線L2上に一列に
並んでいる。
【0063】なお、画面11に表示する図柄としては、
数字、キャラクタのほか、それらを組み合わせたもので
もよい。キャラクタとは、例えば人物、動物、文字、図
形、記号等をいい、それらの一部分又は省略化もしくは
簡易化したものもキャラクタの範疇に含まれる。
【0064】表示装置10では、遊技球4の始動口6へ
の入賞に基づき、各図柄50〜54の変動が一斉に開始
される。この図柄変動の仕方に本実施形態の特徴の一端
が表われており、前記5つの図柄50〜54は、ある種
の動きを伴いながら経時的に図柄種を変化させていく。
具体的には、中図柄50は、常に画面11の中央位置を
占めながらも、画面11を上下に二分する水平軸線HL
の周りで自転運動をしながら次第に図柄種を変化させる
という仕方で変動する。また、左第1図柄51及び左第
2図柄52の各々は、常に画面11の左側領域を占めな
がらも、前記水平軸線HLの周りを両図柄51,52が
一対の連星のように公転運動しながら次第に図柄種を変
化させるという仕方で変動する。同様に、右第1図柄5
3及び右第2図柄54の各々は、常に画面11の右側領
域を占めながらも、前記水平軸線HLの周りを両図柄5
3,54が一対の連星のように公転運動しながら次第に
図柄種を変化させるという仕方で変動する。
【0065】このパチンコ遊技機では、前記二つの対角
線L1,L2に沿っていわゆる大当りラインが設定され
ている。そして、いずれかの対角線に沿って三つの図柄
が揃ったときに「大当り」となり、三つの図柄のうちの
一つでも不一致があれば「外れ」となる。このように、
5つの図柄50〜54の変動が停止したときに表示され
る対角線方向の3つの図柄(以下「停止図柄」という)
の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(即ち同一
図柄種が大当りラインに沿って並ぶ組合せ)となる場合
があり、この大当りの組合せが成立すると、特別電動役
物等が作動して遊技者にとって有利な特別遊技状態(大
当り状態)が到来し、より多くの賞球を獲得可能とな
る。なお、パチンコ遊技機がその内部的処理によって大
当り状態その他の遊技状態の発生の有無を決定する行為
を「抽選」という。
【0066】遊技球4の始動口6への入賞に基づき、抽
選及び図柄変動の開始が行われることは前述の通りであ
るが、この抽選中や大当り状態の発生中に、更に遊技球
4が始動口6に入賞した場合には、その分の抽選は、そ
のときに行われている図柄変動の終了後に、より正確に
は、大当り状態が発生すればその終了後に、大当り状態
が発生しなければ変動の停止後に行われる。これを「抽
選が保留される」という。かかる抽選保留の上限値は機
種毎に決められており、このパチンコ遊技機での抽選保
留上限値は「4」に設定されている。表示装置10の上
方には保留ランプ15が組み込まれており、その保留ラ
ンプ15の数は前述の上限値と同じ(即ち4個)であ
る。保留ランプ15は抽選が保留される毎に点灯し、そ
の保留に対応した処理が行われる毎に消灯する。
【0067】図1に示すように、大入賞口7は始動口6
の下方に位置し、横長空間である入賞領域16、開閉部
材たるシャッタ17及び大入賞口用ソレノイド18を備
えている。ソレノイド18はシャッタ17に作動連結さ
れており、通電に伴う励磁によりシャッタ17を前方へ
倒して入賞領域16を開放し、通電停止に伴う消磁によ
りシャッタ17を起立させて入賞領域16を閉鎖する。
大入賞口7は、大当り状態の発生に伴い閉鎖状態から開
放状態に切り替えられる。開放状態から閉鎖状態への切
替え(復帰)は、以下の二条件のいずれかが満たされた
ときに行われる。その二条件とは、遊技球4が入賞領域
16に所定個数入賞すること、及び、開放開始から所定
時間が経過することである。
【0068】入賞領域16の中央部分には1つの特定領
域19(以下「Vゾーン」という)が開口し、左右両側
には一対の一般領域21が開口している。入賞領域16
に入賞した遊技球4は、Vゾーン19又は一般領域21
のいずれかを通過する。ここで、遊技球4がVゾーン1
9を通過することは、入賞領域16を再度開放するため
の継続条件である。従って、入賞領域16の開放中に入
賞した遊技球4がVゾーン19を通過すれば、入賞領域
16は閉鎖された後に再度開放され、入賞領域16が繰
返し開放されることになる。但し、この繰返し回数には
制限が設けられており、予め定められた回数だけ繰り返
された後には原則として入賞領域16の開放はなく、そ
こで大当り状態が終了する。
【0069】そのほかにも、パチンコ遊技機には、遊技
効果を高める目的で、スピーカ22(図2参照)及び装
飾用のランプ23が組み込まれている。スピーカ22は
遊技の進行状況に合わせて効果音を発生する。ランプ2
3としては、例えば風車ランプ、飾りランプ、袖ラン
プ、サイドランプ等があげられ、これらは遊技の進行状
況に合わせて点灯・消灯の態様を変化させる。
【0070】遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を
検出するために、遊技盤1には、始動口用スイッチ2
4、Vゾーン用スイッチ25及びカウントスイッチ26
がそれぞれ取り付けられている。始動口用スイッチ24
は遊技状況検出手段に相当し、遊技球4の始動口6への
入賞を検出する。また、Vゾーン用スイッチ25は遊技
球4のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ26は
遊技球4の一般領域通過を検出する。
【0071】(パチンコ遊技機の制御系の概要)図2に
示すように、パチンコ遊技機の制御系は主制御基板31
を中心として構築されている。即ち、主制御基板31に
は、遊技の進行状況を検知するためのセンサ類である各
種スイッチ24〜26、保留ランプ15及びソレノイド
18が接続されている。また、主制御基板31には、表
示制御基板32を介して表示装置10が、音声制御基板
33を介してスピーカ22が、ランプ制御基板34を介
して各種のランプ23が、更に払出し制御基板35を介
して払出しモータ8がそれぞれ接続されている。なお、
パチンコ遊技機には、バックアップ電源36を内包する
電源基板37が設けられ、この電源基板37を介して電
源から前記各制御基板31〜35その他に対し電力が供
給される。
【0072】制御基板31〜35の各々は、原則とし
て、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶した
読み出し専用メモリ(ROM)、ROMの制御プログラ
ムに従って各種演算処理を実行する中央処理ユニット
(CPU)、CPUによる演算結果を一時的に記憶する
ランダムアクセスメモリ(RAM)等の処理回路を内包
する。そして、主制御基板31の主導のもとで前記各制
御基板32〜35が協働することにより、調和のとれた
パチンコ遊技機の制御が実現される。
【0073】主制御基板31が他の制御基板とは異なる
ハードウェア面での特徴として、主制御基板31がCP
U,ROM及びRAMの他に、計数用の通常カウンタ、
乱数発生用の乱数カウンタ及び内部タイマを内包する点
があげられる。例えば、通常カウンタとして、抽選の保
留数を内部的にカウントするための保留カウンタが設け
られている。また、乱数カウンタとして、遊技の当り外
れの抽選に関わる内部乱数カウンタ、外れリーチ状態の
決定に関わるリーチ乱数カウンタ、停止図柄等の決定に
関わる図柄カウンタが設けられている。なお、「外れリ
ーチ」とは、一旦はリーチ状態になるも最終的には大当
りではなく外れになる場合をいう。これに対し、リーチ
状態を経ずに単に外れになる場合を特に「単純外れ」と
呼ぶことにする。
【0074】主制御基板31は、所定の処理に基づき表
示コマンド(表示制御指令)及び確定コマンド(確定制
御指令)を生成し、これらを表示制御基板32に送信す
る。表示制御基板32は、主制御基板31からの表示コ
マンド及び確定コマンドに基づいて各種演算処理を実行
し、その演算結果に基づき表示装置10を制御する。ま
た、主制御基板31は、音声制御基板33に対して前記
表示コマンドに対応する音声コマンドを送信する。音声
制御基板33は、その音声コマンドに基づき、前記表示
装置10での図柄の変動開始や停止のタイミングに同期
してスピーカ22から効果音を発生させる。同様に主制
御基板31は、ランプ制御基板34に対して前記表示コ
マンドに対応する点灯コマンドを送信する。ランプ制御
基板34は、その点灯コマンドに基づき、前記表示装置
10での図柄の変動開始や停止のタイミングに同期して
ランプ23を種々光らせる。主制御基板31は、払出し
制御基板35に対して払出し要求個数を含む払出し要求
コマンドを送信する。払出し制御基板35は、その払出
し要求コマンドに応じて払出しモータ8に賞球を払い出
させる。
【0075】(主制御基板の主な機能)主制御基板31
は、パチンコ遊技機における電気制御の中心的存在であ
り、各制御基板32〜35に対して種々のコマンドを送
信する等、実に様々な処理を行うが、本実施形態に深く
関連した主制御基板31の主な機能としては、遊技球4
が始動口6に入賞したときの始動入賞処理、特別電動役
物の大当り時制御、表示コマンドの決定及びそれに続く
各種コマンドの送信があげられる。
【0076】「始動入賞処理」とは、遊技球4が始動口
6に入賞する毎に、主制御基板31が備える乱数カウン
タから乱数値を取得することにより、抽選保留の上限値
を超えない範囲で抽選を行い、その抽選結果をデータと
して保持する処理をいう。そして、その抽選結果が「大
当り」の場合には、表示装置10での図柄変動の進行状
況に歩調を合わせた所定のタイミングで、特別電動役物
の大当り時制御が行われる。その場合の「大当り時制
御」とは、入賞領域16の開放から閉鎖までの一連の駆
動制御を意味し、具体的には、入賞領域16の開放後に
遊技球4が入賞領域16に所定個(例えば10個)入賞
すること、又は、所定時間(例えば30秒)が経過した
ことを条件として入賞領域16を閉鎖する制御をいう。
入賞領域16を開放し続ける間、遊技者は多量の遊技球
4を獲得する機会に恵まれる。
【0077】主制御基板31が表示制御基板32のため
に行う処理としては、表示コマンドの決定処理、表示コ
マンドの送信及び確定コマンドの送信があげられる。
「表示コマンドの決定処理」とは、表示制御基板32に
送信すべき指令やデータ内容を決定する処理をいい、そ
のうち最も重要なものが、前記抽選の結果を反映させな
がら図柄変動停止時に表示すべき停止図柄を決定するこ
とである。具体的には、前記抽選の結果が大当り予定の
場合には、停止図柄コードとして大当り図柄のコードを
選択しこれをRAMに記憶する。又、前記抽選の結果が
外れリーチ予定の場合には、停止図柄コードとして外れ
リーチ図柄のコードを選択しこれをRAMに記憶する。
更に、前記抽選の結果が大当り予定でも外れリーチ予定
でもない場合(即ち単純外れ予定の場合)には、停止図
柄コードとして外れ図柄のコードを選択しこれをRAM
に記憶する。
【0078】抽選結果に応じて停止図柄コード等が決定
されると、主制御基板31は、RAMに記憶した停止図
柄コード等の情報を表示コマンドとして表示制御基板3
2に対し送信する。表示コマンドを受け取った表示制御
基板32は、停止図柄コード等の提供された情報を利用
して、後述するような表示制御を行う。また、主制御基
板31が備える内部タイマでの計測により、図柄の変動
開始時(即ち表示コマンドの送信時)から所定時間が経
過して図柄の変動停止時期が到来すると、主制御基板3
1は表示制御基板32に対し、図柄の変動停止を指令す
る確定コマンドを送信する。表示制御基板32は、確定
コマンドの受信に同期して全図柄の変動を停止させ、遊
技における当り状態又は外れ状態を確定表示して遊技者
に知らしめる。
【0079】このように、本実施形態を理解する上で特
に重要な主制御基板31の機能は、遊技球4の始動口6
への入賞に起因して遊技の当り又は外れに関する抽選を
行うこと、その抽選の結果を反映させるかたちで停止図
柄を選択すること、更に表示制御基板32に対して図柄
変動停止を指令すると共にその停止時には前記選択した
停止図柄にて確定表示させることにある。他方、表示制
御基板32は、主制御基板31から図柄の変動開始時期
および変動停止時期並びに確定表示時の停止図柄につい
て指定される以外は主制御基板31の支配を受けず、例
えば図柄の変動開始から変動停止までの途中の変化(図
柄変動のあり方)等については、自己に組み込まれた制
御プログラムに基づいて表示装置10を主体的又は自律
的に制御する。これについては以下に詳述する。
【0080】(表示制御基板の構成及び機能)図3に示
すように、表示制御基板32は、CPU41、ROM4
2、RAM43、入力インターフェイス44、ビデオデ
ィスプレイプロセッサ(VDP)45、画像ROM46
および割込信号発生回路47を備えている。
【0081】CPU41は、主制御基板31から送られ
てきたコマンド(表示コマンド又は確定コマンド)を入
力インターフェイス44を介して受信すると共に、その
コマンドを解析し又はそのコマンドに基づき所定の演算
処理を行って、VDP45の制御(具体的にはVDP4
5に対する内部コマンドの生成)を行う。ROM42及
びRAM43は、CPU41を補完するための不揮発性
及び揮発性のメモリであり、ROM42はCPU41用
の各種制御プログラムを保持し、RAM43はCPU4
1の作業領域を提供するほか、表示コマンドに含まれる
停止図柄コード等の有用情報を一時記憶する。
【0082】ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)
45は、表示装置10に組み込まれたLCDドライバ
(液晶駆動回路)12を直接操作する一種の描画回路で
ある。VDP45はICチップ化されているため「描画
チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファ
ームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきも
のである。VDP45の内部にはレジスタ45aが設け
られている。レジスタ45aとは、VDP45の動作モ
ードやVDP45が備える各種機能の有効/無効の設定
情報を保持しておくための領域であり、このレジスタ4
5aに保持される情報をCPU41が書き換える(又は
更新する)ことにより、画面11での描画態様を種々変
化させることができる。
【0083】画像ROM46は、その名の通り、各種の
画像データを保持する不揮発性メモリであり、表示制御
基板32における画像データライブラリィとしての役割
を担うものである。この画像ROM46には、各種の表
示図柄(例えば図柄50〜54)のビットマップ形式画
像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決
定する際に参照する色パレットテーブル、更には背景画
像用のJPEG形式画像データ等が保持されている。特
に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図
柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベ
ルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としてい
る。
【0084】割込信号発生回路47は、VDP45及び
CPU41に対し、所定の時間間隔(例えば1/60秒
=約17ミリ秒)にてビデオブランク割込信号(VB割
込信号)を定期的に発信する。VB割込信号は、動的描
画(動画)における次のフレーム(個々の静止画に相
当)の表示時期が到来したことをVDP45及びCPU
41に知らせるための信号である。このVB割込信号に
同期して、CPU41はVDPのレジスタ45aに次の
静止画像用の内部コマンドを送ると共に、VDP45は
LCDドライバ12を操作して、既に準備済みの静止画
像を画面11上に描画する。このように毎秒60回とい
う高頻度での静止画更新により、画面11での動画表示
が実現される。
【0085】ここで、遊技における当り状態又は外れ状
態の表示に関与する図柄のビットマップ形式画像データ
が、表示制御基板32においてどのように管理されてい
るかについて簡単に説明する。まず、個々の図柄には外
見上輪郭線が存在し、その輪郭線は複雑に入り組んでい
るのが通例である。例えば、図5に示すような数字のゼ
ロをかたどった装飾的図柄の場合、数字の外形を区画す
る輪郭線は曲線的である。しかし、画像処理に際して
は、個々の図柄の輪郭線等の個性にかかわらず、全図柄
の画像データを統一的に取り扱えることが好ましい。そ
こで、図柄の輪郭線を全て包含するような矩形状の領域
を設定し、その矩形領域を丸ごと一つの画像単位として
扱い、この矩形画像単位を「スプライト」と呼んでい
る。
【0086】図5の例で示せば、数字のゼロをかたどっ
た装飾的図柄の全体が収まるように横(x方向)144
ドット、縦(y方向)128ドットの矩形領域を設定す
る。このスプライトをビットマップ形式で表現する場
合、144×128の二次元座標系における各座標点
(各ドット)での色を指定すればよく、その際、図形の
実体とはならない地の部分には透明を意味する色データ
を与えておけばよい。つまり、スプライトを構成する総
計144×128個のドットの各々に、透明を含む色デ
ータ(具体的には色番号N)を付与することで、完全矩
形状の画像データ単位を構成することができる。図5の
例では、装飾的図柄の内側及び周囲に存在する地の部分
を構成する各ドットには、透明を意味する色番号(例え
ばN=0)を付与し、装飾的図柄の実体を構成する各ド
ットには、特定色の色番号(例えばN=1〜15)のい
ずれかを付与する。
【0087】尚、本実施形態では、個々のスプライトの
データサイズを極力小さくするために、一つのスプライ
トで使用可能な色番号Nを「0」〜「15」までの16
個に限定している。その代わり、「0」〜「63」の色
パレット番号Mで識別される64種類の色パレットを準
備し、個々のドットにおける色番号Nと色パレット番号
Mとを組み合わせれば、画面全体として256色又はそ
れ以上の豊富な色数が実現できるようにしている。図6
は、色番号Nと色パレット番号Mとの関係を概念化した
色パレットテーブルを示す。かかる色パレットテーブル
を参照することにより、各スプライトの個々のドットで
表示すべき色を具体的に決定することができる。例え
ば、そのスプライトが指定する色パレット番号Mが
「0」であり、そのスプライト内のあるドットの色番号
Nが「15」である場合、色パレットテーブルの(M,
N)=(0,15)に対応するデータ格納領域を参照す
ることで、当該ドットを色制御する場合の、R,G,B
(光の三原色)の各々についての発光強度を読み取るこ
とができる。
【0088】更に描画チップとしてのVDP45は、矩
形画像単位たるスプライトを縦(y方向)又は横(x方
向)に拡大し又は縮小するというビットマップデータの
加工機能を備えている。特に縮小機能に関しては、原寸
(16/16=1)のスプライトを縦、横又は縦横同時
に最小で1/16の大きさにまで16段階に縮小するこ
とができる。この機能を使えば、例えば、横144ドッ
ト×縦128ドットのスプライトを縦に1/2(=8/
16)縮小して、横144ドット×縦64ドットの縮小
スプライトを得ることができる。このスプライトの拡大
縮小機能は、CPU41がVDPのレジスタ45aに、
拡縮対象となるスプライトの図柄コード及び拡大又は縮
小の倍率についての内部コマンドを書き込むことによっ
て有効化される。CPU41から見れば、VDP45が
スプライトの拡大縮小をハード的に実現し、それを画面
11の表示制御に直接反映させるかたちとなる。
【0089】次に、表示制御の具体的手順について概説
する。表示制御基板32は、図7に示す手順に従って主
制御基板31から提供される各種コマンドを処理しなが
ら、画面11の表示制御を行う。CPU41は、まずス
テップ71(以下「S71」と表記、他ステップも同
様)において、主制御基板31から表示コマンドを受信
したか否かを判定する。S71判定がNOの場合、S7
4において、主制御基板31から確定コマンドを受信し
たか否かを判定する。S74判定もNOの場合には、処
理をS71に戻す。つまりCPU41は、何らかのコマ
ンドを受信するまでS71及びS74の判定を繰り返す
(コマンド待ちスタンバイ)。
【0090】S71判定がYES即ち表示コマンドを受
信すると、S72において、その表示コマンドの内容
(停止図柄コード等の情報)をRAM43に格納する。
続いてCPU41は、RAM43に格納された情報に基
づき、VDP45に対する内部コマンドを生成する等の
各種の演算処理を開始する。VDP45は、CPU41
からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を行い、
画面11での図柄の変動表示を開始する。表示コマンド
を一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまで
の間、CPU41とVDP45との協働のもとに図柄の
変動表示が継続される。その間、CPU41は、VDP
45の制御と図7に示すコマンド受信処理とを並行して
行う。
【0091】S74判定がYES即ち確定コマンドを受
信すると、S75でCPU41はVDP45に対して停
止図柄での確定表示を指示し、VDP45は変動してい
た図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄5
0〜54の変動開始から変動停止(確定表示)までの1
ラウンドの表示処理が行われる。表示制御基板32は、
図柄の変動開始時及び変動停止時に主制御基板31によ
るコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変
動については、表示制御基板32内のCPU41及びV
DP45による自律的な画像制御によって担保される。
【0092】さて、前述のように、遊技における当り状
態又は外れ状態の表示に関与する5つの図柄50〜54
はそれぞれに個性的な幾何学的運動を伴いながら、時間
と共に図柄種を順次変化させていく。本明細書では、こ
のうちの中図柄50の変動制御について説明する。その
他の図柄の変動制御については別件に委ねる。
【0093】中図柄50は画面11の中央を基本ポジシ
ョンとする。つまり、中図柄50のスプライトの中心
(重心)は画面11を上下に二分する水平軸線HLと、
画面11を左右に二分する垂直軸線(図示略)との交点
に位置する(図4参照)。そして、中図柄50は、前記
水平軸線HLを回転軸として自転運動しつつ所定の自転
タイミングにおいて図柄種を変化させるという変動パタ
ーンをとる。この変動パターンの動画表現は、基本とな
るスプライトに対し縦(y方向)への縮小を段階的に施
すと共に、その各段階の縮小スプライトを所定の時間間
隔で画面11上に順次描画することによって達成され
る。かかる時系列的なスプライトの縦倍率制御により、
中図柄50が自転運動しているように見せかけることが
できる原理を以下に説明する。
【0094】図8は中図柄50の自転運動を幾何学的に
解析した図である。図8において、自転運動の回転軸
(水平軸線HL)は紙面と直交する方向に延びており、
この回転軸の位置で画面11が上下方向に延びているも
のと想定する。図の左側を画面11の正面側とすれば、
遊技者の視線は図の左から右に向かう。
【0095】なお、表示制御基板32では、画像制御の
進行状況を管理するための時間単位としてオフセット値
(ofs)というものを採用している。本実施形態で
は、ofsは「0」〜「255」まであり、ofs=2
55のあとにofs=0に復帰することで画像制御の1
サイクルが完結するものとしている。通常スピードでの
画像制御では、オフセット値の変化とVB割込信号の割
込み間隔とは一致しており、1/60秒間隔でofsが
1ずつ増加する。他方、高速モードでの画像制御時に
は、1/60秒間隔でofsが8,16又は32ずつ増
加する。
【0096】中図柄50が最初に画面11上に表示され
るとき(図柄の変動開始時)、中図柄50としての指定
を受けた図柄コードnのスプライトがそのまま画面11
上に重なるものとする。つまり、ofs=0の回転開始
時には、視点側から中図柄50を直角視できるものとす
る。この状態から中図柄50が反時計方向に回転する
と、視点側からは中図柄50が上下方向につぶれて見え
る。時間の経過に伴う図柄の回転角度θの変化と、各角
度θでの見掛け上のつぶれ具合との関係を計算によって
求め、これに基づき中図柄50として選択されたスプラ
イトを経時的に倍率変化させつつ画面11上に表示すれ
ば、ofs=0のときに使用する基本スプライトから、
ofs=1〜255のときに使用すべき縦縮小されたス
プライトを演算によって生成し、その生成された画像デ
ータを使って中図柄50の各回転態様を画面11上に表
示することができる。
【0097】具体的には、次のような取決めのもとにス
プライト縮小の目標値演算と、図柄種の切替えとを行っ
ている。まず中図柄50として選択されたスプライトを
原寸(横倍率H=1.0、縦倍率V=1.0)のまま視
点側から直角視できる状態を回転開始時とし、そのとき
をofs=0とする。このとき、図柄と画面11とがな
す角度θはゼロ度(°)である。この状態から図柄が反
時計方向に回転し、ofs=127のときに図柄が90
°前傾して視線とほぼ平行になるものとする。即ちof
s=0〜127では、図柄コードn(例えばn=0)の
図柄が上から下へ画面11の手前側に倒れ込むように1
/4回転する。ofsが127から128に変化すると
き、図柄コードnがインクリメントされてn+1(例え
ばn+1=1)となり、中図柄50として表示すべき図
柄種が別の図柄種に取り替えられる。その際、図柄の上
端がθ=90°の位置からθ=270°の位置に一挙に
180°変化する。そして、ofs=128〜255で
は図柄コードn+1の図柄が下から上へ画面11の奥か
ら手前側に立ち上がるように1/4回転する。
【0098】このようにofs=0〜255の1サイク
ルにおいて、ofs=0で縦倍率V=1の図柄(図柄コ
ードn)が、1/4回転したofs=127で最小の縦
倍率V=1/16の状態となる。そして、ofs=12
8で最小の縦倍率V=1/16の状態の次図柄(図柄コ
ードn+1)に取り替えられ、その後1/4回転したo
fs=255で縦倍率V≒1の状態となる。次サイクル
でのofs=0では、縦倍率V=1の当該図柄(図柄番
号n+1)がそのまま引きつがれ、次サイクルの半周回
転でも上記同様の制御が行われる。
【0099】本実施形態では、256段階のofsを図
柄の半周回転(180°回転)に対応させていることか
ら、各オフセット値における図柄と画面11とのなす角
度θをofsと関連付けてラジアン値で表せば、θ=o
fs×π/256となる。そして、ofs=0(θ=
0)での図柄の縦倍率Vを1としたことから、角度θで
傾斜した図柄の縦倍率Vは、V=|cosθ|で表せ
る。つまり、図8に定めたような回転運動の取決めに従
えば、図柄が水平軸線HLの周りで自転運動しているよ
うに見せかけるために、基本スプライトを縦方向に縮小
処理するときの目標縦倍率は、オフセット値ofsを変
数とする次の計算式で表すことができる。
【0100】計算上の目標縦倍率:V=|cos(of
s×π/256)|
【0101】CPU41は、VB割込みがある毎に、そ
のときどきのofsに基づき目標縦倍率Vを計算によっ
て求める。目標縦倍率Vの計算結果は任意の値であるの
に対し、実際にVDP45がハード的に実現できる縮小
率は段階的であるため、CPU41は目標縦倍率Vの計
算値に最も近い、VDP45が対応可能な縮小率を選択
し、その選択した縮小率をVDPのレジスタ45aに書
き込む。VDP45はVB割込みがある毎に、レジスタ
45aに書き込まれた縮小率(倍率)及び指定された図
柄コードを参照し、指定図柄コードに対応するスプライ
トを縦方向に倍率変化させて得た画像データを使って、
画面11での中図柄50の変動表示を制御する。
【0102】図9〜図13は、中図柄50の一連の変動
表示例を示す(説明を簡素化するため、その他の図柄5
1〜54が固定表示された状況下での中図柄50の変動
だけを示す)。この一連の図柄変動について注釈を加え
ると、図9は、ofs=0の変動開始時を示し、このと
きの目標縦倍率V(計算値)は1.000、図柄コード
nは「0」である。図10は、ofs=64(θ=約4
5°)のタイミングを示し、このときの目標縦倍率V
(計算値)は0.707、図柄コードnは「0」であ
る。図11は、ofs=127(θ=約89°)のタイ
ミングを示し、このときの目標縦倍率V(計算値)は
0.012、図柄コードnは「0」である。なお、VD
P45の最小縮小倍率は1/16(=0.063)であ
るので、目標縦倍率Vの計算値が0.012であって
も、図11に示すように縦に1/16縮小の状態で図柄
が表示される。
【0103】図12は、ofs=128(θ=約270
°)のタイミングを示し、このときの目標縦倍率V(計
算値)Vは0.000、図柄コードはn+1に変化して
「1」となり、図柄種の取替えが行われる。尚、VDP
45の最小縮小倍率は1/16であるので、目標縦倍率
Vの計算値が0.000であっても、図12に示すよう
に縦に1/16縮小の状態で図柄が表示される。図13
は、ofs=255(θ=約359°)のタイミングを
示し、このときの目標縦倍率V(計算値)は0.99
9、図柄コードn+1は「1」である。尚、図13の状
態は、次の回転サイクルでのofs=0の状態にほぼ等
しい。
【0104】なお、本実施形態では、主制御基板31及
び表示制御基板32によって「表示制御手段」が構成さ
れる。又、表示制御基板32のCPU41及びVDP4
5によって、「画像データを特定方向に縮小又は拡大す
る機能を備えたデータ加工手段」が構成される。
【0105】(効果)本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。大当りラインL1,L2上
に並ぶ複数の図柄のうちの中図柄50については、図柄
変動開始に伴い水平軸線HLを中心とした自転運動を始
めると共に、それが1/4回転して小さくつぶれきった
ように見えるところで、次の図柄種に切り替えられる。
その後は、1/2回転する毎に小さくつぶれきったよう
に見える状態が出現し、そのたびに中図柄50が次の図
柄種に切り替えられる。このように中図柄50が自転運
動をしながら次々と図柄種を変えていくという図柄変動
のさせ方は、パチンコ遊技機の分野では極めて斬新なも
のであり、遊技者に面白みを感じさせることができる。
【0106】画面11上で中図柄50が自転運動してい
るように見せる場合でも、その図柄が出現してから次の
図柄種に切り替わるまでの間の一連の姿勢又は姿態の変
化をコマ割りした多数の静止画像データを予め画像RO
M46に蓄える必要がない。つまり本実施形態では、図
柄の基本姿勢(又は基本姿態)を表わした基本静止画像
データ(つまり基本となるスプライト)だけを画像RO
M46に蓄えておき、その図柄の個々の回動姿勢につい
ては、当該スプライトに対して縦方向倍率の縮小演算を
施すことにより、各オフセット値で使用すべき静止画像
データを準備している。従って、画像ROM46には各
図柄種の基本姿勢(又は基本姿態)に関する画像データ
のみを蓄えておけば足り、メモリの節約を図ってハード
ウェアのコストを大幅に低減することができる。
【0107】また、基本姿勢(又は基本姿態)を表わし
た基本静止画像データに対する演算により、その都度所
定角度だけ回転した姿勢(又は姿態)についての静止画
像データを生成することができるので、CPU41及び
VDP45での演算処理に遅れを生じない限り、静止画
像を出現させる間隔(即ちフレーム間隔)をいくらでも
短くすることができる。即ち必要最小限のハードウェア
資源でもって、動画としてのリアリティや動きの円滑性
を高度に高めることが可能となる。
【0108】(変更例)本発明の実施形態を以下のよう
に変更してもよい。 ・画面11を左右に二分する垂直軸線の周りで自転させ
るようにしてもよい。また、自転運動の回転軸は画面1
1の斜め方向に設定されてもよい。
【0109】・上記実施形態では、中図柄50の変動態
様は常に上述のような自転運動としたが、いずれかの大
当りラインに沿って中図柄50を挟む二つの図柄(51
及び54、又は、52及び53)が揃った状態、即ちリ
ーチ状態のときに限って、未確定の中図柄50を自転変
動させるようにしてもよい。
【0110】・自転運動させる画像は、中図柄50に限
定されず、その他の図柄51〜54をそれぞれの位置に
おいて同様の手法で自転運動させてもよい。
【0111】・上記実施形態では、遊技者の視点に対し
て直覚視できる状態をofs=0の運動開始点とし、そ
の場合に原寸のまま表示されるスプライトの縦倍率を1
倍としたので、そのスプライトに対する縮小演算だけで
個々の回転姿勢についての静止画像データを全て準備す
ることができた(図8参照)。仮にofs=0の運動開
始点を、図8に示した以外の他位置に変えるならば、原
寸のスプライトに対する縮小演算と拡大演算とを併用す
ることにより、スプライトの縦方向倍率を変化させる必
要が生ずることは言うまでもない。
【0112】・遊技の当り状態又は外れ状態の表示に関
与する図柄50〜54以外の画像、例えば予告画像を上
記と同様の手法で自転運動させてもよい。尚、「予告画
像」とは、前記図柄50〜54の変動中(確定表示前)
において、近々大当り状態となる可能性を示唆するもの
として表示する画像をいい、遊技者に期待感を抱かせる
ための視覚的演出の一種である。
【0113】・自転運動中の中図柄50の画面11上で
の位置又は座標を時間の経過とともに変化させてもよ
い。例えば、中図柄50の位置を小刻みに上下又は左右
に揺らしつつ自転運動させてもよい。又、中図柄50を
自転運動させる際の回転軸の位置又は傾きを時間の経過
とともに変化させてもよい。例えば、当該回転軸を小刻
みに上下に配置変更したり、回転軸の小刻みな傾動を繰
り返してもよい。
【0114】・本発明はパチンコ遊技機に限定されるも
のではなく、それ以外の遊技機(例えば、マイコン制御
されるスロットマシン、パチンコ機とスロットマシンと
を融合させた遊技機等)に具体化されてもよい。
【0115】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1によれ
ば、画像の自転運動という斬新な画像表示により遊技の
面白さを増すことができる。請求項2及び3によれば、
その斬新な画像表示を必要最小限のハードウェア資源で
もって効率的に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す概略正面図。
【図2】パチンコ遊技機の制御系全体を示す機能ブロッ
ク図。
【図3】表示制御基板を中心とした制御構成を示す機能
ブロック図。
【図4】表示装置の画面における図柄配置の概略を示し
た正面図。
【図5】スプライト(矩形画像単位)の一例を示す説明
図。
【図6】色パレットテーブルの概要を示す説明図。
【図7】画像表示用コマンド処理手順のフローチャー
ト。
【図8】図柄の自転運動を幾何学的に解析した目標倍率
計算の原理図。
【図9】自転する中図柄の表示例を示す正面図。
【図10】自転する中図柄の表示例を示す正面図。
【図11】自転する中図柄の表示例を示す正面図。
【図12】自転する中図柄の表示例を示す正面図。
【図13】自転する中図柄の表示例を示す正面図。
【符号の説明】
10…表示装置、11…画面、31…主制御基板、32
…表示制御基板(31,32は表示制御手段を構成す
る)、41…CPU、45…VDP(41,45はデー
タ加工手段を構成する)、46…画像ROM(表示制御
手段のメモリ)、50〜54…当り状態又は外れ状態の
表示に関与する図柄(画像)、L1,L2…画面の対角
線(大当りライン)、HL…画面の水平軸線(自転運動
の回転軸)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 文宏 愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号 株式会社三洋物産内 (72)発明者 藤沢 和博 石川県松任市福留町655番地 アイレムソ フトウェアエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 梅田 るり子 石川県松任市福留町655番地 アイレムソ フトウェアエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2C088 AA35 AA36 AA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を表示するための画面を有する表示
    装置と、前記表示装置での画像表示を制御する表示制御
    手段とを備えた遊技機において、 前記表示制御手段は、前記表示装置の画面において画像
    が自転運動して見えるように画像表示制御を行うことを
    特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 前記表示制御手段は、前記自転運動する
    画像の基本姿勢を表わした基本静止画像のデータをメモ
    リに保持すると共に、その基本静止画像データに対して
    所定の演算処理を施すことにより、自転運動の際の個々
    の回動姿勢についての静止画像を生じさせることを特徴
    とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 画像を表示するための画面を有する表示
    装置と、前記表示装置の画面において画像が所定の運動
    をして見えるように画像表示制御を行う表示制御手段と
    を備えた遊技機において、 前記表示制御手段は、前記所定運動を行う画像の基本姿
    勢又は基本姿態を表わした基本静止画像のデータをメモ
    リに保持すると共に、その基本静止画像データに対して
    所定の演算処理を施すことにより、前記所定運動の開始
    から終了までの間にあらわれる一連の姿勢又は姿態の変
    化についての個々の静止画像を生じさせることを特徴と
    する遊技機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005130950A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Sankyo Kk 遊技機
JP2008104680A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Samii Kk 遊技機、及びシミュレーションプログラム
JP2020103379A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社ソフイア 遊技機
JP2020103394A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社ソフイア 遊技機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005130950A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Sankyo Kk 遊技機
JP2008104680A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Samii Kk 遊技機、及びシミュレーションプログラム
JP2020103379A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社ソフイア 遊技機
JP2020103394A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社ソフイア 遊技機

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