JP4456783B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、表示装置に複数の図柄オブジェクト(識別情報)を変動表示する変動表示ゲームを行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、遊技領域に発射した遊技球の入賞等に従って、液晶表示器等からなる変動表示装置に、特定の識別情報(特別図柄)を含む複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行い、その表示結果が特定の態様となったことに関連して、特別遊技状態を生起する等の特定の遊技価値を付与するものがある。
【0003】
このような遊技機の変動表示ゲームでは、背景上に複数配置した識別情報をそれぞれ回転させながら、識別情報を切り替えていく変動表示態様(以下、回転スクロールとする)が知られている。
【0004】
また、3DCG(3次元のコンピュータグラフィックス)を用いて、識別情報やキャラクタ、図柄を立体的に表示して、変動表示ゲームの興趣を向上させようとする遊技機も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の遊技機では、変動表示ゲームの興趣を向上させるために、背景やキャラクタの表示で様々な態様が提案されているが、図柄の変動表示に関してはパターン化しつつある。これらは従来からある変動表示の延長における表現でしかなく、表示制御装置の機能の発展によって表示態様の表現方法が発展してきたに過ぎず、変動表示ゲーム本来の図柄の変動表示の表現方法については従来のものからの変化に乏しいという問題があった。
【0006】
本発明は、変動表示ゲームの図柄の変動表示で斬新な動きを実現して、変動表示ゲームの興趣を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の識別情報が設定された図柄オブジェクトを可変表示装置の変動表示領域に変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、異なる識別情報を異なる方向から貼付された立体によって、前記図柄オブジェクトを構成し、前記変動表示領域を通過するように設定された変動表示軌道に沿って前記図柄オブジェクトを複数配置する図柄オブジェクト配置手段と、前記図柄オブジェクト配置手段によって配置された図柄オブジェクトを、前記変動表示軌道に沿って上から下へ移動させることによって、変動表示を行う第一変動表示制御手段と、前記第一変動表示制御手段によって前記図柄オブジェクトが上から下へ移動する場合に、当該移動する図柄オブジェクトを自転させることによって移動前に表示されていた識別情報と別の識別情報を表示させることが可能な第二変動表示制御手段と、を備え、前記第二変動表示制御手段は、前記図柄オブジェクトが所定の第1位置から前記第1位置よりも下方の第2位置に移動する場合において、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に移動したときに表示される識別情報を、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に位置する前に前記第2位置に位置していた図柄オブジェクトが表示していた識別情報と同じになるように、前記移動する図柄オブジェクトを自転させることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記第一変動表示制御手段は、前記変動表示軌道の移動表示態様を決定する軌道制御手段を備え、前記第二変動表示制御手段は、前記変動表示ゲームの結果態様、前記オブジェクト配置手段によって決定された前記図柄オブジェクトの配置、及び前記軌道制御手段によって決定された前記図柄オブジェクトの移動表示態様に基づいて、前記図柄オブジェクトを自転表示させるパターンを、決定することを特徴とする。
【0016】
【発明の作用及び効果】
第1の発明では、複数の識別情報が設定された図柄オブジェクトを可変表示装置の変動表示領域に変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、異なる識別情報を異なる方向から貼付された立体によって、前記図柄オブジェクトを構成し、前記変動表示領域を通過するように設定された変動表示軌道に沿って前記図柄オブジェクトを複数配置する図柄オブジェクト配置手段と、前記図柄オブジェクト配置手段によって配置された図柄オブジェクトを、前記変動表示軌道に沿って上から下へ移動させることによって、変動表示を行う第一変動表示制御手段と、前記第一変動表示制御手段によって前記図柄オブジェクトが上から下へ移動する場合に、当該移動する図柄オブジェクトを自転させることによって移動前に表示されていた識別情報と別の識別情報を表示させることが可能な第二変動表示制御手段と、を備え、前記第二変動表示制御手段は、前記図柄オブジェクトが所定の第1位置から前記第1位置よりも下方の第2位置に移動する場合において、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に移動したときに表示される識別情報を、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に位置する前に前記第2位置に位置していた図柄オブジェクトが表示していた識別情報と同じになるように、前記移動する図柄オブジェクトを自転させるので、複雑な変動表示をすることができ、遊技に対する興趣を向上することができる。また、多様な変動表示の態様によって、様々な予告表示をすることが可能となる。また、第一変動表示と第二変動表示とによって図柄オブジェクトが一つ移動しても、識別情報は変化しないように変動表示することができる。
【0017】
第2の発明では、前記第一変動表示制御手段は、前記変動表示軌道の移動表示態様を決定する軌道制御手段を備え、前記第二変動表示制御手段は、前記変動表示ゲームの結果態様、前記オブジェクト配置手段によって決定された前記図柄オブジェクトの配置、及び前記軌道制御手段によって決定された前記図柄オブジェクトの移動表示態様に基づいて、前記図柄オブジェクトを自転表示させるパターンを、決定するので、識別情報の停止態様と公転パターンとに整合する回転表示態様のみが選択される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(パチンコ遊技機)の遊技盤1の正面図である。
【0027】
遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技領域3が形成され、遊技領域3には、変動表示装置(特別図柄表示装置)4、特別変動入賞装置5、各入賞口11、始動口7、普通図柄表示器23、普通変動入賞装置8等が配設されている。変動表示装置4は遊技領域のほぼ中央に配置され、大入賞口として機能する特別変動入賞装置5が遊技領域3の下方に配設されている。
【0028】
変動表示装置4は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面部分(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(表示図柄)を含む複数の図柄オブジェクトが表示される。すなわち、左、中、右に設けられた図柄オブジェクトが表示される変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば「0」〜「9」までの各数字)が変動表示して変動表示ゲームが行われ、その他、遊技の進行に基づく画像が表示される。
【0029】
なお、後述する本実施の形態の具体的な表示例において、図柄オブジェクトは複数の識別情報を含んで構成されており、立体(例えば、球体)の異なる方向から見える面に異なる識別情報を貼り付けて、複数の識別情報を一つの立体(図柄オブジェクト)に含むよう構成されている。
【0030】
特別変動入賞装置5の上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)8を有する始動口7が、遊技領域3の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート20が配設される。
【0031】
図示しない打球発射装置から遊技領域3に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域3内の各所に配置された風車等の転動誘導部材13により転動方向を変えられながら遊技領域3表面を流下し、始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に入賞するか、アウト口12から排出される。N個の一般入賞口11への遊技球の入賞は、各一般入賞口11毎に備えられたN個の入賞センサ17A〜17N(図2参照)により検出される。
【0032】
始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が図示しない払出ユニット(排出装置)から排出され、図示しない供給皿(遊技者に対して賞球又は貸球が払い出される皿)に供給される。
【0033】
始動口7へ遊技球の入賞があると、変動表示装置4では、前述した数字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口7への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置5は、大入賞口ソレノイド6(図2参照)への通電により、大入賞口を所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。すなわち、特別変動入賞装置5は、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0034】
始動口7への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ14で検出される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置4の下側に設けられた4つのLEDからなる特別図柄記憶状態表示器18に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置4にて可変表示ゲームを行う。
【0035】
特別変動入賞装置5への遊技球の入賞は、カウントセンサ15、継続センサ16(図2参照)により検出される。
【0036】
普通図柄始動ゲート20へ遊技球の入賞があると、普通図柄表示器23では、普通図柄(例えば一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート20への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口7の手前に設けられた普通変動入賞装置8は、普通電動役物ソレノイド10(図2参照)への通電により、始動口7への入口を所定の時間(例えば0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口7への入賞可能性が高められる。
【0037】
普通図柄始動ゲート20への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ21で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの通過検出時点での値)は、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は特別変動入賞装置5の右側に設けられた4つのLEDからなる普通図柄記憶状態表示器22に表示される。遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0038】
遊技領域3の最下端には、遊技球を排出するアウト口12が設けられる。
【0039】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。また、遊技機には、音出力装置(スピーカ)が設けられる。
【0040】
図2は、遊技制御装置100を中心とする遊技機1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0041】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0042】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ14、一般入賞口センサ17A〜17N、カウントセンサ15、継続センサ16、普通図柄始動センサ21)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド6、普通電動役物ソレノイド10、普通図柄表示器23等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0043】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0044】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器22の表示を制御する。
【0045】
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。
【0046】
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
【0047】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
【0048】
表示制御装置150は、2次元及び3次元画像の表示制御を行うもので、表示制御手段として機能する。この表示制御装置150は、CPU151、VDP(Video Display Processor 又は3D画像描画手段)152、RAM153、154、インターフェース155、プログラム等を格納したROM156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したCGROM157、液晶を駆動するLCDI/F158等から構成される。
【0049】
CPU151は、PRGROM156に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて、2Dの画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報の座標演算(ジオメトリ演算)等を行い、これらの演算結果をDRAM153に格納する。
【0050】
VDP152は、DRAM153に格納された画像情報に基づいて、2D又は3Dの画像の描画を行ってフレームバッファとしてのDRAM154に格納する。そして、DRAM154の画像を所定のタイミング(垂直同期、水平同期)でLCDI/F158へ送出して、液晶で構成された変動表示装置4に出力する。
【0051】
VDP152が行う描画処理は、2Dと3Dの点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画を行い、さらに3D画像では、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、CPU151が設定した3DオブジェクトをフレームバッファとしてのDRAM154へ描画する。
【0052】
なお、VDP152と変動表示装置4との間のインターフェース158は、変動表示装置の種類に応じて適宜選択すればよく、ここでは変動表示装置4に液晶を用いたが、CRT、ELあるいはプラズマなどのディスプレイを採用する場合には、これらのディスプレイデバイスに対応するインターフェース158を用いればよい。
【0053】
また、CGROM157には、変動表示ゲームに用いる図柄オブジェクトなどの各図柄、背景、キャラクタ等の2Dデータ及び3Dオブジェクトデータ、テクスチャデータが格納されている。
【0054】
インターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160が設けられ、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみを許容し、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。
【0055】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、変動表示装置4の変動表示ゲームの変動表示領域を左、右、中の変動表示領域として説明する。
【0056】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示指令信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置4の画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。
【0057】
そして、遊技領域3に打ち出された遊技球が始動口7に入賞すると、遊技制御装置100によって、所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当りの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示指令信号が送信され、変動表示装置4の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0058】
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止するが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当りの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0059】
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
【0060】
そして、当り図柄の抽選の結果が大当りであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当りの組合せで停止され、大当りが発生する。
【0061】
この大当り遊技が発生すると、特別変動入賞装置5が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置5への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置5内の継続入賞口への入賞(継続センサ16による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当り遊技が発生すると、大当りのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当りの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、変動表示装置の画面に大当り遊技の表示が行われる。
【0062】
この場合、大当りが特定の大当りであれば、大当り遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当りの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普図の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
【0063】
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当り遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻される。
【0064】
なお、普通図柄始動ゲート20を遊技球が通過すると、その通過又は普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器23に当たり表示が行われて、始動口7の普通変動入賞装置8が所定時間にわたって拡開され、始動口7への入賞が容易にされる。
【0065】
図4は、図柄オブジェクトに識別情報が表示された状態を示す。
【0066】
本図に示す実施の形態において、球体の図柄オブジェクトの正面側の表面に「0」〜「9」の識別情報として数字が表示されている。さらに、図柄オブジェクトの背面側にも同様に数字が識別情報として表示されている。この背面側には正面側に表示された数字と連続した数字を表示する。よって、図柄オブジェクトの回転によって、正面−背面−正面と、識別情報が順次切り替わり、第二変動表示が行われる。これらの図柄オブジェクトは、予め定められた変動表示軌道に沿って、複数配置されており、その変動表示軌道に沿って移動(周回運動)をして、第一変動表示をしている。
【0067】
また、図柄オブジェクトの回転軸が変動表示軌道の方向とずれていたり、図柄オブジェクトの回転軸が変動する場合(例えば、図7)には、識別情報が正立して表示されない場合がある。そこで、停止図柄表示領域(図柄オブジェクトに設定された識別情報を停止態様として有効に表示するために変動表示領域に設けられた領域)において、識別情報が正規な表示態様で、正立して表示され、遊技者が識別情報の意味するところを読み取ることができるように表示制御するとよい。
【0068】
また、識別情報の中には上下が逆になると他の識別情報と同一形状になる識別情報(例えば「6」と「9」)があるため、識別情報の正位置を識別可能に表示するために、識別情報に正位置である旨を認識可能な表示をする。具体的には、識別情報が正位置の場合には色を変えて表示したり、識別情報に付された予め定めた標識(例えば識別情報の下方に星印)が見えるように表示したり、識別情報の形状を変化させて(正位置では大きく)表示すると望ましい。
【0069】
図5は、図柄オブジェクトの回転による第二変動表示を説明する図である。
【0070】
図柄オブジェクトの表面には複数の識別情報が表示されている。そして、図柄オブジェクトの回転に従って図柄オブジェクトの正面に表れる識別情報である数字が順に変化して、識別情報が第二変動表示をする。
【0071】
すなわち、図柄オブジェクトの正面に識別情報として「6」が表示されていた図柄オブジェクトが回転して、識別情報「6」が左側面に移動するとともに、図柄オブジェクトの右側から、図柄オブジェクトの背面側に表示されていた次の識別情報である「7」が出現してくる。そして、図柄オブジェクトがさらに回転すると識別情報「7」が正面に位置する。そして、さらに左側面に移動すると図柄オブジェクトの右側から次の識別情報である「8」が出現してくる。そして、図柄オブジェクトがさらに回転すると識別情報「8」が正面に位置する。このように、図柄オブジェクトの回転によって、図柄オブジェクトの背面側に表示されていた識別情報が出現することによって、図柄オブジェクトの正面の識別情報が順次変化して識別情報が第二変動表示をする。
【0072】
図6は、図柄オブジェクトの回転による別な態様の第二変動表示を説明する図である。
【0073】
図6に示す実施の形態において、図柄オブジェクトの表面には複数の識別情報が表示されている。そして、図柄オブジェクトの回転に応じて図柄オブジェクトの表面に表示された識別情報である数字が順に変化するように識別情報が第二変動表示をする。
【0074】
このとき、識別情報の第二変動表示には、図柄オブジェクトの回転軸のうち、特定の軸を用いるとよい。そして、図柄オブジェクト上にその軸の方向を上下となるように識別情報を配置すると、図柄オブジェクト上の識別情報が常に特定の回転軸に対して一定の方向で変動表示をするので、図柄オブジェクトの変動表示を容易に制御することができる。
【0075】
図7は、図柄オブジェクトの別な態様の回転による第二変動表示を説明する図である。図7に示す実施の形態では、図5に示した例と異なり、図柄オブジェクトが時計回りに回転して、図柄オブジェクトの回転軸が変化する。すなわち、この図柄オブジェクトには、識別情報を変化させる第一回転軸(図7の右上から左下方向に表示されている軸)と、図柄オブジェクトを第一回転軸と共に時計回りに回転させる第二回転軸(図7の紙面手前側から背面方向に至る軸)とを備えている。
【0076】
図7に示す実施の形態でも、図5に示した例と同様に、図柄オブジェクトの正面に識別情報として「6」が表示されていた図柄オブジェクトが第一回転軸を中心に回転して、識別情報「6」が左側面に移動するとともに、図柄オブジェクトの右側から、図柄オブジェクトの背面側に表示されていた次の識別情報である「7」が出現してくる。そして、図柄オブジェクトがさらに回転すると識別情報「7」が正面に位置する。この間、図柄オブジェクトは第二回転軸を中心に時計回りに回転して、第一回転軸を斜めに傾かせる。このように、図柄オブジェクトに複数の回転軸を設定して、複数の回転軸を中心とした回転を行うことによって、変化のある第二変動表示をすることができる。
【0077】
以上説明した図5の第二変動表示と図7の第二変動表示とは、別個に用いられてもよいし、遊技の進行にあわせて第二変動表示の態様を変更するように構成いてもよい。すなわち、通常は図5に示す第二変動表示をしているが、リーチ状態になると図7に示す第二変動表示に切り替えて変動表示をするように構成してもよい。
【0078】
すなわち、本発明では図柄オブジェクトが移動して、順次、異なる図柄オブジェクトが登場して、図柄オブジェクトに表示された識別情報を切り替える第一変動表示と、図柄オブジェクトが移動しなくても、図柄オブジェクトが回転して、図柄オブジェクトの背面側に表示された異なる識別情報を登場させて識別情報を切り替える第二変動表示とによって、識別情報を変動表示させる。
【0079】
この変動表示の具体的な態様を、図8〜図10を用いて以下に説明する。
【0080】
図8は、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動による第一変動表示と、図柄オブジェクトの回転による第二変動表示との関係を説明する図である。本図には、状態A−状態B−状態Cと順に一つの変動表示軌道に沿って配置された識別情報が変動していく様子を示す。
【0081】
本図に示す実施の形態においては、各図柄オブジェクトは変動表示軌道に沿って上から下へ移動してスクロール表示(第一変動表示)をするとともに、図柄オブジェクト自体が(順方向に)回転することによって第二変動表示をする。
【0082】
具体的には、状態Aにて、▲2▼に位置する図柄オブジェクトには「6」が、▲4▼に位置する図柄オブジェクトには「5」が表示されている。変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが上から下方向へ一つ移動(第一変動表示)すると、図柄オブジェクト上に表示された別の識別情報が現れるように図柄オブジェクトが回転(第二変動表示)する。すなわち、第一変動表示によって識別情報が変動する順序と同じ順序で識別情報が現れるように図柄オブジェクトが回転して第二変動表示をする。
【0083】
よって、変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが次の図柄オブジェクトに移動する際に、図柄オブジェクトは回転をして、さらに次の識別情報を表示する。
【0084】
状態Bに、その途中の様子を示す。状態Bでは、図柄オブジェクトが状態Aから図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態である。すなわち、▲2▼に位置していた図柄オブジェクトは▲3▼の位置に移動し、▲4▼に位置していた図柄オブジェクトは▲5▼の位置に移動している。
【0085】
このとき、図柄オブジェクトの移動に従って図柄オブジェクトが回転して、図柄オブジェクト上の識別情報が移り変わる途中まで変動表示している。すなわち、途中の状態(状態B)においては、元の状態(状態A)において表示されていた識別情報と、次の状態(状態C)で表示される識別情報との両方が、その一部が見えるように表示される。より具体的には、状態Aにおいて表示されていた識別情報(「6」)の一部が隠れて、状態Cで表示される識別情報(「7」)の一部が出現するように表示される。
【0086】
状態Cは、図柄オブジェクトが状態Bからさらに図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態であり、状態Aからみて図柄オブジェクトの配置間隔の1つ分だけ移動した状態である。状態Bで▲3▼の位置にあった(状態Aで▲2▼の位置にあった)図柄オブジェクトは状態Cでは▲4▼の位置に移動している。すなわち、前回識別情報が正対して表示されたときから、図柄オブジェクトが一つ分移動したところで、次の識別情報が正対する位置に表示される。
【0087】
位置▲4▼に着目すると、状態Aで「5」だった識別情報は、一ステップの変動表示によって「7」に変動表示をする。すなわち、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動(第一変動表示)によって、識別情報は一つ先の識別情報に変動する。さらに、図柄オブジェクトの回転(第二変動表示)によって、識別情報はさらに一つ先の識別情報に変動する。この第一変動表示と第二変動表示とによって、識別情報は、第一変動表示又は第二変動表示の一方のみによる変動表示より一つ多く進むように変動表示することになる。
【0088】
図9は、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動による第一変動表示と、図柄オブジェクトの回転による第二変動表示との別の関係を説明する図である。本図には、状態A−状態B−状態Cと順に一つの変動表示軌道に沿って配置された識別情報が変動していく様子を示す。
【0089】
図9に示す実施の形態においては、各図柄オブジェクトは変動表示軌道に沿って上から下へ移動してスクロール表示(第一変動表示)をするとともに、図柄オブジェクト自体が回転することによって第二変動表示をする点で、前述した識別情報の変動表示(図8)と同じであるが、第二変動表示の順序(図柄オブジェクトの回転方向)が異なる。
【0090】
具体的には、状態Aにて、▲2▼に位置する図柄オブジェクトには「6」が、▲4▼に位置する図柄オブジェクトには「5」が表示されている。変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが一つ上から下へ移動(第一変動表示)すると、図柄オブジェクト上に表示された別の識別情報が現れるように図柄オブジェクトが回転(第二変動表示)する。すなわち、第一変動表示によって識別情報が変動する順序と逆の順序で識別情報が現れるように図柄オブジェクトが(逆方向に)回転して第二変動表示をする。
【0091】
よって、変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが次の図柄オブジェクトに移動する際に、図柄オブジェクトは回転をして、前の識別情報を表示する。
【0092】
状態Bに、その途中の様子を示す。状態Bでは、図柄オブジェクトが状態Aから図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態である。すなわち、▲2▼に位置していた図柄オブジェクトは▲3▼の位置に移動し、▲4▼に位置していた図柄オブジェクトは▲5▼の位置に移動している。このとき、図柄オブジェクトの移動に基づく変動表示と逆の順序で変動表示をするように図柄オブジェクトが回転しており、図柄オブジェクト上の識別情報が移り変わる途中まで変動表示している。すなわち、途中の状態(状態B)においては、元の状態(状態A)において表示されていた識別情報と、次の状態(状態C)で表示される識別情報との両方が、その一部が見えるように表示される。より具体的には、状態Aにおいて表示されていた識別情報(「6」)の一部が図柄オブジェクトの右側に隠れて、状態Cで表示される識別情報(「5」)の一部が図柄オブジェクトの左側から出現するように表示される。
【0093】
状態Cは、図柄オブジェクトが状態Bからさらに図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態であり、状態Aからみて図柄オブジェクトの配置間隔の1つ分だけ移動した状態である。状態Bで▲3▼の位置にあった(状態Aで▲2▼の位置にあった)図柄オブジェクトは状態Cでは▲4▼の位置に移動している。すなわち、前回識別情報が正対して表示されたときから、図柄オブジェクトが一つ分移動したところで、次の識別情報が正対する位置に表示される。
【0094】
位置▲4▼に着目すると、状態Aで「5」だった識別情報は、一ステップの変動表示によって「5」に変動表示をする。すなわち、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動(第一変動表示)によって、識別情報は一つ先の識別情報に変動する。さらに、図柄オブジェクトの回転(第二変動表示)によって、識別情報は一つ前の識別情報に変動する。この第一変動表示と第二変動表示とによって、図柄オブジェクトが一つ移動しても、識別情報は、第一変動表示のみによる変動表示より一つ少なく進む(すなわち、識別情報は変化しない)ように変動表示することになる。
【0095】
図10は、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動による第一変動表示と、図柄オブジェクトの回転による第二変動表示とのさらに別の関係を説明する図である。本図には、状態A−状態B−状態C−状態D−状態Eと順に、一つの変動表示軌道に沿って配置された識別情報が変動していく様子を示す。
【0096】
本図に示す実施の形態においては、各図柄オブジェクトは変動表示軌道に沿って上から下へ移動してスクロール表示(第一変動表示)をするとともに、図柄オブジェク自体が回転することによって第二変動表示をする点で、前述した識別情報の変動表示(図8)と同じであるが、第二変動表示の速度(図柄オブジェクトの回転速度)が異なる。
【0097】
具体的には、状態Aにて、▲2▼に位置する図柄オブジェクトには「7」が、▲4▼に位置する図柄オブジェクトには「6」が表示されている。変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが移動(第一変動表示)すると、図柄オブジェクト上に表示された別の識別情報が現れるように図柄オブジェクトが回転(第二変動表示)する。すなわち、第二変動表示では、第一変動表示によって識別情報が変動する順序と逆の順序で識別情報が現れるように、図柄オブジェクトが(逆方向に)回転する。このとき図柄オブジェクトの回転による識別情報の第二変動表示は、図柄オブジェクトの移動による識別情報の変動より速い速度で変動するように図柄オブジェクトの回転が制御される。
【0098】
よって、変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトが次の図柄オブジェクトに移動する際に、図柄オブジェクトは回転をして、二つ前の識別情報を表示する。
【0099】
状態B〜状態Dに、その途中の様子を示す。状態Bでは、図柄オブジェクトが状態Aから図柄オブジェクトの配置間隔の4分の1だけ移動した状態である。すなわち、状態Aで▲2▼に位置していた図柄オブジェクトは▲2▼と▲3▼の間の位置に移動している。このとき、図柄オブジェクトの移動に基づく変動表示と逆の順序で変動表示をするように図柄オブジェクトが回転しており、図柄オブジェクト上の識別情報が移り変わる途中まで変動表示している。すなわち、状態Bにおいては、元の状態(状態A)において表示されていた識別情報と、状態C(中間の状態)で表示される識別情報との両方が、その一部が見えるように表示される。より具体的には、状態Aにおいて表示されていた識別情報(「7」)の一部が図柄オブジェクトの右側に隠れて、状態Cで表示される識別情報(「6」)の一部が図柄オブジェクトの左側から出現するように表示される。
【0100】
状態Cは、図柄オブジェクトが、状態Aから図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態である。すなわち、▲2▼に位置していた図柄オブジェクトは▲3▼の位置に移動し、▲4▼に位置していた図柄オブジェクトは▲5▼の位置に移動している。このとき、図柄オブジェクトの移動に基づく変動表示と逆の順序で変動表示をするように、図柄オブジェクトが回転しており、図柄オブジェクト上の識別情報が移り変わる途中まで変動表示している。すなわち、途中の状態(状態C)においては、元の状態(状態A)において表示されていた識別情報と、次の状態(状態E)で表示される識別情報との間の識別情報が表示される。より具体的には、状態Aにおいて表示されていた識別情報である「7」と、状態Eで表示される識別情報である「5」の間の識別情報である「6」が図柄オブジェクト上に表示される。すなわち、前回識別情報が正対して表示されたときから、図柄オブジェクトが一つ分移動したところで、識別情報が正対する位置にある中間段階が設けられるように図柄オブジェクトが回転する。
【0101】
そして、状態Dでは、図柄オブジェクトが状態Cから、さらに図柄オブジェクトの配置間隔の4分の1だけ移動して、状態Cにおいて表示されていた識別情報と、状態Eで表示される識別情報との両方が、その一部が見えるように表示される。
【0102】
状態Eは、図柄オブジェクトが状態Cから、さらに図柄オブジェクトの配置間隔の半分だけ移動した状態であり、状態Aからみて図柄オブジェクトの配置間隔の1つ分だけ移動した状態である。状態Cで▲3▼の位置にあった(状態Aで▲2▼の位置にあった)図柄オブジェクトは状態Eでは▲4▼の位置に移動している。すなわち、前回識別情報が正対して表示されたときから、図柄オブジェクトが一つ分移動したところで、識別情報が正対する位置にあるように図柄オブジェクトが回転する。
【0103】
位置▲4▼において、状態Aで「6」が表示されていた識別情報は、一ステップの変動表示によって「5」に変動表示をする。すなわち、変動表示軌道に沿った図柄オブジェクトの移動(第一変動表示)によって、識別情報は一つ先の識別情報に変動する。さらに、図柄オブジェクトの回転(第二変動表示)によって、識別情報は二つ前の識別情報に変動する。この第一変動表示と第二変動表示とによって、図柄オブジェクトが一つ移動すると、識別情報は第一変動表示のみによる変動表示より一つ逆方向に進むように変動表示することになる。
【0104】
図11は、図柄オブジェクトを変動表示軌道(図中破線で示す)に沿って配置した状態を説明する図である。
【0105】
本図に示す状態において、図柄オブジェクトは、変動表示軌道に沿って等間隔で配置されており、各図柄オブジェクトは回転しながら変動表示軌道に沿って移動している。このとき、各図柄オブジェクトが等しい速度で回転するように制御すると、全種類の図柄オブジェクトが揃って回転し、同じタイミングで正面(遊技者に正対する方向)を向く。
【0106】
また、図11に示す状態において、変動表示軌道に沿って等間隔で配置されている図柄オブジェクト上の識別情報の正位置が常に遊技者の方を向くように設定することもできる。すなわち、図11においては、各図柄オブジェクトの変動表示軌道に沿った移動速度(第一変動表示速度)と回転速度(第二変動表示速度)とが同期するように各変動表示の速度を制御して、各図柄オブジェクトが変動表示軌道に沿って移動する周期(第一変動表示の周期)と、各図柄オブジェクトが回転する周期(第二変動表示の周期)とが同期するように制御する。このように制御すると、図柄オブジェクトの変動表示軌道に沿って移動速度(第一変動表示速度)が早くなると、図柄オブジェクトの回転速度(第二変動表示速度)も該移動速度に同期して早くなるので、回転(第二変動表示)によっては、図柄オブジェクト上に見える識別情報が変化することなく、各図柄オブジェクトにおいて同じ識別情報が遊技者の方を向きながら変動表示をする。
【0107】
よって、第一変動表示と第二変動表示との変動周期の比を制御することにより、変動表示軌道1回転で、識別情報をいくつ進めるかを規定することができる。すなわち、第一変動表示速度は一定であっても第二変動表示速度を制御することで識別情報を順方向に進めることも、逆方向に戻すこともできる。また、回転(第二変動表示)中に、正位置で一時的に停止したり、回転(自転)速度を低速にするように構成すると、図柄オブジェクト上の識別情報が見やすくてよい。
【0108】
また、識別情報の回転数を遊技の進行に合わせて変更することもできる。すなわち、この後展開される変動表示ゲームの内容によって、識別情報の回転速度を変化させる等の演出をすることができる。具体的には識別情報が速い速度で自転したら、リーチへの信頼度が向上したり、識別情報が複雑な(多軸の)回転をしたら、大当りへの信頼度が向上する等の演出をする。
【0109】
図12は、図柄オブジェクトを変動表示軌道(図中破線で示す)に沿って異なる態様で配置した状態を説明する図である。
【0110】
本図に示す状態において、図柄オブジェクトは、変動表示軌道に沿って等間隔で配置されており、各図柄オブジェクトは回転しながら変動表示軌道に沿って移動している点は図11に示す例と同じである。しかし、図12においては、各図柄オブジェクトにおいて同一の識別情報の正位置が揃って正面(遊技者に正対する方向)を向くことになる。このとき、各図柄オブジェクトが等しい速度で回転するように制御すると、各図柄オブジェクトが揃って回転し、各図柄オブジェクトにおいて同一の識別情報が正面を向く。
【0111】
また、図12に示す状態において、図柄オブジェクトは、変動表示軌道に沿って等間隔で配置されており、各図柄オブジェクト上の特定の識別情報が常に遊技者の方を向くように設定することもできる。すなわち、図12においては、各図柄オブジェクトの変動表示軌道に沿った移動速度(第一変動表示速度)と回転速度(第二変動表示速度)とが同一の周期になるように制御されており、図柄オブジェクトが変動表示軌道上を1回転すると、図柄オブジェクトは1回転自転している。従って、図柄オブジェクトの変動表示軌道に沿って移動速度(第一変動表示速度)が早くなると、図柄オブジェクトの回転速度(第二変動表示速度)も該移動速度に同期して早くなるので、回転(第二変動表示)によっては、図柄オブジェクト上の識別情報は変化することなく、変動表示軌道に沿って常に同じ識別情報を見せながら(全図柄オブジェクトが同じ識別情報を表示した状態で)変動表示をする。
【0112】
よって、第一変動表示と第二変動表示との変動周期の比を制御する、すなわち、第一変動表示速度は一定であっても第二変動表示速度を制御することで、識別情報を順方向に進めることも、逆方向に戻すこともできる。また、正対する識別情報の数を変化させて(すなわち、図柄オブジェクト毎の第二変動表示(回転表示)に位相差を制御して)、正対する識別情報の数と遊技の進行とを関連付けるように構成してもよい。
【0113】
図13は、図柄オブジェクトを変動表示軌道(図中破線で示す)に沿って異なる態様で配置した状態を説明する図である。
【0114】
本図に示す状態において、図柄オブジェクトは、変動表示軌道に沿って等間隔で配置されており、各図柄オブジェクトは回転しながら変動表示軌道に沿って移動している点は図11に示す例と同じである。しかし、図13においては、背面側に配置される図柄オブジェクトは認識しづらい状態で表示される。すなわち、背面側で軌道は閉じておらず、軌道は途切れており、開いた軌道を形成している。
【0115】
変動表示軌道に沿って等間隔で配置された図柄オブジェクトは回転しながら変動表示軌道に沿って移動している。そして変動表示軌道の正面側を通過して、背面側に回ると、図柄オブジェクト上の識別情報が認識しづらい態様で表示されるように、表示態様が変化する。具体的には図13に示すように、背面側では、背面中央部に近づくにつれて図柄オブジェクトが小さく表示されるように制御される。
【0116】
また、図示は省略するが、図柄オブジェクトを小さく表示しないで、図柄オブジェクト上の識別情報だけ小さく表示されるようにしてもよい。また、背面側中央部に近づくにつれて、図柄オブジェクト(又は、図柄オブジェクト上の識別情報)が薄く表示されるように制御してもよい。
【0117】
本発明においては、変動表示軌道に沿って正面側以外に存在する識別情報も見えることから、このように背面側では図柄オブジェクトが認識しづらい態様で表示するように表示制御すると、正面側にある図柄オブジェクトが見やすくなり、遊技者が識別情報を認識しやすくなる。
【0118】
また、識別情報の配置の自由度が増す。すなわち、図柄オブジェクトの間隔は変動表示軌道長と図柄オブジェクトの数とによって決まるが、変動表示軌道に沿って一部の図柄オブジェクト(識別情報)を見づらくすると、背面側の図柄オブジェクトの配置間隔を変更(長く又は短く)することで、変動表示軌道長を変えることなく正面側の図柄オブジェクトの間隔を変更することができる。また、同様に、図柄オブジェクトの配置間隔を変更することなく変動表示軌道長(変動表示軌道の形状)を変更することもできる。
【0119】
なお、図11、図12及び図13に示す実施の形態において、図柄オブジェクトは変動表示軌道に沿って等間隔で配置されているが、不均等な間隔で配置するように構成してもよい。
【0120】
図14は、本発明の実施の形態の表示制御装置の処理を示すフローチャートである。
【0121】
本発明の実施の形態の表示制御装置150における、図柄オブジェクトの変動表示処理は、前述した移動表示態様選択処理の他、図柄オブジェクトの変動表示軌道上における回転表示態様を決定する回転表示態様選択処理とで構成される。以下、移動表示態様選択処理と回転表示態様選択処理とに分けて説明する。
【0122】
移動表示態様選択処理では、表示制御装置150は、遊技制御装置100から送信される表示指令信号を受信する(S101)。そして、受信した表示指令信号に基づいて識別情報の停止態様(大当りであるのか、リーチであるのか、ハズレであるのか)を判定して、図柄オブジェクトの配置及び移動表示態様を決定するための抽選テーブルを選択して(S102)、識別情報の停止態様と整合する図柄オブジェクトの配置及び移動表示態様のみが選択されるようにする。例えば、大当りの場合に全図柄オブジェクトが大当りを導出する識別情報(大当り図柄)を表示するように図柄オブジェクトを配置したり、大当りとハズレとで異なる変動表示軌道を用いた移動表示をすることによって、遊技者に大当りへの期待感を持たせるような表示演出をする場合である。
【0123】
そして、乱数を用いて抽選テーブルから抽選をして(S103)、この抽選結果に基づいて、図柄オブジェクトの配置を選択し(S104)、移動表示態様(公転パターン)を選択する(S105)。この図柄オブジェクトの選択によって、変動表示軌道に沿って配置される図柄オブジェクトの数、図柄オブジェクトの種類(すなわち、図柄オブジェクトに設定される識別情報が同一のものか、異なるものか)、変動表示の途中における図柄オブジェクト数を変化等が決定される。また、公転パターンの選択によって、公転変動表示軌道、公転速度、公転変動表示軌道の変化の態様(変動表示ゲーム中において公転変動表示軌道がどのように変化するか)、公転変動表示軌道と図柄停止領域との関係等が決定される。このように、表示制御装置150が、移動表示態様選択処理を実行することによって、図柄オブジェクト配置手段及び第一変動表示制御手段として機能する。
【0124】
回転表示態様選択処理では、表示制御装置150は、遊技制御装置100から受信した表示指令信号に基づいて識別情報の停止態様(大当りであるのか、リーチであるのか、ハズレであるのか)を判定し(S111)、移動表示態様選択処理で決定した図柄オブジェクトの配置を判定し(S112)、公転パターンを判定する(S113)。そして、回転表示態様を決定するための抽選テーブルを選択して(S114)、識別情報の停止態様と公転パターンとに整合する回転表示態様のみが選択されるようにする。すなわち、遊技(変動表示ゲーム)の進行によって(例えば、大当りか、ハズレかによって)異なる自転パターンの回転表示をすることによって、遊技者に大当りへの期待感を持たせるような表示演出をする場合や、選択された変動表示軌道との関係で選択できない自転パターンの回転表示を排除する場合である。
【0125】
そして、乱数を用いて抽選テーブルから抽選をして(S115)、この抽選結果に基づいて、回転表示態様として自転パターンを選択する(S116)。この自転パターンの選択によって、図柄オブジェクトが回転するか否か、図柄オブジェクトの回転軸数、仮停止の態様(回転によって仮停止を実現するか)、図柄オブジェクトが回転停止したときの表示態様、図柄オブジェクトの回転速度等が決定される。
【0126】
このように、表示制御装置150が、回転表示態様選択処理を実行することによって、第二変動表示制御手段として機能する。また、移動表示態様選択処理及び回転表示態様選択処理を実行することによって、変動周期制御手段として機能する。そして、第二変動表示制御手段は、図柄オブジェクトの回転軸を2軸以上設定して回転表示をしたり、図柄オブジェクトの回転表示によって識別情報の仮停止状態を実現したり、図柄オブジェクトの回転を停止したときの表示態様や、図柄オブジェクトの回転速度や、図柄オブジェクトの回転軸数を変動表示ゲームの進行に関連付けて決定する。
【0127】
そして、移動表示態様選択処理で選択し決定された態様で変動表示軌道に沿って図柄オブジェクトを配置し、公転パターンに基づいて図柄オブジェクトの変動表示軌道に沿った移動表示を行い、回転表示態様選択処理で選択し決定された自転パターンに基づいて図柄オブジェクトの変動表示軌道に上における回転表示を行って、識別情報の変動表示を行う。
【0128】
図15は、本発明の実施の形態において変動表示装置4に識別情報が表示される態様を示す。
【0129】
変動表示ゲーム中等の遊技者に識別情報の変化の態様を見せて、遊技者の興趣を高める必要があるとき(識別情報の種類を認識させる必要に乏しいとき)には、変動表示装置4の表示領域(4A)には左、中、右の三つの識別情報が周回運動をする変動表示軌道(501、502、503)の全体が表示されている。そして、図柄オブジェクトは、前述したように変動表示軌道上で回転してながら変動表示軌道に沿って周回運動する。すなわち、前述したように、本発明における図柄オブジェクトは複数の識別情報が付されており、図柄オブジェクトが回転することによって識別情報が変動する第二変動表示と、変動表示軌道に沿って配置された図柄オブジェクトが、変動表示軌道に沿って移動することによって識別情報が変動する第一変動表示とによって識別情報が変動表示する。
【0130】
図16は、変動表示ゲームの開始から終了までの、図柄オブジェクト(識別情報)の表示の変化を示す図である。
【0131】
始動口7への入賞によって変動表示ゲームが開始すると、図柄オブジェクトは第二変動表示である回転をしながら、変動表示軌道に沿って変動表示装置4の変動表示領域内を上から下へスクロール移動して第一変動表示を開始する(同図(a))。
【0132】
そして、主として第一変動表示によって変動表示をする段階から、主として第二変動表示によって変動表示をする段階に移行する。すなわち、第一変動表示が停止して(又は、極めて低速で第一変動表示をして)、変動表示領域の所定の位置に、所定数の図柄オブジェクトが表示される。このとき、図柄オブジェクトが回転して第二変動表示が継続している(同図(b))。このとき、第二変動表示(回転表示)によって仮停止を表現することもできる。すなわち、第二変動表示によって登場する識別情報を現在表示されている識別情報と同じものとして、第2変動表示(回転表示)をする。また、前述したように、第一変動表示と第二変動表示との周期を一致させて、同じ識別情報が表示されるようにすることもできる。
【0133】
そして、当たり図柄である「7」が有効ライン上に揃った態様で変動表示が停止して、変動表示ゲームが終了する(同図(c)、(d))。なお、同図(c)においては対角線(斜め)方向の有効ライン上に識別情報が揃い、同図(d)においては縦方向の有効ライン上に識別情報が揃って変動表示が停止している。
【0134】
図16に示す実施の形態においては、変動表示装置の表示領域に9個の図柄オブジェクトが表示されるようにして、9個の可変表示部を設け、これら9個の可変表示部の組み合わせにより8本の有効ラインが形成されるように構成されている。すなわち横方向に3本、縦方向に3本、斜め(対角線)方向に2本の有効ラインが形成されている。
【0135】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上述した発明の実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】 同じく遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】 同じく遊技機の状態遷移図である。
【図4】 同じく識別情報が表示された図柄オブジェクトを示す説明図である。
【図5】 同じく第二変動表示の説明図である。
【図6】 同じく第二変動表示の説明図である。
【図7】 同じく第二変動表示の説明図である。
【図8】 同じく第一変動表示と第二変動表示との関係の説明図である。
【図9】 同じく第一変動表示と第二変動表示との関係の説明図である。
【図10】 同じく第一変動表示と第二変動表示との関係の説明図である。
【図11】 同じく図柄オブジェクトの変動表示軌道上の配置の説明図である。
【図12】 同じく図柄オブジェクトの変動表示軌道上の配置の説明図である。
【図13】 同じく図柄オブジェクトの変動表示軌道上の配置の説明図である。
【図14】 同じく表示制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】 同じく変動表示装置に識別情報が表示される態様の説明図である。
【図16】 同じく変動表示ゲーム中の図柄オブジェクト(識別情報)の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 変動表示装置
4A 表示領域
100 遊技制御装置
150 表示制御装置
501、502、503 変動表示軌道
Claims (2)
- 複数の識別情報が設定された図柄オブジェクトを可変表示装置の変動表示領域に変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記表示制御手段は、
異なる識別情報を異なる方向から貼付された立体によって、前記図柄オブジェクトを構成し、前記変動表示領域を通過するように設定された変動表示軌道に沿って前記図柄オブジェクトを複数配置する図柄オブジェクト配置手段と、
前記図柄オブジェクト配置手段によって配置された図柄オブジェクトを、前記変動表示軌道に沿って上から下へ移動させることによって、変動表示を行う第一変動表示制御手段と、
前記第一変動表示制御手段によって前記図柄オブジェクトが上から下へ移動する場合に、当該移動する図柄オブジェクトを自転させることによって移動前に表示されていた識別情報と別の識別情報を表示させることが可能な第二変動表示制御手段と、を備え、
前記第二変動表示制御手段は、前記図柄オブジェクトが所定の第1位置から前記第1位置よりも下方の第2位置に移動する場合において、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に移動したときに表示される識別情報を、前記図柄オブジェクトが前記第2位置に位置する前に前記第2位置に位置していた図柄オブジェクトが表示していた識別情報と同じになるように、前記移動する図柄オブジェクトを自転させることを特徴とする遊技機。 - 前記第一変動表示制御手段は、前記変動表示軌道の移動表示態様を決定する軌道制御手段を備え、
前記第二変動表示制御手段は、前記変動表示ゲームの結果態様、前記オブジェクト配置手段によって決定された前記図柄オブジェクトの配置、及び前記軌道制御手段によって決定された前記図柄オブジェクトの移動表示態様に基づいて、前記図柄オブジェクトを自転表示させるパターンを、決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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