JP3930717B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、仮想空間内に配置された複数の図柄オブジェクト(識別情報)を、表示装置に変動表示する変動表示ゲームを行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、遊技領域に発射した遊技球の入賞等に従って、液晶表示器等からなる変動表示装置に特定の識別情報(大当たり図柄)を含む複数の識別情報(特別図柄)を変動表示する変動表示ゲームを行い、その表示結果が特定の態様となったことに関連して特別遊技状態を生起する等の特定の遊技価値を付与するものがある。
【0003】
また、3DCG(三次元のコンピュータグラフィックス)を用いて、識別情報(図柄)やキャラクタを或る視点から見た態様で変動表示装置に立体的に表示して、変動表示ゲームの興趣を向上させる遊技機も提案されている。このように三次元表示が可能な遊技機の変動表示ゲームでは、視点を移動させて識別情報を変動表示するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の二次元による変動表示や、三次元であっても固定した視点からの変動表示の場合には、識別情報が遊技者から特定可能に表示される。しかし、視点が移動するような三次元表示又は識別情報が回転する三次元表示の場合には、視点と図柄オブジェクトとの位置関係によっては識別情報の特定が困難となることがあった。すなわち、識別情報に正対する位置から識別情報に正対しない位置に視点が移動すると、識別情報の種類を認識することが困難となり、識別情報の意味が分からなくなってしまう。
【0005】
本発明は、三次元空間内において図柄オブジェクトに対する視点が移動しても、識別情報を確実に認識することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、識別情報としてのテクスチャがマッピングされることにより識別情報が設定された図柄オブジェクト(例えば、立体的な図柄オブジェクト)と、前記図柄オブジェクトに対する視点とを、可変表示装置の変動表示領域を含んで設けられた仮想三次元空間に配置し、前記図柄オブジェクトを変動表示領域で変動表示する変動表示ゲームの表示を制御する表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記仮想三次元空間内に前記図柄オブジェクトを配置し、前記仮想三次元空間に始点位置を設定し、該視点位置の視野に対応する図柄オブジェクトにテクスチャをマッピングするテクスチャマッピング手段と、テクスチャマッピングされた図柄オブジェクトをレンダリングして2D描画データを生成する図柄オブジェクト表示制御手段と、前記視点を前記仮想三次元空間内の一ヶ所に固定されない視点として制御可能な視点制御手段と、前記図柄オブジェクトにマッピングされる識別情報テクスチャの貼り付け位置を変更する貼付位置変更手段 と、を備え、前記図柄オブジェクト表示制御手段は、前記視点制御手段によって視点が移動すると、前記貼付位置変更手段により前記識別情報テクスチャの貼り付け位置を、前記図柄オブジェクトに設定された識別情報が前記視点方向から識別可能な位置に変更し、該変更された位置データに基づいて2D描画データを生成することを特徴とする。
【0015】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、識別情報としてのテクスチャがマッピングされることにより識別情報が設定された図柄オブジェクトと、前記図柄オブジェクトに対する視点とを、可変表示装置の変動表示領域を含んで設けられた仮想三次元空間に配置し、前記図柄オブジェクトを変動表示領域で変動表示する変動表示ゲームの表示を制御する表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記仮想三次元空間内に前記図柄オブジェクトを配置し、前記仮想三次元空間に始点位置を設定し、該視点位置の視野に対応する図柄オブジェクトにテクスチャをマッピングするテクスチャマッピング手段と、テクスチャマッピングされた図柄オブジェクトをレンダリングして2D描画データを生成する図柄オブジェクト表示制御手段と、前記視点を前記仮想三次元空間内の一ヶ所に固定されない視点として制御可能な視点制御手段と、前記図柄オブジェクトにマッピングされる識別情報テクスチャの貼り付け位置を変更する貼付位置変更手段 と、を備え、前記図柄オブジェクト表示制御手段は、前記視点制御手段によって視点が移動すると、前記貼付位置変更手段により前記識別情報テクスチャの貼り付け位置を、前記図柄オブジェクトに設定された識別情報が前記視点方向から識別可能な位置に変更し、該変更された位置データに基づいて2D描画データを生成するので、視点が移動しても識別情報を確実に認識することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
【0026】
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収装される。
【0027】
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成されている。この遊技領域には、変動表示装置8、大入賞口を備えた変動入賞装置10、各入賞口12〜15、始動口16、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9等が配設されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラスが取り付けられている。
【0028】
変動表示装置8は、遊技盤中央部に設けられ、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面部分(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(表示図柄)を含む複数の図柄オブジェクトが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば「0」〜「9」までの各数字)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。また、遊技の進行に基づくその他の画像が表示される。
【0029】
特別変動入賞装置10の上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲートが配設される。
【0030】
本実施の形態に係る遊技機では、図示しない打球発射装置から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材により転動方向を変えられながら遊技領域表面を流下し、始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口12〜15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51.1〜51.N(図2参照)により検出される。
【0031】
始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
【0032】
始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームに関する画像が、変動表示装置8に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図2参照)への通電により、大入賞口を所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。すなわち、特別変動入賞装置10は、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0033】
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた所定数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて可変表示ゲームを行う。
【0034】
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図2参照)により検出される。
【0035】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲートへの通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド9A(図2参照)への通電により、始動口16への入口を所定の時間(例えば0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
【0036】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、通過検出時点での遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの値)は、普通図柄始動記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄始動記憶の記憶数は変動入賞装置10の右側に設けられた所定数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0037】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤中央部に設けられたセンターケース(変動表示装置8の周囲)、遊技盤下部に設けられたアタッカー(変動入賞装置10の周囲)には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤の左右上部にはサイドケースランプが、遊技盤の左右側部にはサイドランプが設けられている。また、遊技枠には遊技枠装飾ランプが設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。
【0038】
さらに、カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32が設けられている。
【0039】
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。また、開閉パネル20には音出力装置(スピーカ)が設けられる。
【0040】
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、球貸しを指令する球貸しスイッチ28、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
【0041】
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
【0042】
図2は、遊技制御装置100を中心とする遊技機1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0043】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0044】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ51.1〜51.N、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動センサ53、継続センサ54、カウントセンサ55)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、普通図柄表示器7、普通電動役物ソレノイド9A、大入賞口ソレノイド10A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0045】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0046】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置(センターケース内の装飾ランプ、アタッカー内の装飾ランプ、サイドランプ、サイドケースランプ、遊技枠装飾ランプ、報知ランプ31、等)を制御する、また、特別図柄始動記憶表示器17、普通図柄始動記憶表示器19の表示を制御する。
【0047】
音制御装置300は、スピーカからの効果音の出力を制御する。
【0048】
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
【0049】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
【0050】
表示制御装置150は、二次元(2D)及び三次元(3D)画像の表示制御を行うもので、表示制御手段、視点制御手段及び図柄オブジェクト表示制御手段として機能する。この表示制御装置150は、CPU151、VDP(3D画像描画手段として機能するVideo Display Processor)152、RAM153、154、インターフェース155、プログラム等を格納したROM156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したCGROM157、液晶を駆動するLCDインターフェース158等から構成される。
【0051】
CPU151は、PRGROM156に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの表示制御指令信号に基づいて、2Dの画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報の座標演算(ジオメトリ演算)等を行い、これらの演算結果をDRAM153に格納する。
【0052】
VDP152は、DRAM153に格納された画像情報に基づいて、2D又は3Dの画像を描画してフレームバッファとしてのDRAM154に格納する。そして、DRAM154の画像を所定のタイミング(垂直同期、水平同期)でLCDインターフェース158へ送出して、変動表示装置8に画像データを出力する。そして、変動表示装置8の液晶表示画面には三次元画像が表示される。
【0053】
VDP152は、2Dと3Dの点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画等の描画処理を行い、さらに3D画像では、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、CPU151が設定した3DオブジェクトをフレームバッファとしてのDRAM154へ描画する。
【0054】
なお、VDP152と変動表示装置8との間のインターフェース158は、変動表示装置の種類に応じて適宜選択すればよく、ここでは変動表示装置8に液晶を用いたが、CRT、ELあるいはプラズマなどの表示素子を採用する場合には、これらの表示素子に対応するインターフェースを用いればよい。
【0055】
また、CGROM157には、変動表示ゲームに用いる図柄オブジェクトなどの各図柄、背景、キャラクタ等の2Dデータ、3Dオブジェクトデータ、テクスチャデータが格納されている。
【0056】
遊技制御装置100からの表示制御指令信号を受信するインターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160が設けられ、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみを許容し、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。
【0057】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、変動表示装置8の変動表示領域を左、右、中の変動表示領域として説明する。
【0058】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示制御指令信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の表示画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。
【0059】
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、遊技制御装置100によって、所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当りの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示制御指令信号が送信され、変動表示装置8の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0060】
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止するが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当りの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0061】
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
【0062】
そして、当り図柄の抽選の結果が大当りであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当りの組合せで停止して、大当りが発生する。
【0063】
この大当り遊技が発生すると、特別変動入賞装置10が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ54による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当り遊技が発生すると、大当りのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当りの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、変動表示装置の表示画面に大当り遊技の表示が行われる。
【0064】
この大当りが特定の大当りであれば、大当り遊技後に特定遊技状態が発生して、次回の大当りの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普図の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
【0065】
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当り遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻される。
【0066】
なお、普通図柄始動ゲートを遊技球の通過又は普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
【0067】
図4は、表示制御装置150において実行される、三次元描画処理のフローチャートである。この三次元描画処理は、CPU151、VDP152を主体に行われる。
【0068】
後述するコマンド受信処理で、遊技制御装置100から表示制御指令信号を受信すると、3D表示を行うシーン及び3Dオブジェクトを決定する(S1)。
【0069】
そして、予め設定した仮想三次元空間(ワールド空間)内に、選択した3Dオブジェクトを配置するワールドトランスフォーム処理を行う(S2)。このワールドトランスフォーム処理は、各3Dオブジェクト毎に設定されたモデル空間をワールド空間に変換するものであり、3Dオブジェクトの回転やスケーリング、位置、サイズなどの変換が含まれる。
【0070】
次に、上記ステップS1で決定したシーンに対応したワールド空間内の視点(ビュー)の位置、方向から、ステップS2で求めたワールド空間を、視点を原点とするカメラ空間に変換する、ビュートランスフォーム処理を行う(S3)。
【0071】
そして、ステップS3のビュートランスフォーム処理で求めたカメラ空間を、カメラの視野(視野角)に対応する立体空間に変換する射影トランスフォーム処理を行う(S4)。これにより、視野内の3Dオブジェクトを抽出するとともに、カメラに近い3Dオブジェクトは大きく拡大され、カメラから遠い3Dオブジェクトは縮小される。
【0072】
そして、上記カメラの視野に対応した立体空間内の3Dオブジェクト(ポリゴンデータ)を、変動表示装置8のスクリーン座標(表示領域)に対応する立方体空間に変換するクリッピング処理を行う(S5)。
【0073】
上記ステップS2〜S5の処理が、いわゆるジオメトリ演算であり、ここではCPU151がジオメトリ演算処理を行い、VDP152がジオメトリ演算以降のラスタライズ処理を行う例を示している。
【0074】
次に、ステップS5でクリッピングされた立方体内の各ポリゴンデータについて、仮想三次元空間に設定された光源に基づいてライティング処理を行う(S6)。このライティングの一例としては、陰影やポリゴンの素材に応じた反射等を演算する。
【0075】
そして、各ポリゴンの表面に所定のテクスチャを貼り付けるテクスチャマッピングを行って、3Dオブジェクトの外観を決定する(S7)。このテクスチャマッピングでは、単純なテクスチャの貼り付けだけではなく、ライトマッピングや環境マッピング、バンプマッピングなどのテクスチャに対して、所定の処理をしてから3Dオブジェクトに貼り付ける処理も行う。
【0076】
次に、ステップS7のテクスチャマッピングを終了した各ポリゴン上のピクセルに対して深度(奥行)情報を決定する(S8)。すなわち、全てのポリゴンのピクセル毎に深度情報を調べ、深度バッファに記憶された深度よりも、カメラに近い場合にそのピクセルを表示するとともに、深度バッファの深度情報を更新する。全てのポリゴンについて、この処理を行うことにより、完全にレンダリングされた2Dの描画データが完成する。
【0077】
そして、この2Dの描画データを、DRAM154(フレームバッファ)上に予め設定した変動表示装置8の表示領域へ書き込むことで(S9)、1フレーム分の3D画像が生成される。なお、VDP152では、上述のように生成した3D画像を2D画像と合成(オーバーレイ)して表示することができる。また、生成した3D画像を複数のレイヤ(フレームバッファ)に描画して、このレイヤを合成(オーバーレイ)して表示することもできる。
【0078】
このように、上記ステップS1〜S9を繰り返し実行することにより、遊技制御装置100の指令に応じた3D画像の表示を行うことが可能となる。
【0079】
なお、図4の表示制御は、CPU151やVDP152のアーキテクチャ等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、図4のステップS2〜S5をCPU151で行う一例を示したが、VDP152がステップS2以降の処理を実行することもでき、また、上記ステップS2以降の処理をVDP152のハードウェアで実行することも可能である。
【0080】
図5は、表示制御装置150において実行される、コマンド受信処理のフローチャートである。
【0081】
遊技制御装置100から表示制御装置150へは、遊技制御装置100の動作周期(例えば2ミリ秒)に従ったパルス信号による通信割込信号が送出され、通信割込信号に同期して遊技制御装置100から表示制御装置150に表示制御指令信号(表示制御コマンド)が送られてくる。表示制御装置150は、通信割込信号を検出すると、CPUに割込を発生させて、コマンド受信処理を実行する。
【0082】
コマンド受信処理では、表示制御装置150は、通信割込信号にあわせて遊技制御装置100からの表示制御指令信号を読み込む(S11)。そして、受信した表示制御指令信号から表示する内容(リーチの種類など)を解析して、変動パターンをセットする(S12)。そして、表示制御のメインルーチンに戻る。
【0083】
なお、表示制御指令信号が、変動パターンに関するものではなく、変動表示の態様として図柄オブジェクトの表示態様(例えば、ライティング)を変化させる表示制御指令信号であるときは、その表示態様に関するデータをセットするように構成することもできる。
【0084】
図6、図7は、本発明の実施の形態の遊技機において図柄オブジェクトを表示する際の、図柄オブジェクトと視点との位置関係を示す概念図である。
【0085】
図柄オブジェクトは、立体図形(球体)に識別情報として数字の「7」が貼り付けられて構成されている。この図柄オブジェクトは、識別情報(数字の「7」)を含むテクスチャを、立体図形にマッピングすることによって、識別情報を貼り付られる。
【0086】
図6で、視点aは識別情報に正対する位置の視点を示す。この状態では、図8(ア)に示すように、図柄オブジェクトの中心付近に識別情報(数字の「7」)が見えるように、図柄オブジェクトが表示される。
【0087】
視点がaからbに移動した状態を図7に示す。視点がaにある状態で視点aの正面に位置していた識別情報は、視点制御手段の機能によって視点がaからbに移動すると、識別情報は視点bの正面に位置するように移動する。この状態でも、図8(ア)に示すように、図柄オブジェクトの中心付近に識別情報(数字の「7」)が見えるように、図柄オブジェクトが表示される。
【0088】
すなわち、図柄オブジェクトが図6の状態のままで、視点がaからbに移動すると、図8(イ)に示すように、図柄オブジェクトはその右側に識別情報が見えるように表示され、この位置からでは識別情報の種類を認識することが困難である。しかし、本発明によれば、図柄オブジェクトに設定された識別情報が視点方向から認識可能なように該図柄オブジェクトを表示するので、視点が移動しても識別情報を認識することができる。
【0089】
また、視点制御手段によって、視点がa−b間を連続的に移動するようにも、視点がaからbに不連続に移動する(瞬間的に視点が切り替わる)ように構成してもよい。また、両者を混合したいくつかの移動パターンを備えて、いずれかを選択して視点移動制御をするように構成してもよい。このように視点が連続的に移動するように構成すると、遊技者が表示状況を把握しやすくなる。また、視点が不連続に移動するように構成すると、識別情報の識別性が低下する視点位置が存在するものの、迅速に表示を切り替えることができる。
【0090】
この識別情報の移動は、図11〜図14で後述するように、図柄オブジェクト自体を回転させることによる図柄オブジェクトの向きの変更や、図柄オブジェクト自体(立体図形自体)は回転せずに、図柄オブジェクトにマッピングされるテクスチャ(識別情報)の貼り付け位置を変更することによって実現される。これらの処理は図柄オブジェクト表示制御手段の機能によって実現される。具体的には、既述図4における三次元描画処理のフローチャートのステップS1の処理によって、図柄オブジェクトと視点との位置を表すデータが変更される。
【0091】
図9は、本発明の実施の形態の遊技機において図柄オブジェクトを表示する際の、図柄オブジェクトと視点との位置関係を示す概念図である。
【0092】
図9に示す実施の形態において、(a)は視点と図柄オブジェクト(識別情報)との位置関係を示し、(b)は図柄オブジェクトが表示画面に表示される態様を示す。視線は視点(カメラ)から放射状に発せられている(視線は視点位置で収束している)。すなわち、識別情報は視線が収束する点に向くように図柄オブジェクトが制御されている。そして、図9(a)に示すように、識別情報が所定の点を向く場所に位置するときに、表示画面には図9(b)に示すように遊技者に正対した識別情報が表示される。この図9に示す実施の形態は、図柄オブジェクトと、視点との距離が短い場合にも識別情報が視点の方向を向いた表示が可能となる点で有効である。
【0093】
図10は、本発明の実施の形態の遊技機において図柄オブジェクトを表示する際の、図柄オブジェクトと視点との別な位置関係を示す概念図である。
【0094】
図10に示す実施の形態において、(a)は視点と図柄オブジェクト(識別情報)との位置関係を示し、(b)は図柄オブジェクトが表示画面に表示される態様を示す。視線は図柄オブジェクトに対して平行に到達している(視線は十分に遠い視点(カメラ)から発せられている)。すなわち、識別情報は平行な方向を向くように図柄オブジェクトが制御されている。そして、図10(a)に示すように、識別情報が平行な方向を向く場所に位置するときに、表示画面には図10(b)に示すように遊技者に正対した識別情報が表示される。
【0095】
図11は、本発明の実施の形態の遊技機において用いられる、テクスチャマッピングがされた図柄オブジェクトを示す説明図である。図11には、テクスチャのマッピング位置を変更する例を示す。
【0096】
図11では、立体図形(立方体)上に、黒丸の識別情報を含むテクスチャが貼り付けられている。そして、図11(a)、(b)、(c)の順に視点が図上を左から右方向に移動していく。
【0097】
図11(a)では、視点は左側にあり、識別情報としての黒丸は左側に位置している。そして、図11(b)では、視点は図の正面にあり、識別情報としての黒丸は正面に移動して、立方体の辺上に位置している。そして、図11(c)では、視点は右方向に移動して、識別情報としての黒丸も右側に移動する。この視点移動の間、図柄オブジェクト(図柄オブジェクトを構成する立体図形)は、回転移動することなく、テクスチャのみが図柄オブジェクト上を滑るように移動している。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態の遊技機において用いられる、テクスチャマッピングがされた別の図柄オブジェクトを示す説明図である。図12には、図柄オブジェクト自体が回転する例を示す。
【0099】
図12では、立体図形(立方体)上に、黒丸の識別情報を含むテクスチャが貼り付けられている。そして、図12(a)、(b)、(c)の順に視点が図上を左から右方向に移動していく。
【0100】
図12(a)では、視点は左側にあり、識別情報としての黒丸は左側に位置している。そして、図12(b)では、視点は図の正面にあり、識別情報としての黒丸は図柄オブジェクトと共に移動して、視点の正面に位置している。そして、図12(c)では、視点は右方向に移動して、識別情報としての黒丸も図柄オブジェクトの回転と共に右側に移動する。この視点移動の間、図柄オブジェクト(図柄オブジェクトを構成する立体図形)とテクスチャとは一定の関係で変化することなく、図柄オブジェクトは全体として回転移動して、識別情報を移動させている。
【0101】
図13は、本発明の実施の形態の遊技機において用いられる、テクスチャマッピングがされた別の図柄オブジェクトを示す説明図である。図13には、テクスチャの一部のマッピング位置を変更する例を示す。
【0102】
図13では、立体図形(立方体)上に、黒丸の識別情報を含むテクスチャが貼り付けられており、該立体図形の上には、図柄オブジェクトを構成するキャラクタの頭部が配置されている。そして、図13(a)、(b)、(c)の順に視点が図上を左から右方向に移動していく。
【0103】
図13(a)では、視点は左側にあり、識別情報としての黒丸は左側に位置している。そして、図13(b)では、視点は図の正面にあり、識別情報としての黒丸は正面に移動して、立方体の辺上に位置している。そして、図13(c)では、視点は右方向に移動して、識別情報としての黒丸も右側に移動する。この視点の移動の間、図柄オブジェクト(図柄オブジェクトを構成する立体図形)は、回転移動することなく、テクスチャのみが、図柄オブジェクト上を滑るように移動している。また、図柄オブジェクトに貼り付けられたテクスチャの全部ではなく、テクスチャの一部のみが移動している。すなわち図柄オブジェクト下部の立方体のテクスチャのみが移動し、図柄オブジェクト上部のキャラクタの頭部のテクスチャは移動していない。
【0104】
図14は、本発明の実施の形態の遊技機において用いられる、テクスチャマッピングがされた別の図柄オブジェクトを示す説明図である。図14には、図柄オブジェクトの一部を回転させる例を示す。
【0105】
図14では、立体図形(立方体)上に、黒丸の識別情報を含むテクスチャが貼り付けられており、該立体図形の上には、図柄オブジェクトを構成するキャラクタの頭部が配置されている。そして、図14(a)、(b)、(c)の順に視点が図上を左から右方向に移動していく。
【0106】
図14(a)では、視点は左側にあり、識別情報としての黒丸は左側に位置している。そして、図14(b)では、視点は図の正面にあり、識別情報としての黒丸は図柄オブジェクトの一部(立体図形)と共に移動して、視点の正面に位置している。そして、図14(c)では、視点は右方向に移動して、識別情報としての黒丸も図柄オブジェクトの一部(立体図形)の回転と共に右側に移動する。この視点の移動の間、図柄オブジェクト(図柄オブジェクトを構成する立体図形)のうち識別情報を含むテクスチャが貼り付けられた部分とテクスチャとは一定の関係にある。すなわち、識別情報としての黒丸は図柄オブジェクトの一部(立体図形)と共に回転移動するが、図柄オブジェクトの他の部分(キャラクタの頭部)は回転移動せず、図柄オブジェクト全体は回転移動していないい。
【0107】
以上、図11〜図14において、識別情報の移動の態様について説明したが、この識別情報の移動は、視点の移動と同時でも、視点の移動に遅れて識別情報が移動するように構成してもよい。すなわち、視点が移動してから所定の短時間経過後に識別情報が視点方向に移動するように構成する。
【0108】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示す正面図である。
【図2】 同じく制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】 同じく遊技機の状態遷移図である。
【図4】 同じく三次元描画処理のフローチャートである。
【図5】 同じくコマンド受信処理のフローチャートである。
【図6】 同じく図柄オブジェクトの表示例の概念図である。
【図7】 同じく図柄オブジェクトの表示例の概念図である。
【図8】 同じく図柄オブジェクトの説明図である。
【図9】 同じく図柄オブジェクトの表示例の概念図である。
【図10】 同じく図柄オブジェクトの表示例の概念図である。
【図11】 同じく図柄オブジェクトの説明図である。
【図12】 同じく図柄オブジェクトの説明図である。
【図13】 同じく図柄オブジェクトの説明図である。
【図14】 同じく図柄オブジェクトの説明図である。
【符号の説明】
1 遊技機
8 変動表示装置
100 遊技制御装置
150 表示制御装置
Claims (1)
- 識別情報としてのテクスチャがマッピングされることにより識別情報が設定された図柄オブジェクトと、前記図柄オブジェクトに対する視点とを、可変表示装置の変動表示領域を含んで設けられた仮想三次元空間に配置し、
前記図柄オブジェクトを変動表示領域で変動表示する変動表示ゲームの表示を制御する表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記仮想三次元空間内に前記図柄オブジェクトを配置し、
前記仮想三次元空間に始点位置を設定し、該視点位置の視野に対応する図柄オブジェクトにテクスチャをマッピングするテクスチャマッピング手段と、
テクスチャマッピングされた図柄オブジェクトをレンダリングして2D描画データを生成する図柄オブジェクト表示制御手段と、
前記視点を前記仮想三次元空間内の一ヶ所に固定されない視点として制御可能な視点制御手段と、
前記図柄オブジェクトにマッピングされる識別情報テクスチャの貼り付け位置を変更する貼付位置変更手段と、を備え、
前記図柄オブジェクト表示制御手段は、
前記視点制御手段によって視点が移動すると、前記貼付位置変更手段により前記識別情報テクスチャの貼り付け位置を、前記図柄オブジェクトに設定された識別情報が前記視点方向から識別可能な位置に変更し、
該変更された位置データに基づいて2D描画データを生成することを特徴とする遊技機。
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