JP4246421B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、仮想空間内に配置された複数の図柄オブジェクト(識別情報)を、表示装置に変動表示する変動表示ゲームを行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、遊技領域に発射した遊技球の入賞等に従って、液晶表示器等からなる変動表示装置に特定の識別情報(特別図柄)を含む複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行い、その表示結果が特定の態様となったことに関連して特別遊技状態を生起する等の特定の遊技価値を付与するものがある。
【0003】
このような遊技機の変動表示ゲームでは、背景上に複数配置した識別情報を切り替えて表示するものが知られている。
【0004】
また、3DCG(3次元のコンピュータグラフィックス)を用いて、識別情報やキャラクタ、図柄を立体的に表示して、変動表示ゲームの興趣を向上させようとする遊技機も提案されている。
【0005】
また、遊技の進行と同時に遊技盤上に設けられた表示器の表示内容も変化していく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の遊技機では、変動表示装置内の識別情報の表示と、装飾、報知等の変動表示装置外の遊技盤上の表示とが別個に進行するので、遊技者は変動表示装置内に注意を払うと共に、変動表示装置外の表示に注意を払っていなければならず、変動表示装置で行われる変動表示ゲームに集中できない問題があった。
【0007】
本発明は、立体的に図柄を表現しつつ、変動表示装置における図柄の表示態様と、変動表示装置外における装飾、報知等の表示とが連携した変動表示をして、遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞を始動記憶として記憶し、当該始動記憶に基づいて可変表示手段の変動表示領域に、識別情報が設定された図柄オブジェクトを変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記始動記憶の数に応じた数の図形を前記可変表示手段に表示させることで当該始動記憶の状態表示を行う始動記憶表示手段と、前記変動表示領域を含む仮想空間に光源を設定するとともに、前記始動記憶表示手段による表示態様の変化に関連して該仮想空間内の前記図柄オブジェクトへの照光を変化させるように制御する照光制御手段と、を備え、前記始動記憶表示手段により表示されている前記図形を光源として前記図柄オブジェクトが照光されているように制御することで、前記始動記憶の数によって変化する前記図形の数に応じて前記図柄オブジェクトへの照光が変化するようにしたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記始動口への遊技球の入賞は、前記始動記憶として4つを限度に記憶可能であり、前記可変表示手段は、前記変動表示領域が設けられる表示領域が矩形状に構成されており、前記始動記憶表示手段は、前記始動記憶の状態表示を行うための前記図形を前記可変表示手段の表示領域の四隅に表示するよう構成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞を始動記憶として記憶し、当該始動記憶に基づいて可変表示手段の変動表示領域に、識別情報が設定された図柄オブジェクトを変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記始動記憶の数に応じた数の図形を前記可変表示手段に表示させることで当該始動記憶の状態表示を行う始動記憶表示手段と、前記変動表示領域を含む仮想空間に光源を設定するとともに、前記始動記憶表示手段による表示態様の変化に関連して該仮想空間内の前記図柄オブジェクトへの照光を変化させるように制御する照光制御手段と、を備え、前記始動記憶表示手段により表示されている前記図形を光源として前記図柄オブジェクトが照光されているように制御することで、前記始動記憶の数によって変化する前記図形の数に応じて前記図柄オブジェクトへの照光が変化するようにしたので、始動記憶数に応じて変動表示装置内の図柄オブジェクト(識別情報)が多様な態様で表示され、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者は始動記憶の状態表示に注意を払うことなく、変動表示ゲームに集中して遊技を行うことができる。
【0018】
第2の発明では、前記始動口への遊技球の入賞は、前記始動記憶として4つを限度に記憶可能であり、前記可変表示手段は、前記変動表示領域が設けられる表示領域が矩形状に構成されており、前記始動記憶表示手段は、前記始動記憶の状態表示を行うための前記図形を前記可変表示手段の表示領域の四隅に表示するよう構成されているので、始動記憶の状態によって図柄オブジェクトへの光の当たり方が大きく変化するので、より効果的な表示を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
【0027】
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収装される。
【0028】
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成されている。この遊技領域には、変動表示装置8が設けられたセンターケース13、大入賞口を備えた変動入賞装置10が設けられたアタッカー15、各入賞口12a〜12d、始動口16、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9等が配設されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラスが取り付けられている。
【0029】
可変表示手段としての変動表示装置8は、遊技盤中央部に設けられたセンターケース13内に設けられ、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面部分(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(表示図柄)を含む複数の図柄オブジェクトが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば「0」〜「9」までの各数字)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。また、遊技の進行に基づくその他の画像が表示される。
【0030】
特別変動入賞装置10の上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート14が配設される。
【0031】
本実施の形態に係る遊技機では、図示しない打球発射装置から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材により転動方向を変えられながら遊技領域表面を流下し、始動口16、一般入賞口12a〜12d、特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口12a〜12dへの遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51.1〜51.N(図2参照)により検出される。
【0032】
始動口16、一般入賞口12a〜12d、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
【0033】
始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームに関する画像が、変動表示装置8に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図2参照)への通電により、大入賞口を所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。すなわち、特別変動入賞装置10は、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0034】
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた所定数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて可変表示ゲームを行う。
【0035】
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図2参照)により検出される。
【0036】
普通図柄始動ゲート14への遊技球の通過があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート14への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド9A(図2参照)への通電により、始動口16への入口を所定の時間(例えば0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
【0037】
普通図柄始動ゲート14への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、通過検出時点での遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの値)は、普通図柄始動記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄始動記憶の記憶数は変動表示装置8の上側に設けられた所定数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0038】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤中央部に設けられたセンターケース13、遊技盤下部に設けられたアタッカー15には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤の左右上部にはサイドケースランプ34が、遊技盤の左右にはサイドランプ18が設けられている。さらに、カバーガラスの上部の前面枠3には、遊技枠の状態を報知する遊技枠状態表示ランプ31、点灯によって遊技枠を装飾する遊技枠装飾ランプ32、33が設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。
【0039】
これらの装飾発光装置(センターケース13内の装飾ランプ、アタッカー15内の装飾ランプ、サイドランプ18、遊技枠状態表示ランプ31、遊技枠装飾ランプ32、33、サイドケースランプ34等)や、普通図柄表示器7、特別図柄記憶状態表示器17は遊技の進行に基づいて表示態様が変化して表示手段を構成しており、特に、特別図柄記憶状態表示器17によって始動記憶表示手段が、普通図柄表示器7によって補助変動表示手段が、遊技枠状態表示ランプ31によって異常報知手段が構成されている。
【0040】
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。また、音出力装置(スピーカ)が設けられる。
【0041】
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、球貸しを指令する球貸しスイッチ28、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
【0042】
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
【0043】
図2は、遊技制御装置100を中心とする遊技機1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0044】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0045】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ51.1〜51.N、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動センサ53、継続センサ54、カウントセンサ55)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、普通図柄表示器7、普通電動役物ソレノイド9A、大入賞口ソレノイド10A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0046】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0047】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置(センターケース13内の装飾ランプ、アタッカー15内の装飾ランプ、サイドランプ18、遊技枠状態表示ランプ31、遊技枠装飾ランプ32、33、サイドケースランプ34等)を制御する、また、特別図柄始動記憶表示器17、普通図柄始動記憶表示器19の表示を制御する。
【0048】
なお、図9、図10に示す実施の形態においては、特別図柄記憶状態表示器17は変動表示装置8の表示画面に表示されるので、装飾制御装置250でなく、表示制御装置150によって、その表示が制御される。
【0049】
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。
【0050】
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
【0051】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
【0052】
表示制御装置150は、2次元(2D)及び3次元(3D)画像の表示制御を行うもので、表示制御手段として機能する。この表示制御装置150は、CPU151、VDP(3D画像描画手段として機能するVideo Display Processor)152、RAM153、154、インターフェース155、プログラム等を格納したROM156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したCGROM157、液晶を駆動するLCDインターフェース158等から構成される。
【0053】
CPU151は、PRGROM156に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの表示制御指令信号に基づいて、2Dの画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報の座標演算(ジオメトリ演算)等を行い、これらの演算結果をDRAM153に格納する。
【0054】
VDP152は、DRAM153に格納された画像情報に基づいて、2D又は3Dの画像を描画してフレームバッファとしてのDRAM154に格納する。そして、DRAM154の画像を所定のタイミング(垂直同期、水平同期)でLCDインターフェース158へ送出して、変動表示装置8に画像データを出力する。そして、変動表示装置8の液晶表示画面には3次元画像が表示される。
【0055】
VDP152は、2Dと3Dの点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画等の描画処理を行い、さらに3D画像では、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、CPU151が設定した3DオブジェクトをフレームバッファとしてのDRAM154へ描画する。
【0056】
なお、VDP152と変動表示装置8との間のインターフェース158は、変動表示装置の種類に応じて適宜選択すればよく、ここでは変動表示装置8に液晶を用いたが、CRT、ELあるいはプラズマなどの表示素子を採用する場合には、これらの表示素子に対応するインターフェースを用いればよい。
【0057】
また、CGROM157には、変動表示ゲームに用いる図柄オブジェクトなどの各図柄、背景、キャラクタ等の2Dデータ、3Dオブジェクトデータ、テクスチャデータが格納されている。
【0058】
遊技制御装置100からの表示制御指令信号を受信するインターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160が設けられ、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみを許容し、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。
【0059】
このように遊技制御装置100と表示制御装置150とで変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段及び図柄オブジェクトへの照光を変化させる制御を行う照光制御手段が構成されている。
【0060】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、変動表示装置8の変動表示領域を左、右、中の変動表示領域として説明する。
【0061】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示制御指令信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の表示画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。
【0062】
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、遊技制御装置100によって、所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当りの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示制御指令信号が送信され、変動表示装置8の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0063】
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止するが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当りの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0064】
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
【0065】
そして、当り図柄の抽選の結果が大当りであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当りの組合せで停止して、大当りが発生する。
【0066】
この大当り遊技が発生すると、特別変動入賞装置10が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ54による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当り遊技が発生すると、大当りのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当りの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、変動表示装置の表示画面に大当り遊技の表示が行われる。
【0067】
この大当りが特定の大当りであれば、大当り遊技後に特定遊技状態が発生して、次回の大当りの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普図の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
【0068】
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当り遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻される。
【0069】
なお、普通図柄始動ゲートの遊技球の通過又は普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
【0070】
図4は、表示制御装置150において実行される、3次元描画処理のフローチャートである。この3次元描画処理は、CPU151、VDP152を主体に行われる。
【0071】
後述するコマンド受信処理で、遊技制御装置100から表示制御指令信号を受信すると、3D表示を行うシーン及び3Dオブジェクトを決定する(S1)。
【0072】
そして、予め設定した仮想3次元空間(ワールド空間)内に、選択した3Dオブジェクトを配置するワールドトランスフォーム処理を行う(S2)。このワールドトランスフォーム処理は、各3Dオブジェクト毎に設定されたモデル空間をワールド空間に変換するものであり、3Dオブジェクトの回転やスケーリング、位置、サイズなどの変換が含まれる。
【0073】
次に、上記ステップS1で決定したシーンに対応したワールド空間内の視点(ビュー)の位置、方向から、ステップS2で求めたワールド空間を、視点を原点とするカメラ空間に変換する、ビュートランスフォーム処理を行う(S3)。
【0074】
そして、ステップS3のビュートランスフォーム処理で求めたカメラ空間を、カメラの視野(視野角)に対応する立体空間に変換する射影トランスフォーム処理を行う(S4)。これにより、視野内の3Dオブジェクトを抽出するとともに、カメラに近い3Dオブジェクトは大きく拡大され、カメラから遠い3Dオブジェクトは縮小される。
【0075】
そして、上記カメラの視野に対応した立体空間内の3Dオブジェクト(ポリゴンデータ)を、変動表示装置8のスクリーン座標(表示領域)に対応する立方体空間に変換するクリッピング処理を行う(S5)。
【0076】
上記ステップS2〜S5の処理が、いわゆるジオメトリ演算であり、ここではCPU151がジオメトリ演算処理を行い、VDP152がジオメトリ演算以降のラスタライズ処理を行う例を示している。
【0077】
次に、ステップS5でクリッピングされた立方体内の各ポリゴンデータについて、仮想3次元空間に設定された光源に基づいてライティング処理を行う(S6)。このライティングの一例としては、陰影やポリゴンの素材に応じた反射等を演算する。
【0078】
そして、各ポリゴンの表面に所定のテクスチャを貼り付けるテクスチャマッピングを行って、3Dオブジェクトの外観を決定する(S7)。このテクスチャマッピングでは、単純なテクスチャの貼り付けだけではなく、ライトマッピングや環境マッピング、バンプマッピングなどのテクスチャに対して、所定の処理をしてから3Dオブジェクトに貼り付ける処理も行う。
【0079】
次に、ステップS7のテクスチャマッピングを終了した各ポリゴン上のピクセルに対して深度(奥行)情報を決定する(S8)。すなわち、全てのポリゴンのピクセル毎に深度情報を調べ、深度バッファに記憶された深度よりも、カメラに近い場合にそのピクセルを表示するとともに、深度バッファの深度情報を更新する。全てのポリゴンについて、この処理を行うことにより、完全にレンダリングされた2Dの描画データが完成する。
【0080】
そして、この2Dの描画データを、DRAM154(フレームバッファ)上に予め設定した変動表示領域装置8の表示領域へ書き込むことで(S9)、1フレーム分の3D画像が生成される。なお、VDP152では、上述のように生成した3D画像を2D画像と合成(オーバーレイ)して表示することができる。また、生成した3D画像を複数のレイヤ(フレームバッファ)に描画して、このレイヤを合成(オーバーレイ)して表示することもできる。
【0081】
このように、上記ステップS1〜S9を繰り返し実行することにより、遊技制御装置100の指令に応じた3D画像の表示を行うことが可能となる。
【0082】
なお、図4の表示制御は、CPU151やVDP152のアーキテクチャ等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、図4のステップS2〜S5をCPU151で行う一例を示したが、VDP152がステップS2以降の処理を実行することもでき、また、上記ステップS2以降の処理をVDP152のハードウェアで実行することも可能である。
【0083】
図5は、表示制御装置150において実行される、コマンド受信処理のフローチャートである。
【0084】
遊技制御装置100から表示制御装置150へは、遊技制御装置100の動作周期(例えば2ミリ秒)に従ったパルス信号による通信割込信号が送出され、通信割込信号に同期して遊技制御装置100から表示制御装置150に表示制御指令信号(表示制御コマンド)が送られてくる。表示制御装置150は、通信割込信号を検出すると、CPUに割込を発生させて、コマンド受信処理を実行する。
【0085】
コマンド受信処理では、表示制御装置150は、通信割込信号にあわせて遊技制御装置100からの表示制御指令信号を読み込む(S11)。そして、受信した表示制御指令信号から表示する内容(リーチの種類など)を解析して、変動パターンをセットする(S12)。
【0086】
また、表示制御指令信号が、変動パターンに関するものではなく、変動表示の態様として図柄オブジェクトへのライティングを変化させる表示制御指令信号であるときは、ライティングデータをセットする(S13)。そして、表示制御のメインルーチンに戻る。なお、図5においては、変動表示の態様として図柄オブジェクトへの光の当たり方を変えるものとしているが、その他の3次元表示態様を変化させて変動表示の態様を変化させるように構成してもよい。
【0087】
図6は、遊技制御装置100において実行される、始動口入賞処理のフローチャートである。
【0088】
遊技球が始動口16へ入賞すると、特別図柄始動センサ52が入賞球を検出する(S21)。そして、遊技制御装置100に設けられたRAMの所定の始動記憶領域に入賞数を加算して記憶する(S22)。その後、変動表示ゲームの結果態様を決定する特別図柄乱数カウンタの値を抽出して(S23)、抽出した乱数値を遊技制御装置100に設けられたRAMの所定の始動記憶領域に記憶する(S24)。そして、遊技制御装置100は、装飾制御装置250に対して装飾制御指令を送信して、特別図柄記憶状態表示器17のLEDを点灯させる。
【0089】
さらに、遊技制御装置100は、表示制御装置150に対して表示制御指令信号(表示制御コマンド)を送信して、特別図柄記憶状態表示器17のLEDの点灯に基づく図柄オブジェクトのライティングを変更する。このとき、変動表示装置8には、仮想空間に設定された図柄オブジェクトに対して特別図柄記憶状態表示器17を光源とする光が当たっており、特別図柄記憶状態表示器17を光源とした図柄オブジェクトの影が表示されるように図柄オブジェクトが表示される。
【0090】
すなわち、遊技制御装置100は、遊技の進行に伴って、従属制御装置に制御指令を送信すると共に、表示制御装置150に表示制御指令信号を送信して、図柄オブジェクトの表示態様を変更する。
【0091】
図7は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への表示を説明する図である。
【0092】
図7はセンターケース13を示す。センターケース13の中央部には変動表示装置8が、変動表示装置8の下部には特別図柄記憶状態表示器17が配置されている。
【0093】
前述したように、始動口16へ遊技球が入賞すると特別図柄記憶状態表示器17のLEDが点灯する。図7には最左のLEDのみが点灯しており(白色で図示)、他のLEDは点灯していない状態(黒色で図示)を示す。
【0094】
変動表示装置8には、特別図柄記憶状態表示器17の最左のLEDを光源として、3つの図柄オブジェクトには左下から光が当たっているように、図柄オブジェクトが表示されている。
【0095】
従って、左側の図柄オブジェクトほど明るく、また、図柄オブジェクトの上部より下部の方が明るく表示されることになる。
【0096】
図8は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への別な表示を説明する図である。図8では、図7と異なり、特別図柄記憶状態表示器17の全て(4つ)のLEDが点灯している状態を示す。
【0097】
変動表示装置8には、特別図柄記憶状態表示器17の4つのLEDを光源として、図柄オブジェクトには下側から光が当たっているように、3つの図柄オブジェクトが表示されている。
【0098】
従って、3つの図柄オブジェクトの明るさに違いはないが、図柄オブジェクトの上部より下部の方が明るく表示されることになる。また、図8に示す場合は、図柄オブジェクトを照らす光源の数が多いことから、図8に示す図柄オブジェクトは、図7に示す図柄オブジェクトより明るく表示される。
【0099】
図9は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への別な表示を説明する図である。図9では、図7と異なり、特別図柄記憶状態表示器17が、変動表示装置8の下部でなく、変動表示装置8の表示画面に表示されている。
【0100】
変動表示装置8には、表示領域の中央部に3つの図柄オブジェクトが表示されている。また、表示領域の端部(図9では最下部)には特別図柄記憶状態が所定数(図9では4つ)の図形として表示され、特別図柄記憶状態表示器17として機能している。この特別図柄記憶状態は、始動口16へ遊技球が入賞すると図形の表示形態(例えば、色、明るさ、形状等)が異なって表示されるものである。なお、図9には記憶がある状態を白色で図示し(特別図柄記憶状態表示器のLEDが点灯している状態に相当)、記憶がない状態を黒色で図示(特別図柄記憶状態表示器のLEDが消灯している状態に相当)している。そして、図9では最左の1つのみが記憶があることを表示している。
【0101】
そして、変動表示装置8には、図柄オブジェクトには、最左の特別図柄記憶を光源として左下から光が当たっているように、図柄オブジェクトが表示されている。従って、左側の図柄オブジェクトほど明るく、また、図柄オブジェクトの上部より下部の方が明るく表示されることになる。
【0102】
なお、変動表示装置8に表示される特別図柄記憶状態は、図9に示すように図形の表示形態を異ならせることによって区別してもよいが、図形を表示するか否かで区別するように構成してもよい。
【0103】
図10は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への別な表示を説明する図である。図10では、図9と異なり、全て(4つ)の特別図柄記憶状態表示が表示されている状態を示す。
【0104】
変動表示装置8には、表示領域の中央部に3つの図柄オブジェクトが表示されている。また、表示領域の端部(図10では最下部)には特別図柄記憶状態が所定数(図10では4つ)の図形として表示され、特別図柄記憶状態表示器17として機能している。図10では最左の1つのみが記憶があることを表示(白色で図示)している状態である。
【0105】
変動表示装置8に表示される3つの図柄オブジェクトには、特別図柄記憶状態を示す図形を光源として、図柄オブジェクトには下側から光が当たっているように、図柄オブジェクトが表示されている。従って、3つの図柄オブジェクトの明るさに違いはないが、図柄オブジェクトの上部より下部の方が明るく表示されることになる。また、図10に示す場合は、図柄オブジェクトを照らす光源の数が多いことから、図10に示す図柄オブジェクトは、図9に示す図柄オブジェクトより明るく表示される。
【0106】
以上、図9、図10で説明した実施の形態では、遊技制御装置100は、表示制御装置150に対して表示制御指令信号を送信するだけで、特別図柄記憶状態の表示と、図柄オブジェクトに対するライティングの変更をすることができる。すなわち、遊技制御装置100は、入賞記憶を加算し乱数値を記憶した後に、表示制御装置150に対して表示制御指令信号(表示制御コマンド)を送信して、特別図柄記憶状態の表示を変更する。そして、表示制御装置150は特別図柄記憶状態表示に基づく図柄オブジェクトのライティングを変更して、図柄オブジェクトを表示する。
【0107】
このように、図柄オブジェクトへのライティングの光源を変動表示装置8内に表示すると、遊技制御装置100から表示制御装置150に対して表示制御指令信号を送信するだけで、遊技の進行に伴う表示態様を変更することができる。
【0108】
なお、以上の説明では、特別図柄記憶状態表示を、変動表示装置8の下部又は変動表示装置8の下辺に沿って配置するように表示した例を説明したが、特別図柄記憶状態表示を十分な間隔をもって配置すると、特別図柄記憶状態表示によって図柄オブジェクトへの光の当たり方が大きく変化するので、より効果的な表示をすることができる。また、特別図柄記憶状態表示を可変表示器の4隅に配置すると、図柄オブジェクトへの光の当たり方がさらに大きく変化するので、より効果的な表示をすることができる。
【0109】
また、特別図柄記憶状態表示毎に色彩を異ならせておくと、特別図柄記憶状態表示によって図柄オブジェクトに照光される色が変化して始動記憶の状態(始動記憶数)を特定することが容易になる。すなわち、始動記憶によって特別図柄記憶状態表示の点灯状態(点滅速度、点滅パターン等)を変化させるなど、表示手段における表示態様に予め意味づけをしておくとよい。
【0110】
図11は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への表示を説明する概念図である。
【0111】
3次元仮想空間内に表示された図柄オブジェクトは、遊技者の視点8bから表示領域8aを覗くように、変動表示装置8に表示されている。表示領域8aの前の下方には、図柄オブジェクトに対して光源となる照明17a〜17dが、図柄オブジェクトを下方から照らすことができるように設けられている。
【0112】
図11においては、照明17a〜17dのうち、17aのみが点灯しており、図柄オブジェクトは左下方から光が当たるように照らされている。そして、この光が当たった図柄オブジェクトは、視点8bから見た状態で変動表示装置8の表示画面に表示される。
【0113】
すなわち、仮想3次元空間内に配置された図柄オブジェクトを、ビュートランスフォーム処理によって仮想3次元空間(ワールド空間)内の視点8bを原点とするカメラ空間に変換する。そして、クリッピング処理によって表示領域8aに対応する立方体空間に変換する。そして、クリッピングされた図柄オブジェクトについて、仮想3次元空間に設定された光源17a〜17dに基づく、オブジェクトの明るさ、反射、陰影等を演算するライティング処理を行う。
【0114】
そして、全てのレンダリング処理が終わった描画データはフレームバッファに書き込まれ、変動表示装置8に表示される。
【0115】
図12は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への別の表示を説明する概念図である。
【0116】
図12に示す実施の形態では、図柄オブジェクトに対する光の当たり方ではなく、図柄オブジェクトの影によって、図柄オブジェクト以外の表示を表現しようとするものである。なお、本図では図示の簡略化のため、一つの図柄オブジェクトのみを表示して説明する。
【0117】
3次元仮想空間内に配置された図柄オブジェクトは、変動表示装置8の表示領域8aに表示されている。図12においては、特別図柄記憶状態表示器17に対応して仮想的に設けられる照明17a〜17dによって、図柄オブジェクトが照らされている。図柄オブジェクトの照明17a〜17dの反対側には、図柄オブジェクトの影ができており、背景に図柄オブジェクトの影が表示されている
図12においては、2つの特別図柄記憶があり、照明17aと17dとが点灯している。よって、図柄オブジェクトを挟んで照明17aの反対側と、照明17dの反対側とに、発光手段の数に対応して、点灯している照明(光源)の数だけ図柄オブジェクトの影が表示されている。
【0118】
図13は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への表示を説明する概念図である。図13では、図12と異なり、全て(4つ)の特別図柄記憶状態表示が点灯している状態を示す。
【0119】
照明17a〜17dの点灯によって、図柄オブジェクトを挟んで各照明17a〜17dの反対側に、発光手段に対応した図柄オブジェクトの影ができている。
【0120】
遊技者は、影の数、大きさ等によって、特別図柄始動記憶の状態を知ることができる。
【0121】
図14は、図柄オブジェクトの変動表示装置8への別な表示を説明する図である。
【0122】
図14に示すセンターケース13の中央部には変動表示装置8が、変動表示装置8の上部には普通図柄表示器7が配置されている。
【0123】
前述したように、普通図柄始動ゲート14へ遊技球が入賞すると、普通図柄表示器7にて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。本実施の形態では、普通図柄表示器7は7セグメントのLEDで構成されており、普通図柄として「0」〜「9」の数字が順次表示される。
【0124】
この普通図柄表示器7が動作を開始すると、変動表示装置8に表示される図柄オブジェクトが、普通図柄表示器7を光源として、中央上部から光が当たるように表示される。これにより普通図柄が変動表示中であるか否かを、遊技者が視線を移動することなく把握することができる。
【0125】
なお、以上の説明では、普通図柄の変動表示中に図柄オブジェクトに光が当たるようにしたが、普通図柄が確定すると図柄オブジェクトに光が当たる(又は光の色彩が変化する)ようにしてもよいし、普通図柄が当りとなる図柄を表示したときに光が当たる(又は光の色彩が変化する)ように構成してもよい。
【0126】
以上説明した実施の形態では特別図柄始動記憶の変化や、普通図柄の抽選等の遊技の進行におけるイベントによって、図柄オブジェクトへの光の照明が変化する例を説明したが、遊技の進行におけるイベントによらず、変動表示ゲームにおける演出(例えば、遊技盤上の装飾ランプの点滅による装飾表示)によって図柄オブジェクトの照光状態を変化させるように構成してもよい。
【0127】
すなわち、変動表示ゲーム中に図柄オブジェクトの照光状態を変化させて、変動表示ゲームの予告表示や信頼度報知を行うように構成してもよい。例えば、予め変動表示パターンとして装飾制御装置150の装飾表示パターンと図柄オブジェクトへの照光が同期するように設定しておくと、装飾ランプ等の表示態様が変化しても、その都度、表示制御指令信号を送る必要がなく、制御を簡素化することができる。
【0128】
また、図柄オブジェクトへの光の照明を変化させる光源となる表示手段は、遊技盤面上に設けられたものに限らず、遊技機前面の遊技枠に設けられた装飾表示や状態報知などを含む。
【0129】
さらに、カードユニットが接続されたときのカード残高表示、貸球払出異常や不正検出などの異常報知を光源として、図柄オブジェクトへの光の照明を変化させるように構成してもよい。このようにカードユニットに関する状態を図柄オブジェクトへの光の照明の変化で報知すると、遊技領域外に表示されている報知に関して、注意を喚起することができる。すなわち、遊技者が遊技領域外に表示されている報知を確認する際には大きな視線移動が必要であることから、遊技領域の中央部に設けられた変動表示装置8によって、これらの報知に関する注意を喚起することができる。
【0130】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示す正面図である。
【図2】 同じく制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】 同じく遊技機の状態遷移図である。
【図4】 同じく3次元描画処理のフローチャートである。
【図5】 同じくコマンド受信処理のフローチャートである。
【図6】 同じく始動口入賞処理のフローチャートである。
【図7】 同じく図柄オブジェクトの表示の説明図である。
【図8】 同じく図柄オブジェクトの表示の説明図である。
【図9】 同じく図柄オブジェクトの表示の説明図である。
【図10】 同じく図柄オブジェクトの表示の説明図である。
【図11】 同じく図柄オブジェクトの表示を説明する概念図である。
【図12】 同じく図柄オブジェクトの表示を説明する概念図である。
【図13】 同じく図柄オブジェクトの表示を説明する概念図である。
【図14】 同じく図柄オブジェクトの表示の説明図である。
【符号の説明】
1 遊技機
7 普通図柄表示器
8 変動表示装置
17 特別図柄記憶状態表示器
18 サイドランプ
31 報知ランプ
32、33 遊技枠装飾ランプ
34 サイドケースランプ
100 遊技制御装置
150 表示制御装置
250 装飾制御装置

Claims (2)

  1. 遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞を始動記憶として記憶し、当該始動記憶に基づいて可変表示手段の変動表示領域に、識別情報が設定された図柄オブジェクトを変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、
    前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
    記表示制御手段は、
    前記始動記憶の数に応じた数の図形を前記可変表示手段に表示させることで当該始動記憶の状態表示を行う始動記憶表示手段と、
    前記変動表示領域を含む仮想空間に光源を設定するとともに、前記始動記憶表示手段による表示態様の変化に関連して該仮想空間内の前記図柄オブジェクトへの照光を変化させるように制御する照光制御手段と、を備え、
    前記始動記憶表示手段により表示されている前記図形を光源として前記図柄オブジェクトが照光されているように制御することで、前記始動記憶の数によって変化する前記図形の数に応じて前記図柄オブジェクトへの照光が変化するようにしたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記始動口への遊技球の入賞は、前記始動記憶として4つを限度に記憶可能であり、
    前記可変表示手段は、前記変動表示領域が設けられる表示領域が矩形状に構成されており、
    前記始動記憶表示手段は、
    前記始動記憶の状態表示を行うための前記図形を前記可変表示手段の表示領域の四隅に表示するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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