JP2004024732A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示制御装置の制御負担を軽減しながらも、表示演出の落ち込みを軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】図柄オブジェクトに配置された識別情報を更新する変動表示ゲームの表示制御を行う表示制御手段を備えた遊技機において、前記表示制御手段は、同一の識別性を有する表示オブジェクトを生成するポリゴン量の異なる複数のオブジェクトベースを記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段の記憶内容から、各表示オブジェクトを構成するオブジェクトベースを選択するオブジェクトベース選択手段と、を備え、前記オブジェクトベース選択手段は、変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの表示役割に基づいて、前記表示役割として表示の主要部となる表示オブジェクトにはポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、仮想空間内に配置された複数の図柄オブジェクト(識別情報)を、表示装置に変動表示する変動表示ゲームを行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技領域に発射した遊技球の入賞等に従って、液晶表示器等からなる変動表示装置に複数の識別情報(図柄)を変動表示する変動表示ゲームを行い、その表示結果が特定の態様となったことに関連して、特別遊技を発生する等の特定の遊技価値を付与するようにした遊技機(パチンコ遊技機)が知られている。
【0003】
このような遊技機の変動表示ゲームでは、識別情報をスクロール表示(例えば、縦スクロールなど)させて変動表示を行うものや、変動表示領域で識別情報を回転させながら次々と図柄を変えて変動表示を行うものも採用されている。
【0004】
上記変動表示の多くは、2次元(2D)描画処理により行われており、多層のスプライト表示面を利用し、各スプライト面を重ね合わせて一つの識別情報を表示している。
【0005】
また、近年では表示制御装置に用いるマイクロプロセッサの処理能力が向上したため、三次元(3D)描画処理を採用して図柄や背景等を立体的に表示して、立体的な変動表示を行うことで、変動表示ゲームに新鮮味を加えることが可能となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多数のポリゴンを実時間で表示するのは制御装置の処理負担が多く、表示が常に変化する変動表示ゲームでは、処理負担が一層増加する。
【0007】
そこで、表示画面内に出現するオブジェクト数を減少させたり、オブジェクトの変化を少なくして処理負担を軽減することが考えられるが、表示演出が大雑把な表現となり、遊技者が特に注視している変動表示ゲームで面白みがある演出ができなくなってしまう。
【0008】
本発明は、表示制御装置の制御負担を軽減しながらも、表示演出の落ち込みを軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図柄オブジェクトに配置された識別情報を更新する変動表示ゲームの表示制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技状態を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、同一の識別性を有する表示オブジェクト(図柄オブジェクト、装飾オブジェクト(キャラクタオブジェクト、背景オブジェクト))を生成するポリゴン量の異なる複数のオブジェクトベースを記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段の記憶内容から、各表示オブジェクトを構成するオブジェクトベースを選択するオブジェクトベース選択手段と、三次元仮想空間にオブジェクトベースを配置するオブジェクトベース配置手段と、前記三次元仮想空間に配置されたオブジェクトベースを用いて三次元立体形状の表示オブジェクトを生成(例えば、モデリング、ライト設定、テクスチャ設定)する三次元オブジェクト生成手段と、前記三次元オブジェクト生成手段によって生成された表示オブジェクトを所定の描画条件により三次元画像として描画(例えば、レンダリング)する描画手段と、を備え、前記オブジェクトベース選択手段は、変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの表示役割に基づいて、前記表示役割として表示の主要部となる表示オブジェクトにはポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択することを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記オブジェクトベース選択手段は、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態である場合に前記表示役割が表示の主要部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択し、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態でない場合に前記表示役割が表示の補助部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択することを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記表示オブジェクトは、変動表示ゲームにおいて同一の役割を果たす表示オブジェクトによってオブジェクトグループ(例えば、図柄オブジェクトグループ、キャラクタオブジェクトグループ、背景オブジェクトグループ)が設定され、前記オブジェクトベース選択手段は、前記オブジェクトグループ毎に表示役割を決定可能とし、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトグループ毎の表示役割に基づいて、オブジェクトグループ毎にオブジェクトベースを選択することを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記オブジェクトベース選択手段は、表示オブジェクト又は表示オブジェクトグループの表示役割が変更された場合に、所定の表示条件の成立に基づいてオブジェクトベースを切り替えることを特徴とする。
【0013】
第4の発明において、オブジェクトベースを切り替える所定の表示条件とは、例えば、図柄オブジェクトが横方向を向いた時等、表示オブジェクトの認識が困難であり、オブジェクトベースを切り替えて表示を変更しても違和感が生じない場合である。また、その他、表示オブジェクの前面に煙等を表示して、表示オブジェクトの視認性を悪くした状態でオブジェクトベースを変更する場合等も含まれる。
【0014】
第5の発明は、第1の発明において、前記表示制御手段には、前記表示制御手段の処理負荷を監視する負荷監視手段を備え、前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果と、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの変動表示ゲームにおける表示役割に基づいて前記オブジェクトベースを選択することを特徴とする。
【0015】
第6の発明は、第5の発明において、表示役割に応じて表示オブジェクトに優先順位を設定し、前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果で処理負荷が大きい場合、優先順位の低い表示オブジェクトにポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択することを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、図柄オブジェクトに配置された識別情報を更新する変動表示ゲームの表示制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技状態を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、同一の識別性を有する表示オブジェクトを生成するポリゴン量の異なる複数のオブジェクトベースを記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段の記憶内容から、各表示オブジェクトを構成するオブジェクトベースを選択するオブジェクトベース選択手段と、三次元仮想空間にオブジェクトベースを配置するオブジェクトベース配置手段と、前記三次元仮想空間に配置されたオブジェクトベースを用いて三次元立体形状の表示オブジェクトを生成する三次元オブジェクト生成手段と、前記三次元オブジェクト生成手段によって生成された表示オブジェクトを所定の描画条件により三次元画像として描画する描画手段と、を備え、前記オブジェクトベース選択手段は、変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの表示役割に基づいて、前記表示役割として表示の主要部となる表示オブジェクトにはポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択するので、各々のオブジェクトの表示役割によりオブジェクトベースが選択されることから、表示される三次元画像に演出アクセントをつけて表示できる。また、ポリゴン数の少ないオブジェクトベースを選択すると、ポリゴン数の多いオブジェクトベースを選択する場合に比べオブジェクトの演出が多少抑えた表示になり、表示制御手段の処理負担を軽減することができる。また、表示の主要部となる表示役割を有する表示オブジェクトと、表示の主要部とならない表示役割を有する表示オブジェクトとでポリゴン数の異なるオブジェクトベースを選択するので、遊技者に注視させたいオブジェクトは演出の程度を低下させることなく表現することができる。また、遊技者がそれほど注視しなくてもよい表示オブジェクトの演出を落とすことで、表示上の違和感を抑制しつつ、表示制御手段の処理負担を軽減することができる。
【0017】
また、前記オブジェクトベース選択手段は、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの表示役割に基づいてオブジェクトベースを選択するので、変動表示ゲームでの表示役割がゲーム種類毎に異なることから、変動表示ゲームの種類毎に注視させたい表示オブジェクトの演出を詳細な表示等によって明確にすることができる。例えば、リーチ変動表示ゲームをさせたい場合には、通常変動表示ゲームとは異なる注視させたい表示オブジェクトを、ポリゴン数多いオブジェクトベースで表現して、通常時と異なる演出であることを演出することもできる。
【0018】
第2の発明では、前記オブジェクトベース選択手段は、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態である場合に前記表示役割が表示の主要部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択し、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態でない場合に前記表示役割が表示の補助部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択するので、変動表示状態によって表示役割を変化させることができる。例えば、変動表示中の表示オブジェクトをメインとし、停止表示中の表示オブジェクトをサブとすることで、注視させたい表示オブジェクトを強調して演出することができる。
【0019】
第3の発明では、前記表示オブジェクトは、変動表示ゲームにおいて同一の役割を果たす表示オブジェクトによってオブジェクトグループが設定され、前記オブジェクトベース選択手段は、前記オブジェクトグループ毎に表示役割を決定可能とし、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトグループ毎の表示役割に基づいて、オブジェクトグループ毎にオブジェクトベースを選択するので、オブジェクトグループ毎に表示役割を異ならせることができるので、オブジェクトグループ毎に強調するオブジェクトグループと、強調しないオブジェクトグループと区別して演出表示することができる。
【0020】
第4の発明では、前記オブジェクトベース選択手段は、表示オブジェクト又は表示オブジェクトグループの表示役割が変更された場合に、所定の表示条件の成立に基づいてオブジェクトベースを切り替えるので、所定の表示条件が成立した場合にオブジェクトベースを切り替えることから、違和感のない切替表示をすることができる。例えば、多ポリゴンオブジェクトベースから少ポリゴンオブジェクトベースに変化させるとつながりの悪い、見た目の悪い演出となるが、表示オブジェクトの認識性が低下したとき(回転する図柄が横を向いたとき、画面外にいったん飛び出たとき、他のオブジェクトの陰に隠れたとき等)にオブジェクトベースを切り替えることで違和感なくオブジェクトベースを切り替えることができる。
【0021】
第5の発明では、前記表示制御手段には、前記表示制御手段の処理負荷を監視する負荷監視手段を備え、前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果と、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの変動表示ゲームにおける表示役割に基づいて前記オブジェクトベースを選択し、第6の発明では、表示役割に応じて表示オブジェクトに優先順位を設定し、前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果で処理負荷が大きい場合、優先順位の低い表示オブジェクトにポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択するので、表示制御手段の処理負担を軽減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
【0024】
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収納される。
【0025】
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には変動表示装置(特別図柄表示装置)8が配置され、遊技領域の下の方には大入賞口を備えた変動入賞装置10が配置される他、遊技領域には各入賞口12〜15、始動口16、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9等が配設されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
【0026】
変動表示装置8は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面部分(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(表示図柄)を含む複数の図柄オブジェクトが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
【0027】
変動表示装置8の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲートが配設される。
【0028】
本実施の形態の遊技機では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材により転動方向を変えられながら遊技領域表面を流下し、始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口12〜15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51.1〜51.N(図2参照)により検出される。
【0029】
始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
【0030】
始動口7へ遊技球の入賞があると、遊技球の入賞タイミングによって遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値及び大当り図柄乱数カウンタの値が抽出される。遊技制御装置100は、この乱数値に基づいて表示制御装置150に表示制御指令信号(変動表示コマンド)を送信する。そして、変動表示装置8では、前述した数字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームが開始し、変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図2参照)への通電により、大入賞口を所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。すなわち、特別変動入賞装置10は、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0031】
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄始動記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた所定数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて可変表示ゲームを行う。
【0032】
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図2参照)により検出される。
【0033】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲートへの通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド9A(図2参照)への通電により、始動口16への入口が所定の時間(例えば0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
【0034】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、普通図柄始動記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄始動記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄始動記憶の記憶数は変動入賞装置10の右側に設けられた所定数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0035】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤中央部に設けられたセンターケース(変動表示装置8の周囲)、遊技盤下部に設けられたアタッカー(変動入賞装置10の周囲)には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤の左右上部にはサイドケースランプが、遊技盤の左右側部にはサイドランプが設けられている。また、遊技枠には遊技枠装飾ランプが設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。
【0036】
カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32が設けられている。
【0037】
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。また、音出力装置(スピーカ)が設けられる。
【0038】
カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成され、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、球貸しを指令する球貸しスイッチ28、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
【0039】
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵されている。
【0040】
図2は、遊技制御装置100を中心とする遊技機1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0041】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0042】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ51.1〜51.N、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動センサ53、カウントセンサ54、継続センサ55)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、普通図柄表示器7、普通電動役物ソレノイド9A、大入賞口ソレノイド10A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0043】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0044】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置(センターケース内の装飾ランプ、アタッカー内の装飾ランプ、サイドランプ、サイドケースランプ、遊技枠装飾ランプ、報知ランプ31等)を制御する、また、特別図柄始動記憶表示器17、普通図柄始動記憶表示器19の表示を制御する。
【0045】
音制御装置300は、スピーカから出力される効果音を制御する。
【0046】
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
【0047】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
【0048】
表示制御手段を構成する表示制御装置150は、2次元(2D)及び三次元(3D)画像の表示制御を行うもので、表示制御手段として機能する。この表示制御装置150は、CPU151、VDP(3D画像描画手段として機能するVideo Display Processor)152、RAM153、154、インターフェース155、プログラム等を格納したROM156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したCGROM157、液晶を駆動するLCDインターフェース158等から構成される。
【0049】
CPU151は、PRGROM156に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの表示制御指令信号に基づいて、2Dの画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報の座標演算(ジオメトリ演算)等を行い、これらの演算結果をDRAM153に格納する。
【0050】
VDP152は、DRAM153に格納された画像情報に基づいて、2D又は3Dの画像を描画してフレームバッファとしてのDRAM154に格納する。そして、DRAM154の画像を所定のタイミング(垂直同期、水平同期)でLCDインターフェース158へ送出して、変動表示装置8に画像データを出力する。そして、変動表示装置8の表示画面には三次元画像が表示される。
【0051】
VDP152は、2Dと3Dの点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画等の描画処理を行い、さらに3D画像では、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、CPU151が設定した3DオブジェクトをフレームバッファとしてのDRAM154へ描画する。
【0052】
なお、VDP152と変動表示装置8との間のインターフェース158は、変動表示装置の種類に応じて適宜選択すればよく、ここでは変動表示装置8に液晶を用いたが、CRT、ELあるいはプラズマなどの表示素子を採用する場合には、これらの表示素子に対応するインターフェースを用いればよい。
【0053】
PRGROM156には、CPU151において実行されるプログラムの他、変動表示パターン毎に変動表示の手順を含む変動表示手順情報が記憶されている。この変動表示手順情報は、遊技制御装置100において乱数に基づいて選択され表示制御装置150に送られた表示制御指令信号に基づいてPRGROM156から読み出され、変動表示手順情報に基づいてCGROM157から読み出された図柄データによって、画像が変動表示装置8に表示される。
【0054】
CGROM157には、変動表示ゲームに用いる図柄オブジェクトなどの各図柄、背景、キャラクタ等の2Dデータ、3Dオブジェクトデータ、テクスチャデータが格納されている。
【0055】
遊技制御装置100からの表示制御指令信号を受信するインターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160が設けられ、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみが許容され、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。なお、遊技制御装置100と表示制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファ回路160には双方向バッファを用いることもできる。
【0056】
遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される信号には、停止図柄、変動過程を指示する表示制御指令信号が含まれている。表示制御装置150は、遊技制御装置100からの表示制御指令信号によって、対応する変動表示パターンで、変動表示される出現図柄、仮停止図柄を選択して、変動表示装置8に表示する。そして、最終的に本停止図柄として、遊技制御装置100から送信されてきた表示制御指令信号に対応する停止図柄を導出して表示する。
【0057】
このように、表示制御装置150によって表示制御手段が構成されている。具体的には、主にCGROM157によってデータ記憶手段が構成され、CPU151、VDP152で表示制御処理(図4、図5)が実行されることによって、オブジェクトベース選択手段、オブジェクトベース配置手段、三次元オブジェクト生成手段、描画手段が構成される。また、CPU151、VDP152の命令キューの命令の蓄積状況を監視することによって負荷監視手段が構成される。
【0058】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、変動表示装置8の変動表示領域を左、右、中の変動表示領域として説明する。
【0059】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示制御指令信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の表示画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。
【0060】
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、遊技制御装置100によって、所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当りの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示制御指令信号が送信され、変動表示装置8の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0061】
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止する。この仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
【0062】
変動表示の過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当りの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0063】
そして、乱数抽選の結果が大当りであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当りの組合せで停止して、大当りが発生する。
【0064】
この大当り遊技が発生すると、特別変動入賞装置10が所定期間にわたって開かれる特別遊技(大当り遊技)が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば、10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば、30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ54による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば、16ラウンド)繰り返される。また、大当り遊技が発生すると、大当りのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当りの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、変動表示装置8の表示画面に大当り遊技の表示が行われる。
【0065】
この場合、大当りが特定の大当りであれば、大当り遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当りの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普通図柄表示器7における変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
【0066】
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当り遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻される。
【0067】
なお、普通図柄始動ゲートを遊技球が通過すると、その通過又は普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器23に当たり表示が行われて、始動口16の普通変動入賞装置9が所定時間(例えば、0.5秒)にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
【0068】
図4は、表示制御装置150において実行される、三次元描画処理のフローチャートである。この三次元描画処理は、CPU151、VDP152を主体に行われる。
【0069】
後述するコマンド受信処理で、遊技制御装置100から表示制御指令信号を受信すると、3D表示を行うシーン及び3Dオブジェクトを決定する(S1)。すなわち、3D表示を行うシーンとして背景のオブジェクトベースが選択され、3Dオブジェクトとして図柄及びキャラクタのオブジェクトベースが選択される。このオブジェクトベースの選択は、後述するように、遊技状態や表示制御装置の稼動状態等に基づいて、細かなポリゴンによって構成されるメイン表示オブジェクトのオブジェクトベースか、粗いポリゴンによって構成されるサブ表示オブジェクトのオブジェクトベースかが選択される。
【0070】
そして、予め設定した仮想三次元空間(ワールド空間)内に、選択した3Dオブジェクトを配置するワールドトランスフォーム処理を行う(S2)。このワールドトランスフォーム処理は、各3Dオブジェクト毎に設定されたモデル空間をワールド空間に変換するものであり、3Dオブジェクトの回転やスケーリング、位置、サイズなどの変換が含まれる。
【0071】
次に、上記ステップS1で決定したシーンに対応したワールド空間内の視点(ビュー)の位置、方向から、ステップS2で求めたワールド空間を、視点を原点とするカメラ空間に変換する、ビュートランスフォーム処理を行う(S3)。
【0072】
そして、ステップS3のビュートランスフォーム処理で求めたカメラ空間を、カメラの視野(視野角)に対応する立体空間に変換する射影トランスフォーム処理を行う(S4)。これにより、視野内の3Dオブジェクトを抽出するとともに、カメラに近い3Dオブジェクトは大きく拡大され、カメラから遠い3Dオブジェクトは縮小される。
【0073】
そして、上記カメラの視野に対応した立体空間内の3Dオブジェクト(ポリゴンデータ)を、変動表示装置8のスクリーン座標(表示領域)に対応する立方体空間に変換するクリッピング処理を行う(S5)。
【0074】
上記ステップS2〜S5の処理が、いわゆるジオメトリ演算であり、ここではCPU151がジオメトリ演算処理を行い、VDP152がジオメトリ演算以降のラスタライズ処理を行う例を示している。
【0075】
次に、ステップS5でクリッピングされた立方体内の各ポリゴンデータについて、仮想三次元空間に設定された光源に基づいてライティング処理を行う(S6)。このライティングの一例としては、陰影やポリゴンの素材に応じた反射等を演算する。このとき、S5までの処理で演算された他の図柄オブジェクトの描画にも用いられるポリゴンデータ(S10にて異なるフレームバッファに書き込まれる図柄オブジェクト)については、そのポリゴンデータが使用される全ての図柄オブジェクト(元となる図柄オブジェクトとポリゴンデータが複写して使用される図柄オブジェクトの両方)に、平行光線によるライティング処理をする。すなわち、表示制御装置は、一のポリゴン演算によって算出された描画データに平行光線を発する光源に基づいたライティング処理をして、前記同一のポリゴンを有する複数の図柄オブジェクトを描画する。
【0076】
そして、各ポリゴンの表面に所定のテクスチャを貼り付けるテクスチャマッピングを行って、3Dオブジェクトの外観を決定する(S7)。このテクスチャマッピングでは、単純なテクスチャの貼り付けだけではなく、ライトマッピングや環境マッピング、バンプマッピングなどのテクスチャに対して、所定の処理をしてから3Dオブジェクトに貼り付ける処理も行う。
【0077】
次に、ステップS7のテクスチャマッピングを終了した各ポリゴン上のピクセルに対して深度(奥行)情報を決定する(S8)。すなわち、全てのポリゴンのピクセル毎に深度情報を調べ、深度バッファに記憶された深度よりも、カメラに近い場合にそのピクセルを表示するとともに、深度バッファの深度情報を更新する。全てのポリゴンについて、この処理を行うことにより、完全にレンダリングされた2Dの描画データが完成する。
【0078】
そして、この2Dの描画データを、DRAM154に設けられたフレームバッファへ書き込む(S9)。以上の処理によって、1フレーム分の3D画像が生成される。
【0079】
そして、描画データの必要な部分を、DRAM154に設けられた異なるフレームバッファへ書き込む(S10)。そして、描画データが書き込まれたフレームバッファを合成して表示(オーバーレイ表示)をする(S11)。
【0080】
このように、上記ステップS1〜S11を繰り返し実行することにより、遊技制御装置100の指令に応じた3D画像の表示を行うことが可能となる。
【0081】
図5は、表示制御装置150において実行される、三次元描画処理の別のフローチャートである。
【0082】
図5に示す三次元描画処理では、図4で説明した三次元描画処理と異なり、描画データを書き込むフレームバッファを一つだけ用いる処理について説明する。図5に示す三次元描画処理のレンダリング処理終了まで(S21〜S28)は、図4で説明したステップS1〜S8の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
ステップS28でレンダリング処理が終了すると、一画面に複数表示される図柄オブジェクトの表示位置が計算される。この表示位置の計算は、既知の位置に表示される図柄オブジェクトからの相対的位置を計算する方法と、複数の図柄オブジェクトの絶対的位置(フレームバッファ上の位置座標)を計算する方法とがある。そして、計算された表示位置からオフセット量が設定される(S29)。
【0084】
そして、複数回の描画が必要な部分の描画データと、ステップS29で設定されたオフセット値を用いて、同じ図形の図柄オブジェクトのデータ(描画データ)を生成する(S30)。
【0085】
そして、描画データをDRAM154に設けられた異なるフレームバッファへ書き込む(S31)。このフレームバッファへの書き込みは、ステップS28までのレンダリング処理で生成された描画データと、オフセット等の処理(S29、S30)によって生成した図柄オブジェクトの描画データとの双方が書き込まれる。
【0086】
なお、図4、図5の表示制御は、CPU151やVDP152のアーキテクチャ等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、図4のステップS2〜S5をCPU151で行う一例を示したが、VDP152がステップS2以降の処理を実行することもでき、また、上記ステップS2以降の処理を、VDP152のハードウェアで実行することも可能である。
【0087】
図6は、表示制御装置150において実行される、コマンド受信処理のフローチャートである。
【0088】
遊技制御装置100から表示制御装置150へは、遊技制御装置100の動作周期(例えば2ミリ秒)に従ったパルス信号による通信割込信号が送出され、通信割込信号に同期して遊技制御装置100から表示制御装置150に表示制御指令信号(表示制御コマンド)が送られてくる。表示制御装置150は、通信割込信号を検出すると、CPUに割込を発生させて、コマンド受信処理を実行する。
【0089】
コマンド受信処理では、表示制御装置150は、通信割込信号にあわせて遊技制御装置100からの表示制御指令信号を読み込む(S41)。そして、受信した表示制御指令信号から表示する内容(リーチの種類など)を解析して、変動パターンをセットする(S42)。そして、表示制御のメインルーチンに戻る。
【0090】
なお、表示制御指令信号が、変動パターンに関するものではなく、変動表示の態様として図柄オブジェクトの表示態様(例えば、ライティング)を変化させる表示制御指令信号であるときは、その表示態様に関するデータをセットするように構成することもできる。
【0091】
図7〜図10は、図柄オブジェクトを構成するオブジェクトベース(立体図形のポリゴンデータ)を示す。図7は、ポリゴン数が多いオブジェクトベースの斜視図であり、図8は、ポリゴン数が多いオブジェクトベースの正面図である。また、図9は、ポリゴン数が少ないオブジェクトベースの斜視図であり、図10は、ポリゴン数が少ないオブジェクトベースの正面図である。
【0092】
すなわち、図7、図8に示すオブジェクトベースはポリゴン数が多いので、図柄オブジェクトはメイン表示オブジェクトとして滑らかな線で表現される。一方、図9、図10に示すオブジェクトベースはポリゴン数が少ないので、図柄オブジェクトはサブ表示オブジェクトとして粗い角張った線で表現される。
【0093】
図11には、変動表示状態による表示図柄のオブジェクトベースの切替の態様を示す。
【0094】
左、右、中の各図柄が変動表示している状態では、左図柄群、右図柄群及び中図柄群のうち、先に停止する左図柄群(第1停止図柄群)及び右図柄群(第2停止図柄群)をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示し、遅れて停止する中図柄群(第3停止図柄群)をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示する。これによって、メイン表示オブジェクトで表示する先に停止する図柄に対する遊技者の注視度を向上させ、リーチ状態発生への期待感を向上させる。
【0095】
また、左、右の各図柄が仮停止しており(中図柄のみが変動表示しており)、左、右の図柄が同一の識別情報を表示して停止した状態(リーチが発生していない状態)では、左図柄群、右図柄群及び中図柄群の全てをポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示して、図柄に対する遊技者の注視度を低下させ、大当りへの期待感を低下させる。
【0096】
一方、左、右の各図柄が仮停止しており(中図柄のみが変動表示しており)、左、右の図柄が同一の識別情報を表示して仮停止したリーチ状態では、仮停止している左図柄及び右図柄をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示し、変動表示している中図柄群をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示する。これによって、メイン表示オブジェクトで表示する変動表示中の図柄に対する遊技者の注視度を向上させ、大当り状態発生への期待感を向上させる。
【0097】
また、左、右、中の全図柄が停止した状態では、全図柄の変動表示中と同様に、左図柄及び右図柄をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示し、中図柄群をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示する。
【0098】
本発明の実施の形態の三次元描画処理では、前述した図11の変動状態に基づくオブジェクトベースの選択をするために、前述した三次元描画処理(図4、図5)に加え、以下に説明する処理を行う。
【0099】
図12は、本発明の実施の形態の遊技機における、変動表示状態検出処理のフローチャートである。
【0100】
図12に示す変動表示状態検出処理では、表示制御装置150のCPU151は、受信した遊技制御装置100からの表示制御指令信号を解析し、表示制御指令信号及び変動表示開始からの経過時間によって変動表示状態を検出する。
【0101】
まず、変動開始コマンド及び変動終了コマンドの受信状況によって、変動表示中であるかを判定する(S101)。そして、変動表示中でなければ(全図柄停止状態であれば)、各図柄列の図柄オブジェクトのポリゴン数に関係するフラグを(1、0、1)に設定する(S104)。
【0102】
このフラグは(左図柄フラグ、中図柄フラグ、右図柄フラグ)によって構成されており、各図柄フラグは各図柄列の図柄オブジェクトのポリゴン数に関係する。また、各フラグの値は「0」又は「1」をとる。フラグが「0」であると、ポリゴン数が少ないオブジェクトベースが選択され、図柄オブジェクトがサブ表示オブジェクトとして荒く表示される。一方、フラグが「1」であると、ポリゴン数が多いオブジェクトベースが選択され、図柄オブジェクトがメイン表示オブジェクトとして詳細に表示される。
【0103】
よって、前述したフラグ(1、0、1)によると、左図柄及び右図柄にはメイン表示オブジェクトのオブジェクトベースが選択され、中図柄にサブ表示オブジェクトのオブジェクトベースが選択されることを意味する。
【0104】
そして、変動表示中であれば(S101にて”YES”)、先に停止する図柄(例えば、左図柄(第1停止図柄)と右図柄(第2停止図柄))が仮停止しているか(中図柄(第3停止図柄)のみが変動表示しているか)を判定する(S102)。左右の図柄が仮停止していない(全図柄が変動表示中)と判定されたら、前述と同様にフラグを(1、0、1)に設定する(S104)。
【0105】
一方、左右の図柄が仮停止している(中図柄のみ変動表示中)と判定されたら、左右の図柄が同一の識別情報を表示して仮停止しているか(リーチ状態であるか)否かを判定する(S103)。そして、リーチ状態であれば、フラグを(0、1、0)に設定する(S105)。一方、リーチ状態でなければ、フラグを(0、0、0)に設定する(S106)。
【0106】
このように変動表示中において各図柄オブジェクトの変動状態を検出して、変動表示状態で図柄オブジェクトの表示役割を変化させて、図柄オブジェクトを構成するオブジェクトベースを変更するので、注視させたい図柄オブジェクト演出を強調することができる。
【0107】
図13は、本発明の実施の形態の遊技機における、オブジェクトベース選択処理のフローチャートであり、前述した三次元描画処理のオブジェクトの決定(図4のS1、図5のS21)において実行され、このオブジェクトベース選択処理では、前述した変動表示状態検出処理(図12)において設定されたフラグを参照して、複数準備されたオブジェクトベースのうちから、適切なポリゴン数のオブジェクトベースが選択される。
【0108】
3Dオブジェクトを決定する際に、まず、左図柄フラグが参照される(S111)。そして、左図柄フラグが「1」であれば、ポリゴン数が多く、詳細な表示が可能なメイン表示オブジェクトのオブジェクトベースを左図柄に選択する(S112)。一方、左図柄フラグが「0」であれば、ポリゴン数が少なく、粗い表示しかされないサブ表示オブジェクトのオブジェクトベースを左図柄に選択する(S113)。
【0109】
次に、中図柄フラグが参照される(S114)。そして、中図柄フラグが「1」であれば、ポリゴン数が多く、詳細な表示が可能なメイン表示オブジェクトのオブジェクトベースを中図柄に選択する(S115)。一方、中図柄フラグが「0」であれば、ポリゴン数が少なく、粗い表示しかされないサブ表示オブジェクトのオブジェクトベースを中図柄に選択する(S116)。
【0110】
最後に、右図柄フラグが参照される(S117)。そして、右図柄フラグが「1」であれば、ポリゴン数が多く、詳細な表示が可能なメイン表示オブジェクトのオブジェクトベースを右図柄に選択する(S116)。一方、右図柄フラグが「0」であれば、ポリゴン数が少なく、粗い表示しかされないサブ表示オブジェクトのオブジェクトベースを右図柄に選択する(S117)。
【0111】
図14は、本発明の実施の形態の遊技機における、変動表示の一例を示す図であり、左、右、中の各図柄が変動表示している状態を示す。
【0112】
図14(a)に示す状態では、左図柄(第1停止図柄)及び右図柄(第2停止図柄)は水平方向に回転しながら次の識別情報へ変動する回転変動をしており、左図柄は数字が増加する方向に、右図柄は数字が減少する方向に変動している。また、中図柄(第3停止図柄)は、上下方向に図柄が順次移動して、識別情報が変動する縦スクロール変動をしている。
【0113】
このとき、先に停止する左図柄群及び右図柄群をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示し、遅れて停止する中図柄群をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示する(図11の「左、右、中図柄変動」状態)。
【0114】
図14(b)に示す状態では、左図柄及び右図柄は視点と異なる方向(斜め方向)を向いており、中図柄列では図柄がスクロールして、異なる図柄が画面中央に現れている。
【0115】
図14(c)に示す状態では、左図柄及び右図柄は横方向を向いて、その側面が表示されており、この状態で左図柄及び右図柄は次の図柄に切り替えられる。また、中図柄列ではさらに図柄がスクロールして、異なる図柄が画面中央に現れている。
【0116】
図14(d)に示す状態では、左図柄及び右図柄は視点と異なる方向(斜め方向)を向いており、次の図柄が表示されている。また、中図柄列ではさらに図柄がスクロールして、異なる図柄が画面中央に現れている。
【0117】
このように、図14に示す変動表示例では、先に停止する左図柄及び右図柄をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示して、左図柄及び右図柄に対する遊技者の注視度を向上させ、リーチ状態発生への期待感を向上させる。
【0118】
図15は、本発明の実施の形態の遊技機における、変動表示の一例を示す図であり、リーチ発生状態で中図柄が変動表示している状態を示す。
【0119】
図15(a)に示す状態では、左図柄(第1停止図柄)及び右図柄(第2停止図柄)は同一の識別情報を表示して仮停止している。また、中図柄(第3停止図柄)は、上下方向に図柄が順次移動して、識別情報が変動する縦スクロール変動をしている。このとき、仮停止している左図柄及び右図柄をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示し、変動表示している中図柄群をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示する(図11の「左、右図柄停止 中図柄変動 リーチ発生」状態)。すなわち、図14に示す変動表示状態から、リーチ状態の成立に伴い、左図柄及び右図柄はメイン表示オブジェクトによる表示からポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトによる表示に変更され、中図柄はサブ表示オブジェクトによる表示からポリゴン数の多いサブ表示オブジェクトによる表示に変更される。
【0120】
そして、中図柄が一旦停止して(図15(b))、スクロール変動から回転変動に移行する(図15(c)、図15(d))。
【0121】
このように、図15に示す変動表示例では、リーチ状態でも変動表示している中図柄群をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示して、中図柄に対する遊技者の注視度を向上させ、大当り状態発生への期待感を向上させる。
【0122】
図16は、本発明の実施の形態の遊技機における、変動表示の一例を示す図であり、リーチ発生状態で中図柄が変動表示している状態を示す。
【0123】
図16に示す状態では、左図柄及び右図柄は同一の識別情報を表示して仮停止している。また、中図柄は水平方向に回転しながら次の識別情報へ変動する回転変動をしている。このとき、仮停止している左図柄及び右図柄をポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示し、変動表示している中図柄群をポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示する。(図11の「左、右図柄停止 中図柄変動 リーチ発生」状態)。
【0124】
図17は、本発明の実施の形態の遊技機における、変動表示の一例を示す図であり、リーチ発生状態からハズレ確定又は大当り確定までの状態を示す。
【0125】
図17(a)に示す状態では、前述した図15(c)、図15(d)、図16と同様に、左図柄(第1停止図柄)及び右図柄(第2停止図柄)は同一の識別情報を表示して仮停止している。また、中図柄(第3停止図柄)は水平方向に回転しながら次の識別情報へ変動する回転変動をしており、中図柄は横方向を向いてその側面が表示されている。
【0126】
そして、図17(a)に示す状態で中図柄が「9」に切り替わり、中図柄が徐々に回転して正面を向き(図17(b)、(c))、他の図柄と異なる識別情報で中図柄が停止し(図17(d))、ハズレが確定する。このとき、
左図柄、右図柄及び中図柄にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、各図柄はサブ表示オブジェクトで表示される。
【0127】
一方、図17(a)に示す状態で中図柄が切り替わらず、「8」のままであると、中図柄が徐々に回転して正面を向き(図17(e)、(f))、全図柄が同一の識別情報で揃った大当り状態で中図柄が停止し(図17(g))、大当りが確定する。このとき、左図柄、右図柄及び中図柄にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、各図柄はメイン表示オブジェクトで表示される。
【0128】
すなわち、表示される複数の図柄オブジェクトを、ポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトとポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトとに分類して、左図柄群(第1停止図柄群)及び右図柄群(第2停止図柄群)はメイン表示オブジェクトとし、中図柄群(第3停止図柄群)をサブ表示オブジェクトとするので、通常のハズレ変動表示ではリーチになるか否かに注視することから、左図柄群(第1停止図柄群)及び右図柄群(第2停止図柄群)を綺麗な図柄オブジェクトで表現することができる。
【0129】
なお、変動表示ゲームの途中で、メイン表示オブジェクトとサブ表示オブジェクトとを変更するようにしてもよい。例えば、変動開始時には左図柄群、右図柄群はメイン表示オブジェクトとし、中図柄群をサブ表示オブジェクトにする。そして、リーチ状態では、左図柄群、右図柄群はサブ表示オブジェクトに変更し、中図柄群をメイン表示オブジェクトに変更してもよい。
【0130】
図18には、変動表示状態によるキャラクタオブジェクトのオブジェクトベースの切替の態様を示す。このキャラクタオブジェクトは、変動表示ゲームにおいて、識別情報(図柄)と共に表示され、変動表示ゲームに変化を加えるものである。
【0131】
始動口7への遊技球の入賞によって抽出された特別図柄乱数カウンタ値及び大当り図柄乱数カウンタ値によって定められた変動表示ゲームの態様がリーチ状態にもならない変動表示ゲームA(一般はずれ変動)である場合、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCはポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示され、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCのいずれも遊技者に対する注視度を等しくする。
【0132】
また、変動表示ゲームの態様が、キャラクタBに関連する図柄とキャラクタCに関連する図柄とについて同一の識別情報が導出されるリーチ状態となる変動表示ゲームB(リーチ▲1▼はずれ変動)である場合、仮停止状態となっている図柄に関係するキャラクタB及びキャラクタCにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタB及びキャラクタCはポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示される。一方、リーチ状態でも変動表示をしている図柄に関係するキャラクタAにはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタAはポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示される。これによって、メイン表示オブジェクトで表示する変動表示中の図柄、及び、この図柄に関係するキャラクタに対する遊技者の注視度を向上させ、大当り状態発生への期待感を向上させる。
【0133】
また、変動表示ゲームの態様が、キャラクタAに関連する図柄とキャラクタCに関連する図柄とについて同一の識別情報が導出されるリーチ状態となる変動表示ゲームC(リーチ▲2▼はずれ変動)である場合、仮停止状態となっている図柄に関係するキャラクタA及びキャラクタCにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタA及びキャラクタCはポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示される。一方、リーチ状態でも変動表示をしている図柄に関係するキャラクタBはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタBはポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示される。これによって、メイン表示オブジェクトで表示する変動表示中の図柄、及び、この図柄に関係するキャラクタに対する遊技者の注視度を向上させ、大当り状態発生への期待感を向上させる。
【0134】
また、変動表示ゲームの態様が、キャラクタAに関連する図柄、キャラクタBに関連する図柄及びキャラクタCに関連する図柄について同一の識別情報が導出される大当り状態となる変動表示ゲームD(大当り変動)である場合、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCはポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示され、大当りの演出表示をする。
【0135】
すなわち、変動表示ゲーム毎(変動表示ゲームの種類毎)に、メイン表示オブジェクトとサブ表示オブジェクトとを変動表示ゲームの進行に応じて、変動表示ゲームの途中で変更するようにしたので、例えば、変動開始時には左図柄群、右図柄群はメイン表示オブジェクトにし、中図柄群をサブ表示オブジェクトにしておき、リーチが発生する場合には、左図柄群、右図柄群はサブ表示オブジェクトに変更し、中図柄群をメイン表示オブジェクトに変更するので、変動表示演出アクセントをつけることができると共に、表示制御装置150の処理負担を軽減することができる。
【0136】
なお、変動表示ゲーム毎(変動表示ゲームの種類毎)に、各オブジェクトを、メイン表示オブジェクトとサブ表示オブジェクトとに変化させてもよい。例えば、ハズレ(通常変動)の変動表示ゲームでは、図柄オブジェクトをメイン表示オブジェクトにし、キャラクタオブジェクト及び背景オブジェクトをサブ表示オブジェクトにする。そして、リーチ状態では、キャラクタオブジェクトをメイン表示オブジェクトにし、図柄オブジェクト及び背景をサブ表示オブジェクトにするとよい。
【0137】
以上図18を用いて説明したオブジェクトベースの選択は、前述した変動表示状態検出処理(図12)と同様の手順で行われる。すなわち、キャラクタの変動表示状態を検出して、キャラクタ毎にフラグが設定される。そして、三次元描画処理のオブジェクトの決定(図4のS1、図5のS21)において、キャラクタの変動表示状態により設定されたフラグを参照して、複数準備されたオブジェクトベースのうちから、適切なポリゴン数のオブジェクトベースが選択される。
【0138】
図19には、変動表示の態様による図柄、キャラクタ及び背景のオブジェクトベースの切替の態様を示す。
【0139】
図柄、キャラクタ及び背景共に変動している状態では、図柄にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、図柄がサブ表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタ及び背景にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタ及び背景がメイン表示オブジェクトで表示され、変動表示を演出するキャラクタ及び背景を滑らかな図柄で表現して、キャラクタ及び背景に対する遊技者の注視度を向上させる。
【0140】
また、図柄及びキャラクタが変動している状態で、背景が変動していない状態では、図柄及びキャラクタにはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、図柄及びキャラクタがメイン表示オブジェクトで表示される。一方、背景にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、背景がサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていない背景に対する遊技者の注視度を低下させる。
【0141】
また、図柄及び背景が変動している状態で、キャラクタが変動していない状態では、図柄及び背景にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、図柄及び背景がメイン表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタがサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていないキャラクタに対する遊技者の注視度を低下させる。
【0142】
また、図柄変動状態で、キャラクタ及び背景が変動していない状態では、図柄にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、図柄がメイン表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタ及び背景にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタ及び背景がサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていないキャラクタ及び背景に対する遊技者の注視度を低下させる。
【0143】
また、図柄が仮停止状態で、キャラクタ及び背景が変動している状態では、図柄にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、図柄がサブ表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタ及び背景にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタ及び背景がメイン表示オブジェクトで表示され、変動表示を演出するキャラクタ及び背景を滑らかな図柄で表現して、キャラクタ及び背景に対する遊技者の注視度を向上させる。
【0144】
また、図柄が仮停止状態で、キャラクタ変動し、背景が変動していない状態では、キャラクタにはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタがメイン表示オブジェクトで表示される。一方、図柄及び背景にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、図柄及び背景がサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていない図柄及び背景に対する遊技者の注視度を低下させる。
【0145】
また、図柄が仮停止状態で、キャラクタが変動しておらず、背景が変動している状態では、背景にはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、背景がメイン表示オブジェクトで表示される。一方、図柄及びキャラクタがポリゴン数の少ないオブジェクトベースで選択され、図柄及びキャラクタがサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていない図柄及びキャラクタに対する遊技者の注視度を低下させる。
【0146】
また、図柄が仮停止状態で、キャラクタも背景も変動していない状態では、図柄、キャラクタ及び背景にはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、図柄、キャラクタ及び背景がサブ表示オブジェクトで表示され、変動表示をしていない図柄、キャラクタ及び背景に対する遊技者の注視度を低下させる。
【0147】
すなわち、キャラクタ背景ともに変動している状態を除いて、図柄変動状態では図柄がメイン表示オブジェクトで表示され、図柄仮停止状態では図柄がサブ表示オブジェクトで表示される。そして、変動表示をしているオブジェクトに遊技者の注視度が高まるように、オブジェクトベースのポリゴン数を切り替えている。
【0148】
すなわち、変動表示ゲームで変動する表示オブジェクトを、メイン表示オブジェクト(例えば、図柄)、サブ表示オブジェクト(例えば、予告を行うキャラクタ)などに分類し、メイン表示オブジェクトは多ポリゴンオブジェクトベースで表示し、サブ表示オブジェクトは少ポリゴンオブジェクトベースで表示するので、変動表示演出アクセントをつけることができると共に、表示制御装置150の処理負担を軽減することができる。
【0149】
以上図19を用いて説明したオブジェクトベースの選択では、前述した変動表示状態検出処理(図12)と同様に、図柄、キャラクタ、背景の各オブジェクトの変動表示状態を検出して、各オブジェクトに設定されたグループ(図柄、キャラクタ、背景)毎にフラグが設定される。そして、三次元描画処理のオブジェクトの決定(図4のS1、図5のS21)において、各オブジェクトの変動表示状態によって設定されたフラグを参照して、複数準備されたオブジェクトベースのうちから、適切なポリゴン数のオブジェクトベースが選択される。
【0150】
図20には、表示演算処理負荷によるキャラクタのオブジェクトベースの切替の態様を示す。
【0151】
各キャラクタオブジェクトは、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタCの順で表示の優先度が設定されている。そして、表示演算処理負荷を監視して、表示演算処理負荷が小さいときは、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCの全てについてポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCの全てがメイン表示オブジェクトで表示される。
【0152】
また、表示演算処理負荷が中程度のときは、優先度の高いキャラクタA及びキャラクタBにはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタA及びキャラクタBはメイン表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタCにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタCはポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示される。
【0153】
また、表示演算処理負荷が大きいときは、優先度の高いキャラクタAにはポリゴン数の多いオブジェクトベースが選択され、キャラクタAはメイン表示オブジェクトで表示される。一方、キャラクタB及びキャラクタCにはポリゴン数の少ないオブジェクトベースが選択され、キャラクタB及びキャラクタCはサブ表示オブジェクトで表示される。
【0154】
この表示演算処理負荷は、CPU151、VDP152の命令キューの命令の蓄積状況を監視して判定される。例えば、モーフィング機能を使用したり、光源を追加すると三次元描画処理の負荷が増加して、演算処理待ちの命令キューが蓄積する。そして、判定された負荷量に基づいて各キャラクタ毎のフラグが設定される。そして、三次元描画処理のオブジェクトの決定(図4のS1、図5のS21)において、キャラクタの変動表示状態によって設定されたフラグを参照して、複数準備されたオブジェクトベースのうちから、適切なポリゴン数のオブジェクトベースが選択される。
【0155】
すなわち、表示演算処理負荷が小さいときは、優先度の低いキャラクタもポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示されるが、表示演算処理負荷が大きいときは、優先度の高いキャラクタのみがポリゴン数の多いメイン表示オブジェクトで表示され、優先度の低いキャラクタはポリゴン数の少ないサブ表示オブジェクトで表示されるので、変動表示演出アクセントをつけることができると共に、表示制御装置150の処理負担を軽減することができる。
【0156】
このように本発明の実施の形態の遊技機では、図柄オブジェクトに配置された識別情報を更新して変動表示ゲームの表示制御を行う表示制御装置150が、同一の識別性を有する表示オブジェクト(図柄オブジェクト、装飾オブジェクト(キャラクタオブジェクト、背景オブジェクト))を生成するポリゴン量の異なる複数のオブジェクトベースを記憶するCGROM157を備え、CGROM157の記憶内容から、各表示オブジェクトを構成するオブジェクトベースを選択するオブジェクトベース選択手段と、三次元仮想空間にオブジェクトベースを配置するオブジェクトベース配置手段と、前記三次元仮想空間に配置されたオブジェクトベースを用いて三次元立体形状の表示オブジェクトを生成(例えば、モデリング、ライト設定、テクスチャ設定)する三次元オブジェクト生成手段と、前記三次元オブジェクト生成手段によって生成された表示オブジェクトを所定の描画条件により三次元画像として描画(例えば、レンダリング)する描画手段とをCPU151及びVDP152によって実現し、前記オブジェクトベース選択手段は、前記表示オブジェクトの表示役割に基づいて、前記変動表示ゲームにおいて表示の主要部となる表示オブジェクトにはポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択し、表示の主要部とならない表示オブジェクトにはポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択するので、各々のオブジェクトの表示役割によりオブジェクトベースが選択されることから、表示される三次元画像に演出アクセントをつけて表示できる。また、ポリゴン数の少ないオブジェクトベースを選択すると、ポリゴン数の多いオブジェクトベースを選択する場合に比べオブジェクトの演出が多少抑えた表示になり、表示制御装置150の処理負担を軽減することができる。また、表示の主要部となる表示役割を有する表示オブジェクトと、表示の主要部とならない表示役割を有する表示オブジェクトとでポリゴン数の異なるオブジェクトベースを選択するので、遊技者に注視させたいオブジェクトは演出の程度を低下させることなく表現することができると共に、遊技者がそれほど注視しなくてもよい表示オブジェクトの演出を落とすことで、表示上の違和感を抑制しつつ、表示制御装置150の処理負担を軽減することができる。
【0157】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示す正面図である。
【図2】同じく制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】同じく遊技機の状態遷移図である。
【図4】同じく三次元描画処理のフローチャートである。
【図5】同じく三次元描画処理のフローチャートである。
【図6】同じくコマンド受信処理のフローチャートである。
【図7】同じくオブジェクトベースの説明図である。
【図8】同じくオブジェクトベースの説明図である。
【図9】同じくオブジェクトベースの説明図である。
【図10】同じくオブジェクトベースの説明図である。
【図11】同じく表示図柄のオブジェクトベースの切替の態様を説明する図表である。
【図12】同じく変動表示状態検出処理のフローチャートである。
【図13】同じくオブジェクトベース選択処理のフローチャートである。
【図14】同じく変動表示ゲームの変動表示の一例の説明図である。
【図15】同じく変動表示ゲームの変動表示の一例の説明図である。
【図16】同じく変動表示ゲームの変動表示の一例の説明図である。
【図17】同じく変動表示ゲームの変動表示の一例の説明図である。
【図18】同じくキャラクタオブジェクトのオブジェクトベースの切替の態様を説明する図表である。
【図19】同じく図柄、キャラクタ及び背景のオブジェクトベースの切替の態様を説明する図表である。
【図20】同じくキャラクタのオブジェクトベースの切替の態様を説明する図表である。
【符号の説明】
1 遊技機
8 変動表示装置
100 遊技制御装置
150 表示制御装置

Claims (6)

  1. 図柄オブジェクトに配置された識別情報を更新する変動表示ゲームの表示制御を行う表示制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技状態を付与可能な遊技機において、
    前記表示制御手段は、
    同一の識別性を有する表示オブジェクトを生成するポリゴン量の異なる複数のオブジェクトベースを記憶するデータ記憶手段と、
    前記データ記憶手段の記憶内容から、各表示オブジェクトを構成するオブジェクトベースを選択するオブジェクトベース選択手段と、
    三次元仮想空間にオブジェクトベースを配置するオブジェクトベース配置手段と、
    前記三次元仮想空間に配置されたオブジェクトベースを用いて三次元立体形状の表示オブジェクトを生成する三次元オブジェクト生成手段と、
    前記三次元オブジェクト生成手段によって生成された表示オブジェクトを所定の描画条件により三次元画像として描画する描画手段と、を備え、
    前記オブジェクトベース選択手段は、変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの表示役割に基づいて、前記表示役割として表示の主要部となる表示オブジェクトにはポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択することを特徴とする遊技機。
  2. 前記オブジェクトベース選択手段は、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態である場合に前記表示役割が表示の主要部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の多いオブジェクトベースを選択し、前記表示オブジェクトの表示状態が変動表示状態でない場合に前記表示役割が表示の補助部となる表示オブジェクトとしてポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記表示オブジェクトは、変動表示ゲームにおいて同一の役割を果たす表示オブジェクトによってオブジェクトグループが設定され、
    前記オブジェクトベース選択手段は、前記オブジェクトグループ毎に表示役割を決定可能とし、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトグループ毎の表示役割に基づいて、オブジェクトグループ毎にオブジェクトベースを選択することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一つに記載の遊技機。
  4. 前記オブジェクトベース選択手段は、表示オブジェクト又は表示オブジェクトグループの表示役割が変更された場合に、所定の表示条件の成立に基づいてオブジェクトベースを切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の遊技機。
  5. 前記表示制御手段には、前記表示制御手段の処理負荷を監視する負荷監視手段を備え、
    前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果と、前記変動表示ゲームに応じて決定された前記表示オブジェクトの変動表示ゲームにおける表示役割に基づいて前記オブジェクトベースを選択することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  6. 表示役割に応じて表示オブジェクトに優先順位を設定し、
    前記オブジェクトベース選択手段は、前記負荷監視手段の監視結果で処理負荷が大きい場合、優先順位の低い表示オブジェクトにポリゴン量の少ないオブジェクトベースを選択することを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
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