JP2005192582A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像データの実際の使用頻度に則して画像データを展開記憶手段に残すという実際の使用頻度に則したキャッシュ管理を可能にする。
【解決手段】 各種変動パターンに対応する複数種類の圧縮画像データが記憶されているCGROMから指定された圧縮画像データ(リーチAの圧縮画像データ)を読出して伸張したリーチAの画像データを第2VRAMのキャッシュ領域に記憶してキャッシュ管理を行なうとともに、該キャッシュ領域に記憶された画像データを特別図柄表示部に表示させる。伸張されたリーチAの画像データをキャッシュ領域に記憶させる際に、キャッシュ領域内の複数の画像データのうち実際に画像表示に使用された使用頻度の一番低い変動パターンの画像データ(リーチDの画像データ)の記憶領域に上書き保存して残しておくようにする。
【選択図】 図14
【解決手段】 各種変動パターンに対応する複数種類の圧縮画像データが記憶されているCGROMから指定された圧縮画像データ(リーチAの圧縮画像データ)を読出して伸張したリーチAの画像データを第2VRAMのキャッシュ領域に記憶してキャッシュ管理を行なうとともに、該キャッシュ領域に記憶された画像データを特別図柄表示部に表示させる。伸張されたリーチAの画像データをキャッシュ領域に記憶させる際に、キャッシュ領域内の複数の画像データのうち実際に画像表示に使用された使用頻度の一番低い変動パターンの画像データ(リーチDの画像データ)の記憶領域に上書き保存して残しておくようにする。
【選択図】 図14
Description
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、画像を変動表示する表示領域を有する画像表示装置を備える遊技機に関する。
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、各々を識別可能な複数種類の識別情報が変動する画面を表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば、「777」等のゾロ目)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御されるように構成されたものがある。
このような遊技機において、変動表示装置の表示領域に表示するための複数種類の画像データが圧縮された圧縮画像データを記憶している圧縮画像データ記憶手段(CGROM)から圧縮画像データを読出して伸張し、その伸張された画像データをフレームバッファ(スクリーンバッファ)等に展開記憶させ、その展開記憶された画像データを変動表示装置に出力して表示させるよう構成されたものがある(たとえば、特許文献1参照)。そして、この従来の遊技機においては、予め決められたストーリー(シナリオ)に従って画像が変動表示装置に表示され、そのストーリー(シナリオ)に従って頻繁に表示される画像とそれほど頻繁に表示されない画像とが予め決められている。そして、表示頻度の高い画像に関しては、伸張された画像データの形で展開記憶手段(キャッシュ領域)に記憶(登録)して表示後においても残しておくように構成し、次回の画像表示のときに表示すべき画像データが展開記憶手段(キャッシュ領域)に記憶されておれば、その画像データを読出して変動表示装置に表示させる制御を行なうことができ、展開記憶手段(キャッシュ領域)に記憶されている画像データについては、圧縮画像データの伸張展開制御を行なう手間を省き、圧縮画像データの伸張展開処理の負担を低減できるように構成されていた。
特開2003−216138号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成の遊技機では、ストーリー(シナリオ)に従って予め決められた設計上の使用頻度に従って、その使用頻度の高い画像データを展開記憶手段(キャッシュ領域)に残すようにしているために、遊技状態がランダムに変化して変動表示装置の画像表示内容がランダムに変化する遊技機においては、設計通りの使用頻度とは異なる頻度で画像が表示されるという画像出現確率の偏り現象が生じて、実際にはそれほど出現しない種類の画像データが展開記憶手段(キャッシュ領域)に残されてしまうという不都合が生ずる。
すなわち、変動表示装置に表示される画像の種類を乱数等によりランダムに選択する遊技機においては、選択されて使用される画像データの実際の使用頻度は長い期間集計すれば設計値通りの使用頻度に収束するが、たとえば遊技場における営業開始時点で電源がオンされ営業終了時点で電源がオフされるという1日の営業期間では、実際の画像の出現確率が設計値と隔たり偏りが生じるという偏り現象が発生してしまう場合があり、前述の従来の技術においては、実際の使用頻度とは食い違った使用頻度に基づいて画像データを展開記憶手段(キャッシュ領域)に残す処理(キャッシュ管理処理)が行なわれてしまうという欠点があった。
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、画像データの実際の使用頻度に則して画像データを展開記憶手段に残すという実際の使用頻度に則したキャッシュ管理が可能な遊技機を提供することである。
(1) 画像を変動表示する表示領域(たとえば、特別図柄表示部9)を有する画像表示装置(たとえば、変動表示装置8)を備える遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、コイン遊技機あるいはスロットマシン等)であって、
前記画像表示装置の表示領域における画像の変動表示態様を特定するための変動パターン(たとえば、通常変動、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB等、図5参照)の画像データが圧縮された圧縮画像データを記憶している圧縮画像データ記憶手段(たとえば、CGROM330)と、
前記圧縮画像データ記憶手段に記憶された圧縮画像データを読出して伸長する画像データ伸長手段(たとえば、画像伸長部440)と、
該画像データ伸長手段により伸長された画像データを記憶領域(たとえば、図11(b)のキャッシュ領域)に展開記憶する展開記憶手段(たとえば、第2VRAM340b)と、
遊技状態に応じて前記変動パターンの種類を選択する変動パターン選択手段(たとえば、図2のランダムカウンタR3、数値データ抽出手段189、変動パターン種類テーブル)と、
該変動パターン選択手段により選択された変動パターンの選択回数を各変動パターン毎に計数する選択回数計数手段(たとえば、図9のS103〜S106)と、
該選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する記憶領域特定手段(たとえば、図13のS402または図16のS414または図18のS426と、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された記憶領域を開放させる制御(たとえば、画像データの消去または新たな画像データの上書き、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの更新または残存フラグのクリア)を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行なう展開記憶制御手段(たとえば、図13のS403または図16のS415または図18のS427と、VDP320)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定する展開記憶残存判定手段(たとえば、図12のS302)と、
前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりYESの判断がなされたときに)、当該選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段から読出して前記画像表示装置に表示させるための制御を行なう一方(たとえば、図12のS303、S304)、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりNOの判断がなされたときに)、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち該選択された変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、該伸長された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なう表示制御手段(たとえば、図12のS304と図13のS403または図16のS415とVDP320)と、を備えることを特徴とする。
前記画像表示装置の表示領域における画像の変動表示態様を特定するための変動パターン(たとえば、通常変動、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB等、図5参照)の画像データが圧縮された圧縮画像データを記憶している圧縮画像データ記憶手段(たとえば、CGROM330)と、
前記圧縮画像データ記憶手段に記憶された圧縮画像データを読出して伸長する画像データ伸長手段(たとえば、画像伸長部440)と、
該画像データ伸長手段により伸長された画像データを記憶領域(たとえば、図11(b)のキャッシュ領域)に展開記憶する展開記憶手段(たとえば、第2VRAM340b)と、
遊技状態に応じて前記変動パターンの種類を選択する変動パターン選択手段(たとえば、図2のランダムカウンタR3、数値データ抽出手段189、変動パターン種類テーブル)と、
該変動パターン選択手段により選択された変動パターンの選択回数を各変動パターン毎に計数する選択回数計数手段(たとえば、図9のS103〜S106)と、
該選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する記憶領域特定手段(たとえば、図13のS402または図16のS414または図18のS426と、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された記憶領域を開放させる制御(たとえば、画像データの消去または新たな画像データの上書き、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの更新または残存フラグのクリア)を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行なう展開記憶制御手段(たとえば、図13のS403または図16のS415または図18のS427と、VDP320)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定する展開記憶残存判定手段(たとえば、図12のS302)と、
前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりYESの判断がなされたときに)、当該選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段から読出して前記画像表示装置に表示させるための制御を行なう一方(たとえば、図12のS303、S304)、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりNOの判断がなされたときに)、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち該選択された変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、該伸長された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なう表示制御手段(たとえば、図12のS304と図13のS403または図16のS415とVDP320)と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、実際に画像表示装置による変動パターンの表示に使用された画像データの選択回数の実測値に基づいて展開記憶手段の記憶領域に記憶されている画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域が特定され、その特定された領域を画像表示装置に表示させるべく選択された変動パターンの画像データを展開記憶するために開放させる制御が行なわれ、その選択された変動パターンの画像データが開放された記憶領域に展開記憶される。その結果、遊技機の稼動を通じて実際に使用頻度が高い画像データが展開記憶手段の記憶領域に残されることとなり、実際の使用頻度に則した画像データのキャッシュ管理が可能となり、実際の使用頻度の高い画像データの伸張から展開記憶する処理の負担を確実に低減することが可能となる。
(2) 前記変動パターンの種類毎に、前記変動パターン選択手段により選択される選択比率が予め設定されており(たとえば、図5に示すトータル出現率が予め定められており)、
電源投入時に(たとえば、図9のS101aによりYESの判断がなされたときに)、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち、前記変動パターンの選択比率が予め定められた選択比率以上の変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、前記展開記憶手段の記憶領域に予め記憶させる制御を行なう初期データ展開記憶制御手段(たとえば、図10のS10〜S14、VDP320)を備え、
前記記憶領域特定手段は、前記電源投入時から予め定められた期間が経過した後(たとえば、各変動パターンの選択回数の合計が100回に達し図13のS401によりYESの判断がなされた後)、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図13のS402により最下位順位のアドレスが特定される)ことを特徴とする。
電源投入時に(たとえば、図9のS101aによりYESの判断がなされたときに)、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち、前記変動パターンの選択比率が予め定められた選択比率以上の変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、前記展開記憶手段の記憶領域に予め記憶させる制御を行なう初期データ展開記憶制御手段(たとえば、図10のS10〜S14、VDP320)を備え、
前記記憶領域特定手段は、前記電源投入時から予め定められた期間が経過した後(たとえば、各変動パターンの選択回数の合計が100回に達し図13のS401によりYESの判断がなされた後)、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図13のS402により最下位順位のアドレスが特定される)ことを特徴とする。
このような構成によれば、電源投入時に、複数種類の変動パターンを選択して画像表示装置に表示させるその各変動パターンの選択比率が予め定められた選択比率以上の変動パターンの圧縮画像データが伸張されて初期データとして展開記憶手段の記憶領域に記憶され、電源投入時から予め定められた期間が経過するまではその初期データとして記憶された画像データを変更することなく使用し、その電源投入時から予め定められた期間が経過した後に、実測値に基づいたキャッシュ管理を実行するようにしたために、実測値に基づいたキャッシュ管理を行なうのに必要な変動パターンの選択回数の実測データがまだ十分に集まっていない初期段階においては、初期データとして展開記憶手段の記憶領域に記憶された画像データを利用することができ、初期段階および初期段階経過以降のそれぞれに応じたキャッシュ管理が可能となる。
(3) 前記展開記憶手段は、前記記憶領域とは別に形成された別記憶領域(たとえば、図17(c)(d)のテンポラリ領域)を含み、
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されているか否かを判定し(たとえば、図15のS202、S205)、
該展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図15のS202によりNOの判定がなされ、S205によりNOの判定がなされたときに)、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて、該選択された変動パターンの画像データが、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも低い選択回数であるか高い選択回数であるかを判定する選択回数判定手段(たとえば、図16のS413)をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされたときには(たとえば、図16のS413によりYESの判断がなされたときには)前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶された各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定し(たとえば、図16のS414)、前記選択回数判定手段により低い選択回数である旨の判定がなされたときには(たとえば、図16のS413によりNOの判断がなされたときには)前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し(たとえば、図16のS418)、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された別記憶領域に展開記憶させる制御を行ない(たとえば、図16のS418)、
前記表示制御手段は、前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なう(たとえば、図16のS418の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域の画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる)ことを特徴とする。
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されているか否かを判定し(たとえば、図15のS202、S205)、
該展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図15のS202によりNOの判定がなされ、S205によりNOの判定がなされたときに)、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて、該選択された変動パターンの画像データが、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも低い選択回数であるか高い選択回数であるかを判定する選択回数判定手段(たとえば、図16のS413)をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされたときには(たとえば、図16のS413によりYESの判断がなされたときには)前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶された各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定し(たとえば、図16のS414)、前記選択回数判定手段により低い選択回数である旨の判定がなされたときには(たとえば、図16のS413によりNOの判断がなされたときには)前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し(たとえば、図16のS418)、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された別記憶領域に展開記憶させる制御を行ない(たとえば、図16のS418)、
前記表示制御手段は、前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なう(たとえば、図16のS418の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域の画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、画像表示装置に表示させるべく選択された変動パターンの画像データを展開記憶手段に記憶する前に展開記憶手段の別記憶領域に記憶させるかあるいは展開記憶手段の記憶領域の最も選択回数が低い画像データの記憶領域に記憶させるかが決定される。その結果、たとえば選択された画像データを一旦展開記憶手段の別記憶領域に記憶させた後その画像データを展開記憶手段の記憶領域の方に入れ替える場合と比べて、伸長された画像データの入れ替え処理を省くことができ、処理負担を軽減させることができる。
(4) 前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(たとえば、図12のS302)、
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりNOの判定がなされたときに)、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図13のS402)ことを特徴とする。
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに(たとえば、図12のS302によりNOの判定がなされたときに)、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図13のS402)ことを特徴とする。
このような構成によれば、画像表示装置に表示させるべく変動パターンが選択されたときにその選択された変動パターンの画像データが展開記憶手段の記憶領域に記憶されていないときには、展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域が特定されてその特定された記憶領域を選択された変動パターンの画像データを展開記憶するために開放してその開放された記憶領域に展開記憶させる制御が行なわれる。その結果、たとえば、選択された変動パターンの画像データを一旦展開記憶手段の別記憶領域に記憶させた後その画像データを展開記憶手段の記憶領域の方に入れ替える場合と比べて、伸長された画像データの入れ替え処理を省くことができ、処理負担を軽減させることができる。
(5) 前記展開記憶手段は、前記記憶領域とは別に形成された別記憶領域(たとえば、図19の(c)(d)(e)のテンポラリ領域)を含み、
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(たとえば、図12のS302)、
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときには(たとえば、図15のS202によりNOの判断がなされ、S205によりNOの判断がなされたときに)前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し(図18のS423)、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行ない(たとえば、図18のS423の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域に画像データを展開記憶させる)、
前記表示制御手段は、前記記憶領域特定手段により特定された前記展開記憶手段の別記憶領域に前記展開記憶制御手段が展開記憶させた画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行ない(たとえば、図18のS423の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域の画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる)、
前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データに対応する変動パターンの選択回数が、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも高い選択回数であるか否かを、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて判定する選択回数比較判定手段(たとえば、図18のS425)をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数比較判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされているときには(たとえば、図18のS425によりYESの判定がなされているときには)前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図18のS426)ことを特徴とする。
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(たとえば、図12のS302)、
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときには(たとえば、図15のS202によりNOの判断がなされ、S205によりNOの判断がなされたときに)前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し(図18のS423)、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行ない(たとえば、図18のS423の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域に画像データを展開記憶させる)、
前記表示制御手段は、前記記憶領域特定手段により特定された前記展開記憶手段の別記憶領域に前記展開記憶制御手段が展開記憶させた画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行ない(たとえば、図18のS423の指令に従ってVDP320がテンポラリ領域の画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる)、
前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データに対応する変動パターンの選択回数が、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも高い選択回数であるか否かを、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて判定する選択回数比較判定手段(たとえば、図18のS425)をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数比較判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされているときには(たとえば、図18のS425によりYESの判定がなされているときには)前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する(たとえば、図18のS426)ことを特徴とする。
このような構成によれば、画像表示装置に表示するべく選択された変動パターンと展開記憶手段の記憶領域に記憶された各画像データに対応する変動パターンとの実測値に基づいた選択回数の比較判定を行なう前に一旦選択された画像データが展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶されて、その展開記憶された画像データを画像表示装置に表示させる制御が行なわれて、確実に画像データを画像表示装置に表示させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、画像を表示する表示領域を有する画像表示装置を備える遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明における遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の正面図である。
図1を参照して、パチンコ遊技機1には、着脱可能な遊技盤6と、遊技盤6を覆うように額縁状に形成されたガラス扉枠2と、遊技者が遊技を行なう際、打玉を操作するための操作ノブ5と、余剰玉受皿4と、打玉が打込まれる遊技領域7と、打玉を遊技領域7へ導くための誘導レール29と、遊技領域7の外側に配置される遊技効果ランプ42と、遊技による効果音を発生するためのスピーカ41とが設けられている。余剰玉受皿4は、打玉供給皿3の下部に設けられ、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する。
遊技者は、操作ノブ5を操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。
遊技領域7には、打玉が入賞することにより変動表示装置8の変動表示を開始させる始動入賞口(始動口とも称する)14が構成された始動用電動役物14aと、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例として特別図柄を変動表示させる変動表示装置8とが設けられている。
特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を判定用識別情報として表示する図柄(以下においては、「識別情報画像」とも称する)である。本実施の形態では、識別情報画像は、一例として、識別情報としての数字の“0”〜“9”を示す画像であるとする。また、特別図柄は、数字、文字、図形、模様等の複数種類の識別情報を装飾用識別情報として表示する図柄でもある。始動用電動役物14aには、可動片が左右に設けられている。
変動表示装置8には、特別図柄表示部9と、普通図柄表示部10と、4つのLEDで構成される始動記憶表示器18と、通過記憶表示器15とが設けられている。
特別図柄表示部9は、複数の変動表示領域を有する。なお、特別図柄表示部9は、一般的には、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))が用いられるが、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイ(Organic Electro luminescence Display)、ドットマトリクス等その他の画像表示方式の表示機器であってもよい。
特別図柄表示部9は、判定用識別情報を表示する特別図柄(識別情報画像)または装飾用識別情報を表示する特別図柄を、前述した複数の変動表示領域の各々において、変動表示させる。特別図柄表示部9は、特別図柄の他に、特別図柄の変動表示回数を報知するための飾り保留記憶表示や、所定のキャラクタ・背景画像としての背面画像等の画像も表示可能である。ここで、キャラクタは、特別図柄表示部9に表示される人間、動物、あるいは物等を表わす映像をいう。
なお、特別図柄表示部9により変動表示される特別図柄が示す識別情報は、数字、文字、図形、模様等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字(たとえば、“0”〜“9”)のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
また、特別図柄表示部9により変動表示される識別情報画像は、平面な画像であるスプライトである。なお、識別情報画像は、スプライトに限定されることなく、立体的な形状を有する画像(以下においては、「立体オブジェクト」または「3Dオブジェクト」とも称する)であってもよい。
遊技領域7には、開閉板20と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置(アタッカーとも称する)19とが設けられている。
遊技領域7には、さらに、一般入賞口である複数の入賞口24と、打玉が進入可能な通過口11と、点灯または点滅することにより遊技を演出する遊技演出ランプ25と、アウト口26とが設けられている。複数の入賞口24の各々の内部には打玉の入賞を検出する入賞口スイッチ24aが設けられている。アウト口26は、遊技領域7に打込まれ、始動入賞口14、入賞口24および可変入賞球装置19のいずれの入賞領域にも入賞しなかった打玉をアウト玉として回収する。
通過口11に進入した打玉は、通過口内部に設けられたゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定のランダム値が抽出され、記憶される。そして、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示部10の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示部10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示部10の変動表示を開始させることができない状態であるので、“4”を記憶数の上限として通過玉(ランダム値等)が記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示部10の変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。なお、通過記憶表示器15の記憶数の上限は、“4”に限定されることなく、5つ以上であってもよい。
本実施の形態においては、通過口11に打玉が進入すると、普通図柄表示部10の変動表示が開始され、始動入賞口14に打玉が進入すると特別図柄表示部9において変動表示が開始されるので、通過口11および始動入賞口14を総括的に始動領域とも称する。
普通図柄表示部10には、「〇」が付されている当り普通図柄表示器と、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器とがある。通過口11に打玉が進入したときに抽出されたランダム値(以下「カウント値」とも称する)が所定の当り判定値と一致するときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」であると判断され、「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯する。一方、抽出されたランダム値が所定の当り判定値と一致しないときは、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「はずれ」であると判断され、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器が点灯する。
当りとなり「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯した場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成し、所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
遊技において、打玉が、始動入賞口14に入賞した場合(以下においては、始動入賞とも称する)には、打玉が遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出され、始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの1つが点灯する。始動入賞の回数は、“4”を記憶数の上限としてパチンコ遊技機1の内部に設けられた記憶装置(後述するRAM214)に記憶(「始動記憶」とも称する)される。なお、始動記憶表示器18の有するLEDの数は4つに限定されることなく、5つ以上であってもよい。この場合、始動記憶可能な数は、始動記憶表示器18の有するLEDの数と等しくなる。なお、以下においては、たとえば、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち3つ点灯している場合、始動記憶が“3”であるという。
始動記憶表示器18の4つのLEDのうちの“1”〜“3”個が点灯している状態、すなわち、始動記憶表示器18の始動記憶が上限に達していない状態で始動入賞すると、特定遊技状態としての大当り状態を発生させるか否かを決定するための所定のランダム値と、結果として表示する特別図柄を決定するための所定のランダム値とが抽出される。その後、所定条件の成立後、後述する表示制御手段により特別図柄表示部9の変動表示が開始され、所定期間後に表示結果がすべて導出表示される。
ここで、所定条件とは、特定遊技状態に制御されておらず、かつ、変動表示が行なわれていないという条件である。そして、当該変動表示が開始されると同時に、始動記憶値が1つ減少し、始動記憶表示器18の4つのLEDのうち、点灯しているLEDが1つ消灯する。すなわち、変動表示が開始され表示結果が導出表示される毎に、始動記憶値が“1”減少する。このとき、始動記憶表示器18のLEDが1つ以上点灯している状態、すなわち、始動記憶値が1以上あれば、再度、変動表示が開始され表示結果が導出表示される。
前述した特別図柄表示部9の変動表示は、一定時間が経過したときに停止表示される。特別図柄表示部9では、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、停止表示時の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下「大当り図柄」とも称する)であれば、「大当り」となり、パチンコ遊技機1は、後述するCPU212により特定遊技状態(以下「大当り状態」とも称する)に制御され、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。
なお、開閉板20はアタッカーソレノイド21によって駆動される。なお、後述するCPU212は、パチンコ遊技機1を特定遊技状態に制御するので特定遊技状態制御手段とも称する。
前述した可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が、たとえば、16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目。以下「確変大当り図柄」とも称する)となると、パチンコ遊技機1は、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(特別遊技状態)になる。通常遊技状態において、大当りが発生する確率が、たとえば、1/200である場合、確率変動状態では、大当りが発生する確率が1/20となる。このような確率変動状態は、一般的に、「確変」と省略して呼ばれる場合もある。以下、確変図柄(奇数を表す図柄)による大当りを確変大当りとも称する。
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、次回まで)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。なお、以下においては、非確変図柄での組合せの大当りを通常の大当りとも称する。
特別図柄表示部9の有効ライン上における変動表示の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、パチンコ遊技機1の遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
なお、特別遊技状態は、特別図柄表示部9の有効ライン上における表示結果が大当り図柄のうちの確変図柄による大当り図柄となったときに、大当り図柄のうちの確変図柄以外の大当り図柄となったときと比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される状態であればよい。よって、特別遊技状態は、始動入賞率を向上させるとともに、特別図柄表示部9の図柄の変動時間を短縮させる変動時間短縮状態(省略して、時短状態または時短とも称される。)であってもよい。
パチンコ遊技機1が時短状態になると、特別図柄表示部9の変動表示の開始から終了までの時間が短縮される。たとえば、パチンコ遊技機1が通常遊技状態である場合、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が8秒である場合、時短状態では、変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの時間が3秒と短縮される。したがって、時短状態では、所定時間内における特別図柄表示部9の変動表示回数が増えるため、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも大当りが発生する確率が高くなる。
また、パチンコ遊技機1が時短状態であるとき、普通図柄表示部10における変動表示の表示結果が「当り」と判定されると、通常遊技状態における始動用電動役物14aの可動片の開成のインターバルが30秒に1回であったのが、たとえば、1.5秒に1回になる。したがって、所定時間内における可動片の開成の回数が増えるため、時短状態では、当該所定時間内において、通常遊技状態よりも始動入賞する確率が高くなる。
さらに、特別遊技状態としては、始動用電動役物14aの可動片の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる状態であってもよい。
通常遊技状態で、大当りが発生し、当該大当りが確変大当りであれば、パチンコ遊技機1は確率変動状態になる。パチンコ遊技機1が、確率変動状態のときに、次の大当りが非確変で大当りの場合に、通常遊技状態になる。なお、パチンコ遊技機1が確率変動状態または時短状態の特別遊技状態において、大当りが連続して発生することを連チャンと称する。
なお、確変当りが発生し、パチンコ遊技機1が確率変動状態になり、さらにその間に、通常当りが発生して時短状態になり、その後、通常の遊技状態になるまでの期間を特別遊技状態期間とも称する。特別遊技状態期間中に通常当りまたは確変当りが発生することも連チャンと称する。特別遊技状態期間中に、最初の確変当りを含めて大当りが、たとえば、5回発生した場合は、5連チャンとなる。
また、各変動表示領域の変動表示中においては、リーチ状態(以下「リーチ」、「リーチ態様」、「リーチ表示態様」とも称する)が発生する場合がある。
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示領域を備えた変動表示装置の各変動表示領域において複数種類の識別情報を変動表示させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示領域を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様が表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態(ノーマルリーチ状態とも称する)に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の変動表示が開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、特定の表示態様となる表示条件からはずれていない表示態様をもいう。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
また、リーチ状態とは、複数の変動表示領域のうちの一部の変動表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、複数の有効ラインのうちの少なくとも1つの有効ライン上において、既に導出表示されている変動表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
図2は、パチンコ遊技機1に用いられている制御回路の機能を示す機能ブロック図である。パチンコ遊技機1には、パチンコ遊技機1の遊技制御を行なうための遊技制御基盤210からなる遊技制御手段と、変動表示装置8等を制御するための演出制御基盤300からなる表示制御手段などが設けられている。遊技制御基盤210には、CPU212、ROM213、RAM214、I/Oポート215を有する遊技制御マイクロコンピュータが設けられている。演出制御基盤300には、表示制御用CPU312、表示制御用ROM313、表示制御用RAM314、表示制御用I/Oポート(図示略)を有する表示制御マイクロコンピュータが設けられている。
遊技制御基盤210には、数値データ更新手段125、数値データ抽出手段189、判定手段123、特定遊技状態制御手段127、有効入賞判定手段139、記憶手段192(始動入賞記憶手段180)、電源投入時初期設定指令手段111が備えられている。
有効入賞判定手段139は、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞か否かを判定するものである。ここで有効始動入賞とは、始動口14への遊技球の入賞のうち有効に変動表示装置8の変動表示に用いられた始動入賞のことである。
なお、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞でない場合、すなわち、始動口14への遊技球の入賞のうち有効に変動表示装置8の変動表示に用いられなかった始動入賞は無効始動入賞(無効入賞)となる。
数値データ更新手段125は、大当り決定用、リーチ決定用、変動パターン決定用、図柄決定用の各数値データ(乱数)の更新手段からなる。大当り決定用の数値データ(乱数)の更新手段は大当りを発生されるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である199までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR1が備えられている。リーチ決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、リーチを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR2が備えられている。変動パターン決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、後述する図4に示すどの変動パターンにするかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である149までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR3が備えられている。図柄決定用の数値データ(乱数)の更新手段は、それぞれ大当り図柄、はずれ図柄をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるものであり、定期的(たとえば2msec毎)に0からカウントアップしてその上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントするランダムカウンタR4が備えられている。
数値データ抽出手段189は、有効入賞判定手段139により、始動口14への遊技球の入賞が有効始動入賞と判定されるごとに、上記数値データ更新手段125からそれぞれ数値データである乱数(R1〜R4)を抽出する。このように、遊技球が始動口14に入賞して、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定されれば、その有効始動入賞と判定されたタイミングで数値データ抽出手段189によりランダムカウンタR1〜R4のカウント値が抽出される。
次に、数値データ抽出手段189により抽出されたランダムカウンタR1〜R4の抽出値(乱数値R1〜R4)は、判定手段123により、抽出値R1が大当り決定値「3」と一致するか否かが判断され、一致すると判断された場合には大当りを発生させる旨が決定され、その決定結果は、判定手段123により大当りコマンドとして特定遊技状態制御手段127および演出制御基盤300に送信される。この大当りを発生させる旨の決定結果は後述する変動パターンの決定(判定手段123で決定)の際に用いられる。また、抽出値R2がリーチ決定値「1」と一致するか否かが判断され、一致すると判断された場合にはリーチが発生する旨が決定され、そのリーチが発生する旨の決定結果は後述する変動パターンの決定(判定手段123で決定)の際に用いられる。
また、抽出値R3に基づいてどの変動パターンに決定するかが判断され、その決定された変動パターンが、変動パターンコマンドとして判定手段123から演出制御基盤300に送信される。この変動パターンの種類の決定方法は、抽出値R3に基づいて変動パターン種類テーブル(図示省略)を参照して決定する。変動パターン種類テーブルは、抽出値R3の属する範囲を定める範囲判定データとその各範囲判定データに対応する変動パターンの種類を特定する変動パターン種類データとを記憶しており、大当り事前決定時に参照される当り時変動パターン種類テーブルと外れ事前決定時に参照される外れ時変動パターン種類テーブルとがある。外れ時変動パターン種類テーブルでは、抽出値R3が0〜97に属するときにノーマルリーチ(はずれ)が選択され、抽出値R3が98〜112に属するときにリーチA(はずれ)が選択され、抽出値R3が113〜122に属するときにリーチB(はずれ)が選択され、抽出値R3が123〜132に属するときにリーチC(はずれ)が選択され、抽出値R3が133〜137に属するときにリーチD(はずれ)が選択され、抽出値R3が138〜144に属するときに予告態様1(はずれ)が選択され、抽出値R3が145〜149に属するときに予告態様2(はずれ)が選択される。
当り時変動パターン種類テーブルでは、抽出値R3が0〜4に属するときにノーマルリーチ(大当り)が選択され、抽出値R3が5〜14に属するときにリーチA(大当り)が選択され、抽出値R3が15〜34に属するときにリーチB(大当り)が選択され、抽出値R3が35〜54に属するときにリーチC(大当り)が選択され、抽出値R3が55〜79に属するときにリーチD(大当り)が選択され、抽出値R3が80〜99に属するときに予告態様1(大当り)が選択され、抽出値R3が100〜149に属するときに予告態様2(大当り)が選択される。その結果、図4のパターン選択率に示す確率で各変動パターンが選択される。
また、抽出値R4により大当り図柄、はずれ図柄が決定される。具体的には、大当りを発生させる旨が決定された場合は、抽出値R4のR4−1により大当り図柄を決定し、大当りを発生させない旨が決定された場合は、抽出値R4のR4−1,R4−2,R4−3によりはずれ図柄が決定される。この決定した大当り図柄、はずれ図柄は、停止図柄コマンドとして判定手段123から演出制御基盤300に送信される。このように、前述した大当りコマンド、変動パターンコマンド、停止図柄コマンドは、それぞれに対応する保留記憶に基づいた変動表示の開始前に判定手段123から演出制御基盤300に送信される。
記憶手段192の始動入賞記憶手段180は、始動入賞検出手段(始動口スイッチ14a)により検出された始動入賞で、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定された場合であって、未だ遊技の進行に用いられていない始動入賞をその遊技に用いることができるまで上限回数(たとえば「4」)の範囲内で始動入賞記憶(保留記憶)として記憶するものである。
このように、遊技制御基盤210において、始動入賞検出手段(始動口スイッチ14a)により遊技球の始動口14への進入(始動入賞)が検出され、その始動入賞が有効入賞判定手段139により有効始動入賞と判定され、CPU212により変動表示装置8の特別図柄の変動表示を開始する条件が成立していないと判断されたときには、その変動表示装置8の特別図柄を変動表示することを保留し、当該変動表示を保留記憶として始動入賞記憶手段180に上限回数まで記憶される。
ここで、前述した「保留記憶」とは変動表示装置8が既に変動表示中あるいは大当り状態中において、遊技球が始動口14に入賞したときには、該始動入賞を記憶して、該始動入賞に基づいた変動表示装置8の変動表示を保留し、変動表示装置8が再度変動表示可能な状態になってから始動入賞記憶手段180に記憶されている始動入賞の記憶に基づいて変動表示装置8が変動表示させる。この始動入賞記憶手段180に記憶されている始動入賞の記憶のことをいう。
特定遊技状態制御手段127は、判定手段123により、大当りを発生させる旨の判定がされたときに、判定手段123から大当りを発生させる旨の信号を受信し、ソレノイド駆動回路34を介してアタッカーソレノイド21を励磁制御する。その結果、前述したように、可変入賞球装置19の開閉板20が開放されて大当り状態となる。
後に詳しく説明するが、演出制御基板300は、CGROM330から読出した変動パターンの圧縮画像データを伸張して第2VRAM340bのキャッシュ領域に展開記憶させ、その展開記憶させた画像データをフレームバッファとしての第1VRAM340aに展開記憶させ、その展開記憶された画像データを特別図柄表示部9により表示させる制御を行なう。そして、伸長された画像データを第2VRAM340bのキャッシュ領域に展開記憶させる際には、その伸長された画像データを、第2VRAM340bのキャッシュ領域内の各変動パターンの画像データ中の最も使用頻度の低い変動パターンの画像データの領域に上書き保存させて残しておくキャッシュ管理を行ない、次の画像表示のときにその表示すべき変動パターンの画像データが第2VRAM340bに残っていれば、その残っている画像データ(伸長済みのデータ)を読出して特別図柄表示部9に表示させ、圧縮画像データの伸張処理の手間が省けるように構成されている。この第2VRAM340bのキャッシュ領域ないの各変動パターンの画像データ中の最も使用頻度の低い変動パターンの画像データを検索する処理が、変動パターンのが選択されて実際に表示に使用された選択回数の計数結果に基づいて行なわれる。選択回数が多く実際の使用頻度が高ければ第2VRAM340bのキャッシュ領域に残しておき、実際の使用頻度が低ければ第2VRAM340b中のその変動パターンの画像データの領域に次に選択された変動パターンの画像データを上書き保存させてキャッシュ領域に残すことなく消去する。
ところが、電源投入時においては、まだ遊技機が稼動していない状態であるために、実際の使用頻度のデータが集計されておらず、第2VRAM340bのキャッシュ領域に変動パターンの画像データを残しておくか否かの判断ができない。そこで、電源投入時から所定期間(たとえば、各変動パターンの出現回数の合計が100回に達するまでの期間)においては、当該パチンコ遊技機1における各画像が表示される設計上の比率である出現率に基づいて決まる使用頻度の順位に従い、その順位の高い変動パターンの画像データを第2VRAM340bに記憶させて残しておく。電源投入時初期設定指令手段111は、電源投入時において、第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶させておく変動パターンの画像データおよびその使用頻度順位を、初期設定コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ310へ送信するためのものである。
演出制御基板300は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、特別図柄表示部9に表示させる特別図柄(識別情報画像)を変動表示させて表示結果を導出表示させる制御を行なう変動表示制御、スピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための演出効果音制御、遊技演出ランプ25を制御する遊技演出ランプ制御等の各種演出制御を行なう回路を含む。
当該各種演出制御を行なう回路の一例として、演出制御基板300は、演出制御用マイクロコンピュータ310と、VDP(Video Display Processor)320と、CGROM(Character Graphic Read Only Memory)330と、第1VRAM(Video Random Access Memory)340aと第2VRAM340bとを含む。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された変動パターンコマンド、大当りコマンド等の各種コマンドに応じて、VDP320、スピーカ41および遊技演出ランプ25を制御する機能を有する。
演出制御用マイクロコンピュータ310は、CPU312と、RAM314と、ROM313とを有する。
ROM313には、VDP320の制御等を行なうための制御プログラム、変動パターンデータ等が記憶されている。変動パターンデータは、特別図柄が変動表示しているときにおける、特別図柄を停止させるタイミングや、リーチの発生や、リーチ演出内容等に関して予め複数種類定められているデータである。また、変動パターンデータは、特別図柄表示部9に表示させる画像(以下においては、「表示画像」とも称する)を生成するための画像生成データを特定する表示画像特定データ、表示画像特定データにより特定される画像の表示位置である座標値を示す表示位置データ、リーチ演出のときのスピーカ41から遊技を演出する効果音を発生させるための効果音データを選択する効果音選択データ、遊技演出ランプ25を点灯または点滅することにより遊技を演出するランプ演出データを選択するランプ演出選択データ等も含む。効果音データおよびランプ演出データは、遊技状態に応じて複数種類ある。
CPU312は、遊技制御用マイクロコンピュータ210から送信された変動パターンコマンド、大当りコマンド等の各種コマンドおよびROM313に記憶されている制御プログラムに従って、各種演出制御を行なうための変動表示制御データ、効果音データ、ランプ演出データをそれぞれVDP320、スピーカ41、遊技演出ランプ25へ送信する。RAM314は、CPU312が各種制御動作を行なう際にデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
変動表示制御データは、画像を生成して、特別図柄表示部9に画像を表示させる制御指示をVDP320に行なうデータである。したがって、変動表示制御データは、表示画像特定データを含む変動パターンデータと、特別図柄表示部9に表示させる表示画像に表示される複数の画像の各々に対応した各種設定パラメータであるアトリビュート(描画順序、色数、拡大縮小率、回転角度、半透明設定値(画像を半透明にする設定値)、パレット番号、表示位置データ)とを含む。
なお、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ310を、CPU312、ROM313、RAM314が集積される1チップマイクロコンピュータとする構成としているが、本願発明は、このような構成に限定されるものではなく、CPU312、ROM313およびRAM314は、1チップ化されていなくてもよい。すなわち、演出制御基板300に、CPU312、ROM313、RAM314がそれぞれ別々に配置されてもよい。
CGROM330には、特別図柄表示部9に表示する画像データが圧縮された圧縮画像データが記憶されている。以下においては、CGROM330を圧縮画像データ記憶手段とも称する。当該圧縮画像データは、たとえば、特別図柄表示部9に表示される人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなるキャラクタ画像、識別情報画像および背面画像などである。なお、キャラクタ画像および識別情報画像は、平面な画像であるスプライトであってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。また、背面画像は、平面な画像であってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。以下においては、スプライトおよび平面な画像である背面画像を総括的に平面画像とも称する。
3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。
詳細は後述するが、VDP320は、演出制御用マイクロコンピュータ310から送信された変動表示制御データに応じて、CGROM330から必要な変動パターンの画像データを読み出して、第2VRAM340bのキャッシュ領域に展開記憶させるとともに、その記憶させた画像データを描画エリアとしての第1VRAM340aに記憶させ、その第1VRAM340aを利用して特別図柄等を重ね合わせてパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた画像を生成し、当該画像データを第1VRAM340aに一時的に記憶させる。特別図柄は、後述する第2VRAM340bの特別図柄領域に記憶されており、そこから読み出されて第1VRAM340a上で重ね合わせが行なわれる。第1VRAM340aに記憶されている画像データは、VDP320により、変動表示制御データに応じて、所定のタイミング(特別図柄表示部9に、たとえば、1秒間に30枚の画像を表示させるとき、30分の1秒)毎に特別図柄表示部9に送信される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ310は、送信されてきた変動パターンコマンドにより指定された変動パターン(たとえばノーマルリーチ、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB等)に相当する画像を特別図柄表示部9に表示させるための指令(変動表示制御データ)をVDP320に出力する。VDP320では、その指令された変動パターンに相当する画像データが第2VRAM340bに記憶されていなければ、指定された変動パターンに相当する圧縮画像データをCGROM330から読出して伸張した後第2VRAM340bに展開記憶させ、その記憶された画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その展開記憶された画像データ上に特別図柄等を重合わせてパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた画像を生成してその画像を特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。その表示に選択使用された画像データに対応する変動パターンの選択回数がCPU312により計数されてRAM314の変動パターン順位テーブルに画像の種類を示すインデックス番号と共に記憶される。またその選択回数に基づいて各変動パターンの使用頻度の順位がCPU312により決定されて変動パターンのインデックス番号と共に変動パターン順位テーブルに記憶される(たとえば図7参照)。
第2VRAM340bのキャッシュ領域は、5つの変動パターンの画像データを記憶できる。そして、CGROM330から読出されて伸張された変動パターンの画像データは、第2VRAM340bの5つの変動パターンの画像データのうち1番使用頻度の低い順位の最下位のアドレスの領域に上書き保存される。したがって、順位の最下位の変動パターンの画像データは消去されることとなる。そして、変動パターンコマンドより選択指定された変動パターンの画像データが第2VRAM340bに記憶されているときには、その記憶されている伸張後の画像データをVDP320が読出してフレームバッファ用の第1VRAM340aに展開し、その展開された画像データが特別図柄表示部9に表示される制御が行なわれる。
また、電源投入時に特別図柄のデータは、使用頻度に拘らずCGROM330から読出されて伸張された状態で第2VRAM340bの特別図柄記憶領域に記憶される。そして、図柄を表示させる際には、その第2VRAM340bの特別図柄記憶領域に記憶されている図柄データが読出されて第1VRAM340aに展開記憶され、その展開記憶された図柄データが特別図柄表示部9に表示される。
特別図柄表示部9は、所定の画像(たとえば、特別図柄)が所定方向(たとえば、上から下、下から上等、縦方向)に変動表示する複数の変動表示領域を有する。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域と称する。本実施の形態では、左変動表示領域、中変動表示領域および右変動表示領域の各々において、所定の画像が、上から下または下から上(縦方向)に変動表示するものとする。
また、本実施の形態では、表示結果が全て導出表示されるまでに、中変動表示領域において変動表示される識別情報画像が最後に停止表示されるものとする。以下においては、最後に停止表示される識別情報画像を最終停止識別情報画像とも称する。
なお、当該複数の変動表示領域の各々は、所定の画像を、たとえば、左から右または右から左(横方向)に変動表示するものであってもよい。このとき、変動表示領域が、たとえば、3つであるとすると、以下においては、当該3つの変動表示領域のそれぞれを、上変動表示領域、中変動表示領域、下変動表示領域と称する。
図3は、特別図柄表示部9に画像を表示させるための制御回路の構成およびその内部構成を詳細に示すブロック図である。
図3を参照して、圧縮画像データ記憶手段(CGROM330)には、特別図柄表示部9に平面画像のみを表示する場合は、当該平面画像のデータが記憶されており、特別図柄表示部9に、3Dオブジェクトをも表示する場合は3Dオブジェクトのデータが、さらに記憶されている。なお、平面画像のデータは、所定のアルゴリズム(たとえば、静止画像に対してはJPEG方式、動画像に対してはMPEG方式等)で圧縮されている。
VDP320は、CPU312とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCPUインターフェース320aと、CGROM330とVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのCGバスインターフェース320bと、第1VRAM340aおよび第2VRAM340bとVDP320との間でデータの授受を可能とさせるためのVRAMインターフェース320cとを有する。
CPUインターフェース320aおよびCGバスインターフェース320bは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320mとデータの授受を行なう。VRAMインターフェース320cは、VDP320の内部に設けられた内部データバス320nとデータの授受を行なう。
内部データバス320mは、アトリビュートレジスタ430と、描画制御部410(画像生成手段)とデータの授受を行なう。
アトリビュートレジスタ430は、描画制御部410(画像生成手段)が、画像を生成する際に使用するアトリビュートを記憶する。
描画制御部410(画像生成手段)は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データから特定される画像を生成するための画像生成データを画像データ記憶手段(CGROM330)から読出し、描画エリアとしての第1VRAM340aを利用して、当該画像生成データに対応するアトリビュートに応じた画像を生成する。
描画制御部410(画像生成手段)は、アトリビュート解析部411と、幾何学変換処理部412と、三次元画像処理部413と、半透明輝度変調部414とを有する。
アトリビュート解析部411は、内部データバス320mを介して入力されたアトリビュートを解析する機能を有する。
幾何学変換処理部412は、入力された画像データを使用し、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する機能を有する。
三次元画像処理部413は、特別図柄表示部9に、3Dオブジェクトを表示する場合、ROM313に記憶された制御プログラムに基づいて動作するCPU312からの指示データに応じて、生成する3Dオブジェクトに対し、陰面処理、ライティング処理、テクスチャマッピング処理等を行ない、三次元の画像データを生成する。
陰面処理とは、たとえば、3Dオブジェクトの背面に配置される画像は、当該3Dオブジェクトの背面に表示されるように描画を行なう処理のことをいう。ライティング処理とは、仮想三次元空間において、任意の位置に光源を配置し、3Dオブジェクトに陰影をつけ、立体的に見えるようにする処理のことをいう。
半透明輝度変調部414は、半透明設定値に応じて、画像の一部またはすべてを半透明にした半透明画像(以下においては、「透過画像」とも称する)を生成する。
内部データバス320mは、さらに、データ転送制御部450と、画像伸張部440とデータの授受を行なう。
データ転送制御部450は、内部データバス320mと内部データバス320nとのデータの授受を制御する機能を有する。
画像伸張部440は、所定のアルゴリズム(たとえば、静止画像に対してはJPEG方式、動画像に対してはMPEG方式等)で圧縮された画像のデータを高速で伸張する機能を有する専用の画像処理プロセッサである。
VDP320は、さらに、パレットバッファ420aと、CGデータバッファ420bと、表示制御部460と、DAC(Digital-To-Analog Converter)462とを有する。
パレットバッファ420aは、描画制御部410(画像生成手段)が、画像を生成する際に必要な色のデータ(以下においては、「パレットデータ」とも称する)を一時的に記憶する機能を有する。
CGデータバッファ420bは、描画制御部410(画像生成手段)が、画像を生成する際に必要なCGデータを一時的に記憶する機能を有する。また、CGデータバッファ420bは、描画制御部410(画像生成手段)が、画像を生成する上で、頻繁に使用するデータ(たとえば、識別情報画像、テクスチャデータ等)を一時的に記憶する機能を有する。
前述したように、パチンコ遊技機1の電源投入時においては、遊技制御基板210の電源投入時初期設定指令手段111から初期設定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ310へ送信されてくる。後に詳しく説明するが、初期設定コマンドは、図5に示された通常変動、ノーマルリーチ、リーチA等の8種類の変動パターンのうち出現率の高い5つの変動パターン、すなわち、インデックス番号が1〜5の各変動パターンとそれぞれの出現率の順位とを特定するデータである。CPU312は、この初期設定コマンドにより指定された変動パターンのインデックス番号および順位をRAM314のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶させる(図11(a)参照)。それと同時に、初期設定コマンドにより指定された変動パターンに相当する圧縮画像データをCGROM330から読出してそれら圧縮画像データを画像伸張部440により伸張させ、その伸張された後の画像データを第2VRAM340bに記憶させる。その際に、第2VRAM340bのキャッシュ領域内において、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル(図11(a)参照)に記憶されているキャッシュ領域内先頭アドレスに対応する各領域に、対応する変動パターンの画像データを記憶させる(図11(b)参照)。たとえば、インデックス番号1の通常変動に相当する画像データは、第2VRAM340bのキャッシュ領域における先頭アドレスが50FFhに相当する領域に記憶される。また、インデックス番号5のリーチCに相当する画像データは、第2VRAM340bのキャッシュ領域における先頭アドレスが70FFhに相当する領域に記憶される。
このようにして第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶された初期設定画像データは、後述するように、各変動パターンの出現回数の合計が所定回数(たとえば100回)以上になるまではそのまま第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶され、変動表示に伴って特別図柄表示部9に表示される変動パターンの画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されている場合には第2VRAM340bのキャッシュ領域からその変動パターンの画像データを読み出して表示させる一方、特別図柄表示部9に表示される画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されていない場合にはCGROM330から対応する圧縮画像データを読み出して伸長した後表示させる。
また、初期設定コマンドが送信されてきたときに、CPU312は、変動表示画像に表示される識別情報画像(図柄画像)をそれぞれ生成するための複数の圧縮識別情報画像生成データをCGROM330から読出し、その圧縮識別情報画像生成データを画像伸張部440により伸張し、その伸張された後の複数の識別情報画像生成データを第2VRAM340bの特別図柄記憶領域に記憶させる制御を行なう。
各変動パターンの出現回数の合計が所定回数(たとえば100回)以上になれば、電源投入時から現時点までの各変動パターン毎の出現回数の集計結果に基づいて各変動パターン毎に使用頻度の順位を決め、第2VRAM340bのキャッシュ領域中の最も低い順位の変動パターンの画像データを消去してそこにCGROM330から読み出して伸長された変動パターンの画像データを記憶させて残しておくという、使用頻度の実測値に基づいたキャッシュ管理が演出制御用マイクロコンピュータ310およびVDP320により行なわれる。
表示制御部460は、第1VRAM340aに記憶されている描画制御部410(画像生成手段)が生成した画像のデータまたは画像伸張部440により伸張された画像のデータを受信し、DAC462へ送信する。それと同時に、特別図柄表示部9へ、DAC462からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングするための同期信号を出力する。
DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である画像のデータを、アナログ信号に変換する。具体的には、当該画像のデータが有する色のデータに基づいて、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号を生成する。R,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)で表現される。
したがって、R,G,B信号は、それぞれ、赤、緑、青の色を256階調で表現でき、当該R,G,B信号により、約1677万の色(「フルカラー」とも称する)の表現が可能となる。R,G,B信号の各々は、8ビットに変換されると、特別図柄表示部9へ送信される。なお、R,G,B信号の各々は、8ビットに限定されることなく、7ビット以下または9ビット以上で表現されてもよい。
また、本実施の形態では、DAC462を設け、デジタルの色データをアナログの信号に変換するような構成としているが、本発明はこのような構成に限定されることはない。たとえば、DAC462を設けずに、表示制御部460と特別図柄表示部9とをデジタルインタフェースで接続するような構成とすれば、表示制御部460から特別図柄表示部9へデジタルの信号をそのまま送信できる。
なお、表示制御手段は、識別情報画像をスプライトでなく3Dオブジェクトで表現するとき、識別情報画像としての3Dオブジェクトが表示された変動表示画像を生成するための三次元画像処理を行なう。
音声・ランプ制御手段は、スピーカ41および遊技演出ランプ25を制御するための演出効果音制御処理および遊技演出ランプ制御処理を行なう。コマンド送信手段は、CPU312からの命令に応じて、VDP320、スピーカ41および遊技演出ランプ25へ、それぞれ変動表示制御データ、効果音データ、ランプ演出データを送信するコマンド送信処理を行なう。
CPU312は、コマンド解析処理によって解析されたコマンドおよびROM313に記憶されている制御プログラムに従って、後述する、計数処理(図9参照)、初期設定処理(図10参照)、選択処理(図12参照)、キャッシュ領域入れ替え処理(図13、図16、図18参照)等を行なう。
コマンドに特別図柄表示部9の変動表示を行なわせるためのコマンドデータが含まれている場合、ROM313に記憶されている制御プログラムおよびコマンドに含まれる前述した停止図柄データに従って、指定された変動パターンデータをROM313から読出し、識別情報画像を特定するための表示画像特定データおよび複数の識別情報画像のそれぞれに対応した複数の表示位置データを含む変動パターンデータと、複数の識別情報画像にそれぞれ対応するアトリビュートとを含む変動表示制御データをコマンド送信処理によりVDP320へ送信する。
VDP320は、CPU312から受信した変動表示制御データに含まれる変動パターンデータに含まれる表示画像特定データに応じて、第2VRAM340bから、変動表示画像に表示される識別情報画像をそれぞれ生成するための複数の識別情報画像生成データを読み出す。一方、CPU312から送信された変動表示制御データに含まれるアトリビュートは、一旦、アトリビュートレジスタ430に記憶される。
その後、アトリビュート解析部411が、アトリビュートレジスタ430に記憶されたアトリビュートを解析する。アトリビュート解析部411の解析結果に基づき、幾何学変換処理部412が、読み出した複数の識別情報画像生成データから変動表示画像に表示される複数の識別情報画像の各々を、拡大縮小、回転等の幾何学変換を施した画像を生成する。幾何学変換処理部412が、当該画像を生成する際には、必要に応じて、パレットバッファ420a、CGデータバッファ420bを使用する。
なお、第2VRAM340bから読出された識別情報画像生成データは、伸張された後の画像データであるために、画像伸張部440による画像データの伸張を行なうことなくそのままの形で幾何学変換処理部412に送信される。
また、アトリビュートに画像を半透明で表示することを指示するデータ(以下においては、半透明表示データとも称する。なお、当該半透明表示データには、半透明の度合いを示す半透明設定値も含まれる)があれば、半透明輝度変調部414が、識別情報画像のうち、指定された画像の一部またはすべてを半透明設定値に応じて、半透明にした透過画像を生成する。なお、半透明設定値は、“0”〜“100”の間で設定され、半透明設定値が“0”の場合は、識別情報画像は、半透明にされない。半透明設定値が“50”の場合は、識別情報画像を50%半透明にした画像が生成される。半透明設定値が“100”の場合は、識別情報画像を100%半透明にした画像、すなわち、識別情報画像は生成されない。
そして、描画制御部410(画像生成手段)は、変動表示制御データに含まれる変動パターンデータにさらに含まれる当該複数の識別情報画像の各々に対応する表示位置データ、アトリビュートに示される描画順序に応じて、描画エリアとしての第1VRAM340aを利用して、変動表示画像を生成し、変動表示画像のデータを第1VRAM340aに一時的に記憶させる。
そして、データ転送制御部450は、第1VRAM340aに記憶された変動表示画像のデータを読み出し、変動表示画像のデータを表示制御部460へ送信する。
表示制御部460は、受信した変動表示画像720のデータをDAC462へ送信する。DAC462は、表示制御部460から入力されたデジタル信号である変動表示画像720のデータを、アナログのR(赤),G(緑),B(青)信号アナログ信号に変換し、特別図柄表示部9へ送信する。
以上の制御により、特別図柄表示部9に変動表示画像が表示される。
次に、特別図柄表示部9に変動表示画像が表示されるときの演出制御について説明する。
再び、図2を参照して、CPU312は、前述した変動表示画像を表示する変動表示制御処理を行なうと同時に、演出効果音制御処理および遊技演出ランプ制御処理を行なう。
演出効果音制御処理では、特別図柄表示部9に所定の演出を行なうための所定の変動表示画像(たとえば、大当りの予告を行なう画像)が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、効果音をスピーカ41から発生させるための効果音データをROM313から読出し、効果音データをコマンド送信処理によりスピーカ41へ送信する。スピーカ41は、効果音データに応じて、効果音を出力する。
遊技演出ランプ制御処理では、特別図柄表示部9に所定の変動表示画像が表示されているとき、当該所定の変動表示画像に応じた、ランプ演出を行なうランプ演出データをROM313から読出し、ランプ演出データをコマンド送信処理により遊技演出ランプ25へ送信する。遊技演出ランプ25は、ランプ演出データに応じて、ランプを所定時間点灯させたり、点滅させたりする。
以上説明した制御により、特別図柄表示部9において、変動表示画像を表示させることと、当該変動表示画像に応じた音やランプ等の演出を実行することが可能となる。
図4は、各種変動パターンの出現率を説明する図である。各種変動パターンは、インデックス番号1〜8の8種類用意されている。インデックス番号1の変動パターンは、打玉が始動入賞して特別図柄表示部9に識別情報(図柄)が変動表示されて何らリーチ状態が表示されることなく停止表示される場合の通常変動のパターンである。インデックス番号2の変動パターンは、前述したノーマルリーチが表示されるときの変動パターンであり、ノーマルリーチが表示された後はずれの表示結果となる場合とノーマルリーチが表示された後大当りの表示結果となる場合とがある。インデックス番号3〜6の変動パターンは、前述した4種類のスーパーリーチであるリーチA、リーチB、リーチC、リーチDの変動パターンであり、それぞれにはずれの表示結果になる場合と大当りの表示結果になる場合とがある。インデックス番号7の変動パターンは、大当りが発生する旨の予告を行なうための予告態様1の変動パターンである。またインデックス番号8の変動パターンは、大当り予告を行なう場合の予告態様であって前述の予告態様1とは異なる予告態様2の変動パターンである。予告態様1および予告態様2共に、予告を行なった後実際に大当りの表示結果となる場合と、予告を行なったにも拘らずはずれの表示結果となる場合(ガセ予告とも称する)とがある。
図4の「大当り決定時抽選率」とは、各変動パターンにおける大当りにするか否かの決定時点での抽選率であり、大当りになる確率が本実施の形態では1/200であるために、はずれ事前決定時に表示される変動パターンについては199/200となり、大当り事前決定時に表示される変動パターンについては1/200となる。
図4の「リーチ決定時抽選率」とは、リーチにするか否かの決定時点における各変動パターンの抽選率である。本実施の形態では、リーチ決定用ランダムカウンタが0〜9の範囲内の値をとるために、はずれ事前決定時においてリーチが表示される確率は1/10である。したがって、はずれ事前決定時における各リーチ決定時抽選率については1/10となり、通常変動(リーチが発生しない場合の変動状態)については9/10となる。また、大当り事前決定時については、必ずリーチが表示されることとなるために、リーチ決定時抽選率は「1」となる。
図4の「パターン選択率」とは、各変動パターンにおけるどの変動パターンが選択されるかの選択率である。この選択は、前述したように、変動パターン決定用ランダムカウンタ(R3)で選択され、その変動パターン決定用ランダムカウンタが0〜149の範囲の値をとるために、パターン選択率の分母は「150」となる。なお、通常変動については、リーチ決定時抽選の段階でリーチにしないことが9/10の確率で選択され、それが選択されたときには、表示パターンとしては「通常変動」の1種類しかないために、パターン選択率が「1」となる。一方、はずれ事前決定時において1/10の確率でリーチを発生させることが決定された場合において、変動パターン決定用のランダムカウンタR3のカウント値が抽出され、前述したように、その値が0〜97の範囲内であった場合には、ノーマルリーチ(はずれ)が選択される。その結果、ノーマルリーチ(はずれ)のパターン選択率は98/150となる。同様に、リーチA(はずれ)については、変動パターン決定用のランダムカウンタR3の値が98〜112の範囲内のときに選択される。その結果、パターン選択率は15/150となる。リーチB(はずれ)〜予告態様2(はずれ)も、同様の方法で、選択され、パターン選択率が図4に示すそれぞれの値となる。
一方、当り事前決定時におけるパターン選択率は、変動パターン決定用のランダムカウンタR3の抽出値が0〜4の範囲内のときには、ノーマルリーチ(大当り)が選択される。その結果、ノーマルリーチ(大当り)のパターン選択率は5/150となる。同様に、リーチA(大当り)については、変動パターン決定用のランダムカウンタR3の抽出値が5〜14ときに選択され、パターン選択率は10/150となる。リーチB(大当り)〜予告態様2(大当り)も、同様の方法で選択され、パターン選択率は図4に示すそれぞれの値となる。
図4の「出現率」は、大当り事前決定時とはずれ事前決定時とに分ければ、(大当り決定時抽選率)×(リーチ決定時抽選率)×(パターン選択率)で算出できる。この式によって算出した値をパーセントの単位で図4に示している。
図5は、各変動パターンの当り事前決定時の出現率とはずれ事前決定時の出現率とを足し合わせたトータルの出現率を示す図である。図5に示すように、たとえば、インデックス番号1の通常変動については、89.55%、インデックス番号2のノーマルリーチについては6.52%となっている。
図6は、前述した電源投入時初期設定指令手段111から送信されてくる初期設定コマンドの内容を示す図である。コマンドデータは、comH〜comCの8ブロックのデータとして順次送信されてくる。1ブロックのcomデータは、D7〜D0の8ビットのデータで構成されている。最初に送信されてくるCOMHはヘッダである。次にcom0は表示プロセスフラグを示すデータであり、初期設定コマンドの場合には電源投入時を示すデータとなっている。com1の下位4ビット(D3〜D0)は、変動パターンのインデックス番号を示すデータであり、インデックス番号「1」が指定される。com1の上位4ビット(D7〜D4)は、そのインデックス番号の変動パターンの使用頻度を示す順位データを指定するものであり、図6では順位が「1」となっている。
com2〜com5は、それぞれ図6に示すように、各変動パターンのインデックス番号とそのインデックス番号の変動パターンの使用頻度順位を指定するデータである。最後に送信されてくるcomCは、チェックサムのデータである。
図7は、前述のRAM314内に記憶される変動パターン順位テーブルを示す図である。この変動パターン順位テーブルは、電源投入時から現時点までにおける変動パターンコマンドにより選択指定されて画像表示に選択使用された変動パターンの選択回数の計数データおよび選択回数の多い順に順位を付けた順位データを、変動パターンのインデックス番号毎に記憶しているものである。変動パターン順位テーブルは、変動パターンのインデックス番号を記憶するインデックス記憶領域と、前述の選択回数を記憶する領域と、前述の順位を記憶する領域とに分かれている。そして、変動パターンのインデックス番号に基づいてこの変動パターン順位テーブルを参照して検索することにより、インデックス番号に対応する変動パターンの選択回数とその順位を割出すことができるように構成されている。たとえば、インデックス番号が「4」の変動パターン(リーチB)は、電源投入時から現時点までの選択回数が5回であり、その順位は「6」となっている。
図8は、RAM314に記憶されているキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを示す図である。このキャッシュ領域アドレス・順位テーブルは、第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されて残されている変動パターンの画像データを管理するためのテーブルである。なお、図8では、各変動パターンの選択回数の合計が100回以上に達して初期設定データとは異なる変動パターンの画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されているときの状態を示している。キャッシュ領域アドレス・順位テーブルは、第2VRAM340bに記憶されて残されている5つの変動パターンのインデックス番号を記憶するインデックス番号記憶領域と、そのインデックス番号の変動パターンの選択回数に基づいた順位を記憶する順位記憶領域と、インデックス番号に対応した変動パターンの画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域のどのアドレスに記憶されているかを特定するためのキャッシュ領域内先頭アドレスを記憶する記憶領域とに分かれている。そして、インデックス番号に基づいてこのキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照することにより、そのインデックス番号に対応する変動パターンの選択回数に基づいた順位と記憶場所を特定する先頭アドレスとが検索できるように構成されている。たとえば、インデックス番号6番の変動パターン(予告態様1)は、選択回数の順位が「5」であり、65FFhのキャッシュ領域内先頭アドレスの場所に記憶されている。
図9、図10、図12、図13、図16、図18は、演出制御用マイクロコンピュータのCPU312による制御動作を示すフローチャートである。これらCPU312の制御動作は、定期的(たとえば2msec毎)に1回ずつ繰返し実行される。
図9は、第2VRAM340bのキャッシュ管理に必要な準備を行なうためのキャッシュ管理準備処理のプログラムを示すフローチャートである。
ステップS(以下単にSという)101により、コマンドを受信したか否かの判断がなされ、受信していない場合にはこのキャッシュ管理準備処理が終了する。受信している場合にはS101aへ進み、電源投入時であるか否かの判断がなされる。この判断は、遊技制御基板210から送信されてきたコマンドデータ中に電源投入時を示すデータが含まれているか否かにより判断する。電源投入時初期設定指令手段111(図2参照)から初期設定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ310に送られてきている場合には、図6で説明したように、com0により表示プロセスフラグが電源投入時のプロセスフラグとなっているために、これに基づいてS101aによりYESの判断がなされ、S101bにより、初期設定処理がなされてキャッシュ管理準備処理が終了する。
S101aにより電源投入時でないと判断された場合には制御がS102へ進み、Kの初期値を「1」に設定する処理がなされる。このKは、各変動パターンのインデックス番号を順次更新して変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの画像データを割出すための変数である。S103により、受信した変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがインデックスKであるか否かの判断がなされる。この段階では、K=1となっているために、受信した変動パターンがすなわちインデックス番号1番であるか否かの判定がなされる。インデックス番号1番の変動パターンでなかった場合にはS105へ進み、K=8であるか否かの判断がなされる。変動パターンは、図5に示したように、インデックス番号1〜8の8種類の変動パターンがあり、K=8となった段階で、8種類すべての変動パターンについてチェックが終了したこととなる。この段階では、K=1となっているために、S105によりNOの判断がなされてS106へ進みKを「1」加算する処理がなされてS103へ戻る。
このS103〜S106の処理を繰返し実行する度にKが「1」ずつ加算更新され、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンとインデックスKとが一致した段階でS103によりYESの判断がなされてS104へ進み、カウンタKを「1」加算処理した後S105へ進む。このS104のカウンタKは、インデックス番号1〜8のそれぞれの変動パターンに対応したカウンタ1〜カウンタ8の8種類のカウンタを示しており、各変動パターンの選択回数をそれぞれ計数するためのものである。たとえば、変動パターンコマンドによりリーチBが指定されたときには、リーチBはインデックス番号が4番であるために(図5参照)、K=4のときにS103によりYESの判断がなされてS104によりカウンタ4を「1」加算更新する処理がなされる。
K=8に達した段階でS105によりYESの判断がなされて制御がS107へ進み、変動パターン順位テーブルの選択回数を更新する処理がなされる。具体的には、S104により「1」加算更新されたカウンタKのKのインデックス番号に対応する選択回数(図7参照)を「1」加算更新する処理が、このS107により行なわれる。次にS108へ進み、カウンタ1〜8同士を比較して、各変動パターンの選択回数に基づいた新たな順位を割出す処理がなされ、S109により、変動パターン順位テーブル(図7参照)の順位を新たな順位に更新する処理がなされる。またS110により、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル(図8参照)の順位も更新する処理がなされて、このキャッシュ管理準備処理が終了する。
図10は、図9のS101bに示された初期設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S10により、Iの初期値を「1」に設定する処理がなされる。このIは、図6に示された初期設定コマンドのcom1〜com5の各番号に対応する変数である。次にS11により、com(I)で指定されたインデックス番号と順位をキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶させる処理がなされる。この段階では、I=1となっているために、com1で指定されたインデックス番号と順位すなわち図6を参照して、変動パターンインデックス(1)すなわち1番のインデックス番号とその順位である「1」とをキャッシュ領域アドレス・順位テーブル(図11参照)に記憶させる処理がなされる。次に制御がS12へ進み、I=5であるか否かの判断がなされる。この段階ではI=1のためにNOの判断がなされてS13へ進み、Iを「1」加算更新する処理がなされてS11へ戻る。
このS11〜S13のループを繰返し巡回させ、その度にIを「1」ずつ更新させ、com1〜com5で指定されたすべてのインデックス番号とその順位とがS11によりキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶された段階で、S12によりYESの判断がなされて制御がS14へ進む。
すべてのインデックス番号とその順位がキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶された状態が、図11(a)に示されている。この図11(a)に示されているように、電源投入時においては、初期設定コマンド(図6参照)により指定された順位とインデックス番号通りのデータがキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶されることとなる。なお、インデックス番号4番と5番の順位が同順位の「4」となっているが、これは、インデックス番号4番と5番のリーチBとリーチCとのトータル出現率が共に0.73%であり(図5参照)出現率の順位が同順位となるためである。
図10に戻り、S12によりYESの判断がなされてS14により、キャッシュ領域アドレス・順位データテーブルに従ってキャッシュ領域にデータを記憶させる指令をVDPへ出力する処理がなされる。具体的には、図11(a)に示されているキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに記憶されているインデックス番号に相当する変動パターンをキャッシュ領域アドレス・順位テーブルのキャッシュ領域内先頭アドレスで指定された領域に記憶させる指令がVDPへ出力される。
その指令に従ってVDP320は、第2VRAM340b内の指定された先頭アドレスに対応する領域に指定されたインデックス番号の変動パターンを記憶させる。それと同時に、特別図柄を構成するデータも、特別図柄記憶領域に記憶させる処理が行なわれる。その結果、第2VRAM340bには、図11(b)に示すようなデータが記憶されることとなる。
図12は、変動パターンコマンドで指定された変動パターンの画像データを表示させるために選択する選択処理のプログラムを示すフローチャートである。S301により、変動パターンコマンドを受信したか否かの判断がなされ、受信していない場合にはこの選択処理が終了する。受信している場合にはS302へ進み、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応する画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に残っているか否かの判断がなされる。この判断は、CPU312がRAM314に記憶されているキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応する画像データのインデックス番号が記憶されているか否かにより判断する。残っていない場合には、S305へ進み、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに相当する圧縮画像データをCGROM330から読出す指令をVDPに出力する処理がなされる。VDP320は、その指令を受けて、前述したように、CGROM330から圧縮画像データを読出してそれを画像伸張部440により伸張させる制御を行なう。次にS306へ進みキャッシュ領域入替え処理がなされる。これについては図13に基づいて後述する。
一方、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに相当する画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に残っている場合にはS302によりYESの判断がなされてS303へ進み、RAM314のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して指定された変動パターンのインデックス番号に対応するキャッシュ領域内先頭アドレスを割出す処理がなされる。次にS304へ進み、その割出されたアドレスを指定してそのアドレスに対応する領域に記憶されている変動パターンの画像データを表示する指令をVDPへ出力する処理がなされる。VDP320は、この指令を受けて、第2VRAM340bのキャッシュ領域内の指定されたアドレスに記憶されている変動パターンの画像データ(伸張後の画像データ)を読出してそれを第1VRAM340aへ記憶させ、その記憶された画像データを特別図柄表示部9へ表示させる制御を行なう。
図13は、図12のS306に示されたキャッシュ領域入替え処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この図13が第1の実施の形態におけるキャッシュ領域入れ替え処理となる。S401により、カウンタ1〜8のカウント値(各変動パターンの選択回数)の合計が「100」以上に達しているか否かの判断がなされ、達していない場合にはこのキャッシュ領域入替え処理のサブルーチンプログラムが終了する。電源投入時からカウンタ1〜8のカウント値(各変動パターンの選択回数)の合計が「100」未満の初期段階では、図10に示す初期設定処理により第2VRAM340bのキャッシュ領域に初期設定された変動パターンの画像データを入替えることなく使用するために、このS401のステップが設けられている。これは、前述の初期段階においては、実際の変動パターンの選択回数の計数データが十分には集まっていないために、その計数データに基づいたキャッシュ領域のデータの入替えを行なうには時期尚早であり、このような初期段階においては、図5に示された設計値に基づいたトータル出現率に従って設計上出現率の高い変動パターンの画像データをキャッシュ領域に残してそれを利用するためである。
カウンタ1〜8のカウント値(各変動パターンの選択回数)の合計が「100」以上になった段階でS401によりYESの判断がなされS402へ進み、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル(図8参照)を参照して、順位が最下位の変動パターンの画像データを記憶している領域の先頭アドレスを読出す処理がなされる。そして、その読出された先頭アドレスに対応する第2VRAM340bの記憶領域に、S305に従ってVDP320がCGROM330から読出して伸張した画像データを上書き保存して書替えるとともに、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる指令をVDP320へ出力する処理がなされる。VDP320はその指令に従って、指定された先頭アドレスの記憶領域の変動パターンの画像データを伸張された画像データに書替え(上書きし)、その書替え(上書き)された画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その展開記憶された画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。次にS404へ進み、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの最下位順位のインデックス番号を変動パターンコマンドにより指定された変動パターンのインデックス番号に書替える処理がなされて、このキャッシュ領域入替え処理のサブルーチンプログラムが終了する。
S404によるキャッシュ領域アドレス・順位テーブルの書替えおよびS403に従ったVDPによるキャッシュ領域の変動パターンの画像データを書替える一例が、図14に示されている。図14(a)は、書替え前のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを示している。そして、このキャッシュ領域アドレス・順位テーブル通りに第2VRAM340bのキャッシュ領域に各変動パターンのデータが記憶されている(図14(c)参照)。
この状態で、遊技制御基板210から送信されてきた変動パターンコマンドによりたとえばインデックス番号「3」のリーチAが指定されたと仮定する。CPU312は、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して最下位の順位「5」のキャッシュ領域内先頭アドレス「65FFh」を検索する。そして、VDP320にそのキャッシュ領域内先頭アドレス「65FFh」の領域にインデックス番号「3」のリーチAのデータを上書き保存する指令を出す。その結果、図14(d)に示すように、キャッシュ領域の先頭アドレス「65FFh」のリーチDのデータがリーチAのデータに書替えられる。
そして、CPU312は、RAM314のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルにおける最下位順位「5」のインデックス番号「6」を、リーチAのインデックス番号である「3」(図5参照)に書替える処理を行なうとともに、現時点におけるリーチAの順位に書替える処理を行なう。今回の変動パターンコマンドが送信されてくる前のリーチAすなわちインデックス番号「3」の選択回数は「4」であり(図7参照)、今回の使用により+1されるために、選択回数が「5」となる。その結果、順位が「6」となる。したがって、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの順位「5」を「6」に更新する処理がなされる。
図15は、第2実施の形態および第3実施の形態における選択処理のプログラムを示すフローチャートである。前述した第1実施の形態においては、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンにしたがってCGROM330から読出されて伸張された画像データは、その画像データの順位に関係なく無条件に第2VRAM340bのキャッシュ領域中の最下位順位のデータ記憶領域に上書き保存するというものである。一方、第2実施の形態においては、第2VRAM340bに新たにテンポラリ領域を設け、上書き保存の対象となる新たな変動パターンの画像データと第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されている複数の変動パターンの画像データの順位とを比較し、上書き保存の対象となる新たな変動パターンの順位の方がキャッシュ領域内の複数の画像データに相当する変動パターンにおける最下位順位よりも上位の順位である場合に限りキャッシュ領域に上書き保存し、そうでない場合には上書き保存の対象となる新たな変動パターンの画像データを第2VRAM340bのテンポラリ領域に記憶するものである。
以下に、第1実施の形態との相違点について主に説明する。第2の実施の形態においては、キャッシュ領域の他にテンポラリ領域(図17の(c)(d)参照)が設けられている。そのために、図15のS202によりNOの判断がなされたとしても指定された変動パターンの画像データがテンポラリ領域に既に記憶されて残っている場合には、S205によりYESの判断がなされてS206に進み、そのテンポラリ領域に記憶されている変動パターンの画像データを表示させる指令をVDP320へ出力する処理がなされる。CPU312は、テンポラリ領域に残っている変動パターンのインデックス番号をRAM314に記憶させており、その記憶に基づいてS205の判断がなされる。VDP320は、S206の指令を受けて、第2VRAM340bのテンポラリ領域に記憶されている変動パターンの画像データ(伸張後の画像データ)を読出してそれを第1VRAM340aへ記憶させ、その記憶された画像データを特別図柄表示部9へ表示させる制御を行なう。
図16は、第2の実施の形態におけるキャッシュ領域入替え処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
カウンタ1〜8の選択回数の合計が「100」以上の場合に、S412により、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して、キャッシュ領域アドレス・順位テーブル中の最下位順位と今回変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの画像データの順位とを比較する処理がなされる。次にS413に進み、その最下位順位の値と今回の変動パターンの画像データの順位の値との大小関係を判定し、最下位順位よりも今回の変動パターンの画像データの順位の方が上位の順位(順位が小さな値)であるか否かの判断がなされ、上位でない場合には、S418へ進む。S418では、今回の変動パターンの画像データを第2VRAM340bのテンポラリ領域に記憶させる(上書き保存させる)とともに、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる指令をVDP320へ出力する。
その指令を受けたVDP320は、今回の変動パターンの画像データを第2VRAM340bのテンポラリ領域に記憶(上書き保存)させた後、該画像データを第2VRAM340bから読み出して第1VRAM340bに記憶させ、該第1VRAM340bに記憶された画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。その後、このキャッシュ領域入れ替え処理のサブルーチンプログラムが終了する。一方、今回の変動パターンの画像データの順位の方が上位の場合にはS414へ進み、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して最下位順位の先頭アドレスを割出す処理がなされる。次にS415へ進み、その読出された先頭アドレスの領域に今回指定された変動パターンの画像データを上書き保存して書替えるとともに、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる指令をVDP320へ出力する処理がなされる。これに従って、VDP320は、第2VRAM340bのキャッシュ領域中の指定された先頭アドレスの記憶領域に今回指定された変動パターンの画像データを上書き保存して書替え、その上書き保存された画像データを第1VRAM340aに記憶させて、その第1VRAM340aに記憶された画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。
次に制御がS416へ進み、CPU312により、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの最下位順位のインデックス番号を変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの画像データのインデックス番号に書替える処理がなされて、このサブルーチンプログラムが終了する。
図16のキャッシュ領域入替え処理の一例が、図17に示されている。図17(a)のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに、たとえばインデックス番号1、2、5、6、7とそれに対応する順位が記憶されている。このキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに従って、第2VRAM340bのキャッシュ領域に、通常変動、ノーマルリーチ、リーチC、リーチD、予告態様1の各変動パターンの画像データが記憶されている(図17(c)参照)。また、テンポラリ領域には、予告態様2の変動パターンの画像データが記憶されている。
この状態で、今回送信されてきた変動パターンコマンドによりインデックス番号4のリーチBが指定されたと仮定する。リーチBすなわちインデックス番号4の選択回数が既に「6」になっていると仮定し、今回変動パターンコマンドにより選択指定されたことにより選択回数が「7」となり、順位が「5」となる。すると、インデックス番号「6」の選択回数が「6」であるために、インデックス番号「6」の順位は「6」に繰り下がる(図7参照)。その結果、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルの最下位順位「6」よりも今回選択指定された変動パターンの画像データの順位「5」の方が上位順位であるために、インデックス番号「6」のキャッシュ領域内先頭アドレス「65FFh」の記憶領域の変動パターンの画像データを今回選択指定されたインデックス番号「4」のリーチBの画像データに書替える指令が、VDP320に出力され、VDP320がその書替え処理を行なう。その書替え処理の結果、図17(d)のようになる。
また、CPU312は、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルのインデックス番号「6」を、今回選択指定された上位順位のインデックス番号「4」に書替える処理を行なう(図17(b)参照)。
図18は、第3実施の形態におけるキャッシュ領域入替え処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。なお、この第3実施の形態における選択処理は、図15に示した第2実施の形態と同じである。
この第3実施の形態では、変動パターンコマンドにより指定されてCGROM330により読出されて伸張された変動パターンの画像データを第2VRAM340bのテンポラリ領域に記憶させるとともに、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なった後、テンポラリ領域に記憶されている変動パターンの画像データの順位がキャッシュ領域に記憶されている複数の変動パターンの画像データの最下位順位よりも上位順位であるときに限りそのテンポラリ領域の変動パターンの画像データをキャッシュ領域に移して記憶させて残しておくものである。以下に、第1実施の形態との相違点を主に説明する。
カウンタ1〜8の選択回数の合計が「100」以上の場合にS423へ進み、テンポラリ領域に今回指定された変動パターンの画像データを記憶するとともに、その画像データを特別図柄表示部9に表示させる指令をVDPに出力する処理がなされる。VDP320は、この指令を受けて、指定された変動パターンの画像データを第2VRAM340bのテンポラリ領域に展開記憶する処理を行なうとともに、その画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その第1VRAM340aに展開記憶されている画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。
次にS424へ進み、CPU312により、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して今回指定された変動パターンの画像データの順位とキャッシュ領域に記憶されている複数の変動パターンの画像データの最下位順位とを比較する処理がなされる。次にS425へ進み、今回指定された変動パターンの画像データの順位が最下位順位よりも上位順位であるか否かの判断がなされ、上位順位でない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、上位順位の場合にはS426へ進み、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルを参照して最下位順位の変動パターンの画像データが記憶されている記憶領域の先頭アドレスを読出す処理がなされる。そしてS427により、その読出された最下位順位の先頭アドレスの記憶領域にテンポラリ領域に記憶されている変動パターンの画像データを上書き保存して書替える指令をVDP320へ出力する処理がなされる。VDP320は、その指令を受けて、第2VRAM340bのキャッシュ領域の書替え処理を行ない、その書替え(上書き)された画像データを第1VRAM340aに展開記憶させ、その展開記憶された画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。
図19は、図18に示すキャッシュ領域入替え処理の一例を示す図である。現時点におけるキャッシュ領域アドレス・順位テーブルが図19(a)に示されている。このキャッシュ領域アドレス・順位テーブルに従って変動パターンの各種画像データが図19(c)に示すように第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されている。
この状態で、今回変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがインデックス番号「4」のリーチBであったと仮定する。そしてそのインデックス番号「4」のリーチBの選択回数が「6」であったと仮定する。この状態で、今回の変動パターンコマンドにより指定されたリーチBの画像データはキャッシュ領域に存在しないために、CGROM330から読出されて伸張されてその伸張されたリーチBの画像データがテンポラリ領域に記憶されるとともに(図19(d)参照)、第1VRAM340aに展開記憶されて特別図柄表示部9に表示される。
今回の変動パターンコマンドによりインデックス番号「4」のリーチBが選択指定されたことにより、インデックス番号「4」の選択回数が「7」となり順位が「5」となる(図7参照)。また、インデックス番号「6」の変動パターンの選択回数が「6」であるためにその順位は繰下がって「6」となる(図7参照)。その結果、テンポラリ領域に記憶されているリーチBの順位「5」の方がキャッシュ領域に記憶されているリーチD(インデックス番号「6」)の順位「6」よりも上位順位となる。その結果、そのテンポラリ領域に記憶されているリーチBの画像データがキャッシュ領域の先頭アドレス65FFhに対応する記憶領域に移されて上書き保存される。
また、CPU312は、キャッシュ領域アドレス・順位テーブルのインデックス番号「6」をリーチBに対応する「4」に書替える処理を行なう(図19(b)参照)。
次に、以上説明した実施の形態における特徴部分の効果を以下に列挙する。
(1) 第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されている複数の変動パターンの画像データについてのキャッシュ管理が、特別図柄表示部9に表示させるべく選択された変動パターンの選択回数に基づいた使用頻度の順位(図9のS103〜S109参照)に従って行なわれる。その結果、順位の低い変動パターンの画像データがキャッシュ領域から消去され、使用頻度の順位の高い変動パターンの画像データがキャッシュ領域内に残される状態となり、実際の使用頻度に則した変動パターンの画像データのキャッシュ管理が可能となり、実際の使用頻度の高い変動パターンの画像データの伸張から展開記憶する処理の負担を確実に低減することが可能となる。
(2) 一方、電源投入時から所定期間(たとえば各変動パターンの選択回数の合計が100回に達するまでの期間)が経過していない初期段階においては、キャッシュ管理を行なうための使用頻度の実測データが十分には集まっていない。その初期段階においては、図5に示した各変動パターンの設計上の出現率に基づいてその出現率の高い順に順位付けを行ない、上位の順位のものを第2VRAM240bのキャッシュ領域に記憶させるという、設計上の出現率に基づいたキャッシュ管理を行なう。その結果、使用頻度の実測値が十分には集まっていない初期段階においては設計上の出現率に基づいたキャッシュ管理を行なって、初期段階という実情に合致したキャッシュ管理が可能となる。
(3) 図15〜図17に示した第2実施の形態においては、特別図柄表示部9に表示させるべく選択された変動パターンの画像データを第2VRAM240bに記憶させる毎にその第2VRAM240bのテンポラリ領域に記憶させるかキャッシュ領域中の最も選択回数(順位)が低い変動パターンの画像データの記憶領域に記憶させるかを決定する(S412〜S418)。その結果、たとえば選択された変動パターンの画像データを一旦第2VRAM240bのテンポラリ領域に記憶させた後その画像データをキャッシュ領域の方に入換える場合と比べて、伸張された画像データの入換え処理を省くことができ、表示制御の処理負担を軽減させることができる。
(4) 図18、図19に示した第3実施の形態においては、特別図柄表示部9に表示するべく選択された変動パターンと第2VRAM240bのキャッシュ領域に記憶された各画像データに対応する変動パターンとの実測値に基づいた選択回数の比較判定(図18のS425の判定)を行なう前に、一旦選択された変動パターンの画像データが第2VRAM240bのテンポラリ領域に展開記憶されて、その展開記憶された画像データを特別図柄表示部9に表示させる制御が行なわれる。その結果、キャッシュ管理のために変動パターンの画像データをキャッシュ領域に記憶させるか否かの判断およびその判断に基づいた変動パターンの画像データのキャッシュ領域への記録処理を行なう前に、伸張された画像データを一旦テンポラリ領域に記憶させてその画像データを第1VRAM240aに展開記憶させて特別図柄表示部9に表示させる制御が先行され、確実に画像データを特別図柄表示部9に表示させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。以下に、本実施の形態の変形例や特徴点を列挙する。
(1) 前述した実施の形態における制御の手法は任意であり、プログラムにより実行することも可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、演出制御を行なう演出制御基板300に、演出制御用マイクロコンピュータ310、CGROM330、第1VRAM340a、第2VRAM340b、VDP320などから構成されるものを例示したが、その物理的構成は任意であり、例えば、VRAM1個でVRAM内の領域を第1領域と第2領域で構成し、第1領域をフレームバファ用の領域にし第2領域をキャッシュ管理用(またはキャッシュ管理用とテンポラリ領域用)の領域に構成してもよい。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ310に、CGROM330や第1VRAM340a、第2VRAM340bを内蔵して1チップ化したマイクロプロセッサを使用してもよい。
さらには、VDP320が単体で十分な処理能力を有する場合には、上記実施の形態で説明した演出制御用マイクロコンピュータ310の処理をVDP320が負担し、演出制御用マイクロコンピュータ310を設けないようにすることも可能である。
逆に、演出制御用マイクロコンピュータ310が高機能化された場合には、VDP320を配置せずに、全処理を演出制御用マイクロコンピュータ310で行なうようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態における装置構成、ブロック構成や、変動パターン、フローチャートの構成は任意に変更及び修正が可能である。
(4) この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機(コンピュータ)などにも適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 前述の実施の形態においては、たとえば図7等に示すように、各変動パターンにおける図柄データの選択回数に基づいた順位付けを行ない、その順位に基づいて第2VRAM340bのキャッシュ領域のキャッシュ管理を行なうものを示したが、その代わりに、順位付けを行なうことなく、各変動パターンの選択回数同士を比較して選択回数の多い変動パターンの画像データをキャッシュ領域に残す等の選択回数データに基づいたキャッシュ管理を行なうようにしてもよい。
(6) 図16のS413、図18のS425では、キャッシュ領域中の変動パターンの画像データの最下位順位と今回表示する変動パターンの画像データの順位とが同順位の場合には今回表示する変動パターンの画像データをキャッシュ領域に記憶させる書き換えを行わないが、同順位の場合に今回表示する変動パターンの画像データをキャッシュ領域に記憶させる書き換えを行なってもよい。
(7) 前述の使用頻度の実測結果に基づいたキャッシュ管理を行なうことにより実際に使用頻度の高い変動パターンの画像データの伸長展開記憶の処理負担を軽減でき、その処理負担が軽減した分他の制御を行ってもよい。他の制御としては、たとえば、次に表示する圧縮画像をCGROM330から先読みして事前に伸長しておき、その伸長された画像データに異常があれば実際の表示までの時間を利用して再度表示する圧縮画像をCGROM330から先読みして伸長して再ロードし、信頼度の高い画像を生成する等である。
(8) 遊技機に変動パターン選択手段を設け、所定の遊技条件が成立したときに遊技者が前述の複数種類の変動パターンの中から希望する変動パターンを選択し、その選択された変動パターンの画像データが読みだされて特別図柄表示部9に表示されるように制御してもよい。このように構成した場合には、変動パターンの画像データが遊技者の好みによって選択されることとなり設計上の使用頻度から大きくかけ離れる状態となる場合があるが、その場合においても使用頻度の実測結果に基づいてキャッシュ管理を行なうために、その遊技者の遊技が継続されるにつれてその遊技者の好みを反映したキャッシュ管理ができるようになる。
(9) 第2VRAM340bのキャッシュ領域における変動パターンの画像データの書換えは、新たな変動パターンの画像データの上書き保存に限らず、キャッシュ領域における書換えるべき領域の変動パターンの画像データを先ず消去し、その後消去された領域に新たな変動パターンの画像データを記憶させるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、複数種類の変動パターンのうちどの変動パターンを選択するかの判定を遊技制御基板210が行なうものを示したが、演出制御基板300が行なうようにしてもよい。具体的には、遊技制御基板210が演出制御基板300に対し、大当りになるか否か、リーチになるか否か、確率変動状態になるか否か、および特別図柄表示部9の変動表示時間を指定するコマンドを送信し、演出制御基板300側において、そのコマンドにより指定された条件に適合する変動パターンと予定停止図柄とを決定し、その決定した変動パターンを特別図柄表示部9に表示させた後決定された予定停止図柄で特別図柄を停止表示させる。
また、今回表示する変動パターンの画像データが第2VRAM340bのキャッシュ領域に残っているか否かを判断する方法として、前述のキャッシュ領域アドレス・順位テーブルを用いる代わりに、キャッシュ領域に残っているか否かを識別するための残存フラグを設け、その残存フラグがセットされているか否かによりキャッシュ領域に残っているか否かの判断を行なうようにしてもよい。
(10) 図18、図19に示した第3実施の形態における第2VRAM340bのテンポラリ領域を、フレームバッファとしての第1VRAM340aで兼用構成してもよい。すなわち、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンにしたがってCGROM330から読出されて伸張された画像データをフレームバッファとしての第1VRAM340aに記憶させ、その画像を特別図柄表示部9により表示させた後、その第1VRAM340aに記憶されている変動パターンの画像データの順位と第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶されている複数の変動パターンの画像データにおける最下位順位とを比較して、第1VRAM340aに記憶されている変動パターンの画像データの順位の方が上位順位であった場合にはその変動パターンの画像データをキャッシュ領域の最下位順位のアドレス領域に上書き保存するようにしてもよい。さらに、図15〜図17に示した第2実施の形態における第2VRAM340bのテンポラリ領域を、フレームバッファとしての第1VRAM340aで兼用構成してもよい。すなわち、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンにしたがってCGROM330から読出されて伸張された画像データが順位の低い変動パターンのものであり第2VRAM340bのキャッシュ領域に記憶させない場合には、その伸張された画像データをフレームバッファとしての第1VRAM340aに記憶させ、その画像データを特別図柄表示部9により表示させる。このようにすれば、第2VRAM340bのテンポラリ領域をなくすることができ、第2VRAM340bの記憶領域をキャッシュ領域や特別図柄記憶領域に有効利用することができる。
(11) さらに、フレームバッファとしての第1VRAM340a自体をなくし、第2VRAM340bのキャッシュ領域の5つのアドレス領域自体をフレームバッファとして兼用するように構成してもよい。具体的には、今回変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがインデックス番号「5」のノーマルリーチCでありたとえば図14(c)のようにノーマルリーチCの画像データがキャッシュ領域の先頭アドレス60FFhに記憶されている場合には、この60FFhのリーチCの画像データを記憶している領域をフレームバッファとして使用し、このリーチCの画像データを読出して直接特別図柄表示部9に表示させる制御を行なう。
(12) 図13に示した第1実施の形態におけるキャッシュ領域入替え処理では、展開記憶制御手段が、記憶領域特定手段により特定された記憶領域に記憶されている画像データに対応する変動パターンの選択回数と画像選択手段により選択された変動パターンの選択回数との大小に関係なく、記憶領域特定手段により特定された展開記憶手段の記憶領域を画像選択手段により選択された変動パターンの画像データを展開記憶するために開放させる制御を行ない、その選択された変動パターンの画像データをその開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行なう。その結果、記憶領域特定手段により特定された記憶領域に記憶されている変動パターンの選択回数と画像選択手段により選択された変動パターンの選択回数との大小の比較判定を行なわず、その分制御負担を軽減することができる。
(13) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、10 普通図柄表示部、11 通過口、12 ゲートスイッチ、14 始動口、15 通過記憶表示器、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、19 可変入賞球装置、25 遊技演出ランプ、41 スピーカ、210 遊技制御用マイクロコンピュータ、212,312 CPU、213,313 ROM、214,314 RAM、310 演出制御用マイクロコンピュータ、320 VDP、330 CGROM、340a 第1VRAM、340b 第2VRAM、111 電源投入時初期設定指令手段、125 数値データ更新手段、189 数値データ抽出手段、300 演出制御基板 310 演出制御用マイクロコンピュータ。
Claims (5)
- 画像を変動表示する表示領域を有する画像表示装置を備える遊技機であって、
前記画像表示装置の表示領域における画像の変動表示態様を特定するための変動パターンの画像データが圧縮された圧縮画像データを記憶している圧縮画像データ記憶手段と、
前記圧縮画像データ記憶手段に記憶された圧縮画像データを読出して伸長する画像データ伸長手段と、
該画像データ伸長手段により伸長された画像データを記憶領域に展開記憶する展開記憶手段と、
遊技状態に応じて前記変動パターンの種類を選択する変動パターン選択手段と、
該変動パターン選択手段により選択された変動パターンの選択回数を各変動パターン毎に計数する選択回数計数手段と、
該選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定する記憶領域特定手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行なう展開記憶制御手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定する展開記憶残存判定手段と、
前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている旨の判定がなされたときに、当該選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段から読出して前記画像表示装置に表示させるための制御を行なう一方、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち該選択された変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、該伸長された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なう表示制御手段と、を備えることを特徴とする、遊技機。 - 前記変動パターンの種類毎に、前記変動パターン選択手段により選択される選択比率が予め設定されており、
電源投入時に、前記圧縮画像データ記憶手段に記憶されている圧縮画像データのうち、前記変動パターンの選択比率が予め定められた選択比率以上の変動パターンの圧縮画像データを前記画像伸長手段により読出して伸長させ、前記展開記憶手段の記憶領域に予め記憶させる制御を行なう初期データ展開記憶制御手段を備え、
前記記憶領域特定手段は、前記電源投入時から予め定められた期間が経過した後、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 前記展開記憶手段は、前記記憶領域とは別に形成された別記憶領域を含み、
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されているか否かを判定し、
該展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて、該選択された変動パターンの画像データが、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも低い選択回数であるか高い選択回数であるかを判定する選択回数判定手段をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされたときには前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて前記展開記憶手段の記憶領域に記憶された各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定し、前記選択回数判定手段により低い選択回数である旨の判定がなされたときには前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された別記憶領域に展開記憶させる制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行なうことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されているか否かを判定し、
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときに、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記展開記憶手段は、前記記憶領域とは別に形成された別記憶領域を含み、
前記展開記憶残存判定手段は、前記変動パターン選択手段により変動パターンが選択されたときに該選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されているか否かを判定し、
前記記憶領域特定手段は、前記展開記憶残存判定手段により、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データが前記展開記憶手段の記憶領域または別記憶領域に記憶されていない旨の判定がなされたときには前記展開記憶手段の別記憶領域を特定し、
前記展開記憶制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの画像データを前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶させるために前記記憶領域特定手段により特定された別記憶領域を開放させる制御を行なうとともに、該選択された変動パターンの画像データを該開放された記憶領域に展開記憶させる制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記記憶領域特定手段により特定された前記展開記憶手段の別記憶領域に前記展開記憶制御手段が展開記憶させた画像データを前記画像表示装置により表示させるための制御を行ない、
前記展開記憶制御手段により前記展開記憶手段の別記憶領域に展開記憶された画像データに対応する変動パターンの選択回数が、前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各画像データに対応する変動パターンの選択回数よりも高い選択回数であるか否かを、前記選択回数計数手段の計数結果に基づいて判定する選択回数比較判定手段をさらに備え、
前記記憶領域特定手段は、前記選択回数比較判定手段により高い選択回数である旨の判定がなされているときには前記展開記憶手段の記憶領域に記憶されている各変動パターンの画像データのうち最も選択回数が低い変動パターンの画像データの記憶領域を特定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061110 |
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