また、短縮状態であるか否かを示す状態データが、短縮状態に移行するときに短縮状態中である旨を示す短縮状態データに設定され、当該短縮状態が終了したときに短縮状態中でない旨を示す通常状態データに設定される。そして、状態データが短縮状態データに設定されているときに、通常状態データに設定されているときに比べて短い変動表示時間が選択される。さらに、短縮状態に制御されているときにおいて、第1変動表示手段および第2変動表示手段での変動表示が所定回数実行されることを短縮状態の終了条件として短縮状態が終了したと判定されたときの当該識別情報の変動表示がいずれか一方の変動表示手段で開始されるときに、短縮状態データが通常状態データに設定される。このため、一方の変動表示手段での変動表示により短縮状態が終了したと判定されたときの変動表示中に他方の変動表示手段で実行される変動表示の回数の違いにより短縮状態中に実行される変動表示の回数に遊技者による違いが生じない。その結果として、遊技者間に不公平が生じなくなるので、遊技者の興趣を高めることができる。
(2) 前記動画像生成手段は、前記特定遊技状態となっているときにおいて、前記繰返し動画生成処理を行なう(図31のS216,S217、図37(C),(D))。
このような構成によれば、特定遊技状態となっているときにおいて、繰返し動画生成処理が行なわれるので、特定遊技状態となっているときの画像表示に関する制御負担を小さくすることができる。
(4) 前記複数種類の識別情報のうち少なくとも1つの識別情報は、少なくとも予め定められた第1の部位(第1の部位P1)と第2の部位(第2の部位P2)とから構成されており(図9)、
前記画像データ記憶手段は、
前記識別情報の前記第1の部位に対応する第1のスプライト画像(図12のS101〜S103)を示す第1スプライト画像データ(図11の第1のスプライト記憶部201のデータ)を記憶する第1スプライト画像データ記憶手段(映像ROM82,92における第1のスプライト記憶部201)と、
前記識別情報の前記第2の部位に対応する第2のスプライト画像(図12のS201〜S203)を示す第2スプライト画像データ(図11の第2のスプライト記憶部202のデータ)を記憶する第2スプライト画像データ記憶手段(映像ROM82,92における第2のスプライト記憶部202)と、
前記識別情報の前記第1の部位に対応する動画像を生成するために表示順序が定められた複数のフレーム画像(図13のF1〜F10)を示す識別情報フレーム画像データ(図11の第1の動画記憶部203のデータ)を記憶する識別情報フレーム画像データ記憶手段(映像ROM82,92における第1の動画記憶部203)とをさらに含み、
画像生成手段は、
前記第1スプライト画像データ記憶手段に記憶された第1スプライト画像データを読出して前記第1の部位に前記第1のスプライト画像を生成し、前記第2スプライト画像データ記憶手段に記憶された第2スプライト画像データを読出して前記第2の部位に前記第2のスプライト画像を生成する第1識別情報画像生成手段(図35のS301で表示制御データKまたはLを読出して行なわれるS302〜S304、S405,S406)と、
前記識別情報フレーム画像データ記憶手段に記憶された識別情報フレーム画像データを読出して前記複数のフレーム画像のうち先頭フレーム画像から最終フレーム画像までの画像を順次切替えて生成することにより、前記第1の部位に前記動画像を生成し、前記第2スプライト画像データ記憶手段に記憶された第2スプライト画像データを読出して前記第2の部位に前記第2のスプライト画像を生成する第2識別情報画像生成手段(図35のS301で表示制御データMまたはNを読出して行なわれるS302〜S304、S403)と、
所定の条件(左図柄および右図柄について描画コマンドを生成する処理の処理中であって、かつ、リーチ表示態様となるリーチタイミングが経過したとき)において、前記第1識別情報画像生成手段により生成される前記第1のスプライト画像から前記第2識別情報画像生成手段により生成される前記動画像に置換える(図36)置換表示手段(図42のS402、S403)と、をさらに含む。
このような構成によれば、識別情報画像については、第1識別情報画像生成手段により第1および第2のスプライト画像が第1および第2の部位に生成される。そして、所定の条件において、識別情報画像は、第1の部位に生成された第1のスプライト画像が第2識別情報画像生成手段により生成される動画像に置換えられる。このように、識別情報画像における第1の部位で画像が第1のスプライト画像から識別情報フレーム画像データを用いて生成される動画像に置換えられるので、スプライト画像を切替えることにより動きのある識別情報画像を生成する場合と比較して、動きのある識別情報画像を生成するための制御負担を軽減することができる。また、識別情報画像の動きを表現するために多くのスプライト画像データを記憶する必要なく、画像データのデータ量を低減することができる。
(5) 前記第1スプライト画像データ記憶手段は、前記第1スプライト画像データとして、表示順序が定められた複数の第1スプライト画像を示す第1スプライト画像データを記憶(図11)し、
前記第1識別情報画像生成手段は、前記複数の第1のスプライト画像のうち先頭スプライト画像(図12(a)のS101)から最終スプライト画像(図12(a)のS103)までの画像を前記第1の部位に順次切替えて生成することによる第1のスプライト画像を生成し(図36)、
前記置換表示手段により前記第1のスプライト画像から前記動画像に置換えられるときにおいて、前記第1スプライト画像データによる前記最終スプライト画像と、前記識別情報フレーム画像データによる先頭フレーム画像(図13のF1)とが表示内容の連続性(同一の画像、類似の画像等、図36)を有する(図12(a)のスプライト画像S103と図13のフレームF1のフレーム画像とが表示内容の連続性を有する)。
このような構成によれば、第1スプライト画像データの最終スプライト画像と識別情報フレーム画像データの先頭フレーム画像とが表示内容の連続性を有するので、第1スプライト画像から識別情報フレーム画像に切替わる際における前後の画像の表示状態がつながるため、第1スプライト画像と識別情報フレーム画像動画像との切替わりがスムーズに行なわれ、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
このような構成によれば、合成識別情報画像は、先に表示されていた先識別情報画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される後識別情報画像はそのブレンド率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにその拡大率がブレンド率に比例して大きくなっていくために、次第に明瞭になっていく合成処理を行なって生成され、生成された合成画像が表示される。このため、消えてゆく先識別情報画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、後識別情報画像が次第に明瞭になってくる合成画像となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機等であってもよく、第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう第1変動表示手段と、前記第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう第2変動表示手段とを備え、前記第1変動表示手段による識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったとき、または、前記第2変動表示手段による識別情報の変動表示結果が前記特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、さらに、該特定遊技状態の終了後において、識別情報の変動表示時間が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも短縮される短縮状態に制御される遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射するために操作する打球操作ハンドル5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット50が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット50に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸し球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、上皿としての打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を、打球操作ハンドル5を操作することに応じて弾発発射して、遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて、景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
遊技領域7中には、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とが所定間隔を隔てて配置されている。第1特別図柄表示器8は、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する表示部である。第2特別図柄表示器9は、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する表示部である。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれは、7セグメント表示器により構成されている。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおける変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示をすることをいう。
また、第1特別図柄表示器8を左右から挟むように、第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器9を左右から挟むように、第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、そのような数字図柄以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、特別図柄の変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切替えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、7セグメント表示器に限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示、エレクトロルミネセンス、または、ドットマトリックス表示を利用したもの等、画像を表示する画像表示式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、表示結果を導出表示することは、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることができる態様であればよい。
第1特別図柄表示器8の下には、第1特別図柄表示器8に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字のそれぞれについて異なるキャラクタを付加して一体化した10個の飾り図柄)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられている。ここで、キャラクタとは、変動表示部に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす画像をいう。第2特別図柄表示器9の下には、第2特別図柄表示器9に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字のそれぞれについて異なるキャラクタを付加して一体化した10個の飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、液晶表示装置(LCD)により構成され、スクロール表示等の所定の変動表示態様で飾り図柄を変動表示することが可能である。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、左・中・右の3つの表示領域で飾り図柄が変動表示される。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
なお、この実施の形態では、飾り図柄が数字とキャラクタとが一体化された図柄である場合を例として示したが、これに限らず、飾り図柄は、そのような図柄以外の数字、文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、飾り図柄の変動表示態様には、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するもの、図柄を切替えることにより更新表示するもの、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示する等各種の変動表示態様が含まれる。また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、液晶表示装置に限らず、CRT、プラズマ表示を利用したもの等のように、その他の表示方式で変動表示をするものであってもよい。
第1特別図柄表示器8の表示結果が遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)としての大当りの発生する大当り図柄である第1特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)の場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する大当り図柄の組合せである第1飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる大当り図柄の組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。第2特別図柄表示器9の表示結果が大当りの発生する大当り図柄である第2特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する大当り図柄の組合せである第2飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる大当り図柄の組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
第1特別図柄表示器8で変動表示される識別情報は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9で変動表示される識別情報は第2特別図柄と呼ばれる。また、第1飾り変動表示部8kで変動表示される識別情報は、第1飾り図柄と呼ばれる。第1飾り図柄は、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第1特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。また、第2飾り変動表示部9kで変動表示される識別情報は、第2飾り図柄と呼ばれる。第2飾り図柄は、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第2特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。
第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第1変動表示部と呼ぶ場合がある。また、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第2変動表示部と呼ぶ場合がある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されるとともに、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態(以下、第1大当り、または、第1大当り遊技状態という)と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されるとともに、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態(以下、第2大当り、または、第2大当り遊技状態という)とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等が同一)の価値が付与される大当り遊技状態としている。しかし、これに限らず、一方の大当り遊技状態を他方の大当り遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっている。しかし、これに限らず、3以上の複数系統の表示部を備え、3以上の複数(任意の自然数)の表示部で識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
次に、第1特別図柄表示器8における変動表示に用いられる第1特別図柄、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示に用いられる第1飾り図柄、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられる第2特別図柄、および、第2飾り変動表示部9kにおける変動表示に用いられる第2飾り図柄について、表示結果と実行される制御との関係を説明する。第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれについては、前述のように数字とキャラクタとが一体化された図柄であるが、以下の説明において、説明を簡素化するため、第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれについては、図柄に付された数字を特定することにより、図柄の種類を特定することとする。
第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる第1特別図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、0〜9の10種類の数字からなる第1飾り図柄を3つの表示領域のそれぞれにおいて表示する。第1特別図柄表示器8により、大当り図柄として予め定められた奇数(1,3,5,7,9)の第1特別図柄が表示結果として導出表示されたときには、第1特図特定表示結果となり、第1大当り遊技状態が発生する。第1特別図柄表示器8により奇数の図柄が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにゾロ目となる第1飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
本実施形態における第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kのそれぞれで表示される図柄は、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kのそれぞれで表示される図柄と同様である。また、第2特別図柄表示器9により大当り図柄として予め定められた奇数(1,3,5,7,9)の第2特別図柄が表示結果として導出表示されたときには、第2特図特定表示結果となり、第2大当り遊技状態が発生する。第2特別図柄表示器9により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにゾロ目となる第2飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
第1特別図柄表示器8により「3」,「7」のいずれかの大当り図柄が導出表示されるとともに、第1飾り変動表示部8kにいずれかの奇数図柄のゾロ目が表示結果として導出表示されるとき、または、第2特別図柄表示器9により「3」,「7」のいずれかの大当り図柄が導出表示されるとともに、第2飾り変動表示部9kにいずれかの奇数図柄のゾロ目が表示結果として導出表示されるときには、第1変動表示部および第2変動表示部の両方を対象として、特別遊技状態としての確率変動制御モード(以下に示す実施の形態においては、確率変動を確変という略称で呼ぶ場合がある。たとえば、確変制御モード)に制御される。
確変制御モードに制御されたときは、確率変動状態である確変状態に制御されるとともに、変動時間短縮状態である時短状態に制御される。確変状態とは、大当りの発生確率が大当り遊技状態以外の通常遊技状態時に比べて向上した制御状態をいう。確変状態中では、大当りの発生確率が向上するので、確率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれで導出表示される大当り図柄のうち、導出表示されるときに確変状態が発生する大当り図柄(3または7)を確変大当り図柄という。一方、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれで導出表示される大当り図柄のうち、導出表示されるときに確変状態が発生しない大当り図柄(1,5,9)を非確変大当り図柄または通常大当り図柄という。
また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで導出表示される大当り図柄の組合せのうち、導出表示されるときに確変状態が発生する大当り図柄の組合せ(奇数の図柄のゾロ目の組合せ)を確変大当り図柄の組合せといい、そのような確変大当り図柄の組合せを構成する図柄(奇数の図柄)を確変大当り図柄という。一方、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで導出表示される大当り図柄の組合せのうち、導出表示されるときに確変状態が発生しない大当り図柄の組合せ(0または偶数図柄の組合せ)を非確変大当り図柄の組合せまたは通常大当り図柄の組合せという。
また、特別図柄による確変大当り図柄の表示結果および飾り図柄による確変大当り図柄の組合せの表示結果は、まとめて、確変大当り表示結果と呼ぶ場合がある。また、特別図柄による非確変大当り図柄の表示結果および飾り図柄による非確変大当り図柄の組合せの表示結果は、まとめて、非確変大当り表示結果または通常大当り表示結果と呼ぶ場合がある。また、確変大当り表示結果および非確変大当り表示結果は、総称として、大当り表示結果と呼ぶ場合がある。また、特別図柄によるはずれ図柄の表示結果および飾り図柄によるはずれ図柄の組合せの表示結果は、まとめて、はずれ表示結果と呼ぶ場合がある。
また、時短状態とは、通常遊技状態に比べて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1飾り変動表示部8k、第2特別図柄表示器9、後述する第1普通図柄表示器12、および、後述する第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
確変制御モードは、確変制御モード中における第1変動表示部および第2変動表示部による合計の変動表示回数(両方の変動表示部の合計変動表示回数)が所定の変動表示回数(たとえば、100回)に到達する範囲内で継続される。また、確変制御モード中において、第1変動表示部と第2変動表示部とのいずれか一方で、表示結果が非確変大当り表示結果となるときには、第1変動表示部および第2変動表示部における合計の変動表示回数が確変状態の継続期間として規定されている前述の所定の変動表示回数分に到達していない場合であっても、当該確変制御モードが終了する。
また、確変制御モード以外の状態において、第1変動表示部に非確変大当り表示結果が導出表示されたときには、大当り遊技状態のみが発生し、確変制御モードに制御されずに、確変状態および時短状態が発生しない。同様に、確変制御モード以外の状態において、第2変動表示部に非確変大当り表示結果が導出表示されたときには、大当り遊技状態のみが発生し、確変制御モードに制御されずに、確変状態および時短状態が発生しない。
また、第1特別図柄表示器8で、はずれ図柄である「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにおいて、はずれ図柄の組合せであるばらけ目(ゾロ目以外の組合せ)が表示結果として導出表示される。第2特別図柄表示器9で、はずれ図柄である「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにおいて、はずれ図柄の組合せであるばらけ目が表示結果として導出表示される。
なお、本実施の形態においては、特別図柄の大当り図柄について、確変大当り図柄と非確変大当り図柄とを区別して表示結果として用いる例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄の大当り図柄については、確変大当り図柄と非確変大当り図柄とを区別して用いないようにしてもよい。たとえば、特別図柄については、確変状態とすることが決定されているときと、確変状態としないことが決定されているときとで区別せずに、いずれかの大当り図柄を導出表示し、飾り図柄の表示結果が、確変大当り図柄の組合せと、非確変大当り図柄の組合せとのどちらになるかにより、確変状態とするか否かを示すようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が同一であり、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとのそれぞれで使用する図柄の種類が同一である例について説明する。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が異なり、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとのそれぞれで使用する図柄の種類が異なるようにしてもよい。
以上に説明したように、第1変動表示部と第2変動表示部とのいずれか一方において確変大当り表示結果が導出表示されれば、第1変動表示部と第2変動表示部との両方について確変状態に制御されるとともに時短状態に制御される確変制御モードに制御される。
打球が第1始動入賞口14へ入賞したときに、後述する第1特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照))に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第1保留記憶データとも呼ばれる。この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。
打球が第2始動入賞口16へ入賞したときに、後述する第2特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照)に設けられる記憶領域)に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、この第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第2保留記憶データとも呼ばれる。この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(乱数)は、第1変動表示部の変動表示の開始条件が成立したときに第1変動表示部の変動表示を開始するための始動条件が成立したことを示すデータである。第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2変動表示部の変動表示の開始条件が成立したときに第2変動表示部の変動表示を開始するための始動条件が成立したことを示すデータである。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれには、抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)のうち未だ開始条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが、予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
また、第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14を有する第1始動入賞部15が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。また、第1始動入賞部15には、開閉動作を行なう左右一対の可動片が設けられている。第1始動入賞部15の可動片は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により第1始動入賞部15の可動片が開状態となることにより、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する第2始動入賞部17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2始動入賞部17には、第1始動入賞部15のような可動片が設けられていない。このため、第1始動入賞部15と比べて第2始動入賞部17は、遊技球の入賞し易さが変化しない。なお、第2始動入賞部17においては、第1始動入賞部15のような可動片が設けられてもよい。
第1始動入賞口14の下方には、第1変動表示部において大当り表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第1特別可変入賞装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第1大入賞口21から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図2にソレノイド73として示す)も設けられている。
始動入賞部17の下方には、第1変動表示部において大当り表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第2特別可変入賞装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域と、V入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図2にソレノイド76として示す)も設けられている。
なお、この実施の形態では、第1変動表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と、第2変動表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えている例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞装置としては、1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1変動表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2変動表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置とを同一(共通)の特別可変入賞装置を用いて構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる第1始動入賞部15と、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる第2始動入賞部17とをそれぞれ備えている例について説明したが、これに限らず、始動条件成立に関わる始動入賞部を1つとし、この始動入賞部が第1変動表示部および第2変動表示部という2つの変動表示部の始動条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、始動入賞部の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(第1変動表示部と第2変動表示部とのいずれか)にて変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの変動表示部について予め定められた所定の順序(たとえば、第1変動表示部と第2変動表示部とを交互に変動表示対象とする)で変動表示を実行するように構成してもよい。
第1飾り変動表示部8kの左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる第1普通図柄表示器12が設けられている。この第1普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第1普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第1普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、第1普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。第1普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を第1普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第1普通図柄表示器12のさらに下方には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第1普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この第1普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第1普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、第1普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は非時短状態では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第1普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、第1始動入賞部15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、第1始動入賞部15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
以上、第1普通図柄表示器12および第1普通図柄保留記憶表示器18について説明したが、第2飾り変動表示部9kの右下方に第2普通図柄表示器13および第2普通図柄保留記憶表示器19が設けられている。この第2普通図柄表示器13も、第1普通図柄表示器12と同様に、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第2普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第2普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。この記憶数に基づき、第2普通図柄表示器13において変動表示が行なわれる。また、この記憶数に基づき、第2普通図柄保留記憶表示器19において、LEDが点灯される。第2普通図柄表示器13における変動表示の表示結果が当りである場合には、第2始動入賞部17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態になる。すなわち、始動入賞部17の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
なお、時短状態では、前述した変動時間の短縮制御に加えて、第1始動入賞部15の開放時間を非時短状態よりも長くする制御、および、開放回数を非時短状態よりも増やす制御のうち、いずれか一方または双方の制御が行なわれる。第1始動入賞部15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められると、第1始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなる。これにより、時短状態では、所定期間内での第1変動表示部における変動表示回数が増加して当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、遊技領域7においては、前述した入賞口の他に、通常入賞口と呼ばれる入賞領域が複数設けられている(図示省略)。通常入賞口のそれぞれには、入賞した遊技球を検出する通常入賞スイッチが内蔵されている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。前面枠における遊技領域7の外周左部および外周右部には、遊技効果ランプ40が複数設けられている。また、左右の遊技効果ランプ40の近傍には、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ(図1では省略し、図2等に示す)と、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ(図1では省略し、図2等に示す)とが、設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて、図柄が停止することで当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、第1の変動表示部と第2の変動表示部とのそれぞれについては、大当りとなることが決定されたときに、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な遊技について説明する。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示省略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1変動表示部の変動表示を開始する。第1変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数を増加させる。
また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2変動表示部9の変動表示を開始する。第2変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を増加させる。
第1変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに選択される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第1変動表示部で導出表示された表示結果が大当り表示結果となると、第1の特定遊技状態としての第1大当り遊技状態に移行する。第1大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放されてから一定期間(たとえば、30秒間)経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
前述したように、第1変動表示部で導出表示された表示結果が確変大当り表示結果である場合には、第1大当り遊技状態に制御され、第1大当り遊技状態終了後に、確変状態となる確変制御モードに制御される。
第2変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに選択される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第2変動表示部で導出表示された表示結果が大当り表示結果となると、第2の特定遊技状態としての第2大当り遊技状態に移行する。第2大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
前述したように、第2変動表示部で導出表示された表示結果が確変大当り表示結果である場合には、第2大当り遊技状態に制御され、第2大当り遊技状態終了後に、確変状態となる確変制御モードに制御される。
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータまたはCPUについても同様である。
また、主基板31には、スイッチ回路32、ソレノイド回路33、LED駆動回路77、および、情報出力回路34が搭載されている。スイッチ回路32は、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、および、通常入賞スイッチ(図示省略)等の各種検出手段からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。
ソレノイド回路33は、第1始動入賞部15を開閉するソレノイド71、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内の経路切替え部材を駆動するソレノイド73、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、および、第2大入賞口23内の経路切替え部材を駆動するソレノイド76等を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令にしたがって駆動する。LED駆動回路77は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの制御信号に応じて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、第1普通図柄表示器12、第2普通図柄表示器13、第1普通図柄保留記憶表示器18、および、第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれに駆動信号を出力する。情報出力回路34は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータにしたがって、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する。
主基板31には、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれに出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、主基板31は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれに出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50からの球貸要求信号に応じて貸球の払出しを行なうとともに、遊技盤6に設けられた各入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払出しを行なう装置である球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、表示制御基板80に表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドとしての機能を含む演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。表示制御基板80には、各種の演出制御を行なう演出制御手段としての表示制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。表示制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のCPU、RAM、ROM、I/Oポート部(図示省略)を含む。この表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに応じて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kの表示制御、各種発光手段の制御、および、スピーカ27を用いた遊技音発生制御等の各種演出の制御を行なう。表示制御用マイクロコンピュータ800が制御する発光手段には、装飾ランプ25、遊技効果ランプ40、賞球ランプ51、および、球切れランプ52が含まれる。
演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1演出制御コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2演出制御コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
表示制御用のCPUは、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドにしたがって、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には次のような制御を行なう。表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ800の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)、映像ROM、および、VRAM(Video Ram)が搭載されている(具体的には図3に示す)。
VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、画像データを生成し、変動表示部の表示制御を行なう。映像ROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像データを予め格納しておくためのものである。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。表示制御用のCPUは、受信した演出制御コマンドにしたがって、映像ROMから必要なデータを読出し、そのデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用のCPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。VDPは、表示制御用のCPUから入力されたデータにしたがって、受信した演出制御コマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成してVRAMに画像データを展開し、演出制御コマンドに応じた変動表示部に画像を表示するための処理を行なう。これらの具体的な構成は、図3を用いて後述する。
また、表示制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35に前述した各種発光手段の駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づいて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kでの演出表示に対応して、音の出力および発光を、スピーカ27および前述の発光手段により行なうための制御も行なう。
図3は、表示制御基板80において画像表示のための処理を行なう回路の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、表示制御基板80は、表示制御用マイクロコンピュータ800に加えて、VDP81,91、映像ROM82,92、VRAM83,93、および、LCD駆動回路84,94が設けられている。表示制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のCPU803、制御ROM801、および、RAM802等を含む。VDP81、映像ROM82、VRAM83、および、LCD駆動回路84は、第1飾り変動表示部8kに対応して設けられ、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために設けられている。また、VDP91、映像ROM92、VRAM93、および、LCD駆動回路94は、第2飾り変動表示部9kに対応して設けられ、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために設けられている。
制御ROM801は、CPU803によって利用される各種制御プログラムおよび制御データ等を格納する半導体メモリである。具体的には、制御ROM801は、たとえば、後述する図18,図38に示すような制御データ、および、後述する図28〜図35,図42〜図44に示すような制御用プログラムを格納している。
CPU803は、主基板31から表示制御を指示するための演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドにより指定された飾り変動表示部に画像を表示するために、RAM802を作業領域として用いながら、制御ROM801から表示制御を行なうための表示制御データを読出す。
たとえば、CPU803は、飾り図柄の変動表示を行なう場合に、演出制御コマンドにより指示された変動パターンに応じた表示制御データを読出す。そして、CPU803は、読出した表示制御データに基づいて、表示すべき(展開すべき)画像(スプライト画像の場合スプライト番号;動画像の場合、動画番号およびフレーム番号)や展開レイヤ・位置・サイズ・透明度(画像を半透明にする設定値)・描画順序、施すべきエフェクトの種類(拡大縮小率、回転角度、パレット番号)などを特定した各種設定パラメータであるアトリビュートを含む描画コマンドを作成し、その描画コマンドを、画像を表示する飾り変動表示部に対応するVDPに送る。
VDP81は、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために設けられたVDPである。また、VDP91は、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために設けられたVDPである。各VDPは、CPU803から送られてきた描画コマンドに基づき、画像を生成する際に使用するデータテーブルとしてのアトリビュートテーブルを作成する。また、このようなVDPは、画像表示を行なうための表示制御機能および高速描画機能を有し、アトリビュートテーブルのデータにしたがって、各種画像の変形(拡大縮小、トリミング)や合成などの処理を行なう機能を有する。また、各VDPは、圧縮されている動画データを伸長する機能も有する。
VRAM83は、VDP81が画像を生成する際に、画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。また、VRAM93は、VDP91が画像を生成する際に、画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。各VDPは、CPU803から送信される描画コマンドに基づきアトリビュートテーブルを作成し、対応関係にある映像ROMから必要な画像データを読出して、描画エリアとして、対応関係にあるVRAM内のフレームバッファを利用して、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じた表示用の画像データを生成し、当該画像データを、当該VRAMにおいて展開して当該VRAM内のフレームバッファに一時的に記憶させる。
映像ROM82には、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために用いる各種画像データが記憶されている。映像ROM92には、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために用いる各種画像データが記憶されている。各映像ROMに記憶された画像データは、たとえば、人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなる各種画像を表示するためのデータである。このような画像データには、スプライト画像を表示するためのスプライト画像データ、および、動画像を表示するためのフレーム画像データが含まれている。
なお、各種画像としては、平面な画像であるスプライトの代わりに、3Dオブジェクトによる画像を用いてもよい。3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。また、動画像としては、たとえば、ビデオCD(Video Compact Disk)に利用されているMPEG1(Moving Picture Experts Group phase 1)、DVD(Digital Video Disc),デジタル放送等に利用されているMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)、一部のデジタル家電に利用されているMPEG4(Moving Picture Experts Group phase 4)、次世代のDVDに採用が予定されているH.264、その他のフレーム間圧縮の原理を利用した符号化方式、各フレーム毎の画像をJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮したモーションJPEG(Motion-JPEG)、その他のフレーム内圧縮の原理を利用した符号化方式のうちのいずれかの方式で圧縮されているものであってもよい。また、動画像としては、圧縮されていない複数のフレーム画像から構成される動画像を用いてもよい。
LCD駆動回路84は、画像データをビデオ信号に変換して第1飾り変動表示部8kに出力する回路である。また、LCD駆動回路94は、画像データをビデオ信号に変換して第2飾り変動表示部9kに出力する回路である。各VDPは、対応するVRAMで展開された画像データに基づいて、対応する飾り変動表示部に画像を表示するために、対応するVRAMから展開された画像データを読出して出力する。各VDPから出力される画像データは、対応するLCD駆動回路によりビデオ信号に変換され、そのビデオ信号が、対応する飾り変動表示部に出力される。
なお、飾り変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ設けられる。すなわち、飾り変動表示部の数に対応した数のVDPが設けられる。また、1つのVDPで複数の飾り変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図4には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R8のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれの変動表示について大当り遊技状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「400」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1が抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り表示結果として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定され、遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、確変状態に制御するか否かを判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R2は、「0」からカウントアップしてその上限である「19」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。R2は、R1と同じタイミングで抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R2の抽出値は、特別図柄の変動表示を開始する前の所定のタイミングで読出され、予め定められた確変判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、確変状態に制御することが決定され、一致しない場合には、確変状態に制御しないことが決定される。
R3は、R2を用いた確変判定により確変状態に制御することが事前決定されているときに、どの種類の確変大当り図柄を第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間にそれぞれ1ずつ加算更新される。R3の値は、特別図柄の確変大当り図柄のそれぞれに割振られて対応付けられている。R3は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR3の値に対応する確変大当り図が表示結果として導出表示する大当り図柄として決定される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、R2を用いた確変判定により確変状態に制御しないことが事前決定されているときに、非確変大当り図柄としての通常大当り図柄のうちどの種類の図柄を第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R4は、「0」からカウントアップしてその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間にそれぞれ1ずつ加算更新される。R4の値は、特別図柄の通常大当り図柄のそれぞれに割振られて対応付けられている。R4は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR4の値に対応する通常大当り図柄が表示結果として導出表示する大当り図柄として決定される。
R5は、R1を用いた大当り判定によりはずれとする(大当りを発生させないこととする)ことが事前決定されているときに、どの種類のはずれ図柄を第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R5は、「0」からカウントアップしてその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。R5の値は、特別図柄のはずれ図柄のそれぞれに割振られて対応付けられている。R5は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR5の値に対応する特別図柄がはずれ図柄として決定される。
R6は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R6は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR6から抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウント値と変動パターンとの関係に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。
R7は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。R7は、「0」からカウントアップしてその上限である「39」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。変動表示が行なわれる前の段階で、R7の値が抽出され、抽出されたR7の値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しない場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R8は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。R8は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR8の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
図5は、表示制御用マイクロコンピュータ800が表示制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図5には、ランダムカウンタの一例として、飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3が示されている。
RU−1〜RU−3は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタである。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごと、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序にしたがって変動(更新)表示されていく。複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定(R1による判定)ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の最終表示結果となる停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、確変判定(R2による判定)で確変状態とすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された数値データに対応する確変大当り図柄(奇数の飾り図柄)が左,中,右の各飾り図柄の表示結果となる停止図柄として決定される。また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、確変判定により確変状態としないことが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に対応する非確変大当り図柄(0または偶数の図柄)が左,中,右の各飾り図柄の表示結果となる停止図柄として決定される。
図6は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)における変動パターンを選択決定するために用いるデータを記憶した変動パターン選択用のデータテーブルを説明するための図である。変動パターン選択用のデータテーブルは、確変制御モードにおいて用いられる短縮変動パターンを選択決定するために用いられる短縮変動パターンデータテーブルと、確変制御モードに制御されていない通常遊技状態において用いられる非短縮変動パターンを選択決定するために用いられる非短縮変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
図6(a)は、前述した確変制御モードに制御されていない通常遊技状態であるときにルックアップされる非短縮変動パターンデータテーブルである。非短縮変動パターンデータテーブルでは、R1を用いての大当り判定の結果およびR7を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R6の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。この場合における変動パターンという情報には、変動パターンの種類と、変動表示を実行する時間(変動表示時間)とを特定可能な情報が含まれている。
R6の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「通常A変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「通常B変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R6の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R6の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「リーチC変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R6の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R6の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「大当りC変動パターン」が選択決定される。
図6(b)は、前述した確変制御モードに制御されているときにルックアップされる短縮変動パターンデータテーブルである。短縮変動パターンデータテーブルでは、非短縮変動パターンデータテーブルの場合と同様に、R1を用いての大当り判定の結果およびR7を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R6の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R6の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常C変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常D変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R6の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R6の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチD変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチF変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R6の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R6の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りD変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。R6の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りF変動パターン」が選択決定される。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)または第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)において変動表示が開始されるときに、図20を用いて後述する第1特別図柄プロセス処理におけるS142および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、図6で説明したデータテーブルをルックアップして、決定される。
次に、確変状態および時短状態における第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)の動作を説明する。
ここでは、確変制御モードが、確変制御モードにおける変動表示の回数が所定の回数(たとえば、100回)に設定された確変終了回数に到達することにより終了する場合における第1変動表示部および第2変動表示部の動作を図7を用いて説明する。図7は、確変制御モードの状態(確変状態および時短状態)における第1変動表示部および第2変動表示部の動作を説明するタイミングチャートである。
図7において、(a)では確変状態と非確変状態とのどちらに制御されているかが示され、(b)では時短状態と非時短状態とのどちらに制御されているかが示され、(c)では大当り遊技状態と非大当り遊技状態とのどちらに制御されているかが示され、(d)では第1変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示され、(e)では第2変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示されている。なお、図7中の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(e)のそれぞれにおけるタイミングを示しており、以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング4と表示する。
タイミング1は、第1変動表示部で変動表示結果が確変大当り表示結果となるときの変動表示が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1で開始された変動表示が終了し、大当り表示結果が表示結果として導出表示され大当り遊技状態が発生したときのタイミングを示している。タイミング3は、タイミング2で開始された大当り遊技状態が終了したときのタイミングを示している。タイミング4は、確変制御モードを終了させる確変終了条件の一つである、所定回数(たとえば100回)の変動表示が確変制御モードにおいて実行されたときのタイミングを示している。
タイミング1よりも前においては、確変フラグおよび時短フラグがセットされておらず確変制御モードではないため、通常の大当り発生確率に基づき後述する大当り判定が行なわれ、図6(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。したがって、タイミング1において第2変動表示部で実行中の変動表示については、タイミング1よりも前に変動表示が開始されているので、非確変状態での大当り発生確率(通常の大当り発生確率)で大当り判定が行なわれ、図6(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定されている。
タイミング1からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、確変制御モードに制御されることにより、確変状態での大当り発生確率(高確率の大当り発生確率)で大当り判定が行なわれる。タイミング1からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、確変制御モード中が時短状態であるため、図6(b)で説明した短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。
たとえば、図7のように、第1変動表示部での変動表示結果が確変大当り表示結果となるときには、その変動表示が開始されるタイミング1において、確変フラグがセットされるとともに、時短フラグがセットされる(図7(a),図7(b)参照)。これにより、パチンコ遊技機1は、確変状態に制御されるとともに時短状態に制御される確変制御モードの制御状態となる。確変フラグおよび時短フラグ等の遊技制御用マイクロコンピュータ53において用いられる各種フラグのデータは、RAM55に記憶され、更新される。
確変フラグは、遊技状態を示す状態データであって、フラグのデータがセット状態にあるときに確変状態に制御されていることを示し、フラグのデータがリセット状態にあるときに確変状態に制御されていないことを示す。また、時短フラグは、遊技状態を示す状態データであって、フラグのデータがセット状態にあるときに時短状態に制御されていることを示し、フラグのデータがリセット状態にあるときに時短状態に制御されていないことを示す。
確変制御モードの状態は、タイミング1の後において、大当り表示結果が導出表示されることなく、所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されるという第1の確変終了条件が成立するまで、または、タイミング1の後において所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されるまでに非確変大当り表示結果となる変動表示が開始されるという第2の確変終了条件が成立するまで継続する。確変制御モードにおいて第1の確変終了条件が成立した場合には、図7のタイミング4に示すように、確変制御モードにおいて大当り表示結果が導出表示されることなく所定回数(たとえば100回)目の変動表示が開始されるときに、確変フラグおよび時短フラグがリセットされる。このように、確変フラグおよび時短フラグは、確変制御モードにおいて第1の確変終了条件または第2の確変終了条件が成立した場合に、当該第1の確変終了条件または第2の確変終了条件を成立させることとなる変動表示の開始時にリセットされる。
確変状態と時短状態との関係は、本実施の形態において次のとおりである。第1変動表示部と第2変動表示部とのうちいずれかの変動表示部での変動表示において確変大当り表示結果が導出表示されると、大当り遊技状態の終了後に、確変状態と時短状態とを含む確変制御モードに制御される。確変大当り表示結果となる変動表示が開始されるときには、確変フラグおよび時短フラグがセットされる(タイミング1参照)。確変フラグおよび時短フラグは、第1の確変終了条件(所定回数の変動表示が行なわれること)が成立するまでに第2の確変終了条件(非確変大当り表示結果となる変動表示が行なわれること)が成立すると、当該第2の確変終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる。また、確変フラグおよび時短フラグは、第1の確変終了条件が成立すると、当該第1の確変終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる(タイミング4参照)。確変制御モードが終了すると、通常遊技状態に移行する。
タイミング4以降に開始される変動表示においては、確変フラグおよび時短フラグがセットされていないため、通常の大当り発生確率に基づき、大当り判定が行なわれ、図6(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが選択決定される。
図8は、飾り図柄の変動表示時における変動パターンの例を示す図である。図8においては、一例として、第1飾り変動表示部8kでの変動表示が示される。左図柄8a、中図柄8b、および右図柄8cのそれぞれは、図柄の数字N(図示の図柄では「7」)とキャラクタCとが一体化された図柄として構成されている。
図8の変動パターンは、左図柄8a、中図柄8b、および右図柄8cの各図柄が変動を開始した後、まず左図柄8aが停止し、次に右図柄8cが停止して、左図柄8aと右図柄8cとが揃って(図では、猫のキャラクタCを伴い数字Nが「7」の飾り図柄が揃って)リーチ状態が成立すると、左図柄8aと右図柄8cとを構成するキャラクタCが様々な動きを行なって、変動表示結果が、大当り表示結果、または、はずれ表示結果となるものである。たとえば、図8の例では、図柄を構成する「猫」のキャラクタCが、頭を動かしたり、表情を変えたりし、大当りならば、その図柄で確定し、はずれならば、他の図柄に変化して確定する。なお、興趣を高めるため、例示した以外にも、様々な変動パターンが用意されている。
図9は、飾り図柄の構成の一例を示す図である。図9に示すように、飾り図柄の画像は、飾り図柄に含まれるキャラクタC上の第1の部位(便宜的にストライプで表わした部分)P1と、当該第1の部位を除くキャラクタの部位、および図柄番号を示す数字の部位を含む第2の部位(ストライプで表わした部分以外の部分)P2とから構成される。第1の部位P1の画像は、キャラクタCのスプライト画像または動画像から構成されている。また、第2の部位P2の画像は、キャラクタCおよび数字Nのスプライト画像または動画像から構成されている。本実施の形態における飾り図柄の画像は、第1の部位P1の画像と第2の部位P2の画像とを合成することにより、生成され表示される。また、飾り図柄の画像は、キャラクタCの一連の動きを表わすものとして表示される。なお、これらの画像の生成・表示方法については、後述する。
図10は、飾り図柄の種類を示す図である。図10に示す「1」〜「9」の飾り図柄のそれぞれは、図9で示した飾り図柄の場合と同様に、第1の部位(たとえば、キャラクタCの頭部)と、第2の部位(たとえば、キャラクタCの胴体部および数字N)とにより構成されている。そして、第1の部位の画像が、キャラクタCのスプライト画像または動画像から構成される。また、第2の部位の画像が、キャラクタCおよび数字Nのスプライト画像または動画像から構成されている。そして、各飾り図柄の画像は、第1の部位の画像と第2の部位の画像とを合成することにより、生成され表示される。また、各飾り図柄の画像は、キャラクタCの一連の動きを表わすものとして表示される。
図8〜図10等を参照して説明した様々な画像を第1飾り変動表示部8kに表示するための画像データは、映像ROM82に記憶されている。また、図8〜図10等を参照して説明した様々な画像を第2飾り変動表示部9kに表示するための画像データは、映像ROM92に記憶されている。次に、映像ROM82,92に記憶された画像データを説明する。第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとでは、飾り図柄の画像およびその他の画像に関して、同様の種類の画像を表示するため、ここでは、2つの映像ROM82,92のうち1つの映像ROMの記憶データの構成を代表例として説明する。
図11は、映像ROM82,92のうち1つの映像ROMの記憶データの構成例を示す図である。図11を参照して、各映像ROMには、第1のスプライト記憶部201、第2のスプライト記憶部202、第1の動画記憶部203、第2の動画記憶部204、および、第3の動画記憶部205が設けられている。
第1のスプライト記憶部201は、図10に示した各飾り図柄を構成する各キャラクタCの画像の第1の部位P1に配置されるスプライト画像の画像データを記憶する。図11に示すように、第1の部位P1用のスプライト画像の画像データは、各飾り図柄について、それぞれ3つ用意されており、複数の飾り図柄のそれぞれのスプライト画像に共通のインデックスS101〜S103が割り当てられている。
飾り図柄の「7」を例にすると、第1のスプライト記憶部201は、飾り図柄の7に対応するキャラクタである猫の第1の部位(頭部)P1についての3つのスプライト画像S101〜S103の画像データを記憶する。個々のスプライト画像の画像データは、飾り図柄の種類とスプライト画像のインデックスとで特定される。
図12は、第1のスプライト記憶部201および第2のスプライト記憶部202に記憶される画像データの例を示す図である。たとえば、図12(a)に示すスプライト画像S102の画像データは、第1のスプライト記憶部201に記憶されている「飾り図柄7のスプライト画像S102」で特定される。個々のスプライト画像についての画像データの具体的なアドレスは、飾り図柄の番号およびスプライト画像のインデックスと画像データとの関係を示すデータを用いて、飾り図柄の番号およびスプライト画像のインデックスから取得される。
図11に示す第2のスプライト記憶部202は、図10に示した各飾り図柄を構成する各キャラクタの画像の第2の部位P2に配置されるスプライト画像の画像データを記憶する。図11に示すように、第2の部位P2用のスプライト画像は、各飾り図柄について、それぞれ3つ用意されており、複数の飾り図柄のスプライト画像の画像データに共通のインデックスS201〜S203が割り当てられている。
飾り図柄の「7」を例にすると、第2のスプライト記憶部202は、飾り図柄の7に対応するキャラクタである猫の第2の部位(胴体、手足、図柄番号等)P2についての3つのスプライト画像S201〜S203の画像データを記憶する。個々のスプライト画像の画像データは、飾り図柄の種類とスプライト画像のインデックスとで特定される。たとえば、図12(b)に示す第2のスプライト記憶部202に記憶されているスプライト画像S201の画像データは、「飾り図柄7のスプライト画像S201」で特定される。個々のスプライト画像における画像データの具体的なアドレスは、たとえば、飾り図柄の番号およびスプライト画像のインデックスと画像データとの関係を示すデータを用いて、飾り図柄の番号およびスプライト画像のインデックスから取得される。
スプライト画像S101〜S103は、第1の部位P1に表示する複数のスプライト画像よりなるものであり、たとえば、表示するスプライト画像を所定周期で順次切替えることを繰返すことにより第1の部位P1の画像に動きを与えることが可能となる。スプライト画像S201〜S203は、第2の部位P2に表示する複数のスプライト画像よりなるものであり、たとえば、表示するスプライト画像を所定周期で順次切替えることを繰返すことにより第2の部位P2の画像に動きを与えることが可能となる。複数のスプライト画像を順次切替える表示をするときにおいては、最初のスプライト画像S101,S201を先頭のスプライト画像と呼び、最後のスプライト画像S103,S203を最終のスプライト画像と呼ぶ。
次に、図11に示す第1の動画記憶部203に記憶されている動画像の画像データについて説明する。図11に示す第1の動画記憶部203は、図10に例示した各飾り図柄を構成する各キャラクタCの画像の第1の部位P1に配置される動画像の画像データを記憶する。図11に示すように、第1の部位P1用の動画像は、各飾り図柄について、それぞれ3つ用意されており、複数の飾り図柄の動画像の画像データに共通のインデックスM101〜M103が割り当てられている。3つの動画像は適宜選択されて使用される。たとえば、3つの動画M101〜M103は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により決定された変動パターンの種類に基づき1つ選択されて、飾り図柄の画像の第1の部位に配置される。動画像は、複数のフレーム画像データに基づいて生成される複数のフレーム画像を予め定められた表示順序で順次切替えて生成することにより表示される。各動画像内の任意のフレーム画像の画像データは、飾り図柄の種類と動画像のインデックスとその動画内のフレーム番号(コマ番号)とで特定される。たとえば、図13に示す第1の部位の動画M101の第3コマの画像は、「飾り図柄7の動画M101のフレームF3」で特定される。個々の動画像における画像データの物理アドレス等は、たとえば、飾り図柄の番号、動画像のインデックスおよび動画内のフレーム番号と、画像データとの関係を示すデータを用いて、飾り図柄の番号,動画像のインデックスおよび動画像内のフレーム番号から取得される。
ここで、図13を参照して、第1の動画記憶部203に記憶されている動画像の一例を説明する。図13は、第1の動画記憶部203に記憶されている動画像の画像データのうち、飾り図柄7の動画M101の画像データを説明するための図である。飾り図柄7の動画M101は、フレーム番号F1〜F10に対応する複数の画像から構成される。
飾り図柄7の動画M101としては、フレーム番号F1、F2、F3、…F10の順で、フレーム番号に対応する画像が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれに表示される。また、飾り図柄7の動画M101は、先頭フレーム番号F1に対応する画像から最終フレーム番号F10に対応する画像まで表示した後、最終フレーム番号F10に対応する画像の次に飾り図柄7の動画M101の先頭フレーム番号F1に対応する画像を表示したときに表示内容が連続した動画像となるように画像データが構成されている。すなわち、飾り図柄7の動画M101の最終フレーム番号F10に対応する画像と、飾り図柄7の動画M101の先頭フレーム番号F1に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。このように、本実施の形態における第1の動画記憶部203に記憶されている動画像の画像データは、図13に示す飾り図柄7の動画M101のように、先頭フレーム番号F1に対応する画像と、最終フレーム番号F10に対応する画像とが類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。
また、飾り図柄7の動画M101の画像データは、先頭フレーム番号F1に対応する画像から最終フレーム番号F10に対応する画像まで表示した後、最終フレーム番号F10に対応する画像の次に図12(a)で示した先頭のスプライト画像S101の画像を表示したときに表示内容が連続した画像となるように画像データが構成されている。すなわち、飾り図柄7の動画M101の最終フレーム番号F10に対応する画像と、先頭のスプライト画像S101の画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。さらに、飾り図柄7の動画M101の先頭フレーム番号F1に対応する画像は、図12(a)で示した最終のスプライト画像S103の画像と連続した画像となるように画像データが構成されている。すなわち、最終のスプライト画像S103の画像と、飾り図柄7の動画M101の先頭フレーム番号F1に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。このように、本実施の形態における第1の動画記憶部203に記憶されている動画の最終フレーム番号F10に対応する画像と、第1のスプライト記憶部201に記憶されている先頭のスプライト画像S101の画像とは、類似したつながりのある画像、すなわち、表示内容の連続性を有する画像となっている。また、第1の動画記憶部203に記憶されている動画像の先頭フレーム番号F1に対応する画像と、第1のスプライト記憶部201に記憶されている最終のスプライト画像S103の画像とは、類似したつながりのある画像、すなわち、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。なお、表示内容の連続性を有する画像となる画像データとしては、動画像の先頭フレーム番号F1に対応する画像と、最終のスプライト画像S103の画像とが同一であることによりつながりのある画像であってもよい。
また、図13に示す動画M101は、次のような画像データにより構成されている。動画M101は、猫が首を振るという事象を示す動画である。F1からF4までのフレームは、たとえば正面から見て首を左側に振る方向を順方向として事象を順次進行させる順行フレームであって、進行の順番にしたがって配列されている。そして、F5からF9までのフレームは、順行フレームの最後のフレームであるF4を起点として、事象を逆方向(首を右側に振る)に順次進行させる逆行フレームであって、進行の順番にしたがって配列されている。このようなフレームは、配列されたフレームのうちの任意のフレームであるF1を先頭にして、配列の順番にしたがって第1の動画記憶部203に記憶されている。そして、配列の順番にしたがって、フレーム画像が順次生成されることにより、猫が首を左右に振る動画像が表示されることとなる。このような画像データを記憶する第1の動画記憶部203は、事象を順方向に順次進行させる順行フレームを順番に配列する一方、前記順行フレームの最後のフレームを起点として、事象を逆方向に順次進行させる逆行フレームを配列し、前記配列されたフレームの任意のフレームを先頭にして、配列の順番にしたがって記憶する記憶手段としての機能を有する。
次に、図11に示す第2の動画記憶部204に記憶されている動画像の画像データについて説明する。図11に示す第2の動画記憶部204は、図10に例示した各飾り図柄を構成する各キャラクタの画像の第2の部位P2に配置される動画像の画像データを記憶する。図11に示すように、第2の部位P2用の動画像は、各飾り図柄について、それぞれ3つ用意されており、複数の飾り図柄のそれぞれの動画像の画像データに共通のインデックスM201〜M203が割り当てられている。3つの動画像は適宜選択されて使用される。たとえば、3つの動画M201〜M203は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により決定された変動パターンの種類に基づき1つ選択されて、飾り図柄の画像の第2の部位に配置される。各動画像内の任意の画像の画像データは、飾り図柄の種類と動画のインデックスとその動画内のフレーム番号(コマ番号)とで特定される。たとえば、図14に示す第2の部位P2の動画M201の第3コマの画像の画像データは、「飾り図柄7の動画M201のフレームF3」で特定される。個々の動画像における画像データの物理アドレス等は、たとえば、飾り図柄の番号、動画像のインデックスおよび動画内のフレーム番号と、画像データとの関係を示すデータを用いて、飾り図柄の番号,動画像のインデックスおよび動画内のフレーム番号から取得される。
ここで、図14を参照して、第2の動画記憶部204に記憶されている動画の一例を説明する。図14は、第2の動画記憶部204に記憶されている動画の画像データのうち、飾り図柄7の動画M201を説明するための図である。飾り図柄7の動画M201の画像データは、フレーム番号F1〜F10に対応する複数の画像から構成される。
飾り図柄7の動画M201は、フレーム番号F1、F2、F3、…F10の順で、フレーム番号に対応する画像が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される。また、飾り図柄7の動画M201は、先頭フレーム番号F1に対応する画像から最終フレーム番号F10に対応する画像まで表示した後、最終フレーム番号F10に対応する画像の次に飾り図柄7の動画M201の先頭フレーム番号F1に対応する画像を表示したときに表示内容が連続した動画像となるように画像データが構成されている。すなわち、飾り図柄7の動画M201の最終フレーム番号F10に対応する画像と、飾り図柄7の動画M201の先頭フレーム番号F1に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。図14に示すように、先頭フレーム番号F1に対応する画像と、最終フレーム番号F10に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。本実施の形態における第2の動画記憶部204に記憶されている動画像は、それぞれ、飾り図柄7の動画M201に示すように、先頭フレーム番号F1に対応する画像と、最終フレーム番号F10に対応する画像とが類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。
また、飾り図柄7の動画M201は、先頭フレーム番号F1に対応する画像から最終フレーム番号F10に対応する画像まで表示した後、最終フレーム番号に対応する画像の次に図12(b)で示したスプライト画像S201の画像を表示したときに連続した画像となるように画像データが構成されている。すなわち、飾り図柄7の動画M201の最終フレーム番号F10に対応する画像と、スプライト画像S201の画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。さらに、飾り図柄7の動画M201の先頭フレーム番号F1に対応する画像は、図12(b)で示したスプライト画像S203の画像と表示内容が連続した画像となるように画像データが構成されている。すなわち、スプライト画像S203の画像と、飾り図柄7の動画M201の先頭フレーム番号に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。このように、本実施の形態における第2の動画記憶部204に記憶されている動画像の最終フレーム番号F1に対応する画像と、第2のスプライト記憶部202に記憶されているスプライト画像S201の画像とは、類似したつながりのある画像と、つまり、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。また、第2の動画記憶部204に記憶されている動画の先頭フレーム番号F1に対応する画像と、第2のスプライト記憶部202に記憶されているスプライト画像S203の画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。なお、表示内容の連続性を有する画像となる画像データとしては、動画像の先頭フレーム番号F1に対応する画像と、スプライト画像S203の画像とが同一であることによりつながりのある画像であってもよい。
次に、図11に示す第3の動画記憶部205に記憶されている動画について説明する。図11に示す第3の動画記憶部205は、大当り遊技状態において大当り遊技状態が発生したとき、および、第1特別可変入賞装置20または第2特別可変入賞装置22が開成されている開放中(開放時)に背景画像として表示する動画像、客待ち状態であることを示す表示であるデモンストレーション表示(以下、デモ表示と略称する)、および、飾り図柄の画像を変動表示させるときや停止表示させているとき(通常時)に背景画像として表示する動画像(図示省略)、変動表示中にリーチ状態が発生しリーチ演出が行なわれているリーチ演出中(リーチ演出時)に変動表示装置4に背景画像として表示する動画像(図示省略)、において背景画像として表示する動画像等の動画像を表示するための画像データを記憶する。本実施の形態における背景画像とは、通常時用、開放時用、リーチ演出時用、およびデモ表示時用等として第3の動画記憶部205に記憶されている動画像をいう。背景画像は、飾り図柄の画像と異なる画像であって、飾り図柄の背面側に表示されるように後述する優先順位情報が設定されている画像をいう。
図11に示すように、第3の動画記憶部205に記憶されている動画の画像データは、開放時用、デモ表示時用等に応じて用意されており、動画像の画像データにインデックスが割り当てられている。このような動画像は、遊技状態に応じて、適宜選択されて使用される。各動画内の任意の画像の画像データは、遊技状態と動画像用のインデックスとその動画内のフレーム番号(コマ番号)とで特定される。
図11に示すように、第3の動画記憶部205に記憶されている開放時用の動画像の画像データは、複数用意されており、各々インデックスM301、M302…が割り当てられている。このような複数の動画像は、適宜選択されて、飾り図柄の背面側に表示される背景画像として使用される。
さらに、第3の動画記憶部205に記憶されているデモ表示時用の動画の画像データは、開放時用の動画の画像データと共用されており、各々インデックスM301、M302…が割り当てられている。デモ表示時用の動画像は、デモ表示における背景画像として使用される。
なお、通常時用の動画の画像データとしては、変動表示が行なわれているときに選択される動画の画像データと、停止表示が行なわれているときに選択される動画の画像データとが第3の動画記憶部205に記憶されている。そして、これらの動画の画像データは、変動表示中か停止表示中であるかに応じて選択されて、飾り図柄の背面側における背景画像を表示するために使用される。
第3の動画記憶部205に記憶されている動画内の任意の画像の画像データは、インデックスとその動画内のフレーム番号(コマ番号)とで特定される。たとえば、図15に示す動画M301の第3コマの画像の画像データは、「開放時用の動画M301のフレームF3」または「デモ表示時用の動画M301のフレームF3」で特定される。個々の動画における画像データの物理アドレス等は、動画像のインデックスおよび動画内のフレーム番号と、画像データとの関係を示すデータを用いて、動画像のインデックスおよび動画内のフレーム番号から取得される。
ここで、図15を参照して、第3の動画記憶部205に記憶されている動画の一例を説明する。図15は、第3の動画記憶部205に記憶されている動画のうち、開放時とデモ表示時とに用いる動画M301を説明するための図である。動画M301は、所定の人型のキャラクタCAの動画像であって、生成フレーム番号F1〜F10に対応する複数の画像から構成される。
動画M301としては、フレーム番号F1、F2、F3、…F10の順で、フレーム番号に対応する画像が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれに表示される。また、動画M301は、先頭フレーム番号F1に対応する画像から最終フレーム番号F10に対応する画像まで表示した後、最終フレーム番号F10に対応する画像の次に動画M301の先頭フレーム番号F1に対応する画像を表示したときに表示内容が連続した動画像となるように画像データが構成されている。すなわち、図15に示すように、動画M301の最終フレーム番号F10に対応する画像と、動画M301の先頭フレーム番号F1に対応する画像とは、類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となっている。言い換えると、第3の動画記憶部205に記憶されている動画像の画像データは、それぞれ、動画M301に示すように、先頭フレーム番号F1に対応する画像と、最終フレーム番号F10に対応する画像とが類似したつながりのある画像、つまり、表示内容の連続性を有する画像となるように画像データが構成されている。
以上説明した第1〜第3の動画記憶部に記憶されている動画の画像データのフォーマットは任意である。この実施の形態では、MPEG2形式等の予告符号化形式を採用するものとして、そのデータ構成例を図16に示す。
図16は、動画の画像データの構成例を示す図である。図示するように、MPEG−2のビデオストリームはシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロックが、ブロックの各レイヤごとに、階層的に構成されている。シーケンスとは、一つのビデオプログラム全体の符号化信号を意味する。シーケンスは、シーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終わる。シーケンスヘッダには、画像の大きさを表す情報や一秒間に符号化するフレーム数、通信速度などの情報が含まれる。シーケンスは一つ以上の「GOP」から構成される。GOP(Group of Picture)は、「GOPヘッダ」、「ピクチャ」(1つ以上)から成り、GOPヘッダには、画像復元時に音声などとの時間あわせを可能とするためのタイムスタンプ情報などが含まれる。
ピクチャは、動画信号を構成する1枚1枚の各画面に相当し、フレーム内符号化され、単独で画像を復号可能なキーフレームであるIピクチャ、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行なって画像を復号するための前方予測フレームであるPピクチャ、過去・未来両方のフレームを用いて双方向の動き補償を行なう双方向予測フレームであるBピクチャのいずれかから構成される。各ピクチャは、「ピクチャヘッダ」、「スライス」(1つ以上)から成る。ピクチャヘッダには、I、P、Bピクチャを識別するための情報や、各ピクチャの表示順を指定する情報などが含まれる。スライスは、「スライス情報」、「マクロブロック」(1つ以上)から成り、スライス情報には、このスライス内で使われる符号化情報、たとえば量子化特性を表す情報などが含まれる。マクロブロックは、「マクロブロック情報」、「ブロック」(1つ以上)から成り、Y信号4個と、Cr、Cb各1ブロックから構成される。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行なうための情報などが含まれる。ブロックは、Y信号、Cr信号、Cb信号いずれかのDTC係数データから構成されている。なお、映像自体は、実写による映像でも、CG(コンピュータグラフィック)による映像でもかまわない。
次に、VDP81,91を用いて行なう画像処理の概要を説明する。VDP81とVDP91とは、同様の画像処理を実行するものであるため、ここでは、VDP81を代表例として用いて説明をする。VDP81は、CPU803から送信される描画コマンドに基づきアトリビュートテーブルを作成し、映像ROM82から必要な画像データを読出して、描画エリアとしてのVRAM83内のフレームバッファを利用して、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じた表示用の画像データを生成し、当該画像データをVRAM83内のフレームバッファに一時的に記憶させる。
まず、VDP81がVRAM83に画像データを展開する手順を説明する。図17は、VDP81によって生成された画像データをVRAM83に展開する手順を説明するための図である。
映像ROM82に記憶されている画像データは、各キャラクタコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して16×16ドットの画像データに分けて記憶されている。たとえば、図11で説明したスプライト画像S101〜S103およびS201〜S203の画像データは、16×16ドットの画像データに分けて記憶されている。
この各16×16ドットの画像データをVRAM83の指定された領域に配置して組合せることにより、画像データを作成し、その画像データにパレットテーブル173を利用して着色した上で実表示画像172として第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示させる。
第1飾り変動表示部8kの表示画面が切替えられる毎に、CPU803によって作成された描画コマンドがVDP81に送信される。そして、VDP81は、描画コマンドに基づき、アトリビュートテーブル174を作成する。アトリビュートテーブル174の記憶データは、第1飾り変動表示部8kに表示される画像の表示位置、色情報、表示画面上での優先順位、拡大率、半透明混合率、およびキャラクタコードのデータを含んでいる。第1飾り変動表示部8kの表示画面上では、後述する図39〜図41に示すように、複数種類の画像が一部または全部重ね合わせられて表示される場合があり、その重ね合わせがVRAM83上で行なわれる。その重ね合わせの際に、どちらの画像を優先して表示させるかが、優先順位のデータに基づいて決定される。本実施の形態における背景画像の優先順位は、飾り図柄の画像と重ね合わせて表示するときに、飾り図柄の画像が上位となるように、飾り図柄の画像の優先順位よりも低く設定されている。半透明混合率は1〜0の数値となり、不透明度を表す。半透明混合率が低いとその画像は薄く表示されることになる。重ね合わせる部分を混合する場合には、半透明混合率が使用される。半透明混合率により重ね合わせられるときの画像データとしては、色情報による色などが混合される。拡大率は、その画像データがもつ形状サイズの拡大率であり、1〜0の数値となる。
たとえば、ある画像に対応するアトリビュートテーブル174のアドレス0と同じ位置情報を持ち、当該画像に対して重ね合わせられる別画像に対応するアトリビュートテーブルに記載されている画像データが仮にアトリビュートテーブル174のアドレス255に記載されている画像データであった(但し位置情報は除く。)とする。この場合は、アドレス0の優先順位がアドレス255の優先順位より高く、かつ、アドレス0の半透明混合率が不透明を示す1であるために、アドレス0の画像データが、生成する画像の画像データとして採用される。
パレットテーブル173は、色データを0〜15の16種類にグループ分けして記憶しており、その1グループ(1パレット)内においてさらに0〜15の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のどのグループのパレットを選択指定するかがアトリビュートテーブル174の色情報によって行なわれる。キャラクタコード(種類情報)とは、映像ROM82に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別用の番号のことである。
位置情報とは、選択された画像データを表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、VRAM83上にその画像データを展開する際の表示座標を指定するためのデータである。なお、図17では、VRAM83の左上が座標(0,0)の原点である。
VRAM83上に展開された画像データに対してどのグループの色を使用するかが、アトリビュートテーブル174の色情報によって選択指定される。このVRAM83内に展開された画像データが第1飾り変動表示部8kに表示されるべく出力され、その出力された画像データに対し前述した色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データにしたがって着色処理がなされ、その着色処理された後の画像データがLCD駆動回路94により第1飾り変動表示部8kに表示される。
映像ROM82には、前述したように、画素データが0〜15×0〜15のマトリックス状に配列された1単位の画像データが複数種類記憶されている。この16×16ドットのデータ毎にキャラクタコードが付されており、アトリビュートテーブル174の種類情報(キャラクタコード)によってそのキャラクタコードが指定されて選択されるように構成されている。
16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に0〜15の4bitの情報が記憶できるようになっている。この0〜15の4bitデータは、選択されたパレット(グループ)内に記憶されている0〜15の各色データを選択指定するものである。その結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データを指定してその指定された色データが第1飾り変動表示部8kに表示される。すなわち、色指定の最小単位は1画素(1ピクセル)である。
以上の構成において、VDP81では、CPU803から送られてきた描画コマンドに基づいて、アトリビュートテーブル174を作成し、「●」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のキャラクタコードと、画像の表示位置とを特定する。その特定されたキャラクタコードに記憶されている属性データを用いて表示制御がなされる。具体的には、図17を参照して、「●」に対応するキャラクタコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)を映像ROM82から読出して、そのデータをVRAM83上に展開する。展開する際には、たとえば、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている位置情報(30,200)の座標データを用いて、VRAM83上で画像の左上コーナ部分が座標(30,200)に位置するようにマッピングされる。そしてこの画像は、優先順位のデータが高く設定されているために、他の画像と重複されたとしてもこの画像の方が優先して表示されることとなる。
次に、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であるために、パレットテーブル173のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理がなされる。具体的には、VRAM83上に展開された16×16ドットデータの領域にこのパレット15のデータが用いられ、16×16ドットの各画素を構成する4bitのデータがたとえば「2」の場合には、R,G,Bについての「2」のデータ、すなわち、左から数えて3番目のデータであるR(レッド)=10,G(グリーン)=10,B(ブルー)=10のデータで、その画素(ピクセル)が着色処理なされ、実表示画像172として表示される。またVRAM83に展開された16×16ドットのデータ中のあるドットデータが「14」のときには、パレット15における「14」すなわち右から数えて2番目のデータであるR=10,G=9,B=0のデータによりその画素(ピクセル)が着色処理される。
以上の処理により、VRAM83内のフレームバッファに記憶されている画像データは、VDP81により、描画コマンドに応じて、所定のタイミング(第1飾り変動表示部8kに、たとえば、1秒間に30枚の画像を表示させるとき、30分の1秒)毎にLCD駆動回路84に送信される。LCD駆動回路84は、VDP81から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、第1飾り変動表示部8kに出力する。
VDP91、映像ROM92、VRAM93、および、LCD駆動回路94は、前述したVDP81、映像ROM82、VRAM83、および、LCD駆動回路84と同様の機能を有し、画像データを、第2飾り変動表示部9kに出力する。
次に、制御ROM801に格納される表示制御データについて説明する。図18は、制御ROM801に格納されるデータであって、飾り図柄の画像および背景画像を生成するときに用いる表示制御データの例を示す図である。図18(a)〜(d)に示す表示制御データK、L、M、Nは、飾り図柄の変動表示で表示制御される左、中、右の3つの表示領域のそれぞれで飾り図柄の画像を生成するときに用いる情報を含む。図18(e)に示す表示制御データPは、背景画像を生成するときに用いる情報を含む。
図18(a)に示す表示制御データKは、変動表示中の飾り図柄を生成するときに用いる表示制御データである。変動表示中の飾り図柄は、第1の部位のスプライト画像S101を第1の部位の位置に配置し、第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置することにより生成する。また、変動表示中の飾り図柄は、表示制御データKに基づき画像を生成する処理を行なうための制御がCPU803により繰返し行なわれることにより生成される。
図18(b)に示す表示制御データLは、3つの表示領域のうちのある表示領域で飾り図柄が停止したが他の表示領域においてまだ変動表示が行なわれている間において、停止した飾り図柄を生成するときに用いる表示制御データである。タイミングT1で、第1の部位のスプライト画像S101を第1の部位の位置に配置し、第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置する。続いて、タイミングT2で、スプライト画像S102を第1の部位の位置に配置し、スプライト画像S202を第2の部位の位置に配置する。そして、タイミングT3で、スプライト画像S103を第1の部位の位置に配置し、スプライト画像S203を第2の部位の位置に配置する。これにより、ある表示領域で変動表示が停止したが他の表示領域において変動表示が行なわれている間における停止した飾り図柄を生成する。停止してから変動表示が終了するまでの間における飾り図柄は、表示制御データLに基づき画像を生成する処理を行なうための制御がCPU803により繰返し行なわれることにより生成される。なお、制御ROM801は、表示制御データとして、タイミングT2で第1の部位のスプライト画像S101を第1の部位の位置に配置し、タイミングT2でスプライト画像S102を第1の部位の位置に配置し、タイミングT3でスプライト画像S103を第1の部位の位置に配置し、第2の部位の位置には常にスプライト画像S201を配置する表示制御データを記憶しているものであってもよい。また、制御ROM801は、表示制御データとして、タイミングT1で第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置し、タイミングT2でスプライト画像S202を第2の部位の位置に配置し、タイミングT3でスプライト画像S203を第2の部位の位置に配置し、第1の部位の位置には常にスプライト画像S101を配置する表示制御データを記憶しているものであってもよい。
図18(c)に示す表示制御データMは、変動表示中にリーチ表示態様となったときにすでに停止している飾り図柄(リーチ図柄)を生成するときに用いる表示制御データである。表示制御データMは、3つの動画M101〜M103のうち変動表示に用いられている変動パターンの種類に基づき選択された1つの動画のフレーム画像を第1の部位に配置し、飾り図柄を生成する。ここでは、3つの動画M101〜M103のうち動画データM101が選択された場合について説明する。タイミングT1において、第1の部位の動画データM101の第1フレームの画像M101−F1を第1の部位の位置に配置し、第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置する。そして、タイミングT2において、動画データM101の第2フレームの画像M101−F2を第1の部位の位置に配置し、第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置する。・・・・そして、タイミングT10において、動画データM101の第10フレームの画像M101−F10を第1の部位の位置に配置し、第2の部位のスプライト画像S201を第2の部位の位置に配置する。この場合、第1の部位については、このように動画データM101の第1〜第10フレームの画像M101−F1〜M101−F10を第1の部位の位置に順次切替えて配置することにより、動画像を生成する。これにより、変動表示中にリーチ表示態様となったときにすでに停止している飾り図柄を生成する。リーチ表示態様となってから変動表示が終了するまでの間における停止している飾り図柄は、表示制御データMに基づき画像を生成する処理を行なうための制御がCPU803により繰返し行なわれることにより、動画データM101の第1〜第10フレームに基づく画像が繰返し生成される動画像と、スプライト画像データS201に基づく画像が継続して生成されるスプライト画像とが組合わされた画像として生成される。
図18(d)に示す表示制御データNは、変動表示中にリーチ表示態様となったときにすでに停止している飾り図柄を生成するときに用いるその他の表示制御データである。表示制御データNは、3つの動画M201〜M203のうち変動表示に用いられている変動パターンの種類に基づき選択された1つの動画のフレーム画像を第2の部位に配置し、飾り図柄を生成する。ここでは、3つの動画M201〜M203のうち動画データM201が選択された場合について説明する。タイミングT1からT10において、第1の部位のスプライト画像S101を第1の部位の位置に配置し、第2の部位の動画データM201の第1〜第10フレームの画像M201−F1〜M201−F10を第2の部位の位置に順次切替えて配置することにより、変動表示中にリーチ表示態様となったときにすでに停止している飾り図柄を生成する。リーチ表示態様となってから変動表示が終了するまでの間における飾り図柄は、表示制御データNに基づき画像を生成する処理を行なうための制御がCPU803により繰返し行なわれることにより、スプライト画像データS101に基づく画像が継続して生成されるスプライト画像と、動画データM201の第1〜第10フレームに基づく画像が繰返し生成される動画像とが組合わされた画像として生成される。なお、表示制御データMに基づく制御が行なわれるか、表示制御データNに基づく制御が行なわれるかは、変動パターンにより適宜選択される。
図18(e)に示す表示制御データPは、図11で説明した第3の動画記憶部205に記憶されている開放時用およびデモ表示時用に共用される動画データを用いて、背景画像を生成するために用いる表示制御データである。開放時用およびデモ表示用の背景画像を表示するために、タイミングT1からT10において、動画データM301の第1〜第10フレームの画像M301−F1〜M301−F10を背景に順次切替えて配置することにより、開放時用の背景画像と、デモ表示時用の背景画像とをそれぞれ生成する。開放時の間およびデモ表示時の間における背景画像は、表示制御データPに基づき画像を生成する処理を行なうための制御がCPU803により繰返し行なわれることにより、動画データM301の第1〜第10フレームに基づく画像が繰返し生成される態様で表示される。
前述した表示制御データK、L,M,N,Pのうち、いずれかの表示制御データに基づく制御から他の表示制御データに基づく制御への切替えは、各々の表示制御データ自体により定義され、その表示制御データにしたがって動作するCPU803により実行される。
次に、パチンコ遊技機1における制御動作について説明する。図19は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図19においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)1において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S2においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S2における乱数更新処理では、前述のR3〜R7の値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後、次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S2の処理が繰返し行なわれることとなる。
(b)に示すタイマ割込処理においては、まず、電源基板から電源断信号が出力されているか否かを確認して必要に応じて所定のバックアップ動作を行なう電源断処理(S11)を実行した後、S12〜S25の割込処理である遊技制御処理を実行する。
遊技制御処理において、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を行なう(S12)。
そして、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S13)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞装置20等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、S14において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S14の乱数更新処理では、前述のR1〜R8のそれぞれが更新される。
次いで、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S15)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、第1普通図柄プロセス処理を行なう(S16)。第1普通図柄プロセス処理では、第1普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、第2普通図柄プロセス処理を行なう(S17)。第2普通図柄プロセス処理では、第2普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。第1普通図柄プロセス処理を実行することにより第1普通図柄表示器12の表示制御および第1始動入賞部15の開閉制御が実行され、第2普通図柄プロセス処理を実行することにより第2普通図柄表示器13の表示制御が実行される。
次いで、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示される第1飾り図柄および第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示される第2飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して、演出制御コマンドを送出する飾り図柄コマンド制御処理を行なう(S18)。さらに、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S19)。
そして、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の賞球の払出しに関わる各種スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S20)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す賞球制御信号を出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号に応じて球払出装置44を駆動し、賞球を払出させる制御を行なう。
そして、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S21)。また、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S22)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S23)を実行する。第1始動入賞部15、第1特別可変入賞装置20、第2特別可変入賞装置22を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23内の遊技球通路を切替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73,75,76を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S24)。特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S25)。普通図柄表示制御処理では、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S26)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1変動表示部を構成する第1特別図柄表示器8と第2変動表示部を構成する第2特別図柄表示器9との2つの表示器によって特別図柄の変動表示が実行され、第1変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kと第2変動表示部を構成する第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部によって第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示が実行される。そして、第1変動表示部と第2変動表示部とのうちいずれか一方の変動表示部で、変動表示結果として大当り表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このように、変動表示部を複数備えて、それぞれの変動表示部にて図柄の変動表示を行なう遊技機では同時に大当り遊技状態が発生するおそれがある。このため、この実施の形態では、2つの変動表示部にて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御が行なわれる。以下、これらの制御を含めて、第1変動表示部および第2変動表示部での表示制御を主に説明する。なお、以下の説明においては、主に第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kを制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kを制御する処理についても同様の制御が実行される。
次に、第1特別図柄プロセス処理(S13)および第2特別図柄プロセス処理(S15)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1変動表示部を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2変動表示部を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容についての重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1変動表示部という処理対象を第2変動表示部という処理対象に置換え、かつ、第1特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第1特別図柄プロセス処理(S13)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1変動表示部を制御する処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄プロセス処理において、以下のような処理を行なう。まず、第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、第1始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および確変判定用のランダムカウンタR2から数値データ(乱数)を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。
第1特別図柄通常処理(S140):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否か(第1特図特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。また、第1変動表示部において所定時間(60秒)変動表示が行なわれなかったときには、デモ表示開始タイミングとなり、デモ表示の開始を指示するデモ表示コマンドがセットされる。ここでセットされたデモ表示コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。これにより、表示制御用マイクロコンピュータ800は、図18(e)で説明した表示制御データPにしたがって描画コマンドを作成する。そして、当該描画コマンドに基づき、VDP81は、図15で説明したデモ表示用の動画像のデータに基づいて、フレーム画像を先頭フレームである第1フレームから順次背景に配置し、背景画像を飾り変動表示部8kに生成して表示する処理を行なう。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S141):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR3,R4の抽出値、および、はずれ図柄決定用のランダムカウンタR5の抽出値を選択的に用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、導出表示する第1飾り図柄の情報を指定する第1停止図柄情報コマンドがセットされる。ここでセットされた第1停止図柄情報コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
第1変動パターン設定処理(S142):変動パターン決定用のランダムカウンタR6の値を抽出し、図6で説明したデータテーブルを用いて、R6の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択決定することにより、第1特別図柄表示器8での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8での変動表示について、変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、第1特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS24において出力される。また、第1飾り図柄の変動表示時間の情報を含む変動パターンを指令するコマンドである第1変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた第1変動パターンコマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S143):第1変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S142でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(S144):第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kのそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS24において出力される。そして、第1飾り図柄を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り遊技状態が開始されることを示す第1大当り開始コマンドがセットされる。ここでセットされた第1大当り開始コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1大当り遊技状態が開始されるときには、第1特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。そうでないときには、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(S145):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、第1特別図柄プロセスタイマに第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S146):第1大当り遊技状態中のラウンド表示を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態の継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合、すなわち、第1大当り遊技状態が終了するときには、前述した第1大当り終了コマンドがセットされる。ここでセットされた第1大当り終了コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(S147):第1大当り遊技状態が終了するときの表示を表示制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。なお、第1特別図柄通常処理は、第1特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。
まず、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S31)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(第2特図特定表示結果)が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(図示しない)でセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)でリセットされる。第2大当り実行中フラグがセットされているときには、リターンする。
一方、第2大当り実行中フラグがセットされていないときには、第1保留記憶カウンタの値を確認し、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S33)。第1保留記憶数が0であれば、デモ表示に関する処理を実行した後、リターンする。具体的に、第1保留記憶数が0であると、S321に進み、第1デモ表示フラグがセットされているか否かを判別する(S321)。ここで、第1デモ表示フラグは、第1変動表示部で所定時間以上(たとえば60秒)に亘り図柄の変動表示が行なわれていないときに行なわれる表示であるデモ表示をするときにセットされるフラグである。デモ表示フラグがセットされているときには、リターンする。一方、デモ表示フラグがセットされていないときには、第1変動表示部で図柄の変動表示が行なわれていない非変動時間を計測するための非変動時間タイマの値を更新する(S322)。具体的には、所定時間(たとえば60秒)に対応する数値に初期設定された数値データよりなるタイマ値を1ずつ減算更新していくことにより、非変動時間タイマの値を更新する。なお、非変動時間タイマは、予め定められた時間に対応する数値データを0になるまで減算更新していくものでもよく、予め定められた時間に対応する値になるまで数値データを加算更新していくものでもよい。
次に、第1デモ表示の開始タイミングになったか否かを判別する(S323)。具体的には、非変動時間タイマにより計測された時間が所定時間(たとえば、60秒)になっていないときには、第1デモ表示の開始タイミングではないと判断し、非変動時間タイマにより計測された時間が所定時間になったときには、第1デモ表示の開始タイミングであると判断する。第1デモ表示の開始タイミングではないと判別されたときには、リターンする。一方、第1デモ表示の開始タイミングであると判別されたときには、第1飾り変動表示部8kでデモ表示を行なうことを指令する第1デモ表示コマンドを送信するための設定を行なう(S324)。ここでセットされた第1デモ表示コマンドは、図19のS18において表示制御基板80に対して出力される。そして、前述した第1デモ表示フラグをセットし(S325)、リターンする。
また、前述のS32において、第1保留記憶数が0でなければ、前述の第1デモ表示フラグをリセットし、第1非変動時間タイマを初期値にセットすることにより、第1デモ表示に関連するデータを初期化する処理が行なわれる(S33)。
そして、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する第1保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S34)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S35)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し
(S36)、大当り判定処理を実行する(S37)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているときには、大当り判定に用いる大当り判定値に確変時大当り判定値として予め定められている複数の値を設定し、確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値に非確変時大当り判定値として予め定められている1つの値を設定する。そして、第1特別図柄通常処理のS34で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに大当りとしない(はずれとする)決定を行なう。
大当り判定処理の結果、第1大当りとすることに決定した場合には(S38においてY)、第1大当りフラグをセットする(S39)。一方、第1大当り遊技状態としないことに決定した場合には(S38においてN)、第1大当りフラグをセットしない。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S40)、リターンする。
以上の第1特別図柄通常処理においては、第2変動表示部に大当り表示結果が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、その大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S140)におけるS31でYが選択され、S31以降の処理が実行されない。このように、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときには第1変動表示部で特別図柄の変動表示を開始させない制御が行なわれる。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S41)。第1大当りフラグがセットされていないときにはR5から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて第1特別図柄のはずれ図柄を決定する(S46)。すなわち、R5から抽出した乱数に基づいて、「0」または偶数図柄から表示結果として導出表示する第1特別図柄を決定する。そして、後述するS47に進む。
一方、第1大当りフラグがセットされているときには、始動入賞時にR2から抽出し、S34により読出したR2の抽出値に基づいて確変判定をする(S42)。そして、S42の判定において確変大当りとする決定がされたか否かを判断する(S43)。確変大当りとする決定がされたときには、第1確変大当りフラグをセットし(S44)、S45に進む。ここで、第1確変大当りフラグとは、第1変動表示部側で行なわれる変動表示について確変大当りとする決定がされた旨を示すフラグをいう。一方、確変大当りとしない決定がされたときには、そのままS45に進む。
S45では、R3またはR4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて第1特別図柄の大当り図柄を決定する。具体的に、S45では、第1確変大当りフラグがセットされている状態、すなわち、確変大当りとするときには、R3の抽選値に基づいて、第1特別図柄の表示結果とする確変大当り図柄を決定する。一方、通常大当りとするときには、R4の抽選値に基づいて、第1特別図柄の表示結果とする確変大当り図柄を決定する。S45の後、S47に進む。
S47では、送信する第1停止図柄情報コマンドを選択する処理が行なわれる。具体的に、S46によりはずれ図柄が決定されたとき、すなわち、第1大当りフラグがセットされていないときには、第1停止図柄情報コマンドとして、はずれ表示結果とすることを指定するコマンドを選択する。一方、第1大当りフラグがセットされているときには、次のように第1停止図柄情報コマンドを選択する。前述の第1確変大当りフラグがセットされていないときには、第1停止図柄情報コマンドとして、通常大当り表示結果とすることを指定するコマンドを選択する。また、第1確変大当りフラグがセットされているときには、第1停止図柄情報コマンドとして、確変大当り表示結果とすることを指定するコマンドを選択する。
次に、S47により選択された第1停止図柄情報コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S48)。このように第1停止図柄情報コマンドが設定されると、図19のS18において第1停止図柄情報コマンドが出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S142)に対応した値に更新し(S49)、リターンする。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S142)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S61)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS65に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、確変制御モードに制御されていない通常遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図6(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S63)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、確変制御モードに制御されており、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図6(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S64)、S69に進む。
また、S65に進んだときは、変動表示結果をはずれとすることが決定されているので、R7から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてリーチ判定をする(S65)。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S66)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、確変制御モードに制御されていない通常遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図6(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S67)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、確変制御モードの状態であり、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図6(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S68)、S69に進む。S67およびS68のそれぞれにおいては、S65でリーチとしないことが決定されているときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが選択され、リーチとすることが決定されているときには、リーチはずれ決定時データテーブルが選択される。
S69では、R6から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S63,S64,S67,S68により選択された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。そして、特別遊技状態である確変制御モードを管理する処理としての特別遊技処理が行なわれる(S70)。特別遊技処理の処理内容についは、図24を用いて後述する。
次に、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S71)。具体的には、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19のS24で出力される。そして、S69により選択された変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S72)。このように変動パターンコマンドが設定されると、図19のS18において第1変動パターンコマンドが出力される。そして、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8についての変動表示時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S73)。第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄表示器8での変動表示時間を管理するために用いられるタイマである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理(S143)に対応した値に更新し(S74)、リターンする。
図24は、特別遊技処理(S70)を示すフローチャートである。特別遊技処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S701)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS710に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、第1確変大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について確変大当りとする決定がされているか否かを判断する(S702)。確変大当りとする決定がされていると判断されたときは、
確変制御モードに制御されているか否かを判断するために、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否かを判断する(S703)。
確変フラグおよび時短フラグがセットされていないと判断されたときは、確変フラグをセットするとともに(S704)、時短フラグをセットし(S705)、S706に進む。これにより、新たに確変制御モードに制御されるときには、確変フラグおよび時短フラグがともにセットされる。一方、確変フラグおよび時短フラグがセットされていると判断されたときは、そのままS706に進む。これにより、確変制御モード中において新たに確変大当りが発生するときには、すでに確変フラグおよび時短フラグがセットされているので、確変フラグおよび時短フラグがセットされた状態をそのまま維持する。なお、これに限らず、確変制御モード中において新たに確変大当りが発生するときには、一旦確変フラグおよび時短フラグをリセットした後、新たに確変フラグおよび時短フラグをセットしてもよい。S706では、新たな確変制御モードの発生に応じて、確変制御モードにおいて計数される変動表示回数としての確変時変動回数のデータを初期化し、リターンする。ここで、確変時変動回数は、確変制御モード中に、はずれとなる変動表示が第1変動表示部および第2変動表示部により行なわれる回数であり、第1変動表示部または第2変動表示部の変動表示が開始される毎に1ずつ加算されるものであって、RAM55の記憶領域に記憶される。この確変時変動回数は、第1変動パターン設定処理および第2変動パターン設定処理のそれぞれの特別遊技処理で共通に用いられ、共通に計数される。
一方、確変大当りとする決定がされていないと判断されたときは、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否かを判断する(S707)。確変フラグおよび時短フラグがセットされているとき、すなわち、確変制御モードのときには、確変フラグをリセットし(S708)、時短フラグをリセットし(S709)、リターンする。これにより、確変制御モードにおいて非確変大当りが生じると、確変制御モードが終了し、確変フラグおよび時短フラグがセットされる。一方、確変フラグおよび時短フラグがセットされていないときには、リターンする。
また、S701で大当りとする決定がされていないと判断されてS710に進んだときは、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否かを判別する。つまり、確変制御モードであるか否かが判断される。確変フラグおよび時短フラグがセットされていないときには、リターンする。
一方、確変フラグおよび時短フラグがセットされているときには、確変制御モードであるので、今回実行する変動表示に基づいて、確変時変動回数を1加算する(S711)。そして、確変時変動回数が、予め設定されている確変終了回数(100回)に到達したか否かを判別する(S712)。S712においては、ROM54から予め定められた確変終了回数のデータを読込んで確変終了回数を設定し、判別に用いる。到達していないときには、リターンする。一方、到達しているときには、確変フラグをリセットし(S713)、時短フラグをリセットして(S714)、リターンする。このように、本実施の形態での確変制御モードにおいては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれが開始される毎にS711において確変時変動回数が1ずつ加算される。そして、確変制御モードは、S712において確変時変動回数が確変終了回数に到達したと判断されると、S713において確変フラグがリセットされ、S714において時短フラグがリセットされることにより終了する。
以上のように、本実施の形態においては、確変大当りが発生するときに、確変フラグと時短フラグとがセットされ、確変制御モードに制御される。そして、確変制御モード中においてはずれとなる変動表示が所定回数実行されるときに、確変フラグおよび時短フラグがリセットされて、確変制御モードが終了する。また、確変制御モード中において非確変大当りが発生するときにも、確変フラグおよび時短フラグがリセットされて、確変制御モードが終了する。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S143)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S81)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S82)、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S83)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S144)に対応した値に更新する(S85)。また、前記のS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、第1特別図柄プロセスフラグの値を更新せずにリターンする。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S84で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)で第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
一方、S80で第2大当りフラグがセットされていれば、第1中断フラグがセットされているか否か確認する(S86)。第1中断フラグがセットされていなければ、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S87)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、前述のS81に進む。一方、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第1中断フラグをセットする(S88)。そして、第1特別図柄の変動表示を中断するための処理を行なう(S89)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を中断させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。さらに、第1中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして(S89a)、リターンする。第1中断コマンドは、第1飾り変動表示部8kで変動表示を行なっている第1飾り図柄の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S89aでセットされた第1中断コマンドは、図19の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S81の処理を実行しないため、第1特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、第1中断フラグをセットし、第1中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、表示制御基板80に第1飾り図柄の変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2変動表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が発生してから、その大当り遊技状態が終了するまでは第1変動表示部における図柄の変動表示を中断させる処理を行なっている。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S144)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S90)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。これにより、第1特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、第1図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S91)。第1図柄停止コマンドは、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。S91でセットされた第1図柄停止コマンドは、図19の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1図柄停止コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S92)。S92で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S140)におけるS38で大当りと判定されて第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当りが開始されることを示す第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S93)。S93でセットされた第1大当り開始コマンドは、図19の飾り図柄コマンド制御処理(S18)により表示制御基板80に送信される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S145)に対応した値に更新し(S94)、リターンする。
表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに大当り遊技状態を開始する旨の表示および開放時用の動画像の表示等の大当り遊技状態における画像を表示するための制御を行なう。具体的に、表示制御用マイクロコンピュータ800は、図18(e)で説明した表示制御データPにしたがって開放時用の動画像を表示するための描画コマンドを作成する。そして、当該描画コマンドに基づき、VDP81は、図15で説明した開放時用の動画像の画像データのフレーム画像を先頭フレームである第1フレームから順次背景に配置し、背景画像を第1飾り変動表示部8kに生成して表示する処理を行なう。
また、前述のS92で第1大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S95)、リターンする。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S147)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当り実行中フラグをリセットする(S111)。S111で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。
そして、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理でセットされた第2中断フラグをリセットし(S112)、第1大当りフラグをリセットする(S113)。そして、図25の第1特別図柄変動処理と同様の処理を行なう第2特別図柄変動処理において、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示を再開するための処理を行なう(S114)。具体的には、第2特別図柄表示器9で変動表示を行なっている第2特別図柄の変動表示を再開させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。
さらに、第2再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S115)。ここで、第2再開コマンドとは、第2飾り変動表示部9kで中断している第2飾り図柄の変動表示の再開を指示するコマンドである。第2再開コマンドを送信するのは、第1変動表示部側で発生した大当り遊技状態によって中断された第2変動表示部側での変動表示を再開させるためである。また、S115でセットされた第2再開コマンドは、図19の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、再開コマンドを受信すると、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄の変動表示を再開する制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新する(S116)。
次に、表示制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図28は、表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。
初期化処理が終了すると、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、表示制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。コマンド解析処理の内容については、図29を用いて後述する。次いで、第1演出制御プロセス処理を行なう(S206)。第1演出制御プロセス処理の内容については、図31を用いて後述する。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第1飾り変動表示部8kの表示制御を含む演出制御を実行する。次に、第2演出制御プロセス処理を行なう(S207)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第2飾り変動表示部9kの表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、第1演出制御プロセス処理による表示制御の進行状態に応じて、第1飾り変動表示部8kに画像を表示するために、VDP81へ画像の描画指示を与える第1描画指示処理を実行する(S208)。第1描画指示処理の処理内容については、図35を用いて後述する。そして、第2演出制御プロセス処理による表示制御の進行状態に応じて、第2飾り変動表示部9kに画像を表示するために、VDP91へ画像の描画指示を与える第2描画指示処理を実行する(S209)。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S210)。乱数更新処理においては、たとえば、変動表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いるランダムカウンタRU−1〜RU−3等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、表示制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAMに設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図28のS205によるコマンド解析処理を説明する。図29は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが前述の停止図柄情報コマンド(第1停止図柄情報コマンド、第2停止図柄情報コマンド)であるか否かを判断する(S213)。受信コマンドが停止図柄情報コマンドであるときには、停止図柄情報コマンドが示す停止図柄情報を示すデータをRAM802に設けられた停止図柄情報格納エリアに格納する(S214)。そして、受信したコマンドに対応して、受信した停止図柄情報コマンドを特定可能な受信フラグである停止図柄情報受信フラグをセットして(S215)、S211に戻る。
また、受信コマンドが停止図柄情報コマンドでないときは、読出した受信コマンドが前述の変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)であるか否かを判断する(S216)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドが示す変動パターンを特定するデータを、RAM802に設けられた変動パターンデータ格納エリアに格納する(S217)。そして、受信したコマンドに対応して、受信した変動パターンコマンドを特定可能な受信フラグである変動パターン受信フラグをセットする(S218)。そして、第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれについて、表示結果として導出表示させる図柄の組合せを決定する図柄決定処理を行なう(S219)。図柄決定処理の処理内容については、図30を用いて後述する。そして、図柄決定処理において決定した図柄のデータをRAM802に設けられた決定図柄データ格納エリアに格納し(S220)、S211に戻る。
また、受信コマンドが変動パターンコマンドでないときは、読出した受信コマンドが前述のデモ表示コマンド(第1デモ表示コマンド、第2デモ表示コマンド)であるか否かを判断する(S221)。デモ表示コマンドであるときには、受信したデモ表示コマンドを特定可能な受信フラグであるデモ表示コマンド受信フラグをセットし(S222)、S211に戻る。
また、受信コマンドがデモ表示コマンドでないときは、読出した受信コマンドが前述の大当り開始コマンド(第1大当り開始コマンド、第2大当り開始コマンド)であるか否かを判断する(S223)。大当り開始コマンドであるときには、受信した大当り開始コマンドを特定可能な受信フラグである大当り開始コマンド受信フラグをセットし(S224)、S211に戻る。
また、前述のS223において受信コマンドが大当り開始コマンドではないと判断されたとき(前述したコマンド以外のその他のコマンドであるとき)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S225)、S211に戻る。すなわち、S225は、前述した停止図柄情報コマンド、変動パターンコマンド、デモ表示コマンド、および、大当り開始コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて示したものである。
図30は、コマンド解析処理における図柄決定処理(S219)を示すフローチャートである。図柄決定処理においては、まず、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S231)。具体的に、通常大当り表示結果とすることを指定する第1停止図柄情報コマンドを受信したとき、および、確変大当り表示結果とすることを指定する第1停止図柄情報コマンドを受信したときは、表示結果を大当り図柄の組合せとすると判断する。一方、表示結果をはずれ表示結果とすることを指定する第1停止図柄情報コマンドを受信したときは、表示結果を大当り図柄の組合せとしないと判断する。S231により大当り図柄の組合せとしないと判断されたときは、リーチとするか否かに応じて、変動表示の表示結果としてのはずれ図柄の組合せをランダムに決定し(S232)、リターンする。S232では、次のようにはずれ図柄の組合せを決定する。
まず、RU−1〜3の値を抽出する。変動パターンコマンドとしてリーチA変動パターン等のリーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、予め定められたRU−2と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RU−2の抽出値から対応する中図柄を選択する。ただし、RU−2の抽出値に対応する中図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。また、変動パターンコマンドとして通常A変動パターン等の非リーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の中図柄決定用データテーブル、および、RU−3の値と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが一致するときには、一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
また、S231の判断により大当り図柄の組合せとするときには、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を確変大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S233)。具体的に、確変大当り表示結果とすることを指定する停止図柄情報コマンドを受信したときは、確変大当り図柄の組合せとすると判断する。一方、通常大当り表示結果とすることを指定する停止図柄情報コマンドを受信したときは、確変大当り図柄の組合せとしないと判断する。S233により確変大当り図柄の組合せとすると判断されたときは、変動表示の表示結果として、確変大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S234)、リターンする。S234では、次のように確変大当り図柄の組合せを決定する。
具体的に、S234では、次のように非確変大当り図柄の組合せを決定する。まず、RU−1の値を抽出する。そして、RU−1の値と確変大当り図柄(奇数の飾り図柄)との関係が予め定められた確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応する確変大当り図柄を選択し、その確変大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、S233により確変大当り図柄の組合せとしないと判断されたときは、変動表示の表示結果として、非確変大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S235)、リターンする。S235では、次のように非確変大当り図柄の組合せを決定する。まず、RU−1の値を抽出する。そして、RU−1の値と非確変大当り図柄(0,偶数の飾り図柄)との関係が予め定められた非確変大当り図柄決定用データテーブルとを用いて、RU−1の抽出値から、対応する非確変大当り図柄を選択し、その非確変大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
次に、図28のS206による第1演出制御プロセス処理および図28のS207による第2演出制御プロセス処理について説明する。第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2演出制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1演出制御プロセス処理をこれらの演出制御プロセス処理の代表例として説明し、第2演出制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置換え、かつ、第1演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2演出制御プロセス処理の処理内容となる。
図31は、図28のS206による第1演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS211〜S217のうちいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(S211):第1変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第1変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第1演出制御プロセスフラグの値をS213に応じた値に更新する。第1変動パターンコマンド受信待ち処理の内容については、図32を用いて後述する。また、前述したようなデモ表示の実行条件の成立に応じて、演出制御プロセスフラグの値をS212に応じた値に更新する。
デモ表示処理(S212):第1飾り変動表示部8kで前述のようなデモ表示を実行し、デモ表示を終了するための条件の成立(第1変動パターンコマンドを受信したこと等)に応じて、演出制御プロセスフラグの値をS213に応じた値に更新する。
第1図柄変動開始処理(S213):第1変動パターンコマンドに応じて、図6に示すように複数予め定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に第1飾り変動表示部8kでの変動表示に使用する変動パターンを決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動時間を設定し、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄(左,右,中図柄)の変動を開始させる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS214に応じた値に更新する。第1図柄変動開始処理の内容については、図33を用いて後述する。
第1図柄変動中処理(S214):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、第1飾り図柄の左,右,中図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS215に応じた値に更新する。第1図柄変動中処理の内容については、図34を用いて後述する。
第1図柄停止待ち処理(S215):第1変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して第1飾り図柄の全図柄停止を指示するコマンド(第1図柄停止コマンド)を受信したら、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の変動を停止し、停止図柄を表示する制御を行なう。その後、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS216に応じた値に更新し、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS211に応じた値に更新する。
第1大当り表示処理(S216):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動時間の終了後、大当りとなった旨を報知する表示を行なう。具体的に、前述の第1大当り開始コマンドを受信したことに応じて、大当りとなった旨を報知する表示が行なわれる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS217に応じた値に更新する。
第1大当り遊技中処理(S217):大当り遊技状態中の表示をする制御を行なう。たとえば、前述のように第1大当り開始コマンドを受信したことに応じて、前述の開放時用の動画像を表示する。また、ソレノイド72によって第1特別可変入賞装置20の大入賞口を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口が開放中であることを示す演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、大当り遊技が終了したときに、大当り遊技状態を終了させるときの演出としての大当り終了表示を行ない、演出制御プロセスフラグの値をS211に応じた値に更新する。
図32は、図31のS211による第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理では、まず、第1変動パターンコマンドを受信したときにセットされる受信フラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S251)。第1変動パターンコマンドを受信したと判断されたときは、その受信フラグをリセットし(S252)。第1演出制御プロセスフラグの値を第1図柄変動開始処理(S213)に対応した値に更新し(S253)、リターンする。
また、前述のS251で第1変動パターンコマンドを受信したと判断したときは、第1デモ表示コマンドを受信したときにセットされる受信フラグがセットされているか否かを判断することにより、第1デモ表示コマンドを受信したか否かを判断する(S254)。第1デモ表示コマンドを受信したと判断したときは、第1演出制御プロセスフラグの値を第1デモ表示処理(S212)に対応した値に更新し(S255)、リターンする。これによりデモ表示が開始されることとなる。一方、第1デモ表示コマンドを受信していないと判断したときは、そのままリターンする。
次に、図31のS213による第1図柄変動開始処理について説明する。図33は、図31の第1図柄変動開始処理(S213)を示すフローチャートである。第1図柄変動開始処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定する(S261)。具体的に、S261では、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターンでの変動表示に用いられるデータが選択されて設定されることにより、変動パターンが設定される。そして、第1飾り変動表示部8kでの変動表示時間を計時するための第1変動時間タイマが変動パターンに対応する変動表示時間にセットされ、計時がスタートさせられる(S262)。
次に、S262で設定された変動パターンで、第1飾り変動表示部8kにおいて表示結果を導出表示するための第1飾り図柄の変動表示を開始する(S263)。変動表示が行なわれるときの背景画像としては、図18(e)で説明した表示制御データPにしたがって、たとえば、通常時用の動画像のうち変動表示が行なわれているときに選択される動画像の第1フレーム〜最終フレームのフレーム画像を背景に順次配置するための描画コマンドを作成する。そして、VDP81は、当該描画コマンドに基づき、変動表示が行なわれるときに選択される動画像を先頭フレームである第1フレームから順次背景に配置し、背景画像を第1飾り変動表示部8kに表示する処理を行なう。そして第1演出制御プロセスフラグを第1図柄変動中処理(S214)に対応した値に更新し(S264)、リターンする。
図34は、図31の第1図柄変動中処理(S214)を示すフローチャートである。第1図柄変動中処理において、表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、第1変動中断フラグがセットされているか否かを確認し(S271)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断コマンドを受信したか否かを確認する(S275)。ここで、変動中断フラグとは、前述した特別図柄の変動表示の中断に合わせて飾り図柄の変動表示を中断する状態であることを示すフラグである。また、中断コマンドには、第1飾り変動表示部8kでの変動表示の中断を指示する第1中断コマンドと、第2飾り変動表示部9kでの変動表示の中断を指示する第2中断コマンドとがある。
そして、S275で第1中断コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(S276)、第1飾り変動表示部8kにおいて、第1飾り図柄の変動表示の進行を中断(停止)させた表示を行なうとともに、第1飾り図柄の変動時間の計測が中断(停止)して変動表示の進行が中断しているが変動表示中である旨を示す変動中メッセージ100を表示する変動中断表示を行ない(S277)、リターンする。この変動中断表示においては、第1飾り図柄がはずれ図柄の組合せで仮停止されることにより、第1飾り図柄の変動表示が中断する。このような変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測するタイマの更新が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、S271で第1変動中断フラグがセットされていれば、第1再開コマンドを受信したか否かを確認する(S272)。S272で第1再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(S273)、第1飾り変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行ない(S274)、S278に進む。S272で第1再開コマンドを受信していなければ、リターンする。また、前述のS275で第1中断コマンドを受信していないときは、S278に進む。
S278では、前述の第1変動時間タイマと、第1変動中処理における表示制御を管理するために用いられるプロセスタイマとを更新する。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S279)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行なう(S280)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S281)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば、監視タイマをスタートさせ(S282)、第1演出制御プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(S215)に対応した値に更新し(S283)、リターンする。
以上の処理によって、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄の組合せが導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断コマンドを受信したことに基づいて第1変動中断フラグをセットするとともに、第1飾り変動表示部8kにおいて、変動中断表示を行なう。そして、第1再開コマンドを受信するまでS278〜S283の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を中断する制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御が行なわれる。また、このような変動表示を中断させる制御が行なわれている状態で、前述した大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ800により、中断されていた変動表示を再開させる制御が行なわれる。
次に、図28におけるS208の第1描画指示処理およびS209における第2描画指示処理について説明する。第1描画指示処理および第2描画指示処理の処理内容は、第1描画指示処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2描画指示処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1描画指示処理をこれら描画指示処理の代表例として説明し、第2描画指示処理についての処理内容の重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1描画指示処理の処理内容は、第1描画指示処理が描画指示を行なう対象を、第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象から第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置換えることで、第2描画指示処理の処理内容となる。
図35は、第1描画指示処理を説明するためのフローチャートである。この第1描画指示処理は、前述の演出制御メイン処理の進行にしたがって所定周期毎に繰り返し実行される。まず、表示制御用マイクロコンピュータ800のCPU803は、演出制御コマンド(たとえば、変動パターンコマンド、デモ表示コマンド、大当り開始コマンド等)に応答して、制御ROM801に格納されている表示制御データのうちから、対応するものを読出す(S301)。
たとえば、演出制御コマンドとして変動パターンコマンドを受信したとき、CPU803は、当該変動パターンコマンドが指定する変動パターンに対応する表示制御データを制御ROM801から読出す。また、CPU803は、各飾り図柄の画像を生成するときに次のような表示制御データの読出しを行なう。生成対象の飾り図柄が変動表示中のときには、図18(a)で示した表示制御データKを読出す。また、生成対象の飾り図柄が停止したが他の表示領域において他の飾り図柄の変動表示が行なわれているときには、図18(b)で示した表示制御データLを読出す。また、生成対象の飾り図柄がリーチ発生時にすでに停止しているときには、図18(c)で示した表示制御データM、または、図18(d)で示した表示制御データNを読出す。また、デモ表示時の画像、または、大当り遊技状態における開放時の画像を生成するときには、図18(e)で示した表示制御データPを読出す。
そして、CPU803は、読出した表示制御データに基づいて、その時点で表示すべき(展開すべき)画像(スプライト画像の場合は、スプライト番号;動画の場合は、動画番号およびフレーム番号)や展開レイヤ・位置・サイズ・透明度(画像を半透明にする設定値)・描画順序、施すべきエフェクトの種類(拡大縮小率、回転角度、パレット番号)等の画像表示のための各種パラメータを特定(設定)した各種設定パラメータのデータであるアトリビュートを含む描画コマンドを生成する(S302)。続いて、CPU803は、生成した描画コマンドをVDP81に送信する(S303)。
VDP81は、画像展開合成処理を実行する。画像展開合成処理においては、CPU803から指示された描画コマンドに基づき作成したアトリビュートテーブルにしたがって、画像データ(素材)を映像ROM82から読出し、動画像の場合には伸長処理を行なって、指示にしたがって展開・合成する(S304)。
一方で、VDP81は、VRAM83上の画像データ(たとえば、RGB輝度データ)を所定の周期的タイミングで読出し、LCD駆動回路84に供給する。LCD駆動回路84は、供給された画像データにしたがって、LCD駆動信号等の制御信号を生成し、これを第1飾り変動表示部8kに供給することにより、第1飾り変動表示部8kの画面に飾り図柄や背景を表示させる。
この図35に示すような画像の生成をする処理を繰返すことにより、図8〜図10、図13〜図15、図36、図37、図39〜図41に示すようなスプライト画像および動画像を含む画像が生成されて表示される。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて、パチンコ遊技機1による遊技の状況に応じた画像が表示される。
ここで、図8に示した、変動表示が開始して停止するまでの左図柄、リーチ状態が成立するまでの左図柄、およびリーチ状態が成立した後の左図柄(右図柄も同じ)の画像について、図36を用いて説明する。図36は、複数種類の変動パターンのうちある変動パターンに基づき、表示制御基板80が実行する飾り図柄の合成表示処理とそれにより作成されるキャラクタとその変化を説明するための図である。図8および図36に示すように、変動表示が開始してから停止するまでの飾り図柄の「7(猫)」の第1の部位P1と第2の部位P2の画像は、図18(a)に例示した表示制御データKにしたがって、スプライト画像S101とスプライト画像S201とが合成されて表示される(図8(a)、図36(a)参照)。変動表示が開始してから停止するまでの間は、CPU803により、表示制御データKにしたがって画像を合成して表示する制御が繰返し行なわれる。
また、図柄が停止してからリーチ状態が成立するまでの間における飾り図柄「7(猫)」の第1の部位P1および第2の部位P2の画像は、図18(b)に例示した表示制御データLにしたがって、まずスプライト画像S101とスプライト画像S201とが合成されて表示され、スプライト画像S102とスプライト画像S202とが合成されて表示された後、スプライト画像S103とスプライト画像S203とが合成されて表示される。リーチ状態が成立するまでは、CPU803により、表示制御データLにしたがって画像を合成して表示する制御が繰返し行なわれる(図8(b)〜(d)、図36(b)〜(d)参照)。
さらに、リーチ状態が成立した後の飾り図柄の「7(猫)」の第1の部位P1および第2の部位P2の画像は、図18(c)に例示した表示制御データMにしたがって、まず動画データM101の第1フレームの画像M101−F1とスプライト画像S201とが合成されて表示され、動画データM101の第2フレームの画像M101−F2とスプライト画像S201とが合成されて表示された後、動画データM101の第3フレームの画像M101−F3とスプライト画像S201とが合成されて表示され...、動画データM101の第10フレームの画像M101−F10とスプライト画像S201とが合成されて表示される(図8(e)〜(h)、図36(e)〜(n)参照)。リーチ状態が成立した後は、CPU803により、表示制御データMにしたがって画像を合成して表示する制御が繰返し行なわれる。このように、CPU803は、飾り図柄を停止させるときに表示制御データKに基づく制御から表示制御データLに基づく制御に切替え、リーチ状態が発生したときに表示制御データLに基づく制御から表示制御データMに基づく制御に切替える。
表示制御用マイクロコンピュータ800が、このような画像による変動表示処理を行なっている間において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、図20のS143のような特別図柄変動処理を繰返して実行する。
次に、以上に説明した実施の形態の制御を行なったときの第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示態様について説明する。図37は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの演出表示の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部が設けられ、それぞれの変動表示部で飾り図柄の変動表示を並行して行なっている。すなわち、図37(A)において第1飾り変動表示部8kにおいて第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されているときにも、第2飾り変動表示部9kにおいて第2飾り図柄9a〜9cの変動表示が並行して実行される。
主基板31からは、表示制御基板80に第1飾り変動表示部8kにおける第1特別図柄8a〜8cの変動態様を指示する第1変動パターンコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2特別図柄9a〜9cの変動態様を指示する第2変動パターンコマンドとが送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動表示部で飾り図柄の変動表示が行なわれるように制御する。
また、この実施の形態で主基板31から送信される演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄8a〜8cの変動パターンを指示するコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄9a〜9cの変動パターンを指示するコマンドとは、MODEまたはEXTを異ならせることにより主基板31から送信される変動パターンコマンドがいずれの変動表示部における特別図柄の変動パターンであるかを特定することが可能となる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図37(B)に示すように、第1飾り変動表示部8kにおいて第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されている間に、すなわち、図25に示す第1特別図柄変動処理におけるS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないときに、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(または第2特別図柄停止処理)で大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて第2大当り実行中フラグがセットされるとともに第2特別図柄停止処理で第2大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。
第2大当り実行中フラグがセットされると、第1特別図柄変動処理(S143)が実行されたときにS87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定され、S88で第1中断フラグがセットされるとともに、S89aで第1中断コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。表示制御用マイクロコンピュータ800は、図34の第1図柄変動中処理におけるS275で第1中断コマンドを受信したときにS276で第1変動中断フラグをセットするとともに、S277で変動中断表示を行なう。
図37(C)に示すように、表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに、変動中メッセージ100を表示するとともにはずれ図柄の組合せを仮停止表示させる変動中断表示を行なう。つまり、変動表示を中断する第1飾り変動表示部8kにはずれ表示結果を停止表示させる。このように、変動表示を中断する方の変動表示部ではずれ表示結果を停止表示することにより遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。このとき、第2飾り変動表示部9kでは、大当り表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態が発生した旨を報知する表示が行なわれている。
また、図37(D)〜(E)に示すように、変動中メッセージ100は、大当り遊技状態が終了するまで表示される。このため、大当り遊技状態が終了するまで遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。また、大当り遊技状態においては、図37(C),(D)に示すように、図15に示すような開放時用のキャラクタCAの画像が表示される。また、図37(D)には、大当り遊技状態における第1ラウンドにおける表示例が示されている。
また、大当り遊技状態が終了するときには、主基板31から第2大当り終了コマンド(確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンド)が表示制御基板80に送信される。図37(E)には、第2大当り終了コマンドとしての確変大当り終了コマンドの受信に応じて、表示制御用マイクロコンピュータ800が、第2飾り変動表示部9kに、大当り遊技状態が終了したとともに確変状態になったことを報知する表示を行なったことが例示されている。
そして、主基板31から表示制御基板80にさらに第1再開コマンドが送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1再開コマンドを受信したことに基づいて、図37(F)に示すように、図34のS274で変動再開表示103として「変動再開」と表示させるとともに、図34のS278以降の処理が実行されて変動表示を再開させる制御が実行される。
このように、一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の変動表示部に大当り表示結果が導出表示されて大当り遊技状態となった場合には、一方の変動表示部に変動表示を中断する旨を示す変動中メッセージ100を表示するとともにはずれ図柄を仮停止表示させ、その後、その大当り遊技状態が終了したときに一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示を再開させる旨を示す変動再開表示103を行なうため、遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
図37では、(F)〜(H)に示すように、第2飾り変動表示部9kにおいて新たな飾り図柄の変動が実行される様子が示されている。すなわち、(F)に示すように、大当り遊技状態が終了した後、再び第2飾り変動表示部9kにおいて飾り図柄の変動表示が開始される。そして、(H)に示すように、主基板31から第2飾り変動表示部9kについての第2中断コマンドが送信されたことに応じて、表示制御用マイクロコンピュータ800が、第2飾り変動表示部9kに、変動中メッセージ100とともにはずれ図柄の組合せを停止表示させる。
以上、図18(a)〜(d)で説明した表示制御データに従い、映像ROM82,92から読出したスプライト画像または動画像を第1の部位と第2の部位とに配置して、飾り図柄の画像を生成し、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kに表示する例について説明した。次に、図38〜図43を用いて、生成された飾り図柄の画像についてさらにブレンド率および拡大率を時間経過とともに変化させて、他の飾り図柄の画像と合成させた合成画像を第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれに表示する例について説明する。
図38は、合成画像を生成するために用いるブレンド率データおよび拡大率データを特定するための合成情報データを説明するための図である。合成情報データは、前述した制御ROM801に、合成画像を生成するための表示制御データとして記憶されている。
図38(a)は、合成情報データを説明するための図である。本実施の形態における合成情報データは、経過時間T=0〜100に応じて、前面側の飾り図柄の画像(飾り図柄の合成表示が行なわれるときの合成される2つの飾り図柄のうち変動表示される順序が先の飾り図柄であり、本実施の形態の場合は変動表示順序が先の飾り図柄の方が変動表示順序が後の飾り図柄よりも前面側に表示されるため、以下、前面側飾り図柄画像という)と後面側の飾り図柄の画像(飾り図柄の合成表示が行なわれるときの合成される2つの飾り図柄のうち変動表示される順序が後の飾り図柄であり、本実施の形態の場合は変動表示順序が後の飾り図柄の方が変動表示順序が先の飾り図柄よりも後面側に表示されるため、以下、後面側飾り図柄画像という)とを合成するときに用いる、拡大率(縮小率)1〜0およびブレンド率1〜0を記憶したA〜Fテーブルから構成されている。これらA〜Fテーブルの組合せにより、後述する第1〜第5ブレンド率データ、第1〜第5拡大率データ、および前面側図柄拡大率データが構成される。
Aテーブルは、時間経過につれて拡大率が1のままで変化しないテーブルである。Bテーブルは、時間T=0から時間T=100に向かって時間経過につれて、画像を次第に拡大させるように拡大率を記憶したテーブルである。Eテーブルは、時間T=0から時間T=100に向かって時間経過につれて、画像を次第に縮小させるように拡大率を記憶したテーブルである。Fテーブルは、Bテーブルと同様であり、時間経過につれて画像を次第に拡大させるように拡大率を記憶したテーブルである。
Cテーブルは、時間T=0から時間T=100に向かって時間経過につれて、画像が次第に不明瞭になるようにブレンド率を記憶したテーブルである。Dテーブルは、時間T=0から時間T=100に向かって時間経過につれて、画像が次第に明瞭になるようにブレンド率を記憶したテーブルである。
拡大率のBテーブルおよびFテーブルのそれぞれのデータは、ブレンド率のDテーブルのデータと比例しており、拡大率のEテーブルのデータはブレンド率のCテーブルのデータと比例している。また、ブレンド率のCテーブルは時間経過により値が次第に小さくなっていくデータであるのに対して、Dテーブルのデータは逆に時間経過とともに値が次第に大きくなっていくデータである。拡大率のBテーブルおよびFテーブルのそれぞれのデータも時間経過により値が次第に大きくなっていくデータであるのに対して、Eテーブルのデータは時間経過とともに値が次第に小さくなっていくデータである。
ここでブレンド率とは、前面側に表示される飾り図柄の画像と後面側に表示される飾り図柄の画像との合成比率を表わし、前面側に表示される飾り図柄の画像のブレンド率と後面側に表示される飾り図柄の画像のブレンド率との和が1となるように設定されている。このブレンド率は、後述するα合成における不透明度を表わすα値に相当する。飾り図柄の画像の明瞭さ(たとえば、色彩の強弱や濃淡の調子を示す色調)は、ブレンド率により異なる。ブレンド率が高い場合には、飾り図柄の画像が見えやすく表示される。一方、ブレンド率が低い場合には、飾り図柄の画像が見えにくく表示される。前面側の飾り図柄の画像と後面側の飾り図柄の画像とを合成する際には、それぞれの飾り図柄の画像の半透明混合率としてブレンド率を使用し、優先順位を無視してそれぞれのブレンド率を乗じた画像色調にする。
図38では、T=0〜100までしかデータ記載されていないが、T=100の次のT=101,T=102,・・・T=200は、T=99,T=98,・・・,T=0というように逆方向に折返してさらに計時されて拡大率データおよびブレンド率データを特定し、T=201、T=202は、T=1、T=2とさらに逆方向に折返してさらに計時されて拡大率データおよびブレンド率データを特定する。
本実施の形態の第1ブレンド率データは、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成する際に、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とのブレンド率を経過時間に応じて指定するデータであって、前面側飾り図柄画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に下げるとともに、後面側飾り図柄画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に上げる指定をするデータである。これにより、第1ブレンド率データには、たとえば、前面側飾り図柄画像に使用する場合のブレンド率データであるCテーブルと、後面側飾り図柄画像に使用する場合のブレンド率データであるDテーブルとが相当する。また、第1拡大率データは、後面側飾り図柄画像のブレンド率(Dテーブル)に比例して経過時間に応じて画像を徐々に拡大させる拡大率のデータである。これにより、第1拡大率データには、後面側飾り図柄画像に使用する場合の拡大率データであるBテーブル、Fテーブルが相当する。
この第1ブレンド率データと第1拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に拡大させるとともに後面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第1α合成処理という。
第2ブレンド率データは、前面側飾り図柄画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に上げるとともに、前記後面側飾り図柄画像のブレンド率を経過時間に応じて徐々に下げる指定をするデータである。これにより、第2ブレンド率データには、たとえば、前面側飾り図柄画像に使用する場合のブレンド率データであるDテーブルと、後面側飾り図柄画像に使用する場合のブレンド率データであるCテーブルとが相当する。また、第2拡大率データは、後面側飾り図柄画像のブレンド率(Cテーブル)に比例して経過時間に応じて画像を徐々に縮小させる拡大率のデータである。これにより、後面側飾り図柄画像に使用する場合の拡大率データであるEテーブルが相当する。
第2ブレンド率データと第2拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に縮小させるとともに徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を下げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第2α合成処理という。
第3ブレンド率データは、第1ブレンド率データのうち予め定めた特定の時間範囲内に限定されたデータである。これにより、第3ブレンド率データには、たとえば、特定の時間範囲としてT=20からT=80に至る経過時間内で、前面側飾り図柄画像に使用する場合の徐々に下げるブレンド率データであるCテーブルと、後面側飾り図柄画像に使用する場合の徐々に上げるブレンド率データであるDテーブルとが相当する。第3拡大率データは、第1拡大率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータである。これにより、第3拡大率データには、たとえば、特定の時間範囲としてT=20からT=80に至る経過時間内で、後面側飾り図柄画像のブレンド率(Dテーブル)に比例して徐々に拡大させる、後面側飾り図柄画像に使用する場合の拡大率データであるBテーブルやFテーブルが相当する。
特定の時間範囲として図38のT=20からT=80に至る経過時間内で、第3ブレンド率データと第3拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に拡大させるとともに徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を上げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第3α合成処理という。
第4ブレンド率データは、第2ブレンド率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータである。これにより、第4ブレンド率データには、たとえば、特定の時間範囲としてT=20からT=80に至る経過時間内で、前面側飾り図柄画像に使用する場合の徐々に上げるブレンド率データであるDテーブルと、後面側飾り図柄画像に使用する場合の徐々に下げるブレンド率データであるCテーブルとが相当する。第4拡大率データは、第2拡大率データのうち特定の時間範囲内に限定されたデータである。これにより、第4拡大率データには、たとえば、特定の時間範囲としてT=20からT=80に至る経過時間内で、後面側飾り図柄画像のブレンド率(Cテーブル)に比例して画像を徐々に縮小させる、後面側飾り図柄画像に使用する場合の拡大率データであるEテーブルが相当する。
特定の時間範囲として図38のT=20からT=80に至る経過時間内で、第4ブレンド率データと第4拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に縮小させるとともに後面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第4α合成処理という。
第5ブレンド率データは、第3ブレンド率データまたは第4ブレンド率データから時間経過にしたがって続くデータであって、後面側飾り図柄画像および前面側飾り図柄画像のブレンド率を指定するデータである。これにより、第5ブレンド率データには、時間T=81、T=181(T=19)からそれぞれT=100、T=200(T=0)に至る時間内に使用される場合のブレンド率データであるCテーブル、Dテーブルが相当する。また、今まで進んできたブレンド率の増大または低減の進行方向と逆の進行方向にある前面側または後面側の飾り図柄の画像が最終停止図柄と特定された場合、第5ブレンド率データには、時間T=80、T=180(T=20)からそれぞれT=0、T=100に至る時間内に使用される場合のブレンド率データであるCテーブル、Dテーブルが相当することになる。
第5拡大率データは、第3拡大率データまたは第4拡大率データから時間経過にしたがって続くデータであって、後面側飾り図柄画像の拡大率を指定するものである。これにより、第5拡大率データには、時間T=81、T=181(T=19)からそれぞれT=100、T=200(T=0)に至る時間内に使用される場合の拡大率データであるBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが相当する。また、今まで進んできた拡大率の増大または低減の進行方向と逆の進行方向にある前面側または後面側の飾り図柄が最終停止図柄であると判断された場合は、時間T=80、T=180(T=20)からそれぞれT=0、T=100に至る時間内に使用される場合の拡大率データであるBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが第5拡大率データに相当することになる。
最終停止図柄が後面側飾り図柄画像であると特定された場合に、第5ブレンド率データと第5拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に拡大させるとともに徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を上げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第5α合成処理という。
また、最終停止図柄が前面側飾り図柄画像であると特定された場合に、第5ブレンド率データと第5拡大率データとに基づいて、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に縮小させるとともに徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を下げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する処理を第6α合成処理という。
前面側図柄拡大率データは、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成する際に、前面側飾り図柄画像の拡大率を経過時間に応じて指定するデータであって、前面側飾り図柄画像のブレンド率に比例して徐々に変化させる拡大率である。これにより、前面側図柄拡大率データには、前面側飾り図柄画像に使用する場合の前面側飾り図柄画像のブレンド率に比例して変化する拡大率データとなったときのBテーブル、Eテーブル、Fテーブルが相当する。
次に、図39〜図41を用いて、合成情報データを用いて特定されるブレンド率データおよび拡大率データにしたがって、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成させた合成画像を説明する。図39〜図41において、図柄1は、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示順序が先の(先に表示される)図柄、すなわち前面側に表示される飾り図柄を示す。図柄2は、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおいて図柄1の後に表示する図柄、すなわち後面側に表示される飾り図柄を示す。合成図柄690の画像は、図柄1の画像と図柄2の画像とが後述するα合成により合成された画像を示す。図柄1、図柄2、および合成図柄690は、経過時間を示すT=20、40、60、および80のそれぞれのタイミングに対応する画像である。
図39は、前面側飾り図柄画像についてAテーブルおよびCテーブルを、後面側飾り図柄画像についてBテーブルおよびDテーブルを、各々ルックアップして特定されたブレンド率データおよび拡大率データにしたがって、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成させた合成図柄の画像を説明するための図である。
図39では、図柄1である「6」が時間経過とともにその画像が薄くなっていき、図柄2である「7」が時間経過とともにその画像が大きくなるとともにその画像が次第に濃くなっていく。
図40は、前面側飾り図柄画像についてAテーブルおよびDテーブルを、後面側飾り図柄画像についてCテーブルおよびEテーブルを、各々ルックアップして特定されたブレンド率データおよび拡大率データにしたがって、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成させた合成図柄の画像を説明するための図である。
図40は、図39の時間経過を逆にしたもので、図柄1である「6」が時間経過とともにその画像が次第に濃くなっていき、図柄2である「7」が時間経過とともにその画像が小さくなっていくとともにその画像が薄くなっていく。すなわち、図39では、識別情報である図柄が「6」から次第に「7」に切替わろうとしている状態を示しており、図40では「7」から次第に「6」に切替わろうとしている状態を示している。
図41は、前面側飾り図柄画像についてCテーブルおよびEテーブルを、後面側飾り図柄画像についてDテーブルおよびFテーブルを、各々ルックアップして特定されたブレンド率データおよび拡大率データにしたがって、前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成させた合成図柄の画像を説明するための図である。
図41では、図柄1である「6」が時間経過により次第にその画像が薄くなっていくとともに、画像の大きさも小さくなっていく点が図39と異なっている。すなわち、図39では、画像の拡大率が1のまま変化しないが、図41では1から0.8、0.6、0.4、0.2と時間経過につれ画像の拡大率が縮小していく例を表わしている。図41は、第1α合成処理または第3α合成処理において、前面側図柄拡大率データとして図38の拡大率Eテーブルが使用され、前面側図柄のブレンド率としてCテーブルが使用されて生成された前面側飾り図柄画像が拡大率Fテーブルとブレンド率Dテーブルとが使用されて生成された後面側飾り図柄画像と合成処理される様子を例示するものである。
ここでα合成について説明する。α合成とは、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおいて先に表示されていた方の飾り図柄の画像Aに、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kに後から表示する方の飾り図柄の画像Bを合成するに際して、
画像Aの色データ×(1.0−α)+画像Bの色データ×α・・・・「数式1」
で合成するものである。ここで、αは、画像Bのブレンド率(不透明度)を表わす。なお、色データは、図17のパレットテーブル173ではR、G、Bそれぞれ0〜15のデータから構成される例について説明した。しかし、以下α合成を説明する上で色データを標記する際には、図17のパレットテーブル173において「0〜15」であったデータを「0.0〜1.0」とし、色データを(rgb:0.0〜1.0、0.0〜1.0、0.0〜1.0)で示す。
たとえば、画像Aの色が黄色であるときは、画像Aの色データは(rgb:1.0、1.0、0.0)となり、画像Bの色が空色がかった青色であるときは、画像Bの色データは(rgb:0.0、0.5、1.0)となり、画像Bのブレンド率(不透明度)が0.5のときは、αが0.5となり、これら各々の値を、「数式1」に代入して計算すると、
rgb(1.0、1.0、0.0)×(1.0−0.5)+rgb(0.0、0.5、1.0)×0.5
=rgb(0.5、0.5、0.0)+rgb(0.0、0.25、0.5)
=rgb(0.5、0.75、0.5)
半透明(ブレンド率α=0.5)の画像A(黄色(rgb:1.0、1.0、0.0))に半透明(ブレンド率α=0.5)の画像B(空色がかった青色(rgb:0.0、0.5、1.0))が重ねて表現された色(黄色がかった半透明の空色(rgb:0.5、0.75、0.5))となる。
図39において、経過時間T=20であるときの拡大率は、図柄1である「6」が1の大きさであり、図柄2である「7」が0.2の大きさである。また、経過時間T=20であるときのブレンド率(α値)は、図柄1である「6」が0.8であり、図柄2である「7」が0.2である。
たとえば、図柄1である「6」が緑色(rgb:0.0、1.0、0.0)であり、図柄2が赤色(rgb:1.0、0.0、0.0)であったとすると、合成図柄の画像は、図39に示すように、拡大率1の大きさの「6」の画像と拡大率0.2の大きさの「7」の画像とが重なった画像となる。そして、この重なった部分は、ブレンド率が0.8に落ちた緑色の「6」部分とブレンド率(不透明度)が0.2に落ちた赤色の「7」部分とが重なって表現された、やや黄色がかった緑色(rgb:0.2、0.8、0.0)で表示される。図柄1である「6」、図柄2である「7」の飾り図柄画像の重なっていない部分はそれぞれブレンド率が0.8に落ちた緑色(rgb:0.0、0.8、0.0)の「6」部分とブレンド率(不透明度)が0.2に落ちた赤色(rgb:0.2、0.0、0.0)の「7」部分とが表示される。つまり、図柄1である「6」は、ブレンド率が0.8に落ちた緑色であり、図柄2である「7」はブレンド率が0.2と薄い赤色である。このようにブレンド率とは、飾り図柄の画像のα合成における不透明度α値を示している。本実施の形態では、図柄1、図柄2の「6」、「7」以外の部分は透明とするが、この何もない透明部分に別途指定の背景色を表示することにしてもよい。なお、本実施の形態においてはR,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)で表現される。
CPU803は、合成すべき図柄1および図柄2に関して、使用する合成情報データを制御ROM801から読出す。次に、CPU803は、読出した図柄1および図柄2についての合成情報データに基づき、特定される拡大率からそれぞれの図柄の経過時間に応じた大きさとブレンド率とを少なくとも特定するための描画コマンドを生成し、VDP81,91に送信する。VDP81,91は、描画コマンドに基づき作成したアトリビュートテーブルにしたがって、VRAM83,93のワークエリアにα合成により経過時間(合成表示時間T=0〜100)毎の合成図柄690の画像を生成する。このようにしてパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた合成図柄690の画像を生成する。当該生成された画像データは、VRAM83,93に一時的に記憶され、所定のタイミング毎に第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kで表示するために、LCD駆動回路84,94に送信される。この詳細は、図42〜図44のフローチャートを用いて後述する。
なお、上記説明においては、図38(a)を用いて説明したように、2つの飾り図柄の画像を合成するときのブレンド率および拡大率を特定するための合成情報データを制御ROM801に記憶させておき、CPU803が時間経過に応じたブレンド率および拡大率を読出す例について説明した。しかし、これに限らず、CPU803が、経過時間(合成表示時間)TN(Nは0〜200の自然数)から、ブレンド率および拡大率を算出するものであってもよい。たとえば、Bテーブル、Dテーブル、Fテーブルから特定されていたブレンド率および拡大率は、「0.01N」に経過時間TNのNの値を代入して求まる値になる。また、Cテーブル、Eテーブルから特定されていたブレンド率および拡大率は、「1−0.01N」に経過時間TNのNの値を代入して求まる値になる。図38(b)には、参考として計算式を記載している。
図38を用いて説明した制御ROM801に記憶させておくデータは、図38(a)に例示する各テーブルの時間T=0〜100などに対応する具体的数値データに限らず、図38(b)に参考として例示している計算式の場合をも含む概念である。このように具体的数値データの記憶に代えて計算式を記憶させることで、使用する記憶容量を削減させることができる。また、第1〜第5ブレンド率データ、第1〜第5拡大率データ、前面側図柄拡大率データとしてそれぞれ独自のテーブルを設けてもよく、本実施の形態のように共通のテーブルとしては、データのロード順(使用する順序)を変更してもよい。
次に、図35の第1描画指示処理のS302による描画コマンドの生成処理において実行される処理であって、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kに表示する飾り図柄の画像を生成するために用いる描画コマンドを生成するための変動中描画コマンド生成処理について説明する。
図42は、変動中描画コマンド生成処理を説明するためのフローチャートである。この処理は、図35を用いて前述した第1描画指示処理において、変動表示中の左、中、右図柄各々についての描画コマンドを生成するときに実行される。
CPU803は、中図柄について描画コマンドを生成する処理の処理中であって、かつ、主基板31からの変動パターンコマンドにより指示される変動パターンに基づき中図柄として合成画像を第1飾り変動表示部8kに表示する合成画像演出の処理が開始された時から最終的に図柄が停止表示される時までの合成期間中であるかどうか否かを判断する(401)。中図柄について描画コマンドを生成する処理でない、または、合成期間中でないと判断されたときに、CPU803は、左図柄および右図柄について描画コマンドを生成する処理の処理中であって、かつ、リーチ表示態様となるリーチタイミングが経過したか否かを判断する(S402)。リーチタイミングは、主基板31からの変動パターンコマンドにより指示される変動パターンから特定される。リーチタイミングが経過していると判断されたときには、制御ROM801から読出した表示制御データMまたは表示制御データNに基づく制御が行なわれる。前述したように、表示制御データMに基づく制御が行なわれるか、表示制御データNに基づく制御が行なわれるかは、変動パターンにより適宜選択される。
表示制御データMに基づく制御が行なわれたときには、タイミングT1からT10(図18(c)参照)において、動画データM101の第1〜第10フレームの画像M101−F1〜M101−F10を第1の部位P1の位置に順次切替えて配置し、スプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置するためのアトリビュートを含む描画コマンドを生成し、変動中描画コマンド生成処理を終了する(S403)。これにより、タイミングT1からT10において、動画データM101の第1〜第10フレームを第1の部位P1の位置に順次切替えて配置し、第2の部位P2のスプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置することで生成される飾り図柄の画像を用いて、リーチ表示態様となってから変動表示が終了するまでの飾り図柄の画像を表示することができる。
表示制御データNに基づく制御が行なわれたときには、タイミングT1からT10(図18(d)参照)において、スプライト画像S101を第1の部位P1の位置に配置し、動画データM201の第1〜第10フレームの画像M201−F1〜M201−F10を第2の部位P2の位置に順次切替えて配置するためのアトリビュートを含む描画コマンドを生成し、変動中描画コマンド生成処理を終了する(S403)。これにより、タイミングT1からT10において、スプライト画像S101を第1の部位P1の位置に配置し、動画データM201の第1〜第10フレームの画像M201−F1〜M201−F10を第2の部位P2の位置に順次切替えて配置することで生成される飾り図柄の画像を用いて、リーチ表示態様となってから変動表示が終了するまでの飾り図柄の画像を表示することができる。
ステップS2においてリーチタイミングが経過していないと判断されたときには、主基板31からの変動パターンコマンドにより指示される変動パターンに基づき、左図柄について描画コマンドを生成する処理においては左図柄を停止させる停止タイミングが経過したか否かを判断し、右図柄について描画コマンドを生成する処理においては右図柄を停止させる停止タイミングが経過したか否かを判断する(S404)。停止タイミングは、主基板31からの変動パターンコマンドに含まれる変動パターンから特定される。
停止タイミングを経過したと判断されたときには、制御ROM801から読出した表示制御データLに基づく制御が行なわれ、タイミングT1(図18(b)参照)で、スプライト画像S101を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置し、タイミングT2で、スプライト画像S102を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置し、タイミングT3で、スプライト画像S103を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置するためのアトリビュートを含む描画コマンドを生成し、変動中描画コマンド生成処理を終了する(S405)。これにより、タイミングT1で、スプライト画像S101を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置し、タイミングT2で、スプライト画像S102を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S202を第2の部位P2の位置に配置し、タイミングT3で、スプライト画像S103を第1の部位P1の位置に配置し、スプライト画像S203を第2の部位P2の位置に配置することで生成される飾り図柄の画像を用いて、停止したが他の表示領域において変動表示が行なわれている間における飾り図柄の画像を表示することができる。
S404において停止タイミングを経過していないと判断されたときには、制御ROM801から読出した表示制御データKに基づく制御が行なわれ、第1の部位のスプライト画像S101を第1の部位の位置に配置し、第2の部位P2のスプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置するためのアトリビュートを含む描画コマンドを生成し、変動中描画コマンド生成処理を終了する(S402)。これにより、第1の部位P1のスプライト画像S101を第1の部位P1の位置に配置し、第2の部位P2のスプライト画像S201を第2の部位P2の位置に配置することで生成される飾り図柄の画像を用いて、変動表示を行なうことができる。
S401において中図柄について描画コマンドを生成する処理であって合成期間中であると判断されたときには、図38の合成情報データの時間欄に示す時間Tが201以上であるかどうかを判断する(S407)。時間Tは、合成図柄690の画像演出が開始されてから計時された経過時間である。この時間Tは、後述するようにCPU803によりT=0からT=200まで計時される。図38では、T=0〜100の各々に対応して拡大率データおよびブレンド率データが記憶されており、Tの値に応じて対応する拡大率データおよびブレンド率データを特定可能に構成されている。なお、T=101〜200に対応する拡大率データおよびブレンド率データは、図44を用いて後述するようにTから100減算(T−100)して得られたTに対応して記憶されている拡大率データおよびブレンド率データが用いられる。すなわち、T=101のときには、T=1の拡大率データおよびブレンド率データが用いられる。またT=102のときには、T=2の拡大率データおよびブレンド率データが用いられる。以下同様に、T=200のときには、T=100の拡大率データおよびブレンド率データが用いられる。
時間Tが201以上であると判断されたときには、時間Tに「0」をセットする(S408)。時間Tが201以上でないと判断されたとき、または時間Tに「0」がセットされたときには、初期合成期間中であるかどうか判断される(S409)。
初期合成期間とは、合成図柄690の画像の演出開始時から煽り合成開始時までの期間をいう。煽り合成とは、大当りとなることを煽る演出をするために飾り図柄の画像を合成することをいう。初期合成期間としてT=100より長い期間が設定されている場合には、T=0〜100を逆方向に折返す第1繰返制御処理を行なうことになる。第1繰返制御処理とは、第1α合成処理と、第2α合成処理とを順次繰返して実行することである。すなわち、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に拡大させるとともに、後面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する第1α合成処理と、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に縮小させるとともに、後面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する第2α合成処理とを交互に繰返し行なうものである。
また、例外的に、後述する煽り合成(図38のT=20〜80の繰返し)の表示演出を行なうことなく、そのまま最終停止図柄(図38のT=0またはT=100の状態)になることもある。その場合は、最終停止図柄になるまですべてが初期合成期間となる。初期合成の演出表示中に最終合成の指示を受け最終停止図柄に向かったときは、その指示を受けた時点が後述する最終合成開始時点となり、最終合成開始までが初期合成期間となる。
初期合成期間中でないと判断されたときには、煽り合成期間中であるかどうか判断される(S410)。煽り合成期間とは、煽り合成開始から最終合成開始までの期間である。煽り合成期間中であると判断されたときには、時間Tが煽り演出可能時間、すなわち図38のT=20〜81内であるかどうか判断される(S411)。Tが101以上のときはTから100を減算して判断する。
S409で初期合成期間中であると判断されたとき、および、S411で煽り演出可能時間中でないと判断されたときは、初期合成処理のサブルーチンに進む(S412)。S411で煽り演出可能時間中でないと判断されたときは、煽り合成の指示をうけても、そのときの時間Tが煽り演出可能時間外であれば、煽り演出可能時間になるまでは初期合成を続けることを意味する。
S411で煽り演出可能時間中であると判断されたときは、煽り合成処理のサブルーチンに進み(S413)、S410で煽り合成期間中でないと判断されたときには、最終合成処理のサブルーチンに進む(S414)。最終合成期間とは、最終合成開始時から最終停止図柄の停止表示時までの期間である。初期合成処理、煽り合成処理、または、最終合成処理のいずれかが行なわれた後は、時間Tに1加算し(S415)、変動中描画コマンド生成処理を終了する。この変動中描画コマンド生成処理は、所定周期毎に繰返される。このため、時間Tは、所定周期毎に1つずつ増えていくことになる。なお、合成図柄690の画像演出の合成期間が終了すれば、合成情報データの時間TはリセットされてT=0に戻る。初期合成期間、煽り合成期間、最終合成期間は指定された変動パターンにより予め定められている。
図43は、初期合成処理、煽り合成処理、および、最終合成処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。図43(a)は、初期合成処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、時間Tが、0〜100の範囲内かどうか判断される(S421)。時間Tが0〜100の範囲内であると判断されたときは、後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S422)。時間Tが0〜100の範囲内でないと判断されたときは、前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S423)。その後、初期合成処理を終了する。
後面側増大表示合成処理(第1、第3、第5のα合成処理)とは、時間経過につれて前面側の画像が次第に薄く不明瞭な画像となっていき、後面側の画像が次第に濃い明瞭な画像となっていく合成図柄690の画像を作成するための処理である。また、前面側増大表示合成処理(第2、第4、第6のα合成処理)とは、時間経過につれて前面側の画像が次第に濃い明瞭な画像となっていき、後面側の画像が次第に薄く不明瞭な画像となっていく合成図柄690の画像を作成するための処理である。その詳細は、図44(d),(e)で説明する。
図43(b)は、煽り合成処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、時間Tが181であるか否か判断される(S425)。時間Tが181であると判断されたときは、Tに「20」をセットし(S426)、S429に進む。
時間Tが181でないと判断されたときは、時間Tが81であるか否か判断される(S427)。時間Tが81であると判断されたときは、Tに「120」をセットし(S428)、S429に進む。また、時間Tが81でないと判断されたときは、S429に進む。
S429では、時間Tが20〜80の範囲内であるか否か判断される。時間Tが20〜80の範囲内であると判断されたときには、後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S430)。一方、時間Tが20〜80の範囲内でないと判断されたときには、前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S431)。その後、煽り合成処理を終了する。
この煽り合成処理のサブルーチンでは、S425でT=181になると、S426の処理によりTが20になり、S427でT=81になるとS428の処理によりTが120になる。図38(a)にてT=20〜80間を煽り画像演出時指定データと記載しているように、煽り合成処理ではT=20〜80間のブレンド率データと拡大率データとを使用して前面側飾り図柄画像と後面側飾り図柄画像とを合成する合成画像サイクルを繰返すことになる。これは、第2繰返制御処理を行なうことになる。第2繰返制御処理とは、予め定めた時間内において、第3α合成処理と、第4α合成処理とを順次繰返して実行することである。
すなわち、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に下げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に拡大させるとともに、徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を上げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する第3α合成処理と、経過時間に応じて前面側飾り図柄画像のブレンド率を徐々に上げる前面側飾り図柄画像と、経過時間に応じて後面側飾り図柄画像を徐々に縮小させるとともに、徐々に後面側飾り図柄画像のブレンド率を下げる後面側飾り図柄画像とを順次合成する第4α合成処理とを交互に繰返し行なうものである。
図43(c)は、最終合成処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、最終停止図柄が、後面側飾り図柄画像であるか否かを判断する(S435)。最終停止図柄が後面側飾り図柄画像であると判断されたときは、後面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S436)。一方、最終停止図柄が後面側飾り図柄画像でないと判断されたときは、前面側増大表示合成処理のサブルーチンに進む(S437)。その後、最終合成処理を終了する。
図44は、後面側増大表示合成処理、および前面側増大表示合成処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。図44(d)は、後面側増大表示合成処理(第1、第3、第5のα合成処理)のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、前面側飾り図柄画像についてのブレンド率を特定するために前述のCテーブルをルックアップし、後面側飾り図柄画像についてのブレンド率を特定するために前述のDテーブルをルックアップする(S441)。前面側飾り図柄画像についての拡大率を特定するために前述のEテーブルをルックアップし、後面側飾り図柄画像についての拡大率を特定するために前述のFテーブルをルックアップする(S442)。
次に、時間Tが100以下か否かを判断する(S443)。時間Tが100以下であると判断されたときは、時間Tに対応するブレンド率、拡大率のデータをルックアップしている各テーブルから読出す(S444)。時間Tが100以下でないと判断されたときは、時間「T−100」に対応するブレンド率、拡大率のデータをルックアップしている各テーブルからそれぞれ読出す(S447)。そして、S444またはS447のうちいずれかにおいて読出したブレンド率および拡大率で、前面側飾り図柄画像および後面側飾り図柄画像をα合成処理した合成画像についてのアトリビュートを含む描画コマンドを生成する(S448)。その後、後面側増大表示合成処理を終了する。
図44(e)は、前面側増大表示合成処理(第2、第4、第6のα合成処理)のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、前面側飾り図柄画像についてのブレンド率を特定するために前述のDテーブルをルックアップし、後面側飾り図柄画像についてのブレンド率を特定するために前述のCテーブルをルックアップする(S451)。前面側飾り図柄画像についての拡大率を特定するために前述のFテーブルをルックアップし、後面側飾り図柄画像についての拡大率を特定するために前述のEテーブルをルックアップする(S452)。
次に、時間Tが100以下か否かを判断する(S453)。時間Tが100以下であると判断されたときは、時間Tに対応するブレンド率、拡大率のデータをルックアップしている各テーブルから読出す(S454)。時間Tが100以下でないと判断されたときは、時間「T−100」に対応するブレンド率、拡大率のデータをルックアップしている各テーブルからそれぞれ読出す(S457)。そして、S454またはS457のうちいずれかにおいて読出したブレンド率および拡大率で、前面側飾り図柄画像および後面側飾り図柄画像をα合成処理した合成画像についてのアトリビュートを含む描画コマンドを生成する(S458)。その後、前側増大表示合成処理を終了する。
なお、上記説明においては、図44(d)のS442、図44(e)のS452において、前面側飾り図柄画像に使用する拡大率として、時間経過により縮小するEテーブルと、時間経過により拡大するFテーブルとを用いて、図41に示す画像を表示する例を示した。しかし、これに限らず、前面側飾り図柄画像に使用する拡大率として、時間経過しても拡大率が1のままで変化しないAテーブルを上記説明のEテーブルと、Fテーブルとに替えて用いてもよい。これにより、図39に示す画像を表示する例のようになる。この場合、前面側飾り図柄画像に使用する拡大率については、時間Tに関係なく常に1となる。
また、前述した煽り合成期間は、T=0〜100またはT=101〜200の中間タイミング(たとえば、T=50またはT=151等)で終了するように構成してもよい。これにより、煽り合成処理から最終合成処理に移行し、ステップS444またはステップS454でデータを読み出しての描画コマンド生成と、ステップS447またはステップ457でデータを読み出しての描画コマンド生成との間で相互に切替わったときであっても、その切替え前後において読み出したブレンド率および拡大率のデータが近似しているため、なだらかに最終停止図柄へ移行させる演出を提供することができる。
図45は、図柄の変動表示に用いる変動パターンの一例を説明するためのタイミングチャートである。前述したように、変動パターンは、遊技制御用マイクロコンピュータ53により図23に示すような変動パターン設定処理において選択される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、選択した変動パターンを指定するための変動パターンコマンドを表示制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータ800に送信する。CPU803は、当該受信した変動パターンコマンドから特定されるタイミングで表示制御データ(図18、図38参照)を読出し、画像を生成するための描画コマンドをVDP81,91に送信し、VDP81,91により生成された画像を第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kに表示する。
図45(a)は、リーチ表示態様にならない、すなわち、リーチが成立せずにはずれとなる変動パターンaを説明するためのタイミングチャートである。図45(b)は、リーチが成立する変動パターンbを説明するためのタイミングチャートである。図45(c)は、リーチが成立した後に合成図柄690の画像演出が行なわれる変動パターンcを説明するためのタイミングチャートである。
図45(a)〜(c)は、各々、横軸に時間の経過をとり、当該時間と対応させて、上から左図柄、中図柄、右図柄の順で、各図柄の画像を生成するために用いた表示制御データの種類を示している。図中のK,L,M,Nは、図18で説明した表示制御データK,L,M,Nを示している。また、図中のBは、図38および図42〜図43で説明した合成図柄690の画像演出を行なうための表示制御データを示している。
まず、図45(a)を参照して、変動パターンaが選択された場合について説明する。飾り図柄の変動開始後は、左、中、右表示領域のいずれにおいても、表示制御データKに基づき生成された画像を上から下へスクロール表示することにより、変動表示が行なわれる。
そして、左表示領域において左図柄が停止し、その後、右表示領域において右図柄が停止する。この場合、未だ中表示領域において中図柄が変動表示しているため、左図柄および右図柄は、表示制御データLに基づき生成された画像を表示することにより、停止表示が行なわれる。これにより、図12で説明した複数のスプライト画像を切替えて表示することにより、キャラクタCが動く表示を行なうことができる。
その後、変動時間タイマが0になると中表示領域において中図柄が停止する。この場合、中図柄は、表示制御データKに基づき生成された画像を表示することにより停止表示が行なわれる。なお、中図柄が停止するタイミングに合わせて、左図柄および右図柄も、表示制御データKに基づき生成された画像に切替えて表示される。これにより、左図柄および右図柄におけるキャラクタCの動く表示が終了し、表示が確定する。
次に、図45(b)を参照して、変動パターンbが選択された場合について説明する。飾り図柄の変動開始後は、左、中、右表示領域のいずれにおいても、表示制御データKに基づき生成された画像を上から下へスクロール表示することにより、変動表示が行なわれる。
そして、左表示領域において左図柄が停止する。この場合、未だ中、右表示領域において中、右図柄が変動表示しているため、左図柄は、表示制御データLに基づき生成された画像を表示することにより、停止表示が行なわれる。
次に、右表示領域において右図柄が停止する。この場合、左図柄と右図柄とが同一の図柄となりリーチ表示態様となりリーチが成立しているため、左図柄および右図柄は、表示制御データMに基づき生成された画像を表示することにより、停止表示が行なわれる。これにより、図11で説明した動画像を第1の部位P1に配置し、図12(b)で説明したスプライト画像を第2の部位P2に配置することにより生成された画像を表示することにより、飾り図柄を構成するキャラクタCが動く表示を行なうことができる。
その後、変動時間タイマが0になると中表示領域において中図柄が停止する。この場合、中図柄は、表示制御データKに基づき生成された画像を表示することにより停止表示が行なわれる。なお、中図柄が停止するタイミングに合わせて、左図柄および右図柄も、表示制御データKに基づき生成された画像に切替えて表示される。これにより、左図柄および右図柄におけるキャラクタの動く表示が終了し、表示結果が確定する。
次に、図45(c)を参照して、変動パターンcが選択された場合について説明する。飾り図柄の変動開始後は、左、中、右表示領域のいずれにおいても、表示制御データKに基づき生成された画像を上から下へスクロール表示することにより、変動表示が行なわれる。
そして、左表示領域において左図柄が停止する。この場合、未だ中、右表示領域において中、右図柄が変動表示しているため、左図柄は、表示制御データLに基づき生成された画像を表示することにより、停止表示が行なわれる。
次に、右表示領域において右図柄が停止する。この場合、左図柄と右図柄とが同一の図柄となりリーチ表示態様となりリーチが成立しているため、左図柄および右図柄は、表示制御データMに基づき生成された画像を表示することにより、停止表示が行なわれる。これにより、図12(a)で説明したスプライト画像を第1の部位に配置し、図14で説明した動画像を第2の部位に配置することにより生成された画像を表示することにより、飾り図柄を構成するキャラクタCが動く表示を行なうことができる。
リーチが成立してから所定時間経過したときに、中図柄の画像は、前述した合成図柄690の画像演出を行なうための表示制御データBに基づき生成された合成図柄690の画像に切替えて表示される。すなわち、中図柄の画像は、図42で説明した初期合成処理、煽り合成処理、および最終合成処理が行なわれることにより生成される合成図柄690の画像に切替えて表示される。
以上、図柄の変動表示に用いる変動パターンの一例として、変動パターンa〜cについて説明したが、変動パターンとしてはこれに限るものではない。本実施の形態における変動パターンは、所定の順序およびタイミングで図18、図38で説明した表示制御データに基づき生成された画像に切替えて表示するものであればどのようなものであってもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図35のS302による描画コマンドの生成により、図15および図18(e)に示すように、複数のフレーム画像のうちF1の先頭フレーム画像からF10の最終フレーム画像までの画像を順次切替えて生成することにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれに動画像が生成され、画像の表示終了条件が成立するまで、先頭フレーム画像から最終フレーム画像までの画像の生成を繰返す動画の生成処理が行なわれる。そして、そのようなフレーム画像データは、図15のF1とF10とに示されるように、先頭フレーム画像と最終フレーム画像とが表示内容の連続性を有する。このような先頭フレーム画像と最終フレーム画像との表示内容の連続性により、繰返し動画生成処理が行なわれるときに、少ないデータ量で、見た目の違和感がない動画像を生成することができる。また、フレーム画像を用いる動画像を使用することで、画像の部分ごとに画像を生成するための処理が必要なくなるので、表示制御基板80における画像表示に関する制御負担を小さくすることができる。
また、前述の実施の形態では、たとえば、第2飾り変動表示部9kに大当り表示結果が導出表示され、第1飾り変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示が実行されているときには、図25の第1特別図柄変動処理のS87でYとなって第1中断フラグをセットして第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。また、前述の実施の形態では、たとえば、第1飾り変動表示部8kに大当り表示結果が導出表示され、第2飾り変動表示部9kに第2飾り図柄の変動表示が実行されているときには、第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄変動処理におけるS84で第1大当り実行中フラグがセットされた時点で、第2特別図柄変動処理で第1特別図柄変動処理のS87に相当するステップによって、第1大当りフラグがセットされていると判断されて第2中断フラグをセットして第2特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。このように、一方の変動表示部で大当り表示結果が導出表示されたときに他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断することにより、複数の変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、一方の変動表示部に大当り表示結果が導出表示されるまで他方の変動表示部で図柄の変動表示が行なわれるため、一方の変動表示部に大当り表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
また、図24のS705に示すように、時短状態に移行するときに時短状態中である旨を示すように時短フラグがセットされ、図24のS709,S714に示すように、当該時短状態が終了したときに、時短中でない旨を示すように時短フラグがリセットされる。そして、図6、図23のS62〜S64、S66〜S68、および、S69に示すように、時短フラグがセットされているときに、時短フラグがリセットされているときに比べて短い変動時間が選択される。さらに、図24のS712〜S714に示すように、時短状態に制御されているときにおいて、第1変動表示部および第2変動表示部で実行される変動表示により、確変時変動回数が確変終了回数に達したと判定されたときの当該図柄の変動表示がいずれか一方の変動表示部で開始されるときに、時短フラグがリセットされる。このため、一方の変動表示部での変動表示により時短状態が終了したと判定されたときの変動表示中に他方の変動表示部で実行される変動表示の回数の違いにより時短状態中に実行される変動表示の回数に遊技者による違いが生じない。その結果として、遊技者間に不公平が生じなくなるので、遊技者の興趣を高めることができる。
(2) 図31のS216,S217、図37(C),(D)に示すように、大当り遊技状態となっているときにおいて、図15に示す開放時用の動画像を生成する処理が行なわれるので、大当り遊技状態となっているときの画像表示に関する制御負担を小さくすることができる。
(3) 図21のS323,S324、図31のS212、図32のS254,S255に示すように、変動表示部でデモンストレーション画像が表示されるというような、複数の変動表示部のうち少なくとも1つの変動表示部で所定期間に亘り変動表示が行なわれなかったときにおいて、図15に示すデモ表示時用の動画像を生成する処理が行なわれるので、所定期間に亘り変動表示が行なわれなかったときの画像表示に関する制御負担を小さくすることができる。
(4) 図36に示すように、第1の部位P1の画像がスプライト画像S101〜S103から動画像M101−F1〜M101−F10に置換えられるので、スプライト画像を切替えることにより動きのある図柄の画像を生成する場合と比較して、動きのある図柄の画像を生成するための制御負担を軽減することができる。また、フレーム画像により構成される動画像を生成することにより、図柄の画像の動きを表現するために多くのスプライト画像データを記憶する必要なく、画像データのデータ量を低減することができる。
(5) 図42に示すように、左図柄および右図柄について描画コマンドを生成する処理の処理中であって、かつ、リーチ表示態様となるリーチタイミングが経過したとき(S402Y)のような所定の条件が成立したときにおいて、飾り図柄の第1の部位P1で生成される画像がスプライト画像から動画像に置換えられる。図12(a)に示す最終のスプライト画像S103と図13に示す先頭のフレーム画像F1との関係、および、図36に示す最終のスプライト画像S103と先頭のフレーム画像M101−F1との関係で示すように、第1の部位P1の画像として生成するスプライト画像の最終スプライト画像と、動画像の先頭フレーム画像とが表示内容の連続性を有するので、スプライト画像から動画像のフレーム画像に切替わる際における前後の画像の表示状態がつながるため、スプライト画像と動画像との切替わりがスムーズに行なわれ、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
(6) 図39〜図41に示す飾り図柄の合成図柄690の画像は、先に表示されていた前面側飾り図柄画像のブレンド率が時間経過につれて小さくなり見えにくくなっていくのに対して、次に表示される後面側飾り図柄画像はそのブレンド率が時間の経過に応じて大きくなっていくとともにその拡大率がブレンド率に比例して大きくなっていくために、次第に明瞭になっていく合成処理を行なって生成され、生成された合成図柄690の画像が表示される。このため、消えてゆく前面側飾り図柄画像が時間経過とともに残像を残すような画像となり、後面側飾り図柄画像が次第に明瞭になってくる合成図柄690の画像となるため、奥行感を表現可能となり、視覚的に斬新な変動表示を行なうことができる。また、後面側特別図柄画像は、拡大率も変化させているため、ブレンド率だけを変化させる場合と比較して、前面側特別図柄画像が徐々に消えていき後面側特別画像が徐々に出現するといった演出をより効果的に遊技者に提供することができ、より一層興趣を向上させることができる。また、図41に示すように、前面側特別図柄画像の拡大率を変化させる場合には、前面側特別図柄画像のブレンド率だけを変化させる場合と比較して、後面側特別図柄画像が徐々に消えていき前面側特別画像が徐々に出現するといった演出や、逆に前面側特別図柄画像が徐々に消えていき後面側特別画像が徐々に出現するといった演出をより効果的に遊技者に提供することができ、より一層興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、確変状態とすることが決定されたときに、確変制御モードにおいて、確変状態および時短状態に制御される遊技機を説明した。しかし、これに限らず、遊技機としては、前述のような確変状態に制御する確変制御機能を備えない遊技機であって、図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果となるときに時短状態(短縮状態)とするか否かを判定する短縮判定手段と、該短縮判定手段により時短状態とする判定がされたときに、特定遊技状態(大当り遊技状態)の終了後において、時短状態に制御する短縮制御手段とを備えた遊技機であってもよい。また、遊技機としては、前述のような確変状態に制御する確変制御機能を備える遊技機であって、確変制御機能とは別に、前述の短縮判定手段と、短縮制御手段とを備えた遊技機であってもよい。たとえば、変動表示の表示結果が特定表示結果のうち、予め定められた確変発生用の表示結果(確変大当り表示結果)となったときに確変状態に制御され、予め定められた時短発生用の表示結果(時短大当り表示結果)となったときに時短状態に制御される遊技機であってもよい。つまり、遊技機としては、少なくとも、「複数の変動表示部のうちいずれかの変動表示部で識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、さらに、該特定遊技状態の終了後において、識別情報の変動表示時間が前記特定遊技状態とは異なる通常状態よりも短縮される短縮状態に制御される」遊技機であればよい。このような時短状態に制御される構成を採用するときには、時短状態の終了条件として、前述した実施の形態に示した確変制御モードの終了条件と同様に所定回数の変動表示が行なわれることを採用するようにしてもよい。たとえば、時短フラグがセットされている時短状態において、変動表示が行なわれるごとに図24のS711と同様の技術思想に基づいて変動回数を計数し、S712〜S714と同様の技術思想に基づいて、変動回数計数値が時短状態の終了条件として予め設定された変動回数に到達したときに、時短フラグをリセットすることにより時短状態を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、時短状態の終了条件として、時短状態において複数の変動表示部(第1変動表示部および第2変動表示部)での変動表示が所定回数実行されることという回数切り条件と、時短状態において複数の変動表示部のいずれかにおいて図柄の変動表示の表示結果が、特定遊技状態に制御されることとなる特定表示結果(大当り表示結果であって、特に、時短状態がさらに発生しない非確変大当り表示結果)となることという特定表示結果条件とを組合せた例を説明した。しかし、これに限らず、時短状態の終了条件としては、前述の回数切り条件のみを採用してもよい。時短状態の終了条件として回数切り条件のみを採用する場合には、前述した実施の形態で説明した制御と同様に、回数切り条件の成立に基づいて時短状態が終了したと判定されたときの図柄の変動表示が開始されるときに、時短フラグをリセットする。また、時短状態の終了条件としては、前述の特定表示結果条件のみを採用してもよい。時短状態の終了条件として特定表示結果条件のみを採用する場合には、前述した実施の形態で説明した制御と同様に、特定表示結果条件の成立に基づいて時短状態が終了したと判定されたときの図柄の変動表示が開始されるときに、時短フラグをリセットする。
(3) 前述した実施の形態では、時短状態の終了条件として、前述の回数切り条件と前述の特定表示結果条件とを組合せた例を示した。しかし、これに限らず、時短状態の終了条件としては、これらの条件に替えて、または、これらの条件に加えて、複数の変動表示部(第1変動表示部および第2変動表示部)で変動表示が実行されるごとに、時短状態を終了させるか否かを抽選によりランダムに判定し(たとえば、所定のランダムカウンタから数値データを抽出して、その数値データが終了判定値と一致するときに時短状態を終了させる旨の判定をする、所謂パンク抽選)、その抽選により終了条件が成立したことというような抽選終了条件を採用してもよい。また、前述の変形例についても、時短終了条件として、前述の時短終了条件に替えて、または加えて、このような抽選終了条件を採用してもよい。
(4) 前述した実施の形態および変形例では、確変制御モードが終了すると、通常遊技状態に移行する例を説明した。しかし、これに限らず、確変制御モードが終了すると、確変状態が終了し、かつ、時短状態が継続する制御モードである時短制御モードに移行し、その時短制御モードが終了すると通常遊技状態に移行する制御を実行するようにしてもよい。たとえば、確変制御モードにおいては、前述の実施の形態で示したように、確変フラグがセットされ、かつ、時短フラグがセットされた状態にされ、時短制御モードにおいては、確変フラグがリセットされ、かつ、時短フラグがセットされた状態にされる。つまり、この場合には、確変フラグがセットされ、かつ、時短フラグがセットされた状態データにより、確変制御モードであることを示し、確変フラグがリセットされ、かつ、時短フラグがセットされた状態データにより時短制御モードであることを示す。このように確変制御モードから時短制御モードに移行する制御が行なわれるときの確変制御モードにおける確変状態の終了条件、言い換えると、時短終了条件としては、前述の実施の形態に示す時短終了条件、前記(2)の変形例に示す時短終了条件、および、前記(3)の変形例に示す時短終了条件のうち、どの時短終了条件を採用してもよい。このように、確変制御モードから時短制御モードに移行する制御が行なわれるときには、確変制御モードにおいて、確変終了条件、すなわち、時短終了条件の成立に基づいて時短状態が終了したと判定されたときの図柄の変動表示が開始されるときに、確変フラグをリセットし、時短フラグをセットした状態とする(時短フラグはセットした状態を維持する)。また、このように確変制御モードから時短制御モードに移行する制御が行なわれるときの時短制御モードにおける時短終了条件は、前述の実施の形態に示す時短終了条件、前記(2)の変形例に示す時短終了条件、および、前記(3)の変形例に示す時短終了条件のうち、どの時短終了条件を採用してもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとして、別個に構成された2つの表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとしては、1つの表示装置の表示領域を画面上で複数(たとえば、2つ)の表示領域に分けて用い、表示制御用マイクロコンピュータ800が、そのように画面上で複数に分けられた表示領域を対象として、前述したような各種の表示制御を行なうようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、デモ表示をする制御として、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれについて、別個にデモ表示の表示条件が成立し、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれで別個にデモ表示が行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、第1変動表示部および第2変動表示部の両方で所定期間に亘り変動表示が行なわれなかったときに、これらの両方の変動表示部についてデモ表示の表示条件が成立し、これら両方の変動表示部でデモ表示が行なわれるようにしてもよい。つまり、デモ表示としては、複数の変動表示部のうち少なくとも1つの変動表示部において所定期間に亘り変動表示が行なわれなかったという条件が成立したときに、当該条件が成立した変動表示部において、予め定められたデモンストレーション画像を複数の変動表示部のうち少なくとも1つの変動表示部において表示させる制御を行なうデモンストレーション画像表示制御が行なわれればよい。
(7) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な表示制御用マイクロコンピュータを設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(8) また、前述した実施の形態に示す遊技機としては、遊技機において表示部を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(9) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(10) 前述した実施の形態においては、開放時用の画像データと、デモ表示時用の画像データとを共用した例を説明した。しかし、これに限らず、開放時用の画像データと、デモ表示時用の画像データとは、個別に設定された異なる画像データを用い、異なる動画像を表示するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、繰返し生成する動画像の最終フレームの画像と、先頭フレームの画像とを表示内容の連続性を有する画像とする例を示した。また、キャラクタの特定の部位の画像をスプライト画像から動画像に置換えるときに使用する画像として、動画像の最終フレームの画像と、スプライト画像の先頭の画像とを表示内容の連続性を有する画像とする例を示した。また、キャラクタの特定の部位の画像を動画像からスプライト画像に置換えるときに使用する画像として、スプライト画像の最終画像と、動画像の先頭フレームの画像とを表示内容の連続性を有する画像とする例を示した。このような例における表示内容の連続性は、画像同士を類似したつながりのある画像とすることにより、表示内容が連続性を有するようにしてもよく、画像同士を一致したつながりのある画像とすることにより、表示内容が連続性を有するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、開放時用の動画像として、大当り遊技状態が発生したタイミング、および、それ以後の開放時等の大当り遊技状態中というような大当り遊技状態中の全体に亘って画像を表示する例を示した。しかし、これに限らず、開放時用の動画像としては、大当り遊技状態において大入賞口が開放されている期間中に限定して画像を表示するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、飾り図柄のうちすべての図柄が第1の部位と第2の部位とから構成されている例を説明した。しかし、これに限らず、第1の部位と第2の部位とから構成されている飾り図柄は、少なくとも1つの図柄であればよい。
(14) 前述した実施の形態では、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれについて、特別図柄表示器と飾り変動表示部とで構成される例を説明した。しかし、これに限らず、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれは、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、飾り変動表示部と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(15) 前述した実施の形態では、図21に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ53側において、各変動表示部について、非変動時間タイマにより非変動時間を計測し、デモ表示をする条件が成立したか否かを判断する例を示した。しかし、これに限らず、次のような構成を採用してもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ53側では、各変動表示部について、保留記憶数が「0」になったときに、直ちに対応する変動表示部についてのデモ表示コマンドを表示制御基板80へ送信する。表示制御用マイクロコンピュータ800側では、各変動表示部について、デモ表示コマンドの受信時から非変動時間の計測を開始し、その計測開始時から所定時間経過したときに、デモ表示をする条件が成立したか否かを判断し、デモ表示を実行するようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、図24に示すように、確変制御モードにおいては、確変フラグをセットし、かつ、時短フラグをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示す例を説明した。しかし、これに限らず、確変制御モードにおいては、確変フラグのみをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示すようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、図9に示すように、飾り図柄が第1の部位P1と第1の部位P2とから構成されている例を示した。このように、飾り図柄が第1の部位P1および第1の部位P2を含む場合には、第1の部位P1および第1の部位P2に加えて、その他の部位を含んでもよい。つまり、飾り図柄が第1の部位P1および第1の部位P2を含む場合には、少なくとも、第1の部位P1および第1の部位P2から構成されるものであればよい。
(18) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限
的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8k 第1飾り変動表示部、9k 第2特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、800 表示制御用マイクロコンピュータ、54 ROM、82,92映像ROM、801 制御ROM。