以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域の中央位置上方には、識別可能な識別情報としての特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。
特別図柄表示装置4の下方には、例えば特別図柄とは異なる各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄を可変表示したり、所定の演出表示となる画像を表示したりといった、複数種類の演出画像の表示を行うことができる画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5の下方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7や、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図2)によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり(普通当り)、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞により始動条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成される特別図柄を可変表示する。各特別図柄には、例えば各図柄が示す数字と同一の番号といった、各々の特別図柄に対応した図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、特定の停止図柄が遊技者に把握されることを困難にするために、例えば「00」〜「99」を示す数字など、より多くの種類の図柄を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、特別図柄表示装置4にて特図ゲームでの確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特別可変入賞球装置7が備える開閉板を開閉させることによる特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「3」あるいは「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数値を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄として大当り図柄である「3」あるいは「7」を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板により、所定の開放期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において大入賞口が開放され、開放されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球が受け止められて大入賞口への入賞が可能となり、その後に大入賞口を閉鎖することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。
この実施の形態では、「3」を示す特別図柄を通常大当り図柄とし、「7」を示す特別図柄を確変大当り図柄とする。特図ゲームにおける可変表示結果として、通常大当り図柄が停止表示されたときには通常大当りとなる一方で、確変大当り図柄が停止表示されたときは所定の特別表示結果としての確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変遊技状態となる。この確変遊技状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。さらに、確変遊技状態には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞しやすさが通常遊技状態と同程度である第1確変遊技状態と、通常遊技状態に比べて始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなる第2確変遊技状態とが含まれている。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。なお、確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数の特図ゲームが実行される以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。
第2確変遊技状態では、例えば、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上する。このときにはさらに、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加してもよい。第1確変遊技状態では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなる確率が通常遊技状態に比べて高いという点で、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。また、第2確変遊技状態では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなる確率が通常遊技状態に比べて高い点に加え、遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなるという点で、通常遊技状態及び第1確変遊技状態よりも遊技者にとって有利である。確変大当りには、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が第1確変遊技状態となる第1確変大当りと、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が第2確変遊技状態となる第2確変大当りとがある。
また、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、または、次に大当り遊技状態への制御が開始されるまで、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間が、通常遊技状態よりも短くなるように制御される。あるいは、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態とともに時間短縮状態となるのに対して、特図ゲームにおける可変表示結果が通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態とはならずに時間短縮状態となるようにしてもよい。もしくは、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、時間短縮状態とはならずに確変遊技状態となるのに対して、特図ゲームにおける可変表示結果が通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変遊技状態とはならずに時間短縮状態となるようにしてもよい。
画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、例えば3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を変動可能に表示する可変表示を行う。具体的な一例として、画像表示装置5には、「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。そして、特別図柄表示装置4における特別図柄の変動が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動(例えば図柄の切換やスクロール)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定飾り図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが停止表示(導出表示)される。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を、第1の演出モード#1と、第2の演出モード#2のいずれかに設定することができる。第1の演出モード#1と第2の演出モード#2とでは、画像表示装置5での演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様、遊技効果ランプ9の点灯動作態様などといった、各種の演出動作態様が異なっている。第1及び第2の演出モード#1、#2の選択は、例えば画像表示装置5に所定のデモ画面(デモンストレーション画面)が表示されている所定期間内に、操作スイッチ40の所定操作(例えば押下操作)が検出されたことに対応して、切り替えることができる。
例えば、第1の演出モード#1に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄が、変動可能に表示される。これに対して、第2の演出モード#2に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「一」〜「八」の漢数字を示す図柄が、変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、各数字を示す図柄を所定の順番に表示あるいは消去させることで、飾り図柄の可変表示が行われる。具体的な一例として、第1の演出モード#1に設定されている場合には、「1」〜「8」の数字を示す図柄を順番に表示し、「8」の数字を示す図柄に続いて「1」の数字を示す図柄を表示する。また、第2の演出モード#2に設定されている場合には、「一」〜「八」の数字を示す図柄を順番に表示し、「八」の数字を示す図柄に続いて「一」の数字を示す図柄を表示する。
特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示された大当りが発生する場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示される。したがって、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示された後に、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されることになる。
この実施の形態では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて可変表示される「1」〜「8」あるいは「一」〜「八」の数字を示す飾り図柄のうちで、奇数である「1」、「3」、「5」及び「7」あるいは「一」、「三」、「五」及び「七」の数字を示す図柄を、確変大当り用の飾り図柄(確変図柄)とする。これに対して、偶数である「2」、「4」、「6」及び「8」あるいは「二」、「四」、「六」及び「八」の数字を示す図柄を、通常大当り用の飾り図柄(通常図柄)とする。
飾り図柄の可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の確変図柄が停止表示されたときや、確変再抽選演出及び有利開放再抽選演出の少なくともいずれか一方での再抽選結果として確変図柄が停止表示されるときなどには、確変大当りとなる。すなわち、この実施の形態における確変大当りには、飾り図柄の可変表示結果として同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることのほかに、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出での再抽選結果として確変図柄が停止表示されるなどして遊技状態が確変遊技状態となる旨の報知が行われることが、含まれている。他方、飾り図柄における可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の通常図柄が停止表示され、その後、後述する確変再抽選演出や有利開放再抽選演出での再抽選結果として通常図柄が停止表示されるときには、通常大当りとなる。すなわち、この実施の形態における通常大当りとは、飾り図柄の可変表示結果として同一の通常図柄からなる通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示され、なおかつ、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出での再抽選結果として通常図柄が停止表示されるなどして遊技状態が確変遊技状態にはならない旨の報知が行われることである。
また、確変図柄のうちで、「1」及び「5」あるいは「一」及び「五」の数字を示す図柄は、飾り図柄の可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示部で同一の図柄が揃う第1確変大当り組合せとなることや、確変再抽選演出あるいは有利開放再抽選演出での再抽選結果として停止表示されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が第1確変遊技状態となる第1確変大当りとなったことを示す第1確変図柄である。他方、確変図柄のうちで、「3」及び「7」あるいは「三」及び「七」の数字を示す図柄は、飾り図柄の可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示部で同一の図柄が揃う第2確変大当り組合せとなることや、有利開放再抽選演出での再抽選結果として停止表示されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が第2確変遊技状態となる第2確変大当りとなったことを示す第2確変図柄である。
ここで、確変再抽選演出とは、飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたことに基づき、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変遊技状態となるとなるか否かの再抽選結果を報知する演出動作である。具体的な一例として、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された後、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている期間中の所定タイミングなどにおいて、確変再抽選演出が実行される旨を示す報知画像を画像表示装置5に表示させる。これにより、通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された場合でも遊技状態が確変遊技状態となる成り上がりがあるか否かの再抽選が行われる旨を、遊技者等に報知する。これに続いて、例えば画像表示装置5にて飾り図柄を可変表示させ、所定期間経過後、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示させる。この結果として確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、画像表示装置5における表示画像やスピーカ8L、8Rからの音声出力などにより、遊技状態が確変遊技状態となる成り上がりが行われた旨の報知演出が実行される。その一方で、通常大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、遊技状態が確変遊技状態となる成り上がりは行われなかった旨の報知演出が実行される。なお、再抽選を行う際には、可変表示結果として導出表示された通常大当り組合せの確定飾り図柄を再び可変表示させるものに限らず、所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、通常図柄または確変図柄を停止表示させることで、遊技状態が確変遊技状態となる成り上がりがあるか否かを報知するものでもよい。また、飾り図柄の表示態様によることなく、遊技状態が確変遊技状態となるか否かを報知するアニメ画像などを表示するようにしてもよい。例えば画像表示装置5にてルーレットゲームを開始させ、回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入ったときには、「確変!!」という画像を表示して、遊技状態が確変遊技状態となることを報知する一方で、投入されたボールが「偶数」に入ったときには、「残念!!」という画像を表示して、遊技状態が通常遊技状態となることを報知するようにしてもよい。
また、有利開放再抽選演出とは、飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの飾り図柄あるいは第1確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたことに基づき、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が第2確変遊技状態となるとなるか否かの再抽選結果を報知する演出動作である。具体的な一例として、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの確定飾り図柄あるいは第1確変大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示した後、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている期間中にて、例えば確変再抽選演出の実行期間よりも後になる所定タイミングなどにおいて、有利開放再抽選演出が実行される旨を示す報知画像を画像表示装置5に表示させる。これにより、通常大当り組合せの確定飾り図柄や第1確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された場合でも遊技状態が第2確変遊技状態となる成り上がりがあるか否かの再抽選が行われる旨を、遊技者等に報知する。これに続いて、例えば画像表示装置5にて飾り図柄を可変表示させ、所定期間経過後、通常大当り組合せの飾り図柄または第1確変大当り組合せの飾り図柄または第2確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示させる。この結果として第2確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、画像表示装置5における表示画像やスピーカ8L、8Rからの音声出力などにより、遊技状態が第2確変遊技状態となる成り上がりが行われた旨の報知演出が実行される。その一方で、通常大当り組合せの飾り図柄や第1確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、遊技状態が第2確変遊技状態となる成り上がりは行われなかった旨の報知演出が実行される。なお、再抽選を行う際には、可変表示結果として導出表示された通常大当り組合せの飾り図柄や第1確変大当り組合せの飾り図柄を再び可変表示させるものに限らず、所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、通常図柄または第1確変図柄または第2確変図柄を停止表示させることで、遊技状態が第2確変遊技状態となる成り上がりがあるか否かを報知するものでもよい。また、飾り図柄の表示態様によることなく、遊技状態が第2確変遊技状態となるか否かを報知するアニメ画像などを表示するようにしてもよい。例えば画像表示装置5にてルーレットゲームを開始させ、回転するルーレットに投入されたボールが「赤色」に入ったときには、「有利開放!!」という画像を表示して、遊技状態が第2確変遊技状態となることを報知する一方で、投入されたボールが「青色」に入ったときには、「通常開放!!」という画像を表示して、遊技状態が第2確変遊技状態とはならないことを報知するようにしてもよい。
画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。また、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。また、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を、画像表示装置5の表示領域に配置された特別図柄始動記憶表示エリアとは別個に設けるようにしてもよい。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図2)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図2)によって検出され、その検出に基づき特図ゲームを実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2)によって入賞領域となる大入賞口を開成・閉成制御する開閉板を備えて構成される。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、大入賞口を閉成した状態にある。他方、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド82によって大入賞口を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。特別可変入賞球装置7にて開閉板により開成された大入賞口内へと遊技球が進入した場合には、カウントスイッチ24(図2)によって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。なお、大入賞口に入賞して遊技盤2の背面に導かれた遊技球のうち一方の領域(V入賞領域;特別領域)に入ったものはV入賞スイッチ23(図2)で検出された後にカウントスイッチ24で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ24で検出されるようにしてもよい。この場合、遊技盤2の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイドが設けられていてもよい。そして、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、V入賞スイッチ23によって遊技球が検出されることが、次のラウンドへと移行できるための条件となるようにしてもよい。あるいは、V入賞領域を設けずに、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、常に次のラウンドへと移行できるようにしてもよい。
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力する効果音発生装置としてのスピーカ8L、8Rが設けられている。さらに遊技領域周辺部には、電飾部材としての遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7等)の周囲には電飾部材に含まれる装飾用LEDが設置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。遊技機用枠3の左下部位置には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を変更するためなどに遊技者等によって操作される操作スイッチ40が設けられている。
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカードの記録情報から特定される価値に応じて球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという)70も示されている。カードユニット70には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能ランプや、カードユニット70が左右いずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているかを示す連結台方向表示器、カードユニット70内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット70を開放するためのカードユニット錠が設けられている。なお、カードユニット70は、パチンコ遊技機1とは別体としてパチンコ遊技機1に隣接して設置されてもよいし、パチンコ遊技機1と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。主基板11と演出制御基板12との間には、主基板11から演出制御基板12へと伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども設けられている。また、払出制御基板15とカードユニット70との間には、インタフェース基板16が介在している。
電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10は、例えば変圧回路と、直流電圧生成回路と、電源監視回路とを備えて構成される。また、電源基板10には、押下操作などの所定操作に応じてクリア信号を出力するクリアスイッチや、バックアップ電源となるコンデンサが設けられていてもよい。加えて、電源基板10には、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチが設けられていてもよい。あるいは、電源スイッチは、パチンコ遊技機1において、電源基板10の外に設けられていてもよい。
電源基板10が備える変圧回路は、例えば商用電源が入力側(一次側)に印加されるトランスや、トランスの入力側に設けられた過電圧保護回路としてのバリスタなどを備えて構成されたものであればよい。ここで、変圧回路が備えるトランスは、商用電源と電源基板10の内部とを電気的に絶縁するためのものであればよい。変圧回路は、その出力電圧として、AC24Vを生成する。電源基板10が備える直流電圧生成回路は、例えばAC24Vを整流素子で整流昇圧することによってVSLを生成する整流平滑回路を含んでいる。VSLは、ソレノイド駆動用の電源電圧として用いられる。また、直流電圧生成回路は、例えばAC24Vを整流素子で整流することによってVLPを生成する整流回路を含んでいる。VLPは、ランプ点灯用の電源電圧として用いられる。加えて、直流電圧生成回路は、例えばVSLに基づいてVDDおよびVCCを生成するDC−DCコンバータを含んでいる。このDC−DCコンバータは、例えば1つまたは複数のスイッチングレギュレータと、そのスイッチングレギュレータの入力側に接続された比較的大容量のコンデンサとを含み、外部からパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VBB等の直流電圧が比較的緩やかに低下するように構成されたものであればよい。VDDは、例えばゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24といった、遊技媒体を検出する各種スイッチに供給され、これらのスイッチを作動させるために用いられる。
電源基板10が備える電源監視回路は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源電圧の低下を検出した場合に電源断信号を出力する。例えば、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧(一例としてVLP)が所定値(一例として+20V)以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ミリ秒)以上継続したときに、電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧が所定値以下になると、直ちに電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。電源監視回路から出力された電源断信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、払出制御基板15へと伝送される。この電源断信号は、払出制御基板15を経由して主基板11に入力されればよい。なお、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの検出条件としてもよい。
図2に示す主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12や払出制御基板15などからなるサブ側の制御基板に宛てて、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示を制御する一方で、普通図柄表示装置20の点灯/点滅/発色制御を行うことにより普通図柄表示装置20における普通図柄の変動表示を制御する。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド80XXhは、特別図柄表示装置4による特図ゲームで特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXhは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、例えば図4に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して異なるEXTデータが設定される。加えて、可変表示開始コマンドでは、可変表示パターンが同一であっても確変再抽選演出を実行するか否かに対応して、異なるEXTデータが設定される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。
ここで、リーチとは、画像表示装置5にて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、画像表示装置5にてキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
図3に示すコマンド90XXhは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果の種類などを示す表示結果通知コマンドである。表示結果通知コマンドでは、例えば図5に示すように、飾り図柄の可変表示や確変再抽選演出あるいは有利開放再抽選演出などの実行結果として停止表示される飾り図柄の表示結果が、リーチとならずにハズレとなる通常ハズレであるか、リーチとなった後にハズレとなるリーチハズレであるか、通常図柄が停止表示される通常大当りであるか、第1確変図柄が停止表示される第1確変大当りであるか、第2確変図柄が停止表示される第2確変大当りであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。加えて、表示結果通知コマンドでは、飾り図柄の可変表示における表示結果が大当りとなる場合には、有利開放再抽選演出を実行するか否かに対応して異なるEXTデータが設定される。
図3に示すコマンドA000hは、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて大当りとなったことにより、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXhは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。コマンドB000hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される払出制御コマンドである。なお、払出制御コマンドは、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114(図7)によって払出制御コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118(図7)により払出制御基板15に対して送信されるものである。主基板11から払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信動作には、こうした遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPU114やシリアル通信回路118による一連の動作が含まれている。また、払出制御基板15から主基板11に対しては、例えば電気信号としての払出通知コマンドなどが送信される。なお、払出通知コマンドは、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるCPU273(図40)によって払出通知コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路277(図40)により主基板11に対して送信されるものである。払出制御基板15から主基板11に対する払出通知コマンドの送信動作には、こうした払出制御用マイクロコンピュータ150に設けられたCPU273やシリアル通信回路277による一連の動作が含まれている。また、主基板11及び払出制御基板15のいずれか一方から他方に対する所定動作の指令だけでなく、一方での動作状態を他方に通知する通知信号も、払出制御コマンドや払出通知コマンドに含まれるものとする。
図6は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信されるコマンドの構成例を示す説明図である。図6(A)に示すように、主基板11から払出制御基板15に対して送信される払出制御コマンドと、払出制御基板15から主基板11に対して送信される払出通知コマンドは、いずれも2バイト構成であり、1バイト目を反転させることで2バイト目となるように構成されている。そして、各バイトの先頭ビット(第7ビット[ビット7])をヘッダとして、そのヘッダを異ならせることにより、1バイト目と2バイト目の区別を可能にしている。例えば、1バイト目におけるヘッダは“0”の固定値に設定されている一方で、2バイト目におけるヘッダは“1”の固定値に設定されている。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される払出制御コマンドには、払出数指定コマンドやACKフィードバックコマンドが含まれている。払出数指定コマンドは、払い出すべき賞球の数を示すコマンドであり、例えば図6(B)に示すようなビット値で構成されている。ここで、払出数指定コマンドにおける1バイト目及び2バイト目の第3〜第0ビット[ビット3−0]は、払い出すべき賞球の個数に応じて設定される値であればよい。図6(C)には、この実施の形態で用いられる払出数指定コマンドが16進数表示で示されている。図6(C)に示すコマンドE11Ehは、払い出すべき賞球個数が15個であることを示す第1払出数指定コマンドである。コマンドEC13hは、払い出すべき賞球個数が4個であることを示す第2払出数指定コマンドである。この実施の形態では、始動口スイッチ22で遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、カウントスイッチ24で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。図6(C)に示すコマンドF00Fhは、払出制御基板15から主基板11に対して送信された賞球ACKコマンドを主基板11の側で受信したことを示す受信確認受付信号となるACKフィードバックコマンドである。
ここで、払出制御基板15の払出制御に応じて遊技球を払い出すための回転動作を行う払出モータ50は、例えば所定の払出ケース内部に設けられた払出装置に含まれている。この払出ケースの上部には、球通路と連通する穴が設けられており、遊技球は、この穴から払出ケース内部へと流入する。その他、払出ケースの内部には、球載置部を有するカムや、カムの下方における球通路などが設けられている。払出ケース内部に流入した遊技球は、カムの球載置部が1/3回転するごとに1個ずつ交互に球通路90を経て落下する。さらに、払出ケースの内部には、例えば発光素子(LED)と受光素子とから構成される払出モータ位置センサが設けられている。払出モータ位置センサは、払出モータ50の回転位置を検出するためのセンサであり、カムの回転不能による球噛みを検出するために用いられる。払出ケースの内部に設けられた球通路の下部には、例えば近接スイッチによる払出カウントスイッチが配置されている。払出カウントスイッチは、球通路から1個の遊技球が落下するごとにオンして、所定の検出信号を払出制御基板15に送信する。
図6(D)は、払出制御基板15から主基板11に対して送信される払出通知コマンドの構成例を示す説明図である。払出通知コマンドには、賞球ACKコマンド、払出エラー通知コマンド、払出エラー解除コマンドが含まれている。図6(D)に示すコマンドA0F5hは、主基板11から払出制御基板15に対して送信された払出数指定コマンドを払出制御基板15の側で受信したことを示す受信確認信号となる賞球ACKコマンドである。コマンドB0F4hは、払出制御基板15の側において遊技球の払出に関わる異常が発生した旨を主基板11の側に通知するための払出エラー通知コマンドである。コマンドB1E4hは、払出制御基板15の側で発生したエラーが解除された旨を主基板11の側に通知するための払出エラー解除コマンドである。
図7は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路111と、リセット/割込みコントローラ112と、乱数回路113と、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116と、タイマ回路(PIT)117と、シリアル通信回路(SCI)118と、入出力ポート119とを備えて構成されている。
クロック回路111は、例えばCPU114といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給するクロック信号を生成する回路である。具体的な一例として、クロック回路111は、所定のクロック入力端子に入力された外部クロックを4分周して内部システムクロックCLKを生成し、生成した内部システムクロックCLKをCPU114などの遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給する。
リセット/割込みコントローラ112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100内で発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ112が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のSRST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のURST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したこと、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、あるいは、インターバルリセット信号が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
また、リセット/割込みコントローラ112が制御する割込みには、Xクラス割込み(XIRQ)、Iクラス割込み(IRQ)、ソフトウェア割込み(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった4種類の割込みが含まれている。Xクラス割込みは、所定のXIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生する割込みである。Iクラス割込みは、ユーザプログラムにより割込み要求の受付を許可/禁止できる割込みであり、所定のIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、タイマ回路117からの割込み要求信号が発生したこと、シリアル通信回路118からの割込み要求信号が発生したことなど、予め定められた各種の割込み要因により発生する割込みである。
乱数回路113は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。図8は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、大当り判定用の乱数値MR1、普通当り判定用の乱数値MR2、可変表示パターン決定用の乱数値MR3、遊技状態決定用の乱数値MR4、確変再抽選演出実行判定用の乱数値MR5、有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR6の全部または一部を示す数値データが、乱数回路113にてカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR6の一部を示す数値データは、CPU114が乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
大当り判定用の乱数値MR1は、大当りの発生によりパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、大当り判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果の種類が大当りとなるかハズレとなるかの判定を行うために用いられる。普通当り判定用の乱数値MR2は、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「14」の範囲の値をとる。
可変表示パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「1」〜「256」の範囲の値をとる。遊技状態決定用の乱数値MR4は、特図ゲームにて大当りとなる旨の判定がなされたときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、通常遊技状態、第1確変遊技状態、第2確変遊技状態のいずれに制御するかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「60」の範囲の値をとる。すなわち、遊技状態決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果の種類を通常大当りとするか第1確変大当りとするか第2確変大当りとするかの決定を行うために用いられる。
確変再抽選演出実行判定用の乱数値MR5は、確変再抽選演出を実行するか否かの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6は、有利開放再抽選演出を実行するか否かの判定に用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図9は、乱数回路113の一構成例を示すブロック図である。また、図9には、始動口スイッチ22や遊技制御用マイクロコンピュータ100なども示されている。乱数回路113は、図9に示すように、クロック信号出力回路171と、初期値設定回路172と、乱数生成回路173と、タイマ回路174と、ラッチ信号生成回路175と、乱数値レジスタ176とを備えている。
クロック信号出力回路171は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路111から供給される内部システムクロックCLKを基準クロックとして入力し、基準クロックと同一周期を有するクロック信号、あるいは基準クロックを16分周したクロック信号を、乱数生成用のクロック信号S1として出力する。また、クロック信号出力回路171は、クロック信号S1と同一周期で位相が異なるクロック信号S2を出力する。例えば、クロック信号出力回路171は、クロック信号S1を遅延回路あるいは反転回路に入力することにより、クロック信号S1と同一周期で立上がりタイミングや立下がりタイミングが異なるクロック信号S2を生成してもよい。クロック信号出力回路171から出力されたクロック信号S1は、乱数生成回路173のクロック端子に入力されて、カウント用クロック信号として用いられる。クロック信号出力回路171から出力されたクロック信号S2は、ラッチ信号生成回路175のクロック端子に入力されて、ラッチ用クロック信号として用いられる。
また、クロック信号出力回路171は、例えば基準クロックと同一周期を有するクロック信号S1を生成する場合に、基準クロックを2逓倍した信号をD型フリップフロップ回路のクロック端子に入力し、逆相出力端子(反転出力端子)からの出力信号をD入力端子に接続することで、正相出力端子(非反転出力端子)からクロック信号S1を出力させる一方、逆相出力端子(反転出力端子)からクロック信号S2を出力させるようにしてもよい。この場合、D型フリップフロップ回路の正相出力端子(非反転出力端子)からは基準クロックと同一周波数のクロック信号S1が出力される一方、逆相出力端子(反転出力端子)からはクロック信号S1の逆相信号、すなわちクロック信号S1と同一周波数でクロック信号S1とは位相がπ(=180°)だけ異なるクロック信号S2が出力されることになる。
初期値設定回路172は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始された後に乱数回路113にて乱数の発生を開始する際における1周目の初期値の設定や、乱数生成回路173が所定の初期値から所定の最終値まで循環的に数値データを更新したときに新たな初期値の設定などを行う。初期値設定回路172は、設定した初期値を示す初期値設定信号SKを出力して、乱数生成回路173に入力させる。
乱数生成回路173は、例えばクロック信号出力回路171から供給されるクロック信号S1の立上がりエッジなどに応答して、出力するカウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで、予め定められた順序に従って循環的に更新する。具体的な一例として、乱数生成回路173は、16ビットのバイナリカウンタを用いて構成され、クロック信号S1の立上がりエッジに応答して、「0」から「65535」までの範囲内で設定された初期値から「65535」までカウント値Cを1ずつカウントアップする。そして、「65535」までカウントアップした後には、「0」から初期値よりも1小さい最終値となる数値まで1ずつカウントアップすることで、数値データを循環的に更新する。
また、乱数生成回路173は、例えばカウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで循環的に更新したときなどに、カウント値Cの更新順である順列を変更するようにしてもよい。具体的な一例として、乱数生成回路173は、クロック信号S1の立上がりエッジに応答して「1」から「65535」までの範囲内で所定の初期値から所定の最終値まで1ずつカウントアップするカウンタと、カウンタから出力された数値データを所定の更新規則に従った順列に変更可能とする乱数列変更回路とを備え、乱数列変更回路がカウンタから出力された数値データにおけるビットの入れ替えや転置などのビットスクランブル処理を実行することで、カウント値Cの更新順である順列を任意に設定できるようにしてもよい。
タイマ回路174は、始動口スイッチ22からオン状態の始動入賞信号SS1が入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ミリ秒)になったときに、始動入賞信号SS1を出力して、ラッチ信号生成回路175に入力させる。例えば、タイマ回路174は、アップカウンタまたはダウンカウンタを用いて構成され、始動入賞信号SS1がオン状態となったことに応答して起動する。この場合、タイマ回路174は、始動入賞信号SS1がオン状態となっている期間において、例えばクロック回路111から入力される内部システムクロックCLKの立上がりエッジなどに応答して所定のタイマ値をアップカウントまたはダウンカウントすることなどにより、始動入賞信号SS1がオン状態である時間を計測する。そして、アップカウントまたはダウンカウントしたタイマ値が3ミリ秒に対応する値に達したときに、ラッチ信号生成回路175への出力信号をオン状態とすることで、始動入賞信号SS1を出力する。
ラッチ信号生成回路175は、例えばD型フリップフロップ回路などを用いて構成される。具体的な一例として、ラッチ信号生成回路175を構成するD型フリップフロップ回路のD入力端子にタイマ回路174の出力端子からの配線が接続され、クロック端子にクロック信号出力回路171から出力されるクロック信号S2を伝送する配線が接続されていればよい。ラッチ信号生成回路175は、タイマ回路174から出力される始動入賞信号SS1を、クロック信号出力回路171から出力されるクロック信号S2の立上がりエッジに同期して出力することにより、ラッチ信号SLを生成し、乱数値レジスタ176に入力させる。
乱数値レジスタ176は、例えば16ビットレジスタなどを用いて構成され、乱数生成回路173から出力されるカウント値Cを、例えば大当り判定用の乱数値MR1といった、各種の乱数値を示す数値データとして格納する。より具体的には、乱数値レジスタ176は、ラッチ信号生成回路175から入力されるラッチ信号SLの立上がりエッジに応答して、乱数生成回路173から入力されるカウント値Cを、大当り判定用の乱数値MR1としてラッチして記憶することで、乱数回路113に始動口スイッチ22からの始動入賞信号SS1が入力されるごとに、記憶する大当り判定用の乱数値MR1を更新する。また、乱数値レジスタ176は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの出力制御信号SCがオフ状態であるときに読出不能(ディセイブル)状態となり、出力制御信号SCがオン状態であるときに読出可能(イネイブル)状態となる。加えて、乱数値レジスタ176は、出力制御信号SCがオン状態であるときには、ラッチ信号SLに対して受信不能状態となり、ラッチ信号生成回路175から入力されるラッチ信号SLが立ち上がっても記憶データが更新されないようにしてもよい。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114は、ROM115に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM116をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるアドレスマップの一例を示す図である。図10に示すように、アドレスが0000h〜01FFhの領域は、RAM116に割り当てられたワークエリアである。また、アドレスが1000h〜101Chの領域は、乱数回路113やタイマ回路117、シリアル通信回路118等が有する内蔵レジスタに割り当てられた内蔵レジスタエリアである。アドレスが2000h〜200Fhの領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたアドレスデコーダに割り当てられたチップセレクト信号デコードエリアである。アドレスがE000h〜FFFFhの領域は、ROM115に割り当てられており、ユーザプログラム管理エリアとユーザプログラム/データエリアとを含んでいる。
ROM115におけるアドレスがE080h〜FFFFhの領域であるユーザプログラム/データエリアには、ユーザにより予め作成されたユーザプログラムやユーザデータが記憶される。ROM115におけるアドレスがE000h〜E07Fhの領域であるユーザプログラム管理エリアには、CPU114がユーザプログラムを実行する際に用いられてパチンコ遊技機1の動作内容を設定するためのユーザプログラム管理データが記憶される。
図11は、図10に示すユーザプログラム管理エリアにおけるアドレスマップの一例を示す図である。図11に示すように、ユーザプログラム管理エリアに含まれるアドレスがE00Ah〜E011hの領域には、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーなどといった、所定のマイクロコンピュータ固有値が記憶されている。
ユーザプログラム管理エリアに含まれるアドレスがE01Bhの領域には、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて発生する複数種類のIクラス割込み(IRQ)の要因のうちで、最も優先度を高くするものを設定する最優先割込み設定(KHPR)を示すデータが記憶される。例えば、アドレスがE01Bhの領域に最優先割込み設定データを設定しないデフォルトの状態では、リセット/割込みコントローラ112が備えるIRQ端子への信号入力による割込み要因が最も優先順位が高く、続いてタイマ回路117の各チャネル(CH0〜CH3)からの割込み要求の優先順位が高く、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求、受信割込み要求、送信割込み要求の順番で優先順位が低くなるように設定されている。すなわち、デフォルトの状態でも、シリアル通信回路118からの割込み要求のうちではエラー割込み要求が、受信割込み要求や送信割込み要求といった他の割込み要因に比べて優先度が高くなっている。そのため、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に基づく割込み処理は、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求とは異なる受信割込み要求や送信割込み要求などに基づく割込み処理に比べて、優先して実行されることになる。
アドレスがE01Bhの領域に設定された最優先割込み設定データに対応して、複数種類のIクラス割込み(IRQ)の要因における優先順位が、デフォルト時の設定から変更される。例えば、最優先割込み設定データとして「05h」を設定した場合には、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求の優先順位が、IRQ端子への信号入力による割込み要因や、タイマ回路117からの割込み要求の優先順位よりも高くなり、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて発生する複数種類のIクラス割込み(IRQ)の要因のうちで、最も優先度が高くなる。
図11に示すアドレスがE01Chの領域には、乱数回路113の初期設定を行うために用いられる乱数初期設定(KRSS)を示すデータが記憶される。乱数初期設定データは、例えば8ビットのデータとして構成される。この乱数初期設定データは、乱数回路113にて生成する乱数値の更新周期、乱数値における1周目のスタート値となる起動時スタート値、乱数値における2周目以降のスタート値、乱数値における乱数列(順列)の変更方法などといった、乱数値の初期設定内容を示すビットを含んでいる。
図11に示すアドレスがE022hの領域と、E023hの領域には、シリアル通信回路118の初期設定を行うために用いられる第1のシリアル通信初期設定(KSCM1)を示すデータと、第2のシリアル通信初期設定(KSCM2)を示すデータが記憶される。第1及び第2のシリアル通信初期設定データは、それぞれ8ビットのデータとして構成される。例えば、第1のシリアル通信初期設定データは、送信データエンプティ時の割込みを使用するか否かの設定、送信完了時の割込みを使用するか否かの設定、受信データ転送時の割込みを使用するか否かの設定、アイドルライン検出時の割込みを使用するか否かの設定、シリアル通信回路118の送信動作部302(図21)を使用するか否かの設定、シリアル通信回路118の受信動作部301(図21)を使用するか否かの設定などといった、シリアル通信制御に関する初期設定内容を示すビットを含んでいる。また、第2のシリアル通信初期設定データは、オーバーランエラー時の割込みを使用するか否かの設定、ノイズエラー時の割込みを使用するか否かの設定、フレーミングエラー時の割込みを使用するか否かの設定、パリティエラー時の割込みを使用するか否かの設定などといった、シリアル通信制御に関する初期設定内容を示すビットを含んでいる。
ここで、オーバーランエラー時の割込みは、シリアル通信回路118における受信データがユーザプログラムによって読出される以前に、受信動作部301に設けられた受信用シフトレジスタが次のデータを受信したときに発生するエラーに基づく割込みである。ノイズエラー時の割込みは、シリアル通信回路118にて受信したデータのノイズを検出したときに発生するエラーに基づく割込みである。フレーミングエラー時の割込みは、シリアル通信回路118にて受信したデータのストップビットに“0”を検出したときに発生するエラーに基づく割込みである。パリティエラー時の割込みは、シリアル通信回路118にて受信したデータのパリティと受信データ内におけるパリティビットとが一致しないときに発生するエラーに基づく割込みである。このように、シリアル通信回路118にて発生するエラー割込みには、パリティエラー時の割込みと、オーバーランエラー時の割込みと、フレーミングエラー時の割込みと、ノイズエラー時の割込みといった、4種類の割込みが含まれている。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115には、ゲーム制御用のユーザプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM115は、CPU114が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとする否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照される普通当り判定テーブル、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出を実行するか否かを判定するために参照される再抽選実行判定テーブル、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブル、確変遊技状態を終了するか否かを判定する確変転落抽選を行うために参照される確変終了判定テーブルなどが含まれている。
大当り判定テーブルの具体例として、この実施の形態では、図12(A)に示す通常時大当り判定テーブル181と、図12(B)に示す確変時大当り判定テーブル182とが、ROM115に記憶されている。通常時大当り判定テーブル181及び確変時大当り判定テーブル182はそれぞれ、大当り判定用の乱数値MR1が、特図ゲームの表示結果を大当りとすることを示す大当り判定値データと合致するか、特図ゲームの表示結果をハズレとすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されている。そして、確変時大当り判定テーブル182では、通常時大当り判定テーブル181に比べてより多くの乱数値MR1が、大当り判定値データと合致するように設定されている。すなわち、確変遊技状態では確変時大当り判定テーブル182を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常時大当り判定テーブル181を用いて特図ゲームの表示結果を決定する通常遊技状態のときよりも高い確率で、大当りとする旨の判定がなされることになる。
この実施の形態において、図12(A)に示す通常時大当り判定テーブル181では、大当り判定用の乱数値MR1がとる値の範囲である「1」〜「65535」のうち「2001」〜「2218」が「大当り」とすることを示す大当り判定値データと合致する旨の判定がなされるように設定される。これに対して、図12(B)に示す確変時大当り判定テーブル182では、大当り判定用の乱数値MR1がとる値の範囲である「1」〜「65535」のうち「2001」〜「3308」が「大当り」とすることを示す大当り判定値データと合致する旨の判定がなされるように設定される。
普通当り判定テーブルの具体例として、この実施の形態では、図13(A)に示す通常開放時普通当り判定テーブル183と、図13(B)に示す有利開放時普通当り判定テーブル184とが、ROM115に記憶されている。通常開放時普通当り判定テーブル183及び有利開放時普通当り判定テーブル184はそれぞれ、普通当り判定用の乱数値MR2が、普通図ゲームの表示結果を「当り」とすることを示す普通当り判定値データと合致するか、普通図ゲームの表示結果を「ハズレ」とすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されている。そして、有利開放時普通当り判定テーブル184では、通常開放時普通当り判定テーブル183に比べてより多くの乱数値MR2が、普通当り判定値データと合致するように設定されている。この実施の形態では、パチンコ遊技機1が通常遊技状態及び第1確変遊技状態のいずれかに制御されているときに通常開放時普通当り判定テーブル183を用いて普通図ゲームの表示結果を決定する一方で、パチンコ遊技機1が第2確変遊技状態に制御されているときに有利開放時普通当り判定テーブル184を用いて普通図ゲームの表示結果を決定する。これにより、第2確変遊技状態では、通常遊技状態及び第1確変遊技状態に比べて高い確率で普通図ゲームの表示結果が「当り」となり、遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなる。
再抽選実行判定テーブルの具体例として、この実施の形態では、図14(A)に示す確変再抽選実行判定テーブル185と、図14(B)に示す有利開放再抽選実行判定テーブル186とが、ROM115に記憶されている。確変再抽選実行判定テーブル185は、確変再抽選演出実行判定用の乱数値MR5が、確変再抽選演出を実行することを示す演出実行判定値データと合致するか、確変再抽選演出を実行しないことを示す演出なし判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されている。有利開放再抽選実行判定テーブル186は、有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6が、有利開放再抽選演出を実行することを示す演出実行判定値データと合致するか、有利開放再抽選演出を実行しないことを示す演出なし判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されている。
ROM115に記憶される決定テーブルには、特図ゲームでの可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定するための確定特別図柄決定テーブルや、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブル、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定するための遊技状態決定テーブルなどが含まれている。
ROM115に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR3とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の総可変表示時間を示すデータや、可変表示開始コマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられている。
図15は、可変表示パターン設定用のテーブルの一例として、可変表示パターンテーブル187の構成例を示している。可変表示パターンテーブル187は、例えば、複数種類の可変表示パターンと、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御データとを対応付ける設定データなどから構成されている。この実施の形態では、リーチパターンとなる可変表示パターンとして、可変表示パターンA(リーチ)〜J(リーチ)が用意されている。また、通常ハズレパターンとなる可変表示パターンとして、可変表示パターンK(通常ハズレ)〜N(通常ハズレ)が用意されている。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図16(A)に示す大当り時パターン決定テーブル188と、図16(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル189と、図16(C)に示す通常ハズレ時パターン決定テーブル190と、図16(D)に示す確変中パターン決定テーブル191とが、ROM115に記憶されている。
図16(A)に示す大当り時パターン決定テーブル188は、飾り図柄の可変表示結果を大当りとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類あるリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図16(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル189は、飾り図柄の可変表示結果をリーチハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類あるリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図16(C)に示す通常ハズレ時パターン決定テーブル190は、通常遊技状態における飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類ある通常ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図16(D)に示す確変中パターン決定テーブル191は、確変遊技状態における飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類ある通常ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。
ここで、大当り時パターン決定テーブル188と、リーチハズレ時パターン決定テーブル189とを比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対する可変表示パターン決定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるか、大当りとなるかに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、表示結果が大当りとなる確率は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
遊技状態決定テーブルの具体例として、この実施の形態では、図17(A)に示す通常時遊技状態決定テーブル192と、図17(B)に示す第1確変時遊技状態決定テーブル193と、図17(C)に示す第2確変時遊技状態決定テーブル194とが、ROM115に記憶されている。各遊技状態決定テーブル192〜194は、遊技状態決定用の乱数値MR4が、遊技状態を通常遊技状態に制御することを示す通常遊技状態決定値データと合致するか、遊技状態を第1確変遊技状態に制御することを示す第1確変遊技状態決定値データと合致するか、遊技状態を第2確変遊技状態に制御することを示す第2確変遊技状態決定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されている。
図17(A)に示す通常時遊技状態決定テーブル192では、遊技状態決定用の乱数値MR4のうち「1」〜「48」が通常遊技状態決定値データに、「49」〜「57」が第1確変遊技状態決定値データに、「58」〜「60」が第2確変遊技状態決定値データに、それぞれ合致するように決定用データが設定されている。これに対して、図17(B)に示す第1確変時遊技状態決定テーブル193では、遊技状態決定用の乱数値MR4のうち「1」〜「36」が通常遊技状態決定値データに、「37」〜「54」が第1確変遊技状態決定値データに、「55」〜「60」が第2確変遊技状態決定値データに、それぞれ合致するように決定用データが設定されている。また、図17(C)に示す第2確変時遊技状態決定テーブル194では、遊技状態決定用の乱数値MR4のうち「1」〜「20」が通常遊技状態決定値データに、「21」〜「50」が第1確変遊技状態決定値データに、「51」〜「60」が第2確変遊技状態決定値データに、それぞれ合致するように決定用データが設定されている。
パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、図17(A)に示す通常時遊技状態決定テーブル192を参照して大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定する。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、図17(B)に示す第1確変時遊技状態決定テーブル193を参照して大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定する。さらに、パチンコ遊技機1における遊技状態が第2確変遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、図17(C)に示す第2確変時遊技状態決定テーブル194を参照して大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定する。これにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態は、特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときのパチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、図18(A)〜(C)に示すような決定割合で通常遊技状態と第1確変遊技状態と第2確変遊技状態のいずれかに決定されることになる。
図18(A)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、4/5の決定割合で通常遊技状態に、3/20の決定割合で第1確変遊技状態に、1/20の決定割合で第2確変遊技状態に、それぞれ決定されることになる。また、図18(B)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、3/5の決定割合で通常遊技状態に、3/10の決定割合で第1確変遊技状態に、1/10の決定割合で第2確変遊技状態に、それぞれ決定されることになる。さらに、図18(C)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が第2確変遊技状態であるときに特図ゲームの表示結果を大当りとする旨の判定がなされた場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、1/3の決定割合で通常遊技状態に、1/6の決定割合で第1確変遊技状態に、1/2の決定割合で第2確変遊技状態に、それぞれ決定されることになる。このように、この実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態、第1確変遊技状態及び第2確変遊技状態のいずれに制御されているかに応じて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を通常遊技状態、第1確変遊技状態及び第2確変遊技状態のそれぞれに制御する旨の決定がなされる割合が異なっている。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM116には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図19に示すような遊技制御用データ保持エリア160が設けられている。図19に示す遊技制御用データ保持エリア160は、特図保留記憶部161Aと、普通図保留記憶部161Bと、確定特別図柄記憶部162と、遊技制御フラグ設定部163と、遊技制御タイマ設定部164と、遊技制御カウンタ設定部165と、遊技制御バッファ設定部166とを備えている。
特図保留記憶部161Aは、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が進入(入賞)して特別図柄表示装置4による特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161Aは、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU114により乱数回路113等から抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普通図保留記憶部161Bは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過して普通図柄表示装置20による普通図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の普通図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない普通図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普通図保留記憶部161Bは、通過ゲート41を遊技球が通過した順番で保留番号と関連付けて、その通過による実行条件の成立に基づいてCPU114により乱数回路113等から抽出された普通当り判定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
確定特別図柄記憶部162は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて可変表示結果として導出表示される確定特別図柄を示すデータを記憶する。遊技制御フラグ設定部163は、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路101を介して各種スイッチから伝送された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。遊技制御タイマ設定部164は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。遊技制御カウンタ設定部165は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。遊技制御バッファ設定部166は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM116とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
遊技制御フラグ設定部163には、例えばメインバックアップフラグ、シリアル通信エラーフラグ、特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、普通当りフラグ、確変確定フラグ、有利開放確定フラグ、確変中フラグ、有利開放フラグ、リーチフラグ、開閉設定完了フラグなどが設けられている。
メインバックアップフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ100により所定の記憶保護処理が実行されたか否かを示す。例えば、メインバックアップフラグの値として「55H」が設定されているときにはバックアップあり(オン状態)を示す一方、「55H」以外の値が設定されているときにはバックアップなし(オフ状態)を示している。シリアル通信エラーフラグは、シリアル通信回路118での通信動作においてエラーが発生したことを示す。例えば、シリアル通信エラーフラグは、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に応答してオン状態にセットされる。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4に対応して実行される特別図柄プロセス処理(図44のステップS48、図45)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示装置20に対応して実行される普通図柄プロセス処理(図44のステップS49、図53)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける表示結果が大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。そして、大当り遊技状態が終了するときに、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。普通当りフラグは、普通図柄表示装置20による普通図ゲームを開始するときに、その普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となる旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。そして、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御が終了するときに、普通当りフラグはクリアされてオフ状態となる。
確変確定フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。有利開放確定フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、確変大当りのうちでも第2確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、有利開放確定フラグはクリアされてオフ状態になる。
確変中フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに確変確定フラグがオンになっていることに対応して、オン状態にセットされる。他方、確変中フラグは、例えば特図ゲームを開始するときに確変転落抽選にて確変遊技状態を終了する旨の判定がなされたことや、確変遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したこと、通常大当りに基づく大当り遊技状態が終了したことなどにより、確変遊技状態を終了するときに、クリアされてオフ状態となる。有利開放フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに有利開放確定フラグがオンになっていることに対応して、オン状態にセットされる。他方、有利開放フラグは、第2確変遊技状態が終了するときに、クリアされてオフ状態となる。
この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、通常遊技状態、第1確変遊技状態、第2確変遊技状態のいずれに制御されるかに応じて、確変中フラグと有利開放フラグの設定が行われる。図20は、遊技状態に応じた確変中フラグと有利開放フラグの設定を示す説明図である。図20に示すように、パチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御される場合には、確変中フラグと有利開放フラグがともにオフ状態に設定される。これに対して、パチンコ遊技機1が第1確変遊技状態に制御される場合には、確変中フラグがオン状態に設定される一方で、有利開放フラグがオフ状態に設定される。また、パチンコ遊技機1が第2確変遊技状態に制御される場合には、確変中フラグと有利開放フラグがともにオン状態に設定される。
リーチフラグは、特別図柄や飾り図柄における可変表示結果の種類を決定する際に、リーチハズレとする旨の決定がなされたことに対応してオン状態にセットされる。他方、リーチフラグは、例えばリーチハズレに対応した可変表示パターンを決定したことに応じて、クリアされてオフ状態となる。開閉設定完了フラグは、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにて表示結果が「当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置6が備える可動翼片を傾動制御するための設定が完了したことに対応して、オン状態にセットされる。他方、開閉設定完了フラグは、普通可変入賞球装置6が備える可動翼片の傾動制御が終了したことに対応して、クリアされてオフ状態になる。
遊技制御タイマ設定部164には、例えば特別図柄表示装置4による特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間(総可変表示時間)を主基板11の側にて計測する可変表示タイマなどが設けられている。例えば、可変表示タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間に対応したタイマ値を記憶し、定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、可変表示タイマには、特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示が開始されるに際して決定された表示結果の種類や可変表示パターンに対応したタイマ初期値が設定される。
遊技制御カウンタ設定部165には、例えば払出制御コマンド送信カウンタ、確変カウンタなどが設けられている。払出制御コマンド送信カウンタは、払出制御基板15に対して送信待ちとなっているコマンドの個数を特定可能にカウントするためのものである。確変カウンタは、確変制御が行われる確変遊技状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタには、特図ゲームにて確変大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了するときに、確変遊技状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの上限回数(例えば「100」)を示すデータが、確変中可変表示回数初期値として設定される。そして、確変遊技状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが実行されるときに、確変カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。また、遊技制御カウンタ設定部165は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞に基づく保留データの数である特図保留記憶数をカウントする特図保留記憶数カウンタと、通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づく保留データの数である普通図保留記憶数をカウントする普通図保留記憶数カウンタとを備えていてもよい。
遊技制御バッファ設定部166には、例えばメインチェックサムバッファや、受信コマンドバッファ、送信コマンドバッファなどが設けられている。メインチェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときにRAM116の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。
受信コマンドバッファは、主基板11にてサブ側の制御基板から受信したコマンドを一時的に格納するために用いられる。この受信コマンドバッファは、払出用受信コマンドバッファを含んでいる。払出用受信コマンドバッファは、払出制御基板15から受信したコマンドを一時的に格納するためのものである。例えば、払出用受信コマンドバッファは、12個の受信コマンドバッファ#1〜#12を備えていればよい。各受信コマンドバッファ#1〜#12は、例えば1バイト(8ビット)で構成され、複数の受信コマンドバッファをリングバッファとして使用することにより、2バイト構成の受信コマンドを6個格納することができる。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して送信するコマンドを一時的に格納するために用いられる。この送信コマンドバッファは、払出用送信コマンドバッファ、演出用送信コマンドバッファなどを含んでいる。払出用送信コマンドバッファは、主基板11から払出制御基板15に対して送信するコマンドを一時的に格納するためのものである。例えば、払出用送信コマンドバッファは、12個の送信コマンドバッファ#1〜#12を備えており、主基板11から払出制御基板15に対して送信待ちとなるコマンドを格納するコマンドバッファは、払出制御コマンド送信カウンタで指定される。各送信コマンドバッファ#1〜#12は、例えば1バイト(8ビット)で構成され、複数の送信コマンドバッファをリングバッファとして使用することにより、2バイト構成の送信コマンドを6個格納することができる。また、演出用送信コマンドバッファは、主基板11から演出制御基板12に対して送信するコマンドを一時的に格納するためのものである。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路117では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込み許可状態であれば、タイマ回路117がCPU114に対して割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118は、例えば全二重、非同期、標準NRZ(Non Return to Zero)フォーマットで通信データを取扱う回路であり、図21に例示するような構成を有している。図21に示すシリアル通信回路118は、受信動作部301と、送信動作部302と、シリアル通信データレジスタ303と、シリアルステータスレジスタ304と、シリアル制御レジスタ305とを備えている。
受信動作部301は、シリアル制御レジスタ305の所定ビットにおける設定に基づいた受信動作により、シリアル通信で伝送される受信データをサンプリングして取得し、取得した受信データをシリアル通信データレジスタ303に転送可能とする。また、受信動作部301は、受信動作における動作状態などに応じて、シリアルステータスレジスタ304の所定ビットを“0”または“1”に設定する。受信動作部301は、例えばシリアル通信で順次に伝送された受信データをシフトさせながら格納する受信用シフトレジスタや、受信用シフトレジスタから読出した受信データを一時的に格納する受信データレジスタ、シリアル通信における受信動作に関わる割込み要因の発生を制御する割込み制御回路などを備えて構成されている。
送信動作部302は、シリアル制御レジスタ305の所定ビットにおける設定に基づいた送信動作により、シリアル通信データレジスタ303からの読出データに対応する送信データを生成し、シリアル通信による送信を可能にする。また、送信動作部302は、送信動作における動作状態などに応じて、シリアルステータスレジスタ304の所定ビットを“0”または“1”に設定する。送信動作部302は、例えばシリアル通信データレジスタ303から読出したデータを一時的に格納する送信データレジスタや、シリアル通信で順次に送信する送信データを格納してシフトさせながら出力する送信用シフトレジスタ、シリアル通信における送信動作に関わる割込み要因の発生を制御する割込み制御回路などを備えて構成されている。
シリアル通信データレジスタ303は、受信動作部301にて取得した受信データを格納したり、送信動作部302に供給するデータを格納したりすることで、シリアル通信回路118とCPU114との間での通信データのやり取りを可能にする回路であり、例えば1バイト(8ビット)で構成されている。
シリアルステータスレジスタ304は、シリアル通信回路118における動作状態を確認するためのレジスタである。例えば、シリアルステータスレジスタ304は、それぞれが8ビットのデータを記憶可能な第1及び第2レジスタSIST1、SIST2を備えて構成される。第1及び第2レジスタSIST1、SIST2が記憶するデータの各ビットは、シリアル通信回路118における動作状態に対応したフラグの状態(オン状態あるいはオフ状態)を示すものであればよい。シリアル通信回路118における動作状態を示すフラグとしては、送信データエンプティフラグ(TDRE)、送信完了フラグ(TC)、受信データフルフラグ(RDRF)、アイドルライン検出フラグ(IDLE)、オーバーランエラーフラグ(OR)、ノイズエラーフラグ(NF)、フレーミングエラーフラグ(FE)、パリティエラーフラグ(PF)、受信アクティブフラグ(RAF)などが含まれている。
送信データエンプティフラグは、送信動作部302が備える送信用データレジスタから送信用シフトレジスタへのデータ転送が完了したことに対応して、オン状態となる。送信完了フラグは、送信動作部302が備える送信用シフトレジスタに格納されたデータの送信が完了したことに対応して、オン状態となる。受信データフルフラグは、受信動作部301が備える受信用シフトレジスタに格納されたデータが受信データレジスタに転送されたことに対応して、オン状態となる。アイドルライン検出フラグは、受信動作部301における受信データ内で所定のアイドルラインが検出されたことに対応して、オン状態となる。
オーバーランフラグは、受信動作部301における受信動作中にオーバーランが検出されたことに対応して、オン状態となる。ノイズエラーフラグは、受信動作部301における受信動作中にノイズエラーが検出されたことに対応して、オン状態となる。フレーミングエラーフラグは、受信動作部301における受信動作中にフレーミングエラーが検出されたことに対応して、オン状態となる。パリティエラーフラグは、受信動作部301における受信データのパリティと、その受信データ内のパリティビットとが一致しないことに対応して、オン状態となる。受信アクティブフラグは、受信動作部301がスタートビットとして“0”を検出したことに対応して、オン状態となる。
シリアル制御レジスタ305は、シリアル通信回路118における通信フォーマットや各種エラー割込み要求の許可/禁止などを設定するためのレジスタである。例えば、シリアル制御レジスタ305は、それぞれが8ビットのデータを記憶可能な第1〜第3レジスタSICL1〜SICL3を備えて構成される。第1〜第3レジスタSICL1〜SICL3が記憶するデータの各ビットは、シリアル通信回路118における通信動作の制御内容を示すものであればよい。
例えば、シリアル制御レジスタ305が備える第1レジスタSICL1に記憶されるデータは、シリアル通信におけるデータ長を選択するためのビット(M)、ウエイクアップ方式を選択するためのビット(WAKE)、アイドルラインの検出方式を選択するためのビット(ILT)、パリティ機能を使用するか否かを設定するためのビット(PE)、パリティ機能を使用する場合におけるパリティの種類を選択するためのビット(PT)などを含んでいる。
また、シリアル制御レジスタ305が備える第2レジスタSICL2に記憶されるデータは、送信割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(TIE)、送信完了割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(TCIE)、受信割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(RIE)、アイドルライン割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(ILIE)、送信動作部302を使用するか否かを設定するためのビット(TE)、受信動作部301を使用するか否かを設定するためのビット(RE)、受信ウエイクアップを使用するか否かを設定するためのビット(RWU)、ブレークコード送信を使用するか否かを設定するためのビット(SBK)などを含んでいる。
さらに、シリアル制御レジスタ305が備える第3レジスタSICL3に記憶されるデータは、受信データのビット数を9ビットに設定したときに受信データにおける9ビット目を格納するためのビット(R8)、オーバーランエラー時における割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(ORIE)、ノイズエラー時における割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(NEIE)、フレーミングエラー時における割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(FEIE)、パリティエラー時における割込み要求の許可/禁止を設定するためのビット(PEIE)などを含んでいる。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート119は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御コマンドを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作スイッチ40からの配線も接続されている。図2に示すように、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図22は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、図23に示すような予告決定用の乱数値SR1が用いられる。なお、演出効果を高めるため、例えば確定飾り図柄決定用の乱数値などといった、予告決定用の乱数値SR1以外の乱数値が、演出制御基板12の側で用いられてもよい。予告決定用の乱数値SR1を示す数値データは、乱数回路134にてカウントされればよい。あるいは、予告決定用の乱数値SR1を示す数値データは、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。予告決定用の乱数値SR1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることを予告するための予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、ROM132に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM133をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。
ROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。
予告決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図24(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図24(B)に示す大当り時予告決定テーブル202とが、ROM132に記憶されている。この実施の形態では、飾り図柄が可変表示されている所定期間において可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを予告する予告パターンとして、予告A〜予告Dのパターンが用意されているものとする。予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択された場合には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなってから確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間などといった、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、経過時間に伴って画像表示装置5の画面上における演出キャラクタや背景画像といった予告演出画像の表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告する予告演出表示が実行される。ここで、演出キャラクタは、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字や数字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示すものであればよい。なお、可変表示パターンが通常ハズレパターンである場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチとならずに飾り図柄が可変表示されている所定期間において、予告演出表示が実行されればよい。
図25(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図25(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Aの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、人物を示すキャラクタCH1が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。ただし、予告演出表示が実行される所定期間中であっても、操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、キャラクタCH1を示す画像の表示が制限され、操作スイッチ40の操作が検出されたことに応答して、キャラクタCH1を示す画像が段階的に表示される。
図25(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図25(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Bの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、自動車を示すキャラクタCH2が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。ただし、予告演出表示が実行される所定期間中であっても、操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、キャラクタCH2を示す画像の表示が制限され、操作スイッチ40の操作が検出されたことに応答して、キャラクタCH2を示す画像が段階的に表示される。
図26(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図26(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Cの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、星を示すキャラクタCH3が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。ただし、予告演出表示が実行される所定期間中であっても、操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、キャラクタCH3を示す画像の表示が制限され、操作スイッチ40の操作が検出されたことに応答して、キャラクタCH3を示す画像が段階的に表示される。
図26(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図26(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Dの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、所定のキャラクタCH4が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。ただし、予告演出表示が実行される所定期間中であっても、操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、キャラクタCH4を示す画像の表示が制限され、操作スイッチ40の操作が検出されたことに応答して、キャラクタCH3を示す画像が段階的に表示される。
図27(A)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告なしが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図27(B)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図27(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図27(D)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図27(E)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。このように、演出動作の態様が第2の演出モード#2に設定されている場合には、予告なしが選択されたこと、あるいは予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択されたことに対応して、互いに異なる背景画像が表示される。ただし、背景画像を変更することによる予告演出が実行される所定期間中であっても、操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、図27(A)に示す予告なしが選択されたことに対応した背景画像が表示され、操作スイッチ40の操作が検出されたことに応答して、予告A〜予告Dの各予告パターンに対応した背景画像が段階的に表示される。
図24(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図24(B)に示す大当り時予告決定テーブル202はそれぞれ、予告決定用の乱数値SR1と、予告を実行しない旨の決定結果あるいは予告A〜予告Dのいずれかの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果とを、対応付ける設定データなどから構成されている。ハズレ時予告決定テーブル201では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「50」が予告を実行しない旨の決定結果に、「51」〜「85」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「86」〜「95」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「96」〜「99」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。これに対して、大当り時予告決定テーブル202では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「5」が予告を実行しない旨の決定結果に、「6」〜「15」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「16」〜「30」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「31」〜「50」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「51」〜「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合には、図24(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を参照して予告パターンの決定を行う一方で、可変表示結果が大当りとなる場合には、図24(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を参照して予告パターンの決定を行うことにより、各予告パターンによる予告が図24(C)に示すような確率で選択されて実行されることになる。すなわち、この実施の形態では、可変表示結果がハズレとなるハズレ時に、50/100の確率で予告が実行されない一方、35/100の確率で予告A、10/100の確率で予告B、4/100の確率で予告C、1/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。これに対して、可変表示結果が大当りとなる大当り時には、5/100の確率で予告が実行されない一方、10/100の確率で予告A、15/100の確率で予告B、20/100の確率で予告C、50/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。
このような各予告パターンによる予告の選択確率に基づき、各予告パターンによる予告演出表示が行われた場合に可変表示結果が大当りとなる期待度(すなわち、その予告が出現した場合に大当りとなる確率)としての大当り信頼度(予告の大当り信頼度)を定めることができる。例えば、各予告パターンによる予告の大当り信頼度は、((大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))/((ハズレ時における当該予告パターンの選択確率)×(ハズレ確率)+(大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))として求めることができる。
パチンコ遊技機1では、表示結果が大当りとなる可変表示の実行回数に比べて、表示結果がハズレとなる可変表示の実行回数の方が十分に多くなるように、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率(大当り確率)が定められている。例えば、図24(C)に示すように大当り確率が1/300である場合には、平均的にみて、表示結果がハズレとなる可変表示が299回実行されるうちに、表示結果が大当りとなる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に高い確率で実行される予告演出表示にて用いられる予告演出画像は、低い確率で実行される予告演出表示にて用いられる予告演出画像に比べて、高い頻度で画像表示装置5の画面上に表示されることになる。
事前転送設定テーブルは、各種の演出画像を示す画像要素データを含む複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データを、その画像要素が画像表示装置5の画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121が備えるCGROM142(図32)からVDP141内の画像一時記憶メモリ155(図32)へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。事前転送設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図28(A)に示すような事前転送設定テーブル211が用いられる。図28(A)に示す事前転送設定テーブル211は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されており、事前転送設定テーブル211から読み出すテーブルデータは、事前転送カウンタにおけるカウント値である事前転送カウント値によって決定される。
事前転送設定テーブル211には、事前にCGROM142から画像一時記憶メモリ155へと転送すべき画像要素データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N、書込アドレス#1〜#N、画像要素データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。ここで、画像表示装置5の画面上に各画像要素が表示される頻度は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であるか第2の演出モード#2であるかによって差異が生じる。例えば、第1の演出モード#1では飾り図柄として「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄が用いられる一方で、第2の演出モード#2では飾り図柄として「一」〜「八」の漢数字を示す図柄が用いられる。したがって、第2の演出モード#2に設定されているにもかかわらず、第1の演出モード#1の場合に表示頻度が高くなるように設定されている「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄に対応した画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶させても、これらの画像要素データが用いられる機会はなくなってしまい、画像要素一時記憶メモリ155の使用効率が低下する。そこで、この実施の形態では、図28(B)に示すように、第1の演出モード#1に対応した事前転送設定テーブル211Aと、第2の演出モード#2に対応した事前転送設定テーブル211Bとを予め用意して、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であるか第2の演出モード#2であるかに対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データが、事前にCGROM142から画像一時記憶メモリ155へと転送されるようにする。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図29(A)に示すような構成を有する演出制御パターンテーブル221が用いられる。この演出制御パターンテーブル221には、画像表示装置5における表示動作の内容や、スピーカ8L、8R等の音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。演出制御パターンテーブル221に格納される複数種類の演出制御パターンはそれぞれ、例えば図30に示すように、演出制御タイマ設定値、演出制御タイマ判定値#1〜#n(nは任意の自然数)、表示制御データ#1〜#n、音声制御データ#1〜#n、ランプ制御データ#1〜#nといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5での表示内容や、スピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9による演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
演出制御パターンテーブル221には、例えば画像表示装置5にて飾り図柄の可変表示が実行される期間内における演出動作に対応した複数種類の演出制御パターンが格納されている。また、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行される期間内における演出動作に対応した演出制御パターンも、演出制御パターンテーブル221に格納されている。この実施の形態では、図29(B)に示すように、第1の演出モード#1に対応した演出制御パターンテーブル221Aと、第2の演出モード#2に対応した演出制御パターンテーブル221Bとが予め用意されており、各演出制御パターンテーブル221A、221Bを構成するデータが、ROM132の所定領域に記憶されている。
また、ROM132には、予告A〜予告Dの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像のそれぞれに対応して、演出画像の各画素における不透明度を示すアルファ(α)値の設定を示すデータが記憶されている。この実施の形態では、予告演出表示が実行される所定期間において操作スイッチ40が操作されたことに応答して、演出モードや予告A〜予告Dの各予告パターンに対応したキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像を、時間の経過に伴って段階的に表示させる。こうした表示動作を実現するために、各演出画像内におけるアルファ値の分布を示すアルファ値分布設定データが予め用意されて、ROM132に記憶されている。このアルファ値分布設定データは、以下のようにして作成されたものであればよい。
例えば、予告A〜予告Dの各予告パターンにおける演出画像を示す画像要素データとして、キャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像のそれぞれに対応した表示オブジェクトDOBを示すオブジェクトモデルデータを用意する。オブジェクトモデルデータは、例えば各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像に対応して、複数のポリゴンや複数の基本形状の組合せを示すデータであればよい。あるいは、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像の形状自体を示すデータであってもよい。図31(A)は、一例として、キャラクタ画像CH1に対応した表示オブジェクトDOBを示す図である。まず、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像に対応した表示オブジェクトDOBではいずれも、その表示画像内における各画素の不透明度を示すアルファ(α)値データを、「1.0」に設定しておく。
続いて、表示オブジェクトDOBにおけるアルファ値の設定を変更するために用いるフィルタを示すデータを用意する。このデータは、表示オブジェクトDOBのアルファ値に対して作用させることで、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像を時間の経過に伴って段階的に表示できるように設定するためのデータである。図31(B)は、一例として、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像の全体を一様に、時間の経過に伴って段階的に表示できるように、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像を構成する各画素の表示色データに対応したアルファ値データを設定するためのフィルタFL1を示す図である。図31(B)に示すフィルタFL1では、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像の表示領域内で最小値「0.01」から最大値「0.99」までを一様に分布させたフィルタ係数が定められている。
そして、表示オブジェクトDOBにおける各画素に対応したアルファ値データが示すアルファ値に、フィルタFL1を用いて、各画素の表示位置に対応したフィルタ係数を乗算する。続いて、表示オブジェクトDOBにおける各画素に対応したアルファ値データを、このとき得られた乗算値を示すデータに置き換える。例えば、図31(A)に示すようなキャラクタ画像CH1を示す表示オブジェクトDOBにおける各画素に対応したアルファ値は「1.0」となっているが、これに図31(B)に示すようなフィルタFL1を用いて各画素の表示位置に対応したフィルタ係数を乗算することで、図31(C)に示すようなキャラクタ画像CH1の表示画像内における各画素に応じた新たなアルファ値が特定されることになる。こうして各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像について得られたデータをそれぞれの演出画像と対応付け、アルファ値分布設定データとしてROM132に記憶すればよい。
図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、確定飾り図柄記憶部、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部、可変表示パターン格納部、表示結果格納部、特図保留記憶数格納部、ラウンド数格納部、予告パターン格納部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
ここで、確定飾り図柄記憶部は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄を示すデータを記憶する。演出制御フラグ設定部は、例えば画像表示装置5の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。演出制御タイマ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。演出制御カウンタ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
また、演出制御バッファ設定部には、演出制御基板12にて受信した主基板11からのコマンドを一時的に格納するための演出側受信コマンドバッファなどが設けられる。可変表示パターン格納部は、例えば可変表示開始コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された可変表示パターンや確変再抽選演出の有無などを特定可能なデータを格納する。表示結果格納部は、例えば表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された表示結果の種類や有利開放再抽選演出の有無などを特定可能なデータを格納する。特図保留記憶数格納部は、主基板11から通知された特図保留記憶数を特定可能なデータを格納する。ラウンド数格納部は、例えば大当りラウンド数通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された大当り遊技状態におけるラウンド数を特定可能なデータを格納する。予告パターン格納部は、予告演出表示を実行するために決定した予告パターンを特定可能なデータを格納する。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声制御指令、ランプ制御部123へと伝送されるランプ制御指令などが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、操作スイッチ40から伝送される検出信号(スイッチ操作検出信号)の入力端子が含まれている。
図2に示す表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御を行うものである。例えば、表示制御部121は、画像表示装置5に画像の切換表示を実行させることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
図32は、表示制御部121のハードウェア構成例を示すブロック図である。図32に示すように、表示制御部121には、VDP141(Video Display Processor)と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5にて画像表示を行うための高速描画機能や表示出力機能などを有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、画像表示装置5にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶する。CGROM142が記憶する画像データには、複数種類の飾り図柄などを示す複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。
VDP141は、図32に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、画像要素一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、CGROM142から読み出された画像要素データの画像要素一時記憶メモリ155に対する転送を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いてCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えている。
CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている画像要素データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子などを含んで構成されている。描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶された画像要素データに基づき画像表示装置5における画像の表示用データを作成するための描画処理を実行する。
画像要素一時記憶メモリ155は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、CGROM142から読み出された画像要素データを一時記憶する。図33は、画像要素一時記憶メモリ155におけるアドレスマップの一例を示す図である。図33に示すように、画像要素一時記憶メモリ155には、固定アドレスエリア155Aと、自動転送エリア155Bとが設けられている。
固定アドレスエリア155Aは、画像表示装置5の画面上に表示される飾り図柄や演出キャラクタ、背景画像などといった複数種類の画像要素のうちで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データを一時記憶する記憶領域である。例えば、設定されている演出モードに対応して可変表示される飾り図柄は、毎回の可変表示が実行されている期間において、少なくとも1回は画像表示装置5の画面上に表示される。これに対して、可変表示結果が大当りとなることを予告するために用いられる演出キャラクタや背景画像といった予告演出画像は、可変表示の開始時に対応する予告演出を実行する旨の決定がなされたときに限り、その可変表示が実行されている所定期間内にて画像表示装置5の画面上に表示されることになる。すなわち、飾り図柄となる画像要素は、予告演出画像となる画像要素に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されている。また、予告演出画像のうちでも、大当り信頼度の低い予告演出で用いられる予告演出画像の方が、大当り信頼度の高い予告演出で用いられる予告演出画像に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されていることになる。
自動転送エリア155Bは、固定アドレスエリア155Aに画像要素データが記憶される画像要素に比べて画像表示装置5における表示頻度が低い画像要素を示す画像要素データを一時記憶可能な記憶領域である。また、自動転送エリア155Bは、例えば動画像データといった、固定アドレスエリア155Aには記憶されない各種のデータを一時記憶するようにしてもよい。この実施の形態では、画像要素一時記憶メモリ155におけるアドレスSTADDからアドレスENADDまでの記憶領域が、自動転送エリア155Bに設定される。このアドレスSTADD及びアドレスENADDは、後述する記憶領域設定コマンド(図38)によって、CPU131からVDP141に対して通知される。
図34に示すように、この実施の形態では、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに、予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像のそれぞれに対応した画像要素データを一時記憶するための領域が設けられている。例えば、第1の演出モード#1にて予告Aの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+000000h〜+00FFFFhの領域に一時記憶される。第1の演出モード#1にて予告Bの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH2に対応した画像要素データは、自動転送エリアにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+010000h〜+01FFFFhの領域に一時記憶される。第1の演出モード#1にて予告Cの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH3に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+020000h〜+02FFFFhの領域に一時記憶される。第1の演出モード#1にて予告Dの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH4に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+030000h〜03FFFFhの領域に一時記憶される。
また、例えば、第2の演出モード#2にて予告Aの予告パターンで用いられる背景画像に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+080000h〜+17FFFFhの領域に一時記憶される。第2の演出モード#2にて予告Bの予告パターンで用いられる背景画像に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+180000h〜27FFFFhの領域に一時記憶される。第2の演出モード#2にて予告Cの予告パターンで用いられる背景画像に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+280000h〜+37FFFFhの領域に一時記憶される。第2の演出モード#2にて予告Dの予告パターンで用いられる背景画像に対応した画像要素データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+380000h〜+47FFFFhの領域に一時記憶される。
画像要素一時記憶メモリ155には、一例として図35に示すように、R、G、B、αの各値が、各画素に対応して8ビットずつの合計32ビットからなるピクセルデータPD1として格納される。VDP141では、例えば転送制御回路152がCGROM142から読み出した画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155に書き込んで記憶させた後、演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンド(図38)により通知されたアルファ値を示すデータを、描画回路154が各画素に対応したアドレスに書き込んで設定することができる。
フレームバッファメモリ156は、例えば画像要素一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理などにより作成される画像の表示用データを記憶する。例えば、フレームバッファメモリ156は、画像表示装置5における1画面分の表示領域に画像を表示させるために用いられる画像データの容量よりも大きな記憶容量を有している。フレームバッファメモリ156には、一例として図36に示すように、R、G、Bの各値が、各画素に対応して8ビットずつの合計24ビットからなるピクセルデータPD2として格納される。
図32に示す表示回路157は、フレームバッファメモリ156から読み出した表示用データを階調データとし、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に画像を表示させるための回路である。
また、VDP141には、CGROM142から読み出されて画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aあるいは自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データを特定可能とするテーブルとして、例えば図37に示すようなインデックステーブル251が設けられている。図37に示すインデックステーブル251では、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられて格納されている。ここで、「開始アドレス」は、CGROM142に記憶されている画像要素データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像要素データが示す演出画像の水平方向の大きさを示す。「読出完了フラグ」は、CGROM142から読み出された画像要素データの画像要素一時記憶メモリ155に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や自動転送エリア155Bから読み出されてフレームバッファメモリ156への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図38は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131からVDP141に対して送信される表示制御指令となる各種コマンドの具体例を示す図である。図38に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定コマンド、事前転送コマンド、自動転送表示コマンド、固定アドレス指定表示コマンド、予告用転送コマンド、アルファ値分布設定コマンド、テスト実行コマンドなどといったコマンドが、表示制御指令としてCPU131からVDP141に対して送信される。
記憶領域設定コマンドは、画像要素一時記憶メモリ155における記憶領域の設定を指令するためのコマンドである。例えば、記憶領域設定コマンドは、自動転送エリア155Bの先頭となるアドレスSTADD、自動転送エリア155Bの末尾となるアドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
事前転送コマンドは、CGROM142に記憶されている画像要素データのうちで、対応する演出画像による画像表示の実行頻度が高くなるように設定された画像要素データについて、事前に画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送するよう指令するためのコマンドである。例えば、事前転送コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレスや、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレス、CGROM142から読み出して固定アドレスエリア155Aへと転送する画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
自動転送表示コマンドは、CGROM142に記憶されている画像要素データのうちで、事前に画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送されていない画像要素データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、フレームバッファメモリ156に書き込ませて、当該画像要素データが示す画像要素を画像表示装置5の画面上に表示するよう指令するためのコマンドである。ここで、VDP141における自動的な転送設定には、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの記憶アドレスをCPU131からは指定せずに、VDP141の内部で自動的に設定されることが含まれている。例えば、自動転送表示コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、CGROM142から読み出される画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
固定アドレス指定表示コマンドは、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと事前に転送された画像要素データについて、フレームバッファメモリ156に書き込ませて、当該画像要素データが示す画像要素を画像表示装置5の画面上に表示するよう指令するためのコマンドである。例えば、固定アドレス指定表示コマンドは、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、固定アドレスエリア155Aから読み出される画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
予告用転送コマンドは、予告A〜予告Dの予告パターンのそれぞれで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像に対応した画像要素データについて、予告演出となる画像表示が実行される期間となる予告表示期間が開始される以前にCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送するよう指令するためのコマンドである。例えば、予告用転送コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレスや画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
アルファ値分布設定コマンドは、ROM132から読み出したアルファ値分布設定データに基づき、飾り図柄を示す演出画像の各画素におけるアルファ値の設定を指令するためのコマンドである。例えば、アルファ値分布設定コマンドは、表示対象の飾り図柄、飾り図柄を示す演出画像における各画素のアルファ値設定データなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
テスト実行コマンドは、アルファテストによる画像処理を指令するためのコマンドである。ここで、アルファテストを実行した場合には、各画素のアルファ値とアルファ参照値との比較演算を実行し、比較関数に基づく表示条件を満たす画素だけが画面上に表示され、表示条件を満たさない画素の表示は制限される。例えば、テスト実行コマンドは、アルファ参照値、比較関数の設定データ、フレームバッファメモリ156における書込アドレスなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
なお、CGROM142における画像要素データの読出アドレスに代えて、例えば読出対象となる画像要素データが示す演出画像に付された識別情報(例えば画像要素データが示す演出キャラクタのキャラクタ番号や背景画像の画像番号)などといった、CGROM142から読み出す画像要素データの読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。また、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスに代えて、例えば画像表示装置5の画面上における画像要素の表示座標(例えば画像要素における左上部の表示座標)などといった、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。さらに、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレスや読出アドレスに代えて、例えば図37に示すインデックステーブル251にて画像要素データと対応付けられるインデックス番号などといった、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込位置や読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。
CGROM142は、画像表示装置5にて飾り図柄を含めた各種の演出画像を表示するために使用される各種の画像要素データなどを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM142では、飾り図柄を含めた演出キャラクタのそれぞれを示す画像要素データ等が、例えば図39に示すように、予め定められたアドレスに記憶されている。VDP141では、例えば転送制御回路152がCGROMインタフェース153を介してCGROM142の読出アドレスを指定して読出制御信号をオン状態とすることにより、CGROM142に記憶された画像要素データ等を読み出すことができる。
図2に示す音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令などに基づき、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御を行うものである。例えば、音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令に対応した音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる音声出力回路などを含んでいる。
ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令などに基づき、遊技効果ランプ9等における点灯動作、消灯動作、点滅動作などの制御を行うものである。例えば、ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令に対応したランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯動作、消灯動作、点滅動作などを行わせるランプドライバ回路などを含んでいる。
なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された所定の制御基板上に搭載されていてもよい。
図2に示すように、払出制御基板15には、払出制御用マイクロコンピュータ150が搭載されている。図40は、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150の構成例を示す図である。図40に示す払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様の1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路271と、リセット/割込みコントローラ272と、CPU273と、ROM274と、RAM275と、タイマ回路(PIT)276と、シリアル通信回路(SCI)277と、入出力ポート278とを備えて構成されている。なお、クロック回路271、リセット/割込みコントローラ272、タイマ回路276及びシリアル通信回路277はそれぞれ、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路111、リセット/割込みコントローラ112、タイマ回路117及びシリアル通信回路118と同様の構成を有するものであればよい。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるROM274には、払出制御用のプログラムが記憶されている。払出制御用マイクロコンピュータ150では、例えばCPU273がROM274に記憶されている払出制御用のプログラムを読出し、主基板11から送信された払出制御コマンドやカードユニット70との通信結果などに基づいて各種の処理を実行することにより、遊技球の払出動作を制御する。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM275には、遊技球の払出動作などを制御するために用いられる各種のデータを保持するための領域が設けられている。そして、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM275の少なくとも一部は、電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであってもよい。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM275の少なくとも一部の内容が保存される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU114によって図41のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。図41に示す遊技制御メイン処理を開始すると、まず、割込み禁止に設定し(ステップS1)、割込みモードの設定を行う(ステップS2)。例えば、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込み禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS3)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)を内蔵している場合には、CPU114がステップS4の処理を実行することにより、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)としてのCTCやPIOの設定(初期化)などが行われるとよい。
ステップS4の処理を実行した後には、例えば入出力ポート119に含まれる入力ポートにおける所定ビットの状態をチェックすることなどにより、電源基板10などから伝送される電源断信号がオフ状態となっているか否かを判定する(ステップS5)。パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、電源基板10にて生成される各種電源電圧が徐々に上昇して規定値に達する。これに対応して、電源断信号がオン状態からオフ状態に切り替わる。ステップS5の処理では、電源断信号が出力されていないオフ状態(ハイレベル)となっていることを確認する。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU114が入力ポートを介して1回だけ電源断信号の状態を確認するようにしてもよいが、電源断信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、電源断信号がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、電源断信号をもう1回確認する。このとき、電源断信号がオフ状態であれば、電源断信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、電源断信号の状態がオン状態であることが確認されれば、所定時間が経過した後に、電源断信号の状態が続けてオン状態であることを確認するようにしてもよい。なお、電源断信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS5にて電源断信号がオン状態であるときには(ステップS5;No)、所定時間(例えば0.1秒)が経過するまで待機した後(ステップS6)、ステップS5の処理に戻って、電源断信号がオフ状態となっているか否かの判定を再び行うようにする。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、電源電圧が安定したことを確認することができる。そして、ステップS5にて電源断信号がオフ状態であるときには(ステップS5;Yes)、RAM116をアクセス可能に設定する(ステップS7)。
続いて、CPU114は、RAM116の記憶内容を初期化するためのクリア信号がオンとなっているか否かを判定する(ステップS8)。このクリア信号は、例えば電源基板10を介して所定のクリアスイッチから主基板11へと伝送される信号であればよい。また、クリア信号がオンであるか否かをチェックした後には、遊技の進行を制御する遊技制御処理の開始タイミングを、ソフトウェアの実行により所定時間が経過するまで遅延させるようにしてもよい。加えて、CPU114は、クリア信号の状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、クリア信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS8にてクリア信号がオフであるときには(ステップS8;No)、RAM116のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の処理では、例えばRAM116の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムと遊技制御バッファ設定部166に設けられたメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。このメインチェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM116のバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間はメインチェックサムバッファの内容が保存されることになる。算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、RAM116の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS9におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS9;Yes)、遊技制御フラグ設定部163に設けられたメインバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS10)。メインバックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、遊技制御フラグ設定部163に設定される。そして、このメインバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、メインバックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS10の処理では、例えばメインバックアップフラグの値として「55H」が遊技制御フラグ設定部163に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。なお、ステップS10のようなメインバックアップフラグがオンとなっているか否かの判定を、ステップS9のようなチェック結果の判定よりも先に行い、メインバックアップフラグがオンであるときにRAM116のデータチェック結果が正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS10にてメインバックアップフラグがオンであるときには(ステップS10;Yes)、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS11)、CPU114が、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS12)。具体的な一例として、ステップS12の処理では、ROM115に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM116内の作業領域に設定する。ここで、RAM116の作業領域はバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていてもよい。
また、ステップS8にてクリア信号がオンであるときや(ステップS8;Yes)、ステップS9にてチェック結果が正常ではないとき(ステップS9;No)、あるいはステップS10にてメインバックアップフラグがオフであるときには(ステップS10;No)、RAM116の初期化を行う(ステップS13)。ステップS13の処理に続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行う(ステップS14)。
ステップS12またはステップS14の処理を実行した後には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117のレジスタ設定などを行うことにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部設定を行う(ステップS15)。この後、CPU114がROM115から読み出した乱数初期設定データ(KRSS)に基づいて乱数生成動作の初期設定を行うための乱数初期設定処理を実行する(ステップS16)。
ステップS16の乱数初期設定処理に続いて、シリアル通信動作の初期設定を行うためのシリアル通信初期設定処理を実行する(ステップS17)。このシリアル通信初期設定処理では、まず、CPU114がROM115に記憶されている第1及び第2シリアル通信初期設定データ(KSCM1及びKSCM2)を読み出す。続いて、ROM115からの読出値に基づいて、シリアル通信回路118が備えるシリアル制御レジスタ305の設定を行う。すなわち、第1及び第2シリアル通信初期設定データ(KSCM1及びKSCM2)に含まれる各ビット値に対応して、シリアル制御レジスタ305が備える第1〜第3レジスタSICL1〜SICL3が記憶する各ビット値の設定を行う。
ステップS17にてシリアル通信初期設定処理を実行した後には、割込み要求に基づいて実行される割込み処理の優先順位などを設定するための割込み初期設定処理を実行する(ステップS18)。この割込み初期設定処理では、まず、CPU114がROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)を読み出す。続いて、ROM115からの読出値に基づいて、最優先割込みを設定する。例えば、ROM115からの読出値が「00h」から「07h」のいずれであるかを特定し、特定された値に対応するIクラス割込み(IRQ)の要因が最も優先順位の高い割込み要因となるように、所定レジスタにおける格納データの読出順位の設定などを行う。この読出順位の設定を示すデータは、例えばCPU114の内部レジスタなどに格納しておけばよい。この場合、CPU114は、リセット/割込みコントローラ112からIクラス割込み(IRQ)端子などに入力される割込み要求信号がオン状態となったときに、内部レジスタの格納データを確認することで、優先的に実行する割込み処理を特定することができる。
そして、CPU114は割込み許可状態に設定して(ステップS19)、各種割込みの発生を待機する。割込み許可状態となった後、例えばタイマ回路117やシリアル通信回路118などにて同時に複数の割込み要因が生じたときには、ステップS18で実行した割込み初期設定処理での設定に基づき、リセット/割込みコントローラ112によって優先順位の高い割込み要因が受け付けられる。リセット/割込みコントローラ112が割込み要因を受け付けたときには、例えばCPU114が備えるIクラス割込み(IRQ)端子などに、オン状態の割込み要求信号が入力される。CPU114にてIRQ端子にオン状態の割込み要求信号が入力されたときには、例えば内部レジスタの格納データを確認した結果などに基づき、割込み初期設定処理で設定した読出順位に応じた順番で、例えばタイマ回路117が備えるタイマ制御レジスタやシリアル通信回路118が備えるシリアルステータスレジスタ304といった、所定レジスタにおける格納データのビット値を読み出せばよい。こうして読み出したレジスタの格納データから、発生した割込み要因を特定し、特定された割込み要因に対応するベクタアドレスを先頭アドレスとするプログラムを実行することにより、各割込み要因に基づく割込み処理を開始することができる。
具体的な一例として、最優先割込み設定(KHPR)が「05h」であるときには、まず、シリアルステータスレジスタ304が備える第1レジスタSIST1の所定ビットを読み出す。続いて、このとき読み出したビット値が「1」となっているか否かを判定することにより、シリアル通信回路118にてエラー割込みが発生したか否かを判定することができる。そして、エラー割込みが発生した場合には、発生したエラー割込み要因に対応する割込み処理を実行するものと判断して、例えばROM115の所定領域に格納されている割込みベクタを取得し、そのベクタアドレスを先頭アドレスとするプログラムを実行する。また、第1レジスタSIST1の所定ビットにおけるビット値がいずれも「0」であるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたIRQ端子にオン状態の割込み要求信号が一定期間入力されたことによる外部割込み要因が発生したか否かを判定する。このとき、外部割込み要因が発生していれば、その外部割込み要因に対応する割込み処理を実行する一方、外部割込み要因が発生していなければ、タイマ回路117が備えるタイマ制御レジスタにおける格納データを読み出し、その読出値に基づいてタイマ回路117にてタイマ割込み要因が発生したか否かを判定する。このとき、タイマ回路117にてタイマ割込み要因が発生していれば、そのタイマ割込み要因に対応するタイマ割込み処理を実行する一方、タイマ割込み要因が発生していなければ、シリアルステータスレジスタ304が備える第1レジスタSIST1の所定ビットを読み出し、いずれかのビット値が「1」となっているか否かを判定することにより、シリアル通信回路118にて受信割込みが発生したか否かを判定する。このとき、所定のビット値が「1」となっていることにより受信割込みが発生したと判定されれば、シリアル通信回路118にて発生した受信割込み要因に対応する受信割込み処理を実行する一方、ビット値が「0」であれば、さらにシリアルステータスレジスタ304が備える第1レジスタSIST1の所定ビットを読み出し、いずれかのビット値が「1」となっているか否かを判定することにより、シリアル通信回路118にて送信割込みが発生したか否かを判定する。このとき、所定のビット値が「1」となっていることにより送信割込みが発生したと判定されれば、シリアル通信回路118にて発生した送信割込み要因に対応する送信割込み処理を実行する。
このように割込み初期設定処理での設定に基づく優先順位に応じた順番で割込み要因が発生したか否かを確認することで、複数の割込み要因が同時に発生したときには、例えば予め定められたデフォルト時の優先順位、あるいはROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)により変更された優先順位において、優先順位の高い割込み要因に基づく割込み処理が、優先順位の低い割込み要因に基づく割込み処理よりも優先的に実行される。
一例として、ROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)が「06h」であるときには、割込み初期設定処理での設定により、予め定められたデフォルト時の優先順位が、シリアル通信回路118からの受信割込み要求を最優先とする優先順位に変更される。この場合には、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に基づく割込み処理よりもシリアル通信回路118からの受信割込み要求に基づく割込み処理の方が優先的に実行されることになる。他の一例として、ROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)が「07h」であるときには、割込み初期設定処理での設定により、予め定められたデフォルト時の優先順位が、シリアル通信回路118からの送信割込み要求を最優先とする優先順位に変更される。この場合には、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に基づく割込み処理よりもシリアル通信回路118からの送信割込み要求に基づく割込み処理の方が優先的に実行されることになる。
また、例えばデフォルト時では、タイマ回路117からの割込み要求に基づく割込み処理の方がシリアル通信回路118からの割込み要求に基づく割込み処理よりも優先的に実行される設定となっているのに対して、ROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)が「05h」、「06h」、「07h」のいずれかであるときには、それぞれ、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に基づく割込み処理、受信割込み要求に基づく割込み処理、送信割込み要求に基づく割込み処理の方が、タイマ回路117からの割込み要求に基づく割込み処理よりも優先的に実行されることになる。
ステップS19の処理に続いて、割込みが発生しない場合や、割込み要因に対応する割込み処理が実行された後には、電源断信号がオン状態となったか否か(出力されたか否か)の判定を行い(ステップS20)、オフであれば(ステップS20;No)、そのまま各種割込みの発生を待機する。また、電源断信号がオン状態となったときには(ステップS20;Yes)、メイン側電源断処理を実行した後(ステップS21)、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による遊技制御用マイクロコンピュータ100の動作停止まで待機する。
なお、ステップS20の処理では、入出力ポート119に含まれる入力ポートを介して1回だけ電源断信号の状態を確認するようにしてもよいが、電源断信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、電源断信号がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、電源断信号をもう1回確認する。このとき、電源断信号がオフ状態であれば、電源断信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときに電源断信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、電源断信号の状態を再び確認するようにしてもよい。また、電源断信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。さらに、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。このように電源断信号の状態を複数回確認する場合には、例えば確認動作を開始するときや1回目の確認結果と2回目の確認結果とを比較して不一致であったときなどに、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたWDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアするリトリガを行う。そして、リトリガが何らかの原因(例えばプログラムの暴走)で所定時間内に発生しなくなった場合には、WDTから出力されるタイムアウト信号に基づくユーザリセットを発生させ、リセット/割込みコントローラ112、CPU114、タイマ回路117、シリアル通信回路118などの各回路を初期化した後、所定のベクタテーブルで示されるアドレスからユーザプログラムの実行を開始して、自動復旧を行うようにしてもよい。
図42は、図41のステップS16にて実行される乱数初期設定処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す乱数初期設定処理において、CPU114は、まず、ROM115に記憶されている乱数初期設定データ(KRSS)を読み出し(ステップS101)、読出値に基づいて乱数回路113に設けられたクロック信号出力回路171における動作設定を行う(ステップS102)。例えば、ステップS101にて読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット(例えば第5ビット)における値が“0”であるときには、クロック信号出力回路171が出力するクロック信号S1を、基準クロックとしてクロック回路111により生成される内部システムクロックCLKと同一周期のクロック信号となるように設定する。また、所定ビットにおける値が“1”であるときには、クロック信号出力回路171が出力するクロック信号S1を、基準クロックとなる内部システムクロックCLKの16倍の周期を有するクロック信号となるように設定する。なお、ステップS102の処理では、CPU114がクロック信号出力回路171の動作を直接制御してステップS101での読出値に対応したクロック信号を出力させるように設定してもよいし、例えば乱数回路113の内部あるいは外部に設けられてクロック信号出力回路171が参照可能な所定のレジスタにステップS101での読出値に対応した制御データをセットすることなどにより、クロック信号出力回路171の動作を間接的に制御するようにしてもよい。ステップS102にてレジスタに制御データをセットした場合には、例えば乱数回路113にて乱数値の生成を開始するときにクロック信号出力回路171がレジスタに記憶されている制御データを参照し、その制御データに従ったクロック信号の出力動作を行うことにより、ステップS102での設定に応じたクロック信号を出力することができる。
ステップS102の処理に続いて、ステップS101にて読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット(例えば第4ビット)における値により、乱数回路113において生成する乱数値における1周目のスタート値(起動時スタート値)に関する設定を特定する(ステップS103)。このとき、乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビットが“0”であれば、起動時スタート値を予め定められたデフォルト値である「0001h」に設定することが特定される。
CPU114は、ステップS103にて特定された設定がデフォルト値の設定であるか否かを判定し(S104)、デフォルト値の設定であれば(ステップS104;Yes)、起動時スタート値をデフォルト値である「0001h」に設定する旨の決定を行う(ステップS105)。他方、ステップS103にて特定された設定がデフォルト値の設定ではない場合には(ステップS104;No)、起動時スタート値を、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づいて決定する(ステップS106)。ここで、ステップS106の処理では、例えばCPU114がROM115から読み出した遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーを、そのまま乱数値を生成するための1周目のスタート値に設定するようにしてもよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーを用いて所定の演算を実行することにより算出された値を、乱数値を生成するための1周目のスタート値に設定するようにしてもよい。例えば、CPU114がROM115から読み出した遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーに所定のスクランブル処理を施す演算や、IDナンバーを用いた加算・減算・乗算・除算などの演算を実行して、算出された値を用いるようにすればよい。
ステップS105またはステップS106にて決定されたスタート値は、乱数回路113が備える初期値設定回路172に入力されることで、乱数回路113により乱数値を生成するための1周目のスタート値として設定される。なお、ステップS105やステップS106の処理は、乱数回路113が備える初期値設定回路172が実行するようにしてもよい。例えば、CPU114がステップS104にてデフォルト値の設定であると判定したときには、乱数回路113に所定の第1初期値設定信号を送る。乱数回路113がCPU114から第1初期値設定信号を受けたときには、初期値設定回路172が所定のレジスタの記憶データを読み出し、その読出値を示す初期値設定信号SKを乱数生成回路173に入力させることなどにより、起動時スタート値をデフォルト値である「0001h」に設定する(ステップS105に相当する処理)。他方、CPU114がステップS104にてデフォルト値の設定ではないと判定したときには、乱数回路113に第1初期値設定信号とは異なる第2初期値設定信号を送る。乱数回路113がCPU114から第2初期値設定信号を受けたときには、初期値設定回路172が所定のレジスタに記憶されたIDナンバーに基づいて生成されるデータを選択し、その選択したデータを示す初期値設定信号SKを乱数生成回路173に入力させることなどにより、起動時スタート値を遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づいた値に設定する(ステップS106に相当する処理)。ここで、所定のレジスタに記憶されたIDナンバーは、乱数値の最大値である「65535」以下となる桁の数値のみが抽出されて乱数生成回路173に設定されてもよい。あるいは、所定のレジスタに記憶されたIDナンバーが初期値設定回路172に内蔵された演算回路(例えば乗算回路)に入力されることにより、例えばIDナンバーの各桁における数値を用いた所定の演算が実行され、この演算により算出された値を示すデータが乱数生成回路173に設定されてもよい。また、CPU114は、初期値設定回路172の動作を直接制御してステップS105、S106に相当する処理を実行させてもよいし、例えば乱数回路113の内部または外部に初期値設定制御用として設けられて初期値設定回路172が参照可能な所定のレジスタにステップS101にて読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット値に対応した制御データをセットすることなどにより、初期値設定回路172の動作を間接的に制御するようにしてもよい。CPU114が初期値設定制御用のレジスタに制御データをセットした場合には、例えば乱数回路113にて乱数値の生成を開始するときに初期値設定回路172が初期値設定用のレジスタに記憶されている制御データを参照し、その制御データに従った初期値設定動作を行うことにより、ステップS101での読出値に応じた起動時スタート値を生成して、乱数生成回路173に設定することができる。
ステップS105、S106の処理のいずれかを実行した後には、ステップS101にて読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット(例えば第1及び第0ビット)における値に基づいて、乱数回路113における乱数値の更新方式を設定する(ステップS107)。続いて、乱数回路113にて生成される乱数値における最大値の設定を行う(ステップS108)。例えば、ステップS108では、CPU114がROM115から読み出した乱数最大値設定データを乱数回路113の乱数生成回路173に設定するなどして、乱数回路113にて生成される乱数値における最大値を設定できるようにすればよい。
この後、ステップS101にて読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット(例えば第3及び第2ビット)における値に基づいて、乱数回路113にて生成される乱数値における2周目以降のスタート値に関する初期設定を行う(ステップS109)。具体的な一例として、ステップS109の処理では、乱数初期設定データ(KRSS)の所定ビット値に対応した制御データを、乱数回路113もしくはCPU114に内蔵された所定のレジスタや、RAM116の所定領域に格納して記憶させることなどにより、CPU114が遊技制御用のタイマ割込み処理を実行中に乱数値における2周目以降のスタート値に関する設定を参照できるような初期設定が行われればよい。
図43は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたシリアル通信回路118にてエラー割込みが発生するごとに実行されるシリアル通信エラー割込み処理の一例を示すフローチャートである。ここで、シリアル通信回路118では、シリアル制御レジスタ305に含まれる第3レジスタSICL3の所定ビット(例えば第3〜第0ビット)における設定に基づき、オーバーランエラー、ノイズエラー、フレーミングエラー、パリティエラーのうちいずれかのエラー発生により、シリアルステータスレジスタ304に含まれる第1レジスタSIST1の所定ビット(第3〜第0ビットのいずれか)がオン状態となるエラー割込み要因の発生に対応して、割込み要求が出力される。シリアル通信回路118から出力された割込み要求は、リセット/割込みコントローラ112に伝送され、前述したようにリセット/割込みコントローラ112が割込み要因を受け付けた場合には、CPU114が備えるIRQ端子にオン状態の割込み要求信号が入力されることで、CPU114に割込みの発生が通知される。
図43に示すシリアル通信エラー割込み処理において、CPU114は、まず、シリアル通信回路118に設けられた送信動作部302を未使用状態に設定する(ステップS31)。具体的な一例として、CPU114は、シリアル通信回路118が備えるシリアル制御レジスタ305における第2レジスタSICL2の所定ビット(例えばTEに対応した第3ビット)を“0”に設定することにより、送信動作部302を使用しないものと設定する。続いて、CPU114がシリアル通信回路118に設けられた受信動作部301を未使用状態に設定する(ステップS32)。具体的な一例として、CPU114は、シリアル通信回路118が備えるシリアル制御レジスタ305における第2レジスタSICL2の所定ビット(例えばREに対応した第2ビット)を“0”に設定することにより、受信動作部301を使用しないものと設定する。この後、例えばCPU114が遊技制御フラグ設定部163に設けられたシリアル通信エラーフラグをオン状態にセットしてから(ステップS33)、シリアル通信エラー割込み処理を終了する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118にて受信割込みが発生するごとに、CPU114が所定のシリアル受信割込み処理を実行し、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118にて送信割込みが発生するごとに、CPU114が所定のシリアル送信割込み処理を実行してもよい。
図44は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて遊技の進行を制御するためのタイマ割込みが発生するごとにCPU114によって実行される遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU114は、まず、内部レジスタを退避した後(ステップS41)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS42)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS43)。例えば、ステップS43のエラー処理では、シリアル通信エラーフラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、演出制御基板12に対して所定のシリアル通信異常報知コマンドを送信することなどにより、画像表示装置5における表示画像や、スピーカ8L、8Rからの音声出力、所定の報知ランプの点灯動作のいずれか、あるいはこれらの組合せなどにより、シリアル通信エラーが発生した旨の報知を行わせるようにすればよい。また、ステップS43のエラー処理にてシリアル通信エラーフラグがオンである場合には、例えばパチンコ遊技機1に設けられた所定のエラー解除スイッチからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し、オン状態であれば、所定の通信異常復帰処理を実行してシリアル通信回路118を初期化することなどによりシリアル通信エラーからの復帰を行うとともに、シリアル通信エラーフラグをクリアしてオフ状態とすればよい。その後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS44)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR6の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS45)。次に、例えばステップS42におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、始動口スイッチ22からの始動入賞信号SS1の入力やカウントスイッチ24からの検出信号の入力などに応じて、賞球となる遊技球の払出個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS46)。また、CPU114は、シリアル通信により払出制御基板15から受信した払出通知コマンドに応じた各種の設定を行うためのメイン側受信処理を実行する(ステップS47)。
ステップS47のメイン側受信処理では、遊技制御バッファ設定部166に設けられた払出用受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その受信コマンドを読み出す。そして、例えば読み出した受信コマンドの種類に応じたフラグをセットあるいはクリアする処理などといった、受信コマンドの種類に対応した処理を実行する。また、ステップS47のメイン側受信処理を開始したときには、まず、シリアル通信エラーフラグがオンとなっているか否かを判定し、オンであるときには、そのままメイン側受信処理を終了するようにしてもよい。これにより、シリアル通信回路118の動作にエラーが発生しているときには、払出制御基板15から送信される払出通知コマンドの受信を停止する状態に制御することができる。さらに、ステップS47のメイン側受信処理にて払出用受信コマンドバッファから受信コマンドを読み出したときには、その受信コマンドにおける1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算し、算出された演算結果が正常値となっているか否かを判定することで、受信コマンドが適正なコマンドであるか否かをチェックするようにしてもよい。この実施の形態では、払出制御基板15から主基板11に対して送信される払出通知コマンドが、1バイト目を反転させることで2バイト目となるように構成されていることから、受信コマンドの1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算した結果、全ビット値が“1”となれば、受信コマンドが適正なコマンドであると判断することができる。
この後、CPU114は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS48)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部163に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS49)。CPU114は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。
さらに、CPU114は、払出用コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から払出制御基板15に対して払出制御コマンドを送信させる(ステップS50)。例えば、払出用コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部166に設けられた払出用送信コマンドバッファに送信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その送信コマンドに対応する格納データを読み出す。そして、読み出したデータをシリアル通信回路118に設けられたシリアル通信データレジスタ303にセットする。また、ステップS50の払出用コマンド制御処理を開始したときには、まず、シリアル通信エラーフラグがオンとなっているか否かを判定し、オンであるときには、そのまま払出用コマンド制御処理を終了するようにしてもよい。これにより、シリアル通信回路118の動作にエラーが発生しているときには、払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信を停止する状態に制御することができる。さらに、ステップS50の払出用コマンド制御処理にて送信コマンドに対応するデータをシリアル通信データレジスタ303にセットするときには、遊技制御フラグ設定部163に設けられた送信設定可能フラグや送信完了フラグをチェックすることで、データセットが可能か否かの判定や、コマンドの送信が完了したか否かの判定などを行うようにしてもよい。
ステップS50の払出用コマンド制御処理を実行した後、CPU114は、演出用コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信させる(ステップS51)。この後、ステップS41にて退避したレジスタの内容を復帰させてから(ステップS52)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図45は、特別図柄プロセス処理として、図44に示すステップS48にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図45に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS111)。遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS111;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS112)。他方、始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS111;No)、ステップS112の処理をスキップする。
図46は、ステップS112にて実行される始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す始動入賞処理において、CPU114は、まず、特図保留記憶部161Aに記憶されている大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS201)。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS201;No)、乱数回路113の乱数値レジスタ176における格納値を、大当り判定用の乱数値MR1として読み出す(ステップS202)。例えば、ステップS202の処理では、入出力ポート119に含まれる出力ポートの所定ビットに所定の制御データをセットするなどして出力制御信号SCをオン状態に設定した後、入力ポートの所定ビットに入力される乱数値出力信号SOを取り込むことにより、乱数値レジスタ176から読み出された数値データを乱数値MR1として取得する。
続いて、ステップS202にて読み出された乱数値MR1を、特図保留記憶部161Aにおける空きエントリの先頭にセットする(ステップS203)。このときには、特図保留記憶部161Aにおける特図保留記憶数を1加算して更新する(ステップS204)。
以上のような始動入賞処理を実行した後や、図45に示すステップS111にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部163に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図45に示すようなステップS120〜S126の各処理を実行する。
ステップS120の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部161Aに格納された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS121の可変表示開始時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定特別図柄を設定する処理や、特別図柄及び飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理などを含んでいる。ステップS122の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、遊技制御タイマ設定部164に設けられた可変表示タイマにおけるタイマ値に基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける残りの可変表示時間を計測する処理などを含んでいる。ステップS123の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理では、特別図柄表示装置4にて確定特別図柄を導出表示させて特別図柄の可変表示を終了させる。
ステップS124の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、例えば所定の制御データを遊技制御バッファ設定部166に設けられた演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを送信するための設定を行う。また、大入賞口開放前処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作における初期化処理などを含んでいる。ステップS125の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口における1回あたりの開放時間をチェックする処理などを含んでいる。また、大入賞口開放中処理では、特別可変入賞球装置7による大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。ステップS126の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
図47は、図45のステップS121にて実行される可変表示開始時処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す可変表示開始時処理において、CPU114は、まず、大当り確変判定処理を実行する(ステップS211)。この大当り確変判定処理では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける表示結果を大当りとするかハズレとするかの判定や、大当りとするときには確変大当り(第1または第2確変大当り)とするか通常大当りとするかの判定などが行われる。より具体的に、CPU114は、大当り確変判定処理を開始すると、図48に示すように、まず、特図保留記憶部161Aから保留番号「1」に対応して記憶されている大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出す(ステップS601)。この際には、特図保留記憶数を1減算するとともに、特図保留記憶部161Aにおいて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS602)。
続いて、CPU114は、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS603)。確変中フラグがオフであれば(ステップS603;No)、特図ゲームにおける表示結果を大当りとするか否かを判定するために参照するテーブルとして、図12(A)に示す通常時大当り判定テーブル181を設定する(ステップS604)。他方、確変中フラグがオンであれば(ステップS603;Yes)、特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするか否かを判定するために参照するテーブルとして、図12(B)に示す確変時大当り判定テーブル182を設定する(ステップS605)。
ステップS604、S605の処理のいずれかを実行した後には、ステップS601にて読み出した大当り判定用の乱数値MR1が大当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、表示結果が大当りとなるか否かの判定を行う(ステップS606)。ステップS606にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致しなければ(ステップS606;No)、大当り確変判定処理を終了する。他方、ステップS606にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致すれば(ステップS606;Yes)、遊技制御フラグ設定部163に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS607)。
ステップS607の処理に続いて、CPU114は確変中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS608)。このとき、確変中フラグがオフであれば(ステップS608;No)、パチンコ遊技機1の遊技状態が現在は通常遊技状態に制御されていると判断し、特図ゲームでの表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定するためのテーブルとして、図17(A)に示す通常時遊技状態決定テーブル192を設定する(ステップS609)。これに対して、ステップS608にて確変中フラグがオンであれば(ステップS608;Yes)、有利開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS610)。
ステップS610にて有利開放フラグがオフである場合には(ステップS610;No)、パチンコ遊技機1の遊技状態が現在は第1確変遊技状態に制御されていると判断し、特図ゲームでの表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定するためのテーブルとして、図17(B)に示す第1確変時遊技状態決定テーブル193を設定する(ステップS611)。また、ステップS610にて有利開放フラグがオンである場合には(ステップS610;Yes)、パチンコ遊技機1の遊技状態が現在は第2確変遊技状態に制御されていると判断し、特図ゲームでの表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態の終了後における遊技状態を決定するためのテーブルとして、図17(C)に示す第2確変時遊技状態決定テーブル194を設定する(ステップS612)。
ステップS609、S611、S612の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路113等により更新される遊技状態決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS613)。そして、ステップS613にて読み出した乱数値MR4が通常大当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を通常遊技状態とするか否かの判定を行う(ステップS614)。このとき、乱数値MR4が通常大当り判定値データと合致すれば(ステップS614;Yes)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を通常遊技状態に制御するとの判断に対応して、遊技制御フラグ設定部163に設けられた確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS615)、有利開放確定フラグをクリアしてオフ状態にした後(ステップS616)、大当り確変判定処理を終了する。
ステップS614にて乱数値MR4が通常大当り判定値データと合致しなければ(ステップS614;No)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変遊技状態(第1または第2確変遊技状態)に制御すると判断し、確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS617)。このときには更に、乱数値MR4が第1確変大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS618)。そして、乱数値MR4が第1確変大当り判定値データと合致すれば(ステップS618;Yes)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変遊技状態のうちで第1確変遊技状態に制御するとの判断に対応して、ステップS616の処理に進み、有利開放確定フラグをクリアしてオフ状態にした後、大当り確変判定処理を終了する。他方、ステップS618にて乱数値MR4が第1確変大当り判定値データと合致しなければ(ステップS618;No)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変遊技状態のうちで第2確変遊技状態に制御するとの判断に対応して、有利開放確定フラグをオン状態にセットした後(ステップS619)、大当り確変判定処理を終了する。
以上のような大当り確変判定処理を実行した後には、表示結果設定処理を実行する(図47のステップS212)。図49及び図50は、図47のステップS212にて実行される表示結果設定処理の一例を示すフローチャートである。この表示結果設定処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(図49のステップS631)。
ステップS631にて大当りフラグがオフであれば(ステップS631;No)、特別図柄表示装置4に表示可能な複数種類の特別図柄に含まれるハズレ図柄のうちから、今回の特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定する(ステップS632)。例えば、CPU114は、乱数回路113等により更新されるハズレ時確定特別図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM115等に予め格納されている確定特別図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数のハズレ図柄のいずれかを選択して確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS632の処理に続いて、CPU114は、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行う(ステップS633)。例えば、CPU114は、乱数回路113等により更新されるリーチ判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM115等に予め格納されているリーチ判定テーブルを参照することなどにより、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定すればよい。このステップS633での判定結果に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部166に設けられた演出用送信コマンドバッファに所定の制御データを設定することなどといった、演出制御基板12に対して表示結果通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS634)。これにより、ステップS633にてリーチとせずに通常ハズレとする旨の判定がなされた場合には、表示結果通知#1のコマンド9001hが送信されることになる。他方、ステップS633にてリーチとする旨の判定がなされた場合には、表示結果通知#2のコマンド9002hが送信されることになる。
ステップS634の処理を実行した後には、ステップS633での判定結果がリーチであるか否かを特定する(ステップS635)。このとき、リーチであると特定されれば(ステップS635;Yes)、遊技制御フラグ設定部163に設けられたリーチフラグをオン状態にセットする(ステップS636)。ステップS635にて判定結果がリーチではないと特定された場合には(ステップS635;No)、ステップS636の処理をスキップする。
また、ステップS631にて大当りフラグがオンである場合には(ステップS631;Yes)、特別図柄表示装置4に表示可能な複数種類の特別図柄のうちで大当り図柄として定められた「3」あるいは「7」を示す特別図柄のいずれかを、今回の特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示する確定特別図柄に決定する(ステップS637)。例えば、ステップS637の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンであれば確変大当りとなることに対応して「7」を示す特別図柄を確定特別図柄に決定する一方、オフであれば通常大当りとなることに対応して「3」を示す特別図柄を確定特別図柄に決定する。続いて、確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS638)。このとき、確変確定フラグがオフであれば(ステップS638;No)、大当り時における表示結果の種類を「通常大当り」に決定する(ステップS639)。そして、例えばステップS639にて決定した「通常大当り」という表示結果の種類に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどといった、「通常大当り」に対応した表示結果通知#3のコマンド9003hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS640)。
ステップS638にて確変確定フラグがオンである場合には(ステップS638;Yes)、有利開放確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS641)。このとき、有利開放確定フラグがオフであれば(ステップS641;No)、大当り時における表示結果の種類を「第1確変大当り」に決定する(ステップS642)。続いて、有利開放再抽選演出を実行するか否かを判定するためのテーブルとして、図14(B)に示す有利開放再抽選実行判定テーブル186を設定する(ステップS643)。また、乱数回路113等により更新される有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6を示す数値データを抽出する(ステップS644)。そして、ステップS644にて抽出した乱数値MR6に基づき、ステップS643にて設定した有利開放再抽選実行判定テーブル186を参照して、乱数値MR6が演出実行判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS645)。
ステップS645にて乱数値MR6が演出実行判定値データと合致した場合には(ステップS645;Yes)、例えばステップS645での判定結果に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、表示結果の種類が「第1確変大当り」であること、及び、有利開放再抽選演出を実行することに対応して、表示結果通知#4のコマンド9004hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS646)。これに対して、ステップS645にて乱数値MR6が演出実行判定値データと合致しない場合には(ステップS645;No)、例えばステップS645での判定結果に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、表示結果の種類が「第1確変大当り」であること、及び、有利開放再抽選演出を実行しないことに対応して、表示結果通知#5のコマンド9005hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS647)。
ステップS641にて有利開放確定フラグがオンであれば(ステップS641;Yes)、大当り時における表示結果の種類を「第2確変大当り」に決定する(図50のステップS648)。続いて、有利開放再抽選演出を実行するか否かを判定するためのテーブルとして、図14(B)に示す有利開放再抽選実行判定テーブル186を設定する(ステップS649)。また、乱数回路113等により更新される有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6を示す数値データを抽出する(ステップS650)。そして、ステップS650にて抽出した乱数値MR6に基づき、ステップS649にて設定した有利開放再抽選実行判定テーブル186を参照して、乱数値MR6が演出実行判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS651)。
ステップS651にて乱数値MR6が演出実行判定値データと合致した場合には(ステップS651;Yes)、例えばステップS651での判定結果に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、表示結果の種類が「第2確変大当り」であること、及び、有利開放再抽選演出を実行することに対応して、表示結果通知#6のコマンド9006hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS652)。これに対して、ステップS651にて乱数値MR6が演出実行判定値データと合致しない場合には(ステップS651;No)、例えばステップS651での判定結果に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、表示結果の種類が「第2確変大当り」であること、及び、有利開放再抽選演出を実行しないことに対応して、表示結果通知#7のコマンド9007hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS653)。
この後、CPU114は、図49のステップS632やステップS637にて確定特別図柄に決定した特別図柄を特定可能なデータ(例えば、特別図柄の図柄番号を示すデータ)を確定特別図柄記憶部162に記憶させることなどにより、決定した確定特別図柄をセーブしてから(ステップS654)、表示結果設定処理を終了する。
以上のような表示結果設定処理を実行した後には、可変表示パターン設定処理を実行する(図47のステップS213)。図51は、図47のステップS213にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示パターン設定処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS671)。
ステップS671にて大当りフラグがオンである場合には(ステップS671;Yes)、確変再抽選演出を実行するか否かを判定するためのテーブルとして、図14(A)に示す確変再抽選実行判定テーブル185を設定する(ステップS672)。また、乱数回路113等により更新される確変再抽選演出実行判定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する(ステップS673)。そして、例えばステップS673にて抽出した乱数値MR5に基づき、ステップS672にて設定した確変再抽選実行判定テーブル185を参照して、乱数値MR5が演出実行判定値データと合致するか否かを判定することなどにより、確変再抽選演出の有無を決定する(ステップS674)。このときには、乱数値MR5が演出実行判定値データと合致すれば、確変再抽選演出があるとの決定を行う一方で、乱数値MR5が演出実行判定値データと合致しなければ、確変再抽選演出がないとの決定を行えばよい。なお、表示結果の種類が「通常大当り」である場合には、乱数値MR5が演出実行判定値データと合致するか否かにかかわらず、常に確変再抽選演出があるとの決定を行うようにしてもよい。続いて、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図16(A)に示す大当り時パターン決定テーブル188を設定する(ステップS675)。
また、ステップS671にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS671;No)、リーチフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS676)。そして、リーチフラグがオンであれば(ステップS676;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図16(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル189を設定する(ステップS677)。このときには、リーチハズレフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS678)。
ステップS676にてリーチフラグがオフである場合には(ステップS676;No)、確変中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS679)。このとき、確変中フラグがオフであれば(ステップS679;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図16(C)に示す通常ハズレ時パターン決定テーブル190を設定する(ステップS680)。これに対して、ステップS679にて確変中フラグがオンであれば(ステップS679;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図16(D)に示す確変中パターン決定テーブル191を設定する(ステップS681)。
ステップS675、S678、S680、S681の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路113等により更新される可変表示パターン決定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS682)。そして、ステップS682にて抽出した乱数値MR3に基づき、設定されたパターン決定テーブルを参照することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する(ステップS683)。続いて、ステップS683にて決定された可変表示パターンなどに対応した可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS684)。例えば、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合には、図15に示す可変表示パターンテーブル187を参照することなどにより、ステップS683にて決定された可変表示パターンと、「確変再抽選演出なし」とに対応したEXTデータを特定する。こうして特定されたEXTデータを含む可変表示開始コマンドが演出制御基板12に対して送信されるように、例えばCPU114が演出用送信コマンドバッファに所定の制御データをセットするなどの設定を行う。また、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる場合には、図15に示す可変表示パターンテーブル187を参照することなどにより、ステップS683にて決定された可変表示パターンと、ステップS674にて決定された確変再抽選演出の有無(「確変再抽選演出あり」または「確変再抽選演出なし」)とに対応したEXTデータを特定する。こうして特定されたEXTデータを含む可変表示開始コマンドが演出制御基板12に対して送信されるように、例えばCPU114が演出用送信コマンドバッファに所定の制御データをセットするなどの設定を行う。
ステップS684の処理に続いて、特別図柄の可変表示を開始してから表示結果となる確定特別図柄を導出表示するまでの総可変表示時間に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部164に設けられた可変表示タイマに設定する(ステップS685)。例えば、ステップS685の処理では、ステップS683にて決定した可変表示パターンに対応する特別図柄の総可変表示時間を特定する。こうして特定された総可変表示時間に対応したタイマ初期値が、可変表示タイマに設定される。
以上のような可変表示パターン設定処理を実行した後には、確変終了判定処理を実行する(図47のステップS214)。この確変終了判定処理では、例えば確変中フラグがオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのまま確変終了判定処理を終了する。他方、確変中フラグがオンであれば、遊技制御カウンタ設定部165に設けられた確変カウンタの値である確変カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新された確変カウント値が予め定められた確変終了判定値(例えば「0」)となったか否かを判定し、確変終了判定値以外の値であれば、確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変カウント値が確変終了判定値となれば、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行って、確変遊技状態を終了させる。このときには、有利開放フラグもクリアしてオフ状態にしておく。
ステップS214の確変終了判定処理に続いて、例えばCPU114が特別図柄表示装置4における各セグメントや各ドットの点灯/消灯動作を開始させるなどといった、特別図柄表示装置4において特別図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS215)。このときには、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS216)、可変表示開始時処理を終了する。
図52は、図45のステップS126にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す大当り終了処理において、CPU114は、まず、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、大当り終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS231)。そして、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS232)。
ステップS232の処理に続いて、CPU114は、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS233)。このとき、確変確定フラグがオンであれば(ステップS233;Yes)、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にした後(ステップS234)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変遊技状態(第1または第2確変遊技状態)に制御されることに対応して、確変中フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS235)、確変カウンタに予め定められた確変中可変表示回数初期値(例えば「100」)をセットする(ステップS236)。これに続いて、有利開放確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS237)。そして、有利開放確定フラグがオンであれば(ステップS237;Yes)、有利開放確定フラグをクリアしてオフ状態にした後(ステップS238)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変遊技状態のうちで第2確変遊技状態に制御されることに対応して、有利開放フラグをオン状態にセットする(ステップS239)。
ステップS233にて確変確定フラグがオフである場合には(ステップS233;No)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態に制御されることに対応して、確変中フラグをクリアすることによりオフ状態にするとともに(ステップS240)、確変カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行う(ステップS241)。ステップ237にて有利開放確定フラグがオフである場合や(ステップS237;No)、ステップS241の処理を実行した後には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態に制御されること、あるいは確変遊技状態のうちの第1確変遊技状態に制御されることに対応して、有利開放フラグをクリアすることによりオフ状態にする(ステップS242)。ステップS239、S242の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS243)、大当り終了処理を終了する。
図53は、普通図柄プロセス処理として、図44のステップS49にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す普通図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えばゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、遊技領域に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したか否かを判定する(ステップS141)。遊技球が通過ゲート41を通過してゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS141;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS142)。他方、ゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS141;No)、ステップS142の処理をスキップする。
ステップS142のゲート通過時処理では、普通図保留記憶部161Bが記憶している普通当り判定用の乱数値MR2を示す数値データの個数である普通図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普通図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の通過による始動検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普通図保留記憶数が上限値未満であるときには、乱数回路113等により更新される普通当り判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値MR2を示す数値データを、普通図保留記憶部161Bにおける空エントリの先頭にセットする。
この後、CPU114は、遊技制御フラグ設定部163に設けられた普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS150〜S154の各処理を実行する。ステップS150の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理は、普通図保留記憶部161Bに格納された普通当り判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて普通図柄表示装置20による普通図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS151の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理は、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS152の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄の可変表示時間が経過するまで普通図柄表示装置20の点灯、点滅、発色などを制御して、普通図柄を変動させる。ステップS153の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示装置20における点灯動作などを制御して、普通図ゲームにおける表示結果を出力させる。そして、普通当りフラグがオンであれば普通図柄プロセスフラグの値を“4”に更新する一方で、普通当りフラグがオフであれば普通図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。ステップS154の始動入賞口開閉処理は、普通図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この始動入賞口開閉処理は、普通可変入賞球装置6の可動翼片を傾動制御することにより、始動入賞口を通常開放から拡大開放へと変化させるための設定を行う処理などを含んでいる。
図54は、図53のステップS151にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す普通図柄判定処理において、CPU114は、まず、普通図保留記憶部161Bから保留番号「1」に対応して記憶されている普通当り判定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す(ステップS251)。この際には、普通図保留記憶数を1減算するとともに、普通図保留記憶部161Bにおいて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR2を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS252)。
続いて、有利開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS253)。このとき、有利開放フラグがオフであれば(ステップS253;No)、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照するテーブルとして、図13(A)に示す通常開放時普通当り判定テーブル183を設定する(ステップS254)。他方、有利開放フラグがオンであれば(ステップS253;Yes)、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照するテーブルとして、図13(B)に示す有利開放時普通当り判定テーブル184を設定する(ステップS255)。
ステップS254、S255の処理のいずれかを実行した後には、ステップS251にて読み出した普通当り判定用の乱数値MR2が普通当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、表示結果が「当り」となるか否かの判定を行う(ステップS256)。ステップS256にて乱数値MR2が普通当り判定値データと合致すれば(ステップS256;Yes)、遊技制御フラグ設定部163に設けられた普通当りフラグをオン状態にセットする(ステップS257)。他方、ステップS256にて乱数値MR2が普通当り判定値データに合致しなければ(ステップS256;No)、ステップS257の処理をスキップする。
この後、有利開放フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS258)。そして、有利開放フラグがオフであれば(ステップS258;No)、今回の普通図ゲームにおいて普通図柄の変動を開始してから表示結果を出力するまでの可変表示時間を、通常開放時に対応した所定時間(例えば30秒)に設定する(ステップS259)。これに対して、ステップS258にて有利開放フラグがオンであれば(ステップS258;Yes)、今回の普通図ゲームにおいて普通図柄の変動を開始してから表示結果を出力するまでの可変表示時間を、有利開放時に対応した所定時間(例えば5秒)に設定して、通常開放時に対応した可変表示時間とは異ならせる(ステップS260)。このとき、有利開放時に対応した所定時間が通常開放時に対応した所定時間よりも短くなるように設定することで、普通図ゲームにて普通図柄の変動が開始されてから表示結果が出力されるまでの時間が短くなる。これにより、有利開放時には通常開放時に比べて、普通図ゲームの実行中となって普通可変入賞球装置6の可動翼片が傾動制御されない期間が短くなり、有利開放時を通常開放時よりも遊技者にとって有利にさせることができる。ステップS259、S260の処理のいずれかを実行した後には、普通図柄プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS261)、普通図柄判定処理を終了する。
図55は、図53のステップS154にて実行される始動口開閉処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す始動口開閉処理において、CPU114は、まず、遊技制御フラグ設定部163に設けられた開閉設定完了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS271)。なお、開閉設定完了フラグは、後述するステップS275の処理が実行されたときに、オン状態にセットされる。
ステップS271にて開閉設定完了フラグがオフである場合には(ステップS271;No)、有利開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS272)。このとき、有利開放フラグがオンであれば(ステップS272;Yes)、例えば普通可変入賞球装置6の可動翼片を駆動するソレノイド81に対応した出力ポートバッファに有利開放時に対応した所定の制御データを設定することなどにより、有利開放用の動作信号を送信するための設定を行う(ステップS273)。例えば、有利開放用の動作信号は、普通可変入賞球装置6の可動翼片を所定期間(例えば0.5秒)ずつ2回にわたり傾動位置として、始動入賞口を拡大開放する動作信号であればよい。
ステップS272にて有利開放フラグがオフである場合には(ステップS272;No)、例えばソレノイド81に対応した出力ポートバッファに通常開放時に対応した所定の制御データを設定することなどにより、通常開放用の動作信号を送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、通常開放用の動作信号は、普通可変入賞球装置6の可動翼片を所定期間(例えば0.3秒)が経過するまで1回傾動位置として、始動入賞口を拡大開放する動作信号であればよい。このように、有利開放時には、通常開放時に比べて始動入賞口を拡大開放する期間や回数を増加させることにより、遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなり、有利開放時を通常開放時よりも遊技者にとって有利にさせることができる。ステップS273、S274の処理のいずれかを実行した後には、開閉設定完了フラグをオン状態にセットしてから(ステップS275)、始動入賞口開閉処理を終了する。
ステップS271にて開閉設定完了フラグがオンである場合には(ステップS271;Yes)、普通可変入賞球装置6の可動翼片を傾動制御することで始動入賞口を開閉させる期間が終了したか否かを判定する(ステップS276)。このとき、始動入賞口を開閉させる期間が終了していなければ(ステップS276;No)、始動口開閉処理を終了する。他方、ステップS276にて始動入賞口を開閉させる期間が終了すれば(ステップS276;Yes)、開閉設定完了フラグをクリアしてオフ状態にした後(ステップS277)、普通当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS278)、普通図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS279)、始動口開閉処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図56のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図56に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS61)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。ここで、ステップS61の初期化処理では、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出モードフラグをクリアして、その値を“0”に初期化しておく。続いて、CPU131は、VDP141が備える画像要素一時記憶メモリ155における記憶領域を、図33に示すような固定アドレスエリア155Aと自動転送エリア155Bとに設定するための指令を行う記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS62)。
図57は、図56のステップS62にて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、図35に示すような自動転送エリア155Bとなる記憶領域を設定するためのデータとして、STADDの設定データと、ENADDの設定データとを、ROM132から読み出す(ステップS161、S162)。そして、ステップS161、S162にて読み出した設定データに基づき、記憶領域設定コマンドとなる表示制御指令を作成して、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS163)。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後には、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aとなる記憶領域に、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを一時記憶させるための指令を行う事前転送指令処理を実行する(図56のステップS63)。
図58は、図56のステップS63などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、演出モードフラグに対応する事前転送設定テーブル211をセットする(ステップS171)。例えば、演出モードフラグの値が“0”である場合には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であることに対応して、図28(B)に示す事前転送設定テーブル211Aを、表示制御部121が備えるVDP141に対して事前転送コマンドを送信するために用いるテーブルに決定する。これに対して、演出モードフラグの値が“1”である場合には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2であることに対応して、図28(B)に示す事前転送設定テーブル211Bを、VDP141に対して事前転送コマンドを送信するために用いるテーブルに決定する。
続いて、CPU131は、RAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値である事前転送カウント値を「0」に初期化する(ステップS172)。そして、事前転送カウント値が「0」であることに対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS173)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS174)。そして、ステップS174にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、CGROM142における画像要素データの読出位置を示す読出アドレスを特定する(ステップS175)。
また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS176)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aとなる記憶領域にて画像要素データを一時記憶させる書込位置を示す書込アドレスを特定する(ステップS177)。
さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS178)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS179)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送コマンドを作成し、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS180)。このときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS181)。
続いて、ステップS181にて更新した処理数が、所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS182)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS182;No)、ステップS174の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS182;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS183)、事前転送指令処理を終了する。
以上のように、図56のステップS63にて事前転送指令処理を実行した後には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS64)。そして、タイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS64;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップS64;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS65)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS66)。
ステップS66のコマンド解析処理に続いて、CPU131は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS67)。この演出制御プロセス処理では、パチンコ遊技機1における演出動作の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示やスピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより各種の演出を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS68)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS68にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS64の処理に戻る。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU131は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
図59は、図56のステップS67にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す演出制御プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS190〜S195の各処理が実行される。
ステップS190の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS191の可変表示制御設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示制御設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、例えば図29(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類に対応するものを選択する処理などを含んでいる。
ステップS192の図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御タイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば画像表示装置5の表示制御や、スピーカ8L、8Rの音声出力制御、遊技効果ランプ9の点灯制御などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した演出制御データが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を演出制御タイマに設定する。この後、演出制御タイマのカウントダウン動作を開始するとともに、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS193の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を大当り演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御タイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS194の大当り演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS195の大当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了演出処理は、例えば画像表示装置5に画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図60は、図59のステップS190にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、主基板11から送信される可変表示開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS291)。
ステップS291にて可変表示開始コマンドの受信がなければ(ステップS291;No)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS292)。ここで、デモ表示中フラグは、後述するステップS295の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS304、S307の処理のいずれかが実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
ステップS292にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS292;No)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS293)。ここで、デモ表示待ち時間は、表示結果がハズレとなる飾り図柄の可変表示が終了したタイミングや、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したタイミングから、デモンストレーション画像からなるデモ画面の表示を画像表示装置5にて開始させるまでの待機時間として予め設定された所定時間である。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(ステップS293;No)、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS293にてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(ステップS293;Yes)、CPU131がVDP141に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、デモ画面表示を開始させるための設定を行う(ステップS294)。例えば、CPU131は、CGROM142に記憶されたデモ画面表示用の画像データにおける先頭アドレスを読出アドレスとし、画像表示装置5の画面上における左上端の座標に対応したフレームバッファメモリ156のアドレスを書込アドレスとする固定アドレス指定表示コマンドを作成して、VDP141に対して送信する。こうしたデモ画面表示の開始設定により、画像表示装置5では、例えば図61に示すようなデモ画面の表示が行われ、遊技者に対して操作スイッチ40の操作を促す報知を行うことができる。
ステップS294での設定によりデモ画面表示が開始されることに対応して、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS295)。また、このときには、図56のステップS63と同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS296)。これにより、画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始という、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。
ステップS292にてデモ表示中フラグがオンである場合や(ステップS292;Yes)、ステップS296の処理を実行した後には、操作スイッチ40からの検出信号である操作スイッチ信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS297)。ここで、操作スイッチ信号は、操作スイッチ40が所定の操作(例えば押下操作)を検出したときに、オン状態となる。ステップS297にて操作スイッチ信号がオン状態であれば(ステップS297;Yes)、演出モードを切り替えるための設定を行う。すなわち、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS298)、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS298;“0”)、“1”に更新する一方(ステップS299)、“1”であれば(ステップS208;“1”)、“0”に更新する(ステップS300)。
ステップS299またはステップS300の処理を実行した後には、図56のステップS63などと同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS301)。これにより、演出モードの切替によりパチンコ遊技機1における新たな演出動作の態様が決定されたことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。
ステップS297にて操作スイッチ信号がオフ状態である場合や(ステップS297;No)、ステップS301の処理を実行した後には、所定のデモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS302)。このとき、デモ表示期間が終了していれば(ステップS302;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS303)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS304)。ステップS303では、例えばCPU131がVDP141に対して、画像表示装置5における表示を初期化させる表示制御指令を送信すればよい。他方、ステップS302にてデモ表示期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS302;No)、ステップS303、S304の処理をスキップして可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
また、ステップS291にて可変表示開始コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS291;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS305)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS305;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS306)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。他方、ステップS305にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS305;No)、ステップS306、S307の処理をスキップする。この後、演出制御プロセスフラグの値を、可変表示制御設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS308)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図62及び図63は、図59のステップS191にて実行される可変表示制御設定処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示制御設定処理において、CPU131は、まず、例えばRAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから表示結果の種類を特定し、特定された表示結果の種類は大当り(すなわち、「通常大当り」、「第1確変大当り」及び「第2確変大当り」のいずれか)であるか否かの判定を行う(図62のステップS321)。
ステップS321にて表示結果の種類が大当りではない場合には(ステップS321;No)、例えばRAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから可変表示パターンを特定し、特定された可変表示パターンはリーチパターンであるか否かの判定を行う(ステップS322)。このとき、特定された可変表示パターンがリーチパターンであれば(ステップS322;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS323)。
例えば、ステップS323の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5における「左」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、画像表示装置5における「右」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である右確定飾り図柄とすることに決定し、左・右の確定飾り図柄とは異なる図柄番号の飾り図柄を、画像表示装置5における「中」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である中確定飾り図柄に決定する。中確定飾り図柄を決定する処理の具体的な一例として、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。そして、このとき特定された加算値が「0」以外の値であれば、特定した加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。これに対して、特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。
ステップS322にて特定された可変表示パターンがリーチパターンではない場合(ステップS322;No)、その可変表示パターンは通常ハズレパターンであるとの判断に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS324)。例えば、ステップS324の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、演出制御基板12の側にて更新される右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている右確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、右確定飾り図柄を決定する。なお、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、右確定飾り図柄を決定すればよい。あるいは、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定される加算値には「0」が含まれないように、右確定飾り図柄決定テーブルを構成するようにしてもよい。例えば、右確定飾り図柄決定テーブルは、右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データと、加算値「1」〜「7」とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。
また、ステップS321にて表示結果の種類が大当りである場合には(ステップS321;Yes)、例えばRAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから確変再抽選演出の有無を特定し、確変再抽選演出があるか否かを判定する(図63のステップS325)。このとき、確変再抽選演出がなければ(ステップS325;No)、表示結果の種類は通常大当りであるか否かを判定する(ステップS326)。ステップS325にて確変再抽選演出があると判定された場合や(ステップS325;Yes)、ステップS326にて表示結果の種類が通常大当りであると判定された場合には(ステップS326;Yes)、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS327)。例えば、ステップS327において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。
ステップS326にて表示結果の種類が通常大当りではないと判定された場合には(ステップS326;No)、例えばRAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから有利開放再抽選演出の有無を特定し、有利開放再抽選演出があるか否かを判定する(ステップS328)。このとき、有利開放再抽選演出がなければ(ステップS328;No)、表示結果の種類は第1確変大当りであるか否かを判定する(ステップS329)。ステップS328にて有利開放再抽選演出があると判定された場合や(ステップS328;Yes)、ステップS329にて表示結果の種類が第1確変大当りであると判定された場合には(ステップS329;Yes)、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、第1確変大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS330)。例えば、ステップS330において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている第1確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第1確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。
ステップS329にて表示結果の種類が第1確変大当りではないと判定された場合には(ステップS329;No)、第2確変大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS331)。例えば、ステップS331において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている第2確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第2確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。
図62に示すステップS323、S324の処理と、図63に示すステップS327、S330、S331の処理のいずれかを実行した後には、例えば決定した確定飾り図柄を特定可能とするデータをRAM133に設けられた確定飾り図柄記憶部に記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(図62のステップS332)。続いて、ステップS321と同様に、表示結果の種類が大当りであるかハズレであるかの判定を行う(ステップS333)。そして、大当りであると判定されれば(ステップS333;Yes)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図24(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を設定する(ステップS334)。これに対して、ハズレであると判定された場合には(ステップS333;No)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図24(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を設定する(ステップS335)。ステップS334、S335の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路134等により更新される予告決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出し(ステップS336)、抽出した乱数値SR1に基づき予告パターンの決定を行う(ステップS337)。
ステップS337の処理を実行した後には、演出制御パターンの決定を行う(ステップS338)。例えば、ステップS338において、CPU131は、RAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから特定された可変表示パターンと、ステップS337にて決定した予告パターンとに対応する演出制御パターンを、図29(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから選択して、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するためのパターンに決定する。このとき、CPU131は、演出モードフラグの値が“0”であるか“1”であるかの判定を行い、“0”である場合には第1の演出モード#1に対応して図29(B)に示す演出制御パターンテーブル221Aを用いて演出制御パターンの選択を行う。これに対して、演出モードフラグの値が“1”である場合には第2の演出モード#2に対応して図29(B)に示す演出制御パターンテーブル221Bを用いて演出制御パターンの選択を行う。そして、演出制御パターンに対応するタイマ初期値を演出制御タイマに設定する(ステップS339)。例えば、ステップS339の処理では、CPU131が図30に示すような演出制御パターンの先頭領域に示される演出制御タイマ設定値を特定し、特定されたタイマ設定値を演出制御タイマにおけるタイマ初期値として設定すればよい。続いて、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御データに基づき、入出力ポート135に含まれる出力ポートから表示制御部121に対して所定の表示制御指令となる制御信号を送出するなどといった、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS340)。このときには、音制御部122に対して音声制御指令を送出することや、ランプ制御部123に対してランプ制御指令を送出することなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作や、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作などといった、各種の演出動作の制御も行われる。その後、演出制御プロセスフラグの値を図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS341)、可変表示制御設定処理を終了する。
図64は、図59のステップS192にて実行される図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御タイマにおける値である演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS351)。そして、ステップS351にて更新された演出制御タイマ値が、例えば図30に示すような演出制御パターンに含まれる演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれかと合致するか否かを判定する(ステップS352)。このとき、タイマ判定値のいずれかと合致すれば(ステップS352;Yes)、その合致すると判定された判定値に対応して演出制御パターンに格納されている表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった、各種制御データを読み出す(ステップS353)。そして、ステップS353にて読み出された表示制御データに基づき、画像表示装置5における表示の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS354)。
ステップS354にて表示の更新タイミングであれば(ステップS354;Yes)、所定の表示更新指令処理を実行する(ステップS355)。これに対して、表示の更新タイミングではない場合には(ステップS354;No)、ステップS355の処理をスキップする。続いて、ステップS353での読出データに対応する音声やランプの制御指令を送出する(ステップS356)。
ステップS352にて演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれとも合致しない旨の判定がなされた場合や(ステップS352;No)、ステップS356の処理を実行した後には、例えばステップS353での読出データが所定の終了コードであるか否かを判定することや、あるいはステップS351にて更新された演出制御タイマ値が所定値(例えば「0」)に達したか否かを判定することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS357)。このとき、可変表示の終了タイミングではなければ(ステップS357;No)、図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS357にて可変表示の終了タイミングであると判定された場合には(ステップS357;Yes)、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた可変表示回数カウンタの値である可変表示回数カウント値を、1加算するなどして更新する(ステップS358)。続いて、ステップS358にて更新した可変表示回数カウント値が、所定の事前転送実行判定値(例えば「100」)に達したか否かを判定する(ステップS359)。
ステップS359にて事前転送実行判定値に達していれば(ステップS359;Yes)、図56のステップS63などと同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS360)。これにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したという、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。このときには、可変表示回数カウンタをクリアして、そのカウント値を“0”に設定するなどの初期化を行う(ステップS361)。ステップS359にて事前転送実行判定値に達していない場合には(ステップS359;No)、ステップS360、S361の処理をスキップする。
この後、所定の大当り開始コマンド受信待機用初期値を演出制御タイマに設定し(ステップS362)、演出制御プロセスフラグを大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS363)、図柄可変表示中処理を終了する。
図65は、図64のステップS355にて実行される表示更新指令処理の一例を示すフローチャートである。この表示更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御タイマにおけるタイマ値に基づいて演出制御パターンから読み出した表示制御データを参照することなどにより、予告演出となる画像表示が実行可能となる予告表示期間であるか否かを判定する(ステップS691)。このとき、予告表示期間であれば(ステップS691;Yes)、演出制御タイマ値や、演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに基づき、予告の開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップS692)。
ステップS692にて予告の開始タイミングである場合には(ステップS692;Yes)、CGROM142に記憶されている画像要素データのうちから、予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられる演出画像に対応した画像要素を特定する(ステップS693)。例えば、CPU131は、演出モードフラグの値が“0“であるか“1”であるかに対応して予め用意された設定テーブルを選択することなどにより、パチンコ遊技機1における演出動作の態様に対応して予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられる演出画像を示す画像要素データを特定可能に設定する。続いて、CPU131は、例えばステップS693にて選択した設定テーブルを参照することなどにより、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS694)。また、CGROM142から読み出す画像要素データのデータ量も特定する(ステップS695)。そして、ステップS694、S695にて特定した読出アドレスや画像要素データのデータ量に基づき、予告用転送コマンドとなる表示制御指令を作成し、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップ696)。
ステップS696の処理を実行した後には、例えば演出モードフラグの値や、図62のステップS333にて決定した予告パターンあるいは演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに基づき、ROM132から飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出における予告パターンに対応したアルファ値分布設定データを読み出す(ステップS697)。例えばCPU131は、演出モードフラグの値が“0”であり、予告Aの予告パターンによる予告演出が実行される場合には、キャラクタ画像CH1を構成する各画素に対応して、例えば図31(C)に示すような最小値「0.01」から最大値「0.99」までのアルファ値を一様に分布させるアルファ値分布設定データを読み出す。このときには、予告B〜予告Dの予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH2〜CH4を構成する各画素に対応して、アルファ値を「0」に設定させるアルファ値分布設定データを読み出す。そして、ステップS697にて読み出したアルファ値分布設定データに基づき、アルファ値分布設定コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS698)。このときには、アルファ値を「0」以外の値に設定させる画素のみについてアルファ値の設定を示すアルファ値分布設定コマンドを作成するようにして、アルファ値を「0」に設定させる画素については、特にコマンドによる通知を行わないようにしてもよい。ステップS698の処理に続いて、予告演出表示における演出画像の表示を時間の経過に伴って変化可能にするため用いられる処理数Nを、「0」に設定して初期化する(ステップS699)。
ステップS692にて予告の開始タイミングではない場合や(ステップS692;No)、ステップS699の処理を実行した後には、所定の予告表示指令処理を実行する(ステップS700)。また、ステップS691にて予告表示期間ではない場合や(ステップS691;No)、ステップS700の予告表示指令処理を実行した後には、所定の各種更新対象指令処理を実行する(ステップS701)。
図66は、図65のステップS700にて実行される予告表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この予告表示指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データや、演出制御タイマ値などから、予告演出表示となる演出画像の表示を更新する予告用表示更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップS711)。このとき、予告用表示更新タイミングではないと判定されれば(ステップS711;No)、そのまま予告表示指令処理を終了する。
ステップS711にて予告用表示更新タイミングである場合に(ステップS711;Yes)、CPU131は、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた予告用表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS712)。なお、予告用表示中フラグは、後述するステップS714の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS728の処理が実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
ステップS712にて予告用表示中フラグがオフである場合には(ステップS712;No)、操作スイッチ40から伝送される検出信号である操作スイッチ信号がオン状態となっているか否かを判定することにより、操作スイッチ40の操作があったか否かを判定する(ステップS713)。そして、ステップS713にて操作スイッチ40の操作があれば(ステップS713;Yes)、予告用表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS714)。続いて、処理数Nが、段階表示上限値として予め定められた基準値(例えば「450」)以下であるか否かを判定する(ステップS715)。ここで、段階表示上限値は、予告演出表示において表示されるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像などの演出画像を操作スイッチ40の操作に応答して段階的に出現させた場合に、予告演出表示の終了タイミングにて完全に演出画像を表示することができる最も遅い操作タイミングに対応した基準値として、予め定められたものであればよい。
ステップS715にて処理数Nが段階表示上限値以下である場合には(ステップS715;Yes)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた段階表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS716)。このときには、操作スイッチ40の操作に応答して予告演出表示における演出画像を時間の経過に伴って段階的に表示させるために用いられる処理判定値Kに、処理数Nの値を代入しておく(ステップS717)。
ステップS712にて予告用表示中フラグがオンである場合や(ステップS712;Yes)、ステップS715にて処理数Nが段階表示上限値よりも大きい場合(ステップS715;No)、あるいはステップS717の処理を実行した後には、段階表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS718)。このとき、段階表示中フラグがオンであれば(ステップS718;Yes)、処理数Nに対応したアルファ参照値の設定を行う(ステップS719)。例えば、ステップS719ではCPU131が、処理数Nに対応して図67に示すようなアルファ参照値を設定する。ここで、CPU131は、ROM132に予め記憶されているアルファ参照値決定テーブルから、処理数Nに対応するアルファ参照値を決定するようにしてもよい。アルファ参照値決定テーブルは、処理数Nとアルファ参照値とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。あるいは、CPU131は、処理数NがK≦N≦K+49であるときには(アルファ参照値)=1−0.02×(N−K)という演算を実行することで、処理数Nに対応したアルファ参照値を演算により決定する一方、処理数NがN=K+50であるときにはアルファ参照値を「0.01」に決定するようにしてもよい。こうして、アルファ参照値は、操作スイッチ40の操作に応答して予告パターンに対応した演出画像を時間の経過に伴って段階的に表示させるように、更新されることになる。
ステップS719の処理を実行した後には、処理数Nが処理判定値Kに「50」を加算した値と等しくなっているか否かを判定し(ステップS720)、等しくなっていれば(ステップS720;Yes)、予告演出表示における演出画像の段階的な表示を終了するとの判断に基づき、段階表示中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS721)。また、ステップS718にて段階表示中フラグがオフである場合には(ステップS718;No)、アルファ参照値を「0.01」に設定する(ステップS722)。
ステップS720にて処理数Nが処理判定値Kに「50」を加算した値とは異なっている場合や(ステップS720;No)、ステップS721、S722の処理のいずれかを実行した後には、アルファテストを実行する際における比較関数を、「参照値以上なら成立」に設定する(ステップS723)。そして、処理数Nに対応してフレームバッファメモリ156における書込アドレスを設定する(ステップS724)。例えば、ステップS724ではCPU131が、処理数Nに対応して図68に示すようなフレームバッファメモリ156のアドレスを、書込先の先頭アドレスとして特定する。この先頭アドレスを基準として、例えば予告演出表示における演出画像を構成する各画素のうちでアルファテストの実行結果が「成立」となった表示対象画素の位置(具体的な一例として、演出画像内における表示対象画素の座標など)を特定することなどにより、各表示対象画素に対応した表示色データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる際の書込アドレスを特定することができる。ステップS724では、フレームバッファメモリ156における書込アドレスとして、図68に示すような書込先の先頭アドレスのみを特定し、各表示対象画素の書込アドレスは、VDP141の側でテスト実行コマンドに基づくアルファテストを実行した後に特定されればよい。
この後、ステップS719またはステップS722にて設定したアルファ参照値や、ステップS723にて設定した比較関数、及びステップS724にて設定したフレームバッファメモリ156における書込アドレスに基づき、テスト実行コマンドを作成し、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS725)。
ステップS713にて操作スイッチ40の操作がない場合や(ステップS713;No)、ステップS725の処理を実行した後には、例えば処理数Nが予め定められた予告終了判定値(例えば「512」など)となっているか否かを判定することなどにより、予告の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS726)。そして、予告の終了タイミングである場合には(ステップS726;Yes)、予告用表示中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS727)。このとき予告用表示中フラグがオフであれば(ステップS727;No)、予告演出用描画処理を終了する。これに対して、予告用表示中フラグがオンであれば(ステップS727;Yes)、予告用表示中フラグをクリアしてオフ状態にしてから(ステップS728)、予告演出用描画処理を終了する。このときには、例えば背景画像の再描画を指令する表示制御指令を表示制御部121が備えるVDP141に対して送信することなどにより、予告演出表示における演出画像を消去させる設定を行うようにしてもよい。また、ステップS726にて予告の終了タイミングではない場合には(ステップS726;No)、処理数Nを1加算してから(ステップS729)、予告表示指令処理を終了する。
図69は、図65のステップS701にて実行される各種更新対象指令処理の一例を示すフローチャートである。この各種更新対象指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御タイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像要素を特定する(ステップS741)。続いて、ステップS741にて特定した画像要素が、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であるか否かの判定を行う(ステップS742)。
ステップS742にて事前転送の対象となる画像要素であると判定された場合には(ステップS742;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS743)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS744)。さらに、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量を特定する(ステップS745)。その後、ステップS743〜S745にて特定した固定アドレスエリア155Aにおける読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、固定アドレス指定表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS746)。
ステップS742にて事前転送の対象となる画像要素ではないと判定された場合には(ステップS742;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS747)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS748)。さらに、更新対象となる画像要素を示す画像データのデータ量を特定する(ステップS749)。その後、ステップS747〜S749にて特定したCGROM142における読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、自動転送表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS750)。
この後、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS751)。そして、指令が完了していなければ(ステップS751;No)、ステップS741の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了すれば(ステップS751;Yes)、各種更新対象指令処理を終了する。
図70は、図59のステップS194にて実行される大当り演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り演出処理において、CPU131は、まず、主基板11から送信される大当りラウンド数通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS371)。このとき、大当りラウンド数通知コマンドの受信があれば(ステップS371;Yes)、例えば大当りラウンド数に対応した演出制御パターンから読み出した各種制御データに基づき表示制御指令、音声制御指令、ランプ制御指令を送出することなどといった、大当りラウンド数に対応して演出動作を制御するための設定を行う(ステップS372)。ステップS371にて大当りラウンド数通知コマンドの受信がなければ(ステップS371;No)、ステップS372の処理をスキップする。
続いて、主基板11から送信される大当り終了コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS373)。そして、大当り終了コマンドの受信があれば(ステップS373;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS374)、大当り演出処理を終了する。ステップS373にて大当り終了コマンドの受信がなければ(ステップS373;No)、確変再抽選演出制御処理を実行するとともに(ステップS375)、有利開放再抽選演出制御処理を実行してから(ステップS376)、大当り演出処理を終了する。
図71は、図70のステップS375にて実行される確変再抽選演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図71に示す確変再抽選演出制御処理を開始すると、CPU131は、まず、例えばRAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから確変再抽選演出の有無を特定し、確変再抽選演出があるか否かを判定する(ステップS801)。このとき、確変再抽選演出がないと判定されれば(ステップS801;No)、そのまま確変再抽選演出制御処理を終了する。
ステップS801にて確変再抽選演出があると判定された場合には(ステップS801;Yes)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた確変再抽選演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS802)。ここで、確変再抽選演出中フラグは、後述するステップS806の処理にてオン状態にセットされ、ステップS809の処理にてクリアされてオフ状態となる。ステップS802にて確変再抽選演出中フラグがオフであれば(ステップS802;No)、予め定められた確変再抽選演出における演出開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップS803)。例えば、主基板11から送信された大当りラウンド数通知コマンドが大当り遊技状態における最初のラウンド(例えば第1ラウンド)を示していることに対応して、確変再抽選演出における演出開始タイミングとなった旨の判定がなされればよい。
ステップS803にて確変再抽選演出における演出開始タイミングではないと判定された場合には(ステップS803;No)、確変再抽選演出制御処理を終了する。これに対して、ステップS803にて確変再抽選演出における演出開始タイミングであると判定された場合には(ステップS803;Yes)、確変再抽選演出における演出態様を、例えば予め用意された複数種類のいずれかに決定する(ステップS804)。一例として、ステップS804では、CPU131が乱数回路134等により更新される演出態様決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている確変再抽選演出態様決定テーブルを参照することなどにより、確変再抽選演出における演出動作の態様を決定する。
また、ステップS804では、例えば表示結果格納部の記憶データから可変表示結果の種類が通常大当り、第1確変大当り及び第2確変大当りのいずれであるかの判定を行う。そして、可変表示結果の種類が通常大当りである場合には、通常図柄のうちから、確変再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、通常図柄のうちのいずれかを確変再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。これに対して、可変表示結果の種類が第1確変大当りである場合には、第1確変図柄のうちから、確変再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている第1確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第1確変図柄のうちのいずれかを確変再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。さらに、可変表示結果の種類が第2確変大当りである場合には、例えば表示結果格納部の記憶データなどから有利開放再抽選演出の有無を特定し、有利開放再抽選演出があるか否かを判定する。このとき、有利開放再抽選演出があれば、可変表示結果の種類が第1確変大当りである場合と同様に、第1確変図柄のうちから、確変再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。他方、有利開放再抽選演出がなければ、第2確変図柄のうちから、確変再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている第2確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第2確変図柄のうちのいずれかを確変再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。
ステップS804の処理を実行した後には、ステップS804にて決定された演出態様に応じて各種の演出動作を制御するための設定が行われる(ステップS805)。例えば、ステップS805の処理では、ステップS804にて決定された演出動作の態様に対応する演出制御パターンの先頭領域に示される演出制御タイマ設定値を、演出制御タイマにおけるタイマ初期値として設定する。また、この演出制御パターンから読み出した各種制御データに基づき表示制御指令、音声制御指令、ランプ制御指令などを送出すればよい。この後、確変再抽選演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS806)、確変再抽選演出制御処理を終了する。
また、ステップS802にて確変再抽選演出中フラグがオンである場合には(ステップS802;Yes)、演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS807)。こうして更新された演出制御タイマ値が演出終了基準値(例えば「0」)と合致するか否かを判定し(ステップS808)、演出終了基準値と合致すれば(ステップS808;Yes)、確変再抽選演出中フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS809)、確変再抽選演出制御処理を終了する。
ステップS808にて演出制御タイマ値が演出終了基準値と合致しなければ(ステップS808;No)、確変再抽選演出の実行中における各種の演出動作を制御するための設定を行う(ステップS810)。例えば、CPU131は、演出制御タイマ値が演出制御パターンに設定された演出制御タイマ判定値のいずれかと合致するか否かを判定する。このとき、演出制御タイマ判定値と合致した場合には、その合致した演出制御タイマ判定値と対応付けられた各種制御データを読み出す。こうして読み出された制御データに基づき、CPU131は、表示制御指令、音声制御指令、ランプ制御指令などを送出すればよい。これにより、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作といった、各種の演出動作を制御することができる。
図72は、図70のステップS376にて実行される有利開放再抽選演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図72に示す有利開放再抽選演出制御処理を開始すると、CPU131は、まず、例えばRAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから有利開放再抽選演出の有無を特定し、有利開放再抽選演出があるか否かを判定する(ステップS821)。このとき、有利開放再抽選演出がないと判定されれば(ステップS821;No)、そのまま有利開放再抽選演出制御処理を終了する。
ステップS821にて有利開放再抽選演出があると判定された場合には(ステップS821;Yes)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた有利開放再抽選演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS822)。ここで、有利開放再抽選演出中フラグは、後述するステップS826の処理にてオン状態にセットされ、ステップS829の処理にてクリアされてオフ状態となる。ステップS822にて有利開放再抽選演出中フラグがオフであれば(ステップS822;No)、予め定められた有利開放再抽選演出における演出開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップS823)。例えば、主基板11から送信された大当りラウンド数通知コマンドが大当り遊技状態における最終のラウンド(例えば第15ラウンド)を示していることに対応して、有利開放再抽選演出における演出開始タイミングとなった旨の判定がなされればよい。
ステップS823にて有利開放再抽選演出における演出開始タイミングではないと判定された場合には(ステップS823;No)、有利開放再抽選演出制御処理を終了する。これに対して、ステップS823にて有利開放再抽選演出における演出開始タイミングであると判定された場合には(ステップS823;Yes)、有利開放再抽選演出における演出態様を、例えば予め用意された複数種類のいずれかに決定する(ステップS824)。一例として、ステップS824では、CPU131が乱数回路134等により更新される演出態様決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている有利開放再抽選演出態様決定テーブルを参照することなどにより、有利開放再抽選演出における演出動作の態様を決定する。
また、ステップS824では、例えば表示結果格納部の記憶データから可変表示結果の種類が通常大当り、第1確変大当り及び第2確変大当りのいずれであるかの判定を行う。そして、可変表示結果の種類が通常大当りである場合には、通常図柄のうちから、有利開放再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、通常図柄のうちのいずれかを有利開放再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。これに対して、可変表示結果の種類が第1確変大当りである場合には、第1確変図柄のうちから、有利開放再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている第1確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第1確変図柄のうちのいずれかを有利開放再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。さらに、可変表示結果の種類が第2確変大当りのいずれかである場合には、第2確変図柄のうちから、有利開放再抽選演出の実行結果として画像表示装置5に導出表示する飾り図柄を決定する。例えば、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132等に予め格納されている第2確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、第2確変図柄のうちのいずれかを有利開放再抽選演出における再抽選結果として導出表示する飾り図柄に決定する。
ステップS824の処理を実行した後には、ステップS824にて決定された演出態様に応じて各種の演出動作を制御するための設定が行われる(ステップS825)。例えば、ステップS825の処理では、ステップS824にて決定された演出動作の態様に対応する演出制御パターンの先頭領域に示される演出制御タイマ設定値を、演出制御タイマにおけるタイマ初期値として設定する。また、この演出制御パターンから読み出した各種制御データに基づき表示制御指令、音声制御指令、ランプ制御指令などを送出すればよい。この後、有利開放再抽選演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS826)、有利開放再抽選演出制御処理を終了する。
また、ステップS822にて有利開放再抽選演出中フラグがオンである場合には(ステップS822;Yes)、演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS827)。こうして更新された演出制御タイマ値が演出終了基準値(例えば「0」)と合致するか否かを判定し(ステップS828)、演出終了基準値と合致すれば(ステップS828;Yes)、有利開放再抽選演出中フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS829)、有利開放再抽選演出制御処理を終了する。
ステップS828にて演出制御タイマ値が演出終了基準値と合致しなければ、有利開放再抽選演出の実行中における各種の演出動作を制御するための設定を行う(ステップS830)。例えば、CPU131は、演出制御タイマ値が演出制御パターンに設定された演出制御タイマ判定値のいずれかと合致するか否かを判定する。このとき、演出制御タイマ判定値と合致した場合には、その合致した演出制御タイマ判定値と対応付けられた各種制御データを読み出す。こうして読み出された制御データに基づき、CPU131は、表示制御指令、音声制御指令、ランプ制御指令などを送出すればよい。これにより、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作といった、各種の演出動作を制御することができる。
図73は、VDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令となるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS401)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信コマンドがなければ(ステップS401;No)、ステップS401の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS401にて受信コマンドがある場合には(ステップS401;Yes)、その受信コマンドが記憶領域設定コマンドであるか否かを判定する(ステップS402)。そして、記憶領域設定コマンドであれば(ステップS402;Yes)、所定の記憶領域設定処理を実行する一方(ステップS403)、記憶領域設定コマンドでなければ(ステップS402;No)、受信コマンドが事前転送コマンドであるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて受信コマンドが事前転送コマンドであれば(ステップS404;Yes)、所定の事前転送処理を実行する一方(ステップS405)、事前転送コマンドでなければ(ステップS404;No)、受信コマンドが自動転送表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406にて受信コマンドが自動転送表示コマンドであれば(ステップS406;Yes)、所定の自動転送制御処理を実行する一方(ステップS407)、自動転送表示コマンドでなければ(ステップS406;No)、受信コマンドが予告用転送コマンドであるか否かを判定する(ステップS408)。ステップS408にて受信コマンドが予告用転送コマンドであれば(ステップS408;Yes)、所定の予告用転送制御処理を実行する(ステップS409)。ステップS408にて受信コマンドが予告用転送コマンドではない場合や(ステップS408;No)、ステップS403、S405、S407、S409の処理のいずれかを実行した後には、ステップS401の処理に戻る。
図74は、図73のステップS403にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、画像要素一時記憶メモリ155をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS421)。続いて、記憶領域設定コマンドに含まれるデータから、自動転送エリア155Bの先頭アドレスとなるアドレスSTADDを特定する(ステップS422)。そして、このとき特定したアドレスSTADDを、VDP141の内部レジスタにセットして格納する(ステップS423)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定コマンドに含まれるデータから、自動転送エリア155Bの最終アドレスとなるアドレスENADDを特定する(ステップS424)。そして、このとき特定したアドレスENADDを、VDP141の内部レジスタにセットして格納してから(ステップS425)、記憶領域設定処理を終了する。
図75は、図73のステップS405にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS441)。続いて、事前転送コマンドに含まれるデータから、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS442)。また、事前転送コマンドに含まれるデータから、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS443)。そして、ステップS441〜S443にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142から読み出した画像要素データを固定アドレスエリア155Aに転送するためにデータ転送の開始設定を行う(ステップS444)。例えば、ステップS444において、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS445)、完了していなければ(ステップS445;No)、ステップS445の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS445にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS445;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS446)、事前転送処理を終了する。ステップS446の処理において、転送制御回路152は、固定アドレスエリア155Aへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図76は、図73のステップS407にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS461)。続いて、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS462)。例えば、ステップS462の処理において、転送制御回路152は、インデックステーブル251を参照して、自動転送エリア155Bのうちで、「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像要素データが記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像要素データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
続いて、転送制御回路152は、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS463)。そして、ステップS461〜S463にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142から読み出した画像要素データを自動転送エリア155Bに転送するためにデータ転送の開始設定を行う(ステップS464)。例えば、ステップS464において、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS465)、完了していなければ(ステップS465;No)、ステップS465の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS465にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS465;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS466)、自動転送制御処理を終了する。ステップS466の処理において、転送制御回路152は、自動転送エリア155Bへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。また、この自動転送制御処理にて画像要素データを転送する場合には、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの転送先アドレス(書込アドレス)を描画回路154に通知して、描画回路154により画像要素データを読出可能にしてもよい。
図77は、図73のステップS409にて実行される予告用転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この予告用転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、予告用転送コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS481)。続いて、予告用転送コマンドに含まれるデータから、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS482)。また、予告用転送コマンドに含まれるデータから、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS483)。そして、ステップS481〜S483にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142から読み出した画像要素データを自動転送エリア155Bに転送するためにデータ転送の開始設定を行う(ステップS484)。例えば、ステップS484において、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS485)、完了していなければ(ステップS485;No)、ステップS485の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS485にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS485;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS486)、予告用転送制御処理を終了する。ステップS486の処理において、転送制御回路152は、自動転送エリア155Bへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図78は、VDP141が備える描画回路154により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路154は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令となるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、ステップS501の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、その受信コマンドが固定アドレス指定表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、固定アドレス指定表示コマンドであれば(ステップS502;Yes)、所定の固定アドレス指定表示処理を実行する一方(ステップS503)、固定アドレス指定表示コマンドでなければ(ステップS502;No)、受信コマンドが自動転送表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。
ステップS504にて受信コマンドが自動転送表示コマンドであれば(ステップS504;Yes)、所定の自動転送表示処理を実行する一方(ステップS505)、自動転送表示コマンドでなければ(ステップS504;No)、受信コマンドがアルファ値分布設定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドがアルファ値分布設定コマンドであれば(ステップS506;Yes)、所定のアルファテスト用描画処理を実行する一方(ステップS507)、アルファ値分布設定コマンドでなければ(ステップS506;No)、受信コマンドがテスト実行コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。
ステップS508にて受信コマンドがテスト実行コマンドであれば(ステップS508;Yes)、所定のアルファテスト処理を実行する(ステップS509)。ステップS508にて受信コマンドがテスト実行コマンドではない場合や(ステップS508;No)、ステップS503、S505、S507、S509の処理のいずれかを実行した後には、ステップS501の処理に戻る。
図79は、図78のステップS503にて実行される固定アドレス指定表示処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定表示処理において、描画回路154は、まず、固定アドレス指定表示コマンドに含まれるデータから、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS521)。続いて、ステップS521にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル251を参照し、読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS522;Yes)、固定アドレス指定表示コマンドに含まれるデータから、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS523)。そして、描画回路154は、ステップS521にて特定した読出アドレスから画像要素データを読み出し、ステップS523にて特定した書込アドレスに書き込む(ステップS524)。続いて、フレームバッファメモリ156に画像要素データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS525)、完了していなければ(ステップS525;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS526)、ステップS524の処理に戻る。他方、ステップS525にて描画が完了すれば(ステップS525;Yes)、固定アドレス指定表示処理を終了する。
また、ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS522;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS527)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS527;No)、ステップS522の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS527にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS527;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS528)、固定アドレス指定表示処理を終了する。描画回路154がステップS528の処理を実行することにより送信されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、画像表示装置5における表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。
図80は、図78のステップS505にて実行される自動転送表示処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送表示処理において、描画回路154は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS541)。続いて、ステップS541にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル251を参照し、読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS542)。
ステップS542にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS542;Yes)、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS543)。そして、描画回路154は、ステップS541にて特定した読出アドレスから画像要素データを読み出し、ステップS543にて特定した書込アドレスに書き込む(ステップS544)。続いて、フレームバッファメモリ156に画像要素データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS545)、完了していなければ(ステップS545;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS546)、ステップS544の処理に戻る。他方、ステップS545にて描画が完了すれば(ステップS545;Yes)、描画に用いた画像要素データと対応付けてインデックステーブル251に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS547)、自動転送表示処理を終了する。
また、ステップS542にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS542;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS548)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS548;No)、ステップS542の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS548にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS548;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS549)、自動転送表示処理を終了する。描画回路154がステップS549の処理を実行することにより送信されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS528の処理により送信されたエラー情報を受け取った場合と同様に、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。
図81は、図78のステップS507にて実行されるアルファ値設定処理の一例を示すフローチャートである。このアルファ値設定処理において、描画回路154は、まず、インデックステーブル251を参照し、予告演出表示となる演出画像の表示を行うために用いる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS561)。例えば、ステップS561では描画回路154が、図34に示すような予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像のそれぞれに対応した画像要素データを一時記憶するための各領域における先頭アドレスを「開始アドレス」としてインデックステーブル251に登録されている画像要素データについて、「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する。ここで、描画回路154は、第1の演出モード#1にてキャラクタ画像CH1〜CH4の表示を行うために用いる画像要素データの組と、第2の演出モード#2にて図27(B)〜(E)に示すような背景画像の表示を行うために用いる画像要素データの組とのうち、いずれか一方の画像要素データの組に対応する全ての「転送完了フラグ」が「オン」となっていれば、ステップS561にて「転送完了フラグ」がオンであると判定する。また、インデックステーブル251に画像要素データが登録されていない場合には、「転送完了フラグ」が「オフ」であると判断すればよい。
ステップS561にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS561;Yes)、アルファ値分布設定コマンドで指定された各画素のアルファ値を設定する(ステップS562)。このとき、描画回路154は、アルファ値分布設定コマンドにより通知された各画素のアルファ値を読み取る。そして、読み取ったアルファ値を示すデータを、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおいて予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や背景画像のそれぞれに対応した画像要素データを一時記憶するための各領域内で、各画素に対応したアドレスに書き込むことにより設定すればよい。また、アルファ値分布設定コマンドによるアルファ値の指定がない画素については、「0」を示すデータを画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける対応したアドレスに書き込むことにより設定する(ステップS563)。
ステップS561にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS561;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS564)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS564;No)、ステップS561の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS564にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS564;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS565)、アルファ値設定処理を終了する。描画回路154がステップS565の処理を実行することにより送信されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、画像表示装置5における表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。
図82は、図78のステップS509にて実行されるアルファテスト処理の一例を示すフローチャートである。このアルファテスト処理において、描画回路154は、テスト実行コマンドに含まれるデータからアルファ参照値を特定し、特定されたアルファ参照値と各画素のアルファ値との比較演算を実行する(ステップS571)。このときには、テスト実行コマンドに含まれるデータから特定される比較関数で「成立」となる表示条件を満たした画素を、画像表示装置5に表示させるものとしての表示対象画素に決定する(ステップS572)。そして、ステップS572にて決定された表示対象画素を画像要素一時記憶メモリ155における自動転送エリア155Bから読み出し、テスト実行コマンドに含まれるデータにより通知されたフレームバッファメモリ156の書込アドレスにコピーして書き込むことで表示用データの更新を行った後(ステップS573)、アルファテスト処理を終了する。
以上のような固定アドレス指定表示処理や自動転送表示処理、あるいはアルファテスト処理を実行することにより、描画回路154が画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aや自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで描画を行い、表示用データを作成する。そして、例えば画像表示装置5における1画面分の描画が完了すれば、画像表示装置5における表示の更新タイミングに達したことなどに対応して、表示回路157がフレームバッファメモリ156に記憶されている表示用データを読み出し、階調データに変換するなどして画像表示装置5に出力する。これにより、表示用データに対応した画像が画像表示装置5の画面上に表示されることになる。
次に、払出制御基板15における動作を説明する。払出制御基板15では、電源基板10からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ150が起動し、CPU273によって図83のフローチャートに示すような払出制御メイン処理が実行される。図83に示す払出制御メイン処理を開始すると、まず、割込み禁止に設定し(ステップS901)、割込みモードの設定を行う(ステップS902)。続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS903)。また、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS904)。例えば、払出制御用マイクロコンピュータ150がCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)を内蔵している場合には、ステップS904の処理が実行されることにより、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)としてのCTCやPIOの設定(初期化)などが行われるとよい。
ステップS904の処理を実行した後には、例えば入出力ポート278に含まれる入力ポートにおける所定ビットの状態をチェックすることなどにより、電源断信号がオフ状態となっているか否かを判定する(ステップS905)。例えば、ステップS905の処理では、電源断信号が出力されていないオフ状態(ハイレベル)となっていることを確認する。
ステップS905にて電源断信号がオン状態であるときには(ステップS905;No)、所定時間(例えば0.1秒)が経過するまで待機した後(ステップS906)、ステップS905の処理に戻り、電源断信号がオフ状態となっているか否かの判定を再び行うようにする。これにより、払出制御用マイクロコンピュータ150にて、電源電圧が安定したことを確認することができる。そして、ステップS905にて電源断信号がオフ状態であるときには(ステップS905;Yes)、RAM275をアクセス可能に設定する(ステップS907)。
ステップS907の処理を実行した後には、例えば入出力ポート278に含まれる入力ポートにおける所定ビットの状態をチェックすることなどにより、クリア信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS908)。このとき、CPU273は、クリア信号の状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、クリア信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS908にてクリア信号がオフ状態である旨の判定がなされたときには(ステップS908;No)、RAM275のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS909)。ステップS909の処理では、例えばRAM275の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムと払出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、払出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM275の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS909におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS909;Yes)、所定の払出バックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS910)。払出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、RAM275等の所定領域に設定される。そして、この払出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、払出バックアップフラグの状態は保存されることになる。なお、ステップS910のような払出バックアップフラグがオンとなっているか否かの判定を、ステップS909のようなチェック結果の判定よりも先に行い、払出バックアップフラグがオンであるときにRAM235のデータチェック結果が正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS910にて払出バックアップフラグがオンであるときには(ステップS910;Yes)、払出バックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS911)、払出制御用マイクロコンピュータ150の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS912)。例えば、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときに、所定の賞球未払出カウンタの値がRAM275のバックアップ領域に格納される場合には、ステップS912の処理においてRAM275のバックアップ領域の記憶データを読み出して、賞球未払出カウンタにセットするようにすればよい。
また、ステップS908にてクリア信号がオンであるときや(ステップS908;Yes)、ステップS909にてチェック結果が正常ではないとき(ステップS909;No)、あるいはステップS910にて払出バックアップフラグがオフであるときには(ステップS910;No)、RAM275の初期化を行う(ステップS913)。続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行う(ステップS914)。例えば、ステップS914の処理では、RAM275の所定領域などに設けられた各種のフラグや、各種のタイマ、あるいは各種のカウンタなどに、それぞれの初期値を設定すればよい。
ステップS912またはステップS914の処理を実行した後には、例えばタイマ回路276のレジスタ設定などを行うことにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように払出制御用マイクロコンピュータ150の内部設定を行う(ステップS915)。
この後、CPU273は、シリアル通信回路277によるシリアル通信動作の初期設定を行うためのシリアル通信初期設定処理を実行する(ステップS916)。このシリアル通信初期設定処理は、主基板11の側で遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114により実行される図41に示すステップS17の処理と同様の処理であればよい。また、CPU273は、割込み要求に基づいて実行される割込み処理に関する初期設定を行うための割込み初期設定処理を実行する(ステップS917)。この割込み初期設定処理は、主基板11の側で遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114により実行される図41に示すステップS18の処理と同様の処理であればよい。そして、CPU273は割込み許可状態に設定して(ステップS918)、各種割込みの発生を待機する。このときには、電源断信号がオン状態となったか否か(出力されたか否か)の判定を行い(ステップS919)、オフであれば(ステップS919;No)、そのまま各種割込みの発生を待機する。また、電源断信号がオン状態となったときには(ステップS919;Yes)、払出側電源断処理を実行した後(ステップS920)、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による払出制御用マイクロコンピュータ150の動作停止まで待機する。
なお、ステップS919の処理では、入力ポートを介して1回だけ電源断信号の状態を確認するようにしてもよいが、電源断信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、電源断信号がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、電源断信号をもう1回確認する。このとき、電源断信号がオフ状態であれば、電源断信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときに電源断信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、電源断信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、電源断信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。このように電源断信号の状態を複数回確認する場合には、例えば確認動作を開始するときや1回目の確認結果と2回目の確認結果とを比較して不一致であったときなどに、払出制御用マイクロコンピュータ150に内蔵されたWDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアするリトリガを行う。そして、リトリガが何らかの原因(例えばプログラムの暴走)で所定時間内に発生しなくなった場合には、WDTから出力されるタイムアウト信号に基づくユーザリセットを発生させ、リセット/割込みコントローラ272、CPU273、タイマ回路276、シリアル通信回路277などの各回路を初期化した後、所定のベクタテーブルで示されるアドレスからユーザプログラムの実行を開始して、自動復旧を行うようにしてもよい。
ステップS920の払出側電源断処理では、例えばCPU273が割込み禁止に設定した後、入出力ポート278に含まれる出力ポートの所定ビットにクリアデータをセットするなどして、払出モータ50の動作を停止させるための設定を行う。このときには、出力ポートの所定ビット以外にも、クリアすべき出力ポートにはクリアデータを設定するようにしてもよい。続いて、例えばRAM275の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出するなどして、チェックデータの作成を行うとともに、RAM275の所定領域等に設けられた払出バックアップフラグをオン状態にセットする。このとき作成されたチェックデータは、例えばRAM275の所定領域等に設けられた払出チェックサムバッファなどに格納される。そして、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、以後、RAM275へのアクセスを禁止する。
払出制御用マイクロコンピュータ150では、シリアル通信回路277にて発生した割込み要因に対応して、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114により実行される割込み処理を払出制御用マイクロコンピュータ150に適合させたシリアル通信エラー割込み処理が、実行されればよい。例えば、払出制御用マイクロコンピュータ150に設けられたシリアル通信回路277にてエラー割込みが発生するごとに、図43に示す処理を払出制御用マイクロコンピュータ150に適合させた処理がCPU273により実行されればよい。この処理では、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路277に設けられた送信動作部を未使用状態に設定するとともに、シリアル通信回路277に設けられた受信動作部を未使用状態に設定する。この後、CPU273は、例えばシリアル通信エラーフラグなどの所定フラグをオン状態にセットするなどの処理を実行すればよい。
また、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路277にて受信割込みが発生するごとに、CPU273が所定のシリアル受信割込み処理を実行し、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路277にて送信割込みが発生するごとに、CPU273が所定のシリアル送信割込み処理を実行すればよい。
図84は、払出制御用マイクロコンピュータ150にてタイマ割込みが発生するごとに、CPU273が実行する払出制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。この払出制御用タイマ割込み処理は、主基板11から送信された払出制御コマンドに応じて払出モータ50を制御する払出制御処理となる処理である。図84に示す払出制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU273は、まず、所定の入出力処理を実行して(ステップS931)、例えば入出力ポート278に含まれる入力ポートにおける所定ビットの状態をチェックしたり、出力ポートにおける所定ビットに対して所定の制御データをセットしたりする。
続いて、CPU273は、プリペイドカードユニット処理を実行して、インタフェース基板16を介して接続されたカードユニット70との間での通信を行う(ステップS932)。また、シリアル通信により主基板11から送信された払出制御コマンドを受信するための払出側受信処理を実行する(ステップS933)。そして、主基板11からの払出数指定コマンドを受信したときに賞球ACKコマンドを送信する設定などを行う賞球受信確認処理を実行する(ステップS934)。さらに、カードユニット70からの球貸し要求や、主基板11からの払出数指定コマンドに応じて、遊技球の払出動作を制御する払出動作制御処理を実行する(ステップS935)。
ステップS935の処理に続いて、CPU273は、例えばRAM275の所定領域等に設けられた各種のエラーフラグにおける状態に対応した表示を所定のエラー表示用LEDにて行う7セグ表示処理を実行する(ステップS936)。また、主基板11に対して払出通知コマンドを送信するための払出側送信処理を実行する(ステップS937)。この後、CPU273は、払出側エラー解除処理を実行して、所定のエラー解除スイッチからの検出信号がオン状態となったときに所定のエラーの解除を可能とし(ステップS938)、払出制御用タイマ割込み処理を終了する。
次に、本実施例における具体的な動作の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、電源基板10から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が初期化処理を実行した後(図56のステップS61)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS62)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して記憶領域設定コマンドが送信される(図57のステップS163)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS402;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS403)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定コマンドにより通知されたアドレスSTADDとアドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図74のステップS423、S425)、画像要素一時記憶メモリ155における記憶領域が、固定アドレスエリア155Aと自動転送エリア155Bとに設定されることになる。
この後、演出制御用マイクロコンピュータ120ではCPU131が、演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、事前転送指令処理を実行する(図56のステップS63)。そして、事前転送指令処理では、例えば図28(B)に示す事前転送設定テーブル211A、211Bのうちから、演出モードフラグの値に対応したものをセットする(図58のステップS171)。続いて、処理数及び事前転送カウント値に応じて読み出したテーブルデータから特定された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、事前転送コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS174〜S180)。
例えば、第1の演出モード#1に対応して用意された事前転送設定テーブル211Aでは、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄を表示するために用いられる画像要素データを、画像表示の実行頻度が所要の画像要素データに対応した演出画像に比べて高い演出画像に対応した画像要素データとして、その読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータが格納されている。より具体的には、第1の演出モード#1である期間においては、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄が画像表示装置5の画面上に表示される頻度が、予告A〜予告Dの各予告パターンに応じてキャラクタ画像CH1〜CH4が画像表示装置5の画面上に表示される頻度よりも、高くなるように設定されている。そこで、事前転送設定テーブル211Aには、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄を表示するための画像要素データに対応した読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータを格納しておく。また、第2の演出モード#2に対応して用意された事前転送設定テーブル211Bでは、「一」〜「八」の数字を示す飾り図柄を表示するために用いられる画像要素データを、画像表示の実行頻度が所要の画像要素データに対応した演出画像に比べて高い演出画像に対応した画像要素データとして、その読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータが格納されている。より具体的には、第2の演出モード#2である期間においては、「一」〜「八」の数字を示す飾り図柄が画像表示装置5の画面上に表示される頻度が、予告A〜予告Dの各予告パターンに応じて図27(B)〜(D)に示すような背景画像が画像表示装置5の画面上に表示される頻度よりも、高くなるように設定されている。そこで、事前転送設定テーブル211Bには、「一」〜「八」の数字を示す飾り図柄を表示するための画像要素データに対応した読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータを格納しておく。
CPU131が図56のステップS63にて事前転送指令処理を実行する場合には、ステップS61における初期化処理にて演出モードフラグをクリアして“0”に更新したことに基づき、事前転送設定テーブル211Aのテーブルデータに対応した画像要素データの転送を指令する。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS404;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS405)。この事前転送処理では、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図75のステップS441〜S445)。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となることにより(図45のステップS111;Yes)、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。こうした可変表示の実行条件が成立したことに基づき、乱数回路113等により更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが抽出され、保留データとして特図保留記憶部161Aに記憶される(図46のステップS202、S203)。
この後、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するための開始条件が成立したことに応じて、特図保留記憶部161Aから大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが読み出され(図48のステップS601)、その乱数値MR1が大当り判定値データと合致するか否かにより、可変表示結果を大当りとするか否かの判定を行う(ステップS606)。そして、大当り判定用の乱数値MR1が判定値データと合致することにより大当りとする旨の判定がなされると(S606;Yes)、大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS607)。これに続いて、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1の遊技状態を通常遊技状態と第1確変遊技状態と第2確変遊技状態とのうちでいずれに制御するかを決定するための処理を実行する。このときには、確変中フラグがオンであるか否かの判定結果や、確変中フラグがオンである場合には有利開放フラグがオンであるか否かの判定結果に応じて、図17(A)に示す通常時遊技状態決定テーブル192と、図17(B)に示す第1確変時遊技状態決定テーブル193と、図17(C)に示す第2確変時遊技状態決定テーブル194とのうちで、いずれかのテーブルを参照する(ステップS608〜S612)。これにより、例えば図18(A)〜(C)に示すように、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常遊技状態であるか第1確変遊技状態であるか第2確変遊技状態であるかに応じて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を通常遊技状態あるいは第1及び第2確変遊技状態のそれぞれに決定する決定割合を、異ならせることができる。こうして決定された大当り遊技状態の終了後における遊技状態に応じて、確変確定フラグや有利開放確定フラグの設定が行われる(ステップS614〜S619)。
続いて、図49及び図50に示す表示結果設定処理では、大当りフラグがオンであるか否かの判定が行われ(図49のステップS631)、オフである場合には(ステップS631;No)、リーチとするか否かの判定が行われる(ステップS633)。この判定結果に対応して、表示結果通知#1、#2のコマンド9001h、9002hのいずれかが、演出制御基板12に対して送信可能に設定される(ステップS634)。
また、大当りフラグがオンである場合には(ステップS631;Yes)、さらに確変確定フラグがオンである旨の判定がなされると(ステップS638;Yes)、乱数値MR6が図14(B)に示す有利開放再抽選実行判定テーブル186により設定された演出実行判定値データと合致するか否かを判定することで、有利開放再抽選演出を実行するか否かの決定がなされる(ステップS645、図50のステップS651)。例えば、有利開放確定フラグがオンである場合に(図49のステップS641;Yes)、有利開放再抽選演出を実行する旨の決定がなされたときには(図50のステップS651;Yes)、第2確変大当りになる旨とともに、有利開放再抽選演出がある旨を示す表示結果通知#6のコマンド9006hが、演出制御基板12に対して送信可能に設定される(ステップS652)。
図51に示す可変表示パターン設定処理では、大当りフラグがオンである旨の判定がなされた場合に(ステップS671;Yes)、乱数値MR5が図14(A)に示す確変再抽選実行判定テーブル185により設定された演出実行判定値データと合致するか否かを判定することで、確変再抽選演出を実行するか否かの決定がなされる(ステップS674)。また、図16(A)に示す大当り時パターン決定テーブル188を参照して、乱数値MR3に対応した可変表示パターンを決定する(ステップS675、S682、S683)。そして、ステップS674にて決定した確変再抽選演出の有無と、ステップS683にて決定した可変表示パターンとに対応して、図15に示すような可変表示パターンテーブル187にて指定されるEXTデータを含んだ可変表示開始コマンド80XXhが、演出制御基板12に対して送信可能に設定される(ステップS684)。こうして演出制御基板12に対して送信される可変表示開始コマンド80XXhは、可変表示パターンとともに、確変再抽選演出の実行の有無を示すことになる。
演出制御基板12の側では、主基板11から送信された表示結果通知コマンド90XXhに示された可変表示結果の種類を特定し、特定された可変表示結果の種類が大当りであるか否かを判定する(図62のステップS321)。このとき特定された可変表示結果の種類が大当りである場合には(ステップS321;Yes)、主基板11から送信された可変表示開始コマンド80XXhに含まれたEXTデータなどから、確変再抽選演出があるか否かを判定する(図63のステップS325)。そして、確変再抽選演出がある場合には(ステップS325;Yes)、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の通常図柄となる通常大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS327)。
また、演出制御基板12では、例えばCPU131が乱数回路134等から抽出した予告決定用の乱数値SR1に基づき、ハズレ時予告決定テーブル201及び大当り時予告決定テーブル202のいずれかを参照して、予告を実行するか否かの決定や実行する場合における予告パターンの決定を行う(図62のステップS333〜S337)。そして、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンや、表示結果通知コマンドに示された可変表示結果の種類、予告パターンなどに対応する演出制御パターンを、図29(A)に示す演出制御パターンテーブル221に格納された複数種類のうちから決定する(ステップS338)。そして、演出制御パターンに対応した演出制御タイマ初期値を設定することで、飾り図柄の総可変表示時間を、可変表示パターンなどに対応して設定する(ステップS339)。
以上のような処理に基づき、例えば画像表示装置5では飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、画像表示装置5における表示の更新タイミングであれば(図64のステップS354;Yes)、表示更新指令処理を実行する(ステップS355)。この表示更新指令処理では、各種更新対象指令処理が実行され(図65のステップS701)、更新対象となる画像要素が固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であるか否かを判定する(図69のステップS742)。
例えば、更新対象となる画像要素に対応した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すデータがテーブルデータとして事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかに格納されている場合に、その画像要素は固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であると判定される(ステップS742;Yes)。より具体的に、第1の演出モード#1に設定されている場合には、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄のいずれかが更新対象であれば、事前に転送する対象となる画像要素であると判定される。この判定結果に基づき、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量などを特定し、固定アドレス指定表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS743〜S746)。
VDP141では、例えば描画回路154が、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して(図78のステップS502;Yes)、固定アドレス指定表示処理を実行する(ステップS503)。この固定アドレス指定表示処理では、固定アドレス指定表示コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づき、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる(図79のステップS521〜S526)。
他方、更新対象となる画像要素に対応した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すデータが事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれにも格納されていない場合に、その画像要素は固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素ではないと判定される(図69のステップS742;No)。この判定結果に基づき、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、CGROM142における画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量などを特定し、自動転送表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS747〜S750)。
VDP141では、まず、例えば転送制御回路152が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS406;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS407)。この自動転送制御処理では、CGROM142における画像要素データの読出アドレスは、自動転送表示コマンドに含まれるデータから特定する(図76のステップS461)。その一方で、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル251を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像要素データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS462)。そして、自動転送表示コマンドにより通知された画像要素データのデータ量などに基づき(ステップS463)、CGROM142から読み出した画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに書き込んで記憶させる(ステップS464、S465)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路154が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して(図78のステップS504;Yes)、自動転送表示処理を実行する(ステップS505)。この自動転送表示処理では、例えば転送制御回路152から通知された自動転送エリア155Bにおける画像要素データの読出アドレスや、自動転送表示コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、データ量などに基づき、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる(図80のステップS541〜S546)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が予告表示期間であると判定したときに(図65のステップS691;Yes)、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることによる予告演出表示を実行するための処理を実行する。図85は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である期間において、予告Aの予告パターンが選択された場合における画像表示装置5での表示動作の一例を示している。
ここで、予告演出表示で用いられる演出画像に対応した画像要素データについては、その読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すデータが事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれにも格納されていない。また、予告演出表示で用いられる演出画像となる画像要素は、図69のステップS741にて更新対象となる画像要素としては特定されることがないように、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどが定義されている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、図65に示すステップS693にてCPU131が予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4のそれぞれに対応した画像要素を特定する。そして、CPU131は、特定した画像要素に対応する画像要素データのCGROM142における読出アドレス、データ量などを特定し、予告用転送コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS694〜S696)。VDP141では、例えば転送制御回路152が、予告用転送コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS408;Yes)、予告用転送制御処理を実行する(ステップS409)。この予告用転送制御処理では、予告用転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から読み出した画像要素データを、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおいて予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4のそれぞれに対応した画像要素データを一時記憶するための各領域に書き込んで一時記憶させる(図77のステップS481〜S485)。これにより、飾り図柄を可変表示中に予告演出表示が実行される以前に、予告A〜予告Dの各予告パターンに対応した演出画像を表示するための画像データが、CGROM142から読み出されることになる。もっとも、この時点では、各予告パターンで用いられる演出画像のそれぞれに対応した画像要素データが自動転送エリア155Bに一時記憶されるだけであり、フレームバッファメモリ156への書き込みは行われない。
具体的には、例えば図34に示すような自動転送エリア155Bにおける領域の設定に基づき、キャラクタ画像CH1を構成する各画素に対応する表示色データが、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+000000h〜+00FFFFhの領域に書き込まれて一時記憶される。キャラクタ画像CH2を構成する各画素に対応する表示色データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+010000h〜01FFFFhの領域に書き込まれて一時記憶される。キャラクタ画像CH3を構成する各画素に対応する表示色データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+020000h〜02FFFFhの領域に書き込まれて一時記憶される。キャラクタ画像CH4を構成する各画素に対応する表示色データは、自動転送エリア155Bにおける先頭アドレスSTADDからのオフセットが+030000h〜03FFFFhの領域に書き込まれて一時記憶される。
続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131がROM132から予告パターンに対応したアルファ値分布設定データを読み出し(図65のステップS697)、読み出されたアルファ値分布設定データに対応したアルファ値分布設定コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS698)。VDP141では、例えば描画回路154が、アルファ値分布設定コマンドを受信したことに応答して(図78のステップS506;Yes)、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおいて予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4のそれぞれに対応した画像要素データを一時記憶するための各領域内で、キャラクタ画像CH1〜CH4の各画素に対応してアルファ値設定データを書き込むことにより、各画素のアルファ値を設定する。このとき、予告演出表示における予告パターンとして選択されている予告パターンで用いられる演出画像を構成する各画素に対しては、アルファ値分布設定コマンドに含まれるデータにより指定されたアルファ値が設定される(図81のステップS562)。これに対して、予告演出表示における予告パターンとして選択されていない予告パターンで用いられる演出画像を構成する各画素に対しては、アルファテストが実行された場合に表示対象画素として読み出されることがないように、アルファ値が「0」であることを示すデータが設定される(ステップS563)。
この後、図66に示すステップS713にて操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、ステップS725の処理が実行されないことから、予告パターンで用いられる演出画像に対応した画像要素データがフレームバッファメモリ156に書き込まれることがない。そのため、例えば図85(A)及び(B)に示すように、予告演出表示における演出キャラクタや所定の背景画像といった予告演出画像の表示は行われない。その一方で、図66のステップS726にて予告終了タイミングとなった旨の判定が行われるまでは、ステップS729が実行されるごとに処理数Nが1ずつ加算されてゆくことになる。そして、ステップS713にて操作スイッチ40の操作が検出されたときに、処理数Nが段階表示上限値以下であれば(ステップ715;No)、予告演出表示における予告演出画像を段階的に表示するための処理が行われることになる。すなわち、ステップS719では、時間の経過に伴って1ずつ増大する処理数Nに対応して、図67に示すようにアルファ参照値を設定する。また、ステップS723にて比較関数を「参照値以上なら成立」に設定する。これとともに、ステップS724では図68に示すように、処理数Nに対応するフレームバッファメモリ156における書込先の先頭アドレスを設定する。処理数Nは、図66のステップS729が実行されるごとに1ずつ加算されることから、例えば予告開始タイミングから2秒後と5秒後とでは、処理数Nの値が異なっている。そして、ステップS724では、処理数Nに対応する書込先の先頭アドレスが設定されることにより、操作スイッチ40の操作が検出されたタイミング(予告開始タイミングからの経過時間)に応じて異なる表示位置から、予告演出表示における演出画像の段階的な表示が開始されることになる。これらの設定に基づき、CPU131がテスト実行コマンドを作成し、VDP141に送信する(ステップS725)。
VDP141では、例えば描画回路154が、自動転送エリア155Bに一時記憶されている各予告パターンに対応した画像要素データや、各画素に対応して一時記憶されているアルファ値分布設定データなどに基づき、演出制御用マイクロコンピュータ120から受信したテスト実行コマンドで示されたアルファ参照値以上のアルファ値が設定されていることで比較結果が「成立」となり表示条件を満たした画素を、画像表示装置5に表示させるものとしての表示対象画素に決定する(図82のステップS572)。そして、こうして決定された表示対象画素を、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bから読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことによりコピーして記憶させることで、表示用データの作成を行う(ステップS573)。これに対して、ステップS572にてアルファ参照値未満のアルファ値が設定されていることから比較結果が「成立」とはならずに表示条件を満たさなかった画素は、画像要素一時記憶メモリ155からは読み出されず、ステップS573にてフレームバッファメモリ156にコピーされることがない。その後、フレームバッファメモリ156に記憶されている表示用データが表示回路157により読み出され、読出データに対応した階調データが画像表示装置5に供給される。これにより、表示対象画素は画像表示装置5の画面上に表示させる一方で、表示対象画素ではない画素については画像表示装置5における画面上での表示を制限する。
ここで、ステップS573にて表示対象画素をフレームバッファメモリ156にコピーする際には、フレームバッファメモリ156における書込先のアドレスを、演出制御用マイクロコンピュータ120から送信されたテスト実行コマンドに含まれるデータで示される書込先の先頭アドレスに基づいて決定することができる。例えば描画回路154は、予告演出表示における演出画像内での表示対象画素の位置(具体的な一例として、演出画像内における表示対象画素の座標など)を特定し、その位置に対応するオフセットを、テスト実行コマンドにより通知された書込先の先頭アドレスに付加することにより、各表示対象画素に対応した表示色データをフレームバッファメモリ156に書き込んでコピーする際の書込アドレスを特定することができる。そして、フレームバッファメモリ156における書込先の先頭アドレスは、例えば図68に示すように、処理数Nに対応して設定される(図66のステップS724)。
このように、処理数Nに対応して設定されるアルファ参照値に基づき、比較結果が「成立」となり表示条件を満たした表示対象画素のみを、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bから読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことにより、画像表示装置5の表示領域内にて処理数Nに基づいて決定される表示位置に表示させるようにする。こうした制御によって、例えば図85(C)〜(F)に示すように、操作スイッチ40の操作がなされた旨の判定に対応して、キャラクタ画像CH1が時間の経過に伴って左から右へと移動しながら段階的に表示されることになる。このような段階表示が終了すると、図85(F)に示すように、キャラクタ画像CH1が完全に画像表示装置5の表示領域に表示されることになる。
こうして段階表示が終了するときには、段階表示中フラグが図66のステップS721にてクリアされてオフ状態になる。そのため、段階表示の終了後には、ステップS718にて段階表示中フラグがオフであると判定されることに対応して、ステップS722にてアルファ参照値が「0.01」に設定される。図31(C)に示すアルファ値分布設定データにおけるアルファ値の最小値は「0.01」であることから、段階表示の終了後には、キャラクタ画像CH1の表示画像を構成する各画素に対応したアルファ値が全てアルファ参照値以上となって表示条件を満たすことになり、表示対象画素としてフレームバッファメモリ156にコピーされる(図82のステップS572、S573)。また、図66のステップS724では、ステップS729が実行されるごとに1ずつ増加していく処理数Nに対応して、フレームバッファメモリ156における書込先の先頭アドレスが設定される。このような設定により、段階表示の終了後には、キャラクタ画像CH1が完全に表示された状態で、時間の経過に伴って画像表示装置5の表示領域内を右から左へと移動するように表示態様が変化することになる。その後、例えば図85(H)に示すように、画像表示装置5の表示領域内にて左端にキャラクタ画像CH1が移動した時点で、予告の終了タイミングである旨の判定がなされれば(図66のステップS726;Yes)、例えばステップS728にて予告用表示中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、背景画像の再描画を指令する表示制御指令を演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して送信することなどにより、予告演出表示における演出画像を消去させればよい。
表示結果がハズレとなる特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了した後に、あるいは、大当り遊技状態が終了した後に、可変表示の開始条件が成立しないために主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信されずにデモ表示待ち時間が経過すると(図60のステップS293;Yes)、画像表示装置5にて図61に例示するようなデモ画面表示を開始させるための設定が行われる(ステップS294)。こうしたデモ画面表示が開始されることに対応して、CPU131は、事前転送指令処理を実行する(ステップS296)。この事前転送指令処理により、事前転送設定テーブル211A、211Bのうちで演出モードフラグの値に対応したものから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。
このように、画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始という、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS404;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS405)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図75のステップS441〜S445)。
また、特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了する際には、CPU131によって可変表示回数カウント値が更新され(図64のステップS358)、この可変表示回数カウント値が事前転送実行判定値に達した場合には(ステップS359;Yes)、CPU131が事前転送指令処理を実行する(ステップS360)。この事前転送指令処理でも、事前転送設定テーブル211A、211Bのうちで演出モードフラグの値に対応したものから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。
このように、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したという、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS404;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS405)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図75のステップS441〜S445)。
その他にも、例えば大当り遊技状態への制御が開始されたことなどといった、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送を指令するようにしてもよい。
転送制御回路152は、CGROM142から読み出した画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aまたは自動転送エリア155Bに書き込むことによる画像要素データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル251の更新を行う。
例えば、事前転送コマンドに応じたCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへのデータ転送が完了した場合には(図75のステップS445;Yes)、固定アドレスエリア155Aへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録する(ステップS446)。
また、例えば、自動転送表示コマンドに応じたCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bへのデータ転送が完了した場合には(図76のステップS465;Yes)、自動転送エリア155Bへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録する(ステップS466)。こうしたインデックステーブル251の登録内容に基づいて、描画回路154は画像要素一時記憶メモリ155から画像要素データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かを判定することができる。
例えば、描画回路154は、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して、固定アドレスエリア155Aからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル251において「オン」となっているか否かを判定する(図79のステップS522)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS522;Yes)、描画回路154が固定アドレスエリア155Aから画像要素データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させることにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS523〜S526)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS522;No)、描画回路154が固定アドレスエリア155Aから画像要素データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで(ステップS527;No)、ステップS522の処理を繰り返し実行して待機する。この待機中には、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路154は、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して、自動転送エリア155Bからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル251において「オン」となっているか否かを判定する(図80のステップS542)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS542;Yes)、描画回路154が自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させることにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS543〜S547)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS542;No)、描画回路154が自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで(ステップS548;No)、ステップS542の処理を繰り返し実行して待機する。この待機中には、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データを用いた表示用データの作成が実行されない。
画像表示装置5において例えば図61に示すようなデモ画面の表示が開始された後に、操作スイッチ40における所定のスイッチ操作(例えば押下操作)の検出に対応して、操作スイッチ40から演出制御基板12に伝送される操作スイッチ信号がオン状態となった場合には(図60のステップS297;Yes)、演出モードフラグの値が“0”と“1”とで切り替えられる(ステップS298〜S300)。このように切替可能な演出モードフラグの値に基づき、例えばCPU131が図62のステップS338の処理を実行することなどにより、パチンコ遊技機1における演出動作内容が決定される。このステップS338の処理では、演出モードフラグの値が“0”であるか“1”であるかに対応して、図29(B)に示す演出制御パターンテーブル221A、221Bのいずれかを用いることにより、演出制御パターンの選択が行われる。このように、演出モードフラグの値を切り替えることにより、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を決定することができる。
そして、CPU131が図60に示すステップS298〜S300の処理により演出モードフラグの値を切り替えた場合には、ステップS301にて事前転送指令処理を実行する。この事前転送指令処理では、ステップS298〜S300の処理により切り替えられた演出モードフラグの値に対応して、事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。例えば、演出モードフラグの値が“1”から“0”へと切り替えられた場合には、切替後の演出モードフラグにより特定される第1の演出モード#1に対応して用意された事前転送設定テーブル211Aを用いて、事前転送コマンドが作成される。他方、演出モードフラグの値が“0”から“1”へと切り替えられた場合には、切替後の演出モードフラグにより特定される第2の演出モード#2に対応して用意された事前転送設定テーブル211Bを用いて、事前転送コマンドが作成される。
このように、演出モードフラグの値の切替によりパチンコ遊技機1における演出動作の態様が変更された場合には、変更後における演出動作の態様として決定された演出モードに対応して事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかを用いることにより、画像表示装置5において表示頻度が高くなるように設定された画像要素データが特定される。そして、このとき特定された画像要素データの転送を指令する事前転送コマンドが、CPU131によって作成されてVDP141へ送信されることになる。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図73のステップS404;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS405)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図75のステップS441〜S445)。
画像表示装置5では、飾り図柄の可変表示が開始された後に飾り図柄の総可変表示時間が経過した所定タイミングにて、「中」の可変表示部における飾り図柄の変動が終了することで、飾り図柄の可変表示が停止して、確定飾り図柄が導出表示されることになる。この実施の形態では、確変再抽選演出の実行がある場合には、図63に示すステップS325での判定結果に基づき(ステップS325;Yes)、通常大当り組合せの確定飾り図柄が決定されることになる(ステップS327)。そのため、図86(A)に示すように画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、図86(B)に示すように「左」及び「右」の各可変表示部に同一の通常図柄(例えば「2」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されることでリーチとなる。その後、図86(C)に示すように、「中」の可変表示部にも同一の通常図柄(例えば「2」の数字を示す飾り図柄)が停止表示される。こうして、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部には、同一の通常図柄が揃った通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることになる。
これに対して、可変表示結果の種類が「第1確変大当り」または「第2確変大当り」であり、なおかつ、確変再抽選演出の実行がない一方で有利開放再抽選演出の実行がある場合には、図63に示すステップS328での判定結果に基づき(ステップS328;Yes)、第1確変大当り組合せの確定飾り図柄が決定されることになる(ステップS330)。そのため、図86(D)に示すように画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、図86(E)に示すように「左」及び「右」の各可変表示部に同一の第1確変図柄(例えば「1」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されることでリーチとなる。その後、図86(F)に示すように、「中」の可変表示部にも同一の第1確変図柄(例えば「1」の数字を示す飾り図柄)が停止表示される。こうして、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部には、同一の第1確変図柄が揃った第1確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることになる。
また、可変表示結果の種類が「第2確変大当り」であり、なおかつ、確変再抽選演出の実行と有利開放再抽選演出の実行がいずれもない場合には、図63に示すステップS329での判定結果に基づき(ステップS329;No)、第2確変大当り組合せの確定飾り図柄が決定されることになる(ステップS331)。そのため、図86(G)に示すように画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、図86(H)に示すように「左」及び「右」の各可変表示部に同一の第2確変図柄(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されることでリーチとなる。その後、図86(I)に示すように、「中」の可変表示部にも同一の第2確変図柄(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示される。こうして、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部には、同一の第2確変図柄が揃った第2確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることになる。
確変再抽選演出の実行と有利開放再抽選演出の実行がいずれもある場合には、前述したように、飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。このときには、所定の大当り報知用画像を画像表示装置5に表示させることにより、遊技者等に大当りが発生したことを報知してもよい。これにより、パチンコ遊技機1は、遊技者等に飾り図柄の可変表示結果が通常大当りになったものと判断させることができる。
続いて、大当り遊技状態が開始された後、例えば最初のラウンドとなる第1ラウンドが開始されたことに応じて画像表示装置5に所定のラウンド数報知用の画像を表示させている期間中にて、確変再抽選演出を開始するための演出開始タイミングとなる(図71のステップS803;Yes)。これに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、ステップS804の処理を実行することで、確変再抽選演出における演出態様を決定する。例えば、可変表示結果の種類が「第2確変大当り」であることに基づき、確変再抽選演出の実行結果として導出表示する飾り図柄を第1確変図柄(例えば「1」の数字を示す飾り図柄)に決定する。また、所定の再抽選報知用画像を画像表示装置5に表示させることにより、確変再抽選演出が実行されることを遊技者等に報知してもよい。
そして、画像表示装置5では、例えば飾り図柄の可変表示結果として導出表示した確定飾り図柄を停止表示させた状態から、各可変表示部で飾り図柄を可変表示させる。この場合には、所定時間が経過したときに、確変再抽選演出の実行結果として第1大当り組合せの飾り図柄を導出表示させる。例えば、図71のステップS804にて決定した第1確変図柄(例えば「1」の数字を示す飾り図柄)を導出表示させればよい。このときには、所定の確変再抽選結果報知画像を画像表示装置5に表示させることにより、再抽選の結果として確変遊技状態に制御される旨を遊技者等に報知してもよい。
その後、例えば最終のラウンドとなる第15ラウンドが開始されたことに応じて所定のラウンド数報知用の画像を画像表示装置5に表示させている期間中にて、有利開放再抽選演出を開始するための演出開始タイミングとなる(図72のステップS823;Yes)。これに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、ステップS824の処理を実行することで、有利開放再抽選演出における演出態様を決定する。例えば、可変表示結果の種類が「第2確変大当り」であることに基づき、有利開放再抽選演出の実行結果として導出表示する飾り図柄を第2確変図柄(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)に決定する。また、所定の再抽選報知用画像を画像表示装置5に表示させることにより、有利開放再抽選演出が実行されることを遊技者等に報知してもよい。
そして、画像表示装置5では、例えば有利開放再抽選演出に対応した所定の演出画像を表示させる。この場合には、所定時間が経過したときに、有利開放再抽選演出の実行結果として第2確変図柄を導出表示させる。例えば、図72のステップS824にて決定した第2確変図柄(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)を導出表示させればよい。このときには、所定の有利開放再抽選結果報知画像を画像表示装置5に表示させることにより、再抽選の結果として第2確変遊技状態に制御される旨を遊技者等に報知してもよい。この後、大当り遊技状態が終了するときには、所定の大当り終了報知画像を画像表示装置5に表示させてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば飾り図柄が可変表示されている所定期間において、時間の経過に伴って演出画像の表示が変化する予告演出表示を実行可能であり、操作スイッチ40が操作されたことに対応して、予告演出表示において用いられるキャラクタ画像CH1〜CH4や所定の背景画像などといった演出画像を、段階的に表示させる。このように、予告演出表示における表示画像を、操作スイッチ40が操作されたことに対応して段階的に表示させることで、視覚的に斬新な予告演出表示が実行可能となり、図柄の可変表示中に実行される予告演出表示における演出効果を向上させることができる。また、操作スイッチ40が操作されたことに対応して所定期間において違和感なく予告演出表示を実行できる。さらに、予告演出表示を実行可能な予告表示期間にて操作スイッチ40の操作が検出される以前に、予告演出表示の開始タイミングとなったことに対応して、CGROM142から各予告パターンで用いられる演出画像を表示させるための画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155に転送する。その後、予告表示期間にて操作スイッチ40の操作が検出されたことに応じて、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶されている各画素に対応するアルファ値データが示すアルファ値と、アルファ参照値との比較結果から、表示対象画素のみをフレームバッファメモリ156にコピーするようにしている。そのため、操作スイッチ40が操作されてからCGROM142等から読み出す対象となる画像データを特定する必要がないので、予告演出表示における制御負担を軽減することができる。
また、CGROM142に記憶されている複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された演出画像に対応する画像要素データについては、例えば事前転送設定テーブル211Aに読出アドレス、書込アドレス、データ量を示すテーブルデータが格納され、CPU131が図56のステップS63にて事前転送指令処理を実行することで、事前に画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図73のステップS405にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。そして、CPU131が図65のステップS701にて各種更新対象指令処理を実行し、図69のステップS742における事前転送の対象となる画像要素であるとの判定結果に応じて、ステップS746にて固定アドレス指定表示コマンドが作成されてVDP141に送信される。VDP141では描画回路154が、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して図78のステップS503にて固定アドレス指定表示処理を実行することにより、固定アドレスエリア155Aの読出アドレスから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156における書込アドレスに書き込んで記憶させる。これにより、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、固定アドレスエリア155Aにおける読出アドレスを指定することで画像要素一時記憶メモリ155に事前に記憶されているデータを容易に再利用することができ、CGROM142から毎回読み出す必要がなくなるので、表示演出における制御負担を軽減することができる。
これに対して、CGROM142に記憶されている複数種類の画像要素データのうちで、例えば事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかに対応する読出アドレス、書込アドレス、データ量を示すテーブルデータが格納されていない画像要素データについては、CPU131が図65のステップS701にて各種更新対象指令処理を実行し、図69のステップS742における事前転送の対象となる画像要素ではないとの判定結果に応じて、ステップS750にて自動転送表示コマンドが作成されてVDP141に送信されることにより、CGROM142からフレームバッファメモリ156へと転送するよう指令される。自動転送表示コマンドを受信したVDP141では、転送制御回路152が、図73のステップS407にて自動転送制御処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送する。そして、描画回路154が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して図78のステップS505にて自動転送表示処理を実行することにより、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156における書込アドレスに書き込んで記憶させる。これにより、事前転送の対象とはならない画像要素データについては、CGROM142における読出アドレスと、フレームバッファメモリ156における書込アドレスとを指定すれば、自動転送エリア155Bにおける記憶アドレスを指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になるとともに、プログラム設計の負担を軽減することができる。
例えば画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始や、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したこと、あるいは大当り遊技状態への制御が開始されたことなどといった、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図73のステップS405にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。これにより、固定アドレスエリア155Aの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
また、VDP141の描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aまたは自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出す際に、インデックステーブル251にて対応する「転送完了フラグ」が「オン」に設定されているか否かに対応して、読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込むことによる表示用データの作成を実行するか否かの決定を行う。これにより、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aや自動転送エリア155Bに転送される画像要素データと、これらの固定アドレスエリア155Aや自動転送エリア155Bから読み出して表示用データの作成に利用する画像要素データとを整合させることが可能になる。そして、「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には、未だ転送が終わっていないことから、固定アドレスエリア155Aまたは自動転送エリア155Bからの画像要素データの読み出しを行わず、転送が完了していない画像要素データを用いて不完全な表示が行われることがないように制御する。こうして、適切な画像要素データを用いた表示演出を行うことができる。
CPU131が図60に示すステップS298〜S300の処理により演出モードフラグの値を切り替えた場合には、ステップS301にて事前転送指令処理を実行することで、変更後の演出モードに対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図73のステップS405にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。これにより、演出画像の表示態様に対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを変更可能となり、固定アドレスエリア155Aを有効に利用して表示演出における制御負担をさらに軽減することができる。
予告演出表示を実行可能な予告表示期間にて操作スイッチ40が操作された場合には、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶されている予告演出画像の各画素に対応するアルファ値データが示すアルファ値と、アルファ参照値との比較結果から、表示対象画素を読み出してフレームバッファメモリ156にコピーする一方で、表示対象画素ではない画素については、フレームバッファメモリ156にコピーしない。こうして、表示対象画素は画像表示装置5の画面上に表示させる一方で、表示対象画素ではない画素については画像表示装置5における画面上での表示を制限する。これにより、予告演出表示における演出キャラクタや所定の背景画像といった予告演出画像を段階的に表示させて、視覚的に斬新な予告演出表示が実行可能となり、識別情報の可変表示中に実行される予告演出表示における演出効果を向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115に記憶されている最優先割込み設定(KHPR)が「06h」、「07h」以外の値であるときには、シリアル通信回路118からのエラー割込み要求に基づく割込み処理が、シリアル通信回路118からの受信割込み要求や送信割込み要求に基づく割込み処理に比べて優先的に実行されることになる。そして、オーバーランエラーやノイズエラー、フレーミングエラー、パリティエラーなどといった、シリアル通信回路118でのエラー発生に対応したエラー割込み要求がCPU114に通知されると、例えばCPU114が図43に示すステップS31、S32の処理を実行してシリアル通信回路118が備える送信動作部302と受信動作部301を未使用状態に設定することなどにより、シリアル通信回路118でのシリアル通信動作を直ちに停止させることができる。これにより、シリアル通信での異常発生により誤った情報が伝送されることを防止できる。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドとなるコマンド80XXhにより確変再抽選演出を実行する旨の指定がなされた場合、表示結果通知#4〜#7のコマンド9004h〜9007hにより最終的な表示結果が確変大当り(第1確変大当りと第2確変大当りのいずれか)に指定されていても、飾り図柄の可変表示では、例えば飾り図柄のうちで「2」、「4」、「6」、「8」の数字を示す通常図柄のいずれか1つを用いることなどにより、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示させる。これにより、飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなって確変遊技状態に制御されることを特定可能に報知した後に、さらに確変再抽選演出が実行されるといった不都合を防止することができる。
また、CPU131は、表示結果通知#6のコマンド9006hにより有利開放再抽選演出を実行する旨の指定がなされた場合、最終的な表示結果が第2確変大当りに指定されていても、飾り図柄の可変表示では、通常大当り組合せ、または、第1確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示させる。これにより、飾り図柄の可変表示結果が第2確変大当りとなって第2確変遊技状態に制御されることを特定可能に報知した後に、さらに有利開放再抽選演出が実行されるといった不都合を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU114は、電力供給が開始されると、例えば図41に示すステップS16にて乱数初期設定処理を実行することにより、乱数回路113に大当り判定用の乱数値MR1となる乱数を発生させるための設定を行う。その後、CPU114がステップS19の処理を実行することなどによって、割込み許可状態に設定される。そして、ステップS16では、例えば図42に示すような処理が乱数初期設定処理として実行されて、ステップS101にてROM115から読み出した乱数初期設定データ(KRSS)に基づきステップS103にて起動時スタート値の設定を特定する。このとき特定された設定がデフォルト値の設定ではない場合には、ステップS106の処理を実行することにより、乱数回路113により生成される乱数値における1周目のスタート値である起動時スタート値を、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づいて決定する。これにより、電力供給が開始された後に更新が開始される乱数の初期値を、複数のパチンコ遊技機1でそれぞれ異ならせることができ、このようにして生成される乱数値を大当り判定用の乱数値MR1として用いて特別図柄表示装置4による特図ゲームなどにおける可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定を行うことで、乱数のランダム性を高めて不正に大当りが発生させられてしまうことを防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶されている予告演出画像の各画素に対応するアルファ値データが示すアルファ値と、アルファ参照値との比較結果から、表示対象画素を決定し、表示対象画素のみについて表示色データを読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことで、予告演出画像を時間の経過に伴って段階的に表示させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告演出画像を時間の経過に伴って段階的に表示可能とする任意の構成を備えるものであればよい。具体的な一例として、予告演出画像と背景画像などといった予告演出画像以外の演出画像とを順次合成することにより、時間の経過に伴って予告演出画像を段階的に表示させるようにしてもよい。以下では、この一例における構成及び動作(作用)について説明する。
この場合、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、予告演出画像と予告演出画像以外の演出画像とを合成して2つの演出画像が重なり合った合成画像を生成する際における、各演出画像のブレンド率を定義するブレンド率データなどから構成されるブレンド率データテーブルを予め用意しておく。ブレンド率データテーブルの具体的な一例として、図87(A)に示すブレンド率Aテーブル231Aと、図87(B)に示すブレンド率Bテーブル231Bとが、ROM132の所定領域に記憶されていればよい。
ブレンド率Aテーブル231Aとブレンド率Bテーブル231Bには、合成画像の生成を開始してからの経過時間に対応して1ずつ増加する処理数N(N=K、K+1、…、K+50)を示すデータと、ブレンド率を示すデータとしてのブレンド率データとが、対応付けて記憶されている。ブレンド率Aテーブル231Aに記憶されているブレンド率データは、時間の経過に伴って、ブレンド率を「1」から「0」へと順次低下させて行く制御データである。ブレンド率Bテーブル231Bに記憶されているブレンド率データは、時間の経過に伴って、ブレンド率を「0」から「1」へと順次向上させて行く制御データである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131からVDP141に対して送信される表示制御指令として、アルファ合成コマンドとなる所定の制御指令を予め用意(定義)しておく。アルファ合成コマンドは、アルファ合成による画像処理を指令するためのコマンドである。ここで、アルファ合成を実行した場合には、複数の演出画像が各画像に対応したブレンド率で合成されて各演出画像が重なり合った合成画像が生成される。例えば、アルファ合成コマンドは、表示対象の演出画像、ブレンド率の設定などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
以上のような構成において、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、図65に示すステップS696の処理を実行してVDP141に予告用転送コマンドを送信した後に、ステップS697、S698の処理は実行せず、ステップS699の処理に進んで処理数Nを初期値「0」とする初期設定を行うようにすればよい。そして、ステップS700の予告表示指令処理として、図66のフローチャートに示すような処理に代えて、図88のフローチャートに示すような処理を実行する。
図88に示す処理では、図66のステップS711と同様にして、予告用表示更新タイミングとなったか否かを判定する(ステップS781)。このとき、予告用表示更新タイミングではないと判定されれば(ステップS781;No)、そのまま予告表示指令処理を終了する。ステップS781にて予告用表示更新タイミングである場合には(ステップS781;Yes)、図66のステップS712と同様にして、予告用表示中フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS782)、オフであれば(ステップS782;No)、図66のステップS713と同様にして、操作スイッチ40の操作があったか否かを判定する(ステップS783)。そして、操作スイッチ40の操作があれば(ステップS783;Yes)、図66のステップS714、S715と同様に、予告用表示中フラグをオン状態にセットした後(ステップS784)、処理数Nが段階表示上限値以下であるか否かを判定する(ステップS785)。
ステップS785にて処理数Nが段階表示上限値以下である場合には(ステップS785;Yes)、図66のステップS716、S717と同様に、段階表示中フラグをオン状態にセットした後(ステップS786)、処理判定値Kに処理数Nの値を代入する(ステップS787)。ステップS782にて予告用表示中フラグがオンである場合や(ステップS782;Yes)、ステップS785にて処理数Nが段階表示上限値よりも大きい場合(ステップS785;No)、あるいはステップS787の処理を実行した後には、図66のステップS718と同様にして、段階表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS788)。
ステップS788にて段階表示中フラグがオンである場合には(ステップS788;Yes)、処理数Nに対応したブレンド率データの読み出しを行う(ステップS789)。例えば、ステップS789においてCPU131は、演出モードフラグの値が“0”であり、予告Aの予告パターンによる予告演出が実行される場合に、予告演出画像以外の演出画像であって予告演出画像となるキャラクタ画像CH1と合成される演出画像について、処理数Nに対応したブレンド率を示すブレンド率データを、図87(A)に示すブレンド率Aテーブル231Aから読み出す。ここで、キャラクタ画像CH1と合成される演出画像としては、処理数Nに対応して決定されるキャラクタ画像CH1の表示位置と同じ位置に表示される背景画像などが特定されればよい。また、CPU131は、予告演出画像となるキャラクタ画像CH1について、処理数Nに対応したブレンド率データを、図87(B)に示すブレンド率Bテーブル231Bから読み出す。
ステップS789の処理を実行した後には、図66に示すステップS720と同様にして、処理数Nが処理判定値Kに「50」を加算した値と等しくなっているか否かを判定し(ステップS790)、等しくなっていれば(ステップS790;Yes)、図66に示すステップS721と同様に、段階表示中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS791)。また、ステップS788にて段階表示中フラグがオフである場合には(ステップS788;No)、予告演出画像のブレンド率を「1」に設定するとともに、予告演出画像以外の演出画像のブレンド率を「0」に設定する(ステップS792)。
ステップS790にて処理数Nが処理判定値Kに「50」を加算した値とは異なっている場合や(ステップS790;No)、ステップS791、S792の処理のいずれかを実行した後には、予告演出画像と予告演出画像以外の演出画像といった合成される2つの演出画像を特定するための情報(例えば各演出画像の画像番号など)や、ステップS789あるいはステップS792にて設定した各演出画像のブレンド率などに基づき、アルファ合成コマンドを作成し、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS794)。
ステップS783にて操作スイッチ40の操作がない場合や(ステップS783;No)、ステップS794の処理を実行した後には、図66に示すステップS726〜S729と同様の処理を実行する。すなわち、予告の終了タイミングとなったか否かを判定し(ステップS795)、予告の終了タイミングである場合には(ステップS795;Yes)、予告用表示中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS796)。このとき予告用表示中フラグがオフであれば(ステップS796;No)、予告演出用描画処理を終了する。これに対して、予告用表示中フラグがオンであれば(ステップS796;Yes)、予告用表示中フラグをクリアしてオフ状態にしてから(ステップS797)、予告演出用描画処理を終了する。また、ステップS795にて予告の終了タイミングではない場合には(ステップS795;No)、処理数Nを1加算してから(ステップS798)、予告表示指令処理を終了する。
以上のような予告表示指令処理を実行することにより、例えば演出モードフラグの値が“0”であり、予告Aの予告パターンによる予告演出が実行される場合には、図89に示すように、予告演出画像となるキャラクタ画像CH1については図87(B)に示すブレンド率Bテーブル231Bを参照して処理数Nに対応したブレンド率を決定することで、そのブレンド率が時間の経過に伴って「0」から「1」へと直線的に向上していく。その一方で、予告演出画像以外の演出画像となる背景画像については図87(A)に示すブレンド率Aテーブル231Aを参照して処理数Nに対応したブレンド率を決定することで、そのブレンド率が時間の経過に伴って「1」から「0」へと直線的に低下していく。
表示制御部121が備えるVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ合成コマンドを受信したことに応答して、例えば描画回路154が図90のフローチャートに示すようなアルファ合成処理を実行する。このアルファ合成処理においては、まず、予告演出画像以外の演出画像を示す画像要素データについて、アルファ合成コマンドに含まれるデータから特定されるブレンド率に対応したアルファ値の設定を行う(ステップS851)。例えば、描画回路154は、アルファ合成コマンドに含まれるデータに基づいて特定したブレンド率を予告演出画像以外の演出画像の各画素におけるアルファ値として、画像要素一時記憶メモリ155における各画素に対応したアドレスに書き込む。
続いて、描画回路154は、予告演出画像となる演出キャラクタや所定の背景画像を示す画像要素データについて、アルファ合成コマンドに含まれるデータから特定されるブレンド率に対応したアルファ値の設定を行う(ステップS852)。例えば、描画回路154は、アルファ合成コマンドに含まれるデータに基づいて特定したブレンド率を、アルファ合成コマンドにより指定された予告演出画像の各画素におけるアルファ値として、画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける各画素に対応したアドレスに書き込む。
この後、描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155に記憶されている予告演出画像と予告演出画像以外の演出画像における表示色データや、ステップS851、S852にて設定したアルファ値などに基づき、合成画像における各画素に対応した画素値を特定し、特定された画素値を示す表示色データを生成する(ステップS853)。例えば、ステップS853の処理において、予告演出画像以外の演出画像についてステップS851にて設定したアルファ値をα1、予告演出画像についてステップS852にて設定したアルファ値をα2として、各画素の表示色を示す画素値を、(予告演出画像以外の演出画像における画素値)×α1+(予告演出画像における画素値)×α2との演算を実行することなどにより特定する。描画回路154は、こうして特定された各画素値をフレームバッファメモリ156に書き込むことなどにより、2つの演出画像が重なり合った合成画像を示す表示用データを作成する(ステップS854)。
こうしてフレームバッファメモリ156に書き込まれたデータは、表示回路157によって読み出され、階調データに変換されるなどして画像表示装置5に出力される。これにより、予告演出画像と予告演出画像以外の演出画像といった2つの演出画像が重なり合った合成画像が、画像表示装置5の画面上に表示されることになる。そして、予告演出表示を実行可能な予告表示期間にて操作スイッチ40が操作された場合には、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶されている予告演出画像の各画素に対応するアルファ値と、予告演出画像以外の演出画像における各画素に対応するアルファ値とを、図89に示すように時間の経過に伴って変化するブレンド率に基づいて設定することで、予告演出表示における演出キャラクタや所定の背景画像といった予告演出画像を段階的に表示させる。これにより、視覚的に斬新な予告演出表示が実行可能となり、識別情報の可変表示中に実行される予告演出表示における演出効果を向上させることができる。
上記実施の形態では、図31(C)に示すような最小値「0.01」から最大値「0.99」までのアルファ値を一様に分布させるアルファ値分布設定データを用いて、各キャラクタ画像CH1〜CH4や各背景画像といった予告演出画像の全体を一様に、時間の経過に伴って段階的に表示させるものとして説明した。これに対して、図31(C)に示すようなアルファ値の分布を示すアルファ値分布設定データとは異なるアルファ値の分布を示すデータを記憶させておき、そのデータに対応して各飾り図柄の表示画像を構成する各画素のアルファ値を設定するようにしてもよい。このようなデータを用いることにより、予告演出画像を時間の経過に伴って当該画像内の所定位置から所定方向へと段階的に表示させるようにしてもよい。例えば、予告演出画像を時間の経過に伴って当該表示画像内の右端より左端へと段階的に表示させてもよいし、左端より右端へと段階的に表示させてもよいし、上端より下端へと段階的に表示させてもよいし、下端から上端へと段階的に表示させてもよい。あるいは、中心部より外縁部へと段階的に表示させてもよいし、外縁部から中心部へと段階的に表示させてもよい。さらには、0時の位置より時計回りの方向へと段階的に表示させてもよいし、0時の位置より反時計回りの方向へと段階的に表示させるようにしてもよい。このようにしても、視覚的に斬新な表示図柄の可変表示が実行可能となり、図柄の可変表示における演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、転送制御回路152が演出制御用マイクロコンピュータ120からの予告用転送コマンドを受信したことに応答して、図77に示す予告用転送制御処理を実行することにより、予告演出画像に対応した画像要素データを、CGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送して一時記憶させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告表示期間にて予告演出画像の表示が開始される以前に各予告演出画像に対応した画像要素データをCGROM142から読み出すことが可能な任意の構成を備えるものであればよい。例えば、予告演出画像に対応した画像要素データを事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかに登録しておくことなどにより、予告表示期間にて予告演出画像の表示が開始される以前に、予告演出画像に対応した画像要素データをCGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送して一時記憶させるようにしてもよい。
あるいは、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であるか第2の演出モード#2であるかに対応して予め用意された複数種類の予告演出画像のうち、一部の予告演出画像に対応した画像要素データについては事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかに登録する一方で、他の予告演出画像に対応した画像要素データについては事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれにも登録しないようにしてもよい。例えば、第1の演出モード#1における予告A、予告Bの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH1、CH2を示す画像要素データについては、事前転送設定テーブル211Aに登録しておく一方で、予告C、予告Dの各予告パターンで用いられるキャラクタ画像CH3、CH4を示す画像要素データについては、事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれにも登録しない。ここで、キャラクタ画像CH1、CH2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に、予告Cや予告Dに比べて高い確率で実行される予告A、予告Bにて用いられる画像であり、低い確率で実行される予告C、予告Dにて用いられるキャラクタ画像CH3、CH4に比べて、高い頻度で画像表示装置5の画面上に表示されることになる。
このように画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにも予告演出画像に対応した画像要素データが転送されて一時記憶される場合には、例えば描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンドを受信したことに応答して図81のフローチャートに示すようなアルファ値設定処理を実行する際に、固定アドレスエリア155Aに一時記憶されている画像要素データについても、アルファ値の設定を行うようにすればよい。また、例えば描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのテスト実行コマンドを受信したことに応答して図82のフローチャートに示すようなアルファテスト処理を実行する際には、固定アドレスエリア155Aに一時記憶されている画像要素データについても、アルファ値とアルファ参照値との比較結果に基づく表示対象画素の特定などを行うようにすればよい。さらに、例えば描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ合成コマンドを受信したことに応答して図90のフローチャートに示すようなアルファ合成処理を実行する際には、固定アドレスエリア155Aに一時記憶されている画像要素データについても、アルファ合成コマンドにより通知された府ブレンド率に対応したアルファ値の設定や、予告演出画像以外の演出画像との合成画像における画素値の特定などを行うようにすればよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120にてCPU131が図65に示すステップS693の処理を実行して予告A〜予告Dの各予告パターンで用いられる演出画像に対応した画像要素を特定し、その画像要素に応じた予告用転送コマンドをステップS696にてVDP141に対して送信する。そして、転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの予告用転送コマンドを受信したことに応答して、図77に示す予告用転送制御処理を実行することにより、予告表示期間にて予告演出画像の表示が開始される以前に各予告演出画像に対応した画像要素データをCGROM142から読み出すことができるようにするものとしている。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告表示期間にて実行される予告の種類に対応した画像要素データのみを、予告演出画像の表示が開始される以前にCGROM142から読み出すことができるようにしてもよい。この場合には、図65のステップS693において、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって実行される予告の種類を特定し、その予告の種類に対応した予告用転送コマンドをステップS696にてVDP141に対して送信する。そして、転送制御回路152は、図77に示す予告用転送制御処理と同様の処理を実行して、予告用転送コマンドにて示された予告の種類に対応した画像要素データのみをCGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155に転送すればよい。
また、上記実施の形態では、例えば図66に示すステップS729の処理が実行されるごとに1ずつ加算される処理数Nに対応して、ステップS719にてアルファ参照値を設定することで、予告表示期間において操作スイッチ40の操作が1回検出された後には、時間の経過に伴って予告演出画像を段階的に表示させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば操作スイッチ40の操作が検出されるごとにアルファ参照値を更新することにより、操作スイッチ40の操作回数に応じて予告演出画像を段階的に表示させるようにしてもよい。この場合には、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部などに、予告表示期間における操作スイッチ40の操作回数をカウントするための操作回数カウンタを設けておく。そして、図66に示すステップS711にて予告用表示更新タイミングであると判定された場合には、ステップS712の処理を実行せずに、ステップS712の処理に進んで操作スイッチ40の操作があったか否かを判定する。このとき、操作スイッチ40の操作があれば、操作回数カウンタの値である操作回数カウント値を1加算するなどして更新する。そして、ステップS719の処理では、操作回数カウント値に対応して予告演出画像を段階的に表示させるように、アルファ参照値の設定を行えばよい。
あるいは、図88に示すステップS781にて予告用表示更新タイミングであると判定された場合には、ステップS782の処理を実行せずに、ステップS783の処理に進んで操作スイッチ40の操作があったか否かを判定するようにしてもよい。このとき、操作スイッチ40の操作があれば、操作回数カウント値を1加算するなどして更新する。そして、ステップS789の処理では、操作回数カウント値に対応して予告演出画像を段階的に表示させるように、ブレンド率の設定を行えばよい。
上記実施の形態では、例えば図34に示すように、自動転送エリア155Bにおける予め定められたアドレスの領域に、各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データを一時記憶するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、自動転送エリア155Bにてアドレスを固定せずに、各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データを一時記憶するようにしてもよい。この場合、例えば転送制御回路152は、図77のステップS482にて自動転送エリア155Bにおける書込アドレスを特定する際に、自動転送エリア155Bにおける空き領域の先頭から順次に、キャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データの書込アドレスを特定し、空き領域がなくなった場合には、自動転送エリア155Bの先頭から順次に、書込アドレスの特定を行うようにすればよい。そして、空き領域がない場合には、ステップS482にて特定した書込アドレスに画像要素データを上書きすることや、一旦クリアしてから画像要素データを書き込むことにより、自動転送エリア155Bに各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データを一時記憶させるようにすればよい。このようにして自動転送エリア155Bに各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データを一時記憶させた際には、図76に示す自動転送制御処理にて画像要素データを転送した場合と同様に、自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを描画回路154に通知して、描画回路154により画像要素データを読出可能としてもよい。あるいは、キャラクタ画像や背景画像などに対応する画像要素データの自動転送エリア155Bにおける記憶アドレスを、各画像要素データの識別情報(例えば各キャラクタ画像や各背景画像に付された画像番号や、CGROM142における各画像要素データの記憶アドレスなど)と対応付けて、所定の識別情報テーブルに格納してもよい。そして、描画回路154が各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データを自動転送エリア155Bから読み出す際には、その画像要素データの識別情報と対応付けられた記憶アドレスを、識別情報テーブルから読み出して特定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、転送制御回路152が演出制御用マイクロコンピュータ120からの予告用転送コマンドを受信したことに応答して、図73に示すステップS409にて予告用転送制御処理を実行することにより、各予告演出画像に対応した画像要素データをCGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送する。その後、描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンドを受信したことに応答して、図78に示すステップS507にてアルファ値設定処理を実行することにより、自動転送エリア155Bに一時記憶されている画像要素データに対して各画素のアルファ値を設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば、描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンドを受信したことに応答して、各予告演出画像に対応した画像要素データをフレームバッファメモリ156の所定領域(例えば描画用バッファ領域など)に書き込んだ後に、各画素のアルファ値を設定するようにしてもよい。この場合、描画回路154は、例えば図78に示すステップS509にて実行するアルファテスト処理において、比較結果が「成立」となった表示対象画素をフレームバッファメモリ156の描画用バッファ領域から読み出して表示用バッファ領域に書き込んで記憶させる一方で、比較結果が「成立」とはならない表示対象画素以外の画素については、描画用バッファ領域からの読み出しを行わずに表示用バッファ領域への書き込みを制限するようにしてもよい。そして、表示回路157は、表示用バッファ領域に記憶されている表示用データを読み出し、階調データに変換するなどして画像表示装置5への出力を行うようにすればよい。
あるいは、転送制御回路152が、演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンドを受信したことに応答して、図78に示すステップS507と同様のアルファ値設定処理を実行することにより、自動転送エリア155Bに一時記憶させた画像要素データに対して各画素のアルファ値を設定するようにしてもよい。もしくは、各予告パターンで用いられるキャラクタ画像や背景画像などに対応した画像要素データとアルファ値分布設定データを組み合わせてCGROM142に記憶しておき、転送制御回路152が演出制御用マイクロコンピュータ120からの予告用転送コマンドを受信したことに応答して図73に示すステップS409にて予告用転送制御処理を実行する際に、各画像要素データとともにアルファ値分布設定データもCGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送することにより、画像要素データの転送とともに各画素のアルファ値の設定も行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121が備えるVDP141に対して、固定アドレス指定表示コマンドと自動転送表示コマンドとを区別して送信するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出制御用マイクロコンピュータ120がVDP141に対して画像要素データをフレームバッファメモリ156へと書き込むことによる画像要素の表示を指示する任意の指令が送られるものであればよい。例えば、VDP141には、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令があったことを示す表示制御指令レジスタと、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155AまたはCGROM142からの読出対象となる画像要素データの読出アドレスが格納される読出アドレスレジスタとを設けておく。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、図69に示すステップS746、S750の処理において、VDP141が備える表示制御指令レジスタの記憶データをオン状態であることを示すデータに書き換えるとともに、画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155AまたはCGROM142の読出アドレスを、VDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むようにする。また、これらの処理においては、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスや、画像要素データのデータ量なども、VDP141に通知すればよい。
この場合、VDP141では、表示制御指令レジスタの記憶データがオン状態であることを示すデータに書き換えられたことに応答して、読出アドレスレジスタの記憶データを読み出し、その読出データに示されるアドレスが画像要素一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに含まれるアドレスであるか否かの判定を行う。このとき、固定アドレスエリア155Aに含まれるアドレスであれば、描画回路154が図78のステップS502にて固定アドレス指定表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS503の固定アドレス指定表示処理と同様の処理を実行することで、読出アドレスレジスタからの読出データに基づいて特定される画像要素データを固定アドレスエリア155Aから読み出し、フレームバッファメモリ156に書き込むことができる。また、読出アドレスレジスタからの読出データに示されるアドレスが固定アドレスエリア155A以外のアドレスである場合には、転送制御回路152が図73のステップS406にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS407の自動転送制御処理と同様の処理を実行し、また、描画回路154が図78のステップS504にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS505の自動転送表示処理と同様の処理を実行すればよい。これらの処理が実行されることで、読出アドレスレジスタからの読出データに基づいて特定される画像要素データを転送制御回路152がCGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに書き込んだ上で、この画像要素データを描画回路154が自動転送エリア155Bから読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことができる。
以上のようにして、VDP141が読出アドレスレジスタからの読出データに示されるアドレスに基づいて、画像要素データを固定アドレスエリア155Aから読み出すかCGROM142から読み出すかを決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131の側において、例えば図69のステップS742の処理のように、事前転送の対象となる画像要素であるか否かの判定を行わずに、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに基づいて特定した読出アドレスを、VDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むようにすればよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131の側では、固定アドレス指定表示コマンドに相当する表示制御指令を送信するか自動転送表示コマンドに相当する表示制御指令を送信するかを区別せずに、表示制御データなどに基づいて特定された読出アドレスをVDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むという、同種の処理が実行されればよい。
上記実施の形態では、図80に示すステップS545にて描画が完了したと判定された場合に、ステップS547にて転送完了フラグをクリアすることで、自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データの再利用は行わないようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データを再利用できるようにしてもよい。例えば、VDP141には、自動転送エリア155Bに一時記憶されている各々の画像要素データの使用頻度を特定するための使用回数カウンタを設けておく。
この場合、転送制御回路152は、図73のステップS406にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合にステップS407にて実行する自動転送制御処理において、例えば図76に示すステップS461の処理を実行することによりCGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定した後、このアドレスから読み出される画像要素データが、インデックステーブル251に登録されているかを照合する。そして、インデックステーブル251に登録されていれば、図76に示すステップS462〜S446のような処理は実行せずに、インデックステーブル251から特定される自動転送エリア155Bにおける画像要素データの記憶アドレスを、描画回路154に通知すればよい。このときには、対応する使用回数カウンタの値を、例えば1加算するなどして更新する。
これに対して、ステップS461にて読出アドレスを特定した画像要素データがインデックステーブル251に登録されていない場合には、ステップS462と同様にして自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを特定する。このとき、自動転送エリア155Bに空き領域がなければ、例えば使用回数カウンタのカウント値が所定値以下である画像要素データの記憶領域を特定し、その記憶領域に画像要素データを上書きするように、書込アドレスの特定を行えばよい。そして、上書きにより消去された画像要素データに対応してインデックステーブル251に格納されている「転送完了フラグ」は「オフ」に設定するとともに、「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータは消去すればよい。また、上書きにより消去された画像要素データに対応する使用回数カウンタは初期化すればよい。
なお、上書きにより消去する画像要素データの特定方法は、使用回数カウンタの値が所定値以下であるものを特定する方法に限定されず、例えば自動転送エリア155Bに書き込まれたタイミングが古いものを特定する方法などといった、任意の方法を用いることができる。また、使用回数カウンタの値を更新するタイミングは、転送制御回路152により画像要素データがインデックステーブル251に登録されていることを特定したタイミングに限定されず、例えば描画回路154によりフレームバッファメモリ156への書き込みが完了したタイミングなどであってもよい。
また、画像表示装置5の画面上に、各種画像の表示が行われる表示領域と、画像表示が行われない非表示領域とが設けられる場合には、フレームバッファメモリ156において非表示領域に対応した記憶位置に画像要素データが書き込まれることを制限するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5における画面の背面部分に特別図柄表示装置4の表示部が配置される場合や、画像表示装置5における画面の前面部分に装飾部材が配置される場合には、特別図柄表示装置4の前面部分や、装飾部材の背面部分などには、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(例えば偏光板など)、液晶を制御する回路などを設けないようにして、物理的に画像を表示せずに透明なままの非表示領域とする。他方、表示領域の裏面には、例えば背後から表示領域を照射するバックライトや、パチンコ遊技機1の内部を隠蔽する隠蔽部材などを設けるようにすればよい。この場合、フレームバッファメモリ156では、アドレス管理を容易にするために、表示用データを記憶するエリアにおいて、画像表示装置5の画面上における表示領域のみならず非表示領域に対しても、アドレスが割り当てられている。
以上のような構成において、例えば描画回路154は、図79に示すステップS523、S526の処理のいずれかを実行した後や、図80に示すステップS543、S546の処理のいずれかを実行した後に、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う。より具体的には、固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンドに含まれるデータから特定された書込アドレス、あるいは図79に示すステップS526の処理結果や図80に示すステップS546の処理結果から特定された書込アドレスが、フレームバッファメモリ156にて画像表示装置5の画面上における非表示領域に割り当てられたアドレスと合致するか否かを判定し、合致する場合には、書込先が非表示領域になると判断する。そして、書込先が非表示領域となる場合には、図79に示すステップS524の処理や図80に示すステップS544の処理のような画像要素データの読み出し及び書き込みを行わずに、ステップS525の処理やステップS545の処理に進むようにする。このようにして、描画回路154は、固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンドを受信していても、図79に示すステップS524の処理や図80に示すステップS544の処理を行わないようにすることにより、フレームバッファメモリ156に対する画像要素データの書き込みを制限する。これにより、画像表示装置5の画面上における非表示領域に対応して割り当てられたフレームバッファメモリ156のアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。
あるいは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の側において、書込先が非表示領域となる場合におけるフレームバッファメモリ156への書き込みを制限するための処理を実行するようにしてもよい。この場合、例えばCPU131が図69に示すステップS744やステップS748にてフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する際に、ステップS741にて特定された表示を更新する対象となる画像要素の配置が、画像表示装置5の画面上における非表示領域に対応した配置を含んでいるか否かを判定する。例えば、CPU131は、演出制御パターンから読み出した表示制御データから画像表示装置5の画面上における画像要素の表示位置(例えば表示座標)を特定し、表示対象となる画像要素のサイズ(例えば幅や高さなど)から、画像要素の少なくとも一部が非表示領域内に配置されるか否かを判定する。そして、画像要素の少なくとも一部が非表示領域内に配置される場合には、非表示領域5Bに対応した配置を含んでいると判断する。
そして、非表示領域に対応した配置を含んでいないと判定された場合には、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスとして、表示対象の画像要素の全体を画像表示装置5の画面上に表示させるためのアドレスを設定してから、ステップS745やステップS749の処理に進む。例えば、CPU131は、表示対象の画像要素を構成する全ての画素についてフレームバッファメモリ156における書込アドレスを指定することで、画像要素の全体を画像表示装置5の画面上に表示させるようにする。これに対して、非表示領域に対応した配置を含んでいると判定された場合には、その画像要素の全体が非表示領域内に配置されるのか、一部が非表示領域内に配置されるのかを判定する。このとき、一部が非表示領域内に配置されて全体が非表示領域内に配置される訳ではないと判定した場合には、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスとして、非表示領域に対応する書込先を除外したアドレスを設定してから、ステップS745やステップS749の処理に進む。例えば、CPU131は、表示対象の画像要素を構成する各画素についてフレームバッファメモリ156における書込アドレスを特定し、その書込アドレスのうちで非表示領域に割り当てられたアドレスを除外することで、表示領域に割り当てられたアドレスのみがVDP141に通知されるように設定する。また、画像要素の全体が非表示領域に配置されると判定した場合には、ステップS751の処理に進む。これにより、画像要素の全体が非表示領域に配置される場合には、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスが設定されず、VDP141への転送表示コマンドの送信も行われないことになる。
このようにして、CPU131は、画像要素の配置が非表示領域に対応した配置を含んでいるか否かの判定を行う。そして、非表示領域に対応した配置を含んでいる場合には、非表示領域に対応する書込先を除外した書込アドレスを設定したり、書込アドレスの設定を行わないようにすることで、フレームバッファメモリ156に対する画像要素データの書き込みを制限する。これにより、画像表示装置5の画面上における非表示領域に対応して割り当てられたフレームバッファメモリ156のアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。
上記実施の形態では、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が、主基板11からの可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンドに基づいて、CPU131が各演出を開始するための演出開始タイミングに達したことを検出したときに開始されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、主基板11からの大当り開始コマンドや大当り終了コマンドなどといった、任意の演出制御コマンドに基づいて、CPU131が各演出を開始するための演出開始タイミングに達したことを検出したときに開始されるようにしてもよい。あるいは、主基板11から確変再抽選演出開始コマンドや有利開放再抽選演出開始コマンドを送信し、演出制御基板12の側にてこれらのコマンドを受信したタイミングにて、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出がそれぞれ開始されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態中に主基板11から演出制御基板12に対して送信される大当りラウンド数通知コマンドや、ラウンド遊技終了コマンドなどを受信したときに、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行されるようにしてもよい。ここで、ラウンド遊技終了コマンドは、ラウンド遊技が終了したことを示すものである。このようにする場合には、大当りラウンド数指示コマンド及びラウンド遊技終了コマンドを、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出の実行の有無を示すようなものとすればよい。そして、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行されるラウンドでは、主基板11の側において、例えばCPU114がラウンドでの演出時間を、これらの演出が実行されない場合に比べて長くするように、遊技制御タイマにおけるタイマ値などの初期設定を行うようにする。また、演出制御基板12の側では、例えばCPU131がラウンドでの演出時間を、これらの演出が実行されない場合に比べて長くするように、演出制御タイマにおけるタイマ値などの初期設定を行うようにする。例えば、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行されないラウンドでは、演出時間が「5秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。これに対して、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行されるラウンドでは、演出時間が「10秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。
また、可変表示開始コマンドが有利開放再抽選演出を実行するか否かを示すEXTデータを含むようにして、表示結果通知コマンドが確変再抽選演出を実行するか否かを示すEXTデータを含むようにしてもよい。この場合には、例えば図49に示すステップS639、S642、あるいは図50に示すステップS648の処理を実行した後に、図14(A)に示す確変再抽選実行判定テーブル185を設定し、乱数回路113等により更新される確変再抽選演出実行判定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。そして、乱数値MR5に基づき確変再抽選実行判定テーブル185を参照して、演出実行判定値データと合致するか否かの判定結果や、ステップS639、S642、S648での決定結果に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることで、確変再抽選演出を実行するか否かを示す表示結果通知コマンドの送信を行うようにすればよい。さらに、図51に示すステップS671の処理において大当りフラグがオンであると判定された場合には、ステップS672〜S674の処理に代えて、図14(B)に示す有利開放再抽選実行判定テーブル186を設定し、有利開放再抽選演出実行判定用の乱数値MR6を示す数値データを抽出する。そして、乱数値MR6に基づき有利開放再抽選実行判定テーブル186を参照して、演出実行判定値データと合致するか否かを判定することで、有利開放再抽選演出の実行の有無を決定すればよい。その後、ステップS684の処理を実行するときに、有利開放再抽選演出の実行の有無に対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることで、有利開放再抽選演出を実行するか否かを示す可変表示開始コマンドの送信を行うようにすればよい。
さらに、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出は、大当り遊技状態におけるラウンド中に実行される場合に限定されず、例えば大当り遊技状態の開始時や終了時に実行されるようにしてもよい。具体的な一例として、大当り遊技状態の開始時に確変再抽選演出を実行する場合には、例えば大当り開始コマンドに含まれるデータなどを用いて、確変再抽選演出が実行されることを、主基板11から演出制御基板12に対して通知するようにしてもよい。このときには、主基板11の側において、例えばCPU114が大当り遊技状態の開始時において大当り遊技状態の開始を報知するための演出時間を、確変再抽選演出が実行されない場合に比べて長くするように、遊技制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。また、演出制御基板12の側では、例えばCPU131が大当り遊技状態の開始を報知するための演出時間を、確変再抽選演出が実行されない場合に比べて長くするように、演出制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。例えば、確変再抽選演出が実行されない場合には、大当り遊技状態の開始を報知するための演出時間が「5秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。これに対して、確変再抽選演出が実行される場合には、大当り遊技状態の開始を報知するための演出時間が「10秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。そして、大当り遊技状態の開始を報知する演出とともに、あるいはその演出の前後いずれかの所定期間において、確変再抽選演出となる演出動作を行うようにすればよい。他の一例として、大当り遊技状態の開始時に確変再抽選演出を実行する場合には、表示結果が大当りとなる飾り図柄の可変表示中や、その可変表示における表示結果が導出表示されたときなどに、確変再抽選演出の実行を示すコマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信する。あるいは、可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンドに含まれるデータを用いて、確変再抽選演出が実行されることを、主基板11から演出制御基板12に対して通知するようにしてもよい。このときには、主基板11の側において、例えばCPU114が特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を長くするように、遊技制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。また、演出制御基板12の側では、例えばCPU131が飾り図柄の可変表示時間を長くするように、演出制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。そして、画像表示装置5において大当りとなる可変表示結果を一旦停止表示させた後に、確変再抽選演出となる演出動作を開始して、例えば停止表示させた飾り図柄を再び変動させるようにすればよい。
さらに他の具体的な一例として、大当り遊技状態の終了時に有利開放再抽選演出を実行する場合には、例えば大当り終了コマンドに含まれるデータなどを用いて、有利開放再抽選演出が実行されることを、主基板11から演出制御基板12に対して通知すればよい。あるいは、可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンドに含まれるデータを用いて、有利開放再抽選演出が実行されることを、主基板11から演出制御基板12に対して通知するようにしてもよい。このときには、主基板11の側において、例えばCPU114が大当り遊技状態の終了時において大当り遊技状態の終了を報知するための演出時間を、有利開放再抽選演出が実行されない場合に比べて長くするように、遊技制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。また、演出制御基板12の側では、例えばCPU131が大当り遊技状態の終了を報知するための演出時間を、有利開放再抽選演出が実行されない場合に比べて長くするように、演出制御タイマにおけるタイマ値などの設定を行うようにする。例えば、有利開放再抽選演出が実行されない場合には、大当り遊技状態の終了を報知するための演出時間が「5秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。これに対して、有利開放再抽選演出が実行される場合には、大当り遊技状態の終了を報知するための演出時間が「10秒」に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマと演出制御タイマにセットする。そして、大当り遊技状態の終了を報知する演出とともに、あるいはその演出の前後いずれかの所定期間において、有利開放再抽選演出となる演出動作を行うようにすればよい。
確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が大当り遊技状態におけるラウンド中に実行される場合には、例えば特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に短時間のうちに大量の遊技球が入賞したときなどに、1回のラウンドが短時間で終了することがある。このことにより、ラウンド中に実行されていた確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が途中で終了してしまう可能性がある。これに対して、大当り遊技状態の開始や終了を報知する演出とともに、あるいはこれらの演出の前後いずれかの所定期間において、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出となる演出動作を行うようにすれば、予め定められた期間にわたり確実に演出動作を行うことができ、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が途中で終了してしまうことを防止して、再抽選の結果を確実に遊技者等に対して通知することができる。
図60に示すステップS301や図64に示すステップS360などにて事前転送指令処理を実行する場合のように、遊技の進行状況に対応して予め定められた所定条件が成立したときには、例えば事前転送指令処理を実行する直前などにて、図56に示すステップS62と同様の記憶領域設定処理を実行するようにしてもよい。このように、事前転送指令処理を実行する前に記憶領域設定処理を実行することで、例えば自動転送エリア155Bの先頭アドレスとなるアドレスSTADDや最終アドレスとなるアドレスENADDを格納する内部レジスタの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を適切に設定して、例えば自動転送エリア155Bに転送すべきデータが固定アドレスエリア155Aに転送されてしまうなどといった、転送動作に誤りが発生することを防止できる。
上記実施の形態では、図66に示すステップS715の処理において処理数Nが段階表示上限値よりも大きいと判定された場合に、ステップS718にて段階表示中フラグがオフであると判定されることでステップS722の処理に進み、アルファ参照値が「0.01」に設定されることになる。そのため、予告表示期間のうちで予告終了タイミングに近い所定期間内にて操作スイッチ40の操作が検出された場合には、そのスイッチ操作に応答して予告演出表示における演出画像が直ちに画像表示装置5の画面上にて完全に表示された状態となり、予告演出表示が行われたことを遊技者等が認識できるようにしている。これに対して、例えばステップS715にて処理数Nが段階表示上限値よりも大きいと判定された場合には、ステップS726の処理に進むようにすることで、予告表示期間のうちで予告終了タイミングに近い所定期間内にて操作スイッチ40の操作が検出された場合には、予告演出表示における演出画像は表示させずに、予告演出表示を終了させるようにしてもよい。あるいは、ステップS726の処理では、予告用表示中フラグがオンであるかオフであるかに応じて異なるタイミングを、予告終了タイミングとすることで、処理数Nが段階表示上限値に達しても操作スイッチ40の操作が検出されない場合には、その時点で予告表示期間を終了させるようにしてもよい。例えば、ステップS726の処理では、予告用表示中フラグがオンである場合に、処理数Nの値が「512」であれば予告終了タイミングであると判定する。他方、ステップS726にて予告用表示中フラグがオフである場合には、処理数Nの値が段階表示上限値であれば予告終了タイミングであると判定すればよい。
また、例えば図66のステップS713にて操作スイッチ40の操作があったと判定された時点における処理数Nの値が予め定められた急速段階表示基準値よりも大きく、かつ、段階表示上限値以下である場合には、ステップS719にて図67に示す設定とは異なるアルファ参照値の設定を行うことで、より短時間のうちに予告演出表示における演出画像を段階的に表示させるようにしてもよい。この場合、例えば処理数NがK≦N≦K+9であるときには(アルファ参照値)=1−0.1×(N−K)という演算を実行することで、処理数Nに対応したアルファ参照値を決定する一方、処理数NがN=K+10であるときにはアルファ参照値を「0.01」に決定するようにしてもよい。あるいは、ROM132に予め記憶されているアルファ参照値決定テーブルから、上記の演算と同様の処理数Nに対応するアルファ参照値を決定するようにしてもよい。この例によれば、図67に示す設定に比べて約1/5の時間で、予告演出表示における演出画像を時間の経過に伴って段階的に表示させることができる。
加えて、図88に示すステップS785の処理において処理数Nが段階表示上限値よりも大きいと判定された場合に、ステップS788にて段階表示中フラグがオフであると判定されることでステップS792の処理に進み、予告演出画像のブレンド率が「1」に設定されるとともに、背景画像などの他の演出画像のブレンド率が「0」に設定されることになる。そのため、予告表示期間のうちで予告終了タイミングに近い所定期間内にて操作スイッチ40の操作が検出された場合には、そのスイッチ操作に応答して予告演出画像が直ちに画像表示装置5の画面上にて完全に表示された状態となり、予告演出表示が行われたことを遊技者等が認識できるようにしている。これに対して、例えばステップS785にて処理数Nが段階表示上限値よりも大きいと判定された場合には、ステップS795の処理に進むようにすることで、予告表示期間のうちで予告終了タイミングに近い所定期間内にて操作スイッチ40の操作が検出された場合には、予告演出画像は表示させずに、予告演出表示を終了させるようにしてもよい。あるいは、ステップS795の処理では、予告用表示中フラグがオンであるかオフであるかに応じて異なるタイミングを、予告終了タイミングとすることで、処理数Nが段階表示上限値に達しても操作スイッチ40の操作が検出されない場合には、その時点で予告表示期間を終了させるようにしていもよい。
また、例えば図88のステップS783にて操作スイッチ40の操作があったと判定された時点における処理数Nの値が予め定められた急速段階表示基準値よりも大きく、かつ、段階表示上限値以下である場合には、ステップS789にてブレンド率Aテーブル231Aやブレンド率Bテーブル231Bを参照することによる設定とは異なるブレンド率の設定を行うことで、より短時間のうちに予告演出表示における演出画像を段階的に表示させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、描画回路154が演出制御用マイクロコンピュータ120からのテスト実行コマンドを受信したときに限り図78のステップS509にてアルファテスト処理を実行して、表示対象画素を画像要素一時記憶メモリ155からフレームバッファメモリ156にコピーするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155の記憶データを読み出す際には常にアルファテスト処理を実行し、表示対象画素に対応したデータのみを読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むようにしてもよい。この場合、予告演出表示において表示される予告演出画像以外の演出画像に対応する画像要素データについては、例えば画像要素一時記憶メモリ155において各画素に対応するアルファ値が「1」となるように設定しておく。他方、予告A〜予告Dの各予告パターンのうちで予告演出表示における予告パターンにて用いられる演出画像に対応する画像要素データについては、上記実施の形態と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ値分布設定コマンドで示されるアルファ値を各画素に対応して設定する。また、アルファ値分布設定コマンドによるアルファ値の指定がない予告パターンにて用いられる演出画像に対応する画像要素データについては、各画素に対応するアルファ値が「0」となるように設定しておく。
そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから飾り図柄の可変表示結果が導出表示されるまでの期間のうちで、予告表示期間以外の期間では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対してアルファ参照値や比較関数を通知するためのコマンドを送信することなどにより、アルファ参照値を「1」とし、比較関数を「参照値以上なら成立」とすることを通知する。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対してアルファ参照値や比較関数の指定が行われない期間では、アルファ参照値や比較関数の初期設定として、アルファ参照値が「1」に設定され、比較関数が「参照値以上なら成立」に設定されるようにしてもよい。描画回路154では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンドを受信した場合でも、上記実施の形態におけるアルファテスト処理と同様の処理を実行して、表示対象画素として特定された画素に対応するデータを、画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むようにする。ここで、例えば固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンド、あるいは画像要素の表示を指示するその他のコマンドにより予告演出表示で用いられる演出画像の表示が指示された場合でも、各予告パターンにて用いられる演出画像に対応する画像要素データについては各画素に対応するアルファ値が「1」未満(予告演出表示で用いられる演出画像については「0.01」から「0.99」までの範囲、用いられない演出画像については「0」)に設定されていることから、これらの演出画像における各画素が表示対象画素として特定されることはなく、対応するデータがフレームバッファメモリ156に書き込まれることは制限される。
他方、予告表示期間となった場合には、図66のステップS713と同様の処理により操作スイッチ40の操作があったと判定されるまでは、予告表示期間以外の期間と同じく、アルファ参照値を「1」とし、比較関数を「参照値以上なら成立」とする設定が行われる。また、操作スイッチ40の操作があったと判定された後に、段階表示中フラグがオンとなっている期間内では、図66のステップS719、S723と同様にして、アルファ参照値を処理数Nに対応して設定するとともに、比較関数を「参照値以上なら成立」とする設定を行うようにする。これに対して、操作スイッチ40の操作があったと判定された後に、段階表示中フラグがオフとなっている期間内では、図66のステップS722、S723と同様にして、アルファ参照値を「0.01」とし、比較関数を「参照値以上なら成立」とする設定を行うようにする。これにより、操作スイッチ40の操作が検出された後に、段階表示中フラグがオンとなっている期間では、予告演出画像が時間の経過に伴って段階的に表示され、段階表示中フラグがオフとなる期間では、予告演出画像が完全に表示された状態にすることができる。
また、描画回路154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのアルファ合成コマンドを受信したときに限らず、例えば画像要素一時記憶メモリ155の記憶データを読み出す際には常に図90のフローチャートに示すアルファ合成処理と同様の処理を実行し、複数の画像を合成できるようにしてもよい。この場合、飾り図柄の可変表示が開始されてから飾り図柄の可変表示結果が導出表示されるまでの期間のうちで、予告表示期間以外の期間では、予告演出表示において表示される予告演出画像以外の演出画像に対応する画像要素データについては、例えば画像要素一時記憶メモリ155において各画素に対応するアルファ値が「1」となるように設定しておく。他方、予告A〜予告Dの各予告パターンにて用いられる演出画像に対応する画像要素データについては、各画素に対応するアルファ値が「0」となるように設定しておく。
描画回路154では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンドを受信した場合でも、前述したアルファ合成処理と同様の処理を実行して、合成画像における各画素に対応して画素値を特定し、特定された画素値を示すデータをフレームバッファメモリ156に書き込むようにする。このときには、予告演出画像以外の演出画像であっても、各演出画像の前後関係を考慮して、それぞれの演出画像における各画素に対応したアルファ値を様々な値に設定することにより、複数の演出画像を合成して表示できるようにしてもよい。ここで、例えば固定アドレス指定表示コマンドや自動転送表示コマンド、あるいは画像要素の表示を指示するその他のコマンドにより予告演出表示で用いられる演出画像の表示が指示された場合でも、各予告パターンにて用いられる演出画像に対応する画像要素データについては各画素に対応するアルファ値が「0」に設定されていることから、これらの演出画像における各画素が合成画像の画素値に影響を及ぼすことはなく、予告演出画像における画素値がフレームバッファメモリ156に書き込まれることは制限される。
他方、予告表示期間となった場合には、図88のステップS783と同様の処理により操作スイッチ40の操作があったと判定されるまでは、予告表示期間以外の期間と同じく、予告演出画像以外の演出画像については各画素に対応するアルファ値を「1」とし、予告演出画像については各画素に対応するアルファ値を「0」とする設定が行われる。また、操作スイッチ40の操作があったと判定された後に、段階表示中フラグがオンとなっている期間内では、予告演出表示で用いられる演出画像と、その演出画像の表示位置における予告演出画像以外の演出画像(例えば「予告なし」に対応した背景画像など)については、図88のステップS789と同様にして、ブレンド率を処理数Nに対応して設定する。これに対して、操作スイッチ40の操作があったと判定された後に、段階表示中フラグがオフとなっている期間内では、図88のステップS792と同様にして、予告演出画像のブレンド率を「0」とし、他の演出画像のブレンド率を「1」とする設定を行うようにする。このとき、描画回路154では、図90のステップS851、S852と同様の処理により、ブレンド率に対応したアルファ値の設定が行われる。これにより、操作スイッチ40の操作が検出された後に、段階表示中フラグがオンとなっている期間では、予告演出画像が時間の経過に伴って段階的に表示され、段階表示中フラグがオフとなる期間では、予告演出画像が完全に表示された状態にすることができる。
あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、例えば図66に示すステップS713にて操作スイッチ40の操作がないと判定された場合でも、アルファ参照値や比較関数の設定を行って、テスト実行コマンドをVDP141に対して送信するようにしてもよい。この場合、CPU131は、ステップS713にて操作スイッチ40の操作がないと判定されたときに、例えばアルファ参照値を「1」とし、比較関数を「参照値以上なら成立」とする設定を行う。そして、図66に示すステップS725の処理と同様にしてテスト実行コマンドをVDP141に対して送信してから、ステップS726の処理に進むようにすればよい。これにより、予告表示期間において操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、予告演出画像を構成する各画素に対応したアルファ値がいずれもアルファ参照値未満となることから、予告演出画像に対応した画像要素データのフレームバッファメモリ156に対する書き込みが制限され、予告演出画像が表示されないようにすることができる。
また、例えば図88のステップS783にて操作スイッチ40の操作がないと判定された場合でも、予告演出画像のブレンド率や他の演出画像のブレンド率の設定を行って、アルファ合成コマンドをVDP141に対して送信するようにしてもよい。この場合、CPU131は、ステップS783にて操作スイッチ40の操作がないと判定されたときに、例えば予告演出画像のブレンド率を「0」とし、他の演出画像のブレンド率を「1」とする設定を行う。そして、図88に示すステップS794の処理と同様にしてアルファ合成コマンドをVDP141に対して送信してから、ステップS795の処理に進むようにすればよい。このようにしても、予告表示期間において操作スイッチ40の操作が検出されるまでは、予告演出画像のブレンド率が「0」に設定されることから、予告演出画像が表示されないようにすることができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態と第1確変遊技状態と第2確変遊技状態のいずれかに制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態と確変遊技状態と有利開放遊技状態のいずれかに制御されるものであってもよい。ここで、通常遊技状態は上記実施の形態における通常遊技状態と同様の遊技状態であり、確変遊技状態は上記実施の形態における第1確変遊技状態と同様の遊技状態である。また、有利開放遊技状態は、確変制御が行われない一方で、通常遊技状態や確変遊技状態に比べて遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなる遊技状態であればよい。
この場合には、例えば図17(A)〜(C)に示す遊技状態決定テーブル192〜194において、「第1確変遊技状態決定値データ」を、確変遊技状態に制御することを示す「確変遊技状態決定値データ」に置き換えるとともに、「第2確変遊技状態決定値データ」を、有利開放遊技状態に制御することを示す「有利開放遊技状態決定値データ」に置き換えて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、通常遊技状態、確変遊技状態、有利開放遊技状態のいずれに制御するかの決定を行うようにすればよい。
上記実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることを予告するための予告演出表示として、予告演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなどといった、特別図柄や飾り図柄が所定の表示態様となることを予告するために、予告演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるものであればよい。
飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることを予告する場合における具体的な動作例として、図62に示すステップS333の処理では、ステップS322の処理と同様に、可変表示パターンがリーチパターンであるか否かを判定する。このとき、可変表示パターンがリーチパターンである場合には、例えば図24(B)に示す大当り時予告決定テーブル202と同様に構成されたリーチ時予告決定テーブルを設定する。これに対して、可変表示パターンがリーチパターンではない場合には、例えば図24(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と同様に構成された通常ハズレ時予告決定テーブルを設定する。その後、図62に示すステップS336、S337と同様の処理を実行することにより、予告決定用の乱数値SR1に基づいて予告を実行するか否かの決定や、予告を実行する場合における予告パターンの決定などを行うようにすればよい。この具体例にでは、図24(C)に示す各予告パターンによる予告の選択確率において、「ハズレ時」における選択確率が「通常ハズレ時」における選択確率を示し、「大当り時」における選択確率が「リーチ時」における選択確率を示すことになる。
このような各予告パターンによる予告の選択確率に基づき、各予告パターンによる予告演出表示が行われた場合に飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる期待度(すなわち、その予告が出現した場合にリーチとなる確率)としてのリーチ信頼度(予告のリーチ信頼度)を定めることができる。例えば、各予告パターンによる予告のリーチ信頼度は、((リーチ時における当該予告パターンの選択確率)×(リーチ確率))/((通常ハズレ時における当該予告パターンの選択確率)×(通常ハズレ確率)+(リーチ時における当該予告パターンの選択確率)×(リーチ確率))として求めることができる。
そして、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることを予告するための予告演出表示は、飾り図柄の可変表示が開始された後、例えば画像表示装置5における「左」と「右」の可変表示部のうちの少なくともいずれか一方において飾り図柄が変動していることから飾り図柄の可変表示態様が未だリーチとはならない期間において行われるようにすればよい。これに対して、上記実施の形態で説明したように予告演出表示により可変表示結果が大当りとなることを予告する場合には、飾り図柄の可変表示が開始された後、その可変表示における表示結果が導出表示される以前に予告演出表示が行われればよく、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる前と後のいずれか一方における所定期間にて予告演出表示が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるタイミングの前後にわたる所定期間にて予告演出表示が行われてもよい。このように、予告演出表示を実行可能な期間は、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる前と後のいずれを含む期間であってもよい。
また、上記実施の形態では、飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄が示す数字により、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を認識できるようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄の表示色や形状、各確定飾り図柄に付加されたキャラクタなど、あるいはこれらの組合せにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を認識できるようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。