以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の上部には、回転自在に構成された円形の演出用点灯役物90が設けられている。演出用点灯役物90の内部にはランプあるいはLEDなどの点灯部材が内蔵されており、演出用点灯役物90が回転(動作)しているときに点灯するように構成されている。この演出用点灯役物90は、特定の演出動作(図柄表示予告となる連続予告演出など)が実行されるときに回転・点灯することによって、その演出動作が実行されることを予め報知する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたいまたは通過(進入)しない通常開放状態(通過不利状態)となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態(通過有利状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通過不利状態であるときでも、第2始動入賞口は遊技球が通過(進入)可能であるものの、通過有利状態であるときよりも遊技球が通過(進入)する可能性が低くなり通過(進入)しがたいように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通過不利状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ31Aの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。図1に示す構成例では、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御をともに継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。時短制御と高開放制御がともに行われている遊技状態を、高ベース状態ともいい、高ベース状態であることを高ベース中であるともいう。高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、「有利遊技状態」ともいう。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定される。「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されればよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、連続予告演出となるものがあればよい。連続予告演出は、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出である。連続予告演出が実行される複数回の可変表示のうちで最終の可変表示は、連続予告演出により可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示であり、連続予告演出による予告対象となる可変表示ともいう。連続予告演出が実行される場合には、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
この実施の形態では、連続予告演出として、図柄表示予告を実行することができる。図柄表示予告は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、各回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。このように、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められていることを報知する予告演出は、「大当り予告」または「特定遊技状態報知演出」ともいう。他の一例として、各回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、大当り予告のときとは異なる所定の表示色(例えば青色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。このように、特定の変動パターンとなる可能性が高められていることを報知する予告演出は、「特定パターン予告」または「特定パターン報知演出」ともいう。
図柄表示予告が実行される場合に飾り図柄の可変表示結果として導出表示される飾り図柄の組合せのように、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄を含んだ飾り図柄の表示結果は、「特殊表示結果」ともいう。また、所定の表示色(例えば赤色や青色)を有する星型などの記号を示す飾り図柄のように、「1」〜「8」などの数字を示す通常の飾り図柄とは異なる飾り図柄は、「特殊識別情報」ともいう。
図柄表示予告が実行される場合には、例えば全ての飾り図柄が可変表示を開始したときなどに、演出用点灯役物90を用いた所定の演出動作により、図柄表示予告の実行が予め報知されることがある。このように、図柄表示予告の実行を報知する演出動作は、「特別演出」ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、この場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として第1確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態に制御されることが報知される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「再抽選・昇格あり」となる場合に対応した「第1確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第1確変」であるともいう。再抽選演出や大当り中昇格演出のように、確変状態に制御されるか否かを報知するために実行される演出は、確変昇格演出ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「直当り」となる場合に対応した「第2確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第2確変」であるともいう。
なお、「直当り」とは、可変表示時間が経過したときに、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されることを直ちに(大当り遊技状態の開始前に)認識可能とするものである。これに対して、再抽選演出や大当り中昇格演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、再抽選演出(例えば飾り図柄の再変動)が実行されて確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることが報知されたり、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることが報知される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、可変表示時間の経過時に、飾り図柄の可変表示結果として非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示され、「第1確変」の場合と同様に大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行される場合がある。さらに、飾り図柄の可変表示中にも、「第1確変」の場合と同様に再抽選演出が実行される場合がある。ただし、「非確変」の場合には、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行されても、確変状態に制御されることは報知されない。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「非確変大当り」を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第1確変大当り(再抽選・昇格あり)」を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第2確変大当り(直当り)」を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。なお、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。
例えば、第1始動入賞時や第2始動入賞時には、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる特定遊技状態決定用数値(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)が抽出され、この特定遊技状態決定用数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定が行われる。この判定結果に応じて、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにおけるEXTデータの設定などを異ならせる。より具体的に、コマンドB100H、B101Hや、コマンドB200H、B201Hは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御されないとの判定結果を通知する。その一方で、コマンドB102H、B103Hや、コマンドB202H、B203Hは、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されるとの判定結果を通知する。
また、第1始動入賞時や第2始動入賞時には、可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を複数種別のうちいずれかに決定するために用いられる所定の決定用数値(大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)が抽出される。そして、大当り遊技状態に制御されると判定したときには、この決定用数値を用いて、特別条件が成立して大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるか否かの判定が行われる。この判定結果に応じて、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにおけるEXTデータの設定などを異ならせる。より具体的に、コマンドB102HやコマンドB202Hは、大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されない場合の「非確変大当り判定」を通知する。その一方で、コマンドB103HやコマンドB203Hは、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後に確変状態へと制御される場合の「確変大当り判定」を通知する。
さらに、第1始動入賞時や第2始動入賞時には、飾り図柄などの変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)が抽出される。そして、大当り遊技状態に制御されないと判定したときなどには、この変動パターン決定用数値を用いて、複数種類の変動パターンのうちいずれに決定されるかを判定する。なお、このときに判定される変動パターンは、可変表示が開始されるときに決定される個別の変動パターンと厳密に一致するものでなくてもよく、例えばスーパーリーチを伴う変動パターンといった、特定の変動パターンに決定されることが確定したか否かが判定されればよい。より具体的に、コマンドB101HやコマンドB201Hは、変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定されることが確定したと判定された場合の「スーパーリーチ判定あり」を通知する。その一方で、コマンドB100HやコマンドB200Hは、こうした判定がなされなかった場合の「スーパーリーチ判定なし」を通知する。
コマンドC0XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、ノーマルリーチを伴う変動パターンについては、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図11に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときなど、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられた決定値は、「特定遊技状態決定値」ともいう。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態又は時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかは、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグの状態(オフ/オン)を確認することにより特定できればよい。ここで、時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、時短制御や高開放制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、時短制御や高開放制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、確変制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、確変制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「第1確変」や「第2確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」や「第2確変」などの大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「第1確変」や「第2確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図9及び図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図10(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図10(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cと、図10(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」である場合と「第1確変」及び「第2確変」のいずれかである場合とでは、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、大当り種別が複数種類のうちいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定できるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分があるようにしてもよい。これにより、大当り種別の決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。この場合でも、大当り種別の決定結果にかかわらず、共通の変動パターン種別に決定できるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分があるようにしてもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dは、特図表示結果を「ハズレ」として大当り遊技状態に制御しないと決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cは、遊技状態が確変状態であるときに使用テーブルとして選択され、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dは、遊技状態が時短状態であるときに使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dのそれぞれでは、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合に対応する複数の変動パターン種別に、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと比較される数値(決定値)が割り当てられている。そして、合計保留記憶数に応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なっている。また、合計保留記憶数に応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。したがって、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができ、また、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のうちいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。CPU103は、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のうちいずれであるかに応じて、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dのそれぞれを構成するテーブルデータから、変動パターン種別を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、変動パターン種別決定用テーブルデータとして選択すればよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のうちいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。例えば図6にも示すように、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3は遊技状態が通常状態であるときに特有の変動パターン種別であり、変動パターン種別CA1−4及び変動パターン種別CA1−5は遊技状態が確変状態であるときに特有の変動パターン種別であり、変動パターン種別CA1−6及び変動パターン種別CA1−7は遊技状態が時短状態であるときに特有の変動パターン種別である。
このように、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dはそれぞれ、合計保留記憶数に応じて異なる変動パターン種別に割り当てられた決定値と、合計保留記憶数にかかわらず共通の変動パターン種別に割り当てられた決定値とを含んでいる。また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dは、遊技状態が複数種類のうちいずれであるかに応じて異なる変動パターン種別に割り当てられた決定値と、遊技状態にかかわらず共通の変動パターン種別に割り当てられた決定値とを含んでいる。さらに、合計保留記憶数や遊技状態にかかわらず共通の変動パターン種別であっても、その変動パターン種別に割り当てられる決定値の個数は、合計保留記憶数や遊技状態に応じて異なっていてもよい。
例えば、遊技状態が通常状態のときに選択されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bでは、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず全て共通(同一)の決定値「230」〜「251」が割り当てられている。これに対して、遊技状態が確変状態のときに選択されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cでは、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず一部は共通(同一)の決定値「245」〜「251」が割り当てられるものの、合計保留記憶数に応じて異なる決定値が割り当てられる部分もある。より具体的に、合計保留記憶数が「0」の場合には、「241」〜「251」の範囲の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられ、合計保留記憶数が「1」である場合には、「243」〜「251」の範囲の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。また、遊技状態が時短状態のときに選択されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでも、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず一部は共通(同一)の決定値「242」〜「251」が割り当てられるものの、合計保留記憶数に応じて異なる決定値が割り当てられる部分もある。より具体的に、合計保留記憶数が「0」の場合には、「236」〜「251」の範囲の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられ、合計保留記憶が「1」の場合には、「239」〜「251」の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。
CPU103は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果(事前決定結果)や、大当り遊技状態に制御する場合における大当り種別の決定結果に基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のうちいずれかに決定する。各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。したがって、変動パターン種別を決定することにより、複数種類ある変動パターンの一部において共通する所定の可変表示態様や可変表示の所定内容を決定することができる。
一例として、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dはそれぞれ、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする変動パターンが分類される変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−8のうちいずれかに割り当てられた決定値と、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とする変動パターンが分類される変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のうちいずれかに割り当てられた決定値とを含んでいる。したがって、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、遊技状態に応じて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブルを構成するテーブルデータとを用いて、乱数値MR3と決定値とを比較して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定することができる。
他の一例として、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dはそれぞれ、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とする変動パターンのうち、スーパーリーチを伴う変動パターンが分類される変動パターン種別CA2−3に割り当てられた決定値と、そのような変動パターンが分類されない変動パターン種別に割り当てられた決定値とを含んでいる。したがって、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、遊技状態に応じて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブルを構成するテーブルデータとを用いて、乱数値MR3と決定値とを比較して変動パターン種別を決定することにより、スーパーリーチとなる演出動作を実行するか否かを決定することができる。
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。変動パターン種別に対応して決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別とする決定結果に基づき使用パターンとして決定可能になる変動パターンであり、その変動パターン種別に分類された変動パターンとなる。CPU103は、特図表示結果や大当り種別などの決定結果に基づいて複数種類の変動パターン種別のうちいずれかに決定した後、その変動パターン種別に含まれる変動パターンのいずれかに決定する。このとき、CPU103は、変動パターン決定テーブル133に含まれるテーブルデータのうち変動パターン種別の決定結果に対応するものを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データと決定値とを比較して、変動パターンを決定できればよい。
図12は、ROM101に記憶される普図表示結果決定テーブル134の構成例を示している。普図表示結果決定テーブル134は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオフであるかオンであるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に割り当てられている。すなわち、時短フラグがオンであるか否かに応じて、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的に、時短制御や高開放制御が行われるときには、これらの制御が行われないときよりも「普図当り」の普図表示結果に決定される割合が高くなるように、各普図表示結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、高開放制御が行われる高ベース中には高ベース中以外であるときよりも、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められる。
なお、普図表示結果が「普図当り」となる割合を高める他にも、高ベース中であるときには高ベース中以外であるときに比べて、普図ゲームにおける平均的な可変表示時間を短縮することや、普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口を通過有利状態とする回数(拡大開放回数)や時間(拡大開放時間)を増加させることにより、第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められるようにすればよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用点灯役物90、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して、飾り図柄の可変表示中などに実行される保留表示予告や図柄表示予告などとなる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図14(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図14(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには演出用点灯役物90といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図14(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図14(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば図柄表示予告といった予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
なお、図柄表示予告を実行するために専用の予告演出制御パターンを使用するものに限定されず、例えば変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンを使用しつつ、最終停止される飾り図柄のみを特殊な飾り図柄に差し替える設定が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図18及び図19は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(図18のステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O105に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第1始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第1始動口スイッチ22Aにより検出されていないことに対応して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、第2始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第2始動口スイッチ22Bにより検出されていないことに対応して、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図19のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図18に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図18に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値)と第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値)とを加算した合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図18に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図18に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図18に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図19に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図18に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図18に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図19に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図20は、図19のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図17のステップS110、図25)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、大当り種別の決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)したと検出されたときには、CPU103がステップS220の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果が「大当り」に決定される乱数値MR1であるか否かや、特図表示結果が「大当り」に決定される場合に確変状態へと制御すると決定されるか否か、スーパーリーチを伴う変動パターンに必ず決定されるか否かなどを、予め特定する。これにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンになることなどを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより連続予告演出を実行するか否かなどを決定することができる。
図20に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS403)。このとき、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞に基づき始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS403;「1」)、図19のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS402では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS404の処理では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる特定遊技状態決定用データとなるテーブルデータが用いられ、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定が行われる。例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。これに対して、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。
ステップS404にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、現在の遊技状態に対応してスーパーリーチ判定値を設定する(ステップS405)。そして、図19のステップS218にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、ステップS405にて設定したスーパーリーチ判定値と比較することにより(ステップS406)、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する(ステップS407)。スーパーリーチ判定値には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される個々の数値が設定され、CPU103が乱数値MR3と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、スーパーリーチ判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値が設定され、CPU103が乱数値MR3とスーパーリーチ判定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR3がスーパーリーチ判定値の範囲内であるか否かを判定できればよい。
一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時には、図22に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンに決定されることが確定する。ここで、始動入賞時における合計保留記憶数は、実際に可変表示が開始されるときの合計保留記憶数と一致するとはかぎらず、通常は、始動入賞後に合計保留記憶数の増減が生じる。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターン種別の決定とで、合計保留記憶数に応じて選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。これに対して、図10(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bでは、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず同一の決定値として、「230」〜「251」の範囲の値が割り当てられている。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
他の一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態である確変中には、図23に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「245」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。遊技状態が確変状態であるときには、図10(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cを用いて、可変表示結果が「ハズレ」の場合に対応した変動パターン種別の決定が行われる。そのため、合計保留記憶数に応じて、変動パターン種別CA2−3に対応する決定値の割当てが異なっている。もっとも、乱数値MR3が「245」〜「251」の範囲内であれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−3に決定されることが確定する。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「245」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
さらに他の一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態である時短中には、図24に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。遊技状態が時短状態であるときには、図10(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dを用いて、可変表示結果が「ハズレ」の場合に対応した変動パターン種別の決定が行われる。そのため、合計保留記憶数に応じて、変動パターン種別CA2−3に対応する決定値の割当てが異なっている。もっとも、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲内であれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−3に決定されることが確定する。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
例えばROM101の所定領域には、各遊技状態に対応したスーパーリーチ判定値を示す設定データを予め記憶しておく。CPU103は、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態に応じた設定データをROM101から読み出すことなどにより、ステップS405にてスーパーリーチ判定値を設定できればよい。
なお、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定として、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるか否かを判定する場合に限定されず、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンに決定されるか否かを判定する場合や、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンに決定されるか否かを判定する場合などにも、始動入賞時に抽出された乱数値MR3などを用いて、特定の変動パターンに決定されるか否かを判定できればよい。例えば、特定の変動パターンが分類される変動パターン種別には、合計保留記憶数にかかわらず共通の決定値が一部又は全部に含まれるように割り当てておく。そして、乱数値MR3が共通の決定値の範囲内であるか否かに応じて、特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができればよい。
図20に示すステップS407にて、乱数値MR3がスーパーリーチ判定値の範囲外であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定されなかった場合には(ステップS407;No)、第1始動入賞時に「スーパーリーチ判定なし」を通知するコマンドB100Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、乱数値MR3がスーパーリーチ判定値の範囲内であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定された場合には(ステップS407;Yes)、第1始動入賞時に「スーパーリーチ判定あり」を通知するコマンドB101Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS404にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、図19のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づく大当り種別を特定する(ステップS410)。例えば、ステップS410の処理では、図8に示す大当り種別決定テーブル131を選択し、使用テーブルにセットする。続いて、この大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR2に応じて決定される大当り種別が特定される。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS411)。
ステップS411にて大当り種別が「非確変」であるときには(ステップS411;Yes)、第1始動入賞時に「非確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS412)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、大当り種別が「非確変」ではないときには(ステップS411;No)、第1始動入賞時に「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB103Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS403にて第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞に基づき始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS403;「2」)、ステップS404の処理と同様に、乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する(図21のステップS414)。こうして、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。その一方で、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。
ステップS414にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS414;No)、現在の遊技状態に対応してスーパーリーチ判定値を設定する(ステップS415)。そして、図19のステップS218にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、ステップS415にて設定したスーパーリーチ判定値と比較することにより(ステップS416)、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する(ステップS417)。これらの処理は、図20に示すステップS405〜S407の処理と同様であればよい。
ステップS417にて、乱数値MR3がスーパーリーチ判定値の範囲外であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定されなかった場合には(ステップS417;No)、第2始動入賞時に「スーパーリーチ判定なし」を通知するコマンドB200Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS418)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、乱数値MR3がスーパーリーチ判定値の範囲内であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定された場合には(ステップS417;Yes)、第2始動入賞時に「スーパーリーチ判定あり」を通知するコマンドB201Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS419)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS414にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS414;Yes)、図19のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づく大当り種別を特定する(ステップS420)。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS421)。そして、大当り種別が「非確変」である場合には(ステップS421;Yes)、第2始動入賞時に「非確変大当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB202Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS422)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、大当り種別が「非確変」ではない場合には(ステップS421;No)、第2始動入賞時に「確変大当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB203Hを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS423)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図25は、図17のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。このとき、CPU103は、図20に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」や「第1確変」、「第2確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」とする決定結果に応じて、第1確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2確変」とする決定結果に応じて、第2確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図26は、図17のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」や「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態となっている確変中であるか否かを判定する(ステップS264)。このとき、確変中ではない場合には(ステップS264;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が時短状態となっている時短中であるか否かを判定する(ステップS265)。そして、時短中ではないときには(ステップS265;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS266)。
ステップS264にて確変中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS267)。ステップS265にて時短中である場合には(ステップS265;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS268)。なお、ステップS266〜S268の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S266〜S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS266にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ステップS267にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、またはステップS268にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dのうちから、可変表示の開始時における合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「ハズレ」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合には、ステップS269の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS270にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS271の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS271の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS271にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS274での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
図27は、図17のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。このときには、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS303)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、時短状態や確変状態が終了することを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、演出制御基板12の側では、大当り開始指定コマンドを受信したことにより、時短状態や確変状態が終了することを特定してもよい。この場合には、ステップS303の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS304)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行う(ステップS305)。このとき、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい(ステップS306)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態から通常状態となったことなどを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、高ベース中における時短制御や高開放制御などが終了したときのみ遊技状態指定コマンドを送信するようにして、その他の場合にはステップS306の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。また、演出制御基板12の側で時短状態における可変表示の実行回数をカウントすることなどにより、主基板11の側とは独立して時短状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。この場合にも、ステップS306の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS307)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS305の処理では、例えば時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS305の処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。あるいは、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。あるいは、時短制御を終了するときには、確変制御も終了するようにしてもよい。
図28は、図17のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図17に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合には(ステップS323;Yes)、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた時短回数カウンタに設定する。その一方で、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」と判定された場合には(ステップS323;No)、遊技状態を確変状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットする。
なお、大当り種別が「第1確変」と判定された場合と、大当り種別が「第2確変」と判定された場合とで、種類が異なる確変状態へと制御するための設定を行うようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第2確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短回数カウント値の初期値設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短状態に制御される場合と同様に時短回数カウント値の初期値設定を行い、確変制御は次に特図表示結果が「大当り」となるまで継続して行われる一方、時短制御は特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達するまで継続するように設定してもよい。あるいは、時短制御を終了するとともに、確変制御も終了するようにしてもよい。
ステップS324、S325の処理のいずれかを実行した後には、大当り終了指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS326)。なお、大当り終了指定コマンドを送信するタイミングは、大当り終了時演出待ち時間が経過した以後でなくてもよく、例えば図17に示すステップS116の大当り開放後処理で特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときなどに、大当り終了指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS326の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい(ステップS327)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。ステップS327の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS328)、大当り終了処理を終了する。
図29は、普通図柄プロセス処理として、図16のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図29に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Cから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、普図表示結果決定テーブル134を参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態(通過有利状態)とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態(通過不利状態)から拡大開放状態(通過有利状態)に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図30のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図30に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び演出用点灯役物90や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型が備える可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図31は、コマンド解析処理として、図30のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、第1始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS153)。例えば、ステップS153の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS152にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、第2始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS155)。例えば、ステップS155の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS153、S155の処理を実行した後には、始動入賞時設定処理を実行してから(ステップS156)、ステップS151の処理に戻る。また、ステップS154にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS157)、ステップS151の処理に戻る。
図32は、図31のステップS156にて実行される始動入賞時設定処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す始動入賞時設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより、例えば「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」といった、大当り種別が「非確変」または「確変」で可変表示結果が「大当り」となる場合の判定結果が通知されたか否かを判定する(ステップS501)。このときには、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを読み取ることにより、通知内容を特定できればよい。
ステップS501にて「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知された場合には(ステップS501;Yes)、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた大当り通知カウンタの格納値である大当り通知カウント値を、1加算するように更新する(ステップS502)。こうして、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームの保留データが第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶されたことに対応して、大当り通知カウント値が1加算される。
ステップS501にて「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されない場合や(ステップS501;No)、ステップS502の処理を実行した後には、大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS503)。そして、大当り終了指定コマンドの受信があった場合には(ステップS503;Yes)、大当り通知カウント値を1減算するように更新する(ステップS504)。こうして、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームなどに基づく大当り遊技状態が終了したことに対応して、大当り通知カウント値が1減算される。
このように、大当り通知カウント値は、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データのうちで、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームに対応する保留データの記憶数を示している。ただし、大当り通知カウント値が1減算されるのは、大当り遊技状態の終了に伴い大当り終了指定コマンドを受信したタイミングになっている。なお、始動入賞時設定処理においてステップS503、S504の処理を実行するものに限定されず、例えば図31に示すステップS157の処理で大当り終了指定コマンドを受信したと判定されたときに、大当り通知カウント値が1減算されるように更新してもよい。
ステップS503にて大当り終了指定コマンドの受信がない場合や(ステップS503;No)、ステップS504の処理を実行した後には、遊技状態が確変状態であることによる確変制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS505)。例えば演出制御用CPU120は主基板11から伝送された遊技状態指定コマンドに基づいて現在の遊技状態を特定し、その遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、確変制御中であるか否かを判定できればよい。
ステップS505にて確変制御中であるときには(ステップS505;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた予告制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS506)。予告制限フラグは、確変制御中に「非確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドが伝送されたときに、後述するステップS508の処理によりオン状態にセットされる。その後、確変制御が終了したときには、後述するステップS511の処理などにより予告制限フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS506にて予告制限フラグがオンであるときには(ステップS506;Yes)、始動入賞時設定処理を終了する。これに対して、予告制限フラグがオフであるときには(ステップS506;No)、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、「非確変大当り判定」が通知されたか否かを判定する(ステップS507)。このとき、「非確変大当り判定」が通知された場合には(ステップS507;Yes)、予告制限フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。
ステップS505にて確変制御中ではないときには(ステップS505;No)、予告制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS510)。このとき、予告制限フラグがオンであれば(ステップS510;Yes)、予告制限フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS511)。
ステップS507にて「非確変大当り判定」が通知されていない場合や(ステップS507;No)、ステップS510にて予告制限フラグがオフである場合(ステップS511;No)、ステップS508、S511の処理を実行した後には、予告用設定処理を実行してから(ステップS509)、始動入賞時設定処理を終了する。
図33は、図32のステップS509にて実行される予告用設定処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す予告用設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのうちいずれを受信したかを判定する(ステップS601)。第1始動口入賞指定コマンドを受信した場合には(ステップS601;「第1」)、大当り予告を実行する設定の有無を決定する(ステップS602)。このときには、大当り予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS603)。
ステップS603にて「実行設定あり」の場合には(ステップS603;Yes)、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた予告モードバッファの格納値として「1」をセットする(ステップS604)。これに対して、ステップS602の処理により大当り予告を実行する設定が行われない「実行設定なし」に決定された場合には(ステップS603;No)、大当り通知カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS605)。このとき、大当り通知カウント値が「0」以外であれば(ステップS605;No)、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態であるか否かを判定する(ステップS605A)。そして、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではない場合には(ステップS605A;No)、予告用設定処理を終了する。
ステップS605Aにおける処理の一例として、演出制御用CPU120は、大当り通知カウント値が「1」であるか否かを判定する。このとき、大当り通知カウント値が「1」以外であれば、今回の始動入賞時以外にも「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されて特図表示結果が「大当り」となる保留データが既に記憶されていることから、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定する。その一方で、大当り通知カウント値が「1」である場合には、今回受信した第1始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたか否かを判定する。そして、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたと判定したときには、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態であると判定すればよい。すなわち、第1始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたときには、図32に示すステップS502の処理により大当り通知カウント値が1加算されるところ、大当り通知カウント値が「1」であり、しかも今回受信した第1始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されていれば、今回の始動入賞時以外には「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されておらず、今回の始動入賞より前には特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていなかったことから、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態となっている。なお、大当り通知カウント値が「1」である場合でも、今回受信した第1始動口入賞指定コマンドにより「大当り判定なし」が通知されたときには、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定すればよい。
ステップS605にて大当り通知カウント値が「0」である場合や(ステップS605;Yes)、ステップS605Aにて今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態である場合には(ステップS605A;Yes)、特定パターン予告を実行する設定の有無を決定する(ステップS606)。このときには、特定パターン予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS607)。そして、ステップS606の処理により特定パターン予告を実行する設定が行われない「実行設定なし」に決定された場合には(ステップS607;No)、予告用設定処理を終了する。
ステップS607にて「実行設定あり」の場合には(ステップS607;Yes)、予告モードバッファの格納値として「2」をセットする(ステップS608)。ステップS604、S608の処理のいずれかを実行した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた予告回数カウンタに合計保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより(ステップS609)、連続予告演出の残り実行回数を設定する。その後、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた予告対象特図バッファの格納値として「1」をセットしてから(ステップS610)、予告用設定処理を終了する。
ステップS601にて第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定された場合には(ステップS601;「第2」)、ステップS602の処理と同様に、大当り予告を実行する設定の有無を決定する(ステップS611)。このときには、大当り予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS612)。
ステップS612にて「実行設定あり」の場合には(ステップS612;Yes)、予告モードバッファの格納値として「1」をセットする(ステップS613)。これに対して、ステップS611の処理により大当り予告を実行する設定が行われない「実行設定なし」に決定された場合には(ステップS612;No)、大当り通知カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS614)。このとき、大当り通知カウント値が「0」以外であれば(ステップS614;No)、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態であるか否かを判定する(ステップS614A)。
ステップS614Aにおける処理の一例として、演出制御用CPU120は、大当り通知カウント値が「1」であるか否かを判定する。このとき、大当り通知カウント値が「1」以外であれば、今回の始動入賞時以外にも「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されて特図表示結果が「大当り」となる保留データが既に記憶されていることから、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定する。その一方で、大当り通知カウント値が「1」である場合には、今回受信した第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたか否かを判定する。そして、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたと判定したときには、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態であると判定すればよい。すなわち、第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたときには、図32に示すステップS502の処理により大当り通知カウント値が1加算されるところ、大当り通知カウント値が「1」であり、しかも今回受信した第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されていれば、今回の始動入賞時以外には「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されておらず、今回の始動入賞より前には特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていなかったことから、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態となっている。なお、大当り通知カウント値が「1」である場合でも、今回受信した第2始動口入賞指定コマンドにより「大当り判定なし」が通知されたときには、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定すればよい。
ステップS614にて大当り通知カウント値が「0」である場合や(ステップS614;Yes)、ステップS614Aにて今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態である場合には(ステップS614A;Yes)、ステップS606の処理と同様に、特定パターン予告を実行する設定の有無を決定する(ステップS615)。このときには、特定パターン予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS616)。ステップS616にて「実行設定あり」の場合には(ステップS616;Yes)、予告モードバッファの格納値として「2」をセットする(ステップS617)。ステップS613、S617の処理のいずれかを実行した後には、予告回数カウンタに第2特図保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより(ステップS618)、連続予告演出の残り実行回数を設定する。その後、予告対象特図バッファの格納値として「2」をセットしてから(ステップS619)、予告用設定処理を終了する。
ステップS614Aにて今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないときや(ステップS614A;No)、ステップS615にて特定パターン予告を実行する設定が行われない「実行設定なし」に決定された場合には(ステップS616;No)、予告対象特図バッファ値が「1」であるか否かを判定する(ステップS620)。このとき、予告対象特図バッファ値が「1」でなければ(ステップS620;No)、予告用設定処理を終了する。これに対して、予告対象特図バッファ値が「1」であるときには(ステップS620;Yes)、予告回数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS621)、予告用設定処理を終了する。
ステップS602、S611における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ROM121などに予め記憶された大当り予告決定テーブルなどを参照することにより、大当り予告を実行する設定を行うか否かを決定すればよい。
大当り予告決定テーブルでは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知された始動入賞時の判定結果に応じて、大当り予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り予告を実行する設定を行うか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、大当り予告決定用の乱数値を、始動入賞時の判定結果に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、例えば図34(A)に示すような決定割合で、大当り予告となる連続予告演出を実行する設定の有無を決定できればよい。
図34(A)に示す決定割合の設定例では、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」であるか、これら以外の判定結果であるかに応じて、大当り予告の実行設定を行うか否かの決定割合が異なっている。より具体的には、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」といった大当り判定が通知された場合には、通知されなかった場合よりも高い割合で、大当り予告の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、大当り予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図34(A)に示す決定割合の設定例に限定されず、大当り予告となる連続予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなるような任意の設定であればよい。また、特図保留記憶数が所定数(例えば「2」など)以上であるときには、所定数未満であるときよりも高い割合で、大当り予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。このような割当ては、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合に対応して行われる一方で、これらの判定結果が通知されない場合には行われないようにしてもよい。あるいは、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」といった大当り判定が通知された場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で大当り予告の実行設定を行うと決定される一方で、大当り判定が通知されていない場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも低い割合で大当り予告の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。こうして、大当り予告による予告対象となる可変表示が開始されるまでに行われる可変表示の回数が多い場合に、その回数が少ない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなってもよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「スーパーリーチ判定あり」の判定結果が通知された場合には、「スーパーリーチ判定なし」の判定結果が通知された場合よりも高い割合で、大当り予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。ただし、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」といった大当り判定が通知された場合には、「スーパーリーチ判定あり」の判定結果が通知された場合よりも高い割合で、大当り予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されればよい。
ステップS606、S615における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される特定パターン予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ROM121などに予め記憶された特定パターン予告決定テーブルなどを参照することにより、特定パターン予告を実行する設定を行うか否かを決定すればよい。
特定パターン予告決定テーブルでは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知された始動入賞時の判定結果に応じて、特定パターン予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定パターン予告を実行する設定を行うか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、特定パターン予告決定用の乱数値を、始動入賞時の判定結果に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、例えば図34(B)に示すような決定割合で、特定パターン予告となる連続予告演出を実行する設定の有無を決定できればよい。
図34(B)に示す決定割合の設定例では、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「スーパーリーチ判定あり」であるか、これ以外の判定結果であるかに応じて、特定パターン予告の実行設定を行うか否かの決定割合が異なっている。より具体的には、「スーパーリーチ判定あり」が通知された場合には、通知されなかった場合よりも高い割合で、特定パターン予告の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、特定パターン予告が実行されたときには、実行されないときよりもスーパーリーチを伴う特定の変動パターンとなる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御される可能性に対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図34(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、特定パターン予告となる連続予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも特定の変動パターンとなる可能性が高くなるような任意の設定であればよい。また、特図保留記憶数が所定数(例えば「2」など)以上であるときには、所定数未満であるときよりも高い割合で、特定パターン予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。このような割当ては、「スーパーリーチ判定あり」が通知された場合に対応して行われる一方で、この判定結果が通知されない場合には行われないようにしてもよい。あるいは、「スーパーリーチ判定あり」が通知された場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で特定パターン予告の実行設定を行うと決定される一方で、「スーパーリーチ判定あり」以外の判定結果が通知された場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも低い割合で特定パターン予告の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。こうして、特定パターン予告による予告対象となる可変表示が開始されるまでに行われる可変表示の回数が多い場合に、その回数が少ない場合よりも特定の変動パターンとなる可能性が高くなってもよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合には、「スーパーリーチ判定なし」の判定結果が通知された場合よりも高い割合で、特定パターン予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。ただし、「スーパーリーチ判定あり」が通知された場合には、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合よりも高い割合で、特定パターン予告となる連続予告演出の実行設定を行うと決定されてもよい。
こうした予告用設定処理を実行することにより、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、これらのコマンドによる通知内容に基づいて、大当り予告や特定パターン予告となる連続予告演出を実行するための設定を行うことができる。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、例えばEXTデータなどにより第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果を通知する。このとき抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶され、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出されて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定や、変動パターンの決定などに用いられる。このように、大当り予告や特定パターン予告となる連続予告演出は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果に起因して実行される。
ここで、ステップS605A、S614Aにて今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではない場合には、ステップS606、S615の処理が実行されず、特定パターン予告の実行設定が行われない。すなわち、今回の始動入賞時より前に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが既に記憶されているときには、始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告が実行されないように制限(禁止)される。大当り通知カウント値は、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合に、図32のステップS502により1加算される。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合に、ステップS504により1減算される。こうした大当り通知カウント値が「0」以外である期間は、特図ゲームにおける特図表示結果などの可変表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶された後、その保留データに対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間に対応している。したがって、今回の始動入賞より前の第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定した場合には、その判定結果に対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告となる連続予告演出の実行が制限(禁止)される。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、図26に示すステップS264〜S268の処理により、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のうちいずれであるかに応じて異なるハズレ変動パターン種別決定テーブルが選択され、使用テーブルとして設定される。図10(A)〜(C)に示すような各ハズレ変動パターン種別決定テーブルを構成するテーブルデータは、例えば変動パターン種別CA2−3といった特定の変動パターンが分類される変動パターン種別に対して、遊技状態に応じて異なる決定値が割り当てられるように設定されている。そして、図20及び図21に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS401の処理により現在の遊技状態を特定し、その特定結果に応じてステップS405、S415の処理で設定したスーパーリーチ判定値に基づいて、ステップS407、S417の処理によりスーパーリーチとなるか否かが判定される。
特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されている場合には、その保留データに対応する可変表示に基づく大当り遊技状態の前後で遊技状態が変化する可能性がある。この場合に新たな始動入賞が発生すると、始動入賞時の遊技状態と可変表示開始時の遊技状態とが相違してしまう。そのため、大当り遊技状態の終了前における始動入賞時にはスーパーリーチになると判定しても、可変表示開始時には遊技状態が変化しているために、実際の可変表示においてスーパーリーチとはならないことがある。このような場合に始動入賞時の判定結果に基づいて特定パターン予告となる連続予告演出を実行してしまうと、演出の出現頻度が過剰に高められ、また、スーパーリーチとなる可能性が設計段階よりも低下してしまい、演出内容の整合性が保てなくなるという不都合が生じる。そこで、特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されている期間内や、その保留データに対応する可変表示に基づく大当り遊技状態に制御されている期間内に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく判定結果を起因とする特定パターン予告の実行設定を制限(禁止)する。ただし、特図表示結果が「大当り」となる唯一または直近の保留データに対応する可変表示を予告対象とする場合には、その特図表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されるまでには特定パターン予告の実行が終了する。このように、大当り遊技状態の終了後に継続して特定パターン予告が実行されないのであれば、上記のような不都合は生じないので、特定パターン予告の実行を制限しない。これにより、特定パターン予告の出現頻度を高めることができ、また、特定パターン予告が実行された場合に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、図32に示すステップS506にて予告制限フラグがオンであるときには(ステップS506;Yes)、ステップS509における予告用設定処理の実行が制限(禁止)される。予告制限フラグは、確変制御中に「非確変大当り判定」が通知された場合に、ステップS508の処理が実行されることによりオン状態となる。そして、ステップS505にて確変制御中ではないと判定されるまで、予告制限フラグはオン状態のまま維持される。したがって、確変制御中の第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定(図27のステップS302を参照)が行われるまで、大当り予告や特定パターン予告を実行するための設定が制限(禁止)される。
一例として、確変制御中に合計保留記憶数が「0」であるとき、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定される場合には、第1始動入賞時に「非確変大当り判定」が通知されたことに対応して、ステップS508の処理にて予告制限フラグがオン状態にセットされる。そして、ステップS505にて確変制御中ではないと判定されるまで、予告制限フラグはオン状態のまま維持される。したがって、確変制御中に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応して第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに基づいて、その特図ゲームが終了するまでの期間において保留表示予告の実行が制限(禁止)される。
この実施の形態では、開始条件が成立した特図ゲームに対応して特図表示結果を決定するときに、図25に示すステップS239の処理により、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータのうちから、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて異なるテーブルデータが選択され、ステップS240における特図表示結果の決定に用いられる。図7に示すような特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて異なる決定値が割り当てられるように設定されている。そして、図20及び図21に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS401の処理により現在の遊技状態を特定し、その特定結果に応じてステップS402の処理で選択した特図表示結果決定用データテーブルを用いて、ステップS404、S414の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かが判定される。
確変制御中に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定される保留データが記憶されている場合には、その保留データに対応する可変表示が終了するときに、確変制御も終了する。このような保留データが記憶されているときに新たな始動入賞が発生すると、始動入賞時の遊技状態と可変表示開始時の遊技状態とが相違してしまう。そのため、確変状態の終了前における始動入賞時には特図表示結果が「大当り」に決定されると判定しても、可変表示開始時には遊技状態が変化しているために、実際の可変表示結果が「大当り」にならないことがある。このような場合に始動入賞時の判定結果に基づいて大当り予告となる連続予告演出を実行してしまうと、演出の出現頻度が過剰に高められ、また、大当り信頼度が設計段階よりも低下してしまい、演出内容の整合性が保てなくなるおそれがある。そこで、遊技状態が確変状態であるときに、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる保留データが記憶されている期間内や、その保留データに対応する可変表示に基づき確変状態が終了するまでの期間内に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく判定結果を起因とする大当り予告の実行設定を制限(禁止)する。
なお、予告制限フラグは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて実行される始動入賞時予告設定処理にて確変制御中ではないと判定されたときにクリアされるものに限定されず、例えば大当り開始指定コマンドや遊技状態指定コマンドを受信して確変状態の終了を特定できたときに、クリアされるようにしてもよい。
ステップS603、S612の処理のいずれかにて大当り予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS604、S613の処理により予告モードバッファ値が「1」に設定される。また、ステップS607、S616の処理のいずれかにて特定パターン予告を実行する設定が行われる「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS608、S615の処理により予告モードバッファ値が「2」に設定される。このように、予告モードバッファ値は、連続予告演出となる演出動作の態様(演出内容)が大当り予告であるか特定パターン予告であるかを、特定可能に示している。
ステップS603、S607の処理のいずれかにて「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS609の処理により、合計保留記憶数が予告回数カウンタのカウント初期値として設定される。ステップS612、S616の処理のいずれかにて「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS618の処理により、第2特図保留記憶数が予告回数カウンタのカウント初期値として設定される。この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される(図25のステップS231、S235を参照)。そこで、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには合計保留記憶数を予告回数カウンタに設定する一方、第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには第2特図保留記憶数を予告回数カウンタに設定することにより、大当り予告や特定パターン予告による予告対象となる可変表示が実行される以前に実行される可変表示回数を特定することができる。
ステップS601の処理により第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定した後、ステップS603、S607の処理のいずれかにて「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS610の処理により、予告対象特図バッファ値が「1」に設定される。また、ステップS601の処理により第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定した後、ステップS612、S616の処理のいずれかにて「実行設定あり」と判定した場合には、ステップS619の処理により、予告対象特図バッファ値が「2」に設定される。このように、予告対象特図バッファ値は、大当り予告や特定パターン予告による予告対象となる可変表示が第1特図と第2特図のうちいずれを用いた特図ゲームに対応するものであるかを、特定可能に示している。
ステップS601の処理により第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定した後、ステップS620の処理にて予告対象特図バッファ値が「1」であると判定したときには、ステップS621の処理により予告回数カウント値が1加算される。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しても、第2始動入賞口における始動入賞に基づく特図ゲームが先に実行されることになる。そのため、予告回数カウント値が第1特図を用いた特図ゲームの保留データに対応する保留位置(保留番号)を示しているときに、第2始動入賞口における始動入賞が発生した場合には、予告回数カウント値と大当り予告や特定パターン予告を実行する起因となった特図ゲームが実行される順番とが相違してしまうおそれがある。そこで、第2始動口入賞指定コマンドの受信に対応して予告回数カウント値を1加算するように更新することで、こうした相違の発生を防止できる。なお、予告回数カウント値が第2特図を用いた特図ゲームの保留データに対応するものである場合には、このような相違は発生しないから、予告回数カウント値の更新は不要である。
ステップS603、S607の処理のうちいずれかにて「実行設定あり」と判定されたときには、第1始動口入賞指定コマンドにより通知された判定結果が「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」といった大当り判定であるか否かを特定し、大当り判定が通知されたときに「実行設定あり」となった場合には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた大当り判定時予告フラグをオン状態にセットしておいてもよい。この大当り判定時予告フラグは、後述する図37に示す連続予告演出設定処理のステップS543Aにて、予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態であるか否かを判定するために用いられればよい。
図35は、演出制御プロセス処理として、図30のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図36は、図35のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS431)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS431;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS432)。
ステップS432にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS432;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS433)。一例として、ステップS433の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS432にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS432;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS434)。一例として、ステップS434の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS431にて特図表示結果が「ハズレ」ではなく「大当り」であると判定されたときには(ステップS431;No)、確変昇格演出を実行するための設定が行われる(ステップS435)。例えば、ステップS435の処理では、大当り種別が「非確変」や「第1確変」である場合に、再抽選決定テーブルや大当り中昇格決定テーブルを参照することなどにより、再抽選演出や大当り中昇格演出を実行するか否かを決定する。また、例えば再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS435での設定に続いて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS436)。一例として、ステップS436の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「第1確変」または「第2確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「第1確変」でステップS435において大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときや、大当り種別が「第2確変」であるときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」である場合であっても、ステップS435において大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにする。
ステップS433、S434、S436の処理のいずれかを実行した後には、連続予告演出設定処理を実行する(ステップS437)。加えて、「滑り」や「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、それぞれの可変表示演出を実行するときに仮停止表示させる飾り図柄を決定するための処理が実行されればよい。
続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS438)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばステップS437の連続予告演出設定処理で図柄表示予告となる連続予告演出を実行することが決定された場合には、その決定結果に対応した特図変動時演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS438の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS439)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS440)。このときには、例えばステップS438にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS441)、可変表示開始設定処理を終了する。
図37は、図36のステップS437にて実行される連続予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す連続予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、連続予告演出の残り実行回数を示す予告回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS541)。このとき、予告回数カウント値が「0」であれば(ステップS541;Yes)、連続予告演出を実行しないと判断して、連続予告演出設定処理を終了する。
ステップS541にて予告回数カウント値が「0」以外であるときには(ステップS541;No)、予告対象特図バッファ値が「1」であるか否かを判定する(ステップS542)。そして、予告対象特図バッファ値が「1」である場合には(ステップS542;Yes)、大当り通知カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS543)。このとき、大当り通知カウント値が「0」以外であれば(ステップS543;No)、予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態であるか否かを判定する(ステップS543A)。
ステップS543Aにおける処理の一例として、演出制御用CPU120は、大当り通知カウント値が「1」であるか否かを判定する。このとき、大当り通知カウント値が「1」以外であれば、予告対象となる可変表示以外にも「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されて特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることから、予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定する。その一方で、大当り通知カウント値が「1」である場合には、大当り判定時予告フラグがオンであるか否かを判定する。そして、大当り判定時予告フラグがオンであるときには、予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態であると判定すればよい。大当り判定時予告フラグは、図33に示すステップS603、S607の処理のうちいずれかにて「実行設定あり」と判定されたときに所定条件の成立に応じてオン状態にセットされた後、ステップS547にて予告回数カウント値が「0」となったときなどに、クリアされてオフ状態となればよい。
ステップS543にて大当り通知カウント値が「0」であるときや(ステップS543;Yes)、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態である場合には(ステップS543A;Yes)、遊技状態が時短状態や確変状態であるときに時短制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS544)。例えば演出制御用CPU120は主基板11から伝送された遊技状態指定コマンドに基づいて現在の遊技状態を特定し、その遊技状態から時短制御中であるか否かを判定できればよい。
ステップS542にて予告対象特図バッファ値が「1」ではなく「2」であるときや(ステップS542;No)、ステップS544にて時短制御中ではないときには(ステップS544;No)、例えば予告モードバッファ値に対応する予告モードなどに応じた予告パターンを決定する(ステップS545)。より具体的には、予告モードバッファ値が「1」であるときには、大当り予告を実行する設定に対応して、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を、例えば所定の表示色(赤色など)を有する星型などの記号を示す図柄といった、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させる(差し替える)予告パターンを選択し、使用パターンに決定すればよい。これに対して、予告モードバッファ値が「2」であるときには、特定パターン予告を実行する設定に対応して、最終停止表示される中図柄を、例えば大当り予告の場合とは異なる所定の表示色(青色など)を有する星型などの記号を示す図柄といった、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させる(差し替える)予告パターンを選択し、使用パターンに決定すればよい。
なお、可変表示結果が「大当り」となるときには、大当り組合せの飾り図柄が最終停止図柄として導出表示されるので、特殊な飾り図柄を導出表示させる図柄表示予告は実行することができない。そこで、ステップS545の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定を行い、「大当り」にはならないと判定されたときに、図柄表示予告を実行するための予告パターンを決定すればよい。また、大当り予告や特定パターン予告による予告対象となる可変表示では、図柄表示予告となる演出動作が実行されないようにすればよい。
ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態ではない場合や(ステップS543A;No)、ステップS544にて時短制御中であるとき(ステップS544;Yes)、あるいはステップS545の処理を実行した後には、予告回数カウント値を1減算するように更新する(ステップS546)。そして、更新後の予告回数カウント値が「0」になったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、予告回数カウント値が「0」以外であれば(ステップS547;No)、連続予告演出設定処理を終了する。
ステップS547にて予告回数カウント値が「0」であるときには(ステップS547;Yes)、連続予告演出を実行する設定をクリア(初期化)してから、連続予告演出設定処理を終了する。すなわち、予告モードバッファをクリアするとともに(ステップS548)、予告対象特図バッファをクリアして(ステップS549)、これらのバッファ値を「0」に初期化する。
こうした連続予告演出設定処理を実行することにより、予告回数カウント値などに基づいて、大当り予告や特定パターン予告となる連続予告演出を各回の可変表示において実行することができる。ここで、ステップS542にて予告対象特図バッファ値が「1」であるときには、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態ではない場合に、ステップS545の処理が実行されず、連続予告演出を実行するための予告パターンが決定されない。すなわち、予告対象となる可変表示の他に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されているときには、第1始動入賞時の判定結果を起因とする大当り予告や特定パターン予告が実行されないように制限(禁止)される。なお、特定パターン予告については、図33に示すステップS605A、S614Aにて今回の始動入賞時より前に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが既に記憶されているときに実行設定が制限(禁止)される。したがって、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示の他に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されている場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく大当り予告の実行を制限(禁止)することに、特有の意味があるといえる。
大当り通知カウント値は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」といった大当り判定が通知された場合に、図32に示すステップS502により1加算される。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合に、ステップS504により1減算される。したがって、第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定した場合には、その判定結果に対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間において、大当り通知カウント値が「0」以外となる。そして、大当り遊技状態が終了した後には、時短状態や確変状態となり高開放制御が行われる。このときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっており、第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて連続予告演出を実行すると、予告対象となる可変表示が実行されずに長期間が経過してしまい、遊技者に不信感を与えるおそれがある。
また、高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて連続予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して連続予告演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、大当り通知カウント値が「0」以外であり、予告対象となる可変表示の他に特図表示結果が「大当り」になると判定された保留データが記憶されている期間や、その保留データに対応する可変表示に基づく大当り遊技状態が終了するまでの期間では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく大当り予告や特定パターン予告といった連続予告演出の実行を制限(禁止)する。これにより、予告対象となる可変表示が実行されずに長期間が経過することを防止し、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。また、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
同様の問題は確変状態や時短状態において時短制御とともに高開放制御が行われているときにも発生し得る。そこで、図37のステップS542にて予告対象特図バッファ値が「1」であるときには、ステップS544にて時短制御中である場合に、ステップS545の処理を実行しないように制御して、連続予告演出を実行するための予告パターンが決定されないようにする。すなわち、時短制御中であるときには、第1始動入賞時の判定結果を起因とする大当り予告や特定パターン予告が実行されないように制限(禁止)される。
その一方で、図37のステップS542にて予告対象特図バッファ値が「1」ではなく「2」であるときには、ステップS544の処理を実行せずにステップS545の処理を実行するように制御して、連続予告演出を実行するための予告パターンが決定される。すなわち、第2始動入賞が発生したときには、時短制御とともに高開放制御が行われている場合でも、大当り予告や特定パターン予告を実行できるようにすることで、連続予告演出が出現する頻度の低下を防止できる。
また、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態ではないときや、ステップS544にて時短制御中であるときでも、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応してステップS546の処理により予告回数カウント値が1減算されるだけで、更新後のカウント値が「0」にならなければステップS548、S549の処理が実行されないので、大当り予告や特定パターン予告を実行するための設定がクリアされてしまうことはない。図33に示すステップS601の処理で第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには、ステップS621の処理により予告回数カウント値を1加算できることがある。したがって、例えば時短制御中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1始動入賞時の判定結果を起因とする大当り予告などは、時短制御が終了するまでの期間において実行が制限(禁止)される一方で、時短制御が終了すれば、この判定結果を起因とする大当り予告などの実行を開始することができる。これにより、大当り予告などの出現頻度を高めることができる。
ステップS543にて大当り通知カウント値が「0」以外である場合でも、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態であるときには、特図表示結果が「大当り」となる第1始動入賞時の判定結果を起因とする大当り予告や特定パターン予告については、実行することができる。このような大当り予告や特定パターン予告は、第1特図を用いた特図ゲームの保留データのうちで、特図表示結果が「大当り」となる唯一または直近の保留データに対応する可変表示を予告対象としており、その特図表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されるまでには連続予告演出の実行が終了する。このように、大当り遊技状態の終了後に継続して連続予告演出が実行されないのであれば、前述した問題は生じないので、大当り予告や特定パターン予告の実行を制限しなくてもよい。ただし、高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっており、前述した問題が生じるので、大当り予告や特定パターン予告の実行を制限する必要がある。そこで、ステップS544にて時短制御中である場合には、ステップS545の処理を実行しないように制御して、連続予告演出を実行するための予告パターンが決定されないようにしている。
なお、ステップS542にて予告対象バッファ値が「1」であるときには、ステップS544の処理に進み、時短制御中である場合に限り、ステップS545の処理が実行されないようにしてもよい。このようにしても、特図表示結果が「大当り」となる直近の保留データに基づいて大当り遊技状態に制御されたときには、その大当り遊技状態の終了後に時短制御が開始されれば、連続予告演出の実行が制限(禁止)される。したがって、見かけ上は大当り遊技状態に制御されることで連続予告演出の実行が終了したかのように制御することができ、大当り遊技状態の終了後に継続して連続予告演出が実行されてしまうことを防止できる。
図38は、図35のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;No)、連続予告演出を実行するための連続予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS462)。連続予告演出実行期間は、例えば大当り予告や特定パターン予告に対応した予告パターン、あるいは特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。連続予告演出実行期間には、連続予告演出に対応して演出用点灯役物90を用いた連続予告報知が実行される場合に、その実行期間も含まれていればよい。
ステップS462にて連続予告演出実行期間であるときには(ステップS462;Yes)、連続予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS463)。一例として、ステップS463の処理では、予告演出制御パターンあるいは特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の画面上に設けられた「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおいて、大当り予告や特定パターン予告に対応した特殊な飾り図柄を導出表示させるための表示動作制御が行われればよい。また、連続予告演出の実行に対応して演出用点灯役物90を用いた連続予告報知を実行する場合には、その実行期間中にランプ制御基板14へと演出用点灯役物90の動作指令を伝送させることなどにより、演出用点灯役物90を回転・点灯させる動作制御が行われればよい。
ステップS462にて連続予告演出実行期間ではないときや(ステップS462;No)、ステップS463の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS464)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS465)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS465;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS465にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS465;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS466)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS467)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS468)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の具体例について説明する。
図39は、大当り予告となる連続予告演出を実行した後に可変表示結果が「大当り」となる場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、図39(A)に示すように、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示されており、第1特図保留記憶数が「3」であるものとする。ここで、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号が「3」と関連付けられた保留データは、大当り判定範囲内となる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示している。この場合、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時に、図19に示すステップS220にて入賞時乱数値判定処理が実行され、図20のステップS404にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定されたことに対応して、ステップS412、S413の処理のいずれかなどにより、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが主基板11から演出制御基板12へと伝送される。この演出動作例では、「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図31に示すステップS153の処理により始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の更新設定を行ってから、ステップS156の始動入賞時設定処理や図32に示すステップS509の予告用設定処理を実行する。そして、図33に示すステップS602の処理における大当り予告を実行する設定を行う決定結果に基づいて(ステップS603;Yes)、複数回の可変表示にわたり大当り予告を実行可能とする設定が行われる。例えば、ステップS604の処理により予告モードバッファ値が「1」に設定されて、大当り予告を実行することが特定可能に記憶される。また、ステップS609の処理により大当り予告の実行回数が合計保留記憶数と同一の「3」に設定される。さらに、ステップS610の処理により予告対象特図バッファ値が「1」に設定されて、第1始動入賞時の判定結果に起因する大当り予告であることや、第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が予告対象となることなどが、特定可能に記憶される。
その後、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、図36のステップS437にて図37に示すような連続予告演出設定処理を実行する。このとき、大当り通知カウント値が「1」であることにより、ステップS543の処理では大当り通知カウント値が「0」以外であると判定される。しかしながら、ステップS543Aにて特図表示結果が「大当り」に決定される唯一の保留データに対応する可変表示を予告対象にすると判定されれば、ステップS545の処理に進み、予告パターンを決定して大当り予告を実行することができる。大当り予告が実行される可変表示では、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時の飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄(特殊識別情報)を最終停止させる特殊表示結果となる。
こうして、例えば図39(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図38に示すステップS463の演出動作制御などにより、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。なお、このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図37のステップS546にて予告回数カウント値が1減算されて「2」に更新されている。その後、例えば図39(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図39(D)に示すような特殊表示結果を導出表示する。例えば、図38に示すステップS463の演出動作制御などにより、「左」→「右」→「中」の順で確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示させることにより、特殊識別情報となる飾り図柄を最終停止させればよい。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告回数カウント値が「2」であることから(図37のステップS541;No)、ステップS545の処理に進み、予告パターンを決定して大当り予告を実行できるようにすればよい。こうして、例えば図39(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図38に示すステップS463の演出動作制御などにより、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。なお、このときには第1特図保留記憶数が「1」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図37のステップS546にて予告回数カウント値が1減算されて「1」に更新されている。その後、例えば図39(F)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図39(G)に示すような特殊表示結果を導出表示する。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告回数カウント値が「1」であり、大当り予告による予告対象となる可変表示が行われる。この演出動作例では、図36に示すステップS431にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたことに基づいて(ステップS431;No)、ステップS436にて大当り組合せの最終停止図柄が決定される。図37に示すステップS545の処理では、予告対象となる可変表示に対応して、予告パターンの決定が行われず、大当り予告を実行しないようにすればよい。その後、ステップS546にて予告回数カウント値を1減算することにより、更新後のカウント値が「0」となり、大当り予告の実行を終了するための設定が行われる(ステップS548、S549)。
こうして、例えば図39(H)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始され、図39(I)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図39(J)に示すような飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
図40は、特定パターン予告となる連続予告演出を実行した後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合の演出動作例を示している。この演出動作例でも、まずは図39の演出動作例と同様に、図40(A)に示すような飾り図柄が停止表示されている。そして、第1特図保留記憶数が「3」になる第1始動入賞時に「スーパーリーチ判定あり」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図33に示すステップS606の処理における特定パターン予告を実行する設定を行う決定結果に基づいて(ステップS607;Yes)、複数回の可変表示にわたり特定パターン予告を実行可能とする設定が行われる。
こうした設定などに基づいて、例えば図40(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図37のステップS546にて予告回数カウント値が1減算されて「2」に更新されている。その後、例えば図40(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図40(D)に示すような特殊表示結果を導出表示する。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告回数カウント値が「2」であることから(図37のステップS541;No)、ステップS545の処理に進み、予告パターンを決定して特定パターン予告を実行できるようにすればよい。こうして、例えば図40(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図38に示すステップS463の演出動作制御などにより、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。なお、このときには第1特図保留記憶数が「1」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図37のステップS546にて予告回数カウント値が1減算されて「1」に更新されている。その後、例えば図40(F)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図40(G)に示すような特殊表示結果を導出表示する。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告回数カウント値が「1」であり、特定パターン予告による予告対象となる可変表示が行われる。図37に示すステップS545の処理では、予告対象となる可変表示に対応して、予告パターンの決定が行われず、特定パターン予告を実行しないようにすればよい。その後、ステップS546にて予告回数カウント値を1減算することにより、更新後のカウント値が「0」となり、特定パターン予告の実行を終了するための設定が行われる(ステップS548、S549)。
こうして、例えば図40(H)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始され、図40(I)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図40(J)に示すように「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで「7」の数字を示す同一の飾り図柄が停止表示されて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。その後、例えばスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)におけるリーチ演出などが実行されればよい。
なお、大当り予告や特定パターン予告となる連続予告演出として、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を特殊なものとする図柄表示予告を実行するものに限定されない。例えば、大当り予告や特定パターン予告となる連続予告演出として、保留表示予告が実行されてもよい。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンとなる可能性などを、複数回の可変表示にわたり予告する。
図33に示すステップS602、S611の処理のうちいずれかにて大当り予告の実行設定ありに決定された場合には、大当り予告となる保留表示予告を実行するための設定が行われるようにしてもよい。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される保留表示予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、使用パターンとなる保留表示予告パターンを決定すればよい。ステップS606、S615の処理のうちいずれかにて特定パターン予告の実行設定ありに決定された場合には、特定パターン予告となる保留表示予告を実行するための設定が行われるようにしてもよい。
保留表示予告パターンは、予め複数パターンが用意されており、使用パターンに応じて始動入賞記憶表示エリア5Hの対応する表示部位における表示態様を異ならせるものであればよい。こうした表示部位の表示態様としては、例えば表示部位の表示色を変化させるものや、表示部位の形状を変化させるもの、表示部位に特定の文字や記号、その他の特別なキャラクタ画像を表示させるもの、継続表示から点滅表示に変化させるもの、一定倍率での表示を拡大縮小表示に変化させること、あるいは、これらの一部または全部を含んだものであればよい。
保留表示予告パターン決定テーブルでは、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」といった大当り判定が通知されたか否かや、「スーパーリーチ判定あり」が通知されたか否かに応じて、保留表示予告パターンの決定割合を異ならせるように、各保留表示予告パターンの決定結果に決定値が割り当てられていればよい。そして、特定の保留表示予告パターンによる保留表示予告が実行されたときには、他の保留表示予告パターンによる保留表示予告が実行されたときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができればよい。また、所定の保留表示予告パターンによる保留表示予告が実行されたときには、他の保留表示予告パターンによる保留表示予告が実行されたときよりも特定の変動パターンとなる可能性が高められ、遊技者の期待感を高めることができればよい。
保留表示予告パターンを決定した後には、その保留表示予告パターンに従って保留の表示を変化させる設定などが行われるようにすればよい。こうして主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、これらのコマンドによる通知内容に基づいて、保留表示予告を実行するか否かを決定することができればよい。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、例えばEXTデータなどにより第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果を通知する。このとき抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶され、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出されて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定などに用いられる。このように、保留表示予告は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果に起因して実行される。
そして、図柄表示予告の場合と同様に、図33に示すステップS605A、S614Aにて今回の始動入賞時より前に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが既に記憶されているときには、ステップS606、S615の処理が実行されず、特定パターン予告の実行設定が行われなければよい。これにより、第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定した場合には、その判定結果に対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告となる保留表示予告の実行が制限(禁止)される。
また、図柄表示予告の場合と同様に、図32に示すステップS506にて予告制限フラグがオンであるときには、ステップS509における予告用設定処理の実行が制限(禁止)されればよい。これにより、確変制御中の第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定が行われるまで、大当り予告や特定パターン予告となる保留表示予告の実行が制限(禁止)される。
さらに、図33に示すステップS601にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態であるか否かの判定や、時短制御中であるか否かの判定を行い、今回の始動入賞時のみ大当り判定がなされた状態ではないときや、時短制御中であるときには、大当り予告や特定パターン予告を実行する設定が行われないようにすればよい。これにより、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて保留表示予告の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して保留表示予告を実行してしまうことや、時短制御とともに高開放制御が行われているときに第1始動入賞時の判定結果を起因とする保留表示予告を実行してしまうことを防止し、予告対象となる可変表示が実行されずに長期間が経過することがないようにするとともに、健全な遊技性を確保することができる。
図41は、保留表示予告が実行される場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、図41(A)に示すように飾り図柄の可変表示が行われているときに、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数)が「1」となっている。このとき、図41(B)に示すように第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞が発生した。これに対応して、「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送されたものとする。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図33に示すステップS606の処理における特定パターン予告を実行する設定を行う決定結果などに基づいて、特定パターン予告となる保留表示予告を実行する設定が行われる。こうして、例えば図41(C)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて保留番号「2」に対応した表示部位が、花形(サクラ柄)に変化する保留表示予告が実行されて、可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンとなる可能性が特定可能に報知される。その後、図41(D)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。例えば図41(E)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときに、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、青色表示されていた左端の表示部位における表示を除去するとともに、保留番号「2」に対応して花形(サクラ柄)となっている表示部位における表示を1つ左方向に移動させることなどにより、第1特図保留記憶数が「1」になったことを特定可能に表示する。その後、図41(F)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。そして、例えば図41(G)に示すような飾り図柄の可変表示が開始された後、図41(H)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり変動パターンに対応したリーチ演出などが実行される。こうして、例えば図41(I)に示すような飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図20に示すステップS401の処理により現在の遊技状態を特定し、その特定結果に応じてステップS405、S415の処理で設定したスーパーリーチ判定値を用いて、ステップS406、S407の処理、あるいはステップS416、S417の処理により、変動パターンがスーパーリーチを伴うものに決定されるか否かが判定される。図33に示すステップS606、S615の処理では、「スーパーリーチ判定あり」が通知されたか否かに応じて異なる割合で、特定パターン予告を実行する設定を行うか否かが決定される。これにより、遊技状態に応じて「スーパーリーチ判定あり」を適切に通知することができるので、その通知に基づいて特定パターン予告を実行する設定を行うと決定されやすくなり、特定パターン予告の実行頻度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
その一方で、始動入賞時に抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1について、図20に示すステップS404の処理や図21に示すステップS414の処理により大当り判定範囲内で大当り遊技状態に制御されると判定されたときには、ステップS412、S413の処理のうちいずれか、あるいはステップS422、S423の処理のうちいずれかにより、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドが演出制御基板12の側に伝送される。このときには、例えば図32に示すステップS502の処理により大当り通知カウント値が1加算されて「0」以外となったことなどに基づいて、図33に示すステップS606、S615の処理が実行されないように制御される。こうして、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定したときには、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告の実行が制限(禁止)される。これにより、特定パターン予告となる連続予告演出の出現頻度が過剰に高められてしまうことなどを防止して演出内容の整合性を保つことができる。
なお、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどから、最新の保留データに基づく特図ゲームの実行後における遊技状態を特定可能に記憶しておくことで、新たな第1始動入賞や第2始動入賞が発生したときに、その始動入賞に基づく可変表示の開始時における遊技状態に応じて設定したスーパーリーチ判定値を用いて、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるか否かなどを判定することが考えられる。しかしながら、このような構成では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100において、確変フラグや時短フラグの状態(オフまたはオン)を示すデータといった遊技制御に通常用いられる記憶データの他に、各保留データに基づく特図ゲームの実行後における遊技状態を特定可能にする専用の記憶データが必要となり、遊技制御のための記憶データ容量が増大し、遊技制御の処理負担も増大するという問題がある。これに対して、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、現在の遊技状態を特定できればよいので、確変フラグや時短フラグの状態を示すデータといった遊技制御に通常用いられる記憶データがあればよく、専用の記憶データは不要となり、遊技制御のための記憶データ容量や処理負担の増大を防止することができる。
図20に示すステップS401の処理により現在の遊技状態を特定した後には、その特定結果に応じてステップS402の処理で選択した特図表示結果決定用テーブルデータを用いて、ステップS404の処理、あるいは図21に示すステップS414の処理により、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かが判定される。また、ステップS411の処理、あるいはステップS421の処理により、大当り種別が「非確変」に決定されるか否かを判定することにより、確変状態に制御するための特別条件が成立するか否かが判定される。演出制御基板12の側では、図33に示すステップS602、611の処理を実行するときに、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたか否かに応じて異なる割合で、大当り予告を実行する設定を行うか否かが決定される。これにより、遊技状態が確変状態であるときには「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されやすくなるので、その通知に基づいて大当り予告を実行する設定を行うと決定されやすくなり、大当り予告の実行頻度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
その一方で、遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときに、始動入賞時に抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を用いた判定結果が大当り判定範囲内で大当り遊技状態に制御される判定結果であり、なおかつ確変状態に制御されない「非確変大当り判定」が第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されたときには、図32に示すステップS508の処理により予告制限フラグがオン状態にセットされ、図33に示すステップS602、S611による大当り予告の実行設定が行われないように制御される。こうして、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が終了するまでの期間内に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする大当り予告の実行が制限(禁止)される。これにより、大当り予告となる連続予告演出の出現頻度が過剰に高められてしまうことなどを防止して演出内容の整合性を保つことができる。
図37に示すステップS542の処理にて予告対象特図バッファ値が「1」であるときに、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態ではないと判定された場合には、ステップS545の処理が実行されないように制御される。また、ステップS543Aにて予告対象となる可変表示のみ大当り判定がなされた状態であっても、ステップS544にて時短制御中である場合には、ステップS545の処理が実行されないように制御される。その一方で、ステップS542の処理にて予告対象特図バッファ値が「2」であるときには、ステップS545の処理が実行されて、大当り予告や特定パターン予告が実行可能となる。こうして、時短制御とともに高開放制御が行われて第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい遊技状態となっているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、大当り予告や特定パターン予告が実行される。これに対して、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定したときには、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間において、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく大当り予告や特定パターン予告の実行が制限(禁止)される。これにより、予告対象となる可変表示が実行されずに長時間が経過することなどを防止し、健全な遊技性を確保しつつ、連続予告演出が出現する頻度の低下を防止して、遊技興趣を向上させることができる。
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な応用や変形が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、大当り予告となる連続予告演出を実行するための構成と、特定パターン予告となる連続予告演出を実行するための構成とのうち、少なくとも後者の構成を含んだものであればよく、前者の構成を含まないものであってもよい。また、演出用点灯役物90を用いて連続予告演出の実行を報知する連続予告報知が行われるものに限定されず、演出用点灯役物90などを備えていないものであってもよい。
上記実施の形態では、特図ゲームの開始時に特図表示結果が「ハズレ」に決定されたことに基づいて、図26に示すステップS264〜S268の処理を実行することで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(確変中)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dのうちから、遊技状態に応じた使用テーブルを選択して、ステップS269の処理により変動パターン種別を決定している。そして、各変動パターン種別決定テーブルにおけるテーブルデータの設定により、遊技状態が通常状態であるときには、合計保留記憶数にかかわらず全て共通(同一)の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。これに対して、遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず一部分は共通(同一)の決定値が割り当てられるものの、合計保留記憶数に応じて異なる決定値が割り当てられる部分もあるものとして説明した。
しかしながら、この発明はこれに限定されず、合計保留記憶数にかかわらず共通の決定値が特定の変動パターン種別などに割り当てられた部分を含み、その共通範囲が遊技状態に応じて変化し得るものであれば、具体的な決定値などの設定は任意に変更されたものであってもよい。一例として、遊技状態が確変状態や時短状態である場合でも、合計保留記憶数にかかわらず全て共通(同一)の決定値が変動パターン種別CA2−3に割り当てられる一方で、その共通範囲は、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて異ならせたものであってもよい。より具体的には、変動パターン種別CA2−3に対して、遊技状態が通常状態の場合に「230」〜「251」の範囲の決定値が割り当てられ、遊技状態が確変状態の場合に「242」〜「251」の範囲の決定値が割り当てられ、遊技状態が時短状態の場合に「245」〜「251」の範囲の決定値が割り当てられるように、各ハズレ変動パターン種別決定テーブルを構成するテーブルデータが設定されてもよい。
上記実施の形態では、図33に示すステップS605A、S614Aにて今回の始動入賞時より前に特図表示結果が「大当り」に決定される保留データが既に記憶されているときには、ステップS606、S615の処理を実行しないように制御している。これにより、今回の始動入賞時より前の第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定した場合には、現在の遊技状態や大当り種別の判定結果にかかわらず、大当り遊技状態に制御される判定結果に対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告の実行が制限(禁止)される。
しかしながら、この発明はこれに限定されず、現在の遊技状態や大当り種別の判定結果に基づいて、大当り遊技状態の前後における遊技状態が同一になる場合には、特定パターン予告の実行が制限されないようにしてもよい。一例として、遊技状態が時短状態であるときに、第2始動口入賞指定コマンドなどにより「非確変大当り判定」が通知された場合には、その通知に対応する可変表示に基づき大当り遊技状態に制御されるまでの期間内に第2始動入賞口などを遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告が実行できればよい。なお、大当り遊技状態に制御されるときには、時短制御や確変制御を終了するための設定が行われることから(図27のステップS302を参照)、大当り遊技状態に制御されている期間内における始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告の実行は制限(禁止)しておくのがよい。これにより、演出内容の整合性を保ちつつ、特定パターン予告の出現頻度をさらに高めることができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されると判定した場合には、その判定結果に対応する可変表示に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく全ての始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告の実行が制限(禁止)されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、一部の始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告については、その実行が制限(禁止)されないようにしてもよい。一例として、特定の変動パターンが分類される変動パターン種別に対して、遊技状態にかかわらず共通に割り当てられる決定値範囲(第1決定値範囲)と、遊技状態に応じて割当てが変化する決定値範囲(第2決定値範囲)とがあるものとする。そして、図20及び図21に示すステップS407、S417の処理によりスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定した場合には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が第1決定値範囲と第2決定値範囲のいずれに含まれるかを判定する。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、乱数値MR3が第1決定値範囲と第2決定値範囲のいずれに含まれるかに応じて、異なるEXTデータが設定されるようにして、乱数値MR3を用いた判定結果が演出制御基板12の側で特定可能に通知されるようにすればよい。
この場合には、図33に示すステップS605A、S614Aの処理により今回の始動入賞時以外に大当り判定が通知されたと判定したときでも、乱数値MR3が第1決定値範囲に含まれることが通知された場合には、ステップS606、S615の処理に進んで特定パターン予告を実行する設定が行われるようにすればよい。乱数値MR3が第1決定値範囲に含まれる場合には、遊技状態にかかわらず特定の変動パターンに決定されることから、特定パターン予告を実行しても、演出内容の整合性を保つことができる。また、特定パターン予告を実行できる場合が多くなることから、特定パターン予告の出現頻度を高めることができる。
上記実施の形態では、図7に示す特図表示結果決定テーブル130の構成例において、遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値は、遊技状態が確変状態であるときにも全部が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。すなわち、確変状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲は、通常状態又は時短状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲をすべて含んでいる。こうした構成例では、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる可変表示に対応して、確変制御が終了するまでの期間などにおいて大当り予告や特定パターン予告の実行を制限することで、予告演出の出現頻度や大当り信頼度の異常な変化を防止したり、遊技者の期待感が過剰に高められることを防止したりする。
これに対して、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられるように構成されてもよい。この構成例では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」または「第2確変」となる可変表示に対応して、確変制御が開始されるまでの期間において大当り予告の実行を制限してもよい。すなわち、遊技状態が確変状態以外であるときに、可変表示結果が「大当り」で確変状態に制御されるという始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が開始するまでの期間において大当り予告の実行を制限(禁止)する。これにより、確変状態の場合に通常状態や時短状態の場合とは異なる決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられたテーブルデータを用いて特図表示結果が決定されるにもかかわらず、確変制御前における始動入賞時の判定結果に基づいて予告演出を実行するか否かが決定されてしまい、出現頻度や大当り信頼度の異常な変化を防止して、遊技者の過剰な期待感や演出に対する不信感を抑制できる。なお、大当り遊技状態に制御される前後の遊技状態が同一になる場合には、大当り予告の実行が制限されないようにすればよい。
上記実施の形態では、図20に示すステップS404の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲内ではないと判定されたときに、ステップS405〜S409の処理を実行して、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を通知するものとして説明した。また、図21に示すステップS414の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲内ではないと判定されたときに、ステップS415〜S419の処理を実行して、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を通知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合にも、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて特定パターン予告を実行する設定の有無が決定されてもよい。例えば、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」を通知するとともに、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるか否かの判定結果を通知することができるように、EXTデータなどが設定されればよい。図33のステップS606、S615の処理では、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」のうちでも、「スーパーリーチ判定あり」が通知された場合に、通知されない場合よりも高い割合で、特定パターン予告の実行設定を行うと決定されればよい。
図20及び図21に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS401の処理により現在の遊技状態を特定し、その特定結果に応じてステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いて、ステップS404、S414の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かが判定される。これにより、遊技状態が確変状態であるときには通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定される。そして、例えば図9に示すような大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおけるテーブルデータの設定などにより、特図表示結果が「大当り」となる場合には、「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンに決定される。こうして、乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定されたときにも、「スーパーリーチ判定あり」を通知することで、確変状態であるときに特定パターン予告を実行する設定を行うと決定されやすくなり、特定パターン予告の実行頻度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、図柄表示予告は飾り図柄の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を特殊なものに変化させることから、予告対象となる可変表示では実行されないものとして説明した。また、保留表示予告も、予告対象となる可変表示が開始されるときに保留の表示が消去されることで、その実行が終了する。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告対象となる可変表示の実行中でも大当り予告や特定パターン予告となる演出動作が実行されるものであってもよい。例えば、飾り図柄の表示態様とは異なる画像表示装置5の画面上における所定の表示態様を変化させる演出動作や、スピーカ8L、8Rから所定の効果音や音声を出力させる演出動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDもしくは演出用点灯役物90に含まれる所定の点灯部材における点灯態様を変化させる演出動作、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させる演出動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた演出動作が大当り予告や特定パターン予告として、予告対象となる可変表示中でも実行可能となるようにしてもよい。
この場合、図37に示すステップS545の処理において、予告回数カウント値が「1」であるときでも予告パターンを決定することなどにより、予告対象となる可変表示の実行中に大当り予告や特定パターン予告となる演出動作が実行されればよい。
上記実施の形態では、大当り予告や特定パターン予告が複数回の可変表示にわたり連続して実行される連続予告演出となるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留データを用いた一般的な先読み予告として、大当り予告や特定パターン予告が実行されるものであればよい。一例として、保留データの記憶内容に対応して、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの通知内容などを、演出制御基板12の側にて入賞時判定結果バッファなどに記憶させておき、大当り遊技状態の終了時などに入賞時判定結果バッファの記憶内容を読み取る。そして、例えば大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出の一部として、可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無を報知する大当り予告となる先読み予告が実行されてもよい。
こうしたエンディング演出中の大当り予告では、例えば画像表示装置5の画面上に特別なキャラクタ画像を表示することや、そのキャラクタ画像の表示態様(表示色、表示柄、キャラクタのポーズや動作の一部または全部)を通常とは異ならせること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに含まれる所定の点灯部材を点灯させること、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることにより、可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無などを報知する。なお、可変表示結果が「大当り」のうち大当り種別が「確変」となる保留データの有無を報知するようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無を判定するための処理は、大当り遊技状態の終了時に入賞時判定結果バッファの記憶内容を確認するものであればよい。あるいは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信した時点で、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」の通知に対応して所定のカウンタ(例えば確変保留カウンタなど)の格納値を1加算するように更新してもよい。その一方で、大当り遊技状態の終了時には所定のカウンタにおける格納値を1減算するように更新する。そして、減算後の格納値が「1」以上であるときには、可変表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていると判定してもよい。「確変大当り判定」の通知や「確変大当り」に基づく大当り遊技状態の終了に対応してカウンタの格納値を更新するようにすれば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる保留データが記憶されているか否かを判定することができる。
このような場合に、確変状態の終了前における始動入賞時の判定結果を用いて可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無を特定すると、上記実施の形態における連続予告演出の場合と同様に、演出内容の整合性が保てなくなるおそれがある。そこで、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた先読み予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
具体的な一例として、図32に示すステップS508の処理により予告制限フラグがオン状態にセットされるときには、エンディング予告制限フラグもオン状態にセットされるようにする。そして、図36に示すステップS176の大当り終了演出処理などにおいて、エンディング予告制限フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、エンディング予告制限フラグがオンであれば、これをクリアしてオフ状態とし、大当り予告を実行するための演出動作制御などを行うことなく、大当り終了演出処理を終了する。これに対して、エンディング予告制限フラグがオフであるときには、入賞時判定結果バッファに「確変大当り判定」の通知が記憶されていることなどに基づいて、大当り予告を実行するための演出動作制御などが行われるようにすればよい。
その他にも、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる可変表示が開始されたときには、その可変表示が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた先読み予告となる大当り予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」となる可変表示が開始されたときには、大当り種別にかかわらず、その可変表示が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた先読み予告となる大当り予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図33に示すステップS602、S611の処理で図34(A)に示すような「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」の通知の有無に応じた決定割合で大当り予告を実行する設定の有無を決定することで、大当り予告が実行されるか否かに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせるものとして説明した。また、図33に示すステップS606、S615の処理で図34(B)に示すような「スーパーリーチ判定あり」の通知の有無に応じた決定割合で特定パターン予告を実行する設定の有無を決定することで、特定パターン予告が実行されるか否かに応じてスーパーリーチを伴う特定の変動パターンとなる可能性を異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態へと制御される可能性や、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が所定回数(例えば「15」など)となる可能性、大当り遊技状態の終了後に時短状態で実行可能な特図ゲームの上限回数が所定回数(例えば「100」など)となる可能性、確変状態における大当り確率が所定確率(例えば1/20など)となる可能性といった、所定図柄の表示結果などに応じて様々な遊技価値が付与される可能性を予告するようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1に限定されず、1つの特別図柄表示装置が設けられたものであってもよいし、3つ以上の特別図柄表示装置が設けられたものであってもよい。一例として、1つの特別図柄表示装置が設けられた場合に、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されたときには、その通知に対応する可変表示に基づく大当り遊技状態が終了するまでの期間内に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を起因とする特定パターン予告の実行が制限(禁止)されるようにすればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図31のステップS156や図32に示す始動入賞時設定処理、図32のステップS509や図33に示す予告用設定処理、図36に示すステップS431〜S436、S438〜S440の処理、図36のステップS437や図37に示す連続予告演出設定処理、図35のステップS172や図38に示す可変表示中演出処理などを実行することにより、各種演出動作の決定や制御を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図31のステップS156や図32に示す始動入賞時設定処理、図32のステップS509や図33に示す予告用設定処理、図36に示すステップS431〜S436、S438〜S440の処理、図36のステップS437や図37に示す連続予告演出設定処理、図35のステップS172や図38に示す可変表示中演出処理の一部または全部を実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
あるいは、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により図29のステップS439にて決定した演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9や装飾用LEDあるいは演出用点灯役物90といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1やスロットマシン700に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。