以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aの下方には、第1特別図柄表示装置4Aにて実行される特別図柄の可変表示と対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の可変表示などを行うことができる第1画像表示装置5Aが設けられている。第2特別図柄表示装置4Bの下方には、第2特別図柄表示装置4Bにて実行される特別図柄の可変表示と対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の可変表示などを行うことができる第2画像表示装置5Bが設けられている。
第1画像表示装置5Aの下方には、普通入賞球装置(第1始動入賞口)6Aが配置されている。第2画像表示装置5Bの下方には、普通図柄表示装置20や普通可変入賞球装置(第2始動入賞口)6Bが配置されている。普通図柄表示装置20は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート21を遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。さらに、普通入賞球装置6Aの下方には、第1特別可変入賞球装置(第1大入賞口)7Aが配置されている。普通可変入賞球装置6Bの下方には、第2特別可変入賞球装置(第2大入賞口)7Bが配置されている。
第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bは、例えば7セグメントやドットマトリクスの発光ダイオード(LED)等から構成されている。第1特別図柄表示装置4Aは、普通入賞球装置6Aへの遊技球の入賞により始動条件(第1始動条件)が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成される特別図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aでは、第1始動条件が成立した後、例えば第1特別図柄表示装置4Aによる前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したときに、特別図柄の可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件)が成立したとして、特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄表示装置4Bは、普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の入賞により始動条件(第2始動条件)が成立したことに基づいて行われる特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成される特別図柄の可変表示を行う。第2特別図柄表示装置4Bでは、第2始動条件が成立した後、例えば第2特別図柄表示装置4Bによる前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したときに、特別図柄の可変表示を開始するための開始条件(第2開始条件)が成立したとして、特別図柄の可変表示が開始される。ここで、普通可変入賞球装置6Bは、普通図柄表示装置20による普通図ゲームで表示結果が所定の当り図柄となったときに、電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が入賞しやすくなる。
第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bにより行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されると、第1特別可変入賞球装置7Aを開閉させることによる特定遊技状態としての大当り遊技状態となる。この実施の形態では、「3」及び「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数字を示す特別図柄をハズレ図柄としている。また、「3」を示す特別図柄を通常大当り図柄とし、「7」を示す特別図柄を確変大当り図柄とする。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置7Aの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。
他方、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第2特別可変入賞球装置7Bを開閉させることによる大当り遊技状態となる。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第2特別可変入賞球装置7Bの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。ここで、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときとは異なる所定期間(例えば45秒)あるいは所定個数(例えば15個)の入賞球が発生するまでの期間において第2特別可変入賞球装置7Bが開成され、その後に閉成するラウンドを所定の上限回数(例えば20ラウンド)まで繰り返すことができるようにしてもよい。
このように、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bでは、互いに異なる開始条件が成立したことに基づいて特図ゲームが開始される。そして、第1特別図柄表示装置4Aにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたとき、及び第2特別図柄表示装置4Bにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第1又は第2特別可変入賞球装置7A、7Bにおける開閉板の開閉動作による大当り遊技状態に制御される。
また、例えば第1特別図柄表示装置4Aでは「0」〜「9」の数字を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示を行う一方、第2特別図柄表示装置4Bでは「A」〜「J」のアルファベットを示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示を行ってもよい。あるいは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの各々が、互いに異なるモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を特別図柄として可変表示してもよい。
第1及び第2画像表示装置5A、5Bは、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画像表示を行うものであればよい。第1画像表示装置5Aの表示画面では、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば「左」、「中」、「右」の3つに分割された表示領域としての可変表示領域DL、DC、DRにて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。第2画像表示装置5Bの表示画面では、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、可変表示領域DL、DC、DRにて各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。
第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示(例えば切替表示やスクロール表示)が開始された後、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、第1画像表示装置5Aにおける各可変表示領域DL、DC、DRにて確定図柄となる飾り図柄(確定飾り図柄)が停止表示(導出表示)されることで、飾り図柄の変動が停止する。第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が開始された後、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、第2画像表示装置5Bにおける各可変表示領域DL、DC、DRにて確定飾り図柄が導出表示されることで、飾り図柄の変動が停止する。また、第1及び第2画像表示装置5A、5Bでは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示が行われているときに、様々な演出態様のいずれかによる演出表示を行うことができる。
この実施の形態では、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて変動可能に表示される飾り図柄のうちで、奇数である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す飾り図柄を確変大当り用の飾り図柄(確変図柄)とし、偶数である「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の数字を示す飾り図柄を通常大当り用の飾り図柄(通常図柄)とする。
特図ゲームの表示結果として「7」を示す特別図柄が停止表示されるとともに、飾り図柄の可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて同一の確変図柄が停止表示されるときには、確変大当りとなる。確変大当りとなるときには、所定回数(例えば100回)の特図ゲームの実行が開始されるまで、あるいは、大当りとなる特図ゲームの実行が開始されるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態(確率向上状態)となる。この高確率状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
他方、特図ゲームの表示結果として「3」を示す特別図柄が停止表示されるとともに、飾り図柄における可変表示結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて同一の通常図柄が停止表示されるときには、通常大当りとなる。この通常大当りとなるときには、確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。その一方で、通常大当りとなるときには、所定回数(例えば100回)の特図ゲームの実行が開始されるまで、または、大当りとなる特図ゲームの実行が開始されるまで、高確率状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となる。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間は、通常遊技状態よりも短くなるように制御される。
また、この実施の形態では、確変大当りとなった後に特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行された後に、所定回数(例えば50回)の特図ゲームが実行されるまで、あるいは、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、時間短縮状態となる。さらに、遊技状態が高確率状態であるときに高確率状態を終了する旨の確変転落抽選が行われたときにも、遊技状態が時間短縮状態に移行する。
第1画像表示装置5Aには、普通入賞球装置6Aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(第1始動入賞記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、通常青色であった表示を赤色表示に変化させる。この場合、飾り図柄の表示エリア(可変表示領域DL、DC、DR)と特別図柄始動記憶表示エリアとを区分けして設けることで、飾り図柄の可変表示中も第1保留記憶数が表示された状態とすることができる。なお、特別図柄始動記憶表示エリアを飾り図柄の表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。この場合には、飾り図柄の可変表示中には第1保留記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、第1保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)が、第1画像表示装置5Aとは別個に設けられてもよい。
第2画像表示装置5Bには、第1画像表示装置5Aと同様にして、普通可変入賞球装置6Bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数(第2始動入賞記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。また、第2保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)が、第2画像表示装置5Bとは別個に設けられていてもよい。さらには、第1及び第2保留記憶数の両方を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかに設けられていてもよい。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に開放状態に保たれる。そして、遊技領域を流下する遊技球が普通入賞球装置6Aに入賞すると、その遊技球が各入賞口スイッチ70(図2)に含まれる第1始動入賞口スイッチによって検出されることにより、第1始動条件が成立する。普通可変入賞球装置6Bは、図示せぬソレノイドによって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。普通可変入賞球装置6Bは、普通図柄表示装置20による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)で表示結果が所定の当り図柄となったときに、電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が入賞しやすくなる。普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球は、各入賞口スイッチ70(図2)に含まれる第2始動入賞口スイッチによって検出され、その検出により第2始動条件が成立する。
第1及び第2特別可変入賞球装置7A、7Bはそれぞれ、図示せぬソレノイドによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備えて構成される。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、閉成した状態にある。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイドによって入賞領域を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。第1及び第2特別可変入賞球装置7A、7Bにて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、所定の大入賞口スイッチによって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の賞球の払出が行われる。
普通図柄表示装置20は、例えばLED等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート21を遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。ここで、前述の高確率状態と時間短縮状態では、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が「当り」となる確率が向上するようにしてもよい。このときにはさらに、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加するようにしてもよい。このように、高確率状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態では、確変制御が行われず、大当り遊技状態となる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、高確率状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6B、第1及び第2特別可変入賞球装置7A、7B等)の周囲には装飾用LEDが設置されていてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。主基板11と演出制御基板12は、パチンコ遊技機1の背面にて適所に配置され、両基板の間に、例えば演出制御信号の信号線やストローブ信号を送受信するための演出制御INT信号の信号線などが配線されている。なお、演出制御基板12は、表示制御基板や音声制御基板、ランプ制御基板といった複数の独立した基板によって構成されてもよいし、これらをまとめた1つの基板として構成されてもよい。その他、パチンコ遊技機1の背面には、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bを構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する一方で、普通図柄表示装置20の点灯/点滅/発色制御を行うことにより普通図柄表示装置20における普通図柄の可変表示を制御する。
また、主基板11は、直接に、あるいは所定の信号出力基板などを介して、試験信号出力端子19と接続されている。試験信号出力端子19からは、高確率状態や時間短縮状態といった特別遊技状態であることを示す試験信号が、パチンコ遊技機1の外部へ出力される。例えば、試験信号出力端子19から出力される試験信号は、特別遊技状態であるときにローレベルとなる一方で、特別遊技状態ではないときにはハイレベルとなる電気信号であればよい。また、試験信号は、高確率状態や時間短縮状態といった特別遊技状態にて特図ゲームが実行された回数、あるいは、特別遊技状態中に大当りとなったか否かなどが、例えばパチンコ遊技機1の外部に接続された計測装置などにて、特定可能となるものであればよい。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13対応の主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝達するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられている。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3は、この実施の形態で用いられる表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
この実施の形態では、表示制御コマンドとして、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、第1及び第2可変表示開始コマンド、第1及び第2表示結果通知コマンドなどが、予め用意されている。その他、大当り開始コマンドや大当り終了コマンド、可変表示進行停止コマンド、可変表示進行再開コマンドなども、予め用意されている。
図3に示す例において、コマンド8000H〜80XXHは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで特別図柄の可変表示を開始するときに送信される第1可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。コマンド8100H〜81XXHは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで特別図柄の可変表示を開始するときに送信される第2可変表示開始コマンドである。第1及び第2可変表示開始コマンドは、例えば特別図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である特別図柄の可変表示時間や、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしてからハズレとなるリーチハズレとするかリーチとすることなくハズレとなる通常ハズレとするかなどを示すEXTデータを含んでいる。すなわち、第1及び第2可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示時間(総変動時間)を示す表示制御コマンドであり、表示に使用する可変表示パターン(変動パターン)を指定する可変表示パターンコマンドである。
ここで、リーチとは、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示領域に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示領域において変動表示が行われている表示態様(例えば「左」、「中」、「右」の可変表示領域DL、DC、DRのうち「左」、「右」の可変表示領域DL、DRには大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で「中」の可変表示領域DCは未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示領域の全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば「左」、「中」、「右」の可変表示領域DL、DC、DRの全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際には、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の可変表示態様の変化を、リーチ演出表示という。
コマンド90XXHは、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとなるか否かや、遊技状態が高確率状態となるか否かを示す第1表示結果通知コマンドである。コマンド91XXHは、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとなるか否かや、遊技状態が高確率状態となるか否かを示す第2表示結果通知コマンドである。具体的な一例として、第1表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9000Hは、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとはならずにハズレとなることを示す第1表示結果通知#1のコマンドであり、第2表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9100Hは、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとはならずにハズレとなることを示す第2表示結果通知#1のコマンドである。第1表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9001Hは、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示結果が大当りにはなるものの遊技状態は高確率状態にならないことを示す第1表示結果通知#2のコマンドであり、第2表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9101Hは、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示結果が大当りにはなるものの遊技状態は高確率状態にならないことを示す第2表示結果通知#2のコマンドである。第1表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9002Hは、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとなり遊技状態が高確率状態となることを示す第1表示結果通知#3のコマンドである。第2表示結果通知コマンドに含まれるコマンド9102Hは、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示結果が大当りとなり遊技状態が高確率状態となることを示す第2表示結果通知#3のコマンドである。
こうした第1及び第2表示結果通知コマンドにより、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示が行われた後に停止表示される最終的な飾り図柄の表示結果の種類がハズレであるか通常大当りであるか確変大当りであるかを特定することが可能となる。すなわち、第1及び第2表示結果通知コマンドにより、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示時間が経過したときに導出表示される飾り図柄の表示結果の種類がハズレであるか通常大当りであるか確変大当りであるかを特定することができる。
コマンドA000Hは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことにより、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA100Hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
コマンドA800Hは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示の進行を停止(中断)させるときに送信される可変表示進行停止コマンドである。演出制御基板12の側では、例えば可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる。例えば、演出制御基板12の側で可変表示進行停止コマンドを受信したときには、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける飾り図柄の可変表示時間を計測するためのタイマ(後述する第1及び第2表示制御時間タイマのいずれか)におけるタイマ値の更新を停止する。なお、可変表示進行停止コマンドは第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示の進行を停止(中断)させるときに、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける飾り図柄の総可変表示時間を延長するための可変表示パターンを指定するものであってもよい。この場合、演出制御基板12の側では、可変表示進行停止コマンドによって指定された可変表示パターンに対応して、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおいて実行中となっている飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの時間を延長し、飾り図柄の可変表示を継続して実行させればよい。
コマンドA900Hは、可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信される可変表示進行再開コマンドである。演出制御基板12の側では、例えば可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる。
その他、表示制御コマンドとしては、遊技状態が確変制御による高確率状態となることを示す確変開始コマンド、遊技状態が時短制御による時間短縮状態となることを示す時短開始コマンド、高確率状態が終了することを示す確変終了コマンド、及び時間短縮状態が終了することを示す時短終了コマンドなどが、予め用意されていてもよい。
図2に示すように、主基板11には、各入賞口スイッチ70からの検出信号を受信するための配線が接続されている。各入賞口スイッチ70には、第1及び第2始動入賞口や第1及び第2大入賞口、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための検出スイッチが含まれている。また、主基板11には、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御や第1及び第2特別可変入賞球装置7A、7Bにおける開閉板の開閉制御を行うための指令信号を図示せぬソレノイドに送信するための配線が接続されてもよい。
主基板11は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107などを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、CPU103とは独立して乱数の生成を行う乱数回路104及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。スイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
乱数回路104では、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、乱数回路104による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させる。図4は、主基板11の側にてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、大当り判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、可変表示パターン決定用の乱数値MR3、確変判定用の乱数値MR4、確変転落抽選用の乱数値MR5を示す数値データを、カウント可能に制御する。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数が用いられてもよい。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によって、乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
大当り判定用の乱数値MR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、大当り判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果の種類を大当りとするかハズレとするかの判定を行うために用いられる。リーチ判定用の乱数値MR2は、特図ゲームにて確定特別図柄が大当り図柄とならない場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後にハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するのか、リーチとすることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するのかを判定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「0」〜「1530」の範囲の値をとる。可変表示パターン決定用の乱数値MR3は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間や第1及び第2画像表示装置5A、5Bのそれぞれにおける飾り図柄の可変表示態様などを、予め用意された複数の可変表示パターンのいずれかに対応して決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「0」〜「108」の範囲の値をとる。
確変判定用の乱数値MR4は、特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときに、確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「9」の範囲の値をとる。確変転落抽選用の乱数値MR5は、遊技状態が確変制御による高確率状態となっているときに、その高確率状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数(例えば100回)に達していないときでも、高確率状態を終了するか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「399」の範囲の値をとる。
ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、大当りとするときに確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために参照される確変判定テーブル、ハズレとするときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブル、確変制御による高確率状態を終了するか否かを判定する確変転落抽選を行うために参照される確変終了判定テーブルなどが含まれている。
また、ROM101に記憶される決定テーブルには、特図ゲームでの可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定するための確定特別図柄決定テーブル、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームや第1及び第2画像表示装置5A、5Bによる飾り図柄の可変表示における図柄等の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブル、各種の演出表示を実行するか否かを決定するための演出表示実行決定テーブルなどが含まれている。
ROM101に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR3とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。この実施の形態では、特別遊技状態や特定遊技状態以外の通常遊技状態において飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当りとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するリーチハズレ用の可変表示パターンとして、リーチハズレパターンが複数種類用意されている。特図ゲームにて大当り図柄を確定特別図柄として導出表示するとともに大当り組合せの飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとしては、大当りパターンが複数種類用意されている。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄の可変表示時間を示すデータや、第1及び第2可変表示開始コマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられている。
図5は、可変表示パターン設定用のテーブルの一例として、可変表示パターンテーブル110の構成例を示している。可変表示パターンテーブル110は、例えば、複数種類の可変表示パターンと、特別図柄の総可変表示時間と、第1及び第2可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御データとを対応付ける設定データなどから構成されている。ここで、飾り図柄の可変表示時間(総変動時間)は、特別図柄の可変表示時間と同じ時間となっている。したがって、可変表示パターンを決定して特別図柄の可変表示時間を設定することにより、飾り図柄の可変表示時間も決定されることになる。
この実施の形態では、例えば大当りに対応する大当りパターンとして、可変表示パターンA(大当り)、可変表示パターンB(大当り)、…、可変表示パターンK(大当り)などが用意されている。リーチハズレに対応するリーチハズレパターンとしては、可変表示パターンA(リーチハズレ)、可変表示パターンB(リーチハズレ)、…、可変表示パターンK(リーチハズレ)などが用意されている。通常ハズレに対応する可変表示パターンとしては、可変表示パターンI(通常ハズレ)、可変表示パターンJ(通常ハズレ)、可変表示パターンL1(通常ハズレ)、可変表示パターンL2(通常ハズレ)、可変表示パターンL3(通常ハズレ)、可変表示パターンL4(通常ハズレ)が用意されている。
可変表示パターンA(大当り)、可変表示パターンB(大当り)、…、可変表示パターンK(大当り)といった大当りパターンや、可変表示パターンA(リーチハズレ)、可変表示パターンB(リーチハズレ)、…、可変表示パターンK(リーチハズレ)といったリーチハズレパターンでは、例えば特別図柄の可変表示中に飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後の表示態様が、各々異なるものとなる。すなわち、特別図柄及び飾り図柄の可変表示で使用される可変表示パターンが可変表示パターンA〜Jのいずれであるかに応じて、リーチとなった後に異なる可変表示態様で特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われたり、異なるキャラクタ画像が出現したりする。
図6は、一例として、可変表示パターンAにおける飾り図柄の可変表示態様を示している。この可変表示パターンAでは、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける各可変表示領域DL、DC、DRにて飾り図柄の変動が開始された後、「左」及び「右」の可変表示領域DL、DRにて同一の飾り図柄(図6では、飾り図柄「7」)が停止してリーチが成立する。その後、「中」の可変表示領域DCには、「左」及び「右」の可変表示領域DL、DRと同一の飾り図柄「7」が停止表示されが、次第に飾り図柄「7」がフェードアウトされて行く一方で、飾り図柄の可変表示において、飾り図柄「7」の一つ前の飾り図柄「6」が次第にフェードインされて行き、ハズレであれば、飾り図柄「6」で停止される合成画像69が表示される。これに対して、大当りならば、その後さらに、飾り図柄「6」をフェードアウトさせて行くと共に、飾り図柄「7」をフェードインさせて行き、最終的に飾り図柄「7」で停止させる合成画像69が表示される。
また、可変表示パターンI(通常ハズレ)、可変表示パターンJ(通常ハズレ)、可変表示パターンL1(通常ハズレ)、可変表示パターンL2(通常ハズレ)、可変表示パターンL3(通常ハズレ)、可変表示パターンL4(通常ハズレ)といった通常ハズレに対応する可変表示パターンでは、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄や確定飾り図柄が導出表示されるまでの表示態様が、各々異なるものとなる。
具体的な一例として、可変表示パターンL4(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T28は、可変表示パターンL1(通常ハズレ)〜L3(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T25〜T27に比べて短い時間となるように定められている。また、可変表示パターンL3(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T27は、可変表示パターンL1(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T25に比べて長い時間であり、かつ、可変表示パターンL2(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T26に比べて短い時間となるように定められているものとする。
また、可変表示パターンIでは、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける飾り図柄の可変表示中に、図7(A)に示すような報知情報60Aが表示されることによる演出表示が行われる。なお、通常ハズレに対応した可変表示パターンI(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T17は、図5に示すように、可変表示パターンL1(通常ハズレ)、可変表示パターンL3(通常ハズレ)、可変表示パターンL4(通常ハズレ)のそれぞれに対応する特別図柄の総可変表示時間T25、T27、T28に比べて長い時間となるように定められているものとする。
さらに、可変表示パターンJでは、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかにおける飾り図柄の可変表示中に、図7(B)に示すようなキャラクタ画像60Bが表示されることによる演出表示が行われる。なお、通常ハズレに対応した可変表示パターンJ(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T20は、図5に示すように、可変表示パターンL1(通常ハズレ)、可変表示パターンL3(通常ハズレ)、可変表示パターンL4(通常ハズレ)のそれぞれに対応する特別図柄の総可変表示時間T25、T27、T28に比べて長い時間となるように定められているものとする。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図8(A)に示す大当り時パターン決定テーブル111と、図8(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル112と、図8(C)に示すリーチハズレ時予告用パターン決定テーブル113と、図8(D)に示す通常ハズレ時予告用パターン決定テーブル114と、図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115と、図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116とが、ROM101の所定領域などに格納されている。図8(A)に示す大当り時パターン決定テーブル111は、飾り図柄の可変表示結果を大当りとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として発生する数値データに基づいて、複数種類ある大当りパターンのうちから特図ゲームや飾り図柄の可変表示に使用するものを選択決定できるように構成されている。図8(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル112は、飾り図柄の可変表示結果をリーチハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として発生する数値データに基づいて、複数種類あるリーチハズレパターンのうちから特図ゲームや飾り図柄の可変表示に使用するものを選択決定できるように構成されている。
ここで、大当り時パターン決定テーブル111と、リーチハズレ時パターン決定テーブル112とを比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対する可変表示パターン決定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。すなわち、特図ゲームあるいは飾り図柄の可変表示における表示結果がリーチハズレとなるか、大当りとなるかに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、表示結果が大当りとなる確率は、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
図8(C)に示すリーチハズレ時予告用パターン決定テーブル113は、飾り図柄の可変表示結果をリーチハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として発生する数値データに基づいて、可変表示パターンI(リーチハズレ)及び可変表示パターンJ(リーチハズレ)のうちから特図ゲームや飾り図柄の可変表示に使用するものを選択決定できるように構成されている。図8(D)に示す通常ハズレ時予告用パターン決定テーブル114は、飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として発生する数値データに基づいて、可変表示パターンI(通常ハズレ)及び可変表示パターンJ(通常ハズレ)のうちから特図ゲームや飾り図柄の可変表示に使用するものを選択決定できるように構成されている。
図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115は、通常遊技状態や高確率状態において、飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として乱数回路104等にて発生する数値データに基づいて、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを選択決定できるように構成されている。図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116は、時間短縮状態において飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとするときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR3として乱数回路104等にて発生する数値データに基づいて、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを選択決定できるように構成されている。
ここで、通常時・確変中パターン決定テーブル115を参照することにより、通常遊技状態や高確率状態において通常ハズレとなる場合には、可変表示パターンI(通常ハズレ)、可変表示パターンJ(通常ハズレ)、可変表示パターンL1(通常ハズレ)、可変表示パターンL2(通常ハズレ)のいずれかが選択される。そして、図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115の設定によれば、可変表示パターンL2(通常ハズレ)の方が、可変表示パターンL1(通常ハズレ)や可変表示パターンI(通常ハズレ)あるいは可変表示パターンJ(通常ハズレ)に比べて高い割合で選択される。他方、時短中パターン決定テーブル116を参照することにより、時間短縮状態において通常ハズレとなる場合には、可変表示パターンL3(通常ハズレ)、L4(通常ハズレ)のいずれかが選択される。そして、図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116の設定によれば、可変表示パターンL4(通常ハズレ)の方が、可変表示パターンL3(通常ハズレ)に比べて高い割合で選択される。これにより、平均的には、時間短縮状態のときの方が、通常遊技状態や高確率状態に比べて、特図ゲームにおける特別図柄の総可変表示時間が短くなる。なお、図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116を用いて選択される可変表示パターンは全て、図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115を用いて決定されるいずれの可変表示パターンよりも、特別図柄の総可変表示時間が短くなるように予め設定されていてもよい。
図2に示すRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア120が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア120は、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bと、第1及び第2確定特別図柄記憶部122A、122Bと、遊技制御フラグ設定部123と、遊技制御タイマ設定部124と、遊技制御カウンタ設定部125とを備えている。
第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bはそれぞれ、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bのうちのいずれかに遊技球が入賞して第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを実行するための始動条件(第1及び第2始動条件のいずれか)が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件(第1及び第2開始条件のいずれか)が成立していない特図ゲームに関する保留情報を、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して記憶する。例えば、第1特図保留記憶部121Aが普通入賞球装置6Aと対応付けられるとともに第2特図保留記憶部121Bが普通可変入賞球装置6Bと対応付けられ、それぞれが、対応付けられた普通入賞球装置6Aまたは普通可変入賞球装置6Bへの入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第1及び第2確定特別図柄記憶部122A、122Bは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームにて可変表示結果として導出表示される確定特別図柄を示すデータを記憶する。遊技制御フラグ設定部123は、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から伝送された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。遊技制御タイマ設定部124は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。遊技制御カウンタ設定部125は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM102とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
遊技制御フラグ設定部123には、例えば、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、特別図柄プロセスフラグ(第1及び第2特別図柄プロセスフラグ)、大当りフラグ(第1及び第2大当りフラグ)、確変確定フラグ(第1及び第2確変確定フラグ)などが設けられている。その他、遊技制御フラグ設定部123には、確変中フラグ、時短中フラグ、可変表示進行停止フラグ、大当り競合回避フラグなどが設けられている。
第1及び第2特別図柄プロセスフラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して実行される第1及び第2特別図柄プロセス処理(図26のステップS15、S16)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1及び第2大当りフラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了したときには、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。なお、大当りフラグは、特図ゲームを開始するときに可変表示結果がハズレとなる旨の判定がなされると、クリアされてオフ状態となるようにしてもよい。第1及び第2確変確定フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。オン状態にセットされた確変確定フラグは、特図ゲームを開始するときに確変中フラグがオン状態にセットされると、クリアされてオフ状態となる。
確変中フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、確変大当りにする旨の判定がなされたことに対応して、オン状態にセットされる。オン状態にセットされた確変中フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、高確率状態を終了する旨の判定がなされたことに対応して、クリアされてオフ状態となる。時短中フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかにより特図ゲームを開始するときに、通常大当りにする旨の判定がなされたことに対応して、オン状態にセットされる。また、時短中フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、高確率状態を終了する旨の判定がなされた場合にも、オン状態にセットされる。オン状態にセットされた時短中フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、時間短縮状態を終了する旨の判定がなされたことに対応して、クリアされてオフ状態となる。
ここで、確変中フラグがオンであるかオフであるかを示す状態データと、時短中フラグがオンであるかオフであるかを示す状態データは、例えば確変中フラグと時短中フラグのそれぞれに対応して遊技制御フラグ設定部123に記憶される1ビットずつのデータであればよい。具体的には、確変中フラグに対応して遊技制御フラグ設定部123に記憶された高確率状態データの値が“0”であるときには確変中フラグがオフであるとし、“1”であるときには確変中フラグがオンであるとする。また、時短中フラグに対応して遊技制御フラグ設定部123に記憶された時間短縮状態データの値が“0”であるときには時短中フラグがオフであるとし、“1”であるときには時短中フラグがオンであるとする。
あるいは、確変中フラグと時短中フラグで共通の状態データを用意して、確変中フラグと時短中フラグのいずれか一方がオンとなり、他方がオフとなるように設定してもよい。具体的には、確変中フラグと時短中フラグで共通する1ビットの特別遊技状態データを用意して、その特別遊技状態データの値が“0”であるときには時短中フラグがオンである一方で確変中フラグはオフであるとし、“1”であるときには時短中フラグがオフである一方で確変中フラグはオンであるとする。この場合には、特別遊技状態データとは別に、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかを特定可能とする遊技状態特定データを用意して、例えば遊技状態特定データの値が“0”であるときには通常遊技状態とし、“1”であるときには特別遊技状態(高確率状態と時間短縮状態のいずれか)とすればよい。
可変表示進行停止フラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が開始されるときに第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合、あるいは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が開始されるときに第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合に、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときに可変表示進行停止フラグがオンとなっている場合には、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となる。
大当り競合回避フラグは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームの可変表示結果が同時に大当りとなったときに、オン状態にセットされる。この実施の形態では、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームの可変表示結果が同時に大当りとなったときには、まず、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した後に、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態に移行する。そして、オン状態となった大当り競合回避フラグは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したときに、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部124には、例えば、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、可変表示時間タイマ(第1及び第2可変表示時間タイマ)などが設けられている。第1可変表示時間タイマは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。第2可変表示時間タイマは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。例えば、第1及び第2可変表示時間タイマはそれぞれ、特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間に対応したタイマ値を記憶し、定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、第1可変表示時間タイマには、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して決定された可変表示パターンに対応したタイマ初期値が設定される。第2可変表示時間タイマには、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して決定された可変表示パターンに対応したタイマ初期値が設定される。
遊技制御カウンタ設定部125には、例えば確変カウンタや時短カウンタなどが設けられている。また、遊技制御カウンタ設定部125は、第1始動入賞口となる普通入賞球装置6Aへの遊技球の入賞に基づく保留データの数である保留記憶数(第1保留記憶数)をカウントする第1保留記憶数カウンタと、第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の入賞に基づく保留データの数である保留記憶数(第2保留記憶数)をカウントする第2保留記憶数カウンタとを備えていてもよい。
確変カウンタは、確変制御が行われる高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタには、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、確変大当りにする旨の判定がなされたことに対応して、高確率状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)を示すデータが、確変中可変表示回数初期値として設定される。そして、高確率状態にて特図ゲームが開始されるときには、確変カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。
時短カウンタは、時短制御が行われる時間短縮状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。時短カウンタには、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するときに、通常大当りにする旨の判定がなされたことに対応して、時間短縮状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)を示すデータが、通常大当り後時短用初期値として設定される。また、時短カウンタには、確変カウンタにおけるカウント値が所定の確変終了基準値(例えば「0」)に達したことにより高確率状態が終了するときに、高確率状態に続く時間短縮状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「50」)を示すデータが、確変大当り後時短用初期値として設定される。さらに、特図ゲームを開始するときに高確率状態を終了するか否かを判定する確変転落抽選にて高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには、確変転落後に時間短縮状態にて実行可能として定められた特図ゲームの回数を示すデータが、確変転落時用初期値として設定される。具体的な一例として、確変転落時用初期値は、予め定められた上限値(例えば「150」)から、確変転落抽選において高確率状態を終了する旨の判定がなされたときにおける確変カウンタのカウント値を差し引いた数値などであればよい。あるいは、確変転落時用初期値は、確変転落抽選において高確率状態を終了する旨の判定がなされたときに、高確率状態に続く時間短縮状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「30」)を示す数値であってもよい。そして、時間短縮状態にて特図ゲームが開始されるときには、時短カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板である。図2に示すように、演出制御基板12には、演出制御用CPU130と、ROM131と、RAM132と、表示制御部133と、音制御部134と、ランプ制御部135とが搭載されている。なお、演出制御基板12には、演出制御コマンドの受信に用いられるコマンド受信回路が設けられていてもよい。演出制御基板12には、第1及び第2画像表示装置5A、5Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9への配線が接続されている。
演出制御用CPU130は、RAM132の所定領域をワークエリアとして用いながら、ROM131に格納されたプログラムに従って動作し、主基板11からの演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用CPU130は、受信した演出制御コマンドに従って、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示制御や、発光体の点灯/消灯制御、音声出力制御、可動演出装置の駆動制御等の各種制御を行う。例えば、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示制御を実行する際に、演出制御用CPU130は、表示制御コマンドに応じた指令を表示制御部133に与える。また、演出制御用CPU130は、例えば演出制御基板12に搭載されたランダムカウンタ(図示せず)による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、演出の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データをカウントさせる。
図2に示すROM131には、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示動作の内容を示すデータや、スピーカ8L、8R等の音声出力制御の内容を示すデータ、遊技効果ランプ9等による演出内容を示すデータなどが記憶されている。例えば、主基板11から送信された表示制御コマンドに対応して決定される第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示動作の内容を示すデータが、ROM131の所定領域に予め記憶されている。こうしたROM131の記憶データには、主基板11からの第1及び第2可変表示開始コマンドのいずれかによって指定される各可変表示パターンに対応して、各種画像をどのタイミングにてどのサイズで表示するかといった表示動作を定義する表示制御データが含まれている。
この実施形態において、表示制御データには、第1及び第2画像表示装置5A、5Bに表示される各種画像の切替タイミング等を示すタイミングデータと、連続する2つの飾り図柄を合成して2つの飾り図柄が重なり合った合成画像69を生成する際における、各飾り図柄の画像データのブレンド率を定義するブレンド率データと、各飾り図柄の画像の表示サイズを定義する拡大率データと、が含まれている。こうしたブレンド率データと拡大率データとは、それぞれブレンド率テーブルと拡大率テーブルとに記憶されている。
ブレンド率テーブル及び拡大率テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図11(A)に示すブレンド率Aテーブル171と、図11(B)に示すブレンド率Bテーブル172と、図12(A)に示す拡大率Aテーブル173と、図12(B)に示す拡大率Bテーブル174と、図12(C)に示す拡大率Cテーブル175と、がROM131の所定領域に格納されている。
図11(A)に示すブレンド率Aテーブル171と図11(B)に示すブレンド率Bテーブル172とには、合成画像69の生成を開始してからの経過時間TN(N=1、2、…、100)を示すデータと、ブレンド率データと、が対応付けて記憶されている。ブレンド率Aテーブル171に記憶されているブレンド率データは、時間の経過に伴って、ブレンド率を「1」から「0」へと順次低下させて行く制御データである。これに対して、ブレンド率Bテーブル172に記憶されているブレンド率データは、時間の経過に伴って、ブレンド率を「0」から「1」へと順次向上させて行く制御データである。
図12(A)に示す拡大率Aテーブル173と、図12(B)に示す拡大率Bテーブル174と、図12(C)に示す拡大率Cテーブル175と、には、経過時間TNと、拡大率と、が対応付けて記憶されている。拡大率Aテーブル173に記憶されている拡大率データは、時間の経過に伴って、拡大率を「1」から「0」へと順次低下させて行く制御データである。これに対して、拡大率Bテーブル172に記憶されている拡大率データは、時間の経過に伴って、拡大率を「0」から「1」へと順次向上させて行く制御データである。また、拡大率Cテーブル175に記憶されている拡大率データは、時間の経過に伴って拡大率を変化させずに「1」のままとする制御データである。
また、図2に示すROM131には、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄を決定するために用いられる複数種類の飾り図柄決定用テーブルが記憶されていてもよい。
図2に示すRAM132には、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような表示制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す表示制御用データ保持エリア150は、第1及び第2確定飾り図柄記憶部151、152と、表示制御フラグ設定部153と、表示制御タイマ設定部154と、表示制御カウンタ設定部155とを備えている。
第1及び第2確定飾り図柄記憶部151、152は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける飾り図柄の可変表示にて可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄を示すデータを記憶する。表示制御フラグ設定部153は、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示状態や主基板11から送信された表示制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。表示制御タイマ設定部154は、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bでの表示制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。表示制御カウンタ設定部155は、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bでの表示制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM132とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
表示制御フラグ設定部153には、例えば、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのそれぞれに対応して、表示制御プロセスフラグ(第1及び第2表示制御プロセスフラグ)や可変表示開始フラグ(第1及び第2可変表示開始フラグ)などが設けられている。その他、表示制御フラグ設定部153には、大当り開始フラグ、大当り終了フラグ、進行停止中フラグなどが設けられている。
第1及び第2表示制御プロセスフラグは、第1画像表示装置5Aに対応して実行される第1表示制御プロセス処理(図41)や、第2画像表示装置5Bに対応して実行される第2表示制御プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1可変表示開始フラグは、主基板11からの第1可変表示開始コマンドとなるコマンド80XXHを受信したときにオン状態にセットされ、第2可変表示開始フラグは、主基板11からの第2可変表示開始コマンドとなるコマンド81XXHを受信したときにオン状態にセットされる。大当り開始フラグは、主基板11からの大当り開始コマンドとなるコマンドA000Hを受信したときにオン状態にセットされ、大当り終了フラグは、主基板11からの大当り終了コマンドとなるコマンドA100Hを受信したときにオン状態にセットされる。進行停止中フラグは、主基板11からの可変表示進行停止コマンドとなるコマンドA800Hを受信したときにオン状態にセットされ、可変表示進行再開コマンドとなるコマンドA900Hを受信したときにクリアされてオフ状態となる。
表示制御タイマ設定部154には、例えば、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのそれぞれに対応して、表示制御時間タイマ(第1及び第2表示制御時間タイマ)などが設けられている。第1表示制御時間タイマは、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示時間などといった演出表示の実行時間を、演出制御基板12の側にて計測するためのものである。第2表示制御時間タイマは、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示時間などといった演出表示の実行時間を、演出制御基板12の側にて計測するためのものである。
例えば、第1表示制御時間タイマには、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から送信された第1可変表示開始コマンドにて示された可変表示パターンに対応したタイマ初期値が設定される。また、第2表示制御時間タイマには、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から送信された第2可変表示開始コマンドにて示された可変表示パターンに対応したタイマ初期値が設定される。この後、第1及び第2表示制御時間タイマは、例えば定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられ、飾り図柄の可変表示が実行される残り時間に対応したタイマ値を記憶する。また、この実施の形態では合成画像69の生成を開始してからの経過時間を計測する経過時間タイマなども設けられている。この経過時間タイマには、タイミングデータに規定された合成開始タイミングとなったときに、所定のタイマ初期値(例えば「0」)が設定される。
図2に示す表示制御部133は、演出制御用CPU130からの指令に基づき、第1及び第2画像表示装置5A、5Bに画像を表示させるためのデータ処理などを実行する。音制御部134は、演出制御用CPU130からの指令に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理などを実行する。例えば、音制御部134は、音声ICと、音声ROMと、音声RAMと、DACと、オーディオアンプと、ボリュームとを備えて構成される。音声ICは、演出制御用CPU130からの指令に従って音声や効果音を発生するための音声信号を生成する。音声ROMは、スピーカ8L、8Rによる音声の出力に用いられる複数種類の音声データ等を記憶する。音声RAMは、音声ICが音声ROMから読み出した音声データを展開するためのワークメモリとして用いられる。DACは、音声ICから出力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。オーディオアンプは、DACから出力されるアナログ音声信号を増幅してスピーカ8L、8Rに供給する。ボリュームは、オーディオアンプから出力されるアナログ音声信号の出力レベルを設定されている音量に応じたレベルにする。
ランプ制御部135は、演出制御用CPU130からの指令に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体に点灯/消灯動作を実行させるための信号処理などを実行する。例えば、ランプ制御部135は、遊技効果ランプ9に信号を出力するためのランプ駆動回路や、装飾用LEDに信号を出力するためのLED駆動回路などを備えて構成される。
図14は、表示制御部133の一構成例を示している。図14に示すように、表示制御部133は、例えばVDP(Video Display Processor)140と、映像ROM141と、VRAM142と、LCD駆動回路143A、143Bを備えて構成される。なお、VDP140、映像ROM141、VRAM142は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのそれぞれに対応して複数設けられていてもよいし、1つずつの構成とされてもよい。
VDP140は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bに画像表示を行わせるための表示制御機能及び高速描画機能を有し、演出制御用CPU130からの描画コマンドに従った画像処理を実行する。映像ROM141は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bにて映像表示を行うための各種映像データを記憶しておくためのものである。
VRAM142は、VDP140によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。LCD駆動回路143A、143Bはそれぞれ、第1及び第2画像表示装置5A、5Bに対応して設けられ、VDP140から入力された階調データやクロック信号等から走査信号を生成して、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのうちで対応するものに出力することで、画像を表示させるためのものである。
上記機能を実現するため、VDP140には、図14に示すように、スプライト演算部160と、アトリビュートテーブル161と、パレットテーブル162と、が設けられている。
スプライト演算部160は、アトリビュートテープル161の記憶情報に従い、映像ROM141から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM142上に展開するものである。
アトリビュートテーブル161は、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示画像が切り替わる際に、その切替後の画像に必要な情報が演出制御用CPU130によって書き込まれる。アトリビュートテーブル161の各アドレスには、図15に示すように、第1及び第2画像表示装置5A及び5Bの表示画面に表示される所定領域であるスプライトの位置情報や、色情報、表示画面上での優先順位、拡大率、半透明混合率、キャラクタコードが対応付けて記憶されている。
ここで、位置情報とは、選択された画像データを表示するスプライト領域を表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、VRAM142上にその画像データをマッピングする際の表示座標を指定するためのデータである。優先順位は、第1及び第2の画像表示装置5A及び5Bの表示画面上に複数種類のスプライト領域の一部或いは全部が重なり合って表示させる場合において、その重ね合わせをVRAM142上で行う際、どちらのスプライトを優先させるかを決定するための情報である。半透明混合率は、「0」〜「1」までの数値からなり、不透明度を表すものであり、1未満であったときの残りが透明分となる。即ち、半透明混合率が低いとその画像は薄く表示されることになる。重ね合わせる部分を混合する場合には、半透明混合率が使用され、半透明混合率によって重ね合わせられるときの表示データとしては、色情報などが混合される。
例えば、図15に示すように、アトリビュートテーブル161のアドレス0と同じ位置情報を有し、重ね合わせられる別画面のアトリビュートテーブルに記載されている表示データが仮にアトリビュートテーブル161のアドレス255に記載されている表示データである(但し位置情報は除く。)場合には、アドレス0の優先順位がアドレス255の優先順位より高く、且つアドレス0の半透明混合率が1であるため、アドレス0の表示データが採用される。また、アドレス0の半透明混合率を0.8とし、アドレス255の半透明混合率0.6とした場合には、アドレス0の優先順位が高いためにアドレス0の表示データが半透明混合率0.8だけ採用され、残りの0.2にアドレス255の表示データが採用されて色情報が混合される。さらに、アドレス0の半透明混合率を0.4とし、アドレス255の半透明混合率0.4とした場合には、アドレス0とアドレス255の表示データがそれぞれの半透明混合率に従い0.4ずつ採用され、残りの0.2は透明分となり、その分だけ薄い画像となる。
また、拡大率は、その表示データがもつ形状サイズの拡大率であり、「0」〜「1」までの数値をとる。キャラクタコード(種類情報)とは、映像ROM141に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別番号である。
図14に示すパレットテーブル162は、図16に示すように、色データを「0」〜「15」の16種類にグループ分けして記憶し、その1グループ(1パレット)内においてさらに「0」〜「15」の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のうちどのグループのパレットを用いるかは、アトリビュートテープル161の色情報によって決定される。VRAM142上にマッピングされて出力された画像データに対しては、この決定されたパレットの色データに従って着色処理が施され、画像表示装置5A及び5Bには、LCD駆動回路143A、143Bによって着色処理後の画像データに基づく画像が表示される。
図14に示す映像ROM141には、各種図柄を表示させるための画像データや、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示画面の背景を構成する画像データなどといった各種画像データが記憶されている。具体的には、映像ROM141には、図17に示すように、各キャラクタコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して、画素データが「0」〜「15」×「0」〜「15」のマトリックス状に配列された1単位の画像データが、即ち16×16ドットの画像データが複数種類記憶されている。映像ROM141に記憶された画像データのうちのいずれの画像データを用いるかは、アトリビュートテーブル161のキャラクタコードによって決定される。
そして、スプライト演算部160は、アトリビュートテーブル161のキャラクタコードによって決定された画像データをVRAM142の指定された各スプライト領域にマッピングして各スプライトを重ね合わせることにより、VRAM142内において表示画像のデータを作成する。なお、1つの16×16ドットのデータがマッピングされるスプライト領域の大きさは、小さければ小さいほど緻密で細かな映像を表示できる反面、全体としてスプライトの数が増加してVDP140の負担が増加して表示制御動作が遅くなる不都合が生じる。このような一長一短を考慮してこの実施の形態では、16×16ドットの大きさのデータが採用されている。
また、16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に「0」〜「15」の4bitの情報が記憶できるようになっている。そして、アトリビュートテーブル161の色情報によって決定されたパレットの色データのうちのいずれの色データを用いるかは、この「0」〜「15」の4bitデータによって決定される。この結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データが決定されて、この決定された色データを用いて着色処理が施された画像データに基づく画像が、第1及び第2画像表示装置5A、5B上に表示される。即ち、指定される色の最小単位は、1画素(1ピクセル)である。
次に、上記構成を備える表示制御部133の具体的動作を、所定の表示箇所に「●」を表示する場合を例に説明する。まず、VDP140は、演出制御用CPU130からの制御データに含まれる「●」を表示する旨の指令に基づいて、「●」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のキャラクタコードを割り出すと共に、この制御データに含まれる実行カウント値に基づいて、スプライトの表示位置を特定する。続いて、その特定されたキャラクタコードと表示位置との2つを満たしている属性データを記憶するアトリビュートテーブル161のアドレスを割り出す。
図18に示す例では、アドレス0に記憶されている属性データを用いて画像表示制御の実行がなされる。具体的には、スプライト演算部160は、アトリビュートテーブル161のアドレス0に記憶されているキャラクタコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)を映像ROM141から読み出し、この読み出したデータをVRAM142上にマッピングする。このマッピングは、アトリビュートテーブル161のアドレス0に記憶されている位置情報(30,200)を用いて、VRAMI42上でスプライトの左上コーナ部分が座標(30,200)に位置するようにして行われる。そして、このスプライトは、アトリビュートテーブル161のアドレス0に記憶されている優先順位が「高」に設定されていることから、他のスプライトと重複したときであっても、優先して第1及び第2画像表示装置5A、5B上に表示される。
また、図18に示す例では、アトリビュートテーブル161のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であることから、パレットテーブル162のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理が行われる。具体的には、VRAM142上にマッピングされた16×16ドットデータのスプライト領域にこのパレット15の色データを用いて着色処理を施す。例えば画素(ピクセル)に記憶されている4bitのデータが「2」の場合には、パレット15のうちで「2」に対応する色データ、即ちR(レッド)が10でG(グリーン)が10でB(ブルー)が10のデータによって、その画素に着色処理が施される。また、画素(ピクセル)に記憶されている4bitのデータが「14」の場合には、パレット15のうちで「14」に対応する色データ、即ちRが10でGが9でBが0のデータによって、その画素に着色処理が施される。このようにして、第1及び第2画像表示装置5A、5B上には、「●」の画像が実表示画像として表示される。
続いて、連続する2つの飾り図柄を合成して、第1及び第2の画像表示装置5A、5B上に合成画像69を表示させる制御動作について説明する。この場合、演出制御用CPU130は、まず、主基板11からの可変表示開始コマンドが示す可変表示パターンを分析し、ROM131に記憶されたタイミングデータにより、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示内容を表示制御部133に対して指令する。
図19は、合成画像の表示制御を行う場合における飾り図柄の可変表示のタイムスケジュールを例示する図である。この例では、「左」の可変表示領域DLに飾り図柄「7」が停止表示(仮停止表示)された後、「右」の可変表示領域DRに「左」の可変表示領域DLと同一の飾り図柄「7」が停止表示(仮停止表示)されることにより、リーチが成立する。その後、「中」の可変表示領域DCには、「左」、「右」の可変表示領域DL、DRと同一の飾り図柄「7」が停止表示されるが、次第に飾り図柄「7」がフェードアウトされて行く一方で、飾り図柄の可変表示において、飾り図柄「7」の一つ前の飾り図柄「6」が次第にフェードインされてくる。このようにして、遊技者に飾り図柄の可変表示結果が「リーチハズレ」になったものと一旦思わせておいて、その後さらに、数字を示す飾り図柄「6」をフェードアウトさせて行くと共に、飾り図柄「7」をフェードインさせて行き、最終的に「中」の可変表示領域DCに「左」、「右」の可変表示領域DL、DRと同一の飾り図柄「7」を確定表示させて、「大当り」の可変表示結果を導出表示するようにする。このような表示制御動作の詳細を図20〜図25を参照して以下説明する。
図20は、時間の経過に伴って、飾り図柄「6」の画像がフェードアウトして行く一方で、飾り図柄「7」の画像が拡大しつつフェードインして行く合成画像の時間変化を示している。図20に示す合成画像69を生成する際、飾り図柄「6」の画像データに対しては、図11(A)に示すブレンド率Aテーブル171に記憶されたブレンド率データと、図12(C)に示す拡大率Cテーブル175に記憶された拡大率データと、が用いられ、飾り図柄「7」の画像データに対しては、図11(B)に示すブレンド率Bテーブル172に記憶されたブレンド率データと、図12(B)に示す拡大率Bテーブル174に記憶された拡大率データと、が用いられる。
このようなブレンド率データと拡大率データを用いて後述するα合成を行うことにより、飾り図柄「6」のブレンド率は、図21(A)に示すように、時間の経過に伴って、「1」から「0」へと直線的に低下して行く一方で、飾り図柄「7」の画像データのブレンド率は、「0」から「1」へと直線的に向上して行く。また、飾り図柄「6」の画像データの拡大率は、図21(B)に示すように、「1」のまま変化しない一方で、飾り図柄「7」の画像データの拡大率は、時間の経過に伴って、「0」から「1」へと直線的に向上して行く。このため、図20に示す例では、飾り図柄「7」の画像は、その画像データのブレンド率に比例して拡大して行く。
図22は、図20に示す例とは逆に、飾り図柄「6」の画像がフェードインして行く一方で、飾り図柄「7」の画像が縮小しつつフェードアウトして行く合成画像の時間変化を示している。図22に示す合成画像69を生成する際、飾り図柄「6」の画像データに対しては、図11(B)に示すブレンド率Bテーブル172に記憶されたブレンド率データと、図12(C)に示す拡大率Cテーブル175に記憶された拡大率データと、が用いられ、飾り図柄「7」の画像データに対しては、図11(A)に示すブレンド率Aテーブル171に記憶されたブレンド率データと、図12(A)に示す拡大率Aテーブル173に記憶された拡大率データと、が用いられる。
このようなブレンド率データと拡大率データを用いて後述するα合成を行うことにより、飾り図柄「6」のブレンド率は、図23(A)に示すように、時間の経過に伴って、「0」から「1」へと直線的に向上して行く一方で、飾り図柄「7」の画像データのブレンド率は、「1」から「0」へと直線的に低下して行く。また、飾り図柄「6」の画像データの拡大率は、図23(B)に示すように、「1」のまま変化しない一方で、飾り図柄「7」の画像データの拡大率は、時間の経過に伴って、「1」から「0」へと直線的に低下して行く。このため、図22に示す例では、飾り図柄「7」の画像は、その画像データのブレンド率に比例して縮小して行く。
図24は、時間の経過に伴って、飾り図柄「6」の画像が縮小しつつフェードアウトして行く一方で、飾り図柄「7」の画像が拡大しつつフェードインして行く合成画像の時間変化を示している。図24に示す合成画像69を生成する際、飾り図柄「6」の画像データに対しては、図11(A)に示すブレンド率Aテーブル171に記憶されたブレンド率データと、図12(A)に示す拡大率Aテーブル173に記憶された拡大率データと、が用いられ、飾り図柄「7」の画像データに対しては、図11(B)に示すブレンド率Bテーブル172に記憶されたブレンド率データと、図12(B)に示す拡大率Bテーブル174に記憶された拡大率データと、が用いられる。
このようなブレンド率データと拡大率データを用いて後述するα合成を行うことにより、飾り図柄「6」のブレンド率は、図25(A)に示すように、時間の経過に伴って、「1」から「0」へと直線的に低下して行く一方で、飾り図柄「7」の画像データのブレンド率は、「0」から「1」へと直線的に向上して行く。また、飾り図柄「6」の画像データの拡大率は、図25(B)に示すように、時間の経過に伴って、「1」から「0」へと直線的に低下して行く一方で、飾り図柄「7」の画像データの拡大率は、時間の経過に伴って、「0」から「1」へと直線的に向上して行く。このため、図24に示す例では、飾り図柄「6」の画像は、その画像データのブレンド率に比例して縮小して行き、飾り図柄「7」の画像は、その画像データのブレンド率に比例して拡大して行く。
ここで、α合成について説明する。α合成とは、元々第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示画面上に描画されている画像Aに、これから描画しようとする画像Bを合成する際に、以下の数1を用いて合成するものである。
[数1]
画像Aの色データ×(1.0−α)+画像Bの色データ×α
ここで、αは、画像Bのブレンド率(不透明度)である。
例えば、画像Aの色が黄色である場合には、画像Aの色データは(rgb:1.0,1.0,0.0)となり、画像Bが空色がかった青色である場合には、画像Bの色データは(rgb:0.0,0.5,0.0)となる。また、画像Bのブレンド率(不透明度)が0.5の場合には、α=0.5となる。これらの値を数1に代入すると、
rgb(1.0、1.0、0.0)×(1.0−0.5)+rgb(0.0,0.5,1.0)×0.5
=rgb(0.5,0.5,0.0)×rgb(0.0,0.25,0.5)
=rgb(0.5,0.75,0.5)
半透明(ブレンド率α=0.5)の画像A(黄色(rgb:1.0,1.0,0.0))に半透明(ブレンド率α=0.5)の画像B(空色がかった青色(rgb:0.0,0.5,1.0))が重ねて表現された色(黄色がかった半透明の空色(rgb:0.5,0.75,0.5))となる。
図20に示す例では、経過時間T20における飾り図柄「6」の画像データのブレンド率は、0.8で、飾り図柄「7」の画像データのブレンド率は、0.2である。また、飾り図柄「6」の画像データの拡大率は、1で、飾り図柄「7」の画像データの拡大率は、0.8である。このとき、飾り図柄「6」の画像の色が緑色(rgb:0.0,1.0,0.0)で、飾り図柄の「7」の画像の色が赤色(rgb:1.0,0.0,0.0)であれば、合成画像69は、原寸大の飾り図柄「6」の画像と、5分の1の大きさまで縮小された飾り図柄「7」と、が重なり合った画像となり、この重なり合った部分の色は、不透明度が0.8にまで低下した緑色と、不透明度が0.2にまで低下した赤色と、を混ぜ合わせたやや黄色がかった緑色(rgb:0.2,0.8,0.0)となる。また、飾り図柄「6」の重なり合っていない部分の色は、不透明度が0.8にまで低下した緑色(rgb:0.0,0.8,0.0)となり、飾り図柄「7」の重なり合っていない部分の色は、不透明度が0.2にまで低下した赤色(rgb:0.2,0.0,0.0)となる。このように、ブレンド率は、その画像のα合成における不透明度α値を示すものとなっている。なお、この実施形態において、R,G,B信号の各々は、256段階の電圧の大小(8ビット)によって表現される。また、飾り図柄「6」及び「7」以外の部分は透明とするが、別途指定した背景色の画像を表示するようにしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が、まず、所定の遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込を許可した後、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図26のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。
遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、例えば図4に示す乱数値MR1〜MR5などといった、主基板11の側でカウントされる各種の乱数値を更新する乱数値更新処理(ステップS13)が実行される。なお、乱数回路104によって生成されたハードウェア乱数としての乱数のみが使用され、なおかつ、乱数回路104がCPU103からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS13の処理が実行されなくてもよい。
乱数値更新処理に続いて、CPU103は、始動入賞処理を実行する(ステップS14)。始動入賞処理では、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の入賞が検出されたときに、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを乱数回路104等から抽出して、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bのいずれかに記憶させる処理などを実行する。この後、CPU103は、第1特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部123に設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aにおける表示動作の制御や第1特別可変入賞球装置7Aの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。第1特別図柄プロセス処理に続いて、第2特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部123に設けられた第2特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて更新し、第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や第2特別可変入賞球装置7Bの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
第2特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理を実行することにより(ステップS17)、普通可変入賞球装置6Bに対応して設けられた普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能とする。また、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS18)。例えば、CPU103が所定のコマンド送信テーブルに設定された制御データに基づいてI/Oポート105に含まれるコマンド送信用信号出力端子からの信号出力動作を制御することなどにより、演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して、遊技の進行を制御する制御信号を送信させる。このコマンド制御処理により主基板11から送出された演出制御コマンドを演出制御基板12の演出制御用CPU130が受け取り、例えばその演出表示制御コマンドに含まれる表示制御コマンドに従って、第1及び第2画像表示装置5A、5Bの表示制御などが行われる。
さらに、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート105に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS19)。この情報出力処理では、主基板11から所定の情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送信も行われる。続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御や第1及び第2特別可変入賞球装置7A、7Bにおける開閉板の開閉制御を行う(ステップS20)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS21)。
また、CPU103は、図26に示す遊技制御割込処理を実行するごとに、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bに含まれる各セグメントLEDや各ドットLEDの点灯/消灯動作を制御する特別図柄表示制御処理や、普通図柄表示装置20に含まれるLEDの点灯/消灯動作を制御する普通図柄表示制御処理を、順次に実行してもよい。
図27は、始動入賞処理として、図26のステップS14にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、各入賞口スイッチ70に含まれて普通入賞球装置6Aへの入賞球を検出する第1始動入賞口スイッチからの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通入賞球装置6Aに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が普通入賞球装置6Aに入賞して第1始動入賞口スイッチからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、遊技制御用データ保持エリア120に設けられた第1特図保留記憶部121Aにおける保留データの数である第1保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS102)。ここで、第1保留記憶数は、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた第1保留記憶数カウンタによってカウントするようにして、その第1保留記憶数カウンタのカウント値を第1特図保留記憶部121Aにおける記憶数の上限値に対応して予め定められた基準値と比較することにより、基準値に達しているか否かを判定するようにしてもよい。
第1特図保留記憶部121Aにおける第1保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS102;No)、例えば遊技制御カウンタ設定部125に設けられた第1保留記憶数カウンタにおけるカウント値を1加算するなどして、第1特図保留記憶部121Aにおける保留データの数である第1保留記憶数を1加算する(ステップS103)。また、乱数回路104等により更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS104)。CPU103は、このとき抽出した乱数値MR1を示す数値データを、第1特別図柄表示装置4Aに対応して設けられた第1特図保留記憶部121Aにおける空エントリの先頭にセットすることで、保留データとして格納する(ステップS105)。
ステップS101にて第1始動入賞口スイッチからの検出信号がオフ状態である場合(ステップS101;No)や、ステップS102にて第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値に達しているとき(ステップS102;Yes)、あるいは、ステップS105の処理を実行した後には、例えば各入賞口スイッチ70に含まれて普通可変入賞球装置6Bへの入賞球を検出する第2始動入賞口スイッチからの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS106)。遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞していないために第2始動入賞口スイッチからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS106;No)、始動入賞処理を終了する。
他方、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞して第2始動入賞口スイッチからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS106;Yes)、遊技制御用データ保持エリア120に設けられた第2特図保留記憶部121Bにおける保留データの数である第2保留記憶数が上限値に達しているか否かを判定する(ステップS107)。ここで、第2保留記憶数は、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた第2保留記憶数カウンタによってカウントするようにして、その第2保留記憶数カウンタのカウント値を第2特図保留記憶部121Bにおける記憶数の上限値に対応して予め定められた基準値と比較することにより、基準値に達しているか否かを判定するようにしてもよい。
第2特図保留記憶部121Bにおける第2保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS107;Yes)、そのまま始動入賞処理を終了する。他方、ステップS107にて第2保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS107;No)、例えば遊技制御カウンタ設定部125に設けられた第2保留記憶数カウンタにおけるカウント値を1加算するなどして、第2特図保留記憶部121Bにおける保留データの数である第2保留記憶数を1加算する(ステップS108)。また、乱数回路104等によって更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS109)。CPU103は、このとき抽出した乱数値MR1を示す数値データを、第2特別図柄表示装置4Bに対応して設けられた第2特図保留記憶部121Bにおける空エントリの先頭にセットすることで、保留データとして格納する(ステップS110)。
図28は、第1特別図柄プロセス処理として、図26に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4Aに対応して遊技制御フラグ設定部123に設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS120〜S126の各処理を実行する。
ステップS120の特別図柄通常処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理において、CPU103は、図29に示すように、まず、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1での遊技状態が大当り遊技状態となっているか否かを判定する(ステップS131)。このとき、パチンコ遊技機1での遊技状態が大当り遊技状態であれば(ステップS131;Yes)、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件)が成立しないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
他方、ステップS131にてパチンコ遊技機1での遊技状態が大当り遊技状態ではなければ(ステップS131;No)、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数である第1保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS132)。ステップS132では、例えばCPU103が遊技制御カウンタ設定部125に設けられた第1保留記憶数カウンタのカウント値を読み取ることにより、第1保留記憶数を特定するようにしてもよい。あるいは、第1特図保留記憶部121Aに記憶されている有効な数値データの個数をカウントすることにより、第1保留記憶数を特定するようにしてもよい。そして、第1保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS132;Yes)、第1開始条件が成立する前提となる第1始動条件が成立していないと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。これに対して、第1保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS132;No)、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS133)。
図28に示すステップS121の可変表示開始時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を決定する処理や、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示時間及び第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示態様を決定する処理などを含んでいる。ステップS121にて決定された特図ゲームにおける可変表示結果や特別図柄の可変表示時間、飾り図柄の可変表示態様などに対応して、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データがセットされることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドや第1表示結果通知コマンドが送信可能に設定される。その後、図26に示すステップS18のコマンド制御処理を実行することで、第1可変表示開始コマンドや第1表示結果通知コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信することができる。
ステップS122の可変表示制御処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、第1特別図柄表示装置4Aに対応して遊技制御タイマ設定部124に設けられた第1可変表示時間タイマのタイマ値に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理を含んでいる。ステップS123の可変表示停止時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りであるかハズレであるかが判定され、大当りであるときには第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、ハズレであるときには第1特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS124の大入賞口開放前処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、第1特別可変入賞球装置7Aにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。ステップS125の大入賞口開放中処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、第1特別可変入賞球装置7Aにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第1特別可変入賞球装置7Aにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。このときには、第1特別可変入賞球装置7Aによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば第1特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。ステップS126の大当り終了処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、演出制御基板12に対して大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
図30は、図28のステップS121にて実行される可変表示開始時処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示開始時処理において、CPU103は、まず、第1特図保留記憶部121Aから保留番号「1」に対応して記憶されている大当り判定用の乱数値MR1の値を示す数値データを読み出す(ステップS211)。この際には、例えば第1保留記憶数カウンタにおけるカウント値を1減算するなどして、第1保留記憶数を1減算するとともに、第1特図保留記憶部121Aにおいて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS212)。
ステップS212の処理に続いて、CPU103は確変転落抽選処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高確率状態であるときに、高確率状態を終了させるか否かの確変転落抽選を行う(ステップS213)。より具体的に、CPU103は、図31に示すように、ステップS213にて確変転落抽選処理を開始すると、まず、遊技制御フラグ設定部123に設けられた確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS301)。確変中フラグがオフであるときには(ステップS301;No)、そのまま確変転落抽選処理を終了する。
ステップS301にて確変中フラグがオンであるときには(ステップS301;Yes)、乱数回路104等によって更新される確変転落抽選用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する(ステップS302)。続いて、ステップS302にて抽出した確変転落抽選用の乱数値MR5に基づき、例えばROM101に格納された確変終了判定テーブルを参照することなどにより、乱数値MR5を示す数値データが予め定められた確変終了判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS303)。ここで、確変終了判定値データは、例えば確変転落抽選用の乱数値MR5のうちで予め定められた個数の数値を示すデータとして、確変終了判定テーブルに保持されているものであればよい。
ステップS303にて乱数値MR5を示す数値データが確変終了判定値データとは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS303;No)、高確率状態を終了しないものと判断して、確変転落抽選処理を終了する。これに対して、乱数値MR5を示す数値データが確変終了判定値データと合致する旨の判定がなされたときには(ステップS303;Yes)、高確率状態を終了して時間短縮状態に移行するものと判断して、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短中フラグをオン状態にセットする(ステップS304)。このときには、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた確変カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化も行う。
ステップS304の処理では、例えば遊技制御フラグ設定部123に記憶されて“1”を示す高確率状態データを消去して“0”に設定する一方で、“1”を示す時間短縮状態データを遊技制御フラグ設定部123に記憶させる。これにより、高確率状態を終了するとの判断がなされたときには、その判断がなされる契機となった特図ゲームが開始されるタイミングにて、“1”を示す高確率状態データを消去して“0”に更新することができる。
また、ステップS304の処理を実行したときには、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた時短カウンタに確変転落時用初期値を設定する(ステップS305)。ここで、確変転落時用初期値は、ステップS303にて乱数値MR5を示す数値データが確変終了判定値データと合致する旨の判定がなされた時点での確変カウンタにおけるカウント値を、予め定められた上限値(例えば「150」)から差し引くことにより決定される数値などであればよい。
以上のような確変転落抽選処理を実行した後には、大当り・確変判定処理を実行することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするかハズレとするかの判定や、大当りとするときには確変大当りとするか通常大当りとするかの判定などを行う(図30のステップS214)。より具体的に、CPU103は、図32に示すように、ステップS214にて大当り・確変判定処理を開始すると、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS311)。確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS311;Yes)、予め定められた個数の数値を示す増加判定値データを、特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示することを示す判定値データに設定する一方(ステップS312)、確変中フラグがオフとなっているときには(ステップS311;No)、予め定められた個数の数値を示す通常判定値データを、判定値データに設定する(ステップS313)。
ここで、増加判定値データや通常判定値データは、例えば大当り判定用の乱数値MR1のうちで予め定められた個数の数値を示すデータとして、ROM101に格納された大当り判定テーブルに保持されているものであればよい。そして、増加判定値データは、通常判定値データに比べて多くの個数の数値を含んでいる。具体的な一例として、大当り判定用の乱数値MR1がとり得る値の範囲は「0」〜「65535」に設定されている場合に、通常判定値データは「2001」〜「2184」の範囲の数値を示している一方で、増加判定値データは「2001」〜「3104」の範囲の数値を示している。そのため、確変中フラグがオンとなっている高確率状態では、大当り遊技状態以外の通常遊技状態に比べて、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが判定値データと等しくなる確率が高くなる。したがって、高確率状態では、可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる確率が、高められる。
ステップS312、S313のいずれかにて判定値データの設定を行った後、図30のステップS211にて第1特図保留記憶部121Aから読み出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが、判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS314)。このとき、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが判定値データと合致しなければ(ステップS314;No)、そのまま大当り・確変判定処理を終了する。他方、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが判定値データと合致すれば(ステップS314;Yes)、第1大当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS315)、乱数回路104等によって更新される確変判定用の乱数値MR4を示す数値データを示す数値データを抽出する(ステップS316)。そして、このとき抽出された乱数値MR4を示す数値データが、予め定められた確変判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS317)。ここで、確変判定値データは、例えば確変判定用の乱数値MR4のうちで予め定められた個数の数値を示すデータとして、ROM101に格納された確変判定テーブルに保持されているものであればよい。
ステップS317にて乱数値MR4を示す数値データが確変判定値データと合致するときには(ステップS317;Yes)、第1確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS318)。他方、乱数値MR4を示す数値データが確変判定値データとは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS317;No)、ステップS318の処理を実行せずに、大当り・確変判定処理を終了する。
以上のような大当り・確変判定処理を実行した後には、第1表示結果設定処理を実行する(図30のステップS215)。図33は、図30のステップS215にて実行される第1表示結果設定処理の一例を示すフローチャートである。この第1表示結果設定処理において、CPU103は、まず、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS331)。
そして、第1大当りフラグがオフであるときには(ステップS331;No)、第1特別図柄表示装置4Aに表示可能な複数種類の特別図柄に含まれるハズレ図柄のうちから、今回の特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定する(ステップS332)。例えば、CPU103は、乱数回路104等により更新されるハズレ時確定特別図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM101等に予め格納されている確定特別図柄決定テーブルを参照するなどして、複数のハズレ図柄のいずれかを選択して確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS331にて第1大当りフラグがオンであるときには(ステップS331;Yes)、第1確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS333)。ステップS333にて第1確変確定フラグがオフであるときには(ステップS333;No)、複数種類の特別図柄のうちで通常大当り図柄である「3」を示す特別図柄を、今回の特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示する確定特別図柄に決定する(ステップS334)。これに対して、ステップS333にて第1確変確定フラグがオンであるときには(ステップS333;Yes)、複数種類の特別図柄のうちで確変大当り図柄である「7」を示す特別図柄を、今回の特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示する確定特別図柄に決定する(ステップS335)。
この後、CPU103は、ステップS332、S334、S335のいずれかにて決定した確定特別図柄を特定可能なデータを、第1確定特別図柄記憶部122Aに記憶させることなどにより、特図ゲームにおける可変表示結果の種類が特定可能となるように記憶する(ステップS336)。また、例えばステップS332、S334、S335のいずれかにて決定した確定特別図柄に対応した制御データを所定のコマンド送信テーブルにセットするなどといった、演出制御基板12に対して第1表示結果通知コマンドを送信する設定を行う(ステップS337)。
以上のような第1表示結果設定処理を実行した後には、第1可変表示パターン設定処理を実行する(図30のステップS216)。図34は、図30のステップS216にて実行される第1可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。この第1可変表示パターン設定処理において、CPU103は、まず、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS351)。
そして、第1大当りフラグがオンであるときには(ステップS351;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図8(A)に示す大当り時パターン決定テーブル111を設定する(ステップS352)。また、ステップS351にて第1大当りフラグがオフであるときには(ステップS351;No)、乱数回路104等により更新されるリーチ判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS353)。続いて、ステップS353にて抽出された乱数値MR2を示す数値データが、予め定められたリーチ判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS354)。ここで、リーチ判定値データは、例えばリーチ判定用の乱数値MR2のうちで予め定められた個数の数値を示すデータとして、ROM101に格納されたリーチ判定テーブルに保持されているものであればよい。
ステップS354にて乱数値MR2を示す数値データがリーチ判定値データと合致するときには(ステップS354;Yes)、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS355)。このとき、第2大当りフラグがオンとなっていれば(ステップS355;Yes)、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示における可変表示結果が大当りとなることから、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示中において大当りとなる旨の予告を行う可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図8(C)に示すリーチハズレ時予告用パターン決定テーブル113を設定する(ステップS356)。他方、ステップS355にて第2大当りフラグがオフであるときには(ステップS355;No)、複数種類のリーチハズレパターンのうちからいずれかを選択するためのテーブルとして、図8(B)に示すリーチハズレ時パターン決定テーブル112を設定する(ステップS357)。
ステップS354にて乱数値MR2を示す数値データがリーチ判定値データと合致しないときには(ステップS354;No)、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS358)。このとき、第2大当りフラグがオンとなっていれば(ステップS358;Yes)、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示中において大当りとなる旨の予告を行う可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図8(D)に示す通常ハズレ時予告用パターン決定テーブル114を設定する(ステップS359)。
ステップS358にて第2大当りフラグがオフであるときには(ステップS358;No)、時短中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS360)。ステップS360にて時短中フラグがオンであるときには(ステップS360;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116を設定する(ステップS361)。他方、ステップS360にて時短中フラグがオフであるときには(ステップS360;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115を設定する(ステップS362)。
ステップS352、S356、S357、S359、S361、S362のいずれかの処理を実行した後には、乱数回路104等により更新される可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS363)。そして、このとき抽出された乱数値MR3を示す数値データに基づき、ステップS352、S356、S357、S359、S361、S362のいずれかにて設定したパターン決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示における可変表示パターンを選択決定する(ステップS364)。この後、例えばステップS364にて決定された可変表示パターンに対応する制御データを所定のコマンド送信テーブルにセットするなどといった、第1可変表示開始コマンドとなるコマンド80XXHを演出制御基板12に対して送信するための設定を行い(ステップS365)、第1可変表示パターン設定処理を終了する。
以上のような第1可変表示パターン設定処理を実行した後には、特別遊技状態終了判定処理を実行する(図30のステップS217)。図35は、図30のステップS217にて実行される特別遊技状態終了判定処理の一例を示すフローチャートである。この特別遊技状態終了判定処理において、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS371)。
そして、確変中フラグがオンであるときには(ステップS371;Yes)、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた確変カウンタにおけるカウント値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS372)。なお、確変カウンタのカウント値は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームの開始時に確変大当りとする旨の決定がなされると、所定の確変中可変表示回数初期値にセットされる。ステップS372の処理に続いて、確変カウンタのカウント値が予め定められた確変終了基準値(例えば「0」)となったか否かを判定する(ステップS373)。このとき、確変カウンタのカウント値が確変終了基準値以外の値であれば(ステップS373;No)、特別遊技状態終了判定処理を終了する。他方、ステップS373にて確変カウンタのカウント値が確変終了基準値であれば(ステップS373;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行う(ステップS374)。
ステップS374の処理を実行した後には、時短中フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS375)、時短カウンタに確変大当り後時短用初期値を設定する(ステップS376)。ここで、確変大当り後時短用初期値は、確変カウンタにおけるカウント値が確変終了基準値に達したことにより高確率状態が終了するときに、高確率状態に続く時間短縮状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「50」)を示す数値であればよい。また、ステップS374の処理では遊技制御フラグ設定部123に記憶されて“1”を示す高確率状態データを消去して“0”に設定する一方で、ステップS375の処理では“1”を示す時間短縮状態データを遊技制御フラグ設定部123に記憶させる。これにより、可変表示結果が確変大当りとなったことなどにより遊技状態が高確率状態となった後、可変表示結果が大当りとなることなく所定回数の特図ゲームが行われることにより高確率状態が終了するときには、その特図ゲームが開始されるタイミングにて、高確率状態から時間短縮状態へと移行することができる。
ステップS371にて確変中フラグがオフであるときには(ステップS371;No)、時短中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS377)。このとき、時短中フラグがオフであれば(ステップS377;No)、特別遊技状態終了判定処理を終了する。他方、時短中フラグがオンとなっているときには(ステップS377;Yes)、遊技制御カウンタ設定部125に設けられた時短カウンタにおけるカウント値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS378)。なお、時短カウンタのカウント値は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームの開始時に通常大当りとする旨の決定がなされると、所定の時短中可変表示回数初期値にセットされる。ステップS378の処理に続いて、時短カウンタのカウント値が予め定められた時短終了基準値(例えば「0」)となったか否かを判定する(ステップS379)。このとき、時短カウンタのカウント値が時短終了基準値以外の値であれば(ステップS379;No)、特別遊技状態終了判定処理を終了する。他方、ステップS379にて時短カウンタのカウント値が時短終了基準値であれば(ステップS379;Yes)、時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行う(ステップS380)。ここで、ステップS380の処理では、例えば遊技制御フラグ設定部123に記憶されて“1”を示す時間短縮状態データを消去して“0”に設定することにより、時間短縮状態を終了して通常遊技状態へと移行することができる。
以上のような特別遊技状態終了判定処理を実行した後には、特別遊技状態設定処理を実行する(図30のステップS218)。図36は、図30のステップS218にて実行される特別遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特別遊技状態設定処理において、CPU103は、まず、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS391)。
そして、第1大当りフラグがオフであるときには(ステップS391;No)、そのまま特別遊技状態設定処理を終了する。他方、第1大当りフラグがオンであるときには(ステップS391;Yes)、第1確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS392)。このとき、第1確変確定フラグがオンであれば(ステップS392;Yes)、時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行う(ステップS393)。続いて、第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする一方で、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS394)。この後、確変カウンタに確変中可変表示回数初期値をセットして(ステップS395)、特別遊技状態設定処理を終了する。これにより、時間短縮状態において特図ゲームを開始するときに確変大当りとする旨の判定がなされたときには、その特図ゲームを開始するときに時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットすることで、時間短縮状態から高確率状態へと移行することができる。
また、ステップS392にて第1確変確定フラグがオフであれば(ステップS392;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアすることにより、そのカウント値を「0」にするなどの初期化を行う(ステップS396)。続いて、時短中フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS397)、時短カウンタに通常大当り後時短用初期値をセットして(ステップS398)、特別遊技状態設定処理を終了する。これにより、高確率状態において特図ゲームを開始するときに通常大当りとする旨の判定がなされたときには、その特図ゲームを開始するときに確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短中フラグをオン状態にセットすることで、高確率状態から時間短縮状態へと移行することができる。
以上のような特別遊技状態設定処理を実行した後には、今回の特図ゲームや飾り図柄の可変表示で用いられる可変表示パターンにおける特別図柄の総可変表示時間に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部124に設けられた第1可変表示時間タイマに設定する(図30のステップS219)。また、CPU103は、例えば第1特別図柄表示装置4Aにおける各セグメントや各ドットの点灯/消灯動作を開始させるなどといった、第1特別図柄表示装置4Aにおいて特別図柄の可変表示を開始する設定を行う(ステップS220)。このときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS221)。
図37は、図28のステップS123にて実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す可変表示停止時処理において、CPU103は、まず、遊技制御フラグ設定部123に設けられた大当り競合回避フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS241)。ここで、大当り競合回避フラグは、後述するステップS246の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。
ステップS241にて大当り競合回避フラグがオフであるときには(ステップS241;No)、例えば第1確定特別図柄記憶部122Aの記憶データに対応して第1特別図柄表示装置4Aにおける表示動作を制御することなどにより、第1特別図柄表示装置4Aに確定特別図柄を停止表示させて特別図柄の可変表示を終了させるための設定を行う(ステップS242)。続いて、CPU103は、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS243)。このとき、第1大当りフラグがオフであれば(ステップS243;No)、可変表示結果はハズレであると判断して、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS244)。
ステップS243にて第1大当りフラグがオンであるときには(ステップS243;Yes)、第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否か判定する(ステップS245)。ここで、ステップS245にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上であるときには(ステップS245;Yes)、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの双方による特図ゲームにおいて可変表示結果が大当りとなったことによる大当り遊技状態の競合が発生すると判断して、その競合を回避するために、大当り競合回避フラグをオン状態にセットし(ステップS246)、可変表示停止時処理を終了する。
ステップS245にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”未満であるときには(ステップS245;No)、大当り遊技状態の競合は発生しないと判断して、第2特別図柄プロセスフラグの値が可変表示開始時処理に対応した値である“1”となっているか否かを判定する(ステップS247)。このとき、第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”以外の値であれば(ステップS247;No)、遊技制御タイマ設定部124に設けられた第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値が「0」以外の値となっているか否かを判定する(ステップS248)。
ここで、図37に示す可変表示停止時処理が実行されたときに第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”となっている場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて可変表示結果が大当りとなったことにより遊技状態が大当り遊技状態に移行する場合であっても、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてしまうことになる。また、図37に示す可変表示停止時処理が実行されたときに第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値が「0」以外の値となっている場合には、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行中となっており、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が行われている。こうした場合に第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が大当りになってしまうと、大当り遊技状態の競合が発生することになる。そこで、ステップS247にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”であるときや(ステップS247;Yes)、ステップS248にて第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値が「0」以外の値であるときには(ステップS248;Yes)、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるとともに、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行を停止させるための設定を行う。すなわち、例えば所定の制御データを所定のコマンド送信テーブルにセットすることなどにより、可変表示進行停止コマンドとなるコマンドA800Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS249)。また、遊技制御フラグ設定部123に設けられた可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS250)。
これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから、特別図柄の総可変表示時間が経過したと判定される以前に第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されるとともに、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示の進行が中断されることになる。すなわち、ステップS249にて可変表示進行停止コマンドを送信するための設定がなされた後に図26に示すステップS18のコマンド制御処理が実行されることで、主基板11から演出制御基板12に向けて可変表示進行停止コマンドが送信されることにより、演出制御基板12の側では、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行を中断するための処理が実行される。また、ステップS250にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第2可変表示時間タイマを用いて行われる第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
なお、可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるタイミングとしては、飾り図柄の可変表示において大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されるタイミングや、その大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことに基づいて大当り遊技状態が開始されるタイミングなどであればよい。もっとも、1回の特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が終了する以前に飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されるタイミングは、上記のタイミングには含まれず、再抽選が行われる場合には、再抽選の後に飾り図柄の可変表示が終了して確定飾り図柄が完全に停止した状態で表示されるタイミングが、大当り図柄が導出表示されるタイミングとなる。また、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示と、飾り図柄の可変表示とが完全に同一のタイミングで終了して確定特別図柄や確定飾り図柄が停止表示される場合には、特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了して大当り図柄となる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングを、可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるタイミングとしてもよい。
ステップS248にて第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値が「0」であるときや(ステップS248;No)、ステップS250の処理を実行した後には、第1特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS251)。
また、ステップS241にて大当り競合回避フラグがオンであるときには(ステップS241;Yes)、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”となったか否かを判定することなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したか否かを判定する(ステップS252)。このとき、大当り遊技状態が終了していれば(ステップS252;Yes)、大当り競合回避フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS253)、ステップS251の処理に進むことにより、第1特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新する。ステップS252にて大当り遊技状態が終了していなければ(ステップS252;No)、ステップS253の処理を実行せずに、可変表示停止時処理を終了する。これにより、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの双方による特図ゲームにおいて可変表示結果が大当りとなったときでも、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの大当りに基づく大当り遊技状態でのラウンドが先に開始され、その大当り遊技状態が終了してから、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームでの大当りに基づく大当り遊技状態でのラウンドが開始されることになるので、大当り遊技状態が競合しないようにすることができる。
図38は、図28のステップS126にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、演出制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS271)。続いて、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS272)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS272;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、演出制御基板12に可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS273)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS274)。
こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されることにより大当り遊技状態となるときに第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行、及び第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示の進行が中断されていた場合には、その大当り遊技状態が終了するときに、中断されていた特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行が再開されることになる。ステップS272にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS272;No)、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行や、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行が、中断されてはいないので、ステップS273及びS274の処理をスキップすればよい。これに続いて、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS275)、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS276)。
図26に示すステップS16の第2特別図柄プロセス処理としては、図28に示した第1特別図柄プロセス処理を第2特別図柄表示装置4Bに適合させた処理を実行すればよい。すなわち、前述した第1特別図柄プロセス処理に含まれる各処理において「第1」とされていたところを「第2」と読み替え、「第2」とされていたところを「第1」と読み替えるなどして実現される処理が実行されればよい。もっとも、図28に示した第1特別図柄プロセス処理におけるステップS123の可変表示停止時処理としては、図37に示すような処理が実行されるが、第2特別図柄プロセス処理で実行される可変表示停止時処理においては、大当り競合回避フラグの設定に応じた処理を実行する必要はない。より具体的には、図37に示すステップS241、S245、S246、S252、S253に対応する処理は不要であり、ステップS243に対応する処理で第2大当りフラグがオンであるときには、ステップS247に対応する処理に進み、第1特別図柄プロセスフラグの値が“1”となっているか否かを判定するようにすればよい。
図26に示すステップS16の第2特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部123に設けられた第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて選択された処理が実行される。例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理では、パチンコ遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを判定し、大当り遊技状態ではなければ、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数である第2保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する。そして、第2保留記憶数が「0」以外であるときには、第2特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する。
第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を決定する処理や、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示時間及び第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示態様を決定する処理などを含んでいる。このとき決定された特図ゲームにおける可変表示結果や特別図柄の可変表示時間、飾り図柄の可変表示態様などに対応して、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データがセットされることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して第2可変表示開始コマンドや第2表示結果通知コマンドが送信可能に設定される。その後、図26に示すステップS18のコマンド制御処理を実行することにより、第2可変表示開始コマンドや第2表示結果通知コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信することができる。
第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理は、第2特別図柄表示装置4Bに対応して遊技制御タイマ設定部124に設けられた第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値に基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りであるかハズレであるかが判定され、大当りであるときには第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、ハズレであるときには第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大入賞口開放前処理は、第2特別可変入賞球装置7Bにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理は、第2特別可変入賞球装置7Bにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第2特別可変入賞球装置7Bにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。このときには、第2特別可変入賞球装置7Bによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば第2特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理は、演出制御基板12に対して大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
図39は、第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す可変表示制御処理において、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS291)。そして、可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、第2可変表示時間タイマにおけるタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS292)。続いて、ステップS292にて更新された第2可変表示時間タイマのタイマ値が「0」になるなどしてタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS293)。第2可変表示時間タイマがタイムアウトした場合には(ステップS293;Yes)、第2特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS294)。他方、ステップS293にて第2可変表示時間タイマがタイムアウトしていないときには(ステップS293;No)、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示を継続させるために表示動作を制御する設定などを行う(ステップS295)。
また、ステップS291にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、ステップS292の処理を実行することなくステップS295の処理に進む。これにより、可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測が中断され、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断される。もっとも、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示動作は、停止されずに継続して実行されてもよい。あるいは、ステップS291にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには、例えばステップS295の処理とは異なる予め定められた処理を実行するなどして、第2特別図柄表示装置4Bにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、ステップS291にて可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第2特別図柄表示装置4Bにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。すなわち、可変表示進行停止フラグがオンであるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を、可変表示進行停止フラグがオフであるときとは異なる可変表示パターンで行うようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源電圧の供給を受けると、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU130が演出制御メイン処理を実行する。この演出制御メイン処理では、所定の初期化処理が実行されることにより、RAM132のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等が行われる。その後、演出制御用CPU130は、所定のタイマ割込フラグを監視するなどして、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行する。例えば、演出制御用CPU130では33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、タイマ割込フラグがセットされる。
また、演出制御用CPU130では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU130は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより演出制御用CPU130にて割込みが発生することで、例えば所定のコマンド受信割込処理が実行され、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから読み込んだ演出制御コマンドを、受信コマンドバッファに格納する。例えば、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して受信コマンドバッファに格納した後、割込許可に設定する。
演出制御用CPU130がタイマ割込フラグを監視することによりタイマ割込発生を検出したときには、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理や、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのそれぞれにおける表示動作を制御するための第1及び第2表示制御プロセス処理などが実行される。
第1表示制御プロセス処理では、第1画像表示装置5Aにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定部153に設けられた第1表示制御プロセスフラグの値を第1画像表示装置5Aにおける表示状態に応じて更新し、第1表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。また、第2表示制御プロセス処理では、第2画像表示装置5Bにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定部153に設けられた第2表示制御プロセスフラグの値を第2画像表示装置5Bにおける表示状態に応じて更新し、第2表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。
図40は、演出制御用CPU130によって実行されるコマンド解析処理における処理内容の一例を示す説明図である。このコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から信号中継基板13を介して受信した演出制御コマンドがあるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
例えば、受信コマンドが第1可変表示開始コマンドとなるコマンド80XXHであるときには、そのコマンドに含まれるEXTデータを表示制御用データ保持エリア150の所定領域(例えば第1パターン格納領域)に記憶させることなどにより、第1可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンをセーブする。このときには、表示制御フラグ設定部153に設けられた第1可変表示開始フラグをオン状態にセットする。また、受信コマンドが第2可変表示開始コマンドとなるコマンド81XXHであるときには、例えばそのコマンドに含まれるEXTデータを表示制御用データ保持エリア150の所定領域(例えば第2パターン格納領域)に記憶させることなどにより、第2可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンをセーブする。このときには、表示制御フラグ設定部153に設けられた第2可変表示開始フラグをオン状態にセットする。
また、受信コマンドが第1表示結果通知#1〜#3のコマンド9000H〜9002Hのいずれかであるときには、そのコマンドに含まれるEXTデータを表示制御用データ保持エリア150の所定領域(例えば第1表示結果格納領域)に記憶させるなどしてセーブする。また、受信コマンドが第2表示結果通知#1〜#3のコマンド9100H〜9102Hのいずれかであるときには、そのコマンドに含まれるEXTデータを表示制御用データ保持エリア150の所定領域(例えば第2表示結果格納領域)に記憶させるなどしてセーブする。
コマンド解析処理において、受信コマンドが大当り開始コマンドとなるコマンドA000Hであるときには、表示制御フラグ設定部153に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする。また、受信コマンドが大当り終了コマンドとなるコマンドA100Hであるときには、表示制御フラグ設定部153に設けられた大当り終了フラグをオン状態にセットする。
コマンド解析処理において、受信コマンドが可変表示進行停止コマンドとなるコマンドA800Hであるときには、表示制御フラグ設定部153に設けられた進行停止中フラグをオン状態にセットする。これに対して、受信コマンドが可変表示進行再開コマンドとなるA900Hであるときには、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態にする。受信コマンドがその他のコマンドであるときには、例えば表示制御フラグ設定部153にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
図41は、演出制御用CPU130によって実行される第1表示制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す第1表示制御プロセス処理では、第1画像表示装置5Aに対応して表示制御フラグ設定部153に設けられた第1表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS150〜S155の各処理を実行する。
ステップS150の第1可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU130は、第1可変表示開始フラグがオンとなっているか否かを判別する。前述したコマンド解析処理において、受信コマンドが第1可変表示開始コマンドであるときには、第1可変表示開始フラグがオン状態にセットされる。そして、第1可変表示開始フラグがオンであれば、第1可変表示開始フラグをクリアしてオフ状態とし、第1表示制御プロセスフラグの値を演出表示制御設定処理に対応した値である“1”に更新する。他方、第1可変表示開始フラグがオフのときには、そのまま第1可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS151の演出表示制御設定処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この演出表示制御設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM131に格納されている複数種類の表示制御データのうちから可変表示パターンに対応するものを選択する処理などといった、第1画像表示装置5Aにおける表示動作を設定するための処理を含んでいる。また、ステップS151の演出表示制御設定処理では、主基板11からの第1可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンや、第1表示結果通知コマンドにより通知された特図ゲームでの可変表示結果などに基づき、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示にて確定飾り図柄として導出表示される飾り図柄の組合せを決定する。
ステップS152の飾り図柄可変表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、飾り図柄可変表示処理において、演出制御用CPU130は、表示制御タイマ設定部154に含まれる第1表示制御時間タイマがタイムアウトするごとに、ROM131に記憶されている表示制御データの読出位置を切り換え、その読出位置から読み出された表示制御データに従って、第1画像表示装置5Aの表示制御を変更する。そして、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を終了するための表示制御データが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を第1表示制御時間タイマに設定する。この後、第1表示制御時間タイマのカウントダウン動作を開始するとともに、第1表示制御プロセスフラグの値を大当り開始コマンド受信待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS153の大当り開始コマンド受信待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、演出制御用CPU130は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを、例えば大当り開始フラグをチェックすることなどによって判定する。そして、大当り開始コマンドを受信したきには、飾り図柄の可変表示結果が大当りであると判断して、第1表示制御プロセスフラグの値を大当り演出表示処理に対応した値である“4”に更新する。一方、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、第1表示制御時間タイマがタイムアウトしたときには、飾り図柄の可変表示結果がハズレであると判断して、第1表示制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS154の大当り演出表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU130は、第1画像表示装置5Aにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11からの大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第1画像表示装置5A上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、15ラウンド)になると、第1表示制御プロセスフラグの値を大当り終了演出表示処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS155の大当り終了演出表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了演出表示処理は、第1画像表示装置5Aにて所定の大当り終了報知演出表示を実行することにより大当り遊技状態が終了した旨を報知するための制御を行う処理を含んでいる。
演出制御用CPU130が実行する第2表示制御プロセス処理としては、図41に示す第1表示制御プロセス処理を第2画像表示装置5Bに適合させた処理であればよい。例えば、第2表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される第2可変表示開始コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU130は、第2可変表示開始フラグがオンとなっているか否かを判別する。前述したコマンド解析処理において、受信コマンドが第2可変表示開始コマンドであるときには、第2可変表示開始フラグがオン状態にセットされる。そして、第2可変表示開始フラグがオンであれば、第2可変表示開始フラグをクリアしてオフ状態とし、第2表示制御プロセスフラグの値を演出表示制御設定処理に対応した値である“1”に更新する。他方、第2可変表示開始フラグがオフのときには、そのまま第2可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
第2表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される演出表示制御設定処理は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM131に格納されている複数種類の表示制御データのうちから可変表示パターンに対応するものを選択する処理などといった、第2画像表示装置5Bにおける表示動作を設定するための処理を含んでいる。また、この演出表示制御設定処理では、主基板11からの第2可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンや、第2表示結果通知コマンドにより通知された特図ゲームでの可変表示結果などに基づき、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の可変表示にて確定飾り図柄として導出表示される飾り図柄の組合せを決定する。
第2表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される飾り図柄可変表示処理において、演出制御用CPU130は、表示制御タイマ設定部154に含まれる第2表示制御時間タイマがタイムアウトするごとに、ROM131に記憶されている表示制御データの読出位置を切り換え、その読出位置から読み出された表示制御データに従って、第2画像表示装置5Bの表示制御を変更する。そして、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を終了するための表示制御データが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を第2表示制御時間タイマに設定する。この後、第2表示制御時間タイマのカウントダウン動作を開始するとともに、第2表示制御プロセスフラグの値を大当り開始コマンド受信待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
第2表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される大当り開始コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU130は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを、例えば大当り開始フラグをチェックすることなどによって判定する。そして、大当り開始コマンドを受信したきには、飾り図柄の可変表示結果が大当りであると判断して、第2表示制御プロセスフラグの値を大当り演出表示処理に対応した値である“4”に更新する。一方、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、第2表示制御時間タイマがタイムアウトしたときには、飾り図柄の可変表示結果がハズレであると判断して、第2表示制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
第2表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大当り演出表示処理において、演出制御用CPU130は、第2画像表示装置5Bにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11からの大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第2画像表示装置5B上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、15ラウンド)になると、第2表示制御プロセスフラグの値を大当り終了演出表示処理に対応した値である“5”に更新する。第2表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り終了演出表示処理は、第2画像表示装置5Bにて所定の大当り終了報知演出表示を実行することにより大当り遊技状態が終了した旨を報知するための制御を行う処理を含んでいる。
図42は、第2表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される飾り図柄可変表示処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す飾り図柄可変表示処理において、演出制御用CPU130は、まず、進行停止中フラグがオンとなっているか否かを判定することにより、主基板11からの可変表示進行停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS401)。
ステップS401にて進行停止中フラグがオンであるときには(ステップS401;Yes)、進行停止中における表示制御の設定を行って、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行が中断されていることに対応した所定の画像を表示させる(ステップS402)。例えば、ステップS402の処理では、演出制御用CPU130が表示制御部133のVDP140に対して、映像ROM141に格納された所定の画像データに基づく描画を指示する描画コマンドを送ることにより、第2画像表示装置5Bに可変表示の進行が中断されている旨を報知するための画像を表示させる制御を行う。あるいは、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行や第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行が中断されている旨を報知するための画像は表示させずに、各種の演出表示を実行させる制御を行うようにしてもよい。この場合には、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示や第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が継続している旨を報知するための画像を第2画像表示装置5Bに表示させる制御を行うようにしてもよい。
また、例えば可変表示進行停止コマンドが可変表示の進行停止中における飾り図柄の可変表示パターンを指定できるものである場合には、ステップS402の処理において、演出制御用CPU130は、ROM131に記憶されている複数種類の表示制御データのうちから可変表示進行停止コマンドで指定された可変表示パターンに対応する表示制御データを読み出し、読み出した表示制御データに対応する描画コマンドをVDP140に送ることにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されているときに、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示自体は継続し、その総可変表示時間を延長して実行させる制御を行ってもよい。あるいは、演出制御用CPU130がVDP140に対して所定の描画コマンドを送ることにより、例えばリーチの種類の紹介などといった、パチンコ遊技機1に特有の演出に関連する情報を、第2画像表示装置5Bにおける表示により報知する制御を行ってもよい。あるいは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム及び第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示にて大当りとなったことに基づく大当り遊技状態において、例えばラウンド数や第1特別可変入賞球装置7Aへの入賞球のカウント数などといった、大当り遊技状態に関する情報を、第2画像表示装置5Bにおける表示により報知する制御を行ってもよい。あるいは、演出制御用CPU130がVDP140に対して所定の描画コマンドを送ることにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されているときに、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を停止させて、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示させるようにしてもよい。
ステップS401にて進行停止中フラグがオフであるときには(ステップS401;No)、表示制御タイマ設定部154に設けられた第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS403)。そして、更新された第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値や、そのタイマ値に基づいてROM131から読み出した表示制御データなどに基づき、飾り図柄の総可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて飾り図柄の総可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときには(ステップS404;Yes)、例えば演出制御用CPU130が表示制御部133のVDP140に所定の描画コマンドを送出するなどして、第2画像表示装置5Bにおける「左」、「中」、「右」の可変表示領域DL、DC、DRにて確定飾り図柄を停止表示させるための設定を行う(ステップS405)。続いて、第2表示制御プロセスフラグの値を大当り開始コマンド受信待ち処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS406)。このときには、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を第2表示制御時間タイマに設定した後、第2表示制御時間タイマのカウントダウン動作を開始させるようにすればよい。また、合成画像演出処理(図43)が実行されているときには、経過時間タイマや合成中フラグがクリアされる。
ステップS404にて飾り図柄の総可変表示時間が経過していない旨の判定がなされたときには(ステップS404;No)、例えば第2表示制御時間タイマのタイマ値に対応してROM131から読み出した表示制御データに従って、演出制御用CPU130が表示制御部133のVDP140に所定の描画コマンドを送出するなどして、第2画像表示装置5Bにおいて飾り図柄の可変表示を実行させるための設定を行う(ステップS407)。
図42に示すステップS402、S405、S407の処理では、所定の描画指示処理が実行される。これにより、演出制御用CPU130は、主基板11からの第2可変表示開始コマンドによって通知された可変表示パターンに対応して飾り図柄の可変表示に使用する表示制御データを特定し、この表示制御データが規定するタイミングデータに沿って、第2画像表示装置5Bにおいて飾り図柄の変動が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの画像を表示する制御を行う。具体的には、ROM131に記憶されている複数種類の表示制御データのうちから、第2可変表示開始コマンドによって通知された可変表示パターンや第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値などに対応するものを読み出し、この読み出した表示制御データに基づいて、描画コマンドを生成してVDP140に対して送信する。
また、主基板11からの第2可変表示開始コマンドによって通知された可変表示パターンが合成画像69による演出を指定するものである場合には、図42に示すステップS407内の描画指示処理では、図43に示す合成画像演出処理が実行される。この処理において、演出制御用CPU130は、合成中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS501)。合成中フラグがオフであるときには(ステップS501;No)、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値や、そのタイマ値に基づいてROM131から読み出したタイミングデータなどに基づき、図19に示す合成開始タイミングになったか否かを判定する(ステップS502)。
合成開始タイミングになっていれば(ステップS502;Yes)、経過時間タイマにタイマ初期値「0」を設定するなどして、経過時間タイマによる合成開始タイミングからの経過時間の計測をスタートさせる(ステップS503)。その後、演出制御用CPU130は、合成中フラグをオン状態にセットし(ステップS504)、ステップS506に進む。これに対して、合成開始タイミングになっていなければ(ステップS502;No)、そのまま合成画像演出処理を終了する。
また、ステップS501にて合成中フラグがオンであると判定されたときには(ステップS501;Yes)、経過時間タイマにおけるタイマ値を1加算するなどして更新した後(ステップS505)、ステップS506に進む。
その後、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値が、最大値である「200」よりも大きくなったか否かを判定する(ステップS506)。このとき、経過時間タイマにおけるタイマ値「200」より大きければ(ステップS506;Yes)、経過時間タイマにタイマ初期値「0」をリセットし(ステップS507)、「200」以下であれば(ステップS506;No)、ステップS507をスキップする。
続いて、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値や、そのタイマ値に基づいてROM131から読み出したタイミングデータなどに基づき、初期合成期間中であるか否かを判定する(ステップS508)。ここで、初期合成期間中とは、図19に示すように、合成開始タイミング(=経過時間T0)から煽り合成開始タイミングまでの期間である。そして、初期合成期間中であれば(ステップS508;Yes)、初期合成処理が実行される(ステップS509)。
これに対し、初期合成期間中でなければ(ステップS508;No)、続いて、経過時間タイマにおけるタイマ値や、そのタイマ値に基づいてROM131から読み出したタイミングデータなどに基づき、煽り合成期間中であるか否かを判定する(ステップS510)。ここで、煽り合成期間中とは、図19に示すように、煽り合成開始タイミングから最終合成開始タイミングまでの期間である。そして、煽り合成期間中であれば(ステップS510;Yes)、さらに煽り合成が可能な期間であるか否かを判定する(ステップS511)。この実施の形態において、煽り合成が可能な期間は、経過時間がT20からT81までの期間、或いは経過時間がT120からT181までの期間である。
ここで、煽り合成が不能な期間であるとき、即ち経過時間タイマにおけるタイマ値が「0」以上「19」以下であるときや、「82」以上「119」以下であるとき、「182」以上「200」以下であるときには(ステップS511;No)、煽り合成が可能な期間になるまで、初期合成処理を実行すべく、ステップS509に進む。一方、煽り合成が可能な期間であるとき、即ち経過時間タイマにおけるタイマ値が「20」以上「81」以下である場合や、「120」以上「181」以下であるときには(ステップS511;Yes)、煽り合成処理が実行される(ステップS512)。
また、ステップS508及びS510にて初期合成期間中でも煽り合成期間中でもないと判定されたときには(ステップS510;No)、最終合成処理期間中であるとして、最終合成処理がされる(ステップS513)。ここで、最中合成処理期間中とは、図19に示すように、最終合成開始タイミングから飾り図柄の可変表示が終了するまでの期間である。なお、図19に示す例では、初期合成処理、煽り合成処理及び最終合成処理が全て行われるものとしているが、初期合成処理の終了後、煽り合成処理を実行することなく、直ちに最終合成処理を実行するようにしてもよい。この場合には、合成開始タイミングから最終合成開始タイミングまでの期間が初期合成期間となる。また、合成開始タイミングから飾り図柄の可変表示が終了するまでの全期間、初期合成処理或いは最終合成処理が行われるようにしてもよい。
図44は、ステップS509にて実行される初期合成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理において、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」以下であるか否かを判別する(ステップS521)。経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」以下であるときには(ステップS521;Yes)、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像をフェードアウトさせて行くと共に、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像をフェードインさせて行く合成画像69を生成する第1α合成処理を実行する(ステップS522)。
これに対して、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」より大きい値であるときには(ステップS521;No)、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像をフェードインさせて行くと共に、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像をフェードアウトさせて行く合成画像を生成する第2α合成処理を実行する(ステップS523)。
図45は、ステップS512にて実行される煽り合成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理において、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値が「181」であるか否かを判別し(ステップS531)、「181」であれば(ステップS531;Yes)、経過時間タイマにタイマ値「20」を設定する(ステップS532)。一方、経過時間タイマにおけるタイマ値が「181」でないときには(ステップS531;No)、さらにこのタイマ値が「81」であるか否かを判別し(ステップS533)。「81」であれば(ステップS533;Yes)、経過時間タイマにタイマ値「120」を設定し(ステップS534)、「81」でないときには(ステップS533;Yes)、ステップS534の処理をスキップする。これにより、一旦煽り合成処理が開始された後は、最終合成開始タイミングになるまで、煽り合成処理を継続して実行することができる。
その後、演出制御部CPU130は、継続時間タイマにおけるタイマ値が「20」以上「80」以下であるか否かを判別し(ステップS535)、「20」以上「80」以下であれば(ステップS535;Yes)、第1α合成処理を実行し(ステップS536)、「120」以上「180」以下であれば(ステップS535;No)、第2α合成処理を実行する(ステップS537)。
図46は、ステップS513にて実行される最終合成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理において、演出制御用CPU130は、「中」の可変表示領域DCにおける確定飾り図柄が、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)であるか、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)であるかの判定を行う(ステップS541)。表示順が後の飾り図柄が「中」の可変表示領域DCにおける確定飾り図柄であるときには(ステップS541;Yes)、第1α合成処理を実行し(ステップS542)、表示順が先の飾り図柄が「中」の可変表示領域DCにおける確定飾り図柄であるときには(ステップS541;No)、第2α合成処理を実行する(ステップS543)。
図47は、ステップS522、S536、S542にて実行される第1α合成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理において、演出制御用CPU130は、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)に対して用いるブレンド率データを読み出すためのテーブルとして、ブレンド率Aテーブル171を設定するととともに、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)に対して用いるブレンド率データを読み出すためのテーブルとして、ブレンド率Bテーブル172を設定する(ステップS601)。また、演出制御用CPU130は、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)に対して用いる拡大率データを読み出すためのテーブルとして、拡大率Aテーブル173(又は拡大率Cテーブル175)を設定するととともに、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)に対して用いる拡大率データを読み出すためのテーブルとして、拡大率Bテーブル174(又は拡大率Cテーブル175)を設定する(ステップS602)。
続いて、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」以下であるか否かを判定し(ステップS603)、「100」以下であるときには(ステップS603;Yes)、このタイマ値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS601及びS602にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS604)。
これに対して、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」より大きいときには(ステップS603;No)、前回までの処理とブレンド率、拡大率の向上或いは低下方向が同一か否かを判別し(ステップS605)、方向が同一であれば(ステップS605;Yes)、経過時間タイマにおけるタイマ値から「100」を減算した値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS601及びS602にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS606)。具体的には、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」を超えて「101」となった場合、ステップS601及びS602にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルからは、経過時間T1に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が読み出され、その後、経過時間T2,T3,…に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が順次読み出されて行く。これにより、第2画像表示装置5Bには、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像が完全にフェードアウトして、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像のみが表示されるようになった後、表示順が後の飾り図柄が消去されて表示順が先の飾り図柄が再び現れ、次第にフェードアウトして行きながら、消去された表示順が後の飾り図柄がフェードインして行く画像が表示される。
これに対して、前回までの処理とブレンド率、拡大率の向上或いは低下方向が異なっているときには(ステップS605;No)、「200」から経過時間タイマにおけるタイマ値を減算した値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS601及びS602にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS607)。具体的には、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」を超えて「101」となった場合、ステップS601及びS602にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルからは、経過時間T99に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が読み出される。これにより、第2画像表示装置5Bでは、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像が完全にフェードアウトして、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像のみが表示されるようになった後、今度は反対に、表示順が先の飾り図柄がフェードインして行きながら、表示順が後の飾り図柄がフェードアウトして行く画像が表示される。
その後、演出制御用CPU130は、ステップS604、S606、S607にて読み出されたブレンド率データ及び拡大率データに基づいて、位置情報や、色情報、優先順位、拡大率、半透明混合率、キャラクタコードなどの情報を指定する描画コマンドを生成してVDP140に対して送信する(ステップS608)。そして、演出制御用CPU130からの描画コマンドによって指定される位置情報や、色情報、優先順位、拡大率、半透明混合率、キャラクタコードなどの情報は、VDP140のアトリビュートテーブル161に書き込まれ、スプライト演算部160は、このアトリビュートテーブル161に書き込まれた情報に従い、映像ROM141から読み出したデータに従って画像データを生成して、VRAM142上に展開される。この後、VRAM142上に展開された画像データが定期的に読み出されてLCD駆動回路143Bに供給されることにより、第2画像表示装置5Bには、ステップS604、S606、S607にて読み出されたブレンド率データ及び拡大率データが示すブレンド率及び拡大率に従って合成された画像が表示される。
図48は、ステップS523、S537、S543にて実行される第2α合成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理において、演出制御用CPU130は、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)に対して用いるブレンド率データを読み出すためのテーブルとして、ブレンド率Bテーブル172を設定するととともに、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)に対して用いるブレンド率データを読み出すためのテーブルとして、ブレンド率Aテーブル171を設定する(ステップS611)。また、演出制御用CPU130は、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)に対して用いる拡大率データを読み出すためのテーブルとして、拡大率Bテーブル174(又は拡大率Cテーブル175)を設定するととともに、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)に対して用いる拡大率データを読み出すためのテーブルとして、拡大率Aテーブル173(又は拡大率Cテーブル175)を設定する(ステップS612)。
続いて、演出制御用CPU130は、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」以下であるか否かを判定し(ステップS613)、「100」以下であるときには(ステップS613;Yes)、このタイマ値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS611及びS612にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS614)。
これに対して、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」より大きいときには(ステップS613;No)、前回までの処理とブレンド率、拡大率の向上或いは低下方向が同一か否かを判別し(ステップS615)、方向が同一であれば(ステップS615;Yes)、経過時間タイマにおけるタイマ値から「100」を減算した値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS611及びS612にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS616)。具体的には、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」を超えて「101」となった場合、ステップS611及びS612にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルからは、経過時間T1に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が読み出され、その後、経過時間T2,T3,…に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が順次読み出されて行く。これにより、第2画像表示装置5Bには、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像が完全にフェードアウトして、表示順が前の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像のみが表示されるようになった後、表示順が先の飾り図柄が消去されて表示順が後の飾り図柄が再び現れ、次第にフェードアウトして行きながら、消去された表示順が先の飾り図柄がフェードインして行く画像が表示される。
これに対して、前回までの処理とブレンド率、拡大率の向上或いは低下方向が異なっているときには(ステップS615;No)、「200」から経過時間タイマにおけるタイマ値を減算した値に対応するブレンド率データと拡大率データとを、ステップS611及びS612にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルとからそれぞれ読み出す(ステップS617)。具体的には、経過時間タイマにおけるタイマ値が「100」を超えて「101」となった場合、ステップS611及びS612にて設定したブレンド率テーブルと拡大率テーブルからは、経過時間T99に対応するブレンド率データと、拡大率データと、が読み出される。これにより、第2画像表示装置5Bでは、連続する2つの飾り図柄のうち、表示順が後の飾り図柄(例えば飾り図柄「7」)の画像が完全にフェードアウトして、表示順が先の飾り図柄(例えば飾り図柄「6」)の画像のみが表示されるようになった後、今度は反対に、表示順が後の飾り図柄がフェードインして行きながら、表示順が先の飾り図柄がフェードアウトして行く画像が表示される。
その後、演出制御用CPU130は、ステップS614、S616、S617にて読み出されたブレンド率データ及び拡大率データに基づいて、位置情報や、色情報、優先順位、拡大率、半透明混合率、キャラクタコードなどの情報を指定する描画コマンドを生成してVDP140に対して送信する(ステップS618)。そして、演出制御用CPU130からの描画コマンドによって指定される位置情報や、色情報、優先順位、拡大率、半透明混合率、キャラクタコードなどの情報は、VDP140のアトリビュートテーブル161に書き込まれ、スプライト演算部160は、このアトリビュートテーブル161に書き込まれた情報に従い、映像ROM141から読み出したデータに従って画像データを生成して、VRAM142上に展開される。この後、VRAM142上に展開された画像データが定期的に読み出されてLCD駆動回路143Bに供給されることにより、第2画像表示装置5Bには、ステップS614、S616、S617にて読み出されたブレンド率データ及び拡大率データが示すブレンド率及び拡大率に従って合成された画像が表示される。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、遊技者等がパチンコ遊技機1の右下位置に設けられた打玉操作ハンドルを操作したことに応答して、図示せぬ発射モータの駆動力により遊技球が遊技領域に打ち込まれる。そして、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通入賞球装置6Aに入賞することにより(図27のステップS101;Yes)、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立すると、乱数回路104等により更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが抽出され、保留データとして第1特図保留記憶部121Aに記憶される(ステップS104、S105)。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示といった、特別図柄及び飾り図柄の可変表示の実行を、所定の上限数(例えば「4」)まで保留記憶することができる。
また、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞することにより(ステップS106;Yes)、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立すると、乱数回路104等により更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが抽出され、保留データとして第2特図保留記憶部121Bに記憶される(ステップS109、S110)。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示といった、特別図柄及び飾り図柄の可変表示の実行を、所定の上限数(例えば「4」)まで保留記憶することができる。
この後、第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに応じて、第1特図保留記憶部121Aから大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが読み出され(図30のステップS211)、その乱数値MR1に基づいて大当り・確変判定処理が実行される(ステップS214)。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶部121Bから大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが読み出され、その乱数値MR1に基づいて大当り・確変判定処理が実行される。
例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに実行される大当り・確変判定処理では、大当り判定用の乱数値MR1が判定値データと合致することにより大当りとする旨の判定がなされると(図32のステップS314;Yes)、第1大当りフラグがオン状態にセットされる(ステップS315)。この判定結果に基づいて確定特別図柄や可変表示パターンの決定が行われた後には、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示が開始されるとともに(図30のステップS220)、主基板11から演出制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドや第1表示結果通知コマンドが送信されることにより(図33のステップS337及び図34のステップS365)、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示が開始される。この後、第1画像表示装置5Aでは、例えば図49(A)に示すように、「左」及び「右」の可変表示領域DL、DRにて同一の飾り図柄が停止表示されることで、可変表示態様がリーチとなる。このとき、第2画像表示装置5Bでは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、例えば図49(F)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されているものとする。
その後、例えば図49(B)に示すように、第1画像表示装置5Aにおける「中」の可変表示領域DCにて「左」及び「右」の可変表示領域DL、DRと同一の飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。また、第1特別図柄表示装置4Aでは、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示される。これにより、可変表示結果が大当りとなる。こうして第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示結果や第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果が大当りとなったときには、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御される。このとき、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示や第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が実行中であれば、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示進行停止コマンドが送信される(図37のステップS249)。
可変表示進行停止コマンドの送信が行われるときには、可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされる(ステップS250)。可変表示進行停止フラグがオンになった後には、その可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となるまで、図39に示すステップS292の処理が実行されない。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(可変表示時間)の計測が中断される。演出制御基板12の側では、主基板11からの可変表示進行停止コマンドを受信したとき(図40にて「受信コマンド」が「可変表示進行停止コマンド」であるとき)、進行停止中フラグをオン状態にセットする。こうして進行停止中フラグがオンになった後には、主基板11からの可変表示進行再開コマンドを受信して進行停止中フラグがオフとなるまで、図42に示すステップS403の処理が実行されないことから(ステップS401;Yes)、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(可変表示時間)の計測が中断される。そして、演出制御用CPU130は、飾り図柄の可変表示が進行停止中であることに対応した画像を第2画像表示装置5Bに表示するための表示制御の設定を行う(ステップS402)。
例えば、演出制御用CPU130は、VDP140に所定の描画コマンドを送ることなどにより、図49(H)に示すような報知情報50を第2画像表示装置5Bに表示させて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が継続しているものの、それらの進行は停止している旨を報知するようにしてもよい。このときには、第2画像表示装置5Bにおける「左」、「中」、「右」の可変表示領域DL、DC、DRのいずれかにて可変表示中の飾り図柄については、継続して可変表示させるようにしてもよい。また、主基板11から演出制御基板12に対して送信される可変表示進行停止コマンドにより飾り図柄の可変表示を延長して行うための可変表示パターンを指定して、演出制御用CPU130が指定された可変表示パターンに対応した描画コマンドをVDP140に送ることなどにより、指定された可変表示パターンに対応した表示による演出を第2画像表示装置5Bにて行うようにしてもよい。第2特別図柄表示装置4Bでは、例えば図39に示すステップS291にて可変表示進行停止フラグがオンである旨の判定がなされたことに対応して、大当り図柄以外のハズレ図柄が停止表示されるようにしてもよい。
主基板11に搭載されたCPU103は、図28に示すステップS124の大入賞口開放前処理にて演出制御基板12に対して大当り開始コマンドとなるコマンドA000Hを送信可能に設定することなどにより、例えば図49(C)に示すように、可変表示結果が大当りとなったことを報知するための情報を、第1画像表示装置5Aに表示させる。この後、パチンコ遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態であるときには、例えば図49(I)に示すように、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行が停止されたままとなる。
続いて、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図28に示すステップS126の大当り終了処理にて主基板11から演出制御基板12に対して大当り終了コマンドとなるコマンドA100Hを送信可能に設定することなどにより、大当り遊技状態が終了する旨を報知するための大当り終了報知演出表示が、第1画像表示装置5Aにおいて実行される。この大当り終了報知演出表示では、例えば図49(D)に示すような表示が第1画像表示装置5Aの画面上において行われる。このとき、第2画像表示装置5Bでは、例えば図49(J)に示すように、図49(H)及び(I)と同様に飾り図柄の可変表示が継続して行われるとともに、報知情報50の表示が行われている。
こうして大当り遊技状態が終了するときには、可変表示進行停止フラグがオンとなっていることから(図38のステップS272;Yes)、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示進行再開コマンドが送信される(ステップS273)。また、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となる(ステップS274)。可変表示進行停止フラグがオフとなった後には、図39に示すステップS292の処理が実行されることにより(ステップS291;No)、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(可変表示時間)の計測が再開される。
演出制御基板12の側では、主基板11からの可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して(図40にて「受信コマンド」が「可変表示進行再開コマンド」であるとき)、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする。進行停止中フラグがオフとなることにより、図42に示すステップS403の処理が実行されることになり(ステップS401;No)、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(可変表示時間)の計測が再開される。そして、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の総可変表示時間が経過するまでは、第2画像表示装置5Bに対する可変表示用画像の表示制御が行われる(ステップS407)。こうして第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示の進行が再開される。このときには、例えば図49(K)に示すような報知情報51を第2画像表示装置5Bに表示させることなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行が再開された旨を報知するようにしてもよい。
続いて、大当り遊技状態が終了したことにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける次の特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立すると、第1特別図柄表示装置4Aにおいて特別図柄の可変表示が開始され、これに対応して、例えば図49(E)に示すように、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示が開始されることになる。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームで可変表示結果となる確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されるとともに、第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることにより、大当り遊技状態に制御されるときに、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示や第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が実行中であるときには、第2画像表示装置5Bにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
例えば、図50(B)に示すように、第1画像表示装置5Aにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて同一の飾り図柄が停止表示されることで可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたことに基づいて、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されるものとする。このとき、演出制御基板12の側では、主基板11からの可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して、例えば演出制御用CPU130がVDP140に所定の描画コマンドを送ることなどにより、図50(H)に示すように、第2画像表示装置5Bに報知情報50を表示させるとともに、ハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示させてもよい。
このときに停止表示される飾り図柄の組合せは、例えば演出制御基板12の側で制御状態がクリアされた状態で電力供給が開始されたときに表示される飾り図柄の組合せである初期表示用の飾り図柄の組合せなどといった、予め定められた飾り図柄の組合せであってもよい。あるいは、図42に示すステップS402の処理が実行されたタイミングにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRでの表示状態(例えば表示領域内における表示対象となっている飾り図柄)などから、ハズレ組合せとなる飾り図柄を決定し、決定された飾り図柄の組合せを停止表示するようにしてもよい。
その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば第1画像表示装置5Aにて大当り終了報知演出表示が行われることにより、図50(D)に示すような大当り遊技状態が終了した旨を報知するために用意された所定の画像が表示される。このとき、第2画像表示装置5Bでは、例えば図50(J)に示すように、図50(H)及び(I)と同様にハズレ組合せの飾り図柄が停止表示されるとともに、報知情報50の表示が行われている。
こうして大当り遊技状態が終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示進行再開コマンドが送られたことなどに基づいて、例えば図50(K)に示すように、第2画像表示装置5Bにおける「左」、「中」、「右」の各可変表示領域DL、DC、DRにて停止表示されていた飾り図柄の変動が再び開始される。このときには、例えば第2画像表示装置5Bに報知情報51を表示することなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行が再開された旨を報知するようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに実行される大当り・確変判定処理(図30のステップS214)にて、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが判定値データと合致することにより大当りとする旨の判定がなされた後(図32のステップS314;Yes)、確変判定用の乱数値MR4を示す数値データが確変判定値データと合致することにより確変大当りとする旨の判定がなされたときには(ステップS317;Yes)、第1確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS318)。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、上記の大当り・確変判定処理を第2特別図柄表示装置4Bに適合させた処理を実行して、大当りとする旨の判定がなされると第2大当りフラグをオン状態にセットし、さらに、確変大当りとする旨の判定がなされたときには第2確変確定フラグをオン状態にセットする。
こうした大当り・確変判定処理により第1確変確定フラグがオンとなっているときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに確変中フラグがオン状態にセットされるとともに(図36のステップS394)、確変カウンタに確変中可変表示回数初期値がセットされる(ステップS395)。また、このときには、時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」にするなどの初期化が行われる(ステップS393)。他方、大当り・確変判定処理により第1大当りフラグがオン状態にセットされる一方で、第1確変確定フラグはオフ状態とされたときには(図32のステップS317;No)、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに時短中フラグがオン状態にセットされるとともに(図36のステップS397)、時短カウンタに通常大当り後時短用初期値がセットされる(ステップS398)。また、このときには、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」にするなどの初期化が行われる(ステップS396)。
第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに第2確変確定フラグがオンとなっているときには、確変中フラグがオン状態にセットされるとともに、確変カウンタに確変中可変表示回数初期値がセットされる。また、このときには、時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」にするなどの初期化が行われる。他方、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに第2大当りフラグがオン状態にセットされる一方で、第2確変確定フラグはオフ状態とされたときには、時短中フラグがオン状態にセットされるとともに、時短カウンタに通常大当り後時短用初期値がセットされる。また、このときには、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」にするなどの初期化が行われる。
こうして確変中フラグがオン状態にセットされた後に、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始されるときには、図30に示すステップS213の確変転落抽選処理が実行されることにより、高確率状態を終了させるか否かの転落抽選が行われる(図31のステップS303)。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときにも、図30に示すステップS213と同様の確変転落抽選処理を実行して、高確率状態を終了させるか否かの転落抽選が行われる。そして、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには(図31のステップS303;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短中フラグをオン状態にセットすることにより(ステップS304)、高確率状態を終了させて時間短縮状態へと移行する。確変中フラグがオン状態であるときには、図32に示す大当り・確変判定処理などにて、増加判定値データが判定値データに設定されるので(ステップS312)、特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる確率が、通常遊技状態に比べて高くなる。
また、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに、可変表示結果を通常ハズレとする旨の判定がなされたときに(図34のステップS354;No)、時短中フラグがオンであれば(ステップS360;Yes)、図9(B)に示す時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンの選択決定を行う(ステップS361、S363、S364)。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が時間短縮状態であるときには、通常遊技状態や高確率状態であるときに図9(A)に示す通常時・確変中パターン決定テーブル115を用いて選択決定される可変表示パターンとは異なる可変表示パターンに決定される。そして、例えば時短中パターン決定テーブル116を用いて決定される可変表示パターンL4(通常ハズレ)では、特図ゲームにおける特別図柄の総可変表示時間が通常時・確変中パターン決定テーブル115を用いて決定されるいずれの可変表示パターンよりも短い時間になるといったように、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様が異なるものになる。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときにも同様の処理が行われることにより、時間短縮状態では、通常遊技状態や高確率状態に比べて、特別図柄の可変表示時間が短くなるように設定される。
そして、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときには、図30に示すステップS217の特別遊技状態終了判定処理を実行することで、高確率状態や時間短縮状態などの特別遊技状態での特図ゲームの実行回数がカウントされる。例えば確変中フラグがオンとなっている高確率状態においては(図35のステップS371;Yes)、確変カウンタのカウント値が更新されることにより(ステップS372)、高確率状態における特図ゲームの実行回数がカウントされる。他方、時短中フラグがオンとなっている時間短縮状態においては(ステップS377;Yes)、時短カウンタのカウント値が更新されることにより(ステップS378)、時間短縮状態における特図ゲームの実行回数がカウントされる。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときにも、図35に示す特別遊技状態終了判定処理と同様の処理が実行されることにより、高確率状態や時間短縮状態などの特別遊技状態での特図ゲームの実行回数がカウントされる。
こうしてカウントされた特図ゲームの実行回数が所定の可変表示回数となったときには、確変中フラグのクリア(ステップS374)や、時短中フラグのクリア(ステップS380)が行われる。ここで、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするときには、時短フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS375)、時短カウンタに確変大当り後時短用初期値を設定することで(ステップS376)、高確率状態を終了させて時間短縮状態へと移行させる。
例えば、確変中可変表示回数初期値が「100」である場合に、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後、図51(A)に示すように、タイミングTi11にて第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームと第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示とが終了したとする。これに続いて、確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームの開始条件が、図51(A)に示すように、タイミングTi12にて成立したときには、図35に示すステップS372にて確変カウンタのカウント値が更新されることにより、確変カウンタのカウント値が確変終了基準値と等しくなる(ステップS373;Yes)。
このときには、図51(C)及び(D)に示すように、確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームが開始されるタイミングTi12にて、確変中フラグがクリアされてオフ状態になるとともに(ステップS374)、時短中フラグがオン状態にセットされる(ステップS375)。これにより、確変制御による高確率状態における可変表示態様の選択設定から、時短制御による時間短縮状態における可変表示態様の選択設定へと切り換えられることになる。例えば図51(B)に示すように、タイミングTi13にて確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において101回目となる特図ゲームが開始されるときには、100回目となる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了していなくても、時間短縮状態における可変表示態様の選択設定とすることができる。
こうしてタイミングTi12にて確変中フラグがクリアされてオフ状態になるとともに、時短中フラグがオン状態にセットされることにより、例えばタイミングTi13にて確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において101回目となる特図ゲームが開始されるときには、100回目となる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了していなくても、図34に示すステップS361の処理にて設定した時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンの選択決定を行う。こうして時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンL4(通常ハズレ)に決定されたときには、特別図柄の総可変表示時間が可変表示パターンL4(通常ハズレ)に対応した総可変表示時間T28に設定される。また、101回目となる特図ゲームがタイミングTi14にて終了した後、タイミングTi15にて確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において102回目となる特図ゲームが開始されるときにも、時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンの選択決定を行う。そして、可変表示パターンL3(通常ハズレ)に決定されたときには、特別図柄の総可変表示時間が可変表示パターンL3(通常ハズレ)に対応した総可変表示時間T27に設定される。
ここで、試験信号出力端子19からパチンコ遊技機1の外部へ出力される試験信号は、高確率状態中に開始された特図ゲームが終了したときに、その出力レベル(例えば電圧レベル)が切り換えられることにより、高確率状態であることを示す試験信号の出力が停止されてもよい。例えば、タイミングTi12にて第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したときに、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが、可変表示パターンB(リーチハズレ)に決定されたものとする。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始された後のタイミングTi13にて第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したときに、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが、可変表示パターンL4(通常ハズレ)に決定された場合には、可変表示パターンB(リーチハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T3が可変表示パターンL4(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T28に比べて長くなるように定められていることにより、第2特別図柄表示装置4Bによる101回目の特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi17よりも早いタイミングTi14にて終了するものとする。また、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi17よりも早いタイミングTi15にて第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための第2開始条件が更に成立したときに、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが可変表示パターンL3(通常ハズレ)に決定されたことにより、第2特別図柄表示装置4Bによる102回目の特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi17よりも早いタイミングTi16にて終了するものとする。
この場合、例えば主基板11に搭載されたCPU103が試験信号出力端子19における試験信号の出力レベルを切換制御することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi17にて、例えば高確率状態中であることを示すローレベルから、高確率状態ではないことを示すハイレベルへと切り換えるようにすればよい。高確率状態に制御されているときには、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bによる飾り図柄の可変表示において、高確率状態であることを報知するための画像が表示されることがある。この場合、高確率状態であることを報知するための画像が表示されている間は、遊技者がパチンコ遊技機1は高確率状態に制御されているものと認識する。この実施の形態では、こうした高確率状態にて実行された特図ゲームが終了するタイミングにて試験信号の出力レベルを切り換えることで、正確な遊技状態を示す試験信号の出力を可能にする。これにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に接続された計測装置などにて、高確率状態中に大当りとなったか否かなどを、正確に特定(計測)することができる。
また、例えば通常大当り後時短用初期値が「100」である場合に、特図ゲームにおける可変表示結果が通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後、図52(A)に示すように、タイミングTi21にて第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームと第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示とが終了したとする。これに続いて、通常大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームの開始条件が、図52(A)に示すように、タイミングTi22にて成立したときには、図35に示すステップS378にて時短カウンタのカウント値が更新されることにより、時短カウンタのカウント値が時短終了基準値と等しくなる(ステップS379;Yes)。
このときには、図52(C)に示すように、通常大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において100回目となる特図ゲームが開始されるタイミングTi22にて、時短中フラグがクリアされてオフ状態となる(図35のステップS380)。これにより、時短制御による時間短縮状態における可変表示態様の選択設定から、通常遊技状態における可変表示態様の選択設定へと切り換えられることになる。例えばタイミングTi23にて通常大当りに基づく大当り遊技状態の終了後において101回目となる特図ゲームが開始されるときには、100回目となる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が終了していなくても、図34に示すステップS362の処理にて設定した通常時・確変中パターン決定テーブル115を用いて可変表示パターンの選択決定を行う。そして、例えば可変表示パターンL2(通常ハズレ)に決定されたときには、特別図柄の総可変表示時間が可変表示パターンL2(通常大当り)に対応した総可変表示時間T26に設定される。
ここで、試験信号出力端子19からパチンコ遊技機1の外部へ出力される試験信号は、時間短縮状態中に開始された特図ゲームが終了したときに、その出力レベル(例えば電圧レベル)が切り換えられることにより、時間短縮状態であることを示す試験信号の出力が停止されてもよい。例えば、タイミングTi22にて第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したときに、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが、可変表示パターンB(リーチハズレ)に決定されたものとする。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始された後のタイミングTi23にて第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したときに、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが、可変表示パターンL2(通常ハズレ)に決定された場合には、可変表示パターンB(リーチハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T3が可変表示パターンL2(通常ハズレ)における特別図柄の総可変表示時間T26に比べて長くなるように定められていることにより、第2特別図柄表示装置4Bによる101回目の特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi25よりも早いタイミングTi24にて終了するものとする。
この場合、例えば主基板11に搭載されたCPU103が試験信号出力端子19における試験信号の出力レベルを切換制御することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる100回目の特図ゲームが終了するタイミングTi25にて、例えば時間短縮状態中であることを示すローレベルから、時間短縮状態ではないことを示すハイレベルへと切り換えるようにすればよい。時間短縮状態に制御されているときには、例えば第1及び第2画像表示装置5A、5Bによる飾り図柄の可変表示において、時間短縮状態であることを報知ための画像が表示されることがある。この場合、時間短縮状態であることを報知するための画像が表示されている間は、遊技者がパチンコ遊技機1は時間短縮状態に制御されているものと認識する。この実施の形態では、こうした時間短縮状態にて実行された特図ゲームが終了するタイミングにて試験信号の出力レベルを切り換えることで、正確な遊技状態を示す試験信号の出力を可能にする。これにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に接続された計測装置などにて、時間短縮状態中に大当りとなったか否かなどを、正確に特定(計測)することができる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに、第1大当りフラグがオフとされる一方で、第2大当りフラグがオンであるときには(図34のステップS355;YesまたはステップS358;Yes)、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームに対応して第1画像表示装置5Aにおいて実行される飾り図柄の可変表示中にて、特定の予告演出となる演出表示を実行するための設定が行われる。このときには、図34に示すステップS356にて設定されるリーチハズレ時予告用パターン決定テーブル113(図8(C)参照)またはステップS359にて設定される通常ハズレ時予告用パターン決定テーブル114(図8(D)参照)を用いて、可変表示パターンの選択決定を行う。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示での可変表示パターンが、可変表示パターンI及び可変表示パターンJのいずれかに決定されることから、第1画像表示装置5Aにおいて実行される飾り図柄の可変表示中にて、図7(A)に示すような報知情報60Aや図7(B)に示すようなキャラクタ画像60Bが表示される。
また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに、第2大当りフラグがオフとされる一方で、第1大当りフラグがオンであるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームに対応して第2画像表示装置5Bにおいて実行される飾り図柄の可変表示中にて、特定の予告演出となる演出表示を実行するための設定が行われる。例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに大当りとする旨の判定がなされたときには(図32のステップS314;Yes)、第1大当りフラグがオン状態にセットされる(ステップS315)。このとき、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示で用いられる可変表示パターンが、図8(A)に示す大当り時パターン決定テーブル111を参照することによって、可変表示パターンA(大当り)に決定されたものとする。
この場合、演出制御用CPU130は、主基板11から送信された第1可変表示開始コマンドに基づき、可変表示パターンA(大当り)に従って第1画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を開始させる。これにより、例えば図53(A)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図53(B)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。
その一方で、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとともに図53(F)に例示するような第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示が終了し、第2画像表示装置5Bにて例えば図53(G)に示すような通常ハズレとなる飾り図柄の組合せが導出表示され、これに続いて、第2特別図柄表示装置4Bによる次の特図ゲームの開始条件が成立したものとする。このとき、当該開始条件の成立した特図ゲームと、それに対応して実行される飾り図柄の可変表示における表示結果をハズレとする旨の判定がなされると、第2大当りフラグはオフ状態に設定されているのに対して、第1大当りフラグはオン状態となっている。そこで、例えば通常ハズレ時予告用パターン決定テーブル114を参照して、第2特別図柄表示装置4Bによる今回の特図ゲームや第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示で用いる可変表示パターンを、可変表示パターンI(通常ハズレ)及び可変表示パターンJ(通常ハズレ)のいずれかに決定することができる。
具体的な一例として、可変表示パターンI(通常ハズレ)に決定されたときには、演出制御用CPU130が主基板11から送信された第2可変表示開始コマンドに基づき、例えば図53(H)に示すように可変表示パターンI(通常ハズレ)に従って第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示を開始させる。このとき、第1画像表示装置5Aでは、例えば図53(C)に示すように、「左」の可変表示領域DLに飾り図柄「7」が停止表示(仮停止表示)されているものとする。
続いて、第1画像表示装置5Aでは、可変表示パターンA(大当り)に従って、例えば図53(D)に示すように「右」の可変表示領域DRに「左」の可変表示領域DLと同一の飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されることにより、リーチが成立する。その一方で、第2画像表示装置5Bでは、可変表示パターンI(通常ハズレ)に従って、例えば図53(I)に示すように、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が大当りとなる旨を予告する報知情報60Aが表示される。
その後、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示パターンA(大当り)に対応する特別図柄の総可変表示時間T2が経過すると、第1特別図柄表示装置4Aにて大当り図柄が確定特別図柄として停止表示され、第1画像表示装置5Aには、例えば図53(E)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される。このようにして、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示にて表示結果を大当りとする旨の決定がなされたことに基づく特図ゲームや飾り図柄の可変表示が実行されるときに、例えば第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの表示結果をハズレとする旨の判定がなされたことに基づいて、特定の予告演出となる演出表示を実行するための可変表示パターンIや可変表示パターンJが選択決定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示を開始した後、第2画像表示装置5Bにおける飾り図柄の可変表示中にて可変表示パターンに従った予告演出となる演出表示を行ってから、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームや第1画像表示装置5Aにおける飾り図柄の可変表示での表示結果として、大当り図柄や大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示することができる。
以上説明したように、この発明によれば、飾り図柄の画像を切り替えるとき、時間の経過に伴って、現在表示されている飾り図柄の画像が縮小しつつ或いは原寸大のままフェードアウトして見えにくくなって行くのに対して、この次の飾り図柄の画像が拡大しつつ或いは原寸大のままフェードインして明瞭になって行く合成画像69が表示されるため、奥行感のある視覚的に斬新な可変表示を実現できる。また、このようにして、一方の飾り図柄の画像が完全にフェードアウトして見えなくなり、他方の飾り図柄の画像のみが表示されるようになった後、今度は、例えば図6に示すように、フェードアウトした飾り図柄の画像を拡大しつつ或いは原寸大のままフェードインして明瞭にして行く一方で、明瞭に表示された飾り図柄の画像を縮小しつつ或いは原寸大のままフェードアウトして行く合成画像69が表示される。このような2つの飾り図柄の画像のフェードイン/フェードアウト及び拡大/縮小を交互に繰り返して行うことにより、遊技者に対する演出効果を向上させることができる。
また、飾り図柄の可変表示を開始するときに通常大当りとする旨の判定がなされるなどして、遊技状態を時間短縮状態とするための条件が成立したときに、例えば図36に示すステップS397にて時短中フラグがオン状態にセットされることなどにより、時間短縮状態であることを示すデータが設定される。時間短縮状態にて特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するときに、時短カウンタによってカウントされた特図ゲームの実行回数が所定の時短終了基準値に達したときには、例えば図35に示すステップS380にて時短中フラグがクリアされてオフ状態とされることなどにより、時間短縮状態ではないことを示すデータに更新される。時短中フラグがオンであるときには、例えば図34に示すステップS361にて設定された時短中パターン決定テーブル116を参照して可変表示パターンを選択決定することで、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定する。ここで、時間短縮状態を終了する旨の決定がなされたにもかかわらず時間短縮状態であることを示すデータが変更されない場合には、そのデータの変更が行われるまでに開始される特図ゲームや飾り図柄の可変表示が、時間短縮状態の継続する場合と同様に可変表示時間が短いものとなってしまう。これに対して、本発明のパチンコ遊技機1では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を開始するときに時間短縮状態を終了する旨の決定がなされたときには、その特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始される時点で時短中フラグをクリアするように状態データを変更することで、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bあるいは第1及び第2画像表示装置5A、5Bといった複数の表示装置にて表示図柄の可変表示が行われるときに、遊技の公平性を保つことができる。
加えて、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれか一方による特図ゲームにて確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことや、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれか一方による飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことにより、大当り遊技状態に制御されるときに、他方の特別図柄表示装置や画像表示装置による特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中であるときには、実行中である特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行が停止されるとともに、経過時間の計測が中断される。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにて確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されるとともに、第1画像表示装置5Aによる飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されるとともに、第2画像表示装置5Bによる飾り図柄の変動表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とが、競合しないようにすることができる。これとともに、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果や第1及び第2画像表示装置5A、5Bによる飾り図柄の可変表示結果が導出表示される以前において、その可変表示結果が大当りとなるか否かを予め認識することが困難になり、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、演出制御用CPU130は、ROM131に記憶されているブレンド率データ及び拡大率データと、映像ROM141に記憶されている各飾り図柄の画像データと、を用いて、経過時間や確定飾り図柄に応じた様々な合成画像69を生成することができるため、合成画像69の画像データを予め用意しておく必要がない。この結果、演出制御基板12におけるデータ量を少なくすることができる。
また、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されるときに実行中である特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行を停止させるときには、可変表示時間の経過時間の計測を中断する一方で、可変表示中の特別図柄や飾り図柄については継続して可変表示させることができる。このときには、例えば図49(H)に示すような報知情報50を表示することなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示における進行は停止しているものの、その可変表示は継続して実行されている旨を報知することができる。このような報知を行うことにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示が進行しないことについて遊技者に不信感を与えることがない。
あるいは、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されるときに実行中である特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行を停止させるときには、可変表示時間の経過時間の計測を中断するとともに、例えば図50(H)〜(J)に示すように、ハズレ組合せの飾り図柄を停止表示させることができる。この表示により遊技者は、可変表示結果が大当りにはならないことを認識することができ、また、特別図柄や飾り図柄の可変表示が進行しないことを認識することができるので、特別図柄や飾り図柄の可変表示が進行しないことに対する不信感を持つことがない。
加えて、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれか一方による特図ゲームを開始するときにハズレとする旨の判定がなされるとともに、他方により実行中の特図ゲームにて大当りとなる旨の判定がなされたときには、特定の予告演出となる演出表示を実行するための設定が行われる。この設定に基づいて、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれか一方における飾り図柄の可変表示中にて、例えば図7(A)に示す報知情報60Aの表示あるいは図7(B)に示すキャラクタ画像60Bの表示による予告演出が実行された後、他方における飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることになる。これにより、遊技者に第1及び第2画像表示装置5A、5Bにおける表示のいずれにも興味を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図31に示すような確変転落抽選処理は、例えば図30に示す可変表示開始時処理において、ステップS214にて大当り・確変判定処理が実行されるより以前となるステップS213にて実行される。そのため、確変転落抽選における抽選結果を長期間記憶しておく必要がない。これにより、抽選結果を改変することによる不正が行われる可能性や、抽選結果を示すデータに誤りが生じる可能性を、低減することができる。
さらに、飾り図柄の可変表示を開始するときに確変大当りとする旨の判定がなされるなどして、遊技状態を高確率状態とするための条件が成立したときに、例えば図36に示すステップS394にて確変中フラグがオン状態にセットされることなどにより、高確率状態であることを示すデータが設定される。高確率状態にて特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するときに、確変カウンタによってカウントされた特図ゲームの実行回数が所定の確変終了基準値に達したときには、例えば図35に示すステップS374にて確変中フラグがクリアされてオフ状態とされるとともに、ステップS375にて時短中フラグがオン状態にセットされることなどにより、高確率状態ではないことを示すデータに更新されるとともに、時間短縮状態であることを示すデータが設定される。確変中フラグがオンであるときには、例えば図32のステップS312にて確変中フラグがオフであるときに比べて高い割合で可変表示結果を大当りとする旨の決定を行うための増加判定値データが判定値データに設定され、ステップS314にて大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが判定値データに合致するか否かの判定が行われる。ここで、高確率状態を終了する旨の決定がなされたにもかかわらず高確率状態であることを示すデータが変更されない場合には、そのデータの変更が行われるまでに開始される特図ゲームや飾り図柄の可変表示にて大当りとなる割合が、高確率状態の継続する場合と同様に通常遊技状態に比べて高いものとなってしまう。これに対して、本発明のパチンコ遊技機1では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を開始するときに高確率状態を終了する旨の決定がなされたときには、その特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始される時点で確変中フラグをクリアするように状態データを変更することで、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bあるいは第1及び第2画像表示装置5A、5Bといった複数の表示装置にて表示図柄の可変表示が行われるときに、遊技の公平性を保つことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。例えば上記実施の形態では、演出制御用CPU130が合成画像演出処理による合成画像69の生成の開始タイミング(合成開始タイミング)は、リーチが成立した後に所定時間が経過したときとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態において所定の演出表示を開始した後に所定時間が経過したときや、飾り図柄の可変表示中において所定の予告演出となる演出表示を開始した後に所定時間が経過したときなどのように、予め定められた一定の条件が成立したときに行われるものであってもよい。さらに、合成画像69が表示される可変表示領域は、「中」の可変表示領域DCに限定されず、「左」の可変表示領域DLや「右」の可変表示領域DRであってもよい。この場合、飾り図柄の可変表示の一部或いは全てを合成画像69によって行うようにしてもよい。
また、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれか一方による特図ゲームにて確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことや、第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれか一方による飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことにより、大当り遊技状態に制御されるときに、他方の特別図柄表示装置や画像表示装置による特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中であるときには、実行中である特別図柄や飾り図柄の可変表示の進行を停止して図45に示す煽り合成処理を実行し、大当り遊技状態が終了するまで、大当り遊技状態開始時に可変表示中であった可変表示領域に合成画像69を表示するようにしてもよい。このようにすれば、大当り遊技状態開始時に可変表示中であった可変表示領域には、2つの飾り図柄の画像のフェードイン/フェードアウト及び拡大/縮小が交互に繰り返して行われる合成画像69が表示されるため、大当り遊技期間中の演出内容を向上させることができる。
さらに、上記実施の形態では、演出制御基板12には、演出制御用CPU130と、ROM131、RAM132、及びVDP140と映像ROM141とVRAM142とを含む表示制御部133などが搭載されているものとして説明したが、その物理的構成は任意であり、例えばこれらの構成物が内蔵された1チップマイクロプロセッサが搭載されているものとしてもよい。また、VDP140が単体でも十分な機能を発揮得る場合などには、演出制御用CPU130が実行していた表示制御処理の一部又は全部を、VDP140に行わせるようにしてもよい。逆に、VDP140を配置せず、演出制御用CPU130とROM131とRAM132とが、VDP140が行っていた全ての処理を実行するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、確変カウンタと時短カウンタとが別個に設けられているものとして説明したが、共通の可変表示回数カウンタを用いるようにしてもよい。この場合、図36に示すステップS395の処理では共通の可変表示回数カウンタに確変中可変表示回数初期値をセットする一方、ステップS398の処理では共通の可変表示回数カウンタに通常大当り後時短用可変表示回数初期値をセットする。また、図31に示すステップS305の処理では共通の可変表示回数カウンタに確変転落時用初期値を設定する。また、図35に示す特別遊技状態終了判定処理では、共通の可変表示回数カウンタにおけるカウント値を例えば1減算するなどして更新した後、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、確変中フラグがオンであれば、可変表示回数カウンタのカウント値が確変終了基準値となったか否かを判定する。そして、確変終了基準値となっていれば、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短中フラグをオン状態にセットし、共通の可変表示回数カウンタに確変大当り後時短用初期値をセットする。他方、確変中フラグがオフであるときには、可変表示回数カウンタのカウント値が時短終了基準値となったか否かを判定し、時短終了基準値となっていれば、時短フラグをクリアすればよい。
上記実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が通常大当りとなったときには大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時間短縮状態となる一方で、確変大当りとなったときには大当り遊技状態の終了後における遊技状態が高確率状態となるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が通常大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態となり、時間短縮状態にも高確率状態にもならないようにしてもよい。この場合、例えば図36に示すステップS392の処理で第1確変確定フラグがオフである旨の判定がなされたときには、確変中フラグがオンとなっているか否かの判定と、時短中フラグがオンとなっているか否かの判定を行う。そして、確変中フラグがオンとなっているときには、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」にするなどの初期化を行う。また、時短中フラグがオンとなっているときには、時短中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、時短カウンタをクリアして、例えばカウント値を「0」に設定するなどの初期化を行うようにすればよい。
また、上記実施の形態では、例えば図31に示すような確変転落抽選処理を実行することや、図35に示すような特別遊技状態終了判定処理を実行することなどにより、高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに時短中フラグをオン状態にセットして、遊技状態を高確率状態から時間短縮状態へと移行させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには、確変中フラグをクリアしてオフ状態にして、時短中フラグもオフ状態のままとすることで、遊技状態を高確率状態から通常遊技状態へと移行させるようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、遊技状態が通常遊技状態や高確率状態であるときに飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとする旨の判定がなされたときには、図34に示すステップS362の処理にて設定した通常時・確変中パターン決定テーブル115を用いて可変表示パターンを決定する一方、時間短縮状態であるときに飾り図柄の可変表示結果を通常ハズレとする旨の判定がなされたときには、図34に示すステップS361の処理にて設定した時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンを決定するものとして説明した。これに対して、遊技状態が高確率状態であるときにも、時短中パターン決定テーブル116を用いて可変表示パターンを決定することにより、通常遊技状態時に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短くなるようにしてもよい。
第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bや第1及び第2画像表示装置5A、5Bの配置は、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bや第1及び第2画像表示装置5A、5Bは、独立した表示装置として構成される必要はなく、例えば1つの表示装置が有する2つの表示領域において、上述の第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bや第1及び第2画像表示装置5A、5Bと実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
さらに、2つの表示装置のそれぞれが、上述した第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれか、あるいは第1及び第2画像表示装置5A、5Bのいずれかとして、入れ替わり可能に動作するものであってもよい。例えば、パチンコ遊技機1が電力の供給を受けて動作している期間を第1の期間と第2の期間とに分割し、第1の期間では、2つの表示装置の一方が第1特別図柄表示装置4Aとして動作するとともに他方が第2特別図柄表示装置4Bとして動作する。これに対して、第2の期間では、2つの表示装置の一方が第2特別図柄表示装置4Bとして動作するとともに他方が第1特別図柄表示装置4Aとして動作する。
あるいは、2つの表示装置のうちで先に特図ゲームを開始する条件が成立して特別図柄の可変表示が開始されたものが、上述した第1特別図柄表示装置4Aとして動作してもよい。そして、その特図ゲームの実行中に特別図柄が停止表示されている他方の表示装置による特図ゲームを開始する条件が成立したときに、当該他方の表示装置を、上述した第2特別図柄表示装置4Bとして動作させるものであってもよい。
また、第1及び第2画像表示装置5A、5Bが第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bとしての機能の全部又は一部を備え、例えば、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を行うとともに、特別図柄の可変表示を行うようにしてもよい。あるいは、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bが第1及び第2画像表示装置5A、5Bとしての機能の全部又は一部を備え、例えば、特別図柄の可変表示を行うとともに、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示などを行うようにしてもよい。さらに、第1特別図柄表示装置4A及び第1画像表示装置5Aの双方における識別情報の可変表示結果が特定表示結果としての大当りとなったとき、または、第2特別図柄表示装置4B及び第2画像表示装置5Bの双方における識別情報の可変表示結果が特定表示結果としての大当りとなったときに、パチンコ遊技機1が特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御されてもよい。すなわち、第1特別図柄表示装置4A及び第1画像表示装置5Aの双方により第1可変表示手段としての識別情報の可変表示などを行う一方、第2特別図柄表示装置4B及び第2画像表示装置5Bの双方により第2可変表示手段としての識別情報の可変表示などを行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1及び第2始動入賞口として普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bが設けられるものとして説明した。すなわち、始動入賞口が、2つの特別図柄表示装置に対応して1つずつ設けられ、第1始動条件と第2始動条件が互いに異なるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの双方に対応する始動入賞口が1つ設けられ、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームを実行するための始動条件は同一のものであってもよい。
この場合、1つの始動入賞口に入賞した遊技球が始動入賞口スイッチによって検出されたときには、例えば乱数回路104などによって更新される大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出し、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件と第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件のいずれか一方を成立させる。そして、第1始動条件を成立させるときには大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを第1特図保留記憶部121Aに記憶する一方、第2始動条件を成立させるときには大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを第2特図保留記憶部121Bに記憶すればよい。このときには、例えば大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出するごとに、第1及び第2始動条件を交互に成立させるようにしてもよい。また、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出するときに、振分け判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、その振分け判定用の乱数値に応じて、第1及び第2始動条件のいずれかを成立させるようにしてもよい。
さらに、乱数回路104などから抽出された大当り判定用の乱数値MR1に基づいて、第1及び第2始動条件のいずれを成立させるのかを決定するようにしてもよい。例えば、大当り判定用の乱数値MR1が「0」〜「599」の範囲の値をとるものとする。この場合に、始動入賞口への遊技球の入賞に応じて抽出した大当り判定用の乱数値MR1が「0」〜「299」の範囲内であるときには、第1始動条件を成立させる。他方、抽出した大当り判定用の乱数値MR1が「300」〜「599」の範囲内であるときには、第2始動条件を成立させる。この場合には、例えば大当り判定用の乱数値MR1が「3」であるときに、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定を行い、大当り判定用の乱数値MR1が「303」であるときに、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定を行うようにしてもよい。あるいは、1つの始動入賞口における内部構造を、遊技球の検出時に第1始動条件を成立させる第1検出スイッチの設置位置へと遊技球を誘導する第1経路と、遊技球の検出時に第2始動条件を成立させる第2検出スイッチの設置位置へと遊技球を誘導する第2経路とに分離し、始動入賞口に入賞した遊技球を第1及び第2経路のいずれかに振り分けて第1及び第2検出スイッチのいずれかに検出させるように誘導するようにしてもよい。
その他にも、1つの始動入賞口に入賞した遊技球が始動入賞口スイッチによって検出されたときに抽出した大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを所定の特図保留記憶部に記憶して、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための開始条件が成立するごとに、特図保留記憶部の先頭エントリ(保留番号「1」のエントリ)から大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出して、大当り・確変判定処理といった特図ゲームを開始するための各種処理を実行するようにしてもよい。すなわち、先に入賞した遊技球が始動入賞口スイッチによって検出されたことにより抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データから順に読み出して、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームのうちで、先に開始条件が成立した特図ゲームに用いるようにしてもよい。
また、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bが設けられている場合において、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bのいずれかに遊技球が入賞したときには、例えば乱数回路104などによって1種類の大当り判定用の乱数値を示すデータとして更新されている数値データ(例えば1つのカウント値記憶回路に記憶されている数値データ)を抽出し、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bのいずれに遊技球が入賞したかに対応して、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bのいずれかに記憶するものであってもよい。
上記実施の形態では、普通入賞球装置6Aに入賞した遊技球が第1始動入賞口スイッチによって検出されたときに第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する一方、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球が第2始動入賞口スイッチによって検出されたときに第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば普通入賞球装置6Aに入賞した遊技球が第1始動入賞口スイッチによって検出されたときには第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球が第2始動入賞口スイッチによって検出されたときには第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件を成立させるようにしてもよい。
あるいは、所定の条件が成立したときに、第1及び第2始動入賞口スイッチそれぞれにより遊技球を検出したことに応じて第1及び第2始動条件のいずれを成立させるかの対応関係を、変更できるようにしてもよい。具体的な一例として、パチンコ遊技機1の電源投入直後などの初期設定状態では、普通入賞球装置6Aに入賞した遊技球が第1始動入賞口スイッチによって検出されたときに第1始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球が第2始動入賞口スイッチによって検出されたときに第2始動条件を成立させる。この後、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、所定の条件が成立したとして、普通入賞球装置6Aに入賞した遊技球が第1始動入賞口スイッチによって検出されたときには第2始動条件を成立させる一方、普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球が第2始動入賞口スイッチによって検出されたときには第1始動条件を成立させるように、設定を変更してもよい。さらに、大当り遊技状態が終了するごとに、第1及び第2始動入賞口スイッチそれぞれにより遊技球を検出したことに応じて第1及び第2始動条件のいずれを成立させるかの対応関係を、変更するように制御してもよい。
上記実施の形態では、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して別個の第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bを設けるものとして説明した。これに対して、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bに共通する特図保留記憶部に、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データや始動入賞データなどを保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。ここで、始動入賞データは、遊技球が第1始動入賞口となる普通入賞球装置6Aと第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置6Bのいずれに入賞したかを特定可能に示すデータであればよい。
また、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの双方に共通する特図保留記憶部に大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを記憶する場合には、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを開始するための開始条件が成立するごとに、特図保留記憶部の先頭エントリ(保留番号「1」のエントリ)から大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出して、大当り・確変判定処理といった特図ゲームを開始するための各種処理を実行するようにしてもよい。すなわち、遊技球が第1始動入賞口となる普通入賞球装置6Aに入賞したか、第2始動入賞口となる普通可変入賞球装置6Bに入賞したかにかかわらず、先に入賞した遊技球が始動入賞口スイッチ(第1始動入賞口スイッチまたは第2始動入賞口スイッチ)によって検出されたことにより抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データから順に読み出して、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームのうちで、先に開始条件が成立した特図ゲームに用いるようにしてもよい。
さらに、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームは、同時には実行しないようにして、第1及び第2始動条件のいずれかが成立した順番で、いずれか一方による特図ゲームだけを実行するようにしてもよい。例えば、図29に示すような特別図柄通常処理では、大当り遊技状態となっているか否かの判定とともに、他方の特別図柄表示装置による特図ゲームが実行されているか否かを判定し、実行されている旨の判定がなされたときには、そのまま特別図柄通常処理を終了するようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。