JP2005206809A - ポリビニルアルコール系フイルム及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂、硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)、特にアルキル硫酸エステル塩及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び、含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)、特に高級脂肪酸アルカノールアミド及び/又は高級脂肪酸アミドを含有してなるポリビニルアルコール系フイルム及びそれを用いた偏光フイルム。
Description
このようにして得られたポリビニルアルコール系フイルムは、形状安定性に優れたフイルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに光学用フイルム、特に偏光フイルムが挙げられる。
かかる偏光フイルムは、上記ポリビニルアルコール系フイルムを一軸延伸し、染色したフイルムであり、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられている。近年では、高品位で高信頼性の要求される機器、特に大画面の液晶ディスプレイ等への用途展開が行われ、それに伴う要求物性である大型化、面内均一性、広視野角等の高品位化への改善が強く求められている。
かかる対応策として、多くの提案がなされており、例えばポリビニルアルコール系フイルムの厚さ均一性を得る方法として、製膜用の原液を表面粗さが3S以下である金属表面上に流延して製膜する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特に光学的スジの発生は、より高品位、高光学特性の偏光フイルムを製造するためには、致命的な欠点となる恐れがある。
まず、本発明のポリビニルアルコール系フイルムの主成分であるポリビニルアルコール系樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有させた変性ポリビニルアルコール系樹脂であっても良い。
一般式 ROSO3 −
で示されるアルキル硫酸エステル塩、
一般式 R−O(C2H4O)nSO3 −
で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
一般式 R−X−O(C2H4O)nSO3 −
で示されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
一般式 RCONH−(C2H4O)nSO3 −
で示される高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩等が挙げられる。
ここでRはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。Xはフェニレン基、nは1〜20、好ましくは1〜10の整数を示す。
アルキル硫酸エステル塩の具体例としては、例えば、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の有機アミン塩が挙げられ、好適にはドデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等が使用される。
その他、硫酸化油、高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート等の硫酸エステル塩も使用し得る。
一般式 R−O(C2H4O)nH
で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、
一般式 R−X−O(C2H4O)nH
で示されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。
ここでRはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。Xはフェニレン基、nは1〜20、好ましくは2〜10の整数を示す。
又、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル型ノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤を併用しても差し支えない。
一般式 RCONH−R′−OH 又は RCON−(R′−OH)2
で示される高級脂肪酸モノ又はジアルカノールアミド、
一般式 RCONH2
で示される高級脂肪酸アミドがそれぞれ例示される。
ここで、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。R′は−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−のいずれかである。
また、
一般式 RNH(C2H4O)xH あるいはH(C2H4O)yN(R)(C2H4O)xH
で示されるポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド、アミンオキシドも挙げられる。
上記一般式において、Rはアルキル基であり、上記したアルキル基と同様のものが用いられ得る。x及びyは1〜30、好ましくは3〜15の整数を示す。
ポリオキシエチレン高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリル酸アミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等が挙げられ、中でもポリオキシエチレンラウリル酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドが有利に使用される。
アミンオキシドの具体例としては、例えば、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等が挙げられ、中でもジメチルラウリルアミンオキシドが有利に使用される。
更にエーテル型ノニオン系界面活性剤(b)の含有量が50ppm未満では光学的スジの発生の恐れがあり、1000ppmを越えると透過率の著しい低下を招きやすく好ましくない。
又含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)の含有量が50ppm未満では光学的スジの発生やロングラン性が悪くなる恐れがあり、かつ長尺巻きを行う際には巻きジワの原因となる恐れがあり好ましくない。一方で、5000ppmを越えるとブロッキングの恐れがあり好ましくない。
ポリビニルアルコール系樹脂溶液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は5〜50重量%が実用的である。
かかるドラム型ロールの材質としては、特に限定されないが、通常ステンレスが好適に用いられ、かかるロール表面は傷つき防止のため金属メッキが施されていることが好ましい。金属メッキの種類としては、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキ等が好適に用いられ、単独で又は2種以上の多層の組み合わせで使用することができ、特に表面平滑化の容易さやその耐久性の点から最表面がクロムメッキであることが好ましい。ドラムの表面は平滑性を保持することが望ましく、表面粗さが3S以下、特に0.5S以下が望ましい。
必要に応じて、乾燥後、熱処理や調湿が行われ、芯管にロール状態に巻き取られて本発明のポリビニルアルコール系フイルムが得られる。
以下、偏光フイルムの製造方法について説明する。
通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜20g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜70g/l、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比は10〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜60℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させて使用しても差し支えない。
接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は40〜70℃程度、処理時間は2〜20分程度が好ましく、又必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
かかる保護フイルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフイルム又はシートが挙げられる。
尚、例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
GPC−LALLS法により以下の条件で測定した。
装置:Waters製244型ゲル浸透クロマトグラフ
カラム:東ソー製TSK−gel−GMPWXL(内径8mm、長さ30cm、2本)
溶媒:0.1M−トリス緩衝液(pH7.9)
流速:0.5ml/min
温度:23℃
試料濃度:0.040%
ろ過:東ソー製0.45μmマイショリディスクW−25−5
注入量:0.2ml
検出感度(示差屈折率検出器):4倍
装置:Chromatrix製KMX−6型低角度レーザー光散乱光度計
温度:23℃
波長:633nm
第2ビリアル係数×濃度:0mol/g
屈折率濃度変化(dn/dc):0.159ml/g
フィルター:MILLIPORE製0.45μmフィルターHAWP01300
ゲイン:800mV
GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量130000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、以下の成分組成からなる樹脂濃度33%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製した。
・水 191部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.02部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.04部
(ポリオキシエチレンの縮合度4を中心とした1〜10)
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.07部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・グリセリン 12.0部
該水溶液をT型スリットダイより90℃に加熱されたドラム型ロール(ステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し、表面粗さ0.5Sに鏡面仕上げしたもの)に流延製膜し、含水率10%まで乾燥し、続いて120℃で熱処理を行い、最後に調湿を行って、含水率4%、平均厚み75μm、フイルム幅2mのポリビニルアルコール系フイルムを6000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて以下の測定を行った。
結果を表1に示す。
得られたポリビニルアルコール系フイルムを全幅×500mmに切り出し、暗室下で白色スクリーンと投影機の間にポリビニルアルコール系フイルムを配置して、スクリーンに写るスジ状の陰影の数をカウントし、光学的スジを評価した。
ポリビニルアルコール系フイルムをクロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後、表面照度が14000ルックスのライトボックスを用いて、透過モードで光学的色ムラを観察し、以下の基準で評価した。
A・・・何も見えず均一である
B・・・不連続な濃淡が確認できる
C・・・スジ状の濃淡のみが確認できる
D・・・スジ状の濃淡及び不連続な濃淡が確認できる
ポリビニルアルコール系フイルムを100枚重ね合わせ、0.05kg/cm2の荷重をかけ65%RH、25℃の雰囲気下に1週間放置し、フイルムのブロッキングの状態を観察し、以下の基準で評価した。
100枚重ねたフイルムの最表面から1/4、2/4、3/4の箇所を2枚重なった状態で抜き出し、幅25mm、長さ180mmの試験片を切り出し、密着したフイルムをT形はく離し、密着力を測定した。測定はオートグラフ((株)島津製作所製「AGS−H」)を用い、試験速度は200mm/分で、各3点測定し、その平均値を計算する。
○・・・色ムラなし
×・・・色ムラあり
GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量170000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、以下の成分組成からなる樹脂濃度30%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製した以外は実施例1と同様に行い、平均厚み70μm、フイルム幅2mのポリビニルアルコール系フイルムを7000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。結果を表1に示す。
・水 221部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.005部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(a) 0.050部
(ポリオキシエチレンの縮合度1を中心とした1〜10)
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.040部
(ポリオキシエチレンの縮合度4を中心とした1〜10)
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.100部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・グリセリン 12部
実施例2のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の組成を以下に変更した以外は実施例1と同様に行い、平均厚み60μm、フイルム幅3mのポリビニルアルコール系フイルムを10000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。結果を表1に示す。
・水 221部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.005部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(a) 0.050部
(ポリオキシエチレンの縮合度1を中心とした1〜10)
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.040部
(ポリオキシエチレンの縮合度4を中心とした1〜10)
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.100部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・ステアリン酸アミド(c) 0.001部
・グリセリン 12部
GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量240000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、以下の成分組成からなる樹脂濃度25%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製した。
・水 288部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.005部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(a) 0.050部
(ポリオキシエチレンの縮合度1を中心とした1〜10)
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.040部
(ポリオキシエチレン縮合度4を中心とした1〜10)
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.100部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・ステアリン酸アミド(c) 0.001部
・4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6− 0.001部
t−ブチルフェノール)
・グリセリン 12部
該水溶液をT型スリットダイより90℃に加熱されたドラム型ロール(ステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し表面粗さ0.3Sに鏡面仕上げしたもの)に流延製膜し、含水率10%まで乾燥し、続いて120℃で熱処理を行い、最後に調湿を行って、含水率4%、平均厚み75μm、フイルム幅3mのポリビニルアルコール系フイルムを7000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。
以下、実施例1と同じ測定を行った。結果を表1に示す。
実施例4において、フイルムの平均膜厚を50μmとした以外は同様にして行い、フイルム幅3mのポリビニルアルコール系フイルムを12000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。
以下、実施例1と同じ測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の組成を以下に変更した以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フイルムを得た。なお、巻きジワなくフイルムロールに巻き取れたのは4000mであった。得られたポリビニルアルコール系フイルムを用い実施例1に準じて実験を行った。結果を表1に示す。
・水 191部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.05部
(ポリオキシエチレンの縮合度4を中心とした1〜10)
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.08部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・グリセリン 12.0部
実施例1のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の組成を以下に変更した以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フイルムを得た。なお、巻きジワなくフイルムロールに巻き取れたのは4000mであった。得られたポリビニルアルコールフイルムを用い実施例1に準じて実験を行った。結果を表1に示す。
・水 191部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.03部
・ラウリン酸ジエタノールアミド(c) 0.10部
(付加物との混合物(1:2モル型))
・グリセリン 12.0部
実施例1のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の組成を以下に変更した以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フイルムを得た。なお、巻きジワなくフイルムロールに巻き取れたのは4000mであった。得られたポリビニルアルコールフイルムを用い実施例1に準じて実験を行った。結果を表1に示す。
・水 191部
・ポリビニルアルコール系樹脂 100部
・ドデシル硫酸ナトリウム(a) 0.04部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル(b) 0.09部
(ポリオキシエチレンの縮合度4を中心とした1〜10)
・グリセリン 12.0部
実施例5において、フイルムの平均膜厚を20μmとした以外は同様にして行い、フイルム幅3mのポリビニルアルコール系フイルムを7000m巻きジワなく芯管に巻き取りフイルムロールを得た。得られたポリビニルアルコール系フイルムを用い実施例1と同様に偏光フイルムを作製しようとしたが、切断が多発し、偏光フイルムを得ることはできなかった。
更に、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたポリビニルアルコール系フイルムから得られた偏光フイルムにおいて、その片面にアクリル系粘着剤層(25μm厚)を設け、液晶表示素子(13.3インチ、TFTタイプ、XGA)の両面に吸収軸角度45度でクロスニコルに貼合し、左右方向について液晶ディスプレイの見やすさを観察し、視認性について評価したところ、実施例1、実施例4、比較例1〜3では左右方向にそれぞれ40度まで視認性が良好で42度で表示の反転が生じたのに対して、実施例2では左右方向にそれぞれ44度まで視認性が良好で46度で表示の反転が生じ、実施例3及び実施例5では左右方向にそれぞれ48度まで視認性が良好で50度で表示の反転が生じた。即ち、ポリビニルアルコール系フイルムの膜厚が30〜70μmのときに、より視認性に優れた偏光フイルムが得られた。
Claims (18)
- ポリビニルアルコール系樹脂、硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)、エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)及び含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)を含有してなることを特徴とするポリビニルアルコール系フイルム。
- 硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)が、アルキル硫酸エステル塩及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- アルキル硫酸エステル塩のアルキル基の炭素数が6〜22であることを特徴とする請求項2記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩のアルキル基の炭素数が6〜22で、ポリオキシエチレン単位の縮合度が1〜20であることを特徴とする請求項2記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が6〜22でポリオキシエチレン単位の縮合度が1〜20であることを特徴とする請求項5記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)が、高級脂肪酸アルカノールアミド及び/又は高級脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 高級脂肪酸アルカノールアミド及び/又は高級脂肪酸アミドのアルキル基の炭素数が6〜22であることを特徴とする請求項7記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 高級脂肪酸アルカノールアミドがアルキルジエタノールアミドであることを特徴とする請求項7又は8記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)、エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)及び含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂に対して、それぞれ5〜5000ppm、50〜1000ppm、50〜5000ppmであることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤(a)、エーテル型ノニオン系界面活性剤(b)及び含窒素型ノニオン系界面活性剤(c)の重量比率(a:b:c)が100:20〜500:100〜1000であることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 更に、酸化防止剤を含有させてなることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- フイルムの厚さが30〜70μmであることを特徴とする請求項1〜12いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量が120000〜300000であることを特徴とする請求項1〜13いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- フイルムの幅が2m以上であることを特徴とする請求項1〜14いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- フイルムの長さが4000m以上であることを特徴とする請求項1〜15いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 偏光フイルム用の原反フイルムとして使用することを特徴とする請求項1〜16いずれか記載のポリビニルアルコール系フイルム。
- 請求項17記載の偏光フイルム用ポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造したことを特徴とする偏光フイルム。
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