JP2017015415A - ポリビニルアルコールフィルムの光学斑の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価するための方法であって、水で膨潤させた後のポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価する方法、および、当該方法によってポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価する工程と、当該光学斑が評価されたポリビニルアルコールフィルムを用いて光学フィルムを製造する工程とを有する、光学フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
[1]PVAフィルムの光学斑を評価するための方法であって、水で膨潤させた後のPVAフィルムの光学斑を評価する方法;
[2]水で膨潤させた後のPVAフィルムの位相差斑および/または配向軸角度斑を評価することにより光学斑を評価する、上記[1]の方法;
[3]水で膨潤させた後のPVAフィルムが、PVAフィルムを水に浸漬した後に水から取り出したものである、上記[1]または[2]の方法;
[4]PVAフィルムを水に浸漬する際の水の温度が20〜50℃である、上記[3]の方法;
[5]PVAフィルムを水に浸漬する際の浸漬時間が10〜300秒である、上記[3]または[4]の方法;
[6]PVAフィルムが光学フィルム製造用原反フィルムである、上記[1]〜[5]のいずれか1つの方法;
[7]光学フィルムが偏光フィルムである、上記[6]の方法;
[8]上記[6]または[7]の方法によってPVAフィルムの光学斑を評価する工程と、当該光学斑が評価されたPVAフィルムを用いて光学フィルムを製造する工程とを有する、光学フィルムの製造方法;
に関する。
PVAフィルムの光学斑を評価するための本発明の方法では、水で膨潤させた後のPVAフィルムの光学斑を評価する。当該水は純水に限定されず、各種成分が溶解した水溶液であってもよいが、PVAフィルムに内在している光学斑をより効果的に評価することができることから、蒸留水、純水、脱塩水等の純度の高い水であることが好ましい。
PVAフィルムを水に浸漬している間においてPVAフィルムの長さ方向に荷重をかけるなどして延伸してもよいが、PVAフィルムに内在している光学斑をより効果的に評価することができ操作も簡単であることから、水に浸漬している間において延伸しないことが好ましい。
これらの界面活性剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
・PVAフィルムの光学斑の評価
本発明の方法による効果を実証するため、偏光板にした際の色斑の程度が分かっているPVAフィルムを用いて次の試験を行った。すなわち、偏光板を製造した際に色斑の程度の大きいPVAフィルム(原反1)および色斑の程度の小さいPVAフィルム(原反2)のそれぞれについて、長さ方向(MD)の任意の位置から、長さ方向(MD)に15cm×幅方向(TD)に20cmのサンプルを、PVAフィルムの幅方向に沿って3枚採取した。そして、各サンプルのフィルム面内における位相差および配向軸角度を、フォトニックラティス社製「WPA−100−L(二次元位相差測定装置)」を用いてフィルム面に対して垂直な方向に進行する波長543nmの光に基づき測定した。次に、解析ソフト「WPA−View」を用いて位相差および配向軸角度の面内分布をカラーで表示させることにより、各サンプルのフィルム面内における位相差および配向軸角度の分布を求めた。なお、位相差のカラー表示範囲を「0〜フィルム面内の位相差の最大値(nm)」、配向軸角度のカラー表示周期を「30°」とした。原反1および2のそれぞれについて、以下の判定基準に基づき、官能評価によってPVAフィルムの光学斑の評価を行った。結果を表1に示した。
○:全てのサンプルにおいて顕著なスジ状の位相差斑ないし配向軸角度斑が視認されない。
×:1つ以上のサンプルにおいて顕著なスジ状の位相差斑ないし配向軸角度斑が視認された。
なお原反1および原反2としては、いずれも、ポリ酢酸ビニルの単独重合体をけん化して得られた重合度が2,400でけん化度が99.9モル%のPVAを含むPVAフィルムであって、グリセリンの含有率が12質量%であり、厚みが60μmであり、幅が65cmであり、長さが1,000mである、長尺で単層のPVAフィルムを用いた。
・PVAフィルムの光学斑の評価
比較例1で採取したサンプル全てについて、サンプル同士が密着しないようにしながら、30℃の蒸留水に延伸せずに30秒間浸漬して膨潤させた。その後、サンプルを水から引き上げ、表面に付着した水を拭き取ることなく、フォトニックラティス社製「WPA−100−L」のサンプルステージ上に広げて、各サンプルにおけるフィルム面内における位相差および配向軸角度の分布を比較例1と同様にして求め、原反1および2のそれぞれについて、比較例1と同様の判定基準に基づき、PVAフィルムの光学斑の評価を行った。結果を表1に示した。
上記でサンプルを採取したPVAフィルム(原反1および2)のそれぞれについて、膨潤処理、染色処理、架橋処理、延伸処理、固定処理および乾燥処理を施して偏光フィルムとした上で偏光板を製造した。
すなわち、膨潤処理として、PVAフィルムを蒸留水(温度:30℃)中に1分間浸漬し、その間に延伸倍率2倍で長さ方向に一軸延伸した。また染色処理として、ヨウ素系色素を含有する水溶液(ヨウ素の濃度:0.02質量%、ヨウ化カリウムの濃度:0.4質量%、温度:30℃)中に1分間浸漬し、その間に延伸倍率1.2倍で長さ方向に一軸延伸した。更に架橋処理として、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:2.6質量%、温度:30℃)中に2分間浸漬し、その間に延伸倍率1.1倍で長さ方向に一軸延伸した。続いて、延伸処理として、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:2.8質量%、ヨウ化カリウム濃度:5質量%、温度:57℃)中で延伸倍率2.4倍で長さ方向に一軸延伸した(全延伸倍率は6.3倍)。更に固定処理として、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:1.5質量%、ヨウ化カリウム濃度:5質量%、温度:22℃)中に10秒間浸漬した。そして乾燥処理として、延伸されたPVAフィルムを60℃で1分間乾燥して、単体透過率が44.5%と高い偏光フィルムを得た。
次に、上記で得られた偏光フィルムの両面にPVA水溶液を接着剤としてTACフィルム(厚さ80μm)を貼り合わせ、70℃で3分間乾燥させ、偏光板を得た。
上記のようにして各PVAフィルム(原反1および2)から得られた偏光板のそれぞれについて、その色斑を評価した。
すなわち、暗室内で観察用偏光板(透過率が43%程度の偏光フィルムを用いたもの)を面光源(バックライト)上に載置し、その上にこの観察用偏光板に対してクロスニコルとなるように上記の偏光板を載置した。次に、バックライトから観察用偏光板を介して偏光板に光を照射(光度15,000cd)し、偏光板真上より1mの位置から偏光板を目視によって観察し、以下の判定基準に基づく官能評価によって偏光板の色斑の評価を行った。結果を表1に示した。
○:近年問題となるような色斑が視認されない。
×:近年問題となるような色斑が視認された。
Claims (8)
- ポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価するための方法であって、水で膨潤させた後のポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価する方法。
- 水で膨潤させた後のポリビニルアルコールフィルムの位相差斑および/または配向軸角度斑を評価することにより光学斑を評価する、請求項1に記載の方法。
- 水で膨潤させた後のポリビニルアルコールフィルムが、ポリビニルアルコールフィルムを水に浸漬した後に水から取り出したものである、請求項1または2に記載の方法。
- ポリビニルアルコールフィルムを水に浸漬する際の水の温度が20〜50℃である、請求項3に記載の方法。
- ポリビニルアルコールフィルムを水に浸漬する際の浸漬時間が10〜300秒である、請求項3または4に記載の方法。
- ポリビニルアルコールフィルムが光学フィルム製造用原反フィルムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 光学フィルムが偏光フィルムである、請求項6に記載の方法。
- 請求項6または7に記載の方法によってポリビニルアルコールフィルムの光学斑を評価する工程と、当該光学斑が評価されたポリビニルアルコールフィルムを用いて光学フィルムを製造する工程とを有する、光学フィルムの製造方法。
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JP2020071025A (ja) * | 2018-10-29 | 2020-05-07 | コニカミノルタ株式会社 | 光学特性評価方法及び光学特性評価システム |
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