JP2005201795A - Dna分析デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 DNAの構造解明を短時間に行うことのできるDNA分析デバイスを提供すること。
【解決手段】 DNA分析デバイス1は、固体撮像デバイス3を具備する。固体撮像デバイス3は透明基板17を具備し、その透明基板17上に画素としてのダブルゲートトランジスタ20,20,…がマトリクス状に配列さている。この固体撮像デバイス3の受光面のうち分析領域50内には、既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなるスポット60,60,…がマトリクス状に点在してる。固体撮像デバイス3の受光面のうち情報担持領域51内には、光透過性変調部65,65,…が点在している。光透過性変調部65が各ダブルゲートトランジスタ20ごとに被覆しているか否かによって、所定情報がビット化した状態で情報担持領域51内に担持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DNAの構造を特定するために用いられるDNA分析デバイスに関する。
近年、医療分野、農業分野等の幅広い分野で生物の遺伝子情報が利用されるようになってきているが、遺伝子の利用に際しては、DNAの構造解明が不可欠である。DNAは螺旋状によじれあった2本のポリヌクレオチド鎖を有し、それぞれのポリヌクレオチド鎖は4種の塩基(アデニン:A、グアニン:G、シトシン:C、チミン:T)が一次元的に並んだ塩基配列を有し、アデニンとチミン、グアニンとシトシンという相補性に基づいて一方のポリヌクレオチド鎖の塩基が他方のポリヌクレオチド鎖の塩基に結合している。
DNAの構造解明とは、塩基配列を特定することであり、DNAの塩基配列を特定するためにDNAマイクロアレイ及びその読取装置が開発されている。DNAマイクロアレイ及びその読取装置を用いて次のようにしてサンプルDNAの塩基配列を特定する。
まず、既知の塩基配列を有した複数種類のプローブDNA断片をスライドガラス等の固体担体に整列固定させたDNAマイクロアレイを準備する。次に、サンプルDNAを一本鎖のDNA断片に変性して、変性したサンプルDNA断片に蛍光物質等を結合させる。
次に、サンプルDNA断片を一本鎖DNAマイクロアレイ上に添加すると、サンプルDNA断片は、ハイブリダイゼーションによってDNAマイクロアレイ上に固定される。つまり、サンプルDNA断片の塩基は、複数種類のプローブDNA断片のうち相補性を有するDNA断片の塩基と水素結合して、二本鎖が生じる。一方、サンプルDNA断片は、相補性を有しないプローブDNA断片とは結合しない。サンプルDNA断片に蛍光物質でマーキングを施しているため、サンプルDNA断片と結合したプローブDNA断片が蛍光を発することになる。例えば、TCGGGAAと塩基配列を有するサンプルDNA断片は、AGCCCTTという塩基配列を有するプローブDNA断片のみと結合し、そのプローブDNA断片が蛍光を発する。
次いで、DNAマイクロアレイを読取装置にセッティングして、読取装置にて分析する。読取装置は、DNAマイクロアレイ上の蛍光強度分布を計測するものである。読取装置によってDNAマイクロアレイ上の蛍光強度分布が二次元の画像として出力される。出力された画像内で蛍光強度が大きい部分には、サンプルDNA断片の塩基配列と相補的な塩基配列を有したプローブDNA断片が含まれていることを表している。従って、二次元画像中のどの部分の蛍光強度が大きいかによってサンプルDNA断片の塩基配列を確定することができる。
以上のようなDNAマイクロアレイを識別するために、DNAマイクロアレイにバーコードを付すことがあり、DNAマイクロアレイといった反応器にバーコードを付す技術は例えば特許文献1に記載されている。
特開平9−224644号公報
しかしながら、DNAマイクロアレイにバーコードを付した場合、バーコードリーダによってバーコードを読み取ることによりDNAマイクロアレイの識別を行い、その後読取装置にて分析するので、バーコードの読取工程と、分析工程とを別々に行う必要があり、DNAの構造解明には多くの時間を要してしまった。またDNAマイクロアレイの識別のために、バーコード読み取り手段を別途用いなければならなかったため、分析手段とバーコード読み取り手段は別体であるためにコストが高くなってしまうといったデメリットがあった。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、DNAの構造解明を短時間に行うことのできるDNA分析デバイスを提供することを目的とする。
また本発明は、DNAの分析手段と識別手段とが同一構造であるDNA分析デバイスを提供することを目的とする。
一の課題を解決するために、請求項1に記載のDNA分析デバイスは、
固体撮像デバイスと、
既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、前記固体撮像デバイスの受光面のうちの分析領域内に点在した複数種のスポットと、
前記固体撮像デバイスの受光面のうちの情報担持領域内に所定情報に応じて所定の位置に配置された複数の光透過性変調部と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記固体撮像デバイスの受光面のうちの分析領域内に励起光透過性変調層が形成され、前記複数種のスポットが前記励起光透過性変調層上に点在している。
好ましくは、前記所定情報は、識別するための識別情報、製造時期情報、製造場所情報、DNAの抽出元の動植物の種類情報、その動植物の個体の特定情報、分析目的情報、分析有効期限情報の少なくともいずれかである。
以上のDNA分析デバイスを用いる際には、まず蛍光標識されたサンプルDNA断片を分析領域に塗布すると、サンプルDNA断片が相補性を有するプローブDNA断片からなるスポットに結合し、相補性を有しないプローブDNA断片からなるスポットには結合しない。その後、励起光等の光を固体撮像デバイスの受光面に向けて発すると、サンプルDNA断片と結合したスポットは蛍光標識により蛍光を発し、サンプルDNA断片と結合していないスポットは蛍光を発しない。そのため、固体撮像デバイスで撮像を行えば、分析領域の蛍光強度分布を測定することができ、蛍光強度分布からサンプルDNA断片の塩基配列を同定することができる。一方、励起光等の光を固体撮像デバイスの受光面の上から受光面に向けて発すると、情報担持領域内の複数の画素のうち光透過性変調部によって被覆された画素は励起光を検知しないが、光透過性変調部によって被覆されていない画素は励起光を検知する。従って、固体撮像デバイスで撮像を行えば、情報担持領域に担持された所定情報を読み取ることができる。このように、固体撮像デバイスで撮像を行うだけで、サンプルDNA断片の分析工程と所定情報の読取工程とを同時に行うことができる。
また本発明の他のDNA分析デバイスは、
遮光性を有するボトムゲート電極、光に感度を示す半導体膜、光を透過するトップゲート電極の順に透明基板の表面上に積層してなる複数の光電変換素子が前記透明基板の表面上に互いに離間して配列され、光を透過する保護層によって前記複数の光電変換素子をまとめて被覆してなる固体撮像デバイスと、
既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、前記保護層の表面のうち一部の領域内に点在した複数種のスポットと、
前記保護層の表面のうち別の領域内に点在した複数の光反射部と、を備え、
前記光反射部が前記固体撮像デバイスの各光電変換素子ごとに被覆しているか否かによって所定情報がビット化した状態で前記別の領域内に担持されていることを特徴とする。
以上のDNA分析デバイスを用いる際には、まず蛍光標識されたサンプルDNA断片を一部の領域に塗布すると、サンプルDNA断片が相補性を有するプローブDNA断片からなるスポットに結合し、相補性を有しないプローブDNA断片からなるスポットには結合しない。そして、ボトムゲート電極、半導体膜、トップゲート電極の順に積層してなる複数の光電変換素子が透明基板の表面上に互いに離間して配列されているため、固体撮像デバイスの裏面から透明基板に向けて励起光等の光を発すると、光は光電変換素子の間を透過して、スポットに入射する。サンプルDNA断片と結合したスポットは蛍光標識により蛍光を発し、サンプルDNA断片と結合していないスポットは蛍光を発せず、スポットから発した蛍光は保護層及びトップゲート電極を透過して半導体膜に入射する。そのため、固体撮像デバイスで撮像を行えば、一部の領域の蛍光強度分布を測定することができ、蛍光強度分布からサンプルDNA断片の塩基配列を同定することができる。一方、別の領域内の複数の光電変換素子のうち光反射部によって被覆された光電変換素子は光反射部で反射した励起光を検知するが、光反射部によって被覆されていない光電変換素子は励起光を検知しない。従って、固体撮像デバイスで撮像を行えば、別の領域に担持された所定情報を読み取ることができる。このように、固体撮像デバイスで撮像を行うだけで、サンプルDNA断片の分析工程と所定情報の読取工程とを同時に行うことができる。
他の課題を解決するために、本発明のDNA分析デバイスは、
既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、分析領域内に点在した複数種のスポットと、
情報担持領域内に所定情報に応じて所定の位置に配置された複数の光透過性変調部と、
前記分析領域内に配置された第一固体撮像デバイスと、
前記情報担持領域内に配置され、前記第一固体撮像デバイスと同一構造の第二固体撮像デバイスと、
を備えることを特徴とする。
第一固体撮像デバイス及び第二固体撮像デバイスが同一構造なので同一プロセスで製造できる。
本発明によれば、サンプルDNA断片の分析工程と所定情報の読取工程とを同時に行うことができるので、DNAの構造解明を短時間に行うことのできる。
また本発明によれば、分析手段と識別手段を同一プロセスで製造できるのでコストを抑制することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明を適用した実施形態におけるDNA分析デバイス1の平面図であり、図2は、DNA分析デバイス1を駆動する周辺回路とともにDNA分析デバイス1を示した等価回路図である。
このDNA分析デバイス1は、分析領域50と情報担持領域51に略二分され、画素としての光電変換素子を受光面に沿ってマトリクス状に配列してなる固体撮像デバイス3と、固体撮像デバイス3の受光面のうち分析領域50内においてマトリクス状に点在したスポット60,60,…と、固体撮像デバイス3の受光面のうち情報担持領域51内において点在した光透過性変調部65,65,…と、を備える。ここで、情報担持領域51内においては、光透過性変調部65が各光電変換素子ごとに被覆しているか否かによって所定情報がビット化した状態で担持されている。
図1においては図面を理解しやすいように1つのスポット60だけに符号を付しているが、分析領域50内にある円形状がスポット60である。また、図1において、1つの光透過性変調部65だけに符号を付しているが、情報担持領域51内にある網掛けした四角形状が光透過性変調部65であり、網掛けしていない白抜きの四角形状が光透過性変調部65の形成されていない光電変換素子を表す。
図2〜図6を用いて固体撮像デバイス3について詳細に説明する。ここで、図3は、固体撮像デバイス3の光電変換素子の電極構造を示した平面図であり、図4は、分析領域50内の光電変換素子の断面図であり、図4は、情報担持領域51内において光透過性変調部65によって覆われた光電変換素子の断面図であり、図5は、情報担持領域51内において光透過性変調部65によって覆われていない光電変換素子の断面図である。
図2〜6に示すように、固体撮像デバイス3においては、光電変換素子としてダブルゲート型電界効果トランジスタ(以下、ダブルゲートトランジスタという。)20が利用されている。この固体撮像デバイス3は略平板状の透明基板17を備え、この透明基板17上に複数のダブルゲートトランジスタ20,20,…がマトリクス状に配列され、これらダブルゲートトランジスタ20,20,…は保護絶縁層31によってまとめて被覆されている。
透明基板17は、光を透過する性質(以下、光透過性という。)を有するとともに絶縁性を有し、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート、PMMA等といったプラスチック基板である。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…はそれぞれ、透明基板17上に形成されたボトムゲート電極21と、ボトムゲート電極21上に形成されたボトムゲート絶縁膜22と、ボトムゲート電極21に対向するとともにボトムゲート絶縁膜22をボトムゲート電極21と挟む真性な半導体膜23と、半導体膜23の中央部上に形成されたチャネル保護膜24と、半導体膜23の両端部上に互いに離間して形成された不純物半導体膜25,26と、不純物半導体膜25上に形成されたソース電極27と、不純物半導体膜26上に形成されたドレイン電極28と、ソース電極27及びドレイン電極28上に形成されたトップゲート絶縁膜29と、半導体膜23に対向するとともにトップゲート絶縁膜29及びチャネル保護膜24を半導体膜23と挟むトップゲート電極30と、を具備する。
ボトムゲート電極21は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに透明基板17上に形成されている。また、透明基板17上には横方向に延在する複数本のボトムゲートライン41,41,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのボトムゲート電極21は共通のボトムゲートライン41と一体となって形成されている。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ボトムゲート絶縁膜22は、全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成されており、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41,41,…をまとめて被覆している。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)からなる。
ボトムゲート絶縁膜22上には、半導体膜23がダブルゲートトランジスタ20ごとに形成されている。半導体膜23は、平面視して略矩形状を呈しており、受光した光量に応じた量の電子−正孔対を生成するアモルファスシリコン又はポリシリコンで形成された層である。半導体膜23上には、チャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23の界面を保護するものである。半導体膜23に光が入射すると、入射した光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24と半導体膜23との界面付近を中心に発生するようになっている。この場合、半導体膜23側にはキャリアとして正孔が発生し、チャネル保護膜24側には電子が発生する。
半導体膜23の一端部上には、不純物半導体膜25が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されており、半導体膜23の他端部上には、不純物半導体膜26が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されている。不純物半導体膜25,26は、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされている。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
不純物半導体膜25上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたソース電極27が形成されている。不純物半導体膜26上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたドレイン電極28が形成されている。また、縦方向に延在する複数本のソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…がボトムゲート絶縁膜22上に形成されている。縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのソース電極27は共通のソースライン42と一体に形成されており、縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのドレイン電極28は共通のドレインライン43と一体に形成されている。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42及びドレインライン43は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
トップゲート絶縁膜29は、全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成されており、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のチャネル保護膜24、ソース電極27及びドレイン電極28並びにソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…をまとめて被覆している。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
トップゲート絶縁膜29上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたトップゲート電極30が形成されている。また、トップゲート絶縁膜29上には横方向に延在する複数本のトップゲートライン44,44,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのトップゲート電極30は共通のトップゲートライン44と一体に形成されている。トップゲート電極30及びトップゲートライン44は、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
保護絶縁層31は、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のトップゲート電極30及びトップゲートライン44,44,…をまとめて被覆している。保護絶縁層31は、絶縁性及び光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
以上のように構成された固体撮像デバイス3は、保護絶縁層31の表面を受光面としており、それぞれのダブルゲートトランジスタ20は半導体膜23において受光した光量を電気信号に変換するように設けられている。
固体撮像デバイス3の受光面のうち分析領域50内では、励起光透過性変調層34が保護絶縁層31上に形成されている。励起光透過性変調層34は例えば紫外線のような後述する蛍光標識を励起する励起光を遮蔽または励起光の強度を著しく低減する性質を有し、可視光を透過する性質を有する。励起光透過性変調層34としては、TiO2が好適である。また励起光透過性変調層34は、情報担持領域51内では成膜されていない。
また、分析領域50内では、導電体層32が励起光透過性変調層34上に形成されている。導電体層32は、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも1つを含む混合物で形成されている。導電体層32は、情報担持領域51内では成膜されていない。
導電体層32上には、光透過性を有したオーバーコート層33が形成されている。このオーバーコート層33は、導電体層32を保護したり、スポット60,60,…を固体撮像デバイス3の受光面に固定したりするものである。オーバーコート層33は、情報担持領域51内では成膜されていない。
次に、スポット60について説明する。図1に示すように、複数種のスポット60,60,…が互いに離間して、マトリクス状となってオーバーコート層33上に配列されている。図4に示すように、1つのスポット60は一本鎖プローブDNA断片61が多数集まった群集であり、1つのスポット60に含まれる多数の一本鎖プローブDNA断片61は同じ塩基配列(ヌクレオチド配列)を有する。また、スポット60ごとに一本鎖プローブDNA断片61の塩基配列が異なる配列となっている。何れのスポット60も、塩基配列が既知のものである。
1つのスポット60につき1つのダブルゲートトランジスタ20が重なるように、スポット60,60,…が配列されている。
なお、1つのスポット60につき隣り合う幾つかのダブルゲートトランジスタ20,20,…が重なっても良いが、この場合には何れのスポット60でも重なったダブルゲートトランジスタ20の数が同じである。
スポット60,60,…を固体撮像デバイス3の受光面に固定する方法としては、予め調製したプローブDNA断片を、ポリ陽イオン(ポリ−L−リシン、ポリエチレンイミン等)で表面処理したオーバーコート層33に分注装置を用いて点着して、DNAの荷電を利用して固体撮像デバイス3の表面に静電結合させる方法が適用される。
その他の固定方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤を用いる方法も利用されている。この場合には、アミノ基、アルデヒド基等は、共有結合によりオーバーコート層33に導入されるため、ポリ陽イオンによる場合と比較して安定にオーバーコート層33に存在する。
その他の固定方法として、反応活性基を導入したオリゴヌクレオチドを合成し、表面処理したオーバーコート層33に該オリゴヌクレオチドを点着し、共有結合させる方法もある。
なお、スポット60,60,…を導電体層32に固定する際に、導電体層32に正電界を発生すると、プローブDNA断片61の負極性の末端基が誘引されてオーバーコート層33に静電結合することができるので、スポット60,60,…の固定が容易になる。
次に、光透過性変調部65について説明する。図1に示すように、光透過性変調部65,65,…は、スポット60,60,…等に関する所定の情報に応じて固体撮像デバイス3の受光面のうち情報担持領域51内の所定の位置に配置されている。情報担持領域51内にあるダブルゲートトランジスタ20,20,…の中には、図5に示すように光透過性変調部65によって被覆されたダブルゲートトランジスタ20と、図6に示すように光透過性変調部65によって被覆されていないダブルゲートトランジスタ20とがある。光透過性変調部65は、少なくとも励起光を遮蔽または強度を著しく低減する性質を有し、更に望ましくは可視光を遮蔽する性質も有すると良い。例えば、光透過性変調部65がクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる場合には、光透過性変調部65は励起光とともに可視光を遮蔽する性質を有する。光透過性変調部65がTiO2からなる場合には、光透過性変調部65は励起光透過性変調性を有するが可視光透過性を有する。そして光透過性変調部65は、後述する励起光照射機構73から照射される励起光を含む光電変換素子を励起するあらゆる波長域の光が光透過性変調部65の直下に位置する光電変換素子に入射されない程度の面積を有している。
光透過性変調部65,65,…を固体撮像デバイス3の受光面に固定するには、少なくとも励起光を遮蔽するのようなTiO2等を含む材料を固体撮像デバイス3の受光面に分注装置を用いて点着して形成すれば良い。この時、スポット60,60,…を点着するのと同じ分注装置で同時に行うと、スポット60,60,…及び光透過性変調部65,65,…の固定を短時間に行える。
以上のように、光透過性変調部65が各ダブルゲートトランジスタ20ごとに被覆しているか否かによって所定情報がビット化した状態で情報担持領域51内に担持されている。ここで、固体撮像デバイス3の受光面の上から受光面に向かって励起光を照射すると、光透過性変調部65,65,…によって光が遮蔽されるので、情報担持領域51内にあるダブルゲートトランジスタ20,20,…の中には、光を検知したダブルゲートトランジスタ20と光を検知しないダブルゲートトランジスタ20とが存在する。これにより、情報担持領域51内に担持された所定情報がビット化した状態で読み取られる。なお、情報担持領域51内に担持された所定情報としては、DNA分析デバイス1を他のデバイスと識別するための識別情報があるが、その他にも、DNA分析デバイス1の製造時期、製造場所、DNAの抽出元の動植物の種類、その動植物の個体の特定、分析目的、分析有効期限等の少なくともいずれかに関する情報が担持されても良い。
次に、以上のように構成されたDNA分析デバイス1を用いたDNA読取装置について、図2及び図7を用いて説明する。ここで、DNA分析デバイス1はDNA読取装置に対して着脱可能に設けられており、図7はDNA分析デバイス1をDNA読取装置に装着した場合の側面図を示す。
図2及び図7に示すように、このDNA読取装置は、表示装置71と、全体の制御を司る演算処理装置72と、固体撮像デバイス3の受光面上から受光面に向けて励起光を照射する励起光照射機構73と、固体撮像デバイス3を駆動して画像を取得するための駆動装置(トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76及び駆動回路77から構成される。)と、を備える。
また、DNA分析デバイス1がDNA読取装置に装着された場合、固体撮像デバイス3のトップゲートライン44,44,…がトップゲートドライバ74の端子にそれぞれ接続されるようになっている。同様に、固体撮像デバイス3のボトムゲートライン41,41,…がボトムゲートドライバ75の端子にそれぞれ接続されるようになっており、固体撮像デバイス3のドレインライン43,43,…がドレインドライバ76の端子にそれぞれ接続されるようになっている。また、DNA分析デバイス1がDNA読取装置に装着された場合、固体撮像デバイス3のソースライン42,42,…が一定電圧源に接続され、この例ではソースライン42,42,…が接地されるようになっている。
トップゲートドライバ74は、シフトレジスタである。つまり、トップゲートドライバ74は、駆動回路77から制御信号Tcntを入力することによって、トップゲートライン44,44,…にリセットパルス(図8に図示)を順次出力するようになっている。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルである。一方、トップゲートドライバ74は、リセットパルスを出力しない時にローレベルの−20〔V〕の電位をそれぞれのトップゲートライン44に印加するようになっている。
ボトムゲートドライバ75は、シフトレジスタである。つまり、ボトムゲートライン41,41,…にリードパルス(図8に図示)を順次出力するようになっている。リードパルスのレベルは+10〔V〕のハイレベルであり、リードパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のローレベルである。
トップゲートドライバ74が任意の行(i行目)のトップゲートライン44にリセットパルスを出力した後にキャリア蓄積期間を経てボトムゲートドライバ75が同じ行のボトムゲートライン41にリードパルスを出力するように、トップゲートドライバ74及びボトムゲートドライバ75は出力信号をシフトするようになっている。つまり、各行では、リードパルスが出力されるタイミングは、リセットパルスが出力されるタイミングより遅れている。また、任意の行のトップゲートライン44へのリセットパルスの入力が開始してから、同じ行のボトムゲートライン41へのリードパルスの入力が終了するまでの期間は、その行の選択期間である。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルであり、リセットパルスが出力されていない時のレベルは−20〔V〕のローレベルである。
ドレインドライバ76は、それぞれの行の選択期間において、リセットパルスが出力されてからリードパルスが出力されるまでの間に、全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルス(図8に図示)を出力するようになっている。プリチャージパルスのレベルは+10〔V〕のハイレベルであり、プリチャージパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のローレベルである。また、ドレインドライバ76は、プリチャージパルスの出力後にドレインライン43,43,…の電圧を増幅して、駆動回路77に出力するようになっている。
駆動回路77は、演算処理装置72によって駆動されることによって、ボトムゲートドライバ75、トップゲートドライバ74、ドレインドライバ76に制御信号Bcnt、Tcnt、Dcntをそれぞれ出力することでボトムゲートドライバ75、トップゲートドライバ74、ドレインドライバ76に適宜パルスを出力させるようになっている。更に、駆動回路77は、リードパルスが出力されてから所定時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出することによって、又はリードパルスが出力されてからドレインライン43,43,…の電圧が所定閾値電圧に至るまでの時間を検出することによって、画像を取得し、その画像を演算処理装置72に出力するようになっている。演算処理装置72は、駆動回路77から入力した画像のうち分析領域50内の像を表示装置71に表示させるようになっている。また、演算処理装置72は、駆動回路77から入力した画像のうち情報担持領域51内の像の各画素を2ビット化して所定情報を読み取るようになっている。
DNA分析デバイス1及びDNA読取装置を用いたDNAの分析方法(同定方法)について説明する。
まず、作業者が検体からDNAを採取して、採取したDNAを一本鎖DNA断片に変性し、DNA断片に蛍光物質又は光共鳴散乱物質を結合させ、DNA断片を蛍光物質又は光共鳴散乱物質で標識する。蛍光物質又は光共鳴散乱物質は、DNA読取装置の励起光照射機構73から出射される励起光で励起されるものを選択するが、蛍光物質としては、例えばCyDyeのCy2(アマシャム社製)がある。得られたDNA断片は、溶液中に含まれている。以下では、このDNA断片をサンプルDNA断片という。
次いで、作業者が、サンプルDNA断片を含有した溶液を、DNAが変性する程度に加熱されたDNA分析デバイス1の分析領域50の表面に塗布する。サンプルDNA断片は、電気泳動等によってムラなく分析領域50の表面に分布するようにしてもよい。この後、DNA分析デバイス1をハイブリダイゼーションが引き起こる程度に冷却する。サンプルDNA断片は、スポット60,60,…のうちで相補性を有するプローブDNA断片61のものがあれば、そのスポット60でプローブDNA断片61と結合し、スポット60,60,…のうちで相補性を有しないプローブDNA断片61しかないものであれば、そのスポット60のプローブDNA断片61とは結合しない。DNA分析デバイス1に塗布したサンプルDNA断片のうちハイブリダイゼーションしなかったものは洗い流す。
次いで、作業者がDNA分析デバイス1をDNA読取装置にセッティングすると、トップゲートライン44,44,…がトップゲートドライバ74の端子にそれぞれ接続され、ボトムゲートライン41,41,…がボトムゲートドライバ75の端子に接続され、ドレインライン43,43,…がドレインドライバ76の端子にそれぞれ接続される。
次に、演算処理装置72が励起光照射機構73を制御して励起光照射機構73を点灯させると、励起光照射機構73が励起光を固体撮像デバイス3の受光面に向けて照射する。
これによって、分析領域50内において、スポット60,60,…のうちサンプルDNA断片とハイブリダイゼーションしたスポット60では、サンプルDNA断片に付着した蛍光体から蛍光(主に可視光)が発し、サンプルDNA断片と結合しなかったスポット60では蛍光が発しない。そのため、サンプルDNA断片と結合したスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20には高強度の蛍光が入射し、サンプルDNA断片と結合していないスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20には殆ど蛍光が入射しない。固体撮像デバイス3の受光面にスポット60,60,…が固定されているため、サンプルDNA断片と結合したスポット60から発した蛍光はあまり減衰せずに、そのスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20に入射して電子−正孔対を発生させる。従って、ダブルゲートトランジスタ20,20,…の感度が低くても、十分に強度を検知することができる。
一方、情報担持領域51内においては、光透過性変調部65によって被覆されたダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23には励起光が入射しないが、光透過性変調部65によって被覆されていないダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23には励起光が入射する。
そして、演算処理装置72が駆動装置(トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76及び駆動回路77)を制御することにより、駆動装置が固体撮像デバイス3を駆動することによって、固体撮像デバイス3がダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれで光強度又は光量を検知し、受光面に沿った光強度分布を二次元の画像データとして取得する。
駆動装置による画像取得動作は以下のようになる。
即ち、駆動回路77がトップゲートドライバ74に制御信号Tcntを出力し、トップゲートドライバ74が1行目のトップゲートライン44から6行目のトップゲートライン44へと順次リセットパルスを出力する。また、駆動回路77がボトムゲートドライバ75に制御信号Bcntを出力し、ボトムゲートドライバ75がボトムゲートライン41,41,41,…に順次リードパルスを出力する。また、駆動回路77が制御信号Dcntをドレインドライバ76に出力し、ドレインドライバ76が各行でリセットパルスが出力されているリセット期間と各行でリードパルスが出力されている期間との間に、プリチャージパルスを全てのドレインライン43,43,…に出力する。
任意の行(i行目)の各ダブルゲートトランジスタ20の動作について詳細に説明する。図8に示すように、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力すると、i行目のトップゲートライン44がハイレベルになる。i行目のトップゲートライン44がハイレベルになっている間(この期間をリセット期間という。)、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20では、半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリア(ここでは、正孔である。)が、トップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。
次に、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力することを終了する。i行目のトップゲートライン44のリセットパルスが終了してから、i行目のボトムゲートライン41にリードパルスが出力されるまでの間(この期間をキャリア蓄積期間という。)、光量に従った量の電子−正孔対が半導体膜23内で生成され、そのうちの正孔がトップゲート電極30の電界により半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
次に、キャリア蓄積期間中に、ドレインドライバ76が全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスを出力する。プリチャージパルスが出力されている間(プリチャージ期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20においては、トップゲート電極30に印加されている電位が−20〔V〕であり、ボトムゲート電極21に印加されている電位が±0〔V〕であるため、たとえ半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積された正孔の電荷だけではゲート−ソース間電位が低いので半導体膜23にはチャネルが形成されず、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流は流れない。プリチャージ期間において、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流が流れないため、ドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスによってi行目の各ダブルゲートトランジスタ20のドレイン電極28に電荷がチャージされる。
次に、ドレインドライバ76がプリチャージパルスの出力を終了するとともに、ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力する。ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力している間(この期間を、リード期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20のボトムゲート電極21に+10〔V〕の電位が印加されているため、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20がオン状態になる。
リード期間においては、キャリア蓄積期間において蓄積されたキャリアがトップゲート電極30とボトムゲート電極21との間の電圧を緩和するように働くため、ボトムゲート電極21とトップゲート電極30との間の電圧により半導体膜23にチャネルが形成されて、ドレイン電極28からソース電極27に電流が流れるようになる。従って、リード期間では、ドレインライン43,43,…の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
ここで、キャリア蓄積期間において半導体膜23に入射した光量が多くなるにつれて、蓄積されるキャリアも多くなり、蓄積されるキャリアが多くなるにつれて、リード期間においてドレイン電極28からソース電極27に流れる電流のレベルも大きくなる。従って、リード期間におけるドレインライン43,43,…の電圧の変化傾向は、キャリア蓄積期間で半導体膜23に入射した光量に深く関連する。そして、駆動回路77が、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、リード期間が開始してから所定の時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出してD/A変換する。これにより、光の強度に換算される。なお、駆動回路77が、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、所定の閾値電圧に至るまでの時間を検出しても良い。この場合でも、光の強度に換算される。また、図8では、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスが立ち下がってからであるが、これに限らず、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、トップゲートドライバ74のi行目のリセットパルスの立ち下がり直後からボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がりまでの間であってもよい。ただし、(i+1)行目のダブルゲートトランジスタ20のためにドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスの出力は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がり以降になるように設定されている。
上述した一連の画像読み取り動作を1サイクルとして、全ての行の各ダブルゲートトランジスタ20にも同等の処理手順を繰り返すことにより、DNA分析デバイス1上の光の強度分布が画像として取得される。そして、光強度分布を表した画像は、駆動回路77から演算処理装置72へ出力される。演算処理装置72は、駆動回路77から入力した画像のうち分析領域50内の像を表示装置71に表示させる。表示された画像中のどの部分の光強度が大きいかによって、サンプルDNA断片の塩基配列を特定することができる。一方、演算処理装置72は、駆動回路77から入力した画像のうち情報担持領域51内の像の各画素を2ビット化して所定情報を読み取る。
以上のように、本実施形態によれば、固体撮像デバイス3で撮像を行うことによって、分析領域50ではサンプルDNA断片の分析する工程と、情報担持領域51では所定情報を読み取る工程とを同時に行うことができる。
このためバーコードでDNA分析前に情報を読み取る場合では、作業者の思い違い等によって誤ったバーコード付きDNAチップをDNA分析装置にセットしてもDNA分析時に誤っていることを認識することはできないが、本実施形態ではDNA分析と最終的に誤認していないかの情報の読み取りを同時に行えるので、効率的且つ正確にDNA分析を行うことができる。また、DNA分析デバイス1では、分析領域50の固体撮像デバイス3と情報読み取り用の情報担持領域51の固体撮像デバイス3を同時に作り込むことができるので製造工程をあまり変える必要がなく、さらにDNA読取装置にバーコードリーダ等のような読取機器を別途設ける必要がないので、DNA読取装置のコストを抑えることができる。
〔変形例〕
なお、図7に示すように、励起光照射機構73が固体撮像デバイス3の受光面の上から受光面に向けて励起光を照射するように設けられているが、図9に示すように励起光照射機構173が固体撮像デバイス3の裏面の下から裏面に向けて励起光を照射するように設けられても良い。この場合のDNA分析デバイス101においては、光透過性変調部65,65,…に代えて光反射部165,165,…が情報担持領域51内に点在している。情報担持領域51内においては、光反射部165が各ダブルゲートトランジスタ20ごとに被覆しているか否かによって所定情報がビット化した状態で担持されている。光反射部165,165,…は、励起光照射機構173から発する励起光を反射する性質を有し、更には可視光を反射する性質を有しても良い。このDNA分析デバイス101は、励起光透過性変調層34が形成されていないことが、DNA分析デバイス1と異なる。その他については、DNA分析デバイス101の各部はDNA分析デバイス1の各部と同じであり、DNA分析デバイス101において、DNA分析デバイス1のいずれかの部分と同一の部分に対しては同一の符号を付し、同一の部分についての説明は省略する。
このDNA分析デバイス101では、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のボトムゲート電極21が遮光性を有しているため、励起光照射機構173から発した励起光が半導体膜23に直接入射することはない。一方、ダブルゲートトランジスタ20,20,…の間では励起光が透過して、スポット60,60,…や光反射部165,165,…に入射する。
分析領域50内においては、サンプルDNA断片と結合したスポット60は励起光によって蛍光を発し、そのスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23に蛍光が入射する。
一方、情報担持領域51内においては、光反射部165によって被覆されたダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23には励起光が入射するが、光反射部165によって被覆されていないダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23には励起光が入射しない。これにより、情報担持領域51内に担持された所定情報がビット化した状態で読み取られる。
上記DNA分析デバイス1,101では、光電変換素子としてダブルゲートトランジスタ20,20,…を画素として用いた固体撮像デバイス3を用いているが、別の種類の光電変換素子を画素として用いた固体撮像デバイスをDNA分析デバイスに用いても良い。例えば、フォトダイオードを画素として用いたCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等といった固体撮像デバイスを用いても良い。CCDイメージセンサにおいては、フォトダイオードが基板上にマトリクス状となって配列されており、それぞれのフォトダイオードの周囲には、フォトダイオードで光電変換された電気信号を転送するための垂直CCD、水平CCDが形成されている。CMOSイメージセンサにおいては、フォトダイオードが基板上にマトリクス状となって配列されており、それぞれのフォトダイオードの周囲にはフォトダイオードで光電変換された電気信号を増幅するためのCMOS回路が設けられている。
本発明の実施の形態におけるDNA分析デバイス1の平面図である。 DNA分析デバイス1とともにDNA読取装置の概略構成を示したブロック図である。 DNA分析デバイス1に用いた固体撮像デバイス3の1つの画素の平面図である。 分析領域内50内にある1つの画素の断面図である。 情報担持領域51内において光透過性変調部65によって被覆されていない画素の断面図である。 情報担持領域51内において光透過性変調部65によって被覆された画素の断面図である。 DNA分析デバイス1をDNA読取装置にセッティングした場合の形態を示した側面図である。 ドライバによって固体撮像デバイス3に出力される電気信号のレベルの推移を示したタイミングチャートである。 別のDNA分析デバイス101をDNA読取装置にセッティングした場合の形態を示した側面図である。
符号の説明
1、101 … DNA分析デバイス
3 … 固体撮像デバイス
17 … 透明基板
20 … ダブルゲートトランジスタ(光電変換素子、画素)
21 … ボトムゲート電極
23 … 半導体膜
30 … トップゲート電極
31 … 保護絶縁層(保護層)
34 … 励起光透過性変調層
60 … スポット
61 … プローブDNA断片
65 … 光透過性変調部
165 … 光反射部

Claims (5)

  1. 固体撮像デバイスと、
    既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、前記固体撮像デバイスの受光面のうちの分析領域内に点在した複数種のスポットと、
    前記固体撮像デバイスの受光面のうちの情報担持領域内に所定情報に応じて所定の位置に配置された複数の光透過性変調部と、を備えることを特徴とするDNA分析デバイス。
  2. 前記固体撮像デバイスの受光面のうちの分析領域内に励起光透過性変調層が形成され、前記複数種のスポットが前記励起光透過性変調層上に点在していることを特徴とする請求項1に記載のDNA分析デバイス。
  3. 前記所定情報は、識別するための識別情報、製造時期情報、製造場所情報、DNAの抽出元の動植物の種類情報、その動植物の個体の特定情報、分析目的情報、分析有効期限情報の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のDNA分析デバイス。
  4. 既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、分析領域内に点在した複数種のスポットと、
    情報担持領域内に所定情報に応じて所定の位置に配置された複数の光透過性変調部と、
    前記分析領域内に配置された第一固体撮像デバイスと、
    前記情報担持領域内に配置され、前記第一固体撮像デバイスと同一構造の第二固体撮像デバイスと、
    を備えることを特徴とするDNA分析デバイス。
  5. 遮光性を有するボトムゲート電極、光に感度を示す半導体膜、光を透過するトップゲート電極の順に透明基板の表面上に積層してなる複数の光電変換素子が前記透明基板の表面上に互いに離間して配列され、光を透過する保護層によって前記複数の光電変換素子をまとめて被覆してなる固体撮像デバイスと、
    既知の塩基配列を有したプローブDNA断片からなり、前記保護層の表面のうち一部の領域内に点在した複数種のスポットと、
    前記保護層の表面のうち別の領域内に点在した複数の光反射部と、を備え、
    前記光反射部が前記固体撮像デバイスの各光電変換素子ごとに被覆しているか否かによって所定情報がビット化した状態で前記別の領域内に担持されていることを特徴とするDNA分析デバイス。
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