JP4569346B2 - 生体高分子分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像デバイスを用いた生体高分子分析方法に関する。
近年、様々な生物種の遺伝子の発現解析を行っている。遺伝子の発現解析とは、細胞で発現している遺伝子を同定することであり、具体的には、遺伝子をコードするDNAから転写されているmRNAを同定することである。
遺伝子の発現解析のためにDNAマイクロアレイ及びその読取装置が開発されている。DNAマイクロアレイは、プローブとなる既知の塩基配列のcDNAをスライドガラス等の固体担体上にマトリックス状に整列固定させたものである(例えば特許文献1参照)。ここで、既知の塩基配列のcDNAとしては、検体において既知のmRNAと同一、またはその一部と同一の塩基配列のcDNAが用いられる。DNAマイクロアレイ及びその読取装置を用いた遺伝子の発現解析は次のようにして行う。
まず、複数種類の配列既知のcDNA(以下、プローブDNAという)をスライドガラス等の固体担体に整列固定させたDNAマイクロアレイを準備する。次に、検体からmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いて蛍光物質で標識したcDNA(以下、サンプルDNAという)を合成する。次に、サンプルDNAを蛍光物質で標識化してからDNAマイクロアレイ上に添加すると、サンプルDNAが相補的なプローブDNAとハイブリダイズすることによりDNAマイクロアレイ上に固定される。サンプルDNAを標識する蛍光物質は励起されるとサンプルDNAが結合したプローブDNAの位置から蛍光を発することになる。
次いで、DNAマイクロアレイを読取装置にセッティングし、読取装置にて分析する。読取装置は、励起光の照射点をDNAマイクロアレイに対して二次元的に移動し、それと共に集光レンズ及びフォトマルチプライヤーによってDNAマイクロアレイを二次元走査する。励起光により励起された蛍光物質から発した蛍光を集光レンズで集光させ、蛍光強度をフォトマルチプライヤーで計測することで、DNAマイクロアレイの面内の蛍光強度分布を計測し、これにより、DNAマイクロアレイ上の蛍光強度分布が二次元の画像として出力される。出力された画像内で蛍光強度が大きい部分には、プローブDNAの塩基配列と相補的な塩基配列を有したサンプルDNAが含まれていることを表している。従って、二次元画像中のどの部分の蛍光強度が大きいかによって、配列既知のmRNAのうち、どれが検体で発現しているかを同定することができる。
特開2000−131237号公報
ところで、複数の光電変換素子を二次元アレイ状に配列した固体撮像デバイスの受光面にプローブDNAをスポットした生体高分子分析チップが開発されている。このような生体高分子分析チップでは、スポットに付着したサンプルDNA等の生体高分子を標識する蛍光物質、発光物質等の標識物質からの光を各光電変換素子により計測する。固体撮像デバイスの受光面にスポットが点在しており、標識物質から発した光を個々の光電変換素子が検知するというものである。
しかしながら、サンプルDNAと相補的なプローブDNAの塩基配列はそれぞれ異なっているので、サンプルDNAとのハイブリダイゼーションのしやすさも互いに異なる。サンプルDNAと相補的な塩基配列にもにもかかわらずハイブリダイゼーションしにくいスポットでは必然的に蛍光の量が小さい。また各スポットのサンプルDNAの数が違っても同様のことが生じる。
そこで、本発明は、このような問題点を解決しようとしてなされたものであり、効率的に蛍光を読み取ることを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の第1電極の上において複数の第2電極線を直交させるとともに前記第1の電極線と第2の電極線との各交差部に光電変換素子を形成した単純マトリクス構造の固体撮像デバイスを用い、既知の生体高分子からなる複数種のスポットを前記第2の電極線の上の受光面上に点在させ、前記受光面をバッファー液で覆い、標識化した生体高分子のサンプルを前記バッファー液に添加し、前記スポットの下にある光電変換素子の前記第1の電極線及び前記第2の電極線に選択的に正電圧を印加し、前記バッファー液中の生体高分子のサンプルを引き寄せることを特徴とする。
本発明によれば、効率的に蛍光を読み取ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔1〕分析支援装置1の全体構成
図1は、本発明を適用した実施形態における分析支援装置1の概略平面図であり、図2は、図1の切断線II−IIに沿った面の矢視断面図であり、図3は、分析支援装置1のブロック図である。
図1及び図2に示すように、この分析支援装置1においては、矩形枠状の浴槽71の底に固体撮像デバイス3が設けられ、浴槽71にはバッファー液72が注入されている。また、固体撮像デバイス3の受光面に複数のスポット60が点在し、固体撮像デバイス3の受光面に励起光照射装置73が対向し、受光面の反対面に可視光照射装置74が対向している。更に、この分析支援装置1には、固体撮像デバイス3の駆動回路を有したコントローラ75が設けられ、このコントローラ75によって固体撮像デバイス3が駆動されるとともに、励起光照射装置73及び可視光照射装置74の点灯・消灯が行われる。また、コントローラ75には出力装置76が接続され、コンピュータ75の信号により出力装置75にて出力(表示又はプリント)が行われる。
〔2〕固体撮像デバイス
図1〜図2、図4〜図5を用いて固体撮像デバイス3について詳細に説明する。ここで、図4は、固体撮像デバイス3の画素である光電変換素子の電極構造を示した平面図であり、図5は、図4の切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図である。
この固体撮像デバイス3は単純マトリクス構造となっている。即ち、互いに平行に配列された複数のボトムゲートライン(第1の電極線)41が透明基板17上に配列され、複数のトップゲートライン(第2の電極線)44が平面視してボトムゲートライン41に対して直交するよう配列され、ボトムゲートライン41とトップゲートライン44の各交差部に光電変換素子としてのダブルゲート型薄膜トランジスタ(以下、ダブルゲートトランジスタという。)20が設けられている。
透明基板17は、光を透過する性質(以下、光透過性という。)を有するとともに絶縁性を有し、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート、PMMA等といったプラスチック基板である。
ダブルゲートトランジスタ20は何れも、受光層である半導体膜23と、ボトムゲート絶縁膜22を挟んで半導体膜23に対向したボトムゲート電極21と、トップゲート絶縁膜29を挟んで半導体膜23に対向したトップゲート電極30と、半導体膜23の一部に重なるよう形成された不純物半導体膜25と、半導体膜23の別の部分に重なるよう形成された不純物半導体膜26と、不純物半導体膜25に重なったソース電極27と、不純物半導体膜25に重なったドレイン電極28と、を備え、半導体膜23において受光した光量に従ったレベルの電気信号に変換するものである。
ボトムゲート電極21は、ボトムゲートライン41と一体形成されたものである。ボトムゲートライン41に沿って配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20はそのボトムゲートライン41を共有している。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41はボトムゲート絶縁膜22によって被覆されている。すなわち、ボトムゲート絶縁膜22は、全てのダブルゲートトランジスタ20に共通して形成された膜であり、べた一面に成膜されている。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)からなる。
ボトムゲート絶縁膜22上に半導体膜23が形成されている。半導体膜23は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立して形成されている。半導体膜23は、平面視して略矩形状を呈しており、受光した光量に応じた量の電子−正孔対を生成するアモルファスシリコン又はポリシリコンで形成された層である。
半導体膜23上には、チャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立してパターニングされており、それぞれのダブルゲートトランジスタ20において半導体膜23の中央部上に形成されている。チャネル保護膜24は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23を保護するものである。半導体膜23に光が入射すると、入射した光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24と半導体膜23との界面付近を中心に発生するようになっている。この場合、半導体膜23側にはキャリアとして正孔が発生し、チャネル保護膜24側には電子が発生する。
半導体膜23の一端部上には、不純物半導体膜25が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されており、半導体膜23の他端部上には、不純物半導体膜26が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されている。不純物半導体膜25,26は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立してパターニングされている。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
不純物半導体膜25上には、ソース電極27が形成され、不純物半導体膜26上には、ドレイン電極28が形成されている。ソース電極27は、ボトムゲートライン41に対して平行となったソースライン42と一体形成され、ドレイン電極28は、ボトムゲートライン41に対して平行となったドレインライン43と一体形成されている。ソースライン42及びドレインライン43に沿って配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20はそのソースライン42及びドレインライン43を共有している。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42及びドレインライン43は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42及びドレインライン43は、トップゲート絶縁膜29によって被覆されている。トップゲート絶縁膜29は全てのダブルゲートトランジスタ20に共通して形成された膜であり、べた一面に成膜されている。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
トップゲート絶縁膜29上にはトップゲート電極30が形成され、トップゲート電極30が半導体膜23に対して対向配置されでいる。トップゲート電極30は、トップゲートライン44と一体形成されたものである。トップゲートライン44に沿って配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20はそのトップゲートライン44を共有している。トップゲート電極30及びトップゲートライン44は、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
トップゲート電極30及びトップゲートライン44は保護絶縁膜31によって被覆され、保護絶縁膜31は全てのダブルゲートトランジスタ20に共通して形成された膜であり、べた一面に成膜されている。保護絶縁膜31は、絶縁性及び光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
保護絶縁膜31上には、励起光を遮蔽するとともに蛍光を透過する励起光遮蔽膜32が成膜されている。励起光と蛍光は異なる波長であり、例えば励起光が紫外線波長域の光であり、蛍光が可視光波長域の光である。
ダブルゲートトランジスタ20の光電変換は次のように行われる。ソース電極27及びソースライン42が接地された状態で、図6に示すようなタイミングで電圧が印加される。図6に示すように、トップゲートライン44を介してトップゲート電極30に+5Vのリセットパルスが印加されると、半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリア(ここでは、正孔である。)がトップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。トップゲート電極30にリセットパルスが印加されている期間をリセット期間という。
リセットパルスが終了してから、ボトムゲートライン41を介してボトムゲート電極21に+10Vのリードパルスが印加されるまでの間(この期間をキャリア蓄積期間という。)、光量に従った量の電子−正孔対が半導体膜23内で生成されるが、そのうちの正孔がトップゲート電極30の電界により半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
キャリア蓄積期間中に、ドレインライン43を介してドレイン電極28に+10Vのプリチャージパルスが印加されるが、トップゲート電極30に印加されている電圧が−20Vであり、ボトムゲート電極21に印加されている電位が±0Vであるため、たとえ半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積された正孔の電荷だけではゲート−ソース間電位が低いので半導体膜23にはチャネルが形成されず、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流は流れない。そのため、ドレイン電極28に電荷がチャージされる。
次に、プリチャージパルスが終了するとともに、リードパルスがボトムゲート電極21に印加される。リードパルスが印加されている期間をリード期間という。リード期間においては、キャリア蓄積期間において蓄積されたキャリアがトップゲート電極30の負電界を緩和するように働くため、ボトムゲート電極21の正電界により半導体膜23にnチャネルが形成されて、ドレイン電極28からソース電極27に電流が流れるようになる。従って、リード期間では、ドレイン電極28の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。ここで、キャリア蓄積期間において半導体膜23に入射した光量が多くなるにつれて、蓄積されるキャリアも多くなり、蓄積されるキャリアが多くなるにつれて、リード期間においてドレイン電極28からソース電極27に流れる電流のレベルも大きくなる。従って、リード期間におけるドレイン電極28の電圧の変化傾向は、キャリア蓄積期間で半導体膜23に入射した光量に依存する。これにより、キャリア蓄積期間で半導体23に入射した光量がドレイン電極30の電圧として光電変換される。
上述のサイクルが1つのダブルゲートトランジスタ20の光電変換のサイクルであるが、トップゲートライン44がボトムゲートライン41及びドレインライン43に対して直交しているので、ボトムゲートライン41及びドレインライン43とトップゲートライン44との組み合わせによって、複数のダブルゲートトランジスタ20中から1つずつ順次選択していく。つまり、パッシブ駆動方式(単純マトリクス駆動方式)で固体撮像デバイス3を駆動すれば、これらダブルゲートトランジスタ20の光電変換が順次行われ、各ダブルゲートトランジスタ20に入射した光量が電圧として出力される。
〔3〕スポット
次に、スポット60について説明する。図1に示すように、複数種のスポット60が互いに離間して、マトリクス状となって固体撮像デバイス3の受光面上に配列されている。1つのスポット60は一本鎖プローブDNAが多数集まった群集であり、1つのスポット60に含まれる多数の一本鎖プローブDNAは同じ塩基配列(ヌクレオチド配列)を有する。また、スポット60ごとに一本鎖プローブDNAの塩基配列が異なる配列となっている。一本鎖プローブDNAとしては、検体において既知のmRNAの塩基配列、またはその一部と同一の、あるいは相補的な塩基配列のDNAが用いられる。
1つのスポット60につき複数のダブルゲートトランジスタ20が覆われているが、スポット60に覆われていないダブルゲートトランジスタ20もある。
〔4〕浴槽、バッファー液
次に、浴槽71及びバッファー液72について説明する。浴槽71によって固体撮像デバイス3の受光面が囲繞され、浴槽71にバッファー液72が注入されることによって、固体撮像デバイス3の受光面全体がバッファー液72によって覆われている。
〔5〕励起光照射装置、可視光照射装置
励起光照射装置73は、固体撮像デバイス3の受光面の上から固体撮像デバイス3の受光面に向けて励起光を照射するものである。励起光照射装置73により放射される励起光は、励起光遮蔽膜32によって遮蔽される波長域の光であり、具体的には紫外線波長域である。
可視光照射装置74は、固体撮像デバイス3の受光面の反対の面の下からその面に向けて可視光を照射するものである。固体撮像デバイス3はボトムゲート電極21、ボトムゲートライン41、ソース電極27、ソースライン42、ドレイン電極28、ドレインライン43の部分を除いて光透過性であるから、可視光がそれぞれのダブルゲートトランジスタ20の間において固体撮像デバイス3の受光面から上へ出射する。
〔6〕コントローラ、出力装置
コントローラ75は、CPU、RAM、ROM、駆動回路等を備え、励起光照射装置73及び可視光照射装置74を消灯・点灯させる機能を有する。更に、コントローラ75は、固体撮像デバイス3を駆動することによって固体撮像デバイス3の各ダブルゲートトランジスタ20から光量を表す信号を入力する機能を有する。また、コントローラ75は、出力装置76に出力動作を行わせる。
出力装置76は、プリンタ又はディスプレイであり、コントローラ75の画像信号により画像を出力するものである。
〔7〕分析方法
上記分析支援装置1を用いてサンプルを分析する方法について説明する。
図7に示す工程順のように、分析方法は、サンプルを調製する工程S1と、各スポット60の点着位置を特定する工程S2と、スポット60にサンプルをハイブリダイゼーションする工程S3と、蛍光の発した箇所を特定する工程S4とからなる。以下、各工程について説明する。
工程S1においては、検体からcDNAを採取して、場合によってPCR増幅を行い、得られたDNAに蛍光物質を結合させ、DNAを蛍光物質で標識する。蛍光物質は、励起光照射装置63から出射される励起光で励起されるものであってその励起光によって蛍光を発するものを選択するが、蛍光物質としては、例えばCyDyeのCy2(アマシャム社製)がある。得られたDNAは、溶液中に含まれている。以下では、このDNAをサンプルDNAという。
工程S2においては、コントローラ75によって可視光照射装置74を点灯させる。そのため、固体撮像デバイス3に入射した可視光が固体撮像デバイス3の受光面から上へ出射するが、受光面で一部反射する。ここで、スポット60が点着されていない部分では一部の可視光が励起光遮蔽膜32の表面で反射し、スポット60が点着されている部分では可視光が励起光遮蔽膜32を通過しスポット60内に伝搬する。このためスポット60が点着されている部分の反射率は、スポット60が点着されていない部分の反射率よりも低い。したがって、スポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20に入射する光の強度は、スポット60の下にないダブルゲートトランジスタ20に入射する光の強度よりも弱い。
可視光照射装置74が点灯した状態でコントローラ75によって固体撮像デバイス3を駆動すると、図6に示すようなチャートのようなタイミングの電圧が各ダブルゲートトランジスタ20に順次印加されるので、各ダブルゲートトランジスタ20に入射した光量が電気信号に変換される。上述したように、スポット60の下のダブルゲートトランジスタ20の光量がスポット60の下にないダブルゲートトランジスタ20の光量よりも大きいから、スポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20がコントローラ75によって特定され、これによりスポット60の位置も特定される。ここで、コントローラ75は、スポット60の位置及びそのスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20の位置も記憶する。なお、コントローラ75が予めスポット60の位置を記憶し、そのスポットにあるダブルゲートトランジスタ20の位置を記憶している場合、工程S2を省略することができる。
工程S3においては、浴槽71にバッファー液72を注入し、サンプルDNAを含有した溶液をバッファー液72に添加する。そして、図1に示すように、分析支援装置1の縦方向の列を左側から右側に向けて順にA,B,C,D,E,F,G,H列とし、横方向の行を上側から下側に向けて順に、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八行とすると、図8に示すように、スポット60が検知された位置に対応するダブルゲートトランジスタ20では、コントローラ75がボトムゲートライン41に正電圧Hを印加し更にトップゲートライン44を正電圧Hに印加して、それぞれのダブルゲートトランジスタ20のトップゲート電極30による電圧とボトムゲート電極21の電圧による電界によって、負電位を帯びるサンプルDNAをダブルゲートトランジスタ20の上方まで順次引き寄せる。つまりパッシブ駆動方式のように複数のダブルゲートトランジスタ20中から1つずつ順次選択して電圧を印加していく。具体的には、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八行の順に選択的に正電圧Hを順次印加し、その選択期間に、スポット60に対応しているダブルゲートトランジスタ20の列では(スポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20は、先ほどの工程S2においてコントローラ75が記憶している。)、ボトムゲート電極21に正電圧Hを印加し、スポット60に対応していないダブルゲートトランジスタ20の列ではボトムゲート電極21には負電圧Lが印加される。この選択された行において、スポット60に対応していないダブルゲートトランジスタ20ではボトムゲート電極21の負電圧Lによって、トップゲート電極30の正電圧Hを相殺するのでサンプルDNAを電気的に吸い寄せにくい。また選択されていない行のダブルゲートトランジスタ20では、トップゲート電極30に負電圧Lが印加されボトムゲート電極21に正電圧Hが印加されているか、トップゲート電極30に負電圧Lが印加されボトムゲート電極21に負電圧Lが印加されているかなので、サンプルDNAを電気的に吸い寄せにくい。
スポット60にサンプルDNAが電気的に引き寄せられ凝集するので、スポット60のプローブDNAとサンプルDNAが相補的である場合に、それらがハイブリダイゼーションしやすくなり、結合に要する時間を短縮することができる。スポット60のプローブDNAとサンプルDNAが相補的でない場合には、それらは結合しない。一端ハイブリダイゼーションした後は、他の行のダブルゲートトランジスタ20のトップゲート電極30に正電圧Hが印加され且つボトムゲート電極21に正電圧Hが印加されても、そのダブルゲートトランジスタ20に吸い寄せられることはない。
全てのダブルゲートトランジスタ20を選択し終わった後に、再びダブルゲートトランジスタ20を1つずつ順次選択して電圧を印加しても良い。
工程S4においては、浴槽71からバッファー液72を排水し、固体撮像デバイス3の受光面をすすぐ。これにより、結合しなかったサンプルDNAを洗い流す。
次に、コントローラ75によって励起光照射装置73を点灯させる。サンプルDNAに結合したスポット60からは励起光によって蛍光が発する。サンプルDNAに結合していないスポット60からは蛍光が発しない。そのため、サンプルDNAと結合したスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20には蛍光が入射するが、サンプルDNAと結合していないスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20には蛍光が入射しない。なお、励起光は励起光遮蔽膜32によって遮蔽されるので、ダブルゲートトランジスタ20には励起光が入射しない。
励起光照射装置73が点灯した状態でコントローラ75によって固体撮像デバイス3を駆動すると、図6に示すようなチャートのようなタイミングの電圧が各ダブルゲートトランジスタ20に順次印加されるので、各ダブルゲートトランジスタ20に入射した光量が電気信号に変換される。ここで、スポット60の下にないダブルゲートトランジスタ20の選択は飛ばし、図6に示すようなチャートのようなタイミングの電圧をそのダブルゲートトランジスタ20に印加しない。
上述したように、サンプルDNAと結合したスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20には蛍光が入射し、サンプルDNAと結合しなかったスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20には蛍光が入射しないから、サンプルDNAに結合したスポット60の下にあるダブルゲートトランジスタ20がコントローラ75によって特定され、サンプルDNAに結合したスポット60の位置も特定される。
そして、コントローラ75によって出力装置76が出力動作を行い、サンプルDNAに結合したスポット60の位置が出力装置76から出力されたり、サンプルDNAに結合したスポット60の塩基配列が出力装置76から出力されたりする。これにより、サンプルDNAの塩基配列を特定することができるが、具体的にはサンプルDNAは、結合したスポットの塩基配列と相補的な配列である。
以上のように、本実施形態によれば、スポット60の位置を特定し、そのスポット60にサンプルDNAが凝集するように、トップゲート電極30に電圧を印加せずにボトムゲート電極21に正電圧を印加した。そのため、バッファー液72中のサンプルDNAがスポット60に相補的な場合、サンプルDNAとスポットが短時間で結合する。そのため、サンプルDNAの分析に要する時間を短縮することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。以下、生体高分子分析方法の変形例について説明する。
上記実施形態では、スポット60に既知の塩基配列の一本鎖DNAを用いたが、その他の既知の生体高分子や低分子等を用いてもよい。例えば、既知のアミノ酸配列のペプチドやタンパク、タンパク質と結合する抗体、低分子リガンド、既知の細胞等を用いてもよい。
生体高分子分析支援装置1の概略平面図である。 図1の切断線II−IIに沿った面の矢視断面図である。 生体高分子分析支援装置1のブロック図である。 ダブルゲートトランジスタ20の平面図である。 図4の切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図である。 ダブルゲートトランジスタ20に印加する電圧のタイミングチャートである。 生体高分子分析方法の工程順のフローチャートである。 ハイブリダイゼーションのためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 生体高分子分析支援装置
3 固体撮像デバイス
20 ダブルゲートトランジスタ(光電変換素子)
41 ボトムゲートライン(第1の電極線)
44 トップゲートライン(第2の電極線)
60 スポット

Claims (1)

  1. 複数の第1電極の上において複数の第2電極線を直交させるとともに前記第1の電極線と第2の電極線との各交差部に光電変換素子を形成した単純マトリクス構造の固体撮像デバイスを用い、
    既知の生体高分子からなる複数種のスポットを前記第2の電極線の上の受光面上に点在させ、
    前記受光面をバッファー液で覆い、
    標識化した生体高分子のサンプルを前記バッファー液に添加し、
    前記スポットの下にある光電変換素子の前記第1の電極線及び前記第2の電極線に選択的に電圧を印加し、前記バッファー液中の生体高分子のサンプルを引き寄せることを特徴とする生体高分子分析方法。
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